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小出裕章先生:すでに社会の中で「原子力に反対するような事は許さない」流れができている

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シリア戦争は今どうなっているのか?(ラジオフォーラム#62)

http://youtu.be/NiryukS_4-U?t=14m21s
内戦が続くシリアは今、どうなっているのか?そして、そもそもシリア戦争はなぜ始まり­、どうしたら終えることができるのか?現地に入り、つぶさに取材をしたジャーナリスト­西谷文和が、出身地ホムスが破壊されたというご本人、日本シリア友好協会会長のシハー­ブさんにお聞きします。

14分21秒~
核保有を志向する日本「69年の外交政策委員会の報告よりずっと前から、実はもう核兵器を作りたかったのです」~第62回小出裕章ジャーナル

http://www.rafjp.org/koidejournal/no62/
西谷:
小出さん、前回に引き続きまして、今日はですね「戦争と原発はつながっている その2」にいきたいわけですが、ほんとにねリスナーの皆さんから驚きの声が寄せられてましてね。

更に、知らない話を小出さん教えてくれるわけですが、2010年10月3日ですがNHKがですねスクープドキュメント『核を求めた日本』という番組を放送しているのですが、
核を求めた日本
この番組の中でですね、この外務省の官僚の方ですか?この方?

小出さん:
はい。村田良平さんという外交官です。
村田良平

西谷:
この方が「日本の国益が脅かされるような緊急事態になったら核兵器を持つ」という選択肢も完全には除外しない。

小出さん:
そうです。

西谷:
これ言ってるんですね。

小出さん:
ええ、言ってるっていうか、日本っていう国がずーっとそうやってそういう方策で、方針でやってきたということですね。
核を求めた日本02

西谷:
これね「1969年2月に日本とドイツがですね箱根で秘密会談をした。」こういう文章が残ってるんですね。

小出さん:
はい。

西谷:
ここにですね、「我が国の外交政策ということで69年9月に核兵器については、NPT(核拡散防止条約)に参加すると否とに関わらず、当面核兵器は保有しない政策にするが、核兵器製造の経済的・技術的ポテンシャルは常に保持するとともに・・・」で、そんなことが続いてまして、「経済的な利害特殊の計算に基づくものであるという趣旨を国民に啓発することとし、将来万一の場合における戦術核持ち込みに際し、無用の国内的混乱を避けるように配慮する」。
わが国の外交政策大綱
これ小出さん、つまり外交文章で難しく書いてますが、当面は持たないが、その能力は持っておくということを言ってるわけですね。

小出さん:
そうです。ですから、「政策として持たない。国際的な利害特質の計算の上で判断するだけなのであって、当面は持たないけれども、いつでも持てるように力を付けておけ」という文章ですね。

西谷:
という事は、これ69年ですから、この方針があって核燃料サイクルが始まるわけですね。
核燃料サイクルの仕組みと「核燃料施設」の構成

小出さん:
まあ、日本は54年に一番初めの原子力予算というのが通ったわけですけれども、69年の外交政策委員会の報告よりずっと前から、実はもう核兵器を作りたかったのです。
日本の核政策に関する基礎的研究
で、その流れの中で今、西谷さんが取り上げて下さった外務省の文章も作成されたし、あるいはドイツとの秘密会談なんていうのも行われたわけです。
第1回日独政策企画協議要録
第1回日独政策企画協議要録

西谷:
これドイツと日本は、同じように戦争に負けて、日本はドイツに対して「おたくも大変やから核兵器作りたいでしょ?うちも作りたいですわ」みたいな会談ですか?

小出さん:
はい、ぶっちゃけて言えばそういう会談です。

西谷:
ぶっちゃけて言えば。

小出さん:
それで、ただドイツの方はビックリしたんですね。「日本っていう国がそんなことを考えてたのか」と言って。

西谷:
ドイツは戦争の反省があって、「ナチスドイツの反省があったから、もう持たない」と本心でも思ってたけど、日本の場合は反省してないってことですよね?

小出さん:
そうですね。日本の場合には、「なにくそ。今度また二等国に落ちてしまったけど、一等国に這い上がるためには何としても原爆を持ちたい。」と、日本は思ってドイツに働きかけたわけです。

西谷:
なるほど。アメリカ・ロシア・イギリス・中国・フランスね。この5つが持って、日本は持てないのは二等国だと。

小出さん:
そうです。

西谷:
「だから、ドイツも日本も同じような立場だから一緒にちょっと相談して作りませんか?」ということなんですね。

小出裕章: はい。そうやって持ちかけたのだということがNHKで放映されたのです。

西谷:
これ、小出さんの資料の中に、朝日新聞の1992年11月「プルトニウムの蓄積とミサイルに転用できるロケット技術が開発しておかなければならない」。

小出さん:
そうです。

西谷:
これ、外務省幹部

小出さん:
そうです。

西谷:
これ、モロですね。

小出さん:
はい。実に的確で、これまでの日本の原子力開発というものがどう行われてきたのかということをほんとに短い言葉で表してくれたと思います。

西谷:
本音が出てると。

小出さん:
はい。

※なぜ六ヶ所再処理工場の運転を阻止したいのか
2008年 12月 13日 小出裕章
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/kouen/tk081213.pdf
なぜ六ヶ所再処理工場の運転を阻止したいのか より

西谷:
これ、だからあれでしょ。プルトニウムを持つこととミサイルの開発があれば、いつでも核兵器が作れるということですね?

小出さん:
そうです。その技術的なポテンシャル、力だけは持っておかなければいけいないということで日本が始まったわけですし、外交官という人達はみんなそうやって思っていたということです。

西谷:
あの例えばですね、この資料の最後に書いてあるんですが、「北朝鮮やイランがこの原子力を開発しようとすると、これは核だ」と「日本やイスラエルがやれば原子力だ」と。これ、ダブルスタンダードですよね?

小出さん:
完璧なダブルスタンダードです。日本のマスコミが、その完璧なダブルスタンダードを昔もやっていたし、現在でもやっていて、今はイランという国がウランの濃縮をやろうとしているのですが、それを日本のマスコミが取り上げる時には必ず「核開発」と呼びます。

西谷:
はい、そうよく聞きますね。

小出さん:
はい。

西谷:
「北朝鮮とかイランは核開発してる。けしからん!」って言いますよね。

小出さん:
そうです。でも、イランにしても朝鮮民主主義人民共和国にしても「ウラン濃縮も原子炉も平和の目的のためにやってるんだ。それは国際的に認められた独立国の権利だ」と言っているわけですね。

それでも日本のマスコミというのは、イランや朝鮮民主主義人民共和国がウラン濃縮、あるいは原子力をやる時には、「あいつら、核開発をしている悪い国だ」という風に必ず報道するわけですし、日本でウラン濃縮、あるいは原子炉をやる時には、「原子力開発」と訳して、あたかも先進国としてすごい立派なことをしているかのように報道するのです。

※朝鮮の核問題 2003 年 6 月 14 日 小出裕章
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/kouen/KoreanN.pdf
朝鮮の核問題より

西谷:
英語にすればNuclear Development(ニュークリア・デベロップメント)ですから、同じ単語なのにイランがやれば「核開発」、日本がやれば「原子力開発」

小出さん:
そうです。

西谷:
これ、ほんとになんか国民を騙してますよね。

小出さん:
はい。でも、そんなことたくさんあるわけで、先日も朝鮮民主主義人民共和国が人工衛星を打ち上げようとしてロケットを打ち上げた

西谷:
はいはいはい、大騒ぎしましたね。

小出さん:
きちんと国際機関 ICAO(イカオ、国際民間航空機関)という国際機関に通告してですね、通告通りちゃんとやったわけですけれども。それを日本のマスコミが流す時には「実質的なミサイルを打ち上げた」と、そういう報道になってしまうわけですね。

一方、日本はH2ロケット、あるいは先日はイプシロンでしたけれども。それを打ち上げる時には「平和的なロケットを打ち上げました」という、そんな報道になってしまうわけです。「あまりにも酷いやり方だな」と私は思います。

西谷:
これ、北朝鮮やイランから見たらH2ロケットは、これ核兵器に見えても仕方がないわけでしょ?

小出さん:
そうです。「実質的なミサイルを打ち上げた」という事になるわけですね。

西谷:
これもね、あんまり国民、私も気がついていませんでした。そんなことも含めて、やっぱりもっと見抜く力というか、冷静に判断する力がいると思うんですけど。ただ、この国はですね、特定秘密保護法とかね。今は、共謀罪とか言ってるんですけど。そういう事を発信する、その言論を封じてしまおうという流れがね残念ながら安倍内閣の中であるわけですが。
なぜ急ぐのか「秘密保護法」成立

小出さん:
そうですね。

西谷:
これですね、あの昨年なんですけどね、小出さん達が大阪の某お寺でですね原発の話をしようとしたところ、そのお寺の責任者が小出さん書いている「原発と憲法9条」という、こういう本なんかを見て強烈な政治性を感じて、小出氏が反原発デモに参加していたので「原発という言葉を一切使わずに講演してほしい」これ、どうです?これ。
四天王寺で小出裕章先生講演拒否

小出さん:
そうですね。まあ、私も驚きましたけれども、私は原子力ということをずっと話してきましたし、原子力に反対でもありますし、もちろんデモにも行ったことがあります。そんなことは民主主義の国家として当然のことだし、それが何か悪い事であるかのように、そのお寺さんが行って「小出には話をする場を貸さない」と言ったわけですね。

西谷:
貸さないと。

国民の自由を制限し
「戦争する国づくり」の今 安倍首相が狙う改憲翼賛
(しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-02-03/2014020301_05_1.html

小出さん:
ですから、今、安倍さんの方の法が国家として一人ひとりの人々のですね自由を制限する。あるいは、何か国家に抵抗するならしょっ引いて行くというような事でやろうとしているわけですけれども。

実は、もうそんな事ではなくて、いわゆる社会の中で「原子力に反対するような事は許さない」とかですね。「デモなんかに行くヤツは偏向してるヤツだ」と。そういうことがもう次々とつくられてしまっているということなんだと私は思います。


西谷:
デモに参加したらテロリストだって言ってる。

小出さん:
そうなんですね。

西谷:
やっぱり、こういう事をやっぱり許さずに自由にものが言えて、自由にやっぱり議論ができる社会であってほしいですよね。

小出さん:
はい。そう願います。

西谷:
戦争がくると、その自由が奪われるという事も含めて、私達は原発や戦争に反対していきたいと思います。小出さん、どうも今日はありがとうございました。

小出さん:
ありがとうございました。



スクープドキュメント
"核"を求めた日本
~被爆国の知られざる真実~

http://www.nhk.or.jp/special/detail/2010/1003/index.html
動画
http://www.pideo.net/video/pandora/7c29c035e3e6fff4/
内容書き出し
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-691.html


「小出裕章 原発と憲法9条」ゲスト・溝江玲子さん - 2012.03.18

http://youtu.be/yb7u4rn9xEU



○●○●○●○●○●



お笑いNHK捏造スペシャル メルトダウン_File4「放射能“大量放出”」
おまえたちは、バカなのか?
(原発はいますぐ廃止せよ)
http://pfx225.blog46.fc2.com/blog-entry-2172.html

NHKスペシャル_メルトダウン_File4「放射能“大量放出”」 投稿者 gomizeromirai

バカ一



こわれて漏れたように見せかける




3月15日2時にはまだ北西向きの写真を出して国民をだます。

小森さんが東電テレビ会議で第二原発の線量が上がるよと言っているのに。


http://youtu.be/P44-ja9ortI

気象研の推定は正しいようだ。




バカ二

3月15日8:45ごろ正門で最高線量で、その後東京渋谷でも2倍とうそをつく。



渋谷じゃなくて、新宿だろうが、この捏造野郎。
大気中の放射線量/1時間単位(新宿)


20倍だろが。


バカ三

2号機がこわれて白煙をもうもうと出しているとまたまたうそをつく。



それは4号機の爆発だろうが。(3号機も水蒸気爆発の名残で大湯気が出ているぞ、2号機の白煙が見えるわけがない)



結論

2号機はウェットウェルベントができずに、隙間から漏れたから、東電の責任ではなかった、だから再稼動に賛成しろとNHKが捏造スペシャルを作って、

国民を洗脳。




しかしこの東電テレビ会議でドライベント「生蒸気放出」を知っている者のみ、騙されることはなかった。


http://youtu.be/BH5d2FqIUio

福島原子力事故調査報告書
引用 平成 24 年6月 20 日  東京電力株式会社


ちゃんと事故報告書にドライベント生蒸気を放出しましたと書いている。

ご丁寧に、開操作数分後には閉めましたとも書いて、逃げ道を作っている。

「おぬしもわるじゃのう」

苦労して開けてすぐ閉める訳が無かろうが、


バカなのか?

あちこちでNHK捏造スペシャルが良かったとか言う声を聞いて、オレは確信した。

これしかない。



2011年のあの優秀な人たちはもう避難していなくなった、このレベルのトリックは簡単に見破ってど素人のオレに教えてくれたはずだが、もういない。

自分で真実を追究するしかないのだ!


小出裕章先生:こんな国であるなら、私は喜んで非国民になって戦いたい

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◆【小出裕章ジャーナル~第63回】燃料棒破損、相次ぐ事故

http://youtu.be/KqrSjV8JNMA

燃料棒破損、相次ぐ事故「根本的な矛盾を抱えた物ですので、完璧に欠陥を防ぐということは今日に至ってもできないでいるわけです」~第63回小出裕章ジャーナル
http://www.rafjp.org/koidejournal/no63/
石井彰:
小出さん、今日は全国の原発で一番原発の心臓部である「核燃料集合体に小さな穴が空く等のトラブルがたくさん起きていた」と、東京新聞の取材でこれが明らかになったんですが。
核燃料トラブル184体 使用済み全国で抱える
この核燃料棒のトラブルについて、実は小出さんは1973年に美浜原発で起きた燃料棒が折れてしまう。折れて損傷してしまう事故の調査をされたことがあるそうですね。
※美浜原子炉の燃料棒をめぐる問題(1)今中哲二・小出裕章
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/100/PDF/Mihama1.pdf
※美浜原子炉の燃料棒をめぐる問題(2)今中哲二・小出裕章
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/100/PDF/Mihama2.pdf

小出さん:
そうです。美浜原子力発電所というのは、1970年の大阪の万博に合わせて発電を開始しました。そして、運転をして定期検査をしてということをやってきたのですが、73年の4月に第2回目の定期検査をした時に、燃料棒が折れてしまって、合計で1メートル70センチにもわたって粉々になって無くなってしまっていたという事故を発見した。
美浜原子炉の燃料棒をめぐる問題(1)小出裕章
ところが、発見をした途端に、それを隠してしまうということになりまして、その事故が発覚したのは、1976年の暮れになってから初めて「あっ、そんな事故があったんだ」ということがわかったわけです。
※関西電力(株)美浜原子力発電所第一号炉燃料棒折損事故に関する質問主意書 石野久男
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumona.nsf/html/shitsumon/a080005.htm

その事故の調査を日本原子力研究所という所でやったのですが、美浜の原子力発電所から日本原子力発電所に壊れてしまった燃料の欠片等を輸送するために特殊な容器が必要にになりまして、その容器は私が勤務している京都大学原子炉実験所にしか当時ありませんでした。

それで、当時の所長であった柴田俊一さんっていう方が「容器は貸すけれども、キチッと自分達で調査をするからデータを寄こせ」ということで、関電と合意をしまして容器を貸しました。そして、京都大学原子炉実験所の中に調査の委員会を作りまして、私もその一員として調査に加わりました。

で、まあ一番驚いたことは、日本の原子力開発というのがほんとに酷い事故が起きても、それを隠してしまうような体制だったんだということでした

そして、結論から言えば、燃料棒が壊れたというのは原子炉の構造の欠陥でした。ちょっと専門的になって申し訳ないのですが、燃料集合体を配置してある場所にバッフル板という特殊な鋼鉄の板が外側を囲っていたのですが、そのバッフル板に隙間があって、そこから異常な水が炉心に向かって流れ込んで燃料棒が振動して、そして壊れてしまったということだと私は思っています。
バッフルジェットによるフレッティングと防止対策

そして、その問題は今でも根本的な解決に至らないまま続いていますので、今後もまた起こりうるのではないかと私は心配しています。

石井彰:
なるほどね。それで、あの最初の話に戻るんですが、福島以外の原発でも燃料棒にピンホール(小さな穴)が空いていたり、いろんな自体があるということがわかりました。
核燃料トラブル 184体【東京新聞】

小出さん:
はい。

石井彰:
このことについて、まず小出さんはどういうことをお考えになってらっしゃいますか?

小出さん:
はい。まず、皆さんその燃料棒という物のイメージを持っていただきたいのですが。形で言うと、外形が約1センチ、長さが4メートルという細なが~いパイプです。
燃料棒の構造
そして、パイプの肉厚がとても薄くて0.6ミリ、厚いものでも0.9ミリぐらいしかないという。そんなものなのです。 で、なぜそんな薄くしてあるかと言うと、そのパイプの中にウランを焼き温めたペレットという物が入っているわけですが、そこでウランが核分裂して熱が出てくるわけですね。
燃料集合体とは
その熱を燃料棒を通して外側にある水に伝えて、それで蒸気を発生させて発電するというシステムなのですが。パイプが厚いと熱が伝わりにくくなってしまいますので、できるだけ薄くしなければいけないのです。
BWR燃料構造の変遷
そして一方では、その燃料棒というのはウランが核分裂してできてくる核分裂生成物という物を閉じ込める。水の方には漏らさないという大切な役割もまた負わなければいけないのです。

放射能を漏らさないためには、できるだけ厚くした方がいいわけですけれども、逆に、熱を通すためには薄くしなければいけないということで、なかなか難しい課題を背負わされたものなわけです。
ジルカロイ被覆管内の局所水素化破損進行の模式図
で、原子力をやるにあたって「この程度でいいだろう」ということで、まあ様々な試行錯誤を繰り返しながら今日まで来ているわけですけれども。
UO2ペレットの焼きしまりによる燃料被覆管の潰れ
金属のパイプというのは、時には傷が付いたり、穴が空いたりということは避けられないわけで。特に原子力発電をやり始めた当初はたくさんの原子力発電所のたくさんの燃料で穴が空いたり割れたり。先ほど聞いていただいたように、折れて無くなってしまうというような事も頻発していました。
日本のBWR燃料破損(1990年以降)
ですから、そういうトラブルは、今日ご質問いただいたのは燃料棒という物ですけれども、その他、原子力発電所の中の様々な配管でも、これまでもたびたび様々なトラブルが起きてきて、いつだったかな? 2000年を過ぎた頃だったと思いますけれども、やはり美浜という原子力発電所で二次系のもの凄い太いパイプがいきなり割れてしまって、作業をしていた労働者5人だったか、6人だったか熱湯を浴びて死んでしまうという、そんな事故もありました
復水管破損箇所
作業員十一人の発見時の状況
※美浜3号炉事故の全体像と課題 2004 年 10 月 7 日 小出裕章
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No98/koide041007.pdf
美浜3号炉事故の全体像と課題

石井彰:
そうですね。とすると、つまり放射能という大変私達が制御できない物を先ほどの小出さんのお話では、大変細い管の中に入れて管理をしてる。で、実はそれが原子力発電所の一番の心臓部にむしろ脆弱性があるという理解をした方がいい。

小出さん:
はい。おっしゃる通りです。避けられないのです。それは。

石井彰:
ん~、すみません。あの、小出さん、そういう事が最初っから当然科学者達はわかってたわけですよね?

小出さん:
もちろんです。分かっていましたし、なんとか壊れないような物を作りたいとして、技術的には一歩一歩進んではきているのですけれども。

始めに聞いていただいたように、放射能は閉じ込めなければいけないし、熱は通さなければいけないという根本的な矛盾を抱えた物ですので、完璧に欠陥を防ぐということは今日に至ってもできないでいるわけです。

石井彰:
「福島第一原子力発電所が事故を起こしたから、原発を止めなければいけない」ではなくて、そもそも原子力発電所という構造自体に科学的に無理がある。無茶があるというふうに僕は思うんですが、そういう理解でよろしいでしょうか?

小出さん:
私は基本的にそう思っています。

石井彰:
いつもほんとに全然科学や物理の知識がないばっかりに、なんかトンチンカンな質問をしたかもしれませんが、またこれに懲りずによろしくお願い致します。

小出さん:
こちらこそ、よろしくお願いします。

石井彰:
今日はどうもありがとうございました。

小出さん:
はい、ありがとうございました。


今私たちが知っておかなければならない、核・原子力の真実 2010年4月10日 小出裕章
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/genpatu/spr100410.pdf
今私たちが知っておかなければならない核・原子力



『原子力戦争』1978 黒木和雄

http://youtu.be/OVbCHAK0asg

原子力戦争 - Wikipedia



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ZDFホイテショー「ニコニコする人に放射能は来ない!」

http://youtu.be/tQ0_J3jSWDU



140314 報道するラジオ「原発作業員が語る3年」上田崇順

http://youtu.be/HbIT8lcMEoU
【原発作業員が語る3年】きょうは、事故から3年がたった福島第一原発と、廃炉作業の­現状について、原発作業員の声をお届けします。テレビの映像では、少し片付いてきたよ­うに見える構内も、建屋の中は、放射線量が高く、手つかずのまま。
「アンダーコントロール」とは程遠い状態です。
作業員の働く環境や住居は、事故直後より悪くなっている面もあると言います。
原発作業員は今、どんな状況で、どんな思いで、働いているのでしょうか。
この問題を取材し続けている上田崇順アナウンサーのリポートです。



(プロメテウスの罠)
内部告発者:18 水が止まれば終わり
(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/DA3S11040743.html?iref=comtop_list_ren_n08
 ケイ・スガオカ(62)の親友、山田光昭(61)は昨年11月20日、避難先の宮崎市から、福島県双葉町の自宅を訪れた。2011年3月11日、震災の日の夜にここを出て以来の帰宅だった。

 前夜は相馬市に泊まった。午前9時半すぎ、ハイエースを広い敷地に乗り入れる。

 「ただいまぁ」

 頭にしばりつけるように固定した防護マスクの中で、そうつぶやいてみた。

 平屋の家の向こうに、屋根の3倍を超える高さの大きなブナの木が見える。葉は落ちているが、見事な枝ぶりが青空に映える。

 「ただいまぁ」

 もう一度、呼びかけた。遠くでカラスが鳴いている。カア、カア、カア。庭の柿の木に、たくさんの赤い実がなっている。

 毎時13マイクロシーベルト。線量計にそう表示されている。東京電力福島第一原発の原子炉から直線距離で3キロ余のこの家は、帰還困難区域の中にあり、事前に役場に届けを出して初めて立ち入りが許される。

 母屋の玄関の前に車を止める。軒先に震災前の洗濯物が干したままとなっている。トレーナーの青色はずいぶんくすんでしまった。

 枯れ草に覆われた庭を見て山田は「しかしねぇ」とつぶやく。「笑っちゃうよねぇ」

 もう、あの時代は戻ってこない。やっぱり夢も希望もない。その現実がこれだ、と思う。

 離れの2階家に向かう。軒下に愛用のサーフボードがある。中に入るとギターアンプ。全部で9台。宮崎からわざわざ戻ってきた目的は、この「お宝」を持って帰ることだ。

 この家に住んでいた30年ほど前、GE技術者だったスガオカがよく遊びに来た。

 スガオカは、酔いつぶれてそのままソファで泊まることがあった。それほど酔っているときにも、折に触れて繰り返すことばがあった。

 「原発は水が命だ。水が止まったら原発は終わりだ。そのときはできるだけ遠くに逃げなければいけない。水以外では冷やすことができないんだ」

 そんな言葉が脳裏にあったから、11年3月11日夕、福島第一原発の異常を伝えるニュースをテレビで見た直後、山田は家を出ると決めた。

 毛布を車に積み込み、家族と犬3匹。10キロ圏内に避難指示が出たのはその10時間後だった。(奥山俊宏)





この子を守れますか?


福島原発事故から3年・飯舘村ルポ(東京新聞)こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014032202000136.html
福島原発事故で大量の放射性物質が降り注いだ福島県飯舘村。「こちら特報部」は今月中旬、昨年に続いて京都大原子炉実験所の今中哲二助教ら「飯舘村放射能エコロジー研究会」による放射線量測定調査に同行した。公開されるモニタリングポストの線量データはさほど高くない。だが、雪深い現地に入ると、それがうわべの数字であることに気付かされた。(榊原崇仁)

◆進まぬ除染 遠い日常

飯舘村には、まだ50センチほどの雪が残っていた。

村は2月上旬から中旬にかけて「半世紀ぶり」ともいわれる大雪に見舞われ、積雪は一時、1メートルを超えたという。今月に入っても朝の最低気温が氷点下5度前後の日が続き、雪解けが遅れているようだ。

全村避難している飯舘村だが、大半は立ち入り自由の居住制限区域や避難指示解除準備区域だ。両地区の主要な道路は除雪され、トラックや乗用車とすれ違うことも少なくない。

ただ、民家まで続く道路や店舗の駐車場、墓地などの多くは1カ月前の雪がどかされずに残っており、生活の営みが少しも戻ってないことを実感する。

気になるのは放射線量だ。原子力規制委員会のホームページで閲覧できるモニタリングポストのデータによると、村内の立ち入り自由区域ではおおむね毎時1マイクロシーベルト未満だった。

車で移動中に手持ちの線量計に目をやると、1マイクロシーベルトを下回る場所が大半。除染の長期目標は年間1ミリシーベルト以下で、毎時に換算すると0.23マイクロシーベルト以下になる。これよりは高めだが、除染の効果などにより、帰還基準とされる年間20ミリシーベルト以下になったということか。

車は村内唯一の帰還困難区域、長泥地区に着く。通行止め用のゲートを警備員に開けてもらい、地区内に入る。車を降り、固い雪で覆われた田んぼの上で今中助教らとともに線量を測った。毎時2マイクロシーベルト。年間10ミリシーベルト弱相当だ。

ただ、スコップで雪を掘って少し地面が見えるようにしただけで、線量計が示す数値は2.5倍の毎時5マイクロシーベルトまで跳ね上がった。帰還困難区域外でも雪をどかして計測すると、同じような傾向が見られた。

今中助教は「地面の放射性物質が出す放射線が雪で遮られるのが現在の状況。線量が低く見えるのは除染がどうこうということじゃない」と言い切った。

◆予想超す廃棄物 行き場なく

そもそも飯舘村では除染が進んでいない。

当初の計画では今月末で長泥を除く全地区の除染が終わる予定だったが、仮置き場の確保が難航したほか、廃棄物の量が予想を大幅に上回り、宅地の実施率は予定分の9%、農地や森林は5%前後、道路は1%弱にとどまり、除染終了のめどは生活圏が2014年内、残りは16年内に先送りされた。長泥地区に至っては除染をどう進めるか見通しが立っていない。

車に同乗してくれた村の男性は「今年は雪があっても除染作業をやっている。去年と違う。行政は焦ってるんだろう」と話した。

今中助教らは避難指示解除準備区域の佐須地区にある山津見神社で再び車を降りた。昨春に焼失した社殿跡で線量を測ると、毎時1.5マイクロシーベルトを記録した。

ここは除染未着手地区だが、今中助教は「社殿の下は事故直後、放射性物質が付着してないはず。建物があったわけだから。それでもこの線量になるのは周辺の山林から放射線が飛んできているから。除染で線量を下げるには山林までしっかりやらないといけないが、膨大な費用と時間がかかってしまう」と指摘した。

そんな状況に置かれながらも村は今月4日、長泥以外の地区について避難指示解除目標を16年3月とする復興計画を示した。

ただ、早期帰村に積極的な菅野典雄村長と村民の思いは一致していない。

1月末に公表された村民意向調査によると「現時点で村に戻りたいと考えている」は60代以上でも3割にとどまり、30代以下では「現時点で戻らないと決めた」が6割を超えた。

伊達市の仮設住宅で暮らす男性(45)は「国も村も東京電力もウソばかり。放射線による健康影響が考えにくい、何年後に帰れるなんて言われても信じられない。原発事故は母親の生きがいだった畑仕事を奪った。飯舘じゃもう、野菜つくるのは無理。何のために帰還するのか」と語る。

今冬の雪も帰還を滞らせる原因になりかねない。

村を巡ると、雪の重みで押しつぶされた民家の納屋や駐車場の屋根、ビニールハウスがあちこちで見られた。家々は雨漏りやネズミのふん尿に悩まされているのに修繕の負担がさらに増えてしまった。ある村民は「除染が終わった場所でも、山からの雪解け水で放射性物質が流れてこないか」と不安を訴えた。

伊達市の仮設住宅の女性(75)は吐き捨てるように言った。「お先真っ暗。帰村のことを考えると、精神的に参ってしまうからもう考えないようにしている」

[福島県飯舘村]
東京電力福島第一原発の北西28キロに位置する。事故前は1700世帯、6200人が居住した。2011年4月に計画的避難区域となり、12年7月に放射線量に応じて避難指示解除準備区域と居住制限区域、帰還困難区域に再編された。

[デスクメモ]
昨年、この調査に同行した。放射線量の経年変化から、初期被ばく量を逆算するのが調査の目的である。今中先生ら研究会に集う人たちは惑わされず、淡々と仕事をこなしていく。その姿はまるで求道者だ。記者は現場では役立たずだ。せめて貴重な仕事の断片を伝えるくらいはお手伝いさせていただきたい。(牧)



20140321 報道するラジオ「復興予算は復興に使われているか?」

http://youtu.be/MRadO78WjSU
 昨日、来年度の政府予算が、参院本会議で可決・成立しました。
戦後3番目のスピード成立で、一般会計総額は、過去最大の96兆円です。
それに加え、復興予算なども可決・成立しています。
これらの予算の財源は、いうまでもなく、私たちの税金です。
 復興は、国民全ての願いです。誰もが願う復興だからこそ、税金で賄われる復興予算が本来の目的をきちんと果たしていくのか、今後も復興に使われる予算編成なのか、きょうのこの番組で考えます。
 ゲストには、元兵庫県職員で、その時に阪神・淡路大震災を経験し、
現在は復興庁の副大臣を務める谷公一衆議院議員をお招きし、現在や今後の復興予算の使われ方を聞きます。
 また、2012年に復興予算の数々の流用をスクープした、ジャーナリストの福場ひとみさんにもお繋ぎし、復興予算の使われ方があれからどう変わったのかを聞きます。


自民シロアリ大量発生中


国家のシロアリ
復興予算流用の真相

著/福場ひとみ
http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784093798563
国家のシロアリ復興予算19兆円を奪ったのは誰だ!

 「復興予算19兆円を奪ったのは誰だ!」――「復興予算流用問題」を週刊ポストでスクープした記者が、「流用はなぜ、どのようにして起きたのか」「流用を仕組んだのは誰だったのか」を徹底検証した小学館ノンフィクション賞優秀賞受賞作。

 東日本大震災からの「復興」という名目で、政府は19兆円にも及ぶ「復興予算」を組んだ。ところが震災から1年以上が経過した2012年中頃、その復興予算の大半が、被災地とは「無関係」の事業に使われていることが明らかになった。霞が関の合同庁舎、捕鯨のシーシェパード対策に次世代原子力の核融合計画まで、目を疑うような「予算の流用」が、霞が関の主導で公然と行なわれていた。

〈彼らは何も、意図的にこの国を壊そうとしているわけではない。彼ら個々人は、みな有能で優秀で、そして仕事に忠実な「働きアリ」のはずだ。しかし、組織における働きアリが、国家にとってはシロアリと化してしまうのが、この国の現実である。〉(本文より)
 流用はなぜ、どのようにして起きたのか――その全過程を辿ることで、政治家、官僚、そしてメディアまでが一体化した「日本というシステム」の構造的欠陥を明らかにする。



▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲



2014/03/08
【京都】未来を担う子どもたちの為に、今、私たちにできること ―ヘレン・カルディコット医師・小出裕章助教
(IWJ)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/128435
 2014年3月8日(土)14時から、京都市上京区のKBSカルチャーで、ヘレン・カルディコット財団主催の講演会が開催され、『未来を担う子どもたちの為に、今、私たちにできること』と題し、ヘレン・カルディコット氏と小出裕章氏が講演を行った。

※3月8日の講演の模様を、3月18日に配信しました。

■Ustream録画
・1/2(19:58~ 2時間29分)



・2/2(22:28~ 37分間)



講演 ヘレン・カルディコット氏(医師)/小出裕章氏(京都大学原子炉実験所)
日時 2014年3月8日(土)14:00~
場所 KBSカルチャー(京都市上京区)
主催 ヘレン・カルディコット財団

「もし、私が、この方と同じように1歳の娘さん、そしてお腹に6ヶ月の子どもがいるのであれば、私は連れ合いを逃がします。私はたぶん東京に残ると思います。私が仮に福島に居たとしても、福島に残ってやるべきことがあるかもしれませんので、私は残りたいと思いますけれども、子ども、あるいは、妊娠している女性というものが汚染地帯に居るということが、私は許すことができませんので、私の場合なら、家族が、家庭が崩壊するというリスクを取って、子どもたち、そして、連れ合いを逃がすことにしたと思います。」



さよなら原発3・9関西行動

http://youtu.be/l_h2zIQJ2mY
文字起こし

皆さん、ご承知のように、この日本という国は、数十年前まで戦争していました。
アジアのたくさんの人々に罪悪を加え、そして、日本の国民もたくさんの苦難を負いながら戦争を進めました。
結局日本は負けました。

でも、国破れて山河ありという言葉があるように、国家などが戦争に負けても大地はありました。
大地があれば、そこで人々は生きられる、ということなのですけれども、3年前に起きた福島第一原子力発電所の事故で、今現在、1000平方キロメートルという地域、琵琶湖が1.5個も入ってしまう地域が無人になってしまいました。
土地自身を失くしてしまうというようなことが現在進行しています。

その周辺にも、およそ14,000平方キロメートルにも及ぶ広大な地域が、本来であれば放射線管理区域にしなければいけないほどの汚染を受けています。
本当であれば、そこも無人にして、土地を失っても仕方がないという程の酷いことが現在起きています。

しかし、先日政権に返り咲いた自民党は、今止まっている原子力を再稼働させる、新たな原子力発電所も造る、そして、原子力発電所を海外へ輸出する、というようなことまで言っています。

そのため彼らがやっていることは、福島を無かったことにするということです。
忘れさせてしまおうということを、彼らは作戦を練りながらやってきています。

それに対抗するのはただ一つだと私は思います。
「忘れない」ということです。
私たちは決して忘れない、福島のことを忘れないということをやることが、彼らと戦う唯一の方策だろうと思います。

今、自民党政権は、オリンピックというようなことを持ち出して、福島の事故が終息したかのように言っています。
オリンピックに反対すると非国民であるかのような、そのような論調も生まれているように見えます。
しかし、福島の人たちを苦難のドン底に落としながら、何がオリンピックなんだろうと私は思います。
こんな国であるなら、私は喜んで非国民になって戦いたいと思います。

私自身は決して福島のことを忘れないで生きたいと思いますし、これだけのたくさんの皆さんが福島を忘れないでいてくださるということを力にして、また生きていきたいと思います。
今日はありがとうございました。

さよなら原発3.9関西行動実行
小出裕章氏「子どもたちを放射能から守るために」 【大阪】

http://youtu.be/G7_liXC3wkE


安倍首相をしかる

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人災は防げる 戦争も原発も
瀬戸内寂聴さん 91歳 安倍首相をしかる
(しんぶん赤旗日曜版)
「戦争も原発事故も人災。人災は人間の力で防ぐことができる」-。憲法擁護と原発再稼働反対を精力的に訴える作家・僧侶の瀬戸内寂聴さん(91)を京都の寂庵に訪ねました 聞き手・北村隆志記者
瀬戸内寂聴さん 91歳 安倍首相をしかる
 今の憲法では戦争をすることはできないでしょう。だから安倍晋三首相は、何とか理屈をつけて、日本を戦争のできる国にしようとしているのです。解釈改憲で集団的自衛権の行使を認めようとしているのもその一つです。自衛隊をアメリカとともに、世界で戦争できる軍隊にしようとしています。
 アメリカと一緒にになって一体どこと戦争するというのでしょうか。
 中国とですか? 今のアメリカは中国とことを構えたくない。日中関係の改善を望んでいます。
 しかし安倍さんは、靖国神社に参拝してわざわざ中国や韓国を刺激しています。
 「慰安婦」問題でも安倍政権は、「河野談話」の「検証」を公言する。とんでもありませんよ。
 以前、寂庵に韓国の元「慰安婦」の方3人がこられました。3人が平和な日常生活の中から連れ去られた話を聞き、もらい泣きをしました。作り話とは思えません。
 秘密保護法もでき、政府は日本を、戦前のような私たちがモノを言えない国にしようとしているとしか思えない。今の政府の政治家たちはみんな戦争を知らない世代の人ばかり。戦争の怖さを知らないんですよ。
 内閣支持率は5割近くありますが、安倍さんのいけいけどんどんのこの頃のやり方には、国民の多くが不気味だと思っている。そうした声を目に見える形にしていかないとね。

庶民の声

 人間は威張っていても、地震や津波などの天災を防ぐ力はまだ持たない。しかし戦争や原発事故は人災です。
 人災は人間が起こしたもの。だから人間がそれをしない、使わなければ、防ぐことができるのです。今ある原発をすぐに廃炉にできなくても、原発を動かさなければいい。
 原発の再稼働なんてもってのほか、絶対反対です。安倍さんは原発事故による放射能汚染水問題で、「コントロールできている」といっていましたが、全然できていない。現に汚染水はどんどん漏れているじゃないですか。「コントロールできている」といったのはオリンピックを日本に呼ぶための”詐欺”ですよ。
 実際いまは原発なしでやっています。夏だって節電に努力し、原発なくても生きてこられたじゃないですか。
 戦争も原発再稼働も、それでもうかる人がいるからやりたがる。それは、電力会社などごく一部の人たち。われわれ大多数の庶民は原発を動かしても何ももうからない。脱原発に向かって、大いに反対しなければならないと切実に思っています。

仮設住宅

 福島原発事故の後、福島県の飯舘村に行きました。集まってくれた人たちの空気が冷たい。「何しに来た」という感じなんです。
 私も話しにくくて、「みんなさぞ疲れてるでしょう。私はあんまが上手だから」といって、一番前に座っていたおばあちゃんをあんましはじめました。
 そうしながら「みんないやなこと、つらいことがいっぱいあるでしょ。それをここで吐き出してください」と言ったら、少し空気が柔らかくなって、次々立ち上がって「こんな目に遭うとは思わなかった」「政府は何もしてくれない」としゃべりだしました。
 飯舘村では事故前、みんな大家族で暮らしていました。でも避難先では一緒に住めるような広いところはないので、それぞれ散り散りになってしまう。本当にかわいそうです。
 岩手県陸前高田市の仮設住宅にも行きました。同じ間口で狭くて・・。3年たっても仮説に暮らしている人が10万人以上いるなんて本当に気の毒です。
 仮設ではどこの家も、入口に鉢植えをおいたり、それぞれの好みののれんをかけたりして、少しでも心を引きたてようと暮らしています。津波で何もかも失っても、日本人は美しく住もうとするのね。彼らの不幸を一日も早く追っ払わないと。



“笑っていいとも”を政治利用したフジテレビの大罪


http://youtu.be/UjIMSSMO-T0



みんなの党・渡辺代表の8億借り入れ問題について。- 2014.03.26

http://youtu.be/dcYF3Y2IQmU

みんなの党渡辺代表「8億円」選挙資金“裏金”疑惑


【袴田事件】袴田巌さん48年ぶりの釈放について。- 2014.03.27

http://youtu.be/AjUfoac8ciY



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2014.03.27 22:00-23:00 / ふくいちライブカメラ(long ver)

http://youtu.be/82r2QGobnsI
出てます出てます・・(´・_・`)



上関原発反対10万超す署名 集会実行委が提出
(中国新聞)
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/mediacenter/article.php?story=20140327092521427_ja
 中国電力が山口県上関町で計画する上関原発建設に反対する大規模な集会を山口市で開いた実行委員会のメンバーが26日、山口県庁を訪れ、建設中止を求める村岡嗣政知事宛ての申し入れ書と10万6507人分の署名を提出した。

 申し入れ書では「今なお福島第一原発事故は収束せず、上関原発建設計画は不透明なままだ」と指摘。中電が申請した公有水面埋め立て免許の延長を認めず、不許可にするよう求めた。

 意見交換では、建設予定地を村岡知事が視察することも訴えた。応対した県商工労働部の橋口総司理事は「要請内容は知事に伝える」と回答した。

 集会は8日にあり、主催者発表で約7千人が集まった。実行委の共同代表で児童文学作家の那須正幹さんは「原発がなく、子どもが安心して住める県にしてほしい」と話した。

(2014年3月27日朝刊掲載)


「莫大な費用」を理由に東電が原状回復拒否
原発事故訴訟で「低線量被曝のリスクは低い」とも主張
(東洋経済)
http://toyokeizai.net/articles/-/33962
「莫大な費用」を理由に東電が原状回復拒否
中島孝原告団長(左から4人目)は「加害者として甚大な被害を引き起こしたことへの反省も、被災者救済の責任の自覚もないことがわかった」と法廷での意見陳述で憤りをあらわにした

福島県などの住民約2600人が、原子力発電所事故による放射能汚染からの原状回復や損害賠償を求めた裁判で、被告の東京電力が「莫大な費用がかかると予想されること」などを理由に拒否する姿勢を示した。

3月25日に福島地方裁判所で開かれた民事訴訟で、東京電力は反論のための準備書面を提出。その中で、住民が求める原発事故前の生活環境に戻すことは「金銭的にも実現は困難」と述べた。

膨れ上がる除染費用は5.13兆円

東電の準備書面いわく、「産業総合技術研究所の報告では、年間追加被曝線量1ミリシーベルト以上の地域について面的除染を行っただけでも、除染費用として5.13兆円を要するなどと算定されている」。ましてや、「事故前の毎時0.04マイクロシーベルトの空間線量率を実現するためには、「これを超える莫大な費用を要し、原告らの居住地のみにおいて当該空間線量率を実現させるとしても相当な金額に上ることは明らかである」。

東電は政府の「低線量被曝のリスク管理に関するワーキンググループ」報告書に基づいた内閣官房のパンフレットなどを引用する形で、国が避難指示の基準として定めている年間20ミリシーベルトの放射線を浴びることによってがんになるリスクについて、「喫煙や肥満、野菜不足などと比べて十分に低い水準」と主張。今回の原発事故による原告の被曝線量についても「年間20ミリシーベルトを大きく下回るものと考えられる」としたうえで、「違法に法的権利が侵害されたと評価することは困難というべき」と述べている。

原発事故の後、1年以上にわたって、福島市や郡山市など避難指示区域以外の地域からも子どもを持つ家庭などの「自主避難」が相次いだ。残った住民も放射線被曝の不安を抱きながらの生活を余儀なくされている。

これまで東電は、福島県の中通り地方など避難指示区域以外の住民に対しても、「日常生活の阻害に起因する精神的苦痛と生活費の増加分の一括賠償」として、大人1人当たり8万円、妊婦および18歳以下の子どもに60万円を支払っている。

避難指示区域に住んでいた住民への賠償と比べて著しく低い金額であるものの、すでにこうした支払い実績があることを理由に新たに賠償を支払う必要はないと東電は強調。原状回復のための放射性物質の除染についても、住民が求める事故以前の水準の達成は「直ちに達成することは著しく困難」として、請求の却下を裁判所に求めている。

原告側の怒り爆発

これまで、原発事故被害を理由に東電を相手取った訴訟は全国13カ所で6000人強の原告によって起こされているが、このように東電が理由を含めて主張の内容を明らかにしたのは初めてと見られる。だが、原状回復が「技術的に困難」というだけでなく、「莫大な費用」を理由に拒否したことに対し住民の怒りが爆発。中島孝原告団長は「加害者として甚大な被害を引き起こしたことへの反省も、被災者救済の責任の自覚もないことがわかった」と法廷での意見陳述で憤りをあらわにした。

東電は福島での被災者の訴えを退けるよう裁判所に求めている一方、新潟県の柏崎刈羽原発の再稼働のための新規制基準に関する技術審査を原子力規制委員会に申し立てている。そうしたさなかだけに、「重大事故を起こした際の東電の賠償方針が明らかになった意義は大きい」と原告弁護団の馬奈木厳太郎弁護士は指摘する。

煎じ詰めると、「事故を起こしたとしても、年間20ミリシーベルト以下の住民の被曝については責任を負わない。放射能で汚染させても、元の環境に戻す義務はない」という考えにほかならない。電力会社はこうした姿勢で原発を運営しているのである。原発再稼働の議論の際に、その事実を念頭に置く必要があるだろう。



川内原発を優先審査 規制委 再稼働新基準で方針
(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014031302000255.html
 原子力規制委員会は十三日、原発再稼働の条件となる新規制基準への適合審査の進め方について、九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)ではおおむね適切に地震と津波が想定され、事故対策の設備面でも大きな問題はないとして優先的に審査を進めることを決めた。新規制基準に基づく再稼働第一号は川内原発となる可能性が高まった。しかし、同原発周辺は原発外の防災対策が遅れているなど安全面の課題も多く、大きく疑問が残る決定となった。
 新基準では、最大級の地震と津波を想定して「基準地震動」と「基準津波」を設定。原発がこれらに襲われても十分に耐えられるよう建屋や配管などに強度を持たせ、防潮堤なども整備する。事故が起きても、被害を拡大させない対策をとるよう求めている。
 これまで八つの電力会社が十原発十七基の再稼働を規制委に申請したが、想定が足りないなどの問題点が指摘されてきた。十二日の審査会合で、川内原発と四国電力伊方原発(愛媛県)について目立った異論は出なかった。
 十三日の規制委会合では、島崎邦彦委員長代理が川内原発のみで基準地震動などが確定したと説明し、更田(ふけた)豊志委員は「川内原発の設備面の対応は十分満足できる」と述べた。このため審査のモデルとして、川内原発が選ばれた。
 規制委は、川内原発に周辺の火山から火砕流が到達する可能性がないかを確かめた後、対策が十分かを総合的に審査し、審査書案を作成。意見募集や公聴会を経て、審査は終わる。
◆住民避難態勢も不十分
 原子力規制委員会が九州電力川内原発1、2号機を優先的に審査することを決めた。九電は電力需要が高まる夏前の再稼働を目指し、地元の鹿児島県知事も前向きな姿勢を示している。しかし、規制委が認める通り、新基準を満たすことは安全を確保するための最低条件にすぎない。
 川内原発は、東京電力福島第一原発とは異なる「加圧水型」と呼ばれる型。原子炉格納容器の容積が大きく、炉が暴走し始めても対処する時間の余裕が比較的あるとされる。
 しかし、炉内の圧力を逃すフィルター付きベント(排気)設備の設置はまだ計画段階で、緊急時の対策拠点もまだ代替施設があるだけだ。
 原発外では、昨年十月に事故を想定した避難訓練が実施されたが、実際の福島事故より、事故の進展スピードが遅く、避難に使うバスがあらかじめ集合場所に用意されているなど甘い内容だった。
 事故時に避難住民を受け入れてくれる先を事前に確保しておくことも重要だが、鹿児島県は県内避難にこだわり、隣接の熊本県との協議が遅れた。計画は定まったものの、福島で起きたように大渋滞で車が動けなくなる事態など、起こり得る問題を十分に想定しているとは言い難い。 (山川剛史)
 <川内原発> 鹿児島県薩摩川内市にある九州電力の加圧水型軽水炉(PWR)。2基あり出力は各89万キロワット。1984年と85年に運転を開始した。東京電力福島第一原発事故時には2基とも運転中だったが、2011年9月までに定期検査に入り、停止中。原発の新規制基準が施行された13年7月、九電は2基の審査を原子力規制委員会に申請した。原発事故前、国内最大規模となる3号機(改良型PWR、159万キロワット)増設が計画されたが、手続きは凍結している。


火山の噴火が原発の脅威に!

火山の噴火が原発の脅威に!それでも地球は


再稼働“第1号” 鹿児島・川内原発は「日本一危険」という罠(日刊ゲンダイ)
http://gendai.net/articles/view/newsx/148947
桜島の異常噴火に活断層の疑いも

 よりによって日本一危ない原発を真っ先に再稼働させるのか。
 原子力規制委が新規制基準への適合審査を優先させることに決めた、九州電力の川内原発1、2号機(鹿児島県)。安倍首相は「新基準に適合すれば再稼働を進める」と、この夏にも川内原発を稼働させるつもりだが、正気とは思えない。

 川内原発は全国の火山学者が選んだ「巨大噴火の被害を受けるリスクがある原発」のワースト1だ。

 昨年12月に毎日新聞が実施したアンケートで、回答した50人の学者のうち29人がリスクを指摘。周囲に阿蘇や姶良など巨大噴火後に形成されるカルデラが存在するなど、日本有数の火山帯に位置するためで、秋田大の林信太郎教授は「(再稼働は)許容できない」と明言していた。

 折しも、川内原発から南東に50キロほど離れた桜島では異常な噴火活動が続く。
 噴火回数は2010年以降、毎年1000回を超えている。

 24日、原発立地自治体の地方議員147人が参加する「原発立地自治体住民連合会」が開いた会見で、鹿児島市議の小川みさ子氏はこう訴えた。

「噴火で川内原発が停止しても送電線に大量の火山灰が降り積もれば、外部電源は完全に失われます。非常用ディーゼル発電機のフィルターだって灰が詰まって発電不能になる。福島原発と同じ『全交流電源喪失』の事態に陥るのです」

 リスクはまだある。
 在京メディアはまるで報じないが、実は先月、川内原発から東に800メートルという至近距離で、活断層と見られる3本の断層と破砕帯が発見された。

「断層は近くの林道拡幅工事中に、偶然露出したもの。新潟大名誉教授の立石雅昭氏(地質学)が確認し、粘土層が軟らかく、比較的近年まで活動していたそうです。これまで九電は川内原発周辺に『活断層はない』と説明してきた。97年には旧川内市の北東20キロを震源に震度6弱の大地震が発生したにもかかわらずです。ところが今回の断層が見つかっても、鹿児島県の伊藤祐一郎知事は『6月議会で再稼働のゴーサインを出す』と息巻いています。住民の安全はどうでもいいのでしょうか」(小川氏)

 前出の連合会は「どのような科学的根拠で川内原発は『安全だ』と住民に保証するのか」など原発再稼働計画に対する公開質問状を政府に提出。1週間以内の回答を求めた。
 安倍政権がマトモに答えなければ、再稼働なんて絶対に認められない。


原子力発電所の火山影響評価ガイド
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/ooi_genjyou/data/0006_04.pdf


巨大噴火が原発を襲う
(活断層だけが原発・核燃料施設の危険性ではない)

(ちきゅう座)
http://chikyuza.net/archives/41587


防災基礎講座
災害はどのように起きているか

(防災科学技術研究所)
図18.6 日本における巨大火砕流噴火および阿蘇カルデラ
http://dil.bosai.go.jp/workshop/02kouza_jirei/s18kasairyu/f6caldera.htm
巨大火砕流噴火が起こったことを明瞭に示す地形(カルデラと火砕流台地の組み合わせ)は,北海道・東北北部および九州に分布します.橙色は火砕流到達範囲です.これらの噴火による火山灰は広域を覆い,地層の年代決定の手段を提供しています.南九州のシラス台地をつくった2.2万年前の噴火による火山灰は,東北北部でも5cmに及んでいます.
 阿蘇カルデラは,南北約25km,東西約17kmと大型です.カルデラ内に多くの人が住んでいるのは世界的に珍しいことです.このカルデラは,30万年前~7万年前の間における4回の大噴火によりつくられました.歴史時代の噴火は中央火口丘の一つの中岳に限られます.なお,米国イエローストーンカルデラの大きさは70km×45kmもあり,64万年前の超巨大噴火による噴出物は1,000立方kmという巨大量でした.
日本における巨大火砕流噴火および阿蘇カルデラ
阿蘇4噴火の火砕流の分布
阿蘇山では分かっているだけでも過去4回大きな噴火を起こし、約9万年前に起きた噴火は最大級の「破局噴火」であった。この噴火で阿蘇山は山体が崩壊。根子岳だけが唯一残されたが、奇妙な姿を残したのは、その影響を受けていると考えられる。その後、カルデラ湖が一時期出来ていた。カルデラの真ん中に中央火丘が隆起・噴火し、現在の姿になった。


リサイクル燃料貯蔵株式会社 リサイクル燃料備蓄センター
第 50 部会Cグループ コメント回答(その1)
(火山関係:スクリーニング)
平成 22 年2月 原子力安全・保安院
http://www.nsr.go.jp/archive/nsc/shinsa/shidai/dai50bukai/c7/siryo1.pdf
考慮すべき火山



再処理工場の審査開始=原燃、地震・津波の影響否定-規制委(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201401/2014011700052&g=soc
 原子力規制委員会は17日、日本原燃が建設中の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の安全審査で初会合を開いた。再処理工場は使い終わった核燃料からウランやプルトニウムを取り出し再利用する核燃料サイクルの中核施設で、審査結果は国の原子力政策に影響を与える可能性がある。
原燃によると、再処理工場の敷地内には活火山の十和田から火砕流が到達したことがあるという。原発の安全審査で敷地内に火砕流が到達したとされる例はなく、規制委は対策が可能か慎重に検討する。
 原燃は再処理工場に貯蔵される使用済み燃料などの放射性物質が、最大で約2億テラベクレル(1テラは1兆)に上ると説明。うち1割は高レベル放射性廃液で、固体の状態より不安定なため、重大事故対策の焦点の一つになるとした。
 一方、原燃は再処理工場がある下北半島沖の「大陸棚外縁断層」(長さ約84キロ)について、活断層ではないと主張。工場敷地内の断層10本の活動時期は20万年以上前で、規制基準が定義する活断層に当たらないとした。
 津波についても、敷地の標高が55メートルで海岸から約5キロ離れていることなどを挙げ、「安全機能が損なわれる恐れはない」と強調した。(2014/01/17-13:14)


より大きな地図で Tephra of 0-20ka, red を表示Tephra of 0-20ka, red
テフラは、火山噴火によって風下に降り積もる軽石や火山灰のことです。過去の大噴火の記録者であるテフラの分布を、50センチ(太線)または5センチ(細線)の等厚線で表現しています。塗りつぶしは火砕流(明色)または土石なだれ(暗色)の到達範囲です。kaは1000年前の意味。


十和田湖の成り立ちと平安時代に起こった大噴火
(早川由紀夫)
http://www.hayakawayukio.jp/seminar/towadah.html


現代都市を脅かすカルデラ破局噴火のリスク評価
(早川由紀夫)
http://www.hayakawayukio.jp/bosai/hakyoku/hakyoku.htm


火山大国日本 超巨大噴火でのみ込まれる「4原発」とは?(週刊朝日)
http://dot.asahi.com/news/incident/2013021200006.html
 東日本大震災から間もなく2年。「想定外」の福島第一原子力発電所の事故を受けて、地震や津波に対する原発の新たな安全基準づくりが進んでいる。しかし、怖いのは地震だけではない。地震大国の日本は、火山大国でもあるのだ。

 噴火で立ち上った巨大な黒い噴煙は、数日後に広がった火口から、さらに太く噴き上がった。やがて、上の部分が崩れるように下降を始め、大地にたたきつけられると火砕流となり、すべるように地上を広がっていった。セ氏1千度近い火砕流は、すべてのものを焼き尽くしながら広がり続け、100キロ以上離れた原発をのみ込んだ――。

 まるでパニック映画のワンシーンのようだが、日本にあるいくつかの原発では、起こりえる場面だ。その原発とは、泊原発(北海道)、伊方原発(愛媛)、玄海原発(佐賀)、川内原発(鹿児島)の4つ。東京大学地震研究所火山噴火予知研究センターの中田節也教授がこう警告する。

「4つとも、過去に超巨大噴火の影響を受けたと考えられる場所にあります。火砕流が過去に到達したと思われる場所に建っているのです」

 1989年に営業運転を始めた泊原発は、北海道西部の積丹半島の付け根にある。南東に目を移すと、2008年にサミットが開かれた洞爺湖がある。この風光明媚な湖こそが、超巨大噴火を起こしてできた洞爺カルデラだ。

 約11万年前の噴火で、洞爺カルデラからは、東京ドーム約12万個分にあたる150立方キロの噴出物が出た。このときの火砕流は、60キロ離れた泊原発まで届いたと考えられる。

 熊本県の阿蘇カルデラは、東西18キロ、南北25キロと世界でも屈指の大きさを誇る。 このカルデラをつくったのは、9万年前の超巨大噴火だ。当時、火砕流は九州の半分以上を覆い、九州北西の玄海原発だけでなく、四国西端の伊方原発がある場所まで到達したと考えられている。

※週刊朝日 2013年2月22日号

火砕流が原発襲ったら「完全にお手上げ」 専門家が吐露(週刊朝日)
http://dot.asahi.com/wa/2013021300005.html
 地震大国の日本は、火山大国でもある。怖いのは地震だけではない。福島第一原発は地震による津波で大事故を起こしたが、噴火による火砕流でも影響がありそうだ。東京大学地震研究所火山噴火予知研究センターの中田節也教授がこう警告するのは、泊原発(北海道)、伊方原発(愛媛)、玄海原発(佐賀)、川内原発(鹿児島)の4つ。原発が火砕流に襲われるとどのような事態になるのか。

 日本の原子力政策に深くかかわっていた“原子カムラ”のある重鎮に話しを聞いた。「原発が火山から直接の被害を受けるという想定は聞いたことがないな」。

 最初は首をひねっていたが、火砕流の説明をすると、匿名を条件にこう話した。「原発と火山災害について、これまで本格的に論じられたことはないと思います。しかし、その破壊力を考えると、火砕流を想定して対策を考えるのは不可能。完全にお手上げですよ。火砕流が届く恐れがある場所には、原発を建てるなということに尽きますね」。

 原発が火砕流に襲われるとどのような事態になるのか。この重鎮が続ける。「火砕流で原子炉建屋が壊されると、燃料プール内の核燃料が燃えながらまき散らされます。仮に建屋が大丈夫だとしても、周囲が壊滅してインフラが止まり、人が近づけなくなれば、冷却できなくなった炉心と、燃料プールの核燃料が燃えだして建屋は崩壊する。いずれにしても大量の放射能を放出することになる。仮に、泊原発が火砕流に巻き込まれれば、泊原発から70キロしか離れていない札幌は、全市民が避難しなければいけなくなるでしょう」。

※週刊朝日 2013年2月22日号


画像でたどる死都日本
(日本火山の会)
http://www.kazan-net.jp/shitowww/before.html


米国でイエローストーンと同規模の破局噴火を過去に起こした可能性のある「超巨大火山」が発見される
http://119110.seesaa.net/article/382416361.html


参考動画

Unzen (1991)

http://youtu.be/vPRoTQYXwuY


Pyroclastic flows and close up of collapsing lava lobe at night, Sinabung Volcano, Indonesia

http://youtu.be/LDJ4hmw9i6I


Pompeii : Documentary on the People Killed in the Eruption of Mount Vesuvius(BBC・英語)

http://youtu.be/6MQYMcQSZNs


「大量絶滅」巨大噴火が哺乳類を生んだ

http://youtu.be/8oOiRvIYEtI


小出裕章先生:屁理屈をこねながら結局彼らは 超優秀な核兵器材料を欲しんだろうなと・・

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◆【小出裕章ジャーナル~第64回】
揺れる高速増殖炉もんじゅの行方 2014-3-29

http://youtu.be/q51PwLwvNMY
揺れる高速増殖炉もんじゅの行方について 「超優秀な核兵器材料が手に入るということで、どうしても動かさなければいけないのです」~第64回小出裕章ジャーナル
http://www.rafjp.org/koidejournal/no64/
※この記事は時間の関係で放送できなかった部分も含めてお読みいただけます。

石丸次郎:
今日のテーマは、揺れる高速増殖炉もんじゅ」の行方についてです。 ラジオフォーラムでは、これまでも「もんじゅ」についてはたびたび触れてまいりました。 「もんじゅ」の問題について、たびたび小出さんにも解説をしていただきましたけれども、 3月5日にNHKがこんなニュースを流してます。

フランスが取り組んでいる、いわゆる核のゴミを減らす次世代型原子炉の 研究開発に協力するため、もんじゅの活用も見据えた政府間の取り決めを検討している
もんじゅ活用へ 日仏で取り決め検討

なにか「もんじゅ」の新しい延命策をフランスとやり取りを重ねているようですが。 まず、リスナーのために「もんじゅ」のおさらいを小出さん、 ちょっと簡単にお願いできますでしょうか?

小出さん:
はい。原子力というのは、ウランを燃料にして発電をしようとする、そういう技術です。 ただ、ウランと一口で言っても、そのウランの中には2種類ありまして、 いわゆる「燃えるウラン」、つまり「核分裂するウラン」というものと、 「核分裂しない燃えないウラン」というものがあるのです。 そして、大切な「核分裂するウラン」というのは、 実はウラン全体の0.7パーセントしかないのです。
ウラン
私自身は原子力が将来の夢のエネルギーで、資源が山ほどあると思って、 この道に足を踏み込んだのですけれども、実は燃えるウランはもうほとんど無くてですね、 原子力をやろうとすると、すぐに無くなってしまうということに気が付いたわけです。
貧弱なウラン資源
そこで、ウラン全体の99.3パーセントを占めている「燃えないウラン」。 それをなんとか活用できないかと考えまして、 そのウランをプルトニウムという物質に もし変換することができるのであれば、 そのプルトニウムがまた原子力発電の燃料になると考えたのです。
天然Uの中性子照射により生成されるPu同位体
プルトニウムというのは長崎の原爆にもなった材料ですから、 原子炉の中で燃料として使うこともできるということを実現しようとしたのです。 その実現するためには、「燃えないウラン」を効率よくプルトニウムに 変換していく技術が必要になるわけで、 そのための原子炉が高速増殖炉と私達が呼んできた原子炉で、 日本では「もんじゅ」という原型炉と言うのですが、 まあ実験炉の毛の生えたようなものをなんとか作って やってみたいと計画が進んできました。
日本の高速増殖炉開発
日本の原子力開発の基本方針は、原子力委員会が決める「原子力開発利用長期計画」(以下、「長計」と記載)で定められます。その「長計」で高速増殖炉が初めて取り上げられたのは、1967年の第3回「長計」でした。そこでは、高速増殖炉が「昭和50年代後半」(1980年代前半)に実用化することが目標とされています。ところが5年後の1972年の第4回「長計」では、その目標が「昭和60年代」となり、1978年の第5回「長計」では「昭和70年代」、1982年の第6回「長計」では「2010年頃」というように、どんどんと先延ばしになりました。そして、1987年の第7回「長計」では「2020年代から2030年頃」に「技術体系の確立を目指す」となって、実用化という目標すらがなくなってしまいました。さらに1994年の第8回「長計」では、その目標が「2030年頃まで」と後退した上、ついに2000年の第9回の「長計」では、目標とする年度自身を示すことができなくなってしまいました。昨年改定された長期計画は原子力政策大綱などと言う大仰な名前に変わり、再度高速増殖炉の開発の時期が書き込まれました。それでも商業用規模の1号機をようやく2050年に立ち上げようと言うものです。その経過を右の図に示します。左下から右上に引いた点線は、5年経つと目標は10年先に延びることを示しています。このように、科学的な知見が増えれば増えるだけ、目標が急激に遠ざかっていくような技術は到底実用化しません。それをあたかも希望があるかのようにいいながら、巨額の資金を投入することはおよそ常軌を逸していますし、このようなものが国の原子力開発の基本方針であったことを反省しなければいけません。
高速増殖炉常陽臨界記念
ところが、その「もんじゅ」というのは全くの欠陥原子炉でして、 これまで1兆円以上のお金を注ぎ込みましたけれども、 豆電球1つ点けることができないという、そんな原子炉なのでした
「もんじゅ」2次系ナトリウム漏えい事故
炉内中継装置の落下について

石丸次郎:
はい。この福井県敦賀市にある「もんじゅ」。 今、おっしゃられたようにですね全然動かなかったどころかですね、 事故をたびたび起こしてます。

95年に試運転を開始しましたけれども、ナトリウムの漏えい事故。 それから、2010年には炉内に中継装置が落下するという大きな事故。 それから、点検を怠る情報隠しが発覚してですね、 2013年、昨年5月には、とうとう原子力規制委員会から 運転準備中止命令が出されると。
もんじゅに運転準備中止命令
ですから、これで「もんじゅ」は終わりに向けた計画が始まるのかなと 思ったところがですね、フランスと組んでやると。 このフランスが計画している核のゴミを減らす次世代型原子炉、 これは、どういう物なんでしょうか?

小出さん:
要するに悪あがきをしている。

石丸次郎:
悪あがき。はあ~。

小出さん:
世界中の原子力推進派の人達は、ウランが少ないということはすぐに気が付きまして、 高速増殖炉を動かすことができない限りは、 原子力がエネルギー源になんかならないんだということが、 もうずーっと前から分かっていたのです。

そのため、なんとしても高速増殖炉を作ろうとして、 米国にしてもフランスにしてもロシアにしても、 みんながやろうとしたのですけれども結局できなかったのです。
高速増殖炉開発の歴史
フランスもラプソディーという小ちゃな実験炉。 そして、フェニックス。つまり、不死鳥という原型炉。 スーパーフェニックスさらには、スーパーフェニックスという巨大な原子力発電所まで 作ったのですけれども、その全てが動かない。 みんな壊れていってしまうということで、 フランス自身も高速増殖炉計画からはすでにもう撤退しているのです。 つまり、原子力がエネルギー源になるということは、 もうありえないということがハッキリと分かってしまっている

そこで、フランスにしても日本にしてもエネルギー源にならないにしても、 なんとか高速増殖炉と実は名前が付いてるのですが、 今はその増殖というのを取ってしまって。 つまり、プルトニウムを増殖なんかもうできないと。 高速炉という名前の原子炉を動かそうとしているのです

小出裕章ジャーナル

石丸次郎:
なんか記事を検索しててもね、増殖という言葉はどんどん消えていってるんで、 おかしいなと思ってたんですけど、そういう理由だったんですね。

小出さん:
そうです。 もうプルトニウムをどんどん増殖して、エネルギー源にするっていうことは できないってことがもう分かってしまっているのです。 それでも、なんとしてもこの原子炉を動かそうという人達がいるわけで。 それは、なぜかというとですね、 この高速炉という原子炉が、もし高速炉を動かすことができるなら、 その高速炉の炉心の周辺にブランケットという、 いわゆる毛布と呼ぶような領域があるのですが、 そこに超優秀な核兵器材料のプルトニウムが貯まってくるという、 そういう性質を持っているのです。
「もんじゅ」の炉心配置図
「もんじゅ」のブランケット燃料集合体
日本は、もともと核兵器を作りたいという動機に基づいて、 平和利用とか言いながら原子力開発を始めたわけですけれども。 今日、日本が使っている原子力発電所の原子炉、私たち軽水炉と呼んでいますが。 その原子炉では、核分裂性のプルトニウムが せいぜい7割ぐらいしか含まれていないプルトニウムしかできないのです。

しかし、もし高速炉を動かすことができれば、そのブランケットの部分には、 98パーセントが核分裂性というプルトニウムが貯まってくるのです。 超優秀な核兵器材料が手に入るということで、 どうしてもこの原子炉は動かさなければいけないのです。

石丸次郎:
なるほど。 小出さん、すみません。 小出さんは、つまりこの非常に核兵器を作るために優秀なと言いますか、 純度の高いと言いますか、そのプルトニウムを獲得を目指してる というふうな見方されているってことですよね?

小出さん:
そうです。 ですから、今、その石丸さん、そのゴミの処理、始末のためにとかですね フランスが言っていて、日本もまあその研究に協力するっていうようなことを 言ってますけれども、本当はそうではないのです。

本当の彼らの目的は、超優秀な核兵器材料を懐に入れたいのです。 そのためには、もうエネルギー源にならないということは歴然と分かってしまったので、 なにか理由を作らなければいけないということで、 核のゴミを少しでも減らすというような理屈を今探してきたということです。

石丸次郎:
なるほど。 小出さん、この政府のですねエネルギー基本計画原案。 2月26日に発表されてますけれども、この中にこういう一説があります。

エネルギー基本計画(案) 経済産業省
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/kihonkeikaku/140225_1.pdf
「高レベル放射性廃棄物の現用化。有害提言等の観点から使用済み燃料を再処理し、 回収されるプルトニウム等を有効利用する核燃料サイクルの推進を基本方針とする。」

と、つまり核のゴミをここに7分の1に減らすと。 そして、有害でない、つまり非常に汚染度の高い物を、汚染を減らしいくという。 そういう研究をするんだっていうことだと思うんですけれども。 こういうことは可能と言いますか、目指す意味っていうのはあるんですか?

小出さん:
はい。 原理的に言えば、高速炉の中にプルトニウム等を入れて燃やすことはできる。 つまり、もう増殖できないこと分かっているわけですから、 プルトニウムをそこに入れれば燃やすということはできる ということは分かっているわけです。

で、プルトニウムは半減期という半分に減るまでの時間が 2万4千年もかかってしまうという、途方もなく寿命の長い放射性物質ですので、 それをなんとか私達の世代で消していきたいと私自身も思います。

そのために、さまざまな研究が続いてきたのですけれども、 それを今度「もんじゅ」を使って研究する というような理屈を考え付いたわけですね。

そして、その可能性がもちろん科学的に言えばゼロではありませんけれども。 今、石丸さんもちょっとおっしゃって下さったように、 それを実現しようとすれば、まず再処理ということをやらなければいけないわけで、 再処理をやってしまうと、これまでの世界中の再処理工場の歴史が示してきたように、 周辺環境を猛烈に汚染してしまいます。
再処理工場から放出される放射能

そして、事故の危険も消えません。 そして、おまけにようやく取り出したプルトニウムをまた 「もんじゅ」というような危険な原子炉で燃やそうとするわけですから、 そこでもまた危険を抱えてしまうわけです。
世界における再処理施設の火災・爆発事故例
これまで確かに危険な物を作り出してきてしまったけれども、 それをまた別な形の危険なやり方でなんとかしようとする。 そういう試みですので、私はできればそういう方向じゃない方向を 目指すべきだと思いますし、先ほども聞いて頂いたように、 そのような屁理屈をこねながら結局彼らは 超優秀な核兵器材料を欲しんだろうなと私は思っています。
各国のプルトニウム保有量

石丸次郎:
この「もんじゅ」をなんとしてでも延命させたいと。 これ実は、断層が「もんじゅ」の原子炉地下にあるということが見つかってて、 活断層かどうかの検証が今続いてますよね。

小出さん:
そうです。

石丸次郎:
そういう意味でも「もんじゅ」は非常に危険だっていうこと。 それから、事故が繰り返されてきたっていうこと。 そして、もうかなり古いということがありますので、「もんじゅ」は てっきりもう去年の段階で、これ終わりに向けて動き出すのかなと思ったら、 ところがどっこいっていう感じですね。

小出さん:
そうなのです。 先ほど、石丸さんおっしゃってくださったけど、 1995年にナトリウム漏れという事故を起こしました。 そして、ずーっと停止していて、14年間止まったままだったのです。 それを2009年にまた動かし始めようとして、 すぐにまた事故を起こしたわけですけれども

皆さん考えていただきたいんですけれども、14年間も止まったままだった機械、 自動車でもいいですけれども、そんな物をもう一度動かそうという気に なるかどうかということなんだと思います。

日本の政府、核兵器を作りたいという人達から見れば、確かにこれはまずいし、 当初の皆さんに言ってきたような増殖というような目的も達成できないけれども、 それでもやはり核兵器材料を懐に入れるためには、 なんとしても諦めることができないということでやってしまったわけです。

石丸次郎:
諦め悪いですね~。

小出さん:
ほんとに諦めが悪いと思います。

石丸次郎:
ほんと困ったもんですね~。

小出さん:
はい。

石丸次郎:
小出さん、もうちょっとお聞きしたいんですが、 今日はじゃあこの辺までにしたいと思います。 ありがとうございました。

小出さん:
ありがとうございました。


安倍総理 プルトニウム大量保有に関し弁明(14/03/26)

http://youtu.be/qYX_nFfUYS0
 核セキュリティサミットに出席した安倍総理大臣は、プルトニウムの大量保有を海外の記者に指摘され、弁明に追われました。

 (政治部・足立直紀記者報告)
 米通信社記者:「(Q.なぜ日本は大量の核物質を保有し続けるのか?危険ではないか?)」
 安倍総理大臣:「我が国の取り組みは、核セキュリティサミットの目的と完全に合致している」
 安倍総理は、「利用目的の無いプルトニウムは持たない」と明言し、東海村の実験装置の高濃縮ウランとプルトニウムをすべて返還することでも合意した実績を強調し、懸念の払拭に努めました。この会議を推進してきたアメリカのオバマ大統領からも、「日米合意が今回のサミットの最大の成果だ」とお墨付きを得たと胸を張っても見せました。しかし、原発再稼働もまだ見通せないなかで、危険なプルトニウムを「使う」と言って大量保有し続けることに世界から厳しい目が向けられるのは避けられなそうです。

安倍「核兵器の使用が違憲ではない」
サンデー毎日2002年6月2日号

「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね,憲法上は,小型であればですね」「戦術核を使うということは昭和35年(1960年)の岸(信介=故人)総理答弁で『違憲ではない』という答弁がされています。それは違憲ではないのですが,日本人はちょっとそこを誤解しているんです」~官房副長官安倍晋三47歳

政府の新たな核兵器政策 核使用を容認
政府の新たな核兵器政策 核使用を容認「集団的自衛権として」


「もんじゅ」を動かすな!声明
もんじゅ廃止を求める


「もんじゅ」と人の叡知 
(小出 裕章:京都大学原子炉実験所)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Monju/souzou.htm
宇宙の一つの生命としての人類

 宇宙に関して考え始めるときりがない。人類が生きている地球は、太陽を回る九つの惑星のうちの一つである。太陽は銀河といわれる星雲の中の一つの星であり、銀河の中には太陽と同じような星が二〇〇〇億個あるという。そして、宇宙の中には銀河と同じような星雲が一〇〇〇億個あるのだという。何百億光年の彼方にある星の、そのまた先に宇宙はあるのだろうか? 宇宙に果てがあるとすれば、そのまた先は何になっているのだろうか? 無限といえるほどの星の、どこかには地球と同じ様な星もありそうだが、そこには生命が存在するのだろうか? もし存在するとすれば、その生命とはどんなものなのだろうか?

エネルギー問題と原子力

 私は第二次世界戦争の後に生まれ、高度成長といわれる時代に育った。私が中学・高校生の頃、一九六〇年代半ばには、「石油・石炭などの化石燃料は、燃やしてしまえば、いずれはなくなる。特に、石油はあと三〇年でなくなる。そのため、未来のエネルギーを確保するためどうしても原子力が必要だ」と言われていた。ところが、その後何年たっても、石油がなくなるまでの期間はあと三〇年と言われ続け、三〇年たった現在、石油がなくなるまでには、あと五〇年あると言われるようになった。石炭に関して言えば、それを使い切るまでにはおそらく一〇〇〇年の単位の時間が必要であると言われている。もちろん、石油にしても石炭にしても、地球が何億年かかけて作り上げてきた資源であり、それを一方的に使っていけば、いつかなくなることは当然である。しかし、「化石燃料がなくなるから原子力」といわれた原子力も、地下資源であるウランを燃料とする。当然、ウランも有限の資源である。おまけに、私自身も原子力に足を踏み込んではじめて知ったのであるが、ウランという資源は、利用できるエネルギー量に換算して、石油に比べて四分の一、石炭に比べれば一〇〇分の一程度しか存在しないという大変貧弱な資源なのであった。「原子力は近い将来、燃料がなくなるので、化石燃料を使い続けるしかない」というのが、むしろ正しい表現なのである。

 ところが、原子力を推進する人たちには一つの夢があった。ウランには「燃えるウラン」と「燃えないウラン」があり、従来の原子力で利用できるウランは、ウラン全体のわずか一四〇分の一の「燃えるウラン」と呼ばれるものだけであった。しかし、「燃えないウラン」を「プルトニウム」に変換できれば、その「プルトニウム」もまた原子力の燃料として利用できるというのである。いや、もう少し直截に言ってしまえば、原子力とは「プルトニウム」を利用できるようになってはじめて意味のあるエネルギー源になるのであって、それができなければ、ごく短期間で枯渇してしまうエネルギー源なのであった。ただ、仮に原子力を推進する人たちの思惑どおりに「プルトニウム」の利用ができたとしても、その暁に利用できるエネルギーの総量は、ようやく石炭に匹敵する程度のものでしかなく、いずれにしても原子力が化石燃料を超えるエネルギー源となることはありえない。

 その上、「プルトニウム」を利用するためには次の三つの困難な問題がある。①「プルトニウム」という元素は天然には存在せず、人類が初めて生み出したものであるが、それは一〇〇万分の一グラムで肺ガンをひき起こすという超危険物である。②「プルトニウム」はウラン以上に優秀な原爆材料となる。③「燃えないウラン」を「プルトニウム」に変換して利用するためには高速増殖炉と呼ばれる超危険な原子炉を動かさねばならない。

高速炉開発の歴史と「もんじゅ」

 昨年暮事故を起こした「もんじゅ」と呼ばれる原子炉はこの高速増殖炉と呼ばれる原子炉の一つである。この型の原子炉が危険なのは、次の三つの理由による。①「プルトニウム」を高濃度で取り扱うため、爆発しやすい。②物理学的な理由から、原子炉を冷やす材料として水を用いることができず、ナトリウムを用いる。そのナトリウムは空気に触れると発火し、水に触れると爆発する。その上、水と違って不透明、さらには簡単に放射性を帯びるというように、著しく扱いにくい。③ナトリウムは「熱しやすく冷めやすい」という性質を持ち、原子炉の運転状態の変化によって配管などに大きな熱応力がかかる。それを緩和するため、配管が薄く長大にならざるを得ない。結果的に、プラント全体が複雑きわまりないものとなり、地震などの外力に弱い他、機械的なトラブルを生じやすい。

 日本はもともと欧米各国に遅れて近代科学技術に触れた。そして欧米各国に追いつけ、追いこせと科学技術の発展に力を注いだ。しかし、第二次世界戦争で負けたことから、日本の科学技術はさらにまた何年も遅れを負わせれる。原子力はその筆頭であり、敗戦後一九五二年のサンフランシスコ講和条約締結まで日本は原子力開発を禁じられていた。そのため、日本の原子力開発は欧米各国に比べて一〇年から三〇年遅れて彼らの後を追うことになった。先を行っていた欧米各国も一度は高速増殖炉開発に向かったが、そのいずれもが高速増殖炉の危険性を乗り越えることができず、度重なる事故のあげくに開発を放棄するに至った。また米国の場合には、高速増殖炉の危険以上に、核拡散への懸念から「プルトニウム」利用そのものを放棄したのであった。日本は、「日本は核開発はしない」、「日本の技術は優秀だ」と主張しながら、遅れて高速増殖炉に取り組んだが、日本だけが例外であるはずもなく、当然のごとくに「もんじゅ」も事故に遭遇した。それも、未だに定格出力に達しない試運転の段階で、ごく初歩的な設計ミスからナトリウムを空気中に漏洩させ火災となった。この一事だけでも、日本の原子力技術の底の浅さを示すのに充分であった。しかし、「もんじゅ」の事故が示したものはそれだけではすまなかった。起こってしまった事故への対応を誤って事故の進展を拡大し、さらにその上、組織ぐるみで事故隠しまで行ったのであった。

原子力と核の関連

 「もんじゅ」は今回の事故で致命的な欠陥を露呈した。運転を再開するにしても、長期の時間が必要であろうし、仮に再開されたとしても、その後また事故に遭遇するであろう。おそらくはそのあげくに欧米各国がそうしたように日本も高速増殖炉開発を断念することになると私は思う。

 しかし、そう簡単に油断することもできない。何故なら、この世界には、どうしても高速炉(この場合は、「増殖炉」でなくても良い)を必要としている人たちがいるからである。これまで多くの日本人は、「核」と「原子力」はあたかも違うものであるかのように思いこまされてきた。しかし、もともと原子炉はエネルギーを生み出すために開発されたのではなく、核兵器材料、プルトニムを生み出すためにこそ開発されたものなのである。日本で「平和利用」と信じられている原子力発電が稼働すれば、原子炉の中には自然にプルトニウムが蓄積してくる。つい先日まで、日本は米国の尻馬に乗って、朝鮮民主主義人民共和国がプルトニウムを生み出したと非難していた。しかし、日本はすでに三〇年も前にプルトニウムを手にしていたし、仮に朝鮮がいま手にしていたとしても、その最大予想量の千倍、万倍にも相当する量のプルトニウムを日本は「平和利用」を口実にすでに手にしている。ただ、日本の原子力発電所から得られるプルトニウムは燃えるプルトニウムの割合が七〇%程度しかなく、優秀な核兵器製造には向いていない。そこで、高速炉が登場する。何故なら、高速炉が生み出すプルトニウムは燃えるプルトニウムの割合が九八%というように、超優秀な核兵器材料となるのからである。

 「プルトニウムは超危険な毒物である。高速炉は超危険な原子炉である。エネルギー問題の解決にもたいして役立たない。それでも、優秀な核兵器を手にするためには、何としても高速炉を動かさねばならない」と考える人たちは、いつの時代にも、どこにでもいるのである。

文殊の知恵

 宇宙の歴史は一五〇億年、地球の歴史は四六億年、人類の歴史は四〇〇万年といわれている。その人類が地球上で、他の生物を押し分けて繁栄してきた原因は、火と道具が使用できるようになったからである。したがって、人類の特徴はまず一番にエネルギーの使用にあるし、人類が生きるためにはいずれにしても何らかのエネルギーが必要である。しかし、二〇世紀といわれるこの百年で人類が使ったエネルギーは、四〇〇万年の人類の全歴史で使ったエネルギーの六割を超えるのである。さらに、たとえば日本の場合、この百年の間にエネルギー消費量は百倍に増加し、今では国土全体に降り注ぐ太陽エネルギーに比べて、約二〇〇分の一のエネルギーを人為的に使うようになっている。もしこのままのスピードでエネルギー消費を拡大していけば、二一〇〇年には、太陽エネルギーにほぼ匹敵するエネルギーを使うようになる。その時点ですでに人類の生存可能環境が日本に残っているとは考えにくいが、仮りに、その時点ではまだ生存できたとしても、さらにその百年後には、太陽エネルギーの百倍のエネルギーを使うことになってしまう。

 地球の歴史の中では、たくさんの生物種が生まれては滅んできた。それが生命あるものの宿命でもある。人類もまた四〇〇万年前に発生した一生物種であるが、人類のこれまでの歴史を一日とすると、二〇世紀という一〇〇年は一日の終わりのわずか二秒にしかならない。その最後の二秒で、人類は自らの絶滅の道を急速に転げ落ちていっている。

 高速増殖炉は人類に厖大なエネルギーを提供すると宣伝された。しかし、思惑通りに開発が進んだとしても、それが供給できるエネルギーは高々石炭に匹敵する程度でしかない。その上、一方で、核兵器の脅威がますます増大する。おまけに、人類にとっての真の課題は、際限のないエネルギー供給ではなく、エネルギー中毒からいかに抜け出すかにある。人類は自らを「万物の霊長」と名付けたが、人類は自らの愚かさのために、近い将来絶滅する瀬戸際にいるのである。

 「もんじゅ」という名前は仏教の文殊菩薩から取られたという。文殊菩薩は知恵を象徴する菩薩である。人類が絶滅したところで、地球の運行は露ほどにも変わらないし、宇宙にとっては、まったく取るに足らないことであろう。しかし、今を生きる人類にとって、「もんじゅ」の事故から、せめて人類としての叡知を汲み取るべきだと私は思う。

 本稿では、高速増殖炉、および「もんじゅ」の事故そのものについては、詳しく触れなかった。それらについては、私の同僚である小林圭二さんの優れた報告がある。興味のある方は、以下の本、雑誌をお読みください。

 「高速増殖炉もんじゅ:巨大核技術の夢と現実」、七つ森書館(一九九四)

 「もんじゅ」のナトリウム火災、技術と人間、一九九六年、一・二月合併号、十六~四一頁


消せない放射能 ~65年後の警鐘~

http://dai.ly/x16r9fh
消せない放射能 ~65年後の警鐘~/NNNドキュメント

福島第一原発事故の原因究明が一向に進まない中、早くも再稼働の動きが加速しようとしている。放射能による被害は、実態が明らかになるまでに長い時間を必要とするが、その一例が北の大地にある。ロシアでは、半世紀以上前に放射能災害が起きていた。高レベル放射性廃棄物を投棄した川の周辺では、手足の無い子供、膨れ上がった頭部、巨大なコブ…悪夢が世代を超えて猛威を振るっている。政府は汚染された川沿いの村を閉鎖、古い建物を取り壊して地中に埋め、放射能を封じ込めようとした。しかし、その努力を嘲笑うかのように、今もあちらこちらで強い放射線が測定される。収束への道程は、見えていない。原発回帰の状況下、放射能災害の現実を見つめる。
ナレーター:石原 良

ウラル核惨事 - Wikipedia

隠された半世紀・ウラルの核汚染 - 森住 卓
http://www.morizumi-pj.com/ural/ural.html


Dark Circle  アメリカの放射能汚染

http://www.youtube.com/playlist?list=PL805BF354143FB488
プルトニウムや核廃棄物の危険性がテーマのドキュメンタリー作品。放射能による人体への影響などのレポートがメインだが、中でも、放射能で汚染されていた土地に住む一家の一人娘の身にふりかかった悲劇などには胸を抉られるような衝撃がある。

1982年製作 アメリカの放射能汚染 ドキュメンタリー
 Sundance Film Festival, Emmy 入賞


プルトニウムという放射能とその被曝の特徴
 2006年 7月 15日 小出裕章
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/kouen/Pu-risk.pdf


NHKスペシャル・世紀を超えて 戦争 果てしない恐怖 第3集「核兵器 機密映像は語る」(1999年放送)
http://player.youku.com/player.php/sid/XMjg1NjAyMjIw/v.swf



羊頭狗肉 使用済み核燃料 再利用の行方は その2 ラ・アーグ 六ヶ所村

http://youtu.be/CeyKCgUBrJ0


プルトニウム - アルファ線は体内で40μm内に10万個のフリーラジカルを生じ分子を切断する

http://youtu.be/QpjoGC1JgEI

庶民から搾り取るのはやめよ!消費税増税は撤回を!(;`O´)o

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【もう節約するしかない!?】消費税増税、値上げの嵐直撃 17年ぶり、税率8%(ぽぽんぷぐにゃん)
http://blog.goo.ne.jp/sithux7/e/f5052fba94664d1c2e28db904cba5b4f

増税・消費税8%について。- 2014.03.31

http://youtu.be/pKfGiE6xbMI

消費税増税、値上げの嵐直撃 17年ぶり、税率8% - 47NEWS(よんななニュース)

>消費税の税率が1日、5%から8%に上がり、幅広い商品・サービスが一斉に値上げされた。1997年4月以来、17年ぶりの増税に加え、公的年金の保険料や電気料金も上昇。賃上げを上回る値上げの嵐に直撃され、家計に春が訪れるのはまだ遠そうだ。

 安倍晋三首相は官邸で記者団に対し「国民生活や暮らしに目配りしながら、必要な対応を行っていきたい」と表明。1日の閣議では、低所得者向けの現金給付や公共事業を盛り込んだ経済対策の早期実施を閣僚に指示した。麻生太郎財務相は閣議後の記者会見で「この数カ月間が正念場だ」と指摘した。



しかし、痛いですね、消費税・・・。

できるだけ節約するしかないなと。

そんなわけで、買い物もこれまでより少し考えながらしましたね。

これで景気が良くなるとはとても思えませんねえ・・・。




消費税増税 貧困進め生活に激痛

http://youtu.be/XfiwlzlWkuM
貧困進め生活に激痛 消費税増税
田村議員告発 首相「打撃は事実」

(しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-04-01/2014040101_04_1.html
 「消費税増税が国民のくらしにもたらす激痛は17年前の比ではない」。日本共産党の田村智子議員は31日の参院決算委員会で、安倍政権が強行する4月1日からの8%への消費税増税は前回の増税時(1997年、税率3%↓5%)よりはるかに大きな悪影響をもたらすと主張し、増税中止を求めました。

 田村氏は、97年当時に比べて平均賃金(年額)が446万円から376・8万円に減少、年収200万円以下の民間給与所得者は814万人から1090万人に増加(表)し、貯蓄なし世帯が10・2%から31%に増大するなど、貧困化が進んでいる実態を提示しました。

 安倍晋三首相は消費税増税が「景気、経済の成長に打撃を与えるのは事実。可処分所得も減っていく」と、影響の大きさは認めました。

 田村氏は、消費者物価が今年、最大値で3・6%上昇という日銀の見通しも示し、「物価上昇を上回る賃上げが本当にできるのか」と追及。安倍首相は「社会保障の給付を守るための消費税率引き上げ」「企業の収益改善を賃金と景気の好循環に結び付けていく」と従来の主張を繰り返しました。

 「社会保障のためというが、介護保険や医療も負担を増やす法案がだされている」と田村氏は批判。「可処分所得を減らす消費税増税を強行すれば、くらしも日本経済も取り返しのつかないことになる」と述べました。

貧困化が進んでいる実態


肥える経団連 細る庶民

消費税 資本を肥え太らすためにばらまく


消費税増税分は日本の富豪50人に50%課税するだけで確保できる-大企業の内部留保なら2%で可能
(国家公務員一般労働組合)
http://blogos.com/article/83617/
消費税は貧困や自殺を増大させる低所得者いじめの最悪の税金であり、消費税増税は被災地東北の復興に逆行し貧困増大と中小業者壊滅の巨大人災をもたらすことなどを指摘してきました。

 そして、「世界2位の日本の富裕層が3.5%税負担増やすだけで消費税増税は中止できる」ことを、過去エントリーの中で指摘しています。富裕層に対する3.5%の税負担増は別に不当なことでもなんでもないことは、下のグラフ「日本の年収100億円の富裕層は年収100万円の貧困層より税・社会保険料負担が低い」でもよく分かることも紹介しています。

富裕層は貧困層より税・社会保険料負担が低い

日本の富豪50人の資産に50%課税するだけで
 消費税増税分はまかなえる


 直近のデータ「日本の長者番付『日本の富豪50人』資産ランキング(2013年)」を見ると、富豪のトップ50人の合計資産は、10兆6.550億円にもなります。

日本の富豪50人資産ランキング

消費税増税による2014年度の税収増は約5兆円の見込みと言われていますので、富豪トップ50人の資産約10兆円に対して、50%の税負担をしてもらうだけで、今年度の消費税増税は必要なくなるわけです。



富裕層は豊かになり続け
 庶民・貧困層は貧しくなり続けている


 上のグラフは、所得トップ10%の富裕層の所得シェアを見たものです。さすがにリーマンショック後は少し下がったりしていますが、基本的に富裕層の所得シェアは右肩上がりです。なので、逆に庶民、貧困層の所得は減り続けているわけです。

所得階級別の所得税負担率

トヨタ社長は従業員より税負担率が軽い

 イギリスやアメリカ並みで1兆円超の税収を
 毎年確保できる


 上のグラフは、所得階級別の所得税負担率(2012年分)を見たものです。(※労働総研・労働者状態分析部会でいつも私がお世話になっている財政問題研究者の垣内亮さんが国税庁「2012年分申告所得税標本調査結果」から作成したものです) グラフを見て分かるように、所得が1億円を超えると所得税が下がっていきます。これも垣内さんが計算したものですが、個別ケース(2012年)を見たものが以下です。

トヨタ社長は従業員より税負担率が軽い

上のように、トヨタ自動車の豊田章男社長は、従業員より低負担率になっています。下表は、上のグラフの所得階級別の所得税負担率(2012年分)の元データです。1億円以上の高額所得者の所得税負担率が低くなるのは、どう考えてもおかしいので、ここは、イギリスの所得税率50%を適用すると(ちなみにアメリカは52.296%)1兆3,073万円の税収を毎年確保することができます。

所得階級別の所得税負担率

大企業の内部留保に2%課税するだけで
 消費税増税分は確保できる


大企業内部留保と民間平均賃金の推移

上のグラフにあるように、民間労働者の年間平均賃金は、1997年の467.3万円から2012年の408万円へ59.3万円も減少しているのに、大企業(資本金10億円以上)の内部留保は1997年度の142兆円から2012年度の272兆円へ130兆円も増加しています。

 前年度比を見ると、2011年度から直近の2012年度で大企業の内部留保は267兆円から272兆円へたった1年間で5兆円も増加し、逆に民間労働者の年間平均賃金は409万円から408万円へと減少しています。

 この大企業の内部留保5兆円で今年度の消費税増税分はまかなえますし、内部留保272兆円に2%課税するだけで、5.4兆円確保できるのです。

 「日本に財源がない」と言うなら
 世界のどこにもないことになる


 先日、唐鎌直義立命館大学教授にインタビューしました。最後に、そのインタビューの一部を紹介します。

GDPで見た世界

 上図は昨年11月の「週刊新潮」に掲載されたものです。一橋大学名誉教授の野口悠紀雄さんが、「世界は数字でできている」という連載コラムをお持ちで、そこに掲載されていた「GDPで見た世界」というものです。
GDP規模比例の世界マップ
 これには、国土面積ではなくGDPの大きさで世界地図が描かれています。そうするとアメリカが圧倒的なんですが、日本は世界第2位を中国と競っているので、こういう世界地図になる。だから、世界の国々は日本をこう見ているのだろうなと思うのです。国土面積で見ると極東の小さな島国でしかありませんが、その小さな国が1年間でつくり出しているGDPはこんなに大きいのです。だから国連などが、もっと拠出金を増やせと日本政府に迫るのだと思いますね。

 つまり、516兆円も毎年GDPが生まれている国で、どうして財源がないと言えるのか。それを私は全く理解できません。国民が汗水流して働いて516兆円も毎年富を生んでいるのですから、そこからきちんと応能負担で税金を取るのが政府と財務省の仕事でしょう。それを財源がないということは、全く無能な人達がいるのかということになりますね。しかも所得税や法人税が30兆円くらいしか入らないというのはひどい話ですね。結局は、516兆円のGDPと、360兆円の国民所得からきちんと応能負担で税金を集めて再配分するという当たり前のことを政府・財務省に実行させられるかどうかということが大事です。それを消費税増税で、低所得者からも税金を巻き上げようなどというのは、一体どういう考え方なのかということで、それこそこれを世界に知らせたら笑われるようなことだと思いますね。


【大竹まこと】庶民いじめの消費税増税!

http://youtu.be/oYO2vp0dEPg



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袴田事件再審決定・捜査情報を垂れ流したメディアに警察・検察を批判する資格があるか

http://youtu.be/kQz7pc2IevY
ニュース・コメンタリー (2014年03月29日)
袴田事件再審決定
捜査情報を垂れ流したメディアに警察・検察を批判する資格があるか
 袴田事件のメディア報道について、どうしても拭えない違和感がある。
 静岡県で1966年に一家4人が殺害された「袴田事件」で、死刑が確定していた元プロボクサー袴田巌氏の再審が決定し、48年間勾留されてきた袴田氏の釈放が認められた。
 メディアは再審の決定と釈放を喜ぶ袴田氏や姉の秀子さん、そして弁護団や支援者ら関係者の喜びの声を盛んに報じている。まだ、当時の警察による捜査がいかに杜撰だったかを指摘し、刑事捜査のあり方を改めて問い直す論説やコメントを掲載したり放送している新聞やテレビ番組も多く見られる。
 それらは何れも正しい指摘だと思う。しかし、一連のそうした報道から一つだけ大きく抜け落ちているものがある。今、袴田被告の喜ぶ姿や捜査の不当性をもっともらしく報道しているマスメディア自身は、当時この事件をどう報道していたのかという点だ。
 残念ながら当時のテレビ報道の内容は確認できないため、当時の新聞報道しか把握できていないが、当時の新聞各紙の縮刷版を見ると、ご多分に漏れず1966年の事件当時、新聞各社はまだ捜査段階から袴田氏を実名で報道し、「血染めのパジャマ」「ジキルとハイド」「異常性格」など、明らかに捜査官からのリークと思われる情報を垂れ流していた。特に毎日新聞の突出した暴走ぶりが目についた。
 こうした報道がどの程度捜査や裁判に影響したかを推し量ることは容易ではないが、少なくとも当時のメディア報道が、警察・検察側の捜査官と一体化して、事件を作っていく構図に加担していたことは、いかんとも否定のしようがない。
 結果的にその捜査がこのたび静岡地裁の村山浩昭裁判長によって、「捜査機関に捏造された疑いがある」とまで断罪されたことを、メディア各社は重く受け止め、その反省を今後の報道に反映させる義務を負っているのではないか。
 ジャーナリストの神保哲生が袴田事件の事件発生当時の報道を検証し、その問題点を考えた。



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小保方晴子さんが単独で「STAP細胞論文を捏造・改ざん」理研が最終報告書
(ハフィントンポスト)
http://www.huffingtonpost.jp/2014/03/31/haruko-obokata-stap-cells_n_5066691.html
「STAP細胞論文を捏造・改ざん」理研が最終報告書
小保方晴子さん、STAP細胞論文「ねつ造は単独行為」 理研・調査委員会が最終報告 | niconico

小保方晴子さんらが発表したSTAP細胞論文に多くの疑問が指摘されている問題で、理化学研究所(理研)は4月1日、記者会見を開き、調査委員会による最終報告書を公表した。

報告書によると、論文の捏造は小保方さんが単独で行ったものであり、同論文の共同執筆者については、不正行為への関与はなかったとの報告がなされた。小保方さんらへの処分については、午後に行われる記者会見で発表される。

■改ざん、捏造は小保方さん単独の行為

調査委員会の報告書によると、調査の対象となったのは、小保方さん及び、論文の共同執筆者である笹井芳樹さん、若山照彦さん、丹羽仁史さんの4名。

報告では小保方さんの以下の2つの行為が、「改ざん」「捏造」などの不正行為にあたるとされた。

(1)科学誌「Nature」に発表されたSTAP細胞論文の画像に切り貼りが行われていたこと=「改ざん」
(2)Natureに掲載されたSTAP細胞論文の画像に、小保方さんの学位論文に掲載された画像と酷似している画像が使われていたこと=「捏造」

STAP細胞の論文の一部が他の論文からコピーして記載されていると指摘された点については、「論文を適切に引用し、出典を正確に記載することは当然」とされ、「探して得た文章が特異なものではなく一般的に行われている実験手順に関するものであった」ことから、引用元を明記しなかったことや、記載内容が不正確であることは小保方さんの「過失」であるとされたものの、「研究不正とはいえない」とされた。

■共同執筆者についての見解は

笹井、若山、丹羽の三氏は、小保方さんによって改ざんされた画像を、事実を知らされないまま示されており、この改ざんは容易に見抜くことができるものではなかったと判断された。

しかし、笹井、若山両氏については、「シニアの研究者でありながら、データの正当性と正確性について自ら確認することなく論文投稿に至っており、過失とはいえその責任は重大である」とされた。

丹羽さんについては、「論文作成の遅い段階でこの研究に参加したものであり、研究不正行為は認められなかった」とされた。

なお、この調査委員会は論文作成に不正があったかどうかを調査するものであるため、STAP細胞が存在するかどうかという点については委員会の範疇を超えるとされ、回答がなされなかった。

理研は1日の午後1時~3時にも記者会見を行い、小保方さんらへの処分について発表を行うという。朝日新聞デジタルによると、小保方さんは「承服できない」として、近日中に理研に不服申し立てをするという。


「調査報告書に対するコメント」


【1213】 コピペは良いことか、悪いことか ? (1) 基礎知識 / 武田 邦彦
※ 小保方さん問題

http://youtu.be/nFAU_qUk2Dk
コピペは良いことか悪いことか?(1) 基礎知識
http://takedanet.com/2014/03/post_bb80.html
ネット社会になり、どこかにあるものをコピペ(コピーアンドペーストの略。あるページをコピーして、それをパソコンで貼り付けること)する文化が一般的になっている。これは良いことだろうか、悪いことだろうか?

今度の細胞論文や博士論文で、コピペがあったというのでマスコミは無条件に「悪いこと」という前提で報道し、理研や学者もそれに追従している。でも本当なのか? 単なる「空気」とか「村の掟」ではないだろうか? 日本は法治国家、近代国家なので、故なきバッシングは望ましくない。

原則: 学問で得られた結果は人類共通の財産だから、だれがどういう形で利用しても構わない。つまり「コピペは自由」で、良いことである。なぜ「良いか」というと、人類共通の財産を積極的に使うことを推奨しているからこそ、人類共通なのだから。

例外: 学問で得られた結果のうち人類共通の財産にしない場合として知的所有権が定められていて、1)著作権(創造物に適応)、2)特許権、3)意匠権、商標権など、がある。
もともと人間が生み出した知的なものは「人類共通の財産」として誰でも使えたのだが、18世紀になってイギリスで著作権が生まれ、続いて特許権も登場した。特許権は、「本来は発明はみんなで利用しても良いのだが、そうすると発明の意欲がなくなるので、「審査をして期限を区切って」権利を与える」という概念で、これは今でも変わっていない。

まずは、「知的財産」について法律(知的財産基本法、平成14年)を見てみよう。
「第2条 この法律で「知的財産」とは、発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物その他の人間の創造的活動により生み出されるもの(発見又は解明がされた自然の法則又は現象であって、産業上の利用可能性があるものを含む)、商標、商号その他事業活動に用いられる商品又は役務を表示するもの及び営業秘密その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報をいう。」(条文はネットからコピペした)

つまり、1)創造的活動、2)自然の法則又は現象であって、産業上の利用可能性があるもの、であることがわかる。自然科学(理学や工学)には創造的活動はない(注1)ので、2)だけになる。そしてそれは何かを書いてネットに出したり、学会の論文として提出しただけではダメだ。

なにしろ「権利」だから、1)権利を主張するのか、2)権利の範囲を示す、必要があり、特許庁に自分の権利を主張する。その時に「権利の範囲」と「産業上の利用可能性」をはっきり書かなければならない。

この問題はさらに議論するが、とりあえず、学会に提出した学術論文には著作権はなく(創造物ではないから(注1))、権利の範囲が明確ではないから特許権もないということだ。だから、コピペは自由と言うことになる。

自然現象の「発見」はもともと自然にあったものだから、もちろん創造性はない。自然現象を利用した「発明」も、現在は「発明は発見である」とされていて、もともと自然にあるものを組み合わせて人間に有用なものにしたのだから、創造性はないと解釈されている。
したがって、専門の書籍にも、裁判でも「理系の学術論文には著作権は及ばない」とされている。

(平成26年3月17日)

【1214】 コピペは良いことか悪いことか (2) 学術論文の内容は誰のものか ? / 武田 邦彦 ※ 小保方さん問題

http://youtu.be/k-lBu391Ojs
コピペは良いことか悪いことか(2) 学術論文の内容は誰のものか?
http://takedanet.com/2014/03/post_144a.html
先回、人間の知的財産は基本的には人類共通のものであって、特例として知的所有権(著作権、特許権など)が認められているという話をしました。しかし、「権利を主張する」という限りは他人が「何が権利か」が分からなければなりませんから、「創造物」と「権利として申請(出願)したもの」に限定されることも書きました。

ところが、今回の細胞論文でコピペが問題になったように、「知的財産であっても、コピペしてはいけない」というのが一般的です。また、どこかの大学の先生が「若い人にコピペはいけないこと、他人の論文を引用するときの「倫理」を教えなければならない」と言っておられました。

そうすると「法律」と「村の掟」がまったく違うことを意味しています。法律は勉強すればすぐわかりますが、村の掟は教授などから教えてもらわなければなりませんし、今回の件では早稲田大学では博士論文にコピペを認めています。つまり、「村の掟」ですから、場所や人によって違うということになります。

私も若いころに先生から「村の掟」を教えていただいたので、他人の文章を使うことは許されない、引用するときにはできれば本人の了解を得、できなくても引用元を示すということを徹底的にやってきました。

ところが、50歳ぐらいから少しずつ疑問を感じてきました。まず第一には「知的なもので創造性がなければ、人類共通の財産と言うことになっている」と言うことを知ったこと、第二に、「同じ内容の文章をわざわざ書き直すことは、本当に必要なことだろうか?」、「学問は真実を探求しているのか、それとも本人の名誉、お金、地位のためだろうか?」、「論文を実績として地位、名誉を決めること自体が、ヨーロッパ流の「力の学問」ではないか?」、「「引用する」というのは、論文を出した人への敬意か、それとも読者の参考になるためか?」という疑問が次々と生まれてきたからです。

たとえば、一つの研究で、論文を一つしか出ないということはほとんどなく、10ケぐらいは論文がでます。その時に今度の早稲田大学の博士論文のように、第一章(これまでの世界の研究のまとめ)に相当する「緒言」では、いつも同じことを書きます。だから「コピペ」しても「書き直し」をしても全く同じか、ちょっと変更するぐらいです。

同じ文章をコピペしてはいけないのでしょうか? 手で書くならともかく、パソコンを使えばまったく同じ電子処理です。

少し結論を急ぎますと、私は「コピペがいけない」というのは「教育でペナルティーを課さなければならない」というのと似ているような気がします。教育では、「文章を書く力」を養わなければなりませんから、先生はできるだけ書かせるようにし、生徒は労力を減らそうとします。だから先生が「コピペはダメだよ」と言います。

ところが社会人、例えば会社員だったら、会議に提出する資料をいちいち書き直していたら、上司が「そんなのコピペしろよ」と言うでしょう。

もう一つは「礼儀」を重んじる人がいます。「他人が書いたものを利用するのだから、ちゃんと断れ」というのです。でも、これは「利権のために学問をしている人」の感覚で、キャベンディッシュに代表されるように「自然がどうなっているのかが私の興味で、私が発見したものはもう興味がないので、どうでも良い」というのも学問です。

どちらが正しいか、それほどはっきりはしていないというのが私の見解です。私はこの際、コピペ自由と言うことにして、引用しても良いぐらいにすると、「いったい、科学的な発見は誰のものか」がはっきりしてくると思います。

学問は「コピペはいけないに決まっている!」と言ってよいほど、厳密でなくても良いのでしょうか?

(平成26年3月18日)

【1216】 コピペは良いことか悪いことか (3) ... 「村の掟」で罰する人たち / 武田 邦彦

http://youtu.be/8k9ZcTw4_wk
コピペは良いことか悪いことか(3)・・・「村の掟」で罰する人たち
http://takedanet.com/2014/03/post_2b03.html
大東亜戦争で日本は敗北し、指導者は白人の手によって罰せられた。でも、時間の経過は次の通り。

1)戦争が始まった日  1941年12月8日
2)国際軍事裁判憲章  1945年8月8日
3)戦争が終わった日  1945年8月15日
4)極東軍事裁判条例  1946年1月19日
5)判決        1948年11月4日

戦争が起こる前には「戦争犯罪」と言うはなかったが、戦争が終わる直前に「国際軍事裁判憲章」というのができ、戦争が終わってから裁判条例が発効し、判決が3年後に行われる。

これについてはさすがの白人側で戦勝国のイギリスの内閣官房長官だったハンキー卿が「世界人権宣言第十一条、行われた時には国際法でも国内法でも犯罪とされてなかった行為について有罪とされることはない」という世界人権宣言を引用した、「東京裁判は世界人権宣言の規定と相容れず、退歩させた」と述べた。

このように「法律で決まっていないことを事後に決めて罰する」というのは、絶対にやってはいけないことで、むしろ「罰したほうが重罪」です。日本人の中の多数の反日派の方が、このイギリス人より反日的であるのは明白です。

ところで、今回のSTAP細胞事件では、同じことが繰り返されている。

愛知大学の時実象一教授は著書「図書館情報学」(2009)の中で、「学術論文に掲載されている事実やデータには著作性が無いと考えてよい」と記載している。また、大阪高裁は2005年4月28日の判決で、「実験結果の記述は誰が書いても同じような記述になると考えられる」として学術論文の創作性を否定した判例を出している。著作権に関する最高裁の判決も「創造性のあるものに限る」としている。

それなのにマスコミやネットでは「コピペするとはなんということか!」と怒りの声が満ち溢れている。おそらくは自分が学校にいる時に先生が「コピペするな」と言ったのに、隠れてコピペして心がやましいのだろう。コピペ自体は悪い行為ではなく、先生が禁止したことをやるのが悪いので、論理を取り違えている。

確かに、学問の世界(村)の指導(掟)では、他人の文章やデータを利用するのを潔しとしない風潮がある。それは、「学問の成果は人類共通の財産である」という意識が低く、自らが学問を地位、名誉、お金等のために実施しているから、他人も同じと思うからだ。学問の世界では「自分」というものはない。

今度の論文事件ではもう一つ、面白い現象があった。それは私のことだが、ある放送局で私が解説したことが話題になり、「武田教授、仰天発言」と書かれていた。その記事を見たら、コピペや写真の取り違いがどのような意味で悪いのかは示さずに、私が言ったことが自分の考えの中になかった!だから仰天した!!とある。

いったい、情報というのは「わかっていること」を知るためか、「今までわかっていないこと」を知るのかというと、後者、つまり「わかっていないことを知るために情報に接する」なのに自分の知らないこと、自分が間違っていると考えることを聴くと「仰天」する。

日本の報道は、正しいことを報道するのではなく、みんなが知っていて空気ができていること(空気)を報道する。それでは報道を聴いても意味がないし、自分の考えが間違っていてもそのまま「愚」で終わる。

特に学問と言うのはじっくりと「自分と考えの違う人のことを聴く」ことにある。学問の世界にいる人、日本のために、若い人のために、勇気をもって声を上げてください。

(平成26年3月21日)

小保方さんを、卑怯な人たちから守ろう ! ! ( 武田邦彦ブログ音声より )

http://youtu.be/aeWgUr8q_OI
学生の錯覚・・・普段の社会の仁義と科学の世界
http://takedanet.com/2014/04/post_8d73.html
ある読者の方から、「どうしてそんなに小保方さんを擁護するのか」、「武田の言い方が単なる擁護から共同研究者などへの批判へと変わっている」、さらに「武田は小保方さんのパトロンではないか」とのメールをいただきました。

ご返事は出しておきましたが、この読者の方が錯覚されるのは無理からぬことです。私が科学の教育をしてきて、矛盾を感じ、悩んできたことそのものだからです。

日本の大学の理科系の学部では、4年になると「卒業研究」で各研究室に配属になります。サボりの学生もいますが、結構、熱心に研究をする学生も多いのが事実です。

ところが、真面目な学生ほど、一つの特徴があります。それは「自分」と「他人」を区別することです。最初の症状は、レポートを書くときに「自分のデータ」だけを使って書こうとします。同じ研究室ですから、類似のデータを研究室の別の学生も測定していて、それを加えたほうがはるかに前に進むのに、どうしても「自分」にこだわるのです。

そんな学生は「自分」にこだわるがゆえに、実験も良くするのですが、自分にこだわるのです。

武田「なぜ、自分のデータでなければいけないのだ?」

学生「だって・・・・」

学生は、小さいころから、「自分のことは自分でやりなさい」、「人のものを盗んではいけません」、「他人のものは他人のもの」、「汚いことをしてはいけません」などと言われてきて、正直に自分の力で生きてきたのでしょう。だから「自分」にこだわっているのです。

現世の社会は、全てもものが「誰かの所有物」です。国土、自分が住む土地、家、家の中のもの、すべて「所有者」がいます。食べる時にもお金を払わなければなりませんし、電車も切符が必要です。すべてのものは「所有者」が決まっていて、もしそれをもらう場合はお金などが必要なのは当然の社会で生活をしています。

でも、学問は違います。もともと、人間の「知、情、体」から生まれる「知、芸、武」は人類共通の財産でした(武とはスポーツのこと)。学問、芸術、スポーツは誰に所属することもなく、所有者もいなかったのです。

それが、18世紀になって例外を設けることにしました。一つは「著作権」、もう一つが「工業所有権」です。これらは所有権ですが、厳重な制限があります。著作物というのは、「誰かが書いたもの」ではなく、著作権法で「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」とされていて、権利として認められるには次の事項をすべて満たしていることが必要です。

「思想又は感情」に基づいているもの(単なるデータは対象外)
②思想又は感情を「表現したもの」(アイデア等は対象外)
③思想又は感情を「創作的」に表現したもの(「事実」は対象外)
④「文芸、学術、美術又は音楽の範囲」に属するもの(工業製品等は対象外)

また「工業所有権」は自分が権利にしたい範囲を明確に示し、特許庁に申請して認められたものに限定されます。これも「書いたから」とか「出版したから」という理由では権利はありません。

つまり、現在でも「人間の知恵の産物」のうち、単なるデータや、アイディア、思想や感情を表現したもの以外、学術など以外は、「誰が実験しても、誰が書いたり、出版したりしても」なんの制約もなく共通に使用しても良いのです。

また、著作権法第32条には、「公表された著作物は、引用して利用することができる・・・」とあり、引用元を示さなければならないのは、「著作物」に限定されるので、思想や感情に基づかないものは引用も必要がありません。

私はこの制限をとても誇りに思ってきました。つまり、科学は人間にとってとても大切なものだから、その成果は「人類共通の財産」であり、所有権などの世俗の権利とは違う神聖なものだ・・・それが私が科学に人生をかけた大きな理由だったのです。

スポーツの感動が人類共通の財産であり、オリンピックは勝つためではないというクーベルタン男爵の思想と同じです。

だから私自身は、世の中にあるもので「思想や感情に基づかず、創作でもなく、特許も申請されていないもの」については「所属なし」で、自由に使い、引用もしないのを原則としてきました。自分の著作物も同じです。

でも、世の中には科学を「お金儲け、収入、名誉、地位、所有物」のためにやっている人がいて、その人たちからクレームが来るので、面倒だから引用したり、使用したりをしないようにしてきましたが、私には苦痛でした。

この世には、世俗的なことも必要だが、崇高なものが残されていても良いというのが私の考えです。そして現実に法令でも残っているのです。ただ、法令に違反して科学の利権を主張する不届きものが多い(圧倒的)というのが残念です。

でも、マックスウェルは20世紀初頭(100年ほど前)、「学問が世俗にまみれてしまった」と書いています(「職業としての学問」(岩波文庫))

これをストレートに学生に教えると、学生は戸惑います。その理由は、
1)あまりにも常識に反する(世俗社会と違いすぎる)、
2)これまで教えられた世俗社会の道徳と違う(潔くない)、
3)他人に罵倒されるのが嫌だ(学生にあるまじきと言われる)
ということで、学生はせっかく崇高な科学の道に進んだのに、世俗にまみれてしまうのです。

科学の成果は、お金でも名誉にも関係なく、発見発明した人の所有物でもなく、人類共通の財産だ。それをよく著作権法、知的財産という特殊な分野を作り、一般的な知の自由を守ってくれたというのが私の感者の気持ちで、それを支えに私は学問をやってきました。

・・・・・・・・

かくして、私が「科学の世界では「自分」はないよ。私たちは自然に対して小さな存在だ。だから、自分のデータと他人のデータを区別するような力はない。全力を尽くして人類がもっている知識をすべて使い、ベストな考察をしてくれ」と言うと、学生はあまりのカルチャーの差にキョトンとしています。

そしてもし学生が私の言葉を理解して、自分と他人の区別をしないようになると素晴らしい科学者になるのですが、同時に激しくバッシングされます。だから学生に間違ったことを少し教えます。

今回のSTAP論文の誤解のほとんどは、社会が科学を利権レベルに引き摺り下ろそうとしていることに原因があると感じられます。残念でたまりません。

(平成26年3月31日)

【必聴】 負けるな、小保方さん
( 武田邦彦ブログ音声より )

http://youtu.be/lj5BSNKPNFg
公道、公園、公海、公知・・・それこそ私の学問のプライド
http://takedanet.com/2014/04/post_71db.html
公道は誰かが土地を提供し、誰かが苦労して整地し、舗装しただろう。でもいったん「公道」として使われれば、誰がいつ、無断で使ってもとがめられない。それはその国の国民の共通の財産だからだ。

公園、公海・・・人類には「所有権」があり「制限」があるものと、「人類共通の財産」がある。かつての入会権も同じだ。

そして、人間の頭脳が生み出した知的なもの・・・学問、芸術、スポーツもまた人類共通の財産であり、だれでもが自由に使える(公知という用語が使用される)。まさに公の道、公の知である。
「シライ」という体操の飛び方がある。それは若き白井選手が編み出し、披露したものだ。でも翌日、他の人がシライを演じても良い。スポーツは人類に共通の財産だからである。

私はなぜ学問を職業として選んだかというと、この世は「所有」がすべてだが、その世で「所有の無い世界」で私は人生を送ろうとした。だから、私の成果は誰が使っていただいても良いので、著作権を主張していないし、大学で研究するようになってから、多くの特許を企業が出したが、私自身は出していない(私の発明を企業などが特許にしただけ)。

この世には、「人類共通の財産」がなければ成立しないし、それが多ければ多いほど平和に近づくと私は思ってきた。平和主義の人はぜひ、私の活動を支持して欲しい。

今、STAP論文のことで、学問は危機に瀕している。学問がお金、利権、名誉などにまみれたら人類は損失をする。2つの例外だけ(著作権と工業所有権)を認めて、あとはオープンなのだ。

著作権は「思想、感情に基づき」、「創造であり」、「表現されたもの」の3条件が必要だ。だから、文学作品などは感情に基づいているが、自然科学(物理や生物学など)以外でも、思想、感情ではないものは多いのではないかと思う。

学問が世の利権にまみれ、コピペしていけない、引用元を示さなければならない(道路を歩く時に誰かに断らなければいけない)というのは学問の冒とくでもあり、また法律違反ですらある。

(平成26年4月1日)


「小保方さんは悪くない!」武田邦彦がSTAP細胞論文問題を徹底解説!1/4

http://youtu.be/YNsNNatMn6U

「小保方さんは悪くない!」武田邦彦がSTAP細胞論文問題を徹底解説!2/4

http://youtu.be/WAWLSNBy2do

「小保方さんは悪くない!」武田邦彦がSTAP細胞論文問題を徹底解説!3/4

http://youtu.be/1JVOpkox7Ig

「小保方さんは悪くない!」武田邦彦がSTAP細胞論文問題を徹底解説!4/4

http://youtu.be/ynXSLUU5_yk

かなりヒドイ話《゚Д゚》とちょっとイイ話( ;∀;)

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平和への荷役

 六十万以上の未亡人をふくむ日本の婦人こそ、平和確保に対して最もつよい発言権がある。職業の不安とともに結婚の可能をも失った多くの若い女性、経済不安定のために学業をつづけられないすべての女学生たちこそ平和の要求者である。そしてわたしたちは苦痛によっていくらか賢くされた女性として、次のことを理解したいと思う。戦争は人間の起すものである。人間によってやめることができるものであるし、また人間によってやめさせられなければならないものであるという事を。同時にまたすべての愛の行為とひとしく、平和も、戦争挑発に対する実際的で聰明なたたかいとその克服なしには確保されないものであることを知らなければならない。平和は眠りを許さない。地球のすべての男女の運命がそれにかかわっている。最もまめな骨おしみをしない人類的事業の一つである。
 〔一九四八年七月〕

宮本百合子






消費税8%でスーパー河内屋(新潟市)破産

4月消費税増税で町工場悲鳴

年金連続削減許さない!年金者組合が抗議行動

年金差し押さえ「ひどい」


増税と年金減のダブルパンチ
臨時福祉給付金はスズメの涙
(生活と健康を守る新聞)より

 政府は、消費税増税で負担が重くなる低所得者に一回きりの臨時福祉給付金を支給するとしています、支給される対象者は住民税非課税の人です。また、住民税非課税で、年金や児童扶養手当などを受給している人には5000円の加算金が支給されます。支給は、住民税が確定する6月ころから、各市町村で始まります。
 政府は、一万円という金額は「消費税率の引き上げによる一年半分の食料品の出支額の増加分を参考」にしたと言います。
 ところが、食費一日1500円プラス消費税で計算すると、一年半分の消費税負担の増加分は、2万4570円にもなります。一万円の2・5倍近くの負担増です。一万円では消費税増税の増加分はとてもまかなえません。その上、支給対象者は住民税非課税の人に限定してます。加算金は、昨年10月から3年かけて削減される年金・手当の受給者が対象です。
 この給付金支給について「スズメの涙金で消費税増税と年金などの減額を押し付けるものだ」との批判が出されています。政府がやるべきことは、消費税増税と年金などの削減の中止しかありません


米マクドナルドの元店長が手口告発
米国の”賃金窃盗” 強盗被害額の2倍

”異次元の金融緩和”一年 もうかる大企業・富裕層
賃金と物価の推移



集団的自衛権の限定行使 想定現実離れ


 ナニを守るの?集団的自衛権


在日米軍は、公式ホームページで日米同盟の意義をアピールする漫画「わたしたちの同盟~永続的パートナーシップ」を公開している。日米安保改定50年を記念したもので、日本語で書かれている。
「わたしたちの同盟~永続的パートナーシップ」0

「わたしたちの同盟~永続的パートナーシップ」05
漫画全文はこちら↓
http://www.usfj.mil/Manga/Vol%201/Index.htm

もし日本がピンチになったとき-アメリカは日本を支えてくれる大切な”友人”なのです。・・嘘をつけ!(`Δ´)!
日米安保破棄を真剣に検討し始めた米国
2011.11.08(火) 福山 隆 JB PRESS
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/27869

日本人を洗脳する一つの道具ですな!( ̄^ ̄)凸


日米共同演習 シナリオ判明 日本侵略と島しょ対応を想定
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-08-30/2011083004_03_1.html
YAMASAKURA 61
YAMASAKURA 61
ヤマサクラ61演習の「敵の最も可能性の高い行動方針」を示した米軍作成の図。東京占領をめざす部隊OSC―2は新潟から、大阪占領を目指す部隊OSC―1は金沢と鳥取県米子市から上陸する想定になっています

YAMASAKURA 61_02
日米合同軍事演習シュミレーション「ヤマサクラ61」見積書より

統合エアシーバトル構想
「統合エアシーバトル構想」では日本全土が「バトルゾーン」として想定されている

↑ということはアメリカの起こした戦争で原発の林立した日本を戦場にする・・日本をアメリカの盾にするということではないのか!!??



8億円の熊手のうた。- ぽぽんぷぐにゃん

http://youtu.be/fiwBNUHygZo
【ぽぽんぷぐにゃんのうた】8億円の熊手のうた。
http://blog.goo.ne.jp/sithux7/e/6e31145886ce9edd9c94417804b3b27b
渡辺喜美氏、8億円の借金で「熊手買った」が話題に(ハフィントンポスト)
借金の使途「かなり大きい熊手」 渡辺代表会見(朝日新聞)
「高い熊手」と皮肉=甘利経財相(時事通信)
渡辺喜美代表、8億円の使い道は「熊手」(日刊スポーツ)
みんなの党・渡辺喜美「8億円借金」お酉さまで熊手買った...もっとマシな言い訳し­ろ!(J-CASTニュース)
渡辺代表に国会説明要求 「熊手」では...(日刊スポーツ)


「供託金支払い終えた」 渡辺代表名で報告メール(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASG424Q1FG42UTIL017.html
 みんなの党の渡辺喜美代表の多額借り入れ問題で、2012年衆院選の前に5億円を貸した化粧品大手ディーエイチシー(DHC)の吉田嘉明会長が、その10日後、「供託金の支払いを終えた」とする渡辺代表名の報告メールを受信していたことがわかった。文面は追加融資を求める可能性にも触れていた。渡辺氏は借入金を選挙費用に充てた可能性を否定しているが、また矛盾点が発覚した。

 吉田氏が朝日新聞に示したメールによると、「ありがとうございました」と題する報告メールの受信は12年12月1日。依頼を受けて、5億円を渡辺氏の口座に入金した10日後だった。

 本文には「御礼が遅れてすみませんでした。昨日までに供託金の支払い終わりました。維新との相互承認も昨日発表」「今後、戦略的に投下してまいりますが、不足する可能性がありそうです。その時は何とぞよろしくお願い申し上げます」とあった。

 16日の選挙後、「お世話になりました」と題したメールが19日に届いた。「おかげさまで選(え)りすぐりの18人が当選しました」「なお、やりくりの方はなんとかなりそうです。本当にお世話になりました。ありがとうございました」と記されていた。吉田氏は「5億円以上は必要なくなった、という意味だろう」と話す。メールのアドレスはいずれも、渡辺氏が従来使っていたものと同じという。

 吉田氏によると、この年の衆院選前に面会した際、渡辺氏は選挙を話題とする中、「供託金だけでもかなりかかるんです」と話したという。供託金は選挙妨害目的の立候補を防ぐために設けられ、一定票に達しないと没収される。衆院選では小選挙区が300万円、比例代表は600万円。12年衆院選でみんなの党は69人を擁立し、うち渡辺氏を含む18人が当選した。

 仮に借入金を選挙費用に充てながら、選挙運動費用収支報告書に記載しなかった場合は、公職選挙法違反に問われる可能性もある。渡辺氏がみんなの党の候補者に供託金として配ったとすれば、各候補者が報告書に記載する義務が生じる。

 渡辺氏は朝日新聞の取材に「当時使っていた携帯電話がなく、確認のしようがない。そのようなメールを送った記憶もない」と回答。党のホームページには「たとえそれ(メール)がホンモノであったとしても法律違反は生じません」と記している。

 渡辺氏は今年3月27日の会見で、「吉田会長に何らかの形でご支援はお願いしたと思うが、時期が選挙の直前だからといって選挙資金としてお借りしたわけではない」と釈明。選挙資金でないと強調している。



STAP問題の底にあるもの

【必聴】 罪は理研にあり ( 武田邦彦ブログ音声より )

http://youtu.be/Mnjoad8s0S0
罪は理研にあり・・・
悪意の組織が弱い個人へのリンチ!

http://takedanet.com/2014/04/post_2d9a.html
小保方さんの論文で、理研が「不正」だと言った箇所は主として2つあるが、まず第一に、「取り違えた画像」については、

【外部からまったく指摘がなかった時期に、小保方さんが間違いに気が付いて、ネイチャーと理研に報告している。報道されているように「外部からの指摘」でわかったものではない。】

むしろ良心的だ。私ならこのぐらい小さなミスなら、報告しないかも知れない。でも、自分の論文で出版されてしまった後でも、間違ったところを気が付くことは時々ある。その場合、すでに提出して出版されているので、すぐには訂正できないが、次の論文や学術発表などで修正していく。特に、かなり査読で修正した論文は修正途中で間違いに気が付くが、出したらそのまま通ってしまったという場合、ミスがかなりあるのが普通だ。

第二点目は、酸処理したものの画像だが、
【錯覚して使った単純ミスだ】と小保方さんが言っているし、
【酸処理した正しい画像は小保方さんが持っている】


のだから、それに代えればよいだけのことだ。

「使うべき写真」が自分のパソコンにあるのに、間違って別の写真を使ってしまったことを「捏造」と言うのは間違っている。事情を知らない新聞記者が「使いまわし」という悪意のある言葉を使ったので、多くの人が誤解したが、そうではなく、自分のパソコンに入っている写真を間違えて使っただけだ。

それに「正しい画像」があるのに、捏造のために「間違った画像」を使って自分の評判を悪くしたいということなどするはずもなく、論理性もない。正しい画像がないので、別の写真を使ったと多くの人が思っているが、それは誤報だ。

その他のところも著者には著者の考えがあるので、それを尊重しなければならない。つまり、「不正研究」というのは、盗用、改竄、捏造の3つだが、「盗用」というのは読んで字のごとく他人のものを盗んだ場合で、もし他の人の論文の文章の一部が使われていても、公知(だれでも利用でき、引用の必要がない)のものだから問題はない。自分の家の前の公道を歩いて罰せられることはない。

理研の記者会見を聴くと、理研の方が罪を犯している。多くの人は「個人は悪いことをするが、組織は悪いことをしない」という前提だから、「小保方さんがこういった」と言っても「それは嘘だろう」と思うことがあるが、「理研が判断した」というと正しいと思う。

でも、理研も所詮、決める時には個人が決める。だからウソもつくし、保身もする。今回の場合、第一点目の「小保方さんが自分で気が付いて、雑誌社(ネイチャー)と理研に申し出た」というところを「論文を出してから言ったのだから、故意(不正)だ」と判断した。完全に理研の「ウソ」の判断だ。

もう一点は「正しい図がパソコンにある」と言っているのに、「それを使わなかったのは故意だ」とこれも理研がウソの判断をしている。

また、本人が意図的ではないと言っているのに、どういう判断で意図的(不正)としたかということを説明していない。一つは自分で申請しているのだから意図的ではなく、もう一つは正しい図を使えたのに間違っただけだから、これも不正ではない。

それを説明せずに一方的に記者会見を開き、一個人を誹謗(不正研究で、盗用、改竄、捏造があった)とするのはリンチであり、犯罪である。「本人が、反論があったらどうするか」という質問に「異議申し立てがある」と冷たく言った。理研は真実を明らかにしたいと思っていないことを示している。

ところで、このような単純ミスは咎められる場合と、本人の打撃で済む場合がある。なにか他人に対して積極的な行動をしている場合、たとえばタクシーの運転手が運転を誤って事故を起こした場合、そのミスは許されない。

しかし、フィギャースケートの選手が回転で着地した時に転んでも、ミスはミスだが咎められない。フィギャースケートの場合も「回転を見たくて、遠くから切符を買ってきた」という人もいるだろうけれど、そんな文句は通じない。

論文も嫌なら読まなければ良いし、読んでも「ああ、そうか」ぐらいに思うのが普通なので、論文のミスは著者の罰点になるだけで、もちろん「不正」ではない。むしろ2014年4月1日の理研の記者会見で、不正を働いたのは「理研側」と誤報を続けたマスコミである。

日本人はいつからこんなに権威主義になったのだろう。これでは日本国憲法で定められた基本的人権は簡単に組織によって覆される。そして社会はNHKなどのマスコミの「組織側報道」によって、国民は判断を誤り、個人をバッシングする。嫌な社会だ。

(平成26年4月2日)


福島県の小児甲状腺がん33人発症41人疑い


後藤政志 トルコへの原発輸出と沖ノ鳥島での桟橋事故について

http://youtu.be/7V97rzkMFKg


20140331 UPLAN【記者会見】トルコへの原発輸出これだけの問題 原子力協定批准にストップを!

http://youtu.be/-Ns3UiJkvi4
【国際環境NGO FoE Japan、「環境・持続社会」研究センター、ピースボート】
本国会会期中に、トルコとの原子力協定が批准されようとしています。
一方で、福島原発事故が未だ収束しておらず、多くの人たちが故郷を失い苦しんでいる最­中に原発輸出を推進することに対し、国内外から多くの異論が出ています。
とりわけ「日トルコ原子力協定」を批准することは、①世界有数の地震国であるにも関わ­らず、トルコでは建物やインフラの耐震補強は進んでいないこと、②地元のシノップ市長­を含め、多数の地元住民が原発建設に反対していること、③トルコでは推進と規制の両方­をトルコ原子力庁(TAEK)が担っており、「推進と規制の分離」が図られていないこ­と--などの理由でたいへん問題です。
このたび、原発プラント技術者や原発輸出の問題に取り組んできた市民団体により、緊急­の記者会見および民主党の国会議員に対する要請行動を行います。


原子力協定締結の承認案 衆院で可決
(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140404/k10013508511000.html




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校長が軽快ラップで休校連絡、学校公式サイトに掲載後すぐ大評判に。
http://www.zibun-news.com/2014/02/18/kocho_rap/
学校が急遽休みになるとき、昔は連絡網に従って電話で知らされたものだが、個人情報保護が叫ばれ、インターネットが当たり前になった現在は、メールや学校のサイトをチェックして確認することが多くなってきた。

先日、そんなご時世だからこそできたユーモアたっぷりの“休校連絡動画”を、米国のある学校が制作して学校の公式サイトに掲載し、生徒以外に大勢の人たちまでもが見るほど評判になったそうだ。

校長が軽快ラップで休校連絡

この動画は2月12日付でYouTubeに投稿された「Durham Academy Weather Announcement」(http://www.youtube.com/watch?v=HhtqjdUi0nw)。米ノースカロライナ州にある、幼稚園から12年生まで約1,000人以上の生徒が通う私立学校ダーラム・アカデミーが投稿したもので、悪天候の影響から翌13日の休校を知らせるために、校長と副校長が動画を作ったという。


http://youtu.be/HhtqjdUi0nw

最初、真面目な顔でカメラの前に座っている校長と後ろに立っている副校長。
ところが、米国で1989年にヒットしたヴァニラ・アイスの「Ice Ice Baby」の演奏が流れ出すと、なぜか校長はスキーのゴーグル、副校長は米国五輪代表のカーディガンを着用し、リズムに乗ってラップで歌い始めた。

歌詞はもちろん2人が撮影に合わせて作ったオリジナルで、翌日の休校を知らせる内容。

「道が滑りやすいかもしれないから、家に留まって温かいお茶でも飲んでいましょう」「心配しないで、授業は無くなりません」など、1分あまりの歌の中で学校からの連絡や注意事項を伝えている。

学校公式サイトでの説明では、動画は12日朝に掲載。
関係者から翌13日の休校を相談された校長が「歌詞を思いついた」そうで、副校長の協力も得て今回の連絡動画作成を考えたという。

また、2人は生徒たちが家族と遊んだり五輪観戦で楽しんだりするだろうとの期待感を示すため、スキーのゴーグルや代表のカーディガンを着用したようだ。
そんなサービス精神溢れる校長と副校長の動画は、すぐに単なる内部連絡の範疇を越え、広くネット上で注目され出したという。

その結果、2人の休校連絡動画は1日で約100万回も再生される話題作となり、現在では400万回超(2月17日時点)を記録。

米国だけでなく欧州などのメディアでも取り上げられ、大評判となっている。

(ニュース元:ナリナリ.com


亡き妻に捧げる“ギターの森”、空からも見えるオリジナルのギター。
http://www.zibun-news.com/2014/02/20/%E4%BA%A1%E3%81%8D%E5%A6%BB%E3%81%AB%E6%8D%A7%E3%81%92%E3%82%8B%E3%82%AE%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%81%AE%E6%A3%AE%E3%80%81%E7%A9%BA%E3%81%8B%E3%82%89%E3%82%82%E8%A6%8B%E3%81%88%E3%82%8B/
家にいながらにして、世界中の景色を気軽に楽しませてくれるGoogleマップ。

その検索窓で「-33.867886, -63.987」と数字を入力し、航空写真を見ていただきたい。

リンク:-33.867886, -63.987

すると緑色に広がる大地の中に、はっきりとギターの形が浮かんで見えるはずだ。
そこは、アルゼンチン・コルドバ州南部の草原地帯にある畑の一画。今から30年以上前、畑を所有する男性が若くして亡くなった妻のために木を植え続け、空から見える“ギターの森”を作ったのだという。


大きな地図で見る

米デザイン情報サイト「Inhabitat」や米観光情報サイト「Atlas Obscura」などによると、“ギターの森”を作ったのは、この畑で農業を営んでいたペドロ・ウレタさん。

1970年代、彼の妻グラシエラさんは所有する畑を空から見て、牛乳を入れるタンクのような変わった形をした場所があることに気が付き、大きな何かをデザインしてみてはどうかと提案したことがあったという。

大好きな妻の願いを叶えてあげたい気持ちはあった彼だったが、当時は仕事が忙しくて手を付けられる状況になかったため、妻に「お互い時間ができたら取り掛かろう」と話していたそうだ。

ところが、妻の人生は夫に余裕が生まれる前に終わりを迎えてしまった。

1977年、妻グラシエラさんが脳動脈瘤を起こし、25歳の若さで死去。
突然の出来事とあって、ペドロさんは妻の死にしばらく苦しみ続けていたという。

それから数年後、以前受けた提案を覚えていた夫は「妻への記念になるものを作ろう」と、彼女が大好きだったギターの形をした森作りに着手。

デザイン立案から手がけた彼は、ギターを形作る外側に杉の木を、弦となる場所には青い葉を付けるユーカリの木を植えるなど、妻に捧げる“オリジナルギター”を完成させるために尽力した。

そして時は過ぎ、ペドロさんとグラシエラさんの夢は空からもはっきり見える“ギターの森”として結実。

上空を飛ぶ飛行機からも容易に見えるため、彼らの作品は今でも気付いた乗客たちに「喜びをもたらしている」そうで、現在ではGoogleマップでも確認できるため、サプライズスポットとして世界中の人にも見て楽しまれているようだ。

ちなみに「飛行機に乗るのを怖がっていた」ペドロさん本人は、上から見たギターの森を「写真で見るだけ」だったそう。

以前、英国の男性が亡き妻に捧げるハート型の森を作っていたと世界で話題になった話もあったが、
(※参考「亡き妻想い庭に巨大なハート、6,000本の木に囲まれた2人だけの空間。」
http://www.narinari.com/Nd/20120718485.html
共通しているのは誰かに見せるつもりではなく、夫がただ妻のためだけに森を作り上げたという点。
Googleマップで誰もが簡単に世界中の景色を楽しめる今、愛する女性を想う男性が大地に残す大きな“記念碑”は、今後さらにいろいろな場所で生まれてくるのかもしれない。

(ニュース元:ナリナリ.com


120秒で映画より泣ける!ウイスキー「BELL’S」のCMが感動的だと話題に。
http://www.zibun-news.com/2014/02/21/bells/
文字を読めない南アフリカの老人が、一生懸命文字の勉強をするというストーリー。

学校に通い、子供向けの本を読み。
なぜ、この老人はそこまでして、文字の勉強をするのか?

ウイスキー「BELL’S」のCMが感動的だと話題に

最後に老人が、息子に言った「I read your book.」という言葉に、親子の愛を感じました。


http://youtu.be/VteDp3IK-60



学校(予告)

http://youtu.be/XfKTh9l0QMo
監督・山田洋次が、十五年間温めていた念願の企画―――
東京・下町の夜間中学校を舞台に、様々な境遇を持つ生徒たちと先生との交流を描いた感­動作―――
下町の一角にある夜間中学の教師・黒井(西田敏行)は、卒業式も近づいたある日、卒業­記念文集のための作文の授業を行う。原稿用紙にそれぞれの思いを綴る生徒たちの横顔を­見ると、黒井は彼らとの思い出が鮮やかに甦ってくるのだった。やがて給食の時間に、ク­ラスの一員・イノさん(田中邦衛)が死んだという悲しい知らせが届く。突然の訃報に悲­しむ黒井と生徒たちは、食後のホームルームの時間、イノさんの思い出を語り始める。不­幸な生い立ちとその後の苦労、そして突然病に倒れ、故郷の山形へ帰ったきり帰らぬ人と­なったこと。
イノさんの人生を語り合ううち、いつしか黒井と生徒たちは、「幸せ」について話し合う­ようになっていた......。
(c)1993 松竹株式会社
学校 (映画) - Wikipedia


映画「学校」原作者松崎運之助(前半)NHKラジオ深夜便

http://youtu.be/qhoRkU2trKk

映画「学校」原作者:松崎運之助(後半)NHKラジオ深夜便

http://youtu.be/cUmA4-IT2lY

( ;∀;) カンドーシタ

小出裕章先生:不安だけどもやっぱりお金のためには動いて欲しい・・引き裂かれた感情に

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市民の力で社会を変える(ラジオフォーラム#65)

http://youtu.be/K9rqryrcUMQ?t=15m9s
普通の市民が立ち上がり、社会の仕組みを変えて行くコミュニティ・オーガナイジング。­日本に広める活動をされている鎌田華乃子さんとともに、私たちはどう行動したらいいの­か、探っていきます http://www.rafjp.org

00:31 オープニング
05:57 市民の力で社会を変える(前編)
15:09 小出裕章ジャーナル/川内原発再稼働の行方
25:08 市民の力で社会を変える(後編)
37:20 難聴者は何を思うのか
47:22 エンディング

15:09~第65回小出裕章ジャーナル
川内原発の優先審査決定について「とにかく何とか新しくまたお金が欲しいということが、自治体としてはその所に落とし込められてしまってるのだと思います」

http://www.rafjp.org/koidejournal/no65/
湯浅誠:
今日は、川内原発の優先審査決定という報道等についてなんですけれども。 再稼働申請をした原発17基の安全審査のうち、
各原発の審査の状況
川内原発がその中で初めて基準に適合する目途が立ったと。 早ければ今年の夏にも再稼働する可能性が出てきたということなんですが、 まず、この川内原発について基本的なところを教えていただいてよろしいでしょうか?

小出さん:
はい。 九州電力という電力会社は原子力発電所を2ヵ所に持っていまして、 初めは玄海という所に造りました。その次に造ったのが川内原発でして、 鹿児島県の今は薩摩川内市という名前になりましたが、 川内川という川が流れている河口の所に建っている原子力発電所です。 1号機が84年、2号機が翌年85年に稼働を始めました。
九州電力データーブック2013より
川内原子力発電所

湯浅誠:
川内原発は「川」に「内」と書いて「せんだい」と読むわけですが、 小出さんは川内原発には行かれたことがあるんですかね?

小出さん:
川内市には何度も行ったことはありますが、原発の敷地の中に入ったことはありません。

湯浅誠:
今回の福島第一原発の事故を起こした型とは同じなんでしょうか?

小出さん:
違うものです。

湯浅誠:
違うものですか?

小出さん:
はい。 東京電力は沸騰水型。 私たちがBWRと呼ぶ型の原子力発電所を使っていたのですが、 九州電力は加圧水型(PWR)という形の原子力発電所を使っていまして、 川内原発もその加圧水型です。
沸騰水型 加圧水型

湯浅誠:
川内原発が優先枠に選ばれた、最初にGoサインを出すんじゃないかという所に選ばれた 理由というのは、その型の問題とかも含めて色々あるんでしょうね?

小出さん:
たぶん、色々あると思います。 要するに、今湯浅さんが聞いて下さったように、 川内原発は福島の事故を起こした原子炉とは形が違うということで、 規制委員会としては取扱いがしやすかったんだろうと思いますし、 規制委員会が言っているのは、規制委員会の委員と九州電力との間で 基準地震度そして基準津波というものの想定が一応合意に達した※ということで、 これならいけるということになったんだと思います。
※川内原発、審査終了の公算 地震と津波想定で異論なし 規制委、13日会合で検討(共同通信)
http://www.47news.jp/smp/47topics/e/251273.php

湯浅誠:
国と電力会社が急ぐのはある意味分かるというか、 そうだろうなって感じなんですけども、自治体ですね。 自治体はかなり、その新潟県知事の言い方と福井県知事の言い方が違うように、 自治体によっては色々と対応の差が出てきてるように思うんですが。

小出さん:
そうですね。

湯浅誠:
この鹿児島県の場合はどうですかね?

小出さん:
えーっと、伊藤知事という方がかなり強力に川内原発の再稼働を要請しています。 ですから、まあ地元の要請があるということも、 たぶん規制委員会としては理由づけの大きなものにしようと思ってるんだと思います。

伊藤祐一郎マニフェスト より
http://ito-yuichiro.sub.jp/pdf/manifest2012.pdf
いとう祐一郎の基本政策より

湯浅誠:
県知事が一生懸命になる最大の理由はお金ですか?

小出さん:
もちろんお金ですもともと立地をさせられてしまった時も建てさせてくれるならば 「電源三法の交付金が下りますよ」 「固定資産税が下りますよ」 「お金が入りますよ」 という事で、まあ原子力発電所を押し付けられてしまったわけですし、
電源三法制度
川内原発の場合も30年も運転していますので、 固定資産税はどんどん減ってきているわけですし、 電源三法交付金もほとんど減っているわけで、 とにかく何とか新しくまたお金が欲しいということが自治体としては、 その所に落とし込められてしまってるのだと思います。
電源立地地域対策交付金の直接交付先
原発立地自治体への交付金
交付金のほとんどを占めるのは「電源立地地域対策交付金」
※電源立地制度の概要(資源エネルギー庁)
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/pamphlet/denngenn.pdf
電源立地地域対策交付金の概要

湯浅誠:
そうすると、確か川内原発は3号機の新設をあの東日本大震災の直前あたりに やってたと思うんですが。

小出さん:
そうです。

湯浅誠:
それも予断を許さないというか。

小出さん:
はい。 まあ、安倍さんという人が今首相の座にいて原発再稼働はもちろん、 新規の建設もやると言っているわけですし、 海外に原子力発電所を売るというようなことまで言っているわけですから、 川内原発3号機も新規の建設になるわけですけれども、 やられてしまう可能性もやはりあるだろうと思います。

小出裕章ジャーナル

湯浅誠:
市民の反応はどうなんですかね?

小出さん:
たぶん、みんな不安だろうと思います。 例えば、福島の事故が起きた後にですね関西電力の大飯という原子力発電所が 一時期再稼働したことがあったのですが、 その時、大飯の町民にアンケートを取ったところ、 みんな「事故が不安だ」とほとんどの方はそう言ったのです。
おおい町の皆さまへのアンケート結果について
ただ、再稼働に賛成か反対かと問うと、今度は賛成という人は 半分を超えたということだったのです

つまり、不安だけどもやっぱりお金のためには動いて欲しいという、 そういう引き裂かれた感情になっているんだと思います。
「原発再稼働の必要性なし」が大半の民意
「原発再稼働の必要性なし」が大半の民意 各社意識調査を比較
http://www.greenpeace.org/japan/Global/japan/images/press_release/120608_Briefing.pdf

湯浅誠:
厳しいですね。 なんかそれをこう私たちが外から他人事のように偉そうに言えるのか っていうことも他方でありつつ。

小出さん:
そうですね。 非常に苦しい状況に地元が既に追い込まれてしまっているわけですから、 その苦しさを何か別の形で補償できるような仕組みを作らないと、 たぶんますます苦しいところに追い込められていくんだろうと思います

湯浅誠:
そうですね。 今後、川内原発の審査はどのように進んでいくことになりますか?

小出さん:
はい。 簡単にはいかないだろうと思います。 一応、あのー審査に対する意見も公募しないといけませんし、 公聴会をやるということも必要ですので、一筋縄ではいかないだろうと思います。

特に、その事故が起きるということを まあ新しい規制基準では想定しているわけですけれども。 事故が起きた時の避難ということができるのかというと、 ほとんどの場合はたぶんもうできないと思いますので、

・周辺の自治体がキチッとした防災計画を立てられるかとか、
・交通渋滞が起きた時にどうするのかとかですね、


そういう問題が具体的にクリアできなければ、 やはり住民の不安も拭い去れないでしょうし、 簡単には再稼働というところにはいかないと私は思います。

結局は、社会的な弱者がですね逃げることができないまま取り残される。 そして、いわゆる原発関連死と呼ばれているような形で、 命すら落としていくということがたくさん起きたわけですから、 これからもし再稼働ということになるのであれば、 ほんとに避難ができるのかどうかという事はやはりキチッと考えるべきだと思います。

湯浅誠:
そうですね。 福島でやっぱり震災関連死が直接の地震と津波の被害者数を上回ってるっていうのは、 ほんと深刻に受け止めないといけないのですね。 はい。今日もありがとうございました。
被災三県の死者数内訳

小出さん:
ありがとうございました。


何者かが上げている福島県の死亡率、リスク交通事故率の16倍!(2012年)
(めげ猫「タマ」の日記)
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-594.html
 2012年中の福島県と宮城県の人口動態が発表になったので、比較してみました。福島県では原発事故前年の2010年に比べ、2012年の死亡率が上がっています。上がり方は交通事故リスクの16倍です。
福島県および宮城県での2010年と12年の死亡率の比較
福島県および宮城県での2010年(事故前年)と12年の死亡率の比較

以下略


原発頼みは一炊の夢か福島県双葉町が陥った財政難
https://www.iwanami.co.jp/sekai/2011/01/pdf/skm1101-3.pdf
原発頼みは一炊の夢か福島県双葉町が陥った財政難
原子力正しい理解で豊かなくらし 双葉町
原子力正しい理解で豊かなくらし 双葉町


原発のある町、おおい町 ~おおい町議 猿橋巧氏の話~ 番外編④

http://youtu.be/77j70NzMUd8
おおい町立佐分利(さぶり)小学校。

現在生徒数は69人。
この施設も、文部科学省の予算ではなく原子力発電施設等立地地域長期発展対策交付金(­電源三法交付金)で建てられた。



川内原発の放射能拡散 市民ら風船とばして調査(南日本新聞)
http://373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=55995
川内原発の放射能拡散 市民ら風船とばして調査
放射性物質の拡散を調べるため、風船を飛ばす参加者=6日、薩摩川内市の久見崎海岸

 九州電力川内原発(薩摩川内市)で事故が起きた場合、放射性物質がどう拡散するかを調べるため、市民グループなどが6日、川内原発近くの久見崎海岸から500個の紙風船を飛ばした。昨年7月に続き2回目。
 「原発なくそう!九州川内訴訟」の原告を中心とする実行委員会が企画。県内外から約100人が集まり、強風に苦戦しながらも一斉に飛ばし、南方面に流れた色とりどりの風船を見送った。
 風船には連絡先を書いたカードを付けており、情報提供を求めている。連絡があり次第、ホームページで公開する。風船は環境に配慮した素材を使っているという。
 1回目の実験で最も遠くまで飛んだのは、約110キロ離れた日南市北郷町で、3時間半後に確認された。


鹿児島県の川内原発は事故発生時にSPEEDIの活用は義務ではない

http://youtu.be/V6l9MBPwmeo
2014年4月3日 参議院内閣委員会 山本太郎氏


2011年6月7日フライデー 川内原発



大竹まこと×室井佑月が苦言「川内原発の再稼働準備と原子力規制委員」

http://youtu.be/nq_ZmNMa8x4


映画「シロウオ~原発立地を断念させた町」
http://www.kasako.com/eiga1.html
映画「シロウオ~原発立地を断念させた町」
故郷を、自然を、仕事を、そして家族を守りたい――
原発反対運動を成功させた人々の証言ドキュメンタリー
東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故により、広く国民に原発の危険性が知れわたることとなったが、今から30年以上も前に、「いつか必ず原発事故が起きる。
危険な原発は建てさせない」と住民が反対運動を行い、原発計画を断念させた場所が全国に34ヵ所あった。
中でも紀伊水道をはさんで、双方の住民たちが協力し合い、原発計画を 断念させたのが、徳島県阿南市椿町の「蒲生田原発」と、和歌山県日高町 の「日高原発」だ。

南海トラフ三連動超巨大地震が心配される今、全国各地の原発再稼働が 争点となっているが、なぜ彼らはチェルノブイリ原発事故や福島原発事故 が起きる前に、危険性に気づき、計画を追い出すことができたのか。
当時、 反対運動に関わった住民などにインタビューし、彼らの証言を中心に約105分の映像にまとめた。

2013年11月11日 監督・かさこ

映画「シロウオ~原発立地を断念させた町」紹介

http://youtu.be/A6MZ7JLlfOI

戦争と原発~お上の言うこと信じたらあかん

http://youtu.be/PEA83PueKDI



必聴です!
2013/7/6 藤田祐幸先生講演会 ~原発とエネルギー、九州の私たちにできること~

http://youtu.be/Ql_neN-1E8s
~原発とエネルギー、九州の私たちにできること~

放射能、子どもが心配。どうしたら子どもが守れるの?

その不安におこたえします。

今、フクシマの子ども達に甲状腺がんが増加中...どうなるの?/食べ物から人へ、放­射能は濃縮する。/実現可能なエネルギーとは?/九州に住む私たちには日本を元気にす­る大切な役割がある。/福島原発の現状。/九州の原発の危険性。/子ども、そして胎児­の被ばくの影響は今も深刻。

会場:ふくふくプラザ 1Fホール(約250席)

日時:7月6日(土)開場12:30 開演13時~16時(質疑応答含む)

主催:地球のめぐみ/ 協力:Qベク 不知火書房 この講演会は2013エフコープ環境助成金を受け実施しています。

消費税の正体・・みなさん騙されてます・・(。-_-。)

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20140404 報道するラジオ「消費税の正体」 斎藤貴男

http://youtu.be/aUz29R5Qtrk
今週4月1日から、消費税が8%になりました。
増税から3日経ったいま、みなさまは影響をどれだけ感じておられますでしょうか?
さて、この消費税の増税分はどういった使われ方をされるのでしょうか?
また、この増税によって今後世の中でどういった事が起こるのでしょうか?
消費税という税制によって、誰が喜び誰が泣くのでしょうか?
きょうのこの番組では、そういった「消費税の正体」を、ジャーナリストの斎藤貴男さんにお聞きします。
リスナーのみなさんからの消費税前にどんな駆け込み購入をしたか、や増税から3日経った今の実感、それに消費税増税で今後困る事、また斎藤さんへの質問などを、メール・FAXでお寄せください。
お待ちしております。


消費税はそもそもどういう税金か
(消費税廃止各界連絡会)
http://shz-haishi.jp/modules/pico/index.php?content_id=20#.U0Su5Kh_t8G
1.景気を底から冷やす
 消費税率の引き上げが強行されれば、まさに景気悪化は必至であり、中小業者の営業は根底から破壊されます。1997年に消費税率が3%から5%に引き上げられ、消費大不況と景気悪化が急激にすすみました。
 消費税はまさに景気を底から冷やし、中小業者・国民の働く場を奪う税金です。
大企業は、2008年のリーマンショックで大不況に突入するまで史上最高の儲けを毎年更新し、内部留保で100兆円超をため込んできました。一方、国民・中小業者はバブル崩壊以後、今日まで塗炭の苦しみを味わっています。
 大企業の内部留保をはき出させ、雇用と消費を拡大するべきです。
2.低所得者ほど負担が重い
 消費税は、収入のない子どもにもかかります。その負担は、低所得者ほど重く、高額所得者ほど軽い、逆進的な不公平税制です。まさに憲法の応能負担原則に反します。今日、日本では富める者と貧しい者の所得格差が過去最悪にまで広がっています。立場の弱い人に、これ以上の負担を押し付ける消費税増税を許すわけにはいきません。広範な国民を極度の生活不安に追い込むことは、犯罪の温床にもなります。
3.徹底した大企業優遇税制
 消費税導入以来の税収は、大企業向けの法人3税(※)の減収にほぼ匹敵します。さらに、日本経団連は大企業の法人税・社会保障負担軽減のため、消費税を増税せよと言っています。
(※)法人3税は法人税、法人事業税、法人住民税。
 かつて日本企業として初めて営業利益2兆円超えを記録したトヨタ自動車は、年間2,106億円(2010年3月決算)もの消費税の還付金を受けています。
 輸出大企業に膨大な消費税を還付する「輸出戻し税」制度は、フランスで始まりました。当時の貿易協定によって輸出補助金を受けられなくなった大企業の強い要求を背景にしたもので、「貿易ルール違反」とも指摘されます。本当に許しがたい税金です。

■大企業減税の穴うめにされた消費税
各年の消費税収と法人3税の減収及び税率の推移
 政府は、「福祉のため」「少子高齢化のため」といって1989年に消費税を導入。税収はのべ224兆円、同期間の法人3税の減収は208兆円。消費税は福祉どころか、法人税減収の穴埋めにされたのが実態です。
大企業減税の穴うめにされた消費税

■輸出大企業には戻し税
 輸出大企業上位10社だけで、改悪消費税(免税点の引き下げなど)の影響をうけた中小業者約200万人分(新規課税150万人超+本則課税移行40万人)の増税分6,300億円を大幅に上回る額の還付金を受けています。
輸出大企業には戻し税

4.大企業のリストラ推進税制
 消費税は付加価値に課税されます。その最大の課税対象は「人件費」(賃金・給与)です。
 大企業は、正規雇用を減らして派遣労働者や請負会社に置き換えることにより、消費税負担を減らしています。部門を丸ごと外注化・子会社化したり、派遣・請負に置き換えるまでになっています。消費税は、大企業のリストラをますます激しくさせています。

■消費税は賃金課税、リストラを加速する
 消費税は売上分から仕入・経費分を差し引いて納税額を求めます。人件費分は差し引けませんが、外注化すると引けるため、大企業は派遣などの導入で、消費税負担を大きく軽減しています。
消費税は賃金課税、リストラを加速する

5.中小企業の経営破壊税
 ひとたび課税業者となれば、消費税分を受け取っていてもいなくても、課税売上の5%が消費税相当額とみなされます。ここから仕入れや経費にかかった消費税を差し引いた残額が、納税すべき税額で、赤字でもかかります。
 消費税は価格転嫁を「予定」しているに過ぎません。業者に納税を義務づける一方で、受け取りは当人任せにされているため、力関係により消費税分を受け取ることができない中小業者は6割を超えています(※1)。
 取引先からの値引き強要など、小規模な業者ほど、消費税分を販売価格に上乗せすることが困難です。納税のために煩雑な帳簿の整理や納税事務を強要され、人件費にかけられることからも、まさに人頭税であり(※2)、営業破壊税です。
 記帳が不備などの口実で、仕入・経費にかかった消費税額の控除を税務署の勝手な裁量で否認し、売上に丸々5%の消費税を課税する、超権力的な税務行政の手段にされています。

(※1)日本商工会議所2006年8月調査(「週刊東洋経済」2007.2.24付)
(※2)収入の有無にかかわらず、一人いくらの割でかける税

6.膨大な滞納を招く欠陥税制
 滞納額が最大の税金は消費税です。2009年度の新規発生滞納は、税額で全税目の50%におよび、その件数は683,430件、単純計算で課税事業者の20%にも達します。
 中小業者にとって、消費税は負担の重い税金です。免税点が、1,000万円に下げられて、消費税の滞納はますます切実になっています。本来、滞納が出る税金はまともな税金ではなく、「払いきれない」事態が広がれば、その税制はやがて滅びることになるのです。滞納に対し、納税を強制すれば、滞納がなくなるかといえば、現実は逆で倒産が早まるだけです。

7.消費税増税は「戦争税」
 消費税は戦争と一体です。ヨーロッパでは、第1次大戦中のドイツで戦費調達税(1916年)として始まりました。日本でも中国侵略の財源(1936年)として一般消費税が立案されました。

質問:「消費税増税」本当に福祉は充実するの?

回答:
社会保障は改悪の連続
「消費税は高齢化社会のため」導入するときの政府の口実ですが社会保障は改悪の連続です
消費税導入後、どんどん悪くなる社会保障

消費税は大企業減税の穴埋めに
政府は「福祉のため」「少子高齢化のため」と消費税を導入しましたが、福祉どころか法人減税の穴埋めにされたのが実態です。
消費税収と法人税減収額などの推移

質問:ヨーロッパの社会福祉は消費税頼み?

回答:
ヨーロッパが日本に比べて高福祉なのは、消費税が高いからではありません。企業など事業主の社会保険料負担が大きな支えとなっています。財界は「国際競争力にマイナスだ」といって、企業負担の軽減を主張しますが、大企業が応分の負担をしているとはいえません。
日本とヨーロッパの社会保障財源の構成比

質問:消費税制度の欠陥とは

回答:
消費税は雇用破壊税
消費税法では、人件費の割合が高い企業ほど、消費税の納税額が高くなる仕組みになっています。一方、正社員を請負や派遣などに切りかえれば、請負や派遣費用の5%が納税額から差し引かれ、税負担は軽減されます。消費税はリストラ促進や不安定雇用拡大に一役買っているのです。
雇用全体に占める非正規社員の割合

身銭を切る中小業者
中小業者は、売上高が1,000万円を超えれば、たとえ赤字であっても消費税の納税義務が生じます。しかし、消費税を価格に上乗せできない中小業者がほとんどです。もらえない上に、赤字でも納税させられるため、「借金をして支払った」という中小業者も多いのです。消費税は、中小企業・業者にとって営業と生活の「破壊税」です。
中小業者の6割が消費税をもらえていない

質問:あなたはどちらを選ぶ?-消費税大増税の道

回答:
不況を広げる消費税増税
97年に消費税率が3%から5%に引き上げられ、消費大不況と景気悪化が急激にすすみました。消費税は景気を底から冷やす最悪の大衆課税です。家計にも大幅な負担増をおしつけます。
消費税率引き上げの打撃

質問:あなたはどちらを選ぶ?-不公平税制をただす道

回答:
不公平(1) 大もうけしても税収は減っている
法人税率の引き下げや各種法人減税で、大企業はバブル期を上回る空前の利益を上げながら、法人税収は大幅に減っています。
不公平税制_大もうけしても税収は減っている
消費税は売上げにかかる消費税から、仕入・経費にかかる消費税を差し引いて納税します。輸出売上は消費税がかからないので仕入・経費の消費税が戻ります。(輸出戻し税)

不公平(2) 輸出大企業に1兆円近い「戻し税」
取引関係で強い立場の輸出企業は、下請け業者に仕入れ単価の引き下げや値引きを強要して、消費税を負担させ、実際に負担していないのに、還付金を受けています。
輸出上位10社の消費税還付金額(試算)

トヨタが税務署から還付を受けるしくみ

「不公平税制」を改めれば財源はある
不公平はまだまだあります。これら大企業や大資産家への優遇税制を改めれば財源を作ることが可能です。

各界連パワーポイント
「消費税増税は避けられないの?」
:download:各界連パワーポイント解説.doc
:download::各界連パワーポイント2010年バージョン1.ppt

沖縄海兵隊のグアム移転経費が日本負担に
米軍駐留経費の受け入れ国負担
軍事費 支出額・GDP比 国別ランキング(2011年)
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)

軍事費 支出額・GDP比 国別ランキング
欧米 軍事費削減
防衛関係費の内訳と推移
軍事費のムダを見ていきます。1隻1500億円以上の「イージス艦」、1000億円以上の「ヘリ空母」など、巨額の予算が使われます。揚陸艦型大型輸送艦、大型補給艦も含め、「日本周辺の防衛」のためには必要ないものばかりです。アメリカに従い、海外で戦争するために、これらの大型艦船が税金で購入されているのです。
全体の35%を占める「歳出化経費」は、兵器購入のツケ払いです。例えば約1400億円のイージス艦を調達した際、単年度では支払えないため、分割して支払うものです。

軍事活動のエネルギー無駄遣い
軍事活動は最も環境破壊を引き起こす要因の一つ

軍需企業の政治献金と天下り
日本の軍需産業がこの「防衛予算」にむらがっていることを示した表です。三菱はじめ、軍需企業から多額の政治献金がおこなわれ、官僚の天下りを受け入れ、仕事をもらうという企業・官僚・政治家が防衛予算で甘い汁をすってきたという構図です。鳩山民主党政権はこのしくみを打ち破れるかどうか、も重大な焦点となっています。(赤旗08.02.21)

政策を金で売るのか

日本の法人税はみかけほど高くない

消費税のご負担をお願いします。

消費税増税分「すべて社会保障に」はウソ 大半は財源を置き換え(しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-03-30/2014033001_03_1.html
「(消費税の)増収分5兆円はすべて子育て・医療・介護・年金といった社会保障のために使われます」といって財源が確保されたり、充実するかのように宣伝している政府広報。そのウソを改めて見てみると―。

消費税増税分5兆円の「使途」 増税分5兆円の「使途」のうち8割以上を占めるのが、「年金国庫負担分2分の1の恒久化」と「既存の社会保障の安定財源確保」です(グラフ)。これはすでに実施している分の財源を消費税に置き換えただけです。

 一方、社会保障「充実」として「子育て支援」に約0・3兆円、「医療・介護等の支援」に約0・2兆円を充てるとしています。

 しかし、「支援」の名で行おうとしているのは、保育水準の引き下げによる詰め込みや入院患者の追い出しなど制度改悪が中心です。

 約0・2兆円は、消費税増税による「社会保障支出の増加分」です。診療報酬などを引き上げるもので、出して当然のものです。

 年金国庫負担は、年金課税の強化(04年)と所得税・住民税の定率減税の縮減・廃止(06~07年)で財源を確保していたものです。それを消費税に付け替えるのは、“詐欺”も同然です。

 「既存の社会保障の安定財源確保」について政府広報は「次世代へのつけ回し軽減」などと財源がないかのように説明しています。しかし、今でも社会保障の財源は消費税も含めた一般財源で確保されています。「付け回し軽減」とは、財源を消費税に置き換える口実にすぎません。

 こうやって既存の社会保障財源を消費税増税分に置き換えれば、浮いた分は他の財源に回せます。安倍内閣は震災復興増税の企業負担廃止など大企業減税や公共事業、軍事費のバラマキを進めています。「すべて社会保障に」というのはでたらめです。

 さらに安倍内閣は、3兆5450億円にのぼる社会保障の負担増・給付減を計画しています。これが実施されると、10%への消費税増税時に社会保障「充実」に回るとしている2兆8千億円も吹き飛びます。

安倍内閣がねらう負担増・給付減

●70~74歳の患者負担1割→2割

 4000億円

●入院給食の原則自己負担化

 5000億円

●介護保険利用者負担1割→2割(一定所得者)

 750億円

●介護保険施設の食費・居住費補助縮小

 700億円

●年金の「特例水準解消」

 1兆円

●年金の「マクロ経済スライド」

 1兆5000億円

計 3兆5450億円



アベノミクスの正体見えた_天下の愚作 消費税大増税

こんなときに消費税を上げていいのでしょうか?

むしり取りますとも!最期まで!

安倍首相が増税後の買い物パフォーマンス 「高くなった」発言に批判も
(J-CAST ニュース)
http://www.j-cast.com/2014/04/05201329.html
安倍晋三首相(59)が2014年4月5日午前に東京都中央区の日本橋三越本店を訪れ、消費税率引き上げ後初めての週末に買い物を楽しんだ。
消費者に寄り添う姿勢を示すパフォーマンスとみられ、記者から感想を聞かれて答えた発言が物議も醸している。
「何を呑気に他人事のように話しているんだ」

三越本店を訪れた安倍首相は、自ら財布を取り出してカジュアルシューズや小説など6冊、食品売り場ではつくだ煮やしょうゆ、ヨーグルトや大判焼き、レトルトカレーなどを買って支払った。買い物に費やした時間は約一時間、支出は計3万9955円で、うち消費税分は2959円だったそうだ。
記者から買い物をした感想を聞かれると、
「消費税がだいぶ高くなったんだという実感があった」(毎日新聞) 「消費税が8%になったので(導入時より)高くなった実感がした」(産経新聞)
と答えた。そして、上がった消費税はしっかりと社会保障に生かす、と述べたのだ。
一方、ネットでは、消費税が上がって毎日が節約で大変だとして、何を呑気に他人事のように話しているんだ、などと怒りの声も出た。
「お前が言うなよ、上げておいて」
「金持ちで死ぬまでお金の苦労を知らない人に、庶民の苦しみが解かるわけがない」
などと厳しい声も出ている。
当初予定を変更し、三越本店を選ぶ
消費税引き上げ後に首相がデパートなどを訪れ買い物をし、増税後の消費促進をアピールするパフォーマンスは、過去にもあったことがある。消費税3%が導入された1989年4月に当時の竹下登首相や主要閣僚などがデパートや商店街などに繰り出し、実際に買い物をしたり会話を交わしたりをした。
今回の8%への増税では麻生太郎財務相が4月1日の朝にコンビニでミネラルウオーターと漫画誌「ビッグコミック別冊ゴルゴ13シリーズ」を買ったことを会見で披露し、レシートがしっかりと8%で計算されていて「しっかり動き始めていてほっとした」などと語っていた。
安倍首相は4月5日に都内のデパートで買い物をすることを発表していた。当初は渋谷の東急百貨店になると伝えられていたのだが、なぜか三越本店への来店となった。
14年3月21日昼にフジテレビ系「笑っていいとも」に出演したさいに、番組を収録している新宿アルタ前で原発再稼働反対を唱えるデモが起きたことがある。今回は、そうしたことを避けようと東急百貨店の名前をあえて出し、実際に買い物をする予定だった三越本店に向かったのではないかとみられている。


安倍首相が消費税視察 「三越に庶民はいないよ」(田中龍作ジャーナル)
http://tanakaryusaku.jp/2014/04/0009064

「安倍首相の買い物は中止になった」。官邸筋から深夜、ディスインフォメーションが流布された。混乱を避けるため警戒は厳重だった。=5日午前10時頃、日本橋三越 写真:山田旬=

 国民の家計を直撃する消費税増税。庶民の暮らしとは全く縁のない安倍ボンボンがけさ、日本橋三越を視察に訪れた。

 紫のセーターに白のスラックス。プライベートを装ったボンボンは午前10時の開店とほぼ同時に名門百貨店に到着し、従業員口から店内に入った。

 「総理、きょうは何を買いますか?」と筆者が問うと「これから決めます」と答えた。

 デパートでまともに買い物をしたことがない筆者には及びもつかない答えだった。「デパ地下」、それも夕方7時過ぎの在庫一掃セール以外知らないのだ。

 ツイッター上では「三越に庶民は居ないよ」「コンビニでカップラーメンを買って食ってみろ!」、果ては「毎晩のように会食しているマスコミの記者を大勢引き連れて開店と同時に正面から入れば良いではないか」という否定的な意見が飛び交った。


物価が上がったことの意味がこの人に分かるのだろうか?=写真:山田旬=

 さすがは浮世離れしたボンボンだ。一回の買い物で消費税増税の影響なんて分かるはずがない。数十円から数百円が乗せられているくらいだ。一ヵ月を通した時に恐ろしいほど出費が増えているのだ。

 三越店内は記者クラブの代表取材(スチール1社、ムービー1社)に限られていたため、筆者はボンボンが何を買ったのか見届けることができなかった。

 「安倍首相の買い物は中止になった」――官邸筋から昨日深夜、ディスインフォメーションが流布された。3月21日、首相がフジテレビの「笑っていいとも」に出演した際、新宿のアルタスタジオ周辺には抗議の人々が押しかけ大騒動となった。この混乱を避けるための情報操作だった。

 視察がパフォーマンスに過ぎないことは誰の目にも明らかである。

 消費税に苦しむ庶民の生活を知りたければ、下町のスーパーや戸越銀座を視察した方がよいのではないだろうか。

1997年から貯蓄なし世帯は10%から30%に増えた。



「アベノ滴」はどこまで落ちる?

アベノミクス・恩恵なし!
(アリえない10%さんのブログ)
http://ameblo.jp/shohizeihaisi/entry-11817680940.html
私は保険の代理店をしておりますが、代理店の手数料はポイント制度というものを保険会社が導入しており、大きな代理店じゃないと手数料が非常に少なくなっております。
消費税増税でお客様の懐はますます厳しくなり、保険料を安くしてほしいという要望が非常に強く売り上げは下がる一方です。

アベノミクスも自営業、特に小規模な保険代理店にはまったく恩恵がありません!
そっこく消費税を5%に戻してください!やっていけません!!


消費税増税どう思う


映画文化にも大打撃
崔洋一 (しんぶん赤旗)
崔洋一
映画を撮るには、衣装や小道具、撮影場所への対価等、さまざまにお金がかかります。そのすべてに消費税が乗っかってくる。それを入場料に転嫁するのは、ほぼ不可能です。
 2000円払って映画を見るお客さんがどれだけいるか。今月からシニア料金を値上げしたシネマコンプレックス(複数のスクリーンがある映画館)もありますが、「1000円なら」とぎりぎりに見に来てくれていた方たちが来なくなるでしょう。そうなると、税率が上がった分、人件費削減に跳ね返るのは目に見えてます。
 それでなくても、映画映像産業は”元祖ブラック企業”みたいなもので、長時間労働であると同時に、非常に高度な技術が求められる過酷な仕事です。増税の影響で人件費が今まで以上に下がると、作品そのものが劣化せざる得なくなるでしょう。映画の制作現場に悪影響を与える消費税増税には、反発せざるを得ません。この増税が、日本映画の衰退の決定的なスタート地点になったと後世、書かれるだろうと思います。

若い才能の芽つまれる
 いま日本映画はさまざまな問題に直面しています。監督の著作権が確立されていないため、制作会社との平等な利益の配分がなされていない。食えない場所に若い有能な人材は来ません。また、映画の中身の幅が狭くなっている。社会批評性を持つものや異端者や少数者を描くことに関して、忌避する傾向が生まれています。被災地や地方の独立系の映画館もどんどんなくなっている。文化予算が低すぎる問題もある。日本映画はいま本当につらい環境に置かれています。そこに消費税増税ですから。大変危惧しています。
 映画というものはパスポートのようなもので、国境をどんどん越えていく文化です。その国固有の文化や歴史も織り込まれているし、人生の一ページをめくらせてくれるような映画もある。人類社会、人間の存在に対する全てがそこにある、と言えるものです。だから120年の歴史があるのだと思います。
 私が理事長を務める日本映画監督協会の二つの金看板は、著作権の確立と表現の自由です。後者でいえば、私個人としては、日本を含めて先進資本主義国家では排他的な傾向が大きな流れになっていると思います。偏狭なナショナリズムが勃興する時というのは、ろくな時代じゃない。
 先日も、安倍首相の靖国神社参拝に対して、アメリカ政府が疑念を持ちました。日本という国のあり方を、冷静に考えないといけない時期なのだと思います。さまざまな政治思想があってもいいわけですが、その一つが極端になって、数を力に全体に押し付けるようなやり方が好ましいとは、まったく思いません。民主主義における多数者の義務というのは、いかに少数者の声を尊重するかです。
 希望は捨てていませんよ。われわれの世代は団塊の世代ですが、その一部は、世界は変革できるかもしれないと若き日に思った時期があった。この世代がどういう反応を示すかというのは、非常に重要なことだと思います。


憲法9条ノーベル平和賞候補に!安倍自民にとってダメージか?いやいや暴走加速しているぞ!《゚Д゚》

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あたらしい憲法のはなし 六 戦争放棄

日本国憲法
第九条  日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する
○2  前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない



憲法9条、ノーベル平和賞候補に
(沖縄タイムス)
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=66680
 戦争放棄を定めた憲法9条をノーベル平和賞に推そうと市民団体がインターネットなどで呼び掛け、趣旨に賛同した大学教授らがノーベル賞委員会(ノルウェー)に推薦状を送ったところ、候補として受理したとの連絡があったことが11日、市民団体への取材で分かった。

 市民団体「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会(相模原市)によると、ノーベル賞委員会から9日夜に受理を知らせるメールが届いたという。

 実行委は神奈川県座間市の主婦がインターネットで呼び掛け、共感が広がって発足。平和賞は個人や団体に贈られるため受賞者は「日本国民」とした。(共同通信)


2014年度ノーベル平和賞候補にノミネート
「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会
http://nobel-peace-prize-for-article-9.blogspot.jp/


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「原発全面解禁」 エネルギー基本計画、閣議決定
(田中龍作ジャーナル)
http://tanakaryusaku.jp/2014/04/0009112

昨夜、作製したプラカードを手に抗議に訪れた男性。声をからして「原発ゼロを撤回するな」と訴えた。=11日正午ごろ、首相官邸前 写真:筆者=

 福島の惨劇は何だったのだろうか。安倍内閣は今朝、「原発を重要なベースロード電源である」とした経産省の「エネルギー基本計画」を閣議決定した。

 「原発ゼロを撤回するな」…首相官邸前には閣議決定に反発する市民たちが正午頃から続々と詰めかけ怒りの声をあげた。呼びかけたのは毎週金曜日夕方「再稼働反対」を2年間に渡って訴えてきた首都圏反原発連合。

 閣議決定された「エネルギー基本計画(案)」を読むと唖然とすることだらけだ。開いた口が最後まで塞がらない。 

 先ず大前提からしてウソだ。第2節の2「化石燃料への依存の増大による国富の流出」で――火力発電のための輸入燃料費は、ベースロードとして原子力を利用した場合と比べ、約3・6兆円増加すると試算される、とある。(第8ページ)

 「原発はコストがかからないんだよ」。経産省はまだこんな古典的なマヤカシが通用すると思っているようだ。

 これが真っ赤なウソであることは元東電技術者の小野俊一氏が講演や著書で告発し続けている。小野氏が在職中の東電社内資料によると1kwh発電するのに福島第一原発は15円を要した。火力はわずか2~3円だ(1995年頃)。

 原発は事故が起きなくてもこの高コストなのである。小野氏によれば原発の発電コストが図抜けて高いのは東電社内の常識だった、という。

   《大手を振って再稼働》
 
 第3節の3「原子力利用における不断の安全性向上と安定的な事業環境の確立」――原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し原子力発電所の再稼働を進める
。(第40ページ)

 再稼働がいよいよ大手を振って歩き始めたのだ。原子力規制委員会とは再稼働を正当化するための機関だったことが改めて明らかになった。九州電力の川内原発は早ければ今夏にも再稼働するとの見方がある。


青森県六ケ所村・再処理工場。プルサーマル計画という壮大な虚構に巨額の税金を湯水のごとく注ぐ。=写真:筆者=

再稼働のはてには、「プルサーマルの推進」「六ヶ所再処理工場の竣工」「MOX燃料加工工場の建設」「むつ中間貯蔵施設の竣工」とくる。(第43ページ)

 事故を起こした福島原発3号機はプルサーマル事業のひとつだ。フルMOXの大間原発は、自治体から差し止め訴訟を起こされようとも建設、運転するのである。

 「再処理工場」は巨費をドブに捨てるに等しい。ある国会議員のもとに電力会社の幹部が説明に来て「先生、しばらく動かないから(事故は)心配ないですよ」と言ったそうだ。

 壮大な無駄と分かっていても、安倍政権と原子力村にとっては事業を続けることに意義があるのだ。血税を使われて危険な目に遭わされる国民はたまったものではない。

 第10節「エネルギー国際協力の展開」で、原発輸出は「(相手国の)エネルギー源確保のため不可避」とした。(第66ページ)

 ここまでくればもう原発全面解禁である。安倍政権はすべてを「3・11」前に戻した。

 官邸前にはたまたま今日が「休み」のサラリーマンや孫のためにも原発をなくしたいという年金生活者たちが訪れて、「閣議決定に反対」の声をあげた。

 さいたま市の会社員(男性・50代)は2年間ほぼ毎週のように「金官」に参加してきた。男性は「くやしい」と奥歯を噛みしめた。「閣議決定されてもあきらめずに声を合わせていくことが大事。強い民意を見せつけることで国にプレッシャーをかけたい」。

 「怒りが湧く」と話すのは都内の会社員(男性・40代)だ。「大学院で物理を学んだ身としては、あんな危険な物を動かしてはならないという気持ちで来た」。



安心神話に惑わされない低線量被ばくの基礎知識
(東京新聞・こちら特報部)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014040802000166.html
 「ただちに健康に影響はない」。福島原発事故の直後、政府が繰り返した言葉だ。事故から三年が過ぎ、それは「安心していい」に変わってきた。環境省は先月下旬、福島での小児甲状腺がんの発生が他県との比較で多発とは言い難いとした。国連科学委員会もがんの増加は確認できないとしている。これらをうのみにしてよいのか。「安心」をめぐるいくつかの問題点を専門家に聞いた。(荒井六貴、榊原崇仁)

安心神話に惑わされない低線量被ばくの基礎知識01

【青森、山梨、長崎各県での小児甲状腺がんの発生を調べていた環境省は先月28日、「福島県と発生頻度は同じ」と発表した。国連科学委も今月2日、福島事故によるがんの増加は予想しないと報告した。】


京都大原子炉実験所の小出裕章助教は、環境省の発表内容について「疫学的に比較するなら、同一条件で検査しなければ意味がない」と話す。

福島県は事故当時18歳以下の全員が対象で、これまで27万人を調べたが、3県の調査は各県1500人程度。さらに福島の調査はゼロ歳からだが、3県は3歳以上18歳以下だ。

元国会事故調査委員会メンバーで、独立行政法人・放射線医学総合研究所の元主任研究官の崎山比早子氏は「甲状腺がんは8歳ぐらいから発症するケースが多いとされる。3歳以下を調査対象に含めていない3県の割合は高めの数字が出てしまう」と解説する。

さらに3県調査で見つかったがんは1例しかない。

小出助教は「何かの傾向を統計的に調べるには一定の数が必要だ。これでは検証できない」と指摘する。

国連科学委の報告書については、崎山氏は「事故から3年では、まだ影響がはっきりしない。それにもかかわらず、放射線のリスクよりも、不安が健康に与える影響の方が大きいと書いてある。こうした部分に原発事故を過小評価する意図を感じる」と話した。

【チェルノブイリ事故で小児甲状腺がんが増えたのは4、5年後。それゆえ、福島で現在見つかるがんと事故の因果関係はないという根強い主張がある。】

小出助教は「チェルノブイリでは、事故直後から現地の医師らが『甲状腺がんが増えている』と警告していた。だが、国連などは放射線影響研究所による広島・長崎原爆での調査を持ち出し、『がんが増えるのは10年後』と無視した。ところが、4、5年後から患者数が激増したため、事故との関係を認めざるを得なくなった」と説明する。

「実は放影研の調査は現場投下から5年だった。こうした例からも、過去の知見が必ずしも正しいとは限らない。大切なことは過去例を基にした推論ではなく、現在の事実だ」

崎山氏は「がんの発生と原発事故の因果関係を否定する一部の学者らは、検査機器の性能が向上したから多く見つかったという。そうならば、数年後の検査では新たながんの発生が見つからないはずだ」と話す。

さらにがんのみに注目すべきでないという。「チェルノブイリでは心臓の異常など他の症状も出た。福島でも甲状腺以外も調べる必要がある。セシウム137の半減期は30年。住民を被ばくから守る努力がもっと必要だ」と強調する。

安心神話に惑わされない低線量被ばくの基礎知識02

【「100ミリシーベルト以下の被ばく量では、発がんリスクが増えるという明確な証拠はない」という論理が繰り返されている。】

小出助教は「放影研の1950年からの被爆者の追跡調査のほか、原子力施設の労働者や医療被ばくに関する調査でも、低線量被ばくで発がんリスクがあるという歴然としたデータが出ている」と反論する。

放影研が2012年に発表した追跡調査の報告書では、発がんさせる放射線量について「(これまでの調査からは)しきい値は示されず」とある。「国際放射線防護委員会(ICRP)ですら、低線量でも発がんの可能性があるという立場を取っている」

崎山氏はドイツの放射線専門家マルクス・レイブリッヒ氏らが03年に発表した低線量被ばくの影響についての論文に触れた。論文は、放射線がDNAに複雑な傷を付け、その傷は1.3ミリシーベルトでも付き、放射線量によって増えることを示している。

「放射線は低線量でもエネルギーが大きく、結合を壊してしまう。DNAが損傷すれば、修復ミスが発生し、細胞の突然変異が起きる可能性が出てくる。それががんに結び付く」

【低線量被ばくによるがんは発生割合が低く、たばこや生活習慣などの原因に隠れてしまうという意見も依然として強い。】

崎山氏は「それで放射線が無害ということにはならない。たばこは個人の好みの問題で選択権がある。そうしたことと原発事故で無理やり被ばくさせられることは同様には扱えない。被ばくを受忍しろというのはおかしい」と訴える。

前述の放影研の報告書でも「リスクがゼロは線量がゼロの時以外にない」と結論づけている。「英国やオーストラリアでは10ミリシーベルト以下でも、白血病や脳腫瘍が増えるというデータが発表されている」(崎山氏)

小出助教も「低線量被ばくによる発がんの数は少なく、検知すること自体、難しいかもしれない」と語りながら、「原発事故由来の放射線は本来、受けなくてもいいものだし、発がんリスクもゼロではない。『他のリスクに紛れてしまう』という言葉で済ませてよいわけがない」と説いた。

【それでも政府は「リスクコミュニケーション」で福島の被災民に「安心」を流布している。ただ、事故直後の被ばく量は現在も分かっていない。】

崎山氏は「科学的観点だけから見れば、20ミリシーベルト以下の低線量でも健康への影響を否定することはできない。除染しても線量が下がらない現実があり、経済的な観点も健康影響の判断材料に入れてしまうから、低線量被ばくを軽視することになる」と解説する。

「チェルノブイリは福島より線量が高かったから、がんが発症したという学者もいるが、国や福島県は住民の初期被ばくについては十分に調べなかった。健康に影響がないとすることで、国や県はそのミスを隠したいのではないか」

放射性ヨウ素は半減期が8日間と短く、迅速に調べる必要があった。これについては、政府が実施した1080人分の検査など、ごく限られたデータしかないとされている。

小出助教は「現段階ではどれだけの健康影響があったのかは分からない」と前置きし、こう訴えた。

「(年換算で5.2ミリシーベルト以上になる)放射線管理区域並みの線量の地域で生活するわけにはいかない。しかし、現実には多くの人がこうした環境で生活を強いられている。予防原則を踏まえれば、国家財政が破綻してでも政府が責任を持って避難させるべきだ」

[デスクメモ]
放射線量の基準には一定の数値未満なら安全というしきい値がない。利益と比べ、この程度なら受忍できるという水準しかない。つまり利益がなければ、基準はゼロになる。代替エネルギーや節電を急ぐ理由でもある。しかし、原発をカネもうけや野望に使いたい者はだだをこねる。このたぐいは論外である。



山下俊一トンデモ発言

http://youtu.be/PuwFrNEgDTg

放射線 放射性物質 Q&A 急性症状が出る被ばくとは(福島民報)
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2014/03/post_9501.html
 放射線被ばくによって鼻血などの急性症状が起きることがあると聞いたことがあります。どのくらいの被ばくをするとそのような症状が起こるのでしょうか。東京電力福島第一原発事故ではあり得ますか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大教授 高村昇さん

■「しきい値」以上で出現する 県内の一般住民では出ない

 放射線被ばくによる急性症状の特徴として、放射線量の「しきい値」が存在していることが挙げられます。つまり、それぞれの急性症状は、「しきい値」と呼ばれる、ある一定の線量を超えない限り、出現しないということがいえます。
 例えば、白血球や赤血球、血小板などの血液細胞を作っている骨髄の細胞が500ミリシーベルト以上を一度に被ばくすると、骨髄の細胞数が減少することが知られています。このため、白血球減少による感染症を引き起こしたり、赤血球減少による貧血、あるいは血小板減少によって出血が止まりにくいといった症状が起こることになります。
 一方で、500ミリシーベルトを下回るような線量の被ばくによっては、急性症状が起きることはありません。
 また、非常に高い線量の放射線を一度に被ばくすると、「急性放射線障害」と呼ばれる、さまざまな症状(脱毛、消化器症状、放射線やけどなど)が起きます。残念ながら現代の最新医療を用いても8000ミリシーベルト(8シーベルト)を超えるような高い線量を一度に被ばくした方を救命するのは、困難とされています。
 3年前の東京電力福島第一原発事故以降、現在までに県内に住んでいる一般の方の中で放射線被ばくによる急性症状を起こすような線量を被ばくした方はいません。このため、例えば、県内で子どもが鼻血を出すような症状が見られた場合でも、急性放射線被ばくによる血小板減少で起きた症状とは考えにくいといえます。


内部被曝が問題であるに低線量被曝にすり替える御用学者!
ふざけるのもいい加減にしろ!
(`・ω・´)



必見です
肥田舜太郎医師、
内部被爆の真実・危険とどう向き合うか


http://youtu.be/wzhdFpx_RMQ



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理研と小保方氏の主張の対立点


会見で配布された小保方氏のコメント全文
http://pat.intellectual-info.com/bio-mori/news/13167/


小保方さん問題を武田教授が解説 [ 19 ] STAP事件簿 (1) 2013年正月

http://youtu.be/9u9t077IiqM
STAP事件簿01 2013年正月
http://takedanet.com/2014/04/post_de9f.html
(STAB事件は今、進行中ですが、日本文化(学問、教育、若者)のために大切なことなので、整理をしておきます)

STAP事件簿は、今(2014年4月)からさかのぼること約1年3か月、つまり2013年の正月から始めることとする。

正月明けから理研の発生再生総合研究センター(発生センターと呼ぶ)の首脳部は重要な決定をしようとしていた。それは数か月先、できれば3月か4月までに、STAP細胞についての「理研の特許」と「ネイチャーに掲載されるような論文」を出すことを決めなければならなかったからだ。

「木を見て森を見ず」にならないように、この事件簿ではできるだけ詳細にわたることを避けて、物事の本質に迫りたいと思うので、この会議の細かい発言や人物像はここでは割愛して、先に進む。

国際特許を出しても、論文を出しても、いずれ1年から2年ほどの間に公開されるので、ほぼ同時期に出すのが適当だ。つまり、特許だけにすればお金だけ、論文を出せば名誉だけ、と言うことだから「お金と名誉」の二つが必要な理研としてはどうしても二つは出さなければならない。

しかし、特許の方は「権利を持つのは組織」で「発明者は二の次」であるし、論文はその逆で「名誉を受けるのは個人」で「組織は二の次」である。

また特許というのは、「自然科学」と「社会の法律的権利」というかなり専門領域の違うものを結び付けなければならないので、それをつなぐために、実験担当者(小保方さん?)、上司(笹井さん?)、理研の弁理士(執筆者)で共同して行い、理研の知的所有権の部署にも十分な説明を上司の方からすることになった。

(この事件簿で?がついているのは、公式な発表がないことから確認が取れていないもの、警察の捜査が必要なものなどのものである)

理研以外にSTAP技術の権利を主張するアメリカ・ハーバード大学との提携機関である「ブリガム女性病院」、日本の「東京女子医大」などがあるので、そことの合意を測りながら、国際特許を出願することになった。

理研のデータについては小保方さんを中心とした実験チームが出して、上司と弁理士が説明を受け、弁理士が代筆して第一案を出して来たら、それを理研の発生センターで検討し、合わせて日米の関係先に検討してもらうことになった。

現場はさっそく作業に入り、弁理士が発生センターに来て、実験の様子やデータ、打ち合わせを行い、知的財産部では、アメリカと女子医大との間で、これまでの成果に対する貢献割合を決めて、特許になった時のお金の取り分などの協議に入った。

特許の方が動き始めたとき、小保方さんや上司などの現場サイドはさらに忙しくなった。というのは、特許と論文のデータなどの中身は同じだったが、ネイチャーに論文を出すとすると、どのような構成で行くか、英文の作成、写真や図表の整備などが必要なので、それはそれで並行して現場チームが担当した。


そして、運命の論文が2013年3月10日、旧陸軍記念日にネイチャーに投稿された。論文の表紙には、”Received 10 March 2013” となっている。つまり、論文の原稿が小保方さんからネイチャーに送られて、ネイチャーの担当者が投稿されたことを確認したのが3月10日だったということが分かる。


続いて、2013年4月24日に特許が出願された。正月から3か月、理研や関係機関の多くの人が努力した、「特許と論文」はこうして提出され、発生センター長、知的財産部署長、そしておそらくは理研理事長から「世紀の発見と工業所有権の申請」についてねぎらいの言葉があり、これが理研の今後の「発展」(学問的発展ではないが)に大きな意味を持つことが関係者で確認されたであろう。

そして、5月の連休には一仕事を終わった人たちがしばらくぶりの休みを取り、ゆっくりと骨を休めた。

理研の記者会見で私が不信感を持っているのは、特許と論文がほぼ同時にでてきて内容も同じと考えられるのに、「理研が出した特許」には触れず、「個人が出した論文」だけを問題にしたということです。

普通には「同じな内容の特許を出していて、それは理研が出した(主体者は組織としての理研)ものだから、論文に記載されているのは事実である。」と言うはずだからです。

(平成26年4月6日)

(録音を聴いてみると弁理士のことを弁護士と言っているところがありました。すみません)

小保方さん問題を武田教授が解説 [ 20 ] STAP事件簿 (2) 2013年暮れ

http://youtu.be/Ks0lQTCUobM
STAP事件簿02 2013年暮れ
http://takedanet.com/2014/04/post_6108.html
2013年の5月の連休もあけて、理研は第二段階に入った。

知的財産担当は連休前に提出した国際特許を今後どうするかの協議を続けていた。国際特許はその後、各国の知的財産を申請するのが普通であるが、方法や戦略は多岐にわたる。

とにかく「お金になる特許」と考えられるので、関係先との調整も含めて慎重に進められてきた。理研としても国庫の研究費を獲得したり、理研100年の計にも影響があるこの特許に強い関心を持っていた。

当時の理研の知的財産に関する重要会議の議事録などが公開されることを望む。

現場では、まず小保方さんが毎日のようにネイチャーからくる「査読結果」に追われていた。論文を出すと数か月で最初の審査の結果が来て、普通は2か月以内ぐらいに返事を出す。

査読は、研究の筋から、文章、さらには語句の修正まで多くの指摘があり、写真などの追加、修正、説明などを求められる。

論文は提出された後、思いがけなく「そのまま通る」ということもあるが、もし「ある程度、杜撰な論文」の場合は、少なくとも数回は査読委員とのやり取りがある。かつては郵送だったのでかなりの時間を要したが、最近はメールで片付くので格段に早くなったが、それでも返事を出すのに1か月ぐらいはかかる。

そこで小保方さんは上司とも相談しながら、査読に対応していた。その間、10名ほどの実験部隊は追加データを取ったり、新しい実験に取り組んだりしていただろう。


その努力が報いられて、投降した論文は、ついに10か月後の暮れも押し迫った2013年12月20日に「アクセプト・・・つまり査読を通過して雑誌への掲載が決定される。上のものでは、"Accepted 20 December 2013"となっているところで、日本語では「2013年12月20日 掲載証人」という意味である。」されたのである!!

論文を提出してもそれが「アクセプト」(掲載可)になるかどうかは一つの賭けだから、研究チームも、上司も、理研首脳部も喜んだに相違ない。

またタイミングも2014年の4月に理研の「特定法人」の指定の時期から言って、その前年の12月だから、最善だ。このような経営的な意味を持つ論文や特許は首脳部はその経過を事細かに知っているのが普通である。

また、日本人は欧米のソサイアティーに深く入り込めないので、「論文を出したら、査読に従う」というのが普通だが、アメリカなどでは、雑誌社の関係者に電話して「急ぐから何とかしてほしい」ぐらいの圧力はかける。

今回の論文はハーバードのバカンティ教授も関与しているし、理研も国際的なネットワークを持っているので、ネイチャーとの事前の折衝もあったと考えても良い。

いずれにしても、ネイチャー論文が2014年の一月末に掲載されえることになり、理研もさらに先のことに動き出すことができるようになった。

特許は公開するまで内容を秘密にしておかなければならないので、「記者会見」のような派手なことはできない。しかし論文は掲載されれば直ちに詳細が分かるので、演出もできる。だから「論文掲載の決定」は組織にとっては重要である。


ところで、ここで論文と特許の著者(発明者)を確認しておきたい。論文の著者(横のコピペ)はすでにマスメディアを通じて明らかなように、小保方さんを筆頭にして、若山教授、笹井さんなどが並んでいるが、特許の発明者にはバカンティ教授を筆頭として、小保方さんは一発明者である。(下のコピペ)


いずれにしても2013年暮れ、理研の関係者は「忘年会と祝賀会」を開いて年を越すことになった。

(平成26年4月7日)

小保方さん問題を武田教授が解説 [ 21 ] STAP事件簿 (3) Xデー / 2014年1月28日

http://youtu.be/3e7uDzrIEQc
STAP事件簿03 Xデー
http://takedanet.com/2014/04/post_99d2.html
2014年の正月。STAP細胞の関係者は忙しかった。なにしろネイチャーに掲載されるSTAP論文が1月末に掲載されることが決定されるわけだから、その時期に合わせてなにかの発表をする必要があるからだ。

どうせ発表するなら、できるだけ派手にやる必要がある。少し前なら、重要論文がでて、それが偶然にもマスコミの目に留まったら、研究者のところに記者が押し掛け、研究者が研究室の奥からでてきてはにかみながら記者の質問に答えるということだったが、今は違う。

研究がお金になるという時代、研究成果をどのぐらい派手に宣伝するかが研究費を獲得する上でも大切になる。研究者はそんな能力も求められる時代なのだ。

そこで、1月末までに、
1)誰を中心にして成果を強調するか。実績のある笹井さんか、あるいは若い小保方さんか?
2)笹井さんならお一人でも大丈夫だが、小保方さんとなると、まだ理研に入って数年なので、笹井さん(副センター長で上司)か、若山先生(共同研究者で教授)も同時に出席させることが必要となる。議論があっただろう。
3)議論の結果、「若い小保方さんを中心にしよう」ということになる。
4)広報部か発生センターの発案で、急いで研究室の壁をピンクに塗り、冷蔵庫にムーミンを貼ることが決まる。(この情報は複数個所から来ているもので、理研はこの疑問に答えなければならない。もともと公的財産である理研の研究室の壁を個人が勝手に塗ることはできないし、ムーミンぐらいは許すかも知れないが、漫画の張り紙や決まっている制服(白衣とか作業衣)以外の「割烹着」などを着ることは普通はむつかしい。もしそのようなことがあったら、杜撰か管理体制と言うことになる。
5)記者会見をするなら、NHKをはじめとしたマスメディアにどのように連絡するのが適当か、反響を大きくするために何を準備しなければならないか、広報部と発生センターとの間で、詳しい打ち合わせがあった。(どちらも自由にはできない)。

かくして2014年1月24日ぐらいには、小保方さん、若山先生、笹井さんなどのスケジュール調整、記者会見場所、記事が出てから理研の首脳部のコメント・・・など必要な数10項目について

広報部と発生センターで最終確認が行われた。

かなり大規模な準備だったということは確かである。


そして、いよいよXデーがくる。2014年1月30日だ。この日から4月の初旬に「論文は不正だった」と言う理研の記者会見までのことはすでに多くの人の知るところとなっているので、ポイントとなるテレビの画面などを参考にして思い出したい。

まず、最初の映像は1月30日のNHKの7時のニュースで「大発見」を報じるもので、次の映像は「リケジョ」という名前を付けてNHKが研究者の人物像を表面に出したものだ。佐村河内氏の場合と同じ手法だった。



次に周辺の研究者や先生で、一人は理研の上司の笹井さん。この人は万能細胞関係の研究では日本の有数の方で、36歳で京大教授になり、その後、理研に移っている。世界的な業績を上げている人と言ってよいだろう。

1月30日の記者会見では、笹井さんは、記者会見で、小保方さん―若山先生―笹井さんと並んで座り、時々、小保方さんの答えが不十分と思った時には小保方さんのマイクを取って自分で回答していた。研究に主導的な役割を果たしていたことは、経歴、実力、立場から当然でもある。

また、NHKでは小保方さんの人物像を詳しく報道したが、その一つが早稲田大学で博士号と取得したことだった。この映像は小保方さんの博士課程の指導教員で、後に博士論文疑惑が出てきたが、現在(2014年4月)の時点で、まだマスコミには出てこられないので、論評できないが、早く何らかの形で博士論文審査の時の考えを公表してもらいたいと思う。

ともかく、こうしてSTAP細胞のXデーは「大成功」で終わった。

(注)著作権の判例では、テレビの画像の一部を切り貼りして使うのは、番組自体を激しく攻撃するような場合を除き、著作権(「思想又は感情に基づき創作的に表現したもの」に該当しない。

(平成26年4月7日)

小保方さん問題を武田教授が解説 [ 22 ] STAP事件簿 (4) ネットの人

http://youtu.be/-wPE7CQWM-I
STAP事件簿04 ネットの威力と不思議な現象
http://takedanet.com/2014/04/post_6baa.html
Xデーの後、1か月たたないうちに、STAP論文に対して「火の手」が上がった。そして4月初旬には「論文に不正行為があった」と理研が発表する。このことは「常識」では到底、考えられないことだ。

わずか1か月ほどの間に、STAP細胞の写真、小保方さんの博士論文の第一章の問題などが次々と指摘される。仮に指摘した人が「素人」とすると、驚くべき能力と情報力だ。STAP論文の内容を理解し、写真を見て判断でき、3年前に小保方さんが使った写真を知っていて、さらに博士論文の第一章に使われた文章が、遠くアメリカのネットに出ているものと同じということを指摘したのだから、すごい。

この中でも、コンピュータである程度、突き止められるコピペなどは別にして「不適切な写真」などは普通は専門家でなければわからないからだ

たとえば私のように生物学も大学時代に専門課程でも学び、学術誌を読んでいる人でも、普通はネイチャーの論文を読み、「へー、こんなことがあるのだな」と思うだけで、そこに示された図が「間違ったもの」ということはわからない。

もちろん、ネイチャーの審査(査読)は厳密であり、かつ専門家中の専門家がやるのだから、それを私が読んでわかるはずもない。それがなぜ「ネットの人」はわかったのだろうか??

また、もう一つの疑問は、小保方さんが「ズルをする人」なら、早稲田大学の友人や先生、理研の仲間が分かっているはずだし、「普通の人」であっても、データを誤魔化すようなことが「集団で仕事をしていてわからない」ということはあり得ない

NHKのニュースにでた早稲田大学の学生は、「日曜日にも熱心に研究していた」と賛辞を送っている。一連のNHKの放送では、小保方さんの日常が異常だったというものは一つもない。取材が正しく行われたとしたら、その後の取り扱いと全く違う。



大学で学生一人に実験をやらせているときには、「少しおかしいな」と思うことがあるが、2,3人でグループを作っている時にインチキをするということはあり得ないし、できない。

また研究は検討会があり、そこにデータが出てくるので、上司や関係先の人は研究過程ですべてを理解している。もしある時に作為的なことをしたら、つじつまが合わなくなる。なぜつじつまが合わなくなるかと言うと、普段の日常生活のことなら「全体の内容が良く分かっている」からこそゴマ化しもできるが、科学の研究は「次がどうなるか」がわからないので、ウソのつきようがないからだ。

つまり、一緒に研究しているグループの人、上司の人、共同研究の人、理研の人、知的財産担当者、ネイチャーの査読委員、そして私・・・などがすべて理解せずに研究が進み、論文を読んだのに、なぜ「ネットの人」が直ちに論文の欠陥と、普通には見ることができない博士論文を調べることができたのだろうか?

実に不思議である。

(平成26年4月8日)

小保方さん問題を武田教授が解説 [ 23 ] STAP事件簿 (5) 小保方晴子記者会見 / 2014年4月9日

http://youtu.be/bQFo2x2l1PI
STAP事件簿05 小保方さんの記者会見
http://takedanet.com/2014/04/post_1f71.html
驚くべきことに、2014年4月9日、小保方さんが記者会見を行い、「ご迷惑をかけた」と謝った。本来、謝るようなことは必要ないが、社会が勝手に騒ぎ、勝手に批判したのだから、「悪人」がいるとしたら社会だが。

いずれにしても、彼女はやや感情も動いていたが、論旨はしっかりしていた。

科学的事実自身はなにも問題ない、

論文を提出する際の「村の掟」をあまり知らなかった、

STAP細胞の研究をさらに続けたい

今回の論文は現象を示したにすぎず、今後は作成条件などを進めていきたい。
というものだった。

これまで日本社会は何を騒いでいたのだろうか? 「論文の書き方が悪い」からといって科学的進歩自体を破壊してしまうのが日本社会の目的だったのだろうか?

彼女自身が言ったように「研究とは違うことばかり」という感じは私が論文を読み、長い科学研究の経験とまったく同じ感覚だった。

またこの記者会見のなかで、質問する記者が「ネットで」とか「ソサイアティーは」とか曖昧な根拠を示すことが多かった。つまり、「悪人が善人をバッシングする」という「リンチの社会」がまだマスコミの存在やネットによって日本に横行していることを示している。

会見の中で、理研の策謀も明らかになった。理研は審査委員会のメンバーがたった一度、小保方さんのところに言って「ノートはありますか」と聞き、その場にあったノートをもっていった。そして理研の会見では「3年間で2冊しかノートがない」という理由で、研究が杜撰という結論を出した。

理研こそ、悪意を持つ集団の可能性が高い。日本人は権威に弱いので、個人と理研と言う権威が並ぶと、理研が正しいと仮定する悪い癖がある。もともと実験ノートは「研究とお金」が関係している時だけ必要で、本当の学問にはノートは関係ない。

またテレビでは学生が「自分の卒業論文でもコピペは・・・」というようなことを言っていたが、教育と研究を間違ったり、著作権を知らなかったり、村の掟だったりの方を信じているのは情けない。


私が読んだ感じは、「研究はしっかりしているが、論文を書くのに慣れていない」という感じがした。論文を書いた経験が浅いから、不完全なものは仕方がない。なぜ、日本社会はこれほど間違えるのだろうか。

STAP細胞があっても無くても、小保方さんは立派な研究者だ。

(平成26年4月9日)

小保方さん問題を武田教授が解説 [ 25 ] STAP事件簿 (7) STAP論文

http://youtu.be/t9HZtPaugE4
STAP事件簿07 私がSTAP論文を読んでみると・・・
http://takedanet.com/2014/04/post_3b17.html
私がSTAP論文を読んでみると、なかなかの大作で、図表が70枚ぐらいもある有意義で良い論文と言う印象を受けた。英語のレベルも高く、説明も丁寧、引用文献も多からず少なからず、なかなか優れた論文だ。

なにはともあれ、論文を読んでいくと、厳しい環境の中で生き残った細胞が初期化するのだな、そしてそれから生体が誕生する可能性があるということがわかる。それが真実かどうかではなく、著者はそう考えていることが分かる。論文はそれで十分で、真実が示されているわけではない(人間には不可能)。

基礎的な研究もあり、面白くもあり、さらに将来につながる大きな発見の可能性もあるなという感じだった。これならネイチャーの査読委員も掲載するだろう、世界の科学には大きな貢献をすることは明らかだ。

読んでいるとわたしには「間違った写真」というのはわからなかったし(査読委員もわからなかった)、もし2,3枚の写真が違っていても、この論文で示した新事実にはまったく影響はない。

私が日本の学者でこの論文に批判的な意見が理解できないのは、問題になっている論文は立派な論文で、刺激的であるし、かりに今、問題になっているところを修正してもしなくても、結果として示されていることは変わらないから、「科学的事実としてなにが問題なのだろう?」と思う。

たとえば、小保方さんや共著者の笹井さんなどを「再教育」する必要があるという見地からは、「もう少し慎重に論文を書きなさい」という忠告や指導はあり得るが、笹井さんなどは一流の研究者だから、それも失礼なことだ。

あえて言えば、あまりに親切に説明していることが結果的に小さな欠陥を作った感じもする。ベテランの学者なら写真などは半分も出さなかったと思うけれど、やはり若い研究者は(自分もそうだったが)「説明したい」という気持ちがあって、丁寧に写真などを出す傾向がある。

でも、それも問題はない。データを多く出すというのは危険なことだ。ミスも増えるし、基礎的な段階では「相反するデータ」というのが多くあるので、すべてを出すと論旨が通らない。これは「ウソをつく」とか「隠す」と言うことではなく、「相反するデータのある中で、その研究者はどのように考えているか」が分かればよいからである。

もし、すべてのことが分かってから論文を出したら、他の人はSTAP研究をすることすらなくなり(すべてが分かっているから研究にならない)、しかもそれが一人の人の人生の中で終わるかどうかわからない。

記者会見の後、やや心配な議論は「STAP細胞があればOK,なければダメ」という意見が出てきたことだ。いま、問題になっているのは、「論文の書き方に少し欠陥があった」ということであり、「論文自体が間違っていた」ということではない

また基礎研究段階では、「これまでの事実から、こう考えられる」ということを「正しく」推論しても、後のそれが間違っていることがある。たとえば、地動説でも、ロケットを宇宙に打ち上げて太陽系を見たわけではなく、小さな望遠鏡で星の動きを見て、惑星の動きは計算してみると太陽の周りをまわっていないとつじつまが合わないと言っているだけだ。

でも最初はそれからスタートして、いろいろな観測をみんなでして、次第に新しい発見が完成していく。最初から「正しいかどうか」などを問うたら学問は成立しない。その意味で、STAP細胞は本当か?という質問は科学の進歩にとってきわめて危険である。

(平成26年4月10日)


小出裕章先生:それを知りながら、何の抵抗もしないまま生きることは、私には出来ません

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◆【小出裕章ジャーナル~第66回】
米国がウランとプルトニウムを返せと言った理由 2014/04/12

http://youtu.be/pn96F8EBGEU
アメリカが日本にウランとプルトニウムを返せと言ったわけは? 「高濃縮ウランやプルトニウムという物質を海外に出してしまうと、それがいつか原爆になってしまう危険性があるからです」~第66回小出裕章ジャーナル
http://www.rafjp.org/koidejournal/no66/
石丸次郎:
今日のテーマなんですが、「アメリカが日本にウランとプルトニウムを返せと言ったわけは」 ということでお送りしたいと思うんですが。

3月24日25日にオランダハーグで開かれた核セキュリティサミットで、 日本は米国に高濃縮ウランと分離プルトニウム331キロを返還するということが 発表されましたけれども。

よく分からないんですけども、このアメリカに借りていた 高濃縮ウランプルトニウムを返すというのは、 これどういう事なんでしょうか?

小出さん:
はい。 基本的に、高濃縮ウランとかプルトニウムという物質は原爆材料なのです。 例えば、私のところ京都大学原子炉実験所にも原子炉はありまして、 1964年に臨界という状態に達しました。 つまり、ウランの核分裂の連鎖反応が始められる状態になったのです。 その原子炉を作って京都大学に提供してくれたのは米国です。

そして、原子炉を提供する時に、その原子炉が動くように 高濃縮ウランも一緒に提供してくれました。 ですから、京都大学原子炉実験所でも高濃縮の原爆材料である 高濃縮のウランを使ってずーっと運転をしてきたのですが、 米国がある時に気が付きました。
原子力発電と原子爆弾の違い
こうやって高濃縮ウランやプルトニウムという物質を海外に出してしまうと、 それがいつか原爆になってしまう危険性があるという事になりまして、 京都大学原子炉実験所の場合は、確か1980年代の初めだったと思いますが、 米国がこれ以降はもう高濃縮ウランをやらないということになりました。

石丸次郎:
アメリカはもう提供しないという。

小出さん:
そうです。はい。 それで、それまでに米国から提供受けていた高濃縮ウランが ちょっと様々な経緯があって、京都大学原子炉実験所にありまして、 それをとにかく使うということで 京都大学原子炉実験所の原子炉もずーっと動いてきたのですが、 今から何年だろう、10年にはなりませんが、10年近く前に とうとう燃料が尽きてしまったのです。 京都大学原子炉実験所の場合には。

それで、どうするかという事になりまして、ちょっとした改造をしまして、 今は中濃縮ウランというものを使ってようやく原子炉を動かしている。 原爆にはならないというウランでやっているのです。

ですから、米国としては海外に高濃縮ウラン、 プルトニウムというものを渡したくないし、 一度渡してしまったものも何とかして取り返そうとしてきたわけです。

日本の場合には、私は、日本は米国の属国だと思っているのですが、 日本が米国の属国である限りはまあいいだろうと言って、 お目こぼしをしてきてくれたのだと思いますが、 最近の国際情勢の動き、特に、安倍さんの動きを見ていて、 米国が少し牽制をしなければいけないと気が付いたのだろうと私は思います。

66koide

石丸次郎:
なるほど。 日本には国内に10トン。 それから、海外の物も含めると44トンのプルトニウムを保有してると。 ということは、331キロというのは1パーセントですよね。

小出さん:
はい。
日本のプルトニウム保有量推移

※我が国のプルトニウム管理状況 (内閣府)
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2006/siryo35/siryo12.pdf
我が国のプルトニウム管理状況

石丸次郎:
これは、そうすると、これだけアメリカが返すということを求めてるということは、 他の物は日本で作られたということですか?

小出さん:
はい。 44トンと今石丸さんがおっしゃって下さったのは、 日本の原子力発電所を運転して日本で作り出した物なのです。

ですから、基本的には米国の物では元々はなかったのですが、 日本の場合には日米原子力協定というのがありまして、 全ての核燃料物質は米国の規制の下にありますので、 場合によってはそれも米国に渡せというような話になるかもしれませんが、

※原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定
http://www.nsr.go.jp/activity/hoshousochi/kankeihourei/data/1320751_006.pdf

今、日本が保有してる44トンのプルトニウムは、 核分裂性のプルトニウムが約70パーセントしか入っていないという、 そういうプルトニウムで、原爆の材料にはなりますけども、 高性能な原爆は作れないという、そういうプルトニウムなのです。

ただ一方、今米国が返せと言ってきた300キログラムの物は、 高性能な原爆が作れるプルトニウムなのです。 ですから、米国としては日本に渡しておくよりは、 もう使い道がないなら返させた方がいいと判断したのだと思います。

石丸次郎:
なるほど。 これは、日本がこのまま独自に核開発に進むかもしれない。 あるいは、日本からこの核物質が漏れ出してしまうかもしれないということを 憂慮してるということなのでしょうか?

小出さん:
はい。 今、石丸さんが的確にご指摘くださったように、 米国は2つの点を危惧してると思います。 1つは安倍政権がこのまま放っておくと、 核武装の方に行ってしまいかねないという危惧と、 もう1つは日本にプルトニウムを置いておくと、 他の誰かに盗み出される危険が大きいという、その判断です。

例えば、米国の場合には原子力発電所も含めて、 プルトニウム等の核物質は厳重に軍が管理しています。 原子力発電所への外部からのテロ、サボタージュということに関しても 軍がキチッと管理をしているわけですけれども。 日本の場合には軍がないわけで、米国から見ると、 日本に置いておくと危ないという判断はずーっと昔からありました。

石丸次郎:
なるほど。 もう一方で、先ほどお尋ねしたように、 日本にはアメリカに返した331キロのプルトニウム以外のプルトニウムがあると。 ただ、質の高い爆弾を作れるものではないということなんですけども。

この残りの99パーセントですね、44トン。 日本国内に10トンあるというもの。 これに対しては、アメリカは放っておいてもいいという判断なんですかね?

小出さん:
これまでは日本は米国の属国だからまあいいだろうというふうに 判断していたのだと私は思います

ただし、あまりにも大量ですので、これから米国に引き渡せという話が 出てくるかもしれないと思いますし、 今現在イギリスにある分もあるのですが、それはイギリスが引き取ってもいい というようなことをつい先日も言い出しましたし、

日本は使い道のないプルトニウムは持たないという 国際公約をさせられていますので、実質的に使い道がありませんから、 場合によってはイギリスに渡す、あるいは、米国に渡す、 ということも起こりうるかもしれません。

石丸次郎:
なるほど。どうもありがとうございました。 小出さん、また宜しくお願い致します。

小出さん:
こちらこそ、宜しくお願いします。

核兵器に転用可能なプルトニウム所有量、世界一覧
核兵器に転用可能なプルトニウム所有量、世界一覧

英、プルトニウム長期保管も視野に日本と交渉

英MOX加工工場「新設」暫定方針

http://dai.ly/xmqc0f
イギリス政府は1日、原発の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムをMOX燃料に加工する新工場を建設するという暫定方針を発表しました。イギリスで保管され、行き場がなくなっていた日本のプルトニウムを引き取る可能性にも触れています。
 イギリスのエネルギー・気候変動省は1日、イギリス国内に大量に備蓄されているプルトニウムの処分方法について検討した結果、MOX加工工場を新設して燃料に加工し、国内の原発で再利用することが「好ましい」との結論に達したと発表しました。
 MOX加工工場はすでに中西部のセラフィールドにありますが、不具合が相次いだうえに、福島第一原発の事故の影響で主要な取引先である日本の需要が不透明になったことから、今年8月、閉鎖が決まっていました。
 日本の各電力会社は、この工場向けに使用済み核燃料を輸出してきたため、イギリス国内にプルトニウムの在庫を抱えていますが、イギリス政府はこうした日本のプルトニウムについても、利益が出るようならば引き取る用意があるとしています。
 新工場の建設地としてはセラフィールドが有力ですが、工場の新設はあくまで暫定方針で、イギリス政府は安全性や採算に確信が持てるまでは実行には移さないとしています。
(2011年12月3日 09:25)


【IWJブログ】
核安全保障サミット、日米がプルトニウム返還で合意 その政治的意味とは

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/131920
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 3月24日、核安全保障サミットに参加するため、オランダのハーグを訪れていた安倍総理は、日本政府が米国から提供されていた高濃縮ウランとプルトニウムを米国に返還すると発表した。24日、ホワイトハウスが、オバマ大統領と安倍総理の共同声明というかたちで発表した。

日本、高濃縮ウランとプルトニウム返還で米と合意(ロイター、3月24日)

日米、核不拡散協力で合意 プルトニウムの一部返還(日本経済新聞、3月24日)

 返還が決まったのは、茨城県東海村の日本原子力研究開発機構が、高速炉臨界実験装置(FCA)用に保管していた、すべての高濃縮ウランと331キロのプルトニウムである。

 安倍総理は核安全保障サミットで演説し、2011年3月11日の東京電力福島第一原発事故の経験を踏まえるとしたうえで、高濃縮ウランとプルトニウムの返還について、「日本には核セキュリティー強化を主導する責任がある。私自身が先頭に立って進める。日米協力の下、代替燃料を用いて最先端研究を行い、核テロ対策と研究開発を両立する」と、その意義について語った。米国にプルトニウムを返還することは、核によるテロを想定し、日米が協力して対応するための措置だ、というのである。

 しかし、今回のプルトニウム返還決定の持つ意味は、はたしてそれだけだろうか。米国からのプルトニウム返還要求について、IWJは、東京都知事選が告示された直後の1月下旬から、その政治的意味を考えるため、精力的に取材を重ねてきた。

◆プルトニウム返還、その政治的意味とは◆

 1月27日、共同通信が、「オバマ米政権が日本政府に対し、冷戦時代に米国などが研究用として日本に提供した核物質プルトニウムの返還を求めていることが26日、分かった」と、第一報を報道。この報道についてIWJが外務省に取材すると、対応した軍縮不拡散・科学部、不拡散・科学原子力課の首席事務官は、「核セキュリティー強化の中で、アメリカだけではなく、世界的に核テロの脅威となる物質をどんどん減らしていこうという大きな方向性があり、そのような中で出てきた話であると承知しておりまして、具体的な中身についてはコメントを差し控えたいと思います」と回答。はぐらかすような言い方であるが、共同通信の報道を否定はしなかった。

【米、プルトニウム返還を要求】オバマ政権が日本に  300キロ、核兵器50発分/背景に核テロ阻止戦略(共同通信、1月27日)

【IWJブログ】米国から日本政府への研究用プルトニウム「返還」要求について、外務省「ノーコメント」

 今回、日本が返還に合意したのは、茨城県東海村に保管されている331キロのプルトニウムだが、日本には、全体で44トンのプルトニウムが既に蓄積されている。これは、長崎型原爆であれば、じつに4000発分に相当する量である。

 日本がこれほどまでのプルトニウムを蓄積することになったのは、日本政府がこれまで、原発で出た使用済み核燃料を「再処理」してプルトニウムを抽出し、それを再び原発で燃料として使用する「核燃料サイクル」をエネルギー政策の柱として採用してきたからである。この「核燃料サイクル」は、原子力に関する技術を日本側が包括的に運用することを認めた、1988年の日米原子力協定によって可能となったものだ。

 現在、高速増殖炉「もんじゅ」の運転停止により、この「核燃料サイクル」の実現見通しは立っていないが、プルトニウムを生み出す「核燃料サイクル」の技術を維持することは、「兵器級プルトニウム」を蓄積し、核兵器を潜在的に保有することに、ほぼ等しいと言うことができる。

 私が、2月4日にインタビューした、文芸評論家で早稲田大学教授の加藤典洋氏は、米国からのプルトニウム返還要求の政治的意味について、「日本から中庸が消える」と指摘した。

 日本は戦後、「原子力の平和利用」の名の下、原発を導入した。しかしそれは、「平和利用」という大義名分を盾に、原発から出るプルトニウムによって核技術抑止能力を持つための手段であった、というのである。加藤氏は、戦後の日本は、「原子力の平和利用」「非核三原則」という側面、核技術抑止という側面、そのどちらが日本の本音なのかを明らかにはしないという「あいまい路線」、すなわち「中庸」を取ってきた、と指摘。しかし、その「中庸」が今、消えつつあると言うのである。


http://youtu.be/WoE0B8zf06I

2014/02/04 日本から「中庸」は消えるのか 米国からのプルトニウム返還要求について考える ~岩上安身による文芸評論家・加藤典洋氏インタビュー

 私が2月3日にインタビューした、京都大学原子炉実験所の小出裕章氏も、米国からのプルトニウム返還要求を、「明らかな政治的メッセージだ」と断言した。

 小出氏は、靖国神社への参拝や集団的自衛権の行使容認といった、安倍政権の暴走に眉をひそめる米国は、日本に対して、従来の「中庸」路線をそう易々とは認めないのではないか、と指摘し、米国からのプルトニウム返還要求は、中国との間で政治的緊張を高める日本に対して、強い警告を発する米国からの政治的メッセージと受け取れる、と語った。


http://youtu.be/R5Ni4n13zP4

2014/02/03 米国からのプルトニウム返還要求「明らかな政治的メッセージ」~岩上安身による京都大学原子炉実験所助教・小出裕章氏インタビュー

【IWJ特報!127+128号】原発と核兵器技術の保有はコインの裏表~京都大学原子炉実験所助教・小出裕章氏インタビュー

◆日本政府は「核燃料サイクル」を諦めていない◆

 今回、日本が米国による331キロのプルトニウム返還要求に応じたからといって、「核燃料サイクル」と、そのコインの裏表の関係にある潜在的核保有を諦めたと言うことはできない。事実、日米がプルトニウムの返還に合意し、共同声明を発表したのと同じ24日、自民党と公明党は、近く閣議決定される見通しのエネルギー基本計画案に関するワーキングチームで、「核燃料サイクル」の柱である「もんじゅ」を存続させる方向で合意した。「もんじゅ」は、いまだ稼働の見通しが立っていないが、にも関わらず、政府は、「核燃料サイクル」を諦めていないのである。

もんじゅ:自公が存続を条件付き容認で一致(毎日新聞、3月24日)

 安倍総理は、核安全保障サミット後の記者会見で、海外の記者から、「なぜ日本は大量の核物質を保有し続けるのか? 危険ではないか?」と問われ、「我が国の取り組みは、核セキュリティサミットの目的と完全に合致している」と、答えにもなっていない答えを披露した。安倍総理のこのはぐらかすような答弁からは、日本におけるプルトニウムの蓄積が、本心では、潜在的核保有のためであるということがうかがわれる。

安倍総理 プルトニウム大量保有に関し弁明(テレビ朝日、3月26日)

 私は2月12日、この「核燃料サイクル」を可能とするべく1988年に締結された日米原子力協定(包括協定)で、交渉の実務を外務省で担当した、遠藤哲也氏にインタビューを行った。遠藤氏の口からは、実務担当者にしか知り得ない交渉の生々しい舞台裏から、「核燃料サイクル」の今後の展望、そして日本の核武装の可能性まで、貴重な証言が次々と飛び出した。


http://youtu.be/_1VpdJPsMTA

2014/02/12 核燃料サイクルと「核技術抑止」政策のこれから 日米原子力協定の交渉担当者・遠藤哲也氏に岩上安身が聞く

 このインタビューは、詳細な注を付し、さらに遠藤氏が2012年10月4日に行った日本記者クラブでの講演の文字おこしと、遠藤氏が2007年発表した論文「日本核武装論の問題点~日本にとって現実的な政策オプションたりうるのか」を付録として添付し、メルマガ「IWJ特報!」でお届けする予定である。この機会にぜひ、ご購読いただきたい。



核兵器と原発は一卵性双生児
戦後の極秘文書が語る「原発推進のウラ事情」【1】
(PRESIDENT Online)2011年12月26日
http://president.jp/articles/-/5210
核兵器の英訳は“nuclearweapons”で、原子力の英訳は“nuclearpower”――まったく同根のはずのこの両者を、いつの間にか日本人は別物と思い込んでいた。

20世紀最大の事件は、米国による日本への2つの原子爆弾投下である。広島にはウラン型、長崎にはプルトニウム型の核爆弾がそれぞれ落とされた。コードネームはおのおの「リトルボーイ」と「ファットマン」。未曾有の破壊力とそれによる惨劇のありさまは、世界中に核兵器の強大な威力を思い知らせた。人類が目撃したその恐怖は戦後、世界の政治と経済に2つの効果をもたらす。一つは「核均衡による緊張と平和」、もう一つは「新エネルギーとしての原子力発電」である。

日米安保条約に基づく米軍駐留の対価として米国の「核の傘」で経済復興に邁進した日本は、原発事故を予測して警鐘を鳴らし続けた学者や情報を知りえた国民の反対を押し切り、政府が原発を導入する。「核の平和利用」という御旗を立て国策として進められた原発は、“絶対に安全な夢のエネルギー”として「世界有数の地震列島日本」に次々と林立した。自民党政権が54基にまで増やし続けた原発を、民主党政権でさらに14基増設しようとしていた矢先の11年3月11日、福島第一原発事故が勃発する。

原発推進を強行するため、経産省と電力会社が巨費を投じて宣伝してきた「安全、低コスト、必須エネルギー」という神話がすべて偽りであったこと、電力会社が原発に固執する理由が巨大な利潤にあったことは、これまで数回にわたり論証してきた。また、原発には巨大事故リスクとは別に「使用済み核燃料」という廃棄物の危険性もある。使用済み核燃料とは、長崎型原発で使用されたプルトニウムを含む高レベルの放射性核廃棄物だ。スリーマイル島とチェルノブイリの事故を通じて、今回のフクシマで起きた原発事故が世界中に放射性物質を撒き散らしていることも、人類はすでに知っている。

そもそも、発電から廃炉に至るすべての工程に危険を孕み、しかも、その安全確保を論理的に完結できない原発は、とても実用化できる“科学技術”とは呼べない。それが巨大技術ともなればなおさらだ。そのため、今回のフクシマ事故を機に国内でも多くの国民があらためて政府に脱原発を求めている。

ところが、国民と国体をここまで危機に至らしめた原発事故の収束も覚束ない中で、政府はなおその再開に拘泥し続け、電力会社は国民の注視をものともせず平然と「黒塗り報告書」を提出する。

スリーマイル島事故が起きる前から原発事故の危険性に警鐘を鳴らし続けた物理学者の故・武谷三男は、その著『フェイルセイフ神話の崩壊』(技術と人間、1989年)でこう話している。

「(ウランの)濃縮度を少なくしておくのは何が目的かというと、プルトニウムをとり出すためです」「割合早く燃料棒を交換しながらプルトニウムを精錬してゆく。そのプルトニウムは何の目的であるかなんていうことをいろいろ議論して、一つは高速増殖炉のためであるとか、もう一つは原爆用であるとか」「原爆の方が手っとり早い話でしょうね」「核兵器と原発は一卵性双生児だということ。原発というのは、原水爆保有国が付随的なものとしてつくりだしたものなんです」。

核兵器から生まれた原発がプルトニウムを生み、それを精錬して核兵器を拡大再生産するということだ。いうまでもなく、鍵は使用済み核燃料にある。

11年10月29日、民主党政権は福島第一原発事故の汚染廃棄物に関する中間貯蔵施設の工程表を公表した。「2012年度中に中間貯蔵施設の建設地を決め、2014年度に県内で発生した土壌などの廃棄物の搬入を開始。中間貯蔵は30年以内で終了させ、その後、県外で最終処分する」という。

しかし、安心して封印できる放射性核廃棄物の「最終処理場」は現在、世界中のどこにもない。人類の科学は、半世紀にわたる核技術研究を経た今も、その危険性をなくす技術どころか、封印する場所さえ見出せないのだ。ガラス固化体技術で固めても、地層最終処分の技術がなければ結局、問題は解決しない。にもかかわらず、最終処分する「県外」とはどこか? 汚染された瓦礫の“中間貯蔵地”が結局は最終処理地になるかもしれないことを、もはや誰もが予測している。

一方、使用済み核燃料をリサイクルする目的で建設されたのが、青森県でいまだ試運転中の「六ヶ所村再処理工場」や、相次ぐ事故で停止中の高速増殖炉「もんじゅ」と「常陽」だ。再処理工場は原発の使用済み核燃料からウランとプルトニウムを取り出して再び核燃料へと加工し、高速増殖炉はプルトニウム239を作り出して核燃料サイクルを実現するという構想である。前者は、もし再び巨大地震に見舞われて福島第一原発と同じ事故がそこで起きれば世界中の人々が被曝するほどの核廃棄物を抱え、今現在も放射性核廃棄物を撒き散らしている。後者は、事故後に停止したまま「夢のサイクル」だけが唱えられ続けている。いずれも政府と電力会社が説明してきた役割を果たさないまま、貪るように莫大な税金や電気料金を喰らい続けている。

六ヶ所村再処理工場は、使用済み核燃料プールの最大貯蔵量3000トン、年間処理能力800トンとされている。根強い反対運動でまだ工場は本稼働していないが、燃料プールはすでに満杯だ。国内の原発から吐き出される使用済み核燃料は年間1千数百トン。処理施設が足りないのである。これまで再処理を依頼してきた英仏からは、固形化された核物質が送り返されてくる。しかも、福島第一原発のプールにも3000体以上の核燃料が保管されている。最終処分場もなければ再処理工場も稼働できず、高速増殖炉のサイクルも機能しないということだ。

高速増殖炉が生む軍用プルトニウム

そうなると、政府が計画する中間貯蔵施設は、福島を「東北」というくくりで六ヶ所村と一体的に“接続”しようとする計画ではないかとの疑いが生じる。なぜなら、原発を再開したい国と電力会社にとって、暗礁に乗り上げた処理問題が付け焼き刃とはいえ“解決”するからだ。


10月31日、来日したベトナムのグエン・タン・ズン首相(写真左)と官邸で会談した野田首相。すでに2010年10月、日本企業が原子炉2基の建設を受注済みで、今後も主に新興国など海外向けの原発の輸出を本格化させる。(PANA=写真)

核廃棄物の中間貯蔵は米国の路線でもある。米国はブッシュ政権以来この10年間、「先進的燃料サイクルイニシアチブ」(AFCI)で核廃棄物の最終処分法を模索してきた。しかし、オバマ政権は11年7月29日、中間報告で大きく方針を変える。AFCIによる最終処分模索から「中間貯蔵路線」への方向転換だ。一国では処理できない大量の放射性核廃棄物を多国間連携で“処理”しようというものだ。米国追従の日本政府にとって、福島と六ヶ所村との接続は、新たな“指令”に応えるものとして、米国への次なる“貢献”ともなる。

だが、いずれにしろ当面の再処理は壁にぶつかっている。中間貯蔵施設の工程表を公表した同日、玄葉光一郎外相はインドのクリシュナ外相と会談し、「原子力協定の締結に向けた交渉を進める方針で一致した」と報じられた。原子力協定は原発関係の輸出入に必要とされる事前協定であるため、この方針決定で日本が原発関連事業を「国策」として続けることが国内外にあらためて明示されたことになる。当面の再処理はインドも担ってくれる。これも「多国間連携」か。

実は、06年3月の米印原子力協定合意時、インドの高速増殖炉は高純度プルトニウムを抽出できることが判明している。冒頭の「長崎原爆」に使用された核物質も、44年に米ハンフォード核施設が作り出した高純度のプルトニウム239。核兵器に使う「軍用プルトニウム」は、低濃縮ウランへの中性子照射で生じる一連の核分裂反応でプルトニウムを抽出し、さらに再処理技術でその純度を高めて抽出される。20数年前に武谷が示唆した「核兵器と原発は一卵性双生児」との指摘はこのことだ。従って、「核兵器廃絶」という呼びかけとは裏腹に、真意は核兵器を保有し続けたい国家にとって、原発は「軍用プルトニウム」入手に必要不可欠な「燃料製造装置」ということになる。

第489回外交政策企画委員会記録

事実、国内外に向けて核開発を否定してきた日本の中枢でさえ、実は核兵器開発構想を秘めていたらしいことを94年に毎日新聞が報じ、続いて10年秋にはNHKが報じた。その後、10年10月に秘密解除された外務省の極秘文書では、それが事実であることが明らかになった。開示された文書「わが国の外交政策大綱」には次のような文言が謳われている。

核兵器については、NPTに参加すると否とにかかわらず、当面核兵器は保有しない政策をとるが、核兵器製造の経済的・技術的ポテンシャルは常に保持するとともにこれに対する掣肘を受けないよう配慮する」(「大綱」67ページ)

「1969年9月25日」の日付があるこの「大綱」は、同年7~9月に当時の外務省外交政策企画委員会でなされた議論を103ページにまとめたものだ。

同じく秘密解除された極秘文書で、実はいまだ、どのメディアにも報じられていない同委員会の興味深い議論がある。

まず、66年2月16日付「第360回外交政策企画委員会」議事録の13ページ。

「沖縄にある核兵器も同様問題となろう」

「日米間のごとく同盟関係にあれば、常に保有国と見做され、核攻撃の対象とされることになろう」

「日本はいつも保有国とされうるわけだ」

「従来のソ連の解釈によると、『核兵器』の範囲は極めて広いようだ。弾頭に限らず、運搬手段はもとより、その発射施設もこれに含まれている。このような解釈であれば、日本にある米軍の施設も、核兵器とみなされうる」

「原子力空母、原子力潜水艦はこのよい例である」


次は、68年11月20日付「第480回外交政策企画委員会」議事録の46~47ページ。

「もう一つ聞きたいのは、高速増殖炉だが、それをずっと使っていくと、だんだんプルトニウムがたまって、それが原子爆弾になるから、それ以上核燃料に頼らなくても自然に爆弾は出来上って行くのだという説をなす人があるが」

「……今の型の炉で動かして行くとどんどんプルトニウムが溜って行く。そして高速増殖炉が出来るような時点になれば、今度はそのプルトニウムを高速増殖炉の燃料に使うことができるわけである。今は、プルトニウム燃料というのは補完的な燃料にしかならないが、高速増殖炉が出来るまでの間、プルトニウムは使い道がなくて溜って行く。ほとんど実験用の用途しかないわけである」

「それはすぐ爆弾にはならないのか」

「いや、なる」

「そうすると次の問題は、いかにしてその爆弾を運ぶかということだろうが」


未曾有の危機に瀕して国の針路を問われている平成の今、その判断を選挙権行使で間接行使するしかない国民が知るべき事柄は、国家中枢官僚による「核兵器保有構想」が単に過去の構想で終わった話にすぎないのか、それとも現在も受け継がれている計画なのかという問いへの答えである。傍点個所をつないで読み、併せて、現在進行中の政府と電力会社の「不可解な政策や挙動・言動」を傍証として見据えれば、もはや説明の必要はあるまい。これらが物語る隠された事実は、原発が間違いなく核兵器の開発を準備するものであり、その急所は「今停止中の高速増殖炉が高度に純化された軍用プルトニウムを生む」ということだ。政府は、少なくとも高速増殖炉が軌道に乗るまでは原発を国策からはずしてはならないと考えているということだ。それを承知で天下りの席まで用意しているからこそ、電力会社上層部には鉄面皮の対応が許されているのではないか。

※すべて雑誌掲載当時



小出裕章 原発と憲法9条
(遊絲社)
http://www.yuubook.com/center/hanbai/syoseki_syousai/syousai_genken9.html
小出裕章 原発と憲法9条未来は、私たちの手の中にある

「原子力の問題というのは、単なるテクニカルな問題ではないのです。憲法9条の理念や、私たちがどうやって生きていく、どうやってこの国を作っていくかという、非常に根本的な問題ともリンクいている。」
この国が原子力をすすめる意図はどこにあるのか。要するに核兵器を持ちたい、こういうことなんだと私は思っています。そう思いながら・・・・・・・・・・いや、それを知りながら、何の抵抗もしないまま生きることは、私には出来ません。
歴史を見つめ、事実と向き合い、未来につなげる。
一貫して原子力に反対してきた小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)の、渾身のメッセージ!

目次より
●「原爆・原発と憲法9条」
●「私が原子力に反対をする根本的な理由」(4月13日『FMわぃわぃ』インタビューより)
●「どんなに苦しい事実であっても」(10月31日『FMわぃわぃ』インタビューより)


小出裕章氏 講演 「原爆・原発と憲法9条」

http://www.ustream.tv/recorded/16262497
2011/07/27 堅田9条の会例会

全電源喪失の記憶 第一章・まとめその1

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とても危険な事故現場で働いていた人たちの貴重な証言を元に書かれています。
この証言を見て原発再稼働がもたらす、さらなるもしかしてを考えるうえで貴重なものだと思います。

未読な方は是非ともご覧くださいませ。


全電源喪失の記憶
証言 福島第1原発

万策尽きた所長「一緒に死ぬのは」
 「だめかもしれないと覚悟はしていた。もう神様に頼むだけだと」。2011年3月15日、東京電力福島第1原発では1、3号機の爆発に続き2号機も危機的状況に陥っていた。事故発生から5日目の朝のことを、当時の所長吉田昌郎(56)=13年7月死去=は側近の部下たちにそう語った。
 その日は2号機の格納容器圧力が異常に上昇していた。格納容器が破損すれば放射性物質が大量に拡散してしまう。構内で事故対応を続けることはおろか、12キロ南の福島第2原発も放棄せざるを得なくなる。
 第1、第2原発が制御不能になれば、福島県だけでなく首都圏も避難することになるだろう。免震重要棟の緊急時対策本部で本部長席に座る吉田はそう考えていた。だが回避するすべは見つからない。万策尽きて静かに目を閉じ、腕を組んだ。 
 俺と一緒に死ぬのは誰だ-。
 吉田はI人の部下を手招きするとヽ小声で告げた。「最悪の事態が起こるかもしれない。起きているやつだけでいいから、ここを出る準備をするよう言って回れ」
 × × ×
 あの日から3年、政府が原発再稼働に向けて動く今、史上最悪レベルの原子力災害を目の当たりにした関係者たちが口を開いた。事故が残した教訓は何か。
彼らは何を見て、何を思ったのか。多くの証言でたどる。


 建屋の出口に殺到

 3月11日午後2時46分、福島第1原発事務本館2階にある所長室からは薄曇りの空か見えていた。所長の吉田昌郎(56)は11年度の業務計画会議を終えて席に戻ったところだった。午後3時からは原子力部門と他部門の社員の懇親を図る部門間交流会議を控えていた。
 揺れは突然、地鳴りとともにやってきた。どーんと大きく横に揺れた後、どんどん増幅していった。収まる気配はない。
 震度6強か、下手したら震度7になるんじゃないか-。運転中の1~3号機はスクラム(緊急停止)しただろうか。確認しなければならないことは山ほどある。吉田は所長室を飛び出した。
 この時、定期点検中だった4号機では、建物外への唯一の出口となるサービス建屋―階のゲートに作業員が殺到していた。大規模な改修工事もしていた4号機内には協力企業を含めて約1200人がいた。
 本来は1人ずつゲートに入り、体に放射性物質が付着していないか測定する。だが今は停電でゲートが開かないのだ。
 「早く出せ」「ゲートを開放しろよ」「何やってるんだ」
 怒呼が上がった。しかしゲート管理を委託されている協力企業の社員たちには開放を判断する権限がなかった。
 事情を知った東電側の指示でゲートが開放され、作業員は一斉に走り出た。もし判断が遅れていれば、多くの作業員が津波の犠牲になった可能性もあっただろう。

 転がる重油タンク

 日立プラントテクノロジーの主任監督上田力男(49)が設備に損傷がないか点検を終えてゲートに着いた時は既にい作業員たちの姿はなかった。
 上田は開け放たれていたゲートから4号機を出ると海側を北に約500M歩いて、高台に続く「汐見坂」と呼ばれる坂の上り口まで来た。すると先を歩いていた作業員が海を指さして言った。      -
 「あれ、何かおかしくないか?」
 振り返ると、港湾の防波堤が海に没しようとしていた。海水はみるみるうちに防波堤を越えた。津波の第1波だ。
 上田が目を疑ったのは、その数分後だった。港湾内の海水がすごい勢いで引いていき、海底が見えるほどになったのだ。
 「何だ、こりゃ…」
 上田が沖合に目をやると、横一直線に白波が立っていた。津波の第2波はあっという間に目の前に迫り、1~4号機手前の護岸に当たって大きな水柱を上げた。
 「私がいたのは坂を上っていた人たちの最後尾です。『危ない、危ない』って坂を上かっていくうちに、水がどどどっと上がってきたんです」
 海を見ながら後ずさりする上田の前を高さ9・2Mの重油タンクが津波にのまれ、ごろんと転かっていった。
(敬称略。年齢、肩書は当時。共同通信 高橋秀樹)

=第1章、15回続き=

記憶と教訓を残す
 目の前の男性作業員は両手を顔に当てておえつしていた。男性は東京電力福島第一原発事故の発生から対応に当たった一人だ。一号機の原子炉建屋が爆発した時の心境を尋ねると「死ぬだろうと思っていました」と答えた後、言葉を詰まらせたのだ。
 男性の脳裏には「これで家族には二度と会えない」という思いがあったという。頭の中で何度も何度も小学生の息子や妻への遺書をどう書くか考えていた。「たくましく生きてくれ」「母と息子を頼む。いろいろと面倒をかけたな」
 別の作業員は格納容器から蒸気を放出して圧力を下げるベントを思い起こし「もっとひどいことにならないようにやったことではあったけど、地元に申し訳ないことを…」と涙声になった。
 第1原発で事故対応に当たった東電社員の多くは福島県出身で、地元の高校、高専を出て入社した。家族とともに暮らす自宅は原発の周辺地域にあった。友人、知人も大勢いた。自分たちの会社が「原発は安全」と言い続けてきたことへの責任もあった。
 彼らはそうしたものを抱えて現場に踏みとどまった。暗闇、高い放射線量、再び来るかもしれない津波への恐怖―。過酷な状況に心的外傷後ストレス障害(PTSD)を患った作業員も多い。
 事故から3年が経過した。いまだに約13万5千人もの福島県民が避難生活を強いられている。事故を起こした東電の責任が消えることはない。だが大事なものを守ろうと死と隣り合わせで闘った人たちがいたことは事故の記憶とともに残さなければならない。彼らの証言は事故がどんな教訓を残したかを考える上で貴重な資料となるだろう。


全電源喪失の記憶02非常用電源が落ちた

 冷静さ保つ運転員

 ファン、ファン、ファン、ファンー。東日本大震災の地震の揺れが収まりきらない東京電力福島第1原発1、2号機の中央制御室はけたたましい警報音に包まれていた。さらに大きな音で火災警報も「ジリジリジリジリ」と鳴っていた。
 作業管理グループの大野光幸(51)が制御室に駆け込んできた。地震で原子炉はスクラム(緊急停止)したが、外部送電網からの電力が途絶えたため、非常用ディーゼル発電機(DG)が起動していた。
 大野は「通常のスクラムでしたから、この時までは自分も周囲の同僚も落ち着いていました」と振り返る。
 原子炉やタービン、発電機の運転状況を監視する制御室は、1、2号機の原子炉建屋に挟まれる形でコントロール建屋2階に位置する。約750平方片の室内には、中央の当直長席から見て右に1号機、左に2号機の制御盤がある。
 当直は通常、当直長、副長、主任ら計11~13人の運転員を1班とし、A~Eの5班が24時間2交代で詰める。地震発生時は研修生らを加えたD班の14大がいた。
 大野は近隣の小高町(現福島県南相馬市)出身で、かつてこの制御室で副長まで務めた。今は運転員たちの作業が適切か管理する立場になっていたが、緊急時にはこうして当直のサポートに回る。同じ2階の執務室から約20メートルの廊下を走って駆けつけたのだ。
 大野は制御室入り口から見て奥にある2号機の制御盤に駆け寄り、原子炉隔離時冷却系(RCIC)という冷却装置の操作に取りかかった。核燃料冷却が最優先たった。

 4分後に燃料冷却

 「RCIC起動しました」。大野は、原子炉の状態を記録している副長に向かって報告した。RCICは原子炉から出る蒸気でポンプを回し、炉内に冷却水を送り込んで燃料を冷やす装だ。
大野による最初のRCIC起動は地震発生からわずか4分後の3月11日午後2時50分だった。RCICは炉内の水位が上がると自動停止する仕組みで、大野はその後、炉内水位に注意しながら起動を繰り返した。
 火災警報音は誰かが停止スイッチを押していた。本当に火災が起きていれば再び嗚るはずだが、音は消えたままたった。
 事態が急変したのは、大野がRCTICを3度目に起動させた直後だ。
  「DGトリップ!」
 制御盤前にいた運転員が叫んだ。トリップは「落ちた」という意味だ。
  その声をきっかけに制御盤のランプが一つ、また一つと不規則に消えていった。「だ?」。驚いている間に目の前のランプが全て消え、けたたましかった警報音も聞こえなくなった。
  1、2号機は全電源を喪失した。
(敬称略。年齢、肩書は当時。共同通信 国分仲矢)

全電源喪失の記憶03明日は帰れるよ

 「もう勘弁して」

 東京電力福島第1原発の緊急時対策本部で後に復旧班に所属することになる横山英治(37は、地震の揺れを事務本館2階の机の下に潜ってやり過ごそうとしていた。体重76キロの体が大きな揺れで机の下から何度も引きずり出されそうになる。

 「もう勘弁して」
 ようやく揺れが収まり、職場の壁にある各号機の出力計をみると、運転中だった1~3号機のデジタル表示はいずれも「0」になっていた。
 原発では運転員以外にも「止める」「冷やす」「閉じ込める」という考え方が浸透してる。原子炉を安全に停止させ、燃料を冷却し、放射性物質が外部に漏れないようにする、という考えだ。今は「止める」が成功した段階だった。
 「みんな、大丈夫か。外に出るぞ」
 第1原発では1週間前に避難訓練があったばかりで、隣接する免震重要棟前に集合して点呼を受ける手順になっていた。横山は同僚たちが出て行くのを見届けると、防寒着を羽織った。
 外気温は4、5度。慌てて避難したのか、同僚の女性社員がシャツー枚で震えていた。女性は横山が卒業した双葉町の中学校の先輩だった。
 「どうぞ」。横山は防寒着を脱いで差し出した。そして妻のことを思い浮かべた。地震前の午後2時すぎ、結婚7年目の妻から「今から帰るよ。晩ご飯は何がいい?」と携帯メールが来ていた。

被害を受けた福島第一原発事務本館

 再会は2週間後

 妻は原発の南約10キロにあるJR富岡駅前のホテルで働いていたのだ。大熊町の自宅には戻っているのだろうか。携帯電話は不通だった。
 この日の第1原発には協力企業も含め約6400人がいた。免震棟前には600人以上が集まっていたが、津波に気づいた者はほとんどいなかった。免震棟は海抜35メートルで、津波に襲われた区域とは25メートルの高低差がある。
 津波の襲来を知らない横山は午後5時すぎ、自家用車でいったん自宅に向かった。だが妻はいなかった。近所の人に尋ねると、避難したようだという。避難所を何カ所も回り、町役場裏の体育館をのぞいた時には午後9時になっていた。
 妻は体育館の入り口近くにいた。「あぁ、いたよー。良かったあ」。横山は安堵した。水や食べ物を手渡すと妻に告げた。
 「会社に戻るよ。何かやることはあるはずだから。明日には帰れると思う」
 横山は原子炉制御システムなどのメンテナンスをする計測制御の担当だ。事故対応で原子炉水位計や圧力計などを生かそうと、重いバッテリーを抱えて何度も放射線量の高い現場に足を運ぶことになるとは、この時まだ知るよしもなかった。再び妻に会えたのは2週間後のことだった。
(敬称略。年齢、肩書は当時。共同通信 高橋秀樹)

全電源喪失の記憶03-1事故発生からの経過

全電源喪失の記憶04建屋に流れ込む海水

 想定しない事態

 福島第1原発1、2号機は非常用ディーゼル発電機(DG)が停止して全電源を喪失してた。中央制御室では原子炉をコントロールする制御盤の明かりが全て消え、照明も非常灯だけになった。訓練でも想定したことがない事態だ。作業管理グループの大野光幸(51)は2号機制御盤の前でほうぜんとしていた。
 運転員たちからは「何だ、何だ」「どうしてだ」と声が上がった。
 どうすんべ、どうすんべー。大野は原子炉のことと同時に妻を心配していた。妻も東京電力社員で地震発生時には1号機から約200メートル離れた事務本館にいたはずだ。構内用PHSで連絡てみると1回でつながった。
 「そっちは大丈夫だったか」
 妻は免震重要棟2階の緊急時対策本部に移動していた。お互いの無事を確認した後、対策木部の壁のテレビモニターを見ていた妻が言った。
 「うわっ、津波。岩手に津波。釜石。すごい。きゃあ」
 電話の向こうではテレビ画面が岩手県釜石市に押し寄せる津波を映し出していた。
  「ええっ! 岩手は大変なことになってるんだな」
 だが大野にこの津波の深刻さは伝わらなかった。制御室には窓もテレビもないのだ。制御室で作業を続けると告げて、大野は通話を切った。

 止めるすべなく

津波による福島第一原発の浸水域 「まさか自分のところにも津波が来ているなんて思わなかったです。建屋に衝撃があるわけじゃないですからね」
 制御室にいた運転員で、地震発生から間もない時期に家族の無事を確認できたケースはまだ。ほとんどは家族の安否を気にしながら何日も作業に当たることになる。ただ大野がもし、妻との会話で停電の原因が津波と気づいたとしても、事態の悪化を食い止めるすべはもう誰にもなかった。
 なぜDGが停止したのか-。
 制御室にいた全貝が首をかしげていた。答えは全身ずぶぬれで制御室に飛び込んできた若い運転員が告げた。
 「やばい! 海水が流れ込んでいます!」
 1、2号機それぞれの制御盤を見渡せる位置にいたD班当直長の伊沢郁夫(52)が聞き返す。
 「どこに流れているんだ」「建物の中に入ってきています!」

全電源喪失の記憶04-2福島第一原発に流れ込む津波

 各号機は、海側から見て、出人り囗となるサービス建屋、タービン建屋、制御室があるコントロール建屋、原子炉建屋からなる。DGはタービン建屋の地下だ。制御室にいた全員がようやく理解した。この事態の原因は津波なのだ、と。
 3、4号機も同じ事態に陥っていた。対策本部には各号機の制御室から「建屋に津波」との連絡が入り始めていた。
(敬称略。年齢、肩書は当時。共同通信 高橋秀樹)

全電源喪失の記憶05制御室 突然真っ暗に

 「3メートルななら大丈夫」

 「おう、どうなってる」。
福島第1原発の免震重要棟2階にある緊急時対策本部に、所長の吉田昌郎(56)が入ってきた。吉田は1~3号機が地震で緊急停止したことを確認すると満足そうにうなずき、壁のテレビモニターに目をやった。NHKが大津波警報を出していた。福島は3メートル-。
 「これなら大丈夫」
 吉田はそう思った。各号機の海側には熱交換器や非常用ディーゼル発電機(DG)を冷却するための非常用海水ポンプが設置されている。このポンプが津波をかぶらない限り大丈夫と考えたのだ。テレビ両面では日本地図の太平洋側か真っ赤な線で縁取られていた。
 対策本部の大きな円卓には本部長の吉川以下、各号機の中央制御室をサポートする発電班、計器や電源復旧を担う復旧班など12班の班長が座る。
 免震棟は2007年の中越沖地震柏崎刈羽原発(新潟県)の事務棟が壊滅的被害を受けたのを教訓に建設された。完成したのは10年7月だ。独立した非常用電源を備え、テレビ会議システムのある対策本部室は651平方メートルの広さがあった。
 地震後、最も早く駆けつけたのは発電班副班長の野口秀一(54)だ。各号機の制御室からはホットライン(呼用電話)で外部電源の代わりにDGが起動しているとの連絡が入っていた。
 「もうだめかな・:」
 異変は突然やってきた。1、2号機の制御室からだった。
 「DGトリップ(落ちた)!」
  「何?」
 なぜDGが止まるのかー。制御室で電話を代わったD班当直長伊沢郁夫(52)がさらに驚くべきことを告げた。
 「SBO事象です。原災法10条に該当すると思います」
 「えっ?」
 「エス、ビー、オー。何が使えて何が使えないのか確認中!」
 ステーションブラックアウト(SBO)。制御室が真っ暗で何も見えないという意味だ。1999年9月のJCO臨界事故(茨城県東海村)を機に制定された原子力災害対策特別措置法10条では、緊急事態に発展する可能性がある場合は国に通報しなければならない。
 「10条、宣言します」
 3月11日午後3時42分、テレビ会議に緊迫した古田の声が響いた。
 さらに伊沢はわずか10分後、こう告げる。
 「15条に該当します」
 原子炉圧力と水位が読み取れなくなり、燃料冷却ができているのか分からなくなった。状況が原災法15条の「緊急事態」に移行したというのだ。
 「飛行機のエンジンが全部止まって、計器も見えない状態で操縦しろと。言われているようなものです。これはもうだめかなと、最悪のことを考えましたね」。吉田はそう振り返った。
(敬称略。年齢、肩書は当時。共同通信 高橋秀樹)

全電源喪失の記憶06原発の異変を直感

 防風林越す大津波

 3月11日、福島第1原発3、4号機作業管理グループの富田敏之(54)は休暇を取って、自家用車に妻と次女、犬を乗せ、仙台市方面へ買い物に行こうと国道6号を走っていた。
 激しい揺れに襲われたのは、福島県相馬市の辺りだった。富田は車を路肩に止めて長々と続く揺れをやり過ごした。
全電源喪失の記憶06-1津波来襲後の各号機の状況 「大きな地震でしたけど、原子炉はたぶん止まったと思いました。だから家族を自宅に帰すことが優先だと考えました」
 自宅は第1原発の立地する大熊町で、ここから南に約40キロもある。富田は車をUターンさせると、来た道を戻り始めた。ラジオは津波警報を繰り返していた。南相馬市原町区まで来ると、海岸線の防風林がキラキラと光っていた。
 「目の錯覚かなと思ったんですよ。きれいだなあ、と。そうしたら次の瞬間、防風林の上から波がダーンっと。あんな大きな津波が来るとは思いませんでした」
 車はたまたま小高い丘の上を走っていた。富田が車を止めると、丘を挟むように、水がものすごい勢いで南北の平地を流れていった。
 水が引くのに約2時間かかった。そばにいた地元の住民に聞くと、この丘から車で移動するには国道以外にないという。富田は車をあきらめ、歩いて通れそうな場所を選びながら自宅を目指すことにした。
 10キロほど歩いたところで自宅にいた長女に連絡が取れ、車で迎えに来てもらった。帰宅した時には日付が替わっていた。
 自宅は停電で真っ暗。台所は割れた皿やコップが散乱していた。テレビもつかない状況で、原発がどうなっているのか知る手段はなかった。それにもうくたくただった。

 行き先告げぬまま

 「とりあえず寝よう」
 富田が第1原発の異変に気づいたのは12日早朝、目を覚まして犬の散歩に出た時だ。大熊町の防災無線が10キロ圏内の住民避難を指示していた。
 運転員としての経験が長い富田は当直長の資格も持っている。直観的に「冷却手段がなくなったんだな」と感じた。急いで自宅に戻ると家族を起こし、妻の車で近くの公民館に向かった。
 険しい表情でハンドルを握りながら富田は考えた。1~3号機は運転中だった。詳しい状況は分からないが、現場はきっと大変な事態になっているはずだ。
 妻と2人の娘を見ると、3人とも不安を隠せない表情たった。しばらく一緒に避難していようかー。そんな思いが胸をよぎった。
 しかし・…
 「会社に行かなきゃならん」。意を決して言ったつもりだったが、言葉には出せなかった。富国は家族を公民館に降ろすと、行き先も告げず第1原発に向かった。
(敬称略。年齢、肩書は当時。共同通信 前田有貴子)

全電源喪失の記憶07設備全滅「うそだろう」

 現場の状況確認

 福島第1原発の免震重要棟2階の会議室に復旧班のメンバーが集まっていた。どうすれば電源を復旧できるか。まずは現場の状況確認をしなければならない。送電線から高圧電流を受ける「開閉所」と呼ばれる施設(海抜35メートル)は地震で設備の損傷が激しく、復旧に数力月かかりそうだった。
 海抜10メートルの原子炉建屋付近にはまだ誰も足を踏み入れられないでいた。余震が続き、大津波警報も解除されていない。
 「俺が行きましょう」。声を上げたのは池田公男(50)だった。入社以来、電気設備の点検、補修をしてきた専門家だ。ただ地震発生時、勤めに出ていたはずの妻と、富岡町の自宅にいた両親のことが気にかかっていた。何度か電話をしてみたがつながらないのだ。
 いや、今は行かなければ。池田は3月11日午後6時、同僚とともに4人で免震棟を出た。周囲はもう暗くなつていた。

全電源喪失の記憶07-1池田の電源設備調査経路

 唯一の復旧方法

 徒歩で1号機タービン建屋北側の大物搬入口に近づいてみると、鋼鉄製の大きな扉が津波の衝撃でひしゃげていた。
 わずかな隙間から建屋内に入り、小さな懐中電灯を頼りに暗闇を進んだ。チタッ。チタッ。どこからか水の落ちる音が不気味に響いていた。
 建屋内に電力供給するための配電盤は高圧系、低圧系とも水に漬かっていた。
 「メタクラ」と呼ばれる高圧系には常用2系統と非常用2系統のほかに、常用と別の外部送電網から受電する1Sという予備系統があった。



 池田は構内用PHSがつ
ながる屋外に出て、免震棟にいる復旧班の磯貝拓(51)に連絡した。
 「1号機の電源設備は津波で全滅です」
 「何? メタクラ1Sもか?」
 「そうです」
 「うそだろ…。そいつが死んでいたらどうしようもなくなるぞ」
 「でも本当にだめなんです」
 何度説明しても磯貝は信じられない様子だった。池田は2号機に向かった。海側は車やがれきが散乱していて通れそうもない。それにいつまた津波が来るか不安だった。
 2号機タービン建屋では低圧系の2Cと呼ばれる配電盤が床から5センチ程度、水に漬かっていたものの、かろうじて使えそうだと分かった。
 再び山側から3、4号機へ向かう途中で黄色のドラム缶が5、6個転かっていた。黒い放射能マークが付いていた。低レベル放射性廃棄物だ。4号機南側の大物搬入口にはトラックが突っ込んでいてタービン建屋内の確認はできなかった。
 免震棟に戻ったのは午後9時前だった。このころ東京電力本店が手配した電源車約50台が第1原発を目指していた。残された配電盤に電源車をつなぐ。それが電源復旧の唯一の方法だった。
(敬称略。年齢、肩書は当時。共同通信 高橋秀樹)



全電源喪失の記憶 第一章・まとめその2へ続く

全電源喪失の記憶 第一章・まとめその2

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全電源喪失の記憶 第一章・まとめその1 より


全電源喪失の記憶08鋼鉄製の扉

津波は自動車も巻き込みタービン建屋内まで浸入 油と潮のにおい

 3月11日夜、放射線の測定や被ばく管理をする保安班の住吉康一(43)は福島第1原発4号機の原子炉建屋前を同僚と歩いていた。4号機タービン建屋地下に流れ込んだ海水の放射性物質濃度の計測-。それが住吉に下った命令だ。建屋内では地震後、調査に出た運転員2人が行方不明になっていた。
 海抜10メートルの建屋前は道とは呼ぺない状況だった、泥が堆積していて、1歩進むごとに作業靴がずぶずぶと埋まった。横転したトレーラーや車、がれきが散乱し、クラクションが鳴りっばなしになっている車両もあった。それ以外に音はない。油と潮のにおいがした。
 照明は一つもついていない。月明かりと、電池切れ寸前の懐中電灯だけが頼りだ。周辺にあるほとんどのマンホールのふたが津波で外れていた。穴の黒と、ふたの黒、それに水たまりの黒。見分けがつかない。
 「落ちたら死ぬな…」
 足が恐怖ですくんだ。「あれはマンホールだ。気を付けろ」。同僚と肩をくっつけるように慎重に歩を進めた。
 庄吉はようやくたどり着いた4号機タービン建屋南側の大物搬入口でうなった。分厚い鋼鉄製の扉が「くの字」に曲がって建屋内にめり込み、中にはトラックが突っ込んでいた。

大物入口の奥に突っ込んだトラック

 頻繁に続く余震

搬入口付近のがれきによじ登って、建屋内に入ると、目の前に地下へと通じる階段があった。
 建屋内は真っ暗だ。地下はどうなっているのか。階段を数段下りると、懐中電灯の弱いオレンジ色の明かりに何かが反射した。海水だった。
 「これ以上、行けねぇ!」。住吉は後ろにいた同僚に叫んだ。
 「この時、津波で地下が水没したんだと初めて気づきました。こんなことがあるのか、と。そうしたら海鳴りが気になりだしました。また津波が来たら命はないだろうな、と思いました」
 免震重要棟から直線で約600メートルしか離れていない4号機を往復するのに2時間を要した。
 事故当初の第1原発では、こうして多くの作業員が暗い現場に何度も出て行った。頻繁に余震が続き、いつまた津波が来るか分からない。建屋周辺に行くことが命の危険や恐怖と隣り台わせだったことを、このころの政府やマスコミはもちろん、東京電力本店すらも十分に理解していなかった。
 住吉の計測で4号機地下の水は汚染されていないことが判明した。報告を受けた東電本店は行方不明だった運転員2人の捜索のためダイバーを派遣したが、14日の3号機建屋の水素爆発で捜索は見送られた。
 24歳と21歳の運転員は30日、タービン建屋地下で死亡してしるのが確認された。
(敬称略。年齢、肩書は当時。共同通信 前田有貴子)


全電源喪失の記憶09消防車使用を思いつく

 時間かかる手作業

 福島第1原発は1~5号機で全電源を喪失した。運転中だったI~3号機では、原子炉の燃料冷却ができているか分からない状況に陥っていた。「FP(消火)系 で注水できるラインを考えてくれ」3月11日午後5時12分、所長の吉田昌郎(56)は発電班に、消火設備から原子炉に水を入れる代替注水のラインをつくれと指示した。
 1、2号機中央制御室から午後6時半すぎ、運転員たちが暗闇の1号機原子炉建屋内に向かった。代替注水ラインを構成するための弁は本来、制御室から遠隔操作で開閉できる。しかし今は電源がない。
 弁には手動でも開けられるよう円形ハンドルが付いている。原子炉に近いほどハンドルは大きくなり、直径70センチのものもある。これを数人がかりで回す。必要な弁を開け終えるのに2時間半近くかかった。次はどうやって水を入れるか、だ。
 吉田は自衛消防隊隊長小川広幸(50)を呼び「消火栓を使って注水できないか」と相談した。だが消火栓はほとんど津波でやられていた。ならば、と吉田は消防車を使った代替注水を思い付く。
 「そういう発想は全然、ありませんでしたね」と小川は話す。消防車による注水など緊急時のマニュアルにはなかった。

 夜通しがれき撤去

 消防隊は本来、火災の消火を目的に各職場から選出された30人程度の混成部隊で、小川はもともと1~4号機設備の点検修理を担う第1保全部所属だ。
 消防車のホースを建屋に設置された送水口につなげば原子炉に注水できるはずだ。だが送水口がなかなか見つからない。
 「震災前に消火栓の工事をしていたので、送水口の場所が変わっていたんです」
 送水口は津波で流されたトラックやがれきが折り重なった1号機北側の大物搬入口近くにあった。見つけたのは消火栓工事をした建築グループ所属の消防隊員だった。
 「本当にひどいありさまでした。協力企業の方に重機で夜通しがれきの撤去をしてもらって、ようやく消防車が通れる道幅を確保したんです」
 第1原発には3台の消防車が配備されていたが、1台は津波で流され、5、6号機付近にあった1台は構内道路が陥没して移動不可能だった。使える状態なのは高台にあった1台だけだ。
 敷地内の放射線量が上昇する中、消防車の扱いに慣れた協力企業社員とともに4、5人の隊員が最初の注水に向かった。
 「外はすごい放射線量だったんです。よく勇気を振り絞って行ってもらったと思います。みんな汚染されて帰ってきました」
 消防車による代替注水が始まったのは全電源喪失から約12時間後の12日午前4時だった。
(敬称略。年齢、肩書は当時。共同通信 前田有貴子)


全電源喪失の記憶10車のバッテリー代用

 基本は「同じ物を」

 福島第1原発1、2号機の中央制御室では原子炉水位と圧力、格納容器圧力が確認できなくなっていた。原子炉の停止後も燃料は熱を出し続けるため、冷却を続けなければ炉心溶融(メルトダウン)を招く。原子炉水位は一刻も早く知らなければならない情報だった。
 3月11日夜、免震重要棟の緊急時対策本部では復旧班のうち、機器保全を担当する計測制御グループが計器の復旧方法を思案していた。
 機器保全の基本的な考え方は「同じ物を用意する」というものだ。例えば建屋地下のバッテリー室が浸水して計器が見られなければ、バッテリー室と同じ物をどうやって用意するか、という発想だ。だが今は時間の余裕がない。計測制御のメンバーはそれで悩んでいた。
 「車のバッテリーならいけるだろう」
 突然、声を上げたのはベテラン菅家藤二(53)だった。周囲にいた同僚たちがキョトンとした顔で菅家を見た。一瞬の間を置いて同僚たちが賛同した。「その手があったか」「いけるぞ」
 原子炉の水位計を生かすのに必要な電圧は24ボルトだから、12ボルトのバッテリーが2個あればいい。制御室内で水位計につながる端子に直接電気を送れば読み取れるはずだ。

 正しい数値示さず

 「まずは1、2号機を救え。バッテリーを集めてくれ」
 構内循環バスからバッテリーが外されI、2号機制御室に運ばれた。問題は正しい端子を探すことができるかどうか…。
 制御室には端子の配列図が1万枚以上あり、計測制御のメンバーは必死に目当ての端子を探した。直径1センチほどの端子が並ぶ端子盤は制御室奥の狭い通路にあり、暗闇の中で懐中電灯を頼りに探さなければならない。
 1号機の水位は午後9時19分に、2号機は9時50分に確認できた。1号機では「TAF+200m」で燃料頭頂部の20センチ上、2号機は3メートル40センチ上に水があることを示していた。しかし後の解析ではこの時点で1号機の炉心溶融が始まっていた。水位計は正しい値を示していなかったのだ。
 このころ、妻の安否を確認しに行っていた計測制御グループの横山英治(37)が対策本部に到着、菅家に声をかけた。       一
 「戻ってきました」
 「ヨコ、やっときたか。ちょっと大変なことになこになってるぞ」
 3、4号機でもきっと必要になるはずだ。横山は早速、バッテリー集めに奔走した。
 1号機格納容器圧力の確認には、制御室の仮設照明に使われていた小型発電機が使われた。全電源喪失から約8時間後の午後11時50分、信じがたい数値が判明した。
 600キロパスカル-。格納容器の使用限度圧力528キロパスカルを超えていた。
(敬称略。年齢、肩書は当時。共同通信 国分伸矢)


全電源喪失の記憶11門外漢の保安院院長

 炉心溶融を想像

 「どういう状況なんだ」「原発はどうなるんだ」。官邸5階の執務室で首相の菅直人(64)はいらついていた。「君は原子力の専門家なのか」。声を荒らげる菅に原子力安全・保安院院長の寺坂信昭(57)は「私は東大の経済学部出身です。専門家ではありません」と返すのがやっとだった。
 官邸では東日本大震災の被災者救援に向け、首相を本部長とする緊急災害対策本部が史上初めて設置された。そこに東京電力福島第1原発で原子炉が冷却不能との報告が飛び込んできた。
 「私は背筋が寒くなる思いがしたわけ。で、とにかく状況を聞きたいと思ったわけ。だけど事故の時に原子炉のことが分かってない人が説明に来たって、聞いている方は分かるわけがない」
 菅は東工大理学部で応用物理学を学んだ。冷却機能を失えば、炉心溶融に至ると容易に想像できたという。一原発は俺が見なきゃいかん」。他の閣僚任せにはできないと気を高ぶらせていた。

全電源喪失の記憶11-1原子力規制組織の役割

 予測返答できず

 同じころ、原子力安全委員会委員長の班目春樹(62)は、官邸4階の大会議室前の広い廊下で延々と待ち続けていた。
 原発で重大事故があれば、自治体や住民に異常を知らせる原子力緊急事態宣言を首相が即座に発令する。専門家として政府に助言する役割を担う班目は宣言を出す会合に立ち会う決まりだが、それが一向に始まらない。
 「待たされた私は、官邸にはしかるべき情報が入っていて対処できているんだろうと勝手に思い込んでいたんです
 だが班目は楽観的すぎた。時間を追うごとに事態は悪化していく。東電から派遣された原子力部門の元最高責任者武黒一郎(64)とともに首相執務室に呼び出された。
 「どうなるのか予測を出せ」と迫る菅に、2人は返答に窮した。東電本店からの情報は断片的で、保安院からは原発の図面すら届かない。
 班目らはこの夜、閣僚らが集まった官邸地下中2階の小部屋と5階の首相執務室を行き来しながら、記憶を頼りに菅に助言を続けたが、対応は終始後手に回る。
 「東電が送れって言うから、一生懸命電源車を送ったわけ。着いて『ああ良かった』と思ったらプラグが合わない、配電盤もやられてしるという 何をやっているのかねと思ったよ」。菅は当時のいら立ちを振り返る。
 菅はこうして専門家と呼ばれる人々への不信感を募らせていった。これが後に「官邸の過剰介入」と批判される行動に彼を走らせることになる。
 情報もないまま、手探りで事故対応や住民避難の指揮を執る。闇をさまよう、計器の見えない飛行機-。全電源を喪失した第1原発だけでなく、官邸もまた別の暗闇を飛んでいた。
(敬称略。年齢、肩書は当時。共同通信 太田久史)


全電源喪失の記憶12人力でケーブルを敷設

 「壊していいの?」

 日立GEニュークリアー・エナジー福島第1原発所長の河合秀郎(56)の目の前に、高さが3メートル近くある鋼鉄製のゲートがそびえ立っていた。3月11日午後7時、原子炉建屋西側の7番ゲート。向こうに2、3号機の原子炉建屋が月明かりで浮かび上かっていた。
 「本当に壊しちゃっていいの?」
 「お願いします」
 河合は7番ゲートを開放して車両が通れるようにするため、ゲートの南京錠を破壊していいか、と同行した東京電力の担当者に尋ねたのだ。
 原子炉建屋は核物質の盗難や破壊行為を防ぐため高いフェンスで囲まれ、無数のセンサーやカメラで防護されている。だが今は、電源車を建屋付近に入れるためフェンスに設けられたゲートを開けなければならない。
 「よし、やれっ」
 河合の合図で、日立プラントテクノロジーの村田哲治(51)が大型ハンマーを振り下ろした。1メートル近い柄に約4・5キロの金属の塊が付いており、建物の解体作業などで使うハンマーだ。
 ガチャーンー。大きな音を立てて南京錠が壊れた。

 200メートル以上必要

福島第一原発のフェンスとケートの位置 電源車を2号機の配電盤につなぐための高圧ケーブルは、河合たちが既に用意していた。第1原発では4号機が定期点検中で、点検を請け負った日立は原発敷地外の倉庫に大量の高圧ケーブルを保管していたのだ。
 だが高圧ケーブルは銅線を3本束ねたもので、重さは1メートルにつき6キロ。電源車と配電盤を接続するためには200メートル以上必要だった。通常はラフタークレーンという専用重機を使うが、敷地内にはない。人力で敷設するしかなかった。
 ケーブル敷設をめぐっては東電本店と免震重要棟の復旧班とで、こんなやりとりもあった。
 「ラフターは当然、準備しているんだろうな」
 「えっ?ありません」
 「じゃあ、おまえら用意しろよ」
 用意しろと言われても、ないものはない。それほど東電本店と現場とは置かれた状況や意識がかけ離れていた
 河合たちが8の字に巻いたケーブルをトラックの荷台に積み、2号機タービン建屋に着いた時には日付が12日になっていた。人力での敷設に向け東電復旧班と日立の計約30人が集まっていた。
 いよいよ電源復旧に向けた作業が始まる。皆がそう思った時、足元が揺れた。余震だ。10分おきぐらいに震度3~4が頻発していた。津波を警戒するため、何度も避難した。周囲の放射線量が上昇し、全員が免震棟や企業の事務所にいったん戻って全面マスクを着用することにもなった。本格的に敷設作業を始めることができたのは夜が明けた12日午前6時ごろだった。
(敬称略。年齢、肩書は当時。共同通信 高橋秀樹)


全電源喪失の記憶13建屋の道 タンクが塞ぐ

 経験踏まえ徒歩で

 福島第1原発1、2号機中央制御室の当直長の1人、遠藤英由(51)が原発の正面ゲート前に到着したのは3月11日午後9時ごろだった。制御室に応援で入ろうと福島県富岡町の自宅から約13キロ歩いてきた遠藤の脇を、1台の車両がすり抜けていった。
 「電源車が通ります。ゲートを開けてください」
 「オリープドラプ」と呼ばれる濃い緑色に塗られた陸上自衛隊の電源車が拡声器でゲート内の警備員に指示していた。
 ゲートの照明は消えている。そこに自衛隊の電源車…。第1原発で何か起きているのか瞬時に理解した。全ての電源がなくなっているのだ、と。
 当直E班を預かる遠藤は11日午後9時からの当直勤務を前に自宅で仮眠中、地震にあった。2007年の中越沖地震の際には柏崎刈羽原発(新潟県)で勤務していた。経験から周辺道路が寸断されたり、渋滞が起きたりして車が役に立たないだろうと考え、歩いて第1原発まで来たのだ。
 妻には「しばらく帰れない。とにかく風呂とか鍋に水をためておくように」と話して家を出た。町の防災無線で大津波警報が出たことは知っていたが、携帯ラジオの電池が切れていて原発の状況は分からなかった。

 船底見せる観測船

 「どちらへ?」。ゲートの警備員に呼び止められた。
 「今から現場に行く」
 早く制御室に行かなければ-。遠藤はゲートをくぐると構内道路を北へ約400メートル歩き、交差点を右に折れて「大熊通り」と呼ばれる長い坂を下っていった。
 「なんだ、これは…」
 1号機タービン建屋の北側道路を高さ約9・2メートルの重油タンクかぶさいでいる。手前には港湾観測船が赤い船底を見せて打ち上がっいた。
 遠藤はタンク脇のわずかな隙間を通って海側に出た後、1、2号機サービス建屋から2階の制御室に入った。

13-1遠藤当直長の経路

 制御室には既に、他の班の当直長たちが応援に駆けつけていた。状況を尋ねると「何にもないんだ。電源も何も。何も見えねえんだよ」という答えが返ってきた。
 午後10時前に1号機原子炉建屋に入った運転員の報告では、建屋内の放射線量が上昇していた。
 「スクラムから時間がたっていて、まだ水を入れられていない。『ああ、これはもう炉心が駄目になっているだろうね』と話していました」
 午後11時、放射線管理担当者が1号機原子炉建屋入り口の二重扉前で最大毎時1・2ミリシーベルトの放射線量を確認した。
 二重扉の向こうの原子炉建屋内は既にかなりの高線量となっているはずだ。連絡を受けた所長の吉田昌郎(56)は午後11時5分、1号機原子炉建屋の入域禁止を命じた。
(敬称略。年齢、肩書は当時。共同通信 高橋秀樹)

津波で流され構内の道路をふさいだ重油タン


全電源喪失の記憶14冷却装置に「天の助け」

 蒸気の放出を想定

全電源喪失の記憶14-11号機のベントをめぐる経過 3月12日未明、福島第1原発1、2号機中央制御室では応援に駆けつけた遠藤英由(51)ら当直長が集まっていた。1、2号機格納容器から蒸気を大気放出するベントを想定して、机に図面を広げ懐中電灯で照らしながら手順を確認していた。
 本来、ベントは制御室から操作できる。だが今は電源がない。ベントをするには原子炉建屋に入り、弁についたハンドルを手で回さなければならない。建屋は放射線量が上昇し11日深夜から入域禁止になっていた。
 被ばく量を抑えるため、どのルートで弁にたどり着き、どの程度の時間で作業を終えて戻るかも検討した。1号機の場合、開けなければならない弁は2力所。2号機はまだ線量が低く、作業は比較的しやすいはずだ。
 「その時点ではもうベントしかないと思っていました。でも誰も口に出しませんでしたね」
 遠藤たちは無言で互いの顔を見た。全員の目が「俺たちが行くしかないだろう」と語っていた。原子力安全・保安院からは「2号機のベンドを優先せよ」との指示がきていた。
 「2号機のRCIC(冷却装置)はどうなってる」
 「回ってるはずだ」
 「でも確認してないJ
 RCICは原子炉から出る蒸気でポンプを回し原子炉内に冷却水を送り込む装置で、バッテリーで駆動する。作業管理グループの大野光幸(51)が全電源喪失の直前に起動させたはずだ。もしRCICで燃料冷却ができているなら、当面は1号機の対応に集中できる。

14-2福島第一原発2号機と同型の冷却装置「RC-C」

 記者発表中に変更

 RCIC室は原子炉建屋地下にある。「行くしかないね」。そう声を掛け合った遠藤とA班当直長が行くことになった。制御室を出発したのは12日午前2時だった。
 全面マスクを装着し、ポリ塩化ビニール製のかっぱを着た。懐中電灯を手に原子炉建屋に入るための二重扉を開けると、蒸気が立ち込めていた。
 真っ暗で何の音もしない。ものすごく蒸し暑い。建屋に入った海水が熱い配管に触れて蒸発したのだと遠藤は考えた。
 地下は20センチ程度浸水していた。RCIC室の水密扉を開けると室内から水が流れ出ると同時に「キーン」とジェットエンジンのような音が耳に飛び込んできた。RCIC特有の駆動音だった。
 「動いているぞ!」
 この情報は都内で午前3時すぎから2号機ベント実施の記者発表を始めていた東京電力常務小森明生(58)にメモで差し入れられた。方針は急きょ変更され「ベントは1号機で実施」となった。
 所長の吉田昌郎(56)は後に、2号機RCICが動いていたことを振り返り「天の助けだった。あれがなければもっと大変なことになっていた」と語った。
(敬称略。年齢、肩書は当時。共同通信 高橋秀樹)


全電源喪失の記憶15次々と「ベント」志願

 突入チームを要請

1号機のベントで開ける二つの弁の位置 3月12日未明、福島第1原発1、2号機中央制御室の運転員たちは疲れ切っていた。床でひざを抱える者、制御盤前に横たわる者-。しんと静まり返った制御室が時折、大きな余震で揺れる。
 「1号機の格納容器圧力ががんがん上がっていたので、壊れる前に圧力を下げる必要がある。ベントしかないってみんな意識していましたね」
 作業管理グループの大野光幸(51)は明かりの消えた2号機の制御盤側にいた。ベントは放射性物質を含んだ蒸気を格納容器から放出する作業で、誰かが放射線量の高い原子炉建屋に入って弁を開けなければならない。
 その時、当直長席の伊沢郁夫(52)の前にあるホットライン(専用電話)が鳴った。相手は免震重要棟の発電班副班長野口秀一(54)だった。
 「指示が出た…。ベントに……行ってくれ」
 突入チームを選ぶよう求める電話だった。伊沢と同期入社の野口は胸を締め付けられる思いだった。放射性物質を外部に出してはいけないと教え込まれる運転員にとって、ベントは「自殺行為」と言えた。
 「電源がなくなって制御室では弁の操作ができない。あとは現場に人を出すしかなかった。伊沢君はつらかったと思います。でも吉田所長も私も伊沢君も命令するしかなかった。苦渋の決断というのはこのことを言うんだと思いました」
 黙って電話を聞いていた伊沢が受話器を置き、立ち上がった。

 家族の存在よぎる

全電源喪失の記憶14-11号機のベントをめぐる経過 「集まってくれ」
 ゆっくりと集まってきた運転員たちの視線が伊沢に注がれていた。
 「ベンドの指示が出た……。申し訳ないが……誰か行ってくれないか。まず俺が行く」
 皆、無言だった。
 「伊沢君はここに残って仕切ってくれなきや駄目だ」
 声を上げたのは応援に駆けつけた当直長たちだった。彼らは1人、また1人と手を挙げ、突入チームに志願した。
 大野も右手を胸の辺りまで挙げかけた。だがそこから上にどうしても挙がらない。右手は結局、下ろした。
 「怖かったです。申し訳ないとは思いました。でも原子炉建屋に入るってことは半端じゃない被ばくをするってことです。死ぬかもしれない。家族のことも頭をよぎりました…」
 当直長席の傍らでは、応援のE班当直長遠藤英由(51)がホワイトボードに突入チームの編成を書き込んでいった。



 格納容器外側の弁を開ける第1班はE班副長ら2人に、格納容器下部の圧力抑制室まで行く第2班は遠藤とC班当直長になった。さらに万が一に備えた第3班を加えたチーム編成が決まり、あとは突入命令を待つだけとなった。
(敬称略。年齢、肩書は当時。共同通信 高橋秀樹)
  =第1章終わり=


2011年3月23日福島第一原子力発電所 中央制御室
2011年3月23日福島第一原子力発電所 中央制御室


【詳細】原発事故後、敷地内での最高値25SV/hを測定(おしどりマコ)
http://no-border.asia/archives/17293


2013年12月6日の会見において、福島第一原発敷地内で、25SV/hの地点があることが発表された。
原発事故後の測定値として最高の値である。

3行まとめ

①25SV/hという原発事故後の最高値が測定された。
②場所は、1/2号機排気筒の下部、2011年8月に10SV/h以上と測定された地点である。
③排気筒下部に接続されているSGTS配管のうち、1号機に接続されている配管内部に線源があると考えられる

下記の資料について、東京電力の設備管理課長に取材した内容を解説する。

福島第一原子力発電所1/2号機排気筒の下部線量測定について(訂正版)

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2013/images/handouts_131206_04-j.pdf

********

1.25SV/hが測定された「1/2号機排気筒」の場所、破断について。

2013年11月21、22日に測定は実施された。
1/2号機の排気筒とは、1/2号機の山側にあり、ベントなどを行う際の排気筒である。

場所はこちら

「1/2号機排気筒」の場所

東京電力福島第一原子力発電所1,2号機排気筒の支柱鋼材の破断に係る報告について
https://www.nsr.go.jp/committee/kisei/data/0023_06.pdf


排気筒全景はこちら

排気筒全景

東京電力写真ライブラリーより
http://photo.tepco.co.jp/library/131007_01/131007_19.jpg

ちなみに、この排気筒(スタック)とは、中央部に東日本大震災による破断がみられている。

排気筒の損傷位置

福島第一原子力発電所1・2号機排気筒の部材損傷に対する耐震安全性評価について
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2013/images/handouts_131007_06-j.pdf

排気筒破断箇所
排気筒破断箇所
http://photo.tepco.co.jp/library/131007_01/131007_02.jpg

********

2.過去に10SV/h以上と測定された地点

2011年は、機器の性能により、10SV/h「以上」とまでしか測定できなかった。

2011年8月に、ガンマカメラで撮影した際、排気筒に接続されたSGTS配管の特に1号機から伸びている配管に高線量域が確認された。画像の色がついた部分である。

10SV/超の高線量線源の現場写真
10SV/超の高線量線源の現場写真・ガンマカメラ画像
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/images/handouts_110802_01-j.pdf

この2か所を、点の線源と推定し、1号機から伸びるSGTS配管の5か所で測定が行われた。

5か所、ポイント①~⑤のうち、2011年に10SV/h以上と測定されたポイント①は、配管からの距離を変え、4点で測定された。

10SV/超の高線量 測定結果

測定した機器は999mSV/hまでしか測定できない多チャンネルエリアモニタである。
測定線種はX線とγ線の半導体検出器である。

測定資機材
福島第一原子力発電所1/2号排気筒の解体・補強等検討に向けた線量測定と落下物に対する防護対策の実施について
http://www.nsr.go.jp/disclosure/meeting_operator/BWR/data/20131022_01_shiryo02.pdf

前述のガンマカメラで発見された2か所を点の線源と仮定し、その線源からの寄与が支配的なものとする。そして、それぞれの測定点の「線源からの距離」「線量」から、線源の線量を計算したのである。

つまり、仮定した線源を「X」SV/hとし、そこから何mのところで、どれくらいの線量か、という8か所の測定値から、「X」を計算したというわけである。


線源位置における線量率の推定

********

ここから、筆者の質問と東京電力の回答を記す。

Q:2号機につながるSGTS配管は測定しなかったのか。

A:

①2011年8月のガンマカメラの測定で、高線量のポイントは1号機につながるSGTS配管であること、
②高線量地点の測定は近づくことができず、車からポールを伸ばして測定するが、2号機につながるSGTS配管側からは構造物、瓦礫の都合上、近づくことができないこと

以上の2点から、今回の測定は1号機につながるSGTS配管のみだった。


Q:降雨が排気筒に入ると雨水がたまらないのか、何らかの蓋があるのか

A:排気筒に蓋は無い構造。なので雨水は入る。排気筒の地下に、雨水が溜まるようになっている。

Q:その雨水が排気筒の中にたまり、高線量のSGTS配管の付近まで達し、雨水が逆流するようなことは無いのか。

A:無いと思う。排気筒の下に溜まった雨水は、排水ラインがあり、建屋のほうに流れるようになっている。
しかし、震災後、確認したわけではないので、現在もそのようになっているかは未確認。


Q:SGTS配管の口径、素材は

A:素材はカーボンスチール製。(鉄)
口径は25‐30cm。
肉厚は10mm。

(つまり、内径は23‐28cmで、カーボンスチールの厚みは1cmということである。)

Q:今回の測定ではβ線は測定していないが、カーボンスチールで1cmの厚みだと、どれだけ内部に高線量の線源があっても、配管外側からでは測定することは難しいか。

A:難しいと思う。


Q:25SV/hという数字は燃料に近い数字か。

A:さまざまな燃料のタイプがあるので、さまざまな線量があるから、一概に言えない。

Q:これは1号機の爆発時に付着した線源か。

A:ベントか爆発のときに、燃料が壊れ、中のものがたくさん出てしまったときのものだと思う。

Q:これはSGTS配管を通って、排気筒を通り抜け、環境中に放出されたのか。

A:そうだと思われる。



Q:排気筒にも高線量の線源が付着した箇所はあるのか

A:可能性はある。しかし、縦方向の測定はこれからである。本来、排気筒上部の120mまで実測することが望ましいが、クレーン車の関係上難しいため、いったん50mまで測定し、その後、検討して120mまで測定するかの判断をする。

とのことであった。

1/2号機排気筒は、震災により破断が見られ、構造計算後に安全性が担保されていることになっているが、現在、付近を通行する際は監視員を置いている状況である。

その排気筒に接続されているSTGS配管は、1cmの肉厚の配管内にある線源だが25SV/hある。

これは、X線、γ線のみの線量である。(ほぼセシウムの寄与だという)

1号機からのSGTS配管の汚染なので、1号機の関与である。

環境中への放出ルートである、排気筒の測定はこれからである。

********

25SV/hという人間の近づけない線量域である。
対処するには、技術か、もしくは年月が必要だろう。

そして、それは1号機の「中のものがたくさん出てしまったとき」の関与で、それらはSGTS配管から排気筒を通り、環境中に放出されたのである。

(撮影おしどりケン)


【福島原発】2011/3/25/金★作業員の被爆について

http://youtu.be/js0MHm4wxVs
福島原発事故の現状について 小出裕章先生(京都大学原子炉実験所)に聞く


【福島原発】2011/4/8/金★昨夜の余震について 2/2

http://youtu.be/XJjoOPAkTbw
福島原発事故の現状について 小出裕章先生(京都大学原子炉実験所)に聞く


【福島原発】2011/4/18/月★東電の工程表について 1/2

http://youtu.be/DN-jfR0iI3o
福島原発事故の現状について 小出裕章先生(京都大学原子炉実験所)に聞く

Radio News「たねまきジャーナル」


全電源喪失の記憶 第一章・まとめその1 へ戻る


【 私たちが知らない4年目の福島第一原発、その真実の状況 】《前篇》(星の金貨プロジェクト)
http://kobajun.chips.jp/?p=17606
福島第一原発の本当の状況について、きわめて貧弱な情報しか提供されていない
福島第一原発の設計、それは第二次世界大戦後のアメリカの産業技術を支配していた傲慢さの現れ
メルトダウン・メルトスルーから使用済み核燃料プールの火災へ!国の破滅が眼前に迫っていた3.11

アーニー・ガンダーセン / フェアウィンズ 3月12日


以下、リンク先をご覧下さい m(_ _)m

【 私たちが知らない4年目の福島第一原発、その真実の状況 】《中篇》(星の金貨プロジェクト)
http://kobajun.chips.jp/?p=17623

【 私たちが知らない4年目の福島第一原発、その真実の状況 】《後篇》(星の金貨プロジェクト)
http://kobajun.chips.jp/?p=17650



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政権のやりたい放題がなぜ許される!(○`ε´○)

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政権のやりたい放題がなぜ許される/ヒトラーまであと一歩と自民重鎮も危惧!!(日刊ゲンダイ)
政権のやりたい放題がなぜ許される


安倍首相は景気動向を勘案した上で、2013年10月1日に消費税増税を表明したワケですが、実際に取る現場(国税庁)では既成のこととして来年10月1日に10%に上げますよと告知していた!(--〆)

「消費税法改正のお知らせ」(平成25年3月)国税庁


安倍政権がもくろむ悪魔の増税プラン!


国民生活破壊の酷い政治です!

消費税増税 “首相どこまで冷たいの”東京の商店街でアンケート「困る」「怒り心頭」73%(しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-04-17/2014041701_01_1.html
「節約も限界。もう暮らしていけない」「安倍首相は、どこまで冷たいの」―。4月から消費税が8%に増税され、いっそう苦しさを増す庶民の生活。東京都内の商店街やオフィス街で聞くと、増税による打撃、不安や安倍政権への怒りの声があふれていました。 (取材班)

消費税増税シールアンケートに応じる人たち都内でも有数の下町の商店街で平日の昼間からにぎわう板橋区の「ハッピーロード大山商店街」。本紙は14日、「消費税8%増税をどう思いますか」と買い物客や商店主らにシールアンケートを行いました。

「賛成」はゼロ

 アンケートに応じてくれた114人中、増税は「困る」48人、「怒り心頭」35人と反対意見が83人(73%)にのぼりました。増税を「しかたない」という回答は31人(27%)ありましたが、「賛成」にシールを貼る人は“ゼロ”でした。

 「怒り心頭」にシールを貼った女性(29)=板橋区=は現在求職中です。「ハローワークに行っても求人状況は良くなっていない。安倍首相は、増税にみんな怒っていることを知ってほしい」と憤ります。

 小学4年生の男の子も「ぼくも貼っていいですか」と「困る」にペタリ。「駄菓子屋さんが値上がりしちゃった」と悲しそう。

 商店への増税の影響は深刻です。60年続く金物屋の男性店主は、増税と物価高で仕入れ代が上がり、商品を値上げせざるをえませんでした。「アベノミクスというが、大企業を優遇して、商店街は衰退している。10%に増税されたら廃業を考えてしまう」

運賃増に実感

 都心のオフィス街に近いJR新橋駅前でも話を聞きました。仕事の打ち合わせで待ち合わせ中の男性(50)=横浜市=は「交通運賃が上がっているのを見ると増税を実感する。でも給料はあがらない。高校生と浪人生を抱えて家計は大変です」と訴えます。

 ビジネスマンのなかでは、「社会保障に使うのなら」などと“条件付き”で「しかたない」という声も目立ちました。しかし、対話すると家計への影響を訴える人がほとんどでした。



福岡と産経にとって「守るべき人」とは?
生活保護 不正受給は許さない! 福岡市が“たれ込み”ダイヤル開設(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140408/lcl14040821540002-n1.htm


復興予算を個人の生活支援に



(。-_-。)



集団的自衛権 ごまかし「限定行使」論/根拠薄弱の表れ/慶応大学名誉教授 小林節さん
「しんぶん赤旗・日曜版」 2014年4月20日号 5面
集団的自衛権 ごまかし「限定行使」論 小林節さん
 集団的自衛権行使を容認するために憲法解釈変更をねらう安倍内閣
・自民党は、行使を「限定する」と主張し始めました。改憲派の憲法学者、小林節慶応大学名誉教授・弁護士に聞きました。 田中倫夫記者

 政府・自民党が集団的自衛権の行使容認の根拠として、1959
年の「砂川事件最高裁判決」(別項)を急に引
用し始めました。

改憲論の私も

 しかし、集団的自衛権の行使容認の根拠として砂川事件判決を使うなどは、法律家のメジャーな議論ではありません。急に言いだしたのは、集団的自衛権容認の根拠がなくて、あわてて根拠を探しまわった証しです。根拠の薄弱さが表れています。政権政党が憲法を無視して、「結論先にありき」の議論を始めたことはとても危険です。

 もともと砂川事件裁判というのは、アメリカが日本に軍隊を置いていることの合憲性を問うたものです。日本が集団的自衛権を行使して、自衛隊を海外派兵することの合憲性を問うたものではありません。そもそも論点が違う。だからこそ、いままでだれも使ったことがありません。それを突然持ち出すのは、まさに「牽強付会(けんきょうふかい)」(関係ないものをこじつけること)です。

 さらに言うならば、この判決は、きわめて政治的な事例の判断から司法が逃げた例です。つまり、日米安保条約の合憲性という高度に政治的なことがらについては、主権を有する国民の判断にゆだねる、としたのです。司法が判断を逃げた判決から、司法の「お墨付き」を引っ張りだすというのは、法律家の私からみると恥ずかしいことです。

 自民党の高村正彦副総裁などは、“日本政府は戦後すぐには「自衛権はない」と言っていた。そこから「自衛隊は合憲だ」と180度大転換していることと比べると今回の集団的自衛権の行使容認は1000分の1程度の転換だ”などと言っています。これもまったく逆です。

 もともと政府が「自衛権はない」と言っていたのは、戦後すぐのアメリカ占領下でのことです。政府は主権回復後、当然、自衛隊を創設しました。しかし、当時は海外に出ることは想定していなかった。だから「自衛隊」という組織にして、専守防衛で海外には出ないということで、ようやく憲法と折り合いをつけたわけです。

 みなさんとは立場は異なるかもしれませんが、程度問題で言うなら、自衛隊を創設したときは憲法の範囲内で解釈していたのです。ところが、今回の集団的自衛権行使を解釈で認めることは、憲法の枠を超えることになります。自衛隊創設時が1なら、今回の解釈変更は1000です。今回の変更の方がはるかに重大で、これでは改憲ではなく、憲法そのものの破壊です。だから改憲論の立場に立つ私も批判しているのです。

同盟国とは

 集団的自衛権とは、国際法上の概念で、自国にたいする武力攻撃がなくても、同盟国が戦火に巻き込まれたときに、是非を問わず助けに入る権利です。

 同盟国とは、是非を問わず相手の戦争に巻き込まれてあげる関係です。

 したがって、集団的自衛権には本質的には「限定」はありません。いったん認めるとアメリカの要求でどんどん広がっていくでしょう。

 この問題では自民党のスケジュールは大きく狂っています。私たちと論争すると、彼ら自身の根拠がよろよろし始め、安倍首相の私的諮問機関・安保法制懇の答申も5月にずれこみました。とうとうマスコミの世論調査が逆転しました。にもかかわらず、ごり押ししようという自民党は、次の総選挙で下野させなければいけません。

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砂川事件

  砂川事件最高裁判決とは

 米軍駐留の合憲性が問われた判決。1957年7月に米軍立川基地(旧砂川町)の拡張に抗議するデモ隊の一部が基地内に立ち入ったとして、日米安保条約に基づく刑事特別法で起訴された「砂川事件」で、東京地裁は59年3月、米軍は憲法9条2項が禁じた「戦力」にあたり駐留は違憲と無罪判決。最高裁は同年12月、「戦力」ではないと一審判決を破棄しました。



暴走・安倍政権の歯止めとなるか 「立憲デモクラシーの会」(田中龍作ジャーナル)
http://tanakaryusaku.jp/2014/04/0009145
今ほど憲法と民主主義が危機に瀕している時はない
「今ほど憲法と民主主義が危機に瀕している時はない」。学者たちは異口同音に語った。=18日午後、衆院会館 写真:山田旬=

 自分たちの勝手な憲法解釈で集団的自衛権の行使に道を開こうとする安倍政権。「このままでは憲法も民主主義もダメになる」-危機感を抱く憲法学者や政治学者たちが立ち上がった。

 「憲法に基づく政治を取り戻そう」。著名な学者約50人がきょう、「立憲デモクラシーの会」を設立した。(共同代表:奥平康弘・東京大学名誉教授/山口二郎・法政大学教授)

 同会は衆院議員会館で午後、設立の記者会見を行った。登壇した9人の学者は自らの学問領域を否定するような安倍政権に怒りを表した。

 口火を切ったのは奥平共同代表だ。「政権に異議申し立てをしてこなかったことを改める必要がある。インテレクチャル(知識層)が異議申し立てをしようじゃないか」。

 もう一人の共同代表である山口二郎氏が続いた。「政治の世界では何もできないが、知的な世界では対抗勢力になりうる。集団的自衛権の容認に知恵を提供する『安保法制懇』の対抗軸にならなければならない」。

 立教大学の西谷修教授(思想史)は「戦争とメディア」と題して次のように話した―「メディアがアンダーコントロール、情報がアンダーコントロールの状態にあるかもしれない。私たちは別の現実を知らされているかもしれない」。

 軽減税率などをエサに安倍官邸はメディアを使って情報操作し、国民に真実を知らせていない、という意味だ。西谷教授は「気が付いたある時、戦争の中にいる」とも語った。

 昨年末、特定秘密保護法ができた時も今回と同じような雰囲気だった。学者や法律家が異論を唱えた。世論調査でも反対が50%以上を占めた。それでも国会で可決・成立した。数の力だ。

 「立憲デモクラシー」は今後シンポジウムを開くなどして世論に訴える活動を展開するとしている。だが、それだけで安倍政権の暴走に歯止めがかかるのだろうか。

「解釈改憲で憲法9条を壊すな」
「解釈改憲で憲法9条を壊すな」。市民レベルの反対運動も高まりを見せてきた。
=17日正午頃、国会周辺 写真:山本宏樹=




「平和憲法電車」中止ひどい
土佐電気鉄道消える路面電車「平和憲法号」


「フツーの自衛権」と「集団的自衛権」は違います!


戦争で一体誰が得をする!


自衛隊イラク派兵差止訴訟、高裁判決6周年 池住 義範(「九条自由広場」)
http://blog.goo.ne.jp/9syowa9/e/d8c77228aa361b744a27c7041725b58a
池住さんから情報の提供がありました。ご紹介します。

<2014年4月メール通信> BCC送信
*受信不要・重複受信の方、ご一報下さい。
     ~無断転送・転載、歓迎~

 2008年4月17日、自衛隊イラク派兵差止訴訟で名古屋高等裁判所は、歴史的な、画期的なイラク派兵違憲判決を出しました(2008年5月2日確定)。

 それから丁度6年経った本日、同訴訟全国弁護団連絡会議は、以下の声明を出しました。安倍政権は憲法解釈変更によって集団的自衛権の行使を容認しようとしていますが、その動きを阻止するため、共に立ち上がろう、と呼びかる声明です。

 本日、愛知県弁護士会館で共同記者会見を行い、私も同席しました。やや長文ですが、みなさん、是非読んでください。

 なお、これと関連した集会を、来る5月11日(日)午後、名古屋市内で行なう予定です。川口創弁護士に講演していただき、話し合いの時をもちたいと考えています。詳細、近日内に改めてご案内、お知らせします。とりあえずご予定に加えておいていただければと思います。

  2014年4月17日
               池住義憲
              (自衛隊イラク派兵差止訴訟元原告)

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名古屋高裁・イラク派兵違憲判決6周年にあたっての声明

『憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認を阻止するため、
主権者として、今こそ「平和のうちに生きる権利」の行使を訴える』

      2014年4月17日
      自衛隊イラク派兵差止訴訟全国弁護団連絡会議

1.安倍首相は、今年2月の国会で、安保法制懇から集団的自衛権の行使容認の報告書の提出を受け、夏頃には閣議決定で決めると表明し、いまその準備を着々と進めている。
 
 安倍首相の狙いは、尖閣問題など「対中国防衛」を理由に、今秋の臨時国会で自衛隊法や周辺事態法の改正案を成立させ、年末までに行う「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の再改定に集団的自衛権の行使容認を組み込むことにあるとされる。

2.時の政府が、憲法の解釈を変更し集団的自衛権の行使を容認することは、武力による威嚇及び行使を禁じた憲法9条1項、さらには戦力の不保持、交戦権の否認を定めた同2項に違反し、国家権力の濫用を憲法で規律する立憲主義を破壊するものである。
 
 それゆえに、歴代の政府は、わが国が行使しうる自衛権は、自国への急迫不正の侵害があった場合に実力をもって防衛すること(個別的自衛権)に限定され、自国への攻撃を条件としない集団的自衛権はわが国を防衛するためとは言えず許されない、そして、かような個別的自衛権を行使するための必要最小限度の「実力」に止まる限り、自衛隊は「戦力」ではなく憲法9条2項に違反しないとの憲法解釈を長年にわたり堅持してきた。
 
 また、歴代の政府は、解釈改憲という手法も否定し、集団的自衛権の行使を許さないとの憲法解釈を変更することはできない(1996年政府答弁)と明言してきた。

3.そもそも集団的自衛権は、個別的自衛権と異なり、国連憲章制定の過程で作られた新しい概念である。国連憲章は、第二次世界大戦が軍事同盟の拡張と対立のもと「自衛」の名で戦争がなされ、未曾有の被害をもたらした反省から、2条4項で、自衛戦争も含め戦争の違法化を明記し、国連が紛争を解決し国家の自力救済を認めない「集団安全保障」という考え方を採用した。

 この例外として、「安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間」という厳格な制限の下に認められたのが個別的自衛権と新たな集団的自衛権だった(憲章51)。従って、軍事同盟による防衛という考え方自体、国連憲章の集団安全保障の原則に逆行し、国際平和の国連中心主義に背を向けるものである。

4.ところが、国連憲章の「鬼子」というべき集団的自衛権は、戦後一貫して、大国が他国へ軍事介入するときの道具として利用されてきた。ベトナム戦争におけるアメリカの武力行使(1965年)、ソ連によるアフガニスタン侵攻(1979年)、ニカラグア内戦におけるアメリカの武力行使(1980年代前半)などがそうであった。

 21世紀に入ってからは、9.11後のアフガニスタン戦争(2001年~。アメリカとNATOが集団的自衛権を行使)などの「対テロ戦争」に使われている。しかも、「先制的」自衛権行使まで認め、自衛権概念を拡大している。

 これに対して、わが国は、アフガニスタン戦争においては後方支援の名の下に米軍・NATO軍にインド洋上で武力行使と一体というべき給油活動を行い、イラク戦争においては「人道・復興支援」の名の下に空自の輸送部隊、重装備の陸自部隊を派遣して物資や人員の輸送、警護を行なった。

 特に、イラク戦争では、イラクの国土及び人々に余りにも甚大で悲惨な被害を与えた。死者は100万人、国内外にあふれた難民は550万人を超えるとされる。日本人5名が殺害され、5名が人質になるなど、憲法9条の下であってはならない犠牲者を出したことも忘れてはならない。
 
5.この自衛隊イラク派兵に対して、2004年、憲法9条の恒久平和主義、平和のうちに生きる権利の実現に努めてきた市民は、派兵差止・違憲確認訴訟にたちあがった。

 自民党の元閣僚、故箕輪登氏は、「専守防衛」の立場から同年1月全国で最初に訴訟(札幌)を提起した。名古屋では「私は強いられたくない。加害者としての立場を」というスロ-ガンのもとに、7次にわたり全都道府県から3200人が原告となった。

 この年、3月には東京訴訟が、4月には故小田実、鶴見俊輔氏らが先頭にたち原告数1000名を超えイラク人も原告となった関西訴訟が提起された。5月には静岡で、7月には大阪で派兵「費用支出」差止訴訟が、8月6日広島原爆投下の日には山梨で、12月には宇都宮と仙台で訴訟が起こされた。2005年1月には岡山、3月には熊本、京都でも訴訟が提起された。
 
 仙台では、2007年10月、情報保全隊によるイラク戦争に反対する市民への監視活動差止訴訟も提起され、2012年3月26日に画期的な勝訴判決を得、現在高裁に係属中である。

 こうした市民のたたかいは、全国で11地裁・14訴訟、原告数5700名、代理人数800名という、戦後最大の憲法訴訟に発展した。私たちは、一歩また一歩と事実と論理を積み上げ、6年前の2008年4月17日、名古屋高裁で画期的な違憲判決を勝ち取り、同年12月、完全撤退を実現した。
 
6.名古屋高裁判決は、憲法9条についての政府解釈を前提として、①バグダッドを「戦闘地域」と認定し、②2006年7月以降に開始された航空自衛隊のバグダッドへの多国籍軍兵士の輸送活動が「武力行使」に該当するとし、③イラク特措法を合憲的に解釈したとしてもなお自衛隊の活動は憲法9条1項に違反する、としたものである。
 
 また、同判決は、日本国憲法が定める戦争放棄(9条1、2項)と全世界の人々の平和のうちに生きる権利=平和的生存権(前文)の存在意義を改めて確認するものだった。

 特に、平和的生存権を、「現代において憲法の保障する基本的人権が平和の基盤なしに存立しえない」「全ての基本的人権の基礎にあってその享有を可能ならしめる基底的権利」であると位置づけ、「裁判所に対してその保護・救済を求め法的措置の発動を請求しうる」としたことは、平和と人権の不可分な関係を明らかにし、市民が政府の戦争政策に反対してたたかう強力な法的論拠を与えた。

 7.名古屋高裁判決は、憲法9条の解釈について確定した判例である。戦後の護憲運動の貴重な到達点の1つであり、世界に誇るべきものである。

 判決は「憲法9条に違反する国の行為、すなわち戦争の遂行、武力の行使等や、戦争の準備行為等によって、個人の生命、自由が侵害され又は侵害の危機にさらされ、あるいは、現実的な戦争等による被害や恐怖にさらされるような場合」(下線は弁護団)に国民は平和的生存権を行使できると判示している。

 今まさに私たちは、主権者として憲法が保障する自由及び権利を保持する責務(憲法97条、12条)を果たすべき重大な事態に直面している。

 私たち弁護団は、イラク派兵差止・違憲訴訟をたたかった法律家として、安倍内閣による集団的自衛権行使容認の策動に断固反対し、全国各地でその運動の先頭に立つことを表明し、ともにたたかった原告の方々、支持して下さった方々、そして全ての市民の皆さんに、集団的自衛権の行使容認阻止のために共に立ち上がることを心から訴える。
     以上

小出裕章先生:もう水をとにかく入れて冷やすというやり方は、 早くあきらめるべきだと思います

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◆【小出裕章ジャーナル~第67回】
汚染水を水で冷やすというやり方はあきらめなければならない!

http://youtu.be/aIqSfC2ixeA
ALPSは汚染水対策の切り札なのか?
「まともに動かないということがありますし仮に動いたとしても多分私はできないと思います」
~第67回小出裕章ジャーナル

http://www.rafjp.org/koidejournal/no67/
東芝製ALPS

今西:
福島第一原発の汚染水問題、相変わらず続いているんですけども、 汚染物質を取り除けるALPS(アルプス)という装置が 鳴り物入りで1日750トンの汚染水が処理できるということでですね、 非常に期待が大きかったのですが、 実際、試験運転的に稼働させましたら、 先だってもですね十分に浄化されてないということでした。
多核種除去設備 (ALPS)
やはり、なかなかああいう過酷な環境の中でキチンとした物を設置するというのは、 かなりハードルが高いということなんですね。

小出さん:
はい。大変難しいだろうと思います。 今、汚染水の中にある放射性物質の内で、特別に重要なのは3種類しかありません。

今西:
3種類ですか?はい。

小出さん:
セシウムストロンチウムと、そしてトリチウムです。 セシウムに関しては、これまでもそれなりに補足するという装置が動いてきまして、 まあそれなりに捕まえてきたのです。
放射性セシウム除去装置(SARRY)
ただし、今私それなりに捕まえてきたと言いましたけれども、 捕まえるということは消したということではないのです。 いわゆるゼオライトという粘土鉱物にですねセシウムをくっつけたというだけなのであって、 汚染水の中にあったセシウムは、どんどんどんどんゼオライトにくっついてきたわけです。
ゼオライト
ある所まで行きますと、ゼオライトがセシウムをくっつける力を失いますので、 そのゼオライトをそのまま保管しているのですけれども、 保管すると言っても、ゼオライトのそのものの温度は多分もう何百度にも、 もうなってしまっていると思います。

そして、放射線を出しているわけですから、 もう保管すること自身も大変危険なことだという状態でやってきました。 ただし、セシウムを取り除いても汚染水の中には、 ストロンチウムとトリチウムという放射性物質が残っています。

ALPSというこの装置、あるいは他の装置を組み立てたところで、 トリチウムという放射性物質は全く補足できないのです

ですから、ALPSで、もし取り除くことができる、 あるいは意味があるとすれば、ストロンチウムという放射性物質です。 東京電力の説明によれば、汚染水の中からストロンチウムを捕まえて、 汚染水の中のストロンチウムの濃度を法令が定めている濃度限度以下にできるので 海に流せるというのが東京電力の描いている絵なのです。

しかし、残念ながら多分それはできないのです。 ALPS自身がまともにまずは動かないということがありますし、 仮に動いたとしても多分私はできないと思います。

例えば、つい先日もタンクの中から汚染水が漏れていますけれども、 ある時に漏れた汚染水の中には「全ベータ放射能」と私達は呼ぶ放射能の量が、 1cc(※1Lの間違い??)当たり2億4千万ベクレルという時がありました
H6エリアタンク雨樋水(2/20 採取)

今西:
とんでもない数値ですね。

小出さん:
それはおそらく正体は、ストロンチウムだと私は思っていますが、 環境中にもし放射能を流していいという濃度まで下げなければいけないとすると、 その濃度は1cc当たり30ベクレルなのです。

それに比べて汚染水の中には2億4千万ベクレルもの放射能があったということですから、 一言で言えば、1000万分の1に綺麗にしなければいけないということなのです。

それで、私も京都大学原子炉実験所の中で廃液の中から放射性物質を捕まえる という仕事をしている人間なのですが、 「汚染を1000分の1まで減らせ」と言われれば「あっ、できる」と即答します。 「1万分の1に減らせ」と言われたら「うん、まあできるだろうな」と思います。 「10万分の1にしろ」と言われたら「ん~、できるかなあ」と首をひねってしまうという、 そういうぐらいのことなのです。

それも私が今できるできないと言ったことは、非常に綺麗なというかですね、 そんなに被ばくをしないでも済むような場所でキチッとした装置を使って、 キチッと作業をしてできるのがどのくらいかという事をお答えしているのであって、 そうではない現場、もともとキチッとした装置ではない物で、被ばくをしながら作業をして、 1000万分の1にしなければいけないという状態に今なっているわけで、 残念ながら多分できないと私は思います。 そうなると、いつか汚染水そのものを海へ流さなければならなくなる日が そう遠くなく来るだろうと思います。

今西憲之:
なるほど。 それでですね、実際例えば先ほどセシウムの場合はゼオライトを使用して、 そこに吸着させる。 けども、そのゼオライト自身は結局、放射性物質を帯びてしまうということは、 そのゼオライト自身もまたこれキチンと管理をしないといけない。 だから、それが汚染水からゼオライトという物に変わっただけで…。

小出さん:
そうです。 要するに、体積をコンパクトにしたいのです。 今はもう敷地の中に何十万トンというような汚染水があって、 そんなものいつまでも溜めておける道理がないわけですから、 とにかく量を減らしたいということで、 水の中からゼオライトというような粘土鉱物の方に移して、 体積を減らしたいと言ってるわけです。

しかし、体積を減らすということは、 要するに、一定の体積の中に含まれる放射性物質の量が増えてくるわけですから、 発熱量がどんどん増えて、要するに温度がどんどん上がってくると。 多分、何百度というような温度に既になってしまっていると思います。

要するに、正体はウラン核分裂した核分裂生成物そのものなわけで、 これまで日本の国、あるいは世界中で その核分裂生成物をどうやって始末すればいいのかと さんざん悩んできているわけですけれども、 本当にどうしたらいいかということは、未だにわからないのです。

日本の場合には、高レベル放射性廃物という物をガラスに固めて 地下300~1000メートルに埋めてしまおうというような計画が進んでいる わけですけれども。 それにしたって日本のような地震国では、「安全である」 なんてことが言えないという状態で、みんなが頭を抱えているわけです。
地層処分の概念
日本は世界有数の「地震国」
この今セシウムを吸着したゼオライトという粘土鉱物だって、 まさに高レベル放射性廃物とでも呼ぶべきものなのであって、 これをほんとにどう出来るかということは、 残念ながら誰にも分からないのです。

今西:
なるほど。 ということはですね、まあ確かにALPSが稼働し、 汚染水が一定浄化されてくるというのも大事だと思うのですが、 それ以上に根本的な問題、「水で冷やす」ということを もう考え直さなければいけないということになるのでしょうか?

小出さん:
はい。 私はそう思います。

まずは、汚染水これ以上増やしてしまうと、 ほんとにどうにもならなくなって、 近い将来、汚染水を海に流すことになると思いますので、 今溶け落ちた炉心がどこにあるか分からないのですけれども、 でも、もう水をとにかく入れて冷やすというやり方は、 できる限り早くあきらめるべきだと思います

今西:
なるほど。 分かりました。 小出さん、ありがとうございました。

小出さん:
はい。ありがとうございました。

今西:
今日はですね、小出さんのお話でですね、 ほんとにあの汚染水問題が一層深刻である状況というのが、 ほんとによく分かりました。 次回も宜しくお願い致します。


福島第一原発のトリチウム汚染水
上澤千尋(原子力資料情報室)より
http://www.cnic.jp/files/20140121_Kagaku_201305_Kamisawa.pdf
トリチウムとは
トリチウムは水素の放射性同位体である。半減期 12.3年でベータ崩壊する。ごく弱いベータ線しか出さずガンマ線は放出しない(ベータ線のエネルギーは最大 18.6 keV,平均 5.7 keV でる)。環境資料中のトリチウムの検出には,簡単なサーベイメータなどは役に立たず,キシレンなどの有機溶媒に蛍光体を溶かした液体シンチレータを利用した装置(液体シンチレーションカウンター)を使う。
原発内でのおもな生成元は,核燃料の三体核分裂(ウランやプルトニウムが核分裂により 3 つのかけらに分かれる反応)である。そのほか,制御棒のなかの中性子吸収物質炭化ホウ素に含まれるホウ素 10に中性子があたってもトリチウムが生成される。原子炉水中に不純物として含まれるリチウム 6などに中性子があたることによってもトリチウムができる(加圧水型炉では,原子炉水中にホウ素とリチウムが添加されており,このため沸騰水型炉よりトリチウムの生成量が多
い)。
カナダにある CANDU(キャンドゥ)炉や,日本の 2003年3月に運転停止し現在解体工事中の新型転換炉「ふげん」は,中性子の減速材として重水を用いており,重水の放射化によって大量のトリチウムができる。また,イギリスにある改良型ガス冷却炉(AGR)では,燃料の被覆管にステンレスを採用しているのだが,トリチウムがステンレスの被覆管を通過してしまうため,環境中に大量のトリチウムが放出され問題になっている。
軽水炉の燃料中で生成されたトリチウムは,燃料被覆管が健全ならば外に出てくることはない。
再処理工場では,燃料棒をせん断する際にトリチウムが解放され,大気や海洋に莫大な量のトリチウムを放出している。このため,青森県にある六ヶ所再処理工場では計画の当初は設計図面にトリチウム除去施設を設置することになっていたが,経済的な問題か技術的な困難さが理由かわからないが,いつのまにか立ち消えになってしまった。
米国ハンフォードサバンナリバーなどの核兵器工場(再処理工場)でもトリチウムの汚染が深刻な問題になっている。

トリチウムの人体への影響
トリチウムは,壊変時に出すベータ線のエネルギーが小さいので,人体にはあまり大きな影響は
ないものと扱われてきた。確かに外部被曝はほとんど問題にならない。体内に取り込んだ場合でも,これまでは,トリチウムは酸素と結合してトリチウム水(HTO)の形をとることが多く,人体の特定の組織や臓器には濃縮しないため,その危険性は国際放射線防護委員会(ICRP)の評価でもセシウムと比べると 100分の 1から 1000分1程度とされてきた。
しかし,トリチウムがトリチウム水として人体に取り込まれた場合でも,その一部が細胞核の中
にまで入り込んで,DNA(遺伝子)を構成する水素と置きかわる可能性がある。その場合には,トリチウムが放出するエネルギーが低く飛ぶ距離が短いベータ線が遺伝子を傷つけるのに非常に効果的に作用し,ガンマ線よりも危険性が高いとみるべきではないかと指摘する研究もある。ベータ線の生物学的効果比(ガンマ線に対する相対的危険度)を1.5~5にすべきとの指摘もある。
有機トリチウムとしてふるまう場合にはもっと重大だと考えられている。トリチウムが有機化合
物の中に入った形になると,人体にも吸収されやすく,細胞核の中にも入り込みやすくなり,長期間にわたりとどまると考えられる。
トリチウムの線量係数についての表(表 1~3)を示しておく。

トリチウムの線量係数についての表





2年後の福島原発は?…“最悪のケース”初試算
(テレ朝news)
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000025403.html
 東京電力は、福島第一原発で汚染水が増え続け、2年後にも敷地内のタンクに入りきらなくなる“最悪のケース”を初めて試算し、その結果を原子力規制委員会に報告しました。

 東京電力は、タンクに汚染水を最大90万tまで入れられるよう計画し、タンクを海上輸送するなど建設を急いでいます。しかし、規制委員会から、地下水を海に流したり原子炉建屋の周りの地面を凍らせる「凍土壁」など、汚染水を増やさない対策が実施できない最悪のケースも試算するよう求められました。試算の結果、建設したすべてのタンクに汚染水を入れても、2年後に入りきらなくなるということです。規制委員会は、これまでに打ち出した汚染水対策で期待する効果が出るか確認するよう指示しました。


http://youtu.be/7VnPx2ApcaU

本当に二年後まで大丈夫なの??(°д°)
↓ ↓ ↓ これが真実では??(・・?


Contaminated water storage already 91% full / Could be overflowing by this coming June
(汚染水の貯蔵はすでに91%に達している/このままでは6月にもあふれ出るかもしれない)
fukushima-diary.com
http://fukushima-diary.com/2014/03/contaminated-water-storage-already-91-full-could-be-overflowing-by-this-coming-june/
東京電力の発表データから、その汚染水の貯蔵は、すでに91%に達していていっぱいになりつつあります。報告書は2014年3月19日に公開されました。
2014年3月18日の時点では、汚染水の総量は443407立方メートル(91%)で、総容量は485900立方メートルです。

福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第 142 報) 東京電力
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu14_j/images/140319j0101.pdf


【悲報】原発汚染水に打開策なし!!大竹まことと眞鍋かおりが掘り下

http://youtu.be/Q4ZLYmtIW7w



東電・東芝の「ALPS」は、役に立たない
東工大・冨安名誉教授に汚染水処理の対案を聞く
(東洋経済)
http://toyokeizai.net/articles/-/22253
福島第一原子力発電所の廃炉作業にとって、最大の難関が30万トン以上にものぼる汚染水処理だ。今年に入り、地下貯水槽やタンク底部からの汚染水の漏えい、堰からの流出事故が相次ぎ、汚染水の一部は海にも流れ出たとみられている。
 相次ぐ事故や増える一方の汚染水への対策として、政府と東電は多核種除去設備「ALPS」の増設や凍土壁建設を打ち出した。だが、切り札であるALPSによる汚染水処理に異議を唱える学者がいる。東京工業大学名誉教授の冨安博氏(現・大和エネルギー研究所技術総括)がその人だ。核燃料再処理など原子力化学の専門家である冨安氏に東電が進める汚染水処理の問題点について聞いた。

冨安博・東工大名誉教授
「多核種除去設備(ALPS)は無用の長物どころか、危険」とさえ話す、冨安博・東工大名誉教授

汚染水とは、ストロンチウム90問題にほぼ等しい

――かつて東工大で原子炉工学研究所教授を務めた冨安さんは、東京電力が導入したALPSによる汚染水処理に疑問を投げかけています。


福島第一原発の汚染水の実態は、ストロンチウム90による汚染にほぼ等しい。東電の公表資料によれば、処理対象水(RO濃縮塩水)に含まれるストロンチウム90の濃度は1600万ベクレル/リットルに達している。ほかの核種は十数ベクレルからせいぜい数万ベクレル/リットル程度。こうした事実から見ても、人体への毒性が強い放射性ストロンチウムのリスクをいかに減らせるかがポイントとなる。

東電は現状の技術では除去が困難なトリチウムを除く62の放射性核種を、ALPSを用いて規制値以下に減らすとしているが、本当の狙いは処理後の水を海洋投棄することにあると思われる。しかし、現在の年間規制値の10倍にも達する大量のトリチウムが含まれているALPS処理済み水を海に捨てることは事実上不可能だ。トリチウムの生物学的毒性についてはさまざまな見解があるものの、無害ということはない。

ALPSは無駄だけでなく危険、発想を切り替えよ

――冨安さんは、ALPSによる処理はコスト的に無駄であるだけでなく、危険だとも指摘しています。


東電はALPS処理済み水の海洋投棄を想定しているので、ストロンチウムと比べて相対的に微量で、危険性の少ない核種も高いコストと手間ひまをかけて基準値以下に減らそうとしている。そのためにALPSは設備が大がかりになった一方で、最も重要なストロンチウム除去のための工程が合理的に設計されていない。

東電の公表資料によれば、チタン酸塩を吸着材とする吸着塔の中で放射性ストロンチウムを吸着させることになっている。しかし、過度にストロンチウムを吸着した場合、放射熱と放射線化学反応(ベータ線が水に照射して水素を発生)による水素爆発のおそれがある。

偶然というべきか、前処理工程の「炭酸塩沈澱処理設備」でマグネシウムやカルシウムとともにストロンチウムの大部分が除去されるため、結果的に吸着塔の負荷が小さくなっている。しかし、こうした設備のあり方は本来あるべき姿とは違う。それに爆発のリスク自体もゼロではない。また、ALPSで除去した放射性ストロンチウムなどは、高性能容器(HIC)で厳重に保管するとしているが、ここでも発熱リスクや水素爆発のリスクが存在する。

――ALPSは故障続きで本稼働のメドがいまだに立っていません。その一方で増え続ける汚染水を減らすために、「高性能ALPS」を新たに導入する計画があります。

そうしたやり方は間違っていると思う。第一に考えるべきは、ALPS稼働を前提とした海洋投棄ではなく、できるだけリスクが少ない形で汚染水を溜め続ける方法に発想を切り替えることだ。

 簡便さと安全性を考慮すると、私が以前、東電とともに共同開発した炭酸塩沈殿法に勝る方法はないと思う。詳しい方法は後で述べるが、この方法は私が東京工業大学の原子炉工学研究所在籍時に東電から研究費を得て開発したもので、使用済み核燃料の再処理をすべて水溶液内で沈澱分離する方法だ。1997年の米国の原子力学会誌に学術論文が掲載されている。
この炭酸塩沈殿法にわずかな改良を加えると、放射性ストロンチウムは数百ベクレル/リットルの濃度まで除去できる。せっかく開発した技術を生かさない手はない。

「沈殿分離法」を提案したが、受け入れられず

――今年に入って、地下貯水槽や組み立て式タンクからの汚染水の漏えい、大雨で汚染水が堰からあふれる事故などが相次いでいます。ALPSの本格稼働を待ち続けるのではなく、一刻も早くタンク内にある汚染水のリスクを減らすことに注力すべきではないでしょうか。


炭酸カルシウム沈澱の様子写真 炭酸カルシウム沈澱の様子(冨安氏提供)

その通りだ。汚染水が漏れた場合の緊急対策としては、撹拌させながら、①塩化カルシウム水溶液と塩化ストロンチウム(非放射性)水溶液の混合溶液の投入、②炭酸ナトリウム水溶液の投入という手順で対策を講じる。

②の炭酸ナトリウム溶液を投入すると、液は直ちに混濁し、放射性ストロンチウムは炭酸カルシウムとともに沈澱する(写真参照)。

沈殿物は土壌によって濾過されるため、漏えいした場合でも地下水汚染は軽減される。

貯蔵タンクが壊れそうな場合にも、緊急対策の原理を応用できる。つまりタンク内に塩化カルシウム水溶液と塩化ストロンチウム水溶液を投入して、ポンプで十分に撹拌した後に、炭酸ナトリウムの粉末を投入する。放射性ストロンチウムはその99.99%以上が貯蔵タンクの底部に沈澱する。ベータ線より沈殿物は発熱するが、大量の水の自然対流によって冷却されるため、危険性は少ない。「沈澱→遠心分離→乾燥→冷却」が最も確実な方法だが、それが難しいのであれば、タンク内に沈澱させる方法を考えてみるべきだ。

――冨安さんの提案内容は東電に伝わっていないのでしょうか。

原発事故から2カ月後の2011年5月には、清水正孝社長(当時)宛の書簡で、水溶液中で沈澱分離する方法として提案した。その後、担当者から「貴重なご提案ありがとうございます」という返事があっただけだった。今年4月には下河邉和彦会長にも書簡を送ったが何の返答もない。8月には田中俊一・原子力規制委員長に、汚染水処理の緊急提案として意見書を送付したが、反応はなかった。

大地震が来てタンクから汚染水が海に流出したら、取り返しがつかないことになる。それだけに、関係者には現実的な方法としてぜひ真剣に検討してもらいたい。

(なお、冨安氏の提案内容は、東京理科大学のホームカミングデー2013(10月27日開催)でポスター展示。また、9月25日の東電による記者会見で、相澤善吾副社長は「放射線量が高いために、タンク内でのそのような作業(=吸着剤の投入および撹拌作業)は困難」と説明している)



東電・元請け 問われる責任






廃炉への道(1)「放射能"封じ込め" 果てしなき闘い」(前)

http://dai.ly/x1pzc1h

廃炉への道(1)「放射能"封じ込め" 果てしなき闘い」(後)

http://dai.ly/x1pzf9u

NHKスペシャル シリーズ 廃炉への道 第1回 2014.4.20
「放射能"封じ込め" 果てしなき闘い」

数十年という時間の重みを、私たちは想像することができるだろうか-。
3年前の東日本大震災で、3つの原子炉がメルトダウンするという世界最悪レベルの事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所。現場では、溶け落ちた核燃料を取り出し、強い放射性物質を帯びた原子炉を解体する「廃炉」の作業がようやく始まろうとしている。3つの原子炉を「廃炉」し、避難した住民を帰還させるという、人類史上例を見ない試みは、果たしてどのような経過をたどるのか、福島第一原発の「廃炉」を長期にわたって徹底記録。科学的、社会的課題に向き合う大型シリーズを4月からスタートさせる。第1回は、「廃炉」がいかに果てしない作業か、数十年という歳月が人びとや社会にどのような影響を与えるのかを探っていく。NHKは、廃炉の“先進地”である、アメリカ・スリーマイル島原発やチェルノブイリ原発も徹底取材、廃炉に関する貴重な内部映像を入手した。福島第一原発の廃炉作業にもカメラを入れ、廃炉の大前提である「放射能の封じ込め」に苦闘する現場を見つめる。さらに、廃炉の行方を、固唾を飲んで見守る福島の人びとや自治体も取材。廃炉が人間や社会に与えるインパクトを探っていく。シリーズは、数十年かかる廃炉の作業を、取材制作スタッフも代替わりしながら長期的に記録していく、新たなテレビ的挑戦としたい。


原発再稼働へ圧力/エネ計画うけ”財界大合唱”


2014/04/19
【栃木】小出裕章氏 特別講演
-放射能と向き合い、子どもたちの未来を創る-

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/135448
 2014年4月19日(土)、栃木県那須塩原市の黒磯文化会館で行われた「第3回 311『つながる、つたえる、そして未来へ』集い」において、小出裕章氏(京都大学原子炉実験所)が「放射能と向き合い、子どもたちの未来を創る」と題し講演を行った。

■Ustream録画(録画配信映像 1時間40分


http://www.ustream.tv/recorded/46402431

講演 小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)「放射能と向き合い、子どもたちの未来を創る『未来のために今できること』」
日時 2014年4月19日(土)13:30~
場所 黒磯文化会館(栃木県那須塩原市)

子ども守るため 除染、一時疎開も 小出京大助教が講演(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/20140420/CK2014042002000160.html
小出助教(左)=那須塩原市で写真 「那須塩原は放射線管理区域」と、県北の放射能汚染度合いを説明する小出助教(左)=那須塩原市で

 放射能汚染問題について考えるイベント「311『つながる、つたえる、そして未来へ』集い」が十九日、那須塩原市黒磯文化会館であり、京都大原子炉実験所の小出裕章助教が講演した。演題は「放射能と向き合い、子どもたちの未来を創る」。子ども連れの保護者ら約千人が参加し、耳を傾けた。 (石井紀代美)
 「日本の法律を守ろうとするなら、那須塩原は放射線管理区域です」。小出助教は、政府が作製した放射能汚染地図をスクリーンに映し出し、そう何度も強調した。
 小出助教によると、放射線管理区域は、労働安全衛生法に基づく電離放射線障害防止規則などで定められており、一平方メートル当たりでは四万ベクレルを超える区域。実験で放射線を扱う小出助教のような人以外は立ち入りが禁じられているが、汚染マップで同市は高い所で六万~一〇万ベクレル、その周辺にも三万~六万ベクレルの地域が広がっている。
 「管理区域に入ったとたん、私は水を飲むことも食べることも禁じられる。寝るなんてもってのほか」と小出助教。服や手のひらに基準以上の汚れが見つかれば、出入り口の扉が開かない構造になっているという。「つまり、四万ベクレルを超えているものは、どんなものでも外に持ち出してはいけないということ。那須塩原はそれほどの汚染を受けた」と説明した。
 また、被ばく量が少なければ安全だとする国などの意見については、がんや遺伝的影響は低線量でも被ばく量に比例して増加するという国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告を挙げて「残念ながら、そんなことはない」と否定した。
 「原子力を選択した責任は、子どもにはない。何としても大人が守らなければいけない」と指摘。参加者に向け、学校や保育園など、子どもらが集中的に生活する場所の除染や子どもの一時疎開などの対策を求め、「環境はつながっている。表土の剥ぎ取りをしても、また線量が上がったら、何度でもやってほしい」と訴えた。

ふざけるな!《゚Д゚》腹が立ってしかたがありません!!(`・ω・´)

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国際労働機関(ILO)は2013年5月に2013年版報告書『世界の雇用情勢-若者編』を発行しました。ILO事務局長のライダー氏は2013年9月の20Gサミットに際して「若年者失業という”時限爆弾”の時計音が聞こえる」と警鐘を鳴らしました。
報告書では「先進国では、若者の失業危機が求職期間の長期化や雇用の質の低下を招いている。OECD諸国の大半で、若年求職者の3分の1が6カ月以上失業している。
欧州では、臨時雇用やパートタイム雇用を含む非正規雇用に従事する若年就業者の割合が上昇している。この上昇のかなりの部分を非自発的に非正規雇用に就く若者が占めている。11年の欧州の若年就業者のうち、パートタイム雇用が25.0%、臨時雇用が40.5%を占めていた。」としています。
2013年では若年層の失業率は、先進国で12.6%、失業者7340万人と、成年失業率の約3倍にもなります!
日本においては内閣府の資料によりますと、

若年無業者,フリーター、ひきこもり

若年無業者数は15~34歳の若年無業者は63万人,15~34歳人口に占める割合は2.3%(2012)であり、15~34歳のフリーターは180万人,15~34歳人口に占める割合は6.6%(2012)です。
これは「貴重な就業体験の喪失や職業技能の衰退などの長期的な結果を招き、数十年も傷跡を残す可能性が高い」(2013年版報告書『世界の雇用情勢-若者編』)となることでしょう。

ILO加盟185カ国の政労使代表は、12年6月のILO総会において、決議「若年雇用の危機:行動の要請」を採択しました。この決議は、若者を対象とするディーセントワークを促進するための政策として、
(1)総需要を増やし、資金調達環境を改善する雇用・経済政策
(2)学校から仕事への移行を容易にし、労働市場のミスマッチを防ぐ教育と訓練、
(3)不利な条件に置かれた若者の雇用を対象とする労働市場政策、
(4)潜在的な若年企業家を援助する企業家精神と自営、
(5)若者が平等な待遇を受けられるようにするための国際労働基準に基づく労働の権利

を盛り込んでいます。

日本の大企業は儲けた利益を雇用・投資に回さずに内部留保をため込んでいます。こうした流れは「総需要を増やし、資金調達環境を改善する雇用・経済政策」に逆行しているではありませんか!財界は雇用規制は強すぎると緩和を求めています。それに呼応するように安倍政権は雇用の自由化の規制改悪を狙っています!

このままで行くと取り返しのつかない事態になりかねません!安定した雇用への戦いは私たち大人の未来への責任ではないでしょうか!?(`・ω・´)

OECDの雇用保護指標の算出

OECDは、今回、雇用保護指標を、(1)一般労働者雇用保護指標、(2)有期労働者雇用保護指標に区分して作成している。従来OECDは、この二つを合算した全体指標も作成し分析をしていた。しかし、今回は、全体指標は用いていない。
一般労働者雇用保護指標や有期労働者雇用保護指標の算出については、従来の方法がそのまま用いられている。
まず、一般労働者の雇用保護指標は、個別解雇規制と集団解雇制限についてそれぞれ数値を算出し、それらにウエイトをかけて合計することにより算出されている。個別解雇規制は、(1)手続の不便さ、(2)予告期間・解雇手当金、(3)解雇の困難性から算出される。
一方、有期労働者の雇用保護指標は、有期契約及び派遣事業による雇用についてそれぞれ数値を作成し、合算して算出されている。

これを図示すれば、次のとおりである。
雇用保護指標の算出


一般労働者雇用保護指標
一般労働者雇用保護指標
資料:OECD Employment Outlook 2013 Chapter2 Figure2.6

この結果をみると、一般労働者の雇用保護は、ドイツが最も高く、次いでベルギー、オランダ、フランス、イタリアなどヨーロッパの大陸系の国々が高い値となっている。
他方で、コモンロー系の国であるニュージーランド、アメリカ、カナダ、イギリスなどが、低い値である。
日本の数値は、2.09で、OECD34か国の中で、低いほうから10番目である。これは、コモンロー系の国よりは高いが、OECDの平均を下回っており、コモンロー系の国についで、一般労働者の雇用保護が緩い国々のひとつとなっている。

有期労働者雇用保護指標
有期労働者雇用保護指標
資料:OECD Employment Outlook 2013 Chapter2 Figure2.9

この結果を見ると、有期労働者の雇用保護も、カナダ、アメリカ、イギリスなどコモンロー系の諸国で低くなっている。
日本の数値は、1.25で、低いほうから9番目で、一般労働者の順位(10位)とほぼ同じである。有期労働者も一般の労働者と同様、日本の雇用保護の度合いは、コモンロー諸国よりは高いが、OECDの平均を下回っている。

なお、日本の一般労働者の雇用保護指標が2.09で、有期労働者の雇用保護指標が1.25であることを捉えて、一般の労働者に比べ有期労働者の雇用保護の程度が低いということはできない。
その理由は、第一に、一般労働者と有期労働者では、図表1で示したとおり、評価項目が異なる。有期労働者については、有期契約に関する制限と派遣事業についての制度のみを評価項目としている。これらは、一般の労働者の評価項目にはないものである。
第二に、一般労働者について判断要素とされている、個別解雇・集団解雇に関する規制は、多くの場合有期契約にも等しく適用されるものであるが、有期労働者雇用保護指標の算出根拠には含まれない。
第三に、有期労働者の契約期間途中の解雇についての評価項目がない。有期契約の期間途中の解雇は期間の定めのない労働契約の解雇よりもより厳しく規制される場合がありうる。日本においてもそうであるが、そうした規制は評価項目に盛り込まれていない。
こうしたことから、一般労働者雇用保護指標の数値と有期労働者雇用保護指標の数値は、比較できるものではない。このことはOECDの報告書自体の中でも指摘されている。


安倍「雇用改革」の正体6「リストラ部屋」に助成金


非正規雇用は一億円以上低い生涯賃金を正規と比較
生涯賃金 非正規雇用は1億円以上低い
正規と比較 派遣法大改悪で貧困拡大

(しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-04-21/2014042101_01_1.html
年齢階層別平均年収


経団連の代表暴言  “過労死原因は加齢や生活習慣”
経団連の代表 労政審で暴言 “過労死原因は加齢や生活習慣”(しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-04-23/2014042301_02_1.html

過労死は加齢や生活習慣だと!!
ふざけるな!《゚Д゚》
腹が立ってしかたがありません!!(`・ω・´)



減税しても賃金は減った
儲けは内部留保に積み上がって労働者には回ってこない・・もっと怒らなきゃ!!(;`O´)o

大企業の内部留保額と民間平均賃金の推移
大企業における内部留保の増大の経緯と賃金の増減
労働者派遣法が1986年7月に施行された後、1996年に適用対象業務が専門的26業務に拡大され、1999年には対象業務が原則自由化されてから平均賃金が下がり始めています。2003年に労働者派遣法が大幅に改悪され、製造業においても人材派遣が進められました。これ以降、平均賃金は下がる一方・・。2003年に労働者派遣法を大幅に改悪したのが小泉政権です!このことを忘れて小泉氏に擦り寄るなどとは言語道断!!
忘れるなかれ!!q( ゚д゚)p
各社の内部留保1%活用で81社が1000人以上雇用
各社の内部留保1%活用で81社が1000人以上雇用

日本だけ賃下げ!賃金の国際比較




2014/04/18 派遣法改正の反対集会で派遣労働者が訴え「労働者はレンタル商品ではありません。物ではありません。人間です」(IWJ)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/135289
 今国会で審議される予定の労働者派遣法の改正案に反対する集会が、4月18日(金)に衆議院議員会館で行われた。日本労働弁護団前会長の宮里邦雄弁護士が講演を行った他、実際に派遣労働に従事する当事者がリレー形式で報告を行った。

記事目次
期間制限は事実上撤廃
「このままでは生きていけません」
派遣労働者を増やすカラクリ

140418 労働者派遣法 "大改悪" に反対!の声をあげるつどい ―講師 宮里邦雄弁護士

http://youtu.be/ET7PxhnBDnw

派遣で働く8人の方からのリレートーク
基調講演 宮里邦雄氏(弁護士)「派遣法大改悪法案を切る!」
国会議員からの発言/会場からの発言
主催 非正規労働者の権利実現全国会議日本労働弁護団/日本労働弁護団東京支部
告知 労働者派遣法 “大改悪” に反対!の声をあげるつどい

期間制限は事実上撤廃

 日本労働弁護団前会長の宮里邦雄弁護士が基調報告を行なった。宮里氏は、国際労働機関(ILO)は「労働は商品ではない」と言っているが、派遣労働は労動者を商品化するものだと指摘。専門職派遣からどんどんと広がってきたと解説した。

 今回の改正案は、無期雇用派遣の場合、派遣先が派遣労働者を受け入れる期間制限が一切なくなる。有期雇用派遣の場合は、派遣先が同じ派遣労働者を同組織単位で使えるのは3年に限られるが、事業者が労働組合や代表者の意見聴取を行なうことで3年延長できるものの、その後も3年ごとに意見を聴きさえすれば延長可能となることから、期間制限は事実上撤廃されたと言える。

 宮里氏はこの点について、「派遣法の規制は労動者の権利保護になっていない」と問題点を指摘した。さらに、同一労働・同一賃金が認められていない事についても言及した。

「このままでは生きていけません」

 続いて、実際に派遣労働に従事している市民からリレー報告が行われた。14年間、専門業務で派遣労働をしている女性は、スキルアップのために就労時間外に様々な資格を取得したが、最近になって急に他の労働者より時給が高いという理由で、一気に250円下げられたという。さらに、月に100時間を超える残業を何年も続けた結果、過労で倒れてしまったという。

 彼女は労災申請をしたが、派遣元の会社に「あなたの健康管理が良くない」という理由で拒否された。女性は「派遣労働者はレンタル商品ではありません。物ではありません。人間です。派遣法によって希望を奪われたくありません。このままでは生きていけません」と涙ながらに訴えた。
(IWJ・松井信篤)

派遣労働者を増やすカラクリ

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赤字



(報われぬ国 負担増の先に)
反響編 国保滞納、差し押さえ 困窮者おののく「赤紙」

(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/DA3S11095575.html
国保滞納、差し押さえ 困窮者おののく「赤紙」
生活保護を受ける人に届いた赤い封筒。中には、差し押さえを警告するチラシが入っていた=静岡県掛川市

 連載でお伝えした「国民健康保険滞納、差し押さえ急増」(3月7日付朝刊)に多くのご意見が寄せられました。これらをもとに取材した結果、自治体による厳しい差し押さえの動きがあることがわかりました。
 その赤い封筒は、生活が苦しい人たちから「赤紙」と呼ばれ、恐れられる。
 3月、静岡県掛川市で一人暮らしをするノブオさん(58)にそれは届いた。
 「このままだとあなたの給料が! 家が! 車が! 差押(さしおさえ)になります。今すぐ(滞納金の)納付を!!」
 封を開けると、A4のピンク色のチラシ。財産を使えなくしたりする「差し押さえ」を警告する文字が躍り、タイヤがロックされた車の写真が載っていた。
 差出人は掛川市の納税課だ。チラシとともに「差押予告通知」という文書も同封されていた。「これが赤紙か」とおののいた。
 ノブオさんは交通誘導員や警備員として働いてきたが、体調を崩して仕事を続けられなくなった。住民税と国民健康保険の保険料を払えず、滞納額は合わせて約40万円にふくらんだ。
 暮らしていけず、昨年9月から月に約10万円の生活保護に頼る。それでも市は容赦なく支払いを求め、差し押さえをちらつかせる。
 「貯金も車も何もない。布団まで持っていかれたら困る。寝られないから」
 生活保護法では、生活保護で受け取った金銭の差し押さえを禁じている。生きていくために最低限必要なお金だからだ。
 だが、厚生労働省の保護課はこう言う。「生活保護費のやりくりは本人の判断。自主的に滞納額を返すことまで禁じていない」

国保滞納、差し押さえ 困窮者おののく「赤紙」02
国民健康保険料の滞納者に送られた「差押予告通知」。その送付日は、生活保護の受給開始日(右下の書類)と同じ日付だった=静岡県掛川市

生活保護費削減 審査請求立ち上がる利用者


弱いものを虐げるのはやめよ!!
( ゚Д゚)ゴルァ!!




社会悪 (。-_-。)

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遺言 原発さえなければ
http://yuigon-fukushima.com/
映画『遺言 原発さえなければ』ダイジェスト編4分

http://youtu.be/0n7R-zhA_sw
3時間45分―800日間の記録
福島の3年間―消せない記憶のものがたり

2011年3月12日・・・福島第一原発事故の取材現場に駆けつけた二人のフォトジャ­ーナリストはいち早く撮影を開始した。以来、2013年4月まで、その土地の人々とと­もに過ごした日々―絶望の淵からの試行錯誤、苦しみの中で気づいた家族、仲間、奪われ­た故郷への思い。そして本当に守るべきものの存在―
3年にわたり記録された250時間の映像が、3・11後の今を生きる私たちに問うもの­とは―


#原発 #放射能 で突然死多発:井戸川元町長
#Fukushima #Nuke,Tokyo HidesTruth As Children Die&ILL from Radiation

http://youtu.be/2M1SGK8UWNs
22:55~ 井戸川前双葉町長「(放射能健康被害について)この報告書は完全に誤りです。その報告­は、日本を代表して、早野教授によってなされました。彼は全世界に嘘をついているので­す。私が、町長だった時には、多くの人々が心臓発作で死んだことを知っていました。福­島では、多くの人々が急死しています。若い人々でさえも...。東電の従業員も亡くな­っています。しかし、誰もがそのことに関して口を閉ざしているのです。」
Fukushima disaster: Tokyo hides truth as children die, become ill from radiation - ex-mayor
http://rt.com/shows/sophieco/fukushima-disaster-radiation-children-740/


ドイツZDF
【 ニコニコ していれば 放射能は怖くない? 】
日本政府の保証 ・2011年・福島県

http://youtu.be/0_oFWysy2TE

ドイツZDF風刺
「ニコニコする人に放射能は来ない!」

http://youtu.be/tQ0_J3jSWDU


「内部被曝はゼロ」とした早野論文の正しい理解を

http://youtu.be/O07V4ZYCdIY
福島報告 (2013年04月26日)
「内部被曝はゼロ」とした早野論文の正しい理解を
報告:藍原寛子氏(医療ジャーナリスト)
http://www.videonews.com/fukushima/0001_5/002746.php


今中哲二講演会「放射能汚染への向き合い方」

http://youtu.be/pKbrJB2R64I
(2014.4.20/和歌山市にて)日本も"放射能汚染と向き合う時代"になった。­東京より北の本州太平洋側には"無視できないレベルの"セシウム汚染が生じてしまった­。
3年前に福島で起きたこと
全交流電源喪失
3月14日11時1分3号機水素爆発
3月12日15時36分1号機水素爆発
3月15日の放射線量率
大変な放射能汚染が起きていることは明らかだったが、まったくといっていいほど情報が­出てこなかった。とにかく自分たちで測っておかなくては!
2011年3月29日の飯舘村調査 長泥曲田30μSv/h
このような放射能汚染の中で暮らしていた!
どうやら、福島の原子炉と期を同じくして日本の原子力防災システムもメルトダウンして­いたようだ!

 飯舘村村民の初期被曝量評価プロジェクト 平成24年~25年 環境省
 「放射線の健康影響に関わる健康調査事業」委託研究
  福島第一原発事故による飯舘村住民の初期放射線被曝評価に関する研究
(0322 KAGAKU Mar 2014 Vol 84 No.3 参照)
飯館村の放射能汚染・被曝の分布

 枝野さんが言っていたように、事故による福島原発周辺住民の被曝は「すぐには健康に影­響ないでしょう」問題は、後々になって現れる晩発的影響です。
 チェルノブイリ事故による子どもの甲状腺ガン1986年~2011年7524件 年々増加の傾向
福島の子供2013年6月 甲状腺ガン12人 疑い15人  今年2月7日の発表では 甲状腺ガン33人
疑い41人に増加。 よくわからない"がん以外"の影響
チェルノブイリの調査から学んだこと
・原発で大事故がおきると周辺の人々が突然に家を追われ、村や町がなくなり地域社会が­丸ごと消滅す。
・原子力の専門家として私に解明できることは、事故被害全体の一側面に過ぎず、解明で­きないことの方が圧倒的に多い。
 福島周辺の蝶(ヤマトシジミ)に異常が観察されている。
 福島後の時代  私たちはどこまでの被曝をがまんするのか、被曝を受け入れるのか一般的な答えはない。
参考として
・通常時の一般公衆の基準値:年間1ミリシーベルト
・放射線作業従事者の線量限度:年間20ミリシーベルト
・自然放射線により年間1ミリシーベルトの被曝を受けている
・「年1ミリシーベルト」が、ガマンの目安のひとつであろう
子供は感受性が大きく、将来がある!! 子供の被曝はできるだけ少なくすべきである!!


NHKの嘘報道―福島のお魚から「放射性物質は殆ど検出されなくった」(めげ猫「タマ」の日記)
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-1045.html
 4月20日21時からのNHKの番組で(福島県産の魚から)「事故から3年、放射性物質は殆ど検出されなくった」と放送していました。本当かなと思い概ね事故から3年以降の2014年3月、4月捕れた福島県産お魚の検査結果(1)を調べたら検査1、296件中2割以上の264件で放射性セシウムが見つかっています。さらに漁師のコメントとして、ヒラメについて「ほとんどND(検出限界以下)なんだけど」とのコメントを紹介しています。

※4月20日21時からのNHKの番組をキャプチャー
図ー1 ヒラメについて「ほとんどND(検出限界以下)なんだけど」と放送するNHK

 同じく3月、4月について調べたら検査61件中24件から放射性セシウムが見つかっており、最大は基準値(5)の倍以上の1キログラム当たり230ベクレルです。
 「殆ど」の意味を間違えたと思い調べたら
  「全部とはいえないが、それに近い程度に。」(3)
でした。2割もあるのに放射性物質が見つかる割合が「0」に近いなんてあからさま嘘報道です。

<余談>
この番組では福島県の漁師さんについて「風評被害に苦しんできた漁師たち」と紹介していますが、「福島原発事故による海洋汚染の苦しんできた」が正解です。この番組を見た(=^・^=)の印象ですが、原子力村のPR番組って感じです。(=^・^=)から受信料と称してカツアゲしたお金で原子力村のPRは許せません。
 NHKはこれまでも数々の嘘報道を流しています(4)~(24)。社会悪です。
 
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)報道発表資料 |厚生労働省
(2)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(3)ほとんど【殆ど/幾ど】の意味 - 国語辞書 - goo辞書
(4)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道-地下水バイパスのトリチウムが基準値超えでも、NHKは「目標」超え-
(5)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道―間違って移送した汚染水は数百万ベクレル、実は数千万ベクレル―
(6)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道 ―福島県大熊町で桜咲く-(12)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道―福島原発事故でも女性が残留―
(7)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道―福島市の放射線量は0.14μSv/h―
(8)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道―漏れた汚染水は「最大」2億4千万ベクレル
(9)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道―あんぽ柿は一部から国の基準を超える放射性物質
(10)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道―柏崎刈羽原発の効果は1兆1千億―
(11)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道―原発の外の海水は国の基準値以下―
(12)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道―福島産あんぽ柿は問題ない!
(13)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道―福島県産米は国よりもさらに厳しい基準
(14)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道-汚染水漏れの影響はなく福島の魚は安全!
(15)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(10月1週)
(16)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道-福島県沖の魚介類からは放射性物質は見つからない
(17)めげ猫「タマ」の日記 NHK嘘報道-福島汚水漏れで放射線の放射線量は100ミリシーベルト/時 実際は高すぎて測れない
(18)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道-双葉町の住民は7,000人、でも実際は6,256人
(19)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道-岡山は福島と並ぶモモの産地、生産量は3割
(20)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道 -ロボットがいるから原発は大丈夫―
(21)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道?-福島第一原発の新装置は放射性物質が除去できる。-
(22)めげ猫「タマ」の日記 福島原発の嘘報道を繰り返すNHK!―福島第一原発独占取材は東電のPR?―
(23)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道―福島第一原発貯水槽汚水漏れは3重の層を破った―
(24)めげ猫「タマ」の日記 NHK嘘報道―福島第一原発で漏れた水は1万ベクレル/cc、でも実際は29万ベクレル/cc


放射線照射の青汁原料回収 検疫すり抜け食卓に
(東京新聞・こちら特報部[ニュースの追跡])

米国から輸入された青汁などの原料となる大麦若葉の粉末に放射線が照射されていた問題で、行政の対応の遅さが指摘されている。東京都港区が食品衛生法違反で自主回収の指導をしたのは、市民団体の指摘から約1カ月後だった。業者が提出する書類中心の審査では、十分な対応は難しいようだ。(鈴木伸幸)

◆行政の対応後手/規制緩和狙う動きも

放射線が照射された輸入食品の主な事例グリーンバイオアクティブ社(港区)が輸入した大麦若葉の粉末に放射線が照射されていると、市民団体「照射食品反対連絡会」が厚生労働省に伝えたのは先月13日だった。食品遺伝子検査会社の検査報告書も提出した。

翌14日、厚労省から情報提供を受けた港区のみなと保健所は同社に対して輸入元に製造工程を確認するように指示した。同保健所の担当者は「業者とのやりとりは基本的に書面。輸入元とも書面のみで最終的に業者が照射を確認したのは4月11日で、即日、回収を指導した」と話した。

情報提供から指導まで約1カ月間。その間にも、法律違反の食品が流通していたが、担当者は「照射が確認されれば大量の粉末を処分することになり、慎重な対応が必要。添加物の検査などとは違い特殊なケースで、手続き的には問題はなかった」と話す。

同保健所は業者に製造工程の確認を求める一方、放射線照射の有無を調べられる検査機関を探したという。「ほとんど経験のない検査で、検査機関探しに時間がかかり、結果はまだ出ていない。現在は『指導』だが、調査結果次第で『販売禁止処分』といった行政処分になる」という。

そもそも検疫に問題はなかったのか。回収対象の約20万トンの粉末は、昨年2月から輸入され、業界内では「照射している」とうわさになっていたという。

厚労省の輸入食品安全対策室の担当者は「輸入業者には、現地の製造工程を確認するよう指導し、届け出させている。モニタリング調査もしている。だが、100パーセントとはいえない」と、放射線を照射された食品が検疫をすり抜ける可能性を否定しなかった。

米国や欧州連合(EU)などでは、殺虫や消毒などを目的とした放射線照射を認めていることも一因のようだ。日本では、北海道士幌町のジャガイモしか照射は認められていない。輸出側の企業が日本の事情を正確に理解していないと、今回のようなケースが起こりやすい。

放射線照射問題に取り組む民間団体「食品照射ネットワーク」の里見宏代表は「福島原発事故の被ばく問題と似ていて、世界保健機関(WHO)が食品への一定量の照射を許容している。欧米では許容範囲─という認識があり、対応が緩い」と批判する。

実は欧米でも、放射食品に拒否感を持つ消費者が少なくないという。「照射によって生じる『アルキルシクロブタノン類』の有害性や、照射で食品に『誘導放射能』が生じる問題が指摘されているからだ」

現在、厚労省が放射線照射によるレバ刺しの殺菌を研究中で、業界団体の全日本スパイス協会は今でも香辛料への照射容認を求めている。

「スパイス業界の中でも、『照射以外の代替策がある』と否定的な声がある。原発ムラが放射線の有効活用のために圧力をかけているのかもしれない。消費者は注意し、拒絶していかなければならない」と里見氏は強調した。


この記事もお読みください
レバ刺し殺菌で再び注目 食品に放射線 原発推進派動く(中日新聞)
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20120822141525707



福島原発作業員ルポ漫画「いちえふ」を読もう!


根拠は何?「もんじゅ」存続
(東京新聞・こちら特報部)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014042402000150.html
ずさんな管理で運転禁止中の高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)。初臨界から二十年で、稼働したのは二百五十日。一兆円を超す血税が注がれ、いまも一日五千五百万円が投じられている。いよいよ廃止かと思いきや、今月、閣議決定されたエネルギー基本計画で放射性廃棄物の「減害・減容」化研究の名目で生き残った。この理由は妥当なのか。存続の本当の理由は何なのか。 (榊原崇仁、林啓太)

根拠は何?「もんじゅ」存続

【もんじゅ】
従来は日本の核燃料サイクルの中核を担う施設と位置付けられてきた。1985年着工、95年初発電。核廃棄物から取り出したウランとプルトニウムなどによる混合酸化物(MOX)燃料を使う。一般的な原発とは違い、原子炉内に液体ナトリウムを入れることで、核分裂を引き起こす中性子を高速で動かせるようにしている。この仕組みを用い、使った以上の燃料を生み出す「増殖」の役割が期待されてきた。

◆看板に偽り 実用化「机上の空論」

「廃棄物の減容・有害度の低減のための国際的な研究拠点」。エネルギー基本計画で、もんじゅの役割はそう記された。

もんじゅは本来、核燃料を使いながら燃やす増殖炉と位置付けられてきた。しかし、巨額の国費を投じながらトラブルや不祥事続きで運転は滞り、与党内でも運転継続に批判が少なくなかった。このため、政府は国民の理解が得やすい「核のごみを減らし、有害性も低くする」という名目にシフトすることにした。

核廃棄物の処分に詳しい神奈川工科大の藤村陽教授(物理化学)によると、核廃棄物の中で厄介なのは長期間、放射線を出す「マイナーアクチノイド(MA)」だ。半減期が214万年のネプツニウム237や7000年余りのアメリシウム243などを指す。

これらは射程が短いが強力な放射線「アルファ線」を出すため、もし人体に入った際には深刻な内部被ばくを引き起こす。

核廃棄物の減容化・減害化という場合、このMAに重きが置かれることになるが、どう実現するのか。

もんじゅは中性子を高速で動かす「高速炉」で、核分裂を一定程度、誘発させることができる。この炉内に燃料とMAを入れ、核分裂させることで、半減期が短く、アルファ線を出さない物質に変えることで減害化を図るのだという。

核分裂でできる物質としては、半減期が30年前後のセシウム137やストロンチウム90などが想定される。100年程度たてば放射能が相当弱まり、熱も下がるため、地層処分する際に集約が技術的に可能になり、処分場の面積も少なくて済むとされている。

しかし、藤村教授は「夢のような話ばかりではない」とくぎを刺す。

MAが核分裂でアルファ線を出さない物質になったとしても、新たにできたのがセシウム137なら透過力の強いガンマ線を発するので、これらを扱う作業員らは体外から被ばくしかねない。「それに半減期が短い物質は半減期が長い物質と比べ、短い期間に集中的に放射線を出す。一概に害が少ないとは言えない」

費用対効果の面でも実現の見通しは極めて暗い。

高速炉1基でMAを減容化・減害化できるのは一般の原発1~2基分にすぎない。ここでいう高速炉はもんじゅのように実験段階に近い原型炉ではなく、開発が進んで規模も大きくなった実用炉を指す。

京都大原子炉実験所の小出裕章助教は「もんじゅですら巨額を投じてろくに動かないのに、それより巨大な高速炉を何基もつくるのか」と話す。核廃棄物からMAを取り出す技術も実用化はほど遠く「政府がやろうとしているのは机上の空論にすぎない」と語る。

◆官僚利権の温床 「老後の糧 捨てない」

もんじゅは現在も停止中だ。原子力規制庁が3月に実施した保安検査で、冷却系の循環ポンプ関連機器の一部に点検漏れがあったことが分かった。内規に逸脱した方法で、機器の点検記録を数百カ所にわたり訂正したことも判明した。

ずさんな管理は今に始まったことではない。2012年には約1万件の危機の点検漏れが発覚。1995年には国内初のナトリウム漏れ事故を起こした。

だが、いまも多額の国費が投じられる。14年度の維持費は199億円。事業主体の独立行政法人・日本原子力研究開発機構(原子力機構)の職員数は3770人で、年間予算1850億円のうち、政府支出金が9割。血税のむだ遣いといわれる根拠だ。

この大盤振る舞いの背景に何があるのか。核兵器材料のプルトニウムを確保するためともいわれるが、元経済産業省官僚の古賀茂明氏は「官僚の利権を守るためだ」と断言する。

文部科学省が所管する原子力機構の起源は、ともに56年に発足した旧科学技術庁傘下の特殊法人・旧日本原子力研究所と旧原子燃料公社だ。旧科技庁は省庁合併で文科省になった。

原子力機構の理事長は文科省の任命で、理事長が任命する理事7人のうち、現在は伊藤洋一、山野智寛の両氏が旧科技庁出身の文科官僚。森山善範氏は旧原子力安全・保安院(現原子力規制庁)の出身だ。官僚の身分のままの「現役出向」で事実上の天下りだ。ちなみに原子力規制委員会の田中俊一委員長も同機構の特別顧問を務めていた。

原子力機構を足場に官僚は自分の天下り先を維持するための世話も焼く。例えば、同機構は10年に、文科省のOBの再就職先を含む原発関連を含む80の公益法人に賛助会員としての「会費」などとして約8600万円を支出していた。

もんじゅについて、古賀氏は「利権構造を守るためにも、官僚としては絶対に廃止させられない」。元外務官僚の梶山恵司氏も「官僚は自分の老後の生活の糧を自ら捨てるようなことはしない」と語る。

基本計画をめくると、もんじゅ関連の記述には「トラブルが続いた現状を真摯(しんし)に受け止める」 「徹底的な改革を行う」とある。しかし、古賀氏は「そうした低姿勢の表現に官僚特有のまやかしがある」と話す。

反原発の世論を原発推進に転換させるまでの時間稼ぎだ。放射性廃棄物の有害度を低減させるとか言いながら、批判されても逃げられるようにしている

ただ、原子力機構が今月18日に発表した職員の意識調査の結果によると、「もんじゅのプロジェクトを進める自信がない」と答えた職員が多かった。「(原子力機構の)改革が進んでいる実感がない」 「役員との距離の遠さを感じている」といった意見が出た。

職員自身に自信がない。「安全に精通した人と相談したり、意見をもらえる体制があると良い」 「社会から期待されるレベルにない」といった答えもあった。職位が低い職員ほど、危機感を募らせ、組織ありきの運営にいら立っていることをうかがわせた。

古賀氏はこう語る。

「もんじゅについては、多くの官僚はうまくいかないと思っているはず。とはいえ、良心的な人でも、組織の中では正論を述べるリスクは取らないだろう。もし、もんじゅが廃止されるとすれば、現在の核燃料サイクルに代わる利権の仕組みが登場したときだ」

[デスクメモ]
「もんじゅ」は無用の長物と、福島事故の前から言われていた。だが、事故後も維持すると決めた。書きにくいことを書く。これは福島事故に関連して亡くなった人々を再び殺すことに等しくはないか。事故が反省の礎になれば、無念も浮かばれるかもしれない。しかし、そのかけらもない。法に触れぬ罪だ。


最近になって出てきた政府の新原発政策。
町田徹が怒りの 警鐘を鳴らします!
荒川強啓ディキャッチャーズ

http://youtu.be/JjhIyJQIVD8


バラマキ前提の自民党による「国土強靭化」
http://www.ryokufu.com/isbn978-4-8461-1317-9n.html


48基全てを再稼動させたい安倍



○●○●○●○●○●


日米首脳会談 異例の展開から見えたもの

靖国参拝、歴史問題 無反省示した安倍首相



滋賀民報

 「僕も過労死していたかもしれない」。居酒屋チェーン・大庄「日本海庄や」元従業員の山本誠一さん(仮名、29=甲賀市在住)が、ブラック企業の異常な実態を告発してくれました。山本さんは、2007年4月に「日本海庄や」石山駅店に配属され、入社4ヵ月目に過労死した吹上元康さん(当時24)の元同僚です。


 過労死事件は、月100時間を超える長時間労働を強いられていた吹上さんが、同年8月に急性心不全で死亡。両親が大庄を訴え、昨秋、最高裁で社長らの賠償責任が確定しました。
 山本さんは「同じ京都出身で、研修会では『がんばろうな』と話していたんです」と当時を振り返りました。

基本給に残業80時間分

 山本さんは、「雇用契約書を見た畤、『エッ、まちがいかな』と思った」と言います。(採用内定時、大庄の)ホームページには初任給19万4500円と書いてあるのに、基本給は12万3200円。「80時間の残業分とあわせて19万4500円だった」と。残業80時間は過労死ライン。京都地裁判決は「基本給の中に、時間外労働80時間分が組み込まれているなど、到底、労働者の生命・健康に配慮し、労働時間が長くならないよう適切な体制をとっていたものとはいえない」と断罪しました。



月210時朗の残業も

 吹上さんは判決で月141時間残業など「恒常的な長時間労働」が認定されました
が、愛知県内の店舗に配属された山本さんはさらに過酷でした。
 朝10時から夜中1~2時まで働き、残業が210時間に及ぶ月も。休息時間ははりきりせず、トイレ行くまもなく、店が閉まる昼2時~4時に昼食・仮眠をとるものの、夜の仕込みや箸、醤油などの補充作業、電話の対応。終電に間に合わず、車で寮に帰ると深夜3時頃。朝は8時半~9時に出勤しなければならず、洗濯すると睡眠時間は2~3時間。それを17連動(17日連続勤務)した。月3日しかなかった休みも2日は研修」「しんどく、体が重い毎日だった』と。

半年で半数以上退職

 吹上さん死亡の知らせに驚いた山本さんは、「もういやだ」と8月末で退職。同期も半年で半数以上が退職したと言います。
 当時、大庄の時間外力働の労使協定(三六協定)での残業時間(最長)は、過労死ラインを超える月100時間(特別条項)。大庄は最高裁決定を「真摯に受け止める言いますが、石山駅店の三六協定』は今も77時間。山本さんは「異常ですよ。こういうブラック企業は取り締まり、なくしてほしい」と訴えます。

再度掲載します!
赤字



小出裕章先生:権力の側からだけの歴史というものが残され、 虐げられた人々の歴史は消される・・

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◆【小出裕章ジャーナル~第68回】
事故から28年、チェルノブイリの今 2014/04/26

http://youtu.be/ZSXUEXLwIX8
チェルノブイリ事故で何が起きていたのか
「現場の作業員が悪かったと言って彼らに全ての責任を押し付けるということをやるわけですね」
~第68回小出裕章ジャーナル

http://www.rafjp.org/koidejournal/no68/
西谷文和:
小出さん、今日はですね「事故から28年、チェルノブイリの今」ということでお聞きをしたいのですが、 小出さんはチェルノブイリに行かれたことはありますか?

小出さん:
はい。事故の後で何度か行きましたけれども、チェルノブイリの原発の敷地の中に入ったことはありませんし、 あまり熱心に通い詰めるというそういう立場にありませんでしたので、 むしろ私より西谷さんの方がよくご存じかなあと思いながら。

西谷:
そんな、私もチェルノブイリに行ったことがないのでね。 チェルノブイリ博物館入口いや、実はウクライナのキエフに入りまして、 実はウクライナのキエフの下町にですね、チェルノブイリ博物館というのがありまして、 そこに行ったんですが、1階の受付の所に日本語で「ふくしまとともに」と書いてあるんですよ。 あれはもう感動しましたね。

チェルノブイリ博物館

2階建てなんですけど、階段を上っていく所にですねキリル文字で看板がかかってるんですね。 「これ何や?」って聞いたら、この事故で廃疎になった居住不可能になった村の名前だったんですね。
放棄された集落の名を記した標識
展示室通路-放棄された集落の名を記した標識

小出さん:
書き連ねてあるんですね。

西谷:
書き連ねて、はい、 それが。

小出さん:
何百もあるわけですね。もちろん。

西谷:
はい。もう大きい村で50個以上の村がもう住めなくなったと。 そういう風なことを展示されてたんですけど、 そこでのですね展示の中で、私ちょっと小出さんにお聞きしたいのは、 チェルノブイリは4号機が爆発しましたでしょ?


小出さん:
そうです。
チェルノブイリ原発4号炉の断面図
チェルノブイリ原発4号炉の断面図

爆発炎上して破壊されたチェルノブイリ4号炉
爆発炎上して破壊されたチェルノブイリ4号炉

西谷:
この爆発が2回だったと。

小出さん:
ほんとに正確なことは、要するに分からないままなんですが、 チェルノブイリの原子力発電所の原子炉というのは、 細いパイプが何千本と林立されているような中に、核燃料が入っていたのです。
Main scheme of RBMK nuclear power plant
そこで出力暴走ということが起きてですね、そのパイプが破断されてしまったのです。 急激な蒸気が発生しまして、それが原子炉本体を吹き飛ばすというような形に進行していきました。
チェルノブイリ原発事故・事象の推移
ですから、爆発をどうやって数えるかというのは、なかなか難しいと思うのですが、 一番初めは、いわゆる核暴走というですね、小型の原爆のようなものですね。 そういうことが起きて、水蒸気が噴き出してきて、それが爆発して そして、また水素が発生して、それが燃えたということだと思うのですが、 多分何度も爆発はあったのだと思います。

西谷:
なるほど。 一応、そういう風に展示はされてたんですが、 そういうメカニズムで起こったということなんですね。

そこでですね、興味深かったのはですね、 事故後ですね、ソ連政府は4号機の地下にですね、トンネルを掘って、 鉄板をひいてですね、その燃料と地下水を接触しないように作業させてるんですね。

これは、チェルノブイリは必要だったという風に言われていて、 作業員はマスクもなくそれをやったので、作業員は物凄く被ばくをしたわけですが、 これ福島でですね、本来これをしないといけなかったんでしょうか?

小出さん:
チェルノブイリ原子力発電所の原子炉は、いわゆるソ連型というかなり特殊な原子炉の形なのです。 チェルノブイリの原子炉と福島の原子炉を単純に、まず比べることはできないだろうと思います。
Basic scope of the Chernobyl accident
チェルノブイリ原子力発電所の場合には、 溶けた炉心がやはり地下の方に溶け落ちていったのですけれども、 その場所はかなり大きな空間というかですね、元々プールだったんですけど、 そこのプールの水に接触してしまうと爆発してしまいますので、 水を抜いて爆発を防ぐということを、まずしなければいけませんでしたし、 溶け落ちた炉心が地下水と接触しないようにしなければいけないということで、 たくさんの労働者が事故が進行している中で、トンネルを掘る作業というのに従事させられまして、 今、西谷さんおっしゃって下さったように被ばくもしたわけです。
Empty core of the destroyed reactor
でも、なんとか炉心を冷却させるということに、かろうじて成功しまして、 溶け落ちた炉心が地下で、私達「象の足」と呼んでますけれども、 いわゆる火山の溶岩が流れ落ちてきて固まっているような状態で、 ようやくにそこに留めることができたということになりました。
象の足
福島の原発の事故でそれができたかどうかと言うと、 多分、福島の場合にはできなかったと思いますし、 大量の被ばくをしながらそういう作業をすることは、 おそらく意味もないし、たぶんもともとできないということだと思います。
チェルノブイリ原発事故 石棺内部の様子
チェルノブイリ原発事故 石棺内部の様子

西谷:
ああ、そうですか。 まあ、文字通り紙一重というか鉄板一重で助かった というギリギリの作業だったわけですね。

小出さん:
鉄板ということもありますし、何よりも水を抜いてそこに液体窒素というですね、炉心を冷やす、 窒素って普通は気体ですけれども、それをマイナス180度ぐらいまで冷やすと気体になるのですけれども、 それを流し込んで、溶け落ちた炉心を冷やそうという大変難しいことを彼らはやったのです、その時に。
収束作業をおこなうリクビダートル

西谷:
そういうね英雄的な作業に従事した人の中でですね、当日夜勤の作業員がいてですね。 この人は徹夜で3号炉を止めに行ったわけですね。 この人は物凄い被ばくするわけですが、その後ソ連はですね、彼を犯人扱いして、 今回の暴走はいわゆる作業員の失敗だということで、 10年間も刑務所に入れたんですが、こんな事を聞いて小出さんどう思われますか?

小出さん:
いずこも同じというか、日本でもそうですけれども、 何か事故が起これば現場の作業員が悪かったと言って、 彼らに全ての責任を押し付けるということをやるわけですね

西谷:
JCOでもそうでしたもんね。
JCO臨界事故 犠牲となった住民の「被曝写真」
(大泉昭一さん夫妻は、2002年9月に、JCOとその親会社の住友金属を相手取り、約5760万円の損害賠償請求訴訟を起こします。しかし、その裁判も、2010年5月に最高裁によって、「被曝と体調変化の因果関係は認められない」と不問にされてしまいます。そして失意のうちに、東日本大震災が起こる僅か1ヶ月前の2月7日に、享年82歳でお亡くなりになりました。)

小出さん:
そうです。 はい、でも私から見ると、現場の作業員が悪いのではないのです。 そんな工場を作ったことが悪いし、そんな工場を認可した人達にこそ責任があるのであって、 現場で働いてる人達はキチッとした情報も知らされないまま、 危険だけを負わされて、病気でもなんでもなっていってしまったということなのです

西谷:
博物館の一番奥の奥まった所に、 リクビダートルというね、当時作業に入った人達、延べ30万人中4千人の写真が飾られていて、 亡くなった方にですね、放射能マークが付いてました。
リクビダートルたちの遺影

小出さん:
そうですか。はい。
収束作業に向かうリクビダートル

西谷:
こうした英雄達のお蔭で、なんとかあれで止まっているということですが、 なかなか歴史のスポット当たりませんね。 こういう人達にね。

小出さん:
そうです。 いつも歴史というのは、もちろん広大な事実に基づいて進んでいるわけですけれども、 書き残されたり、あるいはスポットライトを当てられるというのは、 常に力を持ってる人達、権力の側からだけの歴史というものが残されていってしまうわけで、 ほんとに虐げられた人々の歴史というものは、 ほとんどは消されてしまうわけですね。 なんとかそれを消されないようにしなければいけないと思います

西谷:
はい。 ラジオフォーラムも頑張らないけませんね。 小出さん、今日はどうもありがとうございました。

小出さん:
はい、ありがとうございました。


世界仰天ニュース 「チェルノブイリ原発事故」

http://youtu.be/uG4LiH1V8G8

Chernobyl Nuclear Disaster
チェルノブイリの真相~ある科学者の告白~
チェルノブイリ原発事故 ワレリー・レガソフ回想録

http://www.youtube.com/playlist?list=PLmdxIwLMGiCrZGUriq0PJxBd8ag8fayjj


運転員はなぜAZ5ボタンを押したか?
今中哲二<技術と人間2002年5月号>
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/GN/GN0205F.pdf

水素爆発か核爆発か?
今中哲二<技術と人間2002年7月号>
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/GN/GN0207F.pdf


福島第一原発 放射線飛び交う格納容器内部
福島第一原発 放射線飛び交う格納容器内部

Inside Chernobyl

http://youtu.be/jKnFurg5-Ag


汚された大地で ~チェルノブイリ 20年後の真実~

http://dai.ly/xkemz6



ゴーストタウン チェルノブイリを走る
四季 2009年 (翻訳:2011/05/17)訳者 こと 池田紫
http://www.geocities.jp/elena_ride/
より












本橋成一監督作品『アレクセイと泉』予告編

http://youtu.be/mWt5N10qRXo


映像報告「チェルノブイリ・28年目の子どもたち」
Logo
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1765

http://youtu.be/3hv-5bW17Rs
今年3月で、福島第一原発事故から3年を迎えた。しかし現在も年間20ミリシーベルトを避難基準に設定したまま、住民の早期帰還策が進められている。また除染以外の被ばく防護策や健康調査は極めて限定的だ。
 
そんな中、OurPlanetTVではチェルノブイリ事故後28年経つウクライナへ足を運び、子どもたちの健康状態や学校生活などを取材した。汚染地域の子どもや住民の罹患率が今も上昇する中、医師、教師たちの懸命な努力が続けられている。日本はここから何を学べるか。子どもを取り巻く学校や教育関係者、医療従事者、保護者たちの取組みや思いを取材した。

ウクライナのセシウム137沈着量1986-2036
ウクライナのセシウム137量1986-2036

ウクライナ保健省「チェルノブイリ障害者認定」疾病リスト
ウクライナ「チェルノブイリ障害者認定」疾病リスト

チェルノブイリによる放射能災害
国際共同研究報告書

http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/J-Version.html


チェルノブイリから福島へ 未来への答案

http://dai.ly/x16htki
NNNドキュメント 3.11大震災シリーズ 2013.10.28.

爆発した原発の廃炉は、通常の廃炉より格段に難しい。今も福島第一では溶けた核燃料がどうなっているか全く分からない。しかも廃炉にあたるのは3次、4次、5次下請けなどの原発関連の作業経験が少ない人が多い。被曝線量がオーバーすると働けなくなり、また新たな人が補填される。これでは想定の30~40年で廃炉を完了できるとは思えない。核大国・旧ソ連がチェルノブイリ収束の為に取った対応と比較して、今の日本はどうなのか?一番の違いは姿勢だ。チェルノブイリには廃炉・除染の作業員を養成する訓練センターが作られた。廃炉に手練れを、という戦略だ。日本は今の形のままでいいのか?福島とチェルノブイリの大きな違いをつまびらかにし、日本が取るべき正しい道筋を探りたい。


ドイツZDF-Frontal21
福島原発事故、隠される高濃度汚染の実態 拡散希望!

http://dai.ly/xkth7r


子供を守るハート



再掲
20130623 京都大学原子炉実験所 助教 小出裕章氏の講演会

http://youtu.be/_9NTy3BNt3I
放射能で汚された今、なすべきこと
京都大学原子炉実験所 小出裕章氏講演
2013/06/23 福島
http://www.crms-jpn.org/doc/130623_CRMS2nd_%E5%B0%8F%E5%87%BA%E8%A3%95%E7%AB%A0%E8%AC%9B%E6%BC%94%E8%B3%87%E6%96%99.pdf

ワルい人たち・・知らぬふりする人たち・・

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【安倍のメディア戦略が裏目!?】
女性が選ぶ嫌いな男 1位安倍晋三、2位みの、3位木村拓哉

(ぽぽんぷぐにゃん)
http://blog.goo.ne.jp/sithux7/e/62697fb4faaa9d88fe10209cdecb7358

「嫌いな男ワースト10」1位・安倍晋三について。- 2014.04.26

http://youtu.be/Yvy9u-YjvUI

女性が選ぶ嫌いな男 1位安倍晋三、2位みの、3位木村拓哉│NEWSポストセブン

>女性セブンは、20代から80代の女性500人を対象に、有名人の中で「いちばん嫌いな男」についてのアンケートを実施した。その結果、弾き出された「いちばん嫌いな男ワースト10」は以下のとおりだ。

第1位:安倍晋三
第2位:みのもんた
第3位:木村拓哉
第4位:橋下徹、江頭2:50
第6位:明石家さんま
第7位:出川哲朗
第8位:島田紳助
第9位:森喜朗、鳩山由紀夫、タモリ

 1位は消費税アップで主婦から厳しい目を向けられた安倍晋三首相(59才)に決定。

「何もわかっていないのに、“私はよき理解者です”的な態度がうっとうしい」(54才・派遣)
「あらゆることへの執着の深さが気持ち悪い」(65才・主婦)

 など辛辣な意見も多かった。



まあ、日本の女性はよくわかっているという事でしょうか。

原発推進、9条改憲、慰安婦問題にしても、ネチネチ執着してるという感じですしね。

そして、イメージアップのつもりか何か知りませんが、やたらとメディアに出る事もさらに反感を買ってる原因なのでは。

笑っていいとも、たかじんの委員会とか、必死すぎて嫌になるんじゃないでしょうかね。

そこに消費税8%直撃ですからね。

早く消えてほしいですね。


湯山玲子氏「首相の周りに有能なスタッフいるように見えない」
(NEWSポストセブン)
http://www.news-postseven.com/archives/20140426_253325.html
 女性セブンが20代から80代の女性500人に行ったアンケートによると「嫌いな男ワースト10」の1位は安倍晋三。2位にみのもんた、3位に木村拓哉という結果だった。
 視野が狭くて、自分の世界だけで生きている男が嫌いだというのが、近著に『文化系女子という生き方 ポスト恋愛時代宣言』(大和書房)がある著述家の湯山玲子さん。アンケート結果を受けて、湯山さんが「嫌いな男」について語る。
 * * *
 安倍首相は、“今、なんでこんなことをしちゃうの!?”みたいな行動が多くて、ハラハラするじゃないですか。この間、発表した俳句、『給料の上がりし春は八重桜』。誰も発表を止めなかったのかしらね。
 例えば、嫌いな隣人や上司とはつきあいたくないし、文句言ってやれと思っても、いい大人は実際はやらないでしょ。国だって同じで隣国とは、妥協をしつつ、均衡を保っていくしかないのに、彼の勇ましい言葉の連発を聞いていると、この人、大丈夫なのかなって思います。
 周りに有能なスタッフがいるように見えないのも怖いですよ。
 あと、政治献金問題で辞任した猪瀬直樹前東京都知事(67才)。以前、テレビ番組に出ていた時に、一生懸命話している人を、フンって顔で笑ったのを見て、“性格がよくないな”と。テレビから伝わるぐらいだから、都庁の部下やマスコミにも伝わっていたんじゃないかな。“5000万円献金問題”が出たら、一気に味方がいなくなって孤立。しおしおとして、ごめんなさいでしょう。打たれ弱すぎる!
 攻めている時は強くても、攻撃されるとすぐ謝って辞める。自分が正しいと思ったら闘わないと。でも、味方がいないのは悲しいですよね。
※女性セブン2014年5月8・15日号


額に汗して働けば必ず報社会を(`・ω・´)

全国民必読 安倍を操る「財務省7人のワル」をご存じか 消費税増税のウラで高笑い(週刊現代)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39033

〔PHOTO〕gettyimages

時の首相を騙すのはいとも簡単とばかりに、東大卒のエリート集団が悪知恵の数々を企み始めた。増税させた奴が一番偉い奴。我先にと「工作」に走る財務官僚たちの目に、国民の姿は映っていない。

「さあ、次は10%へ増税だ」

■「さあ、次は10%へ増税だ」

さっそく「増税関連倒産」第一号が出てしまった。

「新潟県のスーパー河治屋です。'55年創業の老舗ですが、ここ数年は大型スーパーの台頭で苦しんでいた。そこへきて増税となり、新税率に対応する新型レジの設備投資ができない状況にも追い込まれ、最終的に資金繰りに行き詰まって新潟地裁から破産手続きの開始決定を受けた」(同社関係者)

ほら、言わんこっちゃない。そう感じた人は少なくないだろう。

4月1日から消費税が5%から8%に増税され、全国で悲鳴が止まらない。「4月1日~6日までの国内18店における売り上げが前年同日対比でマイナス21・8%になりました」(高島屋広報・IR室)、「4月第1週の週末の売り上げは前年比1割減でした」(関西の大手量販店の広報担当者)というように、各地の店から客がゴソっと消えた。

企業各社は顧客をつなぎとめる防衛策に必死で、日本マクドナルド、牛丼チェーンのすき家など「値下げ」に踏み切る会社が続出。安値競争で企業が消耗戦を繰り広げるデフレ不況の光景が蘇ってきた形だ。

「その最中、安倍晋三首相は5日の土曜日に日本橋三越本店を訪れた。つくだ煮、靴など合計約4万円(内消費税分は約3000円)の買い物をして消費する姿勢をアピールするつもりだったが、『消費税がだいぶ高くなったんだという実感があった』と暢気なことを言ったため、『いまさら言うな』とか『庶民は三越に行かない』などと猛批判を受けています」(首相担当記者)

そもそも消費増税については、デフレから脱却しかけた日本経済に冷や水を浴びせかけると懸念する声が噴出。それを押し切って昨年10月1日に安倍首相が増税宣言をしたが、「予想通り」に経済が大ダメージを受けているというわけだ。

そうした中にあって、いま、ある財務省OBの衝撃発言が波紋を広げている。

「前事務次官の真砂靖氏('78年入省、以下同)が、2月末に地元の和歌山県内で講演した際に、消費税の10%への引き上げについて『経済がよほどのことにならない限り、やらないといけない』と語った。和歌山での講演なのでほとんど注目されていないが、10%への増税は政権でさえ慎重な構えを見せている中で、かなり踏み込んだ発言だった」(全国紙経済部記者)

8%への増税でさえ日本全体にパニックを引き起こしているというのに、「10%にして当然」と言わんばかりの発言は、世間の感覚と大きくズレている。

「しかも真砂氏は講演会でさらに踏み込んで、『専門的集団である官僚が、政治や国民に対して選択肢を示す必要がある』とも語った。政治家より自分たちのほうが優れているのだから従うべきだ、とも聞こえる強気な発言です。自身が官房長を務めていた当時の民主党政権についても、『政治が非現実的』『大衆迎合的に感じた』と上から目線でこき下ろしていた」(同前)

実はいま、今冬に安倍政権が決断を下す「消費税の10%増税」をにらんで、財務省が動きを活発化。さらなる増税に向けて、水面下で工作を開始している。

その中心と目される「7人のワル」(最終ページの表)は前出の真砂氏のほかに、主税局長を務める田中一穂氏('79年)。最近、周囲にこんな持論を披露している。

「ポイントは来年1月の通常国会。安倍首相は年末までに10%増税の可否を判断するが、仮に『否』と判断を下せば、消費増税法案改正のための『消費税国会』と化す。しかし、この国会は集団的自衛権関連の改正案を通す国会にもなる可能性があるので、『消費税国会』にしてしまうと、安倍首相がやりたい憲法改正が大きく後退することになりかねない。だから首相は10%を容認するはずだ」

■「反対派」を切り崩せ

田中氏は第一次安倍内閣で首相秘書官を務め、現在は官邸と財務省の窓口役を務めるキーマン。安倍内閣で増税に慎重なのは安倍首相自身と菅義偉官房長官の二人で、両者をいかに切り崩すかが財務省の最重要課題となっている。

「その点、田中氏は折に触れて安倍首相にメールを送れる間柄だし、安倍首相から重宝されている経産省の今井尚哉・首相秘書官を親友と呼ぶ仲。さらに主税局総務課長から菅官房長官の秘書官に就いた矢野康治氏('85年)とも師弟関係にある。唯一、安倍首相と菅官房長官の心が読める田中氏が官邸攻略の中心人物となるのは必然です」(官邸関係者)

そんな田中氏が考え出した官邸の切り崩し工作は、以下のようなものだという。

安倍首相と菅官房長官は財務官僚の言うことをそのまま受け入れるタイプではないが、経済人や学者の意見は割と素直に取り入れる傾向がある。そこで安倍官邸に近い学者や経済人を取り込むことで、消費税10%増税はやむを得ないという結論を出させる―。

すでに実働部隊は動いている。たとえば前財務官の中尾武彦氏('78年、現在はアジア開発銀行総裁)。中尾氏は東大時代に、安倍首相が信頼を寄せる経済ブレーンの一人である浜田宏一氏(イエール大学名誉教授)のゼミで勉強した浜田門下生。そこで、増税反対論者であり安倍政権の内閣官房参与を務める浜田氏の対応を中尾氏が任された。

「安倍首相が8%への増税を決断する前から中尾氏は浜田氏のもとへ通い、浜田氏が増税反対派の仲間の名前を出しただけで『そういう人とは付き合わないほうがいいですよ』とプレッシャーまでかけていた。浜田氏も『中尾が来て困っている』と漏らしながらも、門下生だけに無下にできない。財務省はこうした人間関係をしっかり利用するわけです」(前出・官邸関係者)

昨年10月に8%増税が決まった後からは、「工作範囲」の拡大も実行に移している。昨年11月に財務省から突然「ご説明に伺いたい」と連絡を受けたという評論家の荻上チキ氏が言う。

「メールで『ご著書を拝読しました。消費税についてぜひ一度お話をさせて下さい』とコンタクトをとってきました。スターバックスで会うことになったんですが、来たのは電通から官民交流で財務省に来ている広報担当者と財務省プロパーの広報担当者。これまではマスメディア、政党、学者などに『ご説明』に伺っていたけれど、それだけでは不十分なので、私のような個人やNPOなどにも対象を広げていると言っていた」

財務省側は数センチにもなる分厚い資料を持参、その上で荻上氏の著書に大量の付箋を付けて、それをもとに説明を始めたという。

「簡単にいえば、『いまなぜ消費税増税が必要なのか』について説明を受けたわけです。私がいますぐにやらなくてもいいという話をすると、『違う、今でしょ』という説明を繰り返していました」(荻上氏)

病児保育のNPO法人フローレンス代表の駒崎弘樹氏もツイッターで財務省レクを受けたと書いている。

こうして安倍首相や官邸を操る一方で、世論に影響を与える人物を一本釣りすることで、「増税意見」をひとつでも多く発信してくれるよう動いているのだ。

■メディア対策もぬかりなし

もちろん大手メディアへの対策も抜かりはない。特に力を入れているのが、安倍首相と懇意な渡辺恒雄氏が率いる読売新聞。昨年8月31日に読売新聞が『消費税率「来春の8%」は見送るべきだ』との社説を掲げた際には、事務次官の木下康司氏('79年)がすぐに渡辺氏のもとへご説明に伺ったほど。

さらに元事務次官で安倍政権の内閣官房参与を務める丹呉泰健氏('74年)が読売新聞調査研究本部の客員研究員として入り込んでおり、財務省は丹呉氏にも読売内部から援護射撃をしてもらう算段だ。

「実は財務省では新聞社などに説明に行くと人事評価が上がるようになっており、財務官僚たちが編集委員やデスク、担当記者との懇談を持つように動く仕組みになっている。そうして配下の財務官僚を丸ごと使って、メディアへの説得工作を仕掛けているわけです」(全国紙デスクOB)

丹呉氏が10%増税に向けた勉強会を頻繁に開催している―最近ではそんな話も聞こえてきた。

人事からも、「増税工作」の一端が垣間見える。

財務省の「司令塔」である主計局に居並ぶ太田充氏('83年)、井藤英樹氏('88年)、宇波弘貴氏('89年)、小宮義之氏('89年)。彼らにはひとつの共通点がある。元事務次官の勝栄二郎氏('75年)が民主党政権時代に野田佳彦首相を籠絡し、消費増税への道筋をつけさせた時の「功労者」なのだ。

「太田氏は野田首相の秘書官として送り込まれたが、当時の太田氏はすでに主計局次長という重量級ポスト。これで他省庁から来た秘書官たちの頭が上がらないようにして官邸を支配してきた功労者の筆頭格の一人です。

井藤氏は財務省OBの古川元久元国家戦略担当相の同期で、自見庄三郎元金融担当相の秘書官を務めた。同じく財務省OBだった大串博志元内閣府政務官の同期である宇波氏は藤村修元官房長官の秘書官、小宮氏は安住淳元財務相の秘書官に就き、内閣全体をコントロールした」(財務省OB)

あの「成功体験よもう一度」と、今度は主計局を根城に安倍政権に揺さぶりをかける体制なのだ。

「主計局次長を務める岡本薫明氏('83年)もいます。自民党から民主党に政権交代する前から安住淳氏に接触し、『政策勉強会』と称して財務省色に染めていった功績がある。しかも岡本氏は知る人ぞ知る、勝元事務次官が最も評価している人物。低姿勢な物腰が勝元事務次官に似てきたとも言われる。最近は各地で講演会をしたり、知事を訪問して、地方での増税支援を取り付けている様子です」(全国紙幹部)

そして主計局は次をにらんだ「増税工作」に早くも着手している。

■増税のためなら何でもやる

財務省主計局長の香川俊介氏('79年)が各省庁の官房長宛に、「平成25年度補正予算の早期実施について」と題された文書を配ったのは今年2月のこと。「公共工事についての早期実施」「公共工事以外の予算措置についての早期実施」の2項目からなる文書だが、要は消費増税による景気低迷を回避するために、安倍政権が決めた5・5兆円の補正予算を、道路からボールペンの発注に至るまですぐさまに実行しろという指示書だ。産経新聞特別記者・編集委員の田村秀男氏が言う。

「7~9月期の景気指標が落ち込めば消費増税がやれなくなるため、公共事業などを早期に集中執行することで、見せかけの経済成長を作ろうとしている。昨年も4~6月期に予算を集中執行させて、そのまやかしの景気回復が8%増税の根拠とされた。同じことを繰り返そうとしているのです」

国は年金などの社会保障に回すための財源がないから消費増税をすると説明してきたが、実はそのカネが公共事業などに回り、再び「増税」の材料に使われようとしているのだ。東京新聞・中日新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏も言う。

「消費増税は社会保障に使うというロジックは'99年の予算総則に初めて打ち出され、'07年11月の財政審で方針としてまとめられた。しかし、カネに色はないわけだから、当時からこれは増税のためのロジックだとわかっていた。案の定、消費増税はいま公共事業にばらまかれることになったわけです」

しかし、財務省のやりたい放題はこれだけにとどまらない。景気浮揚のために株価を上げる策まで講じているという。

財務省7人のワル

「財務官の古澤満宏氏('79年)が3月6日にニューヨークで開かれた日本証券サミットに参加し、アベノミクスの第三の矢である成長戦略をアピールしていた。実は日銀総裁の黒田東彦氏('67年)も増税賛成派で、公共事業で景気浮揚ができないとわかれば、再び黒田サプライズ緩和に打って出るとの観測がある。さらに、財務省が厚生労働省と結託して、年金資産120兆円を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)を動かして、日本株買いに走らせるというシナリオも語られている」(前出・経済部記者)

とはいえ、成長戦略はすでに腰砕けだし、追加緩和もGPIF発動もカネを金融市場にばらまくだけで、「まやかしの一手」であることに違いはない。

ちなみに、財務省は田中一穂氏が安倍首相から切られるような事態に備えてもいる。キーマンは首相秘書官の中江元哉氏('84年)。安倍官房長官時代の秘書官を務めた人物で、第二次安倍政権誕生時に首相から再抜擢された。持論を声高に政治家に主張するだけではない冷静沈着なタイプで、安倍首相からはその「財務官僚っぽくなさ」が買われていると評判である。

「財務省としては、田中がこけても中江がいるというわけです」(前出・財務省OB)
「日本の中枢」の視界にあるのは増税の二文字ばかり。庶民の生活には目もくれていないところに、この国の悲劇がある。

「週刊現代」2014年4月26号より


新たなオレオレ詐欺 本音のコラム 山口二郎

ブラック国家 本音のコラム 山口二郎


狂っちゃった安倍首相、独紙インタビューで・・・・Www
(☆YAMACHANの@飛騨MAVERICK新聞)
http://blog.goo.ne.jp/root41_1942/e/b8760a6cf0ca5991fde4c06493a32ff0

http://youtu.be/eI7o9C3y-wg
安倍首相、独紙インタビューで「簡単に原発やめると言えない」(14/04/30)

公開日: 2014/04/30
安倍首相は、ドイツの新聞の書面インタビューに答え、「そう簡単に原発をやめると言え­ない」と述べた。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00267649.html
安倍首相は、ドイツの新聞の書面インタビューに答え、「そう簡単に原発をやめると言えない」と述べた。29日付のドイツ紙「フランクフルター・アルゲマイネ」によると、安倍首相は、書面インタビューで、「日本は島国で、そう簡単にほかの国から電力を輸入できない」、「われわれは、そう簡単に原発をやめると言えない」と答えた。
そのうえで、「新しい安全基準のもと、安全確保を徹底したうえで、再稼働を進めたい」と述べた。ドイツは、福島第1原発事故のあと、「脱原発」の方針を決めている。

Japans Regierungschef in Europa
Abe verteidigt Atomkraft
http://www.faz.net/aktuell/politik/ausland/asien/japans-regierungschef-in-europa-abe-verteidigt-atomkraft-12914152.html
Abe verteidigt Atomkraft


原発利権集団巻き返しニュースを解く 「エネ計画」


推進一色に変化の兆し 函館市の原発反対訴訟に揺れる大間
(東京新聞・こちら特報部)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014043002000145.html
推進一色に変化の兆し原発反対訴訟に揺れる大間
 電源開発(Jパワー)が建設を進める大間原発の地元・青森県大間町に動揺が広がっている。津軽海峡を挟んで対岸の北海道函館市が、建設差し止め訴訟を起こしたからだ。推進の立場を維持する町民の多くは反発するが、函館とは経済的なつながりが強いだけに、町や経済界は複雑な心境ものぞかせる。数少ない脱原発派は、頼もしい援軍の登場に勢いづく。現地を歩いた。 (荒井六貴)

 【函館市の大間原発反対訴訟】
 北海道函館市が4月3日、大間原発の原子炉設置を許可した国と事業者のJパワーを相手取り、建設の差し止めを求める訴訟を東京地裁に起こした。第1回口頭弁論は7月3日。自治体による原発差し止め訴訟は初めて。函館市の一部は、原発事故に備えた避難の準備などが必要な30キロ圏内の防災対策の重点地域(UPZ)に入るが、建設同意手続きなどの対象外。訴訟費用を賄うための寄付金は約1700万円に達した。

 生活、経済を函館に依存 町や経済界複雑

 大間町の函館行きのフェリー乗り場。津軽海峡の先には、北海道側の山並みがくっきりと浮かぶ。函館とは最短距離で約20キロ。朝一番の午前7時の便に乗り込んだ。
 海産物の仕入れに向かう大間町の土産店経営の女性(62)は、函館の提訴について「函館は、大間原発の前に、北海道の泊原発を責めたらどうだ。夫はマグロ漁師だけど、マグロだけでやっていけない。孫も原発で働いている」と憤る。函館の病院に通院中の無職女性(85)は「原発はおっかないけど、仕事がなくなったら、困んでねえの」と不安げだった。
 大間と函館は一つの生活・経済圏を形成している。「函館市大間町」(大間町職員)と呼ばれるほどだ。函館に行くにはフェリーで約1時間半だが、青森市は車で3時間もかかる。大間からすれば、仲間に裏切られたというわけだ。
 町の中でも批判的な声が多かった。原発作業員が宿泊する旅館を経営する女性(62)は「函館も、原発の金がほしいだけなのではないか。大間には、マグロ以外に観光資源がない。大間の窮状も分かってほしい」といら立ちを隠さない。
 大間原発は今年11月に稼働する予定だったが、福島原発事故後に「未定」となった。函館の提訴後も建設は続いているが、先行きが一層不透明になったことには違いない。
 原発マネー頼みの町財政は岐路に立たされている。町は当初、原発の稼働で約数百億円の固定資産税収入を見込み、消防署や防災無線の整備に充てることなどを計画していたが、福島事故で頓挫した。一般会計予算の規模が約40億円の町にとっては大きな痛手だ。
 原発の建設現場で働く作業員約700人のうち、4分の1ほどを町民が占める。原発計画がつぶれれば、雇用の柱が失われる。
 しかし、町や経済界は函館との摩擦は避けたい。赤字のフェリー航路の維持や観光客の呼び込み、函館のイベントでの特産品販売…。函館に経済面で依存してきた経緯があるからだ。
 原発誘致を主導してきた大間町商工会の和田昭博事務局長は「早く原発を稼働させてほしいが、函館との関係は今まで通りの形でいきたい。提訴については何も言うことはできない」と困惑気味だ。町の原発担当者も「函館とのフェリーは生活に欠かせない。函館との経済交流は続けていきたい」と強調する。

一人一人できることを

 函館市の提訴は、原発推進一色に見える町の雰囲気を少しずつではあるが変えつつある。
反対派の町民らでつくる「大間原発に反対する会」代表の佐藤亮一さん(78)は「大間とのつながりが深い函館が、刺激を与えてくれた意味は大きい。勇気づけられる」と歓迎する。
町民の会員は現在、佐藤さんを含む3人だけだ。町議会が1984年に原発誘致を決議したころは、前身の反対団体に200人ほどが参加していたが、高齢化や、推進派の切り崩しで衰退していった。佐藤さんは「われわれも廃止に向けて運動を盛り上げていきたい」と脱原発派の立て直しに意欲を示す。
 大間漁協内で反対を唱えてきた漁師の近江松夫さん(70)も「函館を応援したい。大間ができないことをやってくれた」とエールを送る。
 人口約5900人の町は、マグロやウニ、タコ、コンブなどの漁業が基幹産業だ。700人超の組合員を擁する大間漁協内で反対の声が強まれば、脱原発運動は一気に盛り上がる。「おれらも、黙っては、おられん。漁協を動かそうとも考えている。原発ができれば、温排水で海の姿が変わるかもしれない。海産物の風評被害も心配だ。町民みんなが、原発に賛成していると言われるのは、頭にくる」(近江さん)

 脱原発派 巻き返し意欲

 大間で原発反対と言えば、「あさこはうす」だ。大型クレーンが横付けされる原子炉建屋から約250メートル先の民家である。住人の小笠原厚子さん(59)は「対岸の函館が頑張っているから、近くの自分も頑張らなきゃ。ほかの自治体も『よし、おらたちも』と思ってほしい」と力を込める。
 原発の用地買収に応じなかった母親の故・熊谷あさ子さんが2005年、材料を運び込んで建てた。コンブ漁などもしていたあさ子さんは、地元で無視されたり、土地を手放すよう脅されたりもしたが、「豊かな海を守る」との信念は崩れなかった。
 1階に約14畳のリビング兼キッチン、2階に4畳半の寝室がある。電気は太陽光や風力で賄う。「水は2年前ぐらいに、地下水が取れなくなって困っていたが、全国の人がミネラルウォーターを送ってくれる」(小笠原さん)。約1ヘクタールの敷地は、原発のフェンスに取り囲まれ、警備員から監視されている。
 福島原発事故、函館の提訴と続き、「あさこはうす」に注がれる町民の視線もほぐれてきた。最近は、「厚子、がんばれ」 「やっぱり原発はあぶないな」と声を掛けられる。
小笠原さんは「反対を言いにくい状況はまだ続いているが、大間は原発に頼らなくてもやっていける。おいしい空気と、世界一のマグロのブランドがある。推進派も目を覚ましてほしい」と説いた上で、大間原発反対を重ねて訴える。
 「米国やフランスからも、『あさこはうす』に手紙を送ってきてくれる。大間を止めることによって世界に影響を与えられる。それが大間の新たなブランドになる。一人一人が、できることをやっていけばいい。提訴でも、署名でも、デモでもいい。私のできることはここで生活し、『あさこはうす』を守ること」

[デスクメモ]
「あさこはうす」の小笠原厚子さんは「手紙を送ってください」と呼び掛けている。郵便物があれば、配達の人がやってくる。人が暮らしている証しとなる。電力会社が通り道を封鎖しにくくなる。年賀状の余りなどがあれば、〒039 4602 青森県下北郡大間町字小奥戸396 「あさこはうす」へ。(圭)


あさこはうすを護れ!大間原発建設は止めよ!!
http://ameblo.jp/m08068469/entry-11789945516.html



【出るものは出るんです!?】
人気漫画に鼻血「風評被害」批判 「美味しんぼ」

http://blog.goo.ne.jp/sithux7/e/b43a40f21c242717f74c6098fcc11235

マンガ「美味しんぼ」への風評被害批判について。- 2014.04.29

http://youtu.be/B2hGTs7jYpY

人気漫画に鼻血「風評被害」批判 「美味しんぼ」 - 47NEWS(よんななニュース)

>小学館の漫画誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」の28日発売号に掲載された人気漫画「美味しんぼ」の中に、東京電力福島第1原発を訪れた主人公らが原因不明の鼻血を出す場面があり、同誌編集部に「風評被害を助長する内容ではないか」などとする批判が相次いで寄せられていることが29日までに分かった。

 編集部は「鼻血や疲労感が放射線の影響によるものと断定する意図はありません」などとするコメントを同誌のホームページで発表した。



>編集部は「鼻血や疲労感が放射線の影響によるものと断定する意図はありません」などとするコメントを同誌のホームページで発表した。


いや、実際にそういう報告が相次いでるんだから、堂々としてればいいでしょう。

なんでもかんでもイチャモンつければ怯むと思ったら大間違いなのではないでしょうか。

放射能の影響の可能性があると言っても全然いいと思いますけどね。

出るものは出る。

そうでなければ、原発作業員がいくら被ばくしてもいい事になっちゃいますしね。

福島の汚染はもうそのレベルなんですよ、もう。

■なにが「風評被害」だバーカ。

Twitter / poponpgunyan: 人気漫画に鼻血「風評被害」批判 「美味しんぼ」 - 47NE ...



ぽぽんぷぐにゃん‏@poponpgunyan


人気漫画に鼻血「風評被害」批判 「美味しんぼ」 - 47NEWS(よんななニュース) http://www.47news.jp/CN/201404/CN2014042901001994.html … なにが「風評被害」だよw 放射能の影響の可能性を否定するなら、原発作業員はいくら被ばくしても問題ないって事になるだろ。


■井戸川氏も「鼻血が出た」と言っているのですね。

Twitter / poponpgunyan: 『美味しんぼ』“風評被害助長”を釈明 スピリッツ側「意図ない ...



ぽぽんぷぐにゃん‏@poponpgunyan

『美味しんぼ』“風評被害助長”を釈明 スピリッツ側「意図ない」「作者の表現尊重」 http://www.asahi.com/and_w/interest/entertainment/CORI2036929.html… 『双葉町元町長の井戸川克隆氏が「私も鼻血が出ます。今度の立候補を取りやめたのは疲労感が耐え難いまでになったからです』 井戸川氏も言ってるならそうでしょ。

美味しんぼ 鼻血

美味しんぼに関して 小学館
http://spi-net.jp/spi20140428.html

美味しんぼ 井戸川



110616東京新聞特報子に体調異変じわり 大量の鼻血
2011年6月16日 東京新聞・こちら特報部


「フェイス 夏休みをヒロシマで 密着 福島の母子支援」

http://dai.ly/xv2oc0
NHK広島制作 広島県限定番組 「フェイス 夏休みをヒロシマで 密着 福島の母子支援」
住民の立ち入りを禁止する警戒区域の一部解除や、屋外での体育やプール授業の再開。原発事故から1年以上がたち、少しずつかつての生活を取り戻し始めたように見える福島。しかし、広島への一時避難を希望する親子は増え続け、この夏休みには100人以上がやってきた。なぜ広島への避難が途絶えないのか。原発事故から2年目の夏、福島の母親たちの本音に向き合う、被爆地ヒロシマの現場を追った。


ダウンウィンダーズ アメリカ・被ばく者の闘い

http://dai.ly/x1h7inl
NHK ドキュメンタリーWAVE 2014.3.15.

核大国アメリカが「フクシマ・ショック」に揺れている。1月27日、米国である集会が開催された。「ダウンウィンダーズ(風下の人びと)記念集会」。福島原発事故の直後に連邦議会が制定した記念日だ。参加するのはネバダ核実験で飛散した放射性降下物によって被ばくした米市民。フクシマ報道に接した住民たちは、被災者を自分に重ね合わせた。自分たちも政府から十分な情報を与えられないまま、被ばくしてしまったからだ。被ばくの影響と疑われる症状に苦しみながら、補償されないまま亡くなる住民も多数いる。フクシマを契機に「真実を知りたい」と声を上げる米市民の姿を追いながら、アメリカに残された「知られざる核被害」の傷あとをみつめる。





【ぽぽんぷぐにゃん対談】
小出裕章さん「敗北したけど、充実してた。」- 2014.04.28(三銃士)

(ぽぽんぷぐにゃん)
http://blog.goo.ne.jp/sithux7/e/70d6ade966dc35832390759e50a287ee

小出裕章さん「敗北したけど、充実してた。」- 2014.04.28

http://youtu.be/5o7pzPk31eE



画家のイコマレイコさん、ドイツのカマ吉さん、ぼくとでチーム「三銃士」として、小出裕章さんのところへうかがいました。

イコマレイコさんが小出さんの「立ちポーズ」を描きたいとの事で、みんなずっと立ち話で話してました。1時間以上もw

小出さんもたくさん話してくれたので、あっという間に時間になってしまいました。

今回はぶっと通しの動画でアップしてみましたが、今後もテーマごとにアップするかもしれません。

小出裕章さんの幻の映画化の話(小出さん役はなんと役所広司!)、汚染水の話、憲法9条とノーベル平和賞の話、台湾の原発建設の停止の話、たねまきジャーナルの話、昔の共産党にバッシングされた話、社会党に失望した話・・・そして、小出さんの死生観の話(これは必聴!)など。

本当に小出さんファンにはたまらない内容になったと思います。

この動画ではイコマレイコさんはほとんど出てきませんが、この間ずっと小出さんの絵を描いてらしたのです。

イコマレイコさんのfacebookをぜひ見てくださいね。

イコマ レイコ(facebook)

これも、イコマレイコさん、カマ吉さんのおかげで実現できた事であります。

本当に感謝です。

■やはり、「小出イズム」が聴きどころです。

Twitter / poponpgunyan: 今回の小出裕章さんとの話はかなり面白いと思います。映画化を断 ...



ぽぽんぷぐにゃん‏@poponpgunyan

今回の小出裕章さんとの話はかなり面白いと思います。映画化を断った話、過去、共産党からバッシングされた話、社会党に失望した話したとか、「これ、大丈夫かなw」という話がいっぱいでカットしたところもありますwでも、一番の聴きどころは、最後のほうの死生観やこれから事だったり・・・。




原発は滅びゆく恐竜である 水戸 巌 著
(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2014042702000180.html
原発は滅びゆく恐竜である
「私より全然すごい人。ずっと国家権力と戦ってきた人です。」小出裕章

「原発は滅びゆく恐竜である」水戸巌著作・講演集01
「原発は滅びゆく恐竜である」水戸巌著作・講演集02

すぐそこにある危機・・

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5月3日は日本の憲法記念日ですね!
近頃の安倍内閣の策動によって憲法が大企業、アメリカの利益に沿うように改悪の危機を迎えています・・
・・(´・_・`)

憲法とは国家の基本組織を規定し、国民の基本的人権を保証する法です。イギリスでは若干の法律と慣行からできていますが、その他の国では法律に優越する効力を持つ法典の形式をとっています。
国家の階級的性格と力関係によって憲法の内容や機能は異なります。
一般に資本主義国の憲法は、国民主権・議会制民主主義・権力分立・人権保障などを規定しますが、帝国主義の段階では、これらの民主的条項を形骸化させようとする支配層の策動が強まり、これとのたたかいが勤労人民にとって民主主義をまもる重要な課題となります。
憲法の平和的・民主的な条項が勤労人民のたたかいの力となっています!

ここで少しばかり憲法のことについて、振り返ってみましょう。


『あたらしい憲法のはなし』予告編

http://youtu.be/adCo0ZkeuIw
戦後60年が経過し時代は大きく変わりました。
60年前に廃墟の中で未来を拓くために固めた不戦の決意。
その決意は、もう時代に合わなくなってしまったのでしょうか。
このDVDは、新しい時代に生きる私たちがどんな決意を持ってどんな憲法を選びとるべきがを問い直します。
詳しい情報・ご購入はコチラへ
http://www.ndn-news.co.jp/shop/pickup/05.4.5-2.htm

新しい憲法のはなし

あたらしい憲法のはなし
より抜粋しました。

新しい憲法のはなし01

オーディオブック あたらしい憲法のはなし サンプル

http://youtu.be/4gHlL9Bw5jI

一 憲法

 みなさん、あたらしい憲法ができました。そうして昭和二十二年五月三日から、私たち日本國民は、この憲法を守ってゆくことになりました。このあたらしい憲法をこしらえるために、たくさんの人々が、たいへん苦心をなさいました。ところでみなさんは、憲法というものはどんなものかごぞんじですか。じぶんの身にかゝわりのないことのようにおもっている人はないでしょうか。もしそうならば、それは大きなまちがいです。
 國の仕事は、一日も休むことはできません。また、國を治めてゆく仕事のやりかたは、はっきりときめておかなければなりません。そのためには、いろ/\規則がいるのです。この規則はたくさんありますが、そのうちで、いちばん大事な規則が憲法です。
 國をどういうふうに治め、國の仕事をどういうふうにやってゆくかということをきめた、いちばん根本になっている規則が憲法です。もしみなさんの家の柱がなくなったとしたらどうでしょう。家はたちまちたおれてしまうでしょう。いま國を家にたとえると、ちょうど柱にあたるものが憲法です。もし憲法がなければ、國の中におゝぜいの人がいても、どうして國を治めてゆくかということがわかりません。それでどこの國でも、憲法をいちばん大事な規則として、これをたいせつに守ってゆくのです。國でいちばん大事な規則は、いいかえれば、いちばん高い位にある規則ですから、これを國の「最高法規」というのです。
 ところがこの憲法には、いまおはなししたように、國の仕事のやりかたのほかに、もう一つ大事なことが書いてあるのです。それは國民の権利のことです。この権利のことは、あとでくわしくおはなししますから、こゝではたゞ、なぜそれが、國の仕事のやりかたをきめた規則と同じように大事であるか、ということだけをおはなししておきましょう。
 みなさんは日本國民のうちのひとりです。國民のひとり/\が、かしこくなり、強くならなければ、國民ぜんたいがかしこく、また、強くなれません。國の力のもとは、ひとり/\の國民にあります。そこで國は、この國民のひとり/\の力をはっきりとみとめて、しっかりと守ってゆくのです。そのために、國民のひとり/\に、いろ/\大事な権利があることを、憲法できめているのです。この國民の大事な権利のことを「基本的人権」というのです。これも憲法の中に書いてあるのです。
 そこでもういちど、憲法とはどういうものであるかということを申しておきます。憲法とは、國でいちばん大事な規則、すなわち「最高法規」というもので、その中には、だいたい二つのことが記されています。その一つは、國の治めかた、國の仕事のやりかたをきめた規則です。もう一つは、國民のいちばん大事な権利、すなわち「基本的人権」をきめた規則です。このほかにまた憲法は、その必要により、いろ/\のことをきめることがあります。こんどの憲法にも、あとでおはなしするように、これからは戰爭をけっしてしないという、たいせつなことがきめられています。
 これまであった憲法は、明治二十二年にできたもので、これは明治天皇がおつくりになって、國民にあたえられたものです。しかし、こんどのあたらしい憲法は、日本國民がじぶんでつくったもので、日本國民ぜんたいの意見で、自由につくられたものであります。この國民ぜんたいの意見を知るために、昭和二十一年四月十日に総選挙が行われ、あたらしい國民の代表がえらばれて、その人々がこの憲法をつくったのです。それで、あたらしい憲法は、國民ぜんたいでつくったということになるのです。
 みなさんも日本國民のひとりです。そうすれば、この憲法は、みなさんのつくったものです。みなさんは、じぶんでつくったものを、大事になさるでしょう。こんどの憲法は、みなさんをふくめた國民ぜんたいのつくったものであり、國でいちばん大事な規則であるとするならば、みなさんは、國民のひとりとして、しっかりとこの憲法を守ってゆかなければなりません。そのためには、まずこの憲法に、どういうことが書いてあるかを、はっきりと知らなければなりません。
 みなさんが、何かゲームのために規則のようなものをきめるときに、みんないっしょに書いてしまっては、わかりにくい[#「わかりにくい」は底本では「わかりくい」]でしょう。國の規則もそれと同じで、一つ/\事柄にしたがって分けて書き、それに番号をつけて、第何條、第何條というように順々に記します。こんどの憲法は、第一條から第百三條まであります。そうしてそのほかに、前書が、いちばんはじめにつけてあります。これを「前文」といいます。
 この前文には、だれがこの憲法をつくったかということや、どんな考えでこの憲法の規則ができているかということなどが記されています。この前文というものは、二つのはたらきをするのです。その一つは、みなさんが憲法をよんで、その意味を知ろうとするときに、手びきになることです。つまりこんどの憲法は、この前文に記されたような考えからできたものですから、前文にある考えと、ちがったふうに考えてはならないということです。もう一つのはたらきは、これからさき、この憲法をかえるときに、この前文に記された考え方と、ちがうようなかえかたをしてはならないということです。

あたらしい憲法のはなし02

 それなら、この前文の考えというのはなんでしょう。いちばん大事な考えが三つあります。それは、「民主主義」と「國際平和主義」と「主権在民主義」です。「主義」という言葉をつかうと、なんだかむずかしくきこえますけれども、少しもむずかしく考えることはありません。主義というのは、正しいと思う、もののやりかたのことです。それでみなさんは、この三つのことを知らなければなりません。まず「民主主義」からおはなししましょう。

二 民主主義とは

 こんどの憲法の根本となっている考えの第一は民主主義です。ところで民主主義とは、いったいどういうことでしょう。みなさんはこのことばを、ほう/″\できいたでしょう。これがあたらしい憲法の根本になっているものとすれば、みなさんは、はっきりとこれを知っておかなければなりません。しかも正しく知っておかなければなりません。
 みなさんがおゝぜいあつまって、いっしょに何かするときのことを考えてごらんなさい。だれの意見で物事をきめますか。もしもみんなの意見が同じなら、もんだいはありません。もし意見が分かれたときは、どうしますか。ひとりの意見できめますか。二人の意見できめますか。それともおゝぜいの意見できめますか。どれがよいでしょう。ひとりの意見が、正しくすぐれていて、おゝぜいの意見がまちがっておとっていることもあります。しかし、そのはんたいのことがもっと多いでしょう。そこで、まずみんなが十分にじぶんの考えをはなしあったあとで、おゝぜいの意見で物事をきめてゆくのが、いちばんまちがいがないということになります。そうして、あとの人は、このおゝぜいの人の意見に、すなおにしたがってゆくのがよいのです。このなるべくおゝぜいの人の意見で、物事をきめてゆくことが、民主主義のやりかたです。
 國を治めてゆくのもこれと同じです。わずかの人の意見で國を治めてゆくのは、よくないのです。國民ぜんたいの意見で、國を治めてゆくのがいちばんよいのです。つまり國民ぜんたいが、國を治めてゆく――これが民主主義の治めかたです。
 しかし國は、みなさんの学級とはちがいます。國民ぜんたいが、ひとところにあつまって、そうだんすることはできません。ひとり/\の意見をきいてまわることもできません。そこで、みんなの代わりになって、國の仕事のやりかたをきめるものがなければなりません。それが國会です。國民が、國会の議員を選挙するのは、じぶんの代わりになって、國を治めてゆく者をえらぶのです。だから國会では、なんでも、國民の代わりである議員のおゝぜいの意見で物事をきめます。そうしてほかの議員は、これにしたがいます。これが國民ぜんたいの意見で物事をきめたことになるのです。これが民主主義です。ですから、民主主義とは、國民ぜんたいで、國を治めてゆくことです。みんなの意見で物事をきめてゆくのが、いちばんまちがいがすくないのです。だから民主主義で國を治めてゆけば、みなさんは幸福になり、また國もさかえてゆくでしょう。
 國は大きいので、このように國の仕事を國会の議員にまかせてきめてゆきますから、國会は國民の代わりになるものです。この「代わりになる」ということを「代表」といいます。まえに申しましたように、民主主義は、國民ぜんたいで國を治めてゆくことですが、國会が國民ぜんたいを代表して、國のことをきめてゆきますから、これを「代表制民主主義」のやりかたといいます。
 しかしいちばん大事なことは、國会にまかせておかないで、國民が、じぶんで意見をきめることがあります。こんどの憲法でも、たとえばこの憲法をかえるときは、國会だけできめないで、國民ひとり/\が、賛成か反対かを投票してきめることになっています。このときは、國民が直接に國のことをきめますから、これを「直接民主主義」のやりかたといいます。あたらしい憲法は、代表制民主主義と直接民主主義と、二つのやりかたで國を治めてゆくことにしていますが、代表制民主主義のやりかたのほうが、おもになっていて、直接民主主義のやりかたは、いちばん大事なことにかぎられているのです。だからこんどの憲法は、だいたい代表制民主主義のやりかたになっているといってもよいのです。
 みなさんは日本國民のひとりです。しかしまだこどもです。國のことは、みなさんが二十歳になって、はじめてきめてゆくことができるのです。國会の議員をえらぶのも、國のことについて投票するのも、みなさんが二十歳になってはじめてできることです。みなさんのおにいさんや、おねえさんには、二十歳以上の方もおいででしょう。そのおにいさんやおねえさんが、選挙の投票にゆかれるのをみて、みなさんはどんな氣がしましたか。いまのうちに、よく勉強して、國を治めることや、憲法のことなどを、よく知っておいてください。もうすぐみなさんも、おにいさんやおねえさんといっしょに、國のことを、じぶんできめてゆくことができるのです。みなさんの考えとはたらきで國が治まってゆくのです。みんながなかよく、じぶんで、じぶんの國のことをやってゆくくらい、たのしいことはありません。これが民主主義というものです。

三 國際平和主義

 國の中で、國民ぜんたいで、物事をきめてゆくことを、民主主義といいましたが、國民の意見は、人によってずいぶんちがっています。しかし、おゝぜいのほうの意見に、すなおにしたがってゆき、またそのおゝぜいのほうも、すくないほうの意見をよくきいてじぶんの意見をきめ、みんなが、なかよく國の仕事をやってゆくのでなければ、民主主義のやりかたは、なりたたないのです。

あたらしい憲法のはなし03

 これは、一つの國について申しましたが、國と國との間のことも同じことです。じぶんの國のことばかりを考え、じぶんの國のためばかりを考えて、ほかの國の立場を考えないでは、世界中の國が、なかよくしてゆくことはできません。世界中の國が、いくさをしないで、なかよくやってゆくことを、國際平和主義といいます。だから民主主義ということは、この國際平和主義と、たいへんふかい関係があるのです。こんどの憲法で民主主義のやりかたをきめたからには、またほかの國にたいしても國際平和主義でやってゆくということになるのは、あたりまえであります。この國際平和主義をわすれて、じぶんの國のことばかり考えていたので、とうとう戰爭をはじめてしまったのです。そこであたらしい憲法では、前文の中に、これからは、この國際平和主義でやってゆくということを、力強いことばで書いてあります。またこの考えが、あとでのべる戰爭の放棄、すなわち、これからは、いっさい、いくさはしないということをきめることになってゆくのであります。

四 主権在民主義

 みなさんがあつまって、だれがいちばんえらいかをきめてごらんなさい。いったい「いちばんえらい」というのは、どういうことでしょう。勉強のよくできることでしょうか。それとも力の強いことでしょうか。いろ/\きめかたがあってむずかしいことです。
 國では、だれが「いちばんえらい」といえるでしょう。もし國の仕事が、ひとりの考えできまるならば、そのひとりが、いちばんえらいといわなければなりません。もしおおぜいの考えできまるなら、そのおゝぜいが、みないちばんえらいことになります。もし國民ぜんたいの考えできまるならば、國民ぜんたいが、いちばんえらいのです。こんどの憲法は、民主主義の憲法ですから、國民ぜんたいの考えで國を治めてゆきます。そうすると、國民ぜんたいがいちばん、えらいといわなければなりません。

新しい憲法のはなし04

 國を治めてゆく力のことを「主権」といいますが、この力が國民ぜんたいにあれば、これを「主権は國民にある」といいます。こんどの憲法は、いま申しましたように、民主主義を根本の考えとしていますから、主権は、とうぜん日本國民にあるわけです。そこで前文の中にも、また憲法の第一條にも、「主権が國民に存する」とはっきりかいてあるのです。主権が國民にあることを、「主権在民」といいます。あたらしい憲法は、主権在民という考えでできていますから、主権在民主義の憲法であるということになるのです。
 みなさんは、日本國民のひとりです。主権をもっている日本國民のひとりです。しかし、主権は日本國民ぜんたいにあるのです。ひとり/\が、べつ/\にもっているのではありません。ひとり/\が、みなじぶんがいちばんえらいと思って、勝手なことをしてもよいということでは、けっしてありません。それは民主主義にあわないことになります。みなさんは、主権をもっている日本國民のひとりであるということに、ほこりをもつとともに、責任を感じなければなりません。よいこどもであるとともに、よい國民でなければなりません。

以下略

続きはこちらから( ^ω^)_凵 どうぞ
http://www.aozora.gr.jp/cards/001128/files/43037_15804.html#midashi50


憲法ってすごい


言論・出版の自由
 日本国憲法が保障している、一切の表現の自由のなかで、もっとも古典的でいて、かつ、現代的で今日的な意義のある政治的・市民的自由の一つです。
今日、インターネットとそれを土台としたSNSの発達した中においても、個人の言論がその社会的な影響力を持ちにくい現代社会、特に日本社会においては、マスメディアを独占する大企業とそれを管理する政府による言論・出版の統制が特定秘密保護法に代表されるように、ますます強化されようとしています。
独占資本と自民党政府の言論・出版の統制にたいして、国民の言論・出版の自由を護り実現するには、国民の立場からのきびしいマスコミ批判が必要です。
(`・ω・´)
そのためにも、あらゆる場面で日常的な言論・出版の活動が活発にされなくてはなりませんね?


特定秘密保護法 知る権利の重みを再認識したい
(愛媛新聞) 2014年05月02日(金)
http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201405026580.html
 国家機密の漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法が昨年12月に成立した。年内施行に向け、政府や国会では監視機関設置の議論が進んでいるが、国民の「知る権利」を損なう懸念は拭えないままだ。
 「知る権利」は「表現の自由」と一体として、憲法で保障されている。脅かされると国民主権をも危うくする民主主義の根幹だ。なりふりかまわず成立を急いだ安倍政権には、国民の権利を尊重するという視点が欠けていよう。
 特定秘密は定義が曖昧で、範囲が際限なく広がる。一般市民も罪に問われかねない。最長60年の指定期間には例外があり、行政に都合の悪い情報を半永久的に隠せる。審議の過程で噴出した国民の不安が何一つ解消していないことを、政府は恥じるべきだ。
 成立したから万事休すではない。弁護士らによる違憲訴訟の提訴も相次ぐ。秘密保護法への反対を重ねて表明するとともに、廃止を求める国民の声を政府に突きつけることが肝要と指摘しておきたい。
 国会に設ける監視機関をめぐり、先月中旬に与党プロジェクトチームがようやく初会合にこぎつけた。自民、公明両党の隔たりは小さくない。焦点は秘密指定の妥当性検証だ。公明案は「妥当性を判断し政府に改善を勧告できる」とする。一方、自民案は政府への意見表明にとどめ、権限を曖昧にした。
 ことは国民の代表たる国会議員の権限に関わる。自民党の及び腰の背景には、国会への秘密提供を最小限にしたい安倍晋三首相への配慮があるといわれる。事実とすれば、国会議員の存在意義を自ら否定したに等しい。行政府が立法府より優位に立つことにもなろう。猛省を促したい。
 秘密保護法は防衛、外交、スパイ防止、テロ防止の4分野で漏えいすれば著しく支障がある情報を特定秘密に指定し、違反には最高10年の懲役を科す。さらに共謀、扇動、教唆にも処罰の網をかける。いずれも5年以下の懲役だ。
 情報を求める側も求められる側も、神経質になるのは必至だ。政府は「一般人や正当な取材行為は罰せられない」とする。が、処罰に至らなくても対象になっただけで萎縮させる効果は計り知れない。
 安倍首相が推し進める集団的自衛権の行使容認などと密接に関わる点にも注意が必要だ。首相はかねて、国家安全保障会議(日本版NSC)を円滑に機能させるには情報管理が不可欠と強調している。安保政策全体の中で捉えなければ、秘密保護法の真の姿を見誤ることにもなる。
 メディアは萎縮することなく権力に対峙(たいじ)する責務をかみしめたい。同時に、国民一人一人が自らの問題との意識を強くし、「知る権利」の重みを再認識する必要があろう。


高村薫 特定秘密保護
高村薫 - Wikipedia


集団的自衛権を考える 憲法学者・渋谷秀樹氏(59)
(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/our_kenpo/list/CK2014042002000179.html
◆「砂川」根拠、無理な解釈
 尖閣諸島をめぐる問題も靖国神社の参拝も、安倍政権と政権を支える人たち自身が近隣諸国との緊張を高めておきながら、それに対処するために「集団的自衛権の行使を認めるべきだ」と主張している。緊張の原因除去に努めることこそ、真の政治家がするべきことです。
 集団的自衛権を国家の「固有の権利」と規定している国連憲章は、国と国との約束事である条約です。条約と憲法とでは憲法が優位に立つ。憲法は国のあり方の基本ルールだから、そのルールが認めていない権利を日本が持つことは論理的にあり得ないというのが、従来の政府の見解です。
 現在の政府は国連憲章に照らし合わせて「日本が主権国家である以上、集団的自衛権を有していることは当然だ」と言いますが、不正確です。「国連憲章に規定はあるが、憲法は必要最小限度の自衛権、つまり個別的自衛権の行使しか認めていない。憲法が認めていない以上、集団的自衛権が無いのは当然だ」と言うべきです。
 自民党の高村正彦副総裁は、集団的自衛権が認められる根拠に「砂川事件」を挙げています。一九五九年十二月の最高裁判決に「わが国が主権国として持つ固有の自衛権は何ら否定されたものではなく…」との記述がありますが、前後の文脈や「自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置を取りうる」との部分を読めば、判決が個別的自衛権について述べていることは明らかです。
 自国の平和と安全が脅かされていないにもかかわらず、砂川事件の判決を持ち出して「集団的自衛権の行使は認められる」と主張するのは、論理に飛躍がある。憲法の基本判例だから、どの法科大学院生でも知っていることです。無理な解釈というほかないでしょう。

 <しぶたに・ひでき>1955年、兵庫県生まれ。立教大大学院法務研究科教授。元司法試験考査委員。著書に「憲法」(有斐閣)など。


森英樹 米と靖国歴史観が衝突

ストップ集団的自衛権!


ちょっとというが水と油 青井未帆学習院大学教授


憲法のゆくえ 震災・くらし(上)国民主権、強く意識を/俳優・菅原文太さん(河北新報)
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201405/20140502_11010.html
 日本国憲法が岐路に立っている。改憲論議が活発化し、憲法の解釈変更による集団的自衛権行使容認の検討も加速する。一方で、東日本大震災や福島第1原発事故で生活基盤を失い、再建のめどが立たない被災者は多く、国民の権利をどこまで保障するかという課題は残ったままだ。憲法はどこへ向かうのか。震災対応や暮らしの視点から、各界の3人に聞いた。

 -今の日本の社会と政治をどう見ているか。
<最後のとりで>
 「さみしい国になった。多くの人が金と自分のことばかり考え、国の在り方や政治に関心がなくなった。さらに東日本大震災と原発事故が起き、民心が弱った。再び起きうる地震、原発事故の影響への不安…。あえて物事を深く考えない、考えたくないという風潮がある。憲法の改正や拡大解釈など政治が暴走するには格好の時代だ」
 「不穏な空気を捉えて権力を監視するのがメディアの役割なのにおとなしい。最後のとりでは憲法だ。今ほど憲法の存在意義が高まっている時代はない。憲法前文を読み返そう。その精神が、いかにないがしろにされているかが分かる

[日本国憲法 前文]日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。

 -前文がうたう国民主権と現状との隔たりで感じることは。
<原発ゼロ軽視>
 「国民が強く意識しなければ、国民主権は死語になる。福島第1原発事故後の原子力政策の問題が象徴的ではないか。民主党政権時代とはいえ、原発ゼロを目指すことが国民の意見の大勢だったはず。自民党は選挙で『原子力に依存しない社会』を目指すと公約したが、今は原発依存と推進にかじを切っている」
 「原発依存を望む人がどれほどいるのか。電力会社など一部の『主権』だけが尊重されている。国民は主権が軽んじられても憲法や政治に関心がないから、何も行動せず黙認する。この国の民主主義は弱体化している

 -平和主義のこれからをどう見ているか。
<戦前に逆戻り>
 「戦争を知る世代が少なくなった。この世で最も悲惨な出来事が戦争だ。軍事力を強化して勝てばいいと勇ましいことを言う政治家もいるが、犠牲を考えていない。昨年成立した特定秘密保護法案に反対したのも太平洋戦争の記憶があるからだ。当時、国民は監視社会で疑心暗鬼になり、誰も信用できなかった。戦前のような社会になるのではないか」
 「最近、久しぶりに銀座を歩いた。戦後の建物の多くが壊され、海外ブランドの無機質なビルに変わり、落ち着ける喫茶店もなくなった。残すべきものまで消え、さみしい街になった。日本の行く末と重なってしまう」

 -憲法の価値をどう守っていくか。
 「(戦争放棄を定めた)憲法9条は、ノーベル賞委員会が推薦状を受理し、ノーベル平和賞候補になった。候補になっただけでも快挙だ。受賞を目指した運動を盛り上げたい。受賞すれば多くの人が憲法の素晴らしさに気付き、改憲もできなくなる」(聞き手は東京支社・中村洋介)

[すがわら・ぶんた]仙台市出身。仙台一高卒。58年に俳優デビュー。「仁義なき戦い」などで主演。山梨県内の農業生産法人代表。80歳。

日本は今、真珠湾攻撃をした時と大差ないよ菅原文太


吉永小百合&瀬戸内寂聴
「震災&原発被害」
被災者の未来に…私たちは闘います!

(女性自身) より
吉永小百合&瀬戸内寂聴

「核と人は共存できない」 対談で語った吉永小百合の本気度
(日刊ゲンダイ)
http://gendai.net/articles/view/geino/148606
「女性自身」で瀬戸内寂聴と

 吉永小百合(68)が本気のようだ。
 11日発売の女性誌「女性自身」で瀬戸内寂聴(91)と対談し、安倍政権への怒りと原発再稼働反対への思いを改めて話している。

 記事は全8ページの長文で、カメラ撮影は篠山紀信という豪華版。そこで吉永は、地震がないような国なら事情が違うと言いつつ、「原子力の平和利用なんてない、核というものは、人間とは共存できないものなんだということを、事故で初めて自覚した」と明言している。また、憲法改正、特定秘密保護法などに動く安倍政権の危険性にも目を向けるのだ。

吉永小百合01「先日、テレビのニュースで見たのですが、〈集団的自衛権が成立したとき、あなたは戦争に行きますか?〉と、若い人たちに質問していたんです。すると躊躇(ちゅうちょ)なく、〈僕は戦争に行きますよ〉と、答える人もいて……。そう答えた人の頭の中にある戦争は、ゲームやコミックスで知っている戦争ではないかと思うのです」

 吉永も戦争を知らない世代だが、ライフワークの原爆詩朗読会を通じ、平和への思いがさらに強まっているようだ。また、被災地の悲しみを忘れ、東京五輪に浮かれる世相にも疑問を投げかける。

 彼女は、先の都知事選では反原発を訴える細川候補への支持を表明したばかり。政治色を嫌う女優が多い中、稀有(けう)な存在と言える。

吉永小百合02 だが、番組スポンサーから睨まれるのを避けるのなら、政治的な発言は控えるのが賢明だと思うが……。

 芸能評論家の肥留間正明氏がこう言い切る。
「吉永さんの反戦、原子力否定の考えは、昨日今日のものではありません。彼女は大震災のずっと前から同じことを主張している。他の俳優にも続いて欲しい。スポンサーに気兼ねして発言を控えるようなケチな芸能界にはなって欲しくありません」

 吉永のこういった批判精神は、彼女いわく、「婦人画報」の元編集者で平和活動家だった叔母の川田泰代さんから受け継いだものだという。耳を傾ける価値は十分ある。



再掲ですがぜひ、ご覧ください!
日本国憲法が創り出した価値

http://www.youtube.com/playlist?list=PL31113E1104AD0F9D
日本国憲法が作り出した価値01
日本国憲法が創り出した価値02
日本国憲法が創り出した価値03
日本国憲法が創り出した価値04
日本国憲法が創り出した価値05
日本国憲法が創り出した価値06
日本国憲法が創り出した価値07
日本国憲法が創り出した価値08
日本国憲法が創り出した価値09
日本国憲法が創り出した価値10
日本国憲法が創り出した価値11
日本国憲法が創り出した価値12
日本国憲法が創り出した価値13
日本国憲法が創り出した価値14
日本国憲法が創り出した価値15
日本国憲法が創り出した価値16
日本国憲法が創り出した価値17
日本国憲法が創り出した価値18
日本国憲法が創り出した価値19
日本国憲法が創り出した価値20
日本国憲法が創り出した価値21
日本国憲法が創り出した価値22
日本国憲法が創り出した価値23

小出裕章先生:ドイツが脱原発を決めた最大の理由は、倫理的に正しくないということなのですね

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◆【小出裕章ジャーナル~第69回】
脱原発のドイツに何が起きているのか?

http://youtu.be/KnPiKmvb8Kc
脱原発のドイツに何が起きているのか? 「これからは原子力をとにかく止めるために、石炭と再生可能エネルギーで乗り切っていこうと彼らはしているのです」
~第69回小出裕章ジャーナル

http://www.rafjp.org/koidejournal/no69/
湯浅誠:
今日は「脱原発のドイツに何が起きているのか」という事について、 お話を伺いたいとこう思います。

私達には結構大きく報道されたので馴染みのある話ですが、 東日本大震災の後、ドイツは脱原発を決めました。 2022年までに原発をゼロにすると。

かたや、原発事故を起こした私達の国は原発回帰をベースロード電源というやつですかね。 やっていくという風に話しているわけですが、 ドイツで石炭火力発電の復権が進んでいるっていうのは本当なんですか?

小出さん:
本当です。 本当と言うか、もともとドイツという国は石炭が大変豊富な国で、 石炭を従来から火力発電で使ってきたということですし、 これからは原子力をとにかく止めるために、 石炭と再生可能エネルギーで乗り切っていこうと彼らはしているのです。

電源別電力供給構成の比較
電源別電力供給構成の比較
IEA Electricity Information 2010

そして、石炭という物もいわゆるコジェネとかですね、コンバインドという形の物が どんどん技術が開発されてきていますので、 石炭も従来のように環境破壊的ではなくなってきているのです。 それをドイツは視野に入れて、石炭も使いながらというように考えているのだと思います。
クリーン・コール・テクノロジーの技術体系(1/4)

湯浅:
前回でしたかね。 お伺いした時に、日本もそういう新しい発電技術、石炭と使う発電技術に 必ず転換していくだろうとおっしゃったと記憶していますが、 ドイツも政府もそれを視野に入れて、 そういう事を見据えて脱原発を決めたと。 と言うことは、いわば計算づくで可能だと判断してやったということですね?

小出さん:
えーっとですね、日本の政治家あるいは経済界の方達の動きを見ていると、 大変視野が狭すぎると私は思うのです。

ほんとに、その目先の事だけを考えてですね、 原油の輸入代金が上がってしまったら困るとかですね。 電気代がちょっと上がったら経済がまた成長できなくなるとかですね。


各国のエネルギー自給率と原子力利用の関係
各国のエネルギー自給率と原子力利用の関係
IEA Energy Balances

そういう風に日本の人達は考えてしまうのですが、ドイツの場合はそうではないのですね。 遥かかなたを見ながら、どういう戦略でやっていけばいいか ということを考えながらやっているのです。

湯浅:
先日、IPCC付属文書というのも出まして、そこでは、 風力や太陽光でも温室ガス削減効果は可能で、 まだ原発に依存する必要はないというような、 国際機関もそういうことをおっしゃっているという報道が出ておりましたが。

小出さん:
私はIPCCというあの団体は、もともとその原子力をやりたくて ああいう団体がでっち上げられたと言ったら言葉が悪いですけれども、 作られたのかなと思っていたのですけれども、 5次報告では原子力が無くてもやっていけるという風に書いたわけで、 むしろ見直しました。

69-koide

湯浅:
そうすると、ドイツが今後、政権が変わったりして原発に回帰するっていう可能性は低い。

小出さん:
ありません。

湯浅:
無いと。

小出さん:
はい、ほぼ完璧にと言ってもいいくらい無いと思います。

湯浅:
それはなんでですか?

小出さん:
ドイツもですね、もともとは原子力をかなりやろうとしていた国なんですね。 1990年に東西両ドイツが統一された時には、27基の原子力発電所がありました。

湯浅:
日本のちょうど半分ですね。

小出さん:
そうですね。 それをなんとか止めて、いわゆる再生エネルギーでやろうとしてですね、 壮大な構想を立てながら一歩一歩やってきたのです。 もう今現在、ドイツには9基しかないという所まで減らしているわけです。
ドイツにおける再生エネルギー開発の推移

湯浅:
3分の1まで。

小出さん:
はい。これからも再生可能エネルギーを普及させる、 そして、石炭を復権させるということで、 政治家も、そしてまた経済界もそれで合意してここまでやってきてるわけですから、 原子力が復権するということは、私はドイツではないと思います。

ドイツの再生可能エネルギーの導入目標
(左:設備容量、右:発電電力量)
ドイツの再生可能エネルギーの導入目標
National Renewable Energy Action Plan

湯浅:
そうすると、その3分の1まで減らしてきたってことは、 廃炉先進国でもあるってことですか?

小出さん:
そうですね。 廃炉というのはとっても難しいことで、世界中どこもまあ成し遂げられない。 悩みながらいるわけですけれども、ドイツはそういう意味では 廃炉技術で世界をリードしようという、 そういう考えは多分あると思います。

湯浅:
じゃあ、日本も学べる点はたくさんある。

小出さん:
もちろんです。 先程から聞いて頂いたように、 長期的な視野でもって国を動かさなければいけないというようなことは、 まずドイツにしっかりと学ぶべきですし、 これから廃炉ということをどうするかという事が 日本でももちろん重要なことになってきてしまうわけで、 ドイツのやり方というものをしっかりと見ておくべきだと思います。

湯浅:
そうすると、改めて最後にまとめていただくと、 再生可能エネルギーあるいは脱原発という観点から、 日本とドイツの一番大きな違いというのはどういう事になりますかね。

小出さん:
まずは、先程聞いて頂いたように、 目先の利益だけを日本という国が求めてきてしまってるわけですが、 そうではいけないという事だと思います。
原発は金になる
日本というこの国は、とにかく何か金儲け、金儲けと言ってしまうわけですけれども、 ドイツが脱原発を決めた最大の理由は、倫理的に正しくないということなのですね。

政府の中に倫理委員会というものが立ち上げられて、 原子力のテクニカルな問題だけではなくて、 原子力が持ってる倫理的な問題、社会的な問題というものまでも検討して、 やはり原子力は止めるべきだという。 そういう判断をドイツはしたわけです。

日本もそういう、そうですね、人間の生き方というようなものも含めて、 キッチリと考えられるような体制を作るべきだと私は思います。

※ドイツ「倫理員会」報告書
http://morikazutoshi.com/wp/wp-content/uploads/Deutch-rinriiinnkaihoukoku-mishima.pdf

湯浅:
はい、ありがとうございました。

小出さん:
はい、ありがとうございました。

欧州の電力網

冊子「ドイツにおけるエネルギーシフト-しっかり見てみよう」
(ドイツ連邦共和国大使館・総領事館)
http://www.japan.diplo.de/Vertretung/japan/ja/01-Willkommen-in-Deutschland/013-publikation.html#topic4
ドイツにおけるエネルギーシフトしっかり見てみよ
http://cwoweb2.bai.ne.jp/~cdl00200/Durchblick_AEE_Online.pdf


原発問題~廃炉について~

http://youtu.be/KgM4_nOEqAg


姜尚中/ドイツの脱原発・廃炉作業

http://youtu.be/3mWzIFIGlSQ


活断層と原発、そして廃炉 アメリカ、ドイツ、日本の選択

http://youtu.be/ZonQ3oq57fU


死の地帯——ドイツ政府の原発事故シミュレーション

http://youtu.be/Tl-FVTsUorA


イエロー・ケーキ クリーンなエネルギーという嘘

http://youtu.be/3mnFS0XXsa4
http://pandorafilms.wordpress.com/yellow/

イエロー・ケーキの真実~脱原発を決意したドイツから~

http://youtu.be/x22HxMIxUPk
イエロー・ケーキの真実~脱原発を決意したドイツから~
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1301
天然のウラン鉱石を精錬して生まれる黄色の粉末、イエロー・ケーキ。これがなければ原子力発電所は稼動しない。原発の燃料になるこの黄色い粉、イエロー・ケーキの真実を暴くドキュメンタリーが1月28日から公開される。オーストラリア、カナダ、ナミビア、ドイツなど世界各地のウラン鉱石採掘場を5年に渡り丁寧に取材したこの作品は、原発の燃料による被ばくの実態を暴いている。脱原発を決意したドイツから来日中のヨアヒム・チルナー監督に話を聞く。


原子力村復権!これが自公政権の正体


安倍首相に脱原発訴え=首脳会談場前でデモ-ベルリン
(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2014043001050
 【ベルリン時事】安倍晋三首相とドイツのメルケル首相の首脳会談が行われたベルリンの首相府前で30日、会談時間に合わせ、市民や在留邦人ら約50人が安倍首相に脱原発を訴えるデモを行った。
 デモ隊は「安倍首相に抗議します」との横断幕を掲げ、「再稼働反対」「さよなら原発」とシュプレヒコールを上げた。
 参加した主婦ヘートウィヒ・ツォーベルさん(63)は「東京電力福島第1原発の事故が起きた日本で原発が再稼働されたら最悪」。タクシー運転手ベルント・フリーベーゼさん(54)は「安倍首相に国民と子供を守れと言いたい」と話した。(2014/04/30-23:44)

安倍首相を呆れ顔で見るメルケル首相

安倍首相訪独歓迎抗議デモ01

安倍首相訪独歓迎抗議デモ02

安倍首相訪独歓迎抗議デモ03




ドイツから見た3.11、福島第一原発事故。- カマ吉さん- 2012.03.30

http://youtu.be/pBG5W-bEKc4

「なぜドイツは脱原発できたのか?」ゲスト・カマ吉さん - 2012.03.30

http://youtu.be/46nB7zQPE28



ミランダ・シュラーズさんに聞いた
脱原発を決めたドイツから見た、
日本の「フクシマ後」

http://www.magazine9.jp/article/konohito/8737/
福島第一原発の事故後、「脱原発」へと舵を切ったドイツ。その決定過程において重要な役割を果たしたのが、メルケル首相の主導で設置された「ドイツ・安全なエネルギー供給に関する倫理委員会」。さまざまな分野の有識者らが原発について、エネルギー問題について意見を交わし、報告書にまとめて提出した内容は、メルケル首相の決断に大きな影響を及ぼしたといいます。倫理委員会のメンバーの1人である政治学者のミランダ・シュラーズさんに、ドイツの「脱原発」について、そして日本について、さまざまな視点からお話しいただきました。

ミランダ・A. シュラーズ
ミランダ・A. シュラーズ
1963年アメリカ生まれ。コーネル大学で生命科学を学び、ワシントン大学で教養学士、ミシガン大学において比較政治学で修士号取得。ハーバード大学、ユトレヒト大学、慶応大学、中央大学、立教大学の客員研究員および客員教授、メリーランド州立大学教授を経て現在ベルリン自由大学教授・環境政策研究所所長。著書に『ドイツは脱原発を選んだ』(岩波ブックレット)、『女性が政治を変えるとき—議員・市長・知事の経験』(岩波書店、五十嵐暁郎共著)、編訳書に『ドイツ脱原発倫理委員会報告—社会共同によるエネルギーシフトの道すじ』(大月書店、吉田文和共編訳)がある。

ドイツの「脱原発」を支えた「倫理委員会」
編集部
 ミランダさんが現在暮らしておられるドイツでは、政府が福島第一原発事故の約1か月後に、2022年までに完全な「脱原発」を達成するとの方針を表明しました。その決定に大きな影響を与えたのが、メルケル首相によって設置された「安全なエネルギー供給に関する倫理委員会」の議論だったといいます。「倫理的に脱原発を選択した」というメッセージは、私たちにはある意味とても新鮮で、衝撃を受けるものでした。ミランダさんもそのメンバーの1人でいらっしゃいましたが、他の顔ぶれはどんな方たちだったのですか?
ミランダ
 共同委員長を務めたのが、元国連環境計画事務局長のクラウス・テプファーさん。ドイツではチェルノブイリ原発事故の後に初めて「環境省」ができたのですが、その初代大臣が彼です。もう一人の共同委員長のマティアス・クライナーさんは、環境問題の研究機関であるドイツ研究振興協会(DFG)の代表。その他、プロテスタント司教とカトリック枢機卿もメンバーでした。プロテスタントもカトリックもどちらも1970年代には原子力というのは、倫理的な問題のある技術である、というペーパーを書いて出しています。また、ドイツの一番大きな化学メーカー「BASF」の取締役は、電気をたくさん使う企業の代表として選ばれていました。他にもドイツの代表的な政党、CDU/CSU、SPD、FDPなどの元大臣や政治家、消費者問題の専門家などもメンバーに入っていましたが、「緑の党」の政治家はいませんでした。ウルリッヒ・ベックというミュンヘン大学の社会学部教授だった人は、80年代にリスク社会学についての本を著して、リスクと技術の関係について論理的に論じた方です。
 このように、政治家や企業家、社会学者や哲学者、経済学者など、いろんな立場を代表する方たちが選ばれていました。
 誰がどんな理由で選ばれたのかということは明らかにされていませんが、原子力関連の企業関係者が1人もいなかったというのは重要な点ですね。あと、NGOからの参加者もいなかった。これも意図してそうしたのだと思います。
編集部
 企業関係者がいないというのはわかりますが、NGOも? 緑の党の政治家がいないのも意外ですね。
ミランダ
 緑の党に近い方は、呼ばれたけれど断ったと聞きました。企業関係者はやはり、自分の企業の利益を考えがちだから。NGOは、何らかの強いイデオロギー的な立場を持っている方が多いからではないでしょうか。やはり、会として最終的に「統一の立場」を作らなくてはならない、という目標がありましたから、「絶対反対」「絶対賛成」という両極端な立場の人はメンバーには入れないようにしたんだと思います。
編集部
 ミランダさんご自身は、なぜ選ばれたのだと思われますか?
ミランダ
 わかりませんが、地球温暖化やエネルギーの問題を昔からやっているということ、アメリカ出身でアメリカの事情がわかるということに加えて、福島での事故の当事者国である日本との関係が深いということもあったのかもしれません。委員会での議論の中でも、日本で事故が起こった背景はどのようなものか、ドイツで同じような事故は起こりうるのかといった議論をかなりやりました。
編集部
 そして、その議論を通じてまとめられた倫理委員会の報告書(※1)が、政府に対しても大きな影響力を持ったわけですよね。ひるがえって日本では、例えば震災後に復興に向けた指針策定のための議論を行う場として「東日本大震災復興構想会議」が設置されましたが、そこでの議論はメディアでもほとんど取り上げられず、政策決定にもほとんど活かされることがなかったように思います。この違いはどこから来るのでしょう? 
ミランダ
 ドイツにはもともと「アンケート委員会」という仕組みがあります(※2)。憲法や地球環境保護など、複雑で重要なテーマについてさまざまな観点から議論し、議会に勧告を行うのですが、この勧告は一定の影響力を持っています。特に「このテーマは重要だ」と国民的なコンセンサスが取れているようなテーマでの報告書は、政策にかなり影響を与えますね。
 ただ、今回の倫理委員会の報告書に関して言えば、一番大きかったのはメルケル首相が「倫理委員会の報告書が出るまで(脱原発に関する)判断を保留する」と明言したことです。あの発言がなければ、そこまでは大きい影響力を持たなかったかもしれません。メディアもその発言を受けて議論の流れをフォローし続け、新聞やテレビに倫理委員会に関するニュースが継続的に掲載されていたんです。

※1 報告書の内容:
 ・原子力発電所の安全性は高くても、事故の可能性はゼロではない。
 ・原子力の事故が起きた場合は他のどんなエネルギー源よりも危険である。
 ・次の世代に廃棄物処理などを残すのは倫理的問題がある。
 ・原子力より安全なエネルギー源がある。
 ・地球温暖化問題もあるので、化石燃料を使うことは解決策ではない
 ・再生可能エネルギー普及とエネルギー効率性政策で原子力を段階的にゼロにしていくことは将来の経済のためにも大きなチャンスになる。
※2 アンケート委員会(Enquete-Kommission)…ドイツの連邦議会に設置される委員会。連邦議会の付託を受け、特定のテーマについて技術的、経済的、社会的な観点からの情報収集・検討評価を行う。近年では、「憲法改革」「遺伝子技術」「地球環境保護」などをテーマにアンケート委員会が設置されている。


編集部
 その報道を受け止める市民の側も、もともと原発の問題についての関心が高かったのでしょうか?
ミランダ
 そうですね。もともとドイツ社会では原発の是非についての議論が長く続いていて、そこにさらに福島での事故が大きなインパクトを与えた。原発推進派も脱原発派も、倫理委員会が政府にどういう勧告をするか、関心を持って見ていたと思います。
編集部
 原発についての議論が以前からあったというのは、やはりチェルノブイリの事故の影響が大きいのでしょうか?
ミランダ
 それ以前から議論はありましたが、やはりチェルノブイリの影響は大きかったですね。「あんなに危ない事故の可能性があるんだから原発はもうやめよう」という人たちと、「あれはソ連(当時)だからであってドイツであんな事故はあり得ない」という人たちの間で、激しい議論が巻き起こりました。やはり、放射性物質がヨーロッパまで達していたこと、そして一歩間違えばさらに大きな事故になって、ヨーロッパはもう人が住めなくなるくらい汚染されていたかもしれないという危険性を多くの人が認識していたからだと思います。

メルケル首相のリーダーシップと「緑の党」
編集部
 倫理委員会の報告書が大きな影響力を持ったのは、メルケル首相の発言が大きかったとのことですが、外から見ていても彼女は、非常にリーダーシップのある政治家のように思えます。危機的な状況にも何度も陥ったEUを牽引しているのも彼女だろうし、シリアに対するアメリカの軍事介入について、いち早くドイツは、軍事作戦に参加する意思がないことを、メルケルさん自ら言明しました。ここ数年、世界で最も影響力の強い女性のナンバーワンは、メルケルさんですね。つい先日行われた、選挙でもメルケルさんの三選が決まったということですから、国民の支持も厚いのでしょう。
ミランダ
 メルケルさんは、世界で一番強い女性ではないかしら。政治のポジションもけっこう保守的ですけれども、ドイツの保守は日本の保守と全然違います。アメリカの民主党より左かもしれません。だから一応保守党のリーダーなんですけれども、それは「ドイツの保守」という意味です。そこをまず、押さえておいてください。
 それにメルケルさんはもともと物理学者ですし、環境大臣の経験もあって、地球温暖化の問題や酸性雨の問題、いろんな環境問題を細かく研究してましたし、原子力の問題にも詳しい。私も何度か会ったことがありますが、びっくりするくらい専門的な質問をされました。もちろんチェルノブイリや福島の事故についてもよく知っていますし、原子力のいい点、悪い点の両方を見ている人だと思います。
 しかし、それより何より彼女は「政治家」として強い人なんですよね。個人的に原子力をどう考えているかではなくて、世論の強い「原発反対」の声を聞いて、脱原発を進めるしかないと決意したのだと思います。
編集部
 福島の事故が起こる前年には、むしろ原発の稼働期間を延長させることを決定したりと、ドイツの脱原発を後退させたという見方もありましたね。
ミランダ
 そうです。ドイツは地球温暖化問題にも非常に関心の強い国で、以前はメルケル首相もそれをメインイシューとして掲げていました。温暖化ガス削減の高い目標を実現するために、脱原発の方向性は保つけれどその実行までの期間は延長を認めたわけで、それに対しては批判も多かったです。
 しかし、福島の事故を経た後は、明確に「脱原発」を打ち出しました。それまで彼女を強く批判してきた野党の緑の党が主張していたことを、そのまま自分の政策として打ち出したわけで、そういうところもやはり「政治家」としてのノウハウのある人だと思いますね。
編集部
 しかし、いくらメルケル首相にリーダーシップがあっても、それだけでは政治は動きませんよね。もちろん国民の脱原発を求める声が強かったということもあるのでしょうか。日本だと誰が首相になっても、トップダウンで脱原発を言ったところで、つぶされてしまう、という社会のシステムがあります。
ミランダ
 ドイツも、やっぱり最初はボトムアップから「脱原発」の声は上がっていきました。地方の住民運動や市民運動から反対の声が出てきて、反対だけではなくて、新しいアイディアも出てきました。トップダウンになるまではやっぱり、いろんな変化も必要だったのです。そのような中から出てきた、緑の党の誕生は、本当に大きい意味を持っていたと思います。
 緑の党は、1970年代に平和、核廃絶と脱原発、女性の権利獲得という三つのイシューから生まれた政党なのですが、その誕生がドイツの政治に与えた影響はとても大きかったと思います。与党になるほどの支持拡大には至らなくても、他の政党が緑の党の支持層を取り込もうとして、環境や平和の問題に取り組むようになった。緑の党が誕生したことで、多くの政党の政治的なポジションが徐々に変わっていったんです。
 例えば脱原発についても、緑の党の誕生当時、それに賛同している政党はほとんどありませんでした。しかし、チェルノブイリの事故などを経て、他の政党も徐々に、何年もかけて「脱原発」を自分たちの政治イシューに掲げるようになっていくわけです。他の環境問題などを見ても、同じような傾向がありますね。

日本はどんな「国としてのビジョン」を掲げるのか
編集部
 さて、ドイツはそうして「脱原発」を打ち出したわけですが、もちろんヨーロッパすべてがそうではありません。フランスはよく知られているように原発推進の姿勢を崩さず、チェコやポーランドなど東ヨーロッパ諸国も、ロシアへの天然ガス依存の状況を変えるために原発を利用していくと打ち出しています。今年6月に安倍首相がポーランドを訪れた際には、原発輸出を「セールス」したと報じられました。
ミランダ
 東ヨーロッパ諸国が本当に原発を推進していくのかは現時点ではわかりません。ポーランドなども自然エネルギーが新しいビジネスとして注目を集め始めていますし、ご存じのとおり原発を動かしていくにも実は莫大なお金がかかりますから、だったら自然エネルギーの方向へ向かおうとする可能性もあるのではないかと思います。
 ただ、いずれにしてもフランスや日本の原発輸出には、私はすごく倫理的な問題があると考えています。安全基準などに関しても、世界共通の基準がまだできていない状況ですし、特に福島の問題が収束していない今、日本が輸出に踏み切るというのは…。
編集部
 本当に恥ずかしいと思います。本来なら、福島の事故があって、そして今、日本では原発が一基も稼働していない。もちろん、化石燃料に頼っているという問題はあるけれど、特に事故直後は節電意識も高まっていたし、原発なしでもなんとかやれている状態が続いている。本来なら国のリーダーがそのことを強調して、「日本は今、脱原発を実現できている。将来に向けてもその方向に進んでいく」といった宣言をしたほうが、国際社会からも尊敬を得られるのでは? と思うのですが。
ミランダ
 そう、おっしゃるように「原発ゼロ」がこれだけ長く続いているわけですから、脱原発が可能だということは明確になっていると思うのですが…私が今、日本を見ていてすごく残念だと思うのは、「フクシマ後」を、チャンスにできていないことです。もちろん危機は危機ですし、それは非常に困難な、大変なものでしょう。でも、そこから学んで、新しいビジョンを打ち出していくことが本来ならできるはずなのに、そうなっていない。
 1970~80年代くらいの日本は、世界でも存在感のある国でした。そして、その当時の日本が持っていたビジョンは「豊かになる」ことだった。でも、今は日本が国として持っているビジョンがなんなのか、今ひとつはっきりしないのです。
編集部
 そうした「ビジョン」を確立していくという考え方がそもそも政治の場にないのかもしれません。長期的な視野に立って、この国がどうあるべきなのかを議論していくとか…。ドイツではそうした考え方は一般的ですか?
ミランダ
 100年、200年先までとは言いませんが、例えば50年くらい先を見て、今このやり方を変えないと将来が大変だとか、国の将来のために教育やインフラに投資しようとか、先を見て政策を立てないとダメだという考え方はかなり浸透している気がしますね。ただ、今の南ヨーロッパなどを見ていても思うのですが、国というのは経済的に落ちてくると、短期的なことだけを考えがちになるのかもしれません。日本もずっと経済的な問題が続いていて、周辺諸国の脅威みたいなことも言われる中で、どうしたらいいかわからない、昔の、安定していた時代に戻りたいというような気持ちがあるんじゃないでしょうか。
編集部
 そうした流れの一つに今の憲法改定議論もあるのだと思いますが、ミランダさんはこの動きをどう見ておられますか?
ミランダ
 まず、表現の自由を定めた憲法21条を変えようという動きがあることを懸念しています。表現の自由に制限をかけるというのは、民主主義の危機ではないでしょうか。
 あとはやはり9条の問題ですね。
ドイツは日本と同じ敗戦国ながら軍隊を持っていて、NATOにも参加していますけど、それが許されているのには、西ドイツ首相だったヴィリー・ブラントがユダヤ人ゲットー跡地で跪いて謝罪したように、首相などが何度も周辺国に対して謝罪を続けてきたことが大きいと思います。今日本が憲法9条を変えるというときに、周辺諸国がそれをどう見るかはちょっと心配ですね。
編集部
 敗戦の後、一度9条をつくって「もう侵略はしません」と言ったからもういいでしょ、なのか、持続的に過去の歴史を引き受けていくのか…。戦争の問題だけではなく原発についても、そのどちらの方向に向かうのか、それが今問われているのかもしれないですね。今日は長い時間、ありがとうございました。
(構成・写真/仲藤里美)

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