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見よ!これが補完勢力というものだ!(;`O´)o

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地方政治 強まる危機感 首長 「解釈改憲ノー」続々
(東京新聞【核心】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2014061602000117.html
 安倍晋三首相が目指す集団的自衛権の行使容認のための憲法解釈変更に、各地の知事や市長らが次々と反対の声を上げている。外交や安全保障は、地方政治とは無縁とみられがちで、異論を唱えることは国との関係をぎくしゃくさせかねない。それでも、解釈改憲を急ぐ首相を黙認できないとの思いは静かに広がっている。
(関口克己)

地方政治強まる危機感首長「解釈改憲ノー」続々

「戦争に直結」「9条守れ」

発言が目立ち始めたのは、首相が5月15日の記者会見で憲法解釈変更を検討する考えを表明してから。全国の都道府県と市町村の数は計1800近く。この問題で政権への苦言を公にした首長はまだ多数ではないが、行使容認反対などを求めた意見書を国会に提出した市町村議会も約60あることと合わせ、地方でも危機感が強まっている。

長崎市の田上富久市長は5月30日の記者会見で、安倍政権の動きについて「原爆被爆者には、日本の在り方の大きな方針転換になるのではないかという不安に結び付いている」と指摘。8月9日の原爆犠牲者慰霊平和祈念式典で読み上げる平和宣言文で、この問題に触れる方針だ。

三重県鈴鹿市の末松則子市長は、解釈改憲での行使容認を「戦争に直結すると捉えられかねない」と批判。「母親の立場からみても素晴らしい憲法。9条は変えてほしくない」と訴えた。

首相は会見で、乳児や母親を描いたパネルを用いて行使容認が必要とする事例を説明したが、札幌市の上田文雄市長は「危機感だけをあおる手法は、国民に冷静な判断をさせない催眠商法のやり方に酷似している」と批判した。

自民党参院議員も務めた東京都の舛添要一知事、経済産業省次官などを歴任した大分県の広瀬勝貞知事らも、首相が目指す今国会中の閣議決定に疑問を示す。

定期的な会見をすることが少ない町村長でも、長野県中川村の曽我逸郎村長は村のホームページで首相を戒めている。
強まる危機感 首長「解釈改憲ノー」続々 図版

動き広がれば局面変わる
長野県中川村・曽我逸郎村長

そが・いつろう 1955年、長崎県出身。京大卒業後、広告代理店・電通入社。営業部長で途中退社し、他縁のない長野間中川村に移住。2005年、村の合併に反対するグループから村長選に出馬し初当選。現在3期目。「脱原発をめざす首長会議」にも参加。

 集団的自衛権をめぐる首相の考えに強く反対する首長の一人が、長野県中川村の曽我逸郎村長(58)。人口わずか5000人の山村から危機を訴えている。
 ─なぜ、行使容認に反対なのか。
 「集団的自衛権を行使することは、日本の税金で訓練をした若者が、税金で購入した米国製の兵器とともに、米国の都合で始まった戦争に駆り出されることだ。何重にも売国的だ」
 ─行使容認と地方自治はどう関係するか。
 「行使が認められれば、自民党は国家安全保障基本法案を成立させるはずだ。そこでは、自治体は国と協力して安全保障に必要な施策を実施する責務を負うとされている。自治体のあらゆる分野に国が口を出し、住民の日常生活もからめ取られていく」
 ─各地で、首相の動きに疑問の声を上げる首長が出ている。
 「心強く感じる。ただ、現職の首長の中には、そういう発言はしにくい人もいる。国との関係をこじらせたくないからだ。でも、声を上げなくても、同じ思いを持っている首長は多い」
 ─世論調査でも、行使容認は反対が多い。
 「住民が地元の議会や首長に、行使容認に反対する意見書や声明を出すよう働き掛けてほしい。ゲームのオセロは、黒ばかりの盤面でも、少しずつ白のこまが増えれば、局面は大きく変わる。政治も同じだ」
 ─行使容認に至れば、中川村はどうなるか。
 「日本の若者が命の危機にさらされれば、かつての戦争と同じように、日本を守るために亡くなったとして、若者の村葬をさせられる時が来るかもしれない。自分はそんな弔辞は読みたくない」



沖縄から見た集団的自衛権 基地集中 知事選混迷
(東京新聞【こちら特報部】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014061702000142.html
23日は、太平洋戦争末期の沖縄戦が終結した「慰霊の日」。悲惨な地上戦で、多数の犠牲者が出た。戦後の日米安保体制は、在日米軍基地のほとんどが集中する沖縄の犠牲の上に成り立ってきた。今、集団的自衛権の行使容認に向けた議論が急ピッチで進む。沖縄の人々は、この政治状況をどう見ているのか。
(荒井六貴、篠ケ瀬祐司)

沖縄から見た集団的自衛権 基地集中 知事選混迷

「標的にされるのでは」「戦争の準備している」

 「また戦争に巻き込まれるようなことは絶対反対だ。戦争を知らない世代の政治家は何を考えているのだろうか」
 沖縄県糸満市の平和祈念公園。沖縄戦の戦没者ら約24万人の名前が刻まれた「平和の礎(いしじ)」の前で浦添市の仲本政昭さん(79)は、集団的自衛権の行使容認に向けて突き進む政治状況に疑問を呈す。仲本さんは2人の兄を失い、自身も防空壕(ごう)で銃を構えた米軍に取り囲まれて捕虜になり、命を取り留めた。
 平和の礎に妹3人の名が刻まれている南城市の無職真喜志静子さん(78)も「戦争の話は聞きたくもない。また同じことを繰り返すのでは」と心配を口にした。
 1945年6月23日未明、旧日本軍の牛島満司令官らが自決し、事実上、この日に沖縄戦が終結した。沖縄県民にとって忘れてはならない日だ。
 「昨年4月の主権回復の日に続いて、沖縄県民の心を逆なですることばかりだ」。憲法を考える草の根市民グループ「憲法9条・メッセージ・プロジェクト沖縄」事務局長の城間えり子さん(52)は憤る。
 集団的自衛権の問題に沖縄県民がとくに敏感なのには理由がある。沖縄には日米安保条約に基づく在日米軍基地の約74%が存在しているという現実だ。「米兵や米軍による事故や事件も頻発し、憲法の基本的人権が守られているとは言い難い。いくら基地に反対しても届かず、主権在民でもない。だけど、基地があっても、戦争にならずにすんでいるのは、平和憲法のおかげ」。解釈改憲で集団的自衛権の行使が可能になり、米軍と一体化することになれば、「沖縄が標的になるのでは」と恐れる。
 県議会議長や自民党沖縄県連顧問を務め、県連の重鎮だった仲里利信さん(77)は「集団的自衛権の行使容認は、抑止力になるという意見があるが、対抗する力を強めたら、軍拡競争になる。その先にいったい何があるのか」と警鐘を鳴らす。
 仲里さんは、県連が米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する公約を撤回したことに反発。自民党国会議員の後援会長を退いた。今年1月の名護市長選では、移設反対派の稲嶺進市長を応援した。県連は3月、仲里さんを除名処分にした。「県内移設反対は、保守、革新の立場とは関係なくオール沖縄の意見だ。このままでは、沖縄は、米軍基地が撤廃されるどころか、逆に米軍の要塞(ようさい)化するだろう」
 戦争末期、家族でガマ(洞窟)に隠れていた。3歳の妹といとこが泣いているのを見た日本軍の兵士がおむすびを出し、母親に「毒入りだから、食べさせろ」と言っていたのを鮮明に覚えている。仲里さんは安倍政権について「特定秘密保護法や集団的自衛権の行使容認は、戦争の準備をしているようにしか思えない」と話す。

沖縄から見た集団的自衛権 異変知事選混迷に拍車

保守分裂 「オール沖縄」模索
「県民同士の対立おかしい」


 沖縄県で、政界に異変が起きている。11月に想定されている県知事選で、保守陣営が割れ、従来の保革対決の構図が変化する可能性が高まっているのだ。
 立候補者として名前が挙がっているのは、保守系の大物2人。2010年に自民党県連などの推薦を受けて再選した仲井真弘多(なかいまひろかず)知事と、自民党県連幹事長を経験した翁長雄志(おながたけし)那覇市長だ。翁長氏は10年知事選で、仲井真陣営の選挙対策本部長を務めている。
 かつて行動をともにした両者だが、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設をめぐり、たもとを分かった。
 仲井真氏は知事選で「辺野古移設は事実上不可能だ」と県外移設要求の方針を示していた。それを昨年末に転換し、辺野古沿岸部の埋め立てを承認した。一方、翁長氏は辺野古への移設反対を明言している。
 正式に出馬表明しない仲井真、翁長両氏を尻目に、周囲は走り出している。
 活発な動きを見せるのは翁長氏を推すグループだ。那覇市議会最大会派「自民党新風会」(11人)は今月5日に翁長氏と会い、知事選への出馬を要請した。
 地元経済界も12日、翁長氏擁立を目指す同志会を立ち上げた。中心人物はホテル経営の「かりゆしグループ」の最高経営責任者(CEO)、平良朝敬氏ら。保守候補の支持者として知られていたが、今年1月の名護市長選でも、移設反対の現職候補を応援した。
 その翁長氏は集団的自衛権の行使容認について、6月議会で「憲法9条の下で許容される自衛権の行使は、わが国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきだ。集団的自衛権の行使はその範囲を逸脱する」と明確に反対した。
 一方、知事の後援会は10日、3選を目指して出馬するよう、仲井真氏に要請した。自民党沖縄県連は翁長氏に出馬を求めた那覇市議の除名に動くなど、党内の対立は深まっている。
 野党内には翁長氏との共闘を模索する動きがある。翁長氏は「オール沖縄」を掲げ、米軍新型輸送機・オスプレイの沖縄への配備撤回や、普天間飛行場の県内移設断念を求める運動をリードしてきた。保守政治家でも手を結びやすい相手だ。翁長氏も地元紙、琉球新報とのインタビューで「県民の心を一つにするためには党利党略ではなく最大公約数で、(日本全体の)0.6%の面積に(在日米軍の)74%の基地はいらないという部分で(共闘を)構築することだ」と、主張の違いを超えた連携に前向きな考えを示している。
 沖縄国際大の前泊博盛教授は、「集団的自衛権の行使とは武力を使うことだ。そういう事態になったら、観光客は激減し、船便も滞る。沖縄県は干上がってしまう。抑止力が必要だとの議論が高まり、沖縄の米軍基地固定化につながるおそれもある」と警鐘を鳴らす。
 昨年、県内の市町村長や県議らが、普天間飛行場の県内移設断念とオスプレイの配備撤回を求める「建白書」に署名した。前泊氏は建白書実現に向けた「島ぐるみ会議」の開催を目指す。前出の仲里氏も発起人の一人だ。前泊氏は翁長、仲里両氏らの動きをこう分析する。
 「両氏は、ウチナーンチュ(沖縄の人)同士が対立をさせられるのはおかしいと気付いたのではないか。保守、革新というイデオロギーを超え、沖縄のアイデンティティー(独自性や本質)を大事にしようとする構造的な変化は、県内でかなり進んでいくだろう」

沖縄から見た集団的自衛権 デスクメモ



「必要最小限」歯止めない 古賀茂明さん
しんぶん赤旗日曜版2014年6月15日
「必要最小限」歯止めない 古賀茂明さん


6月13日(金)放送分「集団的自衛権ヤマ場・元官邸キーマンに聞く」

http://youtu.be/5y7V_rb2g24
先週のこの番組では、集団的自衛権の行使容認の鍵を握るとされている公明党の、与党協議メンバーの一人にお話を聞きましたが、その公明党が、集団的自衛権の一部行使容認の検討を始めました。
いよいよ大詰めを迎えることになったこの問題について、元防衛官僚で、小泉政権や第一次安倍政権の時などに内閣官房副長官補として、自衛隊のイラク派遣など、官邸の安全保障戦略の実施に携わった柳澤協二さんをスタジオに迎え、当時の動きや、それに対して今の動きをどう感じるか、などを聞きます


集団的自衛権一転容認へ 国会閉会後「閣議決定」
日刊ゲンダイ2014年6月14日
集団的自衛権一転容認へ 国会閉会後「閣議決定」

 歴代政権が「できない」と禁じてきた”集団的自衛権”を行使できるようにして本当にいいの
か。ゴリ押しする安倍首相に対して、強く抵抗してきた公明党があっさり寝返った。脅しに震え上がり、大慌てで白旗を揚げたらしい。


 集団的自衛権を行使できるように、この国会中に「閣議決定」をする予定だった安倍官邸に対
し、公明党は「まだ議論すべき点は多く残されている」と突っぱねてきた。
 ところが一転、「閣議決定」を認めることになった。
 「とにかく代表の山口那津男さんが『集団的自衛権は認められない』と妥協しようとしなかった。支持母体の創価学攷の意向があったのかも知れない。それが急転直下、公明党は”閣議決定”を認めることになった。ただ、あれだけ抵抗しておきながら、なんの成果もなく、容認するわけにはいかない。そこで閣議決定の時期を国会会期中ではなく、国会閉会後に遅らせることで自民党と話をつけたようです。これなら、公明党が安倍首相の暴走にブレーキをかけた、時間をかけて議論したと支持者に説明できる。でも、実態は公明党の全面譲歩ですよ」(政界関係者)
 公明党が「集団的自衛権」の行使を容認するのは、シナリオ通りという見方がないわけじゃな
い。しかし、このタイミングで慌てて方針転換したのは、エゲツない脅しがあったからだ。
 脅しのひとつは、安倍首相のブレーン飯島勲参与の発言である。わざわざアメリカで公明党が嫌がる「政教一致」について発言した。
 〈公明党と創価学会の関係は政教一致と騒がれてきたが、法制局の発言の積み重ねで政教分離ということになっている〉〈法制局の答弁が変われば『政教一致』が出てきてもおかしくない〉
 集団的自衛権を禁じてきた従来の憲法解釈を変えるように、政教一致についても変えるぞ、という脅しである。
 しかし、公明党がそれ以上にビビつだのは、創価学会の”カルト認定”だったらしい
 先週あたりから政界の裏側では「もし、公明党が集団的自衛権に反対したら、アメリカが創価学会をカルト認定するらしい」という情報が流れはじめた。この情報に公明
党が真っ青になっだのは間違いない。
 「創価学会はフランスではカルトと認定されていますが、たいした実害は
ない。でも、アメリカにカルト扱いされたら激震が走る。アメリカは宗教に寛容な国ですが、宗教団体が過激な政治活動をした場合、宗教団体の免税特権などを剥奪することになっている。創価学会はアメリカにも大学を持ち、創価学会インターナショナル(SGI)が世界中で活動している。アメリカにカルト認定されることだけは避けたいはずです」(霞が関事情通)
 公明党が方針転換した裏にどんな事情があったのか。集団的自衛権の行使を認めるのはシナリオ通りだったとしても、国民の期待をあおり、最後に裏切った公明党は、いずれ国民からしっぺ返しを受けるはずだ


集団的自衛権
 山口代表一転「合意目指す」
公明 行使容認なら矛盾

(東京新聞)2014年6月16日付
集団的自衛権 山口代表一転「合意目指す」

 安全保障法制の見直しをめぐる与党協議で、公明党の動きに注目が集まっている。公明党は、集団的自衛権行使を認める場合でも極めて限定的にとどめる方針とし、山口那津男代表も十三日に「合意を目指す姿勢で臨む」と発言した。だが、山口氏を含む党幹部はこれまで、海外での武力行使や憲法解釈の変更は受け入れられないとの発言を繰り返してきた。解釈変更で合意するとすれば、これまでの発言に反することになる。
(金杉貴雄)

 公明党は憲法解釈変更による行使容認に対し、昨年七月に山口氏が「断固反対だ」と表明。今年四月にも「政府解釈の変更は、憲法の精神にもとる」と批判した。他の幹部も「到底賛成できない」などと強く反対してきた。
 山口氏らが特に重視するのは、これまでの政府見解との論理的な整合性だ。政権によって憲法解釈の論理が変われば、憲法が権力を縛る立憲主義や法治国家の根幹が揺らぐからだ。
 ところが、自民党の高村正彦副総裁が示した新三要件は、集団的自衛権の行使を禁じた一九七二年の政府見解のうち、自衛権を行使できるのは「国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される急迫、不正の事態」に限定するとした記述について、「事態」を「おそれ」に変える
などして引用。見解の中核部分を用いながら異なる趣旨に転換し、自衛権行使の範囲を集団的自衛権を含め幅広く解釈できる内容にした。
 これまでの政府見解と論理的な整合性があるとは、とてもいえない。その新三要件について、安倍晋三首相は十四日、機雷掃海も議論すべきだと主張して「限定」を無意味にした。過去の山口氏らの発言からすれば、公明党は首相らの考えを受け入れる余地はない
 だが、与党協議について「今国会中に閣議決定を」と圧力をかけ続ける首相に対し、公明党内には「連立維持のためには限定的には容認せざるを得ない」との声が広がり始めている。中堅幹部は「政治の安定、経済の再生が優先だ」と行使容認はやむを得ないとの考えを示す。
 党幹部はこれまで「行使を認めれば『平和の党』ではなくなる。絶対譲れない」とまで述べてきた。容認すれば「与党の立場を維持するため党是や憲法の論理を捨て、海外での武力行使につながる解釈改憲を認めた」と批判されることになる。

安倍政権が描く解釈改憲と今後の政治日程


悪の元凶はこの国の政治にある
公明党の存在はプラスかマイナスか

日刊ゲンダイ2014年6月18日付
悪の元凶はこの国の政治にある

果たして与党内で自民悪政の歯止めなのか、カムフラージュ役なのか
この国の政治が長い間こうして続いていていいものなのか大きな問題だ


 しょせん「下駄の雪」である。ただくっついているだけ。最近は公明党を激励する投書が大新聞で頻繁に掲載されているが、国民は期待するだけアホだった。下駄の雪は、今回も自民党に従順だ。解釈改憲による集団的自衛権の行使容認について、今週中にゴーサインを出すのである。
 政治評論家の有馬階海氏が言う。
 「自公両党は20日の閣議決定を目指し、最終調整しています。あとは細かい文言だけ。公明党に配慮して慎重に進めたという”アリバイ”ができれば終わりです。臨時国会に積み残せば、またゼロから議論を始めなければならない。反対派も盛り返してくる。だから、安倍首相は今週中に決着をつけたいのです。もし先延ばしとなっても一週間程度でしょう。閣議決定は国会開催中じゃなくてもできるし、書類を持って回って署名を集めることも可能。安倍政権は会期延長をせずにケリをつける段取りで、公明党もそれに従う方針です」
 公明党の北側一雄副代表は先週、地元・大阪の高級トマトを自民党本部に差し入れた。花言葉は「感謝」「完成美」。自民党側は「議論の機は熟したということか」と受け止めた。
「お返しはドーナツなんていわれています。議論を丸く収めましょう、という意味らしい」(政界関係者)
 なんという緊張感の欠如か。若者を戦地に送る決定を下そうというときに、”贈り物ごっこ”もないだろう。

「机上の空論」で「断固反対」をやめた山口代表

 公明党の山口那津男代表は昨年7月、解釈改憲について断固反対を表明。今年4月にも「憲法
の精神にもとる」と批判した。かねて同党は、与党の中にあって自民党の暴走に歯止めをかけると主張。政党としての存在意義を訴えてきた。解釈改憲の容認は、自ら「いらない政党」であることを証明することになる。
 なにしろ、集団的自衛権の封印を解くために安倍政権が用意した事例は、デタラメのオンパレ
ードだ。中でも噴飯ものは、戦地から逃げる日本人を輸送する米艦船を護衛するケース。米国は、避難する日本人の救出を拒否している。安倍は「逃れようとする邦人を輸送する米国の船が襲われたとき、守れなくていいのか」とエラソーに言っていたが、現実にはあり得ない「机上の空論」だったのだ。
 それなのに公明党は、素知らぬ顔で安倍の空論に乗っかり、集団的自衛権をOKとする構えである。安倍が力を入れる「戦闘下の機雷除去」についても、どうやら受け入れるらしい。自衛隊のイラク派遣で、当時の神崎代表が先陣を切ってサマワ入りしたときと同じだ。暴走に歯止めどころか、拍車をかけるのである。

国民を不幸にする自公連立の夫婦関係

 「安倍首相が本気で集団的自衛権の行使容認を目指すなら、正々堂々と憲法を改正すべきです。年齢要件を定めた改正国民投票法も先日成立しました。だが、投票年齢が18歳以上となるのは4年後。それまでは憲法改正に手が付けられない。改正法が即時実行されるようにしなかった安倍首相は、憲法改正を諦めたわけです。憲法に手を付けるつもりはない。安倍首相のこだわりなんて、その程度だったのです」(有馬晴海氏=前出)
 そんな安倍にひたすらついていく公明党。支持母体「創価学会」の池田大作名誉会長は、著書「人間革命」の書き出しで「戦争ほど、残酷なものはない。戦争ほど、悲慘なものはない」と記した。トップの平和への信念は、残念ながら公明党に伝わらないようだ。
 公明党は1999年10月に自自連立に遅れて参加し与党入りした。翌年の4月に自由党の一部が離脱しても政権に乗り、自民党、保守党と連立を維持している。ある幹部は「政党だって夫婦と同じ。10年も一緒に暮らせば、家財道具も増えてくる。簡単に別れられない」と言った。だが、自公カップルの腐れ縁夫婦は、国民を不幸にするだけだ。

公明党は安倍独裁政権の生みの親

 政治評論家の山口朝雄氏が言う。
 「公明党の存在は国民を困惑させています。自民党単独の政権なら、責任の所在が分かりやすい。批判もストレートにできます。でも、公明党が一緒にいると、だれがどうやって判断したのか、政策決定の過程が不明瞭になってしまう。問題点も分かりづらくなります。しかも、今回のようなケースでは、平和を看板にしている政党だけに、悪政の歯止めとなるのではないか、と期待してしまう。その結果、なんとなく自民党が公明党に譲歩したような形になれば最悪。公明党のせいで悪政がカムフラージュされることになります
 そもそも憲法9条の見直しを目指す自民党と。「福祉と平和」の公明党は水と油だ。米国流の新自由主義で大企業や投資家を太らせる党と、弱者救済に目を向けなければならない党という違いもある。タッグを組むのがおかしいのだ。
 「公明党は自民党に創価学会の票を提供し、自民党は公明党の政策を実現する。もともとはそんな関係でしたが、政権のうまみを知った公明党は連立離脱のカードを切れなくなった。結局、強気な自民党に対して公明党は妥協を繰り返すばかり。公明党がたまに見せる与党内野党のような態度は、ポーズにすぎません」(山口朝雄氏=前出)
 前回衆院選で公明票がなければ落選していた自民党議員は80人近くに上るという。自民党の大勝はなかったし、過半数はもちろん最悪の場合は200議席の確保も難しかったとされる。いまの国会は一強多弱といわれるが、我が世の春の安倍政権を生んだのは公明党なのだ。それなのに文句を言わず、ただひたすら自民党の悪政についていくだけ。そんな状態が長い間続いている。
 これでは安倍政権の亡国政治は止まらない。自公連立は、この国にとって悪の元凶なのである。


小選挙区制が生んだ事態であることも忘れてはいけません!(`・ω・´)/


集団的自衛権と公明党。- 2014.06.18

http://youtu.be/rp4WfsWvESE


集団的自衛権、会期中の閣議決定断念 公明慎重論に配慮
(北海道新聞)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/546071.html
 政府・自民党は18日、集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈変更について、22日に会期末を迎える今国会中の閣議決定を断念し、閉会後に先送りすることを決めた。慎重論を唱えてきた公明党は行使容認の方向で調整に入ったが、党内の意見集約が難航しており、一定の時間が必要だと判断した。

 ただ、政府・自民党は早期決着を図る姿勢を崩しておらず、遅くとも安倍晋三首相がオーストラリアを訪問する7月上旬までに閣議決定する方針だ。

 菅義偉官房長官は18日午前の記者会見で「当初から期限ありきではなかった。今国会中に方向性を出すのは一つの考え方だったが、与党間で大詰めの協議をしているので見守っていきたい」と表明。政府が示した閣議決定案概要に対し公明党内で、行使の範囲が際限なく広がりかねないとの慎重論が出ていることについて、「政府の考え方を説明していくにつれて、そうした心配はなくなるだろう」と述べた。

 これに先立ち自民党の石破茂、公明党の井上義久両幹事長は東京都内で会談し、閣議決定の時期について協議。井上氏は「与党協議と(自公)各党の党内議論の状況を見極めて協議したい」と会期内の閣議決定は困難との認識を伝えた。石破氏は会談後、記者団に「公明党は精力的に議論を続けている。その行方を見ながら日程感をつくっていきたい」と述べ、公明党の意見集約を待つ考えを示した。




72年見解は行使禁止 本来は海外派遣の歯止め
(東京新聞【核心】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2014061402000129.html
 集団的自衛権に関する与党協議で座長を務める自民党の高村正彦副総裁が、行使を認める根拠として、自衛権を定義した一九七二年の政府見解を持ち出した私案を提示した。しかし、七二年見解は、自衛隊の海外派遣への懸念を打ち消すために集団的自衛権の行使を禁じた文書で、歴代政権が守ってきた歴史を持つ。ここから行使容認を導くのは無理がある。
(新開浩)
72年見解は行使禁止 本来は海外派遣の歯止め

 72年見解が出された当時は、米国が参戦していたベトナム戦争が泥沼化し、米国がアジア各国から地上戦力を撤退させていた時代。69年、当時のニクソン米大統領はアジア諸国に自主防衛力の強化を求めていた。
 日本では、72年から5年間の第4次防衛力整備計画(4次防)の策定作業が進んでいた。当時の社会党は、4次防の期間中に日本の自主防衛路線が強化され、自衛隊の任務が海外まで拡大する可能性を懸念。海外で武力を使う集団的自衛権の行使は認めないと確約するよう政府に要求した。
 そうした経緯から、当時の田中角栄内閣が国会に提出した文書が72年見解だ。憲法が認める武力行使を「外国の攻撃によって国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される急迫、不正の事態」に限り、行使の範囲も「必要最小限度」とした。認めたのは自国を守る個別的自衛権だけで「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」とも明記している。
 81年には、鈴木善幸内閣も「集団的自衛権は憲法上許されない」とする答弁書を閣議決定。歴代の自民党政権は、集団的自衛権の行使を認めない憲法解釈を継承し、国会でも答弁してきた。
 高村氏は72年見解に独自の解釈を加え、集団的自衛権の行使は認められるとの結論を引き出そうとしている。
 72年見解の「国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される急迫、不正の事態」とは、実際に日本が攻撃された場合のことを意味するにもかかわらず、他国が攻撃された場合でも「覆される」可能性があれば、集団的自衛権を行使できるという理屈だ。
 「必要最小限度」の範囲をめぐっても、高村氏は13日の与党協議後、記者団から集団的自衛権の一部が含まれるか問われ「はっきりあるということだ」と明言した。72年見解が集団的自衛権の行使禁止を明記していることには、当時の結論であって、国際的な安全保障環境が厳しくなったことにより、今は別の答えが出てくると説明。政府側の出席者は与党協議で「時代は変わった」と理解を求めた。
 しかし、72年見解は、自衛隊による海外での武力行使に歯止めをかけるのが目的だった。高村氏は「継続性、論理的整合性を維持した」と私案を自画自賛したが、本来の見解の目的から大きく離れてしまった。

1972年の政府見解の憲法解釈部分
憲法は、第9条において、同条にいわゆる戦争を放棄し、いわゆる戦力の保持を禁止しているが、前文において「全世界の国民が…平和のうちに生存する権利を有する」ことを確認し、また、第13条において「生命、自由および幸福追求に対する国民の権利については…国政の上で、最大の尊重を必要とする」旨を定めていることからも、わが国がみずからの存立を全うし国民が平和のうちに生存することまでも放棄していないことは明らかであって、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとはとうてい解されない。
しかしながら、だからといって、平和主義をその基本原則とする憲法が、自衛のための措置を無制限に認めているとは解されないのであって、それは、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置としてはじめて容認されるものであるから、その措置は、(その)事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべきものである。
そうだとすれば、わが憲法の下で武力行使を行うことが許されるのは、わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られるのであって、したがって、他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないといわざるを得ない。


自衛隊「取材に発言慎め」
集団的自衛権 隊員に文書出回る

(東京新聞【こちら特報部】ニュースの追跡)2014年6月15日
安倍政権が集団的自衛権の行使容認に向けて、閣議決定に突き進んでいる。そうした中、自衛隊が隊員たちに集団的自衛権に絡んでメディアから取材を受けた際、「不用意な発言」を慎み、上司に通報するよう求める文書を出していたことが分かった。(荒井六貴)

集団的自衛権 隊員に文書出回る

議論に水差す / 若手集めに妨げ

 「幹部が慌てていることを感じる。なんで、そんなに取り乱すのかと、不思議に思う」。閲覧した文書について、陸上自衛隊のある隊員はそういぶかる。
 陸自や航空自衛隊の複数の隊員によると、この文書のタイトルは「集団的自衛権に関する注意喚起」。
 内容は「最近、正規の手続きを踏まないマスコミ取材が多発しているので、取材を受けた場合は不用意な発言を慎むとともに、上司に通報するように」と記されていたという。文書は閲覧後、回収された。
 文書が出回った時期は、本紙が5月25日付朝刊で自衛隊員の反応を紹介した時期とほぼ重なる。
 記事は「戸惑う自衛隊員」「集団的自衛権 議論を注視」といった見出しとともに、「日本を戦争できる国にしようとしている」「公明党はどこまで踏ん張るのか」など匿名の隊員の声を紹介している。
 空自のベテラン隊員は「隊員の戸惑いは上層部にとって、都合が悪いから、表に出したくないのだろう。個人的にも専守防衛で国民を守るためにと入隊したのに、なぜ集団的自衛権の行使が必要なのかという疑問はある」と話す。
 この文書について、防衛省の広報担当者は「省内では出していない。部隊内については調査中。コメントできない」としている。
 旧防衛庁の元職員である太田述正(のぶまさ)氏はこうした「口封じ」について「自衛隊の上層部にはリスクはあっても、自衛隊の力を世界に見せたいという願望がある。集団的自衛権の行使は、その一歩になる。国会の集団的自衛権の議論がわかりにくいこともあり、隊員が余計なことを話し、行使容認へという流れに水を差されたくないという意図に基づく措置だろう」と語る。
 一方、市民団体「自衛隊をウオッチする市民の会」事務局長の種田和敏弁護士は「自衛隊はいま、若手の隊員集めに苦労している。隊員たちの不安などマイナスイメージを表に出したくないという理由もあるのではないか」と推測する。
 実際、自衛隊員の平均年齢は1990年に31.8歳だったが、2011年には35.6歳に上昇。階級構成も、若い陸士や海士らが減り、幹部や上官クラスが多いといういびつな形になっている。
 13年版の防衛白書でも「少子化、高学歴化が進み、募集の対象となる人口が減少し、環境はますます厳しい。募集活動をより充実させる」と指摘。並行して近年、女性隊員の萌えキャラを使ったグッズをつくったり、テレビドラマの撮影に協力したりとイメージアップ作戦も続けている。
 種田弁護士は「集団的自衛権の行使で戦地に行くことが分かれば、親も子どもの入隊を嫌がる。若い隊員がいなければ、実際には行使はできない。それだけに、隊員集めを妨げる動きには神経質になっているのだろう」と指摘している。



衛星だいち2号 災害目的だが…艦船追尾に軍事応用も
(東京新聞【こちら特報部】ニュースの追跡)
2014年6月16日

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業が先月二十四日に打ち上げた陸域観測技術衛
星「だいち2号」。東日本大震災の際に津波の浸水被害や地殻変動を観測し、復旧活動に貢献し
た初代「だいち」の後継機として期待されるものの、高性能のレーダーは、他国の艦船を追尾す
る能力を持ち、軍事技術にも応用できる。
(林啓太)

衛星だいち2号災害目的だが…艦船追尾に軍事応用

集団的自衛権行使へ準備?

 「地上の災害素早く把握」(東京)「災害の状況や地形の変化をレーダーで観測する」(読売)「地図の作製、資源探査などに使われる予定」(朝日)…。
 「だいち2号」を載せたH2Aロケット24号機の打ち上げ成功を伝える在京各紙の先月二十四日夕刊は、災害状況の把握や資源探査などの用途を強調した。高度約六百三十キロから地表に電波を放射し、地面や水面のわずかな変化を捉える。地上の物体を見分ける能力(分解度)は三メートル。二〇一一年五月に運用停止した初代の分解度(十メートル)に比べて性能は約三倍に上がった。
 ただし、この能力は、軍事用として艦船の追尾に使おうと思えば使える
 海が穏やかであることなどの条件が整えば、艦船が通過した後に残る帯状の波や泡の筋、つまり航跡を検出できる。検出できる長さは数十~数百キロとの見方もある。運航の経路は一目瞭然である。
 だいち2号は、艦船の針路や速度を把握できる装置も搭載している。
 その装置とは、船舶自動識別装置(AIS)が発する電波を受信する「Spalse(スパイス)2」だ。AISは、一定トン数以上の艦船への搭載が国際条約で義務付けられている。電波を受信すれば艦船の位置や針路、速力も分かる。
 だいち2号の軍事利用は法的には可能だ。
 二〇一二年六月のJAXA法改正で、その活動を「平和目的」に限定した規定を削除。例えば衛星の運用を政令で防衛省に所管させることができる
 JAXAの広報担当者は、スパイス2について「本格的な運用ではなく、技術実証だ」と説明する。
 「AISの技術実証も、目的は一般的な船舶の監視だ。電波で把握した航跡を船舶の追尾に使う予定はない。現段階では政府側にデータも提供していない」
 とはいえ、奥村直樹理事長は五月下旬の記者会見で、だいち2号の軍事利用の可能性を問われると、「私どもの判断の範囲はあくまで平和目的だ。その先は政治が検討、判断する」と含みを持たせた。
 海外では、JAXAの軍事面に注目が集まりつつある。米国の航空宇宙専門誌「アビエーションーウイークーアンドースペースーテクノロジー」は先月の電子版で、JAXAについて「日本が中国や北朝鮮の脅威に直面したとき、国防でより大きな役割を果たすことができる」と評価した。同誌は米国防総省にも情報源があり、信頼性は高いとされる。
 もっとも軍艦にはAISの搭載義務はなく、搭載していても作戦中は電波を出さないことも多い。航空ジャーナリストの青木謙知氏は「日本が実際に艦船の追跡をやるかは疑問だ」と首をかしげる。
 一方、軍事評論家の前田哲男氏は「内閣情報調査室(内調)が現在運用する四基の衛星は、動かない目標しか捉えられない。だいち2号が仮に軍事利用されれば、より高度な情報収集ができる」とみる。
 「中国の船舶の動きが把握しやすくなる。こうした情報を米軍と共有し、集団的自衛権を行使した時に利用する狙いもあるのではないか


応援歌?軍歌?あなたはどう思いますか??

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椎名林檎 - 『NIPPON』

http://youtu.be/SjkTLTPG_u0

応援歌?軍歌?NHKのW杯テーマ曲で物議
(東京新聞【こちら特報部】ニュースの追跡)
 「応援歌」か「軍歌」か-。NHKのサッカー関連番組のテーマ曲として使われている椎名林檎さん(三五)の新曲「NIPPON」。ワールドカップ(W杯)日本代表の「純血」を示唆したり、死を肯定したりするような歌詞がネット上で物議を醸している。
(林啓太)
応援歌?軍歌?NHKのW杯テーマ曲で物議

純血賛美、「死の匂い」…右寄り歌詞に違和感

 「歌詞がところどころ猛烈にマズい」「日本の為だけにW杯見るんじゃない」「混血文化の国に喧嘩売ってんのかな」。NIPPONの歌詞の一部は、ツイッターなどで厳しい批判にさらされている。
 問題視されているのは、日本代表のチームカラーである青色の「純血」を強調する部分だ「さいはて目指して持って来たものは唯一つ/この地球上で いちぱん/混じり気の無い気高い青」
 青色が日本を指していることを直接示す表現はない。青色は、フランスやイタリア代表のチームカラーでもある。だが、日本人の歌手が、青色について「いちぱん混じり気の無い」と歌う場合、どの国かと問われれば…。確かに日本の「純血」を賛美する内容と受け取るのが妥当だ。
 「死」を意識した闘いを肯定する描写もある。噫(ああ)また不意に接近している淡い死の匂いで/この瞬間がなお一層 鮮明に映えている」。ネット上では「尖閣危機のことじゃないよね」「戦争が迫ってるから束(つか)の間お祭りに燃える、ってか」などと話題になっている。
 NIPPONは、椎名さんがNHKからの依頼を受けて書き下ろし、十一日にレコード会社「ユニバーサルミュージック」が発売した。同社の担当者は「勝ちに行かんとする強い意志を表した高揚感あふれる仕上がりだ」と説明する。
 NHKは、「混じり気の無い気高い青」が日本代表のチームカラーであることを認める。広報局の担当者は「日本代表の活躍を通じて、サッカーを応援したいという椎名さんの思いが込められているものと受け止めている」とコメントした。
 とはいえ、NHKのサッカーや五輪のテーマ曲が、いつも日本だけをたたえてきたわけではない。ソチ五輪のテーマ曲「今、咲き誇る花たちよ」(コブクロ)は、国籍にかかわらず一人一人の選手を花にたとえて励ましている。
 もちろん、ネット上では、NIPPONについて「日本人が日本のサッカーを応援する事に、何の問題があるんだ?」「日本人歌手が日本の為に唄ってるだけ」と擁護する意見もある。
 今回の騒動を情報サイトで取り上げた音楽批評家の石黒隆之氏は「NHK経営委員会の(右翼的な)雰囲気と無関係ではない」とみる。「応援する対象を日本に特化したような楽曲はいかがなものか。英BBCは、サンバのリズムを持つ曲で開催国ブラジルに敬意を払っているが、『NIPPON』にはそうした配慮が感じられない」
 精神科医の香山リカ氏も「日本人の『純血』が強調されていることは確かだ。ちょっと右傾化しつつある若者らにとっては、自分たちの思いを肯定する歌だと映るだろう」と説く。
 法政大の宮入恭平講師(音楽社会学)は「一般論としては、楽曲の右翼的な表現がいけないというわけではない。ただ、日本社会の右傾化の流れの中で登場したことは深刻に捉えるべきだ」と指摘する。「右翼的な表現を盛り込めば楽曲が売れる、というレコード会社の狙いもあるだろう










ヘイトスピーチ - Wikipedia

ヘイトスピーチ危惧 松本サリン20年 中傷に耐えた河野さん
(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014061902000094.html
 オウム真理教が起こした松本サリン事件から二十年を迎えるのを前に、夫婦で毒ガス被害を受けながら容疑者扱いされた河野義行さん(64)、乾高弘撮影=がインタビューに応じた。中傷に耐え続けた経験は「根拠のない批判は怖い」との教訓となって生き、真相を確かめることの大切さをかみしめる。偏見に基づいて差別的な言葉を叫ぶ「ヘイトスピーチ」が広まる最近の世相に危機感を抱く。
(勝股大輝)
ヘイトスピーチ危惧 松本サリン20年 

 「私にとっての事件は六年前に妻が亡くなった時に終わっている」。二十年の節目を淡々と受け止める。
 河野さん夫婦は、サリン発生現場近くの自宅にいた。妻の澄子さんは十四年間意識を回復することなく死亡。河野さんも重症で入院したが、自宅の写真現像用薬品から容疑がかかり、警察の家宅捜索を受けた。
 翌年三月、東京で地下鉄サリン事件が起き、真犯人としてオウム真理教が浮上するまで警察、マスコミから容疑者扱いされた。看病と闘病に加え、見知らぬ人の誹謗(ひぼう)中傷に耐える日々が続いた。
 「世間という漠然として訳のわからないものが、歴然たる力を持っている」と思い知らされた。「人殺し」「町から出て行け」。ののしりの電話が午前二時、三時にも普通にかかってきた。
 そんな日々の中でも澄子さんの回復を第一に考え続けた。「妻が元通りに戻ったとき。あるいは、亡くなってしまって努力のしようがなくなるときが、自分にとって事件の終わるとき」と思って生きてきた。
 妻の死から六年。「事件以前と同じスタンスで、自分の好きなように生きている」。四年前には鹿児島市に移り住み、「恨みは、人生をつまらなくする」と穏やかに暮らす。
 教団元幹部の上祐(じょうゆう)史浩氏が設立した団体「ひかりの輪」の依頼を受け、二〇一一年に活動を監視する外部監査人となった。「周辺住民は中身を知らずに不安がっている部分がある。知らないから怖いのなら、知ってもらえばいい。不安をなくすための橋渡しになると思った」
 教団の犯行であることが判明してからは、教祖の子女、信者への人権侵害的な行政の対応、世間の中傷があからさまだった。「(オウムに対してなら)明らかに法の筋に外れたことまで許されて。世の中は怖い」
 最近気になるのは、韓国人や中国人への偏見に満ちた一部世論の高まりだ。「根拠のない排除は許されない。このような主張がはびこってきたのは理不尽だし、怖いなと思う」。ヘイトスピーチに反対する団体の共同代表にも名を連ねた。
 請われれば、体験を基に講演することにしている。「当たり前のことが、当たり前に通る世の中になってほしい」と願うからだ。
 <松本サリン事件> 1994年6月27日深夜にオウム真理教信者が長野県松本市内の住宅街でサリンをまき、8人が死亡、586人が中毒症状を訴えた。警察は第一通報者の河野義行さんを容疑者扱いし、報道各社も犯人視報道を続けた。翌年3月20日に東京都心で地下鉄サリン事件が発生し、オウム真理教の犯行であることが判明。報道各社は河野さんに謝罪した。



「反日」レッテル 広がる不寛容と憎悪
被爆や水俣の語り部に暴言・中傷

(東京新聞【こちら特報部】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014061202000174.html
 「死に損ない」。長崎市を五月末に修学旅行で訪れた横浜市の男子中学生が、被爆者の語り部に暴言を吐いていた。水俣病認定患者の語り部の自宅には「金が欲しいのか」と中傷する電話があった。語り部たちは、侵略戦争や公害を引き起こした国などの犠牲者である。そうした歴史を一顧だにせず、一方的な論理で排除する態度は、在日コリアンを排斥するヘイトスピーチや日本政治の右傾化と地続きだ。
(荒井六貴、出田阿生)

「反日」レッテル 広がる不寛容と憎悪

ヘイトスピーチと同根

 暴言を浴びたのは、長崎原爆の語り部として二十年近く活動している元小学校教員の森口貢さん(七七)=長崎市=だ。八歳の時、原爆投下直後の爆心地に入った。
 「行儀の悪い子はいるが、『死に損ない』などと言われたのは初めてだ。信じられなかった。ここ数年、私語やスマホをいじって、興味を示してくれない子どもが増えた」
 語り部を紹介する長崎平和推進協会のまとめでは二○一三年度、小中高生十六万人以上が被爆者の話に耳を傾けている。今回の問題は、被爆者の間でも衝撃を持って受けとめられた。
 森口さんらによると、経緯は次の通りである。
 横浜市立中学校の三年生百十九人が五月二十七日、修学旅行の一環で長崎市を訪問した。まず平和公園で全体説明を開き、森口さんが「観光案内ではなく、これからの生き方や、社会を考える上で手助けになれば」と説明した。ところが、一部生徒は私語を交わしたり、転んだりしてふざけていた。教師が手をこまねいている中、森口さんは「話を聞かないなら、(公園の)外に出てもらっていい」と注意した。
 その後、生徒たちは九班に分かれ、被爆者と一緒に被爆の遺構をめぐった。森口さんも男女生徒十数大と男性教師一人を連れ、爆心地から約六百び離れた山里小学校に足を運んだ。山里小では、当時在籍していた児童千五百人超のうち、原爆で約千三百人が亡くなった。市内でも被害が大きかった学校の一つだ。
 森口さんが話を始めようとした時だった。全体説明で注意された生徒ら五人が突然現れて「死に損ないの話は聞くな」と因縁を付けたのだ。さらに五人はほかの生徒に「笑え」「拍手しろ」と指示したり、「うざい」「きもい」などの暴言を繰り返したりした。この場でも教師が強く制止することはなかった。
 その夜、別の語り部の男性が体験談を語った際にも、一部生徒が下着姿になったり、意味もなく拍手をしたりした。その語り部からは、森口さんの元に「悔しい」とつづる手紙が届いた。
 森口さんは後日、校長に手紙と電話で抗議した。「校長には、夏休みに五人を連れて来てと伝えた。しかるだけでは反発を招く。私たちの伝えることが、どんな意味を持つのかを理解してほしい」
 校長によると、長崎市の被爆地を訪れる修学旅行は今年で二年目。「戦争の悲惨さを教える事前の学習が不十分だった。森口さんに申し訳ない」と謝罪する。問題の生徒には反省文を書かせるという。
 教師の対応もひどいが、横浜市教育委員会の担当者は「他の生徒がまじめに聞いている様子だったので強く止めると大騒ぎになると配慮した」と釈明した。

「反日」レッテル 「反戦や護憲すべて攻撃」

広がる不寛容と憎悪
「反戦や護憲すべて攻撃」


 語り部への攻撃は被爆者に限らない。水俣病認定患者で熊本県水俣市立水俣病資料館「語り部の会」の緒方正実会長(五六)=同市=には、水俣病公式確認から五十八年の犠牲者慰霊式が開かれた五月一日、匿名の中傷電話があった。
 緒方さんのインタビューが、テレビで放映された直後だった。年配の男性らしき電話の主は、応対した緒方さんの妻を「五十八年もたったのにいつまで騒ぐのか」「金が欲しいのか」と罵倒した。妻が「水俣の苦しみを教訓に生かすために、世界に被害を伝えている」と説明すると、一方的に切られた。その晩は計三回、同一人物から同様の電話がかかってきた。
 翌日、緒方さんは着信記録に残った番号にかけ直したが応答なし。すると今度は、番号非通知の無言電話が今月初めにかけて十数回続いたという。
 なぜ、被爆者や水俣病患者を辱めるような言動が出てくるのか。
 緒方さんは「電話してきた個人を批判すればいいという問題ではない。行政の啓発が足りないから今も偏見や差別が続く。根っこには、国が経済成長を優先させて被害を隠し、有効な対策を取らずに被害を拡大させたことがある」とみる。
 森口さんは「平和な日本をつくりたいから被爆者は語っている。そのために原爆と今とをつなげて話さなければ意味がない。それが、改憲や集団的自衛権の行使を訴える政権側からすれば、反日のように捉えられてしまう」と嘆く。
 なるほどネット上では、戦争や被爆の体験を語ることは「反日教育」とのレッテルを貼られ、誤った情報が流布される。例えば、「明治天皇の玄孫」として発言する作家竹田恒泰さんはツ
イッターで、長崎の暴言問題について「被爆者を自称して一時間一万円で生徒に被爆体験を語るふりをし、実際は反日思想を植え付ける話をしていた模様。平和教育はもうやめたほうがよい」と書き込んだ。森口さんが被爆者であることは言うまでもない。さらに一万円とは「時給」ではなく、交通費や日当の総額だ。
 こうした風潮は、「在日特権を許さない市民の会」などによるヘイトスピーチデモの社会問題化とも通底する。そこには日本の植民地支配への反省はない。
 ヘイトスピーチに反対する市民団体「のりこえねっと」共同代表の辛淑玉さんは、「ひと言でいえば近現代史への無知が原因だが、今の中高生はネットから情報を得る。被爆者を特権階級だとする言説が出回る中で、暴言を吐いた当事者は、むしろ自分を『正義の味方』と思っているかもしれない」と指摘する。
 「問題の生徒に反省文を書かせてもネットで礼賛されていれば、悪いことだと認識するのは難しい。被爆者や公害病患者への攻撃は、弱者を切り捨て、戦争のできる国を目指す安倍政権の方針にも沿っている
 「事実関係を調べず、権力者に盾つくものを悪とみなす空気がまん延している」と憂えるのは、評論家の太田昌国さんだ。「歴史に真正面から向き合わず、。誤ったネット情報に頼る。市民や労働者の当然の権利であるデモやストライキさえ、非合法だと考える。それが自らの権利を損なうことに気付かず、弱者を攻撃している
 一方、専修大の岡田憲治教授(政治学)は「平和教育そのものが嫌いだから語り部を攻撃するわけではない。反戦や護憲を説く人や、それを後押しするメディアに嫌悪感を抱いているからだ。国家や日本人に反省を迫る人々や言論をすべて攻撃するという『習慣』がついた人が増えている」と分析する。
 「不寛容な言葉の数々は、とても思想と呼べるレベルではない。一連の問題から浮かぶのは、現状への不満を解消するために弱者が弱者を攻撃するという自暴自棄的な現象

「反日」レッテル 広がる不寛容と憎悪 デスクメモ


ヘイトスピーチデモ

大阪最大のコリアタウン鶴橋で大虐殺予告(女子中学生)

http://youtu.be/GoTBRpcaZS0

差別扇動 許さない


止まらぬネットのヘイトスピーチ
「朝鮮人」「在日」…使用頻度が急増

(東京新聞【こちら特報部】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014062002000151.html
 出版界の「嫌中憎韓」ブームが問題視されているが、ヘイトスピーチの温床は何と言ってもインターネットである。街頭の排外主義デモが、カウンターと呼ばれる抗議活動に一定程度抑え込まれる一方、ネット上の差別扇動表現や在日コリアンらに対する個人攻撃は後を絶たない。日本にはヘイトスピーチを直接取り締まる法律がなく、サイト運営者の自主規制もほとんど機能していない。どう対抗すべきなのか。
(林啓太、出田阿生)
止まらぬネットのヘイトスピーチ朝鮮人 在日

無法状態執拗に

 「君のおじいさんは密入国者で犯罪者として日本へ住み着いた」「北朝鮮のスパイ教育者」―。在日コリアン三世で関西学院大教授の金明秀(キムミョンス)さん(四六)が短文投稿サイト「ツイッター」に開設しているアカウント(ID番号)には、匿名の差別的なコメントが執拗に送りつけられる。
 日本の植民地支配下の朝鮮半島から移り住んだ在日一世は「密入国者」ではない。在日の差別問題を大学生に教えることが「スパイ教育」であるはずもない。いずれのコメントも、人種や民族など特定の属性を有する集団をおとしめるヘイトスピーチそのものだ。
 同様の被害に遭う知り合いの在日も少なくない。「在日のアカウントを見つけては『朝鮮人は帰れ』といったコメントをしつこく送り続ける人がいる」。(金さん)
 ツイッターなどの交流サイト(SNS)がマイノリティー(少数派)攻撃の舞台であるとすれば、二コニコ動画(二コ動)などの動画サービスは、在日特権を許さない市民の会(在特会)などの排外主義団体が会員を勧誘する最大のツールだ。排外主義デモは下火になっているものの、ネットではヘイトスピーチが相変わらず幅を利かせている。
 在特会の桜井誠会長は最近、二コ動に投稿した動画で「移民反対が差別というのは頭がおかしい」などと持論を展開した。画面上には、「日本は在日という移民的存在で苦しめられている」「移民増えると犯罪が増える」といった視聴者のコメントが表示された。
 デモや街頭宣伝の参加者が減っても、動画サイトで発信する分には支障はない。三重県四日市市内で八日にあった街宣の様子は二コ動にアップされ、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)や朝鮮学校を攻撃する発言が延々と続いた。
 排外主義者の関心を引きそうなニュースを紹介するブログでもヘイトスピーチが野放しだ。代表格が、IT大手のLINE(ライン)が運営するサーバーを使用している「保守速報」。集団的自衛権の行使容認に反対する動きを伝える記事のコメント欄には「朝鮮民族みたいな考えだ」「騒ぐのは中国朝鮮人かその関係者」「奥さんや愛人が中国人とか韓国人」などのヘイトスピーチが並んだ。
 ネット上のヘイトスピーチそのもののデータはないが、鈴木寛・東京大公共政策大学院教授は参院議員時代に言葉の使用状況を調べたことがある。第二次安倍内閣成立の二〇一二年十二月末から一三年四月一日までの間、排外主義デモでよく使われる「朝鮮人」「韓国人」「在日」を解析すると、「朝鮮人」は約五千から約一万三千、「韓国人」は約六千から約二万、「在日」は約七千五百から約二万五千へとそれぞれ急増していた。
 ヘイトスピーチに反対する市民団体「のりこえねっと」の担当者は「ここ数年でネット上のヘイトスピーチは増えている感触がある」と話す。一三年九月の発足時には、二十万通を超える嫌がらせメールが殺到した。

止まらぬネットのヘイトスピーチ差別発言特定個人

大量発信抑え込め
差別発言特定個人に集中
サイト運営ルールあるが削除実績明かさず


 ネットサービスの運営者は、ヘイトスピーチにどう対応しているのか。
 米ツイッター社の日本法人によれば、特定の利用者に向けた罵倒やいやがらせは禁じている。違反した利用者のアカウントを凍結したり、削除したりするルールがある。利用者が、不快なつぶやきを同社に通報する仕組みもある。
 二コニコ動画も「差別につながる民族・宗教・人種・性別・年齢等に関する表現行為」を禁止する。運営主体のドワンゴは「動画を投稿した人も、審査を経て動画のチャンネルを開設した法人や団体もルールに従ってもらう。動画や記載に問題がないかを担当者がパトロールして削除している」と説明する。
 LINEのプログサービスでも、「誹謗(ひぼう)中傷、名誉毀損(きそん)に類する掲載」は運営者側で削除するなどのルールがある。
 しかし、各社とも、実際にどの程度、削除・凍結しているかについては明かさない。前出の金さんは「ツイッター社に対し、ヘイトのコメントを送ってくる人のアカウントを凍結するよう頼んできたが、『ツイッターのルールに違反していない』としか応じてくれない」と憤る。
 日本には、ヘイトスピーヂを直接規制する法律がない。ネット上でヘイトスピーチをたれ流しても、それだけで法的な責任は悶えないのだ。一方、欧州や南米、豪州では、現実空間であろうがネット上であろうが、ヘイトスピーチは規制の対象だ・殷(いん)勇基弁護士は「欧州では特定の民族を対象とするヘイトスピーチが犯罪とされ、捜査機関がネット上をパトロールして書き込んだ本人を突き止めて警告したり、罰則を科したりしている例もある」と解説する。
 ヘイトスピーチの標的が個人であれば、日本でも法的な対応は可能だ。
 大阪府警は二〇一三年七月、在日のフリーライター李信恵(イシネ)さん(四二)への脅迫の
疑いで、会社員の男を書類送検した。李さんのツイッターアカウントに「良い朝鮮人も悪い朝鮮人も追い出そう。女性は殺そう」と書き込んだとされる。
 ヘイトスピーチ映像の掲載については、民事上の名誉毀損に当たるとの司法判断が示されている。在特会などが京都の朝鮮学校周辺で繰り返したヘイトスピーチ街宣を「人種差別」と断じた一三年十月の京都地裁判決の中で、被告側がネット上に掲載した街宣の映像について「原告の名誉・名声を著しく損なう不法行為だ」と指弾した。
 とはいえ、既存の法律を活用するのは簡単ではない。柏木利博弁護士は「氏名と住所を開示させる訴訟だけで数十万円かかる。相手がネットカフェを利用して書き込んだら特定できない可能性もある。大半のケースは泣き寝入りするしかない」と指摘する。

政府「規制法必要ない」

 そもそも、「朝鮮人」など不特定多数に向けられたヘイトスピーチには打つ手がない。政府はヘイトスピーチが横行する事態に直面した今も、「正当な言論までも不当に萎縮させる危険を冒してまで処罰立法措置を検討しなけれぱならないほどの差別扇動はない」との立場を崩さない。
 高史明・神奈川大非常勤講師(社会心理学)は、有力な差別アカウントを削除・凍結することが効果的とみる。
 高さんが、四万三千六百人のツイッター利用者によるコリアン関連の発言約十一万件を分析したところ、差別的な約七万七千件のうち、上位二十五人のコメントが15%を占めていた。
 「影響力のあるヘイトの発信者はおそらく百人に満たない。全てのヘイト発言に対応するのは物理的に不可能でも、百人のアカウントを規制するのは容易だろうし、ネット上のヘイト全体を抑えるのに一定の効果があるはずだ」

止まらぬネットのヘイトスピーチ デスクメモ


のりこえシンポ 2014.6.11

http://youtu.be/2Y4ZVDrF-ZE


レイシストになる自由はあるか?
社会学者・明戸隆浩氏が語る「ヘイトスピーチ規制論」

(弁護士ドットコム)
http://www.bengo4.com/topics/1639/
『ヘイトスピーチ 表現の自由はどこまで認められるか』(エリック・ブライシュ著)という本が日本語に翻訳され、2月に明石書店より出版された。本の原題は「The Freedom to be Racist?」で、直訳すると「人種差別主義者になる自由?」という意味になる。人種差別的な言論を、アメリカ、イギリス、ドイツなどの欧米各国がどう取り扱ってきたかを解説した本だ。

なぜいま、この本を翻訳したのか。翻訳者の一人で、関東学院大学などの非常勤講師を務める、社会学者の明戸隆浩さんに聞いた。(取材・構成/松岡瑛理)

●「ヘイトスピーチ」と「差別」はどう違うのか?

――最近、「ヘイトスピーチ」という言葉をよく聞きますが、どういう意味なのでしょうか。

日本語では「憎悪表現」と翻訳されることが多いですね。しかし、憎悪といっても単なる悪口ではなくて、民族や人種、性別など、変更することが難しい属性に対する憎悪表現というところがポイントです。そうした言葉で社会を煽動して、暴動を起こさせるというのが、ヘイトスピーチの核心部分です。

――なぜ、「差別」という表現でなく、「ヘイトスピーチ」という耳慣れない言葉を使うのですか?

差別という言葉は定着している一方で、「昔のこと」と思われている節があります。大学の講義で感想を聞くと「いまの日本には、もう差別はないと思う」といった反応が返ってきます。ここ数年、「ヘイトスピーチ」という新たな言葉が使われだしたことで、注意喚起の効果は明らかにありました。

――今回、翻訳した本の特徴は?

現状の欧米の法制度に関して、全体の見取り図がわかる本です。欧米主要国の「ヘイトスピーチ」規制のあり方について、バランスよく紹介している点が特徴です。主な内容はヘイトスピーチ規制、ヘイトクライムの禁止、人種差別の禁止についてで、アメリカの公民権法のように歴史的な流れも全部含まれています。

著者のスタンスとしては、規制と表現の自由とのバランスをとる、という視点で書かれています。著者のブライシュは、もともと英仏の比較研究を専門としているアメリカ人の政治学者です。この本ではそのイギリス・フランス・アメリカに加えて、ドイツの事例も取り扱われています。

ヨーロッパは、ホロコースト(ナチスドイツによる大量虐殺)があったこともあり、ヘイトスピーチ規制に積極的です。一方、アメリカは、「表現の自由」を重視して、規制は行わないという立場です。かなり対照的なんですね。ただ、詳しく見ていくと、そう単純ではない。

●ヨーロッパと日本は「歴史的な文脈」が違う

――なぜヨーロッパが規制に積極的で、アメリカが消極的なのですか?

ヨーロッパが積極的な要因は、やっぱりナチスですね。その中でも象徴としての「ホロコースト」があったことでしょう。それに加えて、1960年代ごろから出てきた移民問題。その2点が大きいですね。

一方、アメリカが今の流れになったのは、実は公民権運動以降です。運動を押さえ込みたい南部の州政府に対して、司法が公民権運動の側に有利な判決を出していった。そのときに根拠になったのが「表現の自由」だった。それが経験的には大きくて、表現の自由を押さえ込むと、マイノリティの利益を損ねることになるという意識が、ものすごく強いのです。

――なぜ、いま、この本を翻訳したのですか?

2013年の2月以降、日本でも、排外主義的なデモが大きな社会問題として捉えられるようになりました。そういったデモに対抗する「カウンター」の動きも出てきた。ヘイトスピーチの法規制についても、メディアや国会議員の間で語られるようになりました。

司法の側にも動きがありました。京都の朝鮮学校で行われた街宣活動に対して、賠償と学校周辺での街宣活動の禁止を命じる判決を、2013年10月に京都地裁が出しました。

僕自身も、2013年2月に新大久保のデモとカウンターの様子を見て、「いま、自分が果たすべき役割は何だろうか」とあらためて考えていた。そんな文脈の中で、この本を翻訳しようと思ったんです。

――日本で「ヘイトスピーチ」が法規制されていないのは、なぜなのでしょう?

歴史的な話でいうと、第二次世界大戦の反省ですね。ドイツはホロコーストを繰り返さないために「ナチスにつながるような煽動はダメだ」という話になった。一方、日本は、戦前に「表現の自由」を上から抑圧した結果、戦争に突入してしまったという考え方が強い。

リベラルな人たちや憲法学者らは、基本的にそういう観点から、「表現の自由」を規制することに反対しているわけですね。戦争の経験という意味ではドイツと同じですが、結果として向いている方向は逆になったということだと思います。

●ヘイトスピーチにどう対応したらいいのか?

――この本を翻訳した狙いはどこにあったのですか?

レイシズムやヘイトスピーチといった問題に対して、どういう対応がありうるのかを多くの人が考えた方が良いと思ったからです。法規制以外にも、幅広いやり方があります。いわゆる「ヘイトスピーチ規制」は、法制度を使った対応のなかの、1つの選択肢に過ぎません。

法規制にもさまざまなバリエーションがあって、たとえば、いま議員立法で進められているような、「人種差別禁止法」といった形で、理念的に人種差別を禁止する法律をつくるというのも一つの手だと思います。理念的な法律に基づいて各地に条例ができて、人種差別的なデモが公共施設を利用しにくくなる、そのような動きにつながるかもしれません。

法律を作ることがゴールではありません。僕が訳者の一人としてこの本から読み取ってほしいのは、「いくら法律を作っても、社会全体の認識・意識がその支えになっていないと、うまく運用できない」ということです。ヘイトスピーチやレイシズムは、一般の人たちがみんなで考えていかないと、決してよくならない問題ですから。

(弁護士ドットコム トピックス)

どんな差別も許さんぞ!



【女性差別の自民党です!?】
女性都議に「産めないのか」 自民?議員席からヤジ

(ぽぽんぷぐにゃん)
http://blog.goo.ne.jp/sithux7/e/42dc46071b228f1cbd03ff62c7b17969

女性都議に自民席から「産めないのか」とヤジ。- 2014.06.19

http://youtu.be/p1r_u4ZQzw0

女性都議に「産めないのか」 自民?議員席からヤジ:朝日新聞デジタル

>「自分が早く結婚すればいい」「産めないのか」。18日の都議会で、妊娠、出産、不妊に悩む女性への支援の必要性を訴えた女性都議に対し、議場からこんなヤジが飛び、所属会派が抗議する騒ぎになった。

 ヤジを受けたのはみんなの塩村文夏氏(35)。塩村氏は涙ながらに質問を続けた。ヤジは自民都議らが座る一角から上がっていた。終了後、みんなの両角穣幹事長が、自民の吉原修幹事長に抗議した。

 吉原幹事長は、発生源が自民かどうかは「わからない」としながらも、「各会派が品位を持って臨むべきだ」と話した。



>ヤジは自民都議らが座る一角から上がっていた。

こんなもん自民党しかあり得ないでしょう。

これはきちんと検証して誰が言ったかまで特定するべきでしょう。

こんな差別主義者が自民党にいる事は、自民党にとっても恥ずべき事なのでは?



薬効のねつ造論文にノ社の有毒寄付金
しんぶん赤旗日曜版2014年6月22日付

 大手製薬会社「ノバルティスファーマ」(東京都、ノ社)が不正な研究論文を悪用し、多額の利益をあげていた問題が刑事事件に発展しました。高血圧治療薬「バルサルタン(商品名ディオバン)」を”ほかの病気の予防効果もある”とウソの宣伝をして、売り込んだ、というのです。その背景には…。
藤川良太記者
薬効のねつ造論文にノ社の有毒寄付金

 「ありもしない効果を宣伝して薬を売り歩いたことに憤りを感じている。薬は人間の命や健康に直結する」
 協同ふじさきクリニック(川崎市)の所長である桑島政臣医師は怒ります。自身もディオバンを利用し、患者にも処方してきました。
東京地検特捜部は薬事法違反(誇大広告)の疑いでノ社の元社員、白橋伸雄容疑者(63)を逮捕(11日)しました。
 ディオバンは血圧を下げる薬として2000年に厚生労働省が承認。血圧を下げる効果だけではこライバル薬も多数あります。
 そこでノ社は、他社の薬に比ベディオバンは脳卒中の予防などにも効くというウソの”効用”を押し出しました。
 この効用を裏付けしたのが京都府立医大をはじめ、ディオバンの臨床研究(注)をした東京慈恵会医大、千葉大、滋賀医大などの研究機関です。各大学は、「脳卒中や狭心症などのリスクか半減」(京都府立医大)、「他の降圧剤より脳卒中、狭心症、心不全の予防に有効である」(慈恵医大)とする論文を発表しました。
 論文を使いノ社は大々的に広告を展開。論文を発表した教授や日本高血圧学会の理事長らの座談会を医療専門誌に繰り返し掲載。論文を使った広告は約495種類にも及びました。
 日本高血圧学会も『高血圧治療ガイドライン2009』で慈恵医大の論文を引用。「単なる降圧以上に、直接臓器障害ひいては疾患発症を抑制する可能性がある」としました。ガイドラインは、医師が薬を処方する際に大きな影響を与えます。
 この結果、ディオバンの売り上げ総額は1兆2000億円を超え、ノ社の主力商品になりました。
 ところが-。

データ偽造

 ディオバンの”効用″を証明した論文のデータは、偽造されたものでした。
 これらの研究結果がおかしい、と12年に論文で疑義を表明した京都大学医学部付属病院
の由井芳樹医師は指摘します。
 「京都府立医大や慈恵医大の論文は、臨床研究の最後の血圧値が不自然に一致していた。通常ならおこりえない、おかしいものだった」
 由井氏の論文をきっかけに、ノ社と5大学は調査を開始。厚生労働省も検討委員会を設置しました。
 その結果、驚くべき事実が次々と明らかになりました。
 -臨床研究のデータが人為的に操作されていた。
 -白橋容疑者が5大学すべての臨床研究に深く関与していた。
 由井氏は言います。「同じような薬があれば、″えらい先生″が脳卒中に効くとガイドラインや広告で薦めた薬を使おうかと医師は考える。いいかげんな論文を公表した大学の罪は大きい」

ひも付き資金

 なぜ大学はノ社に有利な論文を発表したのか-。
 実は、ノ社から各大学に合計11億3290万円の奨学寄付金が渡っていました。ノ社も大学側も、この資金がディオバンの臨床研究に使われることを承知していました。
 「薬害オンブズパースン会議」の水口真寿美事務局長は指摘します。
 「今回の事件は、大学と企業の、持ちつ持たれつの関係で起きた事件だ」
 製薬企業が大学に”ひも付き″の資金を出して臨床研究をさせ、その結果を広告に使って販売を拡大していく-。そんな構図です。
 ウソの宣伝で1兆円を超える売り上げをあげたディオバン。その薬代は国民が払う保険料や税金、患者の自己負担でまかなわれています。まさに保険料や税金の″詐取″です。
 しかし、現状の法制度では、誇大広告の罰則は2年以下の懲役か200万円以下の罰金にすぎません。
 前出の水口さんは言います。
 「臨床研究が公正に行われるよう法制度を整備することが必要だ。ノバルティスは、不正にもうかった利益を吐き出し、臨床研究のための基金を創設することも考えていいのではないか」

小出裕章先生:吉田調書=責任のあった立場の人の調書として、きちっと公表すべきだと思います

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市民が支えるメディア~その可能性と課題とは(ラジオフォーラム#76)

http://youtu.be/aqiyrk3-NE4?t=16m26s
16分26秒~第76回小出裕章ジャーナル
吉田調書を通じて見えるもの「住民たちを被ばくから守るというよりはむしろパニックを恐れるというのが日本政府の基本的な方針だったように私には当時も見えました」

http://www.rafjp.org/koidejournal/no76/
石井:
今日は以前、朝日新聞にいらした、現在ジャーナリストで、現在デモクラTV代表の山田厚史さんにも加わっていただきます。

山田さん:
よろしくお願い致します。

小出さん:
山田さん、よろしくお願いします。

石井:
今日は、先月5月20日付の朝日新聞が朝刊の1面に掲載した独占スクープ「吉田調書」についてお伺いしたいと思うのですが。この吉田調書は簡単に説明すると、政府事故調査検証委員会東京電力福島第一原発の最高責任者だった吉田昌郎元所長。

残念ながらお亡くなりになりましたけれども、を聴取した聴取結果書を巡っていろいろな問題が指摘されているという状況です。この吉田調書について、まず小出さんはどんな風にご覧になってらっしゃいますか?

小出さん:
はい。私自身は、あの当時の事故の経過をそれなりに注意深く情報を集めながら判断をしてきましたので、吉田さんが書かれたというか、調書に応じて話されたということの内容自身は、特別不思議なことでも何でもないと思います

ただ、今改めて吉田さんの調書を読むとですね、当時がもの凄い緊迫した状態だったんだなと。何かもう3年経って皆さんすっかり忘れてしまっているように私には思えるのですが、ほんとに酷い事故があの当時起きていて、吉田さんも含めて生きるか死ぬかの瀬戸際で何日もの苦闘を続けていたということが改めてひしひしと伝わってきました

石井:
なるほどね。現実に、所員の9割が福島第二原発に逃げていて、現場には約1割ぐらいの人達しか対応ができない。その時に、1号機・2号機・3号機でいろいろなことが全部起きてくる。当然、対応ができない。つまり、吉田さん自身がこの調書の中で、「チェルノブイリ級ではなくてチャイナシンドロームだ」というような感想ももらしているという風に朝日は報じています。
福島第一の原発所員、命令違反し撤退
チェルノブイリよりさらにひどい事が起きる。つまり、もはや自分たちでは制御できないものに私達は手を付けてしまったという事がこれを読むとよく私は分かると思うんですが。
福島第一原発での命令違反の経緯と放射線量
放射線防護の線量の基準の考え方

小出さん:
はい。吉田さん自身はおそらくそうなるかもしれないという危機感の中で、どうすれば所員を少しでも被ばくから守れるか。

そして、一方では何としても事故を終息させなければいけないという、本当に二律背反ですね。その中で、一刻一刻どうすればいいかとか考えていたのだと思いますが、東電本社が全然頼りにならないという中で、彼はやらざるを得なかったという立場だと思います

小出裕章ジャーナル

石井:
なるほどね。山田さんから、ご質問があれば。

山田さん:
あの時に、東電の本社では撤退するって話がありましたよね?

下村ノート
7:08 東電「かなりマズいので退ヒさせたい」
下村ノート ドキユメント3・15

小出さん:
そうでした。

山田さん:
結果的に、あの時に吉田さんは頑張ったんですけども、くじけちゃって浮き足立ってみんな逃げちゃったら、どんな事になったんでしょうかねえ?

小出さん:
はい。吉田さんの確か調書の中にあったと思いますけれども、ずーっとあの時、注水をしなければいけないということで、1号機・2号機・3号機、あるいは4号機に水を入れようとしていたわけです。

なんとかその作業をずーっと維持できたからこそ、今の段階でとどまってるわけですけれども、あの段階で、福島第一原発の作業員がみんな逃げてしまうということになれば、注水自身が全くできなくなるわけですから、これまででも出てきた放射性物質は大量ですけれども、それ以上の放射性物質がたぶん吹き出してきたということになったと思います

石井:
なるほどね。それと、もうひとつ小出さん、そのドライベントを準備せざるを得なかった。格納容器の圧力が高くなったために、高濃度の放射性物質を3号機から空中に出そうとしていたと。しかも、この格納容器の中の圧力が上昇していたことを公表することを規制したということが、この調書の中で明らかになりましたね。


小出さん:
はい。私の言葉で聞いて頂こうと思いますけれども、当時、事故の進行の最中で日本の政府が恐れたことは、住民達がパニックに陥るということだったのだと思います。住民たちを被ばくから守るというよりは、むしろパニックを恐れるというのが日本政府の基本的な方針だったように私には当時も見えましたし、今ふり返ってみてもそうなんだと思います

そういう時には、住民がパニックを起こすような情報というのは、できる限り抑えなければいけないということになるわけですし、実際に当時も彼らはSPEEDIという計算コードの結果を隠したりして、とにかく住民にパニックを起こさせないというように行動していました。

石井:
そうですよね。

山田さん:
事故が起きた時の情報の出し方というのは凄く難しいわけですね。これだと、完全に情報統制をして知らせないまんま、その高濃度のガスを生出ししようとしたわけですよね?

結果的には、なんか下の方で爆発したから、その事もしなくて済んだでしょうけど。あの時に生出ししてたら、これ大変な話になりましたよね?

小出さん:
はい。住民達も不安にはなったでしょうけれども、でも例えばSPEEDIの情報を政府が隠してしまったというために、住民たちは逃げることもできないまま、大量の被ばくをしてしまったという人達だっているわけですし、やはり、情報というのは限りなく公表して、住民たちにも知らせた上で、どんなことができるかということを選んでいくということは私はいいのだと思います
WSPEEDI-II による放出率推定結果20110315
2011年03月15日のWSPEEDI-II による放出率推定結果

石井:
小出さん、なんとかそういう形のなるべく隠そう隠そう、なかったことにしようということに対して、せっかく吉田さんがここまで答えている中で、そのことから学ぶべきことというのは、多分小出さん沢山ありますよね?

小出さん:
当然です。吉田さんという方は、お亡くなりになった方に矢を放つようで申し訳ありませんが、福島第一原子力発電所の所長だったのです。

幸いなことにというか、大変豪胆な気質を持たれた方で、最後まで自分の責任を全うしようとして戦って下さった方であって、私は吉田さん自身は優れた方だとは思うけれども、それでもきちっとした責任のある立場な人なわけですから、その人が公表を望まなかったから、公表しないということはあり得ないと思います。

現在、たくさんの人々が被害者として存在しているわけですから、責任のあった立場の人の調書として、きちっと公表すべきだと思います

石井:
ありがとうございました。またよろしくお願い致します。


一言いわせてください(`・ω・´)
吉田所長はなぜか高圧注水系(ECCS)の使用をためらい、さらに、非常用電源の回復をさせようせずに海水を注入して、原子炉圧力容器の逃し弁を開き、また、2号機格納容器のベントを実施しました(ドライベント)。それらによって、2014年3月15日、福島県民に何も知らせることをせずに、おりからの南東の風に乗って放射能をばらまいたのです。
Environmental Pollution Volume 163_2012
大気拡散状況と放出率推定
この結果、福島県民をはじめとする多くの国民が被ばくしたのです!
これらは吉田所長の重大な過失なのではないでしょうか?
なぜ、このことをマスコミは触れようとしないのか・・(;`O´)o


関東一円が放射性ヨウ素被ばく

http://youtu.be/gCB7oftp7K8




日本を救った男―吉田昌郎元所長の原発との壮絶な闘いと死
(門田 隆将)
http://www.nippon.com/ja/currents/d00093/

門田隆将 吉田昌郎を語る

http://dai.ly/x142l8g

お粗末な朝日新聞「吉田調書」のキャンペーン記事
(門田 隆将)
http://blogos.com/article/87529/

安倍官邸が激怒!福島原発吉田調書流出で犯人捜し

泉下の吉田所長が感謝する間組の矜持



#福島 #原発 #放射能 全地球拡散モデル☢#Fukushima #Radiation Fallout☢inWorld

http://youtu.be/zEOqGLCy54E
New model shows West Coast covered in Fukushima fallout a week after 3/11 — Asahi: Public is “anything but” safe outside of evacuation zone during a Fukushima-class disaster, radiation dose over 50 millisieverts in 7 days for people living ~100 miles away is possible (VIDEO)
http://enenews.com/new-simulation-shows



検討していないのに、因果関係なしで「見解一致」の怪 福島県民健康調査
(東京新聞【こちら特報部】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014061502000150.html
 「検討委員会では『いま見つかる甲状腺がんは福島原発事故の影響と考えにくい』が一致した見解」。福島県の県民健康調査の実施主体である県立医科大はそう発表してきた。ところが、検討委内部の専門部会長が「因果関係は詳しく検討していない」と異議をとなえた。最近の会合では、県医大の拙速な判断に対し、委員から批判が噴出している。結論ありきのように映った従来の流れは変わるのか。
(榊原崇仁)
検討していないのに因果関係なしで見解一致の怪

県民健康調査 変化の兆し

 「検討委で議論は深くやっていない。データもない。因果関係を調べるために何が必要かというところから始めないといけない」
 今月10日の専門部会後の記者会見で、部会長を務める日本医科大の清水一雄名誉教授はそう述べた。
 この調査の一環で、県医大が行う子どもたちの甲状腺検査では、これまでに甲状腺がんが50人に見つかった。疑いは39人に上る。この結果をどう評価するかを考えるのが検討委員会で、内容をより詳しく議論するのが専門部会だ。
 検討委や専門部会で県医大は従来、「いま見つかるがんは事故の影響と考えにくい」と説明してきた。
 主な理由は、福島の被ばく線量は「健康影響が確認される100ミリシーベルト超」を下回る・甲状腺がんは非常にゆっくり育つことを考えると、いま見つかる分はかなり前にできた・チェルノブイリ原発事故で甲状腺がんが増加したのは、事故発生から4年後─などだ。
 県医大はホームページで「『事故の影響は考えにくい』は検討委員会でも検討され、一致した見解となっている」と記してきた。
 しかし、今年に入り、検討委や部会では県医大の判断に異論が相次いでいる。さらに情報公開の不十分さにも不満が募っている。
 福島大の清水修二特任教授は5月の検討委で「100ミリシーベルト以下は問題なし」に疑問を示した。国立がん研究センターの津金昌一郎氏も被ばく線量別にがんの発症状況を調べ、因果関係を評価すべきだと説いた。
 被ばくのデータが乏しいという問題もある。県医大は被災者の行動記録から事故後4カ月の線量を推計しており、最大で66ミリシーベルトだった。ただ、回答率は25.9%。双葉郡医師会の井坂晶顧問は「6割ないと満足できない」と指摘する。
 さらに県医大が推計するのは外部被ばく線量だ。甲状腺がんを引き起こすのは放射性ヨウ素による内部被ばくのため、弘前大の床次真司教授は放射性ヨウ素の線量を使うよう求めた。
 3月の部会で「いまの検査では因果関係は評価できない」と発言した東京大の渋谷健司教授も厳しい。環境省は甲状腺がんの発生頻度の比較のため、青森、山梨、長崎の3県で甲状腺検査をした。しかし、渋谷教授は福島の対象が40万人弱に対し、3県の検査は5000人弱のため、「福島とサンプルが違い、偏っている可能性がある」と語る。
 清水部会長は「いま見つかるがんでも、小さいものは事故の影響か否か、判断が難しい」と話す。県医大はがんのサイズや転移の詳細を明かしていない。
 部会長は今月10日の部会で、チェルノブイリ原発事故の知見についても「本当に、がんが増えたのは4年後だったのか。既成概念を持っては冷静に判断できない」と疑義をとなえた。

結論ありきと攻防 福島県民健康調査

 検討委は非公開の場で議論する「秘密会」が発覚したことを受け、昨年5月、委員を入れ替えた。半年後に専門部会もスタート。県医大の拙速な判断に異を唱えるのは、こうした新加入の専門家たちが中心だ。
 検討委座長の星北斗県医師会常任理事は、検討委後の会見でほぼ毎回、因果関係について「考えにくい」と答えている。これが検討委の見解のように報道されてきたが、清水部会長は10日の会見で「星先生の個人の意見」と述べた。
 そもそも「考えにくい」で見解を一致しようにも、十分に議論の時間が確保できていないのが現状だ。

議題に上がらず なぜ「見解一致」

 検討委も部会も3カ月前後に1回のペースで、1回2~3時間ほど。県医大や県が検査を終えた数やがんの数などを報告するにとどまり、多くの時間が詳細確認に割かれている。
 因果関係は議題にも上がっておらず、県医大が質問の回答時に時折「因果関係は考えにくい」と答える程度だ。こんな状況で、なぜ県医大は幻の「見解一致」まで持ち出し、「因果関係は考えにくい」という自らの見方を押し出すのか。
 検査の当初計画をひもとくと、「現段階で放射線由来のがんが見つかるはずがない」という結論が調査前からあり、いまもそこにこだわっているようだ。
 「こちら特報部」が情報公開した文書によると、2011年5月段階の計画では、甲状腺検査は14年、つまり今年から始める予定だったことが分かる。
 6月段階の計画では、被ばくから4、5年後にがんが増えるというチェルノブイリ原発事故の知見を挙げつつ、「早期発見に役立てるため、14年から検査する」とある。つまり「早く見つかるにしても14年」という判断があった。
 検査の実施を前倒ししたのは、この判断を見直したからではないようだ。
 6月段階の計画書の添付資料には「『小佐古氏』が小児甲状腺がんの検査を熱望、との記事もあり、世論は検査に動くか それならば前もって検査するか」とある。
 「小佐古氏」とは11年4月末に政府の対応を批判して、内閣官房参与を辞任した東京大の小佐古敏荘(としそう)教授のことだ。
 この時期の議論をまとめた資料によると、「甲状腺検査は3年後でいいが、まったくやらないわけにもいかない」という見解が記されている。社会的に影響力のある人物の予期せぬ反応と、世論を気にして検査を早めたということが真相のように見える。
 とはいえ「結論ありき」の姿勢は崩さない。県医大は現在に至るまで、チェルノブイリ事故を引合いに出しては「現地でがんが増えたのは4年後」「福島の方が被ばく線量は低い」と繰り返している。
 県医大と専門家の見解の相違という事態を踏まえてか、検討委の星座長は5月の会見で「因果関係の解明は検討委の第一のミッション(使命)ではない」と述べた。一方、がんが見つかっても医療面の支援が十分ではない現状を踏まえ、「健康影響があるかもしれないと思う人に解決策を示すべきだ」と説いた。
 被災者を支援する国際環境団体「FoE Japan」の満田夏花理事は「子どもの健康を考えれば、星氏の発言はある面では正しい」と理解を示す。
 とはいえ、情報公開文書によると、国の担当者は事故直後、「補償は(事故とがんの)因果関係が明らかになった範囲で行うべきだ」と述べていた。逆に読めば、因果関係の議論を避ければ、補償はうやむやになりかねないことになる。
 満田理事もこう語る。
 「事故の責任に関する問題も健康影響と結びつく。因果関係の議論が重要であることには変わりはない」

結論ありきと攻防 福島県民健康調査 デスクメモ



映画 東京原発 (2004年公開作品)

http://youtu.be/CGugivM8V20


へいわの絵本うまれたよ 大人だってがんばるよ

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さとうきび畑

http://youtu.be/YZ-vhsASZDQ

さとうきび畑

(作詞/作曲:寺島尚彦)

ざわわ ざわわ ざわわ 広い さとうきび畑は
ざわわ ざわわ ざわわ 風が 通りぬけるだけ
今日も 見わたすかぎりに 緑の波が うねる
夏の ひざしの中で

ざわわ ざわわ ざわわ 広い さとうきび畑は
ざわわ ざわわ ざわわ 風が 通りぬけるだけ
むかし 海の向こうから いくさが やってきた
夏の ひざしの中で

ざわわ ざわわ ざわわ 広い さとうきび畑は
ざわわ ざわわ ざわわ 風が 通りぬけるだけ
あの日 鉄の雨にうたれ 父は 死んでいった
夏の ひざしの中で

ざわわ ざわわ ざわわ 広い さとうきび畑は
ざわわ ざわわ ざわわ 風が 通りぬけるだけ
そして 私の生れた日に いくさの 終わりがきた
夏の ひざしの中で

ざわわ ざわわ ざわわ 広い さとうきび畑は
ざわわ ざわわ ざわわ 風が 通りぬけるだけ
風の音に とぎれて消える 母の 子守の歌
夏の ひざしの中で

ざわわ ざわわ ざわわ 広い さとうきび畑は
ざわわ ざわわ ざわわ 風が 通りぬけるだけ
知らないはずの 父の手に だかれた夢を 見た
夏の ひざしの中で

ざわわ ざわわ ざわわ 広い さとうきび畑は
ざわわ ざわわ ざわわ 風が 通りぬけるだけ
父の声を 探しながら たどる 畑の道
夏の ひざしの中で

ざわわ ざわわ ざわわ 広い さとうきび畑は
ざわわ ざわわ ざわわ 風が 通りぬけるだけ
お父さんて 呼んでみたい お父さん どこにいるの
このまま 緑の波に おぼれてしまいそう
夏の ひざしの中で

ざわわ ざわわ ざわわ けれど さとうきび畑は
ざわわ ざわわ ざわわ 風が 通りぬけるだけ
今日も 見わたすかぎりに 緑の波が うねる
夏の ひざしの中で

ざわわ ざわわ ざわわ 忘れられない 悲しみが
ざわわ ざわわ ざわわ 波のように 押し寄せる
風よ 悲しみの歌を 海に返してほしい
夏の ひざしの中で

ざわわ ざわわ ざわわ 風に 涙はかわいても
ざわわ ざわわ ざわわ この悲しみは 消えない


「さとうきび畑」の歌碑を!

「さとうきび畑」の歌碑


へいわの絵本 うまれたよ
沖縄慰霊の日 昨年6歳朗読

東京新聞2014年6月23日付
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014062302000110.html
 平和を願う沖縄の六歳の少年の詩「へいわってすてきだね」が今月、絵本になった。「みんなのこころから、へいわがうまれるんだね」。昨年の沖縄慰霊の日、六月二十三日に全戦没者追悼式で朗読された詩に、編集者や絵本作家らが心を動かされ、「大人も何かしなくちゃ」と真っ正面から向き合った。
(鈴木久美子)

へいわの絵本うまれたよ

大人だってがんばるよ

 詩は、沖縄市の小学二年生安里有生(あさとゆうき)君(七つ)が昨年、与那国町に住んでいた一年生のときに、道徳の授業で沖縄戦や平和の話を聞いて、書いた。沖縄県平和祈念資料館が、毎年小中高校生を対象に詩や作文などを募る「平和のメッセージ」で小学校低学年の部の最優秀賞に選ばれ、昨年の全戦没者追悼式で安里君本人が朗読した。
 安里君は、与那国の自然や、家族や友達と過ごす日常をつづり、「ずっとへいわがつづくように ぽくも、ぽくのできることからがんばるよ。」と結んだ。出版社ブロンズ新社(東京)の編集長若月真知子さんは、東京新聞に掲載された全文を読んだ友人を通じて詩を知り、絵本化を企画した。
 「普通に暮らしていることこそが平和なのだと、子どもの目から書かれていてすごいと思った」と語る。
 絵本作家の長谷川義史(よしふみ)さん(五三)=大阪市=は若月さんから絵を依頼され、「今伝えなければならないテーマだ」と、引き受けた。昨年九月には与那国町へ行き安里君にも会った。
 多くの絵本を手掛けたベテランだが、「詩にある心象と具体的な物事を、同じテイストで描き一冊にまとめるのはとても難しくて、何度も逃げ出したくなった。でも、ごまかさずに取り組んだ」と特別な作品になったとする。苦しみつつ、今年の慰霊の日に完成を間に合わせた。水彩の絵は、与那国ののんびりした空気も戦争の緊張感も、安里君の目線を誠実に再現している。
 「平和って何だろうなと思いながら詩を書いた」と安里君は言う。完成した絵本に「絵がうまくて、僕の書いた文もちゃんとのっていてうれしい」。
 平和のメッセージは、沖縄戦を風化させないようにと平和祈念資料館が毎年続け、今年で二十四回目になる。過去二万八千点以上の応募があったが、絵本化は初めてだ。学芸員の功刀弘之さんは「沖縄発のメッセージを全国に伝えられる」と喜ぶ。絵本はまず県内の全小学校と幼稚園に寄贈する。
 若月さんは「集団的自衛権行使容認を議論する国会に手は届かなくても、安里君がしたように、一人一人が自分たちの平和ってなんだろうと見つめることから、何かが始まるのでは」と期待を込める。

へいわってすてきだね
http://www.bronze.co.jp/books/post-95/
ブロンズ新社

「へいわって すてきだね」安里有生
「へいわって すてきだね」あとがき長谷川義史

"へいわってすてきだね"  久部良小1年 安里有生

http://youtu.be/NBonUaHnC-g

「へいわって すてきだね」が生まれた背景を紹介


平和への誓い新た 戦後69年 沖縄全戦没者追悼式
(琉球新報)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-227419-storytopic-1.html
平和への誓い新た 戦後69年沖縄全戦没者追悼式
 沖縄戦で犠牲になった20万人余のみ霊を慰め、世界の恒久平和を誓う「沖縄全戦没者追悼式」が23日午前11時50分から、糸満市摩文仁の平和祈念公園で開催された。平和祈願慰霊大行進は午前9時に糸満市役所を出発し、南部の激戦地を回った後、追悼式に合流した。正午には参列者が黙とうをささげた。式には安倍晋三首相や伊吹文明衆院議長、山崎正昭参院議長のほか、キャロライン・ケネディ駐日米大使が出席した。
 喜納昌春県議会議長は式辞で「オスプレイの強行配備など幾度となく県民の民意は踏みにじられ、政府への不信と怒りは限界にきている」と述べ、米軍普天間飛行場の早急な閉鎖・撤去や沖縄の過重な基地の負担軽減を政府に求めた。県遺族連合会の照屋苗子会長が追悼の言葉を述べ、普天間飛行場の県外移設を求めた。
 安倍首相らの献花の後、仲井真弘多知事が平和宣言を読み上げた。また石垣市立真喜良小学校3年の増田健琉君が平和の詩「空はつながっている」を朗読した。その後、安倍首相と伊吹、山崎衆参両院議長が来賓あいさつした。
 平和祈念公園には早朝から遺族が続々と訪れ、平和の礎に刻銘された戦没者の氏名の前で子や孫と共に花を手向ける姿や、石板に刻まれた肉親の名前を指でなぞりながら語り掛ける姿も見られた。

平和への誓い新た 沖縄戦後69年



沖縄戦 - Wikipedia
沖縄戦の戦闘経緯
沖縄戦の戦闘経緯慶良間列島・沖縄本島上陸本島北部・伊江島の戦闘本島中部・首里の戦闘本島南部の戦闘大東諸島の戦闘宮古・八重山の戦闘

沖縄戦において、日米両軍は、総力を挙げて死闘をくり広げた。米軍は物量作戦によって、空襲や艦砲射撃を無差別に加え、おびただしい数の砲弾を打ち込んだ。
この「鉄の暴風」は、およそ3カ月におよび、沖縄の風景を一変させ、軍民20万の死者を出す凄まじさであった。

BATTLE OF OKINAWA 1945沖縄決戦HD

http://youtu.be/80fw7dqN-sk


<未来に伝える沖縄戦>前田善輝さん 上

http://youtu.be/raaXohrrDn4
<未来に伝える沖縄戦>米軍の攻撃逃れ南へ 吉嶺全一さん(81)上
2013年5月25日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-207081-storytopic-239.html

<未来に伝える沖縄戦>前田善輝さん 下

http://youtu.be/1gK93vOlSZQ



ニュースがわかるA to Z 沖縄戦 慰霊の日
東京新聞2014年6月23日

 6月23日は沖縄県の「慰霊の日」。 1945年の沖縄戦で日本軍の組織的抵抗が終わった日とされている。この日、県民の多くは休日となり、20万人以上に上った沖縄戦の犠牲者を悼む。あの日から69年。沖縄県民の暮らしは国家の利害に翻弄され続けた。
(生活部・三浦耕喜)

ニュースがわかるA to Z 沖縄戦 慰霊の日

犠牲者24万人余悼む

6月23日は?

 沖縄戦で日本軍の司令部が消滅し、命令に基づく戦闘ができなくなった日にちなんで、沖縄県は六月二十三日を「慰霊の日」と定めている。県独自の休日で、県や市町村の役所、学校は休みとなる。沖縄戦最後の戦いの地となった本島南部、糸満市摩文仁にある平和祈念公園では「沖縄全戦没者追悼式」が開かれる。米兵を含め、沖縄戦で倒れたすべての犠牲者を悼んで、正午に黙とうが行われる。
 本土で戦没者を慰霊する日は、天皇がラジオ放送で無条件降伏を告げた八月十五日が主だ。だが、現在の日本で唯一、多くの住民を巻き込んだ地上戦が行われた沖縄の人々にとって、六月二十三日が節目となる。
 第二次世界大戦の終盤、日本本土への上陸を目指す米軍は、足がかりに沖縄侵攻を企てた。一九四四年十月十日の空襲で那覇市の九割が焼失。住民の避難が進まないまま、米軍は四五年三月二十六日に慶良間諸島に上陸、四十万人以上の県民が残されたまま沖縄戦は始まった。
 四月一日に米軍は本島西側に上陸。米軍は地形も変わるほどの砲火を浴びせ、後に「鉄の暴風」と呼ばれた。日本軍の司令部は那覇市の首里城地下から撤退、自然のガマ(洞窟)が多い摩文仁に移動した。だが、ガマにはすでに多くの住民が避難してきていた。沖縄県の調査では、住民らは日本兵によりガマを追い出された、と証言する。
 沖縄戦で守備軍を指揮した司令官の牛島満陸軍中将が自決したとされるのが四五年六月二十三日。日本軍が組織的抵抗を終えた日とされている。だが、個別的な戦闘はその後も続き、米軍が沖縄戦の終結を宣言したのは七月二日、降伏文書への正式調印は九月七。日たった。
 犠牲となった一人一人の名前は祈念公園の「平和の礎」に刻まれている。その数は今年新たに刻まれた五十四人を加え、二十四万千二百八十一人に上る。

ニュースがわかるA to Z 沖縄戦 戦後は

米軍に翻弄され続け

戦後は?

 戦後の沖縄県民は、軍事を最優先とする米国の占領行政下で暮らした。
 生き残っだ人々は米軍の収容所で生活し始めた。住居のテント、衣服の作業用軍服、食糧も米軍の配給だった。現在では郷土料理「チャンプルー」の具にもなっているランチョンミート「スパム缶詰」も、この時から沖縄に大ってきたものだ。
 やがて帰郷が許された。だが、住んでいた土地や農地を米軍に取り上げられる事件が各地で相次いだ。
 東西冷戦を背景に、米軍は沖縄の基地を強化していたのだ。人の手が大った土地は基地にしやすかった。武装した兵士が威嚇する中、重機で家や田畑を引きならすありさまに、「銃剣とブルドーザー」との怒りの声が上がった。対価の地代では暮らしは成り立たなかった。
 戦争で他の産業は壊滅していた。基地は数少ない働き口になった。収入を基地に依存する構造ができたのは、生きるすべを失った人々が、やむを得ず選んだためでもある。
 生きるためには危険も冒した。人々は戦場に残されたスクラップを掘り起こした。朝鮮戦争が始まり、鉄くずが売れていた。当時の沖縄の収入源としては砂糖を超えた。スクラップを掘れば、不発弾にも当たる。戦後十年間で五百人近くが爆発事故で死んだ、とされる。
 暮らしの元手でもあるお金も頻繁にかわった。当初、米軍は「B型軍票(B円)」を発行した。だが、占領コストを抑えるための試行錯誤もあり、日本円への一本化、B円への再切り替えと方針は定まらなかった。五八年にドルになったが、七二年の日本復帰に伴い日本円に。県民は通貨交換のたびに振り回された。ちなみに「A型軍票(A円)」は朝鮮半島の米軍占領地域で使われた。
 基地があることで、県民の暮らしは世界の動乱とじかに向き合わされた。「慰霊の日」は、その中で生きるすべを見いたしてきた県民の歩みを振り返る一日でもある。

痛み共有すべき日

本土では

 六月二十三日を倬む沖縄の気持ちに日本はどう応えてきたのか。それは「慰霊の日」が現在の「県民の休日」になるまでの経緯にも表れている。
 同日を「慰霊の日」の休日とすることは、沖縄復帰前の「琉球政府」時代の法律で定められていた。だが、七二年の日本復帰に伴って、琉球政府時代の法律は失効。「慰霊の日」は法的根拠を失った。新たに発足した沖縄県は県内市町村とともに条例で定めることで対応した。
 だが、八八年の地方自治法改正で、自治体は独白の休日を設けることができなくなった。官公庁が週休二日制へ移行するための措置だったが、六月二十三日を特別な日とする沖縄の心情を度外視したものだった。
 改正法に基づいて、県が八九年に「慰霊の日」の休日を廃止する条例案を県議会に提出すると、県内から保守・革新を超えて反対の声が上がった。条例案は県議会の全会一致で廃案。反
発に国も動き、九一年の地方自治法再改正で自治体が独自に休日を定められるようになった。
 「慰霊の日」をめぐる議論は、沖縄の心情に鈍い本土の姿勢を際立たせた。
 本土からの米軍撤退が進んだ一方で、沖縄に基地が集約された経緯も忘れてはならない事実だ。オスプレイの配備された米軍普天間飛行場(宜野湾市)の米海兵隊は、岐阜県各務原市と、山梨県富士吉田市などにまたがる北富士演習場から五六年に移ってきた。その後、山口県岩国市に駐留していた海兵隊も集められた。
 現在、日本の国土面積のO・6%にすぎない沖縄県に、日本にある米軍基地の七割が集中している。本土の暮らしは沖縄の痛みの上に築かれている。本土にとっても「慰霊の日」はそのことを思う機会でもある。


読谷バーチャル平和資料館
http://heiwa.yomitan.jp/index.html
より

2.農民の闘い -銃剣とブルドーザーによる土地取り上げ-
http://heiwa.yomitan.jp/3/2696.html
 サンフランシスコ講和条約発効後、米国民政府は布令91号によって「契約権」を公布し、賃貸借契約による土地の継続使用を確保しようとしました。しかし、賃貸借期間が20年と長く、一坪の年間賃料は2セント程度とただ同然であったため、契約による土地取得を断念しました。
 米国民政府は、1953年に布令109号によって「土地収用令」を公布し、真和志村(現那覇市)銘刈・具志、宜野湾村(現宜野湾市)伊佐浜、伊江村真謝など、各地で強制的な土地接収を開始しました。武器を持たず必死に反対を訴える住民に対し、米軍兵士は銃剣で武装し、ブルドーザーを使って家屋を押しつぶし、耕作地を敷きならしていったのです。

家を破壊された伊江島の農民
家を破壊された伊江島の農民
1955年頃。〔写真提供:阿波根昌鴻氏〕


慰霊の日/史実の風化許さない 沖縄戦の教訓を次代へ
(琉球新報)2012年6月23日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-192945-storytopic-11.html
 戦後67年、慰霊の日がまた巡ってきた。きょう23日、糸満市摩文仁で沖縄全戦没者追悼式が催され、県内各地の慰霊碑でも祈りがささげられる。
 激しい地上戦に日本軍が意図的に住民を巻き込んだ結果、おびただしい命が失われ、生き残った者も無残な生を強いられた。
 こうした犠牲を払って得た教訓を、無にするかのような動きが近年、活発化している。先人が味わった辛酸を、無念を、決して無駄にしてはならない。次代にその教訓をつなぐ使命の重さを、鎮魂の日にあらためてかみしめたい。

珍妙な理屈

 今年3月、県は首里城公園内に旧日本軍第32軍司令部壕の説明板を設置した。沖縄戦史の有識者で構成する設置検討委員会がまとめた説明文から、日本軍による住民虐殺の記述と、壕周辺での「慰安婦」の存在を示す記述を削除しており、削除への批判を押し切っての設置だった。
 県の説明は実に珍妙な理屈だった。虐殺については「あったという証言と、なかったという証言の両方があって不確か」だから削除したという。「あった」というのは目撃証言であり、虐殺の存在をまさに証明するものだ。これに対し「なかった」という証言は、本人がその場にいなかった、目撃しなかったことを示すにすぎない。これを同列に扱い、「見ていない」旨の証言で目撃証言を消去するとは、この種の証言史料を扱う態度として、およそ信じがたい。
 まるで、ナチスのユダヤ人連行を見たことがない人がいたから、「アウシュビッツの悲劇は存在しない」と強弁するかのような暴論だ。こんな理屈は世界に通用しない。
 「慰安婦」についても同様だ。第32軍司令部の史料にも軍が女性75人を南部に移動させる命令があり、いくつかの証言から辻の料亭や朝鮮人の女性たちが「慰安婦」にされ、壕内にいたことは分かっている。だがこれも、「見ていない」人がいたから「なかった」ことになった。
 これらは県教育庁が今年まとめた「沖縄戦日本軍史料」でもあらためて明らかになったものだ。住民虐殺や「慰安婦」の存在は2007年の県平和祈念資料館の証言集でも既に明らかだ。県は自らの資料で明らかな事実を、消去したことになる。
 昨秋、説明文の内容が報じられた後、県に電話やメールで80数件の記述削除要求が来た。この動きが、県の削除の背景にあったのは間違いない。

頼もしい動き

 多くの証言があるのに史実をねじ曲げるのは、歴史教科書の「集団自決」(強制集団死)軍命削除検定とも通底する。一部のグループの圧力で沖縄戦の史実がなかったことにされるのを許してはならない。
 時がたち、生存する目撃者がいなくなれば、一部のグループは今以上に史実をなかったことにしようとするだろう。史実をきちんと次代に引き継ぐことの重要性が、今ほど問われる時期はない。
 その意味で、最近の若い人たちの動きは頼もしい。
 自治体の平和学習事業を体験した高校生や大学生が、沖縄戦を語り継ぐ活動をしたり、病院壕のガイドをしたりしている。本紙連載「未来に伝える沖縄戦」で体験者の話を聞いた中学・高校生は、友人や次の世代に語り継ぐ決意を語っている(本紙22日付)。
 史実を風化させようとする動きへの抵抗の意思が、無意識のうちに広まりつつあるのではないか。こうした継承の機運を広げたい。
 軍隊は住民を守らないという教訓、軍の存在が島に敵の攻撃を呼んでしまったという教訓、命こそが何よりの宝であるという教訓を、われわれは沖縄戦という甚大な犠牲を払って学んだ。
 昨今の自衛隊配備強化の動きは、その教訓に照らして正しいと言えるのか。戦争につながる動きは注意深く排除したい。

読谷バーチャル平和資料館
http://heiwa.yomitan.jp/index.html
より

7.ガマと戦場 -軍人よりも多い住民の犠牲者-
http://heiwa.yomitan.jp/3/2622.html
 1945年5月下旬、中部戦線で主戦力の8割を失った沖縄守備軍の司令部は、南部へ撤退しました。アメリカ軍は掃討戦を展開し、海からも空からも砲弾をあびせ、緑豊かな丘陵は、石灰岩の白い肌がむきだしになり、家も木も森も全てを焼き尽くしました。
 南部へ逃げた住民たちは、ガマや墓に身をひそめましたが、そこも安全な場所ではありませんでした。日本兵によって食料を強奪され、ガマや墓から追い出された人びともいました。幼い子どもたちの泣き声でアメリカ軍に発見されるという理由で砲弾の中に追い出されたり、スパイ容疑による殺害、自決の強要など、自国の軍人によって命を奪われた人も少なくありませんでした。
 沖縄本島ではアメリカ軍上陸の4月1日に収容所に囲われ、戦後生活をはじめていた住民もいましたが、8月15日すぎても山野を逃げまどっている人びともいました。戦闘に巻きこまれた住民の死者は軍人よりも多かったのです。

伊良皆の壕
伊良皆の壕
伊良皆の壕に避難していた住民は、2時間にわたる説得でやっと出てきた。中には追い込まれて二人の子どもを自分の手で殺した人もいたという。(4月3日)

水を与える米兵
水を与える米兵
米兵は捕らえた住民に水をあげようとするのだが、鬼畜米英と恐れられ、恐ろしい殺され方をすると教えられた住民には、まともにその米兵の顔を見ることはできなかった。
当時は捕虜になるということは大変勇気のいることであった。(4月1日)


島唄 本当の意味(裏歌詞付)

http://youtu.be/DKB41krUnVU



首相「寄り添う」空虚
(琉球新報)2014年6月24日
首相「寄り添う」空虚 琉球新報 2014.6.24
「沖縄の方々の気持ちに寄り添いながら、できることは全て行う(辺野古移設、集団的自衛権行使は行う)」

「行政の憲法解釈当然」集団的自衛権で首相表明 
変更正当性を強調

(琉球新報)2014年6月25日
「行政の憲法解釈当然」変更正当性を強調

 安倍晋三首相は24日、通常国会閉幕を受けて官邸で記者会見し、集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈変更の正当性を強調した。「行政権は内閣に属する」と定めた憲法65条の下、解釈変更は許されるとの認識を示し「行政府が憲法を適正に解釈することは当然で必要なことだ」と表明した。自民、公明両党の協議結果を踏まえ、解釈変更の早期の閣議決定に意欲を示した。
 国の最高法規である憲法については、政権に都合のいい解釈変更を認めた場合、憲法が国家権力を縛る「立憲主義」の否定につながるとの批判が根強い。
 首相は「憲法解釈については、最高裁判所に最終的に確定する権能かある」とも説明した。
 解釈変更の内容に関し「現行憲法の下で認められる自衛権行使は、必要最小限度の範囲内にとどまるとの従来の基本的な立場は変えない」と明言。「武力行使を目的として、イラク戦争や湾岸戦争での戦闘に参加するようなことは、これからも決してない」と訴えた。
 解釈変更の閣議決定については「决めるへきときには、しっかり決める。答えを出さなければならない」と、迅速に対応する方針を明らかにした。閣議決定に伴う自衛隊法改正などの関連法整備については「必要な法案は準備ができ次第、国会に諮る」とした。


米国の戦争に参加するという意味 集団的自衛権の行使容認問題
(東京新聞【こちら特報部】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014061902000158.html
 集団的自衛権の行使容認をめぐる与党協議が、今国会の会期内にまとまるかどうかは微妙な情勢だ。しかし、それは些細(ささい)なことにすぎない。協議は込み入った論議に映ってはいるが、本質は米国の戦争に自衛隊を直接参加させるか否かの是非だ。その米国が戦後、軍事力を世界でどう行使してきたのか。集団的自衛権の行使の問題は、米国の戦争の道義性とも絡んでいる。
(出田阿生、林啓太)

米国の戦争に参加するという意味 集団的自衛権の

米国の戦争に加勢

 集団的自衛権の行使容認をめぐる自民・公明両党の与党協議は日替わりメニューのように論点が目まぐるしく移り変わっている。
 政府は、極端な事例や行使の条件を出しては引っ込めている。過去の政府見解にも手を加えている。
 今月3日の協議で、政府は憲法が禁じる「他国による武力行使との一体化」の判断基準として4条件を出してきた。だが、これは3日後に撤回された。
 次に政府は新たな3つの基準を出した。①戦闘が行われている現場では支援しない②後に戦闘が行われている現場になったときは撤退する③ただし、人道的な捜索救助活動は例外とする─という内容だ。だが、戦闘中の現場で自衛隊が民間人や負傷兵を救出した際、相手国から攻撃される危険があると批判された。
 13日には、高村正彦自民党副総裁が72年の政府見解を骨抜きにした私案を提示した。同見解にある自衛権行使の条件の「国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される急迫、不正の事態」のうち、「事態」を「おそれ」に変えた。その場合、判断するのは政府。恣意(しい)的な判断を許しかねない。
 この与党協議の混乱の原因は何か。軍事評論家の前田哲男さんは「正攻法で9条改憲ができず、96条の変更にも失敗した安倍首相にとり、解釈改憲は最後の手段。混迷は手法の無理に起因する」と分析する。
 では、安倍政権の狙いは何か。前田さんは「海外での自衛隊の武力行使を既成事実化したいのだろう。その一里塚として、首相は米国の要請と同時に派兵できる態勢を目指している。いまは要請から派遣までに時間がかかる」と語る。
 安倍首相は5月15日の記者会見で「自衛隊が(中略)湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは、これからも決してありません」とし、集団的自衛権行使については「必要最小限度の武力の行使は許容される」と話した。
 首相のブレーンも「日本が米国の戦争に巻き込まれはしない。集団的自衛権行使は日本の意思に委ねられている」と主張する。
 だが「必要最小限度」を超えることを理由に、他国との共同作戦の最中に、自衛隊だけが撤退できると考えるのは非現実的だ。
 日本独自の判断も期待できない。イラク戦争で多国籍軍の中核だった米英両国は戦後、侵攻の理由だったイラク・フセイン政権が所有するとされた大量破壊兵器がなかったことを厳しく検証した。だが、日本では安倍首相が「無いことを証明できなかったイラクが悪い」と開き直っている。
 前田さんも「どれも言い逃れ。海外で自衛隊が武力行使できるようになれば、他の米国の同盟国同様、米国の攻撃に参加することが当然になる」と話す。

米国の戦争に参加する・・自由・人道掲げ米軍介入

自由… 人道… 掲げ米軍介入

 では、その米国は第2次大戦後、どのような戦争を繰り広げてきたのか。
 米ソの冷戦期に米国が戦争で掲げた大義名分は「自由主義陣営の防衛」だ。国際問題評論家の北沢洋子さんは「共産主義から自由主義を守るという建前で、ソ連寄りになったと見なした国に対して、国際法からみても無法な戦争を繰り返してきた」と指摘する。
 ベトナム戦争(1959~75年)では、旧ソ連が支援する北ベトナム軍に先に手を出させるよう挑発した。米軍の駆逐艦を北ベトナムのトンキン湾に侵入させて攻撃を誘発し、米国は攻撃を受けたことを理由に軍事介入を正当化した。
 米兵5万8000人のほか、ベトナム人200万人以上が犠牲になった。枯れ葉剤の散布による健康被害に苦しむ人々がいまもいる。
 米軍が83年、東カリブ海諸国機構とともにカリブ海の島国グレナダに侵攻し、親米の独裁政権を倒した反政府派を制圧した際は、機構から集団的自衛権の行使を要請された、という形を取った。グレナダは独裁政権の時から機構の一員で、侵攻の名目に独裁政権の援助を掲げていた。
 冷戦後も、他国を影響下に置くことを目的とする米国の国策は変わらない。北沢さんは「民主主義の拡大や、紛争地域への人道的な支援という標語が、軍事介入の新たな理由付けになった」と説明する。
 クウェートに侵攻したイラク・フセイン政権軍を米国を軸とした多国籍軍が一掃した湾岸戦争(91年)。北沢さんは「米国は人道主義から、クウェートの人びとを救ったわけではない。クウェートの豊富な石油の安定的な確保を狙っただけだ」と指摘する。
 イラク戦争(2003~11年)では、フセイン政権が大量破壊兵器を隠し持っているという理由で軍事侵攻した。だが、当時のブッシュ政権は開戦前、駐ガボンの米大使が提出したイラクの核武装に向けたウラン購入疑惑を否定した報告を握りつぶしていた。最初に結論ありきだった。
 英民間団体によると、イラク戦争と、その後の内戦による犠牲者は合わせて約19万1000人に上る。
 明治学院大の高原孝生教授(国際政治学)は「米国は冷戦後、旧ソ連に先立って北大西洋条約機構(NATO)などの軍事同盟を構築した。冷戦後は国連中心の集団安全保障体制に移って、集団的自衛権は必要がなくなるはずだったが、米国を中心としだ軍産複合体の圧力で軍事同盟が維持された」と解説する。
 日本が集団的自衛権の行使を容認すれば、米国の戦争に引きずられる可能性が高い。ピースデポの湯浅一郎代表は「自衛隊員が、米国の戦争で侵攻した相手国の人びとを殺すことが現実になる」と案じる。
 「米国は軍産複合体の政治的な発言力が強い一方、財政難で大きな戦争はやりづらくなっている。いまは非軍事の国際貢献の実績がある日本が、軍事に頼らない平和構築を米国に訴えることができる好機だ。それなのに、安倍政権は平和への道を逆走している」

米国の戦争に参加するという意味 デスクメモ


まやかしの集団的自衛権議論 結局、憲法9条空文化
(東京新聞【こちら特報部】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014062102000144.html
 砂川事件判決、邦人輸送の米艦防護、一九七二年の政府見解、そして集団安全保障…。集団的自衛権をめぐる与党の論点は、めまぐるしく変遷してきた。行使を「限定」するかのように見えるが、国民を欺く議論でしかない。どう言いつくろっても、憲法九条を空文化し、海外で戦争のできる国にすることに変わりはない。
(上田千秋、荒井六貴)

まやかしの集団的自衛権議論 結局憲法9条空文化

砂川判決→政府見解→私案… 論拠 猫の目

 「湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは、これからも決してない」
 菅義偉官房長官は20日の記者会見で、これまでの政府の見解を繰り返した。
 自民党は同日開かれた公明党との集団的自衛権の行使容認に関する与党協議で、集団安全保障に基づく国連の武力行使に参加可能とすることを提案。停戦前の機雷掃海を例として挙げ、「相手を積極的にたたきつぶす戦闘行為とは本質的に違う」と強調した。実際に武力を使うわけではないから問題はないと言いたかったようだが、一度ハードルを越えてしまえば、際限なく広がる危険性は高い。
 こうしたまやかしのような議論やごまかしは、今回に始まったわけではない。
 最初は今年3月。集団的自衛権の行使容認の本格的な議論が出てきた当初は自民党内にも慎重論が多く、そうした声を抑えるために利用したのが、1959年に最高裁が出した砂川事件の判決だった。
 在日米軍の合憲性が争われたこの裁判で、最高裁は「わが国の存立を全うするために必要な自衛の措置を取ることは、国家として当然」との憲法解釈を提示。同党の高村正彦副総裁は党の会合でこの解釈を紹介し、「最高裁は個別的・集団的自衛権を区別していない。(集団的自衛権の行使は)劇的な解釈改憲ではない」などと強調した。
 ところが、公明党から「砂川事件の判決は個別的自衛権を認めたもの。集団的自衛権を視野に入れて出されたと思っていない」(山口那津男代表)という至極当然な指摘をされると、次に持ち出したのは1972年の政府見解だった。
 政府見解は、日本が自衛権を行使できる要件として①国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される急迫、不正の事態があること②必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと─を挙げる一方で、「わが国に対する場合に限られるのであって、集団的自衛権の行使は憲法上許されない」と明確に結論付けていた。
 しかし高村氏はここでも解釈をねじ曲げ、今月13日に発表した「武力行使の3要件」の私案では、①の「根底から覆される急迫、不正の事態」の部分を切り貼りして「覆されるおそれがあること」として、行使を可能とした。閣議決定の文案概要にも、「他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から脅かされるおそれがある場合」と記された。
 公明党は「おそれ」という表現に「時の政権がいくらでも拡大解釈できる」と反発している。仮に「おそれ」を「事態」としたとしても、これだけ文言があいまいだと、時の政権の裁量でどんな判断も可能になってしまう。

まやかしの集団的自衛権議論「海外で戦争」可能に

母子イラスト…想定空虚

 まやかしの議論をしているのは安倍首相も同じだ。「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)が報告書を出した5月15日、会見に臨んだ安倍首相は集団的自衛権を行使する例として、在留邦人が米艦艇に救助されるケースを紹介した。不安そうな表情の母子のイラストを使って国民の情に訴えかけたが、有事の際は自衛隊の輸送機や輸送艦が出動すると考えられ、米艦艇に日本人が救出されることは考えにくい。
 政府・自民党は、集団的自衛権の行使容認などに関して検討する15事例を示していた。法人を輸送する米艦防護に加え、米国に向けわが国上空を横切る弾道ミサイルの迎撃、武力攻撃を受けている米艦の防護などが列挙された。これについての具体的な議論も、結局、うやむやになりそうな雲行きだ。
 問題はそれだけにとどまらない。集団的自衛権を行使する際、政府は国会の承認を義務付ける。事前の議論が当然なのに、政府が「緊急の必要性がある」と判断した場合は事後でも可能にする方向で調整が進んでいる。
 事後承認は個別的自衛権の行使で認められているが、これは、国会の承認を待っているうちに相手国の攻撃が激化して国家が重大な危機に陥ってしまう可能性があるためだ。他国の防衛のために出動する集団的自衛権にそれほどの緊急性はなく、事後承認を正当化する理由は見当たらない。

まるで「介錯」改憲

 集団的自衛権の行使容認をめぐる与党の議論について、早稲田大の水島朝穂(あさほ)教授(憲法学)に聞いた。

 論点を次々と変えて、憲法の首を落としていくという意味で、まるで「介錯」改憲だ。
 国民を説得するには緻密な論理が必要なのに、情緒的にしか説明できていない。象徴的なのが、安倍首相が、記者会見で示した乳児を抱く母や高齢者を描いたイラストだ。自国民の退避は原則として、自国政府が責任を持つ。米国も米国人を助けることに集中する。米国の軍艦に乗船すれば、標的にもされる。日本人の母子は有事の際に米艦船に乗ることはない。理屈の無さを攻められ、墓穴を掘っている印象だ。
 自民党は、安倍首相が否定していたはずの国連の集団安全保障に基づく武力行使も参加可能にすべきだという提案をした。
 もともと、集団的自衛権の行使を認めておいて、集団的安全保障に基づく武力行使を禁じるのは、整合性がなかった。安倍首相も自民党も、集団的自衛権をよく理解していなかったのではないか。
 そもそも、日本国憲法と集団的自衛権を両立させようとするのが無理だ。
 自民党の高村副総裁は、行使に当たり「(自衛隊員が)戦争に巻き込まれる心配はある一方で、経済的なことを含め、国民の幸福追求の権利が守られる。その比較衡量は、政治の責任者が判断すべきことだ」と発言している。つまり、行使の判断は、国民経済と自衛隊員の命をてんびんにかけるということだ。
 経済的利益を確保するために、自衛隊員が命を失うようなやり方で、幸福を追求するようなことは憲法は認めていない。かつて国民の利益、幸福を追求するという名目で、戦争に突入した。憲法は、その反省にも立つ。日本が豊かになるため、他国の人たちを傷つけてよいのか。
 石橋華湛山元首相は「軍備の拡張で国力を消耗するような考えは、国を滅ぼす」と警鐘を鳴らしていた。安倍首相は、安全保障環境が変わったと言うが、抑止力を強調することで、中国に軍備拡張の口実を与えている。
 安倍首相や自民党の理屈がない議論にとらわれずに、「守るべきものは何か」という根本的な議論こそ必要だ。

まやかしの集団的自衛権議論 デスクメモ

変質する「平和」と”はっさく”

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変質する「平和」
第4部 沖縄に吹く風 上

(東京新聞2014年6月23日)

変質する「平和」第4部 沖縄に吹く風 上

教科書で揺れる最前線の島

 「竹富が間違った教科書を使っているんでしよ」
 沖縄県石垣市の前教育長、江川三津恵(六七)は今月、教科書問題の講演会のビラを配っていたときに聞いた、中学生の言葉に衝撃を受けた。
 国境近く、八重山諸島の石垣市、竹富、与那国両町はこの数年、教科書で揺れた。三市町教委でつくる協議会は、保守色の強い育鵬社の中学公民教科書を採択。反発した竹富町が東京書籍版を使ったことで、文科省が指導に乗り出した。
 採択を主導したのは江川の後任の玉津博克(六一)。二〇一〇年三月、革新系の前任を破り、誕生した保守系市長の中山義隆(四六)の意を受け、教員の意見が反映されないよう協議会の規約を変えるなどの布石を打った。江川の目には自身の退任後の展開は「完全にシナリオができていた」と映る。「本土から保守系の政治家たちが来て尖閣問題をあおり、まずは教科書からっていうレールを敷いた」
 ◇
 「地元では野蛮人扱いされてきたさ」。石垣市議の仲間均(六四)は話す。二十年間、防衛強化を訴えるため、尖閣諸島への上陸を繰り返し、罰金刑も受けた。一〇年九月に中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した事件をきっかけに、本土から応援メールが増えた。
 翌一一年一月、保守系の学者らがつくる「新しい歴史教科書をつくる会」の東京の講演会に登壇。採択教科書を変えるよう助言を受け、玉津に伝えたという。「教科書を変えさせた張本人は私」と自負する。
 石垣漁港には青地に白文字で「尖閣で漁をする海人(うみんちゅ)の会」と書かれた看板がある。地元漁師ら約二十人が一三年に結成した。会員の與儀(よぎ)正(四二)は「尖閣周辺は台湾や中国の漁船であふれている」と嘆く。漁の最中も海保の船が張り付く。自由に漁ができないから燃料や氷代で赤字になる。
 與儀は仲間の行動や保守的な教科書を支持する。「次の世代が尖閣で漁を続けるためにも、日本の領土だときちんと教えてほしい」
 ◇

隣国と付き合う知恵を

 「ここは最前線なんだな」。一九九九年、東京から石垣に移住したマンゴー農家の川上博久(六五)は、港に停泊する海保の船を見てそう感じた。
 マンゴー栽培は、台湾移民の農家に押しかけて学んだ。島名産のパインは、台湾からの移民が戦後に普及させた。かつては尖閣周辺でも日台の漁師が道具の貸し借りをしたという。
 国境に近い島だからこそできる交流がある。川上は昨年から台湾にマンゴーの販路を広げ、今年は香港にも出荷する。
 江川らと教科書問題にも取り組む。「子どもたちにきちんと教えるべきなのは、自衛隊の活動や領土問題よりも、隣国とうまく付き合ってきた知恵なんじゃないかな」 =文中敬称略
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 六十九年前の六月二十三日、多くの犠牲者を出し、地上戦が終結した沖縄。戦争の記憶が薄らぐ中、本土からの「風」に揺らぐ姿を追った。(大平樹が担当します)

 八重山の教科書問題
3市町教委でつくる教科書八重山採択地区協議会は2011年8月、中学校公民の教科書に、育鵬社を採択。国は政権交代後の13年以降、同一地区内で同じ教科書を使うと定めた教科書無償措置法を根拠に、東京書籍を使っていた竹富町を指導。下村博文文科相は14年3月、同町教委に教育行政で初の是正要求を出した。同町教委は6月、地区協議会を離脱した。育鵬社は東京書籍に比べ、自衛隊の海外活動の記述が充実しているが、沖縄の米軍基地問題は本文になく、欄外の記述にとどまる。





変質する「平和」
第4部 沖縄に吹く風 中

(東京新聞2014年6月24日)

変質する「平和」第4部 沖縄に吹く風 中

「偏向」本土から圧力

 地上戦終結から六十九年目の「慰霊の日」を迎えた沖縄。二十三日、梅雨明け直前の蒸し暑さの中、那覇市の護国神社には保守団体「日本会議」の関係者や制服姿の自衛官ら百人が集まった。ほぽ同時刻に平和祈念公園で開かれた県主催のものとは異なる慰霊祭だ。
 集会では「むやみな基地撤廃論は県民の命を危険にさらす」との琉球大生の言葉に拍手がわいた。地元紙記者の姿はなく、昨年沖縄支局ができた保守系CS放送局「日本文化チャンネル桜」がカメラを回した。
 「自分たちの宣伝のためだろうけど、報じてくれるだけ歓迎だ」。日本会議県本部の幹部(六三)は話す。
 ◇
 「偏向報道だ」
 米新型輸送機オスプレイ配備を批判する記事を展開した昨秋以降、琉球新報には毎日のように本土から抗議の電話が入る。社屋周辺では連日、報道姿勢をあげつらう車が巡回する。
 局次長の松元剛(四八)は「批判は今までもあったが、『極左』とまで言われるようになったのは最近」と話す。ネットの情報をうのみにしている人も多い
 今年二月、政府もこれまでとは異質の強硬さを見せた。自衛隊の県内配備についてのスクープ記事に対し、防衛省は同紙に抗議するとともに、加盟する任意団体の日本新聞協会にも「適切な報道」を求めた。
 さまざまな形の圧力。松元は「ヤマトンチユ(本土の人)が鋭角に入り込んで来た」と感じている。
 ◇
 元沖縄県警刑事部長大舛重盛(おおますじゅうせい)(八四)=浦添市=は、米軍基地問題に対する地元紙の厳しい姿勢を「死んでも譲ってはいけない」と話す。
 兄の松市は「軍神」だった。一九四三年一月にガダルカナル島で二十五歳で戦死。同年十月、功績を挙げた兵士に与えられる個人感状を県内で初めて受け、昭和天皇に報告された。当時の県紙は「大舛に続け」とあおった。
 「兄が無上の光栄に浴し感激でいっぱいです。一日も早く征きたい」との重盛の談話も載った。校長室で記者に囲まれ、何を話したのかは覚えていない。「松市の死は軍に利用された」。
重盛が気付いたのは、戦争が終わってからだ。
 沖縄の人々から奪った土地に米軍基地がつくられ、本土復帰後も押しつけられたまま。「どう報じるかは枝葉の問題。根っこにある基地問題が解消されなければ」。それでも偏向と批判する人に問いたい。「じゃあ誰が沖縄を権力から守ってくれるのか」=文中敬称略


特集 島は戦場だった 軍神として祀られた大舛大尉
(琉球朝日放送 報道部)
http://www.qab.co.jp/news/2010021616241.html



変質する「平和」
第4部 沖縄に吹く風 下

(東京新聞2014年6月26日)

変質する「平和」第4部 沖縄に吹く風 下

独立論切実さ増す

 日の昇りきらない早朝から、男女二十人ほどが、米兵たちの車に声をかける。
 「マリーンー アウトー(海兵隊は出て行け)」。元教員の宮平光一(六八)は、赤色の誘導棒を下向きに振りながら抗議の意思を示した。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)大山ゲート前で、二〇一二年秋から続く抗議行動だ。
 きっかけは、新型輸送機オスプレイ配備だった。抗議集会に主催者発表で十万人余りが集まっても、県内全市町村の首長や議長らがこぞって政府に配備撤回を求めても、状況は変わらない。「こうやって声を上げる以外、もうやれることがないんだ」
 「Thank you」。宮平たちが抗議する道路の向かいで、地元FM司会者の手登根安則(五〇)たちが米兵たちに向かって感謝の横断幕を掲げた。「怒りや不満を米兵個人にぶつけても意味はない。基地関係者のおかげで成り立っている店の人は基地がなくなれば生活できない」
 普天間飛行場のフェンスにはグリス(潤滑剤)がべったりと塗られているところもある。基地反対の意思を示すリボンを取り付けにくくするためだ。ネット上には、抗議活動の参加者を数人が取り囲んで詰問する動画も公開されている。
 反基地運動をしている入らの自宅や職場に「ヘイトスピーチをするな」など匿名の電話も入るようになった。宮平は「県民の抗議を無視する政府の姿勢が、彼らにお墨付きを与えている」と感じる。
 ◇
 基地負担軽減の先行きが見えない袋小路の中で、県民の意識が引き裂かれていく。基地をなくすための独立論も、切実さが増す。
 五月二十五日、宜野湾市の沖縄国際大学で開かれた「琉球民族独立総合研究学会」のシンポジウム。「独立の方法を考えるまでに、あまり時間はないのかもしれない」。琉球大教授の島袋純(五三)が訴えると、約百七十人の聴衆から「ああ・・」とため息にも似た同意の声が上がった。
 学会は、基地のない沖縄を求める学者たちが一三年五月、独立を前提として学問的に研究するために設立した。
 ネットでは「中国の手先だ」ともたたかれる。だが学会が「独立」をうたうのは、沖縄が日本の「植民地」になっているという問題意識からだ。オスプレイ配備が強行されたことは、沖縄が復帰前に本土の米軍基地を押しつけられた図式と同じと考える
 沖縄戦の後、米国統治下の沖縄でわき上がった本土復帰運動は、憲法で基本的人権が保障されることを望んだ人たちが中心になった。今、政府は憲法九条を骨抜きにする解釈変更を急ぐ。島袋は言う。「本土が憲法を捨てようというのなら、沖縄が一緒にやっていく筋合いはない。そう思いませんか」 =文中敬称略。
 (大平樹が担当しました)



条文あらためて読み解くと… 理屈詰めても9条違反
(東京新聞【核心】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2014062602000155.html
 安倍政権が目指す集団的自衛権の行使容認。歴代政権が守ってきた憲法解釈を変えようとしているが、憲法9条には、他国を武力で守る集団的自衛権の行使を認める文言はどこにもない。政府が憲法解釈の変更を「限定容認」「必要最小限度」などといくら説明しても、そもそも9条違反だ。自衛隊のイラク派遣などで、やせ細りながらも「平和主義」の屋台骨になってきた9条は、重大な岐路に立たされている。
(関口克己)

条文あらためて読み解くと 理屈詰めても9条違反

■「無」から「有

 日本が海外で武力を使う集団的自衛権を行使するなら、実際に任務を果たすのは自衛隊だ。
 自衛隊は主要国に匹敵する軍事力を持っている。防衛省予算は年間約5兆円で、世界の国別軍事費で8位(2013年)。
 航空兵力は400機(輸送機などを除く)で、英国の約360機よりも多い。陸上兵力14万人は英国やドイツをしのぐ。
 だが、9条は「陸海空軍その他の戦力は保持しない」と掲げているため、自衛隊の存在さえ違憲との学説は根強い。自衛隊の合憲性が争われたいくつかの裁判でも、明確に合憲と認めた判例はない。
 政府は「専守防衛」を防衛政策の基本に、自衛隊合憲の理論武装をしてきた。日本が独立国としての平和と安全を守るため、他国から攻撃された場合に反撃する個別的自衛権だけが憲法上認められると解釈し、それを担う組織である自衛隊は合憲との考え方だ。
 歴代政府は、自衛隊を「わが国を防衛するための必要最小限度の実力組織」とも説明してきた。9条が持つことを禁じる「戦力」と区別するためだ。
 学習院大の青井未帆教授(憲法学)は政府の合憲論を「憲法の文言上、『無』から『有』を生み出したウルトラCの技だ」と指摘。憲法に詳しい伊藤真弁護士も「文言を素直に読めば、自衛隊は違憲との疑問が出て当然」と話す。
 集団的自衛権の行使は、自衛隊違憲論を飛び越え、9条の根幹である「戦争の放棄」の放棄につながる。自衛隊が海外に赴き、他国を守るために武力を使えば「自衛」の枠を外れ、国際的にも自衛隊は「軍隊」だと示すことになる。

海外・武力行使「自衛隊」を逸脱

■逆行

 安倍政権は、集団的自衛権の行使を認めても、湾岸戦争やイラク戦争のような戦闘には加わらないと強調し、想定する活動として攻撃を受けている米艦の援護や、停戦前の海上での機雷掃海を例示。「行使は限定的にとどまる」との説明を繰り返している。
 集団的自衛権に関する与党協議では、自民、公明両党は行使を禁じた過去の政府見解をいろいろな角度から読み解き、どういう理屈なら集団的自衛権を認められるかという論争を続けている。
 しかし、政府見解の原点である9条は、武力による威嚇または武力の行使を「永久に放棄する」と明記。「交戦権」も認めていない。与党がどれだけ議論しようが、政府が限定論を唱えようが、9条を読む限りは海外で他国と戦い、武器を使ってよいという答えは出てこない。
 青井氏は「自分の防衛から他人の防衛という理屈は出ない。日本を守るための自衛隊というのが政府の説明だった。もはや解釈として成り立たない」と語る。
 憲法の前文には「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意」するとの理念も書かれている。
 伊藤氏は「この一節は、戦前の日本の行為に対する反省だ」と指摘。「イラク戦争後からも分かるように、軍事力では何も解決しないというのが世界の大きな潮流だ。世界の流れがようやく日本の憲法に追いつきつつあるのに、日本が集団的自衛権を認めてしまえば、それに逆らうことになる」と強調した。


公明・山口代表 試案受け入れる意向
(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140626/t10015537861000.html
公明党の山口代表は、集団的自衛権の行使容認について「安全保障の環境が大きく変わってきており、国民の権利を守るため、政府が従来言ってきた個別的自衛権に匹敵するような集団的自衛権であれば、一部限定的に容認する余地はあるのではないか」と述べました。

集団的自衛権 公明代表が行使容認 歯止めの確約ないまま
(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014062702000140.html


世論の批判 公明内に矛盾も/公明議論「かなり成熟」 集団的自衛権で山口代表
(しんぶん赤旗)2014年6月27日
公明議論「かなり成熟」 集団的自衛権で山口代表








集団的自衛権行使の容認
解釈改憲で平和守れぬ

(全国商工新聞)2014年6月23日

 解釈改憲による集団的自衛権行使容認へと突き進む安倍内閣。なぜこうした世論が形成されるのか。権力をチェックしよ久としない大手マスコミの姿勢と集団的自衛権の偽りの姿を、元外務省国際情報局長の孫畸享さんに聞きました。

解釈改憲で平和守れぬ 孫崎享

国民に真実伝えず

 外国特派員協会で講演したフィギュアスケートの浅田真央選手が「大事なところでいつ
も転ぶ」との森元首相の発言についてコメントを求められ、「森さんも今は後悔していると思う」といったことを覚えている人は多いでしょう。
 しかし、外国特派員協会の会長が、特定秘密保護法について「報道の自由、民主主義の根本を脅かす悪法だ」などと警告したことはご存知でしょうか。
 福島第1原発の事故直後、大手マスコミは一斉に現場から離れました。生命と健康の危険が大きいと予測し、離れるよう指示が出たわけですが、それならば、新聞の報道は「生命、健康の危険がある」と書かなければならない。しかし政府の発表そのままに「直ちに健康に被害が及ぶものではない」と垂れ流しただけでした。
 集団的自衛権の問題でも同じようなことが起きています。
 ニューヨークータイムズ紙(5月8日付)は「日本は民主主義の危機に直面している」との社説を掲げ、「安倍首相は憲法解釈を変えることで、憲法9条を避けようとしている。これは民主主義の過程を覆すものである。日本は民主主義の真の危機に直面している」と書きました。しかし、これも日本ではほとんど報道されないため多くの人に伝わっていません。
 国際ジャーナリストの組織「国境なき記者団」の調査によれば、日本の「言論の自由」の国際的評価は、特定秘密保護法、原発報道を機に低下し、台湾(50位)、韓国(57位)を下回る59位です。本当に知らされるべきことが、国民には伝えられていないのです。
 先の選挙で大勝した自民党は選挙公約で「TPPには参加しない」「消費税はすべて社会保障に充てる」などと平気でウソをついてきました。マスコミも政治も本当のことを伝えない。このままでは、本当に日本社会は壊れていくと思います
 集団的自衛権の問題でも多くの人が「日本の安全に関係がある」と思っていることでしょう。しかし私は、「日本を守るためではない。アメリカの”傭兵(ようへい)”(雇い兵)になるためのシステム」だと考えています。
 日米安保条約第5条はこう書かれています。「各締約国は日本国の施政下にある領域における(いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って、共通の危険に対処するように行動することを宣言する
 要するに、アメリカの場合は日本の国土を他国が攻撃してきたら、自分への攻撃とみなして、米国の憲法の範囲内で行動する、ということです。

尖閣問題は無関係

 しかし、中国が日本の領土である尖閣諸島に上陸した場合、日本は個別的自衛権で対処できるのであり、集団的自衛権でどうこうする話ではない。それをあたかも、日本の法整備が整っておらず、集団的自衛権でやらなければいけないという。これが一番のウソです
 4月に来日したオバマ大統領も、尖閣諸島について「安保条約5条の範囲内にある」と発言し、マスコミもこの点を大きく取り上げました。しかし、尖閣関連でオバマ大統領はあと三つ大事なことを話しています。
 一つは中国をあまり刺激するな。二つ目はアメリカは領有権問題についてどちらの立場にも立たない。そして三つ目。これが一番強調したことですが、平和的解決をしろ。非難合戦はできるだけ小さくしろ-でした。
 本来なら、新聞の見出しは「オバマ大統領 安倍氏に平和解決を目指せと強調」と書かなくてはいけない。マスコミはこれを全然伝えていません。
 これに関連し、アメリカの記者の「5条の適用とは米軍が出るということか」との質問に「レッドライン(越えてはならない一線)はない」と答えています。シリア問題でオバマ大統領は「レッドラインを越えたら米軍は出る」といっていますが、尖閣問題では「ない」と答えています。
 アメリカの憲法では交戦権は大統領ではなく、議会にあります。議会が承認しない戦争はできない。だから大統領が言ったのは議会が承認すれば、米軍は出ますよ、ということに過ぎません。中国が出てきたらアメリカが自動的に出る、というわけではないのです
 つまり、尖閣問題は集団的自衛権とは関係ない、というわけです。

報復招く危険性も

 安倍さんは「日本人を載せた米艦船の防護」「機雷の掃海」なども集団的自衛権行使の事例として挙げています。
 私は外務省職員として、最初はソ連・ロシアに5年間いました。イランーイラク戦争のときはイラクに3年、99年にはイラン大使としてテヘランにいました。
 何かあった場合、邦人をどうやって保護し、避難させるかを考え、在留邦人と相談もし、避難ルートも検討しました。その際、アメリカの軍艦や軍用機が来ることを想定し、避難を考えるか。そんなシナリオなんてありえないし、考えもしません。安倍さんは、海外に在住している邦人150万人、年間の旅行者1800万人と関係あるようなことを言っていますが、まったく関係ありません。
 戦闘中に機雷を除去することは、これ自体戦闘行為です。機雷を除去した船は当然、攻撃の対象になります。戦争行為の一環なんですよ。
 集団的自衛権行使の容認といいますが、安倍さんが挙げている理由は必要不可欠のものではありません。最初に指摘しましたが、アメリカの傭兵になるためです。傭兵というのは、普通お金を払ってもらうのですが…。
 個別的自衛権は、日本の国土が攻撃されたとき、すなわち相手が攻撃したときに発動されますが、集団的自衛権は、相手がまだ攻撃していないときに使われるものです。集団的自衛権の一番大きな問題は攻撃されないときに行動する。そして米軍と一緒に行動する。これが一番問題なんです
 少し昔の話ですが、04年3月11日、スペインのマドリードで爆破事件が起き、191人が亡くなり、2000人が負傷した。なぜこうしたことかおきたのか。スペインのイラク戦争参加にアルカイダが報復したからです。
 「安全を」と言っていながら、イラク戦争のように戦闘に参加すれば、当然のことながら、「目には目を」となって、相手は報復を考えます。
 解釈改憲に集団的自衛権の行使というのは、日本の本当の意味の平和につながるものではありません。あらためてそのことを強調したいと思います。

 孫崎享(まごさき・うける) 1943年旧満州国鞍山生まれ。東京大学法学部中退後、外務省に入省。イギリス、ソ連、アメリカ(ハーバード大学国際問題研究所研究研究員などを経て駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使を歴任。2002年~09年まで防衛大学校教授。主な著書に『小説外務省』(現代書館)、『戦後史の正体』(創元社)、『日米同盟の正体』(講談社現代新書)、『日本の「情報と外交」』(PHP新書)など多数



”おばちゃん力”で戦争止める
(全国商工新聞)2014年6月30日

全日本おばちゃん党代表代行
大阪国際大学准教授
谷囗真由美さんに聞く

 「オッサン政治に物申す!」―。「戦争する国づくり」など暴走する安倍政権におばちゃん目線でヅッコミ”を入れる「全日本おばちゃん党」は、女性が持っている力の底上げをめざして、知識と知恵をつけようと意見交換を進めています。代表代行を務める法・国際法学者で大阪国際大学准教授の谷口真由美さんに、集団的自衛権の問題点を聞きました。

おばちゃん力で戦争止める

うちの子もよその子も
戦場に行かせたくない


 おばちゃん党では、弱肉強食の社会をめざす橋下徹・大阪市長の「維新八策」に対抗して弱者を大事にすることを提言した「おばちゃんはっさく」を発表し、多くの共感を得ています。
 今こそ、おばちゃんの力を発揮し、戦争する国づくりを許すなの声を上げていかなければなりません。

 集団的自衛権 簡単な例えで

 私は、集団的自衛権を「ヤンキーのケンカ」と言っています。米国が困っているときに「助太刀いたす!」ということ。つまり、「仲良しの連れ(米国)がやられたから、加勢しろって言われたら無条件でいくて! 連れやから助けに行く」というわけです。
 おばちゃんの大半は、安倍さんがきな臭いと思っています。「何か怪しい、この才ッサン」とテレビの映像から嘆ぎ分けています。しかし、そのきな臭さを言語化するのが難しい。それでも、「あの人、最近顔つき悪いよね」「顔があかん」の一言で、きな臭さを嘆き分ける能力があります。その感情を理屈づけて言語化したら、おばちゃんは最強になります。

 国連憲章でも 禁止が”原則〃

 自民党副幹事長の中谷元さんとテレビ討論したときのことです。中谷さんは、「すべての侵略戦争は禁止されているけれど、自衛のための戦争は禁止されていない」と言ったので、「国連憲章は、国際紛争の平和的解決を求めています。自衛のための戦争という言い訳の下で、みんなが戦争をすることが目に見えているから、武力行使禁止が原則なんですよ」と指摘しました。すると、中谷さんはおたおたしだして、今度は「集団的自衛権は国際法で認められている」と言い出しました。
 私は「国連憲章第51条ですよね。それは集団安全保障が機能するまでの暫定的措置としてできたもので、小さな国が肩を寄せ合って大国が攻めてきたときに、とりあえず自分らで頑張って守ろうとする、小国の権利なんですよ。米国が使うなんて想定して集団的自衛権を入れたわけちゃいますよ」と反論しました。

 戦争は最大の 貧困ビジネス

 多くの自衛官が、紛争に行きたくないと言って辞めていけば、徴兵制が敷かれるかもしれません。町工場が作るネジも武器のネジになるかもしれません。「人殺しの道具をつくる商売をさせられてしまう」ということです。国民全員が戦争に加担することになります。
 戦争は最大の貧困ビジネスです。誰が泣くかといったら、貧困層など弱い者が泣くんです
 お金がない家庭では、自衛隊に入れば資格や運転免許が取れ、パンツまで支給される。「家にお金はないから軍隊に行って」ということもあるでしょう。米国をはじめ世界の軍隊をみても貧困層から軍隊に入隊しています。最前線で死ぬのは貧しい家の子なんです。そんな家の子どもが危険な目に遭うんです。
 昔は、努力すれば報われる社会で、教育によって階層を上げていくことができました。今は、それすらかなわない時代です

 次世代思えば 冷静に対話を

 おばちゃん党では、「おばちゃんはっさく」で「うちの子もよその子も戦争に出さん!」と主張しています。どこの国の子もオッサンの見栄や欲望のために殺したり、殺されたりしてほしくないんです。ケンカを売られても、あおられても、冷静に話し合う知恵を駆
使してほしい。それが次世代に責任を負う、大人の生き方なんです。今、踏ん張らないといけないんです。
 もしも、わが子が「家族や大切な人を守るために戦場でたたかう」と言い出したら、「そんなに戦地に行きたいというなら、お母さんを殺してから行きなさい。大事な人を守るためにたたかう?私のためにはたたかわなくて結構」ということです。

 ヒョウ柄着て 秘密法に抗議

 世の中や政治が変だと思ったら周りの人に、「何か、変だと思わへん?」と伝えることが大切だと思います。おばちゃんのクチコミ、井戸端会議の波及力はすこい。集団的自衛権は危ない、憲法改正が危ないと思っているのであれば、「最近、ちょっとややこしない?」と話をする。おばちゃん党のクループでカフェに集まったときも、大きな声で「集団的自衛権って危ないようね」と言ったり、小さい声でこそこそと「安倍さん、戦争するかもしれへん」つて言ったり。おかしいなと思ったら、誰かに伝える、それが「おばちゃん力」なんです。
 特定秘密保護法が強行採決(昨年12月6日)されたことに抗議するために、毎月6日は「ヒョウ柄の物を身につけよう」と行動をしています。
 「今日はどうしたの? ヒョウ柄なんか着て」と聞かれたら、「秘密保護法に反対をヒョウ明してんねん。知ってる?」と話のきっかけをつくるのが大切で、おばちゃんはそれができるんです。現に、大阪市の空堀商店街の魚屋のおばちゃんは、毎月6日にヒョウ柄を身に着けて、秘密
保護法に抗議を続けています。
 疑問に思ったら自分の感性を大事にしてほしい。無関心が将来の人のしんどさにつながります。毎日の仕事、商売が忙しいと言い訳をして、社会の出来事から知らんふりしていたら、自分の子どもや孫に将来しんどい思いをさせることになると自覚した方がいい。

 へ理屈政治に ツッコミ入れ

 おばちゃん党は、リアルな政党ではなく、インターネット上の仲間の集まりですが、目的は二つ。一つは、おばちゃん全体の底上げ、二つ目はオッサン社会に愛とシャレでツッコミを入れる、です。
 「オッサン政治」の下で長年、決定する場所から女性が締め出された結果、政治や経済のことに疎くなりました。オッサンというのは、へ理屈をこねくり回して、上から目線で意見を押さえつけようとします。変だと指摘するには、女性が知識や知恵をつけないと対抗できないでしよ。

 あふれる愛で 社会良くする

 「おばちゃん」は、おっせかいで愛と情にあふれた存在。政治のことを自分のこととして捉えています。おばちゃんの愛で社会を良くする日は近いと思います。

 全日本おばちゃん党
 「おばちゃんの政治参加が世界を救う」とする「おばちゃんはっさく」や、「みんなに優しい国」へのシナリオ「腹太の方針」などを掲げ、活動。詳細はフェイスブック「全日本おばちゃん党」で検索。

全日本おばちゃん党
http://osakanet.web.fc2.com/AJOP/

全日本おばちゃん党 はっさく

全日本おばちゃん党 太腹の方針

小出裕章先生:どんどんどんどん戦争に向かって転げ落ちていってるように私には見えます

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新聞は集団的自衛権をどう報じてきたか?(ラジオフォーラム#77)

http://youtu.be/kFg8n7eWoUY?t=14m4s
14分4秒~第77回小出裕章ジャーナル
戦争・テロの原発への脅威「原子炉本体とつながっている配管をただ破壊してしまえばいいというものですので攻撃に対しては大変弱い構造になっています」

http://www.rafjp.org/koidejournal/no77/

西谷:
この番組は6月16日に収録しているわけですけれども、今ですね、政府は集団的自衛権の問題を山場を迎えさせようとしているのですが、サッカーに隠れてて、ほとんど報道されてないんですけれども、小出さん、これどう感じられてますか?
先鋒はジャップにまかせろ!

小出さん:
はい、もう憲法にそもそも全く違反してると私は思います。憲法問題もキチッとやらないままですね、解釈だけで変える等ということは、日本国憲法前文にはですね、政府の暴走を防ぐためと明記されているわけで、それを踏みにじるような行為だと私は思います。
日本国憲法前文 前半

西谷:
政府は盛んに北朝鮮がこの脅威なんだと。攻めてくるかもしれないんだと、あるいは、朝鮮有事があるかもしれないんだ。だから、守らないといけないんだみたいなことを言いますが、それではなぜですね、日本海側にたくさん原発を作ったんでしょうか?

小出さん:
全く漫画のようなことですね。私自身は、朝鮮民主主義人民共和国が日本に攻撃をしかけてくるというようなことは、全く思っていませんけれども、もし、本当にその外国が何か攻撃をしてくると考えるのであれば、原子力発電所を持ってるということが最大の問題になってしまいます
原発逆さ地図

西谷:
だいぶ前の番組で、小出さんは「原発は実は天井が薄いので、上から飛行機なんか落ちたらすぐに壊れる」とおっしゃいまいたが、これは本当ですか?

小出さん:
もちろんです。天井と言うのは、要するに梁で支えるわけですけれども、原子力発電所のような巨大な建物はですね、梁で支える重量にも限界がありますので、横の壁は確かに分厚く造っててあるのですが、天井は薄いのです。ですから、両方向から、もし攻撃を受けるようなことになれば、簡単に破壊されると私は思います。
原発設計図
ただ、原子力発電所というのは、もともと非常に複雑な機械ですから、原子炉本体を破壊する必要など全くないのです。例えば、制御室を破壊してしまったっていいわけですし、原子炉本体とつながっている配管を、ただ破壊してしまえばいいという。そういう物ですので、攻撃というものに対しては大変弱い構造になっています

伊方原発上空飛ぶ危険 88年 間近に米ヘリ墜落

西谷:
その点ですね、『原発ホワイトアウト』という本がありまして、これベストセラーになった現役の官僚が書かれた本なんですけど、最後の方に、小説ですからテロリストが出てきて原発の敷地外の高圧電灯を爆破したと。そうすると、冷却が停電でできないのでメルトダウンしたと。こういうことを書かれてるわけですが、原発の敷地外の、例えばなんらかの事故で送電線が壊れたりすると、こういうことってあり得るんでしょうか?

小出さん:
もちろん、あり得るわけですね。福島第一原子力発電所の事故も外部の送電線が倒れてしまって、外部から発電所に電気が来なくなったということを非常に重要な原因のひとつにしていますし、外部電源を断つということは、原子力発電所の弱点を攻撃する、かなり有効な手段だと私は思います
鉄塔の倒壊
例えば、米国などは原子力発電所の事故の脅威というものの大きな問題として、サボタージュとかテロとかいうことを考えていて、軍隊で原子力発電所を守るというようなことをやっているわけです。その点、日本というこの平和というんでしょうか、平和ボケというのでしょうか、一方では、他国の脅威をあおりながら、原子力発電所は決して事故を起こさないというようなことを未だに言い続けているという人達がいるわけで、大変不思議な国だと思います

電力は戦力!

安倍晋三 原発やめるわけにはいかない!

西谷:
これ、サボタージュというのを想定しているんですか?

小出さん:
所内に入って来た誰かが、例えばどっかの配管1本爆破してしまえば、原子力発電所が巨大な事故になるという、そういう装置ですので、労働者を大変厳しく監視する。不審な人間が入ってこないように、軍隊で守るというようなことをやっているわけです

※核セキュリティ(外務省)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/dns/n_s_ne/page22_000968.html
核セキュリティ

原子力関連施設警戒隊 - Wikipedia
原子力関連施設警戒隊

小出裕章ジャーナル

西谷:
あと、大飯原発で素晴らしい判決が出たんですけど、あの裁判所の判断は「地震で壊れる可能性が高い」と出てましたが、これ想定外の地震って起こりえますよね?
大飯差し止め 画期的判決

小出さん:
もちろん、起こり得ます。これまで、きちっと地震の予知ということをできた試しはないわけですし、次々と想定以上の地震が起きてきて、原子力発電所も設計を考え直すというようなことをずっと歴史的にやってるわけで、考えた以上の地震が起きるということはむしろ当たり前のことです。
大地震想定震源域と原発

西谷:
それと福島の場合は、地震が起きてから1時間経って津波が来るんですが、津波が来る前に、もう放射性物質が漏れていたという風な報道もあるんですが。
※(プロメテウスの罠)原発城下町:1 先生、逃げろ!
http://digital.asahi.com/articles/NGY201307180038.html

小出さん:
はい、そういうデータもありますし、津波が来る前に、非常用電源がもう止まっていたという話もありますし、原因をきちっと突き止めなければいけないのですが、残念ながら、事故現場に行くことすらできないという、そういう事故が今進行しているわけで、原子力発電所の事故というのは、大変過酷なものだなあと私は思います。

※再論 福島第一原発 1 号機の全交流電源喪失は津波によるものではない
(伊東良徳)
https://www.iwanami.co.jp/kagaku/eKagaku_201403_Ito.pdf

西谷:
九州の川内原発が再稼働をもしされた場合、火山の噴火で火山灰で目詰まりするんじゃないかと、こんな話もあるんですが、こういうことも起こり得ますか?

小出さん:
はい、川内原発が建っている所は鹿児島県ですけれども、近くに桜島もありますし、桜島のある鹿児島湾という所は巨大な火山の爆発の跡なんですね。
日本の主な火山
ですから、もし、あの周辺で大きな爆発が起きるというようなことになれば、火山灰あるいは火砕流という物が川内原発を襲うということは、もちろん可能性はあるわけですし、火山の爆発の予知ということだって、もちろん今の科学では完璧にできるわけではありませんから、万が一には、川内原発が大きな事故になるということは、もちろん考えておかなければいけません

※川内原子力発電所 火山影響評価について
(九州電力)
http://www.nsr.go.jp/activity/regulation/tekigousei/data/0095_04.pdf
より
川内原子力発電所. 火山影響評価について より

「川内原発の再稼働はこれで消える」パンフ
http://www.synapse.ne.jp/peace/sendaigenpatusaikadouhantaipanph.pdf

西谷:
あとですね、原子炉の燃料棒製造工場とかですね。あるいは、使用済み燃料棒を運搬する時に、襲われたりしたらということも考えないとダメですね。

小出さん:
そうですね。まあ、もちろんそれについては、原子力を進めてる人達も、場合によってはと考えてるわけですし、原子力発電所の燃料の輸送情報というものは、既にもう極秘にされてしまっていまして、ほとんど、その関係する自治体にすら通報されないという、そんな状態になってしまっているわけです。

プルトニウムを積んだ輸送車 首都高速3号渋谷線
混雑する一般道の高架上をプルトニウムを積んだ輸送車が猛スピードで走り抜ける。首都高速3号渋谷線渋谷駅付近

かつて、ドイツの哲学者のロベルト・ユンクさんという方が、『原子力帝国』 という本を書いてくれました。その中で、原子力というようなものを選択してしまえば、国家が情報を徹底的に管理する。そして、人々を徹底的に監視するという、そういう世界になるだろうと予言しています

西谷:
日本も特定秘密保護法が通りまして、着々とそういう権力者が秘密を隠す体制ができ上がってます。非常に危ないですね。

小出さん:
そうですね。安倍さんっていう人、大変危ない人だと私は思いますし、既にどんどんどんどん戦争に向かって転げ落ちていってるように私には見えますので、特に原子力の場という所に私はいるわけですし、今後もきちっと対応していきたいと思います

恐ろしい国の行方 首相が正常でない

西谷:
はい、今日はよくそういうテロとの関係、あるいは事故との関係がよく分かりました。小出さん、今日はありがとうございました。

小出さん:
いえ、ありがとうございました。



日刊ゲンダイ2014年6月30日付
ヤラセと裏切りの公明党





The daily olive news




原発ホワイトアウト 1/2 覆面官僚が語る 原発の真実と秘密保護法案の実像 若林冽

http://youtu.be/EIgQowUYt5o

原発ホワイトアウト 2/2 覆面官僚が語る 原発の真実と秘密保護法案の実像 若林冽

http://youtu.be/4I-oCY0Q9yI



電力、異常事態に=原発停止継続なら-甘利再生相
(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201406/2014062700501
 甘利明経済再生担当相は27日の閣議後記者会見で、原発の代替電源である火力発電の燃料費上昇が電力会社経営を圧迫していることに関し、「事態を放置すれば、産業用の電気料金が東京電力福島第1原発の事故前より5割上がる」との見通しを示した。さらに、電気料金を値上げせずに据え置けば、「電力会社で債務超過が続出する。異常事態が迫りつつある」と指摘した。(2014/06/27-12:57)

また甘利がバカなこと言ってるぞ(増補版)
・・・「電気料金5割増」のお笑い

(脱原発を考えるブログ)
http://fkuoka.blog.fc2.com/blog-entry-1205.html

東電、ナゾの「13年度黒字決算」の理由を探る 「原発停止で経営圧迫」は本当か
(MONEYzine)
http://moneyzine.jp/article/detail/211206


東電株主総会 脱原発提案



「脱原発」かすむ 滋賀県知事選 選挙戦略、争点回避
(東京新聞【こちら特報部】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014062502000163.html
 任期満了に伴う滋賀県知事選が二十六日に告示される。滋賀県は原発が集中する福井県に隣接し、事故が起きれば多大な被害が予想されている。「卒原発」を掲げ、全国に発信してきた嘉田由紀子知事が引退。三新人の争いとみられているが、原発問題は今のところ大きな争点になっていない。いったい、なぜなのか。
(白名正和、榊原崇仁)

「脱原発」かすむ滋賀県知事選 選挙戦略、争点回避

原発銀座の福井県お隣なのに
「脱原発」なぜ かすむ


 「原発が争点として不明になる恐れはある。福島第一原発事故後では、初の滋賀県知事選となる。県民にとっては大事な意思表示の場だ」。嘉田知事は24日の定例会見で、こう強調した。
 26日告示、7月13日投開票の知事選には、いずれも新人で元経済産業省官僚の小鑓(こやり)隆史(47)、元教諭の坪田五久男(いくお)(55)、元民主党議員の三日月(みかづき)大造(43)の3氏が出馬を表明している。
 嘉田知事は2006年に初当選。10年の再選時には県政史上最多の約42万票を獲得した。12年の衆院選では、計画的に原発をゼロにする「卒原発」を掲げて「日本未来の党」を結成するなど、原発反対の姿勢を貫いてきた。
 その嘉田知事が事実上の後継指名をしたのが、三日月氏だ。三日月氏は、嘉田知事を支える地域政党「対話の会」などの支援を受ける。ただ、原発反対の考えは、計24ページの政策提案集で17ページ目に登場するだけ。政策の中で、全面的に押し出しているわけではない。その内容も「実効性のある多重の防護体制が実現しない限りは、原発の再稼動には同意できない」と、防護体制次第では再稼働を許容するようにも受け止められる。
 推薦を受ける連合滋賀には、脱原発には否定的な関西電力労組も入っており、配慮したようにも見える。
 民主党衆院議員だった三日月氏だが、党派色は出さない戦略だ。保守層も含めた幅広い支持を得たいという狙いがある。脱原発を掲げた細川護煕元首相が破れた東京都知事選の影響もあり、陣営には「脱原発だけでは、選挙は戦えない」という意見もある。
 自民、公明などの推薦を受ける小鑓氏。立候補を表明した今年3月の時点では「経済発展のために安定した電力供給が必要」と、原発再稼働に前向きの立場だった。現在は政策集で「できるだけ原発依存度を下げていくのは当然のこと」と、脱原発を支持する有権者を意識したようなトーンに変わっている。原発を推進してきた経産省出身だけに、「原発推進派」というレッテル貼りを避けたいとの思いがあるようだ。
 今月18日に行われた候補者討論会で、小鑓氏は「三日月さんと私の考えはそれほど変わらない」と発言。三日月氏が「明確に違う」と気色ばむ場面もあった。
 はっきりと脱原発を打ち出しているのは共産の推薦を受ける坪田氏だ。「原発再稼働を許さない。福井の原発は廃炉にする」と主張している。三日月氏が国会議員時代に、原発輸出を可能にする原子力協定調印に賛成したことを批判。今月14日には、関西電力大飯原発の差し止め訴訟で勝訴した原告団長を招いた報告集会を開催して、原発反対の姿勢を印象づけている。ただ、三日月氏との間で、脱原発票が割れる懸念もある。

「脱原発」かすむ滋賀県知事選「卒原発」の知事引退

「大事だけど一番じゃない」

 滋賀県は、「原発銀座」といわれるほど原発が集中している福井県と隣接している。最も近い日本原子力発電敦賀原発(敦賀市)から県境までの距離は13キロしかない。
 ひとたび事故が起これば甚大な影響を受ける。中でも琵琶湖は、飲料水などを供給する関西の「水がめ」として重要で、汚染されれば影響は大きく広がる。
 滋賀県は、福島第一原発事故後の11年9月、県独自で行った放射性物質の拡散予測を公表した。原発事故に対する危機感からの自治体としては初めての試み。福島第一原発事故と同様の事故が起きた場合、24時間の甲状腺被ばく線量が100ミリシーベルト以上の高線量地域は、原発から約40キロ圏の長浜市や高島市、琵琶湖北部まで広がるという推計になった。
 嘉田知事がこうした結果なども踏まえて掲げてきたのが、「被害地元」という考え方だ。原発の再稼動などの同意を得る「地元」は、従来、立地県と立地市町村に限られていた。これを、被害が及ぶ可能性のある広い範囲の自治体にも認めてほしいという要求だ。
 12年の大飯原発の再稼動問題では、政府が事前了解を得る「地元」に滋賀県を含めるよう要求。関電など電力各社に対しては、運転再開時の事前協議などを盛り込んだ立地県並みの原子力安全協定の締結を求めた。
 ただ、大飯原発をめぐっては電力不足の責任を押しつけようとする政府に押し切られ、再稼働を許してしまった。安全協定も昨年4月に結んだが、立地県並みとはいかず、トラブル時の連絡や安全確保の現地確認などを認めさせただけだ。
 とはいえ「被害地元」に近い考え方は他県でも見られるようになった。
 電源開発が建設中の大間原発(青森県大間町)から23キロの距離にある北海道函館市は4月、同社や国に建設中止や原子炉設置許可の無効確認を求める訴訟を起こした。「市が同意するまで建設を止めるべきだ」と訴えており、工藤寿樹市長は「危険だけ負って発言権もなく、理不尽だ」と憤った。
 滋賀県の有権者は、どう考えるのか。
 大津市の琵琶湖畔の木陰で休んでいた買い物帰りの男性(79)は「事故が起きれば琵琶湖が大変なことになるのは分かる。でも医療とか介護とか、他の問題もある。原発問題は大事だけど、一番じゃない」と話す。
 クリーニング店を営む男性(77)は「原発問題は大事だとは思うが、原発に賛成か反対か、判断基準が分からない。事故が怖いから今すぐやめろ、とまでは言えない。じゃあどうすれば良いか対策が分からない」。
 バーを経営する男性(35)は、率直に言う。「僕らは震災の影響が少なかった。事故から3年以上がたち、ちょっとした過去の出来事になっているのかもしれない」
 脱原発を訴える市民グループ「さいなら原発びわこネットワーク」の稲村守事務局長は「原発に慎重姿勢の候補ですら新幹線駅や集団的自衛権まで手を広げて選挙戦に臨もうとしている。原発問題が薄まってしまい、私たちから見ると歯がゆい面がある」。市民団体「脱原発・滋賀☆アクション」の峯本敦子代表は「福井の原発で事故が起きたら、私たちはすぐに逃げなければならない立場だ。県民は潜在的な恐怖感を抱いているが、震災と原発事故という危険性を実感できていないのでは。原発の議論がもっと深まってほしい」と話した。

「脱原発」かすむ 滋賀県知事選 デスクメモ



心の疲れはもはや限界 福島原発事故の被災者たち
(東京新聞【こちら特報部】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014062702000144.html
 世間の忘却と反比例するように、苦悩が深まっている。福島原発事故の被災者たちだ。自殺を防ぐ電話相談「福島いのちの電話」には昨年、過去最多の相談があった。自殺の増加にも歯止めがかからず、アルコール依存症も深刻化している。仮設住宅での孤独死も後を絶たない。被災者たちの心の疲れはもはや限界に近づいている。閣僚の「金目」発言は、そうした心にまた一つ重荷を加えた。
(出田阿生、榊原崇仁)

心の疲れはもはや限界 福島原発事故の被災者たち

「東電にイジメられズタズタ」
福島の被災者は苦しんでいる


 今月4日、福島県二本松市の仮設住宅。浪江町から原発事故で避難していた一人暮らしの男性(74)が、自室で息絶えているところを自治会長に発見された。
 「ぶっきらぼうで、あんまり近所付き合いもない人だった。体は元気のように見えたんだけど」。隣人はそう話す。前夜からテレビがつけっぱなしだったのを近所の人が不審に思い、自治会長に連絡した。死因は心筋梗塞だったらしい。
 亡くなった男性は毎日、午前10時から午後3時まで車で出掛けるのが日課だった。パチンコ店に通い詰めていたらしい。息絶えた姿を発見される前日も、午後3時ごろに戻ってきた。
 男性には息子や孫がいるが、福島市の仮設住宅で暮らしているという。別居の理由は周りの人たちも詳しくは知らない。男性宅の玄関前には麦わら帽子や長靴、バケツなどが片付けられないまま置かれていた。
 一人暮らしの人が誰にもみとられずに亡くなる「孤独死」は、仮設住宅で暮らす浪江町民に限っても最近2カ月で3件あった。浪江町以外でも、避難者の孤独死は決して珍しくない。
 原発事故から3年がたつが、大半の避難住民の心は疲れ切っている。「福島いのちの電話」の昨年の相談件数は、過去最高の1万8194件だった。
 埼玉県春日部市では25日、福島からの避難者の交流会が開かれていた。
 参加していたのは支援者と、福島県の浪江町と楢葉町から避難する男女8人。楢葉町の女性(65)が「誰かの家で毎日、お茶飲みしてたよね。おしゃべりしてると時間があっという間で」と言えば、別の女性(67)が「お金なんかいらないから、元に戻してほしい」と応じる。懐かしいふるさとの話の合間に聞こえるのは、今後の生活不安だ。
 浪江町で息子夫婦と孫と暮らしていた女性(72)はいま、埼玉県内で一人暮らしをしている。息子は福島県南相馬市で仕事に就き、その妻子は同県いわき市で生活する。一家離散の状態だ。いわき市の災害復興住宅の抽選に申し込むつもりだが、見通しは立たない。
 「テレビでも福島のニュースは3・11の時だけ。事故は終わったのに、なんでここにいるのと人から聞かれる。仲間と話すとホッとするけど、家で独りぼっちになると不安で…。ろくなこと考えない」
 こうした交流会を定期的に開催しているのは、専門家の立場から被災避難者の支援を続ける震災支援ネットワーク埼玉(SSN、さいたま市)。愛甲裕事務局長は「3年が経過しても、復興や生活再建の遅れで、被災者の苦悩は一層深まっている。こうした交流会にも出てこられず、賠償も受けずに孤立している人は少なくない」と説明した。

心の疲れはもはや限界心のケアでは解決せず法整備

「お金いらない 元に戻して」
心のケアでは解決せず…法整備しかない


 SSNは今年3~4月に、早稲田大と共同で埼玉と東京に避難中の3599世帯を対象に被災者の現状を調査した。
 4月末までに回収したアンケート600件分を分析すると、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の可能性のある人が57.7%もいることが分かった。
 阪神・淡路大震災で、3年8カ月後に実施された調査では39.5%だった。愛甲さんは「さらに今回の調査では具体的な病名を挙げる人や、自殺を示唆する言葉を書く人が増えた。心と体の不調を訴える人が急増している」と語る。
 自由記述欄に書かれた言葉は切実だ。「夫婦ともにうつ。家族全員が被ばくをしている。生きていてもしかたがない。一家心中を考えている」(双葉町から埼玉に避難・42歳女性)「頭が円形はげになったり、歯が9本も折れたり抜けたり、薬が増えたり、身体も精神面も東電にイジメられてズタズタです」(南相馬市から埼玉に避難・50代男性)「避難してうつになり、家事もできなくなったり、心身共につらくて仕方ないです。自殺を考えたくなる」(浪江町から東京に避難・45歳女性)
 避難先で就職口が見つからない人も多い。「ハローワークにどれほど通ったかわかりません。(中略)損害賠償請求は一度もしていない。手持ちの現金を使い果たし焦ってきているが、気力が出ず、請求ができない」(大熊町から埼玉に避難・57歳女性)
 調査を主宰した早稲田大の辻内琢也准教授(医療人類学)は「各国の事例をみても、天災より人災の方がPTSDからの回復が遅いという結果が出ている。人災の要素がある原発事故では、進まない賠償などの社会的要因が被害者をさいなんでいる」と懸念する。
 分厚い損害賠償請求書を読まなければならず、細かな領収書を求められ、請求しても「ダメ」といわれる連続。同じ町民でも帰還困難、居住困難、避難指示解除準備──の3地区に分断され、賠償に格差がある。
 福島県は県内6カ所に「心のケアセンター」を置いて、臨床心理士や保健師らを仮設住宅などに派遣している。だが、予算的な制限もあり、こうしたスタッフは60人しかいない。
 ただ、辻内教授は「この精神的苦痛は、心のケアでは根本的に解決しない。被災者が分断され、PTSDの質が深刻化している。解決策は法整備しかない。子ども・被災者支援法を機能させ、自主避難を含めて社会がきちんと対応する制度が必要だ」と訴える。
 一方、福島県内の震災や原発事故が原因とみられる自殺者は今年に入り、5月末までに8人。宮城、岩手の各県はそれぞれ1人だった。賠償や帰還を含めて先の見通しが立たず、精神的に追い込まれる人が少なくない証しといえる。
 アルコール依存症も深刻だ。県は福島医大と連携して、プロジェクトチームをつくった。仮設住宅を回る生活支援相談員から「朝から飲酒している」といった報告が増えたためだ。
 こうした被災者たちの厳しい現実の傍ら、事故責任の一端を負うべき政府の本音は石原伸晃環境相の「金目」発言の形で表れた。
 福島大の佐藤彰彦特任准教授(地域社会学)は、その発言をこう批判した。
 「原発事故は人びとから住み慣れた土地や仕事を奪い、少なからずの家族がバラバラになって避難せざるを得なかった。しかも慣れない環境になじみ、新生活を始めるための支援が絶対的に足りず、絶望感を募らせる人たちを増やしてしまった。この深刻な状況から目を背け、『被災地の問題はカネで解決できる』と考えてはいけない」

心の疲れはもはや限界 デスクメモ



小出裕章さん講演会「原子力と核 -戦後世界が戦前に変わる日-(前半)」(2014年6月18日 沖縄大学)

http://youtu.be/xPKQXkOGyD8

小出裕章さん講演会「原子力と核 -戦後世界が戦前に変わる日-(後半)」(2014年6月18日 沖縄大学)

http://youtu.be/YrdJoQ3DcqY

2014年6月18日、沖縄大学で行われた小出裕章さん(京都大学原子炉実験所助教)­の講演会「原子力と核 -戦後世界が戦前に変わる日-」です。2011年3月11日から東京電力福島第一原子­力発電所の事故はどうなったのか。また、この国はどういった姿勢で現在に至っているの­か。どこへ向かっているのか。原子力の専門家からの視点で現在の日本の状態をお話され­ています。


戦争する国に転換した日に隠れて・・弱いものイジメ(´・_・`)

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集団的自衛権の行使容認


今日(7月1日)、安倍内閣が集団的自衛権を閣議決定しました。これにより憲法解釈変更され、集団的自衛権の行使が容認されることとなりました!!
(;`O´)o
公明党の裏切り・・いや、予定通りの合意で、集団的自衛権の閣議決定に至ったことを皆さん!忘れないようにしましょう!










集団的自衛権の行使等を容認する閣議決定に抗議し撤回を求める会長声明
(日本弁護士連合会)
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2014/140701.html
本日、政府は、集団的自衛権の行使等を容認する閣議決定を行った。

集団的自衛権の行使容認は、日本が武力攻撃をされていないにもかかわらず、他国のために戦争をすることを意味し、戦争をしない平和国家としての日本の国の在り方を根本から変えるものである。

集団的自衛権の行使は、憲法第9条の許容するところではなく、そのことはこれまでの政府の憲法解釈においても長年にわたって繰り返し確認されてきたことである。

このような憲法の基本原理に関わる重大な変更、すなわち憲法第9条の実質的な改変を、国民の中で十分に議論することすらなく、憲法に拘束されるはずの政府が閣議決定で行うということは背理であり、立憲主義に根本から違反している。

本閣議決定は「わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」等の文言で集団的自衛権の行使を限定するものとされているが、これらの文言は極めて幅の広い不確定概念であり、時の政府の判断によって恣意的な解釈がされる危険性が極めて大きい。

さらに、本閣議決定は、集団的自衛権の行使容認ばかりでなく、国際協力活動の名の下に自衛隊の武器使用と後方支援の権限を拡大することまで含めようとしている点等も看過できない。

日本が過去の侵略戦争への反省の下に徹底した恒久平和主義を堅持することは、日本の侵略により悲惨な体験を受けたアジア諸国の人々との信頼関係を構築し、武力によらずに紛争を解決し、平和な社会を創り上げる礎になるものである。

日本が集団的自衛権を行使すると、日本が他国間の戦争において中立国から交戦国になるとともに、国際法上、日本国内全ての自衛隊の基地や施設が軍事目標となり、軍事目標に対する攻撃に伴う民間への被害も生じうる。

集団的自衛権の行使等を容認する本閣議決定は、立憲主義と恒久平和主義に反し、違憲である。かかる閣議決定に基づいた自衛隊法等の法改正も許されるものではない。

当連合会は、集団的自衛権の行使等を容認する本閣議決定に対し、強く抗議し、その撤回を求めるとともに、今後の関係法律の改正等が許されないことを明らかにし、反対するものである。

 2014年(平成26年)7月1日
  日本弁護士連合会
  会長 村越  進




集団的自衛権を閣議決定 行使容認、憲法解釈変更
(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201407/CN2014070101001591.html
 政府は1日夕の臨時閣議で、従来の憲法解釈を変更し、自国が攻撃を受けていなくても他国への攻撃を実力で阻止する集団的自衛権の行使を容認すると決定した。日本の存立が脅かされるなどの要件を満たせば、必要最小限度の武力行使は許されるとの内容だ。関連法が整備されれば、密接な関係がある国への攻撃を阻止する目的で、自衛隊は海外での戦争に参加可能となる。1954年の自衛隊発足以来堅持してきた専守防衛の理念を逸脱しかねない安全保障政策の大転換となる。

 安倍晋三首相が、日本を取り巻く安全保障環境の変化などを理由に行使容認の議論を主導した。





集団的自衛権を閣議決定した今日7月1日は、自衛隊が発足した日でもあります。
まさか、60年後に集団的自衛権が行使容認されるのは歴史の皮肉か・・(-.-;)



憲法解釈変更 その日 自衛隊 発足60年
(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014070102000107.html
 自衛隊は一日、発足から六十年を迎える。その日、集団的自衛権の行使容認が閣議決定する。これまでも自衛隊の活動は拡大の一途をたどってきたが、六十年の節目に海外での武力行使が可能になる大転換をすることになった。
 自衛隊は一九五〇年、在日米軍が朝鮮戦争に出兵した際、国内の治安維持を肩代わりするために誕生した警察予備隊が前身。保安隊を経て、五四年に国防を任務とする陸海空の三自衛隊が創設された。
 戦争放棄と戦力の不保持をうたう憲法九条の下、自衛隊は他国の侵略から日本を守る「必要最小限度の実力組織」と位置づけられた。
 だが、海外に派遣しないという政府方針は、九一年の湾岸戦争を転機に変質。米国の強い要請に応じ、派遣を繰り返してきた。
 初の海外派遣となった湾岸戦争では、停戦後に海上自衛隊がペルシャ湾で機雷掃海を実施。二〇〇一年には米中枢同時テロを受け、海自がインド洋で給油活動を展開した。
 〇三年のイラク戦争では、陸上自衛隊をイラクへ派遣。他国の領土へ足を踏み入れ、地方都市で人道復興支援活動をした。政府は「非戦闘地域」と定義したが、野党から「戦闘地域との線引きがあいまいだ」との批判が噴出した。



また、集団的自衛権を閣議決定した今日7月1日は、改正生活保護法が施行された日でもあります。生活保護はセーフティーネットの最後のとりでです。私たちのナショナル・ミニマムが静かに、そして、確実に破壊されていきます・・(´-ω-`)



生活保護抑制策の実施 記者の眼 解説
東京新聞2014年6月24日付

 七月から、改正生活保護法に盛り込まれた保護費の抑制策が実施される。本当に必要としている人に保護が行き渡らず、憲法二五条に定められた生存権を保障する「最後の安全網」からこぼれ落ちる人が増えることが懸念される。

生活保護抑制策の実施

真の困窮者切り捨てるな

 一九五〇年に成立した生活保護法は憲法二五条に基づき、国がすべての国民に「最低限度の生活を保障する」と明記した。
 受給者数は五一年度の二百万人をピークに減少傾向が続いたが、九五年度の約八十八万人を境に増加に転じ、二〇一一年度に再び二百万人を超えた。支給総額は○九年度に三兆円を超え一四年度は三兆八千億円に膨らむ見通し。貧富の格差の拡大に、景気低迷が追い打ちをかけたとみられる。
 一二年に人気芸能人の母親が受給していたのをきっかけに生活保護たたきが激しくなった。少なくとも全国で十二の市が不正受給の情報を市民から求めるとの名目で、専用電話を設置したことが分かっている。抑制策の検討に着手したのは民主党政権だったが、同年の衆院選で、民主党より踏み込んで保護費の一割削減を掲げた自民党が勝利。安倍政権は抑制策を矢継ぎ早に打ち出した。
 生活保護は一五年度までに物価上昇分を除き6・5%(計六百七十億円)減額される。影響を受けるのは受給者だけではない。生活保護の水準を目安に対象を決める自治体が多い住民税の非課税限度額や保育料の軽減などに関し、安倍政権は影響が出ないようにすると強調してきたが、七十一の市区町村で給食費や学用品代を補助する就学援助の対象が狭められていた
 改正生活保護法は申請時に申請書や関連書類の提出を義務付ける。扶養を断る親族に報告を求めたり、扶養義務者の収入や資産の報告を勤務先や銀行に求めることが可能になる。これらは、窓口で申請を拒む「水際作戦」の強化につながると懸念されている。
 不正受給をなくさなければならないのは当然だ。だが、不正受給は匸一年度で全保護費の約O・5%(約百九十一億円)。「受給者は働けるのに働かない」との批判もあるが、一一年で
受給者の28・―%が七十歳以上、23%が六十代。特に七十歳以上は最近二十年でほぽ三倍に増えた。本来受給できるのに「生活保護を受給するのは恥」として申請しない人が一定数いるとの専門家の指摘もある。不正受給対策に力を入れるあまり、本当に困っている人を安易に齎り捨てるのは本末転倒だ
(政治部)





生活保護費抑制
支給延ばす「大阪方式」 全国拡大に懸念

(東京新聞【こちら特報部】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014062902000138.html
 生活保護費の抑制策が盛り込まれた改正生活保護法が七月一日から施行される。大阪市には、既に申請者に就労を指導し、なかなか支給を認めない「大阪方式」がある。窓口で申請を拒む「水際作戦」の増加が懸念されている中、支援者からは「大阪のやり方が改正法施行後、全国に広まらないか」と危惧する声が上がっている。
(白名正和)

生活保護費抑制 支給延ばす「大阪方式」

求職「努力足りない」と申請却下

 「体調不良をおして何とか仕事を探そうとした。頑張ってもダメだったのに、『努力が足りない』と言われた。努力したかどうかは市が決めることですか」。大阪市浪速区の男性(三八)が憤る。病気を理由に生活保護を申請したが、「職探しの努力が足りない」と却下された。
 大阪府内の建設会社で働いていた二〇一一年秋、朝礼中に過呼吸で立っていられなくなった。救急車で運ばれたが原因は不明。その後も治まらず目まいもするようになった。「今考えると、ストレスがあったのかもしれない」。治療に専念するため同年末に退職し、時折ピル清掃などのアルバイトをしてつないだ。病院に通っていたが、家から出られないほど症状は重くなった。
 所持金が尽きかけ、一三年十月、区保健福祉センターに生活保護を申請した。「ハローワークで仕事を探すように」と書面で指導された。「しんどかったけど、職探しが保護開始の条件と感じたので言うとおりにした」
 清掃会社など六社に履歴書を送口たが、うち五社は履歴書を送った時点で断られ、一社は体調不良を理由に面接ではじかれた。サービス業は女性だけを求人するところがほとんど。体調のせいで重労働ができず建設会社もダメ。介護の資格もなく、仕事は見つからなかった。
 「所持金は十一円。買い置きしてあった米をおかずなしで、一日一回食べた。やっと保護が始まる、という気持ちだった」。申請から1ヵ月後、期待とは裏腹に、申請を却下する通知が届いた。「稼働能力を活用していると認められない」という理由だった。「要は『働けるのに、サボつている』と決めつけている。できることは全部やったのに、納得できない」
 大阪市の対応の根拠となっているのが、一一年一月に独自に策定したガイドラインだ。「申請時における助言指導を適切に行い、自立支援や就労支援の推進を図る」ことが目的で、「どういうふうに求職活動を行い、どういった職種を求めるか明確にする必要がある」「職探しの報告時には努力の程度を確認するだけでなく、求職活動の方法も助言する」とする。
 市生活保護調査担当課は、「あくまで生活保護法にのっとって、法律を分かりやすくするための手引きで、申請者を就労に導くことが目的だ」と趣旨を説明する。
 だが、生活保護に詳しい普門大輔弁護士は「市の対応は生活保護法に違反している恐れがある」と指摘する。生活保護法二七条では、自治体の就労指導は既に保護を受けている受給者を対象にしており、申請段階で指導することは認められていない。大阪市では、この男性以外にも、申請後に職探しを求められた事例が確認されている。
 男性は普門弁護士の支援を受け再申請した。同じように就労指導を受けて、八ローワークに通い仕事が見つからなかったが、今度は生活保護が開始された。「何が違うのか、よく分からない」と男性は困惑する。

生活保護費抑制 全国の削減手本 危惧

全国の削減手本 危惧

保護拒否「よけい高くつくのに」

 ○八年のリーマンショックを機に生活保護の受給者数が全国的に増加した。一二年にお笑い芸人の母親の受給が発覚すると受給者へのバッシングが拡大。当時は野党だった自民党は、保護費の一割削減を掲げて同年末の衆院選で勝利し、保護費抑制策を次々と打ち出した。
 全国の生活保護の受給世帯数は今年三月時点で約百六十万世帯、受給者も二百十七万人といずれも過去最多だ。保護費も増加傾向で一四年度当初予算ベースで三・八兆円。四分の一は地方自治体が負担している。
 自治体財政を圧迫しており、さいたま市や大阪府東大阪市など少なくとも全国の十二市が、不正受給者情報を市民から募る専用電話を設置している。
 七月に施行される改正生活保護法では、申請の際に収入などを記載した書類の提出を義務付けている。受給者の親族ら扶養義務者に、扶養できない理由の報告も求めたり、扶養義務者の収入や資産の報告を勤務先などに求めたりすることも可能になる。
 申請時に、書類を用意できない困窮者は少なくない。厚生労働省は「これまでも申請の際に書類の提出は求めており明文化しただけ。実態として対応はこれまでと変わらない。扶養義務者からの報告も限定的な場合だけ」と説明する。
 だが、変わらないなら法改正の必要はない。自立生活サポートセンター・もやいの稲葉剛さんは「法改正前ですら水際作戦が全国で問題となっている。法改正で申請の運用が全国で厳格化し、保護が認められないケースが増加する恐れがある」と指摘する。
 問題視されている大阪市の対応は、ガイドライン以外にもある。市民団体「大阪市生活保護行政問題全国調査団」によると、申請時に必要とされていない住宅の賃貸借契約書や預金通帳を提出させた事例が○九年以降に複数件、確認されている。改正法でも求めていない内容だ。
 扶養義務者についても、厚労省の通知では「扶養義務が履行できない者については照会しなくて良い」としているが、大阪市は既に扶養義務者全員に照会を実施。「三十五年前にDVを受けた父親を扶養できないか」との照会を受けた女性は「嫌な過去を思い出させられた」とショックを受けたという。
 「大阪市生活保護行政問題全国調査団」団長の井上英夫・金沢大名誉教授は「改正法によって、ただちに全国の自治体が大阪を模倣するとは思わないが、保護費を削減したい自治体が大阪の手法をまねる恐れはある。大阪の男性のようなケースがほかの自治体でも起こり得る」と懸念する。
 大阪市の男性は現在、体調が回復し、以前働いていた建設会社に復職した。保護は今月から停止している。
 「病気の人に『働け』と言って保護を断れば、もっとひどい状況になってから再申請することになる。回復にも長い時間がかかるので、保護費はよけいに高くつく。保護を拒否することで、自治体は自分の首を絞めることになる」と男性は話す。
 井上教授は「法改正は保護費の抑制だけではなく、憲法で保障された生活保護を、『役所が与えてあげる物』へと変質させることになる。七月以降、自治体がおかしな対応をしないか注視していかなければならない」と話した。

生活保護費抑制 デスクメモ






アベノミクスで格差拡大 大富豪リスト
日刊ゲンダイ2014年6月30日付
アベノミクスで格差拡大 大富豪リスト

 上場企業の大株主たちは、アベノミクスの”株高政策”にニンマリだ。株価上昇により、黙っていても保有株の資産価値が上昇した。
 「サラリーマンは数千円の賃金アップに喜んでいますが、大株主はケタが違います。億単位で資産が増えているのです」(株式評論家の杉村富生氏)。
 ソフトバンクの孫正義社長はベラボーだ。保有株数と株価(27日終値)を基に資産価値を算出したところ、何と1兆7476億円だった。1年前は1兆2716億円だったので5000億円近く増加したことになる。
 「孫社長はソフトバンク株を2億株以上持つています。だから株価が100円アップするだけで、含み益が200億円増える。経営のかじ取りに力が入るのも当然でしょう」(市場関係者)
 ファーストリテイリングの柳井正社長も凄まじい。保有株の資産価値は7729億円だ。1年前に比べ800億円以上も増加した。そのほか1000億円を超える”株長者”は、楽天の三木谷浩史社長や、電子部品を手掛けるキーエンスの滝崎武光会長、スマホゲームで有名なコロプラの馬場功淳社長、ネットショップ「ソソタウン」を運営するスタートトゥデイの前澤友作代表など計10人。
 1000億~200億円には日本電産の永守重信社長や、大正製薬HDの上原昭二元会長、セブン&アイHDの伊藤雅俊元会長など、大富豪として知られる経営者がズラリだ(別表参照)。
 表にはないが、20O億円以下には新興勢力が並んでいる。ミドリムシービジネスで名を馳せたユーグレナの出雲充社長(168億円)や、ソーシャルゲームで知られるクルーズの小渕宏二社長(185億円)、レジャー施設を展開するラウンドワンの杉野公彦社長126億円)などだ。
 連合によると、14年春闘の賃上げ額は5981円(6月2日の中間集計)。やはりアベノミクスは富める者をますます富ますだけの格差拡大策なのである



都の五輪整備費1538億円でできること
(東京新聞【こちら特報部】ニュースの追跡)

 二〇二〇年東京五輪の施設整備には、東京都が負担する分だけで、少なくとも千五百三十八億円かかかるという。庶民にはピンとこない額だが、舛添要一知事は現在、圧縮を考えている。ちなみに、このお金を子育てや住環境、福祉への支援に充てるとなると、どれくらいの効果があるのか。「こちら特報部」が独自に試算してみた。
(林啓太)

都の五輪整備費1538億円でできること

舛添知事計画縮小へ/「弱者視点で見直しを」

 東京五輪招致委員会が昨年一月に公表した立候補ファイルによると、五輪の施設整備費は四千五百五十四億円。さまざまな施設のうち、都は水泳やバドミントンなど十会場の整備を担う予定で、金額的にその負担は約三分の一を占める。
 華々しい五輪に夢を抱く人びとがいる一方、明日の暮らしを案じる人びとも多い。都のお金は都民のものだ。暮らしに充てると、どれほどの重みがあるのか。
 都の認可保育所は昨年で千九百十五施設、定員は十九万三千七百五十七人。これに対し、待機児童数は昨年四月時点で、八千百十七人いる。前年比で八百六十人増えた。保育所の増加は待つたなしといえる。
 都内で認可保育所の整備にかかる費用は過去数年の実績から、土地代を除き、百人当たり二・六億円という試算がある。八千百十七人分なら二百十一億円。千三百億円以上が残り、土地代に充てるにも十分だ。供給不足の都営住宅はどうか。都営住宅は現在、約二十六万戸。今月二十四日の都営住宅入居者募集の抽選では、世帯向けの千四百五十戸に四万千九百八十二人が申し込み、倍率は二十九倍に膨れた。
 住宅政策課の担当者は「安価な賃貸住宅も増えた」として、二〇〇〇年度以降は新たな都営住宅を造っていない。だが、抽選倍率を見れば、需給が一致しているとはとても言い難い。
 古い都営住宅の更新も、遅々として進まない。四十年以上前に建てられたのは十一万戸。全体の四割以上を占める。住民は高齢者が多いのに室内は段差が多かったり、エレベーターがなかったりといった不便をこうむっている。
 国の公営住宅の標準建設費などを基に試算すると、都営住宅で国の補助を除いて都が負担する整備費用は、土地代を除き二尸当たりおおむね千百万円。五輪で都が負担する予算を充てれば、約一万四千戸分を新築することが可能だ。
 高齢者福祉はどうか。都内にある特別養護老人ホーム(特養)は四百六十三施設(都立は二施設)で、定員は四万千四百余人。今年三月時点で入居できずに、申し込んでいる人は四万三千三百八十四人に上る。
 既存施設の入居者の退所や死亡、施設の新設などで新たに入所できる人数は年間一万人に満たない。高齢化が進む中で、需要は一段と高まっている。
 都内での特養の建設費は過去実績から試算すると、土地代を除き百人当たり十三億円とされる。東京五輪での都の負担分を全額充てれば、新たに一万千八百三一十人分を確保できる。
 五輪の整備費は資材や人件費の高騰などで膨れ上がる恐れもある。舛添知事は「都民の理解を得たい」などとして、整備費を圧縮する方向で、計画を見直す方針を示している。
 メーン会場になる新国立競技場の建設に伴う都営住宅「霞ケ丘アパート」の立ち退き問題に詳しいジャーナリストの永尾俊彦氏は「あの一角を終の棲家と定めていた高齢者たちが、五輪のために移転を強いられて混乱している。釈然としない思いがある」と語る。
 「知事にはぜひ現場に足を運んで、社会的な弱者の声に耳を傾けた上で、整備計画を再考してほしい


人の命や健康よりも経済活動の自由を重く見るような社会の在り方を変えよう!

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高レベル放射性廃棄物の最終処分
(東京新聞【ニュースがわかるAtoZ】)

原子力発電所から出る核のごみは、大量の危険な放射能を含む。国は14年前に地下300メートルより深く埋めて処分することを決めたが、いまだに場所は決まらない。国は処分技術は確立できているとして、国主導で処分場選定を模索するが、10万年も安全に保管できる場所が国内にあるのだろうか。(社会部・清水祐樹)

高レベル放射性廃棄物の最終処分

「若い」地層が弱点

 埋設処理は?

 核のごみ処分に関し、日本には地層の「若さ」という大きなハンディキャップがある。処分場に決まったフィンランド南西部のオルキルオトは、19億~18億年前くらいにできた硬く安定した地層にあるのに対し、日本の地層はずっと新しい。軟らかく、水を通しやすいため、深い場所でも地下水が大量に出る。地震や火山活動も活発だ。
 北海道幌延(ほろのべ)町の地下研究施設で地下350メートルの調査坑道を取材すると、こうした課題が肌で実感される。絶えずわき出る地下水が、コンクリートの壁からしみ出し、床は水たまりだらけ。水没しないようにくみ上げる量は毎日約120トンに上る。坑道の土に触ると軟らかく湿っていた。地下水の塩分が濃く、土にも塩の結晶が含まれている。生物の死骸などが積み重なってできた堆積岩は、爆発の危険があるメタンガスが発生しやすい。
 国の方針では、原発の使用済み核燃料から出る廃液を、溶けたガラスに混ぜて固める。このガラス固化体を金属製の容器に入れ、その外側を締め固めた粘土で覆い、地中に埋める。「地下は自然環境の影響が少なく、酸素がほとんどないので鉄の腐食も起こりにくい。地下水の流れも非常に遅いため安全」だと強調している。
 しかし、製造直後のガラス固化体は、人が近づくと20秒で死亡するほど強い放射線を放つ。放射能が天然ウラン並みの比較的安全な水準に下がるまでに数万年はかかるとされる。長い年月の間には、地下水は粘土を通り抜けて金属容器を腐食。塩分が濃いと、腐食がさらに進む恐れもある。放射性物質が水とともに地上や海へと流出することも考えられる。
 地震などの自然現象の予測も難しい。処分技術を研究する日本原子力研究開発機構の幹部も「想定外の事態はあり得る。超長期の安全性の証明は難しい」と認めている。

各原発にたまる使用済み核燃料

札束での解決に固執

 適地探しは?

 国内には各原発のプールのほか、再処理工場(青森県六ヶ所村)のプールに大量の使用済み核燃料がある。これらを今後処理し、国内外にある分も合わせると、危険なガラス固化体は約2万5000本にもなる。
 これらは何とかする必要があるが、日本では、地層問題のほか、処分場探しの主体、やり方にも問題が残る。
 処分場は、電力会社の出向者らを中心とした原子力発電環境整備機構(NUMO=ニューモ)が探し、運営することになっている。調査を受け入れるだけでも数十億円を渡す”札束”方式で、自治体に候補地の公募をしてきたが、1件も応募がない。2007年、高知県東洋町が応募したが住民らの猛反発ですぐに撤回された。
 東京電力福島第一原発事故後に、「研究者の国会」とも呼ばれる日本学術会議が、最終処分政策を白紙に戻すことを提言した。許容できる核のごみの総量はどれくらいなのか社会的な合意を得ることや、札束の力で自治体に「イエス」と言わせる方式をやめ、核のごみを一定期間ごとに各地に保管させる方式なども提示した。
 だが、国は従来通りの埋設処分が良いとし、NUMOの改廃を含めた政策の抜本的な見直しも見送った。処分場の候補地選びでは、公募とは逆に、国がここが適地だと示す方針に変わった。政府の中枢部からは、今年早々にも複数の自治体を指名するかのような発言も聞かれたが、今のところ動きはない。なぜここが適地といえるのか、本当に超長期の安全性が保てるのか、明示できるだけの科学的な根拠が乏しいからのようだ。
 相変わらず「トイレなきマンション」の状況が続くなか、現政権は原発再稼働を急ぐ。今秋にも九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)が第一号になりそうな雲行きだが、核のごみという次世代へのツケの問題は何も変わってはいない


10万年後の安全をどう守れるか?:オンカロ・六ヶ所・幌延

http://youtu.be/l2uCjnXIdfU

10万年先まで危険が続く...核廃棄物の現実

http://youtu.be/5axeW9Gmf4E



「津波で電源喪失」予見
国・東電の過失立証へ


福島第一原発生業返せ訴訟 第7回弁論 ヤマ場
弁護団 事務局長 馬奈木厳太郎ごに聞く

全国商工新聞2014年7月7日付

 「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟)が提訴されて1年4ヵ月。6回の口頭弁論を通じて、東電、国の過失責任が鮮明になり、次回の口頭弁論(7月15日)は大きなヤマ場を迎えます。裁判の流れと現局面について、弁護団事務局長の馬奈木厳太郎(まなきいずたろう)弁護士に聞きました。

福島第一原発生業返せ訴訟 第7回弁論 ヤマ場

 -生業訴訟が起こされ1年4ヵ月。今の局面は

 馬奈木 私たちの裁判は、国と東電の責任を追及することで、原告だけの救済ではなく、全体の救済を図ることをめざしています。
 そのために、まず過失責任があったことを主張立証し、それを前提に被害の立証に入ります。その上でどの程度の原状回復、慰謝料となるのか。裁判所による損害の評価があって判決となります。
 つまり、責任追及→被害立証→評価→結審・判決が、裁判の大きな流れで
す。次回の第7回口頭弁論では、過失責任の追及が大きなヤマ場を迎えます。

対策を取らずに

 -この問題は「裁判の核心部分」ですね

 馬奈木 私たちは国も東電も「故意とも同視しうる重大な過失があった」と考えています。
 それは国も東電も「02年、遅くとも06年までに」、全交流電源喪失が津波などによって生じることを予測・予見していた
 しかし、東電は何の対策も取らず、国は、東電や電力会社に対して、対策を取るよう法的な規制をかけたり、国の規制権限を適時適切に行使しなかった
、からです。

 ―だから過失(落ち度)があったというわけですね

 馬奈木 そうです。過失を立証するためには、三つの論点で決着をつける必要があります。
 ①対策を取らないと今回のような大事故につながって危険だと思える情報とは何か
 ②その情報は確立した知識や見解なのか
 ③国や東電はそうした情報にいつ接したのか

-です。

故意同然の過失

 -国、東電は原発事故前にそうした情報に接していたわけですね

 馬奈木 その一つが97年に出された農水省などによる4省庁「報告書」です。
 この報告書は「過去に例がなくとも予想できる最大級の津波を想定すべきだ」と指摘しています。これを踏まえ国は、東電を含めた電力会社で組織する電気事業連合会(電事連)に対し、従来の2倍の津波(10メートルを超え得る津波)を想定した対策を取るように指示していました

 -指示まで出していたのですか

 馬奈木 この指示を受け電事連が00年に試算結果をまとめたところ、福島第1原発には建屋などがある敷地の高さ10メートルを超え得る津波が来る、との結論でした。02年の「地震調査研究推進本部地震調査委員会が出した「長期評価」でも同様の結果が出ています。しかし、国も東電も何らの対策を取ってきませんでした。ですから、私たちは「02年、遅くとも06年までに」津波の予見可能性があったと指摘し、それにもかかわらず、対策を取ってこなかったのは「故意とも同視しうる重大な過失」と主張してきたわけです

 -もう”勝負あった”ですね

 馬奈木 もちろん、国、東電も反論しています。たとえば実際に来たのは15メートル超の津
波。だから、10メートルを超す津波で事故が起きるのか立証しろ、などと反論していますが、「危ない」と分かっていれば、予見可能性の議論としては十分です。
 4省庁「報告書」についても、国は「その結果をもって科学的知見が形成、確立したといえない」などと反論しています。しかし前回の第6回口頭弁論では、国が電事連に指示した措置や内容について「当時の資料が現存しないため、事実の有無を確認できない」と、驚くような無責任な回答をしました。

 情報隠しに怒り

 -傍聴席からは「情報隠し」と、国の態度に怒りの声が上がりました

 馬奈木 裁判長も回答するよう促しましたが、それでも「必要性が分からない」と、指示をしていたかどうかの認否さえ明らかにしませんでした。
 過失がないのであれば、堂々と主張すればいいのに、それを隠そうとする
東電は相変わらず「過失は争点にならない」と繰り返すだけです。

 -国も東電も過失問題では、窮地に追い込まれているわけですね

 馬奈木 私たちの追及とともに、裁判所も国、東電に異例ともいえる数十項目の釈明を求めています。第7回口頭弁論までに、国は何を指示したのか、そして東電はそれに対してどんな対策を取ったのか、文書で明らかにするよう訴訟指揮をしました。
 次回の口頭弁論は、それを踏まえた上での弁論となるわけで、過失責任問題が重大な局面を迎えることになります。

 -福島原発関係の裁判で過失責任が正面から争われているのは、生業裁判だけ。それだけに注目されますね

 馬奈木 そうです。全国への影響も大きい。私たちは、過失責任の一定の決着をつけた上で、被害立証に移りたいと考えています。

 -被害立証はどう進むのでしょうか

 馬奈木 私たちは裁判を通じ、被害者一人ひとりの被害実態を明らかにすることで原発事故の広がり、深刻さをあぶりだしたいと、考えています。
 被害立証では被害者の尋問をできるだけ行いたい。ただし2600人の原告全員が裁判で陳述することは、時間的に不可能なので、被害実態を告発するアンケート調査に取り組みます。これが原告一人ひとりの大きな作業になります。
 同時に心理学や、津波などの専門家を呼んでの証人尋問、そして裁判所による現地の検証-複数力所-をこの秋にも実現したいと考えています。

 大飯判決を力に

 -ところで、福井地裁の大飯原発再稼働の差し止め判決(5月21日)は追い風になりますね

 馬奈木 控訴されましたが、判決は憲法上保護された「人格権」を、原発を稼働させる関西電力の「経済活動の自由」よりも重視されることは明らかだとし、多数の人間の生存にかかおる権利と電気代の高い低いの問題を並べて議論すること自体「法的には許されない」と断罪しました
 さらに「豊かな国土と、そこに国民が根をおるして生活することが国富であり、これを取り戻すことができないことが国富の喪失」としました。生業訴訟も「人の命や健康よりも経済活動の自由を重く見るような社会の在り方を変えよう」と提起していますが、福井地裁判決と私たちの問題意識は共通してお
り、私たちの裁判を後押しするものとなっているのはうれしいことですね。



韓国も脱原発の機運 フェリー沈没で広がる安全不信
(東京新聞【こちら特報部】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014062402000165.html
 韓国社会に衝撃を与えた四月のフェリー沈没事故は、事故とは関係ない分野にまで安全不信を広げている。その代表格が原発だ。老朽化原発の廃炉を求める声は急速に高まっている。日本にとっても対岸の火事ではない。韓国で原発の大事故が発生すれば、甚大な被害を受けるからだ。日韓が手を携えて脱原発を目指したいところだが、両政府とも原発推進の姿勢を崩さない。
(篠ケ瀬祐司、白名正和)

韓国も脱原発の機運フェリー沈没で広がる安全不信

老朽化原発「廃炉を」

 今月9日、韓国東部の蔚珍(ウルチン)にあるハンウル原発(旧蔚珍原発)1号機が発電を停止した。原子炉の制御棒1本が落下したためだ。
 韓国内で原発が故障などで止まったのは今年4件目。原発運営会社の韓国水力原子力は「放射能の漏出はない。手動で停止し、発電所の安全は維持されている」と説明するが、23日現在、運転は再開されていない。
 韓国では4月16日、300人以上の死者・行方不明者を出した「セウォル号」沈没事故が発生。その直後にも、ソウルの地下鉄で衝突事故が起き、政府や運行事業者への国民の怒りが沸騰している。交通機関システムの見直しが叫ばれる中、同じく安全第一の原発に注がれる視線も厳しくなった。
 今月2日、有識者や市民団体代表ら56人が南部・釜山郊外の古里(コリ)原発1号機の即時閉鎖を要求する宣言文を発表した。参加した市民団体「環境運動連合」の担当者は「老朽化原発の廃止を求め、これほど多くの学会元老や市民団体が集まったのは初めてだ」と驚く。
 古里1号機は韓国で最も老朽化した原発だ。同国初の商業用原発として1978年に運転を開始した。30年の設計寿命後も10年間の延長運転中だが、2013年11月には、定期検査明けの運転再開直後にトラブルで運転を停止した。市民団体のまとめによれば、これまで130回もの事故を起こしている。
 現在、韓国で運転中の原発は23基。古里1号機のほか、東部の月城(ウォルソン)原発1号機が既に設計寿命を超えた。韓国紙・ソウル新聞によれば、さらに10基が30年までに30~40年の設計寿命を迎える。セウォル号が約20年前に建造された老朽船だったことも、老朽化原発への不安を増長している。

運転トラブル・隠ぺい 後絶たず

 問題は事故や老朽化だけではない。
 古里1号機では12年2月、定期点検中に全電源を喪失する大事故を起こしながらも約1カ月間、国の原子力安全委員会に報告を怠った。原発への不良部品納入問題も発覚。新型の加圧水型軽水炉で、韓国政府が「韓国型の新原発」と宣伝してきた南東部・蔚山(ウルサン)の新古里(シンコリ)原発3、4号機(建設中)にも、性能が劣る信号伝達用制御ケーブルが納入されていた。
 韓国水力原子力は「古里1号機の事故の6割以上は、原発運用技術が不足していた最初の10年間に起きた。08年以降は3件だけだ」と反論するが、釜山の市民団体「エネルギー正義行動」のチョン・スヒ氏は「納得できる説明ではない」と批判する。
 「セウォル号の事故で感じたのは、国家が市民の安全を守ってくれないということだ。古里1号機は約350万人が暮らす釜山の中心部から30キロほどしか離れていない。老朽原発閉鎖の風を起こしたい」

韓国も脱原発の機運 朴政権は増設・輸出推進

手を携えゼロ目指せ

 韓国国民が不安や不信を募らせる一方で、朴槿恵(パククネ)政権は原発新増設路線を維持する。
 今年1月に閣議決定された第2次国家エネルギー基本計画では、2035年までに、電力供給に占める原発の比率を現在の約26%から29%に引き上げる。そのまま実行すれば、出力100万から150万キロワット級の原発が5~7基新増設される。
 背景には深刻な電力部不足がある。
 11年9月、電力需給の急増に対応できずに供給を強制的に中断した結果、全国212万世帯が停電した。13年夏には、制御ケーブルの性能証明書ねつ造事件などを受けて6基の原発が停止。大口需要者に節電を義務付けるなどの強制措置でしのいだ。
 日本の社団法人「海外電力調査会」の中川雅之上席研究員は「安価な電気での冷暖房が多く、需要ピークが夏冬の2回くる。日本のように休眠火力発電所がほとんどなく、潜在的な予備電力も極めて小さい。原発肯定派は、二酸化炭素(CO2)排出量削減の必要性を強調している」と韓国の電力事情を解説する。
 原発を輸出産業と位置付けている点も推進の理由だ。
 朴大統領は5月19日にセウォル号沈没事故に関し、涙を見せながら国民向けの談話を発表した。直後に向かったのは「韓国型原発」の竣工(しゅんこう)式があったアラブ首長国連邦(UAE)だった。トルコへの輸出では日本と中国、カナダと受注を競い合った。
 古里1号機閉鎖の宣言文に参加したソウル大の安京煥(アンギョンファン)名誉教授は「人権の根源は安全と平和だ。安全を脅かしかねない新規原発を抑制し、既存の原発は閉鎖すべきだ。原発輸出にも反対だ。(事故による)被害者が韓国人か外国人かという話だからだ」と警鐘を鳴らす。

23基 対岸の火事ではない

 日本も隣国の原発に無関心ではいられないはずだ。
 韓国の原発事情に詳しい朴勝俊・関西学院大教授(環境経済学)は、古里1号機で旧ソ連・チェルノブイリ事故(1986年)並みの大事故が発生した場合、日本国内で50年以内にがんで死亡する人数を試算した。
 具体的には、被ばく量とがん死者数の関係は国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に基づき、放射性物質が秒速2メートルの風に乗って細い扇状に拡散する事態を想定。南南東の福岡市や熊本市方向に広がったときは、死者は九州地方で8万4千人。京都市や名古屋市、東京都方面へ拡散すれば関西、中部、関東地方で13万人が亡くなる。朴教授は「風がどう吹くかは分からないが、肝心なのは韓国で大事故が起きれば、日本にも多大な影響が出かねないことだ」と指摘する。
 実際、韓国と距離が近い九州には、危機感を抱いている人たちが少なくない。
 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)に反対する市民団体「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」の石丸初美代表は「九州は韓国に近く、事故が起きたら影響は大きい」と心配する。だが、活動範囲を韓国にまで広げる余裕はない。「精力的に動けるメンバーは数人で、玄海の再稼働反対の声を上げるので精いっぱいだ」
 なるほど安倍政権は原発の再稼動や輸出を推し進める。福島事故の教訓などどこ吹く風では隣国の原発に口を出せるはずもない。朴教授は「日本は脱原発にかじを切るべきだ」と訴える。
 「福島事故が起きた時点で脱原発へと政策を転換し、外国でも二度と事故が起きないよう世界に発信すべきだった。ところが、安倍政権は全く逆方向に進んでいる


韓国も脱原発の機運 デスクメモ


もし、韓国の原発が事故をおこしたら


韓国原発事情 再稼働反対、増設止めたい



2014/04/13
【広島】原発を推進するのは『不経済界』の人々だ ~
「原発が無くても経済は大丈夫!」講師 朴勝俊氏

(IWJ)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/134449
 2014年4月13日、広島県福山市のまなびの館ローズコムにおいて、学習会「原発が無くても経済は大丈夫!」が行なわれた。関西学院大学の朴勝俊(パク・スンジュン)氏(環境経済学)が、経済学の観点から脱原発やエネルギー転換の道筋を解説した。

 朴氏は「これまでかかった費用にこだわって、原発をやめられないという人たちは、経済をわかっていない。パチンコで負けているのに『つぎ込んだ金を取り返すまで、やめるわけにはいかない』と、さらにのめり込むようなもの。絶対やってはいけないことだ」と断じた。

 さらに、世界的なエネルギー需要の増加に対応するためには、「発電所より節電所という、発想の転換が必要だ」と説き、これまで原発に依存してきた立地自治体が、安心して原発がやめられるような仕組みを作り、支えていくべきだと提案した。

記事目次

経済とは「命と未来を守ること」
発電所より「節電所」
原発の地元を支える仕組みを
原発をやめても安心できる「未来」を示そう


Ustream録画(再配信映像)
・1/3(14:00ごろ~ 55分間)パフォーマンス/あいさつ/朴氏講演


http://www.ustream.tv/recorded/46149045
1分~ 坂本氏パフォーマンス/8分~ 主催奥野氏あいさつ/14分~ 朴氏講演第1部

・2/3(1時間0分)朴氏講演〔続き〕


http://www.ustream.tv/recorded/46150174
冒頭~ 講演第1部〔続き〕/36分~ 講演第2部

・3/3(29分間)質疑応答


http://www.ustream.tv/recorded/46151414

パフォーマンス 坂本晃一氏/主催あいさつ 奥野しのぶ氏(みどり福山 共同代表)
講演 朴勝俊(パク・スンジュン)氏(関西学院大学総合政策学部)
第1部「日本経済と原発・再エネ・節電所」/第2部「原発地元の未来の産業・経済をいっしょに考えよう」/質疑応答
日時 2014年4月13日(日)14:00~16:00
場所 まなびの館ローズコム(広島県福山市)
主催 みどり福山
関連リンク 『チャンスとしての脱原発』(e-みらい構想)

経済とは「命と未来を守ること」

 朴勝俊氏は「原発推進派にも、経済のイロハをわかっていない人が結構いる」と前置きし、「東京電力の元副社長、桝本晃章氏は『原子力は引き返すコストが非常に高い』、もんじゅの所長だった近藤悟氏は『1兆円も使ってきて、やめるわけにいかない』と語っている。経済をわかっていない典型的な人たちである。何をわかっていないかというと、埋没費用である。建設にこれまで使ってしまったお金は戻ってこない。これを『もったいない』と言って、もっと続けると無駄が増える。絶対にやってはいけないことである」と述べた。

 「原発推進は、社会的な費用も度外視されている」という朴氏は、「電力会社は、原発を運転すると安い燃料費でたくさん電気ができるので便益がある。しかし、事故が起きた場合の損害は、今の東京電力のように、国民全体が尻を拭うことになる。経済というのは、経営上の損得勘定ではない。社会全体にツケを回すことは、経済的なものではない」と断じた。

 その上で、「原発事故のリスク、私たちの子孫に放射性廃棄物の危険を残す、こういったことを度外視して再稼働する勢力は、『日本不経済団体連合会』であり、主体となる役所は『不経済産業省』である。私たちは、この『不経済界』から経済を取り戻さないといけない」との考えを示した。

発電所より「節電所」

 エネルギー需要への対応について、朴氏は「OECD(経済協力開発機構)の世界的な予測では、今後、発展途上国がエネルギーを必要とすることから、世界全体のエネルギー消費は増える。どんどん増えるエネルギー需要を、再生可能エネルギーで賄うにも自ずと限界がある。したがって、発想の転換が必要。それは『節電所』である。節電には、発電と同じ価値がある」と述べ、節電が鍵を握るとの見解を示した。

 「小さいレベルでは、200ワットの冷蔵庫を使ってきた家庭が、買い換えの時に、同じ性能で100ワットで済むものを買うことである。そうすれば、この家庭は100ワットの節電所を建設したことになる。全体を1度に変えなくても、部分的に少しずつ変えていける。何千万世帯が束になれば、100万キロワットの節電所になる」。

 「発電所だと長い建設期間はかかるし、建設費、燃料費もかかる。環境破壊にもつながるし、原発の場合は事故の危険性もある。それに対して、節電所はすぐにできて、燃料費は不要、環境破壊もない。なんだ、省エネか、と侮ってはいけない。エネルギー消費には無駄があるし、途上国でのエネルギー消費は増えてくる。これを、先進国で使っている最新技術を使えば減らせるのだ。省エネは、非常に大きな意味を持っている」。

 このように説明した朴氏は、具体的な取り組みの例として、米サクラメント市電力公社の需要管理プログラムや、電力消費量の大きい企業向けの節電サービスなどを紹介。「節電所で利益を上げることができる」と力説した。

原発の地元を支える仕組みを

 朴氏は、原発立地自治体の財政に関して、次のように説明した。「比較的新しい原発を持っている自治体は、固定資産税収入が大きいため、原発がなくなると困ってしまう。しかし、財政的に恵まれた自治体が、恵まれない自治体を支える財政調整の仕組みとして、地方交付税交付金がある。原発がなくなって固定資産税が入らなくなれば、その自治体には、地方交付税交付金が増える」。

 「だが、電源三法交付金は、原発がなくなったからといって、他の交付金で埋めてもらえない。むしろ、原発の運転機関を延長したり、プルサーマルをやると割増金が出るなど、『危ない橋を渡らせる交付金』だ。本来は、原発が止まったら交付金が出る仕組みにしないと、地元は再稼働を求めてしまう」。

 朴氏は、「しかし、原発が止まっても出る交付金の前例がある。福島第一原発である。事故で原発は止まったが、交付金がないと困るということで、規則を変えて出したのだ。しかも、特別な追加財源がいるかといえば、必要ない。電気代には電源開発促進税が含まれていて、毎年安定的に3500億円ほどの収入がある。もんじゅなどの原発研究に使うのをやめて、これを原発から撤退するための交付金にすればいい。核燃料税も、原発が止まっても税収が得られる方式に変わってきている。他にも、使用済み核燃料に課税する地域も増えている。工夫していけば、財政はなんとかなる」と主張した。

原発をやめても安心できる「未来」を示そう

 原発停止後の地域産業に関して、朴氏はドイツの取り組みを示した。「原発をやめても、ドイツ経済は大丈夫だが、地元は工夫が必要となった。産業を起こしていかなければいけない。そのひとつは、再生可能エネルギー産業。もうひとつは、送電設備を利用した天然ガス火力発電所の誘致。そして、原発の解体事業である」。

 「ドイツのように、これらで雇用を生み出しながら、日本であれば、原発立地地域は自然豊かなところが多いので、1次産業を発展させる。あるいは、観光業をもっと発展させる。そうした可能性を追求していかなければならない。原発をやめるにしても、希望のある未来の設計図が必要なのだ」。【IWJテキストスタッフ・花山/奥松】



歴史の審判に耐えられるように生きようではありませんか!大きな世論で戦争推進勢力を包囲して!

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集団的自衛権の閣議決定について。- 2014.07.02

http://youtu.be/mFU4Zb49j60
【さらに攻めればイケる!?】
内閣支持率47%に下落 集団的自衛権反対54%
http://blog.goo.ne.jp/sithux7/e/9427c9dce6de644e94947d2ccfb5bb45
政府、集団的自衛権行使へ閣議決定 憲法解釈を変更(朝日新聞)
内閣支持率47%に下落 集団的自衛権反対54%(共同通信)
公明・学会の「政教分離」見直しも=集団的自衛権でけん制-飯島参与(時事通信)
閣議決定で大江健三郎さんら会見 「平和憲法ひっくり返した」(共同通信)
「あきらめたら安倍さんの思うつぼ」 続く官邸前抗議(朝日新聞)
滋賀県知事選各候補が見解 集団的自衛権「閣議決定」(京都新聞)



根拠なき首相の「平和」 集団的自衛権 会見検証
(東京新聞【核心】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2014070202000129.html
 安倍政権は一日、集団的自衛権の行使を禁じてきた憲法解釈を変え、行使を認める新たな解釈を閣議決定した。首相は記者会見で「国民の命と平和な暮らしを守るため」と強調したが、集団的自衛権の行使はわが国が攻撃されていないのに、他国の戦争に参加すること。戦後、一度も行ってこなかった海外での武力行使を可能とし、政権の判断で国民が戦禍に巻き込まれる恐れがある。首相の記者会見での発言を検証した。
(金杉貴雄)

根拠なき首相の「平和」 集団的自衛権 会見検証

「戦争に巻き込まれない」
報復攻撃受ける恐れ

 「外国を守るために日本が戦争に巻き込まれるとの誤解がある」「閣議決定で戦争に巻き込まれる恐れは一層なくなっていく。再び戦争する国になることはあり得ない」
 首相は記者会見で、繰り返しこう説明した。
 首相の理屈は、集団的自衛権の行使を容認することで、米国との同盟関係が強まり、それによって、日本を攻撃しようと考える国が米国の反撃を恐れて、思いとどまる効果が強まるというものだ。
 しかし、集団的自衛権の行使は例えて言えば、友人を救うために、友人のけんか相手を殴ること。こちらの思いとは関係なく、相手からすれば、何もしていない人から、いきなり殴られたのに等しく、先制攻撃と同じだ。大げんかに発展しかねず、戦争に巻き込まれないとする首相の発言には根拠がない。
 米国の「テロとの戦い」に集団的自衛権を行使して参加したスペインは、2004年にマドリードの列車爆破テロで191人が死亡、英国も05年に地下鉄とバスでの自爆テロで50人以上が死亡している。

「海外派兵は許されない」
機雷掃海可能と矛盾

 首相は記者会見で「海外派兵は一般的に許されないという従来の考え方も変わらない。自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加することはこれからも決してない」とも述べた。
 しかし、自衛隊の海外派兵や国連主導の武力制裁である集団安全保障への参加をめぐる首相の発言や政府の対応は二転三転し、定まっていない。首相は集団的自衛権の行使容認の検討を表明した5月15日の記者会見で「武力行使を目的とした自衛隊の海外派兵はしない」と表明したが、同月28日の国会答弁で、武力行使にあたる戦争中の機雷掃海は行う考えを示した。
 さらに、今回の閣議決定には集団安全保障の武力制裁への参加は明記されていないが、政府が作成した想定問答集には「許される」との見解が示されている。
 「海外での戦争に参加しない」という見解は、新たな憲法解釈には盛り込まれていない。時々で変わり得る政権が判断することを意味し、首相の説明が何度も変わっていること自体、それを証明している。

「3要件が明確な歯止め」
適否 政権の判断次第

 今回の閣議決定では、集団的自衛権の行使に関し「わが国の国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される、明白な危険がある場合」など、武力行使の新3要件を示した。
 首相は記者会見で、新3要件は「従来の憲法解釈の基本的な考え方と変わらない。明確な歯止めとなっている」と強調した。
 だが、これまでの憲法解釈では「わが国への攻撃があった場合」と明確な基準があったが、新3要件では「明白な危険」に変わり、それがどのような状態か具体的な説明はない。要件を満たすかどうかは、政権の判断に委ねられることになる。
 中東での機雷掃海について、自民党は可能だと主張しているのに対し、公明党は「そうした状況は起こりにくい」と消極的で、早くも食い違いを見せている。
 首相は記者会見で、新3要件のうち、最も重要な「国民の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」という第一の条件には触れず、第二、第三の条件である「他に手段がないときに限られ、かつ必要最小限でなければならない」にだけ言及した。



とめよう集団的自衛権
(しんぶん赤旗日曜版)2014年7月6日付
とめよう集団的自衛権

若者の血 流させるのか
桜美林大学教授
元「朝日」コラムニスト
早野透さん

 「安倍さん、ズルしちゃいけない」といいたい。集団的自衛権の行使を認めることは、戦後69年間、戦争はしないとしてきたものを、戦争ができると変えるわけだから、戦後政治の根幹を変えることになる。防衛論、安全保障論だけの話じゃない。広く深く、全国民で議論すべきです。
 憲法解釈を変えても、実際戦争に行くのは、安倍さんでもなければ、われわれ昭和の年配者たちでもない。ぼくが大学で教えている学生たちは、湾岸戦争(1991年)以後に生まれた世代です。次の戦争にいくのは彼ら以下の世代ですよ。だから、最低限、この18歳以上の若者たち一人ひとりに、「あなたたちは戦争で血を流す覚悟がありますか」と国民投票で問い、是非を決めるべきなんです。
 政府・自民党の中で、よく、「湾岸戦争に自衛隊を出せなかったことがトラウマになっている」といわれてきました。その当時の首相だった海部俊樹氏がテレビ番組に出ていました。米ブッシュ元大統領から「自衛隊を出してくれ」といわれたが、「憲法9条があるから出せない。それがアメリカが与えてくれた国是ではないか」と断ったと。しかも、後藤田正晴元内閣官房長官が首相執務室に座り込んで「どんな立派な堤防でもアリが穴を開けたら、水がちょろちょろ出て、いずれ崩れる。アリの一穴をやってはいけない」と迫ったという裏話も話していました。
 元幹事長の古賀誠さんや加藤紘一さんという、自民党の重鎮といわれてきた人たちが、次々と「赤旗」日曜版に登場していますね。保守の人たちの「赤旗」デビューが一つのトレント(流れ)になってきたかのようです。
 戦後の自民党を支えた保守主義は、戦争はしない、その分、経済に力を入れて、みんなで幸せになるIというものです。ところが戦争体験者が第一線からだんだんいなくなり、自民党全体がおかしくなってきた。韓国や中国との関係悪化も外交の失敗もあるのに、[悪いのは向こう]と武器をそろえることばかりやっている。いまの自民党は、偏狭な右翼政党のようになってしまった。まともな保守の人たちは党内に発言する場所がなく、マスコミもあまりとりあげない。ですから。
 「赤旗」が”戦後保守の受け皿”になっていると思うんですね。
 公明党は「平和の党」と自称してきたのに、賛成してしまいました。最初から「連立離脱はしない」と決めて交渉にのぞんだら、最終的にはどこかで折り合わなくてはならなくなる。戦略的にも大ミスです。
 野党はどうか。民主党は集団的自衛権でも党内で賛否がまとまらず、腰が定まらない。みんなの党や維新の会は自民党にすり寄っている。しっかりと自民党に対峙(たいじ)できる政党は共産党です。安倍首相は国会後、「自共対決の国会だった」と発言したそうですが、まあ、そういうことでしょう。
 閣議決定は強行されましたが、逆にここからが大事です。国民的議論はやっと始まったところです。保守系の人たち、地方議会、自衛隊関係者らからも反対の声があがった。さらに大きな世論で安倍政権を包囲していく
べきです。「赤旗」と共産党にはそのなかでしっかり役割を果たしてほしいと思います。

戦争に歯止めはきかない
脚本家
倉本聰さん

 僕は政治にくわしくはないが、憲法にかかわる大事な問題を、閣議決定後に国会で議論するというのは、どう考えても順番がおかしいでしょう。
 脚本家は脚本を書く時、if(もしも)を幾つも考えます。現実に起きることは、複雑だからです。でも、安倍首相があげる集団的自衛権行使の事例は、あまりにも現実への想像が足らない。「行使は限定的」というが、始まったら歯止めがきかないのが戦争です。これではどこまでも拡大解釈されます。
 戦時中、僕が小学生の時、学校で配属将校が「特攻に志願する者は一歩前に出ろ」と言いました。みんな前に出て、僕も出ました。出なかったのは、2、3人でした。その連中に「ひきょう者」という声が浴びせられました。でも本当の勇気はどちらにあったのか
 69歳以下の人はみな戦争を肌で知りません。人間は殴られたら殴り返す、自制できない生き物です。だからこそ、愚直に憲法9条を守ることで、戦後70年、血を流さないできた。この国是を一片の閣議決定で変えるのはあまりにも拙速です。

「平和の公明」説明できぬ
元公明党副委員長
元運輸大臣
二見伸明さん

 ”集団的自衛権の行使は憲法違反″という憲法解釈は、長年にわたって、立法府も行政府も共有してきたものです。ある日突然、安倍首相か「私が解釈を変える」と言っても、国民が納得しないのは当然ですよ。
 改憲したいなら憲法にしたがって、国会が発議し、国民投票にかけるべきです。そんなことをしていたら時間がかかる、というなら、それは「反対多数」を承知のうえで、裏口でやってしまえ、という最悪の方法ですね。
 私がいた公明党は「平和の党」と言ってきました。でも今回、「政策の違いで政権離脱はしない」と言った瞬間に、解釈改憲をしたい自民党との勝負は終わった。いま「歯止めをかけた」などと支持者を説得しているけど、まったく説明になっていませんね。
 私は、憲法9条は時代を先取りしていると思います。互いに軍事同盟を結んで「相手をたたきつぶせ」という19世紀、20世紀前半の時代から、国連中心に押したり引いたり交渉して戦争にしないで解決するのが今の時代です。日本は、戦争に負けても恨まず、9条で″二度と戦争はしません″と宣言して、実践している国です。世界の模範、日本の誇りだと思っています。



集団的自衛権行使容認に物申す
東京新聞 本音のコラム 2014年7月2日
東京新聞 本音のコラム 2014年7月2日01

東京新聞 本音のコラム 2014年7月2日02



地球を救う日本国憲法 時代を読む 浜矩子
(東京新聞)2014年6月29日付
地球を救う日本国憲法 時代を読む 浜矩子



集団的自衛権行使 国民負担は15兆円
日刊ゲンダイ2014年7月4日付
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/151580
集団的自衛権行使 国民負担は15兆円

安倍流「先軍政治」で防衛費増大

 姑息な解釈改憲で集団的自衛権の行使容認に踏み切った安倍首相。共同通信の最新世論調査では54%が行使容認に反対した。それでも安倍はお構いなしだ。政府は2日、自衛隊法武力攻撃事態法など、海外での武力行使を可能にする関連法の改正に取りかかった。
 まるで、すべてにおいて軍事を優先する北朝鮮の「先軍政治」のよう。庶民が抱える生活への不安はほったらかしで、戦争に向けて突っ走る。これによって予想されるのが、防衛費の膨張だ。実際、「次のステップは防衛費の増大だ」という外務省幹部の匿名コメントを紹介したメディアもあった。
 軍事ジャーナリストの世良光弘氏は、こう指摘する。
 「海外での活動が加われば、自衛隊の仕事は格段に増えます。もっぱら自国の領土、領海を守ってきたが、今後は海外任務もこなさなければならないのです。閣議決定した武力行使の新3要件は表現があいまいで、どこまでやるかは、ときの政権次第。そのため今は大ざっぱな推定しかできませんが、仕事量はザッと3~5倍ぐらいになるのではないか。当然、危険な任務に見合った次元の違う装備も必要になる。例えば、国内での活動を前提にした
皀衛隊の装甲車両は、道路に置いて敵の車両を破壊する路肩爆弾に耐えられない。高速での移動が可能な兵員装甲車もありません。米軍のように陸海空ともフルラインアップの装備を揃えることになるでしょう。人員も足りなくなるし、手当も増やさなければならなくなる。防衛費も3~5倍に増えて不思議ではありません」

消費税にして5%分

 今年度の防衛予算は4兆8848億円。3倍なら15兆円、5倍なら25兆円規模に膨れあがる。安倍首相が目の敵にする中国の国防費は、4年連続で2ケタ増だ。それでも金額は、14年度予算で約13兆円。実際に使われている国防費は公表されている金額よりも多いとされる。ただ、安倍首相が、とめどない軍拡が周辺国との緊張を招いている国と同じぐらいの金額を軍事に投じようとしているのは間違いない。
 その原資は、もちろん我々の血税だ。仮に3倍の15兆円とすれば、上乗せされる10兆円ものカネをどうやって工面するのか。消費税にして5%分である。医療や社会保障のカネを削る一方で、戦争のために増税するとなれば、国民生活はメチャクチャだ。それでも安倍流の先軍政治を貫くつもりだろうか。
 平和国家の看板にドロを塗り、国民に財政面の負担を強いる安倍政権は、やはり狂っている。


安倍政権はどの国と戦争する気なのか
この男を野放しにして国民はいいのか

日刊ゲンダイ2014年7月4日付
安倍政権はどの国と戦争するつもりなのか
相手は中国なのか北朝鮮なのか、見えない敵か、その前に国内の平和勢力の弾圧を始めそう

とにかく卑怯な男だ、憲法改正条件の緩和ができないと知ると解釈改憲でナチス張りの強硬手段に出たが、今度もまた祖父岸信介安保改定が平和を強固にしたなどと身内を吹聴、これが民主主義国の総理大臣のやることか


 ヒトラーは少年時代に成績が悪く、転校を余儀なくされ、その転校先でも中退した。
 そんな男が世界史を揺るがす独裁者となり、悪の限りを尽くしたのだから、人生はわからない。ヒトラーの生い立ちからの教訓は、狂気を秘めた人間はある日、突然、変わるということだ。「こんなヤツ」と小バカにしていると、えらい目に遭うこともある。
 だから、安倍首相も要警戒なのである。ボンボン育ち、成蹊大卒という学歴、第1次政権のブン投げ、難病を抱えたひ弱な体。これらから連想できる安倍のイメージとは、「どうせ長続きはしないだろう」というものだった。しかし、そんなのが今やどうだ。長期政権のレールをガッチリ敷き、いつのまにか、この国の形を変えてしまった。民主主義を否定し、憲法をないがしろにし、この国を再び戦渦に巻き込もうとしている。

こんなに似ている安倍政権とナチス

 こんな男をこれ以上、野放しにしていいのか。国民は真剣に考えなければいけない。話題の新書「悪の出世学」で、ヒトラーがいかに豹変していったかを詳細に描いた中川右介氏はこう言う。
 「少年時代のヒトラーは落第もしているし人望があったわけでもない、むしろコンプレックスの塊でした。そんな人物が独裁者になった背景を探っていくと、今の安倍政権の置かれた状況と酷似しているところがものすごくたくさんあって驚きます。
 第1次世界大戦で負けたドイツは空軍を取り上げられるという屈辱を昧わった。こうした状況下でヒトラーは、世界平和のためにもっと貢献しようじゃないか、というスローガンを掲げて、台頭してくるのです。ヒトラーの演説は映画にもなっていますが、それを見ていると、もっとも多用している言葉は『平和』です。それも地域の安定のため積極的平和主義を標榜する。そうやって、国民をけむに巻き、なし崩し的に国を変えていった。今の安倍政権とダプつてきます
 独裁者はいつもこうやって善人面して登場するのだ。「平和」を連呼し、国民の生命を守り、国際社会に貢献するとアピールする。果たして。一昨日の安倍の会見がこうだった。いまや和製ヒトラーの素顔を隠さない安倍をなめちゃいけない。

「戦争をしない」なんてほとんど詭弁だ

 その安倍は集団的自衛権の行使容認にあたって、「万が一に備えた抑止力」を強調した。集団的自衛権の行使容認こそが国民の生命を守ることだ、と説明したが、嘘っぱちだ。解釈改憲で集団的自衛権を行便し、集団安全保障を大義にした武力行使に道を開けば、日本は必ず、戦争する国になる。今度の閣議決定を受けて、臨時国会から始まる自衛隊法などの改正は、日本が戦争をするための法整備にほかならない。
 安倍は「外国を守るために戦争するというのは誤解だ」「日本が再び戦争する国になることは断じてない」と言っていたが、「自国民の権利が根底から覆される事態」になれば、話は別だ。そういう事態かどうかの判断は政府がやるのだから、何でもアリということだ。安倍の言い草はほとんど詭弁なのである。軍事評論家の神浦元彰氏の説明がわかりやすい。
 「安倍政権は国民の生命、権利が根底から覆される事態の際、必要最低限の武力の行使ができるとし、あたかも”必要最低限”という条件が歯止めになるような言い方をしています。でも、戦争になれば、必要最低限度は逆に危ないのです。必要以上に装備をしていかなければやられてしまう。つまり、政府かどんな言葉を弄しても々現昜ではなし崩しで変わっていく。攻撃型の武器もどんどん装備されていく。かつて、日米軍事演習が初めて行われたとき、日米の訓練の聞に線引きを行い、米軍の軍事訓練と一体化しないように工夫をこらした。しかし。いまや、自衛隊員が米軍のオスプレイに同乗して訓練する。歯止めなんかになりません」
 集団的自衛権の行使というアリの一穴を開けれぱ、あとは「日本を取り卷く状況が変わった」とかなんとか言って、どんどん派兵の条件を変えていく。必要最低限も拡大化していく。、気がつけば、米軍と一緒になって、地球の裏側までいくことになるのである。

世界中を敵に回す今度の閣議決定

 一体、安倍は何を想定して、こんな法整備を急ぐのか。そこも知りたいところだ。
 「ホルムズ海峡を想定した機雷掃海は命懸けの作業になります。停戦後の海域であればいざ知らず、そうでなければ、敵は機雷を排除しようとする船を待ち構えて狙ってくる。自衛隊員がやられれば、一気にナショナリズムは高揚する。今度の閣議決定、その後の法改正は日本周辺の有事だけを想定したものではありませんよ。北朝鮮の脅威はあるが、それは個別的自衛権で対応できる。むしろ、イランまで想定した法改正であると思います」(神浦元彰氏=前出)
 尖閣での中国の脅威に対しては今度の閣議決定で「グレーゾーン事態」を想定、海保だけでなく自衛隊が出ていけるようにした。安倍は「備え」というが、向こうは「挑発」と受け取める。歴史家の半藤一利氏は毎日新聞で「抑止力を強めればリスクも高まる」とし、1940年の日独伊三国同盟も「抑止力」になるはずが、「戦争の出発点になった」ことを指摘した。
 これじゃあ、世界中を敵に回すようなものだ。ますます、こんな首相を野放しにしておくわけにはいかないのだ。

勝手に解釈を変更し自分が王様気取りの異常性

 憲法学者の重鎮、小林節氏は憲法改正の手続きを取らず、解釈変更という形で、憲法9条をなし崩しにした安倍のやり方を「憲法ハイジャック」「憲法クーデター」と批判した。あまりにも卑劣な手法に「言語道断」と呆れていたが、安倍は会見で岸内閣の安保改定を持ち出し、「(当時も)戦争に巻き込まれるという批判かずいぶんあった。しかし、強化された日米同盟は平和に大きく貢献してきた」と祖父の功績を自慢した。『祖父の悲願である憲法改正を解釈改憲という形で強行した安倍は会見後、「やっとここまできた」とつぶやいたという
  一族の悲願のために、、禁じ手もいとわない。そうやって、「普通の国」になることで、戦争に負けた屈辱を晴らし、A級戦犯の容疑をかけられた祖父の汚名を返上する。おそらく、そんな思いなのだろうが、こういうところに安倍の正体というか不気味な狂気が見え隠れする。小林節氏はこう言った。
 「なぜ憲法ができたか。権力者は間違いを犯すからですよ。それを縛るために憲法ができた。縛られる国家権力が解釈で憲法を変えるなんて、ありえない憲法違反ですが、安倍首相にはそうした自覚かない。最高権力者は私だと言い放ちましたが、おそらく、自分が世襲貴族、王様のような感覚で、自分がルールを決められると勘違いしているのです。ここまでくると、つくづく、人間性の異常を感じます」
 ここにおいても安倍とヒトラーがダブってくる。国民はいつまで狂乱首相のやりたい放題を許すのか。反対の声を突きつけないと、どんどん後戻りかきかなくなる。そんな状況になれば、平和主義の主張もかき消され、弾圧が加わらないとも限らない。国民は安倍の仮面の下の醜悪な素顔を見据えるべきだ。



解釈改憲と静かな若者たち
(東京新聞【こちら特報部】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014070102000158.html
 集団的自衛権の行使容認という「解釈改憲」が、今日にも閣議決定される。この約半年間、特定秘密保護法や原発再稼働を前提とした新エネルギー計画など、民意をないがしろにした政治が続く。自民党の大物OBからは「徴兵制」への懸念も漏れる。だが、解釈改憲に対する抗議行動の現場は中高年主体で、徴兵制となれば、対象になる若者たちの反応は総じて鈍い。彼らの「気分」を探った。
(榊原崇仁、白名正和)

解釈改憲と静かな若者たち

自民OBら警鐘「徴兵制につながる」

 「集団的自衛権の行使を認めてしまえば、自衛隊に自ら志願する人はいなくなってしまうのではないか。(中略)徴兵制ということが必ず議論として出てくるであろう」。自民党の幹事長を務めた古賀誠氏は、雑誌「世界」最新号のインタビューで、そう語った。
 やはり同党の元幹事長、加藤紘一氏も本紙の五月三日付朝刊で「集団的自衛権を本気で議論ると、徴兵制までいってしまいかねない」と指摘している。
 ともにハト派派閥の宏池会の人物で、自民党の要職に就いていた政治家だ。その言葉は解釈改憲に反対するための「ただの煽り」とは片付けがたい。

平和な国 望むけど…

自分の生活と関係ない
デモに参加するのも…


 徴兵制が敷かれれば、対象となる若者らの解釈改憲をめぐる反応はどうか。
 六月二十二日に東京都内で開かれた護憲系の「若者憲法集会」には、約千人が参加した。実行委員会事務局の田中悠さん(三三)は「大勢の人が来てくれた」と評価する一方、「もっと集めなければいけないという思いはある」と話す。
 「雇用問題のイベントで若者が五千人集まったケースもある。まずは二千~三千〈規模になるように呼びかけていかないと」
 首相官邸前などでの抗議行動でも、参加者の主力は中高年世代だ。若者たちの反応は活発ではない。
 都内で若者たちの声を集めた。千葉県船橋市の役者志望の男性(二三)は「政治について考えるのは消費税ぐらい。集団的自衛権は難しくてよく分からない」、早稲田大四年の男子学生(ニー)は「自分の生活と関係がなく、興味はない。徴兵制なんて話は論理が飛躍していると思う」と述べた。
 一方、都内の大学に通う女子学生(一九)は「平和な生活が続いてほしい」と行使容認に反対で、神奈川県藤沢市に住むフリーター男性(ニー)は「戦争へのハードルを下げるべきじゃない。相手からじっぺ返しを食らえば、僕らの命まで脅かされかねない」と主張した。
 彼らのような「平和な日本」を望む声は少なくないが、成城大の男子学生(二0)のように「デモに参加しても何も変わらない」といった考えが大勢を占める。女子大生の一人(二二)は「友達同士の会話で政治の話は持ち出さない。サークル仲間ならサークル、バイト仲間ならバイトの話。あまり関係ない話をするのは…」と「空気」を強調する。
 ミュージシャン志望の男性(二二)は「日本が中国や韓国になめられないよう、戦う姿勢を見せておく必要がある」と、安倍政権を支持した。ただ、先の成城大の学生は集団的自衛権行使の必要性を認めつつ、「戦争は国同士の問題。市民を巻き込むべきではない。強制的な徴兵なんて許されないし、『おまえが行け』となったら逃げる」と言った。

解釈改憲と静かな若者たち 危機感薄く

批判することに臆病?危機感薄く

 こんな同世代の状況に不満を募らす若者もいる。
 早稲田大四年の小泉揚(たかし)さん(二二)は「閣議決定だという緊急時なのに、大学の光景はいつもと変わらない。いまの同世代は政治に限らず、社会に対し、批判をするという視点自体が極めて弱い」と話す。ワールドカツプで敗退、帰国したサッカー日本代表が歓迎されている光景を見て、小泉さんは「皆、物事を悪く言うことに臆病なのでは」と感じたという。
 小泉さんによると、大半の学生はカリキュラム通りに学び、就職活動を無難に終わらせようとする。「大学の高校化。主体的に物事を考える機会がない。残念だけど、具体的に火の粉が降り掛かってこないと、若者は声を上げないのかなとも思う」と悲観的だ。
 インターネットをながめると、二十代とみられる人びとの書き込みの中には「日本が集団的自衛権を持つことに議論の余地はない」「(反対する)日本のマスコミは信用できない」といった意見もある。だが、そうした声が多数派になっているようには見えない
 政治学者で、文化学園大の白井聡助教(三六)は、解釈改憲に対する若者たちの反応について「消費社会の帰結だ」と指摘する。
 「若者たちは自らの快楽を満たす日常的な買い物ばかりに熱を上げ、『社会を動かす』という感覚を失ってしまった。カネを出すことで、社会は何を与えてくれると捉えている。これは『愚民化』。集団的自衛権の問題のように、社会的な決定事項は自分たちの命まで脅かすが、危機的状況が理解できずにいる
 さらに「自分たちが殺されかねない事態に置かれているのに何も手を施そうとしないのは、動物としての本能も失っているということだ」と語気を強める。
 批判の矛先は、同世代の若手論客にも向かう。「賛否が問われる社会的な問題は表立って議論、討論することが研究者に課された使命。しかし本は書いても議論の場に出てこない人が目立つ。自己保身しか考えてない。悪い意味で研究者のサラリーマン化が進んだ。民主主義の危機をみすみす見過ごしている

「戦闘員確保へ貧困層標的に」

 今後、懸念されるのは貧困層の傭兵(ようへい)化だという。
 「いまの権力は戦争をしたくてたまらない。戦闘員を確保する上で、標的になるのが貧困層。既に米国に先例がある。消費社会のなれの果てとして、人の命をカネで買うという状況が生まれかねない」と語る。
 福島原発事故直後の二〇一一年四月に脱原発デモを東京・高円寺で主催し、全国にデモの輪を広げたリサイクルショップ「素人の乱」店長の松本哉(はじめ)さん(三九)は「『戦争反対』と叫ぶ人たちは、政党などとつながりのある団体が多い。政治に無関心な若者にとっては別世界の人種」とみる。
 主催する脱原発デモの最終回は一二年七月だったが、そのときも約一万人が集まった。「当時は放射能への怖さという切迫した動機があった。気軽に参加できる雰囲気もあった」
 一方、解釈改憲に対する動きが鈍いのはなぜか。「脱原発デモで頑張ったのに、政治を変えられなかったという無力感も影響している。加えて、集団的自衛権は閣議決定されてもすぐに影響が来るわけじゃない。実感が持てず、積極的な関心が持てないでいる
 結局、近道はないと考えている。「普段から政治について意見を言える場所がない。若者たちも思うことはあるはずだ。周囲には『首相は好き勝手にやりすぎだ』と言う若者もいる。そんなことを気軽に話せる場をまずはつくらないと」

解釈改憲と静かな若者たち デスクメモ



彼らが最初共産主義者を攻撃したとき

「その建物(死体焼却炉)の前に1本の木が立っていて、そこに白く塗った板がかけてあり、黒い字で何やら書いてありました。
Konzentrationslager Dachau
この板は、ダハウで生き残り、最後にアメリカ兵によって発見・救出された囚人たちの、いわば最後の挨拶のようなものだったのです。つまり、彼らが、先に死んでいった仲間のために書いた挨拶です。こう読めました。
『1933 年から 1945 年までの間に、23 万 8765 名の人々がここで焼かれた』。それを読んだとき、妻が失神しそうになってわたしの腕に中に沈み、ガタガタ震えているのにわたしは気がつきました。わたしは彼女を支えてやらなければなりませんでしたが、同時に冷雨のようなものがわたしの背すじを走るのを覚えました。妻が気分が悪くなったのは、25 万人近くという数字を読んだためだと思います。この数字は、わたしにはどうということはなかった。
Konzentrationslager Dachau
 わたしはもう知っていましたから。その時わたしを冷たく戦慄させたものはいくらか別のこと、つまり『1933 年から 1945 年まで』という2つの数字だったのです。・・・1937 年の 7 月 1 日から 1945 年の半ばまでは、わたしにはアリバイがあります(注・その間彼は捕えられていた)。しかし、そこには『1933 年から』と書いてある。・・・1937 年の半ばから、戦争の終わりまでは、お前にはなるほどアリバイがある。だが、お前は問われているのだ。『1933 年から 37 年の 7 月まで、お前はどこにいたのか?』と。そしてわたしは、この問からもう逃れることはできませんでした。1933 年には、わたしは自由な人間だったのです・・・」
ナチスがコミュニストを弾圧したとき、私はとても不安だった。が、コミュニストではなかったから、何の行動も私は行わなかった。その次、ナチスはソシアリストを弾圧した。私はソシアリストではないので、何の抗議もしなかった。それから、ナチスは学生・新聞・ユダヤ人と順次弾圧の輪を広げて行き、その度に私の不安は増大した。が、それでも私は行動しなかった。ある日、ついにナチスは教会を弾圧して来た。そして私は牧師だった。が、もうその時はすべてがあまりにも遅すぎた。

「ナチスに責任を押しつけるだけでは十分ではない。教会も自らの罪を告白しなければなりません。もし教会が、本当に信仰に生きるキリスト者から成り立っていたならば、ナチスはあれほどの不正を行うことができたでしょうか・・」

マルティン・ニーメラー

小出裕章先生:本当であれば倒産させなければいけない、その会社が黒字=この国のひどい政治の在り方

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マイノリティーの中で、自分らしく生きる(ラジオフォーラム#78)

http://youtu.be/0grx8BBPO2I?t=15m41s
15分41秒~第78回小出裕章ジャーナル
原発のない夏は電力が足りないって本当?「火力発電所と水力発電所が膨大にありまして、いついかなる時にも原子力なんて全く不要なのです」

http://www.rafjp.org/koidejournal/no78/
湯浅誠:
今日のテーマは、『原発のない夏は、電力が足りないって本当?』という話なんですけれども。2011年の東日本大震災後、初めて原発のない夏を迎える今年の夏と。意外ですが、去年は大飯原発の3号機と4号機は動いてたんですかね?なので、今年が本当の意味でゼロ。そういう夏だということなんですが、その中で関西と九州で電気の供給が綱渡りになりそうだということを、これ関電と九電が言ってんですかね?それは、どういう話なんでしょうかということですが。

小出さん:
関西電力という電力会社は、日本の電力会社で一番に原子力比率が高かったという会社なのです。つまり、原子力発電に重きを置いてしまって、原子力発電におんぶしてきたというそういう会社なのですね。その会社が全ての原子力発電所を動かせないということになるわけですから、もちろん厳しいのは当然なのです
電力会社の電源構成

ただし、何度も私聞いて頂いたはずだと思いますけれども、日本というこの国では、火力発電所と水力発電所が膨大にありまして、いついかなる時にも原子力なんて全く不要なのです。例えば、関西電力が少し電気が足りない時には、他の電力会社から融通を受けるということも勿論できるわけですので、「足りない、足りない」と言いながらも、実際は全く問題がなく乗り越えられます。
発電設備容量の推移(一般電気事業用)
発電設備容量の推移(一般電気事業用)
発電電力量の推移(一般電気事業用)
発電電力量の推移(一般電気事業用)

湯浅:
そもそもね、この3年間「もうなくなったら原発を動かさなかったら絶対無理だ」という雰囲気がありましたけど、結局乗り切ってきましたもんね。

小出さん:
もちろんです。去年だって大飯の3号機、4号機が動いていました。合わせて270万キロワット分ぐらいが大飯の3号機と4号機なのですけれども、それを動かすことによって、関西電力は300万キロワット分の火力発電所を停止させていたのです。去年だって、別に大飯なんか要りませんでしたし、今年だってなんでもなく乗り切れます。

湯浅:
じゃあ、去年だって270動かす分、300火力を止めていただけで、300の火力を動かしていれば、去年だって問題なかった。

小出さん:
なんでもなかった。

湯浅:
不要だった?

小出さん:
そうです。

湯浅:
なんで、また今年は電力の供給が綱渡りだと、関電と九電が言ってるんですか?

今夏の需給見通しについて

小出さん:
まあ、原子力発電所、先ほど聞いて頂いたように、関電の場合には主力だったわけですから、それが動かなくなるということはもちろん、電力会社としては運営が大変になるわけですね。

ですから、老朽火力と言われてるような火力発電所もこの際、動かさざる得なくなるわけですし、「燃料代がいるぞ」とかいうような事も関電は言ってるわけで、「出来るならば原子力を動かしたい。動かしたい。」と彼らは思っているのですね。ですから、事ある毎に「足りないぞ、足りないぞ」という脅しの伝令を流すということだと思います。

湯浅:
まあ、ずーっと小出さんおっしゃってるように、もともと火力・水力で足りてるんだって事をずっとおっしゃってますもんね。

小出さん:
そうです。それは、もう政府の統計データがそれを示していますので、私が言うような事ではなく、充分に足りるのです。

湯浅:
そもそも足りなくなるかもしれないっていうのも、もの凄い狭い時期の話なんでしょ?真夏の…。

小出さん:
そうです。そうです。最大需要電力量というのが発生する時があるのですが、真夏の数日間の、また午後の数時間という。本当にわずかな時に、電気を沢山使うという時が来るのですけれども、その時ですら実は足りてしまうのです。
最大需要電力量

湯浅:
なんか今年は、東京電力から電力を分けてもらう。

小出さん:
まあ、そういう計画になっていますけれども。本当にそんな事をしなければいけなくなるかどうかも私は疑問だと思っています。

※関電、今夏の計画停電回避へ 供給予備率をプラスと想定(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201403/CN2014032801002563.html

小出裕章ジャーナル

湯浅:
なるほどね。「やっぱり原発ないと困るね」という雰囲気を作るためのから騒ぎの傾向があるんじゃないかという事ですね。それでも、東電は黒字になるんですか?東京電力の話ですね。

小出さん:
と言ってますね。誠に呆れた話だと思いますが、福島第一原子力発電所の事故を起こしてしまって、その事故をキチッと精算する、あるいはその住民の方々に賠償するということをするのであれば、東京電力なんて何十回倒産しても足りません

そのツケを住民達に負わせる、あるいは国から支払わせてるということであって、東京電力は、本当であれば倒産させなければいけないのです。その会社が黒字だなんていうのは、本当に呆れたというかですね。この国のひどい政治の在り方だと私は思います

湯浅:
なんか、その発電しない原発に基本料というのも払ってるんですか?

小出さん:
日本にはですね、原子力発電所が1966年から動き始めたのですが、その時には、ひとつひとつの電力会社がそれに手を付けることが怖かったのです。そのため、日本原子力発電という会社をですね、それにみんなが集まって作ったのです。

その会社が東海第1原子力発電所と福井県の敦賀にですね、敦賀第1、第2というのを作ってきたわけですけれども、今みんな止まってるわけですね。そうすると、日本原子力発電株式会社という会社は、一切の営業活動をしていないわけです。ですから、本当は収入がないはずなんですけれども、電力会社が寄ってたかって原子力発電にお金を払ってですね、基本料という形でお金を払って、日本原子力発電の倒産を防いでいるという事をやっているのです。
日本原電に「基本料金」を支払っている5電力会社

湯浅:
東電とか九電とか関電が日本原子力発電にお金を払っている。その払ってるお金は我々の電力料金に上乗せされている

小出さん:
そうです。それぞれの、湯浅さんだったら多分、東京電力でしょうか。私だったら関西電力から電気を買ってるわけですけれども、その料金に含まれてしまっているわけです。

湯浅:
資本主義の論理で動いてるわけじゃないって事ですね。

小出さん:
もちろんです。原子力というのは、もともと資本主義の論理では動いていないのです。ですから、大きな事故が起きたって、普通の企業であれば自分で責任を取るわけですけれども。原子力に関する限りは、責任取ろうとすれば会社が潰れてしまうということ分かっているわけですから、初めから『原子力損害賠償法』という法律をわざわざ作って、資本主義の原理から排除し例外を作ったのです。
原子力損害賠償の仕組み

湯浅:
だから、まあ言ってしまえば法律も関係ないと。
原発マフィアを支えつづける金融システム

小出さん:
もちろんそうです。動こうと動くまいと、どんな事をやっても儲かりますよということで、電気事業法の中で「総括原価方式」というのを作って、電力会社は原子力をやればやるだけ、とにかく儲かってしまうという仕組みを作ったのです。
総括原価方式とは

湯浅:
なるほど。 そのなんかその例外ぶりが、小出さんの言う「原子力マフィア」という言葉に結び付くわけですからね。

小出さん:
そうです。
原子力マフィア相関図


湯浅:
いや、ありがとうございました。

小出さん:
はい、ありがとうございました。


原子力マフィア 原子力利益共同体
http://ameblo.jp/m08068469/entry-11605110801.html


関電と原子力ムラが原発再稼働に必死な本当の訳
(原発・放射能情報)
http://bww.jp/r/2012/05/04/%E9%96%A2%E9%9B%BB%E3%81%A8%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E3%83%A0%E3%83%A9%E3%81%8C%E5%8E%9F%E7%99%BA%E5%86%8D%E7%A8%BC%E5%83%8D%E3%81%AB%E5%BF%85%E6%AD%BB%E3%81%AA%E6%9C%AC%E5%BD%93%E3%81%AE%E8%A8%B3/
原発が無用となれば約2兆円の資産の半分近くを失う関西電力。
残りの資産も累積赤字のため、2~3年で無くなり債務超過に陥る上に、総括原価方式の利益も減少と経営悪化~倒産が目に見えている。
また、原発がなくても夏を乗り切れてしまうと仙谷民主党議員の言う「集団自殺に追い込まれる」のは、国民ではなくどうやら原子力ムラの面々のようだ。

彼らが、再稼働に必死な本当の理由がはっきりしてきた。
「電気が不足する」「停電もやむなし」というのは、単に脅し、こじつけ、詭弁でしかなかったのだ。加えて、原子力は原子力ムラが生き残るために必要というフィクションでもあると言える。

『関電を破綻させないための原発稼動』
ANN「モーニングバード」(05/03/2012)

http://dai.ly/xqkig9


Fukushima: A disaster produced by capitalism
http://www.wsws.org/en/articles/2012/07/pers-j10.html
福島: 資本主義によってもたらされた大災害
(マスコミに載らない海外記事)2012年7月11日 (水)
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-4746.html
2012年7月10日

独立の国会事故調査委員会による手厳しい報告は、昨年の福島原発災害を引き起こした安全対策の欠如を列挙した。3月11日の地震と津波によって解き放たれた自然の力は制御不能ではあったが、その壊滅的影響は予測可能で、大幅に抑えることができたはずだった。

福島第一原発を運営していた巨大企業東京電力は、原子炉を必要な耐震基準に合致するように補強しなかった。監督機関、原子力安全・保安院は、耐震規準を施行する何の対策も打たなかった。東電も監督機関も、原発が津波を受けやすいことは承知していたが、何の対策もとらなかった。原発、東京電力本社、原子力安全・保安院と首相官邸のあらゆるレベルで、災害対策は不十分であるか、存在しなかった。

その結果が、地震と津波が襲った際の大混乱だった。原発は全ての電源を失い、予備電源が故障した。これだけの規模の災害に対処するよう訓練されていない技術者と作業員達は、不十分な装置とマニュアルで状況を鎮めようと苦闘した。一連の水素爆発は原子炉建屋を酷く破壊した。第1、第2、および第3号炉は部分的にメルトダウンし、高いレベルの放射能が海と大気中に放出された。原子炉を鎮めるのに何ヶ月もかかったが、損傷の全貌は不明のままだ。原発を解体し、周囲の地域を清掃するには、何十年も要しよう。

政府、原子力安全・保安院と東京電力による計画的対応の欠如が事故を悪化させ、報告書が慎重にも“更に恐ろしいシナリオ”と表現したものが起きる恐れがあった。現地住民の避難は混乱していた。何万人もの人々が十分に情報を与えられず、再三移動させられた、放射能の強い地域への移動も含め、避難地域は、次々と拡大されたため。人々の健康や環境に対する事故の長期的な影響は不明だ。

1986年のウクライナにおけるチェルノブイリ・メルトダウン以来最悪の核惨事は、何十年にもわたる、政府、原子力規制官庁と原発業界の癒着の産物だった。報告書は、原子力安全・保安院、原子力安全委員会 (NSC)と原発業界の関係を表わすのに“規制の虜”という言葉を使っている。言い換えれば、原子力安全・保安院とNSCは、公衆の安全ではなく、東京電力等の企業の権益を守るように機能していたのだ。

先週公表された国会東京電力福島原子力発電事故調査委員会 (NAIIC)報告書は珍しく率直だ。報告書は明らかに、国民の広範囲に及ぶ原子力産業に対する疑念、不信、反対を一掃することを狙っていた。委員会は、災害は“人災”だった、つまり怠慢と基本的な安全基準の意図的な軽視の産物だと結論したものの、誰一人、責任を問うていない。個人や東京電力を含めた団体に対し訴訟を起こすことを提案しておらず、勧告を規制改革の為の一般的な提案に限定している。

NAIICの黒川清委員長は、災害の責任を日本国民全員に負わせようとしている。報告書の前書きで彼はこう宣言している。“事故の根本的な原因は、日本文化の慣習に根ざすものの中にある。つまり、反射的な従順さ。権威を疑問視したがらないこと。‘計画を守り通そう’とする姿勢。集団主義。そして、島国根性”

この発言には現実の甚だしい歪曲がある。日本の専門家達は地震と津波の起こりやすい地域に置かれた原子炉の危険性を長年警告し、監督官庁と電力業界の間の近親相姦的な関係を明らかにしてきていた。彼らは、自分達の利益を守ることを狙う、強力で資金潤沢な原発村の圧力団体と対決しなければならなかったのだ。東京電力や他の電力会社内で、労働者を沈黙させているのは“集団主義”ではなく、いじめと脅しの経営体質だ。

福島災害の責任は一般の日本人にあるのではなく、公衆の安全よりも、巨大電力企業の利益を優先した支配階級にある。原子力産業の拡大は、日本帝国主義にとって、日本のガスと石油輸入への依存を低めるのみならず、必要とあらば核兵器を迅速に製造する手だてを用意するための戦略的課題でもあった。

大企業、政府と業界間の癒着は、決して日本だけに限られない。あらゆる国において、職場や地域社会における労働者の健康と安全は、当たり前のように、利益の後回しにされてきた。更に過去三十年間の市場再編により、かつて存在していたわずかな規制も、計画的に浸食されてしまった。多くの場合、監督官庁は削減されたり、企業の“自主規制”によって置き換えられた。

福島は、資本主義の犯罪的な性格を露呈した大災害の一つに過ぎない。一年前、メキシコ湾でBPが運営していた石油掘削装置ディープウォーター・ホライゾンの爆発で、11人の作業員が死亡し、アメリカ史上最悪の環境災害をもたらした。ブッシュとオバマの政権はプロジェクトを促進させ、大衆の懸念と反対にもかかわらず、環境影響調査無しに進めていた。原油漏洩直後、オバマ政権は、巨大エネルギー企業が経済的・政治的な悪影響を最小限にするのを助け、事実上のBP弁護士として機能した。ホワイト・ハウスは発端から、事故は、BPによるものを含め、今後の海底油田プロジェクトを妨げないことを明らかにしていた。

最初は菅直人首相の下、現在は野田佳彦首相の下で、日本政府は、それと同様なサービスを、東京電力に対して行ってきた。東電には莫大な緊急援助を与え、事故で生活に打撃を受けた中小企業や個人に対する支払いは制限した。先月、野田首相は、極めて限定されたいかなるチェックも無しに、一つの原子炉に再稼働の許可を与えた。NAICC報告書が発表されたまさに同じ日に、きわめて地震の起きやすい位置にある大飯原子力発電所の第3号原子炉が操業を開始した。

報告書による暴露から引き出されるべき本当の教訓は、資本主義と、健康と安全な環境に対する人間の最も基本的なニーズは両立しないということだ。福島災害のような悲劇を防ぐ唯一の方法は、世界中のな労働者階級による利潤制度の廃止と、世界的に計画された社会主義経済の樹立にある。

ピーター・シモンズ


小出裕章:総括原価方式 / 核兵器開発能力保有

http://dai.ly/xk74wo
電気料金の驚異の”からくり”「総括原価方式」←これは知っておくべきですね。(内容書き出し)
(みんな楽しくHappy♡がいい♪)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-610.html


小出裕章さんにきく。(9) - 「なぜ電力会社は総括原価方式なのに赤字になるのか?」- 2014.04.28

http://youtu.be/A57-UU7M_tk






東電批判で打ち切り寸前…映画「あいときぼうのまち」の受難
(日刊ゲンダイ)
http://nikkan-gendai.com/articles/view/geino/151599/1
 昨3日に行われた映画「あいときぼうのまち」のトークイベント。弁護士の宇都宮健児氏をゲストに招き、映画製作にかけた思いや背景などが語られたが、取材に訪れたマスコミは日刊ゲンダイ含め、たったの2社――。まさに、この映画がおかれている状況を物語っているようであった。
 福島県双葉町と東京を舞台に、国の原発政策に翻弄され続けた4世代1家族の70年間に及ぶ歴史を描いた作品。福島県出身の脚本家・菅乃廣氏がメガホンを取り、3・11前後の状況にも触れるが、実はこの映画、6月21日の上映開始時から客足が伸び悩み、打ち切りもやむなしの状況だという。
 関東での上映は「テアトル新宿」の一館のみ。特に単館系の作品は公開から1週間が勝負だが、初日から各回の観客動員数は50人足らずで客席はガラガラ。2週目以降は1日4回から2回に上映回数も半減となった。
 公開前のメディア露出はほぼ皆無。正確にいえば、「宣伝の場が与えられなかった」(宣伝担当者)そうで、マスコミ向けの試写会を開いても、大手新聞社や一般誌の映画担当記者の姿はほとんどなかったという。
 この日のイベントに登壇。故・若松孝二監督の門下であり、同作の脚本を手がけた井上淳一氏がこう言う。
「3・11や原発を題材としたフィクションはインフレ状態であるのは事実だし、作品に力がないといわれたらそれまで。でも、あくまで想像ですが、映画の中で『東電』という実名が出ている。それがメディアの原発タブーに引っかかったのではないかと。架空の電力会社にするのではなく、原発事故の責任の所在をきちんと描きたかった。映画のエンドロールで実名表現について、憲法21条、『表現の自由、検閲の禁止』を明記したのはそのためです。表現の自由を自ら放棄することなんて、僕にはできない。表現者として、それはしてはいけないと思っています」
 夏樹陽子や勝野洋といったベテラン俳優が重要な役どころを演じる。反原発を声高に掲げるわけではなく、各時代の家族の苦闘やラブロマンスも丁寧につむいだヒューマンムービーだ。一見の価値はあるだけに、打ち切り前にぜひ劇場へ。

映画『あいときぼうのまち』予告編

http://youtu.be/Duw9Gw40fs8



何も解決していないのに・・。福島原発事故のニュースがメッキリ報道されなく なりました。~<水俣と福島に共通する10の手口>とよく似てきました。
(岩手の被災漁師 みさご丸船主 佐々木公哉 のブログ)
https://kacco.kahoku.co.jp/blog/sasaootako/51343
福島原発事故のニュースがメッキリ報道されなくなりました。

まだまだ、何も解決していないのです。

 浪江町民約1万5000人が東京電力福島第一原発事故の精神的損害賠償増額などを求めた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、東電は原子力損害賠償紛争解決センターが提示した「一律月5万円」を増額する和解案を拒否した。26日までに町とセンターに伝えた。「高齢で病気の人」に限定し、月2万円を増額する。賠償額を迅速に確定するためのADRだが、東電の和解案拒否が相次いでおり、制度の形骸化も指摘されている。

例えば、このような記事も全国版で報道すべきことです。
しかし、大手メディアと仲良し総理は、「福島は報道するな」とでも、相談してる感じがします。
避難民や被災者の精神的賠償は当然の事だと思いますが、和解案を拒否しています。 なんだか・・。
<水俣と福島に共通する10の手口>とよく似てきましたね。
1、誰も責任を取らない/縦割り組織を利用する
2、被害者や世論を混乱させ、「賛否両論」に持ち込む
3、被害者同士を対立させる
4、データを取らない/証拠を残さない
5、ひたすら時間稼ぎをする
6、被害を過小評価するような調査をする
7、被害者を疲弊させ、あきらめさせる
8、認定制度を作り、被害者数を絞り込む
9、海外に情報を発信しない
10、御用学者を呼び、国際会議を開く

僕は、この項目全てが当てはまると思います。

報道規制もその一つでしょう。
「最後は、国民世論を弱め、忘れさせる」ためです。

そもそも、原発は自民党が国策として進めて来たものです。
東電だけの問題ではないはずです。
そもそも、原発は自民党が国策として進めて来たものです。
東電だけの問題ではないはずです。


双葉町 原子力明るい未来のエネルギー

福島第一原発

福島第一原発 作業員

しかし、5ひたすら時間稼ぎをして、7被害者を疲弊させ、あきらめさせ。
9国内外に情報を発信しない。


報道規制もその一つでしょう。
「最後は、国民世論を弱め、忘れさせる」ためです。

下記のこのニュースからはこうした事が透けて見えてきます。

ーーーーーーーーーーーーーー
【東電、和解案を拒否 浪江の精神的賠償増額「公平性保てず」 ADR形骸化懸念】
福島民報 (2014/06/27 11:49)
 浪江町民約1万5000人が東京電力福島第一原発事故の精神的損害賠償増額などを求めた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、東電は原子力損害賠償紛争解決センターが提示した「一律月5万円」を増額する和解案を拒否した。26日までに町とセンターに伝えた。「高齢で病気の人」に限定し、月2万円を増額する。賠償額を迅速に確定するためのADRだが、東電の和解案拒否が相次いでおり、制度の形骸化も指摘されている。
ーー中略ーー
ADRは、和解案提示までの時間が民事訴訟に比べて短く、被災者の早期の生活再建につながるのがメリットとされる。しかし、和解案に法的な強制力がなく東電が一部拒否したり、受諾するかどうかの回答期限の延長を求めたりするケースが出ており、専門家からはADRの形骸化を懸念する声も上がる。
東電は昨年12月にまとめた再建計画で、原子力損害賠償「三つの誓い」の一つとして「和解仲介案の尊重」を掲げている。
今後、東電側の受諾拒否による和解不成立が相次げば、センターの和解仲介能力が問われ、センターの存在意義を失う事態になりかねない。(本社報道部・神野誠)
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2014/06/post_10264.html





戦後史証言プロジェクト 日本人は何をめざしてきたのか 知の巨人たち 第1回 2014.07.05

http://dai.ly/x20z5eg


http://dai.ly/x20y7wu
ノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹とその共同研究者、武谷三男。戦時中、原爆開発に関わった二人は、戦後「科学者の社会的責任」を唱え、原子力の平和利用のあり方を模索する。

武谷は、広島を訪ね、原子力が二度と軍事利用されない研究の枠組みが必要だと考え、原子力研究の「自主」「民主」「公開」の三原則を主張した。
1956年原子力委員会の委員となった湯川は、海外からの原発の早期導入を進める方針に対し、自主的な基礎研究を重視するよう主張し、辞任。
晩年まで、核兵器の廃絶、核なき世界を訴えた。

湯川たち物理学者は「原子力」とどう向き合い、その未来をどう見つめたのか。

「核抑止を超えて」-湯川・朝永宣言(1975)
http://www.pugwashjapan.jp/y_t.html
より

私たちの究極目標は、人類の経済的福祉と社会正義が実現され、さらに、自然環境との調和を保ち、人間が人間らしく生きることのできるような新しい世界秩序を創造することであると考える



原発への攻撃、極秘に被害予測 1984年に外務省
(朝日新聞)
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201107300615.html
原発攻撃を極秘研究『数万人急死』外務省





小出裕章 福島原発「事件」後を生きる 7/5【IWJ_KYOTO1】

http://youtu.be/QUE9V-L0MGI

小出裕章 福島原発「事件」後を生きる 7/5

時機を得た情報と早めの避難で、どうか命をお護りください!m(_ _)m

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日本気象協会発表 台風8号の悪条件
(日本気象協会)
http://www.tenki.jp/forecaster/diary/t_yoshida/2014/07/07/13241.html
日本気象協会は台風8号に関する情報を発表。今回の台風には3つの悪条件。①猛烈な勢力に発達②梅雨前線の活動が活発化③台風の動きが遅く、影響が長引く恐れ。各地の警戒が必要な期間をまとめました。
大雨・暴風の警戒期間

台風8号 3つの悪条件

本日、日本気象協会は日本付近を接近・通過する見込みの台風8号に関する情報を発表しました。

まず、今回の台風8号ですが、以下の3つの悪条件があります。

①猛烈な台風に発達
8日には台風8号は猛烈な勢力となる見込みです。
台風の中心気圧は910hPaまで下がる予想。
910hPaまで下がり、沖縄に接近するのはめったにないことで、最強クラスの台風です。
沖縄地方には特別警報が発表される可能性も。
沖縄本島地方や宮古島など先島諸島では記録的な暴風となる恐れがあり、瞬間的には70メートル以上の暴風が吹き荒れる恐れがあります。ここまでの暴風が吹き荒れるのは、半世紀に1度、長寿の沖縄でも高齢の方が今までに経験したことがあるかないかというほどの大荒れの天気となる恐れがあります。

②梅雨前線の活動が活発化
本州付近に梅雨前線が停滞。梅雨前線に湿った空気が流れ込み、活動が活発化しています。
九州ではすでに大雨となっている所があり、避難勧告が出された所もあります。
今後、梅雨前線は本州付近をゆっくり北上する予想で、台風が近づく前から大雨となる恐れがあります。
そのあと、台風本体の活発な雨雲がかかるため、いっそう大雨による災害に警戒が必要になります。

③台風の動きが遅く、影響が長引く
台風の進行速度が遅いため、広い範囲で、大荒れの天気が長く続く恐れがあります。

台風8号の進路予想

大雨や暴風に警戒が必要な期間は?

上の表をご覧下さい。地域ごとの大雨や暴風に警戒が必要な期間をまとめました。
【沖縄】
宮古島など先島諸島は今夜から、沖縄本島地方も明日の明け方から風が非常に強くなり、明日は記録的な暴風が吹き荒れる恐れがあります。暴風に厳重な警戒が必要です。停電などの恐れがありますので、懐中電灯などの用意を。

【九州~近畿】
九州では梅雨前線の影響で、これまでにすでに大雨となっている所があり、今後も土砂災害に警戒が必要です。さらに水曜日頃からは台風本体の雨雲がかかり、再び大雨の恐れがあります。水曜日から金曜日頃にかけて、暴風や高波にも警戒が必要です。交通機関への影響が長引く恐れもあります。

【東海~関東・北陸】
今のところ、関東付近に台風が最も近づく恐れがあるのは金曜日頃。湿った空気の影響で、木曜日頃から広く激しい雨が降る見込みです。金曜日以降は台風が近づき、風も強まるため、暴風雨の恐れ。台風通過後も吹き返しの風に警戒が必要です。

【東北・北海道】
台風接近前から局地的な大雨に注意が必要です。木曜日以降は梅雨前線の活動が活発になり、局地的な大雨の恐れがあります。金曜日頃からは台風が近づき、風も強まるでしょう。

※なお、台風の予想進路や予想される影響は、今後、変わる可能性がありますので、最新の気象情報をtenki.jpなどでご確認ください。
(2014年7月7日 15時3分)


平成26年台風第8号に関する最新情報
(沖縄県)
http://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/bosai/h26taifu08.html

那覇市2014年7月9日
那覇市

【現場 画像集】台風8号が接近する沖縄 現地の状況 被害などまとめ 7月8日 #台風8号
(NAVERまとめ)
http://matome.naver.jp/odai/2140479032447674901


中・下越など大雨
新潟西蒲区1258世帯に避難指示
(新潟日報)
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20140709122668.html
 県内は9日、台風8号からの暖かく湿った空気が流れ込み、梅雨前線が活発化している影響で、下越など各地で大雨となった。新潟市は土砂災害の危険性が高まったとして午前8時すぎに新潟市西蒲区の竹野町、仁箇、角田浜などの1258世帯、約4千人に避難指示を発令。新潟市秋葉区、長岡市、燕市の計3438世帯に避難勧告が出た。長岡市では国道脇の斜面が崩れ通行止めとなった。新潟地方気象台によると、10日正午までに1時間で60ミリの雨が予想される地域もあり、注意を呼び掛けている。

 9日午前11時10分までの24時間降水量では新潟市(巻)で、7月の観測史上最大の144ミリを記録。佐渡市(弾崎)でも168・5ミリを観測した。

 住民に避難を呼び掛ける避難勧告が出たのは、新潟市秋葉区の2401世帯、長岡市寺泊地域の海岸部の722世帯、燕市の一部地域の315世帯。新発田市、三条市、五泉市、阿賀町などでも高齢者や障害者に避難を呼び掛ける避難準備情報を出した。

 長岡市寺泊野積の国道402号では、土砂が流出したため新潟市西蒲区間瀬までの間が通行止めとなっている。県によると、9日午前11時半現在、冠水などで佐渡市など19カ所の国道や県道などが全面通行止めとなっている。

 県によると、住宅被害は三条市と燕市で床上浸水が各1棟、床下浸水は三条市で10棟。上越市では落雷が原因とみられる火災で空き家の外壁の一部が焦げた。

 東北電力新潟支店によると、落雷などの影響で8日深夜から9日午前までに、県内16市で延べ1万6882戸が停電した。

 JR東日本新潟支社による9日午後0時20分現在、越後線や信越線、磐越西線など7線の全線または一部区間で、合わせて特急4本、普通列車82本が運休した。

 県教育委員会によると、三条市や長岡市の小中学校32校が休校、燕市、五泉市、佐渡市などでも始業を遅らせるなどした。

 梅雨前線はゆっくりと北上し、雨は10日には小康状態となる見込み。10日正午までの24時間予想降水量は多いところで、中下越と佐渡で120ミリ、上越80ミリ。11~12日明け方ごろには台風8号が最接近することが予想される。気象台では「雨が降りやすい状況が続く。土砂災害などに気を付けて、不要な外出は控えてほしい」としている。


あこ 新潟 けやき通り 冠水




image from NASA's Terra satellite of Typho
Typhoon Neoguri on July 6 NASA


過去最強の台風8号が原発を襲う?
(Newsweek)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2014/07/post-3322_1.php
今週日本列島に接近する台風8号「ノグリー」は原発のある九州や四国付近を通過するが
2014年7月8日(火)15時16分
マリア・ガルーチ
強烈な雨と風2003年7月にフィリピンを襲った台風
強烈な雨と風 2003年7月にフィリピンを襲った台風 Romeo Ranoco-Reuters

 北上して日本に向かう非常に大型の台風8号「ノグリー」が、日本の3カ所の原発に損害を及ぼす恐れがある。

 台風8号は8日に沖縄県宮古島に接近後、10日は九州に近付き、日本列島は過去最強クラスの強風と激しい雨に襲われるとみられている。

「沖縄諸島を襲う台風としてはこの15年で最大規模の台風だ」と、米空軍嘉手納基地のジェームス・ヘッカー准将は同基地のフェイスブックに投稿した。「沖縄を直撃したらどれほど危険なものになるか、言葉では言い尽くせない」

 沖縄に原発はないが、九州には2つの原発がある(玄海原発川内原発)。台風8号はこれらを通過しそうだ。四国の原発(伊方原発)も影響を受ける見込みがあると、ロイターは報じている。

 これら3カ所の原発は以前から稼働を停止している。九州電力の広報担当者はロイターに対し、台風8号に関連して特別な対策は予定していないが、同社の原発施設は年間を通じて深刻な悪天候から原発を守る戦略を取っていると語った。

 東日本大震災で被害に遭った福島第一原発は、今回の台風8号では最悪でも雨に見舞われる程度だとみられている。原発事故から3年以上が経過した今でも、東京電力は汚染水の流出を食い止めるのに苦慮している。

 気象庁によれば、台風8号は8日午前には宮古島の東北東90キロの海上を1時間に20キロの速さで北へ進んでいる。10日6時までの24時間に予想される雨量は沖縄地方では多いところで200ミリに達する見込みだ。

 それでも今回の台風8号は、昨年11月にフィリピンを直撃した台風30号「ハイエン」の威力には及ばない。この台風の死者は6000人以上に達し、過去最大規模の被害を記録した。







A Scary Super Typhoon Is Bearing Down on Japan…and Its Nuclear Plants
(恐怖のスーパー台風が日本に押し寄せてくる・・そして、原子力発電所にも)
http://www.motherjones.com/environment/2014/07/supertyphoon-neoguri-japan-nuclear-plants-fukushima
より

Super Typhoon Neoguri as glimpsed
Super Typhoon Neoguri as glimpsed by astronaut Reid Wiseman from the International Space Station Reid Wiseman/NASA

Joint Typhoon Warning Center
Joint Typhoon Warning Center

One pressing issue is the safety of Japan's nuclear plants. In the wake of the 2011 tsunami and the subsequent disaster at the Fukushima Daiichi plant, it's important to consider whether a similar vulnerability arises here.
一つの喫緊(きっきん)の課題は、日本の原子力発電所の安全性である。2011年の津波とその後の災害をきっかけで起こった福島第一原発の課題、ここで同様の脆弱性が発生したかどうかを検討することが重要です。

Fukushima is located north of Tokyo on Japan's largest island, Honshu. By the time the typhoon reaches that point, it is forecast to be considerably weaker. But there are a number of other reactors spread across the islands; perhaps most exposed will be the southwestern island of Kyushu, where the current forecast has the typhoon making its first major landfall.
福島は日本最大の島である本州にある東京の北に位置しています。台風がそのポイントに到達するまでにはかなり弱まっていることが予想されています。しかし、日本に点在する存在する他の原子炉が風雨にさらされることになり、現在の台風の進路予測では、その最初の台風が上陸する先は九州南西部になります。

According to reporting by Reuters, there are two nuclear plants on the island. A company spokeswoman for Kyushu Electric Power Co. told the news agency that it "has plans in place throughout the year to protect the plants from severe weather."
ロイターの報告によると、九州には2つの原子力発電所がありますが、九州電力の広報担当者は、それが「厳しい天候からプラントを保護するために、年間を通じての計画を持っている」と報道機関に語った。

Japan Nuclear power plant vulnerability analysis

Joint Typhoon Warning Center (JTWC)
http://www.usno.navy.mil/NOOC/nmfc-ph/RSS/jtwc/


台風8号観測画像
(宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター)
http://www.eorc.jaxa.jp/news/2014/nw140708.html
台風の動き(GSMaP)2014年7月3日~7日の3時間毎のアニメーション
台風の動き(GSMaP)2014年7月3日~7日の3時間毎のアニメーション

世界の雨分布速報
http://sharaku.eorc.jaxa.jp/GSMaP/index_j.htm


デジタル台風:台風画像と台風情報
(北本朝展/国立情報学研究所)
http://agora.ex.nii.ac.jp/digital-typhoon/


災害の記憶 ‐三大台風‐
(台風の一生)
http://contest.japias.jp/tqj2008/100101/sandaitaihuu.html
日本は昔から台風災害を受けてきましたが、昭和以降の台風の中で特に被害の大きかった3個の台風を、昭和の三大台風といいます。これらの台風によって生じた被害は、甚大なものでした。

室戸台風
室戸台風 冠水した道路
1934年9月21日に高知県室戸岬付近に上陸した台風で、室戸岬で観測された911.6hPaは当時としては最も低い気圧の世界記録でした。台風は大阪市の西約20km地点を通ったので、大阪や広島では最大瞬間風速秒速60mの暴風が吹き荒れ、大阪湾では高潮が発生しました。近畿地方では多数の学校や家屋が倒壊し、列車の転覆や船舶の沈没などの大きな被害が出ました。

枕崎台風
枕崎台風 2階に避難する人々
1945年9月17日に鹿児島県枕崎付近に上陸した台風で、九州を縦断後広島市の西約15kmの地点を通り、北東に進みました。各地で激しい雨が降り、広島県を中心に洪水や山、がけ崩れなどで大きな被害が出ました。広島県では、死者・行方不明者がほぼ2000人と台風が上陸した九州全部よりも多くの犠牲者を出しました。これは、原爆投下と敗戦直後の混乱で防災対策がとれなかったことが原因の一つと言われています。

伊勢湾台風
伊勢湾台風 家屋流失の跡
1959年9月26日に和歌山県潮岬付近に上陸した台風で、北東に進んで同夜名古屋の西を通過したので紀伊半島や東海地方では最大風速が秒速30m以上の風が吹き荒れました。特に名古屋市から四日市にかけての沿岸部には東京湾平均海面上およそ4m以上の高潮が襲い、海岸堤防が各所で破られ死者約5000人を出し、5500億円の財貨を失いました。当時、名古屋とその周辺は干拓の規模が広がり、工場地帯が急に拡張していました。このため、高潮に対して防備の薄いゼロメートル地帯が広がり、自然災害を防ぐ努力があと回しにされたことが災害を大きくしました。

三大台風の比較


伊勢湾台風の記録(昭和35年制作)

http://youtu.be/ueRc0s54fD8

伊勢湾台風水位 標識看板

伊勢湾台風の大きさを近年日本を襲った主な台風と比較してみた

http://youtu.be/P9Y5cKggmGg

伊勢湾台風 - Wikipedia

史上最強の台風、1979年20号を現在の台風情報で再現してみた

http://youtu.be/3w7ZmNWhFlM

昭和54年台風第20号 - Wikipedia



空白の天気図
柳田邦男
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167240202
空白の天気図

1945年(昭和20)年9月17日。敗戦直後、鹿児島県枕崎に上陸した超大型の台風、いわゆる「枕崎台風」は、九州、四国と西日本を縦断し死者不明者3600人超の被害を日本にもたらしました。しかしその内実に2000人強は広島県です。なぜ同地で被害は膨らんだのでしょうか? 原爆によって行政、警察、報道すべてが壊滅した広島の苦境と、自らも放射線障害に苦しみながら、観測と調査を続けた広島気象台の人々の奮闘を描いた、傑作ノンフィクションがついに文春文庫に登場です。(TT)

■ 『空白の天気図』 今年ほど、本書を読み継ぐのに相応しい年はないだろう (2011.11.8)
http://www21.ocn.ne.jp/~smart/Kuuhaku111108.htm
1945年8月6日、広島に原子爆弾が投下された。直後の9月17日には、その広島を大型台風(枕崎台風)が襲い未曾有の暴風雨と洪水をもたらす。原子爆弾による死者および行方不明は二十数万人に上った。枕崎台風による広島県下の死者及び行方不明は2千人を越えた。原爆被害の巨大な影に枕崎台風の悲劇が隠されているが、いったいなぜ広島で台風で多くの――それも上陸地の九州の犠牲者数(442人)をはるかに越える――人命が奪われたのだろうか。

著者は、単なる事件の発掘だけでなく、原爆による殺戮と台風による災害という二重の苦難の中で、人々がどのように生きあるいは死んでいったのかを知りたかったという。とりわけ著者の心をひきつけたのは、死傷者や病人が続出し、食うや食わずやという状況に置かれながらも、職業的な任務を守り抜いた人々が実に多かったという事実であった。官公庁の職員、大学の研究者、医師、軍人、……。

広島地方気象台の台員たちに、著者は焦点を合わせる。彼ら自身が原爆炸裂の真只中に身をさらした被爆者でありながら、同時に原爆と台風という二重の災厄を科学の目で見つめていた観察者であったということだ。1945年9月17日の事件であったが、核時代に生きるわれわれにとって、いつ何時同じ状況下に置かれるかもわからぬという意味で、まさしく現代の危機を象徴する事件であった。

2011年3月11に発生した東日本大震災は、巨大津波による大被害をもたらしただけでなく、東京電力福島第一原子力発電所を壊滅的な状態に追い込んだ。放射能の危機にさらされた地域の住民は家をすてだ状態で避難を強いられることになった。
まさに昭和20年9月の広島の状況と重なる。原爆被災と1カ月余り後の枕崎台風災害という二重の災厄だった。いま直面しているのは、巨大地震・大津波による災害と原発事故という二重の災厄だ。

2つの災厄の態様は違うように見えるけれど、そこから読み取るべき問題の本質に変わりはないと著者はいう。人間が手をつけた核の危険性に自然界の脅威が重なることによって、人類史上前例のない巨大災害を引き起こした私たちの、便利さと効率優先のライフスタイルと価値観、経済と国策のあり方、ひいては文明のあり方が問われているということだ。

著者は、本書『空白の天気図』が作品のなかで一番好きだという。NHK退職直後の執筆でもあり愛着があるのだろう。綿密かつ膨大な取材に裏付けられた事実に圧倒される。ノンフィクションとして一気に読み進ませる迫力がある。今年ほど、本書が新たに読み継がれるのに相応しい年はないだろう。

◆Sさんの質問に答えて
  原爆と原発の放射性物質についてお答えします(沢田昭二)

http://blog.acsir.org/?eid=19
より

前略

広島原爆の放射性物質の大部分は風で移動し、火災雨と台風で流された

 この放射性微粒子の一部は地上に堆積し、雨などで地中にしみ込みましたが、大部分は風とともに移動して行きました。原子雲の中央部から降下した放射性降雨は、一部は地中にしみ込みましたが、広島の場合は爆心地から2 km以内は大火災になり、火事嵐が発生し、強い火災雨が最初の放射性降雨の強く降った地域に降って、大部分を洗い流しました。最初の放射性降雨が降ったとき、広島市の北西部の被爆者は最初に雨が降った後、池や小川の魚や蛙が沢山死んで浮き上がったという多くの証言があります。
 こうして放射性物質が大量に瀬戸内海に流れ込みました。おそらく海産物にかなりの方射影物質が取り込まれたと考えられますが、当時はそうした問題意識がなかったので、調査資料はありません。
 その後、広島では9月に枕崎台風が直撃し、大洪水で20以上の橋が流失し、三角州の上の広島の土地は濁流で洗われ、放射性物質が瀬戸内海に流れ込みました。しかし、これも測定されていません。測定されたのは、放射性降雨によってもたらされ、地中にしみ込んだ放射性物質から放出される放射線を主に台風後に物理学的に測定したもので、これは放射性降下物のごく一部に過ぎません。これを放射線影響研究所や日本政府(厚生労働省)とそれを取巻く御用学者たちは、放射性降下物の影響はほとんどないと否定する根拠にし、その結果原爆被爆者の被爆実態から内部被曝の研究が発展させる道を閉ざしてきました。原爆症認定集団訴訟は、この国側の主張を打ち破って内部被曝の重要性を明らかにしてきました。

以下略




防災基礎講座
自然災害について学ぼう
(防災科学研究所)
http://dil.bosai.go.jp/workshop/01kouza_kiso/taifu/typhoon.htm

2. 台風

台風の発生と進行
  台風は直径が数百kmほどの大気の渦です.気圧の低い中心に向かって周りから風が吹き込み激しく上昇するので,中心域で強い風と雨をもたらします.台風のエネルギーの源は, 熱帯・亜熱帯域の海水に貯えられた大量の太陽熱です.この熱が大気を温めて上昇させ, 風を呼び込み,しだいに大きな渦に成長して台風になります.なお,台風とは最大風速が17m/秒(34ノット)以上の熱帯低気圧を言います.赤道付近では大気の渦をつくる力が弱いので,海水温は高くても台風は発生しません.

 北半球における大洋の中・低緯度域では,地球が東向きに自転していることによって生ずる力(コリオリ力)が働いて,時計回りの海流が流れます(南半球では反時計回り).従って大洋の西部では,海流は低緯度から高緯度へ向かうので,暖流が流れます.このため大洋西部域では より高緯度まで海水温度が高くなるので,熱帯低気圧が多く発生し,また移動しながら成長を続けます.
本土上陸台風の経路  黒潮が流れる太平洋西部における熱帯低気圧を台風,メキシコ湾流が流れる大西洋西部域における熱帯低気圧をハリケーンと呼んでいます.これが世界における2大発生域です.太平洋西部海域(主としてフィリピン東方海域)で発生した台風は,暖かい黒潮に沿って勢力を維持・拡大しながら北上して,日本列島に来襲します.発生域を吹く偏東風(貿易風)に流され夏の太平洋高気圧の西のヘリを回り込むようにして北西に向かい,北緯25度付近 (ほぼ沖縄の緯度) にある亜熱帯高圧帯の気圧の尾根を越えると,上空の偏西風に流され速度を増して北東に向かう,というのが典型的なコースです(図2.1 本土上陸台風の経路).したがって台風の経路は,太平洋高気圧の位置と勢力,上空の気流の状態などに左右されます.

台風接近の年平均回数(1961~90年の平均) 熱帯低気圧の周辺は温度差のほとんどない大気で満たされているので,前線を伴わないし,また,その等圧線は同心円状です.高緯度に進んできて北西からの寒気が流れ込み,中心から前線が伸びるようになると,温帯低気圧に変わります.台風の年平均の発生数は約27,本土への上陸数は年平均2.7です(図2.2 台風接近の年平均回数).

台風の風と雨
台風域の風の場台風域の風の渦  風は台風の中心に向けて反時計回り(左巻き)に吹き込みます.地球の自転による力や遠心力などが加わるので,気圧の高い方から低い方へと真っ直ぐにではなくて,かなり斜めの方向に吹き込みます(図2.3 台風域の風の場).このため台風の雲は左巻きの渦巻き状です.偏西風の流れに乗ると,移動速度は秒速20m(時速72km)以上にも達します.台風進行の右側 (通常北に進行するので東側)では,左巻きに吹き込む風の速度にこの移動速度が加わるので,その反対となる左側 (西側)に比べて風がより強く吹くことになり危険です(図2.4 台風域の風の渦). 進行右側は危険半円,左側は可航半円とよばれ,昔から船乗りにはよく知られていました.眼がはっきりしているような発達した段階では,中心から100kmほど離れたところで風が最も強く吹きます.最大風速 (10分間の平均)の記録は1965年23号台風による69.8m/秒(室戸岬),最大瞬間風速の記録は1966年第二宮古島台風による85.3m/秒(宮古島)です(表2.1 主要台風).台風の強い風は低い気圧と相まって,高潮を引き起こします.

1990年台風19号-9月17日12時の赤外画像  台風の眼は,遠心力が働いて風がそれ以上吹き込めない範囲で,台風が弱まるとなくなります.眼の周りには強い上昇気流によるタワー状の積乱雲がそそり立ち,強い雨を降らせています.外に向かって螺旋状に伸びる雲の帯のところでも強い雨が降ります.停滞した梅雨前線や秋雨前線があると,台風から暖湿気流が送り込まれて前線の活動が活発となり総雨量が多くなります.通常,山地の南東側が風上斜面になり雨量が特に多くなります.1976年台風17号による総降水量は834億トン,1990年の台風19号では740億トンでした(写真2.1 1990年台風19号の気象衛星画像).800億トンの雨とは,日本全域に220mmの雨が降った場合の総量に相当します.この強い雨は洪水災害や土砂災害を引き起こし,一般に風による災害よりも大きな被害をもたらしています.しかし,ときには風の被害が大きくて 「風台風」 と呼ばれるものがあります.中心気圧の低い台風が衰えずに日本海沿岸を高速で北東進すると,日本全域に強風が吹き荒れ, 建物の損壊棟数が非常に多くなることがあります(1991年台風19号など).

台風の勢力と被害
 台風の勢力は「大きさ」と「強さ」という2つの表現で示されます.1991年以降,「大きさ」 は風速15m/秒以上の強風域の半径により,「強さ」 は最大風速により分類され,強風域の半径が300km~500kmを「中型」,最大風速が33~44m/秒を「強い」といったように,大きさと強さがそれぞれ5階級に区分されています.それ以前は中心気圧と1000hPa以下の円形等圧線半径に基づいていました.最大風速などの気象データは,1987年までは米軍が飛行機観測を行っていたので,ここから入手できました.それ以降は,気象衛星の画像が示す台風の雲の形状・特徴を数値化し,最大風速との統計的な関係から求められています.

室戸台風の上陸時天気図伊勢湾台風の強風  中心に向かう気圧の傾きが大きいほど風は強くなるので,中心気圧の低い台風は一般に 「強く」なります.本土で観測された最低の気圧は1934年の室戸台風による911.6hPa (室戸岬)です(表2.2 三大台風の比較).死者3,036などの大きな被害をもたらした室戸台風は観測史上最強の台風でしたが,このような非常に大きい台風では,日本の本土がすっぽりと覆われてしまうほどの大きさになります(図2.5 室戸台風の上陸時天気図).この台風は主被災地の京阪神地方には不意打ちの状態となり被害を大きくしたので,台風予報の向上をうながす契機となりました.第二次大戦後における最強の台風は敗戦直後の広島地方に著しい土砂災害を引き起こした枕崎台風で,室戸台風に次ぐ勢力でした.最大の台風災害は1959年の伊勢湾台風によるもので, 伊勢湾に発生した観測史上最大の高潮などにより,死者5,040などの著しい被害が生じました(図2.6 伊勢湾台風の強風).強い風と低い気圧によって引き起こされる高潮は,世界的にみても最大の被害をもたらしています.台風が湾岸低地に大都市のある湾内に大きな高潮を発生させるようなコースを運悪くとった場合には,そうでない場合に比べ被害は何倍も大きくなる恐れがあります.ただし,1961年の第二室戸台風(死者数202)のように,災害の教訓をうまく活かすなどにより,人的被害を大きく減らすことも可能です.

 1960年代以降全般的にみて,台風による被害はその勢力に比較しより少なくなる傾向を示してきました.とくに,夜間上陸の台風による被害が大きく減少しました.これには情報伝達手段や生活様式の変化なども関係しています.台風はその発生・移動の経過が完全に捉えられています.見失うことはありません.地震や噴火などに比べれば,ほぼ完全に予報されていることになりますが,台風被害を防ぐにはさらに,洪水・山崩れ・高潮などの予測が必要です.

人質司法の解消を

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「人質司法」改革見送り 法制審部会 最終案
(東京新聞【核心】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2014071002000143.html
 法制審議会の特別部会が九日に決定した刑事司法改革の最終案は、日本でタブー視されてきた司法取引に道を開く。だが、専門家はうその供述によって無実の人が犯人に仕立てられる可能性を指摘。否認している間は保釈されない「人質司法」という根本的な問題が放置されている限り、取り調べの録音・録画(可視化)でさえも厚生労働次官の村木厚子さんが巻き込まれたような冤罪(えんざい)事件を助長する要因になると警鐘を鳴らす。
(加藤益丈、中山岳)

「人質司法」改革見送り 法制審部会 最終案

司法取引 冤罪生む恐れ

 ■誘 惑

 最終案には、他人の犯罪で捜査協力した容疑者や被告に対し検察が起訴を見送ったり、検察が刑事責任を追及しないと約束して法廷で他人の犯罪を証言させたりする司法取引の導入が盛り込まれた。
 しかし、特別部会が三年前に設置される契機になったのは、村木さんが誤認逮捕された郵便不正事件。この事件では、大阪地検特捜部に逮捕された厚生労働省職員が取り調べで「上司の指示があった」とうその自白をしたことが、村木さんの逮捕につなかった。
 最終案には、司法取引で無実の人が巻き込まれることを防ぐため、うその供述を罰する「虚偽供述罪」を盛り込んだほか司法取引には容疑者らの弁護士の同意が必要と網もかけた。それで
も、村木さんのような冤罪被害者を生む危険性は増大すると指摘する声は強い。
 村木さんの弁護人を務めた弘中惇一郎弁護士は「捜査機関に迎合し、うそをついてでも自分が助かろうとする人間はいる。歯止めを作っても誘惑にかられる人は出るだろう」と話す。

 ■危 惧

 郵便不正事件では、否認を続けた村木さんが百六十四日にわたり勾留された。自白を得るため、否認すれば長期にわたって保釈しない身柄拘束は「人質司法」と批判されている。
 特別部会では、居住先の指定など条件を課す代わりに、身柄拘束をしないで捜査する「中間処分制度」を創設すべきか議論になった。しかし、警察や検察出身の委員らから「証拠隠滅の恐れが高まる」と否定的な意見が相次ぎ、見送られた。
 弘中弁護士は「捜査側に屈服するかしないかが保釈の分かれ道になる。人質司法の現状は、むしろひどくなっている」と批判。人質司法を改めないまま、司法取引など捜査手法が拡大することを危惧している。

 ■抜本策

 最終案で法制化が明記され、冤罪防止につながると期待される取り調べの録音・録画(可視化)だが、映像の使われ方によっては、危険な証拠にもなりうるという意見もある。
 カメラが回っている前では、取調官が保釈など見返りをちらつかせたり、脅したり暴力を振るったりして、自白を引き出すような取り調べはできなくなる。しかし、元東京地検特捜部検事の高井康行弁護士は「自分の罪を軽くしようと無実の人を首謀者にでっちあげる巧妙なうそは『映像のインパクト』で真実のようにもっともらしく聞こえる。映像を裁判員や裁判官が見れば、判断を誤る恐れがある」と指摘する。
 その上で「可視化して、強引な取り調べをできなくすれば、冤罪はなくなるという単純な話ではない。起訴内容を否認していることを理由に勾留を続けてはならないという規定を新たに設けるなどして人質司法を解消すべきだ」と強調する。




可視化なき司法取引の導入はさらなる冤罪の温床に

http://youtu.be/bxs7zJGKkhM
ニュース・コメンタリー (2014年06月28日)
可視化なき司法取引の導入はさらなる冤罪の温床に
 相次ぐ冤罪や検察不祥事を受けて刑事司法改革を議論している法制審議会の特別部会が、司法取引の導入を決定する見通しだというが、可視化や証拠の開示が不十分なまま司法取引が導入されれば、さらなる冤罪の温床となることは目に見えている。今、日本の刑事司法制度に求められる改革とは明らかに逆行する施策と言わねばならない。
 そもそもこの特別部会は、冤罪の原因となっている人質司法や取り調べの可視化、検察の証拠開示を改革することが主眼になるはずだった。ところが3年間にわたる議論の末、出てきたものは明らかに不十分な可視化策と証拠開示基準だった。現在特別部会が検討している可視化策は裁判員裁判の対象事件のみを可視化の対象とするもので、刑事事件全体の2%程度しか可視化されないことになる。
 また、証拠開示についても、証拠のリストのみを公表すればいいことしている。刑事事件を担当する弁護士たちの話では、証拠につけられた文書タイトルから証拠の中身を判断することは不可能なので、仮にリストを受け取ってもまったく証拠が開示されたことにはならないと言う。
 しかも、その一方で、特別部会は盗聴法の強化などの捜査権限の強化だけはしっかりと謳われるなど、本末転倒な報告が相次いで出されていた。
 特別部会は6月23日の会合で、更にその上に、新たな捜査権限の拡大策として、「司法取引」の導入を議論し始めたという。司法取引は事件の容疑者が捜査に協力する見返りに刑が軽減されたり起訴が見送られたりする制度だが、これが新たに捜査権限に加わることで、既に権力が集中しすぎていると批判される検察が、更に新たな武器を手にすることになる。
 司法取引には大きく分けて、(1)容疑者や被告が共犯者など他人の犯罪を解明するために協力することの見返りに、検察官が起訴を見送ることができる「協議・合意制度」、(2)自分の犯罪を認めれば刑を軽くすることができる「刑の減軽制度」、(3)事故などの原因究明のために、容疑者になり得る証人にあらかじめ免責を約束したり、証言を証人の不利益な証拠にできないとの条件を付けることができる「刑事免責制度」の3類型がある。(2)は裁判コストの削減、(3)は事故原因究明を優先するための設けられた制度だが、(1)は明らかに検察の捜査権限を強化するためのものだ。
 欧米では既に何らかの司法取引制度が導入されている国が多いが、いずれの制度も取り調べが可視化されておらず、検察の証拠開示が行われていない日本でこれが導入されれば、更に冤罪の温床と化す恐れがある。検察側が実際には存在しない証拠があるかのように被疑者を騙し、司法取引を持ちかけて自白を取り付けることが可能になるからだ。
 いずれにしても今回の特別部会の提言に沿って可視化が行われた場合、可視化の対象事件は全事件の2%強にとどまる見通しだ。つまり、可視化されていない事件で、密室の取り調べの後の司法取引が可能になるということだ。
 法制審議会の特別部会は痴漢冤罪事件を扱った映画「それでもボクはやってない」の監督の周防正行氏や証拠捏造による冤罪事件の被害者となった村木厚子厚労次官らの一部を除き、圧倒的多数を検察、警察、裁判所などの法曹関係者が占めている。例えは悪いが、泥棒に泥棒を捕まえるための制度設計を任せているのも同然だ。そのような会議から、本当の意味で刑事司法の健全化や正常化を推し進めるための手立てが提言されるはずがない。
 国連拷問禁止委員会の場で「中世」とまで揶揄されてもなお、実効性のある改革よりも権益の拡大を優先している日本の刑事司法に未来はない。そもそもこのような委員会に刑事司法改革を任せている政治の責任も重大だ。
 1989年にニューヨークで5人の黒人とヒスパニック系の少年が白人女性を強姦し重傷を負わせた所謂「セントラルパーク5」事件というものがある。当時14歳から16歳の少年だった被告全員が7年から13年の服役を終えた後の2002年、突如として真犯人が現れ、少年たちはまったくの冤罪だったことが明らかになった。その事件でこのたび彼らを訴追したニューヨーク市と元少年らの間で和解が成立し、5人で合計して40億円の賠償金が支払われることになったという。概ね1人あたり1年につき1億円の補償額となる。
 これも当時ニューヨーク市では取り調べが可視化されていなかったため、少年たちは苛酷な取り調べを受けた上に虚偽の自白を強要され、結果的に世紀の冤罪事件を作り出してしまった。しかも少年たちが自白をするシーンは繰り返しリハーサルを行った上でビデオ撮影され、それが裁判に証拠採用されている。現在の日本と同じ検察の都合のいい部分だけを録音・録画することが許される「部分可視化」の結末だ。
 それから25年経った今、日本では今なお取り調べの可視化は実現していない。冤罪で17年半も不当に刑に服した菅家利和さんの国家賠償額は8000万円あまり、同じく冤罪で34年間不当な刑に服した免田栄さんの賠償額も9000万円あまりである。自分の人生の大切な時間を国家によって不当に奪われたことは無論お金で取り返しがつくものではないが、日本では検察や警察、そして裁判所にとって冤罪を起こしてしまった場合のリスクが、アメリカと比べて遙かに小さいこともまちがいない。
 まだ遅くはない。特別部会には今からでも、どうすれば冤罪を防ぐことができるかを真剣に議論し、まずは少なくとも先進国として恥ずかしくない公正な刑事司法制度を確立してから、捜査権限の拡大や司法取引の議論をすべきだろう。
 現行制度の元で司法取引を導入することのリスクなどについて、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。



「取調べの可視化~疑問の余地はありません!」

取調べの可視化(取調べの可視化実現本部)
(日本弁護士連合会)
http://www.nichibenren.or.jp/activity/criminal/recordings.html
取調べの可視化(取調べの全過程の録画)実現

現在、被疑者の取調べは「密室」で行われています

日本の刑事司法制度においては、捜査段階における被疑者の取調べは、弁護士の立会いを排除し、外部からの連絡を遮断されたいわゆる「密室」において行われています。このため、捜査官が供述者を威圧したり、利益誘導したりといった違法・不当な取調べが行われることがあります。その結果、供述者が意に反する供述を強いられたり、供述と食い違う調書が作成されたり、その精神や健康を害されるといったことが少なくありません。

「裁判の長期化」や「冤罪」の原因となっています

そのうえ、公判において、供述者が「脅されて調書に署名させられた」、「言ってもいないことを調書に書かれた」と主張しても、取調べ状況を客観的に証明する手段に乏しいため、弁護人・検察官双方の主張が不毛な水掛け論に終始することが多く、裁判の長期化や冤罪の深刻な原因となっています。

最近でも、厚労省元局長事件、足利事件、布川事件など、裁判が長期化した事例や違法・不当な取調べによる冤罪事例が多く発生しています。

取調べの全過程を録画(可視化)すべきです

取調室の中で何が行われたのかについて、はっきりした分かりやすい証拠を用意することはきわめて簡単です。取調べの最初から最後まで (取調べの全過程)を録画(可視化)しておけばよいのです。そうすれば、被告人と捜査官の言い分が違っても、録画したものを再生すれば容易に適正な判定を下すことができるでしょう。

裁判員制度成功のためにも取調べの可視化が必要です

裁判員制度が2009年5月から行われています。取調べの可視化(取調べの全過程の録画)をしないまま、裁判員となった多くの市民が、これまでと同様の不毛な水掛け論に延々と付き合うことは不可能です。取調べの全過程の録画が認められれば、取調べの様子を事後に検証することが容易になり、裁判員も判断しやすくなります。

欧米諸国だけでなく、韓国、香港、台湾などでも導入されています

今日、イギリスやアメリカのかなりの州のほか、オーストラリア、韓国、香港、台湾などでも、取調べの録画や録音を義務付ける改革が既に行われています。

また、国連の国際人権(自由権)規約委員会は、日本における被疑者取調べ制度の問題点を特に指摘して、被疑者への取調べが厳格に監視され、電気的手段により記録されるよう勧告しています。

私たちは取調べの可視化を提言しています

私たちは、いまこそ、取調べの可視化を実現して、日本の刑事司法制度を文明国の名に恥じないものにすべきと考えます。

なお、以下に述べる検察庁や警察庁での一部録画の試行は、日弁連が求めている取調べの可視化(取調べの全過程の録画)とは、全く異なるものです。あくまで、全過程の録画が必要であり、重要なのです。

一部録画ではダメ?「全過程」の録画が必要です!

現在検察庁・警察庁が行っている一部録画は、取調官に都合のよい部分だけを録画するものであり、自白強要を防ぐことはできません。裁判官や裁判員の判断を誤らせるおそれがあり、かえって危険です。

取調べの可視化(取調べの全過程の録画)がぜひとも必要なのです。

取調の可視化(全過程の録画)の実現に向けた活動

意見書・会長声明等
これまでに日弁連がとりまとめた取調べの可視化に関する意見書、会長声明等を掲載しています。

総会決議、人権大会宣言・決議等
これまでに採択された日弁連の総会決議、人権大会宣言・決議のうち、取調べの可視化について触れられているものを掲載しています。

パンフレット、マニュアル、ツール等
これまでに作成したパンフレットや、「被疑者ノート」や「取調べの可視化申入書(モデル案)」等、役立つツールを掲載しています。

これまでに開催したイベント(シンポジウム、市民集会、研修等)
これまでに開催した取調べの可視化に関するシンポジウム、市民集会、研修等の情報を掲載しています。

各種調査
これまでに取調べの可視化に関して行った各種調査に関する情報を掲載しています。

ニュース
取調べの可視化実現本部は、年3回ニュースを発行しています。直近の活動は「取調べの可視化実現ニュース」をご参照ください。バックナンバーもご覧いただけます。



可視化置き去りで進む、司法取引の落とし穴
(東京新聞【こちら特報部】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014062602000175.html
 捜査協力の見返りに起訴を見送るといった「司法取引」制度が法制化される見通しとなった。法制審議会(法相の諮問機関)の特別部会で了承の意見が多数を占めた。しかし、罪を他人になすり付ける虚偽の供述によって、新たな冤罪(えんざい)を生む恐れもあるのが、司法取引だ。冤罪防止のための取り調べの録音・録画(可視化)を目指すために設置された特別部会だったはず。議論が違う方向に向かっていないか-。
(上田千秋、荒井六貴)

可視化置き去りで進む、司法取引の落とし穴

虚偽証言増える可能性

 司法取引は、外国の映画やテレビドラマなどではよく耳にするものの、日本ではなじみが薄い。どういった仕組みなのか。
 二十三日に開かれた特別部会で、法務省は三類型を示した。柱は「協議・合意制度」で、容疑者や被告が、共犯者や他人の犯罪を解明するために供述したり証拠を出したりすれば、検察官は起訴を見送ったり取り消したりできる。遺族や被害者の感情に配慮し、殺人事件などは除き、対象を汚職や詐欺、経済事件、薬物事件などに限定する方針だ。
 二つ目は、自分の犯罪に関して捜査機関が知らない事実を供述した場合の「刑の減軽制度」だ。自首の要件を広げたもので、検察官が求刑の際、裁判官は判決の際に考慮する。
 三つ目の「刑事免責制度」は、検察官が公判に出廷を求めた証人に適用する。法廷で証言する際、証人自身が罪に問われるような部分は証拠採用をしないと条件をつけることができる。
 刑事免責制度は、戦後最大の疑獄事件とされるロッキード事件の公判で注目を集めたことがある。罪に問われることを恐れた米企業の幹部に対し、検察官が不起訴を約束し、田中角栄元首相への贈賄工作を認めさせて調書を作成した。だが、最高裁は一九九五年、日本に刑事免責制度がないことを理由に証拠として認めなかった。法制化されれば、同様のケースでは証拠採用されることになる。
 それにしても、特別部会で議論を始めたきっかけは、大阪地検特捜部が二〇〇九年、厚生労働省の村木厚子雇用均等・児童家庭局長(現次官)を逮捕した冤罪事件だったはずだ。検察官による証拠の捏造が発覚し、再発防止策を考えることがそもそもの目的だった。それなのに、最大テーマの可視化に向けた動きは先細り気味で、通信傍受や司法取引など新たな捜査手法の導入ばかりが活発に議論されている。
 可視化の義務付けは試案では、刑事裁判全体の2~3%しかない裁判員裁判対象事件と検察の独自捜査事件にとどめている。これでは、冤罪が起きる危険性はなくならない。一方で、司法取引の導入を懸念する声は少なくない。罪を逃れようと、虚偽の供述をして共犯者や第三者に責任を負わせようとする容疑者らが出かねないからだ。
 日本弁護士連合会の刑事法制委員長を務める岩田研二郎弁護士は「他人に罪を押しつけるケースは出てくるだろう」と懸念を強める。例えば、業者から賄賂を受け取り逮捕された公務員が「上司の指示に従ったまで。上司も金をもらっている」と供述したとする。このストーリーに従い、捜査当局が無実の人を逮捕する-。荒唐無稽なようだが、無実の村木氏が逮捕されたのも、部下の職員がうその供述をしたからだ。
 岩田氏は「可視化か進まない一方で、電話やメールを傍受できる範囲を広げるなど歯止めが失われている。捜査機関側か焼け太りしていると言わざるを得ない」と訴える。

可視化置き去りで進む 新たな冤罪生む恐れ

新たな冤罪生む恐れ

罪押しつけ・無実の他人巻き込み

 ただ、特別部会の委員でもある村木氏は「密室でルールがないまま行われるより、ルール化し、録音、録画の環境の中でやったほうがよいのではないか」と、全ての取り調べの可視化と
セットでの導入を提案する。なぜかといえば、司法取引に似た捜査手法が現状でも取られているからだ。
 衷示地検特捜部が捜査した事件では、「十人を逮捕したら、二、三人を不起訴にするような割合だった」と元特捜検事の若狭勝弁護士は説明する。起訴をするかは検察官の裁量次第だ。起訴を見送ることを暗に示し、容疑者から供述を引き出すこともあったという。
 だから、「ルール化」というのが村木氏の趣旨だが、若狭氏は法制化によって必ずしも正しい方向に進むとは限らないとみる。「捜査機関が露骨に司法取引を持ち掛けられるようになれば、容疑者は今まで以上に、自分の立場を有利にするため取調官の期待に沿う供述をするようになりかねない」
 また、司法取引は捜査機関にとって良いことばかりでもないとも、若狭氏は指摘する。「虚偽の供述に引っ張られ、慢心して裏付け捜査を怠ることもあり得る。公判で、裁判官が『この供述は信用できない』と判断し、主犯として起訴した被告が無罪になる可能性もある」。つまり「もろ刃の剣」だ。
 日弁連刑事法制委員会の小笠原基也弁護士は、「司法取引は海外で幅広く導入されている」と推進側が喧伝(けんでん)することを疑問視する。特別部会で提示されたのは、欧米五力国の制度で、法務省刑事局の担当者は「主な諸外国では、三類型のうち一部は導入されている」と説明した。

「供述に頼りすぎるな」

 しかし、小笠原氏は「米国では取り調べに弁護士が立ち会えるだけでなく、容疑者は電話でも弁護士に相談できる。司法取引の導入ばかりで、取り調べられる人を守る仕組みの議論がない」と批判した。
 法務省はなぜ、司法取引導入に積極的なのか。反対する弁護士らが指摘するのが、独占禁止法で認められている課徴金減免制度(リーニエンシー)の成功だ。カルテルなどの違反行為を、公正取引委員会(公取委)に企業が自己申告する制度で、○六年に導入された。真っ先に申告した企業は刑事告発を免れ、課徴金は全額免除される。
 一三年度までに七百七十五件の申告があり、二百三十五件がリーニエンシーの適用を受けた。公取委の担当者は「リーニエンシーでカルテルが表に出るようになった。認めた企業が証拠も提出するので、関わった他の企業も否定しにくく調査の手間も減った」と話す。
 だが、独禁法に詳しい植村幸也弁護士は「リーニエンシーでも、最初に申告した企業の誇張した筋書きに、公取委が引きずられることもある」と指摘する。そうした危険性を踏まえ、「リーニエンシーは行政上の措置で、刑事事件とは異なる例外的な制度とみるべきだ。刑事事件は冤罪に巻き込む恐れがあり、デメリットが大きく、人権の問題になりかねない」と懸念する。
 「証拠捏造の疑いがある」として、三月に再審開始が決まった袴田事件弁護団団長の西嶋勝彦弁護士は「冤罪は、供述に頼りすぎて起きてきた。これまでの反省がない」と厳しい。「捜査側は客観証拠に基づいて立証することが大切なのに、供述を引き出すことばかりに、きゅうきゅうとしている。司法取引が法制化されると、新たな冤罪を生みかねない」

可視化置き去りで進む デスクメモ

集団的自衛権行使容認+新自由主義=経済的徴兵制への道・・原発事故被曝作業員への徴用も・・

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集団的自衛権に反対 焼身自殺未遂男性
「平和な日本好きだった」

(東京新聞【こちら特報部】ニュースの追跡)

 安倍政権が集団的自衛権の行使容認を閣議決定する直前、これに反対する一人の男性が東京都内で焼身自殺を図った。一命は取り留めたものの、重篤な状態が続いている。過去にも、抗議の最終手段として自死を選んだ人は少なくない。どう受け止めればいいのか。
(荒井六貴、榊原崇仁)
集団的自衛権に反対 焼身自殺未遂男性

NHK触れず 報道温度差 ネットは賛否

 自殺未遂を起こしたのは、さいたま市桜区の無職男性(六三)六月二十九日午後一時ごろ、JR新宿駅南口付近の歩道橋の鉄枠上部によじ登った男性は、用意した紙を見ながら拡声器で演説を始めた。
 目撃者によると、男性は「七十年間平和だった日本が本当に大好きでした。集団的自衛権で日本が駄目になってしまう」などと主張。歌人の与謝野晶子が日露戦争に従軍した弟を思ってつくった詩「君死にたまふことなかれ」の一部を朗読した後、ペットボトルに入れたガソリンのような液体をかぶり、ライターで火を付けた。駆けつけた消防隊に救出されたが、顔や手足にやけどを負う重傷。四日現在の情報では都内の病院に入院中だが、警察も事情が聴けない状態だ。
 新宿署などの調べでは、男性が政党や政治団体に所属していた形跡は確認できていない。一部テレビ局には、今回の件を予告するような文書を送っている。
 男性の自宅は、JR埼京線沿線の三階建てワンルームマンション。一人暮らしだったとみられ、駅などで集めた雑誌を売るなどして生活費の足しにしていたようだ。同じマンションに住
む男性(六七)は「あいさつしても、返してくれないぐらいの無口な人。毎日同じ時間帯に自転車で出かける生活だった。きちょうめんな印象を受けた」と話す。
 本紙をはじめ新聞各社は、今回の件を六月三十日付朝刊で報じているものの、ほとんどが社会面下段のぺ夕記事扱いだった。
 一方、NHKは全く伝えていない。広報局の担当者は本紙の取材に「個別の二ユース判断についてはお答
えしかねる」とコメントした。外交評論家の孫崎享氏は「安倍政権にこびを売っていると思われても仕方ない」と批判する。
 報道各社の自粛ぶりとは対照的だったのがネット上の反応だ。「その瞬間」の画像や動画がアップされたほか、「勇気ある行動」「狂気の沙汰」「涙が止まりません」「理解不能」と賛否の声が渦巻いた。
 日本でも自殺による抗議がなかったわけではない。一九六七年には「ベトナム戦争で米軍の爆撃を支持するのは非人間的」と訴える男性が官邸前で焼身自殺した。ネット上では、そうした過去のケースと重ね合わせて見る向きも多い。
 にもかかわらず、なぜ慎重な報道が目立つのか。歯止めの一つになっているのが世界保健機関(WHO)がまとめたメディア関係者向けの手引だ。センセーショナルに自殺を報道しない▽自殺を問題解決法であるかのように扱わない-などを求めている。法政大の水島宏明教授(ジャーナリズム論)は「命は何よりも大事。自殺の助長を防ぐ観点は決して忘れてはならない」と指摘する。
 ただし、CNNやAFP通信、ロイターなど海外メディアはこぞって大々的に報道した。上智大の田島泰彦教授(メディア法)は「今の日本の政治にとって最も重要な政治的問題が集団的自衛権。海外メディアはその点を踏まえ、通り一遍の対応に終始しなかったのだろう」とみる。日本のメディアには「自らの命を絶つという究極の方法を選んでまでなぜ抗議しなけれぱならなかったか。その点を丁寧に掘り起こす必要がある」と注文した。




憲法解釈で徴兵制は可能?
20140710モ―ニングバ―ド!そもそも総研たまペディア

http://youtu.be/OUpLg8-J7Ho


星月夜☆さんのブログ

そもそも総研☆
「本当に徴兵制はないのか?」

春と修羅☆
http://ameblo.jp/hoshitukiyoru7/entry-11891813465.html
より

そもそも総研今日は「集団的自衛権の先に本当に徴兵制はないのか?

ツイッターからまとめました。
「安倍総理がオーストラリアで集団的自衛権行使を自慢しながら潜水艦の技術など軍事機密の贈呈式をやり!小野寺五典が米国で強襲揚陸艦を買いたいと有頂天になり!石破茂が滋賀県を防衛拠点にすると叫ぶ・・軍事一色じゃないか」 

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防衛官僚の小池加茂市長は「集団的自衛権で自衛隊に入る人はいなくなる

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当然この報道を妄想という人たちや集団的自衛権に賛成した人達が率先して志願兵となり、徴兵制を回避してくれるでしょう。徴兵制の歯止めは憲法18条憲法解釈変更で徴兵制も可能になるのではないか?この「苦役」の解釈がまたまた変えられるのではないか?

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元内閣法制教区朝刊阪田氏「憲法18条に、いかなる拘束も強制されないとある。現行では徴兵制はできない。しかし、憲法9条を憲法解釈で無効と出来るなら、18条を憲法解釈で変えるのはもっとたやすい」

船田元さんインタビュー「集団的自衛権行使容認で徴兵制はあり得ますか」の問いには「憲法18条に違反するのであり得ない」と。

玉川「しかし憲法の9条の解釈を変えると言ってるのだから、18条の解釈を変える可能性は?」「それはあり得る。」と。

「憲法9条のどこに集団的自衛権はダメだと書いてあるんですか!」とドヤ顔で言っていた石破茂だから
石破幹事長は「国際紛争ではアメリカの若者が血を流しているのに、日本の若者は血を流さなくていいのか」と発言
そもそも総研(7月10日)石破氏は2002年5月に「国を守ることが意に反した奴隷的な苦役だというような国は、私は国家の名に値しない…徴兵制が憲法違反であるということには、私は意に反した奴隷的な苦役だとは思いませんので、そのような議論には賛成しかねると思っております」と発言。

自衛隊の慰霊祭「奥さんが小さい子どもの手を引いて献花する。その光景がたまらないですよ。こんなことが日常茶飯事になるんですよ 」。元防衛官僚・小池清彦加茂市長

埋め込み画像への固定リンク



以上

星月夜☆さん、ありがとうございましたm(_ _)m




7月4日(金)放送分「集団的自衛権閣議決定~イラクで何があったのか」

http://youtu.be/uDJMi3W77oo
今月1日、集団的自衛権の行使容認が閣議決定されました。
日本の安全保障政策の大きな転換です。
きょうは、イラク支援ボランティアの高遠菜穂子さんが電話出演します。高遠さんは、10年前、イラクのファルージャで武装集団に拘束されました。
彼らの要求は、「サマワに駐留する自衛隊の撤退」でした。
当時、自衛隊は「人道復興支援」のために駐留していましたが、自衛隊の派遣により、イラク人の日本を見る目は、大きく変わったといいます。
高遠さんは、今もイラクに通い続け、病院の支援などを続けています。
アメリカの武力攻撃から11年、イラクは宗派対立が激化し、混迷の度合いを深めています。
高遠さんから、集団的自衛権の行使、自衛隊の海外派遣は、どう見えるのでしょうか。じっくりお話を聞きます。















ルポ 貧困大国アメリカ
堤 未果

https://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn0801/sin_k395.html
ルポ  貧困大国アメリカ
教育、医療、防災、そして戦争まで……
 極端な「民営化」の果てにあるものは?


 高い乳児死亡率。一日一食食べるのがやっとの育ち盛りの子どもたち。無保険状態で病気や怪我の恐怖に脅える労働者たち、選択肢を奪われ戦場へと駆り立てられていく若者たち―尋常ならざるペースで進む社会の二極化の足元でいったい何が起きているのか? 人々の苦難の上で暴利をむさぼるグローバル・ビジネスの実相とはいかなるものか。追いやられる側の人々の肉声を通して、その現状に迫る。


[書籍紹介]生存権を奪うことで、若者を軍と戦争へと供給する「経済的徴兵制」を見事に描写
『ルポ 貧困大国アメリカ』

(アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局)
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/notice/book-hinkontaikoku.htm
「もはや徴兵制など必要ないのです」「政府は格差を拡大する政策を次々に打ち出すだけでいいのです。経済的に追いつめられた国民は、黙っていてもイデオロギーのためではなく生活苦から戦争に行ってくれますから。ある者は兵士として、またある者は戦争請負会社の派遣社員として、巨大な利益を生み出す戦争ビジネスを支えてくれるのです。大企業は潤い、政府の中枢にいる人間たちをその資金力でバックアップする。これは国境を超えた巨大なゲームなのです」(「世界個人情報機関」のスタッフ)

 本書は、マスコミでは報道されないアメリカの貧困の実態と、それをもたらし加速させる新自由主義政策を多くの実例で告発している。そのひとつひとつが驚きである。
--日本では低所得者向け貸し付けなどと訳されるサブプライム問題であるが、そのターゲットは、「過去5年以内に破産宣告を受けている」「返済額がなど収入の50%を超えている」などおよそ新たなローンを組むことなどできそうもない底辺の人々である。彼らは、ほんのつかの間マイホームの夢を見せられ、やがては借金地獄につき落とされ、捨てられる。
--アメリカでは、「自己破産」「多重債務」「不法移民」など様々なブラックリストが出回り、社会的弱者を顧客とする「貧困ビジネス」が増殖している。究極の「貧困ビジネス」は戦争である。
--貧困家庭でフードスタンプや無料給食プログラムに登録する子どもたちは、マカロニにチーズがべっとりと乗っただけのチーズ-マカロニというジャンクフードやマクドナルド、ピザハットなどを毎日毎日食べさせられ、深刻な肥満状態にある。肥満は裕福ではなく貧困の象徴である。
--「一度の病気で貧困層に転落する人々」。急性虫垂炎で入院したために破産宣告された男性が登場する。個人破産年間204万件(2005年)の内、理由の半数以上が高額の医療費だという。これも、ニューヨークでの盲腸手術の入院費用が平均243万円と聞けば納得がいく。
等々。
 重大なのは、これらが別々に存在するのではなく互いに深く絡み合いイラク戦争への兵士調達のメカニズムとして機能しているということである。特に後半では、弱者が食い物にされ人間らしく生きる生存権を奪われたあげく、最後のよりどころとして軍と戦争へと供給されていくシステムが見事に描かれている。以下これを中心に報告したい。

貧しい若者を軍隊に動員する「経済的徴兵制」

 1972年に徴兵制が廃止されたアメリカで、イラク戦争で若者を軍隊に動員する(志願させる)ために「貧困」が利用されている。
 2007年、ブッシュ政権が打ち出した教育改革法(「落ちこぼれゼロ法案」といわれる)の中に、全米のすべての高校に生徒の個人情報を軍のリクルータに提出することを義務付ける一項がある。拒否すれば補助金がカットされる。貧しい地域の高校は、補助金を受けるために提出せざるを得ない。軍のリクルータは、そのリストで入隊を勧誘する。入隊する若者の入隊動機の1位は大学の学費の軍による肩代わりだ。貧困から抜け出すために大学にいく。その限られた選択肢としての入隊。本人が18歳未満の場合、学費免除が親の了解を得る手段としてつかわれる。だが、学費を受け取るには1200ドルもの前金が義務づけられるなどの法外な取り決めがあり、実際に除隊後に大学を卒業できるのはわずか15%に過ぎないという。
 入隊動機の2位はなんと医療保険だ。入隊すれば家族も兵士用の病院で無料で治療が受けられるというものだ。貧しい地区の高校生は、家族も含めて無保険の家庭が多い。2005年、ブッシュ政権が「低所得家庭児童向け医療保険基金」予算を大幅にカットしたことで、この傾向はますます強まる。だが、ブッシュは帰還兵のケア予算を削減し軍病院を次々に閉鎖していることから、どれだけ「恩恵」に預かれるのかも疑わしい。
 「教育」と「医療」という、人が人らしく生きていくために不可欠な条件が奪われ、弱者切り捨ての政策によって拡大された格差と貧困によって多くの子供たちが生存権をおびやかされた結果、やむなく戦地に行く道を選ばされているのである。
 さらに兵士の調達のために、不法移民の若者に触手を伸ばしている。2007年にできた「夢の法律2007」。これまでは入隊と引き換えに市民権を得る手続きを始められるのは合法移民に限られていたが、不法移民もできるように法改正されたのだ。これは移民対策強化法案とセットで出された。強制送還されたくなかったら軍の庇護に入るしかないという究極の選択を迫られるのだ。不法移民の若者は軍にとって「宝の山」なのである。
 高校生だけでなく「学資ローン」や「多重債務」に苦しむ短大生、大学生、大学院生もターゲットにしている。クレジットカードが発達したアメリカでは、学費だけでなく文房具や教科書代などもカードで払い、借金漬けになる学生が多くいるという。彼らは卒業と共に滞納者リストに名前が載せられ、就職もままならない。ここでも奨学金予算の大幅カットと軍の「学資ローン返済免除プログラム」が一体となって機能する。学費の一部肩代わりという誘惑に負け、在学中から軍入隊を選択させられてしまうのだ。
 イラク前線に送られる新兵の年収は15,500ドルにすぎず、生命の危険だけでなく、除隊後の身体的、精神的障害に苦しむことになる。生活は改善されず、薬物依存症に陥る者、ホームレスになる者も少なくない。「アメリカ帰還兵ホームレスセンター」によると2007年現在、全米350万人のホームレスのうち3分の1が帰還兵だという。

戦争の民営化で世界中の貧困層をかき集め、派遣会社はぼろもうけ

 さらに、世界中のワーキングプアが支える「民営化された戦争」の実態も壮絶である。高卒のトラック運転手のマイケルはある日突然携帯電話がかかり、年収6万5000ドル(715万)の仕事を保証するといわれる。多重債務者のブラックリストを使っての派遣会社への登録の勧誘だ。なんと職場はイラク。説明会では、化学兵器や放射能物質などで死亡した場合は、遺体の本国送還はせず、現地で火葬との説明をうける。派遣登録した会社はKBR社だ。マイケルは1年間、毎日40℃の炎天下で武器をトラックで輸送する過酷で危険な仕事についた。米兵たちは基地内のペットボトルの水を飲むのに対しマイケルたち派遣労働者は現地の水を飲むよう会社が指示。米軍が使用する劣化ウラン弾の影響で放射能に汚染されている水である可能性が高い。マイケルは10ケ月を過ぎるころ肺に痛みを感じる。だが現地で火葬されてはかなわないと何とか持ちこたえて帰国。約束された年収は支払われたが、ほとんど帰国後の医療費に消えた。白血病の診断。派遣で稼いだ金はあっという間に底をつき、結局家族はイラクへ行く前よりもひどい貧困状態に陥る。現在マイケルはほとんど寝たきり、妻は昼間だけでなく夜もはたらき、トレーラーに引っ越し、政府発行のフードスタンプで食いつないでいるのである。
 ガルフケータリング社(クエートの大手派遣会社)のフィリピンでの求人に応じた、パブロの場合はこうだ。3000ドルの仲介料をはらってクウェートで月収4000ペソ(約1万円)の仕事。実際はイラクでの米軍支援作業。炎天下で週7日働いても残業代ゼロ。夜は他国から来た人とトレーラーに押し込まれる。そこにはフィリピン、中国、バングラディシュ、インド、ネパール、シエラ・レオネ…など最貧国から少しでも高い賃金を求めてきているのである。食事時間は40℃近い炎天下、米軍の残飯を貰う列にならぶ。戦闘地域での仕事にも武器は供給されない。軍事訓練も受けていなければ、危険性すら知らされていない。米兵と同等に「武装勢力」の標的になる。米兵は武器を持たず戦闘地域に入ると軍法会議にかけられるが、派遣社員の場合、武器なしで戦闘地帯に派遣しても派遣会社は法的責任を問われない。武装勢力の攻撃を受け同僚が次々と死んでゆく。昼間は灼熱の炎天下、夜は零度以下で暖房のないトレーラーやテントで寝かされる。派遣員は何人も衰弱死する。彼らの死はニュースになることさえない。派遣社員は民間人なので戦死者には入らない。政府に公表の義務はない。
 派遣されている労働者の中には2005年のハリケーン・カトリーナの被災者もいるという。2006年に被災者への生活保障をカットしてから急増した。多くはワーキングプアや学歴や保険もあるのに突然の失業や入院で一気に貧困層に転落した中流階級の人たちなのである。
 ハリバートン社は2005年の時点で4万8000人をイラクに派遣しており、うち35%は第3国からの出稼労働者だという。ブラックウォータ社は、米国防総省の最強のボディガードとして名を広め、ついに常時出動態勢にある20機の飛行機と兵士2万人を擁する世界最大の民間軍事基地を備えた会社に成長した。
 戦争の民営化が極限まで進んでいる。基地建設、兵士たちの食事・健康管理ばかりか兵士そのものが傭兵会社に発注されている。スパイ活動(予算の7割が外注)や拷問までもが委託されている。責任の所在があいまになり国家は責任を取ろうしない。戦争請負業界では、イラクはゴールドラッシュとよばれている。

生存権を取り戻すまで声を上げ続ける それが戦争のない社会につながる

 米国民ひとりひとりに個人情報入り磁気カードの所持を義務づける「国民身分証法」が2008年から施行されるという。究極の国民管理・監視に突き進もうとしている。
 個人情報を握る国家と民営化された戦争ビジネスの間で人間は情報として売り買いされ、安い労働力として消費される商品になる。戦死しても名前も出ず数字にもならない。この顔のない人間たちの仕入れ先は社会保障や教育切り捨てにより拡大した貧困層と2極化した社会の下層部だ。地球規模で格差化-貧困が拡大すればするほど戦争ビジネスは活性化する。
 「世界個人情報機関」のスタッフ、パメラは言う。「もはや徴兵制などいらないのです。政府は格差を拡大する政策を次々と打ち出すだけでいい。経済的追い詰められた国民は、イデオロギーのためでなく、生活苦のために黙っていても戦争にいってくれますから。ある者は兵士としてある者は戦争請負会社の派遣社員として巨大な利益を生み出す戦争ビジネスを支えているのです。」
 州兵に登録しイラク戦争に参加した日本人の若者が登場する。彼もまた、学費が出るし実際に戦争に行くことはないだろうと応募した。彼は、イラクでの戦争体験を語った後、9条を持つ国の国民として戦争に参加した事を問われ、なぜ責められなければなければならないのか、と言い返す。「アメリカ社会が僕から奪ったのは25条です。人間らしく生き延びる生存権を失った時、9条の精神より目の前のパンに手が伸びるのは当たり前。狂っているのはそんな風に追い詰める社会の仕組みの方です。」
 この本は、新自由主義政策と侵略戦争への加担でアメリカの後を追う日本に対する警告である。筆者は、生存権という人間にとって基本的な権利を取り戻すことが戦争のない社会につながるとして、憲法9条を守る闘いを一歩前へすすめるため、25条をまもる闘いを結びつけることを強く主張する。



[Column] Why Fukushima Diary reports Japanese political situation that has drifted to the right
(コラム ”Fukushima Diary”が右傾化した日本の政治情勢をなぜ伝えるのか)

(Fukushima-Diary)
http://fukushima-diary.com/2012/12/column-why-fukushima-diary-reports-japanese-political-situation-that-has-drifted-to-the-right/
より

Among Japanese people who have been worried about radiation, the biggest concern is conscription at the time.
This may sound difficult to understand for non-Japanese nationality holders, but this is the most important issue for Japanese people.
(最近の放射能を心配している日本人の間で一番の心配事は徴兵制である。
これは、日本国籍を持っていない者には理解が難しいと聞こえるかもしれないが、しかし、これは日本の人々にとって最も重要な課題である。)

For 12,000 workers Tepco planned to collect, only 4,000 workers came to work in 2012. The shortage of nuclear worker is serious. When the government restarts other nuclear plants, it will be even more serious.
(東京電力は1万2千人の労働者を集めようと計画を立てたが、2012年の時点でたった四千人の労働者しか収束作業していない。被曝労働者の不足が深刻である。政府が他の原子力発電所を再稼働させると、それはさらに深刻になります。)



Conscription is the potential system to make Japanese citizen go to Fukushima mandatorily.
(徴兵制は日本国民が強制的に福島に行くようになる可能性がある仕組みである。 )



・・・.Now conscription is becoming the biggest risk for people because it may even shut down the way of people evacuating. This is why Fukushima Diary is reporting the political situation including the dispute with neighboring countries that could be an excuse of the government to amend the constitution.
(今や徴兵制が避難者をいっそう追い込む大きな懸念材料となりつつある。近隣諸国との紛争などを利用して、それを口実に政府が憲法改悪を進めるかも知れない - そのために、”Fukushima Diary”が政治情勢を報告しているのです。)








原発徴兵


とてつもなく貧しい人々が過酷な被曝労働に追いやられていく
隠された被曝労働
Documentary "Nuclear Ginza" - Part 1

http://youtu.be/CNq0qyQJ5xs

Documentary "Nuclear Ginza" - Part 2

http://youtu.be/t7okfjwy4Vw


安倍晋三がやろうとしているのは、まさにこれ。


貧困と戦争は仲がいい 雨宮処凛
新聞を読んで 東京新聞2014年7月5日
貧困と戦争は仲がいい 雨宮処凛

 七月一日、官邸前に駆けつけた。「憲法を壊すな!」「日本を戦争できる国にするな!」。閣議決定直前の夕刻、二万人を超える人が声をからしていた。しかし、人々の悲鳴のような願いはこの日、無残に踏みにじられた。
 与党協議が続いていた六月半ば、私は沖縄を訪れた。住民の四人に一人が命を奪われた沖縄戦の爪痕を巡る旅の中、何度も同じ言葉を聞いた。「軍隊は住民を守らない」。集団的自衛権行使が容認されたら、また沖縄が危険にさらされるのでは…。多くの人から、不安の声が漏れた。
 沖縄から戻ってきて読んだサイパン集団自決の記事(6月15日)、そして組織的戦闘が終結した23日の沖縄戦の記事は、これまでにない重みと痛みをもって迫ってきた。六月末には私の故郷である北海道に行ってきた。「自衛隊員」との距離が近い北海道では、やはり多くの人が集団的自衛権行使への不安を口にした。「真っ先に危険な目に遭わされるのは、北海道の自衛隊ではないのか?」。そんな言葉を繰り返し聞いた。イラクに派遣された経験を持つ陸自隊員が多い北海道には、東京とは比較にならない危機感が漂っていた。
 そんな北海道である記事を思い出した。6月15日の「こちら特報部」。自衛隊員に対して「取材に発言慎め」という文書が出回っているという記事だ。当事者の囗をふさぐことで、見えなくされる多くのもの。特定秘密保護法施行後のこの国を思い、暗たんたる気持ちが襲ってきた。
 集団的自衛権だけでなく、この一ヵ月は怒濤のような毎日だった。議会では女性蔑視やじが世間の大ひん心ゆくを買い、「法人減税」や「残業代ゼロ」などを盛り込んだ新成長戦略が閣議決定された。七月一日からは「改正生活保護法」も施行。「保護を受けづらくなる」ことが懸念される改正法施行を前にして、24日の「記者の眼」、29日の「こちら特報部」での詳しい解説はありがたかった。
 集団的自衛権行使容認も、生活保護という最後のセーフティーネットの切り崩しも、どちらも命を踏みにじる行為である。そして戦争とは、究極の「貧困ビジネス」である。戦場の最前線に駆り出される金持ちや権力者などいない。戦争は、大量の貧しい人々を必要とする。はからずも本紙では、「非正規と戦争」(2日「殺し殺される情景」竹田茂夫)、「貧困層の傭兵化」(1日「こちら特報部」)についても論じられている。いつの時代も、貧困と戦争は仲がいい。
 「明日戦争がはじまる」。2日の「筆洗」に掲載された詩が、不気味に現実味を帯びてくる。「命を大切にしない政権」に対して、さらに声を上げなくては。新聞を読んでその思いを一層強くした。
 (作家・活動家)





集団的自衛権の閣議決定 地元紙は批判が圧倒
(東京新聞【こちら特報部】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014070802000135.html
 安倍政権が閣議決定した解釈改憲による集団的自衛権の行使容認について、全国紙だけを読めば、賛否が互角のように見える。だが、全国を見渡せば、反対の論陣を張り、痛烈な批判を展開している地元紙がほとんどだ。読者と近い地元紙の姿勢は、国民世論を反映した結果と言えそうだ。
(林啓太、篠ケ瀬祐司)

集団的自衛権の閣議決定 地元紙は批判が圧倒

 「地方は黙してはならない」
 新潟日報は、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定をした1日付朝刊の1面で、佐藤明編集局長の署名記事を掲載した。安倍晋三首相や自民党に、地方への説明などの動きが見えないことへの異議申し立てだ。
 全国の地方会議で解釈改憲に対し、反対や慎重な議論を求める意見書が次々と可決されている。これに、自民党の高村正彦副総裁が、「地方議会も日本人であれば慎重に勉強してほしい」と発言した。佐藤局長は、「慎重に勉強しようにも、時間も与えず決めようとしているのは誰か」「『外交や防衛に地方は口を出さなくていい』ということなのだろうか」と強く反発している。
 米軍基地を抱える沖縄の琉球新報は、2日付で「日本が『悪魔の島』に」と題した社説を掲げた。
 ベトナム戦争当時、米軍の爆撃機は沖縄から飛び立ち、沖縄はベトナムの人々から「悪魔の島」と呼ばれた。当時、日本は憲法の歯止めがあったから参戦せずに済んだが、今後は日本中が「悪魔の島」になるとする。「他国からすれば無数の米軍基地が集中する沖縄は標的の一番手だろう。米軍基地が集中する危険性は、これで飛躍的に高まった」
 東北6県で発行する河北新報(仙台市)は1日付で、鈴木素雄編集局長の「民権無視の横紙破り」と題した署名記事を掲載した。
 東京・五日市町(現あきる野市)の土蔵で見つかった明治時代の憲法私案「五日市法」は、元仙台藩士の千葉卓三郎が起草した。五日市憲法は、現憲法の人権規定に通じる先見性などが高く評価されている。そこに、憲法の改正には特別会議の招集や両議院の3分の2の議決を要するとの規定がある。「首相は解釈という『主観』を潜り込ませることによって、選手兼審判の座を射止めようとしているように見える。千葉が想定だにしていなかった禁じ手というほかない」と断じた。
 北海道新聞は、3日付社説で、「安倍政権は『違憲状態』と言わざるを得ない」と厳しく批判した。首相が、憲法65条の「行政権は、内閣に属する」との条文を根拠に、憲法解釈について「(行政府が)適性に解釈していくことは当然だ」と述べたことについて、「憲法99条にある閣僚らの憲法尊重擁護義務を果たすことが前提だ」「首相は(内閣)法制局の意見を聞き入れるどころか『最高責任者は私だ』と一蹴した」と指摘。「憲法尊重擁護のシステムを破壊するもので、法治主義への挑戦と言える」と指弾した。

集団的自衛権の閣議決定 地元紙は国民の声を反映

 地域の実情に触れつつ解釈改憲への批判を掲げる地元紙もある。
 九州全県で発行する西日本新聞(福岡市)も、安武秀明東京支社編集長の署名記事(2日付)で、「沖縄や佐世保には米軍基地が存在し、各地の自衛隊は着実に増強されている。まさに国防の最前線だ」と指摘。
 「万一の場合、戦場で殺し殺される自衛隊員は九州に住む私たちの家族や身近な人たちかもしれない。それは決して絵空事ではない。今回の閣議決定は、そうした覚悟を強いてもいる」とした。
 被爆地の広島に本社がある中国新聞は社説(2日付)で「被爆地からもっと声を上げたい」と訴えた。「最も心配するのは、集団的自衛権の行使が抑止力になるという安倍首相の姿勢そのものだ。いくら非核三原則を堅持し、核兵器廃絶の先頭に立つと
強弁したところで、米国の核抑止力に自国の安全保障を頼る姿勢は何ら変わっていない」
 徳島新聞は社説(2日付)で、今は亡き地元選出の政治家に思いを巡らせた。「戦争の恐ろしさを知っていた本県選出の三木武夫元首相や後藤田正晴副総理が生きていたら、(憲法解釈の変更を)認めなかったのではないか」
 高知新聞は、遠山仁論説委員長の署名記事(2日付)で「憲法はいうまでもなく国の最高法規であり、国務大臣や政治家らに順守義務を課している。その憲法に対し、安倍政権ほど不誠実にみえる政権は戦後あっただろうか」。神戸新聞も社説(2日付)で「歴史の重大な岐路となる問題を、政府、与党は国会で十分に審議せず、主権者の国民に問い掛ける努力もおろそかにしたまま、密室協議中心で事を運んだ。このような暴挙を許すわけにはいかない」と訴えた。
 地元紙は、それぞれの地域で高い普及率を誇る。新聞、雑誌などの販売部数を調べる社団法人「日本ABC協会」によれば、47都道府県のうち、首都圏や関西圏などを除く37道府県で地元紙が販売部数、普及率のトップを占める。
 「こちら特報部」が、全国の主な地元紙の社説を調べたところ、42紙中、39紙が集団的自衛権の行使容認に反対だった。
 閣議決定に賛成の読売、産経両紙を合わせた発行部数と、批判的な朝日、毎日両紙を合わせた部数はともに計約1100万部。全国紙だけを見れば賛否は互角のように見えても、東京新聞(中日新聞)など地元紙を含めれば、反対・慎重の論調が優勢と言える。
 専修大の藤森研教授(ジャーナリズム論)は、国民との距離の違いを指摘する。「全国紙の記者は当局の話を聞く時間が長く、いつの間にか官僚的な物の見方になってしまいがちだ。一方、地元紙の記者は相対的に読者に近いため、全体状況を客観的に見やすいのではないか」
 共同通信社が1、2両日に行った緊急電話世論調査では、憲法解釈変更の閣議決定による集団的自衛権の行使容認に、54.4%が「反対」と答えている。「海外で武力行使をしないとの国是を一内閣の閣議決定で変えるやり方や、解釈改憲で憲法9条の中身を変えることに、国民はいかがなものかと思っている。地元紙はその声を反映している」とみる。藤森氏が憲法記念日前後の各紙社説を調べたところ、「護憲論」「護憲的論憲論」は2005年の約8割から、今年は約9割に増えた。
 中部大の水野雅夫教授(メディア論)が焦点を当てるのは地元紙の成り立ちだ。「国会開設や憲法制定を求めた自由民権運動や政党新聞に起源を持つ新聞が多い。伝統的に自由を重んじ、反権力の姿勢をとっている。特に今回は憲法にかかわることだったため、より敏感に反応したのではないか」

主な地元紙の社説・論説の見出

集団的自衛権の閣議決定 デスクメモ


小出裕章先生:原発事故収束 今どうにもならないところまで追い込まれている

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もうひとつの北朝鮮問題~在日帰国者と日本人妻にも光を(ラジオフォーラム#79)

http://youtu.be/0mtEfxZl94g?t=15m24s
15分24秒~第79回小出裕章ジャーナル
早くも行き詰まった凍土壁問題 「これまでやってきた技術の枠組みをはるかに超えているわけです」

http://www.rafjp.org/koidejournal/no79/
石丸次郎:
さて、今日は凍土壁の問題について考えてみたいと思うんですが、小出さんは、この凍土壁についてはあちこちでずっと意見を述べてこられました。

福島第一原発の汚染水を止める為に、1号機から4号機までの4つの建屋を囲むように1.5キロに渡って凍土壁を作ろう、1550本の配管を地下30メートルにまで打ち込んで、そこを冷却材で循環させて氷の壁を作って、この汚染水を食い止めようと、そういう計画でありました。
凍土壁
建設費がなんと国から研究開発、つまり税金ですね。320億円が国の負担で出されるということになっておりましたが、早速ちょっと問題が起こってるようですね。まず、凍らないという。こういう問題が起こっておりますが、この辺についてまずちょっとご解説頂けますでしょうか。

小出さん:
はい。凍土壁という、この技術ですけれども、もともとはトンネル工事とかで地下水が出てきた時に、ある部分的な場所を凍らせて工事を先に進めるというために使われてきた技術です。
地盤凍結工法
しかし、今、石丸さんがきちっとおっしゃって下さいましたけれども、今回の場合には1.5キロというようなものすごい長さに渡って、そして深さも30メートルという所まで全部を凍らせなければいけないという、そういう事になっているわけです。

これまでやってきた技術の枠組みをはるかに超えているわけですし、たぶん様々な問題が出てくるだろうし、場合によっては出来ないだろうし。仮に出来たとしても、長期間持たせることは出来ないと私は思ってきましたし、そう発言もしてきました。まさにその通りのことが今起きているということだと思います。

「凍土壁」早くも黄信号

石丸:
なるほど。この凍土壁というアイディアですね。これ自体は当初出てきた時はどう思われましたか?

小出さん:
私自身は2011年5月、つまり事故が起きて2カ月後に地下に遮水壁と私は呼びましたけれども、地下水との接触を断つような壁を作らなければいけないと発言をしたのです。

http://youtu.be/kxDG4mjmEN8

どうしても必要だと私は思ったので、その時に発言をしたのですけれども。でも、その私がイメージしたのは、鉄とコンクリートで壁を作るという、そういうイメージでした。
遮水壁
ただ、それを作ろうとすると1000億円のお金がかかってしまう。そして、6月に東京電力の株主総会があったわけですが。

石丸:
株主総会直前だったわけですね。

※遮水壁の建設、2年前に見送る 東電、経営破綻を懸念(朝日新聞)
http://www.asahi.com/politics/update/0918/TKY201309170778.html

小出さん:
そうです。その株主総会を乗り越えることができないということで、結局は実現しなかったというものなのです。

以来、3年ぐらい経ってですね、ようやくに凍土壁という物を造るというようなことになって、6月の初めから工事が始まっている訳ですけれども。私はもうあまりにも遅すぎたと思います。

そして、本当であれば、先程も聞いて頂いたように、凍土壁はできないかもしれないし、できても長持ちはしないので、やはり、しっかりとしたコンクリートの壁を作る以外にないだろうと思います。

ただし、コンクリートの壁を作ろうとすると、かなり長期間の時間がかかってしまいますので、凍土壁であれば簡単にできるというのであれば、やってみる価値はあると私は思っていました。ただし、やはり難しいだろうなと危惧をしていたのですが、そうなってしまいました。

小出裕章ジャーナル

石丸:
今現状で、これは黄信号が灯り、そして、規制委員会の方でも「これ大丈夫なのか」と、「ダメなんじゃないか」という意見が出ているようですけれども、今後の展開というのはどういう風なことが予測されますでしょうか?

小出さん:
はい。福島の事故というのは、人類が初めて遭遇している事故なのであって、たくさんのアイディアを集めながら一歩一歩やってみるしかないだろうと私は思います。  そのためには私自身もいくつもの提案をしてきまして、これまでは溶け落ちてしまった炉心をこれ以上溶かすことは、はやりダメだということで、ひたすら水を入れてきたわけです。

それが汚染水となってどんどん溢れてくるということは当たり前のことですし、3年間それを続けてきて、今どうにもならないところまで追い込まれているわけです


石丸:
どうにもならない。

小出さん:
はい。私は、まずはもう水を入れるということを止めるべきだという発言をもう既に1年近く前から発言をしていますし、水での冷却ではなくて、別の冷却方法に早急に切り替えるべきだと思います

そして、今回の凍土壁の問題とも絡んでいるのですけれども、原子炉建屋の地下、タービン建屋の地下、そしてトレンチという地下のトンネルに溜まっている水をまずは早急に抜き出すべきだと私は思いますので、それも大変難しい作業なのですが、そちらも並行してやるということが必要だと思います
福島原発汚染水の現状の図

更にですけれども、今、汚染水、地下水として流れてきている水が汚染水と混ざり合っているのですけれども、その地下水として流れてくる水のたぶん大部分は、敷地に降っている雨だと思いますので、その雨を遮断する

つまり、その敷地全体を舗装するとかですね。場合によっては、私は敷地全体に屋根を造るということでもいいと思いますけれども、雨の流入を防ぐということはかなり効果があると思いますし、様々な方策を組み合わせながら、この問題を乗り越えるしかないだろうと思います。

石丸:
はい。この凍土壁の工事にせよ、あるいは鉄とコンクリートで根本的なもっと頑丈な遮断壁を造るにせよ、これは、でも現場での作業が必要になりますから、作業員の被ばくが本当に心配ですよね。

小出さん:
そうなんです。石丸さんが今おっしゃってくれた通りであって、福島第一原子力発電所の敷地の中は、もう放射能の沼のような状態になっているわけで
放射能の沼

※小出裕章先生:原発や放射能の真実を知らないばかりに不幸になっていく人をもう見たくありません。
http://ameblo.jp/m08068469/entry-11636880888.html

石丸:
放射能の沼ですか?

小出さん:
はい。という訳で、どんな作業をしても被ばくをしなければいけないということになっている訳です。ですから、「ちゃんとした作業をしろ」「ちゃんと対策を取れ」と要求すればするだけ、労働者の被ばくが増えてしまうことになりますし、その労働者というのは、東京電力の社員ではなくて、下請け、孫請け、そのまた下請け、孫請けというような、本当に社会的な底辺で苦しんでいる労働者達がまた被ばくをさせられてしまうということになるわけです。私としては大変苦しい状態にあります
福島原発での定期検査での下請けの構造

石丸:
はい。本当にもどかしい。誰かが犠牲にならないと、この汚染水の問題も前進させられないという、そういう状況にあるということですね。

小出さん:
そうです。

石丸:
小出さん、どうも今日はありがとうございました。

小出さん:
はい。ありがとうございました。


小出裕章:高濃度汚染水漏れについて:遮水壁=地下ダム

http://dai.ly/x12jom7
何か皆さん今になって汚染水問題ということが起きてきた、あるいは大変だと思われてるようなのですけれども、私からみると何を今更言ってるんだろうと思います。
事故が起きたのはもう既に二年数か月前の2011年3月11日だったのです。
それ以降汚染水というのは敷地の中に大量に溜まってきまして3月中にもう既に福島第一原子力発電所の敷地の中に10万トンの汚染水が溜まっていました。
コンクリートというのは元々割れるものです。
割れのないコンクリート構造物なんていうものはありません。
おまけにあの時には巨大な地震でそこら中が破壊されたわけで原子炉建屋、タービン建屋、トレンチ、ピット、立て抗にしてもコンクリートにそこら中にひび割れが生じていたのです。
ほとんど目に見えない建屋の地下であるとか、トレンチ、ピット、要するに地面の所に埋まってるわけですから見えない所でそこら中で割れて、そこら中から漏れている。
当時もそうだし、二年経った今だって必ずそうなのです。

私はとにかくコンクリートの構造物から漏れない構造物に移すしかないと考えました。
私が思いついたのは巨大タンカーでした。
10万トン収納できるようなタンカーというのはあるわけですから10万トンタンカーを福島の沖まで連れて来て福島の敷地の中にある汚染水をとにかく巨大タンカーに移すという提案をしました。
でもまたそれも次々とコンクリートの構造物に汚染水が溜まってくるわけですから何とかしなければいけないと思いまして私はその巨大タンカーを東京電力柏崎刈羽原子力発電所まで走らせる
柏崎刈羽原子力発電所というのは世界最大の原子力発電所でそれなりの廃液処理装置もあります。
宝の持ち腐れになっていたわけで柏崎刈羽までタンカーを移動させてそこの廃液処理装置で処理をするのがいいという風に3月末に私は発言した。
そういうことはやはり政治が力を発揮しなければできないのであって政治の方々こそそういうところに力を使って下さいと私はお願いしたのですけれども、とうとうそれもできないまま何も手を打たないままどんどん汚染水が増えて今現在30万トンにもなってしまってるというのです。

(3.11からもう二年数か月経ってるわけですけれども、あの時にもしスタートさせていたら今もう間に合ってるんじゃないか)
もちろんです。
また次に10万トン汲み出すということもできたでしょうし現在直面している事態よりもはるかに楽になっていたはずだと思います。
そういう意味では政府と東京電力が無能だったということだと思います。

・遮水壁=地下ダム (2011年6月)
原子炉建屋の外にかなり深い穴を掘ってそこに深い壁を作って溶け落ちた炉心が地下水にできるだけ接触しないようにする。
接触したとしても汚染が海へ流れないようにするそういう作業がこれからできる唯一のことかなと思うようになりました。

本当に対策が後手後手になってしまっていて放射能の汚染がどんどん広がっていってしまっている。

1号機から3号機の原子炉の炉心は既に溶け落ちているのです。
炉心は既に溶け落ちている
確実です。
溶け落ちた炉心がどこにあるかということなのですが東京電力はまだ格納容器という放射能を閉じ込める最後の防壁の中にあるはずだと言っているのですけれども、残念ながらそれを見に行くこともできないし本当にそこにあるかを確認することができないのです。
場合によっては既に格納容器の床を突き破って地面に潜り込んでいってる可能性も私はあると思います。
もしそうだとすると地下水と必ず接触してしまいますしそうなるともう猛烈な放射能が地下水に混じって海へ流れていくことを食い止められなくなってしまうので私は2011年5月に原子炉建屋周辺に遮水壁を張り巡らせる地下ダムという言葉を使われる方もいますけど、それをやって溶けた炉心と地下水の接触を断つということをやってくれと頼んだのです。
そうなるともう猛烈な放射能が地下水に混じって



着工1週間で暗礁…専門家も危惧する原発「凍土壁」の重大欠陥
(日刊ゲンダイ)
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/150856/1


「遮水壁、やめてくださいよ。株主総会があるんですから」東電企画部幹部の発言(秋葉龍一)
http://akiba1.blogspot.jp/2014/01/blog-post_10.html
この発言に東京電力の企業体質というか、企業メンタリティというものが赤裸々に露呈している。

【引用開始】

……東電の主流部門である企画部のエリートが、馬淵の秘書官にこう苦情を言った。

「遮水壁、やめてくださいよ。株主総会があるんですから」

 6月28日に株主総会が予定されていた。プラント屋と土木屋の対立に加えて、経営中枢が介入してきた。

 経営陣は「遮水壁の費用を計上したら、他の廃炉対策の費用も計上しないといけなくなる」との不安を抱いた。1千億円の債務認識がアリの一穴になることを恐れたのだ。

(『朝日新聞』2014年1月10日朝刊、プロメテウスの罠「汚染水止めろ8 債務超過は避けよ」)

【引用終了】

以上は、2011年6月半ばのことである。

「馬淵」とは当時、首相補佐官だった民主党の馬淵澄夫だ。

馬淵は山から流れ込む地下水をブロックする地下遮水壁の必要性をはやくから認識し、その建設をいそいだ。

ところが、東電は株主総会を乗り切るために遮水壁の費用計上を渋ったのだ。

そして、ご覧のとおり、遮水壁は造られず、汚染水はじゃぶじゃぶと海へ流出しつづけている。

そう、いま、このときも。

株主総会を乗り切るために遮水壁を造らないということは、自分たちの会社をまもるために、生命の海に10万年は消えない猛毒を垂れ流すことを選んだ、ということである。

これはつまり、東電幹部は、自己利益と全地球の生命存続を天秤にかけ、前者を選択したわけだ。

これはけっしておおげさではなく、科学的事実に基づいている。

「遮水壁」と「株主総会」。

これを並列に置くことに、筆者は激しい違和感をおぼえるが、東電はこの両者を並列にして株主総会を優先したのだ。

このようなメンタリティを幹部が有する会社だから原発事故対策がおろそかになり、史上最悪の原発事故をまねいたのだ。

そして、あれほどの事故を起こしながらも、まだ東電は自己利益を優先して柏崎刈羽原発の再稼働をたくらんでいる。

なんと、恐ろしい企業、いや人間集団なのだろう……。


海に流出した放射性物質(トリチウム)は雨となって、ぼくたちの頭上に降り注ぐ(秋葉龍一)
http://akiba1.blogspot.jp/2013/08/blog-post.html
この2年間ずっと、東電福島第一原発の超高濃度放射性汚染水は、海に垂れ流しつづけてられていたことが明らかになった。

しかもその解決の目途はいまだたっていない。

福島沖を中心に太平洋海域は広く汚染された。多くの魚介類が被曝し、それは食物連鎖によって急速に、より広い海洋のより多くの生物へ進行している。海の生物だけではなく、魚介類を食べる鳥にもそれは広がるだろう。

そうすると、この放射性物質で汚染された海水は、雨となって陸にも? そうぼくたちの頭上にも降り注ぐのではないか? 

そんな素朴な疑問がふっとわいて検索したら、小出裕章さんが話されたことを書き起こしたホームページが見つかった。

そこで小出さんはこんなことを述べていた。

たとえば流されている放射能の中にはトリチウムという名前の放射能があります。
それはいわゆる水素なのです。
放射能をもった水素なのですが、これも海に流れているはずで、環境に出ると水の形になります。H2Oという形ですね。
そういう形になりますので、海水が蒸発して雲になれば、それがまた雨になって落ちてくるということですので、もちろん循環して陸にも戻ってきます。


(参考*「みんな楽しくHAPPY♡がいい♪」http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3153.html


もうこれ以上、汚染水処理や事故処理を東電に任せていたら、事態はますます深刻さを増すばかりだ。

国が先頭にたって、この放射能汚染水やフクイチ事故処理に向けて全力を尽くすべきである。

全世界によびかけて、人的・技術的・資金など、ありとあらゆる資源を投入しないと、ぼくたちはこの星に棲めなくなる。

「アフターアース」は映画の世界ではなく、ぼくたちのこの現実の世界で起きつつある。


世界的科学者が目撃した「原発汚染水の海域」と「放射能汚染の実情」
週刊現代
世界的科学者が目撃した原発汚染水の海域と放射能

世界最大規模の独立系研究所である米国ウッズホール海洋研究所のケン・べッセラー博士らのチームは、これまで4度来日し、原発から1kmのところまで近づいて海水の調査をしている。
べッセラー博士は「汚染水は漏れ続けています。いくら海水で薄まっても、魚がいる場所としては、福島の沿岸は最悪の場所です。残念ながらいくつかのシーフードについては食べられるレベルではありません」と語る。

べッセラー博士は海洋中における放射性物質の研究の世界的科学者で、チェルノブイリの事故でも黒海の放射性物質の調査・研究をしている。
福島原発事故直後の2011年4月に、他の研究者と連名で「福島原発から出た放射性物質の海洋環境への影響」という論文が科学雑誌「ネイチャー」に掲載が決まったが、日本の気象庁が「風評を煽る」として削除を求めたという。

べッセラー博士は、その後も東京大学大気海洋研究所の西川淳助教授やストーニーブルック大学教授で海洋汚染の専門家であるニコス・フイッシャー教授らとチームを組んで福島原発事故による汚染水の調査をおこない、直近では9月8日から14日まで、福島近海の海水サンプルの採取を行った。
べッセラー博士は海水と海底の沈殿物の調査を担当している。

今回の調査では、異なった海域の海水のサンプルを100ヶ所から採っているが、ひとつのサンプルにつき20リットル必要で、それでやっとセシウムのアイソトープ(原子)一つを検出するのに十分な量になるという。20リットルなので合計2tになる。

海底の沈殿物は、あちこちの海底にチューブを差し込んで採取する方法で300ヶ所で集めた。
「今回は1週間、船に泊り込んで作業をしました。時には36時間ぶっ通しで働き、少し眠って、また8時間働くといったペースでした」
作業は長期間にわたる地道なサンプルの採取と、分析のための莫大な時間を要する。

調査の費用も、今回のクルーズだけで10万ドル、1つのサンプルの分析につき数百ドルものかかるが、それらの莫大な費用も自分たちで調達しなければならない。

分析結果は来年2月末の科学会議で発表する予定だという。

べッセラー博士は「原発汚染水の海域」について次のように語る。
海洋汚染はコントロールされているという安倍首相の発言は理解できません。私から見れば、まったくコントロールされているようには見えない。海洋汚染自体は、人体へのリスクという観点から言えば、水泳しても大丈夫でしょう。しかし、魚介類の汚染は、魚にガイガーカウンターを当てるだけで検知できるほど高いレベルです。これは、食べても安全とはとても言えないと考えています

また、魚介類の調査を担当しているフィッチャー氏は、
「魚の種類によってはかなり汚染度が高いと思われます。すでに海底の堆積物はいろいろな放射性物質で汚染されていることがわかっています。われわれは5月と9月に福島近海で魚などを採取しましたが、いまはまだ5月に採取した魚などを分析しているところ。9月に採取したものはさらに先になるでしょう。ただし、魚の放射能汚染は急に汚染濃度が下がることもなければ上がることもありません」と述べた。

予算がないため、調査にはたいへんな手間と時間がかかる。
毎日20時間、いろいろな場所でひたすら釣り糸を垂らし、得られたサンプルをすり身に加工してガンマ線検出器にかける。魚一匹を分析するのに5時間。この機会は5台しかない。
セシウムの量を調べるのは短時間でできるが、問題はストロンチウムだ。ストロンチウムの量を調べるのには時間がかかる。

べッセラー氏は次のように懸念する。
セシウムよりストロンチウムが心配です。ストロンチウムは骨の中に入り、長期間にわたって放射線を出し続けます。2011年に比べて海洋のセシウムは減っていますが、ストロンチウムの量は50倍になっています

現にタンクからの汚染水漏出事故でストロンチウムが大量に海に流れ出たことが確実になっている。

べッセラー氏は「最も重要なことは国際グループによる調査態勢の構築です。世界各地にいるそれぞれの専門家の協力を得てチームをつくる。日本だけでは解決は無理です。私も協力を惜しみません」と述べる。



フクシマ・プラン~国際協力チームの廃炉戦略~

http://dai.ly/x14rtci
NHK BS1スペシャル 2013.9.16.

東京電力福島原発の廃炉作業は、喫緊の汚染水問題の対応に迫られている。当初の汚染水浄化装置の作成は、諸外国の協力を得たが、今後も海外の知見や技術が必要とされる。それぞれの国の経験や知見によってもたらされるプランはどのようなものなのか。スリーマイル島事故の経験があるアメリカ。チェルノブイリ事故の処理に当たったロシアやウクライナ。その他原子力先進国、イギリスやフランスなどのプランをルポする。





【滋賀県知事選】三日月大造氏が当選確実について。- 2014.07.13

http://youtu.be/5gR0NSGrxYU

原発再稼働方針変わらず=石破自民幹事長
(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2014071300250
 自民党の石破茂幹事長は13日夜、滋賀県知事選で「卒原発」を掲げた三日月大造氏が勝利したことに関し、「(安倍政権の原発再稼働の方針に)変更はない」と強調した。石破氏は、「安全世界一の基準をもって、安全性が確認され、地元の理解をいただけた原発は再稼働する」とも語った。東京都内で記者団の質問に答えた。(2014/07/13-23:48)

石破幹事長 滋賀は防衛の拠点

石破さん!「いくさのネタは山ほどある」「世界の皆さんがやられたら、日本は何もしないけどゴメンね。本当にそれでいいのか」・・煽るなよ!(;`O´)o



福島第一原発 がれき撤去で稲穂に放射性物質付着か(14/07/14)

http://youtu.be/7dVaaJSP35k
南相馬でコメから基準値超えるセシウム01





2014/07/09
「国民の生命を守るため? 国民を危機に晒しているのはお前ら」落合恵子氏が政府を痛烈に批判
(IWJ)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/151719

http://youtu.be/JrZ29KZ4S1k


原発ゼロの夏 「川内」隣接市民過半数が再稼働NO
(東京新聞【こちら特報部】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014070902000156.html
 原子力規制委員会による新規制基準の審査が終わらず、今夏の原発稼働はゼロとなった。東京電力福島第一原発の事故後の夏では初めてだ。だが、原発再稼働に向けての動きはやまない。優先審査中の九州電力川内原発(鹿児島県)をめぐっては、周辺市のいちき串木野市民の過半数が、再稼働に反対の署名をした。それでも、推進派は耳を傾けようとしない。
(白名正和、上田千秋)

原発ゼロの夏「川内」隣接市民過半数が再稼働NO

署名1カ月半 過半数「NO」

 「昨夏、九電は不安をあおったが、川内原発なしで乗り切れた。今年も乗り切れるだろう。市民は電力不足よりも、原発の安全性にこそ不安を感じている」と石神斉也(まさなり)さん(81)は話す。
 自宅のあるいちき串木野市は、川内原発が立地する薩摩川内市の南にある。原発から市境までは約5.2キロ。そして、「原発の風下に当たる」と言う。
 鹿児島地方気象台によると、この地域では、1~7月は主に、南東か東南東方向に風が吹く。つまり、原発事故でいちき串木野市は被害に遭う可能性が大きい。
 原子力規制委は3月、川内原発の優先審査を決め、危機感を覚えた石神さんらは4月に市民団体を設立し、5月10日から再稼働反対の署名を市民に求めた。先月24日までに集まった署名は1万5464人分。市の人口は2万9995人(5月末現在)で、約1カ月半では過半数に達した。
 「予想以上の速さ。福島では3年以上たっても作業が進まず、故郷に帰れない。市民の多くが事故への不安を抱いていたようだ」
 この市民の不安をよそに、原子力規制委の審査は進み、来週にも新基準適合の結果が出る見込みだ。ただ、田中俊一委員長は3月の記者会見で「基準に合っているかどうかだけの判断だ」と発言したように、「最低限の備え」を満たしたにすぎない。
 5月に関西電力大飯原発の運転差し止めを命じた福島地裁は判決で、新規制基準は不十分だとし、「原発の安全技術および設備の脆弱(ぜいじゃく)性は継続する」とも指摘している。
 にもかかわらず、「安全のお墨付き」ととらえる向きがあり、石神さんらは警戒する。菅義偉官房長官は5月の記者会見で、「規制委が世界で最も厳しい安全基準で審査し、その結果を待って(再稼働)ということだ」と発言した。「ねじまげて解釈している。事故が起きない保証はどこにもないのに」(石神さん)
 ただ、審査適合後も、地元の同意がなければ、再稼働はできない。石神さんらは先月、いちき串木野市民過半数の署名を田畑誠一市長に提出し、鹿児島県と九電に再稼働反対を申し入れるよう求めた。
 だが、いちき串木野市は「地元」ではないとされる。国のエネルギー基本計画は「立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう取り組む」と定め、川内原発なら立地自治体である鹿児島県と薩摩川内市が「地元」となる。県原子力安全対策課は「署名は報道で知っているがコメントは控える」と話した。
 石神さんは「いちき串木野市全域が川内原発から30キロ圏内。いわば『準地元』だ。私たちの声も尊重するべきだ」と訴える。「戦時中、海軍にあこがれる軍国少年だった。空襲でおばを亡くしたが『敵を討つ』としか考えず、お国に命をささげる覚悟だった。国策にだまされたと気付いたのは終戦後だ。原発という国策に再び、だまされるわけにはいかない

原発ゼロの夏 「新基準適合」でも課題山積

弱者の避難軽視 甘い噴火対策

 原子力規制委の新基準に適合したとしても、川内原発には課題が多い。
 鹿児島県の伊藤祐一郎知事は先月、病院の入院患者や福祉施設の入所者ら要援護者の避難計画について、「原発10キロ圏で十分」と発言した。10~30キロ圏内は「時間をかけて空想的なものは作れるが、実際には機能しないだろう。作らない」という見解を示した。
 県原子力安全対策課の担当者は「何も考えていないわけではない。屋内退避を徹底させるなどの措置を取る」と話すが、安全を確保できるか不透明だ。福島第一原発事故では避難計画が不十分で、多くの要援護者が症状を悪化させたり、亡くなったりしている。伊藤知事の発言は、責任の放棄とも受け取れる。
 また、事故の際、避難対策などのため国や自治体、電力会社の関係者らが集まるオフサイトセンターの整備が遅れている。国が求める放射線測定機器や空気浄化フィルターなど整備の大半は10月に終わるというが、非常用発電機の設置は来年3月にずれ込む見通し。
 同課の担当者は「仕様などに関して、国との調整に時間がかかった。仮に事故が起きたら電源車を用意するので問題はない」と釈明するものの、今秋に再稼働するとなると、対策が万全とは言い難いままの見切り発車ということになる。
 これらは、原子力規制委の新規制基準には無関係ではある。だから許されるわけではないが、審査対象の中でも、おざなりの判断で見過ごされようとしている項目がある。同原発周辺にある火山が巨大噴火するリスクへの対応だ
 規制委は新規制基準に、各原発から160キロ圏内の火山調査を盛り込んでいる。火山灰の防護措置を講じることなどを電力会社に求め、火砕流が襲う可能性を明確に否定できない時は「立地不適」とする方針を示した。
 ところが、九電は過去に川内原発の敷地内に火砕流が到達した可能性があることを認めながら、「モニタリングで対応できる」との姿勢を崩さず、規制委も追認している。「(巨大噴火は)数十年前から兆候が出る。その間に原発を停止させ、核燃料は安全な場所に移せばいい」といった主張を繰り返し、先月の株主総会でも、出席者の質問に、「十分に時間はある」と答えた。
 九電は核燃料の搬出方法や貯蔵場所について何も決めていない。非科学的な主張にも、火山の専門家から異論が相次ぐ。
 火山学者で元京都大助教授の須藤靖明氏は「噴火の兆候が分かることはあるかもしれないが、小規模で終わるか大規模噴火になるかの判断は今の予知レベルでは不可能。数十年前に兆候を察知することもできない」と主張した。泊(北海道)や玄海(佐賀県)、伊方(愛媛県)の各原発も同様のリスクがあると説く。
 原発は火力発電などに比べて安価で、電気料金も低く抑えられる─。電力各社が従来、訴えてきたこの理屈も福島原発事故以降、通用しなくなっている。安全対策や事故処理などのコストは膨らむ一方で、九電も4月、川内と玄海両原発の安全対策費が当初の想定から1000億円増え、3000億円を超えるという見通しを明らかにした
 立命館大学の大島堅一教授(環境経済学)は「社会全体から見ても、原発は決して安いエネルギーではない」と訴える。「避難の費用など、国や自治体の負担も大きい。原発は電力会社の経営判断だけで動かしていいものではないのに、そうした発想がない。社会が背負うリスクを前提に考えるべきだろう

原発ゼロの夏 デスクメモ


階段、トイレも避難場所!?
(東京新聞【こちら特報部】話題の発掘)2014年7月11日

 原発立地自治体で策定が進む事故時の避難計画には、実現性に乏しい内容も含まれる。避難所設営では、一人当たりの専有面積の算定にトイレまで組み込むなど、数字合わせに終始した印象は拭えない。「まさに絵に描いた餅」。自治体の担当者からは自嘲気味の声が漏れてくる。

階段、トイレも避難場所!?話題の発掘

 東北電力東通原発(青森県東通村)の30キロ圏内に位置する同県横浜町。原子力災害時には、町民5000人が同県弘前市の県武道館に避難する計画を立てる。
 武道館の延べ床面積は1万8206平方メートルあり、一人当たり3.3平方メートル以上を専有できるが、あくまで単純計算にすぎない。床面積にはトイレ、プロパンガス庫、シャワー室、階段などが含まれる。居住可能なスペースに限定すれば、専有面積は大幅に減る。
 避難計画は県から示された施設データに基づいて組み上げられた。町の担当者は「策定前に現場確認はしていない」と明かす。
 避難所設置計画には、受け入れ側の自治体も関与を免れない。青森市は非常時に、同県むつ市と東通村の計6万人の受け入れを求められている。
 避難所の一つとなる市文化会館には最大2700人を収容する。居住スペースに使えるのは会議室や控室、ロビーなどを含めても5100万平方メートルにとどまる。
 一人当たりは畳1枚程度の1.89平方メートルのみ。手荷物の多さによっては、避難者が横になることも厳しい。青森市の担当者は「延べ床面積で、県から収容数を割り振られた」と不満を隠さない。
 これに対し、青森県原子力安全対策課は「計画は完成形ではない。詳細は関係自治体と協議して詰める」と説明する。見直しは避けられず、実効性確保の道のりは長い。
 おざなりとも言える避難計画が生まれる背景には、過酷事故が起きないという自治体側の慢心が見え隠れする。
 東北電力女川原発を抱える宮城県。自治体関係者の一人は「国は安全な原発を動かすと言っている。使われるはずのない計画策定に真剣に向き合えないのも仕方ない」と言い放った。


安全だということは申し上げない・・って、それでもやるの?(;`O´)o

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平成26年度 第17回原子力規制委員会 (平成26年7月16日)
平成26年度 第17回原子力規制委員会20140716
https://www.youtube.com/watch?v=WyaYtZlnwVo&feature=youtu.be&t=1h30m40s
川内原発、審査で安全性担保せず 原子力規制委員長
(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201407/CN2014071601001601.html
田中委員長 原子力規制委員会の田中俊一委員長は16日の記者会見で、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)が再稼働の前提となる審査に事実上合格したことについて「基準の適合性を審査した。安全だということは申し上げない」と述べ、審査は必ずしも原発の安全性を担保したものではないとの認識を明らかにした。地元首長は安全と受け止めており、再稼働に向け地元が受け入れを判断する際に認識の差が課題となりそうだ。

 田中氏は会見で川内原発について「一定程度安全性は高まったことは評価するが、これはゴールではない。九電はますます努力する必要がある」と説明した。

2014/07/16 20:28


<川内原発>基準地震動引き上げ…裏に九州電力のお家事情
毎日新聞 7月16日(水)22時30分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140716-00000157-mai-soci
 九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)が16日、国の新規制基準に適合する初の原発となったのは、想定する最大の地震の揺れ「基準地震動」を、原子力規制委員会の審査会合の求めに応じ、速やかに引き上げたことが大きい。背景には、九電の財務状況の厳しさがあり、「優先審査」入りを確実にし、早期再稼働に道筋をつけるために決断したという側面が否定できない。両者が耐震性についてどこまで考え抜いた審査書案なのか、疑問が残る。【寺田剛】

 「我が国では震源を特定できない地震が起きていることを考慮し、620ガル(ガルは加速度の単位)を基本に耐震設計をしていただくことになった」。審査書案が示された16日、田中俊一委員長が、こう説明した。

 審査を優先する原発を絞り込む方針を規制委が示したのが2月19日。規制委はこれより前、震源が特定できない2004年の北海道の地震を考慮して基準地震動を策定するよう各社に求めていた。

 基準地震動を引き上げると、耐震化工事も増えるため、各電力の対応は慎重だった。そうした中、九電は3月5日の審査会で突然、当初申請した540ガルから620ガルへの引き上げを表明した。規制委が想定した計算式による数値も上回るもので、規制委の担当者は「九電の意識が高かった」と評価する。

 一方、九電幹部は「他社より結論を急ぐ必要があった」と話し、科学的な判断よりも、財務面の事情が大きかったことを明かす。

 震災前、国策に沿って原発依存度が約4割と高かった九電は、原発停止で財務状況が急速に悪化した。10年度末に1兆円近くあった純資産は、14年1月末に3828億円まで減少し、債務超過に陥る懸念も出ていた

 基準地震動を引き上げなければ、規制委への説明に必要なデータ抽出に数カ月かかる。「優先原発」から漏れると、金融機関などからの資金調達に支障をきたす可能性も考えられた。電気料金の再値上げも、社内で検討が続いていたが「景気腰折れを懸念する国から(再値上げは)事実上封じられていた」(九電幹部)。結局、基準地震動の引き上げは「規制委の指示に従うしかなかった」と幹部は本音を漏らした。









原発 交付金で潤う

原発は金になる

終わらない原発事故と「日本病」
http://www.shinchosha.co.jp/book/322322/
終わらない原発事故と「日本病」柳田邦男/著

人間の命を守るべきこの国の社会システムは、完全に崩壊した――。

水俣病、日航機墜落事故、阪神・淡路大震災……数多くの災害・事故現場を廻って半世紀。「生涯現役取材者」を貫く著者が明らかにする、わが国を覆う安全軽視の病魔の正体とは――。また、その病魔が最悪の形となって現れた東京電力福島第一原発事故を、政府の事故調査・検証委員会の一人として徹底検証する。



川内原発 これで「再稼働」か/新たな「安全神話」


川内 再稼働審査大詰め 噴火予知「できない」
(東京新聞【核心】)2014年7月14日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2014071402000106.html
 再稼働へ向けた九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)の審査が大詰めを迎えている。周辺には火山が集中し、原発が制御不能になるほどの巨大噴火も心配されている。原子力規制委員会と九電は「巨大噴火は起きない」「万一のときは予知して対策を取る」として、直接的な被害は想定していない。しかし、火山の専門家からは、肝心の予知が「不可能だ」と批判の声が上がっている。
(加藤裕治)

川内 再稼働審査大詰め 噴火予知「できない」

◆教訓

 噴煙を上げる鹿児島市の桜島。ふもとの市立東桜島小学校に立つ「桜島爆発記念碑」には、死者・行方不明者58人の大正大噴火(1914年)の教訓が刻まれている。
 「測候所は『噴火しない』と答えたが、間もなく大爆発した。信頼した知識階級が災害に巻き込まれた」「理論を信頼せず、異変があったらすぐに避難準備をすることが大切だ」
 ところが九州電力は、桜島から北西に約50キロの川内原発は「予知」で惨事を逃れられるとしている。
 周辺の「姶良(あいら)」「加久藤(かくとう)・小林」「阿多」「鬼界」「阿蘇」の5つのカルデラ(巨大噴火でできた穴)は、再び巨大噴火が起きる可能性がある。原発から40キロと近い姶良は約3万年前の巨大噴火で「火砕流」が発生し、時速100キロで100キロ先まで達し、噴火後の活動で桜島ができた。
 火砕流が直撃すると、原発の多くの施設が壊れ、運転員も死ぬ。再稼働を判断する新規制基準では、影響を否定できない限り、運転を認めていない。
 審査で九電は「原発の運転中に巨大噴火が起きる可能性はほぼなく、心配ない」と主張。万が一に備え、「衛星利用測位システム(GPS)の観測などで予兆を察知し、事前に核燃料を安全な場所に移送する」という対策も示した。
 規制委の田中俊一委員長も「10年以上前から巨大噴火の兆候は見える。対応は可能であろう」と語った。

◆直前

 本当に予知できるのか。火山噴火予知連絡会(噴火予知連)会長の藤井敏嗣(としつぐ)東大名誉教授は6月3日の記者会見で「いくつかの火山では経験則に基づき、予知できるようになった。しかし(マグマの動きをつかみ、いつ噴火するか科学的に解析する)物理モデルに基づく予知はほとんどできていない」と指摘した。
 経験則による予知とは過去の観測データをもとに群発地震や地盤の隆起などの前兆から噴火を察知する。2000年の有珠山(北海道)、三宅島(東京都)が成功例とされる。だが、明確な前兆が表れるのは噴火の数日から数時間前。予知できても直前だ。11年の新燃(しんもえ)岳(宮崎県)は前兆がないまま噴火した。

◆根拠

 巨大噴火は、さらに予知が困難というのが専門家の見方だ。桜島の研究に長年携わってきた噴火予知連副会長の石原和弘京大名誉教授は「予兆を10年前にキャッチできるなんて、私には信じられない」と話す。
 予知に成功した火山は数十年のサイクルで噴火しているが、巨大噴火は最新でも7300年前。科学的な観測データはなく、前兆も分からない。
 石原氏は九電が噴火の危険がないとする根拠も「解釈が都合良すぎる」と批判。申請書では、長期間噴火していないカルデラは「マグマの供給は止まった」とし、噴火後の期間の短いものは「マグマがたまっていない」とする。それを審査する立場の規制委も、火山学者の意見をほとんど取り入れていないという。
 石原氏は警告する。「予知を所管する気象庁にすら当初は相談がなかった。火山学者としては、今の監視体制と火山学の知識では、原発運用に役立つ予知はできない。ちょっと待てと言わざるを得ない」

【カルデラ】
 噴火でできた大きな陥没火口。九州や北海道など各地に点在し、国内では1万年に1回程度、「破局的噴火」とも呼ばれる巨大噴火を起こしている。大量の火山灰を降らせ、火砕流の被害は半径100キロ以上に及ぶことがある。最新の巨大噴火は鹿児島県沖の鬼界カルデラの7300年前。噴火の被害で南九州の縄文文化が途絶えたとされる。



「迫り来る大地震活動期は未曾有の国難である」
衆議院予算委員会公聴会で石橋教授が原発震災を強く警告(全文)
【衆議院予算委員会公聴会(2005年度総予算)】2005年2月23日
http://www.stop-hamaoka.com/koe/ishibashi050223.html
より

前略

結局私は、現在の日本の国土とか社会の情勢、非常に地震に弱くなっていて、例えば地方の小さな山村とか地方都市もですね、地震に襲われた時、本来はそこが自立して、完結して、震災後の対応をしなければいけないんですけども、そういうことができないような状況になっている。

ということで、私たちの暮らし方の根本的な変革が必要ではないかと考えています。これは決して地震とか自然災害に対して受け身、消極的にやむを得ずやるのではなくて、これ以外のあらゆる問題に通じると思います

現在、まあ日本でも世界でも二十一世紀の非常に大きな問題でありますエネルギー、食糧あるいは廃棄物、環境、そういった問題にすべて通じることである。で、あの私の前の話の地方分権にも通じることだと思います。

そもそも日本列島に居る限り、地震と共存する文化というものを確立しなければならない。つまり、従来は自然と対決する文明で、それに対して最新技術でもってバックアップしようという考え方でしたけれども、自然の摂理に逆らわない文明というものを我々は作っていかなければならないと思います

要するに開発の論理、あるいは効率、集積、利便性の論理、それから東京一極集中、都市集中の論理、そういう物をやはり見直してですね、保全とか小規模、多極分散、安全と落ち着き、地方自立、国土の自然力と農村漁村の回復、といったようなことをキーワードにして、根本的な変革が必要であると、まあその地震災害を考えると、私は強く思います。

なお、原子力発電所に関してはですね、これはまあいろんな他の問題もあるわけですけども、本当に危険でありまして、浜岡だけではありません。例えば若狭湾に十三機の商業用原発がありますけれども、ここも地震の危険性が高いところであります。で、そういうことからして、全国の原子力発電所の原発震災のリスクというものをきちんと評価してですね、その危険度の高い物から順に段階的に縮小する、必然的に古い物から縮小されるということになると思いますので、そういうことを考えない限り、大変なことが起こって、まあ世界が一斉に救援に来て、同情してくれるでしょうけども、逆に世界中から厳しい非難を浴びるということにも成りかねないわけで、こういうことを急いでやることは日本の責務だろうと思います

Global earthquake activity since 1973 and nuclear power plant locations
Global earthquake activity since 1973 nuclea


八重山地震 - Wikipedia
八重山地震(やえやまじしん)とは1771年4月24日(明和8年3月10日)午前8時頃に発生した地震、大津波。推定マグニチュード7.4-8.0。津波により先島諸島(特に八重山列島)が大きな被害をうけた。そのため、元号を取って明和の大津波ともよばれる。

津波
震害はなかったが、地震により大津波が発生し、宮古・八重山両列島で死者・行方不明者約12,000人・家屋流失2,000戸以上という惨事になった。石垣島では潮が引いて青、緑、紅、紫熱帯色の色彩眩き大小の魚がサンゴ礁の根株の下に跳躍し、婦女、小児がこれを捕えているところに、しばらくして東方洋中に二条の暗雲が立ち込め、砕けて激しき暴潮漲溢が弃馬の如く狂い、繰り返し襲って来た(『ひるぎの一葉』。
八重山では死者9400人あまり、生存者18607人で、14の村が流され、住民の3分の1が死亡している。耕作可能地の多くが塩害の影響をうけ、農作物の生産が低迷。飢饉と疫病などにより明治時代初頭の人口は地震前の1/3程度にまで減少した。津波発生の翌年六月初ごろより、疫癘の流行が白保村から始まり、環境衛生が極度に悪化して伝染病が流行したと推定され、古老らによって「イキリ」と伝承されているが、これは疫痢のこととされる(『奇妙変異記』)。
石垣島における津波の最大遡上高は、『大波之時各村之形行書』の記録によれば宮良村で「二十八丈二尺」(85.4メートル)に達し、石垣島を縦断したとされており、日本最高の遡上記録とされる。しかし、実際の数値はその半分程度だったと考えられ、当時の測量精度や被害地点の標高、数値計算の結果などから、遡上高の最大は石垣島南東部で30メートル程度とする説がある。多良間島の津波の遡上高は18メートル程度と推定されている。宮古島北西にある下地島など地域の島の高台には津波で打ち上げられたと伝えられている帯岩などの巨石(津波石)が残る。島が一つ津波に飲み込まれて消えたという伝承があるが真偽は不明。

津波岩
下地島の帯岩。八重山地震の津波で打ち上げられたとされる。


第1原発・津波試算「資料あった」 国一転、存在認める
(福島民友)
http://www.minyu-net.com/news/news/0716/news7.html
 東京電力福島第1原発事故で県内外の被災者約2600人が国と東電に原状回復や慰謝料を求めた「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟の第7回口頭弁論は15日、福島地裁(潮見直之裁判長)で開かれた。争点の「国と東電が第1原発の全交流電源喪失をもたらす津波を予見できたかどうか」の証拠になり得る津波の試算報告書について、「資料が現存せず確認できない」としていた国側は一転、「電力会社から提出された資料があった」と試算報告書の存在を認めた。
 国側が提出した資料は1997(平成9)年に電力会社が国に提出したとみられるもので、試算された第1原発の津波の高さは敷地高10メートルに近い9.5メートルとされ、「冷却水取水ポンプモーターのレベルを超える数値で、余裕のない状況」と記載。次回は9月16日午後3時から口頭弁論を行う。
(2014年7月16日 福島民友ニュース)


甘利明「日本なんてどうなったっていい」

http://youtu.be/UsMWbuwU93w


原発事故「怠惰な国民のせい」
自民議員が責任転嫁発言
衆院復興特

(しんぶん赤旗)2011年10月6日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-10-06/2011100602_03_1.html
 原発事故の遠因は日本人の怠惰な生き方――。5日の衆院震災復興特別委員会で、こんな珍説が飛び出しました。発言したのは自民党の額賀福志郎議員で、「都合の悪いことは聞きたくない、危険なことは見たくない、できるなら楽をしたいという戦後(日本)の社会的な生活感覚、怠惰な生きざまが遠因になった」と述べました。

 「安全神話」にどっぷりつかって重大事故を招いた自民党政権の責任に反省もなく、“国民性”に責任を転嫁するとは開いた口がふさがりません。

 もう一人、無反省ぶりをさらしたのが同党の西村康稔議員。「電力不足への不安が企業の海外移転を加速している。『来年の夏までに』なんていっている場合じゃない」と早期再稼働を督促しました。「海外移転」を口実に原発「再稼働」を急がす財界にいいなりの質問で、政権から転落しても抜け出せない体質のようです

 原発輸出についても西村氏は、世界では496基の原発建設計画があるとして、政府が積極的に売り込むよう求めました。福島原発事故の収束さえできていないのに、これまた財界いいなりぶりを際立たせました。

 野田佳彦首相も、事故原因の究明もまともな規制機関もないのに再稼働を進めていく考えを表明。原発輸出についても「原子力協定を結んでいる関係国との信頼関係を踏まえて協力していく」と応じました。 (吾)


忌野清志郎 ~ 善良な市民 (音のみ)

http://youtu.be/wyFbtwp_ggk


専門家の意見を無視し、世界最大級原発耐震テスト設備は小泉政権下で売却、スクラップにされていた
http://voicevoice.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-e098.html
より

世界最大級原発耐震テスト設備であった四国の香川県多度津工学試験所が、専門家の意見を無視した小泉・竹中政権によって“国費の無駄”と称して、郵政民営化選挙のあった2005年9月に強引に廃止していた
多度津工学試験所大型振動台鳥瞰図




破局噴火 - Wikipedia

「死都日本」シンポジウム
―破局噴火のリスクと日本社会―

講演要旨集
http://sk01.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/etc/abstracts.html

災害の規模・頻度・立ち上がり時間によって,
災害の規模・頻度・立ち上がり時間によって,自然災害全体の特徴をあらわした図


池上彰と考える“巨大噴火”日本人へ古代ローマからの警告

http://dai.ly/x1vxre7


http://dai.ly/x1vxs2x


http://dai.ly/x1vxthn



朝日新聞西部本社版朝刊2014年6月25日
川内原発事故→沿岸の汚染深刻


川内原発 程遠い「合格」
(東京新聞)2014年7月10日

 原子力規制委員会は近く、九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)は新規制基準を満たしているとの判断(審査結果案)を示す。今後、意見募集(パブリックコメント)を経て、地元の同意が得られれば再稼働となる公算が大きい。重大事故の影響を緩和する設備を義務づけるなど原発内の対策は強化された。ただ、原発周辺の防災対策は紙の上にどまっている面が多い。

川内原発 程遠い「合格」_1

検証なき住民避難計画

 全国十二原発十九基の審査申請が出る中で、新基準適合の初のケースとなりそうな川内原発。電源の多重化や注水設備などは改善された。津波の想定も見直され、海水ポンプを津波から守る壁も設置された。
 ただし、事故時に作業員を放射能から守る作業拠点は整備に時間がかかるため当面は代替施設でしのぐことに。狹く、水道もなく、作業員の除染もままならない簡易の施設だが、規制委は問題なしとした。
 川内の最大の論点は周辺に火山が多く、五十キロ南東には桜島を含む姶良カルデラと呼ばれる巨大火山がある点だ。審査は「当面は破局的な大噴火はない」との想定で進行。九電は、監視を強化すれば火砕流などに巻き込まれる前に原発の安全確保ができると主張して認められた。しかし、火山の専門家は予知は難しいとしている。
 また、航空機突入などテロ対策の審査は非公開だった。規制委は「適切に審査した」というが、どこまで検証されたかは不明だ。
 一方、いざ重大事故が起きれば最も大きな打撃を受けるのが原発周辺の住民たちだ。原発三十キロ圈は重点的に防災対策が練られるが、規制委の仕事は避難基準などの指針をつくるまで。その後の対応は自治体任せになっている。計画をだれも検証しない。
 鹿児島県の計画では、津波で壊れる可能性のある海沿いの道路や山あいの狹い国道を使い、基本的には自家用車で避難することになっている。五~三十キロ圏は屋内退避し、五キロ圏の住民
を先に逃がす-が原則だが、きちんと説明を受けた住民がわずかで、理解が得られているとは言い難い。
 県の試算では、住民が圏外への脱出をほぽ終えるまで最大二十九時間かかる、との結果が出ている。指定の避難所が汚染された場合の代替策も未検討だ。
 「新規制基準と地域防災は車の両輪」。規制委の田中俊一委員長はこう明言したが、結局、チェックされる輪は片方だけ。もし、川内原発で重大事故が起きれば、もう一方が脱輪し、福島のような大混乱が再来する可能性が高い。

川内原発 程遠い「合格」_2

川内原発 程遠い「合格」_3

兆単位ツケは国民に

 原発がある以上、重大事故が起きるリスクは消えない。ひとたび重大事故が起きたら兆円単位の損害が発生し、国内最大の東京電力でさえ、巨額の損害を抱えきれず、国から資金支援がなければ経営破綻に直面する。それが福島第一原発事故から得た教訓だ。
 企業規模が東電の三分の一にも満たない九州電力で重大事故が起きたら、どうなるか。現状、国は東電への支援で手いっぱい。九電だけで被害者への賠償や事故収束作業にきちんと対応できそうもない。
 巨額の損害への備えは原発を動かそうとする者の最低限の責務だが、現在は一千二百億円の保険金のみ。政府は米国などが加盟する国際条約に入り、備えの一助とする考えだが、得られる支援はわずか七十億円。備えは圧倒的に足りず、国民の電気料金や税金にツケが回されることになる。
 政府は今年六月、ようやく賠償の拡充に向けた議論を始めたが、具体化にはほど遠い。国会も二〇一二年八月までに原賠法を抜本的に見直すと約束したのに、ほぽ二年が過ぎている。

川内原発 程遠い「合格」_4

相互供給で乗り切れる

 九州電力は発電の多くを原発に依存する経営を続けてきたため、「原発が動かないと電力が足りない」と訴えてきた。だが、最近の二年間は、余裕のある電力会社から電力を融通してもらい、ピークの夏場を「原発稼働ゼロ」で乗り切ってきた。
 今年は東日本大震災後初めて全国で原発稼働ゼロの夏となる。引き続き企業や家庭の節電や火力発電所の維持管理努力は欠かせないが、融通で電力不足措回避できそうだ。
 沖縄を除くすべての地域は送電網でつながっている。九電は自社の供給に不安があるときは東京電力や中部電力など四電力会社から電気を送ってもらえる。その気になれば、まだ送っていない東北や北海道、四国の三電力からも電気をもらえる余地も残っている。
 課題は、東電と中電のエリアを境に東西で周波数が異なり、東電から西に電気を送るには装置で周波数を変換する必要がある。現在は一度に送れる上限は百二十万キロワットまで。これを六年後には二百十万キロワットへ増やす計画があり、完了すれば全国で電力を補う仕組みはさらに強くなる。


一握の幸せを奪うモノ・・今こそ鋭い洞察力を持つことが必要!(`・ω・´)ゞ

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壊されてから気づいてももう遅いありがたさ - 善良な市民

http://youtu.be/91tR7D98Kuw




海外活動、際限なく 集団的自衛権 首相答弁
(東京新聞【核心】)2014年7月15日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2014071502000115.html
 集団的自衛権の行使を認めた憲法解釈変更の閣議決定後、初の国会論戦となった十四日の衆院予算委員会。行使容認の判断基準となる新たな「武力行使の三要件」は歯止めになるのか。安倍晋三首相の答弁は、逆に海外での自衛隊の活動範囲が際限なく広がっていくことを裏付けた。
(新開浩、後藤孝好)

海外活動、際限なく 集団的自衛権 首相答弁

■集団安保/戦闘地域も現場に

 浅尾慶一郎氏(みんな)「集団的自衛権の行使後(国連主導の)集団安全保障になったら活動に参加するか」
 首相「3要件に合う状況なら当然(活動は)続くことになる」
 侵略などルール違反をした国に国連加盟国が一致して武力制裁を加える集団安全保障。公明党の反発で閣議決定では触れなかったにもかかわらず、首相は参加もあり得ることを明言。「思い付くのは機雷掃海と船舶を守ることだ」と想定する事例まで口にした。
 首相は集団安全保障について「イラク戦争や湾岸戦争のような戦闘に参加することはない」と繰り返し答弁。しかし「(停戦前の)機雷掃海は国際法的には武力行使、戦闘行為に分類される」と認めながら「極めて受動的で限定的なものだ」と正当化し、機雷掃海に意欲を示した。

■一体化

 笠井亮氏(共産)「自衛隊が支援活動をする場所が、現に戦闘を行う場になる可能性がある」
首相「戦闘の場になる可能性はあるから、そのときは速やかに引き揚げる」
 他国軍などを支援する自衛隊の活動範囲は、従来は「非戦闘地域」に限定し、インド洋での給油やイラクでの復興支援活動にとどめてきたが、今回の閣議決定で「非戦闘地域」という考え方を撤廃。新たな範囲を「現に戦闘行為を行っている現場ではない場所」と定義し、戦闘が起きる可能性がある戦地に広げた。
 首相も答弁で、補給や輸送支援をする自衛隊の活動地域が戦況次第で戦闘現場になる可能性を認めた。戦地に近づき、他国軍の軍事行動と重なれば、憲法9条が禁じる「武力行使との一体化」になるというのが政府の見解だが、首相は「これまで(制約の)範囲が広すぎた」と批判。新たな見解に沿った法整備を進める考えを強調した。

海外活動、際限なく 集団的自衛権 首相答弁 図版

「9・11」は対象とせず

 安倍晋三首相は14日の衆院予算委員会で、米中枢同時テロのような攻撃が米国にあった場合、集団的自衛権を行使するのかとの質問に対し「武力行使の3要件にあてはまらない」と、行使対象にならないとの考えを示した。
 米中枢同時テロは2001年9月11日、ハイジャックされた民間航空機がニューヨークの世界貿易センタービルなどに突っ込み、日本人を含む多数の死者を出した。米政府はイスラム過激派の犯行と断定、アフガニスタンを攻撃した。



安倍アナクロ首相の頭の中を診断
安倍首相に問う あの特攻は善だったのか
日刊ゲンダイ2014年7月18日付
安倍アナクロ首相の頭の中を診断

 集団的自衛権をめぐる安倍首相の言動をみていると、思わず、こう問いたくなってくる。
「あなたは、あの特攻を『善』だと思っているのではないか」と。
 国家のために命を捧げることは美しいことだ。これぞ日本人の誇りである-安倍はそんな狂った美学の持ち主なのではないか。14、15両日の集中審議でも、それが露骨に見てとれた。
 安倍は野党側から何度も、自衛隊が海外で武力を使う機会が増えれば、隊員の生命の危険性が増すのではないか、と追及された。歯止めとなるはずの「新3要件」は極めて曖昧で政権の裁量次第。日本が直接攻撃されていなくても勝手な解釈で海外での武力行使に踏み切れる。今まで「行かせない」と言ってきた戰闘地域にだって、行かされることになりかねない。個別的自衛権と集団的自衛権の間に流れているのはルビコンだ。一度渡ってしまえば、あとは”条件変更”で済んでしまう。そうなれば自衛隊員だって、他国の戦争に巻き込まれ、攻撃対象になる。いずれ命を奪い、奪われる隊員が続出するのは必至だ。
 先週の豪州訪問では安倍自身、「(集団的自衛権の閣議決定は)国際社会でより積極的な役割を果たすことを可能にするもの」とアボット首相に説明した。これこそがまさに安倍の杰日で、集団的自衛権は自国を守るためではなく、自衛隊を差し出す。国際貢献”なのである。だとすれば当然、「まず海外派兵ありき」になる。危ないところにも行くことになる。

 安倍は「専守防衛を維持する」『海外派兵は一般に』許されないという原則は全く変わっていない」と説明しているが、「一般に」というところがミソだ。「戰う国の最高司令官」として自衛隊を海外に出動させることが可能になった。これに腹の底では高揚、興奮しているみである。

米国のために若者の血を差し出す

 安倍は集団的自衛権を行使するケースとして、中東・ホルムズ海峡での機雷除去を掲げている。従来の「非戦闘地域」の枠組みを外したもので、これだって自衛隊員を死地に陥れるのに等しいものだ。
 「機雷原への突入は敵国の最前線に赴くのと同じ。ら機雷の除去は戦闘行為とみなされ、反撃に遭うのは必至ですが、機雷を除去する掃海艇の装甲は非常に脆弱(ぜいじゃく)なのです。磁気反応式の機雷に感知されないように船体を強化プラスチックで造っているためで、応戦する武器は20ミリ機関砲1門しかない。護衛がなければ集中砲火を浴び、多くの犠牲者が出るでしょう」(軍事評論家・神浦元彰氏)
 ほとんど丸腰で戦闘地域に行かされる自衛隊員はたまらないだろう。これでは特攻隊と変わらないが、安倍は自民党幹事長時代の04年、「この国を守る決意」という共著の中で日米同盟強化のため集団的自衛権の行使容認を主張。こう書いていた。「軍事同盟は血の同盟だ。アメリカの若者は血を流す。しかし、今の憲法解釈では、日本の自衛隊は血を流すことはない」
 つまり、これからは日本の若者も血を流させますよ、ということだ。集中審議で安倍は「日米同盟は死活的に重要。日米同盟の関係で起こりうる事態は『新3要件』に当てはまる可能性が高い」と答えている。米国が攻撃されるような事態になれば、日本の若者の血を差し出す-これこそが、安倍の思い描く集団的自衛権の本質であり、「積極的平和主義」の中身なのだ。

「平和」の名の下に国民は戦場で命を落とす

 こうした安倍の本質と欺瞞(ぎまん)を戦争を知る世代は直感的に見抜いている。学徒出陣で戦地に赴いた東大名誉教授の石田雄氏(91=政冶学)は安倍の唱える「積極的平和主義のいかがわしさ」について、本紙インタビューでこう喝破していた。
「平和というのは最初は、非暴力という意味で使われる。しかし、日本においては次第に東洋平和という使い方をされて、日清、日露、日中戦争において戦争の大義にされていく。これは日本の戦争に限った話ではなく、『ありとあらゆる戦争の言い訳、大義名分に『平和』という言葉が利用されてきたのです」
 政治評論家の森田実氏(81)は、「安倍首相が最近、自衛隊員について『私の誇り』『日本のために命を懸けている』と情緒的な物言いを繰り返すことに、戦前の指導者たちに似た欺瞞を感じます」と、こう続けた。
「ことさら自衛隊員をヒロイックな存在にして、日本や米国のために尊い命を差し出すことが英雄視されるムードを醸成しようとしているとしか思えません。まさに戦前の指導者がそうでした。国家の無謀な決断により、戦地に赴かせた人々を『救国の英雄』などと祭り上げ、戦争で死ぬのが当然という空気をつくったのです。こうした空気が、戦争末期には『特攻』という人命無視の作戦を正当化する理由にもなったことを忘れてはいけません」
 安倍は「カミカゼ特攻」で国家の犠牲となった隊員の遺書などをユネスコの世界記憶遺産に登録することにも前のめりだという。前出の石田雄氏は「特攻隊だって、どうせ死ぬなら、美しく死のうとしたわけで、誰も喜んで死んだわけじゃない。それを美化し、首相が『尊崇の念を捧げる』などと言うのは『もう一度、国のために死んでくれ』という宣伝だと思う」と語っていた。
 特攻を美化するアナクロ首相が、自衛隊員に「お国への忠誠心」を押し付けているさまはゾッとする。改めて安倍には「あの特攻は善だったのか」と問いかけたくなるのである。

もはや日本は徴兵制へとまっしぐら

 狂気の首相が日本人の血を差し出せば、今後、多くの自衛隊員が米国のための戦争に駆り出され、命を失うことになるだう。恐らく安倍は「軍隊だからそれは当然」と考えている。つまり「善」、若者の命を「抑止力」にするわけだ。
 東条内閣の一員として太平洋戦争開戦の詔勅に署名し、A級戦犯容疑で逮捕された岸信介と同じ血脈が透けて見えるが、もちろん、安倍はそんな本性をおくびにも出そうとしない。
「自衛隊員の生命の危機」について、国会ではスットボケ続けている。共産党の小池晃参院議員が「戦後初の戦死者を出すかもしれない。集団的自衛権を命の重さの観点から深く掘り下げるべきだ」と迫っても、「危険な任務をお願いする責任は重いが、めったにそういう判断はしない」とはぐらかした。こういう二枚舌が
恐ろしい。
 「安倍首相は自衛隊の犠牲については正面から答えないのに、野党議員には自席からヤジを飛ばし、あろうことか、答弁中に薄ら笑いまで浮かべていました。身勝手な解釈改憲で国民を戦場に駆り出そうとする当事者の態度ではない。国のトップとして国民の命を何とも思っていない冷酷無比な本性がにじみ出ているようでした」 (森田実氏=前出)
 小池議員は質問の最後に、元防衛庁教育訓練局長で新潟県加茂市の小池清彦市長(77)の言葉を引用した。
もはや日本は米国からの米国並みの派兵要求を断れない。その結果、やがて自衛隊は世界の熾烈な戦場でおびただしい戦死者を出すことになる。自衛隊に入る人は極めて少なくなるが、防衛力は維持しなければならない。そのため、日本は徴兵制を敷かざるを得なくなる
 防衛庁教育訓練局長の言葉なのに、安倍はまともに聞く耳を持とうとしなかった。特攻礼賛の狂乱首相によって、この国は後戻りできない場所に今、行こうとしている。



軍国主義復活は許してはならない
徴兵制しき、暗黒の社会に
新潟県加茂市 小池清彦市長に聞く
(生活と健康を守る新聞)2014年7月20日付

 7月1日、安倍内閣は集団的自衛権行使容認の閣議決定を行いました。7日、新潟県生活と健康を守る会連合会の渡辺和子会長と吉田松雄事務局長と共に、「集団的自衛権行使容認反対」を訴えている新潟県加茂市の小池清彦市長を訪ね、2時間半にわたってお話を伺いました。
(辻 清二編齡長)

軍国主義復活は許してはならない

 -7月1日の安倍内閣の閣議決定をどう思われますか。

 私は、閣議決定の翌日の7月2日に安倍首相に対して「憲法解釈の変更により集団的自衛権を容認する閣議決定に対する意見書」を提出しました。
 この意見書では、「集団的自衛権の行使は、いかに小さなものであっても、憲法9条第1項に定める『国際紛争を解決する手段としての武力行使』であり、すべて憲法違反であります。従って、この閣議決定は、憲法違反の閣議決定であり、撤回すべきものです」と述べています。この閣議決定は、集団的自衛権についての政府の従来の憲法解釈を変えるものになっています。
 また、日米安保条約には集団的自衛権の行使は認められておらず、この条約に基づく日米防衛協力のガイドラインに集団的自衛権行使の規定を入れることはできません。
 集団的自衛権を認めれば、アメリカの派兵要求に応えざるを得ず自衛隊員の大量の死傷者を生み出します。

 -市長は、長い間防衛官僚をしておられましたが、その経歴と今回の集団的自衛権の問題はどう重なり合うのですか。

 私は、自衛隊は祖国防衛が任務であって、海外派兵はさせないとの信念で仕事をしてきました。自衛隊が世界の「警察官」になったら、アメリカがベトナム戦争や湾岸戦争で経験した泥沼の事態になったように、大変なことになります。例え「限定的」「必要最小限」であっても、集団的自衛権が行使されれば、攻撃は反撃を呼び、戦争はエスカレートします。
 私は、防衛庁の防衛研究所長だったとき、湾岸戦争の際の国運平和維持活動協力法案にも反対し、自衛隊の戦闘地域への派兵はさせなかった。自衛官たちに「血を流して戦え」とは絶対言えなかった。
 幸いにも戦後日本は海外派兵を一度もせず、他国の人たちを殺していない。その歯止めが憲法9条だ。
 それを今回、憲法解釈を変更して、海外派兵を可能とした集団的自衛権の行使容認は絶対に認められない。

 -集団的自衛権の行使で海外で戦争する国になったら、国民の暮らしや権利はどうなりますか。

 海外で武力行使をするようになれば、自衛官が大量に死亡し、徴兵制が導入されます。
 戦前のように、加茂市民の若い人たちも「赤紙」一枚で徴兵されることになります。
自衛隊の中では、旧日本軍と同様、下級の者へのリンチが日常茶飯事になります。そして、暴力肯定の殺伐とした社会が再び生まれることになります。そんな国・社会に絶対してはなりません。

 ―最後に、生活と健康を守る会の会員、「守る新聞」読者へのメッセージをお願いします。

 何と言っても軍国主義を復活させてはならないということです。軍国主義になれば、みなさんの声が出せず、要求もできないことになります。
 この間、軍国主義復活目指すきな臭い動きが出ています。一つは、2010年(平成22年)度の防衛省の予算の概算要求で、作戦運用については内局(文官)を関与させず、防衛大臣に制服「軍人」の統合幕僚長を直結させる機構改革がされようとしました。軍部主導によって戦争を統帥権独立を再現させるものです。ただ、この計画は今のところ実施するまでに至っていません。
 もう一つが、自民党の憲法「改定」草案が出たことです。草案には、「国防軍」の創設がうたわれ、軍人を処罰する軍法会議の設置が盛り込まれています。そして、国民の権利と自由が大幅に制限されたものになっています。
 加茂市では基、成人式は憲法記念日に行っています。そこで、私は「憲法9条を守ろう」と訴えています。参加した若い人たちには共感してもらっているようです。
 これからも「軍国主義復活許すな」「憲法9条守れ」の信念を賁き通したいと思います。

 こいけ・きよひこ 1937年生まれ、加茂市出身。東京大学法学部卒。60年旧防衛庁入庁。同庁防衛研究所長、教育訓練局長などを歴任し、92年に退職。防衛局計画官時代には、自衛隊装備の中期計画策定などに携わった。95年加茂市長に初当選し、現在5期目。



首相の危険な「戦争ごっこ」
日本の岐路 今言いたい
経済評論家 内橋克人さん
(しんぶん赤旗日曜版)2014年7月20日付

日本は今、戦争か平和かをめぐり、戦後最大の歴史的岐路を迎えています。安倍政権の「亡国の政治」を許さない新インタビューシリーズ「日本の岐路 今言いたい」。第一回は経済評論家の内橋克人さんです。

 集団的自衛権の行使容認で、安倍政権は「再びの暗い時代」へ一歩を踏み出しました。
 安倍晋三首相も取り巻きも「戦争を知らない軍国少年」ではないですか。彼らは危険な「戦争ごっこ」に興じている。
 その象徴が、首相の記者会見でのパネルです。日本人の母子が乗った米艦を、日本の自衛隊が守るというパネルを見たとき、噴き出してしまいました。まったくの絵空事です。
 もしミサイルを迎撃したら、その瞬間、日本列島はミサイル攻撃の嵐ですよ。
 「戦争ごっこ」は、攻めることだけ考えて、攻められることを考えていない。戦争にルールはない、ということが分かっていないんです。
 ”9条を守ろうという人たちは「平和ボケ」だ”などというのは、とんでもない話です。安倍首相こそ戦争を知らない「平和ボケ」ではないですか。
 これをくいとめるには、本当の国民運動をつくることが必要です。日本共産党にもそのために力を尽くしてほしいと思っています。

首相の危険な「戦争ごっこ」

「国民の貧困化」をテコに「軍産複合体国家」めざす

 私は2度の神戸空襲を体験しました。1度目の空襲では、たいへんお世話になった近所の「おばちゃん」を失いました。その日、私は盲腸で入院していました。「おばちゃん」は防空壕(ごう)の奥の、いつも私が座る場所で、私の身代わりになって焼夷(しょうい)弾の直撃を受けたんです。
 2度目の空襲では無二の友人が亡くなりました。
 私は生き延びて疎開しましたが、疎開先の人たちは「戦争ごっこ」をやっていた。
 わら人形に模擬手りゅう弾を投げてみたり、木剣(ぼっけん)で突撃したり。みんなB29の威力も神戸空襲の凄惨(せいさん)も知りませんでした。
 政府は集団的自衛権の行使は「限定的」とか、「必要最小限」の実力の行使とかいいますが、きれいごとです。戦争にルールはないんです。
 無差別の都市爆撃はハーグ条約違反なのに、平気で行われた。日本による重慶爆撃から、第2次世界大戦ではアメリカによる広島、長崎の原爆投下まで、どんどんエスカレートしました。



 今回の閣議決定の行き着く先は何かといえば、「日米軍産複合体国家」づくりです。
 アメリカと日本の軍需産業が一体になって、いかに効率よく人を殺すことができるか、いかに味方の被害を少なく済ますかを追求する。日米で技術と資材と人材を一体化させて軍産複合体を作る。集団的自衛権の行使容認が閣議決定された7月1日は、その構築をめざして号砲が鴫った日です。
 軍産複合体国家づくりは、二つの点で、国民の貧困化と結びつきます。
 一つは兵隊集めです。
 アメリカを見てください。ベトナム戦争の後、アメリカは徴兵制を志願兵制に変えました。イラク戦争でなぜ志願兵が集まったのかというと貧困です。軍の医療保険には家族も入れるし、除隊後には大学の奨学金も受けられる。貧しさのなかで生き抜くために軍隊に志願するんです。
 イラク戦争の米軍戦死者で最も多かったのは、貧しい地域の出身者です。
 貧困が志願兵を生む社会的土壌になっている。私は「貧困の装置化」とよんでいます。
 今の日本も貧困マジョリティー(多数派)をつくる政策を進めています。規制緩和と福祉切り捨ての新自由主義政策は、自衛隊員のリクルートにも効果があるんです
 もう一つは軍需による経済成長です。
 いま人囗減少時代がいわれていますが、国内市場が狹くても、それと関係なく成長できるのが軍需産業です。
 これには歴史的な先例があります。戦前の大蔵大臣の高橋是清です。
 彼のおかげで昭和恐慌から脱出できたといわれますが、彼がやったのは金融緩和と、公債発行(借金)による軍備拡張でした。高橋財政はアペノミクスと同じリフレ政策なんです。それによって「経済の軍需化」が一気にすすみ、長い十五年戦争へとすすんでしまった。
 現在の軍需産業の最終目標は核兵器です。核兵器の材料のプルトニウムは原発でつくれます。安倍政権が原発再稼働にこだわるのも、自民党の中に核武装の野望が伏流水のように流れているからです



 安倍政権の統治の特徴はメディア・マネー・マインドの三つのMのコントロールです
 メディアではNHKの籾井勝人会長などのトップを抱きこみ、政権寄りの報道をさせようとはかる。一例にすぎません。
 マネーは株価です。株高の主たる原因は海外の投機資金ですが、その株高を利用して国民のマインドをコントロールする。
 三つのMにだまされず、国民の皆さんには本当のことを見抜いてほしい。今こそ日本人は鋭い洞察力を持つことが必要です。


(`・ω・´)ゞ



「人ごとではない」「日本が加害者に」 ガザ空爆と集団的自衛権
(東京新聞【こちら特報部】)2014年7月15日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014071502000158.html
 パレスチナ自治区ガザに対するイスラエル軍の空爆中止を求める声が、日本国内でも高まっている。安倍政権が集団的自衛権の行使容認を閣議決定した後、初めて目の当たりにする戦争である。これまでは海外で戦争が起こっても、どこか人ごとだった。だが、「海外で戦争する国」に仲間入りした今、他国で自衛隊が殺し、殺されるかもしれない。もはや日本人の誰もが、世界中で流される血から目をそらすことはできない。
(林啓太、荒井六貴)

人ごとではない日本が加害者にガザ空爆と集団的

 ★市民が反戦デモ

 「イスラエルは空爆をやめろ」「日本政府は(イスラエルに)協力するな」
 十一日夜、東京都千代田区のイスラエル大使館前。小雨がぱらつく中、百五十人以上の市民がガザ空爆に抗議した。
 反戦デモ集会の常連組ばかりではない。大使館の近くに住む主婦(三六)は初めて駆け付けた。幼稚園年長の長男(五つ)も一緒だ。「集団的自衛権の行使が容認され、戦争は人ごとではない。大使館前でたまたまデモをしていたので来てみた。子どもには、戦争の問題に無関心でいてほしくない」
 早稲田大一年の池田大樹さん(二三)もデモ初参加である。知迴合いの国際交流団体の職員に誘われた。「特定秘密保護法や日本版NSC(国家安全保障会議)など、安倍政権の一連の動きに漠然とした不安を感じていた。ガザで罪のない人が殺されるのは人間として許せない」
 なるほどガザは殺戮戦の最中だ。きっかけは少年の殺害だった。六月にユダヤ人少年三人が遺体で発見され、今月上旬にパレスチナ人少年が殺害された。ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとイスラエルの対立は先鋭化。ハマスがイスラエルにロケット弾を八百発以上発射する一方、イスラエル軍はガザの千三百ヵ所以上に空爆などを加えた。イスラエル軍は対空防衛システムでロケット弾を撃墜しているが、パレスチナ側は死者が百七十人超、負傷者が千百人以上に上る。犠牲者には女性や子どもが少なくない。
 安倍政権が集団的自衛権の行使容認を閣議決定した一日は、ガザ空爆の開始時期と重なった。実際の戦争を見せつけられたのだ。
 イスラエル大使館前の抗議を呼び掛けた杉原浩司さん(四八)によると、百五十人以上という参加者は「ガザ空爆抗議集会としては過去最多。反戦デモは何回もやってきたが、今回は、今まで見たこともない人が目立った」。前回の空爆抗議集会は、パレスチナ側で約千四百人が死亡した二〇〇八年にさかのぽるが、参加者は百人程度だった。

 ★批判のつぶやき

 ネット上でもガザ空爆への批判が沸騰している。
 ツイッターでは、炎と黒煙が立ち込める着弾直後の様子や子どもの死体写真などの投稿が相次ぎ、「無差別殺戮だ」「戦争は普通の人間を狂気に変えてしまう」などのつぶやきが並ぶ。
 自身もツイッターに空爆批判を書き込んだ人材育成コンサルタントの辛淑玉氏は「ガザの悲劇が、今まで以上に現実感を持ってわれわれの胸に迫ってくるのは、集団的自衛権の行使容認で戦争が身近になったことが大きい。多くの人が『日本が加害者になるのではないか』と心配してい
る」とみる。

戦争の影身近に ガザ空爆と集団的自衛権

「仲介者イメージ崩れる」

 ★米の動向に左右

 集団的自衛権の行使を容認した日本が、ガザ空爆に加担することはあり得るのか。
 水口章・敬愛大教授(中東経済論)は「今のところガザヘの自衛隊派遣は考えにくいが、レバノンやイランに飛び火して米軍に被害が出るようなことになれば、自衛隊が関与する可能性はゼロではない」と説く。
 これまで日本は、非軍事分野でパレスチナの平和構築に貢献してきた。病院や道路などインフラ整備に充てられる政府開発援助(ODA)の総額は十二億ドル。0六年からは「平和と繁栄の回廊」と銘打ち、ヨルダン渓谷西岸の産業育成策を続ける。水口氏は「日本はODAを使うことで、パレスチナを国として扱ってきた。日本が、パレスチナの自治権拡大に果たした役割は大きい」と評価する。
 ところが、近年は「米国のユダヤロビーの圧力もあり、イスラエル寄りになっている」(水口氏)。実際、日本とイスラエルは、軍事面でのつながりを急速に強めている。

★ストレス社会に

 安倍政権は四月、武器輸出三原則を撤廃した。新たな原則では、国連安保理が「紛争当事国」と認めない限り、禁輸の対象にはならない。イスラエルはこれに抵触しない。つまりイスラエルには、いつ武器が輸出されてもおかしくない。
 イスラエルのネタニヤフ首相が五月に来日した際、安倍晋三首相との会談では、サイバー攻撃への連携強化、NSCでの情報交換、防衛当局間の交流拡大などで一致した。
 ○六~一〇年にシリア大使を務めた国枝昌樹氏は「イスラエルに提供する武器は論理的には、パレスチナとの紛争で使うことに行き着く。圧倒的な軍事力を誇るイスラエルをますます利することになる」と指摘する。
 集団的自衛権行使容認や武器輸出解禁が、日本と中東の関係にもたらすものは何か。
 伊勢崎賢治・東京外語大教授(平和構築論)は「イスラム国家の日本を見る目はすでに変わっている」と警鐘を鳴らす。
 「イスラム原理主義者の不満が、日本に向くことになる。海外からのテロなど今までにないリアクションが起きる恐れもある。日本は、戦争とテロが常に隣り合わせのストレス社会になる。テロ対策名目で当局の監視が強まるなど目立たないところで既にストレス社会化は始まっている」
 イスラエルとパレスチナの若者を約二週間、東日本大震災の被災地に招き、共同生活を送る取り組みを続けているNPO「聖地のこどもを支える会」(東京)の井上弘子理事長は「日本は仲介者のイメージがあったが、集団的自衛権で米国やイスラエル側に偏り、崩れてしまう。『国益』だけでは何も解決しない」と嘆く。
 もちろん、戦争や紛争の舞台はガザだけではない。今年だけでも、シリアやイラクの内戦、ウクライナとロシアの紛争などが幾多の悲劇を生んだ。水口氏は「世界では今後、食料や資源、領土をめぐる戦争や紛争が増えていく。集団的自衛権の行使を容認した日本は、それらの当事者になる危険性をはらむ」とみる。 国枝氏は、非軍事部門における日本の役割を強調する。
 「集団的自衛権の行使は、欧米の一部首脳には喜ばれるかもしれないが、日本の歴史的使命を考えるべきだ。戦争の惨禍を二度と繰り返すまいと、歴代政権や非政府組織(NGO)、企業が、海外でいいイメージをつくってきた。それを生かしていくべきだ」

ガザ空爆と集団的自衛権デスクメモ


イスラエルの人たちが、ガザの空爆を高台から見物

戦争は普通の人間を狂気に変えてしまう


Gaza live!

http://www.ustream.tv/channel/18507587


イスラエルのガザ侵攻について、なされている報道は正しいのか。
(広河隆一)
http://www.hiropress.net/information/news/news140718_03.html



戦時下。でもTVは通常営業


Patients Trapped in Shelled Gaza Hospital, Director Says
http://www.nbcnews.com/storyline/middle-east-unrest/patients-trapped-shelled-gaza-hospital-director-says-n159176


News Reporter exposes Israel on live television. WAR against Gaza

http://youtu.be/J5suQjx4em8


Israeli troops enter Gaza, take more civilian lives (Latest Updates - 05:00 GMT)

http://youtu.be/tysPTFQvkHM

What is their guilt?

Brave son of #Gaza

فيديو ابكاني فلم تعد دنياي بعدها كما كانت

http://youtu.be/JfKwW3pkx7g


Most Shocking Second a Day Video

http://youtu.be/RBQ-IoHfimQ



「パレスチナのラマッラー市で、キリスト教徒とイスラム教徒がイスラエルにガザ攻撃をやめるよう呼びかけるデモを行った」

小出裕章先生:鼻血の原因・・被ばくと因果関係がないというような発言をする政治家はおかしい!

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母になったアイドル・千葉麗子が今、守りたいもの(ラジオフォーラム#80)

http://youtu.be/_sOgan1Sqko?t=14m18s
14分18秒~第80回小出裕章ジャーナル
『美味しんぼ』バッシング騒動について「どうしてこんな事が大騒ぎの原因になるのか、それこそが私にとっては不思議でした」

http://www.rafjp.org/koidejournal/no80/

今西憲之:
今年の5月に連載されておりました漫画『美味しんぼ』の問題、大きな騒動になりました。『美味しんぼ第604話 福島の真実その22』で登場する山岡さんという記者の方が、 福島第一原発の内部で取材をしたと。
美味しんぼ 鼻血
その後、疲労感を覚えたり、原因不明な鼻血を出したという体調の異変を訴えたシーンが描かれました。これについて、非常に大きな論議を呼びました。小出さんもあちこちからコメントを求められ、いろいろお答えになられたというのを私も記憶しているんですけれども。実際にこのシーン、漫画で読まれて率直な感想はいかがでしたでしょうか?

小出さん:
そのシーンというよりですね、「この美味しんぼという漫画がとても素晴らしい漫画なんだな」と、まずはそう思いました。

今回のテーマも福島の原発の事故を取り上げて下さって、その中で苦難のどん底に落とされた被害者の方達がたくさんいるわけですけれども、その方々に寄り添おうとする姿勢がはっきりと出ていて、私としては大変ありがたかったし、こういう漫画が今存在してくれているということをありがたく思いました。

その上で鼻血のシーンですけれども、要するに事実として描いたというだけのことであって、何ら問題のないはずだし、どうしてこんな事が大騒ぎの原因になるのか、それこそが私にとっては不思議でした

今西:
そして、前福島県双葉町長の井戸川さん、ラジオフォーラムにもゲストに以前出ていただききましたが(→第49回)、「福島では同じような症状を訴える人がたくさんいらっしゃいます」ということで、鼻血について述べられた。こういう事実、井戸川さん自身も鼻血が出ている。
ラジオフォーラム

小出さん:
そうです。彼自身もたくさん何度も鼻血を出しているわけですし、ちゃんとその事実というか写真でも示してくれていますし、もちろんたくさんの人が鼻血を出しているわけで、私自身もたくさんの人から鼻血が出たという話を聞いています
井戸川克隆 鼻血
美味しんぼ 井戸川

今西:
なるほど。にも関わらず、おまけにこれは漫画ですよね?

小出さん:
はい。 でも、漫画だから許されるということはないでしょうから、もちろんちゃんと議論はしていいと思いますけれども、でも、鼻血が出た、あるいはそれを漫画が取り上げたからといって一体何なんだと私はまずは思いました

今西:
なるほど。それで、石原環境大臣筆頭にいろいろな政府の要職の方が「放射能と鼻血の因果関係は一切ない」と述べるなど、猛烈なバッシングが展開された訳ですよね。どうしてここまでバッシングをしなければならないのか。やはり、この背後には、原発を再稼働したいという原子力ムラの影が見え隠れするのかなと思ったりしたのですが、小出さんいかがでしょうか?
井戸川克隆 石原がいちゃもん

小出さん:
もちろんそうだと思います。しかし、石原さんにしても官房長官の菅さんにしても、いわゆる自民党の要職にあるわけです。そして、福島の事故を起こした責任って一体誰にあったのかと言えば、福島の原子力発電所が安全だとしてお墨付きを与えた自民党にこそ、私はあったと思います。それなのに彼らは何の処罰も受けない

そして、謝罪もしないまま、単に鼻血が出たという事実を描いただけの漫画を攻撃するということになっているわけです。まことに異様なことだし、多くのマスコミが何かその鼻血が出たと報道した漫画自身がおかしいというようなことに加担したわけで、随分おかしな世界だなと私は思います。

小出裕章ジャーナル

今西:
なるほど。そうですよね。事実、自民党の国会議員の方も国会の場で鼻血について質問をされておられる方までいらっしゃった。

小出さん:
そうです。事実出ているわけですから、そんなことは出たということはただ事実であって、それが一体どういう原因で出たということを科学的に突き止める責任は、まずはその事故を引き起こした自民党にこそあるはずなのですけれども、ただひたすら鼻血と被ばくの因果関係を否定するという、そういう行動に出てきたわけですね。

私は全くおかしいと思いますが、彼らとしては日本中の原子力発電所を再稼働させたいわけですし、一刻も早く福島を忘れさせてしまいたいわけですから、何としてもこういう被害を否定したいと思ったのだと思います

今西:
なるほど。それで実際、科学的根拠があるという意見もあればないという意見、いろいろ紹介されました。やはり大事なのは、まず正確な情報を得るということが一番必要ではないかなあと思うのですが。

小出さん:
そうです。これまで蓄積されてきた被ばくと被害の因果関係を証明するデータというのは、主要な部分は広島長崎、原爆被爆者にあったのです。
原爆傷害調査委員会(ABCC)
原爆傷害調査委員会(ABCC)

その被ばくの仕方というのは、瞬間的に大量な被ばくを外部から受けたという、そういう被ばくの形式に対しての被害が、データとしてだんだん蓄積されてきたというわけですけれども、今回の場合には、おそらくそうではなくて、外部から全体的に被ばくを受けたというのではなくて、鼻なら鼻の部分だけ局所的に被ばくをしたという、かなり特殊な被ばくの仕方というのがあり得たと私は思いますし、そういう事をキチッと検証しなければいけないはずなのですが、いわゆる科学の常識に従って、これまでのデータだけで判断してしまうという、誤りを多くの方が犯したと思います。
美味しんぼ第604話 福島の真実その22の3
美味しんぼ第604話 福島の真実その22の4

今西:
なるほど。過去の例にない被ばくの仕方をされたのではないかということですね。

小出さん:
はい、福島の事故なんていうのは、人類が初めて遭遇している事故なわけであって、過去の経験では分からないような被ばくの仕方というのは、あるはずだと私は思いますし、科学というのは一歩一歩、事実と経験を蓄積していかないといけないものなわけですから今、進行してる福島の事故、そしてその汚染からの被ばくということにもっともっと謙虚に向き合うべきだと思います
美味しんぼ第604話 福島の真実その22の17

今西:
ありとあらゆる可能性を想定しながら徹底的に調べることが大事ではないかということですね。

小出さん:
そうです。それが科学的な態度だと思います。

※「心配ない」とは何だったのか 福島県飯舘村の初期被ばくを追う
http://ameblo.jp/m08068469/entry-11850967259.html

今西:
なるほど。なるほど。けども、その科学的な態度がなかなか実際問題、実践されてないというのか。

小出さん:
まあ、政治家の方々に科学的な態度を求めるというのも、おかしな話ではありますけれども、でも、政治家の人というのは、やはり人々を守るというのが一番の大切な役割だと思いますし、頭から、もう被ばくと被害の因果関係がないというような発言をするというのは、まことに政治家としてもおかしいと思います
美味しんぼ第604話 福島の真実その22の8
美味しんぼ第604話 福島の真実その22の9

今西:
そうですね、はい。それでですね、私この『美味しんぼ』のバッシング騒動を見ておってですね、やはり、ひとつマスコミでも欠けておったところがあるかなあと思うんですね。実際に、その記者として描かれていた山岡さんという方ですね、この方が実在するのかどうかっていうのを確認したマスコミはないと思うんですよね。

小出さん:
なるほど、はい。

今西:
漫画で一応、架空の人物とされておるのですけれども、ひょっとすれば作者の雁屋さん、取材をされておられてそういう方がいらっしゃった。ただ、何らかの事情で実名を出しておられないとう可能性もある訳ですよね。

子供の鼻血・・・放射線被害では?

小出さん:
はい、私は少なくとも『美味しんぼ』という漫画を見た限りでは、極めて緻密な取材をしたんだなと感じましたので、きっともちろん、山岡さんという名前ではないと思いますけれども、実在の方がいらっしゃると思います。

福島の真実──『美味しんぼ』作者・雁屋哲氏に聞く
http://nichigopress.jp/interview/%E3%80%90%E3%83%AB%E3%83%9D%E3%80%91%E5%8E%9F%E7%99%BA%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%82%92%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B/51415/

今西:
そうですね。いや、そこが私もマスコミの仕事に関わりながら非常に大きな反省点かなあと、問題点かなあと思ったりするのですけれども。『美味しんぼ』、今、一時休載という形になっておるのですけれども、どうでしょう小出さん、ぜひ続けてほしいなあと私は思ってるんですが。

小出さん:
はい、もちろん私も思います。こういう優れた漫画が今この時にあってくれたことを有難く思いましたし、これからもどんどん活躍してほしいと願います。

今西:
そうですね。ぜひ、今後も福島のことを描いて頂きたいなあと思います。はい、小出さん今日はありがとうございました。

小出さん:
はい、ありがとうございました。



『美味しんぼ』福島の真実編に寄せられたご批判とご意見、編集部の見解(週間ビッグスピリッツ編集部)
http://spi-net.jp/spi20140519/spi20140519.pdf
より

小出裕章氏
京都大学原子炉実験所助教(原子核工学)

 今も帰れない地城が存在している、危険が存在するという事実を伝える必要はもちろんあります。国や電力会社、大手マスコミがその責任を放棄する、むしろ意図的に伝えないようにしている現状では、そうした活動は大切です。「鼻血」が出ることについては、現在までの科学的な知見では立証できないと思います。ただし、現在までの科学的な知見では立証できないことであっても、可能性がないとは言えません。科学とは、事実の積み重ねによって進んでいくもので、従来は分からなかったことが少しずつ分かっていくものです。もちろん、心因性の「鼻血」は十分にありうると思いますし、従来は知られていない鼻粘膜の損傷の機序もあるのかもしれません。人間は個人差、個体差がありますので、鼻血を出す人も出さない人もいることは当然です。でも、私は医者でも生物学者でもないので、地域差が生じるかどうかは分かりません。「疲労感」については、不安を抱えている中では、心因性のものは当然あるでしょう。あるいはマスクをするなどという行為に伴う疲労もあるでしょう。
 行政は、事故を引き起こしたことについてなんの責任も取らないままですし、むしろ現在は福島原発事故を忘れさせようとしており、マスコミもそれに追随しています。このような状況で、行政の発表に対して不信感を持たないとすれば、そちらが不思議です。何より放射線管理区域にしなければならない場所から避難をさせず、住まわせ続けているというのは、そこに住む人々を小さな子どもも含めて棄てるに等しく、犯罪行為です。





20120728 知られざる放射線研究機関 ABCC/放影研

http://dai.ly/xsgr38
報道特集より。

原爆の悲惨さを訴えて今も読み継がれているマンガ「はだしのゲン」。
放影研の前身であるABCCを描いた場面が出てくる。
「なにもくれず、まるハダカにされ、白い布をかぶせられ、血を抜かれて体をすみずみまで調べられた‥」「アメリカは原爆を落としたあと、放射能で原爆症の病気が出ることがわかっていた‥ わかっていておとしたんじゃのう」「戦争を利用して、わしらを原爆の実験にしやがったのか」
はだしのゲン作者の中沢啓治さんは自身も被ばくしている。母が亡くなったとき、ABCCが来て、母親の内蔵をくれと言われたという。

ABCCによる被爆者調査の背景を物語る文書がある。
「アメリカにとってきわめて重要な放射線の医学的/生物学的な影響を調査するには、またとない機会だ‥。」
1947年、広島でABCCが設立された。
ABCCが当初もっとも重視したのが遺伝的な影響だった。
広島、長崎で生まれた被曝2世、約7万7000人を調査。
担当部長は死産や生まれた日に死んだ赤ちゃんも調べたという。

そんな放影研に福島県郡山市から依頼があった。
大久保利晃理事長が市の健康アドバイザーとして招かれたのだ。
しかし実は放影研の調査対象は高線量外部被ばくだけ。
福島でいま起きていることは、これとは異なり、内部被ばくだ。

内部被ばくについては、ABCCの時代から調査の対象外としてきた。
だがABCCが一時期、内部被ばくの調査に着手していたことが、取材でわかった。
当時の生物統計部長だったウッドベリー氏は、内部被ばくの原因となった黒い雨の本格的な調査を主張していた。
そして1953年から1年ほど、内部被ばくの予備調査が続いた。
その調査の担当者だった日本人の研究員、玉垣秀也氏は、黒い雨をはじめ、残留放射能の調査を命じられた。
しかし上司は衛生状態の悪化が原因だとして調査を打ち切った。
そしてABCCから放影研に変わったあとも、内部被ばくの調査は再開されなかったという。




【美味しんぼ 鼻血】石原環境相の発言を批判した福島県前双葉町長 井戸川克隆さんが語る福島県の真実

http://youtu.be/AqKjuRlW3B0
肥田舜太郎医師との対談より

110616東京新聞特報子に体調異変じわり 大量の鼻血
2011年6月16日 東京新聞・こちら特報部


森まさこ「美味しんぼの表現は遺憾だ」←2年前鼻血を訴えてたw

http://youtu.be/d3BKh--dhE8



福島事故直後に原発推進案

自民党福島県連 パンフ

(;`O´)o(`・ω・´)《゚Д゚》



○●○●○●○●○●



川内原発の一方、放置される核のごみ 原子力「まいね」四半世紀
(東京新聞【こちら特報部】)2014年7月17日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014071702000193.html
 九州南端の鹿児島県にある川内原発が再稼働に向けて動きだしたが、大切な問題が放置されたままだ。「核のごみ」をどうするのか。使用済み核燃料は、本州北端の青森県にある核燃料サイクル施設で再処理することになっているが、最終処分場はまだない。四半世紀の間、「核燃」にあらがってきた青森の人たちも、再稼働の動きを注視している。
(白名正和、篠ケ瀬祐司)

川内原発の一方放置される核のごみ原子力「まいね」

本州北端・青森の闘い

 「議論が不十分なまま、再稼働を急いでいる」
 日本原燃の核燃料サイクル施設(青森県六ケ所村)に反対する市民団体「核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団」の代表で、弁護士の浅石紘爾さん(73)はそう話した。共に、東京から遠く離れた場所にある「原子力施設」だけに、余計に気になるという。
 1986年、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故が起きた。その記憶が残る88年10月、核燃料サイクル施設のウラン濃縮工場の建設が始まった。浅石さんたちは89年7月、「安全性が不十分なので動かしてはいけない」と国を相手取り、事業認可の取り消しを求めて提訴した。
 提訴直後の参院選では「反対」を訴えた候補が、村長選では「凍結」を訴えた候補が当選した。村内では反対運動が盛り上がり、低レベル放射性廃棄物埋設センターや高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、使用済み核燃料再処理工場の3施設についても、事業認可取り消しを求めて提訴していった。
 村民約20人が加わるなど原告団に約300人が名を連ねた。1500人の支援者もいて、放射能が魚介類に与える影響について調べたりもした。
 だが、訴訟が続く中、施設は次々と完成し、操業が始まった。すると、電源立地地域対策交付金などの「核燃マネー」で村が潤い始めた。高性能の音響設備があるコンサートホールや、高齢者が無料で使える温泉施設もつくられた。
 村民の収入も増えた。県の統計によると、2011年度の村民1人当たりの年間所得は約1170万円で、県平均230万円の約5倍もある。
 「『もう動いてしまったからしょうがない』と考える住民が増えた。反対運動を広げる上での影響は大きかった」と浅石さんは振り返る。
 先月、福島第一原発事故後初めてあった村長選が、村の現状を象徴している。核燃推進派の戸田衛前副村長が、約95%の得票を得て当選した。
 89年の提訴から今月で25年となった。高齢の原告が亡くなったこともあり、現在では、村内に住む原告は漁師の種市信雄さんら数人しかいない。支援者も約500人と3分の1に減った。
 「20年以上という時間は長かった。60歳で活動を始めても80歳を超えることになる。死亡や病気で活動から離れる人が多かった」と、原告団の山田清彦事務局長(57)は説明する。
 ただ、最初の2つの訴訟は最高裁で敗訴が確定したが、貯蔵管理センターと再処理工場については、現在も青森地裁で争っている。
 浅石さんは「反原子力の思いは消えていない。原発の安全性を重視する大飯原発の運転差し止め判決があった。脱原発の機運は高まっている。私たちの思いがへこむことはない」と言う。山田さんも「過酷な事故が起きる恐れから、目を背けてはいけない」と訴えた。

絶対ダメ 原子力「まいね」四半世紀

「金曜デモ」も100回超

 六ケ所村以外でも、青森県で、反核燃・原発を訴え続けてきた人はいる。
 弘前市内の主婦らはチェルノブイリ原発事故があった86年、「放射能から子どもを守る母親の会」を結成した。以来、2カ月に一度、「核燃まいね」を合言葉にデモをしている。「まいね」は絶対にダメという地元の方言だ。
 活動は28年間、途絶えたことがない。先月28日のデモの参加者は10人と多くはないが、268回目を数えた。
 福島第一原発事故後、新たに加わる人もいて、参加メンバーの村松正江さん(65)は手応えを感じている。「車やバスの中からデモを見詰める人が増えた。横断幕を上げてあいさつすると、反応してくれる。あきらめたと思われるのは嫌。仲間とは『続けるしかないね』と話している」
 一昨年8月からは、青森市内でも毎週金曜日、反原発・核燃を訴えるデモが続けられている。官邸前デモに呼応して始めた「あおもり金曜日行動」だ。こちらは今月4日、100回目を迎えた。50人以上が参加し、「原発いらない、再処理とめよう」と声を上げながら市内を行進した。
 六ケ所村以外にも青森県内には、原子力関連施設が数多くある。東北電力東通原発(東通村)のほか、建設中の東京電力東通原発、電源開発の大間原発(大間町)、リサイクル燃料貯蔵の使用済み燃料中間貯蔵施設(むつ市)などだ。
 「金曜日行動」の開始当初から携わってきた自営業の中道雅史さん(58)は「仮に国内の原発が全て止まっても、核燃サイクルが止まるまで運動を続ける」と決意を語る。
 一昨年8月には、県内約50の団体が集まって「なくそう原発・核燃、あおもりネットワーク」が発足した。これまで三村申吾県知事に対し、原子力規制委員会の審査内容の把握状況や、原子力防災計画に関する考え方などをただしてきた。
 川内原発の動きにも注目する。代表者は9日、青森市内の原子力規制委の関連施設を訪れ、再稼働反対という「ネットワーク」の考えを伝えた。新谷進一事務局長は「川内原発の再稼動が全国の原発再稼働につながりかねないためだ」と説明する。
 だが、原子力関連施設を容認する人が少なくないことも事実だ。最大の理由は、やはり地元に落ちる「原子力マネー」だ。
 青森県は本年度、ウラン濃縮や使用済み燃料の貯蔵などに対する核燃料物質等取扱税(核燃料税)として約181億円を見込んでいる。法人税の約212億円に迫るほど巨額だ。
 脱原発弁護団全国連絡会の只野靖事務局長は、原子力施設が立地する地方が、原子力マネーに依存するのは構造的な問題だと指摘する。「70~80年代に過疎化の危機感を抱いた自治体が原子力施設を受け入れた。電力事業者は自治体の足元をみるような施策を進めてきた」
 そんな状況でも屈せず、声を上げ続ける市民の取り組みに、只野氏は賛辞を贈り、自らを鼓舞する。
 「粘り強い活動に頭が下がる。原発の運転差し止め訴訟も、世論の後押しがあれば裁判所は動く。川内原発では規制委の新基準の審査結果が出たが、あきらめずに活動を続けていきたい」

川内原発の一方、放置される核のごみ デスクメモ



泥沼にはまった福島・中間貯蔵施設
(東京新聞【こちら特報部】)2014年7月18日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014071802000135.html
 原子力ムラの人びとが居並ぶ原子力規制委員会は十六日、新規制基準「合格」の第一号を出した。福島原発事故の収束を二の次にした暴挙といえる。その福島では、除染ごみの中間貯蔵施設の建設が難航している。予定地の大熊、双葉両町とも受け入れを留保。住民は事故で「カネと人生の交換」という原発の本質を知った。だが、政府の姿勢は事故以前のまま。その隔たりが建設を阻んでいる。
(上田千秋、榊原崇仁)

泥沼にはまった福島・中間貯蔵施設

「口先ばかり」政府不信 「最終処分場化」に住民ら懸念

 「簡単に『はい、そうですか』というわけにはいかない。国は納得できる説明をしていない」
 17日、多くの大熊町民が暮らしている同県会津若松市の仮設住宅で、同町の男性(67)が語気を強めた。
 大熊、双葉両町の大半は放射線量が高い帰還困難区域に指定され、全住民が避難生活を続けている。国は5月から6月にかけて計16回、各地で説明会を開いたが、両町とも「国は住民の質問に明確に答えなかった」として、施設受け入れの判断を留保している。
 建設予定地に自宅がある男性(72)は「いまはまだ一時帰宅できるが、施設ができれば永久に自宅に帰れないことになる。絶対に認められない」と訴えた。
 住民の最大の懸念は、なし崩し的に汚染土を置きっ放しにされかねないという疑念だ。国は30年以内に最終処分場を設けて、すべて搬出するとしているが、使用済み核燃料の最終処分場がいまだ決まらない現実からも説得力はない。
 冒頭の男性は「最終処分場にしないというなら、現段階で場所を示すのが筋だろう。安倍首相は復興公営住宅の整備を急ぐと言ったのに、一向に進まない。国の言うことは口先ばかりで信用できない」と憤る。
 住民も施設の必要性を理解はしている。一人の女性(56)は「先祖代々の土地を奪われるのはつらい」としつつも「子や孫の代になっても大熊で暮らすのは難しいだろう。そうである以上、原発の地元で引き受けるのは仕方がないと思っている」と胸中を明かした。
 だが、そんな住民の気持ちを逆なでしたのが、石原伸晃環境相の「最後は金目でしょ」という発言だ。先月16日に飛び出した。
 別の女性(88)は「あの人は何一つ不自由なく育ったお坊ちゃん。人の痛みが分からないのだろう。施設を造らなければいけないことは分かる。でも、あんな言い方をされて、賛成できるわけがない」と話した。
 福島第一原発の西8キロにある大熊町の行政区「野上1区」は今月3日、住民の総意として「帰らない宣言」をした。効果のない除染などやめて、その分、新天地で生活再建できる十分な補償を求めている。
 施設予定地は国が買い取ることになっている。同区は予定地に入っていないが、同区の木幡(こわた)仁区長(63)は「道1本隔てただけで、予定地か否かの線引きがされてしまう。それは自宅や土地を国が買い取るかどうかの違いになる。これでは、町民の間にしこりができてしまう」と懸念する。
 「国はあいまいな態度をとり続けるべきではない。戻れるのか戻れないのかをはっきりと示すのが先。そうしないと、予定地の住民も判断できないだろう」

泥沼にはまった福島・安全管理も山積み

安全管理も不安山積

 こうした状況下、政府が描いた来年1月からの施設の使用開始というシナリオは厳しさを増している。
 これまでの経緯を振り返ると、こうなる。政府は2011年10月に中間貯蔵施設に関する基本的な考え方をまとめた。ここでは、施設の確保や維持管理は国の責任で行う○汚染土壌などは福島県分のみを搬入する○30年以内に福島県外で最終処分を完了させる─などの方針を示した。
 翌12年3月には福島第一、第二原発が立地する大熊、双葉、楢葉の3町に分散設置する案を提示。比較的線量が低い楢葉町が早期の住民帰還のため受け入れを拒んだのを踏まえ、今年2月には大熊、双葉両町に集約する案を示した。
 ただ、2町がすんなりと受け入れるはずがない。
 政府は使途の自由度の高い交付金の創設を提案したが、住民説明会では「なぜ大臣が来ないのか」などと不満が続出。加えて、金目発言で怒りが爆発した。
 問題は補償などの金銭面に限らない。除染廃棄物は「フレコンバッグ」という袋に詰め込み、現在は仮置き場などに置いてあるが、管理面で課題を抱える。
 環境省の担当者は「耐用年数が3年の袋を使うルールにしており、期限を超える前に詰め替えるようにしている」と説明する。しかし、同県飯舘村の住民らによると、3年もたたないうちに破れて、放置されている例もあるという。
 さらにバッグを手がける業界団体の関係者は「1枚数百円の安い外国製品も少なくなく、除染場所から仮置き場に運ぶ時に破れることもある」と漏らす。
 県内各地の仮置き場から中間貯蔵施設への輸送も、すんなりとはいかない。
 中間貯蔵施設で保管する廃棄物は最大で2800万立方メートル、重さにして3500万トンになる。環境省の試算では、10トンダンプを使って3年間で運び終えようとすると、1日2000台程度必要になる。これは県内で登録される10トンダンプの8割強に当たり、除染以外の復興関連工事も本格化する中で、これだけの台数を確保するのは困難を極める。
 仮にダンプが確保できても、積載した除染廃棄物が交通事故で飛散してしまう恐れがあるほか、深刻な交通渋滞や排ガス、騒音などの被害も予想される。
 決定的なのは、施設の最終処分場化という懸念だ。石原環境相は今年5月、国の特殊会社「日本環境安全事業」の関連法を改定し、同社に施設運営を担わせたうえ、30年以内に県外で最終処分する旨を明記する方針を示した。
 しかし、それが空約束になり、半永久的に「中間貯蔵」が続きかねないという住民たちの不安の方が、よほど現実味がある。

受け入れ迫る手法「原発建設時と同じ」

 そもそも、「迷惑施設」をカネで住民に受け入れさせようという国の姿勢に、住民たちは既視感を覚えている。大熊町住民の聞き取り調査をする大妻女子大の吉原直樹教授(社会学)は「原発建設時の手法と変わらない」と批判する。
 あれだけの惨事であったにもかかわらず、政府は何も教訓を学んでいない。だが、被災した立地町の住民の中には、原発の恩恵に頼り切り、国や電力の言いなりになってきた「原発さまの町」の歴史を見つめ、脱却する動きも出ている。
 吉原教授はこう話す。
 「町民たちは国の原発政策で自らの生活が奪われた。再び自立するうえで『もう国に言いくるめられるわけにはいかない』と強く思う人が少なくない。強引に原発再稼働を推し進める今の政府の姿勢も、不信感ばかりを生んでいる。そんな中で国の意向通りに、中間貯蔵施設の問題が進むと思ったら大間違いだろう」

泥沼にはまった福島・中間貯蔵施設デスクメモ

パパ、パパ… (´Д⊂  愛が消えつつある社会で・・

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パパ、パパ…衰弱死 児童虐待を防ぐ手だては
(東京新聞【こちら特報部】)2014年7月19日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014071902000158.html
 「パパ、パパ」の訴えもむなしく、真っ暗なアパートの一室で衰弱死-。神奈川県厚木市で斎藤理玖(りく)ちゃん=当時(5つ)=の白骨遺体が見つかった事件に胸がつぶれる思いだ。全国で悲惨な児童虐待が後を絶たない。過去には、段ボールを食べながら餓死した男児や、小さな木箱の中で窒息死した女児もいた。防ぐ手だてはないのか。
(白名正和、荒井六貴、山田祐一郎)

パパ、パパ…衰弱死 児童虐待を防ぐ手だては

厚木の理玖ちゃん 2年間アパート「監禁」

 「こちら特報部」は、厚木の虐待事件の現場を訪ねた。小田急本厚木駅から北へ約五キロ、理玖ちゃんの白骨遺体が見つかったアパートは、田畑が入り交じる住宅街の一角にあった。
 「姿を見かけないと思っていたが、どこかに引っ越して元気に暮らしているものとばかり…。悲しくてやりきれない」。アパートの隣に住む女性(八〇)は沈痛な表情を浮かべた。
 事件が発覚した五月三十日は皮肉にも、理玖ちゃんが生きていれば十三歳の誕生日だった。アパートの前を通りかかった中学一年の男子生徒(一二)がつぶやいた。「本当なら理玖ちゃんは今ごろ、僕と同じ学校に通っているはずだった。友達になれたかもしれない。ずっと閉じ込められていたなんて残酷すぎる」
 なるほど残酷な事件である。
 横浜地検は八日、父親で元トラック運転手の斎藤幸裕被告(三六)=詐欺罪で起訴=を殺人罪で追起訴した。幸裕被告は、理玖ちゃんを部屋に閉じ込めて食事や水分を十分に与えず、二〇〇七年一月中旬に栄養失調で死亡させたとされる。遺体は七年以上も放置された。
 「監禁」が始まったのは、母親がDV(家庭内暴力)を理由に家を出て、理玖ちゃんと幸裕被告が二人暮らしになった○四年十月以降。アパートの部屋の窓には粘着テープが張られ、幸裕被告の留守中は玄関の鍵がかけられる。理玖ちゃんは寂しさからか、出勤前の幸裕被告に「パパ、パパ」としがみついた。電気もガスも水道も止められた真つ暗な部屋で、幸裕被告の帰りを待ち続けた。
 「母親がいる間は、理玖ちゃんの家の窓から、台所で料理をする音などが聞こえていた。でもいつからか聞こえなくなった。明かりもっかず、雨戸も閉め切ったまま。物音も、家の中からはほとんど聞こえてこなかった」(前出の女性)
 幸裕被告は少しずつ家に帰らなくなる。交際相手ができたためらしい。帰宅は一日おき、二日おきになった。理玖ちゃんが最後に父親の姿を見たのは、○七年一月。がりがりにやせ細り、自力で立つことも、パンの袋を開けることもできないほど弱っていた。「パパ、パパ…」。家に戻った幸裕被告にか細い声で呼び掛けたものの、幸裕被告は「怖くなって一時間もいられず、外に出た」という。
 理玖ちゃんはその後すぐ栄養失調で亡くなった。父子二人の生活は二年ちょっと。この間、外の空気を吸うことも光を浴びることもほとんどなく、幸裕被告以外の誰かと顔を合わせることもなかった。遺体発見後、幸裕被告は「いつも理玖の姿が脳裏にあり、『ごめんなさい』と思っていた」と涙した。

児相の役割地域でカバーを 児童虐待を防ぐ手だて

福祉司1人200事案■強制措置機能せず

児相の役割地域でカバーを

 残念ながら児童虐待は珍しくない。
 千葉県柏市で二〇一一年五月、部屋に閉じ込められた男児(二つ)が餓死した。腸には段ボールや紙おむつの成分が詰まっていた。空腹のあまり、手の届くところにあったものを手当たり次第に食べていた。体重は約六キロで、六ヵ月児の平均体重にも満たなかった。
 大阪市では一〇年七月、ワンルームマンションで女児(三つ)と男児(一つ)が餓死しているのが発見された。母親は衰弱している二人の姿を横目に、約五十日間も家に戻らなかった。室内はごみやふん尿が散乱。食べ物を探したのか、冷蔵庫の扉は開いたままだった。
 横浜市では○九年十二月、母親と内縁の夫から夜泣きを疎まれた女児(一つ)が、高さ約六十センチの木箱に十二時間監禁、窒息死した。同市では、一二年七月に女児(六つ)が母親の交際相手から暴行を受けて死亡し、遺体が雑木林に埋められる事件も起きている。
 児童虐待件数は増え続けている。厚生労働省によると、一二年度は約六万六千七百件で○二年度の二・八倍。その一方で、東京都の調査では、居住実態がつかめず所在が分からない十八歳未満の子どもが今月八日時点で都内に三百七十八人もいた。表面化しない被害の多さをうかがわせる。
 虐待事件は、どうすればなくなるのか。
 事件のたびに問題視されるのが、虐待対応の専門機関である児童相談所(児相)だ。厚木市や柏市の事件では、子どもが小学校に通っていないなどの情報が寄せられたが、児相は対応しなかった。批判は免れないが、人員不足で手が回りきらないという事情がある。
 国も全く手をこまねいていたわけではない。児童虐待防止法を○七年に改正し、裁判所の許可があれば家庭に強制立ち入り調査する権限を児相に持たせた。ただし、一二年度の実例は一件だけ。現場は、家庭への強制的措置に二の足を踏んでいるようだ。
 元大阪市甲央児童相談所長の津崎哲郎・花園大教授(児童福祉論)は「児相に虐待への対応をすべて任せても、人員不足などで全案件には対応できない」と強調する。
 児童相談所の数は全国で約二百。県内に二~三ヵ所しかない地域もある。二十四時間寄せられる通報は、とてもさぱけない。津畸教授は「学校や自治体、警察など社会ぐるみで予防する仕組みをつくらないといけない」と説く。
 松原康雄・明治学院大教授(児童福祉論)も「今ある権限を駆使できるよう、虐待に対応する児童福祉司の人数を増やすべき」と主張する。厚労省によると、児童福祉司は、一人あたり二百件以上の事案を抱える。「小学校の教員が、三十人のクラスを指導するのも難しいことを考えれば、児童福祉司が少ないのは明らかだ」
 東京都世田谷区の子育てサロン「アガーポーリ」の中西貴子代表は「子どもに手を出してしまった親が自責の念を抱え込み、子どもをかわいがらなけれぱと不安にかられ、でも、思い通りにいかず再び子どもにあたる悪循環がある」と指摘した上で、地域社会に期待する。
 「親が何でも相談できる居場所があれば、最初の段階で不安が解消され、虐待の芽を小さいうちに摘むことができる。地元の社会で顔の見える関係を築くことが大事

児童虐待を防ぐ手だては デスクメモ


マレーシア機 子ども80人犠牲



子ども虐待対応の手引き
(厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課)
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/dv/dl/130823-01c.pdf

出頭要求から臨検・捜索までのフローチャート

児童虐待 - Wikipedia

ネグレクト - Wikipedia

児童虐待の現状
(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/dv/dl/about-01.pdf
より

児童虐待相談の対応件数及び虐待死亡事例件数推移

日本法医学会課題調査報告
被虐待児の法医解剖剖検例に関する調査
平成12年(2000)~平成18年(2006)
http://www.jslm.jp/problem/childabuse.pdf
より

被虐待児の法医解剖剖検例に関する調査


児童虐待 ~母が語る虐待の現実~

http://youtu.be/DxpwthUkysI


広島の児童虐待死 母親に宛てた手紙に「…お母さん ありがとう …お母さん大好(き)です」
(ガジェット通信)
http://getnews.jp/archives/266956
母子愛

感情的になって記事を書くのは、よくないと分かっている。だが、この事件の顛末を知ると、感情を押し殺すのが難しくなる。あまりに、切なすぎるからだ。新聞記事を読んで、久しぶりに泣いた。

広島県府中町の自宅で、小学5年の長女・唯真(ゆま)さんに暴行し、死亡させたとして、母親の堀内亜里被告(28)が逮捕されたのは、10月1日のことだった。この日、母親は「娘の様子がおかしい」と交番の警官に告げた。すでに唯真さんは車の助手席でぐったりしていた。病院に搬送されたものの、唯真さんは間もなく死亡した。

母親の容疑は傷害致死。2012年10月8日付の中国新聞によると、「(娘が)うそをつくので、しつけのために殴った。30分くらい暴行した」「やり過ぎた」などと、母親は捜査関係者に供述している。唯真さんの頭を殴るのに使ったのは「練習用ゴルフクラブ」。死因は、殴打が原因の後頭部くも膜下出血と脳挫傷による出血性ショックだと言う。

母親は、「東広島市の高校を中退後、17歳で唯真さんを出産。3カ月後に離婚した」、いわゆるヤンママである。母親は自分では育てられないので、「唯真さんは生後5カ月で乳児院に入った」。母親のみならず祖母からも虐待を受け、2009年には児童養護施設へ。2011年に帰宅してからも、母親から日常的な虐待を受けていたようだ。

子育ての力がない母親。子どものことなど関係なく、簡単に離婚してしまう父親。暴力としつけを同じものだと勘違いする祖母。親元にとどまることのできない唯真さんは、「人生のほぼ半分の期間を、乳児院と児童養護施設で過ごした」。今となっては、施設で暮らし続けていた方がよかったのではないかと思ってしまう。しかし、自身が暮らす場所を、子どもが自分で決めることはできない。

10月23日付の同紙に、10歳の唯真さんが母親に宛てた手紙の一部が公開されている。そこには「…お母さん ありがとう …お母さん大好(き)です」と大きな字で書かれている。その「大好(き)」な母親に殴り殺された唯真さんは、何を思いながら殴られ、死んでいったのだろう。

ときどき、したり顔で「生んでくれた親には、無条件で感謝せよ」と述べる年配者がいる。とはいえ、生んでから育て上げたのならまだしも、まともに育てようともせず、挙げ句の果てに子どもを殴り殺すような親に対し、どうやったら「無条件で感謝」などできるのだろう。偉そうにそう言われる度、年の割には「親と子の関係にはいろいろなパターンがある、ということすら知らない無知な人だ」と思ったりする。

繰り返すが、子どもは自分の暮らす場所を自分では決められない。そして、自宅で暮らしているからといって、安心してはいられない。まわりの大人がしっかりと見守り、他人の子どもであろうと、SOSのサインを見逃さないことが重要であろう。ひとりでも多くの、いま虐待を受けている子どもに、生き残ってほしいと筆者は切に思う。

(谷川 茂)

「…お母さん ありがとう …お母さん大好です」


家族の中の孤独
岩月謙司著

親の七掛け幸福論
より

親の幸福度を仮に一〇〇とする。親は、子供の幸福度が五〇~七〇程度におさまっていると安心するのである。上がりすぎたらさりげなく足を引っ張るし、下がり過ぎたらここぞとばかりにハッスルして支援する。これが親の七掛け幸福論である。



 一方、子供は子供で、親から幸せを願われたいと強く思っているので、自分に都合のいい事実だけを集めて、自分は親から無限の幸せを願われた、という理論を作って反論する。その根拠として、親と同じく、徹夜で看病してくれたことをあげる。だが、実は、親が熱心に支援してくれるのは、子供の幸福度がうんと下がった時に限られているのである。
 


憎んでいる親を好きと思う子供-新たな悲劇の始まり
 子供が親に対して行う自己防衛機制のひとつに反動形成がある。親から幸福を願われなかったために自分の心に発生した怒りと悲しみを認めたくなくて、逆に、親に対して好きというアピールをするのである。これが世の中には実に多い。



 なぜ、そんな理不尽なことをするのだろうか。
 子供は、親から養われているので逃げ場がないからである。子供は親の下でしか生きられない哀しい存在なのである。だから、その親をおのれの怒りでもって攻撃することは、みずからの死を意味する。親の死は、おのれの死なのである。
 また、子供は親から愛され足りないと、必死で親から愛情をもらおうとする。親しか自分を愛してくれないと思っているからである。愛してくれない憎しみで親を攻撃したら、親に嫌われてますます愛情不足になってしまう、と考えるからである。



・・・立場の弱い子供は親の横暴を受け入れざるを得ないし、子供が「元来親とはそういうものだ」と思ってしまうと、親の横暴に適応してしまう。こうして、悲劇が人知れず行われ、子供がこの狂気に適応してしまうために親の横暴が継続され、そして次世代にも悲劇が伝わる。だからこそ十数年後に子供が不登校、拒食・過食、テレクラ、そして様々な嗜癖行動となるのである。



・・・若い時というのは、さまざまな心の葛藤があって純粋な愛が出せない人が多い。純粋な愛というのは、子供がかわいいからかわいい、という愛である。あるいは、子供が生きているだけでうれしい、という愛である。・・・
 子供に必要なのは、葛藤のない純粋な愛情である。桃太郎に登場するおじいさんとおばあさんが桃太郎をかわいがるような愛情である。かわいいからかわいい、という愛情である。だから、桃太郎の物語には、若夫婦よりは老夫婦のほうが自然に映るのである。その方が私達も安心して読める。もし、夫は二十歳、妻は十八歳です、なんて言われると、ちょっと不安に感じる。やはり、桃を拾うのは、葛藤がなくなった老夫婦がいい。そんなおじいさんとおばあさんなら孫をかわいがるように桃太郎を育てるだろうと、誰でも安心する。その安心感の源こそ、葛藤のない純粋な愛なのである。そういう愛情を幼児期に受けたかどうかがその人の人生を大きく左右することになる




誕生日を知らない女の子
虐待――その後の子どもたち
黒川祥子 著
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-781541-2&mode=1
誕生日を知らない女の子【梗概】
はじまりは、小児の閉鎖病棟だった。虐待を受けた子どもを専門に治療する場所になぜ、閉鎖ユニットが必要なのか。虐待は子どもにどんなダメージをもたらすのか。この驚きから、取材はスタートした。
 私たちはこれまで悲惨な虐待死事件を取り上げては、親や関係機関を叩き、残酷さを訴えてきた。では「死なずにすんだ」子どもたちは保護されれば、それで一件落着なのか。決してそうではないことを、病棟の構造が物語る。
 虐待された子どもへの影響は、心だけでなく脳の発達にも及び、子どもたちは発達障害のような症状を呈したり、暴力の衝動性や性行為の連鎖など、問題行動に苦しんでいた。その事実を知って、被虐待児が暮らす場所を訪ねよう、と思いつく。
 乳児院や児童養護施設、情緒障害児短期治療施設など施設も訪ねたが、主な取材先となったのは、「ファミリーホーム」という、二〇〇九年に新設された多人数(五人~六人)養育を行う家々だった。「ママやパパ」がいる家庭という環境で、虐待からのサバイバーたちは育ち直しの時を生きていた。
 子どもたち一人一人の物語を通し、虐待が子どもに与えるダメージや、その回復につきまとう困難を見つめ、考える機会を得た。
 美由ちゃんは母親から身を守るため、「壁になって」生きてきた。ファミリーホームという「お家」に来ても、母親が恫喝する幻聴に悩まされ、幻聴が命じるまま無意識に行動する「解離」という問題を起こしていた。
 雅人くんは母親によって、目に割り箸を突き刺されたこともある。夜になれば奇声を発して一睡もせず、日中はカーテンの襞に隠れた。
 母親に遺棄され、二歳から児童養護施設で暮らした拓海くんは、施設内虐待の犠牲者でもあった。小学四年で里親宅に来た時、「オレはもう死んだ方がいい」と泣きじゃくった。
 明日香ちゃんは実母の無責任な言動に振り回され、実母の愛にすがり戻った結果、二重に傷ついた。
 虐待により激しく傷ついた子どもたちが、安心できる環境と信頼できる大人を得て、いかに変わって行ったのか。寄り添う大人たちの思いや苦悩とともに、その成長物語は貴重な希望の光でもある。
 一方、癒しの機会を得ないまま大人になった被虐待児は、今も後遺症に苦しんでいた。沙織さんはネグレクト環境で育ったうえ、実父から性的虐待を受けた。別人格の存在、うつ、自殺念慮などの苦しみに加え、娘への虐待が止まらない「連鎖」を抱えながら日々、生きている。
 虐待の後遺症、そのすさまじさこそ、これまで虐待問題に欠けていた視点である。虐待からの生還者である子どもたちの「その後」に、正しい光を当てたい、と強く思った。





考える広場
「子どもの貧困」をなくすために
(東京新聞)2014年7月19日付

一億総中流”は、はるか昔。子どもの六人に一人が貧しいままに置かれているのが今の日本だ。この数値は先進国でも下から数えた方が早いほど。状況を打開しようと、国として初めて本格的に取り組む「子どもの貧困対策」大綱=メモ参照=がまもなく決まる。あらためて子どもの貧困を考えた。

実態「見える化」して

実態「見える化」して

あしなが育英会奨学生
高橋遼平さん


 会社経営をしていた父は、負債を生命保険で返済しようとして自殺しました。僕が中一のときです。しかし、保険金はおりず、自己破産した母は、私と妹のために飲食店の事務職に就き、毎夜遅くまで働きました。僕が上京して進学できたのは、奨学金を借りることができ、あしなが育英会の学生寮で月一万円の寮費で生活できたからです。
 一般的な所得水準の半分以下で暮らす十八歳未満の子の割合が「子どもの貧困率」です。四人世帯なら年間可処分所得がおよそ二百五十万円以下の家庭。厚生労働省が二〇〇九年に初めて発表した数字は15・7%もの高率でした。驚きと危機感を持った育英会の先輩たちが「子どもの貧困対策法」制定を求めて活動を始めました。それまで、僕も貧困は自分で我慢することだと思っていた。でもそんな我慢の積み重ねが高い貧困率になっていると気付きました。
 活動が実り、対策法が成立したのが昨年六月。先輩たちは涙を流して喜び合いました。法の大綱のため、この四月からは内閣府に「子どもの貧困対策に閧する検討会」が置かれ、僕も一員として参加してきました。僕が当事者として発言するのはおこがましい。ですが、もっと厳しい環境にいる子が声を上げるのには負荷がかかるのです。

 遺児、障害者家庭、離別家庭、児童養護施設で暮らす子どもたちなど、あらゆる当事者の思いを大綱案に反映させてほしくて、五月には十二団体が集まり、思いを政府に伝えました。
 対策には実態の「見える化」が必要です。今、三百万人以上の子が貧困で、ひとり親世帯の貧困率は54・6%にも。実態を多面的に調査七明らかにし、進学率だけでなく、中退率も把握して公表してください。
 さらに、削減数値目標を明記し、就職までの切れ目ない支援のため、子どもの貧困対策基金や審議会、対策室を設けてください。授業料の減免制度を拡充し、小中高にも就学援助の情報を届けて。定時制や通信制高校への予算増のほか、児童扶養手当や遺族年金の子への支給を二十歳までに延長してほしい。
 対策が充実すればするほど、子どもたちの生き抜く希望につながります。保護者も「しんどいけど、育てていこう」と思える。子どもが誰ひとり見捨てられず、ひとりぽっちにならない社会の実現を望みます。
(聞き手・稲葉千寿)

共通のスタートを

共通のスタートを

前茨城県高萩市長
草間吉夫さん


 私は婚外子で、生後三日目で乳児院に預けられました。二歳からは児童養護施設「臨海学園」(茨城県高萩市)に移り、高校卒業まで過ごしました。
 親が育てられなかったり、虐待があったりなどの理由で、児童養護施設で暮らしている子どもたちは三万人近く。「育てられない」という家庭が増える流れは、これからも簡単には変わらないでしょう。
 私は周りに支えられ、大学に進めました。児童養護施設に勤務したものの「子どもたちの環境をよくするには政治を変えなければ」との思いで松下政経塾に入塾。卒塾後は、母校の大学で職員となりましたが、周囲の勧めで高萩市長選に立候補。多くの方のご支援で当選できました。二〇〇六年のことです。

 施設出身と知られると、特別な目で見られたり、必要以上に同情を寄せられたりで、傷付けられることが多いんです。だから皆、囗をつぐんでしまう。でも、選挙では私は生い立ちを公にしました。自らの呪縛と施設への一般からの偏見を解くことになると考えたからです。
 小中学生時代は、私だけ自転車がなく、遠出する友達に駆け足でついていくなどつらい思い出があります。予算が決まっており、靴も安い物。今でも施設出身者は高校・大学進学率で、一般と大きな差があります。
 高齢者福祉はかなり手厚くなったのに比べ、貧困状況にある子どもたちへの施策は貧弱なままです。当事者の子どもには選挙権がなく、その親は投票に行く余裕さえない。子どもたちの声は政治に反映されません。
 今の時代、高等教育を受けられないと、家族を養えるだけの職業に就けないかもしれない。そうなれば、将来的に生活保護など新たな社会的費用が発生する可能性が高い。貧困状況にある子どもたちをほうっておくと、新たな貧困層の拡大再生産につながりかねません。日本全体にとっても大きな損失です。
 子どもたちには共通のスタトトラインを用意すべきです。次世代を引っ張っていく才能あふれた子が恵まれない家庭にいるかもしれない。その才能を経済的理由でつぶしてはいけない。
 施設で働いていた時「児童手当をよこせ」と立ち寄る親、中学を卒業した途端に引き取って働かせ、収入をあてにする親もいました。守るべきは子どもの幸せ。そのための施策が必要です。
(聞き手・都築修)

学習が連鎖を断つ

学習が連鎖を断つ

「ちゃれん寺」共同代表
広中大雄さん


 幼稚園で先生をしていた時、卒園した子が家庭の事情から道を外れ、不幸な目に遭遇したことがあります。人生最初の師匠として、卒園後も子どもたちに手を差し伸べたいと思い立ちました。
 考え付いたのが、生活に困って学習塾に行けない子どもたちへの学習支援でした。なぜ彼らは道をそれるのか? 一つには、勉強に付いていけず、学校が嫌いになることがあります。
 個別指導塾「名学館」代表の佐藤剛司さん、弁護士の原武之さんら仲問たちの協力で二〇〇七年、実家の寺(名古屋市の性高院)で寺子屋を始めました。指導は平日夜と日曜の午後。今は児童養護施設の子どもなど十人ほどが通っています。
 重視しているのが高校受験対策。高校に入るかどうかが、就職はもちろんその後の人生に大きな影響を与えるからです。児童養護施設の子の場合、高校に行かない時点で自立したとして退所を求められることもある。これまでに二十人ぐらいが高校に進学できました。
 保護者の考え方も、時に問題になります。自分は高校に行かなくても何とかなったからと、子どもに「高校へ行かなくていい」「勉強なんかしなくていい」と言う親がいます。そう言われた子どもが勉強をするでしょうか? 貧困の連鎖はそういうところから生まれるのです。

 日本の社会自体、再チャレンジできる仕組みになっていないことが問題です。留学したオーストラリアの大学には、昇格に必要だからと、働きながら勉強に来ていた中高年の人が数多くいました。大学はその人の今までの経験を評価して入学を認めていましたし、企業も大学での勉強を許していました。
 貧困を生み出している社会の構造にも目を向けるべきです。ひとり親世帯は貧困率が高いのですが、中でも母子家庭は平均年収が父子家庭よりも百五十万円以上も低い。男女差別の改善を考えてほしいです。
 ある教育者の方がよく「千の倉より子は宝」とおっしゃっていたそうです。社会全体が、宝物である子どもと、それを生んでくれたお母さんに対して感謝の気持ちを抱き、寛容になればいいですね。僕たちは今後も、子どもたちが家庭環境に関係なくチャレンジできる場所を提供し、応援していきたいと思っています。
(聞き手・大森雅弥)

メモ:「子どもの貧困対策」大綱親から子への貧困の連鎖を阻止するため施行された「子どもの貧困対策法」に基づく施策まとめ。基本方針のほか、子どもの貧困率や進学率、就職率など貧困の指標を公表し、改善に向け、教育・生活・保護者への就労支援などの施策を定める。原案が今月下旬にも大綱として閣議決定される。
 案には、生活が苦しい子ども向けに返済義務のない給付型奨学金の創設を目指すほか、学校を対策の拠点に位置付けて放課後子ども教室などでの学習支援、低所得世帯からの段階的な幼児教育無償化などが盛り込まれている。





「生きているのに『存在しない』」 無国籍者の苦悩
(東京新聞【こちら特報部】)2014年6月23日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014062302000116.html
 生まれたときに出生届が出されず、戸籍を持たないまま三十代、四十代になった人たちが声を上げている。背景には、実父が違っていても、母親が婚姻中なら法律上のその夫、離婚後三百日以内の場合は前夫の戸籍に入れられてしまうという民法の規定がある。DVから逃れた母親が、暴力を振るう男性との接触を絶つために、出生届を出せないというケースも多い。時代遅れの法律が、罪もない人々を「抹殺」している。
(出田阿生)

「生きているのに『存在しない』」 無国籍者の苦悩

出生届が出されず・・・成人した30、40代の苦悩

人として認められたい

 「結婚したくても、婚姻届が出せない。銀行口座もつくれず、携帯電話も自分では契約できない」「常に犯罪者のような気持ちで生きている」
 東京・永田町の衆院第一議員会館で十九日、戸籍が作られないまま、成人した三十~四十代の男女三人が記者会見を開き、その苦悩を口々に訴えた。
 子どもは出生届が受理されていないと、無戸籍となる。住民票は戸籍が不詳でも自治体の裁量で作れるが、それも親が相談して初めてできることだ。こうした結果、「生きているのに公的には存在しない」人びとが生み出されている。
 会見に出席した埼玉県の建築業男性(三四)は十六歳でバイクの免許を取ろうとして、住民票も戸籍もないことに気付いた。国民健康保険にも加入できず、けがをしても熱を出しても、我慢するか全額自費治療だ。
 結婚を考えている女性がいるが、女性の両親に無戸籍だからと猛反対されている。席上、男性は「普通に、人として国から認められたい。ほんとに、ぜいたくは何もないんで…」と言葉を詰まらせた。
 問題の根幹にあるのが、婚姻中や離婚後三百日以内の出生だと、別の男性との子でも、自動的に夫や前夫の子とされてしまう民法七七二条の規定だ。
 埼玉県に住む広海さん(三二)=仮名=はDVに悩んだ母親が出生届を出せず、無戸籍になった。母親は広海さんが生まれる前に家を出た。その後、別の男性と出会い、前夫との離婚成立前に広海さんが生まれた。
 母親が飛び出した家で、前夫は妻(母親)だけではなく、子どもまで虐待した。包丁を突きつけられた母親は「このままでは殺される」と四人の子を連れ、裸足のまま逃げたという。
 前夫の戸籍に別の男性との子が記されれば、怒った前夫に何をされるか分からない。母親は広海さんの出生届を出せなかった。
 広海さんが中学の修学旅行で保険証が必要になり、母親に話すと「無戸籍で住民票もないから、保険証はない」と告げられた。十九歳から居酒屋で働き、腕を見込まれて調理師資格を取るように勧められたが、受験には本籍記載の住民票が必要だった。和食の料理人になる夢が消えた。
 その後、ホテルのアルバイトを始めた。親戚の名を借り、給与も親戚の口座に振り込む形にした。勤勉さがかわれ正社員にと誘われたが、やむなく断った。
 戸籍を作るには裁判手続きが必要だ。母親の前夫に「親子関係がない」と訴えを起こすか、実父に認知を求める訴えを起こすことになる。前者は前夫が当事者で、後者でも前夫の証言が求められることがある。
 実父が消息不明の広海さんにとって、前夫とは親子ではないことを証明することが唯一の道だった。

子どもの側に立ち親子の法改正を 無国籍者の苦悩

免許取れず■健康保険加入できず■国家資格取れず

子どもの側に立ち親子の法改正を

 広海さんは昨秋、「民法七七二条による無戸籍児家族の会」にわらにもすがる思いで相談。弁護士が調べると、母親の前夫は二年前に死亡していた。解決に向けた大きな障害が取り除かれ、広海さんは今月、家裁で戸籍取得のための手続きを始めた。
 戸籍取得はまだだが、それに先立ち、先月、住民票が取れた。住民基本台帳カードが交付され、人生初の身分証明書を得た。自分名義の銀行口座を開き、国民健康保険に入った。初めて歯科に行って、長年の悩みだった虫歯を治療した。どれもごく当たり前のこと。それが「うれしくて、涙が止まらなかった」
 こうした無戸籍の人たちは、どのくらいいるのか。法務省は「そもそも出生届を出していない人を把握するのは難しい」として、人数を調べていない。
 無戸籍のまま、住民票を取得した人は年間七百二十六件(二〇一三年度)。無戸籍者を支援する「無戸籍児家族の会」の井戸正枝代表は「こうした人が年間五百人として、二十年で一万人。住民票を取得していない人を合わせれば、それ以上いるはず。だが国は救済に動いていない」と話す。
 0七年の法務省推計では、離婚後三百日以内に生まれた子は年間三千人に上る。この中には、無戸籍になっている子どもが含まれているとみられる。
 大阪府の剛さん(四一)=仮名=も、母親の前夫が離婚届を出し遅れたことが原因で、離婚後三百日以内に生まれ、無戸籍になった。母親が窓口に掛け合い、住民票こそ作られた。だが、免
許証は「本籍不詳」。何度も警察官に怪しまれて、警察署に連行された。
 「犯罪者でもないのに、ピクピクして生きてきた。いまは戸籍を示さなくても就職できた職場にいるが、もし職場で無戸籍がぱれたら辞める。僕は生きているのに、書類上は存在していない。死んでも、死亡届だって受理されない」
 三年間、同居する女性との婚姻届が出せない。必死に家裁や法務局、弁護士に相談したが、専門家側の知識不足で「前夫の協力が必須」と言われた。「前夫は遠くに住む見知らぬ他人。協力を求めるのは無理」とあきらめていた時、無戸籍問題の報道番組を見た。支援団体にたどりつき、実父に認知を求める調停でも、戸籍が取れると知った。
 剛さんは「これまで無戸籍のままで、亡くなった人もいると思う。これ以上、他の人たちに苦しみを味わわせたくない」と語る。
 前出の井戸正枝さんは「自治体や司法関係者もまだまだ理解が薄い。まずは生まれた子どもの利益を考えて、戸籍を作れるようにしなければ。母親が『父未定』で出生届を出せるように制度を変えることが解決策のひとつ」と指摘する。
 早稲田大法科大学院の棚村政行教授(家族法)は「婚姻中や離婚後三百日以内に生まれると、父親ではなくても、自動的に夫や前夫が父とされるのはあまりに硬直化したルール。明治期の家父長制で作られた規定なので、母や子の側から父子関係を決められない。いまはDNA鑑定もある。法が時代に追いつかなくなっている」と分析する。海外では子どもを中心に親子関係を決めるのが主流で、母親の現在のパートナーや再婚相手も幅広く「父」と認められている。
 「DV支援策の充実などとともに、民法の親子関係を決めるルールを子どもの側に立って根本的に見直す時機が来ている。親の事情にかかわらず、子ども自身が戸籍を作れる道を開かなければならない」

 無戸籍についての相談は、「無戸籍児家族の会」の二十四時間無料ホットライン=03(5981)8205=へ。

「生きているのに『存在しない』」デスクメモ

独裁者の闊歩する狂気の国 ・・ // おまけ・・ ほっと一息(^ω^)

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これは独裁制ではないのか
(東京新聞【こちら特報部】)2014年7月10日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014071002000166.html
 今月一日の集団的自衛権の行使を容認する閣議決定で明確になったのは、現政権の異様な政治手法だ。安倍晋三首相は二月に立憲主義に基づく批判を「最高責任者は私だ」と排した。自らの政治的意向が、国家の根本規範である憲法より上位にあると宣言したに等しい。そうならば、この国の基本的人権も「安倍流の基本的人権」以外は存在しないことになる。これはもはや独裁制と呼べないか。
(上田千秋、白名正和)

これは独裁制ではないのか

国民の声に耳傾けず 成り立たぬ論戦

 「最高責任者は私だ。政府の答弁に私が責任を持って、その上で選挙で審判を受ける」。二月の衆院予算委員会で、解釈改憲は立憲主義の否定だという批判に対抗した首相の言葉だ。
 一方、五月にシンガポールで開かれた第十三回アジア安全保障会議での基調講演では、安倍首相は中国をけん制する狙いで「日本は法の支配のために。アジアは法の支配のために」と。「法の支配」という言葉を十二回、繰り返した。
 「最高責任者は私だ」と「法の支配」。双方は一見相いれない。あえて整合性をとろうとすれば、「自らが法だ」というふうに解釈できなくもない。
 哲学者で武道家の内田樹氏は「独裁は遠い国の歴史の話だったが、もう違う。必要な法律を作らず、行政府が法律の解釈変更、政令で政治を行うのが独裁。日本は民主制から独裁制に移りつつある」と語る。
 政府は閣議決定後、自衛隊法などの改正の準備を始めた。憲法をねじ曲げ、平和主義を放棄しようとしている。このままでは基本的人権も脅かされるのではないか。内田氏は「すでに脅かされている」と話す。
 「表現の自由を脅かす特定秘密保護法が、議論が不十分なままに成立した。将来、いまの国民は独裁成立を傍観したと、教科書に書かれるかもしれない
 しかし、こうした現状を「独裁」と認識する人びとは少ない。内田氏は「国民のほとんどがサラリーマンの見方に染まったため」と考える。多くの会社では通常、経営者がトップダウンで物事を決めがちだ。
 では、首相も有限責任の会社の経営者と似た思考を抱いているのだろうか。本来、政府は政策に継続的な責任を求められる。その場限りは通用しない。
 内田氏は「首相の『選挙で審判を受ける』という言葉には、不満があるなら落とせ、その後は知らないという発想が透けて見える。これは目先の利益しか追わない現代の会社経営者と変わらない。国家経営を会社経営と同じようにみなす『サラリーマン独裁』といえる」と表現する。
 ただ、今回の閣議決定は国際社会では警戒感を持って受けとめられている。七日から首相が訪れたオーストラリアはこの間、日本側の集団的自衛権行使容認を歓迎してきた。だが、同時に同国のビショップ外相は、閣議決定直後、日本側に「中国を含む諸外国に対し、国防のあり方について詳細を明らかにするよう働きかける」と語った。
 ドイツ在住ジャーナリストの熊谷徹氏も「今回の閣議決定は、ドイツでは考えられない対応だった。国民的議論なしに、内閣の一存でこれほど重要な問題の解釈を変えれば、即座に野党や憲法学者が違憲訴訟を起こすだろう」と話した。

これは独裁制ではないのか モラル崩壊の連鎖式

モラル崩壊の連鎖式

NHK会長会見+百田氏発言+規制委新委員+女性差別やじ・・

 内田氏が「独裁」とみなす政治手法は、周辺や社会の倫理、道徳にもじわじわと影響を及ぼしている。
 一例として、国会は先月、九月からの原子力規制委員会の新委員に、原発推進派の田中知・東京大大学院教授(核融合工学)を充てる人事案を可決した。
 委員就任に関するガイドラインには、委員の欠格事項として「直近三年間に同一の原子力事業者等から一定の報酬を受領していた者」という規定がある。田中氏は原発メーカーなどから少なくとも二〇一一年度までの四年間、毎年計百十万円の寄付を受けていた。だが、政府は寄付が「少額」だとして押しきった
 首相からNHK経営委員に任命された作家の百田尚樹氏は五月、自民党の県連の会合で、軍隊を持たない南太平洋の島国バヌアツなどを「家に例えたら、くそ貧乏長屋。泥棒も入らない」と平然とやゆした
 こうした倫理の崩壊と独裁的な政治手法はどうつながっているのか。上智大の中野晃一教授(政治学)は「安倍首相の独裁的な振る舞いを見ているうちに、周囲の政治家や社会自体も、次第にたがが外れていく関係にある」と分析する。
 「この専制主義的なやり方は、周囲から見れば『強ければ、ルールを守らなくて構わない』というモデルを示しているといえる
 そして、それは現実になっている。今年一月の就任会見で「特定秘密保護法はしょうがない」「従軍慰安婦はどこでもあった」と発言した籾井勝人・NHK会長は、いまも会長職にとどまる。これまた世界を驚かせた都議会や国会での女性差別のやじも、うやむやに決着が図られつつある。
 「いずれも、本来であれば何らかの責任を取るべき案件だが、誰も何の責任も取っていない。首相はもっと強引なことをやっているから、この程度なら大丈夫だろうと本人や周囲が考えているのではないか
 さらに、首相の政治手法に批判が集まり、政権支持率が下がったとはいえ、歴代首相に比べれば、そうは低くない。今月初めの共同通信による世論調査では、47・8%を記録した。60~70%台だった就任当初に比べれば下かっているが、危険水域とされる30%台までにはまだ余裕がある。

有権者あきらめ支持率に反映
「声上げ続けて」


 中野教授は「国民の間には政治へのあきらめが広がっている。議論が届いていない」とみる。状況を打開するには特効薬はなく、身の回りに「今のやり方はおかしい」と発信し、共有を広げていくしかないと考えている。「政治は土俵の右左どちらにいるかという談議になりがちだが、現在の危機は民主主義という土俵自体が崩れていくという点にある。安倍首相の政策への賛否は別として、そのやり方は問題があると発信しなければならない」
 京都大の池田浩士名誉教授(ファシズム研究)は、低くない政権支持率の背景を「○九年に民主党に政権交代した時に『意思表示をすれば、世の中は変わるんだ』と多くの人が思ったのに、あっさり裏切られた。その反動が出ている。他の選択肢がなくなったこともあって、『安倍首相は周囲の反対を押し切ってでも、信念を貫き通す強い政治家だ』という誤った見方が広かっている」と説く。
 池田氏は、現在の政治の最大の危うさを論戦が通用していない状况にみる。一言で言えば、「理屈が通らない」という状況だ。しかし、絶望は早いと語る。
 「安倍首相は、投票年齢を十八歳以上に引き下げた国民投票をやれば、憲法改正も可能だと思っているのだろうが、自分の意思を持っている人が、若い人を含めて存在している。あきらめずに声を上げ続けねば

これは独裁制ではないのか デスクメモ


すべての国民は黙って私に服従せよ


東京新聞【こちら特報部】本音のコラム
2014年7月20日
本音のコラム 狂気の国 山口二郎


shinzo abe nationalist


いよいよ終わりの安倍政権
日刊ゲンダイ2014年7月24日付

朝日新聞の定評ある小コラムにここまで書かれてどんなことになるのか

内閣支持率もガクンと落ちた、、各選挙戦で敗北が続く、景気は悪化しやってることはデタラメメチャクチャ


いよいよ終わりの安倍政権

 おごれるもの久しからずというが、下り坂を転げ落ち始めれば、あとは速いかもしれない。安倍内閣の支持率がガクン、ガクンと落ちている。各社の世論調査は軒並み過去最低を記録。時事通信の7月調査によると、安倍内閣の支持率は前月比6・4ポイント減の44・6%で、第2次政権の発足以来、最低となった。毎日の調査でも45%、共同通信は47・8%、読売も48%である。
 それでも「まだ5割近いじゃないか」という声が聞こえてきそうだが、安倍後援新聞と呼ばれる産経の19、20日の調査でも支持率は過去最低の45・6%まで下落。一方、不支持率は40・2%で、初めて4割を超えた。フジテレビ系の「新報道2001」が毎週実施している世論調査も厳しい結果で、17日の最新調査では支持率が46・6%、不支持率も46・6%。ついに支持、不支持が並んだ。こうなると、逆転は時間の問題というべきだ。
 「内閣支持率は、いったん下がり姶めるとなかなか止まらない。3割台に突入すれば、その先はつるべ落としです。アベノミクスヘの期待感だけで持っていた政権ですから、実体経済が少しもよくなっていないことに国民が気づけば、支持する理由は何もない。4月の消費税増税で経済に深刻な影響が出始めているし、あまりに強引な集団的自衛権の閣議決定を見て冷静になった国民も多いのではないでしょうか」(政治アナリスト・伊藤惇夫氏)
 実際、産経の調査では安倍の経済対策を「評価しない」が47・1%に達し、初めて「評価する」を逆転した。しかも、その差は7・7ポイントである。社会保障政策も6割超が「評価しない」。負担増ばかりを押し付けられてきた国民の不満が、ここへきて一気に噴出してきた感じだ。
 消費税アップの負担感は毎日、ボディーブローのように効いてくる。そこにガソリン高騰か重なり、物価高が襲いかかる。
 給料が一向に増えない庶民にしてみれば、お気楽な外遊に出かけては巨額のODAをバラまき、休日は[楽しむことが一番]などと言ってゴルフに興じているノーテンキな首相の姿を見れば、そりゃ怒りも爆発するだろう。

安倍政権は「失敗の見本」として歴史仁名を残す

 そんな折も折、朝日新聞のコラム「経済気象台」が19日、企業の「事業承継」を引き合いにして興味深いことを書いていた。大手オーナー系企業が外部から後継者を招いた場合、新社長が「やりたいようにやらせていただく」などと言って、創業の理念を否定したり、前任者に対する敬意を示さないと事業承継に失敗する。「時の政権も同じだ」として、こんな辛辣な政権批判を展開していた。
〈選挙に勝ち国民という主権者から権限を委ねられたから、あとは勝手にやらせていただくというスタンスは無謀である〉〈残念なことに、平和主義・戦争放棄といった日本が世界に胯る「理念承継」は途切れてしまった。NHKのトップや有識者会議のメンバーを[仲間]で固め、最近の政権はやりたい放題だ〉〈そこに主権者の国民に対する敬意や配慮は感じられない〉〈国民感情を無視して突つ走る安倍政権は、事業承継の「失敗の見本」として歴史に名を残すことになるだろう〉
 「経済気象台」は時事ネタに定評のあるコラムだが、時の政権に対して、ここまで厳しい口調で書くのは珍しい。これも風向きが変わってきた証左ではないか。安倍政権という空疎なタコを揚げていた追い風はピタリとやんで、風はアゲンストに転じたとみるべきだ。

原発、オスプレイ、景気対策すべて国民無視の独裁

「国民感情を無視して突つ走る」安倍は、国民の大半が反対する原発の再稼働も強引に進めるつもりだ。18日に博多の料亭で九州電力会長ら財界人と会食した際、川内原発の早期再稼働を要請されると、「川内はなんとかしますよ」と応じたという。
 川内原発は、原子力規制委員会が16日に新規制基準を満たすと公表。10月にも再稼働が予定されているが、これには小泉元首相も[おかしいよ]と反発を強めている。
 政治評論家の野上忠興氏が言う。
「13日の滋賀県知事選で負けた亰因のひとつが、安倍政権の原発推進策なのに、その数日後に平然と原発再稼働を約束する。上から目線というのか、国民をバカにしているとしか思えません。昨年の秘密保護法の時も、世論の反発を招くと、囗では『もっと丁寧に議論すべきだった』なんて言っていましたが、集団的自衛権の強引な進め方を見れば、まったく反省していないことが分かる。すべて結論ありきで進め、国民の声を聞こうという態度は見られない。お手盛りの諮問会議や審議会で外堀を埋め、数におごって、自分がやりたいことは何でも通してしまう。あまりに不誠実な独善政治というほかありません」
 急に浮上した佐賀空港へのオスプレイ配備にしてもそうだ。22日、武田防衛副大臣が佐賀県庁を訪問し、オスプレイの配備計画について古川知事に説明したが、必要な用地取得費用は、すでに来年度の概算要求に計上すると通告。地元の不安なんて、聞く気もないことが明らかになった。
 強引な佐賀へのオスプレイ配備は、11月の県知事選を控えて、沖縄の負担軽減をアピールしたいのだろうが、本当に自分の都合しか考えていない政権だ。しかも、そのやり方が汚い。安倍政権は、これまで市町村が対象だった再編交付金を都道府県に拡大する方針で、要するに札束で頬をはたいて、佐賀を黙らせるつもりなのである。

内閣改造後は茨の道が待ち受ける

 さて、こんな目くらましがいつまで通用するものか。国民は安倍政権の正体を見抜き、姑息な政治手法に批判を強めている。それを雄弁に物語っているのが内閣支持率の数字なのだ。
「離れつつある国民の支持を取り戻すのは容易ではありません。安倍首相は、拉致問題と内閣改造が政権浮揚の切り札だと考えているのでしょうが、どちらももろ刃の剣です。拉致問題の決着が中途半端な形で終われば、国民の失望は強まり、早すぎる制裁解除に疑問と批判が噴出するで
しょう。大臣待望組が党内に50人以上いる中での改造人事は、どうやっても恨みと禍根を残す。新入閣はせいぜい10人程度でしょうから、あぶれた人は不満を強め、へたすりや”反安倍”に回ってしまう。これまでの安倍政権は、不満を抑えつける支持率がありましたが、それに陰りが出てきた以上、人事はロクなことになりません」(野上忠興氏=前出)
 すでに、こうした兆候は見え始めている。やじ問題が露呈した際、野田聖子総務会長は「政権に慢心がある」と苦言を呈したし、安倍が推し進める法人減税に野田毅税調会長は「恒久的な代替財源の確保を」と唱えている。それでなくても、党内の大勢は総務会を無視する安倍の政治手法が面白くない。改造人事が控えているから、我慢し、黙っているだけだ。
 そんな状況で、強引に原発再稼働に踏み切れば10月の福島県知事選は惨敗必至だ。もちろん、基地問題が争点の11月の沖縄県知事選も負けるだろうから、党内の不満はもう抑えられなくなる。この先、待っているのは茨の道で、だからこそ、坂道は転がりだすと速いのだが、安倍は気づいていないのか、現実逃避なのか、相変わらず権力に酔いしれている。19日に山口県で開かれた長州「正論」懇話会では、これでもかと自慢話を繰り広げていた。
 集団的自衛権の閣議決定を「私の判断は歴史の批判に耐え得る」と自画自賛。さらには[私が政権に就く前、世界における日本の存在は小さくなり、日本は夕暮れを迎えているといわれたが、いま私たちは新しい朝日を迎えている」とまで豪語した。
 地元での会合で、自分と同じ右寄りの集まりということで安心したのだろうが、身ぶり手ぶりも、いつもより3倍は大きかったという。弱い犬ほどよく吠えるというが、典型的な内弁慶なのだ。こういうタイプは、攻めには強いが、追い込まれるとモロい。「再びの政権投げ出しもあるんじゃないか」と思い始めている自民党議員は実は多い。


安倍を倒せ



舞台裏 官僚が誘導 米も動かし議員説得
(東京新聞【核心】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2014072002000102.html
 歴代政権が禁じてきた集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更は、安倍晋三首相の強い意志で閣議決定に持ち込まれた。だが、その舞台裏では外務省出身の官僚が与党協議や首相を動かしていた。原発再稼働や法人税減税では、首相側近の経済産業省の出身官僚が政策を誘導。安倍政権が掲げる政治主導の影で、その意を利用して官僚が省益の実現に動いている。
(大杉はるか)

舞台裏 官僚が誘導 米も動かし議員説得

▼悲願

 自衛隊の活動範囲を広げ、日本を軍事面で他国並みに近づけるのは外務省の悲願だ。日米同盟の強化や、中国をにらんだアジア諸国との協力推進のために必要だと主張してきた。
 そんな外務省にとって、首相が昨年8月、小松一郎・元外務省国際法局長(今年6月に死去)を内閣法制局長官に登用したのは画期的な人事だった。
 政府の憲法解釈を一手に担う内閣法制局は、集団的自衛権の容認に慎重だった。そのトップに外務官僚が就任することで行使容認の流れができると、外務省側は期待した。
 自衛隊を所管するのは防衛省だが、省内に行使容認への慎重論もあって出遅れている間に、外務省が突出していった。
 5月20日に始まった自民、公明両党の与党協議の議論を前に進めたのは、首相官邸の国家安全保障局を中心とする外務省ラインだ。局長は元外務次官の谷内正太郎氏。次長の兼原信克内閣官房副長官補ら外務官僚出身者たちは自公両党の慎重派議員を調べ、説得にあたった。
 与党協議が難航すると、兼原氏は6月8日、首相に「公明党が慎重で議論が進まない」と直訴。それまで「時期にこだわらない」と公言していた首相から、その場で「(6月22日の)国会会期末までに閣議決定を」という指示を引き出した。それを契機に公明党への圧力が強まった。
 公明党内で強く反対していた山口那津男代表には、6月上旬に来日したマイケル・グリーン戦略国際問題研究所(CSIS)上級副所長ら米国の知日派が面会し、「米兵が日本のために血を流すだけでは、米世論が納得しない」と説得。外務省の根回しによってグリーン氏らが動いたとの見方が強い。公明党議員の一人は「外務省の差し金だった」と話す。こうして安倍内閣は「拙速だ」との批判を受けながら、今月1日に行使容認の閣議決定をした。
 ある外務官僚は「戦後70年、日本は平和国家を築いたのだから、そろそろ人並みの国になりたいだけだ」と本音を語る。

▼推進

 外務官僚らと同様、原発・経済政策では首相周辺を経産省出身の側近たちが固め、同省の政策を次々と推し進めている。
 16日には九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)が原子力規制委員会の新規制基準を満たしていると判断され、政権は秋の再稼働を目指す。首相は海外で日本の原発を売り込み、原発輸出の推進姿勢も鮮明にしている。
 経産省はもともと、産業振興のため原発政策を積極的に進めてきた。事故後も原発推進の立場を堅持。こうした政策を官邸に働き掛け、実現させている。
 首相は昨年、消費税率を今年4月から8%に引き上げるか迷い、税率を変えた場合の経済への影響を試算することにした。指示した先は、歴代政権が頼ってきた財務省ではなく経産省。政権の「経産省シフト」を印象づけた。経産省が望み続けた法人税減税も、6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)に明記され、安倍官邸への影響力を強めている。



岸信介と孫の安倍晋三
岸信介と孫の安倍晋三


“安倍さんもうムリ!”
川崎でシール投票

(しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-07-24/2014072401_07_1.html
“安倍さんもうムリ!”
 JR川崎駅前で20日、日本共産党川崎南部地区委員会が取り組んだシール投票では、ごとう真左美県議予定候補らの呼びかけに約50人もの参加者が集まって訴えたところ、約2時間で総数258ものシールでボードが真っ赤に染まりました。

 投票は「安倍さんのコレがもうムリ!」と題して、我慢できない問題にシールを貼るもの。一番多かったのが「海外で戦争する国づくり」の82票、他は「消費税10%、将来は19%」が73票、「原発再稼働」が45票、「沖縄米軍新基地」が30票などでした。安倍氏本人に首相を任せることが「ムリ」だとして、「安倍」の文字の中や横にシールを貼る人も。

 ごとう氏は「“一日も早く安倍首相は辞めてほしい!”という街の声に確信を持ちました。その声に応えて力を尽くすのが私たちの役割だと痛感しています」と語っています。




やめさせよう安倍「亡国」政権
民意踏みつけに“反乱”
世論調査でも 各界からも

(しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-07-24/2014072401_01_1.html
 「戦争する国」に道を開く集団的自衛権の行使容認、大企業中心の「成長戦略」、原発再稼働、沖縄の新基地建設…。安倍政権の暴走は、いずれも国民の大多数が「ノー」の声をあげている問題ばかり。これほど民意を踏みつけにする「亡国」の政権は一日も早くやめさせるしかないことが、いっそう鮮明になっています。

やめさせよう安倍「亡国」政権

 集団的自衛権行使容認の「閣議決定」(1日)以降、報道各社が実施した世論調査がでそろいました。いずれも安倍内閣の支持率が急落、過半数割れとなり、不支持率と並ぶ調査もあります。安倍政権の応援の旗振りをしてきた「読売」は前月比9ポイント減の48%、「産経」でも3・1ポイント減の45・6%となりました。

集団的自衛権

 安倍政権と民意の隔たりは、個別課題をみるといっそう鮮明です。集団的自衛権の行使容認反対は、どの世論調査でも過半数(表参照)。「閣議決定」を後押ししてきた「産経」調査でも「国民に十分な説明を行っていると思わない」が85・7%。同調査では原発再稼働に反対が52・8%、安倍政権の景気・経済対策でも「評価しない」が47・1%と、「評価する」39・4%を上回りました。

 集団的自衛権では、日弁連と全国52単位弁護士会の会長らが反対で立ち上がり、宗教界、文化人、非政府組織なども相次いで反対の声明をあげています。本紙の調査では地方紙43紙中40紙が「閣議決定」反対の社説を掲げました。これほど明確な民意を踏みにじって、「閣議決定」後は具体的立法作業にまい進しています。

新基地・原発

 沖縄県名護市辺野古(へのこ)への米軍新基地建設に向けて夜陰にまぎれてボーリング調査のためのブイ搬入を強行、料亭で九州電力会長に川内(せんだい)原発再稼働を「なんとかしますよ」と安倍首相が約束―。もはや「国民主権」という4文字は、安倍首相の政治には存在しないかのようです。

 法政大元教授の五十嵐仁氏は「『閣議決定』直後から安倍内閣に対する『民意の反乱』が始まっている。あまりにも急ぎすぎ、国民が不安や戸惑いを感じているからだ。その不安を無視して集団的自衛権行使に向けた具体化を進めていけばいずれ民意の審判が下されるだろう」と語ります。

やめさせよう安倍「亡国」政権 図版





○●○ ホット一息(^ω^) ●○●

息が詰まるような記事にちょっとゲンナリしていませんか?私はしています~(笑)
そこで、後半は、久しぶりにネットで集めた画像・動画を特集します。
ノンジャンルです。では、( ^ω^)_凵 どうぞ


猫の読書
猫の読書


道ばたに軍手を落とす仕事
こんな仕事があったら私も就きたい(笑)


Voynich Manuscript
Voynich Manuscript
なんじゃこりゃー(・ω・ )?


Bald Man Bongos

http://youtu.be/F9Absy9dgXA
頭をドラムがわりに叩いています。けっこう、見事!


ウイットに富んだお返事
ウイットに富んだお返事


鼻の穴でソフトクリームを支える少女
鼻の穴でソフトクリームを支える少女


この後の猫の運命はいかに・・!?
この後の猫の運命はいかに・・!?


MAN

http://youtu.be/WfGMYdalClU
人間の身勝手ぶりをシニカルなアニメで表現した動画


Loretto Chapel
Loretto Chapel
サンタフェにあるロレット・チャペルは、建築家 P.ムーリーによってが設計されて1873年から工事が始まった。しかし構築物がほとんど完成されてから一つの恐るべき誤りが発見された。

せっかく作られた聖歌隊用の二階の桟敷行く階段が無いのである。困ったシスターたちは、多くの大工を呼び相談したが、皆、これに、ふさわしい階段できない。バルコニーを作り直すか、ハシゴで登るかだというダケだった。途方に暮れたシスターたちはノヴェナ[九日間の祈り]をすることにしたという。

そしてノヴェナの最後の日に一人の灰色の髪の毛の男が一匹のロバを連れやってきた。その老人は一つの道具箱を持ってアカデミーの所で止まり、シスターたちのために一つの階段を建設することができるかどうかを尋ねた。シスター達は喜んで同意すると、 彼はシスターたちの前で木片をタライにつけて作業を開始した。

用いた道具は一本の鋸、T定規それに金槌だけ。 出来上がった階段は33段、完全に360度を2回転するらせん状。 木の釘は使われているが、鉄の釘は一本も使われていない。そして驚くことに、 螺旋階段を支えるはずの支柱がなく、まるで宙に浮いているようにみえる。

この支柱の無い現在の科学を持ってしても建築工学上の謎であり奇跡といわれている。 そして階段が完成すると、その男の人は支払いを受ける前に不思議にも姿を消してしまったという。なお、地方の材木工場は、この事業のために購入されたいかなる木材の記録も持っていなかったという。


Satellite View of World Air Traffic for 24hours.. Amazing

http://youtu.be/znh7Sxw4B_4
24時間に飛行機が地球の上をどれぐらい飛んでいるかを可視化した動画


ウルトラマン×歌丸
ウルトラマン×歌丸


メイク前 ⇒ メイク後
メイク前 ⇒ メイク後


おっさんだけど男の娘にされてみた【ぽこた】

http://youtu.be/rBa_D-OlSz0


イチャモンスタッフ
イチャモンスタッフ ・・(°д°;)


김정은 풍자영상 중국에서 난리

http://youtu.be/JUgEmezpS_E
中国の青年が制作した、金正恩氏の顔を合成したユニークな風刺動画が話題になっており、北朝鮮は中国大使館に動画の削除を要請したそうです。
これは面白い(ノ∀`)


タケコプター利用制限
タケコプター利用制限(・∀・) しかし、よく出来てますね~(^ω^)


お洒落猫
お洒落猫



小出裕章先生:東電=「汚い会社だな」

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内田樹が語る、政治が教育に介入してはならない理由
(ラジオフォーラム#81)

http://youtu.be/hfDlN3F9tI0?t=16m26s
16分26秒~第81回小出裕章ジャーナル
脱原発の株主提案拒否、膨らむ原発安全対策費 「いくらお金を使おうと、電力会社は必ず電気代で回収できるという仕組みになっていますので、悠々やれてしまうのです」

http://www.rafjp.org/koidejournal/no81/
景山佳代子:
今日のテーマなんですが、「脱原発の株主提案拒否 膨らむ原発安全対策費」ということでお話伺っていこうと思うんですが。2014年6月26日に、沖縄を除く9つの電力会社が株主総会を開催しました。この中で、脱原発の株主提案というのが全て否決されたんですね
東電の総会
東電株主総会 脱原発提案
9電 株主提案否決
2014年7月上旬には、原発の再稼働に向けて「原発安全対策費」というのを電力会社10社が計上してたんですが、こちらの費用の総額が2.2兆円で、前年に比べ1.5倍にも膨れ上がっているということが報道されていました。
原発安全対策2・2兆円
ここでちょっと伺っていきたいんですが、株主総会での反対を否決して再稼働を電力会社進めていくんですが、ここで計上されている原発の安全対策費というもの、やはり私達の電気料金から出されていくものなんですか?

小出さん:
もちろんです。全てです。電力会社の安全対策費はもちろんそうですし、高給取りの役員の給料もそうですし、一般社員も高給取りだと思いますが、全てそれに含まれていますし、テレビやマスコミを自由に扱うためのその費用もそうですし、地元にばらまくお金も全部が電気代です。
電力料金

景山:
じゃあ、この1.5倍に膨れ上がったという、この原発安全対策費っていうのも反対している声があるにも関わらず、やっぱり電気料金から出ていくという、こんなかたちになるんですね。

小出さん:
そうです。でも、ほんとならもう止めてしまえば安全対策費も何もいらないんですけれども、とにかく巨大株主というのは巨大銀行だったりするわけで、とにかく今まで通り儲けを得たいと思ってるわけですし、安全対策費だろうと何だろうと、とにかくいくらお金を使おうと、電力会社は必ず電気代で回収できるという仕組みになっていますので、悠々やれてしまうのです
電気料金 総括原価
総括原価方式とは

景山:
いい商売と言ったらアレですけど本当に。

小出さん:
いいと言うか、酷すぎるなと私は思います。

小出裕章ジャーナル

景山佳代子:
そうですね。はい。一般の人達には想像できない。この報道の中に、例えば浜岡原発4号機のお話があったんですが、南海トラフ巨大大地震、これに向けた対策工事というものの中に、高さ22メートルの防波壁、これの建設予定費というのもやはり安全対策費の中に入っているようなんですね。
浜岡原発 防波壁

小出さん:
当然です。

景山:
はい。この南海トラフ大地震のような巨大大地震に対して、一体こんな安全対策工事っていうのが、どの程度の実効性っていうのが予想できるものなのでしょうか?

小出さん:
防潮堤は、津波に対する安全対策だということになってるんですね。でも、しかし問題なのは浜岡原子力発電所の場合には、東海地震の予想震源域のど真ん中にあるということで、地震そのものなのです。マグニチュード8の地震というものが起きた時に、放出されるエネルギーというのは広島原爆の1000発分に当たります
浜岡原発 震源域
地震の放出エネルギー

景山:
そんなにですか?

小出さん:
はい。その予想震源域のど真ん中に原子力発電所が建っているわけで、ほんとに安全かどうか。要するに津波どころか地震に対して安全かどうかすらが分からないという、そういうことになってしまっています

景山:
今これだけの巨額を投じて、原発の再稼働というのをどんどん進めていこうとしているわけなんですけれど、
安倍 原発再稼働 必要
決算を見てみると、電力会社のうち黒字だったのが結局、原発のない沖縄電力、それから原発比率の低い北陸電力、それと今回は東京電力というのが3年ぶりに黒字であって、それ以外の電力会社というのは全て赤字だったわけなんですね。小出さんが、以前から電力会社というのは赤字にならないというふうなお話だったんですが、なぜ、今回こういった赤字というのがなっているのかっていうところが。

小出さん:
それはですね、その安全対策費というのがこれまでキチッと計上されないまま、急に多額の安全対策費等が必要になったために、たまたま赤字になったということだと思いますし、原子力発電所が停止しているために、火力発電所の燃料費等が予想以上に必要になってしまったということだと私は思います

景山:
逆に、この中で東電だけが黒字という、一番なにか賠償だったり、いろいろとお金がかかっている東電だけが黒字で、これ見ていくと、結局賠償費として使われるはずのお金が、利益として計上されていたっていうようなことがあったんですが。
東京電力13年度黒字決算
この東電のこれから、こういった体制ですね。賠償のこととかが、いろいろとやっぱり一律低く抑えられているっていう問題が出ているんですけれど、東電のこうした賠償、避難している人達に対する対応とか、これからの原発の稼働の進め方とか、小出さんの方は、一体どんなふうにこういった東電の動きというのご覧になっているのかというのをお聞きしたいかなと思うんですけど。

小出さん:
一言で言えば、「汚い会社だな」と思います。自分が「絶対起きない」と言っていた事故が起きてしまって、膨大な数の人達を苦難のどん底に落としたわけですね。それなのに、キチッとした賠償もしない。

そして、廃炉のカンパニーを別会社にしてしまって、東電本体は生き延びるということにやってるわけですし、その賠償金というか、事故の対策費用もほとんどを国に支払わせていくということをやっているわけですね。

その賠償金というのを算定するのも原発ADRという組織があるのですけれども、そこも、もともとは文部科学省の組織なんですね。文部科学省なんて、これまで原子力発電所は安全だ安全だと言ってきた張本人なんであって、私としては、犯罪者だと呼びたいくらいなのですけれども、犯罪者の筆頭である東京電力と、肩を並べる犯罪者である日本の国というのが、賠償金をどんどん値切って、住民を苦難から一向に救わないという、そういう事になってしまっているんだと思います

原子力損害賠償紛争解決センター組織概要
和解の仲介パンフレット
東電がADR増額和解案を拒否


景山:
今日は本当にどうもありがとうございました。

小出さん:
こちらこそ、ありがとうございました。


原発コスト国民に転嫁


福島原発事故コスト 少なくとも11兆円
(東京新聞【こちら特報部】ニュースの追跡)2014年7月23日

福島原発事故の対応コストは11兆円以上─。立命館大の大島堅一教授(環境経済学)と大阪市立大の除本(よけもと)理史教授(環境政策論)が、そんな試算をはじき出した。目を向けるべきはその額だけではない。国民に負担をつけ回す仕組みが着々と構築されているというのだ。
(榊原崇仁)

福島原発事故コスト 少なくとも11兆円

国民に負担押し付け

 今回の試算は、安倍政権が昨年末に決めた復興指針や東京電力の財務諸表など公開されているデータを積算する形で行った。損害賠償○原状回復費用○事故収束・廃炉費用○その他──の4つの項目別に示した。近く学術雑誌で発表する。
 賠償の見込みは4兆9000億円あまりで、主な内訳は個人向けの精神的賠償、財物価値の低減の対応、出荷制限による損害などの手当てが各1兆円、営業損害の賠償の4600億円など。原状回復費用は除染費が2兆5000億円、中間貯蔵施設の設置・運営費が1兆1000億円。事故収束と廃炉の費用は合わせて2兆2000億円となっている。
 その他も含めて計11兆円という計算になるが、あくまで「少なくとも」という断り書きが付く。
 大島教授は「賠償額の算出基準は加害者側の東京電力が作成しており、賠償額を過小評価している可能性がある。それに原発事故による被害は現在も収拾しておらず、賠償額は今の見込み額より増えるはずだ」と指摘する。
 原状回復費用のうち「除染費は2兆5000億円」という試算は政府による見込み額を使ったが、「環境放射能除染学界の研究グループは『10兆円に近づく』と推計している」。さらに言えば、原状回復費用には、全くめどが立っていない最終処分場の分は含めていない。
 加えて、事故収束や廃炉の費用は「新たな技術開発が必要で、想定をはるかに超える多額の支出を強いられる公算が大きい」。
 何はともあれ、少なくとも「11兆円の請求書」が出てくるのだが、全て東電が支払うわけではない。むしろ、国民に負担を強いる仕組みができあがっているのだという。
 そもそも東電は被災者らに賠償金を払ううえで、原子力損害賠償支援機構を頼りにしている。
 機構は2011年9月に政府や電力会社などの出資で設立された法人で、政府から「交付国債」という小切手のような国債を受け取り、必要に応じて現金化して東電に渡す。返済金の原資の大部分は、電気代に転嫁して集めることができる仕組みになっている。
 原状回復費用の確保にも問題がある。政府が昨年末に示した復興指針では、除染費は支援機構が1兆円で購入した東電株の売却益を充てることになったが、大島教授は「本来は国庫に戻し、国民の財産にすべきお金。使い道を誤っている」と追及する。
 「ひどいのは中間貯蔵施設の分も同じ。返納を強いない特例資金として、東電に交付することになった。つまりは税金による補助金と何ら変わらない
 さらに廃炉費用の一部も、昨年10月の電気事業会計規則の変更などで、電気料金に転嫁することができるようになったという。
 東電に責任を取らせるため「破綻処理すべきだ」という主張は、これまでも国会論戦で出たほか、新潟県の泉田裕彦知事たちも求めた。しかし実現は程遠く、むしろ逆行している。
 大島教授は「民主党政権下にできた東電の負担軽減の枠組みが安倍政権によって強化された。国民に十分な説明があったとは言いがたい」と憤りを隠さない。「今からでも遅くない。誰が事故の責任を負う必要があるか考え直すべきだ



○●○●○●○●○●



川内原発:「合格」判断に「福島も安全と言われていた…」
毎日新聞 2014年07月16日 21時25分(最終更新 07月17日 01時23分)
http://mainichi.jp/select/news/20140717k0000m040103000c.html
 東京電力福島第1原発事故で、いまだに12万人以上が避難生活を続ける中、九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)が再稼働に向けて動き出す。原子力規制委員会は16日、安全対策について「合格」との判断を示したが、避難中に父を失った福島県川俣町の大内秀一(ひでかつ)さん(65)は納得できない。「福島も安全と言われていたのを忘れたのか」。多くの県民が抱く共通の思いだ。


父の遺影を持って実家の庭を見つめる秀一さん。芝生だった庭は除染で土がむき出しになった=福島県川俣町山木屋で2014年7月6日、中里顕撮影

 川俣町山木屋地区。夜間の滞在がいまだにできない避難指示解除準備区域内の自宅で、秀一さんは今年5月に死亡した父佐市(さいち)さん(当時84歳)の遺影を手に、これまでの避難生活を振り返った。

 亡くなった父は1945年、原爆投下直後の広島市に、けが人を手当てする衛生兵として入った被爆者の一人。戦後は古里の川俣町に戻り農業を営んだ。2008年に脳梗塞(こうそく)で倒れ、ほぼ寝たきりになり、会話ができなくなった。そして、福島第1原発事故で放射能汚染に再度さらされた。


福島県川俣町山木屋地区と福島第1原発

 秀一さんは放射線量が比較的低い町内の借り上げ住宅に避難し、父は特別養護老人ホームに入所。「生きているうちにせめて墓参りをさせてあげたい」と、築43年の自宅に初めて父を連れて一時帰宅したのは原発事故から2年たった13年春だった。「父ちゃん、家に着いたぞ」。そう語りかけると、父は大きくうなずいたという。今年5月、体調が急変して福島市内の病院に入院。秀一さんが「家は守り続けるから」と約束すると、父は目を細めてうなずき、数日後に心不全で息を引き取った。

 自宅の周囲は田んぼや山林が広がる緑豊かな土地だった。現在は黒い化学繊維の袋が山積みされ、中には除染で生じた汚染土などが詰まっている。通夜までの3日間、秀一さんは父の遺体と自宅に戻り、一緒に時を過ごした。

 「父の最後をこんな風景で迎えさせたことが残念だ。原発の安全性をいくら強調しても、自然はその上をいくということを東日本大震災で学んだはずではなかったのか」

 原発再稼働に向けた手続きが進む中、秀一さんは、放射能に翻弄(ほんろう)され続けた父の思いを代弁した。【中里顕】



原発事故後の健康支援で逆走 環境省の専門家会議
(東京新聞【こちら特報部】)2014年7月22日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014072202000168.html
 福島原発事故後の健康支援を議論する環境省の専門家会議が、あらぬ方向に走り始めている。今月十六日の会合でも、外部から招いた研究者が健康診断の拡充を求めると、座長は「議論したくない」とそっぽを向いた。健診拡充は子ども・被災者支援法も求めているが、座長自ら「成立時と現在は状況が違う」という声を上げている。被災者たちがこうした姿勢を到底、受け入れられるはずもない。
(榊原崇仁)

原発事故後の健康支援で逆走 環境省の専門家会議

健診拡充に後ろ向き

 「(福島原発事故で拡散している)放射性物質が福島県境でとどまるとは思わない。早く県外の住民の症例も把握すべきだ。放射線量の評価ばかりに、こだわるべきではない」
 16日にあった環境省の専門家会議。ゲストで招かれた疫学者の津田敏秀・岡山大教授は、同県内外の住民がどれだけ被ばくしたかの議論に時間を費やす会議の現状に疑問を呈した。
 しかし、座長の長滝重信・元放射線影響研究所理事長は「非常にユニークな方がおられる」と、津田教授の指摘を突き放した。
 同県では事故直後から県民健康調査が実施され、事故当時18歳以下だった県民を対象に甲状腺検査などが進められている。ただ、現在は国費による健康調査は福島分のみ。このため、専門家会議では現在、他の地域でも健診などが必要か否かを議論している。
 座長の長滝氏は、①同県内外の住民の被ばく線量を評価②線量に基づく健康影響を分析③必要な健康支援が何か考える─という方針を掲げており、6月26日の前回(第7回)会議で、ようやく線量評価の骨子がおおむねまとまった。
 骨子には、独立行政法人・放射線医学総合研究所の推計や同県による住民の行動調査などから、甲状腺がんを引き起こす放射性ヨウ素の内部被ばくは「大半が50ミリシーベルト以下」、外部被ばくは「『福島県でも99.8%が5ミリシーベルト以下』という調査結果は全体の傾向を見る上で妥当」と記された。
 だが、この評価結果は不確かな部分が大きい。
 ヨウ素被ばくを分析しようにも、実測したのはわずか1000人程度。同県による甲状腺検査対象の0.3%だ。放射性ヨウ素は半減期が8日と短く、現在からは実測し難い。外部被ばくの行動調査も、回答率は25.9%と低迷している。
 津田教授は会議の席上、「病気とその原因の因果関係を考える際、原因側のデータが少なくなりがちだ。病気の側から考えるのが、国際的な疫学分析の基本になっている。原因から考えるのは、実験室のやり方にすぎない」と主張した。
 さらに「線量評価にこだわると対策を先送りし、被害を広げる」と続け、同県内外で甲状腺がんやその他の病気の症例把握のため、早急に健診し、事故を境に病気が増えたか、地域によって差があるかなどを分析すべきだと強調した。
 会議に招いたにもかかわらず、座長の長滝氏はこの意見をほぼ無視した。
 この対応に対し、津田教授は「私はオックスフォード大出版局の教科書に基づいて発言している。先生の方がユニークですね」と応酬したが、長滝氏は「先生と議論するつもりはありません。線量に基づいて議論する」と述べ、一方的に話を打ち切った。

支援法ないがしろ 環境省の専門家会議

住民の期待に応えず

 国の放射線の健康影響に対する消極評価は、今に始まったことではない。
 内閣府の有識者会議「低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ(WG)」は2011年12月に報告書をまとめ、「発がんリスクの増加は100ミリシーベルト以下の被ばくでは他の要因の影響に隠れるほど小さく、明らかな増加の証明は難しい」と断じた。
 内閣府のWGも、長滝氏が議長を務めた。環境省の専門家会議で委員を務める丹羽太貫・福島県立医科大特命教授や、遠藤啓吾・京都医療科大学長もメンバーだった。
 専門家会議は現在のところ、同県内外の被ばく線量は100ミリシーベルトをかなり下回ると見込んでいるため、「放射線による健康影響は証明できない」「影響が証明できない以上、福島県内の健診すら不要」という方向に傾き始めている。
 実際、専門家会議では、すでに健診拡充に後ろ向きな発言が出ている。
 12年6月に成立した子ども・被災者支援法は健診拡充や医療費軽減などを求めているが、長滝氏は第7回会議で「法案ができた時と、今と非常に大きな違いがある」「線量の評価がどんどんでき、リスクについて科学的に物が言えるようになった」と、必要性に否定的になっている。
 同様に専門家会議メンバーの祖父江友孝・大阪大教授は、同じ会議で「過剰診断」という言葉を使い、健診の不利益を説いた。
 これは甲状腺がんのように進行が遅いがんでは、寿命まで発症せず、体に悪さをしない可能性がある。にもかかわらず、健診でがんを見つけることで、余計な不安を抱かせたり、手術による心身の負担を生じさせたりするという意味だ。
 同じくメンバーの鈴木元・国際医療福祉大クリニック院長も「住民の健康不安に対し、健診をすることが本当にベストアンサーなのか、十分議論しないといけない」と主張する。
 ただ、党の住民側からは逆に健診の拡充を求める声がわき上がっている。
 今月13日には原発事故後の生活について、福島県内外の母親らが語り合う会合が東京都内であった。
 参加した栃木、茨城、千葉、埼玉の4県で甲状腺検査をする市民団体「関東子ども健康調査支援基金」の稲垣芳さん(42)は「検査の募集では、すぐに申し込みが殺到する」と話した。
 出席者の一人で、福島県大玉村から小学2年の娘と神奈川県内へ避難している鹿目久美さん(46)は「原発事故で子どもの病気の不安が増えた。それを調べてもらいたいと思うのは当たり前。福島県内であろうと県外であろうと、母親ならそう考える」と訴えた。
 会合を主宰したNPO法人「子ども全国ネット」の伊藤恵美子代表(51)も「専門家会議は子ども・被災者支援法をないがしろにしている。住民の不安解消につながるわけがなく、不信感しか生まない」と語る。
 専門家会議の委員でも、異論を抱く人がいる。その一人、日本医師会の石川広己常任理事は「現在の専門家会議は、住民の意見を反映していない。不安を抱く人に、一方的に『大丈夫』と言わんとする人の気がしれない」と批判する。
 「低線量被ばくの影響は誰にも分からない」という立場から「放射線により、何らかの病気が生じていないか、生じた場合、どう対処するかを早く検討しなければならない。そうした備えがあって、初めて不安は解消できる」と語る。
 「健診の利益や不利益は専門家を称する人たちが、一律に決められるものではない。健診の体制を整えたうえ、当事者である住民に判断を委ねるべきだ」

原発事故後の健康支援で逆走 デスクメモ







【Preview】井野博満氏:川内原発再稼働の前に知っておくべきこと

http://youtu.be/D1nk5FIrofg
マル激トーク・オン・ディマンド 第693回(2014年07月26日)
川内原発再稼働の前に知っておくべきこと
ゲスト:井野博満氏(東京大学名誉教授)
 九州電力川内原発の再稼働に向けた動きが加速している。
 原子力規制委員会は川内原発1号機、2号機の審査を終えて、7月16日に事実上の審査のパスを認める「審査書案」を公表した。8月15日までパブリックコメントを募った上で正式に審査書が確定し、地元の同意が得られれば再稼動が可能になるという流れだ。
 電力各社は電力需給の逼迫と燃料費の高騰などを理由に原発の再稼働を目論んでいるが、審査書案の公表を受けて会見した原子力規制委員会の田中俊一委員長は、「原発再稼働の判断についてはコミットしない」と述べている。規制委はあくまで規制基準を満たしているかどうかを科学的な見地から判断するだけで、再稼働の判断は政府が行うものという立場だか、一方で安倍首相は規制委の決定を尊重して再稼働を行うとしており、再稼働の責任をお互いになすりつけているかのような印象は拭えない。
 しかし、われわれにとっては何をおいてもまず、今回の規制委による審査で、原発の安全性は十分に確保されたかどうかを十二分に検証する必要がある。5人の委員からなる原子力規制委員会は当初から委員の中立性に疑問が呈されていたが、今年の9月にはさらに元原子力学会会長の田中知氏が委員に就くことが決まるなど、原子力関係業界との接点が指摘される。また、委員の下で実際の審査業務に携わる原子力規制庁の職員も、福島第一原発事故の元凶の一つとして厳しく指弾された旧原子力安全・保安院からの横滑り組がほとんどだ。
 今回公表された審査書案は400ページ以上に及び、原発施設の設計の在り方から実際の施工上の対応、電源の安全確保対策、重大事故の想定や緊急時の要員確保まで記述されていて、一見するとあらゆる事態を想定しているかに見える。しかし、東京大学名誉教授で原子力施設に詳しいゲストの井野博満氏は 今回の審査書案では過酷事故への対策が不十分であると指摘する。  原発事故の対応で必要なことは、いかに原子炉を安全に「停める、冷やす、閉じ込める」かが鍵となるが、規制基準が想定している過酷事故のケースはいずれもひとつのトラブルが中心に考えられていて、それと並行して起きる可能性のあるトラブルが十分に考慮されていないと井野氏はいう。
 例えば冷却機能を喪失したケースでは、確かにそれをカバーするための対応は何重にも用意されているが、そのどれもが電力が問題なく供給されていて、対応に要する人員は常に確保されていることが前提になっているという。地震や津波で施設が損傷を受けた上に、全電源喪失に見舞われた時、何が起きるかを思い知らされた福島の教訓はどこへ行ったのだろうか。また、電源に関しても規制基準ではさまざま定められてはいるが、これも主に単一のトラブル回避が想定されているため複合的な要因が同時発生した場合に機能するかどうか疑わしいと井野氏は言う。
 さらに井野氏は今回の川内原発の場合、規制基準や審査書案を見るだけでは分からない問題もあるという。川内原発では、仮に冷却機能が失われて炉心損傷が起きても、その段階で事態の進行を押さえ込む防護機能が十分ではなく、次に生じるメルトスルーにどう対応するかという対策しか想定されていないという。つまり川内原発では重大事故の際には冷却機能を維持する対策が不十分なため、その時点での対応を諦め、その次の事態に対処することになっていて、その対応を原子力規制委員会も容認しているという。このような事実は専門家が読んで初めてわかることで、一般の人が規制基準や審査書案をいくら読んでも、知ることが出来ない。
 安倍首相が誇る世界最高水準の規制基準に関しても井野氏は「従来の安全基準に地震や津波対策が加わったものに過ぎず、これでは再稼働を前提に基準が作られていると言わざるを得ない」と厳しい評価を下す。福島事故で安全神話が崩れ、重大事故や過酷事故が起こりうるとの前提に立った原子力行政が目指されたはずだった。事故後に策定された新しい規制基準は、各数値などはより厳格になっているものの、いずれも従来の安全基準の手直しに過ぎず、既存の原発でもクリアできることが前提になっているため、とても安倍首相が誇るような「世界最高水準」のレベルにはなっていないと井野氏は酷評する。
 現在、日本の原発は全て停止している。しかし、そもそもその再稼働を誰がどういった権限で判断するのかという法的枠組みを日本は持っていない。そのため安全基準への適合の可否のみを審査しているはずの原子力規制委員会の判断が、事実上、再稼働にお墨付きを与える格好になっている。このままでは総無責任体制の下で原発だけが回り出すことになり、万が一の事故の際にもその対応が甚だ心配だ。少なくとも安倍首相は「規制委の意見を尊重して」などと逃げずに、「私の責任において再稼働します」と言えないのであれば、再稼働などすべきではないだろう。
 既に多方面から指摘されているように、現行の安全基準は周辺住民にとっては最も重要と言っていい、事故の際の避難計画が評価の対象からすっぽり抜け落ちてしまっている。仮に立地自治体によって作成された避難計画が現実離れした代物であっても、現行の制度ではそれを評価して適正化する組織が存在しない。とりあえず防災避難計画の作成が義務づけられているだけで、その内容は問われていないというのが実情だ。これでは安全神話に寄りかかった再稼働と言わざるを得ない。
 川内原発再稼働に向けた動きと今回公表された原子力規制委員会による審査書案を参照しながら、原発の規制の在り方、規制基準の問題点、原子力規制委員会や立地自治体の役割と責任などについて、ゲストの井野博満氏とともにジャーナリストの青木理と社会学者の宮台真司が議論した。


20140717 UPLAN 槌田敦「TMI原発事故と加圧水型原発の危機-加えて、美浜原発事故、福島原発事故を忘れて川内原発の再稼働はない-」

http://youtu.be/wFLh6itsyTI


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