Sonderbar! Und immer ist es die Religion, und immer die Moral, und immer der Patriotismus, womit alle schlechten Subjekte ihre Angriffe beschönigen.
不思議なことだ!いつの時代においても悪人は自分の下劣な行為に、 宗教や道徳や愛国心のために奉仕したのだという誤魔化しにつとめている
Christian Johann Heinrich Heine
(ハインリヒ・ハイネ)
The Japan Times and Advertiser
三国共同宣言
「日本に対し戦争終結を提議 荒廃か平和か決断の秋至る」
「笑止、対日降伏条件」 読売新聞
日本國民に告ぐ!!(広島原爆投下後に米軍によって巻かれたチラシ)
「軍部首脳部の連中が三国共同宣言(ポツダム宣言)の十三ヶ条よりなる寛大なる条項を以てこの無益な戦争を止めるべく機会を与えられたのであるが軍部はこれを無視した」
ポツダム宣言(原文)
ポツダム宣言(外務省訳文)
日本の降伏のための定義および規約
1945年7月26日、ポツダムにおける宣言(現代語訳)
1.我々(合衆国大統領、中華民国政府主席、及び英国総理大臣)は、我々の数億の国民を代表し協議の上、日本国に対し戦争を終結する機会を与えることで一致した。
2.3ヶ国の軍隊は増強を受け、日本に最後の打撃を加える用意を既に整えた。この軍事力は、日本国の抵抗が止まるまで、同国に対する戦争を遂行する一切の連合国の決意により支持され且つ鼓舞される。
3.世界の自由な人民に支持されたこの軍事力行使は、ナチス・ドイツに対して適用された場合にドイツとドイツ軍に完全に破壊をもたらしたことが示すように、日本と日本軍が完全に壊滅することを意味する。
4.日本が、無分別な打算により自国を滅亡の淵に追い詰めた軍国主義者の指導を引き続き受けるか、それとも理性の道を歩むかを選ぶべき時が到来したのだ。
5.我々の条件は以下の条文で示すとおりであり、これについては譲歩せず、我々がここから外れることも又ない。執行の遅れは認めない。
6.日本国民を欺いて世界征服に乗り出す過ちを犯させた勢力を除去する。無責任な軍国主義が世界から駆逐されるまでは、平和と安全と正義の新秩序も現れ得ないからである。
7.第6条の新秩序が確立され、戦争能力が失われたことが確認される時までは、我々の指示する基本的目的の達成を確保するため、日本国領域内の諸地点は占領されるべきものとする。
8.カイロ宣言の条項は履行されるべきであり、又日本国の主権は本州、北海道、九州及び四国ならびに我々の決定する諸小島に限られなければならない。
9.日本軍は武装解除された後、各自の家庭に帰り平和・生産的に生活出来る機会を与えられる。
10.我々の意志は日本人を民族として奴隷化しまた日本国民を滅亡させようとするものではないが、日本における捕虜虐待を含む一切の戦争犯罪人は処罰されるべきである。日本政府は日本国国民における民主主義的傾向の復活を強化し、これを妨げるあらゆる障碍は排除するべきであり、言論、宗教及び思想の自由並びに基本的人権の尊重は確立されるべきである。
11.日本は経済復興し、課された賠償の義務を履行するための生産手段、戦争と再軍備に関わらないものが保有出来る。また将来的には国際貿易に復帰が許可される。
12.日本国国民が自由に表明した意志による平和的傾向の責任ある政府の樹立を求める。この項目並びにすでに記載した条件が達成された場合に占領軍は撤退するべきである。
13.我々は日本政府が全日本軍の即時無条件降伏を宣言し、またその行動について日本政府が十分に保障することを求める。これ以外の選択肢は迅速且つ完全なる壊滅があるのみである。
wikipedia より
日本の戦争を「間違った戦争」とさえ言えぬ首相
戦争法案を提出する資格なし
党首討論 志位委員長の発言
(しんぶん赤旗)2015年5月21日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-21/2015052103_02_1.html
日本共産党の志位和夫委員長が20日に行った安倍晋三首相との党首討論は次のとおりです。
志位 過去の日本の戦争は「間違った戦争」との認識はあるか
首相 (答弁できず)
志位 今年は、戦後70年です。この節目の年にあたって、日本が、そして総理自身が、どういう基本姿勢をとるかは、たいへん重大な問題であります。
戦後50年の「村山談話」では、「わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩ん(だ)」と述べ、過去の日本の戦争に対して「間違った戦争」という認識を明らかにしております。
総理に端的にうかがいます。過去の日本の戦争は「間違った戦争」という認識はありますか。
ことは日本自身が行った戦争の善悪の判断の問題です。歴史の研究の話ではありません。日本の平和と安全に責任を持つ政治家ならば、当然判断しなければならない問題です。「間違った戦争」という認識はありますか。端的にお答えください。
首相 今年は、戦後70年の節目の年であります。70年前、戦争は終結をしました。しかし、さきの大戦において、多くの日本人の命は失われたわけであります。同時に、アジアの多くの人々が戦争の惨禍に苦しんだ。日本はその後の歩みのなかで、まさに塗炭の苦しみを味わったといってもいいと思います。
戦争の惨禍を二度と繰り返してはならない。われわれはこの不戦の誓いを心に刻み、戦後70年間、平和国家としての歩みを進めてきたわけであり、その思いにまったく変わりはないわけでございます。そして、だからこそ、地域や世界の繁栄や平和に貢献をしなければならないと、こう決意をしているわけでございます。
当然、また、「村山談話」、あるいは「小泉談話」、節目節目に出されているこの政府の談話を、私たちは全体として受け継いでいくと、再三再四申し上げてきたとおりでございます。(議場がざわめく)
志位 私が聞いているのは、何も難しい問題じゃないんです。過去の日本の戦争が、「間違った戦争」か、「正しい戦争」か、その善悪の判断を聞いたんですが、まったくお答えがありませんでした。
志位 「ポツダム宣言」の認識を認めないのか
首相 つまびらかに読んでいないので論評は差し控えたい
志位 この問題は、すでに70年前に歴史が決着をつけております。
戦後の日本は、1945年8月、「ポツダム宣言」を受諾して始まりました。「ポツダム宣言」では、日本の戦争についての認識を二つの項目で明らかにしております。
一つは、第6項で、「日本国国民ヲ欺瞞(ぎまん)シ之ヲシテ世界征服ノ挙(きょ)ニ出ヅルノ過誤」を犯した勢力を永久に取り除くと述べております。日本の戦争について、「世界征服」のための戦争だったと、明瞭に判定しております。日本がドイツと組んで、アジアとヨーロッパで「世界征服」の戦争に乗り出したことへの厳しい批判であります。
いま一つ、「ポツダム宣言」は第8項で、「『カイロ』宣言ノ条項ハ履行(りこう)セラルベク」と述べています。
「カイロ宣言」とは、1943年、米英中3国によって発せられた対日戦争の目的を述べた宣言でありますが、そこでは「三大同盟国は、日本国の侵略を制止し罰するため、今次の戦争を行っている」と、日本の戦争について「侵略」と明瞭に規定するとともに、日本が「暴力と強欲」によって奪った地域の返還を求めています。
こうして「ポツダム宣言」は、日本の戦争について、第6項と第8項の二つの項で、「間違った戦争」だという認識を明確に示しております。
総理におたずねします。総理は、「ポツダム宣言」のこの認識をお認めにならないのですか。端的にお答えください。
首相 この「ポツダム宣言」をですね、われわれは受諾をし、そして敗戦となったわけでございます。そしていま、えー、私もつまびらかに承知をしているわけでございませんが、「ポツダム宣言」のなかにあった連合国側の理解、たとえば日本が世界征服をたくらんでいたということ等も、いまご紹介になられました。
私はまだ、その部分をつまびらかに読んでおりませんので、承知はしておりませんから(議場がざわめく)、いまここで直ちにそれに対して論評することは差し控えたいと思いますが、いずれにせよですね、いずれにせよ、まさにさきの大戦の痛切な反省によって今日の歩みがあるわけでありまして、われわれはそのことは忘れてはならないと、このように思っております。
志位 私が聞いたのは、「ポツダム宣言」の認識を認めるのか、認めないのかです。はっきりお答えください。
首相 いま申し上げましたようにですね、まさに「ポツダム宣言」を私たちは受け入れて、これがまさに戦争を終結させる道であったということであります。この、われわれは受け入れることによって、終戦を迎え、そして、まさに日本は平和国家としての道をその後、歩き始めることになったということではないかと思います。
志位 日本の戦争の善悪の区別さえつかぬ首相に、米国の戦争の善悪の判断ができるわけがない
志位 私は、「ポツダム宣言」が認定している「間違った戦争」という認識を認めないのかと聞いたんですが、認めるとおっしゃらない。これは非常に重大な発言であります。
戦後の国際秩序というのは、日独伊3国の戦争は侵略戦争だったという判定の上に成り立っております。ところが総理はですね、「侵略戦争」はおろか、「間違った戦争」だともお認めにならない。
総理がいま進めようとしている集団的自衛権の行使とは、日本に対する武力攻撃がなくても、アメリカが世界のどこであれ、戦争に乗り出したさいに、その戦争に自衛隊を参戦させるというものであります。しかし、米国の戦争の善悪の判断が、総理にできますか。日本が過去にやった自らの戦争の善悪の判断もできない総理に、米国の戦争の善悪の判断が、できるわけないじゃないですか。(「そうだ」の声)
戦争の善悪の判断ができない、善悪の区別がつかない、そういう総理が、日本を「海外で戦争する国」につくり変える戦争法案を出す資格はありません。撤回を強く求めて終わります。(大きな拍手)
志位委員長の党首討論
https://youtu.be/Hpe_lmEULcU
「ポツダム宣言読んでいない」安倍首相に憲法学者が怒りの声
(日刊ゲンダイ)2015年5月22日
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/160063
「私は総理なのだから」…安倍首相“戦争法案”答弁の支離滅裂
(日刊ゲンダイ)2015年5月22日
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/160022
知識の欠如をあらわにした安倍晋三の「歴史認識」
「集中」2014年5月13日
http://medical-confidential.com/confidential/2014/05/post-708.html
平沢勝栄という、警察官僚出身の自民党衆議院議員がいる。現在は党の総務副会長という要職にあるが、この議員にまつわる逸話で最も知られているのは東大法学部の学生時代、安倍晋三首相の家庭教師をしていたという経歴かもしれない。本人によれば当時、よく首相を「定規でたたいた」とかで、「私が教えなかったら成蹊大学も受からなかった」というから、頭の出来がよほど悪かったのだろう。
首相本人は、祖父の岸信介元首相の「DNA」を口にすることがあるようだが、東大の歴史に残る秀才と呼ばれた祖父と比較するべくもないのは間違いなさそうだ。しかも後援会向けパンフレットなどに「南カリフォルニア大学(USC)政治学科2年間留学」と記していながら、同大によると在学していたのは1年だけで、学士の資格も取っていなかった。学歴詐称まがいだが、永田町界隈では「留学といいながら遊びほう
けていた」というのが定説になっている。
無論、学歴や学力が即リーダーの条件ではない。だが、「頭の出来の悪さ」はその条件から真っ先に排除されるべき項目であるのも事実だ。昨年は一部週刊誌が首相の施政方針演説の原稿に、小中学生並みの漢字にわざわざ平仮名が振られた写真をスクープしたが、実際に雑誌などでの対談では勇ましい発言をする割には、首を傾げる内容も少なくない。
もう廃刊になった『諸君!』(2005年7月号)という雑誌での対談では、当時の国会での「靖国参拝は、日本が軍国主義化に向かう象徴であり、ポツダム宣言に反する」という野党議員の質問が気に入らなかったらしく、次のように述べている。
「ポツダム宣言というのは、アメリカが原子爆弾を2発も落として日本に大変な惨状を与えたあと、『どうだ』とばかり叩き付けたものです。そんなものをもちだし、あたかも自分自身が戦勝国であるかのような態度で、日本の総理を責めあげる」
政治家なら、せめて日本の敗戦過程の初歩的知識ぐらいあってしかるべきだ。広島原爆投下は1945年の8月6日で、長崎は9日だ。ポツダム宣言が提示されたのは7月26日だから、順がまるで逆である。
それでも、この程度ならまだ「勘違い」で済まされる余地がないでもないが、こと関係が微妙となっている近隣諸国についての歴史について疎いと、事は深刻度を増す。同じ対談で、次のような発言がある。
「日本が戦った相手は現在の共産党政府ではなく、国民党政府なのですが、そうした事実を抑え込み、栄光の歴史をつくりあげる。そのうえにおいては、より日本軍が残虐であったと示すほうがいい。それが、『反日教育』につながったのではないか」
これも、日中戦争の初歩的知識が欠落しているのを示している。現在の中国人民解放軍の前身である八路軍(国民革命軍第八路軍)という名称ぐらい知らないのだろうか。防衛省防衛研究所戦史室編の『支那事変陸軍作戦』シリーズでも目を通すべきだ。北支(中国北部)で帝国陸軍が八路軍のゲリラ戦術に悩まされていた事実がよく理解できる。
従軍慰安婦は「連行」より「強制」が問題
例の従軍「慰安婦」問題にしても、以前から「(慰安婦への)強制性、狭義の意味での強制性があったかなかったかということは重要ではないか」、「今に至っても、この狭義の強制性については事実を裏付けるものは出てきていなかった」(06年10月5日の衆議院予算委員会)といった類いの発言を繰り返してきた。第一次安倍内閣時代の07年には、「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」という閣議決定までしている。
だが、この問題の核心は「連行」における強制の有無ではない。彼女たちの大半はウソや甘言でだまされたり、人身売買に近い状態で海外の「慰安所」に送られているが、そこで帰国はおろか外出の自由すら与えられずに、拒否したら暴力を振るわれるなど性行為を文字通り「強制」されたという事実が重要なのだ。しかも、「強制連行」を示す「資料」もある。
典型的なのは、1944年にインドネシア・ジャワのアンバラワとスマランにあった五つの収容所からオランダ人女性と混血女性約35人が慰安所に連行され、慰安婦にされた事件の公判記録(注=48年に設置されたバタビヤでの臨時軍法会議録。軍人ら13
人が裁かれた)だ。これで「見当たらなかった」とは、よほど政府が怠慢であるのか。
こうした歴史の知識の欠如、あるいは無知を示す例は他にも事欠かないが、これでは隣国との関係もおかしくなろう。しかもこのような首相の資質は、昨年末の靖国神社参拝後をピークにして、過去に例がなかったような日本の首相への海外メディアの批判殺到という事態を招いたことと関連している。
「戦後レジーム」をめぐる思考破綻
いくら安倍首相や取り巻きの言論人らが参拝を正当化しようが、現在の日本が交易を通じて享受している国際社会の秩序は旧連合軍の戦後処理が前提になっている。そうである以上、中国や韓国ならずとも、31年の満州事変以降、他国への拡張主義的行動を続け、最後は自爆的な対米英蘭豪戦争へと進んだ責任者を「英霊」とあがめる施設に首相が訪れるというのは、海外からは「自滅的な行動」(『エコノミスト』誌2014
年1月18日号)と受け止められ、「欧米の同盟諸国をとことん気まずくさせる(『フィナンシャル・タイムズ』紙13年8月12日)のだ。
この秩序も気に食わないというならもはや子供じみているが、ポツダム宣言を「そんなもの」呼ばわりするのもそのためかもしれない。しかも、次のような発言もある。
「日本はサンフランシスコ講和条 約によって独立を果たしますが、その独立を国民的に祝うことをしていないのです。......戦後レジームの中で昭和20年8月15日以前の日本の歴史は様々なかたちで否定されてきました。それは日本人としてのアイデンティティーと誇りを打ち砕いています」(『正論』10年4月号)
「サンフランシスコ講和条約によって独立」できたのは、戦前の軍国主義の「歴史」に「日本人としてのアイデンティティーと誇り」を見いだすような価値観を捨てたからだ。それ以後の「戦後レジーム」とやらが嫌なら、なぜ「独立」して当の「戦後レジーム」が始まった1952年4月28日を記念し、昨年の同日に「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」を挙行したのか。
思考の破綻としか形容できないが、これも「頭の出来の悪さ」ゆえなのか。しかもこれほど「歴史」を語りながら、国会では「歴史はあくまでも歴史家に任せるべき」などと発言している。一国の首相は経済政策を経済学者に「任せ」られないのと同様、歴史の認識も自身の職責に関わる。それすら分からないなら、最初から何も言わない方がいいだろう。
あなたは不適格者ですよね…アベコベさん(;^ω^)
小出裕章先生:自分達が生きているということがどういうことか。人間の生き方の問題として考える…
若者を使い潰す「ブラックバイト」の実態
(ラジオフォーラム#124)
https://youtu.be/BSI38DlPj20?t=13m44s
13分44秒~第124回小出裕章ジャーナル
【公開収録より】脱原発へのビジョン「独政府の中の倫理委員会は自分達が始末ができないようなゴミを生み出す。そのこと自身が間違えているから原子力をやってはいけないという結論を下すわけです」
http://www.rafjp.org/koidejournal/no124/
石丸次郎:
今日はビジョンの話をちょっとお伺いしたいんですけれども今、日本国内、原発が全て稼働を止めている状態であります。そして、関西電力は、運転開始から40年を超える美浜原発1、2号機の廃炉を決めた。それから、日本原子力発電も敦賀原発1号機、九州電力は玄海原発1号機等々、廃炉を決めました。一方で、運転開始から40年前後の関西電力の高浜原発の1、2号機、あるいは美浜原発の3号機なんかを原子力規制委員会に安全対策審査を申請しております。
つまり、40年を超えても運転を続けていこうということが目指されているわけですけれども。言い換えると、これは原発稼働を復活させるという政府の意向、あるいは電力業界の意向が働いているわけです。政府は、原子力は重要なベースロード電源だということで、この原発復活に今、突き進んでいるような現状があります。まず今年、いろんな原発がまた稼働始めるかもしれないというところに来ているわけですけれども、この現状を小出さんは今、どうご覧になっておられますか?
小出さん:
非常に端的で言えば、あまりにも愚かだなと思います。これまで原子力マフィアと私が呼ぶような人達が、
原子力発電所だけは絶対に事故は起こしませんと言い続けてきたわけですけれども、
でも私から見ても大変残念なことに、福島第一原子力発電所の事故が事実として起きているわけです。やっぱり、何よりも事実というものが一番大切なわけですから、それを見たのであれば、これまでのように「原子力発電所が安全だ」「まだできる」というように、思うということ自身がもう話にならないくらい間違えていると私は思います。
ただし、彼らがどうしてもやりたいということには、もちろん理由があるわけです。金儲けをしたくて、国も電力会社も原子力産業もみんな集まってやってきたわけで、これからも金儲けをしたがっているわけです。
そのために、例えば海外に原子力発電所を輸出するというようなことを今、言っているわけですけれども、でも「自分の国で、もう原子力は止めた。それでもお前のとこで買え」というようなことは絶対言えないわけですから、やはり海外に売ろうとするなら、「自分のとこでも原子力発電やってるんです」というようなことを言わなければいけない。そのためには、どうしても再稼働させるということに突き進んでるということだと思います。
そして、彼らがどうしてそれができるかと言うと、彼らが福島第一原子力発電所の事故から学んだ教訓があるのです。その教訓は、自分達がどんなに酷い事故を起こして、人々をどんなに苦しめたところで、自分達は処罰されないということです。それが、彼らが得た最大の教訓になっているわけで、どんな古い原子力発電所を動かして事故になろうと、自分達は絶対に責任を問われないし、処罰もされないということが、福島第一原子力発電所の事故で分かってしまったわけですから、彼らとしては、何としてももうやるということになっているなと思います。
石丸:
ひとつ皆さんもご存知だし、もちろん小出さんも常々言及されていますけれども、ドイツの例ですね。ドイツが1990年に統一された時、この時27基の原発があったそうです。そしてそれが徐々に減ってきて、政府として社会として脱原発社会を目指そうということを政治もそれから経済界も合意をして、ひとつのビジョンを作ってやっていこうということを決めましたね。これは今、家庭にある中で電気代が上がったり、それからなかなかいわゆる、再生エネルギーがうまく作れなかったりという問題はありますけれども、しかしながら、ドイツ社会がどうエネルギーを使っていくか、どうエネルギーを作っていくかということ大きなビジョンを作ってやっていっているというところ。そこをやっぱりすごいなあと思うんですね。
小出さん:
思います。
石丸:
その今、ところが日本はですね、今使用済み核燃料が17000トンほど溜まってる。これをどうするかっていうこともほったらかしで、また再稼働に行こうとしている。このビジョンの差、ビジョンなしでこれだけのことがこれからも続けられていこうとしているということについて、どう考えたらいいのか? あるいは、どう向き合ったらいいのか?
小出さん:
日本って、ビジョンっていうものをきちっと考えたこと、未だかつてなかったんじゃないですかね。とにかく今、安倍さん自身は、経済最優先と言ってるわけで、とにかく金儲け、金儲けということで、一点で突き進んでるわけですね。ドイツがどうして脱原発ができたかと言うと、政府の中に倫理委員会という技術的な問題を考える委員会のほかに、倫理委員会というまた別の委員会を作って、そこで原子力をやるということがどういう意味を持ってるかということを考えたんです。
石丸:
政府の中にそういう委員会を作って。
小出さん:
そうです。それで今、石丸さんがおっしゃって下さったように、使用済み燃料というものが日本でもどんどんどんどん溜まってくるわけですけれども、その始末の仕方すら世界中どこも知らない。日本も知らないし、ドイツも知らないわけです。そういう時に、ドイツのその政府の中にできた倫理委員会は、自分達が始末ができないようなゴミを生み出す。そのこと自身が間違えているから原子力をやってはいけないという、そういう結論を下すわけです。
それが結局、ドイツを脱原発に向かわせたわけですから、そうやって自分達が生きているということがどういうことか。未来をどうやって作っていくかということをきっちりと技術的だけではなくて、人間の生き方の問題として考えるというそういう国だったのです。良い国だと思います。
石丸:
そういうそのちゃんと政府の中に技術以外の部分の倫理、生き方を考えて、それを要するに、それは国民の代表がその国会内に、政府の中に置くということですよね? で、考えてみますと、日本もそういきたい、いけばいいと思うんですけれども。しかしながら、原発が危険だということだけではなかなかやっぱり変わらないという、そういう仕組みが現前と存在しているのも事実ですよね?
小出さん:
そうですね。はい。
石丸:
原発を止めると。原子力を止めさせるということに人生をかけてこられた小出さんとしてはですね、その科学の部分とは別に、そう今言ったら社会の仕組みであるとか、政府の仕組みであるとか、こういうところを変える、こういうところをもう少しみんなで考えたら止められるプロセス、仕組みが作れるんじゃないかっていう、そういう何かお感じになることっていうのは、普段おありだと思うんですが。
小出さん:
はい。私は原子力の場でずっと生きてきた人間で、原子力というのは徹底的に危険で破滅的だと思います。それだけで、もう原子力は否定されるべきだと思いますけれども、私が原子力に反対してきた根本的な理由というのは、危険だからとか、そういう話ではないのです。原子力というのは、徹頭徹尾差別的です。
立地の問題からそうだし、労働の現場もそうだし、あとは原子力と今、日本で呼んでるものは核と呼んでる。いわゆる核兵器と同じ技術なのですけれども世界の平和、現在のものすごい差別的な世界構造をつくってるということにも、非常に根本的に関わってるわけで、そういうものが私は許せないと思ってきたわけです。
そういう意味で言えば、この会場にいる皆さんは、原子力の技術的なことにコミットをされている方はほとんどいないと思いますけれども、もちろんそれで結構なんです。問題は、ご自分達の周りに、ものすごい差別的な課題だってたくさんあると思いますけれども、そういうことにお一人お一人が関わってくれたら、私が関わってる原子力の問題と通底して、手が結べると思いますので。
上村智子さんへ土下座しているのは石原慎太郎元環境庁長官
石丸:
そうですね。差別をなくしていく、あるいは公平な社会を作っていく過程で、脱原子力に向かっていく社会も見えてくるということなんですね?
小出さん:
はい。同じことだと思ってますので、同時にやらなければ、どちらも達成できないと思います。
石丸:
はい。小出さん、どうも今日はありがとうございました。
小出さん:
ありがとうございました。
石丸:
公開収録でお送りしました。
姉ちゃんには大変おせわになりました
長い間お世話になりました
私の(限界)をこしました
2011 6/10 PM1:30
大工さんに保険金で金を払ってください
ごめんなさい
原発さえなければと思います
残った酪農家は原発にまけないで願張て下さい
先立つ不幸を
仕事をする気力をなくしました
バネ(子ども2人の名前)ごめんなさい
なにもできない父親でした
仏様の両親にもうしわけございません
映画『わすれない ふくしま』予告編
http://youtu.be/WenRD1BAaKI
○●○●○●○
「福島県は世界最大の実験場」
「1ミリで支援」山下俊一氏
(OurPlanet-TV 2015/5/19)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1917
福島第一原子力発電所事故に伴う健康問題に対応するために、福島県の放射線リスクアドバイザーに就任していた長崎大学の山下俊一教授が事故直後の5月、 「福島県は世界最大の実験場」などと発言していたことが分かった。また、この会議の中で、山下氏は1ミリシーベルト以上の被ばくした人への生活補償や医療 補償について言及していた。OurPlanetTVが議事録を入手した。
以下はHPをご覧下さい。
山下俊一教授による米国での実験報告
http://www.ncrponline.org/Annual_Mtgs/2013_Ann_Mtg/Yamashita.pdf
廃炉への道 2015 "核燃料デブリ" 未知なる闘い
http://dai.ly/x2qh8ns
事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所の複数の原子炉を同時に「廃炉」する、世界でも例のない取り組みを長期間記録するシリーズの第3弾。数十年という廃炉への道における最大の難関、“核燃料デブリ”との闘いに迫る。
溶け落ちた核燃料が、原子炉の構造物などと混じり合った“核燃料デブリ”。今なお、人が一瞬で死に至る、数千シーベルトとも言われる放射線を出し続けている。デブリはどこにどのように溶け落ちているのか?宇宙線を使った“透視”や、小型のロボットカメラなど、最新の技術を使って、デブリの姿を捉えようという試みが急ピッチで進む。海外の研究では、チェルノブイリやスリーマイルとは違う“フクシマ・デブリ”の正体も少しずつ分かってきた。はたして、デブリを取り出して、廃炉を前進させることはできるのか?
番組では、核燃料デブリとの未知なる闘いの最前線をルポ。人類は果たして“核”を制御できるのか、その大命題と向き合う現場を見つめていく。
汚名
峠三吉『原爆詩集』
より
一九四五年八月六日、広島に、九日、長崎に投下された原子爆弾によって命を奪われた人、また現在にいたるまで死の恐怖と苦痛にさいなまれつつある人、そして生きている限り憂悶と悲しみを消すよしもない人、さらに全世界の原子爆弾を憎悪する人に捧ぐ。
序
ちちをかえせ ははをかえせ
としよりをかえせ
こどもをかえせ
わたしをかえせ わたしにつながる
にんげんをかえせ
にんげんの にんげんのよのあるかぎり
くずれぬへいわをへいわをかえせ
原爆は人間の頭上に
目もくらむ光でした。
目の前の何もかもが
真っ白になりました。
月のかさに似た光の輪が
キラキラ光って
周辺に虹のようにひろがった。
次の瞬間
焔の大火柱が立ち昇り
空中火山の大爆発とでも言おうか
何と表現していいのかわからない光景だった。
生死をさまよう
くる日もくる日も
姉と小さな弟を焼く炎の前で
私と母が立ちつくし
そばに小学生の弟も
うずくまっていました。
けれど
その母も、弟も
十日と生きることが
できませんでした。
生き残ったと思った
多くの被爆者も
原爆症にかかり
その年の暮れまでに
ばたばたと死んでいきました。
平和の泉
のどが渇いてたまりませんでした
水にはあぶらのようなものが
一面に浮いていました
どうしても水が欲しくて
とうとうあぶらの浮いたまま飲みました
―あの日のある少女の手記から
核兵器禁止 誓約文書も賛同せず
被爆国で「核の傘」 二重基準露呈
(東京新聞)2015年5月24日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2015052402000111.html
【ニューヨーク=北島忠輔】「核なき世界」に向け国連本部で開かれた核拡散防止条約(NPT)再検討会議は二十二日、四週間の議論をまとめた最終文書を採択できず決裂、閉幕した。被爆七十年を迎える日本は、唯一の被爆国として核兵器の非人道性を訴えたが、核の被害を訴えながら、米国の「核の傘」のもと、核を否定できない非核外交の二面性も浮かんだ。
会議では、核兵器の非人道性が中心議題の一つとなった。早急な核廃絶を訴える一部の非保有国の原動力となり、オーストリアが提唱した核兵器禁止への誓約文書には、会議前には約七十カ国だった賛同国が閉幕時には百七カ国まで増えた。オーストリアのクメント大使は閉幕後、「驚くほど力強いグループになった」と手応えを語った。
日本は誓約文書に賛同しておらず、被爆国として、非人道性の認識を広める必要性を主張するにとどまっている。採択されなかった最終文書案には日本が求めた軍縮教育の強化が盛り込まれた。核削減交渉の基礎となる核戦力透明化を核保有国に求める文言も入った。
日本は「核保有国と非保有国に共同行動を求める」(岸田文雄外相)との姿勢で臨んだが、両者が対立する問題では橋渡し役を果たせなかった。また、早急な核廃絶に抵抗する保有国と足並みをそろえて誓約文書に反対する立場をとった。
最終文書案の作成過程では、日本が提案した各国首脳らに広島や長崎への訪問を促す記述が中国の要求で削除。代わりに「核兵器の影響を受けた人々や地域との交流を通して経験を直接的に共有するよう促す」との修正文が入った。
<人道の誓約> オーストリアが核兵器禁止への努力を誓い、2015年4月開幕のNPT再検討会議に提出した文書。同国が議長を務めた14年12月の「核兵器の非人道性に関する国際会議」で発表した「オーストリアの誓約」を改称した。事実上、禁止条約制定に向けた議論を求める内容。核禁止、廃絶のための法的枠組みづくりの必要性を呼び掛け、各国や市民社会と協力すると宣言している。 (共同)
被爆70年「最悪の結果」広島・長崎
「何とか合意して」。核兵器をめぐる議論を見守り、最終文書の採択を願った被爆地の広
島、長崎では二十E日、「最悪の結果になった」とため息交じりの声が漏れた。
広島への原爆投下時に母親のおなかにいた「胎内被爆者」の松浦秀人さん(六九)=松山市=は四月下旬に米国入りし、国連本部の原爆展などで核兵器の非人道性を証言した。
「非人道性を前提に、核廃絶を進める方向性を確認する意味は大きい」と考えていただ
けに「次回会議までの五年聞か目標もなく流れてしまう」と危ぶんだ。
被爆から七十年となり、被爆者の高齢化は進む一方だ。同じく訪米した箕牧(みさき)智之さん(七三)=広島県北広島町=は「生きているうちに核廃絶の道筋を示してほしかったが、このままでは難しいでしょう」と嘆いた。
体調に不安を抱えながら現地入りした長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)の谷口稜曄(すみてる)会長(八六)も「被爆者がいっそう少なくなる中、米国で訴えてきた。残念だ」と厳しい表情。一方で、米国の小学生が熱心に話を聞いてきたことを思い出し「落胆はしない」と語った。
田上富久長崎市長は記者団に「NPT体制への信頼が揺らぐ。非常に失望している」と述べ、松井一実広島市長は「禁止に向けた法的枠組みが必要との認識が広かったことは評価したい」とのコメントを出した。
NPT会議 核非保有国が見限り
(東京新聞【核心】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2015052402000166.html
国連本部で開かれていた五年に一度の核拡散防止条約(NPT)再検討会議は二十二日、「核なき世界」への道筋を決める最終文書を米国などの反対で採択できずに閉幕した。核保有国に不満を募らす非保有国の中には、NPT体制を見限り、その枠外で「核兵器禁止条約」を制定する動きを見せ始めている。しかし非保有国の急進化は、保有国との亀裂を決定的にし、かえって核軍縮の停滞を招くことが必至だ。
(ニューヨーク・北島忠輔)
禁止条約削除に失望
■ため息
国連本部の総会議場で、予定より二時間以上遅れて始まった最後の全体会合。「この最終文書案には同意できない」。米国代表の発言に会場が少しざわついた。反対しているのが米国だと分かった瞬間だった。最終文書の採択は、全会一致が原則だからだ。
交渉分裂の要因となったのは、中東地域に核兵器などの大量破壊兵器のない地域を創設するための会議を招集する方法や時期をめぐる記述。事実上の核保有国とされるイスラエルを加えた形で早く開催するよう求めるエジプトなどのアラブ諸国と、イスラエルを擁護する米国や英国などが対立していた。
アスラエルの核兵器問題は以前からあるが、会議がこういう形で終わるとは思わなかった」。ある外交官はため息をついた。
■先鋭化
核を持つことが認められる核保有国と、認められない非保有国が共に核廃絶を目指すNPT体制は、生まれながらにして対立構図を抱える。既得権を手放そうとせず、核削減の歩みが鈍い保有国に対し非保有国は不信感を募らせてきた。
会議を傍聴した長崎大の鈴木達治郎・核兵器廃絶研究センター長は「交渉決裂の直接の原因は中東問題だが、もともと保有国による核軍縮が進んでいないことへの不満が背景にある」と指摘する。
対立が先鋭化したのが、核兵器保有を禁止する核兵器禁止条約だ。急速な核軍縮を求めるブラジルやメキシコなど新アジェンダ連合や非同盟諸国が後押しした。これに核保有国のフランスなどが反発。米国も「具体的な行動を義務づけするような規定は受け入れられない」と反対した。
非保有国でありながら「核の傘」に守られている日本は「核兵器がもたらす結末は人道に反する」との共同声明には賛同しつつも、核兵器の法的規制には慎重な姿勢を崩さなかった。 (#`・_・´)おりゃ-!!!
■分断
最終文書案を練り上げる過程で、核兵器禁止条約の文言は削除され、NPTは意思決定能力の限界を露呈した。
核兵器を放棄して、一九九一年にNPTに入った南アフリカのミンティ大使は核軍縮が停滞する現状を嘆き、「どうしたら拘束力のある法的枠組みを作り出せるのか議論するときにきている」と訴える。
保有国への失望が広がる中、業を煮やした非保有国の閧には、NPTの枠にこだわらず、核兵器禁止条約制定に向けた議論を幅広く進めていこうとする動きが出始めている。
ただ保有国を除外して条約を制定したところで実効性がないのも事実だ。岸田文雄外相は二十三日、会議決裂を受け、「核兵器のない世界に向けた取り組みに悪影響が出ないよう、引き続き努力する」と述べたが、保有国と非保有国との分断が決定的になれば、核軍縮の歩みはより大きな困難に直面することになる。
第69回国連総会核軍縮決議の状況
唯一の被爆国である日本は一度たりとも核兵器廃絶禁止条約締結に向けて動いていない!(・3・)
NPT再検討会議2015
NPT再検討会議
核兵器禁止条約交渉
多数の国が主張した
(しんぶん赤旗)2015年5月25日
ニューヨークの国連本部で22日まで約1ヵ月にわたって開かれた核不拡散条約(NPT)再検討会議では、圧倒的多数の国が、核兵器禁止条約の交渉開始を呼び掛け、核兵器の非人道性を告発して廃絶を求めるなど核保有国(米英仏中口)を追い詰めました。会議は核廃絶のたたかいが保有国を孤立させ、新しい局面を切り開きつつあることを示しました。
(ニューヨーク=島田峰隆 写真も)
非人道性の告発は159力国の連名で
前半の討論を受けて5月8日に示された最初の最終文書案は、「大多数の締約国が核軍縮義務の全面履行には法的枠組みが必要だと考えている」とし、「核兵器禁止条約」に初めて言及しました。
素案とはいえ、会議開幕前に行われた核兵器禁止条約の交渉開始を求めるパレードや、原水爆禁止日本協議会(日本原水協)代表団が持参した633万人分を超える「核兵器の全面禁止を求めるアピール署名」の要求が反映された形になりました。
同案の提示に先立つ討論では、非同盟諸国、東南アジア、中南米、アフリカ、アラブ諸国など主要な国家グループが核兵器禁止条約の交渉開始を要求。「今回の会議を条約への転換点にしよう」(メキシコ)と訴えました。
一方、核保有国は「段階的接近こそが現実的だ」として核兵器禁止条約に強く反発
し、文書案の交渉を難航させました。┐(´д`)┌
しかしオーストリアが昨年提案した核兵器の禁止と廃絶の行動を呼び掛けた「誓約」の賛同国は会議期間中も増え続け、開幕時には約70力国だ
ったのが閉幕時には107カ国に到達。核保有国は日に日に孤立を深めていきました。
米国代表団の一人は会議序盤、「誓約はオーストリアのものでしかない」と広がりを過小評価していましたが、贊同国が締約国の過半数を占めるまでになり、その主張も通用しなくなりました。
議論恐れた保有国
会議で大きな対決点になったのが、非人道的側面から核兵器をとらえて廃絶を求める流れの発展を、どの程度最終文書案に書き込むかでした。
会議2日目の4月28日、159力国が連名で、核兵器の非人道性を告発し、全面廃絶を求める共同声明を発表しました。同趣旨の声明は2012年以来6回目で、賛同国は過去最多になりました。
これに慌てたのが核保有国です。賛同国の多さから共同声明を全く無視することはできず、英国やフランスは第1週の一般討論で「この問題を認識している」と述べざるをえませんでした。
ただ核保有国は最終文書案に非人道性の議論の発展を詳しく書き込むことには頑強に反対しました。前回10年の再検討会議以降、非人道性に関する国際会議は3回開かれ、国連加盟国の4分の3以上が参加しています。しかしフランスは自国の不参加を理由に「意見が分かれる問題だ」などと強弁し、非人道性に触れた主要段落の削除を求めました。《゚Д゚》
核保有国が非人道性の問題にこれほど敏感になる背景について、非同盟国の外交官の一人は次のように語ります。「非人道性の議論を進めると当然、こんな兵器は使ってはいけない、禁止しなけれぱならないという結論になる。核兵器禁止条約へつながる可能性があるだけに、議論することに強い恐怖感を持っているのだろう」
採択が阻まれたとはいえ最終文書案は、前回会議が採択した最終文書と比べると随所で非人道性に触れています。決して核保有国の思惑通りの結果にはなっていません。
文書案の起草に携わったエンリケーロマンーモレイ第1委員会議長(ペル士は閉幕日、「核兵器の人道的影響へのアプローチがあったという点では、会議はある程度成功した」と評価しました。
「今回の会議では議論の傾向や特徴が明らかに変化した。非核保有国の発言力がますます強まり、自らの懸念が考慮されるよう、核保有国に対等に求めるようになった」
オーストリアのクメント国連大使は最終日の発言でこう強調し、「今後も核兵器廃絶の努力を強化し続けよう」と呼び掛けました。
世論と運動が力に
この変化を生み出す力になったのが、被爆の実相を知らせ、核兵器の禁止を求める世論と運動の発展でした。
会議期間中、国連本部の口ビーでは日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)による原爆パネル展が開かれ、見学者が途絶えることはありませんでした。感想を書きつけるノートには「二度と繰り返してはならない過ちだということがよく分かる展示でした。ありがとう」(英国からの訪問者)などの声が寄せられています。
5月1日に会議の公式行事として開かれた非政府組織(NGO)セッションには核廃絶を求める国の外交官も出席。「草の根の運動が保有国に核廃絶の約束を果たさせる力になる」(スウェーデン)など感謝と期待を語りました。潘基文(パンーギムン)国運事務総長もNGOの国際会議に宛てたメッセージで「みなさんの継続的な活動を頼りにしています」と激励しました。
核抑止 - Wikipedia
日本政府への申し入れ
核兵器全面禁止条約実現のイニシアチブと「核の傘」からの離脱を求めます
2011年10月 原水爆禁止日本協議会
沈黙の艦隊
https://youtu.be/44IHttCz72A
https://youtu.be/BDgBh_yp_sY
https://youtu.be/Wpg4WHC0bXY
https://youtu.be/Cdy2SQzryic
ニコラス・J・ベネット(大統領)「権力の座にある者は確信犯であることからまぬがれないのだ!」
竹上登志雄(首相)「日本は二度と戦争をしてはいかんのだ!!」
(-ω-)
ウルトラセブン 第26話「超兵器R1号」
http://channel.pandora.tv/channel/video.ptv?ref=em_over&ch_userid=sakuraxoo&prgid=40946418
日本への警告 ~ドイツの場合~
武力行使 政府の裁量
首相「総合的に判断」強調
(東京新聞)2015年5月27日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015052702000113.html
他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案は、二十六日の衆院本会議で審議入りした。安倍晋三首相は集団的自衛権の行使が可能となる「存立危機事態」の認定について「政府が総合的に判断する」と、厳格な判断基準を示さなかった。集団的自衛権行使は政府の裁量に任されることが鮮明になった。首相は、焦点の一つとなる他国の領域で武力行使する海外派兵は憲法上許されないとして、法案に禁止を「重ねて規定する必要はない」と表明。一方、戦時の機雷掃海は例外とし、他国領域での武力行使に余地を残した。
首相は、どういう状況が存立危機事態に該当するかについて「個別具体的な状況に即し、政府がすべての情報を総合して客観的、合理的に判断する。一概に述べることは困難」と説明。その上で、国際紛争でエネルギー輸入が途絶えた場合などに「国民の生死に関わるような深刻、重大な影響が生じるか否かを総合的に評価する」と述べた。首相の答弁は、過去の記者会見や国会での抽象的な説明を繰り返すにとどまった。
首相は、武力行使を目的に自衛隊を他国領域に派遣する海外派兵について「一般に自衛のための必要最小限度を超える」との憲法解釈を説明。「集団的自衛権を行使する場合も変わらない」と述べた。戦時の機雷掃海は「民間船舶の安全な航行を確保することが目的で、あくまでも受動的、限定的な行使だ。外国領域でも新三要件を満たすことはあり得る」と述べた。
海洋進出を強める中国を名指しし、日本の安全保障環境が厳しさを増しているとも強調。法案が成立すれば日米同盟の強化で抑止力が高まり、日本が攻撃を受ける可能性が低下すると主張した。「政治家は平和を願うだけではなく、果敢に行動していかなければならない」とも強調。法案の今国会成立を目指す考えを重ねて表明した。
本会議では自民、公明、民主、維新、共産の五党が質問に立った。法案は二十七日の衆院平和安全法制特別委員会で実質審議に入る。
<武力行使の新3要件> 安倍政権が昨年7月、集団的自衛権行使を認めるために閣議決定した要件。(1)日本に対する武力攻撃、または日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の生命や自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある(存立危機事態)(2)日本の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がない(3)必要最小限度の実力行使にとどまる-場合に武力行使できるとした。
これでわかる戦争法案
日本の若者の血を流す
いつでもどこでも米のどんな戦争にも参加
(しんぶん赤旗)2015年5月20日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-20/2015052002_01_0.html
安倍内閣は5月15日、「戦争法案」を国会に提出しました。安倍晋三首相は「平和安全法制」といいますが、名実ともに「戦争法案」そのものです。その全容をみます。
「海外で戦争する国」へ
「平和安全法制」? 何だか、よく分からない法案名ですね。
安倍晋三首相は「国民の命と平和な暮らしを守る」ためのものだと言いますが、とんでもないことです。
法案はすべて、自衛隊の役割を拡大して、海外派兵や米軍の支援に当てるためのものです。地理的な制限もありません。地球上どこでも派兵して、米軍のあらゆる戦争に参加します。戦地で活動して自衛隊が攻撃される危険があります。武器を使用して殺傷行為を行う危険も高く、日本が「殺し、殺される」道に入る危険が飛躍的に高まります。
いわば、この法案は日本の若い自衛隊員の血を、アメリカにささげるためのものです。
「二度と海外で戦争しない」と誓った憲法の平和原則を根本から破壊し、日本を米国とともに「海外で戦争する国」につくり変えるものです。「平和安全法制」どころか「戦争法案」そのものです。こんなものが、憲法9条の下で許されていいはずがありません。
実質11法案を一国会で
政府が国会に提出した法案は、形の上では2本です。(表)
一つは、「国際平和支援法」です。これも何か、よく分からない名前ですが、本質は「海外派兵恒久法」です。これまで海外派兵のたびに特別措置法をつくっていたのをやめて、政府の判断で、いつでもどこでも、米軍や米軍主導の多国籍軍を支援するため、自衛隊を海外派兵するための法案です。
もう一つが、過去の海外派兵法や米軍支援法10本を全部「一括」で書き換える「一括法」(平和安全法制整備法)です。
改定されるそれぞれの法律は、過去長い時間をかけて国会で議論してきたものです。例えば、PKO(国連平和維持活動)法だけでも、4国会、衆院で約160時間も審議しました。それなのに、安倍政権は11もの法制を、1国会・わずか80時間程度で通してしまい、8月上旬までに成立させようと狙っています。
なぜ、こんなに急ぐのでしょうか。それは、安倍首相が4月29日に米議会で演説して、「夏までに実現する」と公約したからです。国のあり方を根本から変える「戦争法案」を、対米公約のために拙速に強行することは絶対に許されません。
新ガイドラインと一体
この「戦争法案」の準備は、日米両政府が4月27日に決めた新たな日米軍事協力の指針(ガイドライン)と一体で進められてきました。
「ガイドライン」とは、物事を行う基準や指針といった意味です。医療や放送、個人情報保護など、さまざまな分野で「ガイドライン」が存在します。ここで言うガイドラインは、日本と米国の、いわば共同の戦争マニュアルです。
新ガイドラインには、日米が共同して軍事作戦を行ったり、自衛隊が米軍を支援するさまざまな事態があげられています。集団的自衛権の行使を前提にしているなど、従来の法律や憲法解釈では対応できません。そのため、どうしても「戦争法案」が必要なのです。
そして、このガイドラインには、一つ重大な内容が含まれています。それは、「同盟調整メカニズム」という仕組みで、自衛隊が事実上、米軍の指揮下に入る、ということです。そして、何か戦争が起こる前から、「共同計画」、つまり戦争計画を立案しておく、ということです。これらにより、日本は、米軍が戦争を始めて軍事的な支援を要求されても、断ることができなくなってしまいます。
9条改憲の突破口
「戦争法案」は、憲法9条の中身を全面的に壊すものです。
9条は、1項で戦争を放棄したのに加え、2項で戦力不保持と交戦権の否認を定めています。世界でもまれな徹底した「不戦の誓い」を示したのです。
そのため、自衛隊の保有と侵略への武力反撃(個別的自衛権)を認めた歴代自民党政府も、集団的自衛権の行使は認めないなど、海外での武力行使を禁止し、世界の軍隊にはない特別のルール(憲法解釈)を維持してきたのです。
「戦争法案」は、憲法9条の条項はそのままにして、そのルールを全面的に破棄します。
安倍首相は、明文改憲に対する国民の反対が大きいため、まず憲法解釈を変更して法律で憲法を破壊し、その後に明文改憲に踏み込む戦略に出ているのです。今国会で戦争法案を強行し、来年の参院選後に改憲発議に進むシナリオ―。「戦争法案」は、9条改憲の突破口です。( ̄^ ̄)凸
こんなやり方は、憲法改定手続きと国民主権を無視するもので、憲法と立憲主義を文字どおり踏みにじるやり方です。
「霞が関文学だ」
「戦争法案」は、「平和」「安全」「国際協力」などと言った言葉がちりばめられています。それは、法案提出者に、自衛隊を戦地に送り込むことへの後ろめたさがあり、本質を覆い隠したいからです。ある与党関係者は、このような法案の名づけ方を「霞が関文学だ」と自嘲気味に語っていました。「霞が関」とは、中央官庁が立地している地名です。
そういえば、未来の独裁国家を描いたジョージ・オーウェルの小説『1984年』では、戦争遂行の国家機関を「平和省」と呼んでいました。憲法9条が改悪されたら、自衛隊は「平和隊」になるかもしれません。
三つの重大問題
(1)イラクでも「戦闘地域」に派兵
「必ず戦死者が出る」
イラクであれアフガニスタンであれ、米軍が世界中で引き起こした戦争に自衛隊がどこでも出かけ、これまでは行けなかった「戦闘地域」まで行って「後方支援」をできるようにしています。
政府の定義によれば、「戦闘地域」とは、“現段階では弾は飛び交っていないけれど、いつ戦闘になるかわからない地域”ということです。
従来の「非戦闘地域」だからと言って、安全というわけではありません。イラク南部サマワの陸上自衛隊宿営地は23発の攻撃を受け、米兵空輸を行っていた空自のC130輸送機の上空を、4発の迫撃砲が飛び越えていきました。当時の陸自幹部は、イラク派兵部隊が棺(ひつぎ)を10個近く準備していたことを明らかにしています。
それが、「非戦闘地域」の枠を外し、さらに危険な場所に足を踏み入れたら、どうなるか。首相官邸でイラク派兵を仕切っていた柳沢協二・元内閣官房副長官補は「必ず戦死者が出る」と警告しています。(「朝日」3月21日付)
安倍政権は、そこが、実際に銃弾が飛び交うような「戦闘現場」になれば、自衛隊の指揮官の判断で休止・避難することができるとしています。しかし、たとえば米軍のために武器や弾薬を運んでいる最中、「戦闘が始まったのでこれでやめます」などということが本当にできるのでしょうか。
首相は「イラクやアフガニスタンのような戦争に、武力行使をもって戦闘に参加しない」と繰り返しています。しかし、首相自身、国会答弁で、自衛隊が攻撃対象になり、結果として武器を使用することで「そこが戦闘行為の現場になる」と述べ、戦闘参加の可能性を認めました。(昨年7月14日、衆院予算委員会)
「後方支援」と言うが国際法上も攻撃対象
「後方支援」というと、戦場の後ろの方で物資の補給や輸送を行うため、少しは安全、というイメージがあるかもしれません。しかし、「後方支援」は日本独特の造語で、国際的には「兵たん」(ロジスティクス)と呼ばれ、武力行使の一部とされています。ジュネーブ条約の第1議定書第52条では、「兵たん」も軍事攻撃の目標になることを定めています。
(2)危険な「治安維持」に道
民間人殺傷する恐れ
PKO(国連平和維持活動)法改定で、形式的には「停戦合意」がなされていても、戦乱が続く地域に自衛隊を派遣して、武器を使った治安維持活動を可能にしようとしています。これによって、アフガニスタンで3500人もの死者を出したISAF(国際治安支援部隊)のような活動に道を開くことになります。
PKO法改定では、大きく分けて三つのポイントがあります。
(1)任務遂行のための武器使用 これまでの自衛隊の海外派兵法では、武器の使用はすべて、「自己防護」=つまり自分と自分の周辺にいる隊員などを守ることに限っていました。法案はこれに、任務遂行=敵対勢力の「妨害排除」などのための武器使用を追加しました。
(2)治安維持任務(安全確保支援活動)の追加 従来、自衛隊のPKOは道路や建物をつくるなど、建設会社のようなことに力を入れていました。法案はこれに、巡回や警備といった活動を追加しました。銃を使って妨害勢力を威嚇することもあり、場合によっては攻撃を受けて応戦する可能性があります。
(3)「非国連統括」型活動(国際連携平和安全活動)への参加 これも、わけの分からない名前の活動ですが、これは、国連安保理決議に基づいているものの、国連が主導していない活動です。その一つがISAFです。
ISAFは2001年12月、国連安保理決議1386により設立されましたが、NATO(北大西洋条約機構)軍が指揮を執っていました。米軍主導の「対テロ」戦争と混じり合い、3500人もの死者を出し、多数の民間人を殺傷しました。
日本と同様、「後方支援」の名目でISAFに参加したドイツ軍は、自殺者も含めて55人が死亡しています。日本が「治安維持活動」や「任務遂行」のための武器使用を認めれば、自衛隊が同じ運命をたどることも否定できません。
(3)集団的自衛権で武力行使
先制攻撃の戦争にも
日本がどの国からも攻撃を受けていないのに、集団的自衛権を行使して自衛隊が世界中で、米軍の戦争に参加する危険があります。
集団的自衛権とは、自国が攻撃されたわけでもないのに、他国が起こす戦争に武力行使をもって参加することです。「自衛」という言葉がありますが、実際に集団的自衛権が行使された事例のほとんどは、米国によるベトナム侵略戦争など、大国が中小国家への侵略・干渉戦争を行う際の口実として使われてきました。
これまでの政府は、集団的自衛権の行使は「憲法上、許されない」と言ってきました。ところが、昨年7月の「閣議決定」で、武力行使の「新3要件」(別項)を定め、他国に対する武力攻撃でも、「日本の存立が脅かされた」と政府が判断すれば集団的自衛権を発動できるようにしました。
安倍政権や自民・公明両党は、集団的自衛権の行使を「限定的に容認した」といいます。しかし、どんな事態が「存立」の危機に該当するのかを決めるのは、時の政府の判断です。安倍首相は国会での答弁で、米軍が一方的に他国を攻撃する先制攻撃戦争も“存立が脅かされた事態だ”として、武力行使が「ありうる」と答えています。
米国は政権が代わっても、一貫して先制攻撃の選択肢を維持しています。米国が無法な侵略戦争を引き起こし、これを「存立危機」だと認定して日本が引きずり込まれる危険があります。
武力行使新3要件
(1)我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合
(2)これを排除するために、他に適当な手段がないとき
(3)必要最小限度の実力行使をする
自衛隊が外国軍のボディーガードに
武器防護規定を拡大転用
「戦争法案」には、これ以外にも重大な問題がたくさんあります。
例えば、自衛隊が自分たちの武器、弾薬などを防護するために武器を使用できるとの規定(自衛隊法95条)を拡大して、米軍やその他軍隊を「防護」するために自衛隊が武器を使用できるとしている点です。自衛隊が、平時から米軍やオーストラリア軍など、外国軍隊のボディーガード役を担うことになります。その実質は、集団的自衛権の行使と同じです。
防護の対象には、「日本の防衛に資する活動に従事する」外国軍という「制限」がありますが、「(日本防衛のための)情報収集活動又は警戒監視活動」や「共同訓練」まで含みます。非常に広い範囲での「防護」活動となります。
「武器の使用」は「武力の行使」と区別され、閣議決定や国会の承認などの、政治的意思決定なしに現場指揮官の命令でおこなわれます。政府も知らないうちに、“現場判断”でいつのまにか戦争が始まる重大な危険をはらんでいます。
トンキン湾事件 - Wikipedia
グレナダ侵攻 - Wikipedia
リビア爆撃 (1986年) - Wikipedia
パナマ侵攻 - Wikipedia
民主党小沢さん、これがアフガニスタンでのISAFの現実ですよ。
https://youtu.be/diJvgOzNBnc
戦争法案 安倍政権でたらめ議論
(しんぶん赤旗)2015年5月25日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-25/2015052502_01_1.html
米国のあらゆる戦争に自衛隊を参戦させる「戦争法案」は26日、衆院で審議入りします。その危険な本質を覆い隠そうと、安倍政権からは、でたらめな議論が目立っています。
2015 とくほう・特報
戦争法 ドイツの場合
アフガンで“平和的任務” 死者55人 PTSD今も…
(しんぶん赤旗)2015年5月24日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-24/2015052403_01_0.html
ドイツは1990年代、侵略戦争を禁止する基本法(憲法)の解釈を変更して、海外派兵を開始し、2001年に米国が始めたアフガニスタン戦争にも地上軍の兵士を派遣しました。しかしその中から、多くの死傷者、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の患者を出し、社会全体に大きな傷を残しています。安倍政権が憲法9条の解釈変更をし、アメリカの戦争にいつでもどこでも参加できる戦争法案を成立させることを狙っている日本への警告ともいうべき実態を現地に見ました。
(ベルリン=片岡正明 写真も)
憲法の解釈変更 海外派兵
ブーンブーンと、大型バイクの音がベルリン市内に響きました。アフガニスタン戦争に参加した兵士・退役軍人がバイクでデモ行進する「メモリアルラン」が16日に行われました。アフガン戦争の経験者が社会で直面する問題への理解を訴え、兵士・退役軍人の待遇改善を求めて11年に始まったものです。
デモ参加者は最初に、戦後ドイツ軍が発足して以来の戦没者の碑に献花。代表者は「亡くなった兵士は親でもあり、兄弟でもあり、そしてわれわれの兵士仲間でもあった。そしてPTSDで苦しんでいる仲間もいる」と語りました。
ドイツでは、第2次世界大戦後に制定した基本法で、軍の出動は「防衛」などに限られると規定。独軍の活動は北大西洋条約機構(NATO)同盟国の防衛に限られ、NATO域外では活動できないと解釈されてきました。
ところが、1991年の湾岸戦争にドイツが派兵しないことに、米国から強い批判が噴出。当時のコール政権は、域外派兵のための「必要な国内的前提条件をつくる」ことを国際公約にし、基本法の解釈を変更。独軍はNATO域外でも活動可能としたのです。
以後、毎年のように海外派兵を増やし、現在は十数カ国に派兵。特にアフガニスタンでは、2002年から14年末まで国際治安支援部隊(ISAF)に毎年4000~5000人を派兵しました。世論調査で3分の2の人が反対するにもかかわらず、政府は強行し続けました。現在も850人がアフガン兵士の訓練を任務として残留しています。
しかしアフガン派兵で独軍兵士55人が死亡し、わかっているだけでPTSDの患者が431人となるなどの深刻な結果をもたらしています。
■軍は変わった
連邦議会(下院)国防委員会に所属する左翼党のクリスティネ・ブッフホルツ議員は、「NATOが初めて集団的自衛権を発動したアフガン戦争への派兵は、独軍を本格的に殺し殺される軍に変えました」といいます。
09年9月にはアフガン北部クンドゥズ州で、独軍大佐が指示した空爆により、民間人91人が巻き添えになり死亡する事件も起きました。ブッフホルツ氏は、これがドイツにとって「1945年後初めての戦争犯罪になる」と指摘します。
「政府はISAFが治安維持や後方支援などの“平和的任務”だといっていましたが、実はISAFは米英の不朽の自由作戦と密接に関係していた。占領軍とみなされて攻撃され、軍事紛争の深みにはまっていったのです」
■“戻れば治る”
PTSDの影響は深刻です。不発弾や地雷処理の専門家としてアフガニスタンに3回派遣された経験を持つロベルト・ゼトラチェクミュラーさん(37)は語ります。
「最初の2002年のときに、不発弾処理で事故に遭いました。友人も含め5人が亡くなり、多くの兵士が負傷。それ以来、花火の破裂音を聞いても当時の爆発をありありと思い出してしまう」
不眠やフラッシュバックの症状からPTSDと診断されたゼトラチェクミュラーさんですが、03年と05年にもアフガン行きを命じられます。
当時はそれが普通で、「現地部隊に戻れば治る」といわれたといいます。しかし病状は悪化し、帰国後、家族とのトラブルや自殺願望、身体の異常が拡大。「医師にこのままでは死んでしまうといわれた」ことと「娘を傷つけてはいけない」という思いから、09年に「初めて本格的な援助を軍に求めた」と語りました。
■相談に来ない
ベルリンの軍病院で医師として働くゲルト・ウィルムント大佐はいいます。
「PTSDは不眠や集中力の低下が続き、自分の感情がコントロールできなくなって暴力をふるったり、うつ病を併発すれば自殺にもつながる病気ですが、当時は治療のやり方がわからなかったのです。03年に多くの死傷者を出した自爆テロ事件を受けて、PTSDの治療の研究が始まりました」
PTSDにかかり、独軍病院などで治療を受けている患者は14年末で431人。しかしドレスデン工科大学の調査では、派遣後12カ月たった兵士の2・9%がPTSDにかかっているとの数字もあり、軍が把握できていない患者は多いといわれます。
ウィルムント氏は「キャリアに傷がつくと思って、相談にこない兵士が多いのは事実です。PTSDにかかっても、軍に何らかの助けを求めるのは50%。さらに精神科医に助けを求めるのはそのうちの10~20%にすぎません」と認めます。
独政府が退役兵士の実態をつかんでいないのは、独軍が11年7月まで徴兵制だったという事情があるといいます。青年の半分が徴兵を経験しており、誰が兵士だったかという膨大な記録が十分に把握されていないといいます。
「メモリアルラン」を企画する退役軍人の会などは、助けを求める人を掘り起こし、医療・生活の援助につなぐ活動をしています。
前述のゼトラチェクミュラーさんもその1人。「PTSDの退役軍人の中には病気のため離婚したり、暴力事件を起こして刑務所に入ったり、ホームレスになったりする人もいる」と深刻さを語りました。
同氏は現在、軍でアフガンから帰った兵士の相談員の仕事をしながら、中高校の要請にも応じて自分の体験を話しています。
「兵士を派遣したのは政治です。国民が票を入れてつくった政府と議会がわれわれをアフガンに送り、私はPTSDになった。将来の有権者である生徒たちにこのことを知ってもらうことは大事です」
自衛隊が海外で治安維持活動:ドイツの例「トラウマと誤爆」
https://youtu.be/QMEksRSDf_8
元ドイツ軍兵士 ヨハネス・クレア氏
「住民の誰が味方で誰が敵かわからなかった。それが問題だった。
その現実は派遣される前はわからなかった」
パトロール中、突然の攻撃
一般的にドイツ軍が派遣されるのは、アメリカ・イギリス軍と比べ治安の安定している地域
ドイツ軍・アフガニスタンへの派遣で35人死亡
(ドイツ国際政治安全保障研究会)マルクス・カイム博士「ここはより安全な地域、ここはより安全でない地域、そういうものはない。兵士を完全に安全な地域に派遣できると思うのは幻想だ」
小出裕章先生:もっと本気で住民に対しての賠償などをすれば、日本の国家が倒産してしまうほどの被害
『何を怖れる』
~映画監督・松井久子が伝えたフェミニズム
(ラジオフォーラム#125)
https://youtu.be/UFtzspIutvo?t=15m6s
~第125回小出裕章ジャーナル
事故賠償をめぐって「もっと本気で住民に対しての賠償などをすれば、日本の国家が倒産してしまうほどの被害が出ていると私は思っています」
http://www.rafjp.org/koidejournal/no125/
谷岡理香:
政府は未だに「原発は安いんだ」「安価なんだ」と言い続けています。今回の原発事故の損害賠償をめぐっては、その政府と電力会社が互いに責任を押しつけ合っているという現状もあります。私達には負担は、今後どのような形で出てくるのでしょうか? 今日は、「原発事故の賠償費と除染費の利息は国民負担」、このことをテーマにお送りします。小出さんと電話が繋がっています。小出さん、今日も宜しくお願い致します。
小出さん:
はい、こちらこそよろしくお願いします。
谷岡:
まず、原発事故が起きた場合の保険金について、改めて教えて下さい。
小出さん:
皆さん今、日本というこの国で生きていて、さまざまな保険にご自分で加入しているだろうと思いますし、企業にしても様々な保険に入って、何か事あった時にはその保険でまかなうというのが、いわゆる資本主義という世界の原則なのですね。
しかし、原子力発電所というものが、万一であっても事故が起きてしまえば、国家が倒産するほどの被害が出るということは、原子力の専門家はみんな承知していました。当然ひとつの企業でそんな被害の賠償ができるわけはありませんし、保険会社もそんなものに関しては、契約を結ばないということになっていたわけです。
そのため、いわゆる資本主義を標榜する国としては大変異例なことに、日本では原子力損害賠償法という法律が作られまして、万一の事故の時に備えて、電力会社は当初は50億円でしたけれども。1961年だったと思います。
その法律ができたのは。その時は、50億円だったと思いますが、だんだんだんだんお金が上がってきまして、今は1200億円の賠償金を用意しておけば、あとは国が国会の議決を経て面倒を見るという、そういうあり得ないような法律で守られてきたのです。
ですから電力会社としては、とにかく1200億円だけ準備をしておけば、あとは国がやってくれるんだというそういうつもりで今日まで来てしまったということになりました。
谷岡:
電力会社にとったら1200億円さえ準備すれば、あとは国。でもそうしますと、東京電力のあの福島の原発事故での損害額とその賠償は、どういうふうになっているんでしょうか?
小出さん:
原子力損害賠償法の定めに従えば、まずは東京電力は用意しておいた1200億円の賠償金を払うということになって、それを超えたものは、国が国会の議決で面倒を見ると、先程聞いて頂いた通りなのです。
谷岡:
そうですね、はい。
小出さん:
一応、その原子力損害賠償法では、責任は無限責任だということに決められていますので、本当であれば、東京電力が全てを賠償すべきなのですけれども、でも、国が国会で議決をすれば、いくらでもまたそれが出せるということになってしまっているわけです。
実際に、今のところは多分10兆円、あるいはそれを超えるぐらいのお金がかかるだろうと、国の方は言っているわけですが、私自身は多分そんなことでは到底足りない。何十兆円ものお金がかかるだろうし、もっと本気で住民に対しての賠償などをすれば、日本の国家が倒産してしまうほどの被害が出ていると私は思っています。
いずれにしても、東京電力が全部を負担するなんてことは到底できないわけですから、現状では政府が原子力損害賠償廃炉等支援機構という組織をつくりまして、国のお金を東電に回しているという状態になっています。一応数十年かけて、東電を含む電力会社から返済を受けるという計画になってはいます。そして会計検査院の試算では、最大で1200億円、1300億円ぐらいの金利が、国民負担になるという試算を出しています。
でも私、先程聞いて頂いたように、国や東京電力の考えている賠償額よりも、はるかに巨額の賠償額が実際には必要になると思いますので、おそらく何千億円というような金利が、これから国民の負担になっていくんだろうと思います。
谷岡:
はい。なんかちょっと気が遠くなるようなお話をして頂きましたが、そういった状況の中で、今、電力会社と国がこの賠償をめぐって押しつけ合いをしているわけですが、これはどういうことなのか、もうちょっと説明して頂けますか?
小出さん:
もともと日本の原子力というのは、国がやるのだと言って決めたのですね。そして今、聞いて頂いたように、原子力損害賠償法というような法外な法律をつくったり、あるいは電気事業法で電力会社の利益を完璧に補償する。原子力をやればやるだけ儲かるというような仕組みを作って、電力会社を原子力に引き込んだのです。
そのため日本の原子力は国策民営と言われるようになってきました。つまり国が重大な責任を持っていたわけですし、それを引き受けた電力会社が、仮に何か事故を起こしたとしても、やはり国に責任があるということは、私としては当然のことだろうと思います。ですから、事故が起きたとしても、電力会社としても国の方が「お前が引き込んだんではないか」というように、もちろん思っているわけですし、国の方も自分の責任をしっかりと認識してるわけですから、ある程度はやはり仕方がないだろうと。電力会社を守ってやらなければいけないというようなことも思っているわけです。
そのため今、起きているように、国が東京電力を生き延びさせて、倒産をさせることのないように支えながら、そのツケを国民に回していくというようなことをやっているわけです。先程から聞いて頂いてるように、もし本当に被害の賠償しようと思えば、東京電力など何十回倒産しても足りないわけですけれども、実際には国がそれを支援して、東京電力を生き延びさせて、東京電力は既に黒字にまたなっているというそういう状態になって、結局誰も責任をとらないまま、一切のツケを国民に押しつけながらみんなが生き延びて、国も東京電力も生き延びていくというそういうことをやっているわけです。
谷岡:
国も東京電力も組織はあるけれども、人はどんどん変わっていくわけですよね? おっしゃったように、誰も責任をとらないっていうそこが本当に重く響きます。でも大事なことは、もうほんとに今、被害を受け続けてる方がいて、その方がどうやって救済されるか。そして、私達も明日そうならない保障はどこにもないわけですが、今後のことを考えると、小出さんはどのようにお考えですか?
小出さん:
福島第一原子力発電所の事故で、今現在もたくさんの人が故郷を追われて流浪化しているわけですし、本当であれば、放射性管理区域に指定しなければいけない汚染地帯に、人々がそのまま捨てられて生活を余儀なくさせられているわけです。事故から既に4年以上経ちましたけれども、そんな状況がずっと続いている。もっとちゃんと国として救済をしなければいけないと思うのですけれども、それをやろうとすると、国が倒産するほどのお金になってしまうということになっているわけです。
4年経った今でも、原子力緊急事態宣言というものは撤回されないまま、未だに緊急事態が続いている。そして、被害者も苦難にあえいでいるという大変なことになっているわけで、もしそんなことをきちっと賠償しようと思えば、原子力発電なんてどれだけ高いものか全く分からないほどになってしまうということだと思います。
谷岡:
ほんとに原発は安いだっていうのはどこから来るのかっていうのは、本当に伺っていて気持ちが重くなります。それから、福島も分断の中に来ていて声を挙げられない方がいますが、私達がなんとか何度でも何度でも繰り返し発言していかなければいけないなって、改めて思いました。小出さん、どうもありがとうございました。
小出さん:
こちらこそ、ありがとうございました。
そもそも、ベストセラー「原発ホワイトアウト」の著者は何を語るのか?
著者、若椙 冽氏インタビュー。
http://dai.ly/x17q16i
東京電力は、なぜこんなに黒字なのか?/そもそも総研
http://dai.ly/x2f9awr
独自入手の極秘資料が暴く
国民欺く東電賠償スキーム
(週刊ダイヤモンド)2011年5月20日
http://diamond.jp/articles/-/12350
いま一度「再稼働に経済的根拠なし」
大島堅一教授に聞く
(東京新聞【こちら特報部】)2015年3月31日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015033102000162.html
原子力規制委員会は三十日、九州電力川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働に向け、使用前検査を始めた。九電はすでに七月からの発電開始、八月には営業運転に入ることを発表している。政府はこの間、「再稼働抜きには日本経済は立ち行かない」と宣伝してきた。しかし、立命館大の大島堅一教授(環境経済学)は「まったくの虚構」と反論する。危機のあおりは、かつての「安全神話」に通じる。
(上田千秋)
政府試算は現実離れ
「正しく計算をすれば、原発のコストが他の電力と比べて高いのは明らか。電力会社や政府の論理は現実に即しておらず、再稼働のメリットは何もない」
研究者やNGO関係者らでつくる「原子力市民委員会」の座長代理も務める大島教授はそう訴える。
政府は一貫して「原発はコストが低く、経済性に優れている」と唱え続けてきた。内閣官房内に設置された「コスト等検証委員会」が二〇一一年十二月にまとめた報告書にも、一キロワット時の発電コストについて、石油火力の二五・一円、液化天然ガス(LNG)火力の一〇・九円、石炭火力の一〇・三円に対し、原子力は八・九円などとする試算が盛り込まれている。
安全対策費など
上乗せすると…
だが、大島教授は「原発が安いというのは、燃料費の比較での話。安全対策費などを上乗せすると、原子力は八・九円ではとても収まらない」と解説する。
大島教授は他の研究者と共同で、政府や電力会社などの資料から、原発建設時の地元対策費や電源三法交付金といった社会的費用を独自に算出。これらを含めると、原発の発電コストは最低一一・四円になるという数字をはじき出した。
政府は「原発を再稼働させずに火力発電に頼り続ければ、石油をはじめとする燃料費のコストがかさむ」と主張しているが、大島教授は明確に反論する。
「石油などの輸入費が高いのは、アベノミクスによる円安の影響。そろそろ限界に近いだろうし、原油価格は下落傾向にある。安価なLNGの発電比率を増やすことも可能なはずだ」
原発のコストの高さは、世界的にも常識になりつつある。米国のエネルギー問題の調査機関「ブルームバーグーニュー・エナジー・ファイナンス」は昨年、原発の発電コストは一キロワット時約十五円と、太陽光発電とほぽ同レベルで、他の再生可能エネルギーなどと比べると、かなり割高になるという分析をまとめた。福島事故後に、事故対策の拡充が求められるようになったことが主な原因という。
しかし、日本では再稼働に向けた動きが進む。すでに川内原発1、2号機、関西電力高浜3、4号機(福井県)の四基が原子力規制委から新基準を満たすと判断された。このまま再稼働されれば、一三年九月から続く国内の「原発ゼロ」が終わることになる。
電力会社や政府は「原発を再稼働させなければ、電気料金が上がり、経済が行き詰まる」という主張を繰り返してきた。だが、大島教授は「原発を廃炉にすれば、維持・管理費が不要。火力の燃料費を賄ったうえで、現在よりも電気料金を低く抑えられる可能性がある。そうした事実を直視せず、電力会社や政府はあえて論点をずらしているのではないか」と批判する。
高コスト世界の常識
こうした指摘があるにもかかわらず、政府は原発を維持しようと躍起だ。最近も電力会社の利益に沿った政策を打ち出している。
政府は今月十三日、関連省令を変更。廃炉に伴う損失を十年間分割でき、かつ電気料金に上乗せできる新たな会計制度を導入した。従来は当該年度に一度に計上する必要があったため、電力会社にとっては債務超過に陥る恐れがあった。
さらに一六年に実施予定の電力自由化以降も、発電に伴う費用を基に電気料金を決める「総括原価方式」に似た仕組みを導入する案が浮上している。経済産業省の有識者会議では現在、原発の建設費や使用済み核燃料の処分費などを含めて電気料金を決め、仮に損失が生じた場合は利用者から回収できるシステムが議論の対象になっている。ヾ(゚Д゚ )ォィォィ
電力自由化に
逆行する動き
「電力の自由化というのに、これでは公正な競争は保てない。本来は電力会社が負うべき原発のコストを国民に回すという話。原発を持っている電力会社ほど経営が安定する結果になってしまう」(大島教授)
政府は戦後、国策として原子力の利用を進め、それに沿って電力会社は全国に原発を建設してきた。しかし、原発の効率の低さは世界レベルで常識になりつつある。もたれ合いの構図は限界を迎えている。
大島教授は「国民にツケを回す新会計制度は許されるものではないが、導入するなら原発をゼロにすることが最低限の条件。廃炉にしても債務超過にならなくなる以上、電力会社にとって原発を続ける理由はなくなる」と強調する。
「原発はコストと事故のリスクが高い。これを一番理解しているのは電力会社と経産省。だからこそ、次々に新たな制度をつくろうとする。電気料金に転嫁して広く、薄く国民負担を増やせぱ、批判を受けにくいと考えているのかもしれないが、国民の多くが望んでいるのは原発ゼロ。それを無視してはならない」
電が足りている■核のごみ限界■福島事故原因は?
原発再稼働が無謀である理由はいくつもある。
第一に原発抜きでも電気は足りている。電気事業連合会によると、大手電力十社の年間電力需要は一〇年度は九千六十四億キロワット時だったが、福島事故後は減少して、一三年度は八千四百八十五億キロワット時。財団法人・電力中央研究所は、一四年度も八千二百五十億キロワット時になると試算している。
第二に使用済み核燃料の処分だ。使用済み核燃料はガラス固化体に加工し、最終処分場で地下三百メートルより深い地点に埋め、約十万年保管するという。だが、肝心の処分場の場所が見つからない。原子力発電環境整備機構(NUMO)が○二年から候補地を公募しているが、応募は一ヵ所(後に
撤回)しかない。
昨年三月末時点で、使用済み核燃料は全国の原発のプールに約一万四千三百三十トンが貯蔵され、最短三年でいっぱいになる。青森県六ヶ所村の再処理工場でも容量三千トンのうち、二千九百五十一トンが埋まる。
第三は福島の事故原因が未解明なこと。昨年五月に関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止めを命じた福井地裁の判決は、福島事故について「地震がいかなる箇所にどのような損傷をもたらし、それがいかなる事象をもたらしたかの確定には至っていな
い」と指摘している。なにより、避難計画が不十分なこと。国は原発から三十キロ圏内の市町村に避難計画の作成を「丸投げ」している。ただ、原子力規制委は「(避難計画を)評価する立場にない」(田中俊一委員長)と、計画の確立は再稼働条件ではない。
再稼働への自治体同意についても、立地する道県と市町村のみに限定。他の周辺自治体は避難計画作成を強いられつつ、再稼働には何ら影響力を行使する立場にない。
(白名正和)
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小出裕章先生:この国の指導者達・経済界の首脳達に…私は大変残念だし情けなく思います。
少々、ブログ更新が滞りまして、すいませんでした
m(._.)m
持病の腎臓病が悪化したのか?それとも投薬変更で副作用が出たのか?先週の後半に三日ほど寝込んでしまいまして、ブログの更新やイイネ・ペタをすることが出来ませんでした…( ̄▽ ̄;)
各方面にご迷惑をおかけしたのをこの場を借りて、お詫びいたします。
(・ω・`)
絶望のススメ~国際政治学者が説く、日本政治に可能性を見出す方法
(ラジオフォーラム#126)
https://youtu.be/oF56EE7fe8Q?t=17m2s
17分2秒~第126回小出裕章ジャーナル
伊方原発「適合」の問題「日本最大の活断層、中央構造線が動くようなことになれば、おそらく壊滅的な被害を受けるだろうと思います」
http://www.rafjp.org/koidejournal/no126/
湯浅誠:
今日はですね、伊方原発3号機の適合問題ということなんですけれども、5月20に原子力規制委員会が伊方原発3号機が新規制基準を満たしているという審査案を了承したと。九州電力の川内原発1・2号機、そして、関西電力の高浜原発3・4号機に続いて3例目ということなんですが、今回の伊方原発が抱えている独自の問題点というかですね、というのは、どういうところにあるんでしょうか?
小出さん:
はい。原子力発電所というのは、みんな問題を抱えているわけですけれども、それぞれにかなり特色のある問題を抱えています。
例えば伊方原子力発電所の場合には、愛媛県に佐多岬という細長い半島があってですね、四国から九州に向かって伸びているのですが、一番太い所でも6キロ程度だろうと思います。長さで言えば、40キロもあるというようにですね。細長く九州に向かって伸びているのです。
それの付け根の所に伊方原子力発電所が立地しています。もし原子力発電所で事故が起きた場合に、岬の先の方にいる人達は一体どうやって逃げることができるのだろうかと、私は昔から思っていましたし、福島第一原子力発電所の事故が事実として起きた今、もう到底、岬の先端の方の人達は逃げることができないだろうと、私は思うようになりました。この佐多岬という半島には伊方町のですね、多分5000人を超えるぐらいの人が住んでいるはずで、その人達がもし逃げるとすれば、何か船に乗って九州に逃げるという、そんなやり方しかたぶんないだろうと思います。
湯浅:
そういう避難計画っていうのは、愛媛県ないし伊方町は作ってるんですかね?
小出さん:
ええ、これから要するに作ることになるのでしょうけれども、一番初めに新規制基準に適合されたと認められた川内原子力発電所の場合も、もう到底逃げることなんかできないよということで、鹿児島県の知事自身がそのことを認めてしまうという状態になったわけです。
伊方の場合にはもっと厳しく、逃げることができないだろうと思います。
湯浅:
鹿児島県知事は、だいぶ原発再稼働に前向きだった人でしたけども、愛媛県は中村知事ですかね、中村知事はどういう態度?
小出さん:
今のところ曖昧な態度ですので、どうなるのかは予断は許しませんけれども、基本的には原子力発電所を立地されてしまった自治体というのは、原子力発電所によって、私は麻薬患者にされたと言ってるわけですけれども、さまざまなお金でがんじがらめに縛られてしまっていますので、これからも認める方向に行くんだろうなと私は心配しています。
湯浅:
伊方町長はもう前のめりというか。再稼働して欲しいという立場なんですね?
小出さん:
はい。残念ながらそうです。
湯浅:
周辺自治体はどうですか?
小出さん:
多分、もし意見を言えるようになれば、あれこれと意見を言い出すだろうと思いますけれども、川内原子力発電所の場合も立地自治体、薩摩川内市と鹿児島県の同意だけあればいいということにされてしまったわけですし、伊方原子力発電所の場合も伊方町と愛媛県さえ「うん」と言えば、あとの自治体はほったらかしにされるという可能性が高いと思います。 (´・ω・`)
湯浅:
それに加えて、伊方原発の近くには大きな活断層がある。南海トラフ地震の被害を受ける可能性があるということも言われているようなんですけれども。
小出さん:
はい。昔、小松左京さんが『日本沈没』という小説を書いたことがあるのですが、あの小説は日本最大の活断層に中央構造線という活断層があるのですが、中部地方からずーっと関西を横断して、四国を横断して、九州まで伸びていくという巨大な活断層なのです。
その『日本沈没』では、巨大な中央構造線の活断層が割れて、日本が太平洋に滑り落ちていくという、そういうことを書いた小説だったのですが、伊方原子力発電所の敷地の前面に、その日本最大の活断層、中央構造線が走っているのです。
もし、それが動くようなことになれば、おそらく壊滅的な被害を受けるだろうと思います。
中央構造線地震被害想定
その上、伊方の場合にはそれだけでは済みませんで、「日本でこれから巨大な地震が起きる」と世界中の地震学者が言っていまして、東海地震、東南海地震、南海地震と呼ばれているような中部地方から関西、四国、九州に伸びてくような地域に、巨大なやはり地震の渦がありまして、そこで、近い将来必ず大きな地震が起きると世界中の地震学者が言ってるわけですから、伊方原子力発電所というのは中央構造線のおそれ、そして、南海地震のおそれというように、南北から挟まれた形で存在しています。
湯浅:
非常にまあ危ない…伊方原発だけじゃないですけどねえ。危ない所にあるということですが、川内、高浜、伊方と、結構ここのところ続々というか、いよいよ本格的にというか、再稼働に向けての準備が進んでいて、高浜原発は運転延長まで申請したと、20年間のですね、ということなんですが、小出さんからしてみれば、「それはそう来るに決まってんだよ」ということなんでしょうけども、いかがでしょうかね?
小出さん:
あまりにも愚かな選択だなと、私は思います。大きな原子力発電所の事故など決して起きないと言ってきた人達が、事実として事故が起きているのに、未だに目を覚ますことができない。ほんとに、この国の指導者達、あるいは経済界の首脳達、どういう人達がやってるのかなあと、私は大変残念だし情けなく思います。
湯浅:
今日もありがとうございました。
小出さん:
こちらこそ、ありがとうございました。
中央構造線断層帯(金剛山地東縁-伊予灘)の長期評価(一部改訂)について
(地震調査研究推進本部 地震調査委員会)
http://www.jishin.go.jp/main/chousa/11feb_chuokozo/index.htm
伊方原発問われる「安全神話」
http://channel.pandora.tv/channel/video.ptv?ref=em_over&ch_userid=eichieichi&prgid=43697837
"フクシマ"によって崩壊することになった原発の安全神話。その神話が形作られていくきっかけとなったのが、四国電力の伊方原子力発電所の安全性を巡って30年近く争われた裁判である。当時、四国電力で原発設置を担当したある技術者は、裁判後、徐々に社内で蔓延していく「絶対安全」に対して、異論を訴えたが黙殺され続けてきた。裁判資料を読み解くと、地震のリスクなど専門家の調査結果が無視されている部分も多い。
第2のフクシマは防ぎたいと、今でも原発の危険性を訴える技術者の思いを軸に、現在でも"安全神話"が続く原子力発電の現場を見つめる。
伊方原発の新安全対策なるものの虚妄性
http://dai.ly/xjuc5c
沖合走る中央構造線 伊方原発の耐震は
(四国新聞)2011年6月12日
http://www.shikoku-np.co.jp/feature/tuiseki/555/
東日本大震災による福島第1原発の事故を受け、全国の原発で地震への備えに関心が高まっている。四国電力の伊方原発(愛媛県伊方町)でも、すぐ近くの海底を断層が走り、激しい揺れが予想される。電力各社は緊急の安全対策に取り組んでいるが、専門家からは地震が原発に与える影響を抜本的に見直すべきとの声が聞かれる。
「想定外をなくすには、最悪のケースに備えるのが基本」として、地震の評価と原発の耐震性を抜本的に見直すよう求める岡村教授に対して、四電は「もっと長い断層による地震の可能性を排除しているわけではない」と説明。地震の評価では360キロ、130キロ、69キロなど断層の長さを複数パターン設定。さらに断層の傾斜角や強い揺れを引き起こす箇所の位置を変えるなどしてシミュレーションした。その結果、長さ54キロの断層による地震が最大と判断したとする。
福島第1原発の事故後、原発の「安全神話」は崩れさった。安全規制を担う原子力安全・保安院、原子力安全委員会には不信の目が向けられている。定期検査で停止した原発の運転再開をめぐり、地元自治体は国に新しい安全基準を求めるが、従来の「原子力村」で安全基準をまとめるのでは不信は払しょくできない。電力会社が地震対策に取り組み、安全性を訴えても、なかなか説得力を持たないのが実情だ。
2011/4/26 石橋克彦先生講演 「福島原発震災」の彼方に
http://www.ustream.tv/recorded/16808571
地上の脆弱な高度文明社会が、地下の動乱時代に遭遇するのは、人類史上初である。
地球上で最も過酷な地震空間が、最も活動的時間にあるという、厳然とした自然条件。→大自然の猛威を何とかすりぬけてきた日本人が、それに直撃される。
「人々の幸せのための物々交換」から「金儲けのための自由貿易至上主義」へ、「暮らしを支えるための技術」から「利潤追求のための欲望刺激型技術開発」へ、「大自然をよりよく知りたい科学」から「欲望実現の用心棒としての科学」へと発展してきた現代文明。それが「進歩」だったのか。
このような人類史を根底から問い直すべき秋が到来したのではないか?
(石橋克彦「史料地震学と原発震災」報告レジュメより)
「原発震災」予言した地震学者が批判 川内原発規制委審査は「無効」
(東京新聞【こちら特報部】)2014年10月6日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014100602000158.html
九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)は新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の審査書について、「無効だ」と主張する地震学者がいる。石橋克彦神戸大名誉教授(70)。福島原発事故の14年前から、大地震による「原発震災」に警鐘を鳴らしてきた。石橋氏は「審査は法令違反とさえ言える」という。何が問題なのか。
(沢田千秋)
法令違反なみ手抜き
「新規制基準は、安倍政権がいう『世界で最も厳しい水準』から程遠い欠陥品だが、その根本問題に目をつぶっても、審査があきれるほどずさん。鉄道や航空機の安全に関わる事例だったら世間の袋だたきにあうような手抜きがあり、省令なみの規制に違反している」。川内原発の審査に対する石橋氏の批判は強烈だ。
新規制基準は、原発の耐震設計の基準となる揺れ(基準地震動)を策定する際、「内陸地殻内地震」「プレート間地震」「海洋プレート内地震」について、敷地に大きな影響を与えそうな地震を複数選定し、それらによる基準地震動を検討するよう求めている。
しかし、九電は川内原発の基準地震動の策定に当たって、内陸地殻内地震しか検討しなかった。プレート間地震と海洋プレート内地震については、発生位置が敷地から十分離れているため震度5弱に達せず、原発に影響を与えないとして検討対象から除外したのだ。規制委は、それをあっさり認めて「合格」させた。
だが石橋氏は、「九電が『震度5弱に達しない』と言って、規制委が『はい、そうですか』で済ますとは、地震学的にもってのほかだ」と指弾する。
なぜなのか。プレート間地震ついては、内閣府の検討会が二○一二年八月に公表した最大クラスの南海トラフ巨大地震の想定がある。マグニチュード(M)9級で、震源域は駿河湾から宮崎県沖まで広がる。石橋氏は「川内原発付近の予想最大震度は5弱に達している。しかも、この震度予想は広域の傾向をみるための目安にすぎない。原発のような重要施設は、より安全を考えた震源モデルを設定して再検討するのが当然で、震度6弱になる可能性もある」という。
海洋プレート内地震については、九電も例示した一九○九年の宮崎県西部の地震(M7.6)で、宮崎、鹿児島、大分、佐賀で震度5を記録し、各地に被害をもたらしている。これは、九州の地下に沈み込んだ海洋プレート(スラブ)の中で発生したスラブ内地震だ。石橋氏は「スラブは鹿児島県の地下にも存在するから、川内原発にもっと近いところでもスラブ内地震は起こりうる。しかもM7.6が最大とは限らない。最悪の場合は震度6に達するかもしれない」と話す。そして「それを指摘しなかった規制委は能力と熱意・使命感に欠けているのではないか」と手厳しい。
川内原発の基準地震動の最大加速度は620ガル(ガルは加速度の単位)である。これは、M6.1の地震が原発直下で発生するとした場合の値だ。しかし石橋氏によれば、「活断層が認められなくてもM7級の大地震が起こるから、これは明らかに過小評価だ」。
再び「原発震災」招く
一般に基準地震動は複数策定される。地震の種類によって揺れの性質が違うからだ。しかし、九電は川内原発について、直下地震のほかは、原発周辺の活断層で発生する内陸地殻内地震による基準地震動しか策定しなかった。「なぜプレート間地震とスラブ内地震を考慮しないのか。両者の揺れ方は独特だから、基準地震動を策定して重要施設の耐震安全性をチェックすべきだ」と石橋氏は言う。
新規制基準は、東日本大震災の教訓に立ち、「想定外」を起こさないように作られたはずだ。石橋氏は、「川内原発の審査は新基準による第一発目。今後の再稼働審査の模範になるべきものだ。手順を丁寧に踏んで説明責任を果たさなければいけない。それが、こんないいかげんなのは許されない。九電の言いなりになった規制委は、まるで”子どもの使い”だ。最初が肝心だからこそ、審査を無効にしてやり直すべきだ」と主張する。
石橋氏が「原発震災」という概念を提唱したのは一九九七年。大地震による揺れや津波に起因する原子力施設の大事故と通常震災との複合災害を警告した。○六年八月、石橋氏は原発の耐震設計の指針を改訂する委員会の委員だった。しかし、不徹底な改訂案に抗議し、最終回で辞任・退席した。福島原発事故が起きたのは、その五年後だ。
福島第一原発の基準地震動は、このとき改訂された新指針に沿って、それまでの最大加速度370ガルから600ガルに引き上げられた。しかし、肝心の耐震補強工事を東京電力が実施していなかったことが、12年、国会事故調査委員会の調査で明らかになった。東日本大震災の際の福島第一の揺れは675ガルを記録している。石橋氏は「原発内の重要設備が、揺れで損傷した可能性を慎重に検討すべきだ」と指摘する。
実際に福島第一で現場検証し、地震による損傷を調べることは不可能だ。だからこそ、「安易な結論を出してはいけない」と石橋氏。「基準地震動を超えてしまったと反省するのと、超えたけれど大丈夫だったと思うのは大きな違いだ。『想定外の大津波が来たら事故はしょうがない』では教訓にならない」
規制委は、川内原発で想定される火山についても「大規模な噴火の可能性は小さい」としている。しかし、現に御嶽山(おんたけさん)では、予測できなかった噴火で多くの犠牲者が出た。「現在の科学では、原発に影響を与える地震の強さや噴火の発生確率、規模などに正確な答えは出せず、可能性の提示にとどまる部分が多い。それをどう考慮するかは最終的に社会が判断すること。今は安全性が軽視され、利権集団の経済的判断が最優先されている」と憂慮する。
「この地震火山列島では原発は危険すぎる。今後も川内原発のようなずさんな審査が続くと、日本は再び原発震災に襲われるだろう」と石橋氏は警告する。
「世間が福島事故を忘れつつあるというより、強大な勢力が忘れさせようとしているようだ。震災直後は多少鳴りをひそめていた原発ムラの住人や御用学者が現政権のもとで息を吹き返し、審査にも影響を与えているのだろう。国民は福島事故の理不尽さを決して忘れてはならない」
【いしばし・かつひこ】
神戸大名誉教授。1944年、神奈川県生まれ。東京大大学院理学系研究科博士課程修了。専門は地震学。2008年まで神戸大教授。国会の東電福島原発事故調査委員を務めた。1976年に発表した「駿河湾地震説」は、東海地震の防災対策強化のきっかけとなった。97年、月刊誌に論文「原発震災─破滅を避けるために」を発表し、地震と原発事故による複合災害を警告。浜岡原発の閉鎖や原発依存からの脱却を訴えている。
常磐富岡インター入り口
自民、賠償打ち切り提言
住民の帰還促進狙う 一方的な避難指示解除
(東京新聞【こちら特報部】)2015年5月25日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015052502000170.html
東京電力福島第一原発事故の被害で避難している住民の帰還を加速しようという動きが強まっている。政府は、「お試し」帰宅などで帰還を促し、自民党は、二〇一八年三月で賠償を一律に打ち切ることを提言した。住民は、放射線量だけでなく、生活インフラの不備などへの不安が強い。一方的な避難指示の解除には、国際的なルールに反していると指摘する声も上がっている。
(白名正和、榊原崇仁)
消えぬ不安
商店や病院 人間関係は…
「家はイノシシに荒らされて、建て直すための金も捻出できるか分からない。店や病院などがなければ生活ができない。本当は帰りたい、けど帰れないんだ」
福島県楢葉町からいわき市に避難する石田一二(かつじ)さん(八五)はため息をつく。
妻が数年前に心臓の手術をしており、胸の苦しさを訴えて横になることがある。「いざというときに駆け込める病院が近くにないと困る。医師の体制も十分かどうか分からない」
、福島原発事故で、ほぽ全域が避難指示区域に指定され全町避難を余儀なくされた楢葉町。政府は七月上旬にも避難指示の解除が可能か判断する方針だ。四月下旬から今月上旬にかけて十二回開いた住民懇談会で、政府はインフラなどの復旧状況を示し「安全に帰還できる環境がおおむね整った」と説明した。
しかし町民の不安はぬぐい切れてはいない。
いわき市の仮設住宅で一人暮らしをする女性(七〇)は運転免許を持っていない。
「遠くまで買い物に行くことはできない。仮設商店街やコンビニでは手に入らないものもある」
同じく一人暮らしの女性(九〇)宅では最近、玄関に差し込んだ鍵が抜けなくなるトラブルがあった。困っていると、聞き付けたほかの住民数人が集まり、潤滑油を使って鍵を抜いてくれた。「困った時に助け合える人間関係があるから、この年で家族がいなくても生きていける。楢葉に今戻っても独りぼっちだ。まだ仮設の方がいいよ」
楢葉町では、避難指示解除の前段となる「準備宿泊」も四月上旬から始まっている。夜も自宅で一定期間過ごすことで、帰還をスムーズに進めるのが狙いで、富岡町など他の避難自治体のモデルケースにしたい考えがある。
だが、楢葉町の準備宿泊を利用する動きは低調だ。事前登録を済ませた住民は三百十世帯。全町民約二千七百世帯の一割強という数字。実際に泊まり込んでいる人はさらに少なく、町が五月中旬に調べた結果では、約百世帯に満たなかった。町議の結城政重さん(六八)は「町民はみんな帰りたいはずだが、帰れない状況だと分かっているのだろう」と指摘する。
楢葉町の南北に走る幹線道路・国道6号は、乗用車や工事用のトラックが多く行き交う。役場前のスペースでは、仮設の食堂やスーパーが営業している。
しかし路地に入ると途端に人けはなくなる。修理や建て替えが必要な住宅が多いが、業者が不足して手が回っていないのが現状だ。玄関の窓ガラスが割れたままの家もあった。
JR竜田駅前の酒店や薬局、菓子店、鮮魚店などはみな閉まったまま。偶然通りかかった住民の男性は「これが現状だよ」とつぶやいた。
住民不在
「一方的避難解除 国際ルール違反」
自民党の東日本大震災復興加速化本部は今月二十一日、住民に対して帰還を強く促す提言をまとめた。
政府が避難指示を解除する要件は現在、①年間の積算放射線量が二〇ミリシーベルト以下②日常生活に必須なインフラなどが復旧する③自治体や住民との協議-の三つ。解除の一年後までをめどに月額十万円の精神的損害賠償(慰謝料)が東電から支払われている。
自民党の提言は、避難指示区域のうち、「避難指示解除準備区域」と「居住制限区域」については、一七年三月までに避難指示を解除するよう明記。精神的賠償もその一年後の一八年三月で一律終了するよう求めた。提言を受け、政府も検討を進める。
現行の制度では、避難指示の解除時期が早いほど賠償金の受取総額が少なくなる。これが帰還を消極的にしているとみて、一律に打ち切ることで、帰還を促したい考えとみられる。
「避難指示解除準備区域」と「居住制限区域」の人口は約五万五千人に上り、避難指示区域全体の約七割を占める。提言はこれだけの人たちの意思を十分に確認することなく、帰還
や賠償打ち切りに関する方針を打ち出した。
これまでも政府は川内村や田村市の避難指示区域について、住民の反発がありながらも解除を進めてきた。
「福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク」副代表の福田健治弁護士は「国が避難関連の指示を解除する場合、守るべきルールがある」と指摘する。
それは、○八年十月に国際放射線防護委員会(ICRP)が出した勧告と、一一年八月に原子力安全委員会(当時)がまとめた「福島第一原発事故における緊急防護措置の解除に関する考え方について」だ。
ICRP勧告は「(避難指示などの)防護措置の終了に関する話し合いに利害関係者を参加させることが重要」と明記している。’これを参考にして原子力安全委員会がまとめた「考え方」では、「地元の自治体・住民等が関与できる枠組みを構築し、適切に運用すること」と定める。つまり、避難指示解除の意思決定には住民を参加させるよう求めている。
ICRP自体は民間の国際学術組織で、国家間の取り決めをするわけではない。それでも日本政府は信頼を置き、避難指示解除の要件の「年間線量二〇ミリシーベルト以下」を設定する際はICRPの勧告を踏まえた。
福田弁護士は「政府も自民党も、耳の痛い勧告だけ無視していいわけがない」と訴える。「避難指示の解除について、政府は一応、住民説明会を開いている。だが、一方的な説明にしかすぎず、解除するかどうかの意思決定に住民を関与させていない」と切り捨てる。
南相馬市では昨年末、放射線量が局地的に高く政府が避難を促す「定避難勧奨地点」が解除された。これに反発した住民が今年四月に提訴した。福田弁護士が原告代理人を務めるこの訴訟では、ICRPの勧告や原子力安全委員会の「考え方」などを根拠に、「住民不在の解除は違法」と主張している。
強権的な手法に抵抗すべく、住民同士が連携する動きも芽生えつつある。
南相馬の訴訟では、市外の住民も加わる形で支援組織ができた。
今月二十四日には、福島原発事故で被害を受け、損害賠償を求めている原告団体など全国の十団体が「原発事故被害者団体連絡会」の設立集会を二本松市で開いた。
連絡会の共同代表を務める福島原発告訴団長の武藤類子さんはこう訴える。
「みんなが手を取り合えば、決して無視できない大きな力になる」
原子力被害者団体連絡会(ひだんれん)設立総会
https://youtu.be/AY2T7wZXszI
新潟水俣病50年 「加害企業のもうけのために…」
第二水俣病
1976年 昭和電工鹿瀬工場周辺
Minamata Disease
https://youtu.be/VVtpkkYxgJQ
新潟水俣病、公式確認50年 今も続く苦しみ
(東京新聞【こちら特報部】)2015年5月29日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015052902000144.html
四大公害病の一つ「新潟水俣病」が公式確認されてから三十一日で五十年になる。被害者らは今でも、手足のしびれなどの症状に苦しんでいる。つぎはぎだらけの救済制度は、多くの救われない被害者を生み、患者認定の申請や損害賠償を求めた訴訟が続く。差別を恐れて、声を上げられない被害者もいる。半世紀を経てなお、全面解決にはほど遠いのが現状だ。
(林啓太、三沢典丈)
確認50年今も苦しみ
厳しい認定基準・国の責任問う
「私が抱えた傷は昨日のことのように生々しいんです」。女性は唇をかんだ。
阿賀野川のサケやマスを食べて育った。体の異変を感じたのは、小学生だった一九六五年ごろ。手先に違和感があり、祖母に「何か病気かな」と相談すると、「何だろね」と手をもんでくれた。祖母は後に認定患者になった。「かわいい孫に、水俣病とは言えなかったんでしょう」。症状は十年余り前から悪化。「手足のしびれがひどくなった。感覚が薄れて、切ったりやけどしたりしても気付かない。セミが鳴くような耳鳴りがして、声を聞き取れないことも多い」。自分が水俣病だとは気付かず、原因不明の持病と思い込んでいた。家族の間で話題になることもなかった。
二〇〇四年になって病院で水俣病と診断された。なのに公害健康被害補償法(公健法)に基づく患者認定を申請したが、認められなかった。「なぜ祖母と同じ川魚を食べていた私は認められないのか」
女性は、未認定患者ら十二人が国と新潟県、原因企業の昭和電工を相手に○七年に提訴した第三次訴訟に加わった。訴訟は東京高裁で係争中だ。
六三年に重い水俣病で亡くなった漁師の祖父の記憶がある。「亡くなる前、暴れたり奇声を発したりするようになった。暗い部屋に、猿ぐつわをして寝かされていた」。この異様な情景を思い起こすたび、怒りがこみ上げる。「国の責任も認めさせ、おかしな認定基準を変えさせたい」
「本当は認定を勝ち取りたかった」。新潟水俣病阿賀野患者会の山崎昭正会長(七三)は、後悔を囗にする。
阿賀野川沿いの集落に生まれ、フナやコイを家族でよく食べた。三十代から手足のしびれや耳鳴りに苦しんだ。○五年に医師の指摘で、水俣病に特有の症状だと知った。地元では「新潟水俣病だと訴えるのは金目当てだ」との偏見が強かったという。母は認定患者だったが、「水俣病のことを語るのは家族の間でもタブー。母と同じ病気とは思わなかった」と話す。
○五年に患者認定を申請したが、認められなかった。○九年に提訴した「第四次集団訴訟」の原告団長を務めた。一一年に和解し、今後は認定申請をしない代わりに、一時金を受け取った。
「高齢の原告の多数が、生きているうちの解決を望んだ。苦渋のやむを得ない選択だった」と振り返る。
一三年四月、最高裁が感覚障害だけでも水俣病と認定する判断を示す。環境省もこれを受け。一四年三月、「感覚障害だけでも認定し得る」として基準の運用を見直す新通知を出した。山崎さんは思う。「新通知を基準としたら、自分はどうだったろう」と。
沈黙の濳在患者多く
仕事・結婚…差別恐れ
「切り捨です救済を」
差別や偏見を恐れて、声を上げない「潜在的被害者」は、まだ大勢いるとみられている。「新潟水俣病第三次訴訟を支援する会」の世話人を務める萩野直路さん(六一)は「今でも診察を断る人がいる。仕事への影響や子どもが結婚を控えていることなどを理由に、確かめたくないという思いもあるのだろう」と話す。
新潟水俣病阿賀野患者会が現在、力を入れているのは、新たな患者の「掘り起こし」だ。新聞の折り込みチラシなどで、症状のある人は患者認定を経て、一時金や年金、医療費を受け取ることができる可能性があることを知らせている。
新潟大の研究者が、阿賀野川下流の住人の手足のしびれなどの症状を、川魚を食べたことによる有機水銀中毒が原因と報告。六五年五月三十一日に公式確認された。熊本県の水俣病が確認されてから九年後のことだった。
汚染源について、国は上流にある昭和電工鹿瀬(かのせ)工場(同県阿賀町)の排水に含まれるメチル水銀としたが、同社は農薬が原因と反論。被害者らは六七年、第一次訴訟を起こした。新潟地裁は七一年、昭和電工に約二億七千万円の損害賠償の支払いを命じた。四大公害病とされる新潟水俣病、水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそくの中で、司法による患者救済が最初に図られたケースとなった。
七四年、公健法に基づく救済が始まった。ところが、国は七七年、認定基準を「感覚障害のほかに運動失調や視野狭窄(きょうさく)など、複数の症状が必要」と厳格化。申請を棄却される人が増加した。被害者らは八二年、国と昭和電工を相手に第二次訴訟を起こした。
問題が長期化する中、自民、社会、新党さきがけの連立政権は九五年、未認定患者への一時金支払いを柱とした政治解決策を閣議决定。二次と四次訴訟は和解が成立した。だが、認定基準の運用見直しがあったこともあり、三次、五次訴訟は今も係争中だ。訴訟では、熊本の経験を生かさなかった国の責任も問われた。
国は○九年施行の水俣病被害者救済特措法(特措法)で二度目の政治決着を図る。認定基準から漏れた被害者に、一時金を支払うことなどで救済するものだ。この申請は一二年に締め切られた。
特措法に基づく申請を退けられた被害者の異議申し立てについて、新潟県が独自に審理し、三人の異議を認めている。だが、環境省は異議申し立て自体を認めておらず、新たに患者と認められる道は極めて狹い。
国の救済は、申し出た大について、その都度判断して補償し、それ以外は切り捨てようという姿勢で一貫している。これまでに公健法に基づく患者認定は、二千五百十八人の申請に対し、七百二人にとどまる。政治的解決や特措法による救済された大を加えても三千五百人程度だ。
東京経済大の尾崎寛直准教授(環境政策)は「新潟の場合、激しい症状を訴える患者は少なかった。水俣病特有の症状が感覚障害と認知されたのもまだ最近だ。年齢を経るに従って、症状が出てくる患者もいる。特措法よりも補償内容が充実し、要件は公健法より緩い新制度を創設し、長い視野で救済を続けていく必要がある」と指摘する。
新潟大の渡辺登教授(社会学)は「特措法の申請は、締め切り間近の駆け込みが多かった。それほど差別が自分自身や身内に及ぶことを心配したのだ。国は恒久法などで患者を救済し続けなければならない。その一方で、私たち市民一人一人も、患者が認定の申請を言い出せないような社会のあり方を問い直さなければならない」と話している。
新潟水俣病患者に送りつけられた嫌がらせの手紙
(;`O´)o
クローズアップ現代
「“病の姿”が見えない~新潟水俣病の50年~」
2015年06月04日
https://youtu.be/hxcatq_kOsU
新潟県の阿賀野川流域で発生した四大公害病の一つ「新潟水俣病」が(※2015年)5月31日、公式確認から50年を迎える。しかし、半世紀の時を経ても新潟水俣病の被害を訴える人はあとを絶たず、現在は100人以上が患者の認定審査への申請を行っている。
こうした中、新潟県では去年から全国で唯一、認定審査会に「参考人」と呼ばれる疫学の専門家を置くシステムを導入した。これまで立証が難しかった症状と水銀曝露の関係を異なる視点で丁寧に見直そうというのである。
さらに水俣病被害の全容解明に向け関係者の模索も続いている。
番組では、新潟で始まった独自の認定審査の取り組みから、求められる救済措置は何か改めて考えるとともに、新潟水俣病が現代に照射する教訓をくみ取っていく。
新潟水俣病被害者 昭和電工前で門前払い
https://youtu.be/yErKIvDEXE8
新潟水俣病と昭和電工
(水俣病の過去と現在)より
http://www15.ocn.ne.jp/~aoisora5/4daikougai.html#n-syouwade
(1) 森コンツェルン
1928年に森矗昶(もりのぶてる)の設立した昭和肥料株式会社が、昭和電工の母体である。昭和電工はアルミ・肥料・化学などの多数の関連企業を所有して、戦前戦中に軍需産業として急成長した。
新興財閥としての森コンツェルンは、水俣病を引き起こした日窒コンツェルン同様、政界・官界と結びついて政府系金融機関を十分に活用した。大手都市銀行中心の旧財閥とは対照的である。新興財閥と政界・官界の癒着が、公害企業としての無責任感覚となったり、昭電疑獄事件を引き起こす、根本原因であった。
設立当初の昭和肥料株式会社鹿瀬工場は、阿賀野川の水力発電による豊富で安価な電力と、周辺で産出される石灰岩を用い、石灰窒素を生産した。東京工業試験所の設立した臨時窒素研究所が独自のアンモニア製造法(東工試法)に成功すると、昭和肥料は硫安の本格的生産を開始した。1939年、昭和肥料は日本電工と合併して昭和電工となった。
(2) 昭電疑獄
戦後の財閥解体によって森矗昶が公職追放された。1947年に昭電社長に就任した日野原節三は、肥料増産のために復興金融金庫融資を受ける目的で政界の贈賄工作を行ったとされた。社長が逮捕され、芦田内閣は総辞職した(1948年)。芦田連立内閣を倒すための政治的陰謀とする説も根強い。
(3) アルミニウム生産
日本電工は、日本で最初にアルミニウムの工業生産を可能にした企業である。昭和肥料と合併する前の1934年、長野県大町工場で豊富な電力を利用してアルミニウムを生産していた。
合併して昭和電工になった後の1943年、福島県喜多方工場でアルミニウム生産が開始された。喜多方では阿賀野川水系の日橋川・只見川の水力発電を利用した。
戦後の高度経済成長期、電器・建材・自動車などにアルミニウムの需要が増加した。昭和電工は火力発電所の電力を使う千葉工場を新設した(1965年)。
1973年にはボーキサイトと電力の豊富なベネズエラにベネズエラアルミニウム(ベルナム)を完成させ、安価なアルミ地金を輸入した。2度の石油危機で電力料金が高騰して国内のアルミ産業が壊滅した時、ベルナムが昭和電工へのアルミニウム供給基地になった。
(4) 総合化学工業
昭和電工は、1957年に昭和油化を設立して川崎工場を建設した。1969年には大分石油化学コンビナートを建設した。
昭和電工は三菱化成・住友化学と並ぶ3大総合化学企業になった。第1次石油危機以降は、アルミニウム・肥料などの利益の少ない分野から、ファインケミカルを主体とする先端産業に進出した。高性能ポリマーやコンピューターのハードディスク、液晶材料などの生産で高い市場専有率を占めている。
昭和電工鹿瀬工場は新潟昭和株式会社として分離し、本社も鹿瀬町に置かれた。従業員は100名、肥料は家庭用園芸肥料程度であり、セメント製品や脱水シートなどの生産が主力である。
新潟日報 2013年9月30日
国は今こそ水俣病の全面解決を!
――最高裁判決をふまえ、新たな救済制度の確立を求める――
2013年(平成25年)9月30日
新潟水俣病被害者の 会
新潟水俣病阿賀野患者会
新 潟 水 俣 病 弁 護 団
新 潟 水 俣 病 共 闘 会 議
http://www8.ocn.ne.jp/~heiwa/130930teigenhonbun.pdf
新潟日報 2013年10月13日
新潟水俣病の胎児性患者
(東京新聞【こちら特報部】話題の発掘)2015年6月3日
新潟水俣病でただ一人認定された胎児性患者、古山知恵子さん(五〇)は、新潟水俣病が公式確認された一九六五年に生まれた。一刻も早く全ての被害者の暮らしを保障し、福祉を支えてほしい」。生まれながらに普通の生活を送る権利を奪われ、半世紀の節目を迎えた今も、古山さんの全人生を懸けた闘いが続いている。
「償って」…闘い今も
阿賀野川の漁師の家に生まれ、四歳で患者認定された。車いすを使い、しゃべることができないため筆談で「会話」する。五十年の式典に出席する望月義夫環境相との面談を要望したが、かなわなかった。古山さんは式典参加を見送った。式では、環境相も原因企業昭和電工の会長も患者の福祉について具体的言及はなかった。
二○一二年末に自宅を離れ、新潟市内の障害者支援施設で暮らす。施設職員は忙しく、入浴などで困ることなある。本当は一人暮らしかしたくて、市営住宅入居も考えたがあきらめた。一年半ほど前に熊本県水俣市を訪問した際には、胎児性患者たちの独立した居室があるグループホーム建設の話を聞き、憧れた。
古山さんの主治医斎藤恒医師(八四)はかつて、幼い古山さんと訪れた水俣市で胎児性患者たちがリハビリに励む姿を見て熊本との福祉の違いを実感した。熊本では約七十人が胎児・小児性患者と認定された。新潟の胎児性患者が一人だけなのは、当時、毛髪水銀値が高い妊婦に中絶を奨励し、妊娠を制限する指導をしたためという。差別や偏見への恐れもあった。「著しい人権侵害だった。今も新潟には水面下で認定されていない多くの胎児性患者がいるはずだ」と斎藤医師は指摘する。
古山さんは近年は疲れやすく、体力的な衰えを自覚する。新潟市内に住む母親は七十五歳で、月に二、三回会うが、いつまで元気でいてくれるのか、生活の先行きに不安を感じている。
昭和電工に福祉支援の充実を求める要望書を送る準備を進めている古山さん。
「加害企業のもうけのために水俣病になった。ちゃんと償ってほしい」。筆談の文字に力を込めた。
「殺されたくない 殺したくない」
マンガでわかる
新安保法制=戦争法案のキケン
(全国商工新聞)2015年6月1日
http://www.zenshoren.or.jp/heimin/anpo/150601-01/150601.html
安倍政権は5月15日、憲法9条を破壊する安保法制=戦争法案を国会に提出し、今国会での成立を狙っています。二度と戦争をしないと誓った戦後日本のあり方を大転換させ、米国と一緒に日本を海外で戦争する国につくり変えようとするものです。その危険な内容を漫画で解説します。
堕ちるところところまで堕ちた自民党
どうなる憲法学者たちの反乱の結末
(日刊ゲンダイ)2015年6月11日
憲法学者の決起が全国に広がり世論にも火がついているが、それに対する自民党政治家の反論は聞くに堪えない。改めてチンピラ政権の正体と劣化が暴露されたが、もがけばもがくほど墓穴を掘り6月24日の会期内衆院採決は絶望
どこまで国民をバカにすれば気が済むのか。
憲法学者3人から、安保法案は「憲法違反だ」と批判された安倍内閣がきのう(9日)、「反論」の見解を発表した。いったい、どんな説得力のある「反論」が出てくるのか、どんな「合憲」の根拠を示すのか注目されたが、トコトン国民をなめ切ったものだった。
「合憲」の根拠は、1972年の「政府見解」だというのだ。昨年夏、「集団的自衛権は合憲」と憲法解釈を変更した時も、この「政府見解」を根拠にしている。
要するに、新しい「根拠←はゼロ。従来の見解を繰り返しただけだった。憲法学者3人は、安倍内閣が1972年の「政府見解」を根拠にしていることを十分承知しながら、「憲法違反だ」と国会で批判したのに、それでも平然と同じ根拠を持ち出してきたのだから、なめるにもほどがある。そもそも、1972年の「政府見解」は、「集団的自衛権は行使できない」とハッキリ結論づけているのに、どうして「合憲」の根拠になるのか。┐(´д`)┌
恐らく、どこをどう探しても、合憲の根拠が見つからなかったのだろうが、いかにこの安保法案がデタラメかを証明している。
憲法学者にイチャモンつける異常
それにしても、自民党の対応はヒドすぎる。国会で「憲法違反だ」と批判した学者3人にイチャモンをつけ始めているのだ。
憲法学の権威3人から本質を突かれ、慌てふためいているのだろうが、正論を囗にした学者にケチをつけるとは、どうかしている。完全にヤキが回っている。
高村正彦副総裁は「憲法学者の言う通りにしていたら日本の平和と安全は絶対に守れない」と言い放ち、二階俊博総務会長は「あくまで参考意見だ。大ごとに取り上げる必要はない」と無視を決め込み、稲田朋美政調会長は「国の安全を守るのは憲法学者じゃない」と、学者を軽んじる発言をしている。( ̄^ ̄)凸
しかし、3人の憲法学者は、国会から呼ばれたから参考人として発言したのであって、そのうちのひとり、長谷部恭男・早大教授は、自民党が推薦している。自分たちで招いておきながら、発言が気に入らないからといってイチャモンをつけるなんて許されるのか。とんでもない話だ。
「参考人を呼ぶのは、素人の国会議員では気づかないこと、知らないことを専門家から聞いて、立法に生かすためです。参考人には税金から日当も支払われます。なのに、聒を聞きながら、参考にするつもりもなく、ケチをつけるなんて失礼ですよ。だったら、なぜ呼んだのか。しかも、3人の憲法学者がどう間違っているのか、論理的に説明できない。もし、3人が『合憲』と発言していたら、自民党は『学者も賛成している』と喧伝したのではないか一学者を都合よく利用しようとしたとしか思えません」元法大教授・五十嵐仁氏=政治学)
参考人として発言した小林節・慶大名誉教授、笹田栄司・早大教授、長谷部恭男・早大教授の3人は全員、憲法学の重鎮である。さらに、全国の憲法学者約190人が安保法案に反対する声明を発表している。もはや、安保法案が憲法違反なのは明らかだろう。
菅義偉官房長官は「違憲ではないという学者もいっぱいいる」と豪語しているか、だったら、いますぐ「合憲」と考えている憲法学者を1OO人呼んでくるべきだ。
国民が反対しても黙殺の自民党議員
自民党の劣化は10年前から指僧されているが、もはや堕ちるところまで堕ちたのではないか。
さすがに、かつての自民党は違った。権威ある学者3人から批判されたら、謙虚に受け止めたものだ。「ちょっと立ち止まろう」と党内から自然にブレーキがかかり、ベテランか暴走する執行部をいさめた。少なくとも、自分たちが招いた学者をバカにするような無礼な態度は取らなかった。
ところが、安倍晋三が総理大臣に返り咲いてから、党内の空気は一変してしまった。国会議員が400人もいるのに、誰ひとり安倍首相に異を唱えようとしない。たとえ間違っていると分かっていても、嫌われないように、安倍首相が推し進める政策を一緒になってゴリ押ししている。その結果、自民党全体がヒステリックに憲法学者を攻撃しているのだから末期的である。
「さすがに自民党議員だって、安保法案に無理があることは分かっているでしょう。誰が見ても憲法違反ですがらね。でも、安倍首相が怖くて囗にできない。逆らったら人事で干され、選挙の時、公認してもらえなくなるとビビつている。小選挙区制が導入されたことも大きいですが、やはり一番は自民党議員の劣化だと思う。公認さえされれば当選できると、国民よりも執行部の顔を見ている議員
が圧倒的です。10年前、20年前は、国民が反対する法案には異論が噴出しだのに、これだけ国民か反対している安保法案に反対する声は聞こえない。自民党は完全におかしくなっています」(政治評論家・森田実氏)
幹事長の街頭演説に「帰れコール」
3人の憲法学者が「憲法違反だ」と(ツキリ発言したことで、安保法案に反対する声が一気に広がっている。
先日7日(日)、自民党が街頭演説で「安保法案」の成立を訴えると、市民から一斉に「帰れコール」が湧き上がり、真っ青になった谷垣禎一幹事長は20分で演説を打ち切っている。先週6日(土)に開かれた「立憲主義の危機」というシンポジウムにも、収容700人の会場に1400人が詰め掛けている。
もはや、6月24日の国会会期中に安保法案を成立させることはもちろん、衆院の通過さえ難しい状況である。
安倍自民党は、国会の会期を延長し、最後は数の力で押し通すつもりらしいが、もし「強行採決」したら、自民党は本当に終わりだ。政治評論家の本澤二郎氏が言う。「自民党の街頭演説に市民が声を上げ。演説中町に追い込むのは、よほどのことです。自民党は憲法学者に反論していますが、墓穴を掘っている。自民党がム牛になればなるほど、庶民は安保法案に対して疑いの目を強めている。もともと、世論調査でも安保法案には反対が多かったが、憲法学の権威3人が遍法違反ダと明言したことで、庶民は”やっぱりそうか””そうだよな”と確信したのだと思う。それでも自民党が採決を強行して成立させようとしたら、国民は黙っていないでしょう。国会をデモが包囲し、全国の裁判所に違憲の申し立てか殺到し、あらゆる選挙で自民党を敗北させようとすると思う。自民党議員は、本当にそれでいいのか、考えるべきです」
いま安倍官邸は、大手メディアを使って世論の空気を変える策略を練っているという。憲法学者と国民の分断も考えているらしい。しかし、姑息な手段か通用すると思ったら、大間違いだ。
戦争は「平和」を掲げてやってくる
焦点・論点 東京大学名誉教授(政治学)石田雄さん
(しんぶん赤旗)2015年6月1日
東大社会科学研究所所長を務め、日本軍国主義の背景や要因を研究してきた石田雄さん(91)。学徒出陣から復員後、東大法学部で丸山真男ゼミに参加、戦後政治学を牽引(けんいん)してきました。憲法9条全面破壊の戦争法案の審議も始まるもと、思いを聞きました。
聞き手 中祖寅一
写 真 橋爪拓治
憲法守る主権者の力を示すとき
もともと左翼文学少年たった自分が、軍国少年となり、軍隊での生活を通じ、終戦の時にはポツダム宣言を読んでも、どうして日本が戦争をやめるのか、隊員に説明できないほど理解力を失っていたのはなぜか-。
私は戦後、どうして自分が戦争に加担したのかを反省、探求するために研究者となり、軍国化の要因について研究してきました。
いま安倍晋三首相は、アメリカとの切れ目のない戦争協力の体制を進める一方で、「徴兵制になることは絶対にない」などと言っています。しかし、自衛隊に犠牲者が出れば、たちまち自衛隊の応募者が少なくなり、徴兵制になりかねません。私の孫の世代や、さらに若い世代の人たちに、また戦争で人殺しをさせることになる。そうなったら、私か戦後70年間勉強してきたことは一体何だったのか、生きてきた甲斐(かい)がない。大きな責任も感じます。せめて生きている間に、できるだけのことをしなければと思っています。
警告したいのは「戦争」と「平和」という言葉の使われ方です。安倍首相の「積極的平和主義」という言葉には注意が必要です。
積極的平和主義を、もし「ポジティブーパシフィズム」と訳せば、あらゆる物理的暴力だけでなく、経済的搾取や貧困などの構造的暴力にも反対する概念です。しかし、安倍首相は決してそんなことは言いません。「積極的平和主義」を英語にするときには、[平和に貢献するために積極的に行動する]というように変えています。この場合の「積極的」ということは、実は「武力に頼る」という意味です。
■ ■
安倍首相の言葉を聞いて、私自身も平和を望みながら軍国化の道に進んだことを思い出しました。
1931年、小学生のときに満州事変が起こって以降、10年間、日本は中国での軍事衝突を「事変」と呼び、戦争ではないという建前で戦争し、多くの人を殺しました。
私か影響を受けた戦前の哲学者・三木清でさえ、1939年に「今次事変の世界史的意義」として、時間的には資本主義間題の解決であり、空間的には東亜統一の実現にあると述べました。つまり欧米帝国主義とそれと結んだ中国をやっつける。そうすれば大東亜共栄圏ができ、平和がやってくるといった。左翼文学少年だった私は、貧困問題も解決できるのだと思って、軍国少年へと変わっていったのです。
ところが二十歳になり軍隊に入ると、人を殺さなけれぱならないことに気づきました。しかし、自分には銃剣や軍刀で大を直接殺すことはできない、海軍ならば遠くから撃つだけだろうと思って、海軍を志願し、結局、陸軍になりました。
しかし軍の教科書を読むと、軍は戦闘する組織で上官の命令は絶対です。命令の是非を論じたり、理由を問うことは許されない。
人を突き刺す突撃訓練をしながら、理由もなく殴られそれを叩き込まれます。いつでも誰でも、命令で人を殺す。命令に従わず殺さなければ陸軍刑法では最高死刑でした。
言われたことに対し問いかけが許されない状況に追い込まれ、例えば「平和のための戦争」に異を唱えられない一方的な関係になると、人の思考能力が失われ、組織や社会全体が勳かなくなります。
戦争と軍隊は人の思考能力を奪う。言葉の意味を間うことを許さない軍事的社会と戦争は、人の理解力を奪ってしまうのです。
■ ■
さらに言論が制限され人々の行動の範囲が狹くなるもとで、「特攻隊を志願するものは?」と聞かれると、競って一歩前に出るようになります。そのような忠誠心の競争が起こると、最後は支配者をも自縄自縛にして、いったん始めた戦争をやめるにやめられないことにもなる。実際、戦争末期にはそういう状態になりました。
今、特定秘密保護法や政府の言うとおりに教科書を書かせる、日の丸・君が代の強制などが起こっています。安保法制を[戦争法案]と批判したら議事録から削除するという脅しもありました。これら言論の統制、思想動員の動きは、戦前の教訓から見て非常に警戒すべきです。
安倍首相には取り巻きがいて、右翼的な世論を煽って人気を取ろうとするけれども、それで自縄自縛に陥って、首相自身、引っ込みがつかなくなる危険もあります。
戦前と比べ、現在はより悪くなったところもあることに注意を向けたい。日独伊三国同盟の中で、日本は決してドイツに従属していたわけではありません。しかし、現在、日本はアメリカに従属する安保体制のもとにあり、4月末のガイドライン(軍事協力指針)でも、世界中のどこへでも出かけて、アメリカに切れ目のない戦争協力をすることになっています。
より怖いのは、グローバル化した世界で、アメリカの武力行使に加担すれば、世界中で報復を招く。日本人が世界中でテロにあう危険が高まることです。国内50力所以上の原発が狙われれば、核攻撃を受けるのと同じです。今までより報復の危険が大きい。危険になるのは自衛隊員だけではないのです。
一方、戦前との決定的な違いもあります。
戦前は天皇主権だったのに対し、現在は国民主権の時代であり、平和憲法を武器にして国民が声を上げていけば、十分抵抗していくことはできます。みんなで声を上げ、行動し、安倍政権の戦争政策を批判することです。
■ ■
さらにいま差し迫っているのは、憲法9条をどうするかという当面の闘争の問題です。
重要なことは、9条は、それだけでは書かれた文字にすぎないが、それを生かすのは主権者の力だということです。
9条をめぐっては自衛隊を合憲とするか、専守防衛を認めるか、PKO(国連平和維持活動)で派遣しても武器を使わないなど、いろいろな段階がある。憲法の解釈論でもありますが、どこまで認めるかは、最後は世論の問題です。
90年代以降、海外派兵が拡大し既成事実がつくられました。イラク派兵は、実際には違憲ですが、ぎりぎり自衛隊が直接殺すことはなかった。それに歯止めをかけたのは、憲法9条を生かそうという主権者の運動の力です。いまその力が問われている。
公明党は「新3要件」は歯止めだといっていますが、時の政府の判断に任せる限り、全く歯止めにはなりません。彼らに明確な歯止めを示せなければ、次の選挙で負けると世論の力でわからせる。どこまで与党に圧力をかければ、世論による歯止めを実際に機能させられるか、ここを突き詰めていく必要があります。
私たちには、長期的な課題もあります。
言論統制や思想動員が強まる中で、言葉の創造的機能が失われないようにする努力が必要です。そのために人々が絶えず問いかけ、自分と違った意見と交流し、自分の思考を確かめる。自分よりも不利な状況にあり発言しにくい人の立場にたって、すべての人が発言できるように努力する。現在では非正規労働者など、深刻な状況に追い込まれ、言葉を発することが難しい人々の存在を考えることも重要です。
その努力によって初めて、思想と言葉の本来の機能が発揮されるのではないでしょうか。そうした社会の動きがある限り、希望は持てます。いまいろいろな草の根運動が起き、考える空気が大きくなっていることは希望です。共産党にはそれを支え、励ますような役割を積極的に果たしてもらいたいと思います。
米国の戦争 無法の数かず
戦争法案で参戦の危険
(しんぶん赤旗)2015年6月8日
安倍政権が戦争法案で可能にしようとしている集団的自衛権の行使は、「密接な関係にある他国」=米国の戦争をどうみるかが核心となります。日本共産党の志位和夫委員長は5月28日の衆院安保法制特別委員会で米国の侵略戦争の実態を示し、政府に認識をただしました。質疑からは、米国の無法な戦争に一度の批判もせず、米国の戦争がねつ造と分かっても、当時も今も米国に説明を求めず、誤りを反省しない姿が浮びあがりました。これらの米国の戦争を特集しました。
国連が非難した先制攻撃
グレナダ侵略
1983年10月25日、米国はカリブ海に浮かぶ人口約11万人(当時)のグレナダに対し、東カリブ海6力国軍を引き連れて上陸・侵攻しました。
直前に同国で起こった政変にたいする「自国民保護」と「グレナダの秩序と民主主義の回復」(レーガン米大統領)が侵攻の口実でした。
しかし、当時、在留米人も「われわれの安全は守られていた」などと証言するなど、その口実は崩壊。さらに、侵攻の計画・準備がすでに79年から行われていたことが明らかにされています。
侵攻3日後には侵略軍は約6000人におよび、グレナダとその周辺に配置された米兵は約1万6000人に達したといわれます。
侵攻当日には、グレナダ政府軍と侵略軍との戦闘で、民間人を中心に約700人が死亡したといわれました。
米政府は、グレナダの革新政権を、その発足当初から敵視し、一貫して転覆を画策してきました。
米国の横暴にたいし、国際社会は、「国際法及びグレナダの独立、主権、領土保全の重大な侵害」(国連総会決議)とする厳しい非難の声をあげました。
ところが日本政府は、米国によるグレナダ侵攻の翌日には、中曽根康弘首相が、「遺憾だが、理解できる」と表明。同国運決議には棄権の態度をとりました。
(表参照)
リビア爆撃
米国は86年4月15日、新鋭戦闘爆撃機(当時)30機以上を投入し、リビアの首都トリポリとペンガジにたいする大規模な爆撃を強行しました。
レーガン米大統領は爆撃の理由として、同年4月5日に独西ベルリンのディスコで起きた爆弾テロにふれ「(リビアのカダフィ大佐が)テロを今後行わないよう防止するための防衛手段だ」と主張。リビア爆撃は、具体的証拠にもとづくテロ事件真相究明も、その公表もないままでの暴挙でした。
そもそもテロ行為のような国際犯罪は、国際法にのっとって犯人の逮捕、処罰を行い、それに関与した政府の責任を厳正に問うのが国際的なルールです。
空爆を受けたトリポリ市街では、被害は一般市民や仏大使館などにも及びました。当時、米ABCテレビの特派員は破壊された住宅地域の映像を伝え、多くの子どもが病院に運ばれていると報じました。
爆撃は、同年1月から態勢づくりが進められていたことが明らかになっています。
国際社会は、米国による爆撃を「国連憲章と国際法の侵害」と断じました。
一方、米ワシントンに滞在していた安倍晋太郎外相は4月15日に「米国がこの攻撃をテロに対する自衛措置と説明していることは、米国としての理由がある」と早々と理解を示しました。スピークス米副報道官は16日の記者会見で「日本政府も支持している」と語りました。
パナマ侵略
パナマ侵略は、89年12月20日午前1時にプッシュ米大統領(イラク戦争時のプッシュ大統領の父)が、パナマ国軍司令部への攻撃を命令したことで始まりました。ノリエガ国軍司令官を逮捕し、パナマ運河の保全と米市民の安全を守ることが目的とされましたが、実際は、米国によるパナマ運河の支配の継続をもくろんだものでした。
米報道官は20日の記者会見で、12月15日にノリエガ氏が米国との「戦争状態」を宣言し、その翌日に非武装の米軍兵士がパナマ国軍兵士に銃で撃たれて死傷したことなどを指摘。「大統領が準備していた命令を発令した」と言明しました。
そもそも「戦争状態」宣言が、「あらゆる手段でノリエガを追放する」と軍事介入を示唆していたプッシュ氏への対抗措置という側面を持つものでした。
米4軍2万4000人が投入された侵攻作戦は年明けの1月3日にノリエガ将軍が逮捕されるまで続きました。米軍はこの間に4千人を超えるパナマ人を逮捕。住宅密集地への砲爆撃は多数の市民を犠牲にしました。
米国のパナマ侵略を、国際社会は「国際法と諸国の独立、主権、領土保全へのはなはだしい侵害」と厳しく非難しました。
一方、日本政府は中山太郎外相が91一日に談話を発表し、「多くの死傷者を出す事態になったことは遺憾」としながら、「米国が自国民を保護する軍事行動をとらざるを得なかった背景は理解する」と表明しました。
(山田英明)
うそとでつち上げで侵略
ベトナム戦争
ベトナム戦争は、1950年代末から75年まで、アメリカがベトナム南北統一の実現を妨害して、ベトナム南部に介入、侵略し、北部のベトナム民主共和国を破壊しようとした侵略戦争です。
米国がベトナム戦争を本格化させた64年の「トンキン湾事件」も、米国のでっちあげによるものでした。
同年8月2日、米国はベトナム北部のトンキン湾で、米駆逐艦マドックス号が「国籍不明」の魚雷艇に攻撃を受けた、と発表しました。さらに4日には、北ベトナム魚雷艇から攻撃を受けて、応戦し、2隻を撃沈したと発表。5日、米軍は北ベトナムに「報復」攻撃を開始しました。
米議会は7日、戦時権限を大統領に白紙委任する決議(トンキン湾決議)を、圧倒的多数で可決。これ以後、大規模な北ベトナム爆撃を実行にうつし、65年3月には南ベトナムでの地上戦を本格化させました。
しかし、米政権の「トンキン湾事件」の発表に、国内で疑問が持ち上がりました。68年には
米議会で真相究明の質疑が行われました。
71年、米紙が「国防総省秘密報告(ペンタゴン・ペーパーズ)」を暴露。米政権が戦争拡大の筋書きを数力月前から計画しており、「トンキン湾事件」は、米軍の軍事挑発が原因だったことが明らかになりました。
94年には、64年8月4日の魚雷攻撃がでっちあげだったと、当時米国防長官を務めたマクナ
マラ氏が証言。米国自身がうそを認めたのです。
ベトナム戦争は、ベトナムの国土を破壊し、多くの犠牲を残しました。米国は大量の砲撃弾、非人道的な枯れ葉剤等の化学兵器を使用。ベトナム人約300万人、米兵約6万人が死亡しました。
今でも苦しみは続きます。猛毒のダイオキシンを合む枯れ葉剤を浴びた住民は約450万人にのぼり、先天障害を負った子どもは15万人。完全処理に100年かかる不発弾が、大量に残っています。米側の兵士の1割が、今も心的外傷後ストレス障害に苦しんでいます。
(熊谷愛希)
イラク戦争
2003年3月20日、米英軍がイラクの首都バグダッドを空爆して、イラク戦争を開始しました。ブッシュ米大統領は、開戦の最大の口実として、イラクのフセイン政権が大量破壊兵器を保有していると断定しました。安保理の支持がなく、国連憲章と国際法に根拠を持たない、無法な先制攻撃は、後にその口実もウソだったことが分かりました。
イラクの大量破壊兵器の保有については、国連の査察による平和解決の取り組みが、国際社会の大多数の支持のもとに、本格的な軌道に乗りつつあるときでした。
フランスのドビルパン外相は国運査察が機能している中での武力行使は正当化されないと指摘するなどし、ロシア、中国、ドイツなども反対を示しました。アナン国連事務総長も米英軍の侵略前、安保理の承認しない武力行使は「国連憲章に合致しない」と警告を発していました。
もともと、02年1月、ブッシュ氏はイラク、イラン、北朝鮮を「悪の枢軸」と呼び、体制転覆の意図を示していました。翌年2月、パウエル米国務長官が安保理で「フセイン大統領は大量破壊兵器保有を続けるだけでなく、さらに製造しようとしている」と断言し、イラク侵攻を正当化していました。
大量破壊兵器に関し、米大統領が任命した独立調査委員会が米情報局の誤りを指摘する最終報告を出したのは05年3月。その最終報告で、イラク攻撃前の大量破壊兵器に関する情報のほとんどすべてについて、米情報当局が完全に誤っていたと結論付けました。プッシュ氏は同年12月、ワシントン市内での演説で、誤りを認め、「大統領として、イラク攻撃を決定した責任は私にある」と言明しました。
イラク戦争が終わったのは11年12月。8年9ヵ月に及んだ後に、最後の米軍部隊が撤退しました。イラクでは10万人以上の民間人が犠牲になったとされ、侵攻した米国の側でも約4500人の兵士が死亡しました。心身に傷を負った多数の若者が社会復帰に今も苦しんでいます。
(呉紗穂)
(肩書は当時)
日本政府検証・反省なし
日本政府は、米国のベトナム、イラクの二つの侵略戦争を無条件に支持し、協力者となりました。
米国がでっちあげた「トンキン湾事件」について日本政府は「ベトナム側の攻撃があった」(椎名悦三郎外相、1964年8月10日の衆院外務委員会)と断定し、米国の「自衛権」の発動を「やむを得ざるもの」(同)と支持。在日米軍基地をベトナム攻撃の最前線基地として使用させました。
米国自身が「トンキン湾事件」をねつ造と認めても日本政府は米国に公式な説明を求めず、「有権的な判定をする立場になく、コメントを差し控える」(岸田文雄外相)との対応。いまに至るもまともな検証も反省もしていません。
イラク戦争でも日本政府は開戦前から「イラクは大量破壊兵器を保有している」(小泉純一郎首相)と断定。根拠もないのに世界でいち早く戦争支持を表明し、ブッシュ米大統領を喜ばせました。さらに自衛隊をイラクに派兵し、この戦争の協力者となりました。
外務省は2012年12月、イラク戦争に関する検証報告概要を公表しました。ところが「事後イラクの大量破壊兵器が確認できなかったとの事実については、我が国としても厳粛に受け止める必要がある」と指摘するだけで、[反省]「誤りだった」との認識を示さず、「イラク戦争の核心はイラクが度重なる国連決議に違反し続けたことだ」(岸田外相)と問題をすり替えています。米英首脳が「大量破壊兵器の保有」の情報の誤りを認めているのに、外交ルートを通じてそのことを確認さえしていません。
究極の対米従属
米国の戦争をみたとき鮮明になるのは、日本政府の究極の対米従属ぶりです。安倍政権が戦争法案で集団的自衛権を発動し、米国とともに海外での戦争に踏み出すことがいかに危険かを示しています。
憲法9条の制約の下で、ベトナム戦争のさいには、日本の協力は在日米軍基地の使用にとどまり、イラク戰争のさいには、自衛隊を派兵したものの、「非戦闘地域」での支援にとどまりました。
しかし、この法案が通れば、根本的に事態は変わってきます。米国の無法な戦争に、自衛隊が武力行使をもって参戦することになります。「日本が侵略国の仲間入りをすることになる」。志位委員長は5月28日の衆院安保法制特別委員会で、こう告発しました。
小出裕章先生:国がやってることは、全く科学の原則から逸脱している
大阪都構想住民投票を振り返って
(ラジオフォーラム#127)
https://youtu.be/80qPxp8oKAU?t=14m
14分~第127回小出裕章ジャーナル
【公開収録より】質疑応答編「米国は軍隊が守ってるんですね、原子力発電所。テロがあるといけない。労働者がサボタージュをするとそれも危ないということで徹底的にその管理をするというようなことをやるわけです」
http://www.rafjp.org/koidejournal/no127/
西谷文和:
ご来場頂いてるリスナーの皆さんの質問に、今から直接小出さんにお答え頂こうということで、その主旨で行きたいと思います。まず最初は奈良県からお越しの○○さんから、この戦争とテロと原発の関係について質問を受け取るのですが、○○さんおられますでしょうか?そしたら挙手で。
来場者:
今まで憲法9条があったために戦争をしない国で来られたから、ところがやっぱり集団的自衛権を認めさせると敵ができるわけですから、そこの人達が日本入って来て、『原発ホワイトアウト』に書いてあったように、原発を休んでても爆発させられるわけですから、そういう危険が私は一番怖いと思ってるんですけれども、そこら辺は小出さんどう考えてらっしゃいます?
小出さん:
もちろん、危険です。米国なんかは、じゃあ原子力発電所をどうしてるかと言うと、軍隊が守ってるんですね、原子力発電所。テロがあるといけない。それから、労働者がサボタージュをすると、またそれも危ないということで、徹底的にその労働者の管理をするというようなことをやるわけです。
かつて、ドイツのロベルト・ユンクという人が本を書いたことがありまして、原子力なんていうものをやってしまうと、個人個人の自由が奪われると。
テロから防ぐ、あるいは核物質を守らなければいけないというようなことを口実に、徹底的に個人の自由が制限されるようになる。それで、「原子力帝国」という名前で言いましたけれども、原子力をやってしまうと、そんな国になってしまいますよというふうに警告されました。もちろん、そうなるだろうと思います。
原子力発電所を例えば、敵国から守らなければいけない。テロから守らなければいけない。悪い労働者から守らなければいけないということになれば、どんどんどんどん警備を強化する、軍隊を強化するという方向に行くしかなくなってしまうわけで、まさにそれは安倍さんの望んでいる方向に向かっていくということだと思います。ですから、安倍さんの望んでる方向を阻止しようとするなら、もちろんだから軍備もやらせてはいけない。憲法も守らなければいけないし、原発も止めなければいけないということだと思います。
※核セキュリティ(外務省)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/dns/n_s_ne/page22_000968.html
原子力関連施設警戒隊 - Wikipedia
西谷:
『原発ホワイトアウト』の話をされてたと思うんですが、あの中に送電線をこかしたら原発はメルトダウンするって、これは本当なんですか?
小出さん:
ですから、>福島第一原子力発電所で原子炉がメルトダウンしてしまったのも、外部の送電線がみんなひっくり返ってしまって、外部からの電源がなかったからなんですね。もちろんそんなことになれば、原子炉自身は止まってしまいますし、送電線は自分で発電できない。外部の送電線からも電気を得られないということになるわけで。
あとは、最後の頼みは非常用の発電機なのです。福島の事故の場合には、その非常用の発電機が津波でやられてしまって、命を絶たれたということなのです。ですから送電線を破壊するだけでは、必ずしもメルトダウンにはなりません。その非常用の発電機も潰さなければいけませんけれども、でも本気でやる気になれば、たぶん可能だと思います。
西谷:
結構、脆い物だということですね?
小出さん:
そうですね。
西谷:
5重の壁に守られて絶対安全というのは、全く嘘だったということですね?
小出さん:
もちろん。はい。
西谷:
はい、わかりました。それでは続いての質問ですが、和歌山市からお越しの○○さんですがね。福島の子ども達のことを心配されておるんです。どちらにおられますかね?はい。
来場者:
和歌山市で毎年、福島の子ども達を40人ぐらい呼んで保養させるというボランティアに少し参加してるんですが、福島の子ども達の健康状態は今どんなふうに調査されてて、また公表されてるんでしょうか?
小出さん:
はい、それもとっても難しいご質問ですけれども、例えば被ばくをすると、私自身はもう様々な病気が出てくるだろうと思っています。ただしこれまでのいわゆる、学問的なデータの蓄積から言うと、癌や白血病が増えるということぐらいしか明確にはわかっていないのです。その癌や白血病の中に甲状腺の癌というのがありまして、子どもの甲状腺の癌というのは大変珍しいと、これまでは言われてきたのです。
100万人に1人というぐらいしか子どもには甲状腺癌なんか出ないというのが、これまでの学問の常識だったのですけれども、福島では、もう30数万人の子ども達を調べたところ、100人を超える甲状腺癌が発見されて、それも悪性だということで、手術をされているというそういう状況になっているのです。
少なくともこれまでの科学的なデータからすれば、全く異常なことが起きてるわけですけれども、それでも国や電力会社の方は「いや、これは調査をちゃんときちっと厳密にやったから発見したんであって、被ばくとは関係ありません」というようなことを言ってるわけです。でもこれまで全然調査もしてこなかったわけですから、それならきちっと調査をしてみましょうというのが科学的な態度であるのであって、今の国がやってることは、全く科学の原則から逸脱していると私は思います。そのように、たぶん鼻血が出ている子どもが多いとかですね、様々な苦しみは子ども達が言ってるわけですから、たぶん私はあるだろうと思っています。
それをこれからきっちりと調査をして、因果関係を突き止めていかなければいけないのですが、残念ながら安倍さん率いる日本の国は、むしろそんなことはしないで、福島のことを忘れさせてしまおうというそういう作戦に討って出ているわけですから、こうなれば仕方がないので、今おっしゃって下さったように、私達自身が子供たちを福島の被爆地から少しでも引き離して、子供らしく遊べるような環境をやはり作っていかなければいけないんだろうと、私は思います。
西谷:
だいぶもう事故から4年経ちまして、放射能が下がったみたいな報道がされてるんですが、やはり危険性は変わってないということでしょうか?
小出さん:
福島の事故で一番危険な放射性物質は、私はセシウムだと言ってるのですが、その中には2つありまして、134という番号の付いたセシウムと137という番号の付いたセシウムがあって、事故直後はほとんど1対1で同じぐらい危険だったんですけれども、134の方は半分に減るまで2年という短い寿命の放射能。で、137の方は30年経たないと半分にならないというものですから、137はほとんど変わっていないのです。でも、134の方は既に事故か4年経っていますので、半分になってまたその半分になる。当初の4分の1ぐらいの量に減ってくれていますので、被ばくの量はそれなりに減ってきていると思います。
西谷:
大阪市から来られた○○さん、京都大学のこともお聞きなので、ちょっと質問をお願いします。
来場者:
はい。この春で京都大学助教という肩書が取れたなかで、どのようなかたちでですね、活動をされていくのかなということをお聞きできればなと思います。
西谷文和:
プライバシーに反しない程度でおっしゃって下さい。
小出さん:
はい。私今日、原子炉実験所の所長の所に行きまして、「京都大学総長 山極壽一」という人の名前が付いた退職辞令というのをもらい…
西谷:
今日、もらいはったんですか?
小出さん:
はい、もらいました。すぐゴミ箱に捨てましたけれども。
西谷:
えーっ、そうなんですか。
小出さん:
私は定年退職です。でも始めに申し上げたように、定年というのは単に社会的な制度のひとつに過ぎないわけですし、雇用関係が切れるというだけのことですから、私にとっては何のこともありません。ただし、これまで原子炉実験所で私が仕事をしてきたたくさんの装置を自由に使えるという立場にいたわけで、私にしかできない仕事、皆さんにはできなくて私にしかできない仕事というのは山ほどあったわけで、それをこれまで私はやってきたわけです。
放射性廃棄物処理棟で説明する小出裕章先生
それは、もうこれから手足をもがれてしまいますので、これまでやってきたような仕事はできなくなるということは仕方のないことだと思います。それから、定年というのは社会的な制度に過ぎないと言いましたけれども、私も生き物ですのでどんなことをしても老いていきます。そして、いつか死ぬというのは生き物として避けようがないわけですし、定年という社会的な制度も、そういうことを自覚しろというひとつの一里塚だと私は思いますので、手足がもがれた状態で私に何ができるかということを考えながら、少しずつやはり退いていくしかないだろうと思っています。何が私にできるか、他の方にはできないで、私にしかできないというような仕事をこれから厳選しながら少しずつ退いていきたいと思っています。そのことだけお許し頂けるかなと。
西谷:
新聞記事を読みますと、なんか今後は仙人のようになると書いてます。ぜひ下界にも降りて頂きたいと思います。小出さん、まだまだ私達は必要としております。頑張って頂きたいと思います。小出さん、どうもありがとうございました。
小出さん:
ありがとうございました。
西谷:
今日は3月27日の公開収録から、リスナーの皆さんのご質問にお答え頂きました。以上、小出裕章ジャーナルでした。
原子力帝国:訳者あとがき
(マスコミに載らない海外記事)2011年8月24日
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-0e0d.html
低線量放射線被曝とその発ガンリスク
今中哲二 京都大学原子炉実験所
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No110/kagaku050711.pdf
国が進めている、福島の避難・除染政策は甘いのではないか
http://dai.ly/x14eoyl
追跡!真相ファイル「低線量被ばく・揺らぐ国際基準」
http://dai.ly/xpedoe
「子を持つ母」の視点から、どの程度の放射線基準が安心できるのかを問う番組。食品による内部被曝を心配しているお母さんは『国際基準』というものを全然信用していない。一体ICRPの基準ってどうやってできたのか?真相が明らかになる。2011/12/28
汚染地帯からの報告 第1回 ベラルーシの苦悩
http://dai.ly/xy9rfx
1986年4月に起きたソ連のチェルノブイリ原発事故で国土の4分の1が放射性物質に汚染されたベラルーシ共和国。原発からの距離が15キロから80キロの範囲に位置するホイニキ地区(日本の郡に相当)はその大部分が汚染地域となり多くの村人が故郷を離れざるを得なかった。(注:ベラルーシで汚染地域と呼ばれるのはセシウム137で、1キュリー/平方キロメートル=37000ベクレル/平方メートル以上のエリア)
しかし農場長(村長に相当)のニコライ・サドチェンコさん(65)は村に残り、この26年間、放射能汚染と格闘しながら農業の再生に取り組んできた。一方汚染地域から避難した人々の中には、故郷を失った悲しみや移住先での差別にいまも苦しんでいる人が少なくない。故郷で死にたいと、全村避難した村に戻って暮らす老人たちもいる。
事故から26年、ベラルーシの人々はどのように放射能汚染と戦ってきたのか。農業再生に取り組んできたニコライさんと故郷を失った移住者たちの今を取材した。
チェルノブイリ・汚染地帯からの報告(2) ウクライナは訴える
http://dai.ly/xyfy4m
NHK Eテレ アンコール シリーズ チェルノブイリ原発事故・汚染地帯からの報告 第2回
ウクライナは訴える 2013.3.25.
2011年4月、チェルノブイリ原発事故25周年の会議で、ウクライナ政府は、汚染地帯の住民に深刻な健康被害が生じていることを明らかにし世界に衝撃を与えた。
チェルノブイリ原発が立地するウクライナでは、強制避難区域の外側、年間被ばく線量が5ミリシーベルト以下とされる汚染地帯に、事故以来26年間、500万人ともいわれる人々が住み続けている。
公表された「Safety for the future未来のための安全」と題されたウクライナ政府報告書には、そうした汚染地帯でこれまで国際機関が放射線の影響を認めてこなかった心臓疾患や膠(こう)原病など、さまざまな病気が多発していると書かれている。
特に心筋梗塞や狭心症など心臓や血管の病気が増加していると指摘。子供たちの健康悪化も深刻で2008年のデータでは事故後に生まれた子供たちの78%が慢性疾患を持っていたという。報告書は事故以来蓄積された住民のデータをもとに、汚染地帯での健康悪化が放射線の影響だと主張、国際社会に支援を求めている。
国際社会に支援を訴えながら、放射線の影響とは認められていないウクライナの健康被害。チェルノブイリ原発事故から26年たった現地を取材し、地元の医師や研究者にインタビュー、ウクライナ政府報告書が訴える健康被害の実態をリポートする。
過半数の村民が国の帰還政策に反旗
(東京新聞【こちら特報部】)2015年6月8日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015060802000134.html
福島原発事故で、避難指示が大幅に遅れた福島県飯舘村。事故発生から四年が過ぎ、国や村は汚染から目を背けるかのように、村民の早期帰還を急いでいる。こうした流れに対し、村民たちが結集し、異議申し立てに動いた。名を連ねたのは全村民の約六割。まずは村長と村議会の態度をただす文書を突きつけた。募る望郷の念をのみ込み、村民らは現実を直視し、避難先での生活再建や完全賠償を訴えている。
(榊原崇仁)
「避難解除 同意ない」「慰謝料継続要求を」
飯舘村民6割村長に申し立て
「なんで加害者が決めることに、被害者が従うんだ。こっちが言うべきことは、ちゃんと言わなきゃだめだ」
今月三日、福島市の飯舘村役場飯野出張所。菅野典雄村長との面会を終えた村民の長谷川健一さん(六一)はそう声を荒らげた。
「加害者」である国は現在、帰還促進の動きを強めている。自民、公明両党は先月二十九日、「復興加速化」の提言を安倍首相に提出した。その中身は、帰還困難区域を除いた二〇一七年三月までの避難指示の解除、東京電力による避難住民への精神的賠償(慰謝料)支払いの一八年三月打ち切りなどが柱だった。
「村民の同意なしに国の避難指示解除に同意しないことを明確に表明せよ」「避難慰謝料支払いを継続するよう要求すること」
長谷川さんたちは菅野村長にこう申し入れ、一週間以内に回答を示すよう迫った。村議会にも同じ趣旨の請願書を提出した。
この申し入れは、少数派によるものではない。約五千九百人の村民のうち、約三千人は「飯舘村民救済申立団」に参加し、東電に賠償を求める裁判外紛争解決手続き(ADR)を始めているが、長谷川さんはそのトップ。さらに他の三団体も申し入れに名を連ね、同意する村民の総数は約三千四百人に上った。
ただ、菅野村長は帰還に前のめりだ。一一年末の段階で「二年後の帰還開始」「五年後の全村帰還」という目標を示していた。
長谷川さんは「戻って生活できるのか。農林業や商工業が再開できるめどは立っていない」と訴える。申し入れに参加した村民の岡本易さん(八〇)も「避難生活は精神的に限界。飯舘で落ち着いた暮らしをしたい。だけど、放射線量が高い」と語り、元村職員の菅野哲さん(六七)は「村民の間で十分な議論がないのに、帰還の話ばかり進むのはおかしい」と疑問を呈す。
長谷川さんは、かつて菅野村長の選挙で出納責任者を務めたが、原発事故後に対立。溝は深く、今月三日の面会も三分ほどだった。申し入れ書を読み上げ、手渡すだけで終わった。
前回村長選では、現村長が無投票で再選したが、長谷川さんは「対立候補を立てなかったのは大失敗だった」と悔やむ。それというのも、次回選挙は来年の予定だが、それを待つと国による半強制的な帰還に歯止めがかからないからだ。
一方、当の村長は報道陣の取材に「ああいう人(長谷川さん)もいる。そうでない人もいる。総合的な判断です」と述べる一方、「(避難指示解除の話を)村に持ってこられてもどうしようもない。すべて国の中でやるわけですから」と、あくまで国の方針に追随する姿勢を鮮明にした。
帰りたいが…苦渋なお高線量 根深い不信
決めるのは村民
飯舘村は村域の大半が、福島第一原発から三十キロ以上離れている。しかし、事故による放射能汚染にひどく翻弄(ほんろう)されてきた。
緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の試算では、大量の放射性物質は北西方向に広かっており、飯舘村に及んでいるのは明らかだった。だが、政府がデータを公表したのは最初の爆発から十日以上たってから。避難指示を出したのはさらに1ヵ月後だった。(;`O´)o
避難が大幅に遅れた影響は数字に表れている。
県は事故後四ヵ月の行動記録を基に、県民一人一人の外部被ばく線量を推計している。直近のデータで一〇ミリシーベルト以上となったのは百八人おり、半数以上の五十七人が飯舘村民だった。
この調査は回答率が二割台に低迷するなどの難点があるが、他地域に比べ、避難が遅れた飯舘村民たちの被ばく線量が突出している現実が浮かび上がる。
無用の被ぱくを強いられた怒りからか、村民たちの警戒心は緩まない。
復興庁などが一月に実施したアンケートでは、帰還を望む回答者は三割弱にとどまった。帰還しない理由の最上位は『放射線量の低下が不十分』だった。
実際、村が置かれた状況は厳しい。京都大原子炉実験所の今中哲二助教は「飯舘村が放射線汚染と向き合っていく上で今後、数十年先を見据えた対応が必要になる」と指摘する。
今中助教や金沢星稜大女子短期大学部の故沢野伸浩教授らがつくった調査グループは事故直後から毎舂、村内全域を巡り、空間線量を測っている。測定箇所は二百ヵ所前後に上る。
線量の平均値は一一年三月が毎時六・七マイクロシーベルトだったのに対し、今年三月は〇・
七七マイクロシーベルト。これらは車内での測定値のため、屋外の空間線量は約五割増しだ。
いずれにせよ、空間線量は四年間で十分の一程度まで減ったことになるが「事故前は毎時○・○四マイクロシーベルト。まだそれをはるかに超えている」(今中助教)。
村の大半を占める森林は斜面の崩落の危険性があるため(除染を行わない。
今中助教はこの点も踏まえ、「線量が下がったのは除染効果ではなく、自然減衰したと見るべきだ」と語る。多くの放射性物質がこの四年間で、半減期を繰り返し迎えた結果として、線量が下がったという。
「しかし、あと一、二年で、半減期が三十年のセシウム137ばかりが残り、自然減衰はほとんど見込めなくなる」。すなわち、線量が高止まりする中で、村での生活を選ぶか否かが問われることになる。それでも、政府は除染で状況を打開しようとしている。特に宅地の除染に熱心で、既に村内の97%を終えた。だが、日本大の糸長浩司教授(農村計画学)は「画一的なやり方では限界がある」と懐疑的だ。
糸長教授は昨年七月、飯舘村民の協力を得て村内の住宅を巡り、敷地内の土にどれだけ放射性物質が含まれているか調べた。
宅地の除染では深さ五センチまで土を取りのぞき、新しい土を入れているが、深さ五センチよりも下の層を調べると、除染前の地表面と同じ濃度の放射性物質が検出された場所もあった。
理由には詳細な検討が必要だが、子どもが遊びで土を掘れば、高濃度の放射性物質が下の層から出てくる危険性がある。イノシシが土を掘り返すことも、村民たちは懸念している。
放射線の脅威は容易に消えない。今中助教はこう訴える。「被ばくをどこまで許容するかは、人それぞれが折り合いを付けるもの。だからこそ、一方的に帰還を促すようなことがあってはならない」
「飯舘村の宅地・住宅内放射線量調査」糸長 浩司
https://youtu.be/v-LEKJ53miY
土台がいつ、どのように変わるかわからないようなところで、立派な建物を築けるはずがない
93歳 寂聴さん国会前へ
戦争法案反対集会で訴え “寝てはいられない”
(しんぶん赤旗)2015年6月19日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-19/2015061901_02_1.html
20150618 戦争法案反対国会前集会で瀬戸内寂聴さんが訴え
https://youtu.be/g1gUUa6MEys
憲法だけ、米国の「押しつけ」と主張するのはなぜ?
(東京新聞【こちら特報部】)2015年6月12日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015061202000189.html
安保関連法案は国会で審議中だが、骨子は四月に米国政府と合意した「新たな防衛協力指針(新ガイドライン)」に示されている。国会審議の前に米国と約束とは国民主権の無視もはなはだしいが、こうした自民党の対米追随姿勢は枚挙にいとまがない。環太平洋連携協定(TPP)交渉もその一つだ。ところが、現行憲法だけは「米国の押しつけ」と例外扱いだ。このねじれは何を意味しているのか。
(榊原崇仁、三沢典丈)
オスプレイ配備・基地問題・TPP…も米圧力
安保関連法案の主な中身は、米政府と再改定で合意した新ガイドラインの内容を色濃く反映している。
新ガイドラインで「日本の平和・安全に重要な影響を与える事態」で日米協力を可能にすると定めたことを踏まえ、周辺事態法改正案では自衛隊の活動範囲の地理的制限を撤廃。武力攻撃事態法の改正案も、集団的自衛権の行使要件として「存立危機事態」を挙げた新ガイドラインの内容がそのまま盛り込まれた。
米国への従順さは、今に始まったことではない。
一九九一年の湾岸戦争で日本は多国籍軍側に百三十億ドルの財政支援をしたが、米国に「小切手外交」と非難されたため、国連平和維持活動(PKO)協力法を整備。二〇〇一年には、米軍などのアフガニスタン攻
撃の支援にテロ特措法を成立させ、海自がインド洋で給油を実施。○三年にはイラク復興支援特措法に基づき、自衛隊を「人道派遣」したが、米国の要請で戦地のバグダッドへ多国籍軍の兵士を輸送していた。
最近では、「欠陥機」という指摘もある米国製の垂直離着陸機MV22オスプレイの購入を決定。防衛省は佐賀空港を拠点に十七機を順次配備する計画だ。
基地問題をはじめとして米軍の駐留にも、常に平身低頭だ。日米安保条約に基づく日米地位協定で、米兵らの特権が認められていることは周知のところだ。
七二年の沖縄返還の裏で「米国が自発的に支払う」とされた米軍用地の原状回復費四百万ドルを日本側が肩代わりする密約が交わされた。
日本側が負担する在日米軍駐留経費の一部である「思いやり予算」は、二〇一四年度では千八百四十八億円(防衛省)に上る。
「押しつけ」は軍事、防衛分野にとどまらない。
米国が旗を振るTPPの締結をめぐっては、自民党は一二年末の衆院選で「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、交渉参加に反対」と公約に掲げた。
しかし、安倍首相は第二次安倍内閣成立から間もない一三年三月、一転して交渉参加を表明した。(`・ω・´)
そもそも米国は毎年「年次改革要望書」という文書を示して、規制緩和を「指南」してきた過去がある。大型店の出店を規制する大規模小売店舗法の廃止が実現されたほか、郵政民営化についても要望書の内容を踏まえ、小泉純一郎元首相が実現している。《゚Д゚》
例を挙げれぱきりがないが、自民党は日本の主権が疑問視されるほど米国に従順なのに、なぜか憲法だけは例外扱いしている。
同党が四月に発表した改憲推進漫画には「憲法の基を作ったのがアメリカ人」で、改憲抜きには「いつまでも敗戦国」と記されている。その主張の妥当性はともあれ、現実の米国追随外交と「反米」的な改憲論はどう接合しているのか。
失敗した 戦後の自立戦略
「対米従属が日常化」
「不満の代償憲法憎悪」
識者たちはこうみる。
思想家の内田樹氏は「戦後の社会制度は憲法だけでなく、教育、医療、土地など国家体制全部が米国の押しつけ」と指摘したうえ、憲法を例外扱いする思考の背景には、日本の外交戦略の失敗があると考える。
内田氏は「与党の政治家たちは戦後、対米従属を通じて主権や国土の回復を図るという『迂回(うかい)戦術』を受け入れざるを得なかった」とみる。一方、米国側の戦略について、京都精華大の白井聡専任講師(政治学)は天皇制の温存や戦前戦中の支配層の戦争責任を曖昧にする「敗戦の否認」を日本側に与えることで、日本を円滑に従属国として統治してきたという。
その後、米ソ冷戦の激化に伴い、米国は戦略を変更する。だが「米国は朝鮮戦争で日本に再武装を求めたが、時の首相の吉田茂は九条を理由に本格的再武装を拒否することができた。ベトナム戦争の時も出兵を回避できた」(白井講師)。
八〇年代半ばに転機が訪れたと内田氏はみる。戦争体験者が表舞台から退くとともに、日本側が対米従属に身を乗り出した。「主権回復の方便だった対米従属が日常化し、国策を自己決定するという主権国家の意識が消えて、米国が許諾しそうな外交政策しか起草しなくなった」 (内田氏)
そうした中、自民党のタカ派には固有の感情が残ったと内田氏は指摘する。「タカ派には明治維新から戦前まで、軍事力を背景に列強に対抗できたという成功体験の幻想から「主権国家とは戦争ができる国」との妄想が生き残っていた」
内田氏によれば、冷戦後に弱体化した米国は日本に軍事的負担を分担させようとしてきた。しかし、同時に独自の国防戦略を持つことは許さない。その結果。「タカ派は軍事的に対米従属しつつ、武力行使することで、戦争できる国=主権国家を目指すことにした。戦争で手が血で汚れれば、主権が回復されるかのように、主権の意味を矮小化した。米国の属国にもかかわらず、主権国家であるかのように自己確認したいという倒錯した意図に基づいている」と説明する。
「憲法は押しつけ」論はこうした背景を隠す演出だという。ただ、米国も否定しない。「なぜなら、日本を軍事戦略に組み込みたい米国の障害は憲法九条。米国は改憲を許諾するに決まっている」(内田氏)
白井講師は「安倍首相らも米国の意向を忖度(そんたく)することでしか、ものを考えられないほど深く従属している。一方、米国の置き土産
である憲法を憎悪する。彼らにとって戦力不保持は耐えがたいコンプレックスとなり、隷属による不満の代償として憲法を憎むのだろう」と説く。
その上で「首相は『戦後レジームからの脱却』と言いながら、その出発点のポツダム宣言さえ読んでいない。読みたくないのだろう。世襲の中で権力が劣化してしまった。『押しつけ憲法』を嫌えば嫌うほど対米従属を深めることになるという基本的な仕組みを理解していない」と言う。
白井講師は「押しつけは憲法だけじゃない。『対米従属』『戦前からの支配層の維持』という戦後日本の体制も米側の思惑が具体化されたもの。押しつけが嫌なら、戦前戦中からの支配層の系譜に属する首相は身を引くべきだ。でも、そうしない。彼らは単なるご都合主義者だ」と皮肉る。
対米従属下で軍備を増強し、最終的に米国と肩を並べるような「帝国の復興」を夢描くことも「非現実的。そんなカネがどこにあるのか」と突き放す。
内田氏は「戦争ができる国になる許可を米国からもらうことを自立と信じる人たちが、安保法制の成立を急いでいる。壊してよいと許されたものを壊し、満足したいだけだ」と話した。
樺美智子 - Wikipedia
ほしいのは改憲への白紙委任状?
安保法制「議論」を解く
(東京新聞【こちら特報部】)2015年6月4日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015060402000173.html
この間の安保関連法案の国会質疑を聞いて「分からない」と思った人は少なくないはずだ。まともな反応だ。政府答弁は「ご都合想定」「二転三転」「論理破綻」「意味不明」などのオンパレード。とても国民に理解を求めているとは思えない。むしろ、「分からない」国民から白紙委任状を取り、法案を成立。その後は憲法と合わないという理屈で改憲に突き進む…そんなシナリオが透ける。
(篠ケ瀬祐司、林啓太)
安保法制国会答弁
他国領域で武力行使 「例外」増殖、危険否定
そもそも話が分からないのは、政府の示す想定自体に無理があるからだ。
集団的自衛権の行使容認を閣議決定するため、安倍首相は昨年五月、記者会見でその趣旨を説明した。
そこでは赤ちゃんを抱く母親らが米艦に乗る説明図を掲げ、現在の憲法解釈では自衛隊が米艦を守れないとし、必要性を強調した。(?_?)
今国会で、首相は「他国の領域で武力行使しない」と言いつつ、例外として中東・ホルムズ海峡での機雷掃海活動を挙げている。
「受動的、制限的」と説明しているが、米軍の規定では能動的な武力行使だ。
同志社大の内藤正典教授(現代イスラム地域研究)はこうした想定は「あり得ない」と切り捨てる。
「常識で考えて、避難民は戦火をくぐって米艦に向かう前に、民間機で退避する。機雷も誰がまくのか。海峡を通さないと石油を積み出せない産油国は、自分の首をしめはしない」
では、なぜそうした想定を提示するのか。内藤教授は、国会や国民に「白紙委任させるための単なるアリバイづくり」と批判する。「結局、過去にやったことのある機雷掃海で仕方がないと思わせ、後はいろいろな形で(集団的自衛権を)使おうと考えているのではないか」
◇ ◇ ◇
「他国の領域で武力行使をしない」なる説明のメッキもすぐはがれた。
「例外」という言葉が次第に増え、首相は他国領海で米艦が攻撃された際、日本が反撃する可能性を否定しなくなった。内閣法制局長官は憲法解釈で、敵基地攻撃が許されないわけではないとまで答えた。
転がり続ける答弁の最たる例は、先月二十八日の特別委での岸田文雄外相の答弁だ。外相は軍事的な影響がなければ、自衛隊が他の国の軍を後方支援する重要影響事態とは考えないと答えた。だが、今月一日の答弁では「軍事的な観点を含めて」判断すると、軍事的影響なしでも、後方支援が可能と軌道修正した。
そうした中、「自衛隊員のリスク(危険)は増えない」という点だけは懸命に繰り返している。首相に至っては「(安保)法整備により、国全体や国民のリスクが下がる」と、露骨に論点をずらした。(ーー゛)
自民党国防族の岩屋毅衆院議員ですら「リスクが増える可能性があるのは事実だ」(一日、特別委)と言明しているが、軍事ジャーナリストの前田哲男氏は四月の新日米防衛協力指針(ガイドライン)に真相が示されているという。
「例えば、ガイドラインには『米国による戦闘捜索・救難活動への支援』がある。墜落戦闘機のパイロットの捜索などだ。新法は『戦闘』を抜いて『捜索救助活動』とし、非戦闘地域で実施するが、救助を始めていれば、戦闘地域になっても継続できるとある。戦闘現場での活動が続く可能性がある。リスクが増えないなどナンセンスだ」
極まる無責任
国民無視 首相、やじ謝罪もおざなり
議論は論理的であってこそ、初めて成立するが、その土台もぐらぐらだ。例えば「武器使用」と「武力行使」の違いがそうだ。
先月二十七日の特別委で柿沢未途衆院議員(維新)が「武力の行使と武器の使用の違い」が分からないと詰め寄ると、中谷元・防衛相は、それでは議論にならないとあざけった。
ただ、柿沢氏の指摘は当然だ。安保法制が成立すれば、自衛隊は海外で後方支援や治安維持活動を担う。そこで「敵」に襲われることになれば、反撃する。これは事実上の戦闘だ。それでも「武力行使」ではなく「武器使用」扱いだ。
政府は過去の自衛隊派遣に絡み、武器使用と武力行使の違いを定義した。海外での武力行使は憲法九条に抵触するため、自衛隊員が自身を守るための武器使用は武力行使とは異なるという理屈をひねり出した。
だが、国連平和維持活動(PKO)の現場では双方に違いはない。まして、相手方からは同一だ。政府の論理の方がもともと破綻しており、海外活動がエスカレートしても、その理屈を押し通そうとしている。
◇ ◇ ◇
質疑が核心に迫ると、意味不明の説明でけむに巻く手法も多用されている。
首相が先月二十八日の特別委で説明した外国軍の後方支援を許容する重要影響事態の判断基準はこうだ。
「事態の個別具体的な状況に即して、主に、当事者の意思、能力、事態の発生場所、また事態の規模、態様、推移をはじめ、当該事態に対処する、日米安保条約の目的の達成に寄与する活動を行う米軍、その他の外国の軍隊等が行っている活動の内容等の要素を総合的に考慮をして、わが国に戦禍が及ぶ可能性、国民に及ぶ被害等の影響の重要性等から、客観的、合理的に判断することとなる」?ᐠ( ᐝ̱ )ᐟ?
何を言っているのか、分かる方がおかしい。ただ、「総合的な考慮」や「客観的、合理的な判断」を政府がすると言っていることは分かる。つまり、全権委任せよと言っているようにしか聞こえず、国民の意思が入るすき間はない。
◇ ◇ ◇
安保関連法案が成立すれば、自衛隊員が背負う危険は高まる。派兵され、仮に死傷した場合、あるいは相手を殺し、傷つけた場合、「国会の答弁」と違うといっても政権が責任を検証するとは考えられない。その分、居丈高なのだろう。
日本も支持した○三年のイラク戦争では、米英が開戦の根拠としたイラクの大量破壊兵器はなかった。
英国などは後に責任追及したが、首相は昨年五月、国会で「累次にわたる国連決議に違反をしたのはイラク」と言い放った。
過激派組織(イスラム国IS)」による人質事件をめぐる政府対応も当事者の官僚らが「検証」。そもそも、福島原発事故の刑事責任ですら問われない。
戦史・紛争史研究家の山崎雅弘氏は安倍政権の「強気」について「メディアが報じないので、無理をしても政権が転覆するほどの反発は起こらないと、高をくくっている」とみる。
ゴールは改憲だが、山崎氏は「国民は改憲のインパクトを十分に認識していない。軽い気持ちでゴーサインを出してしまいかねない」と危ぶむ。
先月二十八日の特別委で、首相は辻元清美衆院議員(民主)に対し、「早く質問しろよ」とやじったのに自説を延々と述べて、私に答弁する機会を与えなかった」と釈明した。
やじが飛んだのは、質疑の想定時間の終了前後だった。民主党関係者は会派の持ち時間の範囲内であり、首相の釈明自体が虚偽だと激しく非難した。
そもそも、議員は国民を代表して質疑権を持ち、閣僚は答弁の義務を負うという関係だ。国民の声は首相の耳には届いていない。
安保法案「立憲主義の危機」シンポ 土台変えては建物は建たない
(東京新聞【こちら特報部】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015061002000150.html
集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案について、そもそも「憲法違反だ」という意見が、憲法学者らの間でますます強まっている。憲法学者や政治学者らでつくる「立憲デモクラシーの会」が六日に東京都内で開いた「立憲主義の危機」と題した集会には、千四百人を超える聴衆が詰めかけ、この問題に対する関心の高さがうかがえた。佐藤幸治京都大名誉教授、樋口陽一東京大名誉教授、石川健治東京大教授の三人によるパネルディスカッションの模様を当日の熱気とともに紹介する。
(三沢典丈、榊原崇仁)
■参加者の4氏
■佐藤幸治
さとう・こうじ 憲法学。 1937年生まれ。日本学士院会員。政府の司法制度改革審議会会長や行政改革会議委員も務めた。
■樋口陽一
ひぐち・よういち 比較憲法学。 1934年生まれ。東北大、東大、早大、パリ第2大などで教授・客員教授を歴任。
■石川健治
いしかわ・けんじ 憲法学。 1962年生まれ。東大卒。東京都立大法学部助教授、同教授を経て現職。
■杉田敦(司会)
すぎた・あっし 政治学。 1959年生まれ。原発稼働の是非を国民投票で決めるよう求める運動にも関わる。
■基調講演
佐藤幸治・京大名誉教授
日本国憲法は、人権を保障し、立憲主義をよく具現化した憲法となった。占領軍による押しつけだと言われるけれども、政府や国民が軍国主義や全体主義にからめ捕られた理由を考えていけば、自分たちの手でも日本国憲法に近いものをつくったに違いない。
私は日本国憲法の個別的事柄について修正を加える必要があることを否定しない。しかし憲法の根幹を安易に揺るがすようなことをしない賢慮が必要だと強く思う。土台がいつ、どのように変わるかわからないようなところで、立派な建物を築けるはずがない。
根幹を全部変えてしまう発想はイギリスにもない、米国にもない、ドイツにもない。いつまで日本がぐだぐだ言い続けるのか。それを思うと本当に腹立たしくなる。土台がしっかりしているから、法律によって憲法の内容を豊かにすることができる。
冷戦の終結とともに世界の様相は大きく変わった。不確実性が増え、世界が不安定化を強めている。大胆な政策とか、強力な指導力の顕示が受い入れられる傾向があるのは否定できない。しかし根底的に一番大事なのは、人間の自制力だ。一時の思いに駆られて情動的に動くのではなく、何か大事かということを絶えず考えることが必要だ。
杉田敦法政大教授
昨今、政権に近い人たちから、憲法九条がなくても日本は平和だったという議論がされているが、何の根拠もない。われわれは憲法がある歴史を生きてきた。だから、憲法について考えるには、立憲主義が不十分だった時代と比較することが、唯一の手段。この観点から、立憲主義について歴史的に考えたい。
樋口陽一東大名誉教授
日本の近代化は戦前まで、立憲主義がキーワードだった。ところが、戦後はひたすら民主主義を唱えていればいいという時代があった。立憲主義と民主主義は場合によっては反発し合う。民主主義とは、人民による支配であり、憲法制定権力になる。一方、立憲主義は人間の意思を超えた触れてはならないものがあるとの考え方に基づく。そんな立憲主義と民主主義のぶつかり合いをどう近づけ、具体的な統治制度をつくり、政治的な決定をしていくのか。
この観点から、七十年前の八月十五日の意味をどう受け止めるか。それがポツダム宣言にある「(民主主義的傾向の)復活強化」の言葉にある。世界史からの要請でもあった。戦前の帝国議会の議会人たちの尊敬に値する行動があって「復活」したのが日本国憲法だった。明治憲法にはない個人一人一人の尊厳が盛り込まれたのが「強化」のポイントだ。この土台を簡単に動かしてはならない。
石川健治東大教授
問題提起したい。合憲と違憲とは別次元で語られる立憲と非立憲の区別についてだ。京都帝国大の憲法学者、佐々木惣一(一八七八~一九六五年)が、違憲とは言えなくても「非立憲」という捉え方があると問題提起した。今、ここに集まってこられた方は今の政治の状況に何とも言えないもやもや感を抱いていると思う。そのもやもや感を「非立憲的」と表現した。まさに今、非立憲的な権力と政権運営のあり方が、われわれの目の前に現れているのではないのか。
佐藤幸治京大名誉教授
戦後は、国民が憲法制定権力となって国のあり方を決めようということになった。決めたものがぐらぐら揺れていては、社会は決して良い方向には向かわない。自由平等な人間がお互いに議論して決めたことは、大事に守っていかなければならない。それが、立憲主義の根幹にある。米国にもメイフラワー誓約があり、米国人の精神の根源となっている。佐々木が言った非立憲とは立憲精神に反するということで、特に政治家はやってはいけないことだ。
杉田氏 安倍政権の安保法制の進め方や改憲案は、現行憲法の土台まで変えてしまおうという内容だ。現在の政治状況をどう見るか。
樋口氏 現政権はまず憲法九六条を変え、改憲発議に必要な国会議員数三分の二というハードルを下げようとした。まずこれが非立憲の典型。安保法案は提出方法そのものが非立憲だ。国民が集団的自衛権の議論に飽きたころに法案を提出し、国民に議論を提起せずに、憲法の質を丸ごと差し替える法案を提出した。さらに安倍晋三首相は米国の議場で、日本の国会に提出もしていない安保法案について、夏までに必ず実現すると語った。これは憲法が大前提としている国民主権にも反する。
石川氏 憲法の側から枠をはめ、その枠の中で法律ができ、法の枠内で行政が動くのが本来の道筋だが、現在はその逆。安全保障という目的のためにどういう手段が必要かという行政の思考を優先してまず法律をつくり、それに合わせるように憲法まで変えようとしている。これはまさに非立憲的な事態だ。
「お試し改憲」論も、日本国民の皆さんに改憲に慣れてもらおうという発想だが、そもそも改憲は「お試し」が目的ではない。改憲内容以外で、「お試し」目的で権限を行使するのは乱用そのものだ。現状は、そんな権力の乱用が次から次へと繰り出されている。安保法案についての議論も、憲法九条の論理的な限界を超えている。どう歯止めをかけるかが問われている。
樋口氏 歴史に学ぶとは、負の歴史に正面から対面することであり、向時に、先人たちの営みから希望を引き出すことでもある。今の政治は負の歴史をあえて無視するだけでなく、希望をもつぶそうとしている。戦後レジームからの脱却だけでなく、戦前の先人たちの努力を無視、あるいはそうした努力について無知のまま突き進もうとしている。
一九三一年の満州事変の時、国際法学者の横田喜三郎(一八九六~一九九三年)は、これは日本の自衛行動ではないと断言した。その横田の寄稿を載せた学生たちの文集が手元にある。その中で横田はみぎに和を欲さば、戦への備えをせよ」とのラテン語の警句を引き、「汝(なんじ)平和を欲すれば平和を準備せよでなければならない」と呼び掛けた。そして文集に、学生が「横田先生万歳!」「頑張れ!」と共感を書き込んでいる。恐らく、この二人の学生は兵士として出征しただろう。再び母校に戻ってくることはなかったかもしれない。 ’゛
今、私たちが対しているのは、平和を欲すれば戦争を準備しようという警句通りの時代。しかも、かつて文集に書き込みを残した若者たちがいた」)、この会にも若い人がたくさん参加している。われわれは日本の将来に対して、大きな責任がある。立憲主義の土台を維持できるかどうかは、世界に対しても大事な責任なのだ。
小出裕章先生:落とし前をつけるのは私でなければならないと思った…
軍装屋から見た戦後70年
(ラジオフォーラム#128)
https://youtu.be/4_HuGFaylwo?t=13m48s
13分48秒~第128回小出裕章ジャーナル
【公開収録より】原子力との41年「人生最大の間違いというのは、原子力などに夢を持ってしまったということが、私の最大の誤りだったと思います」
http://www.rafjp.org/koidejournal/no128/
今西憲之:
小出さん、1968年東京にいらしゃって、それから東北大学に進まれました。これ、何で原子力をやろうと思われたんでしょうか?
小出さん:
今日、この会場にも私と同世代ぐらいの方もいらっしゃってくださっていますけれども、私の子どもの頃は、鉄腕アトムという漫画が流行っていた時代でした。
今西:
僕の子どもの頃もありました。はい。
小出さん:
原子炉で動くロボットで、アトムの妹はウランちゃんだったし、兄貴はコバルトという名前で、
これからは原子力の時代なんだというそういうことが社会にまん延していましたし、日本の国家の方も積極的に、「これからは原子力なんだ」と「化石燃料なくなっちゃうんだから、未来は原子力」というような宣伝をしきりに流していまして、中学・高校の頃に私はそれを聞かされて、てっきり信じてしまった。
今西:
なるほど。それがね、嘘八百とわかったのは、どんな瞬間でしたか? 大学で勉強されてて。
小出さん:
いくつももちろんありますけれども、私の場合には2つ契機がありました。1つは1968年という時に私は大学に入ったのですが、その時は大学闘争というのが闘われていた時代でした。私自身は大変右翼チックで保守的な学生だったので、学生服を着て大学に通っていましたし、1時間も授業を欠席しないといような愚かな学生でした。
今西:
いや、それは愚かなんですか?
小出さん:
はい。今から思えば、あまりに愚かだったと思います。大学闘争が何をやってるかもわからないまま、ひたすら原子力をやりたいと思っていた学生だったのです。そういう時代の中で、私が原子力をやり始めた時に、私は東北大学という大学に行きました。宮城県の仙台という結構大きな街で私は勉強していたわけですが、東北電力という電力会社が、原子力発電所を造るという計画を立ち上げたのです。
今西:
それが女川原発ですね?
小出さん:
はい。そのこと自身、原子力発電をやること自身は、私にとってはむしろありがたいことだと思ったわけですが、建てる場所が電気を使う仙台ではなくて、女川という本当に小さな田舎の町に建てるという計画だったのです。
女川原子力発電所3号機原子炉建屋基礎配筋
そして女川の人達が、「なぜ電気を使う仙台ではなくて、自分達の町に建てるのか?」という疑問の声を上げたのです。それを聞いてしまいましたので「なぜだろう?」と。彼らが上げた疑問に答えなければいけない。答える責任があると私は思ったのです。答えなければいけないと私が思ったのが、その大学闘争に巡り合っていたからなのですけれども。
だんだんだんだん大学闘争というのが、何を問題にしていたかということを私自身も逃げることができなくなりまして、考えたところ、大学闘争で問われていたのは、自分がやっている学問が社会的にどういう意味を持っているかということをきちっと答える責任があるということだったのです。
そうなると、私がやってる原子核工学という所にいたのですけれども、その学問が社会的にどういう意味を持つか。原子力発電をやるということがどういう意味を持つかということを、私の責任として答えるしかないと私は思ったのです。
で、まあ答えを求めて、なぜかとずーっと悩み続けました。長い時間が経ちましたけれども、今から思えば答えは簡単で、原子力発電というのは都会では引き受けることができない危険を抱えてるから、過疎地に押しつけるんだという結論に、私はたどり着きました。
そうなれば、そんな物は到底認めてはいけないと思うようになりまして、とにかく原子力発電を止めさせなければいけないということで、180度自分の人生を、その時点で変えました。
今西:
なるほど。その中で多くの研究者、同級生の方々とかは原子力ムラと闘う道を選ばず、原子力ムラに入る道を選択された方が多かったんじゃなかったですか?
小出さん:
基本的には大学という所は、例えば東北大学もそうですけれども、エリートとして社会に出て行って、出世をするのが人間の価値みたいなような世界なわけですし。q( ゚д゚)p
今西:
大学でもそういうことなんですね?
小出さん:
そうですね。だから、みんなそうやって思ってるわけですし、大学を出た時は少しでも良い企業にやはり就職しようと、みんなが思っていたと思います。それでも大学闘争という時代でしたので、私の周りの学生のかなりは当時、ドロップアウトというようなことを言っていましたけれども、社会的なステータスを求めていく道からは外れて、それなりに自分達の生き方を探すというような仲間はたくさんいました。
猪瀬直樹 氏 q( ̄3 ̄)p
今西:
なるほど、なるほど。そういうこと振り返っても、小出さんが選択された道というのはもう全く悔いがない。間違ってなかった?
小出さん:
わかりません。私は少なくとも自分の人生最大の間違いというのは、原子力などに夢を持ってしまったということが、私の最大の誤りだったと思いますけれども、でもその愚かな過ちを犯したのは私なわけですから、その落とし前をつけるのは私でなければならないと思ったわけで、自分の愚かな選択の落とし前をどうやってつけるかということを考え続けてきました。
それでまあ原子力の場に残って、とにかく原子力を潰すために仕事をしようと思ったわけで。その私の思いがどこまでほんとに効果があったか、役に立ったかということを自分ではわかりません。ただし、初めにちょっとだけごあいさつしましたけど、41年間ひとつの職場で解雇もされることなく、やりたい放題やり続けてこられましたので、恵まれた人生だったと思います。
今西:
なるほど。そんな中でですね今日、女川原発のことを聞くにあたってですね、どうしても聞いてほしいという質問が私のところに来まして。東日本大震災がありました、4年前にですね。女川原発は、福島第一原発のような大事故は起こさなかった。そういう意味で、今、現地では「安全、安全」と繰り返し言われている、安全神話が続いてる。この現状をいかがお感じでしょうか?
小出さん:
まあ、全くばかげたことですね。東京電力の福島第一原子力発電所があのようになってしまったというのは、発電所全体がブラックアウトと、全所停電に追い込まれたからなのです。それは外部の送電線も鉄塔がひっくり返ってしまって、外部からの電源も来なくなったということなのですが、女川原発ももう首の皮一枚で止まった。
なぜかと言うと、一系統だけ鉄塔が潰れないで外部から電気が届いたということで、ようやくにして生き延びたわけで、外部の鉄塔が倒れるかどうかなんていうことは、まさに誰も予測できない。地震の強さによって、たまたま壊れてしまうということも起こり得たわけですから、女川原発の場合、もちろん良かったと思います。一系統だけ生き延びてくれて良かったと思いますけど、言ってみれば偶然です。
今西:
そうですね。そういう中でですね、ほんとに小出さん、長いことご苦労様でした。どうも今日はありがとうございました。
小出さん:
はい、ありがとうございました。
東電「津波対策は不可避」
震災2年半前に内部文書
(東京新聞)2015年6月19日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015061902000143.html
東京電力福島第一原発事故で、東電が二〇〇八年、同原発について「津波対策は不可避」と記した内部文書を作成し、社内会議で配っていたことが分かった。
津波で横倒したビルと女川原発通勤バス
事故で止まるか みんなで止めるか
<脱原発のココロ>被災し出馬、初当選の女川町議
阿部美紀子さん(59)
(東京新聞【こちら特報部】)2012年1月29日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2012012902000040.html
昨年十二月十三日、宮城県女川町の町議会。初めて質問に立った町議の阿部美紀子(59)は、少し上ずった声で訴えた。
未来へつなぐ反対運動
「健康で文化的な最低限度の生活を保障されるよう町民をいかに守るのでしょうか。原発が一度でも事故を起こせば、復興計画も水の泡になることは誰の目にも明らかではないでしょうか」
「復興するためには、原発は漁業と共存していくことができると思いますか。町はこれまで原発の交付金に頼りすぎてきたのではないでしょうか」
十一月に無投票で当選したばかりの町長須田善明(三九)は「原発に替わる新しい基幹エネルギーを開発していく必要があることは分かっている。しかし、すぐに廃止するというのは不可能だ。国で議論し道筋をつけていくことが大事だ」と答弁した。
町の最大の課題は復興。原発に関心を寄せる町民は少ない。質問が終わり、阿部は「緊張したなあ。もう少し上手にできたらよかったけど」と苦笑いした。
東日本大震災の津波で女川町は壊滅的な打撃を受けた。昨年三月十一日のあの時、阿部は隣の石巻市内で車を運転していた。ハンドルを取られそうになるほどの揺れを感じた。カーラジオからは津波警報が断続的に流れた。予想波高がどんどん高くなっていく。海岸に近い女川町の自宅には、母親の孝子(八三)と息子(二八)がいるはずだった。自宅へ向かったが、道路はどこも渋滞していて一向に進まない。津波で橋も落ちていた。いつもなら三十分程度の道のりを六時間かけてたどり着くと、町の中心部は津波にのまれ、何もかもなくなっていた。
阿部は、父宗悦(八五)、母孝子と、小さな食料品店を営みながら、学習塾も開いていた。その自宅は一切が流された。孝子らは近くの高台にある親戚宅に避難していて無事だった。停電で真っ暗な中、寒さに震えながら夜を過ごした。親戚宅などを転々として、女川第一小学校の校庭に建設された仮設住宅に入ったのは五月になってからだ。
女川原発でも浸水トラブル
町内に立地する東北電力女川原発を襲った津波は、福島とほぼ同じ高さ約十三メートル。主要な施設は標高十四・八メートルに位置していたため、大きな被害はわずかな差で免れた。しかし、1号機では高圧電源盤で火災が発生、二台の非常用ディーゼル発電機のうち一台が使用不能に。2号機は、配管通路から海水が浸入し、建屋地下部分にある熱交換器室が一時、深さ約二・五メートルまで浸水した。発電機も故障した。
原発の敷地内にある体育館では、周辺集落から最大三百六十人が避難生活を送った。阿部は「わずかでも放射能が漏れているのではないかと気が気でなかった。今後も予想を超える津波や地震が起きる可能性がある。絶対に安全だなんて言えるわけがない」と憤る。
子どもが笑顔で過ごせる町に
原発に頼らない復興計画を
女川町で原発計画が持ち上がったのは一九六五年ごろ。当時の町長が誘致に動き、六七年に町議会が誘致を決議。翌六八年には東北電力が立地場所に決定した。
だが、漁業関係者を中心に激しい反対運動が起こる。地元の女川町、旧雄勝町、旧牡鹿町の反対派が集まって六九年、「女川原子力発電所設置反対三町期成同盟会」を結成。回船問屋を営み漁師でもあった宗悦も運動に加わった。
当時、阿部は東京の大学に通っており、故郷の反原発運動には直接関わっていなかった。公害が大きな社会問題になっていたころ、東京大助手の宇井純の公開自主講座「公害原論」に足しげく通った。水俣病患者の原因企業チッソ本社との補償交渉の支援に熱を入れた。そこで、後に夫となる康則と知り合う。
東北電力や推進派による切り崩し、懐柔はすさまじかった。
「委任状に勝手に賛成と書かれて投票されるということもあった。親族間でだまし合いがあったり、裏切りがあったり。地縁、血縁が濃い地域なのにズタズタにされた」
女川漁協が補償交渉に同意したのは七八年。翌七九年に本体工事が着工した。誘致から十二年もの年月が経過していた。
宗悦らはあきらめなかった。東北電力を相手に原発建設の差し止めを求めて八一年、仙台地裁に提訴する。原告団長に宗悦、事務局長に康則が就いた。九四年の一審仙台地裁、九九年の二審仙台高裁とも原告側の敗訴。高裁判決直前の九九年二月に、康則は病に倒れ亡くなってしまう。四八歳だった。最高裁も二000年十二月、上告棄却。敗訴が確定した。
それから十一年。かつてのような運動の盛り上がりはなくなっていた。「原発で働いている人もいる。関連会社で働いている人もいる。口に出せる状況ではなくなっていた」。町の予算の五割が交付金などで占めるようになっていた。
そこに起きた東京電力福島第一原発の事故。「女川原発でも被害があったことが、あまりにも知られていない。反原発運動があったこともすべて忘れ去られてしまうかと思うと、気持ちがおさまらなかった」
父宗悦もかつて町議だったことがある。しかし、阿部は人付き合いが苦手で口下手なこともあり、悩みに悩んだ末、町議選告示の三日前に立候補を決意する。「もう二度と原発の事故を起こしてはいけない。そのためには、震災の被害を受けた町で、女川原発を止める運動を途絶えさせてはならない」。それは、小さな町のしがらみに反して、女性が声を出し、踏ん張ることを意味していた。
定数十二に対し立候補は十三人。仮設住宅などを歩きながら「脱原発」を訴えて回った。女性を中心に「別の人に入れるけど、あんたにはうかってほしい」「表では言えないけど、原発は心配だ」という声も多く聞いた。十一月十三日の選挙結果は九位で当選。原発に反対する共産党町議も二人が上位で当選した。
「町長は原発について町の判断では決められないというが、それは違う」。阿部が注目しているのが、静岡県の中部電力浜岡原発周辺の市町村議会の動きだ。「安全、安心が担保されない限り永久停止すべきだ」とした牧之原市議会など、次々と「脱原発」を決議している。
最も心配しているのは、子どもたちのこと。女川では人口の流出が大問題。「このままではいくら復興しても人口は戻らない。原発が存在すれば県外や町外に避難している若い人も戻ってこようという気持ちにならないのではないか」。多くの子どもたちが笑顔で過ごせる町を目指す。ただそれだけだ。
(敬称略、小国智宏)
あべ・みきこ 1952年、宮城県女川町生まれ。中央大を卒業後、故郷に帰り、食料品店と学習塾を営む。1男4女の母。昨年11月の町議選で、有効投票4998票のうち288票を獲得し初当選した。
<デスクメモ>
女川町議選の投票総数は五千四十一票。阿部さんの得票数は二百八十八票だった。しがらみだらけの立地自治体では「二百八十八票も」というべきだろう。同じ日に投開票のあった宮城県議選では、女川町を含む選挙区で初めて共産が議席を獲得。原発に反対する勢力の躍進、それが民意だった。(木)
ライター平井有太が京大を退職し長野に移住した小出裕章先生に聞く
「政治は大嫌い、でも圧倒的に大切」
(平井有太)
http://www.webdice.jp/dice/detail/4744/
小出裕章先生インタビュー
「権力のやり方は、『差別』と『分断」が基本』
より 抜粋
■政治にむいている人が是非、やって欲しい(小出)
平井有太(以下、平井):なぜ、原発の特性としての「分断」が、ここまで効果的に、本来共闘する仲間なはずの被災者同士に、機能してしまうのでしょう。
なぜ、私たち市民は冷静に事故の実際の当事者に矛先を向けられないのか。また、皺寄せが誰にいっているか。それは今回の場合子どもや母、農家や漁業者ですが、私たちはそこを見極め、本当に困ってる存在に手を差し伸べずに、ただ忘却するだけなのでしょうか?
小出裕章(以下、小出):日本人は権力に弱いんです。「勤勉」という評価は確かにそうだと思いますが、私から見ると「従順」です。「権力に対して従順」なのです。だから必死で働いてしまうし、指示されれば何でもやってしまう。
平井:TVを鵜呑みにする比率も、欧米諸国と比べて飛躍的に高いとか。
小出:昔からそうなんです。戦時中から、大本営発表しか流されなかったし、みんなそれを信じて戦争に突き進んでしまった。
原子力は、戦争の構図とそっくりです。昔、権力が「戦争をやる」と決めた時と同じように、権力が「原子力をすすめる」と決めるとマスコミを含めて全部がそれに乗っかっていってしまっています。
これは平井さんも言ってくださってますし、私も本当に思うけれども、福島第一原子力発電所事故は「誰に責任があったのか」ということを、きっちりと明らかにすべきだと思うけれど、そんなこと誰も言わないし、マスコミは触れもしない(笑)。
略
発言はしますけれども、具体的に何かできるわけではない。私は、はじめからお伝えしているとおり、「政治は大嫌いだから、一切関わらない」と言っています。でも、だからと言って「政治が大切じゃない」なんて思っているわけじゃない。政治は圧倒的に大切です。
ですから、「政治にむいている人が是非、やって欲しい」と思ってますし、「私はすいませんがむいていません」と言ってるだけです。
■原発事故に対するものすごい風化、忘却の力が圧倒的(平井)
略
小出:私は、「福島から逃げてください」と言っているわけです。ですので、今福島で復興のために努力されている人々からは散々怒られています。
逆に、福島に捨てられている人たちを支えなければいけないから、「日本人の大人はすべからく自分の責任を自覚して、汚染を引き受けなさい」という発言をして、それも皆さんから怒られています。
略
■東京電力がやった犯罪行為、どうして誰も処罰されないのか(小出)
平井:また、特に危険視される核種であるストロンチウムに関しては、私はそれこそ先生のご発言からやっと認識できた側面があります。原発から飛び散った量として、「そこまでは放出されなかった」ということでしょうか?
小出:空気中には出なかった。たぶんストロンチウムはセシウムの1/1000くらいしか出なかったし、プロトニウムはさらにその1/1000くらいしか出てませんから、いわゆる「大地を汚している」という意味では、何よりもセシウムに気をつけなければいけない。
ただ、これも皆さんから、「小出はストロンチウムは問題ないと言ってる」とよく怒られるけれども、私は別に「問題ない」なんて一言も言っていない。
平井:これは未だにどう理解していいのかわからないのですが、海の魚を測るのも、基本、皆さんセシウムで測っていると。
小出:海はセシウムじゃないですよ。海こそストロンチウムを調べないといけない。
平井:そう考えて、色々な場で、機会があれば手をあげて、「陸地はセシウムの測定でわかるんですが、海は色んな核種がずっと出ていて、セシウムだけの測定では、少しでも知識ある消費者は納得も安心もできない気がします」と、質問するようにはしています。
溶け落ちた燃料を未だ地球上の誰も確認できない状況があり、ここから先はあくまで想像の範疇を超えませんが、たぶん地中深くで地下水とジャブジャブと接触し、あらゆる核種がそこで溶け込んで、土から海にしみ出しているイメージでいるのですが。
小出:水に溶けやすい放射性物質と溶け難い放射性物質があるので、例えばプルトニウムなんかはほとんど水に溶けないし、これからもあんまり問題にならないと思います。
でもストロンチウム、セシウムは水に溶けやすい。そして、もともと核分裂した時にストロンチウム90とセシウム137ができる量はほぼ一緒です。それが、大気中に関する限りは、セシウムは揮発性だし、ストロンチウムは揮発性が低いので、セシウムが大量に出てきました。
ですが、「水溶性」という意味において、放射能の汚染水に関する限りはセシウムもストロンチウムも一緒です。
その上で、今福島第一原子力発電所の原子炉建屋などに溜まっている放射能汚染水の処理をしているわけですが、基本的にやっていることはセシウムをつかまえているんです。ストロンチウムに関しては、何もできていない。
つまり汚染水の中には、セシウムよりもストロンチウムの方が多いということです。それが今、手の打ちようもなく海へ流れて行ってるわけですから、「海の汚染」という限りは、ストロンチウムこそ問題にしないといけない。
東電は「なんとかなってるだろう」と信じながら、1日400トンの水を、どこにあるかわからない、熔け落ちた炉心に向けて、流し込んできた。その他に、地下水が原子炉建屋に流れ込んできて、それも400トンあった。そうなると、自分で入れているものは循環して使ってるわけですが、新たに流れ込んでくる地下水の分は、どうしようもなくて増えていってしまう。しょうがないから「タンクに貯めます」と言ってきたわけですが、タンクがどんどん増えて、すでに50万、60万トンとなってきている。
そしてそのタンクも応急のものでしかないわけで、案の定後になって漏れてくるということになってきた。揚句の果てには、敷地に限りがあるから、いずれだめになることもわかっている。
平井:いわき市にある市民測定所「たらちね」が、遂に、民間で初めてべータ線を測れる機器を揃えました。それはやはり海が近くて、ストロンチウムを測る必要性にかられてと理解しているのですが。
小出:そうです。
平井:私自身はずっと「尿検査をやるべきだ」と言ってきました。測っても、余程の内部被ばくでないと数値が出ないホールボディカウンター測定では、県内外の、低線量被ばくに慎重な方々の安心材料として足りない。尿検査の上で数値が出なければ、そこでやっと自信を持って「どうやら平気そうだよ」と言えるかなと。
小出:尿検査もやらなきゃいけないと思います。
そして、海はもっと長い時間が経つと、どんどん汚染が拡散していくわけです。完璧に拡散してしまった後のことを言うなら、私は「しょうがない」と諦めるしかないと思っています。
人類はこれまで、様々なかたちで海を放射能で汚してきました。一番酷かったのは、大気圏内核実験です。当時は一切の防壁もなく、原爆を爆発させて放射性物質を大気中に撒き散らしていました。それは今回大気中に撒き散らされたセシウム137の量に比べれば60倍もの量になります。
そういう意味ではすでに汚れていたわけだし、福島のものが太平洋全体に拡散してしまうなら、こういう言い方をするとまた皆さんから怒られるけれども、大して気にするほどのものではない。
平井:ただそういうことを、事故を起こした側が、煙草や車に乗るリスクと比べながら、当然のことのように言ってくることに違和感があります。
100歩譲って、世界的に研究者の間で見解が別れる危険性の程度はさておいても、今までそこになかったものが、自分で選んだわけでもなく、唐突に空から海から撒き散らされ、あらゆる問題を巻き起こし続けている。かつてない大迷惑なのに、誰もその責任をとらないし、状況を直視しない。
小出:どこかの町工場が「毒物を流した」となれば、即刻警察が踏み込んで逮捕するわけじゃないですか。ましてやそれで誰か一人でも死ねば、マスコミも含めて大騒ぎになる。そんな時に「タバコで死ぬやつ、交通事故で死ぬやつがいる」なんて議論は起きなくて、「犯罪行為を犯したから処罰する」ということになるわけです。
であるならば、この、東京電力がやった犯罪行為の巨大さはどうしてくれると。どうしてこれで誰も処罰されないのか、大変不思議です。
平井:他の定番の話は、人間には体重10キロあたり平均500~700ベクレルのカリウムがあって、そこにほんの少し放射性物質が入ったからって気にすることではないと。
小出:日本の国は、“天然の”被ばくがあることは十分承知の上で、「被ばくというものは危険だから、“人工的な”被ばくは1年間に1ミリシーベルトを超えないようにする」としていたわけです。
それはICRP、IAEAなり、国際的機関が出す情報に基づいて決めてきたことで、「被ばくに危険があるなんて当り前のこと」だし、そのために「人工的な被ばくを制限しよう」という法律までつくったわけですよね。その法律がもう、全然守れなくなってしまった。
そうしたら緊急事態宣言を出して、人々を「被ばくしてしまえ」と言って、放っておいているわけです。
平井:実際に「年間20ミリまでは帰還して」ということが始まりました。それも何の権限か、事故当事者が、補償金の打ち切り宣言と共に。
小出:20なんて、私のような放射線業務従事者に初めて許した基準です。それで給料をもらって生活してるから、「我慢しろ」と言って大人に対して決めたものを、何の利益も受けない人、しかも子どもにまで押し付けようとしている。
平井:私が2011年に福島に行き始める判断をした理由の一つに、4月に研究室で見せていただいた、歳を重ねるごとに放射能の影響が小さくなっていくグラフがありました。でも、実際は放射能の影響は年齢に関係なくありますね?
小出:被ばくの影響は必ずあります。年寄りにもありますが、とはいえ、子どもの方が大きいです。要するに、断ち切られて傷を受けた細胞が分裂して増殖してしまうわけです。それは細胞分裂が活発なほど傷を受けた細胞が増えるのは当り前のことなので、40歳も超えれば、血液とか骨髄とかは別として、基本的には成長する世代ではないわけです。
これは“比較の問題”ですが、必ず危険はあります。私だって被ばくをすれば危険を伴いますが、若い子はもっと危険を伴う。40歳を過ぎて安全と言った覚えはないし、危険は必ずあります。
でも、「大人はすべからく責任があったはずだ」と。比較の問題で言えば、責任のない子どもたちの方が被ばくに危険なのだから、私は「子どもたちだけは守らなければいけない」と言っている。
平井:筋道の話ですね。
小出:そのつもりなんですが、なかなかそうは伝わらない(笑)。
■「不特定の方々に1冊の本でお知らせする」というかたちの発信は興味はない(小出)
平井:ここまで、先生のご著書は何冊ほど出ましたか?
小出:50冊は出ていると思います。単著でたぶん30冊くらいと思いますが、それも私が書いてるんじゃないんです。
私が喋っているものであるとか、折りに触れて必要に迫られて書いた文章だとかを、それぞれの編集者の方が集めてきて本にしてくれるというだけで、私が本当に「その本のために書いた」というのは、まえがきとかあとがきとか、せいぜいその程度しか書いてない。だから私は「一冊読んでくださればいいですよ」と言ってるんですが、ただ本は編集者の方の個性が滲み出ているので、かなり違うと思います。
私はもともと、“本を書く”なんてことに何の興味もありませんでした。「出したい」と思って出した本は1冊もありません。
平井:それは今に至っても?
小出:私は他の誰でもない私として今この場にいるわけだし、私しかやらない仕事があればもちろんやります。私にしかできない発信はもちろんやりたいと思っていますけれども、それを不特定多数の方々に、本にして「読んでください」という発信の仕方はしたくない。
本当に切実に思ってる方々に向かって、「私はこう思います」と。「私の仕事でわかったことはこういうことです」という発信はもちろん、私の責任ですので、やろうと思ってきました。
チェルノブイリの事故が起きて、「現地がどう汚染された」、「日本にどういう放射能が飛んできた」というのも私の仕事でした。また、人形峠のウラン鉱山でどんな汚染が起き、「周辺の人たちがこんな風に被ばくをしてる」ということを調べるのも、どこかの発電所で起きた事故がどんな意味を持っているか、現地の人たちと一緒に調べながら報告書を書くのも、「私の仕事だ」と思っていたので、それはやります。
ただし、「不特定の方々に1冊の本でお知らせする」というかたちの発信は、私は全然興味はないし、「そんなことはやりません」と言ってきたんです。
平井:色々とお話を伺っていると、先生がやらんとされていることは、「ご自分に落とし前をつけること」でしょうか?
小出:そうです。良くわかってくださった(笑)。
平井:それを淡々と、粛々と続けてこられた。
小出:私は、一人一人の責任ということは、ものすごく大切なことと思うんです。
誰かに強制されて何かをしているのではない。私が「必要だ」と思うことを自分で選んでやっているわけで、そうであれば自分で選んでやった行為に関しては、必ず「自分が責任をとらなければいけない」と思っているわけです。
ですから、私が愚かにも「原子力に夢を抱いてしまった」という、その「愚かさ」に対しての責任は、私がとるしかない。
平井:若かりし頃、夢を抱いて原子力を選ばれた時点で、先生はすでに「自分で選びとる」生き方をされていた?
小出:そうです。
平井:その、ご自分で選びとる生き方は、どこで培われたのでしょう?
今日のここまでの話は、要約すると、なぜ私たちはここまで「人任せ」で、「思考停止」で、「従順」で、それが自分の首を絞めていることにすら気付かず、上辺の幸せを享受していれば喜ぶ人種なのか、という話だと思うんです。
それは、原発事故が特に明らかにした事実の一つであると思うんですが、とはいえ先生はお若い頃から、選択を誤ったかどうかは別にして、すでに「自分で選びとる」人生を歩まれていた。
小出:今、私と平井さんがここでこうやって話しているけれども、私と平井さんは生まれた時も違うし、生きている場所も違うし、私は原子力のこと以外知らないけれども、平井さんは音楽とアートの世界にずっといらっしゃった。
でも、表に出ればまた別の人がいて、とにかく全員違うわけです。日本人だけで1億何千万、世界全体では70億もの人が、一人一人、生まれも育ちも個性もみんな違う人間でいるわけです。価値観が違うなんて当り前のことです。
そういう人たちが一色の価値観に染まってしまって、みんなが同じ方向に向かうということが、私はすごく気持ち悪いんですね。
大切なのは一人一人が、他の誰でもない個性を持ったその人として、輝いて生きることだと思います。
平井:伺おうと思っていることは、先生のそういったお考え、生きるご姿勢にどう至ったのか。それは、私にとっても、これは世代なのか、育った環境か、当然と思える生き方が、世の中では「かなり普通じゃないんだ」と感じることがよくあります。その中で、世代もずっと上の先生が、どのように育たれたのかということなんですが。
小出:私は別に何でもないです。下町の零細企業の家の生まれですから、特別なんということもないのです。「金なんか残してやれないから、教育だけは受けさせるよ」と言われて、それで私立の開成とかいう中学に入れられました。そこで、親の希望としては、たぶん「教育つけて、出世しろよ」という想いだったんでしょうし、日本という国ではみんなそうじゃないですか。
「出世しろ」、「故郷に錦を飾れ」とか、「末は博士か大臣か」というように、社会的ステータスをつけることが人間としての価値かのようにみんな思ってきたし、今でもたぶんそう思ってるんだと思います。私自身もたぶんそういう価値観で育てられたんだと思いますが、でも、何でなんだかな。
「つまらんな」と思いました。
開成の時もそうでした。
平井:311以降、以前は誰も原発のことなど考えない、むしろあって当り前とされるような時代を経て、現在の先生に対する反響、想いを共有してくれる方々の数は、想像以上でしたか?
小出:それは、多いでしょうか?(笑)
私の発言に共感くださる方が、何がしかいるということはたぶんそうでしょうし、ありがたいと思いますが、でも私を嫌う人はむしろもっと多いんじゃないかと思います。
平井:賞賛と批判、どういった割合で集まってきますか?
小出:私はネットに関しては「一切お相手しない」と言っています。ですから、たぶんネット上に私への批判は山ほどあると思いますが、一切相手にしていません。
そして、直接私に批判をくださる場合には、「必ず相手をします」と言っています。ですので、直接私にメールとか、配達証明付きの郵便だとかで批判をくださる方はいるので、そういう方はお相手しています。でもまあ、直接言ってくる人というのは少ないです。そういう方は、「ありがたい」と思います。
略
平井:著名な方ではアインシュタインをはじめ、超ハイパーで優秀な理系の研究者の方々が、数値や公式を突き詰めていって、その最前線での「どこを選びとるか」という判断は、数式では割り出せない境地に依っているような気がします。
小出:特に自然科学は、今までわからない事実を「知りたい」という欲求からあるわけですよね。必死に調べていって、「これがわかった」と思うと、その先にまたもっとわからないものが広がっていく。それを「わかりたい」と追っていくとまたどんどん分からないものが広がっていくわけで、結局要するに、わからないんです。
ですから、「科学をやってると真理がわかる」というのは、ごくごく一部のことがわかるんであって、全体のことなんて、わからないことがむしろ多いんです。
平井:極められた方ほど「謙虚」になられる気がします。
小出:平井さんが仰った、アインシュタインだってそうですよね。でも、「すべては数字だ」という立場の方も、いっぱいいると思います。
平井:本来は「わからない」ことを確認する作業であり、その中で何を選びとるかは、それぞれ選択していく。
小出:だから、全員ではありませんが、優秀な科学者の多くは宗教を持っていますよね。私は「ぜったいに宗教は持たない」と宣言してますけれども。
平井:それはなぜですか?
小出:宗教も含め何ものにも私は依存したくないからです。
(2015年5月12日長野県松本駅にて 取材・文:平井有太)
沖縄戦70年
戦後70年、平和を誓い 全戦没者追悼式
知事、辺野古移設中止訴え
(琉球新報)2015年6月23日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-244692-storytopic-1.html
翁長知事「沖縄慰霊の日」辺野古新基地建設はできない【全】6/23
https://youtu.be/DLnZQJW3ShE
平和の礎
さとうきび畑 沖縄ライブ 新垣勉
https://youtu.be/m3gCG3xIFC8
「沖縄戦」70年
「慰霊の日」を前に
(しんぶん赤旗)2015年6月20~22日
太平洋戦争末期、凄惨(せいさん)な地上戦が繰り広げられた「沖縄戦」から今年で70年を迎えます。糸満市摩文仁(まぶに)の「平和の礎」の刻銘碑には、今年新たに87人の戦没者の名前が刻まれ、合わせて24万1336人となりました。沖縄県が全戦没者を追悼する「慰霊の日」の6月23日を前に、沖縄戦の実相を振り返ります。
腕もげかかった遺骨■未成年の学徒兵
新基地戦死者への冒瀆(ぼうとく)
「沖縄戦」の戦死者の遺骨を33年にわたって発掘している人がいます。沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さん(61)=那覇市=です。
「ガマフヤー」とは沖縄の方言で「壕(ごう)を掘る人」。作業では、遺骨の周囲の土を竹串やはけを用いて丁寧に払い、掘り下げていきます。
具志堅さんは本土復帰後、所属するボーイスカウトからの依頼で全国各地から来た遺族の遺骨収集を手伝います。28歳のときでした。
足元の土を数センチ、手でどけると、原野に眠っていた遺骨がごろごろと姿を現しました。
勇気ふり絞り
強い衝撃。そして「遺族でもない僕が遺骨を触っていいのか」-。この疑問が頭から離れず、二度と手伝うまい」、そんな気持ちにもなりました。しかし、冷たい冬の雨が打ちつけるなか、おばあさんがわが子を搜すために熊手を持ってヨタヨタと歩く後ろ姿が目に焼きついたままでした。
「少なくとも若い僕の方が多く掘り出せる」。具志堅さんは勇気をふり絞り、再び遺骨の発掘を始めました。
現場からは遺骨とともに、手りゅう弾、銃弾、水筒、軍靴などの装備品や、眼鏡、万年筆、印鑑、お守り用の五銭硬貨などの遺品が見つかります。「全身を浮かび上がらせることで、亡くなった人の最期の姿がわかると思うんです」
2009年、激戦地だった西原(にしはら)町で見つかった旧日本兵の遺骨5体は、ほぼ完全な状態で発見。砲撃で腕がもげかかった遺骨、手りゅう弾で「自決」し、胸部から腹部が吹き飛んだ遺骨、未成年の県内学徒兵とみられる遺骨もありました。うち1体はうつぶせのまま、茶わんに指を入れた状態でした。「負傷兵は最期まで、生きようと、水を飲みたかったに違いない…」(´ω`)
実相見つめる
沖縄戦の体験者が年々減っていくなか、「戦死の実相をじかに見つめることで、〃もの言わぬ証言者”の訴えを多くの若者に感じてほしい」。具志堅さんは現在、沖縄大学の地域研究所特別研究員として、学生たちと「沖縄戦」の遺品の記録・保存に取り組んでいます。
昨年から、「沖縄戦」直後、本島北部に米軍が基地建設のために造った強制収容所の埋葬跡地の発掘を始めています。名護市辺野古の米軍新基地建設に向けた作業が進む米軍キャンプ・シュワブ内にあった大浦崎収容所もその一つです。
「劣悪な収容所で多くの住民が飢えやマラリアで亡くなった。戦争の犠牲者の遺骨の上に新たな戦争のための軍事基地を造る。これは戦死者に対する冒涜以外の何物でもありません。辺野古新基地は道義的にも絶対許されない」。具志堅さんは大浦崎収容所の発掘調査を求めています。
(つづく)
15歳鉄血勤皇隊に
負傷者担ぎ摩文仁を目指した
第2次世界大戦末期の1945年3月、軍の命令で、沖縄師範学校の鉄血勤皇隊が結成されました。学校長を責任者とする本部隊、現地で日本軍第32軍の兵士と一緒に陣地を構築する野戦築城隊、軍司令部が作成する情報を民間に宣伝する情報宣伝隊、切り込み隊などが編成され、2等兵と同じ扱いでした。
当時15歳たった古堅実吉(ふるげん・さねよし)さん(85)=元日本共産党衆院議員=は、自活班に配属されました。師範隊300人の食事を賄う任務です。当初、民家を回って食糧を調達することもしましたが、米軍の攻撃が激しくなり、司令部壕(ごう)で使う電気をつくる発電機の冷却水確保に任務が変更されました。
犠牲者埋める
5月4日、発電機のそぱにいた西銘武信さんが至近弾で命を落としました。古堅さんは「冷却水をためたドラム缶のそばで、何か倒れる音がした。見たら彼がやられていた。首が半分、肩もえぐられて、即死だった。弾がドラム缶を突き抜け、ドラム缶に肉片が残っていた」といいます。翌日、近くの畑の脇に穴を掘って埋め、目印に石を置きました。
「戦後、埋めた地域を探したが、手がかりはなかった。地形がすっかり変わっていた」
主力部隊を失った32軍司令部は5月27日、首里(那覇市)を放棄し、摩文仁(まぶに=糸満市)の洞窟に移りました。師範隊もその後を追いました。歩けない者は残して行けという軍の指示でしたが、負傷者を残して行くことは忍び難く、交代で担いで摩文仁を目指しました。
「幸い砲弾にあわず、無事にたどり着いた。負傷した彼は生き残り戦後、高等学校の校長をやった。毎年、慰霊の日に顔を出してくれるのは何よりうれしい」
泣いていた子
摩文仁では海岸の岩下に隠れました。夕方になると艦砲射撃がやんだため、「艦隊の夕食時間だ」といって、急いでサトウキビを取りに行きました。
戻る途中、小学校4、5年くらいの女の子と頭を抱えた男の子の2人が立って泣いていました。どうしたのか聞くと、黙って後ろを指しています。お母さんが倒れていました。艦砲射撃の餌食になったのでしょう。古堅さんは、2人を岩陰に連れていき、サトウキビを分けてあげ、ここでじっとしているよう言い聞かせて、後ろ髪をひかれる思いで立ち去りました。
摩文仁の丘に建つ「沖縄師範健児の塔」には309人の名前が刻まれています。多くは、首里を離れた後に亡くなりました。
「32軍が首里で主な兵力を失った時点で降伏していれば、その後の幾万という人が亡くなることは避けられたはずだ」。古堅さんは無念の胸中を語りました。
(つづく)
サイパン戦 弾雨の中逃げ回った
基地あれば戦場に
第2次世界大戦の敗戦後、母、弟と3人でサイパンから引き揚げてきた体験のある沖縄県宜野湾(ぎのわん)市在住の横田チヨ子さん(86)は2日、新基地反対のたたかいが続く名護市辺野古の米海兵隊基地キャンプ・シュワブのゲート前で抗議の座り込みをしていました。
71年前の記憶
昨年7月から辺野古を訪れるようになったという横田さん。ゲート前に足を向けさせたのは71年前の戦争の記憶でした。
第1次世界大戦後、日本の委任統治下にあったサイパンに、サトウキビ栽培や製糖業などに従事するため、多くの沖縄県出身者が海を渡りました。横田さんも3歳のとき、一家でサイパンへ移住しました。
1941年、太平洋戦争突入。サイパン、テニアン、グアムのマリアナ諸島は日本軍の「絶対国防圏」の要所とされました。
米軍の攻撃が激しさを増し、44年6月、米軍がサイパンに上陸。横田さんは家族とともに艦砲射撃や空襲の中を逃げ回りました。
「弾が雨のように落ちてくる修羅場」でした。
戦場は日本軍の兵隊と民間人が混在。「見つかるから子どもを泣かすな。殺せ」と日本兵に迫られ、横田さんの義理の姉は拒否できず3歳の子に手をかけました。(゚o゚;;
追い詰められて手りゅう弾で命を絶ったり、崖から身を投げたりして、多くの民間人が犠牲になりました。「持だされた手りゅう弾は三つ。ピンを口で抜いて一、二、三でパツと投げる。2個投げてダメなら、最後の1個で自爆するのです。捕虜にはなるなとたたき込まれていました」
父と兄を失い
山の中を約2ヵ月間さまよいました。父と兄は迫撃砲の砲弾で亡くなりました。横田さんも機銃掃射を受け、右脇腹を弾が貫通し、破片で右ふくらはぎを負傷しました。自ら命を絶とうとしましたが、死に切れませんでした。
戦争法案を強引に進め、新基地建設を強行する安倍政権。今の状況は、戦争が押し掛けて来たあのサイパンの状況と同じようになってきているといいます。
「基地があるところが攻撃され、戦場になる。戦争を知らない若い人たちにはピンとこないかもしれませんが、私たちはそれを経験していますから」
毎年、サイパン、テニアンに足を運び、祈りをささけています。そのサイパンに似ている美しい海、大浦湾。ここに基地を造らせていいのか、私と同じ経験を子どもたちにさせていいのか。「基地がなく戦争がなければ父も兄も死なずにすんだ」。その思いで辺野古に来ています。
「慰霊の日」には、那覇市の識名(しきな)霊園にある、南洋群島で犠牲になった1万2826人が合祀(ごうし)されている「南洋群島沖縄県人戦没者並開拓殉難者慰霊碑」で平和を祈ります。
(おわり)
(この連載は沖縄県・星野淳、尾崎吉彦、柳沢哲哉が担当しました)
南洋群島沖縄県人戦没者並開拓殉難者慰霊碑
Battle of Okinawa/沖縄戦
https://youtu.be/ztzuwCX5lWk
まさに狂気だ!(゜д゜)
(閲覧注意)
Battle of Okinawa 沖縄戦
https://youtu.be/a7u7zdR8Sbs
https://youtu.be/JS64LDgz-E8
必見です!
戦後70年 千の証言スペシャル 私の街も戦場だった
http://dai.ly/x2jcfi4
戦闘機が急降下し、家々の屋根すれすれから機関銃を放つ。走る列車が被弾し火花が散り、駅舎が燃え上がる。機銃は何発も何発も発射され、学校の校庭に着弾して土煙が上がる。
70年前、日本中のあらゆる街が空襲を受けた。
原爆投下や東京大空襲…大規模な空襲に隠れ、余り顧みられてこなかった機銃掃射を中心とする空襲。
その様子は、全て米軍の戦闘機の翼などに設置されたカメラ=ガンカメラに、映像として捉えられていた。
多くは鮮明なカラー映像で、機銃の引き金を引くと同時に録画が開始される仕組みだ。
低空で撮影された映像には、はっきりと当時の街が攻撃される様子が映っている。
ガンカメラ映像の分析を手がけるのは若い研究者たちだ。40代1人、20代2人のあわせて3人。彼らは米国から映像を取り寄せる。
米国側の映像の整理は行き届いているとは言い難い。それがどこの空襲映像なのかを特定することは、知識と経験のある人が、丹念に調査しない限り難しい。
「映像を見れば、戦争を経験していない我々のような人でも、日本全土が攻撃されたことを実感できるのではないか」。
http://dai.ly/x2jcnol
証言を集めるうち、私たちは犠牲になった人々に改めて思いを馳せる。
ガンカメラ映像には、列車や駅が撃たれるシーンが多数登場する。鉄道は日本の重要な輸送路。連合軍はそれをターゲットにしていた。そしてその列車には、多くの人々が、様々な目的で乗っていた。鉄道への空襲は、そうした人々の運命を、一瞬にして変えた。
単独の列車が狙われた最悪の空襲は東京の中央線、高尾山の麓にある「湯の花(いのはな)トンネル」の入り口で起きた。乗り合わせた疎開中の若い姉妹の運命は分かれる。家族の今も続く悲しみを、取材を元に制作したドラマと、実際の証言を織り交ぜたドキュメンタリーを組み合わせたドキュメンタリードラマで描く。
ドキュメンタリー部分の取材は、番組全体のナビゲーターである佐藤浩市が担当。遺族や目撃者らに話を聞く。ドラマでは、杉咲花と福田麻由子が若い姉妹の役を演じ、飯田基祐と奥貫薫が姉妹の両親の役を演じる。戦争で犠牲になるのはいつも市井の人々だ。
やがて来る…ミサイルと徴兵制…(´・_・`) アベコベさんに辞めてもらうしかないネ(^ω^)
幼稚園も「ミサイルに備えよ」!?
福岡県が「国民保護」調査
(しんぶん赤旗)2015年6月23日
「有事」の際に国民や地方自治体、民間組織を広く動員する国民保護法に基づいて自治体に策定を義務付けている国民保護計画。安倍政権が「戦争法案」成立を狙う今、「国民保護」の名の下で戦時態勢に組み込まれることへの恐怖が改めて市民の中に広がっています。
”保護者衝撃”戦争準備だ。
福岡県糸島市内の私立幼稚園。11日、「ミサイル攻撃や航空攻撃の際に、爆風等からの直接の被害を軽減するための一時的な避難(退避)を行う」などの場所として基準を満たし、園を提供することは可能かどうか照会する文書が届きました。
照会は県の私学振興課が県内私立の幼稚園、小・中・高校など全園長・校長あてに出したもの。県は国民保護計画を策定する上で2007年度から毎年、学校や公民館、公園などを所管する関係各部局に避難場所を調査させてきました。これまで4400ヵ所以上を避難施設に指定
し、国に報告を行っていますが、私学振興課は今回初めて照会を実施。安倍政権が戦争する国へ突き進む中、「なぜ今の時期に」と不安の声が上がりました。
同幼稚園へ娘を通わせる山下康太郎さん(39)は、園長から調査の話を聞いて衝撃を受けました。幼稚園にまでミサイル攻撃を前提とする調査が及び、知らぬ間に身近なところで進んでいた戦争準備。「戦争や有事という言葉が独り歩きし、実態や現実を伴わないモンスターのように暴走していると感じた」といいます。
国民保護に関して情報提供を行う内閣官房のホームページには、大型商業施設への爆発物設置を想定した、自衛隊と自治体などによる共同訓練の様子が紹介されていました。自衛隊が集団的自衛権でアメリカと海外での戦争に参加することで、まるでテロの標的になると見越したかのような訓練に、さらなる危機感を抱いた山下さん。「戦争法案をめぐる国会審議で、安倍首相らは集団的自衛権を行使しても『危険はない、安全だ』と繰り返していますが、実際やっているのはこれですよ」と憤ります。
日本共産党県議団の高瀬菜穂子団長は、安倍政権が戦争法案を何が何でも成立させようとする中、私学振興課がこれまでにない調査を初めて実施したことを指摘。「何らかの力が働いているのではと、教育現場が戸惑うのは当然です。戦争法案の危険性が改めて浮き彫りになっただけに、必ず廃案にしなければなりません」と話しています。
国民保護法 「武力攻撃を受けた場合」(有事)への対処を定める「有事関連法」の一つ。小泉内閣時代の2004年に成立。自治体に「国民保護計画」を策定させ、病院や学校など自治体施設を米軍・自衛隊に提供するなど「有事」、における国や自治体などの責務、避難、災害への対処を取り決めています。日本が攻撃されずとも、自衛隊の参加する戦争に国民を総動員する法の実態が当時の国会審議を通じて明らかになっています。
平成26年度
福岡県国民保護共同実動訓練の概要
http://www.kokuminhogo.go.jp/pdf/261215fukuoka-gaiyou.pdf
徴兵制?! 広がる不安
防衛大の任官辞退増 減少する自衛隊員
(しんぶん赤旗)2015年6月22日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-22/2015062201_01_1.html
「再び、日本に徴兵制が敷かれるのでは」―。戦争法案をめぐって、少なくない人が漠然とした不安を抱いています。法案は自衛隊の任務を大幅に拡大しアメリカと一緒に地球上のどこでも、いつでも戦地にいき戦争支援を行うことになるからです。政府は「憲法上、徴兵制はあり得ない」と繰り返していますが、本当にそうでしょうか。
(吉本博美)
柳沢協二・元内閣官房副長官補は「安保法が成立したら、もう一つ海上自衛隊が必要になる」と述べました(5月15日、国会内での記者会見)。海外任務の拡大で、これまでの倍ほどの隊員数が求められることを示しています。でも、任務が拡大すればするほど若者の足は自衛隊から遠のく―。そのことを示す興味深いデータがあります。
自衛隊の幹部を育成する防衛大学校(神奈川県横須賀市)。卒業生は自動的に自衛官(任官)になる仕組みですが、これを辞退することもできます。任官辞退率は、2014年度では5・3%となっており、11年度の1・1%から約5倍に跳ね上がっています(表)。過去のデータを見ると、イラク、インド洋への派兵が続いていた時期も辞退率が高く、派兵終了後はいったんは下がっていました。ところが安倍政権が集団的自衛権の行使を容認する「閣議決定」を行った14年度、辞退率が再び上昇したのです。
自衛隊員も減少傾向が続いています。だからこそ、国家による強制力が働くのではないか―。そういった不安が広がっています。
解釈改憲で徴兵制も
高校生違法勧誘“先取り”の動き
海外派兵に踏み切り、大規模災害への対応も務めるなど、自衛隊の任務は1990年代以降、多様化、拡大の一途をたどっています。ところが、少子高齢化などの影響もあり、隊員の減少傾向が続いています。防衛省資料によれば、1988年の自衛官現員は24万7191人でしたが、13年度は22万5712人で2万人以上減っています。
イラク戦争以降、04年度から13年度までの10年の間に限っても、自衛隊員の定員は6020人減少、現員数は1万3718人減少しています。このため近年、「徴兵制」の先取りのような動きが水面下で始まっています。
住民台帳のデータを要求
全日本教職員組合が5月8日に発表した「2015年度高校生の就職内定実態調査(卒業時)」によれば、高校生を対象にした自衛隊の違法な勧誘が行われていることが明らかになりました。全国316校の回答のうち、4県の6校で自衛隊の違法勧誘活動が計7件(北海道1校1件、愛知2校2件、山口2校3件、長崎1校1件)行われていました。北海道では「自衛隊が学校を通さないで生徒の個人宅に行き勧誘活動をしている」という証言があります。
全国高校組織懇談会は5月29日、「自衛隊の違法な勧誘活動の中止」を求めて防衛省へ要請しました。自衛隊が市区町村に対し、住民台帳に基づき高校卒業予定者の氏名、住所、連絡先のデータを要求し、これに自治体が応じていることをただしました。
防衛省担当者は、各地の自衛隊が違法な勧誘をしている状況を把握しておらず、「個別勧誘は違反であり、今後は発見次第に指導する」と回答しました。
憲法18条の「苦役」を否定
横畠裕介内閣法制局長官は「憲法は人権を保障している。(徴兵制は)第18条の意に反する苦役に値する」と述べ、徴兵制導入の可能性を否定します。しかし政府・与党内には異なる考えも存在します。
石破茂地方創生担当相は2002年の憲法調査小委員会で「徴兵制は憲法18条で禁じている奴隷的拘束、意に反する苦役だと思わない」と発言。また19日の衆院安保特別委員会でも石破氏は「安全保障は『政策上』の部分が相当にある」と述べました。
憲法改正推進本部長の船田元・衆院議員も、徴兵制は憲法18条が禁じる「苦役」にあたるとする憲法解釈の変更は「理論上ありうる」と発言しています(14年7月10日、テレビ朝日系番組)。
米国では、貧富の格差により増大した貧困家庭の子どもや、学費のローンに苦しむ学生に対して、奨学金や経済援助などを持ちかけてイラクやアフガニスタンなどの戦地に送り込む手段が常態化しています。
若者の貧困が進めば日本でも同様の危険が考えられます。
徴兵制 国家が一定の年齢に達した国民に兵役の義務を課す制度。戦前の日本は徴兵制を敷いていましたが、戦後は禁止されました。現在の自衛隊は自らの意志で任官する志願制です。世界的には、徴兵制は廃止の傾向が続いています。
貧困層に「経済的徴兵制」?
奨学金返還に「防衛省で就業体験」
(東京新聞【こちら特報部】ニュースの追跡)2014年9月3日
文部科学省は先月末、大学生らの経済支援に関する報告書をまとめた。有識者会議メンバーの一人はその検討過程で、卒業後に就職できず、奨学金の返還に苦しむ人たちについて「防衛省でインターンシップ(就業体験)をさせたらどうか」と発言した。若年貧困層を兵士の道に追い立てるのは「経済的徴兵制」ではないのか。
(榊原崇仁)
同友会専務理事提案 格差の拡大懸念
発言の主は、文科省の有識者会議「学生への経済的支援の在り方に関する検討会」メンバーの前原金丁経済同友会専務理事。住友生命の常務取締役などを務めた人物だ。
奨学金返還が話題にのぼった五月の検討会で、前原氏は「返還の延滞者が無職なのか教えてほしい。放っておいても良い就職はできない。防衛省などに頼み、一年とか二年とかインターンシップをやってもらえば就職は良くなる。防衛省は考えてもいいと言っている」と促した。文科省の担当者は「考えてみます」と引き取ったものの、検討会が先月二十九日に公表した報告書には盛り込まれなかった。
物議を醸す構想だけに、文科省も具体的に検討しなかったようだが、関係者は神経をとがらせる。
大学生や教職員らでつくる「国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会」の岡村稔事務局次長は「奨学金の返還を名目に、自衛官という仕事を斡旋する制度をつくることになりかねない」と危惧する。
米国では実際、軍に入隊すれば国防総省が奨学金の返還額を肩代わりする制度があるという。「そもそも防衛関係の仕事は心身ともに負担が大きい。安倍政権が集団的自衛権の行使容認を閣議決定した結果、自衛官の仕事はリスクが格段に高まっている。『命が脅かされる』というのも絵空事ではない」(岡村氏)
学費のために防衛の仕事に就くルートをつくることは、格差社会の助長にもつながりかねない。
藤本一美・専修大名誉教授(政治学)は、米国の現状について「米軍は志願兵制を取るが、貧困層の若者が兵士になる例が非常に多い」と解説する。
米政府が奨学金返還を肩代わりするのは兵士の確保のためだが、格差社会が進む米国では、この制度に頼らざるを得ない貧困層が多い。結果的に兵士の多くを貧困層が占めている。貧困層にとっては、兵士以外の選択を奪われた「経済的徴兵制」なのだ。
三浦まり・上智大教授(政治学)は「米国の場合、防衛の仕事は貧困層に押しつけるあしき構図が定着してしまったのが大きな問題」と指摘した上で、冒頭の前原氏のような発想を批判する。
「そもそも何かと引き換えに大学で学ぶ機会を与えるという考え方が間違い。若者たちには一人一人、自分の能力を引き出すための学習権がある。学生の経済支援を考えるなら、この権利を安心して行使できるよう大学教育の無償化という方向で考えるべきだ」
星月夜☆さんのブログ
そもそも総研☆
「本当に徴兵制はないのか?」
(春と修羅☆)
http://ameblo.jp/hoshitukiyoru7/entry-11891813465.html
より
そもそも総研今日は「集団的自衛権の先に本当に徴兵制はないのか?」
ツイッターからまとめました。
「安倍総理がオーストラリアで集団的自衛権行使を自慢しながら潜水艦の技術など軍事機密の贈呈式をやり!小野寺五典が米国で強襲揚陸艦を買いたいと有頂天になり!石破茂が滋賀県を防衛拠点にすると叫ぶ・・軍事一色じゃないか」
防衛官僚の小池加茂市長は「集団的自衛権で自衛隊に入る人はいなくなる
当然この報道を妄想という人たちや集団的自衛権に賛成した人達が率先して志願兵となり、徴兵制を回避してくれるでしょう。徴兵制の歯止めは憲法18条憲法解釈変更で徴兵制も可能になるのではないか?この「苦役」の解釈がまたまた変えられるのではないか?
元内閣法制教区朝刊阪田氏「憲法18条に、いかなる拘束も強制されないとある。現行では徴兵制はできない。しかし、憲法9条を憲法解釈で無効と出来るなら、18条を憲法解釈で変えるのはもっとたやすい」
船田元さんインタビュー「集団的自衛権行使容認で徴兵制はあり得ますか」の問いには「憲法18条に違反するのであり得ない」と。
玉川「しかし憲法の9条の解釈を変えると言ってるのだから、18条の解釈を変える可能性は?」「それはあり得る。」と。
「憲法9条のどこに集団的自衛権はダメだと書いてあるんですか!」とドヤ顔で言っていた石破茂だから
石破幹事長は「国際紛争ではアメリカの若者が血を流しているのに、日本の若者は血を流さなくていいのか」と発言
そもそも総研(7月10日)石破氏は2002年5月に「国を守ることが意に反した奴隷的な苦役だというような国は、私は国家の名に値しない…徴兵制が憲法違反であるということには、私は意に反した奴隷的な苦役だとは思いませんので、そのような議論には賛成しかねると思っております」と発言。
自衛隊の慰霊祭「奥さんが小さい子どもの手を引いて献花する。その光景がたまらないですよ。こんなことが日常茶飯事になるんですよ 」。元防衛官僚・小池清彦加茂市長
以上
星月夜☆さん、ありがとうございましたm(_ _)m
そもそも「徴兵制なんてありえない!」
と言い切れるのだろうか?
20140710モ―ニングバ―ド!そもそも総研たまペディア
http://dai.ly/x216zmb
安倍首相の未来を暗示する
総統閣下パロディー動画
(日刊ゲンダイ)2015年6月22日
http://nikkan-gendai.com/articles/view/news/160986
「案外、安倍首相本人が作ったんじやないの」なんて冗談も飛び交っている。ユーチューブに今月アップされた安保法制のパロディー動画が、ネット上で話題だ。「総統閣下は、『安保法制』審議にお怒りのようです」と題したその動画、劣勢に立つ安倍首相の赤裸々な本音(?)が見事に描かれ、思わず噴き出してしまう。
ヒトラーの「最期」に似てきた
この動画は、2004年公開の映画「ヒトラー~最期の12日間」をパロディー化したもの。ヒトラーを安倍首相に見立て、実際のセリフとは違う。創作字幕”を付けている。
「映画『ヒトラー』をパロつた動画は、ネット上で『総統閣下シリーズ』と呼ばれ、大人気です。先月も橋下大阪市長をちゃかした『総統閣下が都構想の失敗でお怒りのようです』がアップされ、話題に。再生回数は15万回を超えています」(ITジャーナリスト)
”安倍バージョン”は時間にして約4分、再生回数はまだ2万3000回ほどだが、”通”の手によるものとしか思えないほど上手に作ってある。話は、終戦直前、地下壕の一室でヒトラー(=安倍首相)が部下から”戦況報告”を受けるところから始まる。
「国民の8割以上が説明不足を感じており、野党は『戦争法案は憲法違反だ』と攻勢を強めています」「船田(党憲法改正推進本部長)が指名した憲法学者は(中略)『憲法違反だ』と発言しました」と部下。
ヒトラーは「安全保障法案は合憲と思っているものだけ残れ」と指示。20人ほどいた部下はぞろぞろ退室し、残つだのは数人の幹部だけ。
ヒトラーは怒りに打ち震えながら、「おまえたちが信じていないなら、誰も信用しないじゃないか」「なんのために、マスコミとボルシチ食ってると思ってんだ」「米国にも約束したんだぞ」「6月19日に強行採決する予定だったのに」などとわめき散らし始める。
なぜ、船田に任せたのかと部下から問われたヒトラーは、こぶしを振り回し、さらに激高。
「失楽園で落選した船田を救っだのはオレじゃないか」「あいつは選挙だけじゃなくて、オツムまで弱いのか」「無能な中谷(防衛相)の代わりにオレが答弁して、ヤジを飛ばして『完全にコントロール』していたのに」「ヤジを謝っだのに、全部台無しじゃないか」
ひとしきりまくし立てた後、ヒトラーが「小泉」(元首相)なんて、『自衛隊のいるところは紛争地帯ではない』というだけで、簡単にごまかしたじゃないか」「オレも、小泉のようになりたいよ」と愚痴るところで動画は終わっている。 ワロタ)^o^(
これが本音としか思えない
安保関連の総統閣下シリーズには別バージョンもあって、「合憲とする(憲法)学者をたくさんみつけました」と部下から報告を受けたヒトラーが「何がたくさんだ。150人も学者がいて、たった3人か」「お前ら、数の数え方を教わらなかったのか?」「それじゃあ、ほとんどの学者が違憲って判断だろっ!」とカンカン。いずれもなかなかの出来栄えで、動画のコメント欄も「NHKで流して欲しい名作!!」などと絶賛の嵐”だ。
「安保法制は、憲法学者3人の違憲発言から完全に潮目が変わった。研究室にこもり切りだった学者も『ノー』と声を上げ始め、国民も国会に押し寄せています。自民党が会期を延長してゴリ押ししようにも、この流れは止められません。まさにヒトラーの最期と同じ状況で、この動画は安倍首相の本音そのもの、”心臓”をえぐり出すものでしょう」(政治評論家・本澤二郎氏)
安倍首相にとっては、悲劇の動画か。
総統閣下は、「安保法制」審議にお怒りのようです
https://youtu.be/WSroOlr3KyQ
安保関連法案について総統閣下がお怒りです
https://youtu.be/ygQn8ZItg48
2015とくほう・特報
憲法カフェ×ママ=広がる・動く
子らの未来と命が…
戦争法案を止めたい
(しんぶん赤旗)2015年6月22日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-22/2015062203_02_0.html
若手弁護士が、おしゃれなお店で、子育て世代の母親らに憲法問題を語る「憲法カフェ」が広がっています。保育園や公民館などで開いたものも合わせると700回を超えました。6月は各地で30回以上開かれます。折しも国会では、いつでも、どこでも、米国のどんな戦争にも参加できるようにする戦争法案の審議中。ママたちはどんな視線を向けているのか―。
(内藤真己子、写真も)
「新たな波が きている」
横浜市緑区の日本料理店。11日、ランチタイムを前に女性らが集まってきました。おとな26人に子どもが6人。お座敷での「憲法カフェ」です。
講師は2年前に「カフェ」をはじめた、「明日の自由を守る若手弁護士の会」(略称・あすわか)の弁護士・太田啓子さん。会場を見渡して話します。「今日は参加者が多いですね。『なんかヤバそう』って感じている人が増えてきているからでしょう。国会で3人の憲法学者が『安保法制は違憲』と陳述してから、新たな波がきていると感じます」
カフェは太田さんの問いかけからスタート。「国民は憲法を守らないといけない。これ、○だと思う方?」。数人の手があがりました。太田さんは続けます。「憲法を守らなければならないのは国家権力。個人の人権・自由を守るために国家権力の乱用を防ぐのが憲法。それを立憲主義といいます」。「そうなんだぁ」。ママから驚きの声が上がります。
講演は、立憲主義を否定し、日本が攻撃されていないのにアメリカなどの戦争に参戦する集団的自衛権の行使を可能にする自民党改憲草案や、安倍内閣の解釈改憲による戦争法案に及びました。
「安保法制は違憲ではないの?」「法案が通ったらどうなる?」。核心を突く質問が次々に飛び出します。
子どもの英語塾の友だちに誘われ1歳児を抱っこして来たママ(28)は、「アメリカといっしょに行動するのが日本のためになると聞いてきました。そのことで日本がテロの標的にされ、危険になるなんて怖い」。
「妊娠・出産を優先して仕事を辞めた」という1歳男児のママ(45)は、「知らないことの恐ろしさを感じ、危機感を持ちました。授かった子の命はなんとしても守りたい」。
安倍政権の「戦争する国づくり」に女性の不安が広がっています。新聞の世論調査でも「安全保障関連法案」に「反対」は女性が56%、男性の48%を上回ります。片や「賛成」は24%で、男性(45%)の半分程度です。(「毎日」5月25日付)
こうした意識動向に敏感な女性週刊誌は、「あなたの子供が“アメリカの戦争”に命を捨てる!」(『女性自身』6月2日号)、「自民党『憲法改正マンガ』の危険シーンにツッコミ このマンガは戦争の邪魔になる『母の本能』を押しつぶす!」(同23日号)などの特集を連打しています。
ママ友に知らせたくて
ママたちは、なぜ動き出したのか。その思いを聞くと―。
「3・11の福島原発事故後、国の対応に疑問を抱いたことから政治に関心を持ちはじめました」。こう話すのは埼玉県白岡市の川本由紀子さん(33)=仮名=、3人の子持ちです。昨年「カフェ」に行き、「自分の子どもが戦争に行くことになったら…。怖い。戦争する国へ向かう流れを止めたい」との思いを強くしました。ママ友に知らせたいと、カフェを4回開きました。
「安倍さんは私の息子のことなど知らないでしょう。兵士になったら『数』としてしか見られない。最近、ヒトラーに関する本を読んでいたら、『平和』といいながら戦争に向かって行く姿が描かれていた。いまの安倍さんと重なりました」
子どもが通う幼稚園や自宅で5回も「カフェ」を開いたのは、さいたま市の南雲けいさん(33)=仮名=。「毎日顔をあわせるママたちにこそ、知ってほしい」と、幼稚園の園長に持ちかけ、了解してもらいました。参加してくれたママたちは「漠然と安倍さん怖いと思っていたけど、やっぱり怖い」「帰ってパパにしゃべりたい」。手ごたえを感じました。
ママたちの動きを後押ししたもう一つのカギは“カフェ”という気軽で、ちょっとおしゃれな形です。
冒頭の横浜市の「カフェ」を企画した増子順子さん(38)は、1歳と5歳の子育て真っ最中です。「子どもが小さいのでデモに行ったりできません。カフェなら、と思い切って友だちに声をかけました。断られた人も結構いてショックだったけど、日々忙しくて新聞を見る暇もないママに知ってほしかったんです」
「ママ友と政治の話をすることに、心のどこかで迷いがありました。でも憲法を学び、『私たちには権利がある。もっと政治にモノを言っていいんだ』と自信が持てたんです」。こう話すのは、2人の子どもを育てる八王子市の田辺野江さん(42)=仮名=。弁護士に頼らず、自らが憲法「語り部」をはじめました。「『私が話すから聞いて』って敷居を低くして、広げていきたい」。独自のレジュメもつくり意欲的です。
議会に請願 街頭署名も
カフェをきっかけに政治に直接働きかけ始めたママもいます。
京都府宇治市の中村あゆ美さん(41)=製造業パート=は17歳、14歳、6歳の母親。中村さんも、日常の暮らしのなかで政治のことを話せる場をと憲法カフェを開催。カフェに集ったママ友と相談しながら、10日、宇治市議会に「安保法制案の撤回を求める意見書」の請願を出しました。自公や民主、共産党の議員に声をかけ、次のような手紙を渡しました。「子どもたちの未来が、命が、かかっている問題です。党派や会派を超えて、自分の良心に従った意見を表明されることを望みます」
千葉県八千代市の石井真利子さん(35)は、新日本婦人の会の「親子リズム」を“卒業”したママたちで作る「筋トレ小組」で憲法カフェを開きました。「安倍さんの動きが怖くて、自分でもなんとかしなきゃと思ったんです。カフェに行って、これなら小組のママたちとも違和感なくできると思いました」。小組のママに戦争法案反対の署名を呼びかけました。
2歳の娘を連れて石井さんも参加した新婦人・船橋支部の9日の「レッドアクション」には子育て世代の会員など31人が集合。1時間で46人分の署名が集まりました。
同支部副支部長の阿部礼子さん(42)は、「夫が自衛隊員のママも『9条があるから安心だと思っていたけど、これからは心配。(戦争法案は)やめてほしい』と言っています。憲法違反の戦争法案は廃案にし、安倍首相にはやめてもらうしかありません」と話します。
2分でわかる!集団的自衛権「ほぼAtoZ」
https://youtu.be/5d66mRUASZM
小出裕章先生:彼らは、やってることが失敗しても全く困らないのです…ゼネコンがせしめて儲けていく
大阪空襲訴訟は何を残したのか?
(ラジオフォーラム#129)
https://youtu.be/EZ49dyeadtw?t=15m52s
15分52秒~第129回小出裕章ジャーナル
汚染水対策の行方「すずとか鉛というような物を送ることができるのであれば、それが液体状態になって、炉心を冷やしてくれるのではないかと期待しています」
http://www.rafjp.org/koidejournal/no129/
福島第一原発設置前の様子
矢野宏:
今、福島第一原発の現状ですけれども、核燃料から出る崩壊熱ですよね。それを冷やすために今もう水をひたすら入れていると。それが地下水と一緒になってしまって、汚染水として1日に400トンですか、それぐらいの汚染水が出ている。これを何とかまずしなければいけないということで、小出さんは、「この水ではなくって、すずとか鉛、融点の低い金属で冷やすことも可能だ」というふうにおっしゃってますが、それは可能なんですか?
小出さん:
分かりません。4年以上経った現在では崩壊熱が減っているので、必ずしも冷やす度に水でなくてもいいだろうと思うようになりました。
そのために水に代わる材料として、比較的低い温度で溶けてくれる金属、スズとか鉛というような物を送ることができるのであれば、それが液体状態になって、炉心を冷やしてくれるのではないかと期待しています。
でも、ほんとにそれができるかどうかということは、はじめにお伝えした通り、私もよく分からないのです。でも、このままでは、やはり放射能汚染水問題がますます深刻になって、手の打ちようがなくなりますので、いつの時点から、やはり決断してやってみるべきだと私は思っています。
放射能汚染水垂れ流し
矢野:
なるほど。金属だけではなくって、場合によっては空冷、空気でも冷やせるんだということをおっしゃってますが。
小出さん:
はい。車という物であっても、液体で大抵はエンジンをラジエーターで冷やしているわけですが、でもバイクなんかは空冷なんですね。ですから、発熱の大きさによっては、水あるいは液体でなくても、空冷ということも可能かもしれないと思います。格納容器という巨大な容器の中に、たぶん溶けた炉心がどこかにある。あるいは、一部は突き破って出ているかもしれませんけれども、格納容器という巨大な容器。かなり表面積が大きいですので、その表面をブロアーで冷やすということで、冷却ができる可能性がかなり高いと私は思います。
矢野:
わかりました。そしてもうひとつなんですけれども、小出さんは「石棺で封じ込めるしかない」というような発言をされてますよね?
小出さん:
そうです。
矢野:
私達は石棺と言うと、チェルノブイリを思い出すんですけれども、ああいった簡単にと言ったらちょっと語弊があるかもしれませんが、コンクリートで埋めて固めて、福島第一原発は大丈夫なんでしょうか?
小出さん:
さまざまな問題があると思います。例えば、チェルノブイリ原子力発電所の事故の場合には、溶け落ちた炉心が地下に流れていったのですが、当時のソ連政府が、地下に液体窒素などを流す、あるいはコンクリートのスラブを造るというような形で、溶け落ちた炉心が地面の方に流れ出ていってしまうということは防いだのです。
そして、地下水がその原子炉建屋の中に流れ込んでくるというような現在の福島第一原子力発電所のようなこともありませんでしたので、とにかく壊れてしまった原子炉建屋、そこを地上の部分ですね、地上の部分をさらに大きなコンクリート構造物で覆えばいいということで、ようやくにして石棺というものを造ったのです。ただ、その石棺も事故からすでに29年経ってボロボロになってしまいまして、その石棺をさらに大きな第2石棺で覆わなければいけないという状態になってしまっています。
福島第一原子力発電所の事故の場合には、すでにもう地下の部分で地下水と混然一体となってしまっていますので、チェルノブイリのように、簡単に地上だけで石棺を造るということもできません。
地下にもやはり、地下水との接触を断つような構造物を造らなければいけませんし、地上にもやはり、コンクリートの構造物を造る必要があると思うのですが、その前に、まずは1号機も2号機も3号機も、原子炉建屋の使用済み燃料プールの中に、まだ使用済みの燃料が大量に残ってしまっていますので、それをとにかく外部につかみださなければいけないのです。
でもその現場すらが放射能で大変汚れてしまっていて、人が近づくことすらができないし、いつになったらプールの中から使用済み燃料をつかみだすことができるのか、それすらが分からないという困難な状況にあります。でも、いつの時点かで、やはりやらざるを得ないのです。
廃止措置等に向けた進捗状況:プラントの状況把握と燃料デブリ取り出しに向けた作業
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/150326/150326_01_2_05.pdf
矢野:
なるほど、そういうことですよね。今おっしゃって頂いた、そのチェルノブイリとの違い。その福島第一原発の場合には、地下水が流れ込んでくる。東京電力と国は、その地下水を防ぐために凍土壁を造ろうとしていますよね?
小出さん:
はい。
矢野:
これについてお伺いしたいんですけど、これは現実可能なんでしょうか?
小出さん:
まあやってみるしかないとは思いますけれども今、福島第一原子力発電所で造ろうとしている凍土壁は、深さ30メートル、長さが1.4キロから1.5キロの凍った土の壁を造ろうとしているわけです。
常時冷やし続けられなければ、その壁がまた融けてしまって壁の意味がなくなってしまうわけですから、まずそんな巨大な氷の壁を造ること自身が私は難しいし、たぶんできないと思いますし、仮に一時的にできたとしても、長期間そんな壁を維持することは到底できないと思います。ですから、いつの時点かで、やはり恒久的なコンクリートと鋼鉄、あるいは、ねん土という案もありますけれども、そのような壁を造らざるを得なくなるはずだと思います。
矢野:
なるほど。できないとおっしゃっいました。確かに、停電が起きると、その氷の壁は融けてしまうわけですもんね?
小出さん:
そうです。停電だけでなくて、ポンプが例えば故障したということであっても、冷媒は送れなくなりますのでだめですし、何かパイプが詰まってしまったということでもだめなわけですし、何十年にもわたってそんな物を維持できる道理がありませんので、結局破綻すると思います。
矢野:
なぜ私達でも分かるこういったことを国とか東京電力は進めようとしてるんでしょうか?
小出さん:
彼らは、やってることが失敗しても全く困らないのです。何百億円かのお金をせしめて、ゼネコンがそれを請け負うわけです。やはり、これはうまくいかないということになると、今度は次のまた壁を造ろうということになって、別のゼネコンがそれを請け負うわけです。何百億円だか何千億円だか知りませんが、それをゼネコンがせしめて儲けていくということになるわけです。
ゼネコンという組織は、原子力発電所を建設する時に儲けて、事故が起きてしまったら今、除染ということで大儲けをしているわけですし、凍土壁を造る、あるいはまた別の壁を造るという時でも、またどんどん大儲けができるというそんな構造になってしまっているのです。
矢野:
なんとも腹立たしいお話ですよね、これは。
小出さん:
ほんとにそう思います。
矢野:
このゼネコンを儲けさせるために今、そちらに向かってるということなんでしょうねえ。
福島第一原発1号機建設の様子
小出さん:
そうです。
矢野:
はい、ありがとうございました。
小出さん:
こちらこそ、ありがとうございました。
注目の人 直撃インタビュー
小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)
2013年9月13日 日刊ゲンダイ
http://gendai.net/articles/view/syakai/144541
「放射能は完全にブロックされている」「コントロール下にある」――。IOC総会で、安倍晋三首相は福島第1原発の汚染水問題について、こう豪語した。首相の言葉はすなわち、国際公約になったわけだが、現地では今も1日400トンもの地下水が壊れた原子炉建屋に流れ込み、海に漏れている可能性も否定できない。安倍首相の言う「完全ブロック」とは程遠い状況なのだが、原子力の第一人者はどう見ているか。
そんなに安全なら自分で現場に行けばいい
―安倍首相のIOC総会での発言を聞いて、どう思われましたか?
「ほとほと呆れました。一体何を根拠にコントロールできていると言っているのでしょうか。冗談ではありません。福島原発は今、人類が初めて遭遇する困難に直面していて、想像を絶する状況が進行しているのです。そもそも、原発政策を推し進めてきた自民党政権は、原発を安全だと説明してきたが、安全神話は事故で崩れた。それなのに『コントロール』なんて、よく言えたもので、本当に恥知らずです。そこまで言い切るなら、安倍首相自らが福島原発に行って収束作業に当たればいいと思います」
―汚染水の現状をどう見ていますか。
「これは予想できたことなのです。事故が起きた福島原発では溶けた炉心の核燃料を冷却する必要があります。水を入れれば核燃料に触れた水の汚染は避けられない。福島原発は水素爆発で原子炉建屋の屋根が吹き飛び、地震と津波で、施設のあちこちが壊れている。汚染水は必ず外部に漏れてくる。それが原子炉建屋やタービン建屋の地下、トレンチといった地下トンネルにたまり、あふれ出る。誰が見ても、当たり前のことが起こっているのです」
―小出さんは2011年3月の事故直後から、汚染水はタンカーで移送すべきだと提案していました。
「漏れた汚染水が原発の敷地内にたまり続け、今のように周辺からあふれるのは明白でした。それなら一刻も早く汚染水を漏れない場所に移さないといけない。そこで数万トンの容量があるタンカー移送を提案したのです。新潟県にある世界最大の原発、東京電力柏崎刈羽原発には廃液処理装置があります。柏崎刈羽原発は稼働停止中ですから、そこに運んで廃液処理するべきだと考えたのです」
―しかし、提案は採用されなかった。
「汚染水を海上輸送するので、地元漁協はもちろん、国際社会の反発が予想されるし、受け入れる新潟県の反対もあったのでしょう。東電が柏崎刈羽原発に放射性廃棄物がたまり続けることを避けたかったのかも知れません。私は2011年5月に原子炉建屋の周辺に遮水壁を設けることも提案しました。地下水の汚染を防ぐためです。しかし、東電側は『カネがかかり過ぎて6月の株主総会を乗り切れない』と考えたようで、結局、何もしなかった。今になって遮水壁、凍土壁をいますね」
汚染水は許容値の300万倍、制御は不可能
―政府の汚染水対策の柱は「凍土壁」と、汚染水から放射性物質を取り除く多核種除去装置「ALPS」の増設・改良です。「ALPS」が稼働すれば状況は改善されるのですか。
「動かさないよりも動かした方がいいに決まっている。しかし、汚染水問題の根本解決は困難と言わざるを得ません。なぜなら、汚染水の濃度があまりに高いからです。汚染水に含まれている主な放射性物質はセシウム137、ストロンチウム90、トリチウムの3つだと思います。この実験所をはじめ、国内の原発でストロンチウム90を廃液処理する場合、法令上の基準値は1リットル当たり30ベクレル以下です。しかし、先日、福島原発の地上タンクから漏出した汚染水は1リットル8000万ベクレルと報道されていました。つまり、許容濃度にするには、300万分の1以下に処理しなければならない。私は不可能だと思っています。さらに、トリチウムは三重水素と呼ばれる水素ですから、水そのもので、ALPSで除去することはできません」
―凍土壁は効果ありますか。
「私は遮水壁は鉄とコンクリートで造るべきだと思っています。耐久性があり、最低でも10~20年は持つからです。しかし、造るのに時間もカネもかかる。待ったなしの状況を考えれば、急場しのぎの凍土壁も造った方がいい。ただ、凍土壁が冷却に失敗したら地下に巨大な穴が開く恐れがある上、何年維持できるのか分からない。最終的には、やはり、凍土壁の周囲を鉄とコンクリートの遮水壁で覆う必要があると思います」
―小出さんは最近、水を使った冷却をやめるべきと言っていますね。
「水を使い続ける限り、汚染水は増え続ける。今のような状況は何としても変えなくてはなりません。重要なことは冷やすこと。つまり、冷やすことさえできれば、手段は問わないわけです。東海原発の原子炉のように炭酸ガスを使って冷やす例もあります。ただ、ガスだと今度は汚染ガスの問題が出てくるでしょう。そこで、金属を使うことが考えられます。仮に(融点の低い)鉛などを炉心に送ることができれば、最初は熱で溶けて塊になるものの、塊が大きくなるにつれて次第に熱では溶けなくなる。その後は自然空冷という状態になると思います。ただ、これが確実に有効な対策かと問われると正直、分かりません。金属の専門家などを集めて知恵を絞るしかありません」
チェルノブイリのように石棺にするしかない
―福島原発はどうすれば廃炉できるのでしょうか。
「(1986年に事故を起こした)チェルノブイリ原発のように石棺しか方法はないと思います。ただ、チェルノブイリ原発も事故から27年経った今、コンクリートのあちこちが壊れ始めている。福島原発は事故を起こした原子炉が4基もあり、石棺にするにしても、使用済み核燃料プールにある燃料棒は必ず取り出す必要がある。その燃料棒の取り出しに一体何年かかるのかも分かりません」
―簡易型タンクで急場をしのぐだけの東電の後手後手対応にも呆れます。
「現場は猛烈に放射線量が高く、一帯は放射能の沼のようになっていると思います。その中で、貯水タンクを(壊れにくい)溶接型にしたり、漏出がないかどうかを24時間体制で監視すれば、確実に作業員の被曝(ひばく)線量が増える。つまり、作業を厳格にしようとすれば、その分、作業員の被曝線量が増えてしまう。だから、場当たり的な作業にならざるを得ないのだと思います」
―作業員の話が出ましたが、今後、数十年間は続くとみられる廃炉作業を担う作業員は確保できるのでしょうか。
「チェルノブイリ原発では、収束のために60万~80万人が作業に当たりました。27年経った今も、毎日数千人が作業しています。原子炉1基の事故でさえ、この状況です。福島は原子炉が4基もある。一体どのくらいの作業員が必要になるのか見当もつきません」
―それなのに安倍政権は原発を再稼働する気です。
「町の小さな工場でも毒物を流せば警察沙汰になり、倒産します。しかし、福島原発の事故では東電はいまだに誰も責任を問われていません。電力会社が事故を起こしても免責になることに国が“お墨付き”を与えたようなものです。だから、全国の電力会社が原発再稼働に走るのです」
▽こいで・ひろあき 1949年東京生まれ。東北大工学部原子核工学科卒、同大学院修了。74年から現職。放射線計測、原子力施設の工学的安全性の分析が専門。「放射能汚染の現実を超えて」(河出書房新社)、「原発のウソ」(扶桑社)など著書多数。
○● 見過ごし出来ない!(#゚Д゚) ●○
自民墓穴
言論弾圧政党の正体暴露
(日刊ゲンダイ)2015年6月29日
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変質する原子力協定
国内で新設困難 海外輸出に活路
(東京新聞【こちら特報部】)2015年6月24日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015062402000128.html
日本からインドに原発を輸出できるようにする原子力協定交渉が進んでいる。原発の安全性も問題だが、協定にはさらに大きな問題がある。日本が輸出した原発で核燃料を使用した後、プルトニウムを取り出す再処理をインドに認めようとしている。プルトニウムは核兵器への転用が容易だ。日本が掲げる「原子力の平和利用」が破られてしまわないか-。
(沢田千秋、榊原崇仁)
インドとの原子力協定交渉は二〇一〇年に始まった。五年たっても合意に至らないのは、日本製原発で使用した核燃料の再処理の容認を求めるインドに対し、日本が慎重姿勢を貫いてきたからだ。
日本は現在、十四の国・機関と協定を結ぶ。そのうちの七つは福島第一原発事故が起きた一一年以降に発効した。相手は、電力需要の増す新興国が多く、原発の輸出を目指す。
だが、日本が原発輸出国の立場で、核兵器に転用可能なプルトニウムを取り出す再処理を認めた協定はない。ヨルダンとUAEに対しては再処理を禁止。トルコやベトナムに対しては、再処理をするには書面による合意を必要とする。岸田文雄外相は昨年四月、衆院外務委員会で「トルコの濃縮、再処理を認めることはない」と強調した。
では、なぜインドに対しては再処理を認める方針なのか。
インドの人口は現在、十二億五千万人。国連の予測では、二八年に十四億五千万人になり世界一になるという。電力需要は高まる。国際原子力機関(IAEA)の予測では、インドを含む中東・南アジア地域の原発の数は、三〇年には最大で、現在の九倍にあたる五十五基に増える。
安倍晋三首相は一三年五月、滞っていた原子力協定の再開について、インドのシン首相(当時)と合意した。この時期、野党の質問に対し、「福島第一原発事故の経験と教訓を世界と共有することにより、世界の原子力安全の向上に貢献していくことがわが国の責務」と答弁書で答えている。(-ω-)
福島の原発事故が国内の原発メーカーに与えた影響は大きい。日立製作所、東芝、三菱重工業が原発製造の技術を持っているが現在、国内での原発新設は極めて困難な状況にある。そこで、海外輸出を目指そうとしている。ダァメ X(゚ロ゚ 三 ゚ロ゚)X ダァメ!
拓殖大大学院講師の竹内幸史氏(南アジア研究)は「インド政府は原発増設を長期的計画として表明している。日本にとって大きなマーヶツトになる」とみる。
しかし、インドは一九七四年、カナダから輸入した研究炉で得た使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して核実験を行い、核兵器保有国になった。核兵器の製造などを禁じる核拡散防止条約(NPT)には加盟していない。
再処理容認に当たり、取り出したプルトニウムの量や所在を記した目録提出の義務付けを求めても、インドは「IAEAの査察協定があるので転用の懸念はない」と拒否しているという。再処理を認めた場合、核軍縮・不拡散の観点から問題はないのか。
竹内氏は「IAEAの査察はインドの原発の全てに目が届くわけではない。日本政府は被爆国として核軍縮を進めるリーダーの役割を果たしたい一方で、インドを特別扱いして関係を深めて中国を載制したいという狙いもある。安倍政権は後者を優先している」とみる。
プルトニウム抽出
イン卞こに初容認へ
今でこそ原発輸出国として欧米諸国と肩を並べるようになった日本も、原発技術を導入する際、外国を頼った。
一九五五年、米国との間で原子力研究のための協定を結んだ。日本は有償で濃縮ウランを借り受け、茨城県東海村の日本原子力研究所(当時)に米国製の研究炉を設けた。五七年に臨界を達成し、最初の「原子の火」をともすことに成功した。
この協定では、使用済み核燃料は米政府に返還することが決められていた。元外交官で、原子力委員会委員長代理を務めた遠藤哲也氏は「原子力には『二重人格性(二つの面)』がある。平和利用の側面と核開発という軍事転用の側面だ。日本は原子力の平和利用を夢見たが、米国は核兵器の拡散を懸念し、協定を通じて規制をかけた」と説明する。
六八年には日米原子力協定が結ばれた。この原子力協定では、国内における使用済み核燃料の再処理、つまりプルトニウムを取り出すことが認められた。返還しないで他国に輸送することも容認されたが、一回ごとに、米国の承認が必要だった。
状況を変えたのは、八八年に新たに発効した現在の原子力協定だ。核燃料サイクル事業を進めたい日本の要求が通り、一回ごとの米国の承認を不要とする「包括的事前同意」に変更された。
この協定を結ぶときの交渉で日本側の首席代表を務めた遠藤氏はこう説明する。「包括的事前同意は日本だけに対する特例措置だった。米国が冷戦構造の中で日本の存在を重んじたほか、当時の中曽根康弘首相とレーガン大統領の仲もあって認められた」
当時、日本が軍事転用をしないという信頼関係も米国と築けていた。だが、日本はいま、インドと原発を軍事転用しないという信頼関係を築けているのか。
核拡散促しかねない
実は、米国は既に、インドと原子力協定を結び、使用済み核燃料の再処理を容認している。遠藤氏は「イントは核拡散防止条約(NPT)への加盟を求められても聞く耳を持ってこなかった。対話のテーブルに着くよう、日米共同歩調で手を打とうとしているのではないか」とみる。
その上で、「日米協定では安全保障上の問題や核不拡散の懸念が生じた場合、包括的事前同意を停止する取り決めがあった。インドとの協定にも取り込むべきだ」と歯止めを求める。
明治大の勝田忠広准教授(原子力政策)はそもそもの日本の姿勢を問題視する。
「いま、二政府が原発輸出にしっかりしたビジョンを持っているか疑わしい。産業界の意向第一、お金の問題として動いているようにしか見えない」と指摘する。輸出先の国々における原発の保守、点検の問題を挙げ、「安全性をどう確保するのかという議論が乏しいように思えてならない」と危ぶむ。
「核兵器の原料となるプルトニウムを手にしやすい状況をなぜつくるのか。他の国が同じ条件の原子力協定を求めるケースが出てきて、核拡散を促すことになりかねない。広島と長崎の原爆投下と福島第一原発事故を経験した日本が果たすべき役割から大きくかけ離れている」と、原子力協定の締結では厳しい規制を設けるように求めた。(`・ω・´)
気になっていた話題を色々と…( ̄- ̄)
「怖いけど ついのすみか」
川崎・簡易宿泊所火災1カ月ルポ
(東京新聞【こちら特報部】)2015年6月18日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015061802000185.html
10人が死亡した川崎市川崎区の簡易宿泊所(簡宿)火災から17日で1カ月。簡宿は、高齢の生活保護受給者の最後のトリデとなっている。現場を歩くと、身寄りのない「住人」たちは「火事は怖いが、ほかに居場所がない」と口をそろえた。対策はあるのか。困窮者を支援するNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」の稲葉剛さん(45)は、民間アパートの借り上げによる公営住宅の拡充などを提案している。
(白名正和)
2畳1間トイレ・風呂共同 布団とTV
85歳二簡宿で30年…焼け出され また
川崎市川崎区の京急八丁畷駅から東に約二百メートル、ちょうど神奈川県警川崎署の裏手に火災現場はあった。周辺にはマンションが立ち並ぶ。全焼した簡宿二軒のうち一軒はすでに更地になっていたが、隣接するもう一軒は焼け焦げた柱や壁が残る。
火災現場から北へ約二百メートルほど行くと、約三十の簡宿が密集する一角に出る。どの宿や一泊二千円前後。かつては日雇い労働者が多く滞在していたが、現在は、年老いた生活保護受給者が大半を占める。市の調べでは、簡宿街一帯の受給者は約千三百人、七割が六十五歳以上の高齢者だ。
火災で焼け出され、簡宿街の宿に移った男性(八五)に話を聞いた。やはり生活保護受給者だ。二畳一間でトイレと風呂は共同。布団と備え付けの小さなテレビで部屋がほとんど埋まる。
火災現場から逃げる時に足をけがしたものの命に別条はなく、歩行に不自由はない。「あっという間に燃え広がった。逃げられたから良かったが、怖かったよ」と振り返る。簡宿は真っ平ご免ではないのか。「怖いけど、もうこの部屋がついのすみかだ。アパートに入れればいいが、その生活が想像できないんだ」。なぜ想像できないのか。男性の簡宿生活は三十年の長きにわたる。関東地方の大学病院や役所の建設現場で汗を流してきた。独身で身寄りはなく、寝起きは簡宿。二十年前に熱中症が原因で仕事をやめた後も、簡宿にとどまった。「深い話をする相手はいないが、顔なじみはいる。ここしか居場所はない」
近くの公園では、簡宿街で暮らす福島県出身の男性(七〇)がたばこを吸っていた。火事には直接遭遇していないが、「やっぱり怖いな。俺は好きで住んでいるんじゃない。出て行きたいんだけど、行くところがないんだ」と明かした。
青森や秋田、新潟の高速道路建設現場を渡り歩いた。結婚して娘も生まれたが、すぐに離婚して妻と娘とは疎遠になった。「今更、世話にはなれないんだよ」とさみしがる。
この男性も、宿泊者との人間関係は薄い。人恋しいのか、記者が公園を離れる時に「もう少しここにいるから、また来いよ」と声をかけてくれた。
火災現場に戻ると、全焼した簡宿に住んでいた男性(六九)と出会った。火災後、簡宿街とは別の簡宿に落ち着いたが、気になって何度か足を運んでいるという。簡宿を選ばざるを得ない理由は、前出の男性たちと同様、簡宿以外で生活するのが不安だからだ。
男性は「生活保護受給者はアパートには入れない」と勘違いしていた。話は年金に及んだ。「年金はもらっていない。保険料は支払っていたはずだが、会社がつぶれたりして分からなくなってしまった」。悔しそうに言うと、自転車に乗って立ち去った。
困窮と住宅 一括議論を
建物は国交省・生活保護は厚労省 縦割りで対策進まず
公営住宅増設
自治体が民間アパート借り上げ+公的入居保証
今月十日、東京・霞が関の厚生労働省。稲葉さんは「もやい」の仲間とともに、担当者に「困窮と住宅問題を統一的に議論してほしい」と申し入れた。
「過去に起きた類似の火災の際も要望したが、建物は国土交通省、生活保護は厚労省の管轄となるため、有効な対策が打ち出せていない。根本的な解決策がないまま悲劇が繰り返されている」。要望の後、稲葉さんは記者に強調した。
「類似の火災」の一つが、群馬県渋川市の無届け老人施設「静養ホームたまゆら」だ。二〇〇九年三月、入所する高齢の生活保護受給者ら十人が死亡した。施設の壁の一部にはベニヤなど燃えやすい素材が使われ、火災報知設備も設置していなかった。
二年後には、東京・大久保の築四十八年の木造二階建てアパート「ローズハウス林荘」が全焼し、生活保護を受ける単身高齢者五人が死亡。アパートは四畳半一間がほとんどだった。
「川崎の火災も含め、高齢の受給者が住宅の選択肢を失って劣悪な環境に追いやられ、火災によって命を失った点で共通している」と稲葉さんは指摘する。
困窮高齢者の住宅確保は難しい。本来の受け皿は公営住宅だが、川崎市内の約一万七千戸に空きはなく、新規建設の予定もない。
民間アパートもハードルが高い。保証人が確保しづらく、孤独死を嫌う大家も貸し渋るためだ。実際、日本賃貸住宅管理協会の一〇年の調査では、高齢者の入居に拒否感がある大家は全体の59・2%に達した。
稲葉さんが、ある契約書類を見せてくれた。「もやい」が法人として高齢者の保証人となった際に大家と交わしたものだ。「(孤独死した場合は)部屋全体の原状回復を行わなければならず、相応の費用をご負担いただくことになります」との一文が明記されていた。これでは、一般の人は二の足を踏むだろう。
中には受給者を受け入れる「福祉可」という物件もあるが、「建物が老朽化していることが多く、住環境が良いとは言えない」 (稲葉さん)。こうなると選択肢は簡宿などに限定される。(´・ω・`)
川崎市は一三年十一月、簡宿の利用者にアパートへの転居を促す取り組みを始めた。今年三月末までに百十五人が簡宿を出たが、簡宿で生活保護を受ける人の数は、制度の導入前後でほぼ変わらない。
川崎市保護課の担当者は「受給者が出ても、別の受給者が入ってくる」と説明する。一時的な宿であるはずの簡宿が、住宅に困る困窮高齢者の受け皿となっている実態が見て取れる。火災現場や簡宿を歩いた記者の実感とも重なる。
では、どうするべきなのか。稲葉さんは以前から「自治体が民間アパートを借り上げる形の公営住宅を増やし、さらに公的な入居保証制度を導入することで、アパートが借りやすくなる。空き家対策として、民家への入居を促す方法もある」と唱えてきた。
公営住宅の新規建設よりは、現実的な提案に聞こえるが、これまでの行政の反応は鈍かった。川崎の火災を受けても、国交省は違法建築の確認と是正を徹底する通知、厚労省は情報収集にとどまる。川崎市は、再発防止に向けた対策会議を開いているが、違法建築対
策が主な議題だ。
稲葉さんは「通知を出すだけでなく、今こそ、困窮高齢者の住宅対策を一から話し合うべきだ。(簡宿の利用者は)これまでの住宅政策の不備によって『ここでいい』と思わされてしまっている。住宅政策の不備をこれ以上押しつけてはいけない」と訴える。
簡易宿泊所 室内の様子
日本国憲法前文
より
「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」
日本国憲法第25条
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」
生活保護法
(この法律の目的)
第一条 この法律は、日本国憲法第二十五条 に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。
(無差別平等)
第二条 すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護(以下「保護」という。)を、無差別平等に受けることができる。
(最低生活)
第三条 この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない。
もはや“他人事”ではなくなった!
あなたの知らない「貧困の惨状」を追跡
http://diamond.jp/articles/-/6599
「貧困とは、どういう状態を言うのか?」
今回の特集は、こんな基本的な議論から始まりました。
格差社会の議論は今に始まったことではありませんが、景気の急激な悪化によって、それがさらに進んで「貧困層の急拡大」が問題視されています。
全労働者に占める非正規社員率が3割、完全失業者に占める失業保険給付率が2割、生活保護を受けるべき人の受給率が2割など、さまざまな数字がこれを裏付けています。
しかし驚くべきことに、日本では政府による“貧困”の定義や調査がなされておらず、国は「日本では貧困は大きな問題ではない」という見解を崩していません。
正直に告白すると、この問題を詳しく知らなかったのは、私とて同じ。しかし、貧困の実態取材や、貧困解消を阻む政策の問題点を探るにつれ、問題の大きさと複雑さ、そして解決方法の難しさを痛感して、頭を抱えました。
よく言われる「自己責任論」、つまり「何らかの努力が足りなくて貧困状態に陥ったのだ」とする見方も、全くの不正解ではありません。パチンコに精を出し、サラ金に手を出した挙げ句にホームレス状態に陥った人に、果たしてどこまで手を差し伸べたらよいのか――。
編集部内や友人などに聞いてみても、皆の意見はバラバラです。私自身もよくわかりません。
しかし、労働市場の歪みや公的支援の不整備に阻まれ、貧困から抜け出せない人が少なからず存在するのも、また事実。
餓死しなければよいというわけではなく、最低限の衣食住に加えて、ある程度の娯楽を楽しめるレベル、そして何より家族を持って子育てできるレベルにまで全国民の生活水準を引き上げなければ、ゆくゆく経済が崩壊し、日本人全体が苦しむことになります。
この問題の解決には、大幅な財源確保が必要になります。しかし、ただでさえ財政赤字が深刻なので、増税で賄うしかない。そのためには、国民全体が“他人事”という発想を捨て、問題意識を共有する必要があります。
脅すわけではありませんが、これを放っておけば、貧困層はさらに拡大して行き、いずれあなたや私が“ブルーシート”で暮らす日が来ないとも限りません。
参考文献を読み漁り、慣れない頭脳労働にバテた数週間でしたが、本誌は頭が疲れない程度にはわかりやすくまとめて書いたつもりです。ぜひご一読ください。
(『週刊ダイヤモンド』編集部 津本朋子)
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悪玉じゃなかった?
厚労省「コレステロールと食事 無関係」
(東京新聞【こちら特報部】ニュースの追跡)2015年5月16日
血中コレステロール値を気にして食事を制限している人に朗報だ。厚生労働省が今年改定した「食事摂取基準二〇一五年版」で、食事制限との科学的相関関係が認められないことから高コレステロール食品の基準を削除。日本動脈硬化学会も今月、これを容認した。欧米の医療現場ではほとんど気にすることはないとされていたコレステロール値。これで国際基準に一歩近づいたともいえそうだ。
(鈴木伸幸)
エビ、卵、肉…「無罪」/やっと国際基準に
コレステロールは、これまでの食事摂取基準では、十八歳以上の男性で一日当たり七五○ミリグラム未満、女性は六〇〇ミリグラム未満としていた。
五年ごとに改定する「食事摂取基準」の報告書で、血中コレステロール値について「一定に保たれるようにフィードバック機構が働いている。摂取量がコレステロール値に反映されるわけではない」と説明。コレステロール含有率が高い卵の摂取量と動脈硬化との関連が認められなかったとの調査結果から「十分な科学的根拠が得られなかった」と結論付けた。
日本動脈硬化学会も今月一日の声明で基準撤廃を容認し「動脈硬化を防ぐには、高コレステロールだけでなく、血圧や血糖値のコントロール、禁煙、運動など包括的な生活習慣の改善が大切」と指摘した。
米国でも同様の動きがある。心臓病学会が二〇一三年秋に、食事とコレステロール値の相関関係が証明できないことから、卵に加え、エピやロブスターなどの高コレステロール食品の摂取制限をしないと発表。農務省などの「食事ガイドライン」も今年、摂取制限を廃止する方針だ。
ところで気になるのは、日本では悪玉とされている「LDLコレステロール」と「中性脂肪」の「正常値」の国際格差だ。コレステロールは脂質の一種で、細胞膜や神経細胞、ホルモンなどの原料となる体にとって重要な物質。日本以外では悪玉とは表現されない。
数値は個人差が大きく、米国では異常とする診断基準を血液一〇〇cc当たり「一九〇ミリグラム以上」、中性脂肪は「一〇〇〇ミリグラムリ以上」としている。
これに対して、日本ではそれぞれ「一二〇ミリグラム以上」「一五〇ミリグラム以上」とはるかに低い。
以前は欧米でも日本と同様のガイドラインだった。ところが「LDLや中性脂肪を下げても、病気の予防や治療に役立たない」とする研究結果が相次ぎ、基準は見直されてきた。米国立衛生研究所(NIH)の委員会「コレステロール教育プログラム」は、○四年からコレステロール値を下げる治療のガイドラインを出していない。「家族性高コレステロール血症」といった病的ケース以外では、人為的に下げる必要性がないとされているからだ。
米国では糖尿病や心筋梗塞の予防で一時、高コレステロール食を避けていた時期があったが、心疾患は減らず糖尿病患者が激増。NIHによると、炭水化物の摂取増が原因で、今では動物性タンパク質より穀物類が制限されている。
日本でも、LDLや中性脂肪の数値が高い方が長生きするという調査結果が明らかになっている。脳卒中のリスクにしても「高脂血症の方が低い」というデータもある。
東海大医学部の大櫛陽一名誉教授は「一部の例外もあるが、総コレステロール値は高い方が死亡率は低く、がんや感染症にもかかりにくい。健康で長生きするには、肉などをしっかり食べて、ご飯などの炭水化物を抑え、空腹時に運動をすることの方が効果がある。コレステロール値に過剰反応しないほうがいい」とアドバイスした。
日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要
(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
トランス脂肪酸
日本 規制なし
(東京新聞【こちら特報部】ニュースの追跡)2015年6月24日
米国で油脂の成分の一つであるトランス脂肪酸の食品添加物が三年後に原則禁止となる。過剰摂取すると、心臓疾患などのリスクが高まるとされているが、日本では規制されていない。だが、消費者の関心の高まりを受け、食品業界などでは、利用量の低減などを進めるところも増えている。
(林啓太)
米は添加禁止へ
業界は自主対策
含有量表示求める声も
トランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸と呼ばれる脂質の一種。自然由来のものもあ
るが、植物油を加工する際にも発生する。マーガリンやコーヒー用のクリーム、ビスケット、スナック菓子などに多く含まれる。
トランス脂肪酸を過剰に摂取すると、悪玉コレステロール値を高めたり、動脈硬化や心筋梗塞を引き起こしたりする可能性が増すと報告されている。世界保健機関(WHO)は、摂取量を一日の総エネルギー量の1%未満に抑えるよう勧告している。
米食品医薬品局(FDA)は、「食用として一般的に安全とは認められない」と指摘。二〇一八年六月までに食品添加を原則禁止とすることを決めた。FDAは「心臓病を減らし、年間数千件の命に関わるような心臓発作を防ぐことができる」とみている。
日本では、トランス脂肪酸の規制や含有量の表示義務はない。
内閣府の食品安全委員会は一二年、「通常の食生活なら健康への影響は小さい」とする評価書をまとめた。同委員会によると、日本人がトランス脂肪酸から摂取ずるエネルギーは総量の約O・3%。WHOの勧告を下回る。米国人は約2・2%で、食生活の違いが大きいという。
内閣府の消費者委員会も今年五月、「日本人の大多数は1%未満と推定され、平均的な摂取量なら健康への影響を懸念する水準ではない」とする報告書をまとめた。ただ、若年層や女性を中心に摂取量が多い傾向にあることから、今後、表示義務などを検討する必要があると指摘している。
厚生労働省食品安全部の担当者は「今のところ、摂取量に基準を設ける予定はない」と話す。
食品業界などでは、消費者の懸念をなるべく拭い去るため、使用量の低減や原料の切り替えに取り組む企業が増えている。
日本ケンタッキー・フライドーチキン(KFC)は油の改良で主力商品のトランス脂肪酸の量を○五年と比べ十六分の一に抑えた。日本KFCホールディングス広報室は「顧客から問い合わせがあれば、削減の取り組みを丁寧に説明する」と話す。
山崎製パンはホームページで主な商品のトランス脂肪酸の量を開示している。同社広報・IR部は「健康への影響を懸念する声に応える必要がある」とする。
トランス脂肪酸の問題に詳しい富山短大の竹内弘幸教授(食品栄養学)は「ごく少数だが、トランス脂肪酸の含有量が度を超えて高い商品もある。WHOの勧告を超える量を食べてしまう可能性もある。そうした商品に対しては規制も検討していくべきだ」と提案する。
食の安全・監視市民委員会の神山美智子代表は、「商品に表示があれば、消費者は自主的に摂取量を調整できる」として含有量の表示に積極的に取り組むよう求めている。
日本で規制なき「トランス脂肪酸」
避ける食べ方を専門家指南
(日刊ゲンダイ)2015年6月30日
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/161243
米国では、3年後に禁止されるトランス脂肪酸だが、厚労省は「規制は考えていない」という。しかし、トランス脂肪酸の規制は世界の流れ。本当に食べ続けて、大丈夫なのか。
横浜創英大名誉教授・則岡孝子氏(栄養学)が言う。
「WHOは、トランス脂肪酸の摂取量を1日の総エネルギーの1%未満に抑えるよう勧めていて、日本はその範囲内に収まっていますが、米国は2・2倍。その差が日本の規制が甘い最大の根拠です。しかし、クリニックでの食事指導などの経験から、データは必ずしも実態を反映していないように思います。食生活によっては、米国並みに摂取している人が相当数いるはずです」
トランス脂肪酸の恐ろしさは、米国で04年に公開された映画「スーパーサイズ・ミー」で大注目された。その米国版DVDの特典映像が、2カ月常温で放置されながら腐らなかったポテトフライだ。トランス脂肪酸は、別名“プラスチック油脂”といわれ、添加された食品は劣化しにくくなる。
それが悪玉のLDLコレステロールを上昇させて、血管の内側にヘドロみたいにたまり、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす。ぜんそくや鼻炎、皮膚炎などアレルギーの原因にもなるという。33歳の主人公は30日間、3食ファストフードを食べ続けた結果、体重は11キロ増の95キロ、体脂肪率は8ポイント増の19%に上昇した。
そのすべてがトランス脂肪酸の“仕業”とはいわないが、ニューヨーク市は映画公開の翌年、トランス脂肪酸の規制を打ち出している。
「デンマークが03年にトランス脂肪酸の含有量を油脂100グラム当たり2グラムを超えないように決定。同様の含有量規制はスイス、オーストリア、カナダ、シンガポールなども導入しています。韓国や台湾、香港のほか、食料不安が根強い中国でさえ含有量の表示義務があるのです」
■重ねて摂らない、食材は厳選
実は、トランス脂肪酸は肉をはじめ天然の脂肪にもわずかに含まれるが、加工品に圧倒的に多い。典型的な“トランス食品”をチョイスしたのが上の表だ。知らず知らずのうちに口にしている人も多いだろう。
朝起きたら、コーヒーフレッシュを入れたコーヒーを飲みながら、マーガリンを塗ったパンを1枚。昼は時間がなく、マヨネーズを使ったハムサンドで軽く済まし、一段落しておやつにドーナツ1個。夜は冷凍食品の空揚げをつまみに晩酌……。
「トランス脂肪酸の含有量は、マーガリンが最大13%と突出していますが、菓子類やインスタント食品、冷凍食品なども侮れません。たとえば、パイは最大7%、カレーやシチューのルーは最大4%。トランス脂肪酸を避けるには、重ねて取らないのがコツ。たとえば、カレーはインスタントではなく、インド料理店など専門店で買う。甘いものがほしければ、ケーキやパイをやめて和菓子にする。含有量1%を超えるマヨネーズはなるべくつけず、チキン南蛮より普通の空揚げに。安い飲食店やインスタント食品ではラード(最大1%)が多用されますが、そういうのは控えて、食材を厳選した店にするといった具合です」
“目に見えない敵”は周りにあふれている。気をつけなければ、映画の主人公みたいになってしまうのだ。
トランス脂肪酸を含む食品について。- 2010.12.26
https://youtu.be/Jmj9eAlIzPA
自分の幸せのためには自分が動かないと (゜-゜)(。_。)
戦争法案いらない
本当に止める
(しんぶん赤旗)2015年6月29日
安倍政権か国会を大幅延長して強行をねらう戦争法案(安保法制案)に危機感を持ち、「本当に止める」「私たちの未来を勝手に決めるな」と声をあげ、行動にたちあがる若者たち。動きは全国各地に広がりつつあります。
SEALDs KANSAI
「幸せのため
自分が動く」
関西の学生たちが、首都圏で活助していた「SASPL」(特定秘密保護法に反対する学生有志の会)に影響を受け、「自分たちの住む地域で、できることを」と立ち上げた「SEALDs KANSAI」(自由と民主主義のための関西学生緊急行動)。21日、初めて主催したデモで2200人が「戦争立法反対」の声を上げました。メンバーの思いとこれからの活動について聞きました。
震災経て関心
音響機材を積んだサウンドカーに乗り、ラップのリズムで軽快にデモを先導した野間陸(のま・りく)さん(19)=同志社大学2年=。東日本大震災・福島原発事故をきっかけに政治に関心をもち、福島と沖縄を行き来してきました。「政府の悪政で苦しんでいる人をたくさん見た。戦争法案を許して苦しむ人を増やしたくないし、自分の生活や命が脅かされるのもいや。安倍首相を降ろさないといけない」と語ります。
実感を大事に
大澤茉実(おおさわ・まみ)さん(21)=立命館大2年=は「勉強していない自分には何も言えない」と思っていました。心境が変わったのは昨年冬。社会運動の研究のため友人と訪れたパレスチナで、「人間らしく生きる」ことを求め、声を上げ続ける市民に接したときでした。
「どこまで知識を持てたら意見を言っていいなんて境界はないんだとわかった。自分の実感で苦しいときに苦しいと言うことが大事だと思った」
「準備中はメンバーの顔しか見えなくて、どれだけの人が応えてくれるか不安だった」という面々。500人の参加予想に対し、4倍の人が集まりました。
デモ中にスピーチした山口晶子さん(19)=神戸女学院大2年=は「一緒に頑張ってくれる人がこんなにいるんだと力づけられた。法案は通らないし通させない」と感じました。「本当は、顔も名前も出して発言するのは怖い。でも、自分の幸せのためには自分が動かないと。誰か任せでは変わらない」、と口元を固く結びます。
「本当に止める」を合言葉にする学生たち。今後、週一回をめどに関西各地を回り街頭アピールを行います。
「面と向かって一人ひとりと対話することが世論を勳かす力になる」-。大阪市廃止の是非を問うた住民投票で、広告料を億単位で使う推進派に対し、反対する市民が路上で地道に「大阪市を守ろう」の世諭を広げた姿から学んだことです。
(前田美咲)
宮城県「仙南青年9条の会」
反対の一点 「集まれ」
宮城県の「仙南青年9条の会」(通称9ジョン=9条とジョン・レノンを掛けています)は昨年10月発足しました。農家、酪農家、料理人など多彩な顔ぶれ。「愛と平和」を歌おうとカラオケなどに友人を誘ってきました。
「青年」の9条の会は全国でも珍しい。その思いは…。
ロックは自由
「会」の代表は蔵王町のハーブ農家、平間徹也さん(33)。平間さんの農園でバーベキュー(BBQ)が20日、行われました。のどかな農園にジョン・レノンの代表作「イマジン」が流れます。すると長髪のかつらをかぶり丸めがねをかけ、ジョン・レノンになりきった平間さんが登場。「自民党はロックじゃないね。自由と程遠い。アメリカに迎合している。ロックの基本は自由だぜ」と叫ぴます。(^o^)ノ イエー!
ピラに書かれたアドレスを見てフェイスブックでつながつた会員は30人ほど。平間さんは「″ふわっと”誰もが来やすい会にしたい」といいます。
焼きそぱつくりに腕をふるう蔵王町で飲食店を開く佐藤雅宜さん(36)。「安倍さんは憲法学者などに違憲だといわれても懲りない。後輩が多賀城駐屯地にいます。海外で戦死したら悔やみきれないですよ」と話します。
佐藤さんが牛肉や豚肉を豪快に焼くと、平間さんは、畑でとれたミントで爽やかなカクテル「モヒート」を振る舞いました。
妻の唯(ゆい)さん(31)と3人の子どもと来た菊地武士さん(31)。福島県との県境、丸森町で乳牛70頭を飼っています。東京電力福島第1原発事故で、牧草が放射能汚染しました。今でも牧草の一部を輸入しています。「私の祖父は戦争経験者。生きるか死ぬかの話を聞いたことがあります。安倍首相は言葉では『戦争することは絶対ない』というが、どうなるかわからない」といいました。
人生左右する
スポーツタイプの車で仙台市から参加した吉見卓朗さん(28)はいいます。「自衛隊に入った時は海外で銃を持ってたたかうとは想定していなかったはず。自衛隊員の人生を左右するのが今の国会だと肝に銘じて、廃案まで頑張りたい」
BBQの合間に画用紙にメッセージを書きました。菊地さん親子は「NO戦争」の周りに、子どもたちが花などを描きました。平間さんはジョン・レノンの曲名「Power to the People」と書き、「戦争法案反対の一点で、ジョン・レノンの名の下に集まれ」と気合を入れました。
(遠藤寿人)
John Lennon - Imagine
https://youtu.be/DVg2EJvvlF8
John Lennon - Power To The People
https://youtu.be/Wos-dDxpJlQ
戦争法案反対
SEALDs + 学者
”夜の国会前講義”
(しんぶん赤旗)2015年7月1日
首都圏の大学生を中心につくるSEALDS(自由と民主主義のための学生緊急行動)は、6月5日を初回に毎週金曜日の夜、国会正門前で戦争法案に反対する抗議行動を続けています。毎回、ゲストとして学者が招かれてスピーチしていることが話題になっています。学生だちからも「抗議行動に行くと、あこがれていた先生たちの講義が聴ける。毎回楽しみ」と好評です。
独裁国家を許さない
小林節さん
(慶応大学名誉教授、憲法)
戦後70年間、日本は専守防衛でやってこれた。これが賢い防衛手段なんです。間違って「世界の警察」などやってしまったら、アメリカと同じで、経済的に滅びるし、世界中を敵に回します。
政治家が憲法を無視する習慣がついてしまうと、民主国家ではなく独裁国家になってしまう。だから、ここは許さないで、次の世代への責任だと思ってがんばってほしい。私も安倍内閣の暴走を止めたい。よろしく。
(6月5日)
学者多数が共に立つ
小森陽一さん
(東京大学教授、九条 の会事務局長、日本近代文学)
いまいったい何人の憲法学者が戦争法制に反対しているか。200人以上です。憲法学という学問は、明らかに戦争法案は憲法違反で、取り下げるべきだということを明確にしていると思います。
憲法学だけでなく、あらゆる専門の学者も共に立ち上がろうとしています。私たちが大きく政治のあり方、潮目を変えていくときです。それぞれの大学の教師と一緒になって、大学から一気に運動を起こしていきましょう。
(6月12日)
黒を白とんでもない
西谷修さん
(立教大学特任教授、哲学・思想史)
今国会では、政府は黒を白だといいくるめることしかやっていません。これがまかり通れば世の中の基本的な決まりは崩れ、ぐちゃぐちゃになってしまった世の中をみんな生きていかないといけない。とんでもない話です。
基本的にこの国は、なにか問題が起こったときに、戦争でことを解決しようとすることを止めてきた。それがこの社会の安定や安心をつくっている。皆さんがんばってください。私も一生懸命やります。
(6月12日)
憲法の規範性を壊す
石川裕一郎さん
(聖学院大学教授、憲法)
私も含めた5人で全国の憲法の先生に手当たり次第にメールや手紙を出して、きょうの時点で230人くらいから賛同をいただきました。集団的自衛権の容認は、どう考えても憲法の規範性を壊す。その一点で集まっているので、(賛同者には)改憲派の人もいます。
今の状況をたとえるとこうです。病院に行って、手術を勧められたとします。しかしその人は医師免許を持っていません。他のお医者さんに聞いたら、100人中90人のお医者さんが、その手術は危ないといいます。でも自分の主治医は、いや私を信じなさいといいます。そのとき、皆さんは手術を受けるでしょうか、とりあえず待ちますよね。
(6月12日)
「戦争は違法」広がる
堀尾輝久さん
(東京大学名誉教授、教育)
学生や市民の方が立ち上がったことをうれしく思います。みなさんの声にまったく同感です。
戦争すべてがいけないものだ、という考え方は新しいんです。戦争の本質が人間性に反するんだという認識が世界的に広がってきている。今はそういう時代ととらえる必要があります。
戦争そのものが違法なものだ、集団的自衛権という軍事同盟自体が国際法にも本来的に違反するんだという認識を深めながら、輪を広げていきたい。
(6月19日)
若者の姿未来に自信
樋口陽一さん
(東北大学・東京大学名誉教授、憲法)
若い諸君の力強い声、生き生きした姿。これに接して、この国の今と未来に、もう一度私は自信を持ちました。
まじめに法学にとりくんだものなら、立憲主義を守ろうというのは立場を超えて誰しもが思うことです。
憲法9条についても、国民のなかで、いろいろな考え方があるでしょう。しかし、過去の戦争に学ばず、戦後の日本が一生懸命やってきたよいところさえ知らず、立憲主義という言葉を知らない。そういう今の国会議員たちに、手を触れさせてはいけない。
不真面目な人たちによって戦後日本が築いてきたことを解体させられる瀬戸際にある。何かわけのわからない流れの中で日本が変えられようとしている。はね返しましょう。
(6月19日)
平和と民主主義守る
広渡清吾さん
(元日本学術会議会長、専修大学教授、法学)
安倍自民党内閣は、会期末までに戦争法案を仕上げることはとうとうできず、歴史的にいちぱん長い会期の延長を強行しました。
なぜそうなったか。みなさんの声が国民に届いているからです。
大学では、われわれ学者、教師と学生が一緒になって、大学における自主を守る、学問の自由を守る。学問は民主主義とともにある。そういう大きな国民のだたかいを合流させて、なんとしても戦争法案をつぶすことが、日本の平和と民主主義を守り発展させていく上で、とても重要と確信しています。一緒にがんばりましょう。
(6月26日)
われわれは負けない
中野晃一さん
(上智大学教授、哲学)
子どものことを考えると、自分たちの世代で、われわれの享受してきた自由や民主主義を壊されてはいけないと思います。
今、政府は守勢にまわされていて、次は「憲法守って国滅びる」という議論を持ち上げるでしょう。しかし、平和なときですらここまで国家権力を暴走させてしまい、憲法も守れない人たちが、国民を守れるわけがない。彼らの関心は国家権力を強めることで国民の安全ではありません。
われわれは負けません。それは一人ひとりが、自分たちの幸せ、他の人たちの幸せ、平和と繁栄を考えているからです。長い熱い夏になります。一緒に手を携えて、たたかっていきましょ
う。
(6月26日)
堂々と真理を語ろう
山口二郎さん
(法政大学教授、政治学)
安倍総理は何を聞かれても説明を拒否しています。
今、国会の中は、確かに数において劣勢です。しかし、黒人の権利を主張したキング牧師も、最初は少数派でした。それでも堂々と真理と論理を語り、人々を説得した。こういう事例がたくさんあります。私たちはこれからそのようなたたかいをしなければなりません。ともに進みましょう。
(6月26日)
みなさんの姿は希望
大沢真理さん
(東京大学教授、社会学)
アメリカは第2次世界大戦後、ずっと戦争を続けてきた国です。しかし、徴兵制はありません。兵力の調達は20%を超える若者の貧困と大きな関係があります。軍にいけば奨学金返済は帳消しになり、大学学費無料だからです。
日本も人ごとではありません。18歳から25歳の18%の貧困率や、重い奨学金。一生派遣から抜け出せない派遣法の改正案。安倍政権がやっていることは、すべて若者が戦争にかり出されざるをえない国をつくる方向に向かっている。
私は日本の将来が大変心配でした。けれど、ここに来て、みなさんの姿を見て、日本は大丈夫だと希望を持つことができました。
(6月26日)
異論聞かない政府に危機感
衆院安保特参考人質疑
野党推薦3氏の発言(要旨)
(しんぶん赤旗)2015年7月2日
1日の衆院安保法制特別委員会での、野党が推薦した参考人3氏の発言要旨を紹介します。
柳澤協二【参考人・意見陳述】7/1安保法制
https://youtu.be/9CqcGeL1L_4
鳥越俊太郎【参考人・意見陳述】7/1安保法制
https://youtu.be/iOW5UbtKLzM
伊勢崎賢治(参考人) 平和安全特別委員会 2015年7月1日
https://youtu.be/xvU_y6YRSgg
チンピラ政治家に舐め
られている大マスコミ
(日刊ゲンダイ)2015年7月1日
政権政党の言論封じなんて当たり前だ。それを許すどころか自分から媚びへつらい接近する大新聞社のお偉方の浅ましさ
〈報道機関を抑えつけるかのような、独善的な言動は看過できない〉(読売)、〈無恥に驚き、発想の貧しさにあきれ、思い上がりに怒りを覚える〉(朝日)、〈まるで戦前の言論統制への回帰を図る不穏な空気が広がっているかのようだ〉(毎日)-。大新聞の社説の論調が珍しく「政権批判」一色に染まった。
批判の矛先は、安倍首相と親しい議員による勉強会「文化芸術懇話会」で飛び出した「マスコミ懲らしめ」発言だ。報道の自由を否定するような暴言にメディアの反発は当然だが、同時に「今さらしらじらしい」という感じもする。
第2次安倍政権の発足から2年半。大マスコミは安倍官邸の懐柔策にまんまと取り込まれてきた。元経産官僚の古賀茂明氏の「報ステ」降板騒動が典型例だが、メディアの経営トップや編集幹部は政権側の言論弾圧に屈し、それを許した。いや、自ら媚びへつらって物欲しげに接近している”お偉方”までいる。
もはや大マスコミは政権の言いなりだから、安倍応援団の陣笠議員までもが舐(な)めてかかる。自民のチンピラ政治家に臆面もなく下品な妄言を吐かせた責任は、メディアの側にもあるのだ。
海外が知れば卒倒する政権との癒着関係
安倍とメディアの癒着関係は、毎日の首相動静をみればよ~く分かる。安倍は読売の渡辺恒雄会長やテレ朝の早河洋会長ら経営トップをはじめ、大マスコミ幹部としょっちゅうメシを食っている。
この2年半、安倍とメディア幹部の「夜の会食」は60回近く。月2回はどこかの社の幹部が必ず会食しているペースは、3年3ヵ月続いた民主党政権の首相3人の総計のを倍強に達する。店も常に1人の予算1万円を超える”豪華メシ”だ。
先週水曜も東京・銀座の高級割烹店で、朝日、毎日、読売、日経、NHK、日テレ、時事と並み居るメディアの幹部7人が安倍を囲み、名物の「鯛茶漬け」に舌つづみを打った。先の勉強会で安倍応援団から言論潰し発言が飛び出しだのは、その翌日である。著書「安倍政権のメディア支配」を上梓したばかりの政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏はこう言った。
「昔から常に政権政党は報道に圧力を加えてきました。ただし、かつてなら政権側か知り合いの記者などを通じてこっそりやったものですが、今は首相自身が堂々と経営トップを抑え込みにかかる。編集幹部には会食だけでなく、盛んに政権運営の相談電話をかけ、自尊心をくすぐる。自社のトップが首相とメシを食ったと知れば現場の記者もいろいろと斟酌(しんしゃく)します。メディアの記者もあくまで会社員。報道内容がきっかけで経営幹部と首相の仲が険悪にならないかという逡巡(しゅんじゅん)も生じるでしょう。この忖度(そんたく)が自主規制になり、結果的に権力監視の厳しさに欠ける報道につながっているように思えます」
欧米先進国ではメディア幹部と政権トップとの会食は権力との癒着の象徴であり、言語道断だ。お台場カジノに意欲を燃やすフジテレビの日枝久会長が安倍とゴルフに興じる姿を見たら、海外のジャーナリストは軽蔑するだろう。安倍の在任中にその親族と側近の子息が揃ってフジに入社したと知ったら、卒倒するんじゃないか。
さて、安倍と会食を重ねるメディアのお偉方は経営上のいかなる便宜も求めていないのか。安倍に接近する大マスコミ幹部には卑しさと浅ましさ、醜悪さがムンムン漂ってくる。
腰砕けメディアが「言論の自由」を説く笑止
安倍には第1次政権の失敗の要因は「メディアをコントロールしきれなかったこと」と考えているフシがある。再登板後はそこを徹底しようと決めたのか、第1次時代に従軍慰安婦のドキュメンタリーを巡つて関係が悪化したNHKの人事にロコツに介入した。
会長や経営委員に気心の知れた”シンパ”を送り込みでNHKを牛耳ると、次なるターゲットに定めたのは、自ら「安倍政権打倒が社是」と難クセをつけた朝日新聞だ。昨年、慰安婦検証で大揺れのタイミングで、追い打ちをかけるように何者かが原発事故の吉田昌郎所長の調書をライバル紙にリーク。朝日の自滅を誘った。
意に沿わないメディアにムチを振るう一方で、従順なメディアへのアメを忘れない。今年度の政府広報予算は83億円で、民主党政権末期と比べて2倍以上に膨らんだ。予算を預かる内閣広報官は安倍の登山仲間で、霞が関では「政権寄りのメディアに予算を弾んでいるのでは」とまことしやかにささやかれている。
安倍の横暴に”お友だち”が拍車をかける。安倍が出演番組の街頭インタビューの内容にブチ切れると、勝手に意を酌んで在京キー局に「公平中立」を求めつつ、繝集権や放送内容に踏み込む強圧的な文書を送り付ける。放送事業の許認可権を盾にNHKとテレ朝の幹部を党の会議に呼びつけ、エラソーに聴取する。
「中曽根元首相は『政治家は新聞の風刺画になって一人前』と言ったそうですが、かつての自民党には『言論の自由』を重んじる度量や、政権批判への寛容さがありました。学者の批判にムキになり、言論の自由を否定しかねない発言が平気で飛び出す現政権には稚拙さしか感じません。背景には国会の1党支配、数こそ力という子供じみた驕りがあり、その増長を権力監視の立場を忘れたメディアが助けている。”寄らは大樹”とばかりに批判を控え、”お友だち”の自粛要請に唯々諾々で緊張関係を失えば、安倍政権も気が緩み、ツケ上がるのは当然です」(鈴木哲夫氏=前出)
今さら正義を振りかざしても時すでに遅し
大マスコミはアベノミクスの株価上昇をあおるクセに、巨額の年金資産を使った官製相場の危険性をほとんど報じない。イスラム国による邦人人質事件でも「死亡した2人の自己責任論」と「政府は最善を尽くした」という報道に終始。一部メディアは後手に回った政府の対応を批判する者に「テロに屈するのか」とレッテルを貼った。安保関連法案だって違憲が疑われる以上、メディアは国会審議を尽くすより、廃案を迫るのがスジだ。
ずっと政権に及び腰のメディアが、言論統制の危険な風潮に、いきなり「正義」を振りかざしても鼻白む。ましてや、相手は今まさに違憲の戦争法案制定に邁進(まいしん)しいる連中だ。憲法の規定を無視し、立憲主義や民主主義さえ否定するような”オレ棣政権”に言論の自由を説いても、カエルのツラに何とやら。痛くもかゆくもないだろ
う。元朝日新聞記者で、フリージャーナリストの井上久男氏が言う。
「安倍政権の発足から2年半の聞に、メディアはすっかり牙を抜かれてしまいました。自民の勉強会では『マスコミを懲らしめるには広告収入がなくなるのが一番』という声も出ましたが、首相と親しい財界人の暗躍によって、それに近い状況が起きているとも聞きます。今さらメディアが声高に政権批判を叫んでも時すでに遅し。今の首相の横柄な態度だと、弾圧強化の口実に利用される気さえする。明治政府が自由民権運動に対抗するため、公布した『讒謗律』は、時の為政者を批判すれば風刺画すら厳罰に処した言論封殺法でした。すでに国民の知る権利を損なう特定秘密保護法を制定、さらに内部に批判を許さぬ大人げないムードがはびこっているだけに、安倍政権は『21世紀版の讒謗律』を作句かねません。これだけ強圧的な政権をツケ上がらせたメディアの責任は重大です」
安倍政権の弾圧強化でいちばん迷惑を被るのは、知る権利と言論の自由を阻害される国民だ。由々しき事態を招いた大メディアの背信行為は万死に値する。
4割の得票で7割の議席を得てしまう小選挙区制の批判もお忘れなく!
(`・ω・´)
赤嶺政賢(共産)vs安倍総理「沖縄県の怒りを代弁!」国会中継(2015/7/3)
https://youtu.be/hSOguTJ2sJ8
赤嶺さん「文化芸術懇話会での自民党議員の発言は、沖縄をバカにしている!」
安倍路線の旗振り役 百田尚樹氏考
(東京新聞【こちら特報部】)2015年6月30日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015063002000172.html
自民党勉強会での「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない」などの放言が物議を醸している百田尚樹(ひゃくたなおき)氏(59)。売れっ子作家にして右派論壇の常連、そして何といっても、安倍晋三首相ら保守政治家と太いパイプを築いている。思えば安倍政権下では、右派勢力が幅を利かせている。沖縄をおとしめたり、報道機関を威圧したりするような言動は、百田氏だけなのか、首相の「翼賛文化人」に共通するものなのか。
(沢田千秋、篠ケ瀬祐司)
そもそも百田氏とはどんな人物なのか。大阪市出身の百田氏は、関西のテレビ界では早くから知られた存在だった。
一九七〇年代後半、同志社大の学生だった百田氏は、朝日放送(大阪市)の素人参加型バラエティー「ラブアタック!」の常連出演者だった。番組では、一人の女性をめぐって男子大学生が「アタッカー」としてさまざまなゲームに挑戦し、勝ち残った一人が告白のチャンスを得られた。
当時、番組をよく見ていた大阪市生野区の会社役員の男性(五六)は百田氏の姿をよく覚えている。「学ラン姿で牛乳瓶の底のようなメガネをかけ、薄くなった頭髪は肩までのロン毛で、強烈なインパクトでした」。水中に落下してブリーフを出したり、早食い競争では口に含んだ水を噴水のように吐いたりしていたという。その外見と立ち居振る舞いで「みじめアタッカ1」として注目を浴びた。
同志社大を中退した百田氏は、朝日放送で構成作家の道を歩み始める。昨年八月、週刊誌のインタビューで「(朝日放送の)ディレクターから『おむしろいセンスしてるから、今度は裏方でやってみいひんか』って言われて、この業界に入った」と答えている。代表作は、現在まで二十五年以上担当する人気バラエティー番組「探偵!ナイトスクープ」(朝日放送)だ。
五十歳の時、特攻隊員を描いたベストセラー小説「永遠のO」(太田出版)で作家デビューする。二〇一三年には「海賊とよばれた男」(講談社)で本屋大賞を受賞した。
前出の男性は書店で手に取った本の著者名に「百田尚樹」を見つけて驚愕した。「みじめギャラは計算した演技だったんですね。視聴者に何が受けるか体を張って実験し放送作家になったのではないか」
百田氏自身も「売れること」を最重視しているようだ。一三年のテレビ番組内では「売れている本を読む。売れている理由を知れば、書くときの参考になる」と強調している。
順風満帆の作家人生に影を落としたのは、一四年に亡くなった歌手やしきたかじんさんの晩年を描いたノンフィクション「殉愛」(幻冬舎)をめぐる騒動。三十歳以上年下の妻の証言が軸になっているが、やしきさんの長女は「虚偽の記述がある。自分は取材を受けていない」として同年十一月、出版差し止めを求めて提訴した。
「こちら特報部」は、朝日放送や「ラブアタックー」時代の友人、太田出版社長らにコメントを求めたが、いずれも固辞された。
大阪を拠点に活動するジャーナリスト吉富有治氏は「百田氏は長年、放送の世界にいるから影響力がある。徒弟制の構成作家は師弟関係が厳しく、ナイトスクープは長寿番組だけに結束が強いようで口が堅いのでしょう」と推測する。
勢い増す右派論客「文化人巻き込み世論を味方に」
「NHしK経営委員へめノ登用は公の私物化」
一二年七月下旬、百田氏の携帯電話が鳴った。相手は、当時野党に甘んじていた安倍氏だった。月刊誌「WiLL」(ワック)に掲載された民主党政権批判の論文に「非常に感激し」、百田氏の「以前からファン」と告げた-。百田氏が、安倍氏との対談本「日本よ、世界の真ん中で咲き誇れ」(同)で紹介したエピソードである。
二人は対談本で熱いエールを交わしている。安倍氏が「(自民党憲法改正草案が)国民にほとんど伝わっていない」とこぼすと、百田氏は「アピールが全然、足りない」「より強く訴えかけないとダメ!」と鼓舞した。さらに安倍氏は、百田氏に促されるように「(旧日本軍の慰安婦への関与と強制性を認めて謝罪した河野洋平官房長官談話に代わる)談話を閣議決定すべきです」「靖国神社には(中略)いずれかのタイミングで参拝したい」と决意を語っている。
一二年十二月に安倍氏が首相の座に返り咲くと、百田氏も存在感を増した。一三年十一月にはNHK経営委員に抜てきされた(今年二月退任)。右派勢力からも重用され、日本会議が主導する改憲グループ「美しい日本の憲法をつくる国民の会」では、代表発起人に名を連ねる。
評論家の佐高信氏は、安倍首相と百田氏の親和性を指摘する。「気に入らない
ものは脅す体質が同じ。『安倍』イコール『百田』。NHK経営委員への登用は、公私混同というよりも、公を私物化する体質からきている」
歴史認識や憲法観などに関する問題発言でも世間の耳目を度々集めてきた。今回の自民党勉強会が初めてではないのだ。
昨年二月の東京都知事選では、元航空幕僚長の田母神俊雄氏の応援で街頭に立ち、「南京大虐殺」について「そんなことはなかった」と否定。同年五月の憲法記念日には、保守派論客の桜井よしこ氏が代表を務める団体が開いた会合で「護憲派の人たちは大ぱか者に見える」と言い放った。ツイッターでも、昨年九月に死去した土井たか子・元社民党党首を「売国奴」と決めつけた。 。
安倍政権下で勢いづいた右派論客は、百田氏だけではない。百田氏と同時期にNHK経営委員になった長谷川三千子・埼玉大名誉教授は、新聞のコラムで「女性の一番の仕事は子どもを生み育てること」と伝統的な家族観を開陳している。
桜井氏は一四年十一月九日、沖縄知事選の応援で沖縄入りした際の講演で「琉球新報、沖縄タイムスの記事は『日本を愛するという気持ちはない』としか読めない」「本土の比較的まともな産経新聞とか読売新聞みたいな新聞が、ここでもう少し定着していくといい」と主張したという。桜井氏の話を会場で取材したジャーナリストの横田一氏は「今回の百田氏の発言を聞き、すぐに桜井氏の講演を思い出した。首相や右派論客は、自分たちと違う考え方を排除しようとしている」と説く。
百田氏らはなぜ重用されるのか。
前出の佐高氏は、安倍政権を後押しする右派論客らを「翼賛文化人」「利用文化人」と名付ける。首相が著名人を利用しているとの分析だ。
政治アナリストの伊藤惇夫氏も同様の見立てだ。
「問題の若手勉強会の名称は『文化芸術懇話会』。文化人を巻き込んで世論を味方につけようという意図がある。(審議中の安全保障関連法案が)憲法学者を含め、反対論が強いことへの焦りの裏返しだろう」
だとすれば、今後も翼賛文化人の放言が繰り返されるのか。それは安倍政権にプラスなのか。
政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は「それは負のスパイラルに入る」とみる。「百田氏の発言などで右派の支持は得られるだろうが、中間派は離れる。右派論客の応援は、結果的に首相を孤立化させる」
小出裕章先生:一番大切なことは、これ以上こんな(自分で始末のできない)毒物を作らないことです。
若者の声は、政治を変えられるか
(ラジオフォーラム#130)
https://youtu.be/GEduW-Cektk?t=16m45s
16分45秒~第130回小出裕章ジャーナル
核のゴミの処分場をどうするか「膨大な危険物ですので、どこも引き受けてくれる場所がないということで今日に至っています」
http://www.rafjp.org/koidejournal/no130/
湯浅誠:
今日は、「核のゴミ最終処分場について」ということなんですが、政府は、原発から出る核のゴミの最終処分について、政府自身が適当な場所を選んで受け入れを働きかける新方針に改めました。手挙げ方式は限界にきたということなんでしょうね。まずですね、ちょっとおさらいをお願いしたいんですが。まず、最終処分場とはどのようなものでしたかね?
小出さん:
はい。皆さんもうお分かりくださってると思いますが、原子力発電所というものを動かせば、ウランを核分裂させるわけで。核分裂生成物、いわゆる、死の灰という物を生み出してしまいます。
今日、標準になった100万キロワットという原子力発電所が、1年運転するごとに、広島原爆1000発分の核分裂生成物を生み出してしまうという、そういう機械なのです。
原子力発電所というのは。そんなことをしたら大変なことになるということは、原子炉を造った当初からみんなが知っていたのです。でも科学が進歩すれば、いつか何とかなるだろう、放射能が消せるだろうという風に期待してきたのですが、結局、現在に至っても消せないのです。
そうなれば、原子力発電をやって生み出してしまった、その核分裂生成物、放射性物質ですが、それを何とか生命環境から隔離しなければいけないということになったわけです。どこに隔離するかということで、さまざまな案がこれまで出てきました。
宇宙にロケットで飛ばして捨ててしまえとか、深い海の底に埋めたらどうだとか、南極はどうだとか、いろんな案が出たのですけれども、技術的に難しい、あるいは国際的な国の関係で難しいというようなことがあって、現在はとにかくどこか陸地に深い穴を掘って、そこに埋め捨てにしてしまおうという案がほぼ唯一の案として残ってしまっているわけです。
日本の場合には、核分裂生成物は使用済み燃料という形で出てくるのですが、それを再処理工場という所に送って、使用済みの燃料の中からプルトニウムという物質だけは取り除いて、残った物は全てガラスに固めて埋めてしまうということが既に法律で定められてしまっているのです。
それをやろうとしているわけですが、もう膨大な危険物ですので、どこも引き受けてくれる場所がないということで今日に至っています。
湯浅:
そういう最終処分場に手を挙げてくれる自治体を求め、かつて調査だけは手を挙げてくれた所があったんですね?
小出さん:
はい。まあ要するに、原子力発電所もそうでしたけれども、地方で財政が困窮した自治体に押し付けるということでやってきたわけです。
しかし、この核のゴミというものは、原子力発電所に比べても、はるかに膨大な放射性物質の塊になってしまうわけで、それを10万年、あるいは100万年に渡って保管を続けなければいけないという途方もない話なのです。
そのため、ほんとに財政が困窮した市町村が、もう仕方がないからといって受け入れかけた所はあるのですけれども、どこもみんな嫌だということで、未だに決まっていないのです。高知県の東陽町という所だけが、一度手を挙げかけたのですけれども、
町長がリコールされて、結局白紙に戻ってしまうということで、未だにどこも調査さえ受け入れてくれないという状態になっています。
湯浅:
それで、業を煮やしてということになるんですかねえ。国の方が決めて、とは言え、自治体がうんと言わなければ造れないわけで。
小出さん:
まあ、そうですけれども、これまではきれいごとと言うんですしょうか。自治体の方から誘致をするというようなかたちに持っていきたいと、たぶん国の方は思っていたのですが、さすがにそれがいくらやってもダメということで、今度は強権的に国の力で「お前の所だ」と言って指名して、そこに押し付けるという、そういうかたちに出てきたことになります。
湯浅:
理屈としては、科学的有望地というものを選定して、そしてそこに造る。候補地にすると。政府が言うには国土の7割。かなりの自治体が科学的に有望だという話のようなんですが、どうなんですかね?
小出さん:
全く馬鹿げていると私は思います。日本というのは世界一の地震国であるわけですし、火山も山ほどあってですね、
地震の予知も火山の予知もこれまでできた試しがない。どんなに科学的な調査を行ったところで、思わぬ時に火山が爆発してしまうということは御嶽山もそうでしたし、先日の口永良部もそうでした。
地震だって、ほんとに予期もしないような地震が2011年3月11日に起きたわけですし、科学的に有望だなんてことを現在は言えないという、そういう状況だということをきちっと知らなければいけないと思います。
湯浅:
構図は原発の立地と、基本は同じですよね? 経済的に厳しい過疎に苦しむ、そういう所に持っていくと。
小出さん:
そうです。
湯浅:
ただ、原発の立地とは違って、先程おっしゃったように、『100000年後の未来』でしたっけ? 映画観ましたけども、ああいうタイムスパンということになると、実際にはかなり強権的なことをやらなければならないだろうなというのは、わりと容易に予測されるんですけれど。
小出さん:
そうです。科学的に保障できるような時間の長さではないわけですから、日本には学術会議という学者の集まりの組織があります。
学者の国会とも言われてるような組織なのですけれども、その学術会議すらが、確か2年程前だったと思いますけれども、現在、日本の政府がやろうとしているような核のゴミの埋め捨てというのは科学的に正しくないから、もうゼロに戻って考え直せという、そういう答申を出しているくらいなのです。
本来であれば、日本の政府も学者の国会である学術会議の答申を受けて考え直さなければいけないはずなのですけれども、今の日本の政府は全然考え直すつもりもなくて、むしろ強権的に突破しようという、そういう動きに出てきたわけです。
世界中、同じような状況になってるわけで、世界の英知を集めて、やはり考え直すしかないと思いますし、まず一番大切なことは、これ以上こんな毒物を作らないことだろうと私は思います。
湯浅:
そうですよねえ。はい、今日もありがとうございました。
小出さん:
こちらこそ、ありがとうございました。
田中正造
ジョン・レノン
Michael Jonathan Green
自分が生み出す核廃棄物の後始末ができないようなエネルギーの利用の仕方が、本当に完成した技術といえるのか!(`・ω・´)原発ヤメレ!!o(`ω´*)o
終わらない悪夢 放射性廃棄物はどこへ
https://www.youtube.com/playlist?list=PL582EAC833C823D9A
地球温暖化対策などを背景に、原子力発電所の建設が世界各地で進むなか、"核のゴミ"といわれる放射性廃棄物の処理は、どれほど進展してきたのだろうか。フランスの取材クルーが科学者らとともに、フランス、アメリカ、ロシアの原発や再処理施設を訪問。核廃棄物の行方や人体への影響など、世界の核のゴミを巡る現実を明らかにしていく。
~2009年フランス、Arte France/Bonne・Pioche制作~
フクシマだけではない、いたるところで漏れ出ている放射能。
使用済み核燃料サイクルの恐るべき実態とは?
原発最大のタブーに挑む、衝撃のドキュメンタリー!
福島の原発事故で初めて脚光を浴びた核燃料プール。その中に眠る極めて危険な使用済み核燃料、それらの最終的な行き先は? 数十万年にもわたり放射能を撒き散らし続ける核廃棄物の最終的な処理方法も定まらないまま、未来に危機を先延ばしにして原発を推進してきた矛盾、その矛盾を知りつつ隠蔽を続ける原子力産業そして各国政府の[不都合な真実」を白日の下にさらした渾身のドキュメンタリー。
テレビで原発事故後にオンエアされるや、内部被爆、低線量被爆の問題から、最近その名をよく見聞きする原子力企業アレバ社が行っている核再処理の実態までも丁寧に明かしてゆくその内容に、ネット上などで大きな反響を巻き起こした。製作は極めて良質なドキュメンタリーで知られるドイツ=フランス共同TV局アルテ社。
原発は稼動する限り常に核廃棄物を生み出し続ける。そしてひとたび原発事故が起これば瞬時にそれらは巨大な凶器となり牙をむく。事故がない状態でさえも低レベル放射性物質の投棄などにより常に汚染を広げているのが実態なのだ。
取材班は原発の生み出した過去の悲劇から未来に待ち受ける危機にまでタブーなく踏み込む。
アメリカ原爆開発のためのプルトニウム製造工場からは、閉鎖された今もなお大量の核廃棄物が土壌に溶け出し川に流れ込み魚を汚染している。
ロシアで50年以上前に起こった核施設の爆発事故現場近くの村では内部被爆による住民の健康被害が今も続く。取材班は丹念にそれぞれの地で汚染状況を計測し土壌サンプルを研究所に持ち帰り恐るべき結果を報告する。
これを見れば福島の事態が数年単位で収束するなどありえないことが誰の目にも明らかであろう。
また映画は、福島の汚染水処理などでその名を知られる世界最大の原子力企業アレバ社の核燃料サイクルの実態にも切り込む。使用済み核燃料から回収される大量のウランの行き先を追う取材班が行き着いた先はシベリアの奥深く、地図に載っていない秘密都市セヴェルスク。外国人の立ち入りを禁じられたそのエリアで、驚くべき実態が明らかに・・・。
NHKスペシャル
“核のゴミ”はどこへ~検証・使用済み核燃料
http://dai.ly/xxf3n3
"核のゴミ"はどこへ~検証・使用済み核燃料~
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0210/
3つの建屋が爆発した、福島第一原子力発電所の事故。原子炉とともに危機的な 状況に陥ったのが、莫大な放射能を持つ使用済み核燃料の貯蔵プールだった。原 子炉の稼働によって生じる使用済み核燃料は、全国の原発などに貯蔵され、その 量は1万7千トンに達している。国が、使用済み核燃料を資源として貯蔵・再利 用する、核燃料サイクルを推進してきたためだ。しかし、サイクルの要となる青 森県六ヶ所村再処理工場は、トラブルの連続で操業開始を延期し続け、高速増殖 炉「もんじゅ」も、1995年の事故以来、ほとんど動いていない。さらに、再 処理に伴って生じる高レベル放射性廃棄物を埋設処分する場所も決まっていな い。国は、3兆円近い経済効果をうたってきたが、唯一名乗りを挙げた高知県東 洋町では、激しい反対運動が起こり挫折。原発事故後、さらに状況は厳しくなっ ている。こうした中、去年末に誕生した自公・安倍政権は、「前政権下の原発ゼ ロ政策の見直し」「核燃料サイクルの継続」を表明。使用済み核燃料、高レベル 放射性廃棄物が再び大量に増え続ける懸念が出てきている。もはや、使用済み核 燃料や廃棄物から目を背けることはできない私たちの社会。重い課題と向き合 う、世界各国の事例も交えて伝え、次世代に負担を先送りしない方策を探る。
台湾・先住民の島に放射性廃棄物 見過ごされた危機
http://dai.ly/xvcimq
天然資源に乏しく、海に囲まれた地震多発地帯。
日本と極めて似た環境にある台湾は、エネルギーや原発政策についても日本と同じような道を歩んできた。増え続ける放射性廃棄物の問題も例外ではない。
長年、核のゴミをいわば、押し付けられてきた台湾に浮かぶ小さな島を取材した。
オンカロ 「地下深く 永遠に ~10万年後の安全~」
http://v.youku.com/v_show/id_XNDI4MDg2NDA4.html
各国が頭を痛める原子力発電所の廃棄物問題。北欧のフィンランドが世界に先駆け、核のゴミの最終処分場の建設に乗り出している。「オンカロ」(フィンランド語で「隠し場所」)と呼ばれる処分場は、太古の岩盤層を深さ500mまで掘り下げた先に作られ、施設が国内で排出される核廃棄物で満パンになる約100年後に、入口を完全封鎖されるという。
核廃棄物の最終処分が難しい理由は、実はその先である。廃棄物が出す放射線が、生物にとって安全なレベルに下がるまで、欧州の基準では少なくとも10万年かかるとしている。つまりオンカロは、人類の歴史にも匹敵する膨大な歳月の間、安全性の確保が求められるのだ。革命や戦争が起きたり、気候や地殻の大変動に見舞われたりしたとしても・・・
最も危惧されているのは、今の人類が姿を消したあとの未来の知的生物が処分場に侵入し、放射線が漏れ出してしまうシナリオだという。そうならないよう、近づくと危険だという警告を伝えた方がいいのか?しかし、どうやって?あるいは何もせず、記憶から消し去ってしまう方がいいのか?原子力というパンドラの箱を開けた人類が直面する難問を描く。
2010年 国際環境映画祭(パリ)グランプリ受賞作品
原題:Into Eternity
制作:Magic Hour Films (デンマーク 2010年)
核ごみ処分場 国が「有望地」選ぶ…
北海道 押しつけ警戒
(東京新聞【こちら特報部】)2015年5月30日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015053002000164.html
原発の発電に伴って出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場をどこに造るのか。公募では受け入れる自治体が出てこなかったため、今後は、政府が適地を選んで自治体に申し入れる形を取るという。だが、「最適地」をどうやって選ぶのか。無理やり押しつけられることはないのか。市民からは、早くも不安や警戒する声が上がる。
(篠ケ瀬祐司、鈴木伸幸)
自治体説明会
非公開に市民反発
「科学的有望地」。政府は核のごみの最終処分場候補となる適地をこう呼ぶことにした。「科学的により適性が高いと考えられる地域」という意味だ。
政府は二十二日に最終処分場の選定を政府主導で進める閣議決定をした。翌二十三日には早くも経済産業省資源エネルギー庁などが市民向けのシンポジウムを開催し、二十五日からは自治体向けの説明会を始めた。
だが、自治体向けの説明会は市民に公開しない。日程や会場も明かさない。エネ庁放射性廃棄物等対策室の担当者は「説明会の内容はシンポジウムと同じ。非公開は、どこの自治体が参加したか伝わることで、自治体がプレッシャーを感じるのを避けるためだ」と説明した。、
そんな配慮をしても、自治体の警戒感は強い。
六月一、二両日は札幌市内で、北海道内の百七十九市町村を対象とした説明会が開かれるが地元の北海道新聞によると、参加予定は全体の三分の一強の六十四市町村にとどまる。
道は「国の政策を把握し、政策に反映する必要がある」(環境・エネルギー室)と参加予定だが、多くの市町村は、説明会出席で処分場誘致に関心があると住民に誤解されることなどを警戒しているようだ。
労組などで構成する「北海道平和運動フォーラム」の長田秀樹事務局長はこう批判した。「政府は原子力行政について、地域住民に丁寧に説明して理解を求めると強調する。だが開催日時まで公表しないやり方が丁寧な説明といえるのか。既成事実をつくり、最後は特定地域に押し付けることにならないか」
「そもそも北海道で説明会は不要」と言う。道には「特定放射性廃棄物の持ち込みは慎重に対処すべきであり、受け入れ難い」と宣言した条例があるからだ。
条例制定は二〇〇〇年。北海道北部の幌延町で、核のごみを地下に埋める地層処分を研究する「幌延深地層研究センター」を、日本原子力研究開発機構(原子力機構、当時は核燃料サイクル開発機構)が開設する約半年前だった。
道と町は、原子力機構と、研究実施区域を最終処分場としないことや二十年程度とされる研究期間終了後、地下施設は埋め戻すという協定を結んでいる。条例は協定の「担保」の意味合いを持つ。
それでも住民の不安は消えない。幌延町議の鷲見(すみ)悟議員によると、一一年の町
議会で当時の町長は、処分場誘致の前提となる調査受け入れについて「検討課題だ」と発言した。後に撤回したが、町内の商工関係者から誘致を望む声がしばしば漏れるという。
センターがあることで、町は年一億五千万円の電源三法交付金や、三億円の固定資産税が見込める。最終処分場ができれば、さらなる経済効果が期待できる。
鷲見氏は「センターの研究終了時期も明示されない。住民は、このまま最終処分場になってしまわないかとの不信感、危機感を募らせている」と語る。
科学じゃなく政治判断 優先!?
徹底した情報公開を 規制委の関与必要
科学的有望地に選ぱれないか、不安を覚えるのは北海道の人たちぱかりではないだろう。一体、どのように選ぶのか。
経産省の審議会の作業部会「放射性廃棄物ワーキンググループ」が条件や基準の検討を続けているが、中間とりまとめでは、地球科学の観点から「避けるべき要件」として①火山から十五キロ以内②過去十万年間に隆起が三百メートルを超えた地域③活断層の付近-を挙げる。さらに、社会科学の観点から「諸外国の検討項目例」として、環境保護、土地利用の状況、輸送の確保、人口密度を例示する。
となると、過疎地で地盤が安定している地域になる。国土の大半が該当しそうで、宮沢洋一経産相は記者会見で「自治体の数でいうと相当数になると思っている」と明かした。
政府は、科学的有望地の適性を「より高い」「ある」「低い」などとランク付けする方針だ。しかし。「より高い」から選ぶという説明はなく、「低い」から選ばれるかもしれない。
選ばれた場合、最初に文献調査(二年程度)、続いてボーリングなどの概要調査(四年程度)、地下に実験施設を造る精密調査(十五年程度)と続く。文献調査受け入れで最大二十億円、概要調査受け入れで最大七十億円か自治体に交付される。精密調査でも交付金を出すことが検討中だ。
そんな「アメ」があっても、事故への不安や環境問題から住民の反発が強く、これまでに調査を受け入れた自治体はない。今回も科学的有望地に選ばれても、自治体は調査を拒否することが認められている。
「科学」を理由に文献調査という「入り囗」を突破しようという政府の狙いはうまくいくのか。
実は、過去にも適地の選定が行われたことがある。岐阜市の市民団体による情報公開請求訴訟で○五年に、旧動力炉・核燃料開発事業団(現原子力機構)が一九八〇年代に調査し、全国で八十八ヵ所を適地とみなしていたことが判明している。
この調査では、幌延町は入っていないが同町に近い枝幸町と、高レベル放射性廃棄物の研究施設「超深地層研究所」がある岐阜県瑞浪市は適地とされていた。
同様に、数十~百程度の科学的有望地が挙げられるのかもしれない。そこからの絞り込みは「科学」ではなく、「政治」判断が優先する可能性は大きい。
放射性廃棄物ワーキンググループ委員で東京電機大の寿楽浩太助教は「科学
的」という言葉を懸念している。「原発立地を調査するときでさえい火山や活断層の危険性についての判断が専門家によって異なる。『科学的な結論』は難しい。それでいて『科学的』と言われれば、市民には反発しにくい専門性の壁になる」と指摘する。
最終処分場の選定をめぐる最大の問題は、原子力行政が信頼を失っていることだという。「一般論として、徹底した情報公開で説明責任を果たすべきだ。処分場の候補地選定も、原発を推進する官庁だけでなく、原子力規制委員会の関与も必要だ」
フィンランドの最終処分場の先行事例を視察した際、独立した規制当局の関与が市民の不信感や不安を払拭していたという。「まずは原点に立ち返って信頼される態勢づくり。それから候補地選定だと思う」
核のごみの最終処分 2000年施行の特定放射性廃棄物最終処分法に基づく。原発の使用済み核燃料の再処理で出る廃液をガラスと混ぜてガラス固化体にし、地下300メートルよりも深い場所に埋めて処分する。ガラス固化体は直径40センチ、高さ1・3メートルの円筒形で、人が近づくと20秒で死亡する極めて強い放射線を出すため数万~十数万年、人の生活環境から隔離する。現在、国内にはガラス固化体2万5000本分に相当する使用済み核燃料がある。
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動乱の時代に…((((;゚Д゚))))
今までが異常に噴火が少なかった
今世紀中にあと
4回大噴火が
起こっても不思議ではない
地球物理学者の島村英紀氏
「火山・地震国の日本で原発は無謀」
(日刊ゲンダイ)2015年7月3日
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/161349
日本全国で火山の噴火が頻発している。ここ1年ほどで、御嶽山、浅間山、口永良部島などが噴火し、警戒中の箱根山でも、先月末、ついに小規模噴火が起きた。いったい今、日本列島で何が起こっているのか。地震・火山研究の第一人者である地球物理学者の島村英紀氏に聞くと、「今が普通の状態」と、意外な答えが返ってきた。
―日本の火山が異常に活発化しているように見えます。何が起こっているのでしょうか。
異常ではありません。むしろ、日本の火山も地震も普通に戻りつつある。今までが異常に噴火が少なくて、日本人は火山のことを忘れていただけです。だけど、忘れてはいけない。地震国、火山国に住んでいるということを、日本人は頭の隅っこにとどめておかないといけません。
―つまり、現在の状況が普通ということでしょうか。
各地で噴火が起こっているのは通常の状況です。それよりも大きな「大噴火」がいつ起きてもおかしくありません。火山学者が言う「大噴火」とは、東京ドームで数えると約250杯分以上の噴出物があるものです。その大噴火は1914年の桜島、1929年の駒ケ岳を境になくなっています。それまでは100年の間に4~6回のペースで起こっていた。それがぱったりなくなっているのは非常に不思議で、普通はありえないことなんです。そうした噴火が21世紀中にあと4回くらい起きても決して驚かないというのが火山学者の間では通説となっています。
―普通に戻るきっかけは、やはり2011年3月の東日本大震災でしょうか。
3.11だったと思います。あの大地震でプレートがずれて、地下にマグマができた。マグマは周りの岩より軽いものですから、岩の合間を上がってきて、火山の下にマグマだまりをつくる。そのマグマだまりの一番上がいっぱいになったり、揺すぶられると噴火するんです。
―不気味な動きを続けていた箱根山は、ついに6月30日、小規模噴火が起きました。
箱根は昔、大変な噴火をした。3200年前に、山の上半分が吹っ飛ぶ噴火があって、その時に芦ノ湖や仙石原をつくった。火砕流は静岡県側まで到達しています。6万年前の大噴火では、50キロ離れた横浜まで火砕流が到達した記録がある。その時は人間は住んでいませんが、今起これば大変なことになる。そうした噴火の事実があり、同じことが今後は起こらないとは言えないんです。
―箱根山から約25キロしか離れていない富士山の動向も気になります。
富士山は1707年の宝永噴火を最後に噴火していませんが、宝永噴火の時は首都圏に10~30センチの火山灰が積もった。今だったら大事件です。経済も電気もみんな止まります。交通機関では数ミリの火山灰で道路の破線が消えて、滑走路も消えるといいます。ミリの単位で影響が出るところに、火山灰が数センチも積もったらどうなるのでしょうか。しかも、火山灰は雪と違って時間とともに消えることがありませんから、大変なことになると思います。
富士山や箱根山は記録が少なく予知は困難
―噴火を予知することは難しいのでしょうか。
富士山も箱根も一番困るのは、最後の噴火が起こる前の記録が残っていないことなんですね。宝永噴火の前の文書か記録があれば、火山性地震などの兆候がわかるのですが、それがわからない。今の段階では何が前兆であるかが、わからないんです。それにもかかわらず、箱根は年間2000万人が訪れる観光地ですし、富士山は夏は夜でも数千人が登っていて、昼間は何万人も登っています。そうした山がいきなり噴火したら、どうなるかは非常に恐ろしいことです。
―直前の記録がどれだけたくさんあるかで、予知や事前に取れる対策が変わってくる。
富士山や箱根山と違って、浅間山や桜島は、これから何が起こるのかがかなりわかります。浅間山は最近100年間に50回噴火したことがわかっています。ですから、記録もある。大学の先生もついて観測している。地震計だけでも20個以上ある。富士山や箱根山とは桁違いの予知環境なんです。桜島も同じです。口永良部島はその中間ですが、地元の人が火山慣れしていたので、大事には至らなかった。
「噴火警戒レベル」は一律に適用できない
―火山ひとつひとつは全く別物なんですね。
そうです。ですから、気象庁が2007年に導入した「噴火警戒レベル」は、一律に適用できないものなんです。火山はひとつひとつ違うのですから。気象庁はよせばいいのに、全国の火山をひとくくりにして「危なくなったら噴火警戒レベルを適用する」と言い出した。「俺たちが前に出るから、学者は後ろに下がっていて」と言っているようなもんです。この時、学者は「大丈夫だろうか、噴火レベルを決める根拠がない山がいっぱいあるんじゃないか」と、かなりいぶかったんです。実際、その通りになりました。
―昨年の御嶽山の噴火では被害を防げませんでした。
気象庁としては、御嶽山で非常に手痛い失敗をした。噴火が起こる2週間前に、火山性地震があったにもかかわらず、警戒レベルが1のままだったんです。「1」というのは、山頂まで行ってもいいレベル。それで、戦後最悪の57人が亡くなってしまった。二度と失敗はできないということで、箱根山では強引に警戒レベルを上げた。非常に政治的な判断です。一方で、岩手山のように、あらゆる噴火の前兆があっても、噴火しなかった山もある。天気予報は“方程式”があって明日どうなるか計算できる。でも、火山や地震にそうした“方程式”はないんです。地震や噴火を機械で観測するようになって、せいぜい10~20年。日本列島に人が住み着いて1万年。でも、噴火や地震は数千万年単位で起きている。そのごく一部を知って全部わかった気になることは、かなり無理なことなんです。
―「大噴火」より規模の大きい、恐ろしい「カルデラ噴火」の可能性もありますか。
「カルデラ噴火」は「大噴火」の400倍以上の大きな噴火です。日本では過去10万年で12回起きている。数千年に1度は起きる計算です。一番新しいのは7300年前で、九州の南方で起こっていて、そのマグマは東京ドーム10万杯分にもなった。数千年前に起きたから、あと1000年は大丈夫という保証はどこにもありません。もしかしたら来年起こるかもしれない。カルデラ噴火というのは、今のところ全く予知ができないんです。
火山・地震国の日本で原発は無謀でしかない
―九州といえば、原発に対する火山の影響が気になります。桜島や口永良部島が噴火するなど火山活動が活発化していますし、阿蘇山では9万年前にカルデラ噴火も起きています。その阿蘇山や桜島などの火山に川内原発は囲まれているため、もしそれらが噴火したらどうなるのか、再稼働を危惧する声もあります。
九州電力が「巨大噴火は予知できる」などと言っていますが、あれは大嘘なんです。火山学者のほとんどが「危ないに違いない。九州電力の言っていることはあてにならない」と反対している。カルデラ噴火の前兆をつかまえて、「数十年後、数年後にいよいよ起きるぞ」とわかったためしは一度もないんです。
―そうなると、そもそも火山・地震大国の日本が原発に頼ることにムリがある。
原発のような危険なものを造ること自体、無謀だと思います。そうしたことを私は以前からさまざまな場面で発信していますが、政府は耳を貸しません。政府としては、まず「原発推進」という大方針がある。それは、反対の意見も聞かないで推し進められている今の安保法制と一緒です。今からでも原発の見直しは遅くないと思います。このままでは後世の人につけを残すことになるだけですから。
▽しまむら・ひでき 1941年、東京都生まれ。武蔵野学院大特任教授。東大理学部卒。同大学院修了。理学博士。北海道大教授、北海道大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所長などを歴任。専門は地球物理学。近著に「火山入門」。
爆発的噴火で桜島誕生の歴史。
Volcanic eruption 3DCG アニメ 噴石・火砕流
https://youtu.be/3A3msbkO0hE
「富士山のフルパワーを1とした場合」のコピペに出てくる火山集
https://youtu.be/j3fVf9A7i4g
「MEGA地震予測」またも的中 -
「小笠原震源」で埼玉、神奈川は震度5
首都巨大地震は必ず来る
(週刊ポスト)2015年6月19日
「首都圏大地震の兆候は続いている」-6月1日発売の本誌前号に掲載した「MEGA地震予測」記事のタイトルだ。これは、同予測を展開する民間会社JESEA(地震科学探査機構)の顧問で東京大学名誉教授の村井俊治氏が、5月26日の本誌取材で答えた言葉である。
5月30日20時24分頃、小笠原諸島西方沖で発生した地震は、村井氏の予測の確かさを改めて裏付けた。
マグニチュード8・1は、日本周辺の地震としては東日本大震災(M9・O)に次ぐ規模であり、震源は海底682キロと非常に深かったものの、東京都小笠原村と神奈川県二宮町で最大震度5強を記録。埼玉県鴻巣市、春日部市、宮代町で震度5弱、他にも関東の広範囲で震度4の揺れが確認された。
詳細は次項で述べるが、
首都圏では2万基近くのエレベーターが停止し、各公共交通機関が停止するなど、関東地方は大震災以来のパニックに陥った。
村井氏は前号の記事で、震度の大きかった地域を「首都圏・東海警戒ゾーン」に指定。関東地方において電子基準点の〈水平方向の動きの異常は明らかに広がっています〉としていた。また〈伊豆大島や三宅島周辺と八丈島以南で異なる動きをしており、境目にゆがみが生じていると考えられる〉とも言及していた。掲載号の発売日こそ地震発生後だったが、取材時点で危機を言い当てていたのだ。
また、村井氏はメルマガ「週刊MEGA地震予測」の4月15日号で、〈八丈島、青島、父島、母島が他地域と正反対の水平変動をしております。この1、2か月は特に注意が必要でしょう〉と、小笠原諸島の危機を明示していた。さらに5月20日のメルマガでは電子基準点の父島Aで4・4センチ、27日メルマガでは硫黄島で4・27惣の異常変動があったことに注目していた。
村井氏がいう。
「都心部は地盤が緩く、関東南部から太平洋沖のどこで地震が起きても大きく揺れる可能性がある。今回の小笠原地震で関東地方が大きな揺れに見舞われたことはそれを裏付けています。今回の地震でエネルギーが解放されたと見るのは早計です。前号でも言及しましたが、千葉の房総半島南部、神奈川の三浦半島などでも水平方向の異常な動きは拡大していますし、富士火山帯に近い電子基準点でも異常変動が現われている。火山活動が活発なことも踏まえ、注意が必要です」
前号発売後に発表された最新データ(5月10~16日分)によると、四国4県に一斉異常変動(上下動)が起こっているという。
「愛媛県の宇和島、高知県の中土佐(なかとさ)1、宿毛(すくも)2、徳島県の徳島、木屋平(こやたいら)の各電子基準点が4センチ超の異常変動を起こしています。南海・東南海警戒ゾーンは警戒をさらに強めるべきです」(村井氏)
5月22日の奄美大島「震度5弱」、5月25日の埼玉北部震源・茨城県土浦市「震度5弱」の的中に続いて、小笠原諸島の異変を見抜いたMEGA地震予測。さらに6月4日午前4時34分ごろ、北海道釧路地方で発生した震度5弱も、完全的中している。電子基準点の変動と地震発生に何らかの相関関係があることはもはや疑いようがない。
前号で掲載した最新版の異常変動マップを再掲載する。決して警戒を緩めてはならない。
5・30地震では交通インフラ、エレベーター2万基がストップ
「高層マンション」「ベイエリア」「大火災」
-近代都市リスクに我々は無防備だ
MEGA地震予測では複数の地域が地震発生の危険がある「警戒エリア」に指定されている(46ページマップ参照)。その中でも大地震が発生した場合、最も甚大な被害が生じると考えられるのが「首都圏」だ。
今回の地震は小笠原諸島西方沖の海底682キロという、遠くて深い震源にもかかわらず首都圏で大きな揺れを観測した。
都心部を含む関束平野はかつて山地・丘陵で囲まれていた。その低地はもともと海底であり、その泥土の上に降り積もった火山灰が固まって地盤(関東ローム層)を形成している。ゆえに地盤が緩く近海のどこが震源でも非常に大きな揺れと、それに伴う被害が生じてしまう。
ここで注意すべきは、同じ揺れでもその地形や建物の立地によって被害の大きさが変わることである。
災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏が指摘する。「埋め立て地の多い首都圏沿岸部は液状化の怖れがある。束日本大震災では千葉県の浦安や幕張で液状化の被害が多数報告されました。
さらに驚戒すべきは高層マンションの被害です。今回の小笠原地震では高層ビルを中心に約2万基のエレベーターが緊急停止しました。これは一定の揺れを感知すると止まるように設計された『地震時管制運転装置』が正常に作動したためで、災害対策が正常に機能したと評価できる。一方、震度6を超えるさらなる大地震ではより多く、長時間にわたるエレベーターの停止が起こるでしょう」
今回の地震ではエレベーター内に閉じ込められた事例は14件だったが、さらに震度が大きくなればこのような事態も想定される。
「基本的にエレベーターの扉は内部からは開けられないので、業者の救助を待つ必要がある。最悪の場合それを待つ間に建物で火災が発生して命を落とす危険すらある」(和田氏)
電力の不安もある。今回は東京、埼玉で約600件の停電が起きた。大地震では、揺れを感知して自動停止したエレベーターが停電や故障で長時間、復旧しないケースがある。特に高層マンションの停電では、自力で非常階段を降りられない高齢者や病弱者などが上層階にとり残されかねない。
また高層マンションの水道は、地上のタンクから電力で汲み上げるシステムが主流だ。そのため、停電が起きると多くの高層マンションで電気・水の供給がストップし「陸の孤島」となりかねない。震災が真夏に起これば、水もエアコンもない状態が長く続き、「高層階で脱水症状が大肌発生」という最悪のケースを想定しておく必要がある。
沿岸部では津波の被害をどうするか。
東京都の「南海トラフ巨大地震等による東京の被害想定について」によれば、紀伊半島沖でマグニチュード9クラスの地震が発生した場合、東京湾を襲う最大津波高は東京都江東区の2・48メートルをはじめ、中央区、品川区、大田区、港区想定は軒並み2メートルを超える。
東日本大震災の際には当時最大50センチ未満と想定されていた東京湾の津波が1・5メートルにまで達したことを考えれば、そうした「想定外」の津波が到来する可能性も否定できないだろう。
都市機能を麻痺させるには2メートルの津波でも十分だ。
地震災害に詳しい、攻玉社工科短期大学名誉教授で、建設教育研究推進機構理事長の大野春雄氏がいう。
「埋め立て地のお台場や豊洲に加え、
江東区や江戸川区など海岸沿いは”海抜ゼロメートル地帯”で水が流れ込みやすい。2メートル級の津波でも、ペイエリアでは歩くことすらままならなくなる。また、東京は地下に変電所があるところが多い。それらが水没すると、さらに停電の影響は大きくなる」
首都高は「横羽線」が危険
東京都が公表する「震災発生時の火災危険度上位100町丁目リスト」によれば、1位・足立区千住柳町2位・足立区柳原2丁目、3位荒川区町屋4丁目など、下町地域が上位に並ぶ。詳細は東京都都市整備局のホームページなどで確認できるが、いずれも古い民家が密集する住宅地ばかりだ。
「大田区、品川区、杉並区、中野区なども人口が多いうえ、燃えやすい木造住宅が密集している。狭い道路に住宅が崩落すると消防車が近寄れず、消火活動がほぼ不可能になって一面の焼け野原になりかねない」(前出・和田氏)
5月30日の地震では一時的とはいえ交通網が麻痺した。平日の通勤時間帯に地震が発生すれば、被害はより拡大する。
「地下鉄よりも地上を走る路線のほうが危険は大きいと考えられる。特に山手線圏内には耐震性の低い橋脚が多く、地震で崩落すれば車両が脱線や衝突をしかねない。特に目黒駅付近では線路の間際まで旧耐震基準のビルや建物が迫っており、落下物や崩落によって車両に被害が発生する怖れもあります」(前出・和田氏)
今年4月には山手線の支柱が倒壊する事態を招いただけに不安が募る。
高速道路にも危険が潜む。老朽化が指摘される首都高で注意すべきは横浜から羽田に向かう「横羽線」だ。「首都高の中でも海沿いを走るため道路が塩分に浸食され、老朽化が激しく進んでいる」(前出・和田氏)
MEGA地震予測では、「南海・束南海警戒ゾーン」として阪神地域も注意すべきスポットに含まれている。
エクスプラス災害研究所の伊永勉所長によれば、この地域で警戒すべきは高級住宅地として知られる兵庫県の山の手地域だ。
「宝塚から西宮、芦屋と続く地域の地質は昨年8月に土砂災害が発生した広島市と同じで非常に脆い。特に雨後に地震が起こると地盤が崩れやすく、住宅数や人口が多い芦屋周辺では広島以上の被害も想定される」
南海トラフ地震の警戒を呼び掛ける政府のアナウンスでは、最大20メートル超と予想される太平洋沿岸部の津波被害にばかり目が行きがちだ。しかし、実際の被害は「近代都市ならではのリスク」によって増幅することを覚悟しておく必要がある。
年間250億円の税金を貪りながら成果ゼロで週刊誌批評
言い訳だらけの地震・火山「予知ムラ」
ならば潰してしまえ
気象庁が6月1日に発表した気象白書『気象業務はいま 2015』にはこんな記述がある。
〈予知された地震の場所、時期、規模のどれか一つでも曖昧に扱われることがあれば、予知は一見当たったように見えてしまいます。これらは科学的な地震予知とは言えません〉
〈地震予知手法の確立には数多くの観測事例の蓄積に基づく科学的な検証が必要なのです〉
どの口がいうか、である。気象庁を中心とする地震や火山の「予知ムラ」がやってきた”成果〃を見れば、そうした記述が見苦しい言い訳でしかなく、危機を深刻に受け止めている国民をバカにしていることがハッキリわかる。
気象庁は白書発表に先立つ5月21日、気象庁記者クラブで白書についてレクチャーし、個別取材に、「特定の地域を挙げて地震が起きるとする雑誌記事に『噂は本当か』と問い合わせがあり、疑問を解消したいと考えた」と答えている。それを受けて新聞各紙は「気象庁は雑誌の記事などに、科学的な根拠がないと苦言を呈した」(日本経済新聞28日付夕刊)などと報じた。
「予知ムラ」の家来に成り下がったクラブ記者が役所にいわれるまま検証もせず記事を垂れ流す弊害は、本稿では紙幅が足りないので措く。何よりふざけているのは”長年研究してきた自分たち以外の予知は信頼に値しない”という物言いだ。
日本地震学会は東日本大霓災を全くノーマークにしていたことを受け、〈確度の高い予知は現状では困難〉とあり得ない自己弁護を展開し、12年10月に「予知」を「予測」と言い換える姑息な方針転換を表明。全国の地震に関する情報交換の場である地震予知連絡会でも、「予知」という組織名称の変更が議論された。
火山の噴火予知も同様だ。
気象庁が主導する噴火予知が成功した例は、2000年の有珠山噴火に先立って1万人が避難したケースのほか数例のみである。
57人が犠牲になった昨年9月27日に起きた御嶽山の噴火では、9月10日昼頃から火山性地震が増加し、同11日には85回発生していたにもかかわらず、噴火が起こるまで御嶽山の警戒レベルは最も低い「1」だった。
そのことに批判が上がると火山噴火予知連絡会(気象庁の諮問機関)の藤井敏嗣・会長はこう開き直った。
「予知に失敗したというかもしれないが、ある意味では仕方のない状態。われわれの火山噴火予知に関するレベルというのはまだそんなもの」(゚Д゚)ノ
予知連が自費で研究をしているのなら、その言い草も許されるかもしれない。しかし、彼らの研究には莫大な血税が投入されている。
地震と火山を合わせた研究関連予算は昨年度だけでも253億円、この20年間で総額4300億円に上る。
それでも「予知なんかできない」というなら、彼らの存在意義などないに等しい。国民が知りたいのは「予知できない言い訳」ではなく、「予知」なのだ。
税金をむしる「予知マフィア」
予知ムラを増長させたのは、政治の責任も大きい。
御嶽山の噴火後、菅義偉・官房長官は「気象庁を中心に予知が可能になるよう様々な予算措置をしていく」と予算増額を指示し、今年2月に成立した14年度補正予算では約65億円の火山対策費が計上された。今夏までに全国48の活火山に熱や噴煙を検知する監視カメラや地震計などを置くというが、予知に失敗すればするほど「カネが足りないからダメなんだ」と焼け太る構図は、国民の命を人質に税金をむしり取る「予知マフィア」というほかない。政治家のほうは、このマフィアたちにカネを渡すことで”我々もやるべきことはやっている”と責任を逃れるつもりなのだ。
大マスコミの対応も予知ムラをのさばらせる一因だ。テレビは地震や噴火が起きればその道の”権威”をスタジオに招き、「地震の後の土砂崩れに注意が必要」とか「噴火口付近には近づかないように」など子供でもわかるコメントをさせ、さも貴重な意見を賜ったかのように神妙に頷く。
5月31日の『真相報道バンキシャ!』(日本テレビ系)はその典型だった。2日前に鹿児島県口永良部島が噴火したことを受け、前述の「御嶽脳天気会見」を開いた火山噴火予知連の藤井利嗣・会長をゲストに呼んだ。
司会の福澤朗氏は「噴火警戒レベルの引き上げが速やかにできた」とヨイショし、藤井氏は「3月には地震も増え、気象庁は職員をその時点から常駐させる態勢を取っていた」と胸を張った。
丶 丶 丶
気象庁は噴火直後に、警戒レベルを「3」(入山規制)から「5」(避難)に引き上げた。すでに火砕流は海に達し、火口から9000メートルの高さまで噴煙を上げる爆発的噴火をしているのだから、このレベル引き上げが「速やか」とは片腹痛い。
巨額の税金を貪りながら、予知ができないことの”科学的言い訳”を繰り返す。そんな”権威”など国民にとっては百害あって一利なしだ。「自分たちはカネをもらって役に立っていない」という自覚と反省がないなら、一刻も早く解散したほうがいい。
川内原発再稼働と火山(ダメな住民説明会)
https://youtu.be/UvM7hLwD6z4
そもそも火山が噴火しても原発は問題ないのだろうか
https://youtu.be/eFHCuOKbeBM
「なぜ、火山がある川内原発から運転なんでしょう?」
M6以上の内陸地震もぐるりと囲む『川内原発(Sendai Nuclear Power Plant)』近辺の震源マップ
(気になるメモメモφ(.. ))
http://memomemokun.hatenablog.com/entry/2015/07/04/055302
『川内原発(Sendai Nuclear Power Plant)』近辺の震源マップ
鹿児島県薩摩川内市久見崎町字片平山1765番地3号
北緯31度50分01秒 東経130度11分22秒
1970年以降に発生した以下の川内原発近辺の有感地震の震源マップの
表示エリア内でマグニチュード5以上の地震は以下
1992/01/30 10:51:29.7 北緯:31.73 東経:129.92 深さ:17km M5.3
1997/03/26 17:31:47.9 北緯:31.97 東経:130.36 深さ:12km M6.6
1997/04/03 04:33:23.3 北緯:31.97 東経:130.32 深さ:15km M5.7
1997/04/05 13:24:50.1 北緯:31.97 東経:130.40 深さ:12km M5.2
1997/04/09 23:20:10.4 北緯:31.97 東経:130.41 深さ:11km M5.1
1997/05/13 14:38:27.5 北緯:31.95 東経:130.30 深さ:9km M6.4
1997/05/14 08:32:06.3 北緯:31.93 東経:130.34 深さ:9km M5.1
ところで、上の震源マップで
川内原発から最も近くで発生した有感地震は
原発から目と鼻の先の
原発から東へ6.43km(方位角105.25°)
2002/07/03 06:56:05.1 北緯:31.81、東経:130.25、M2.5、深さ8km
↑この近さで、1997年03月26日のM6.6が起きていたら、
今回の耐震基準も優に超えてたのでしょうかね?
記載のデータはあくまで
1970年からのもののみですので
震源が更にそばなら
M6クラスでも、かなり影響が大きそうな予感が。
距離減衰式から推定した地盤加速度と設計深度の関係
http://www.pari.go.jp/search-pdf/no0893.pdf
【参考】薩摩川内市の地震計に記録された
1997年以降に起きた30ガル以上の地震の振動。
https://youtu.be/fnn2Z7FABlU
↓広域マップ(こんな場所に建てなくても、、、)
伊方原発の四国電力さんもチャレンジャーですが
直下でも地震が多発の『伊方原発(Ikata Nuclear Power Plant)』
九州電力さんも無類のチャレンジャーでいらっしゃいます。
薩摩川内市で↑こんなに地震が群発してるのに、
産総研さんのデータベースには不思議と対応しそうな断層が見当たらないですね。
まだ、断層が発見されてないのでしょうか?
産総研:活断層データベース
中央構造線
重力データベース(ブーゲー異常図)
転載ここまで
川内原発 核燃料を装填 深刻事態を想定せず
(東京新聞)2015年7月8日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2015070802000145.html
小出裕章先生:(被ばくを無視する)大変困った政府だと私は思います
廃案しかない、安保法制
(ラジオフォーラム#131)
■廃案しかない、安保法制
7月4・5日の毎日新聞の世論調査によると、第2次安倍内閣が発足してから初めて、不支持が支持を上回りました(支持する42%、支持しない43%)。不支持が増えた理由は、憲法学者による「安保法制は憲法違反」発言などが大きく影響しているようです。
果たして、今回の安保法制は何が問題なのか? 自衛隊法自体が違憲ではないのか? そもそも立憲主義とは何なのか? 戦後最長の国会延長の末、最後は強行採決が行われるのか?
弁護士の梅田章二さんをゲストに迎え、ジャーナリスト西谷文和がこの問題に迫ります。
・戦争法案を廃案に。おおさか1万人大集会
http://www.osaka-city-nakusantoite.net/
https://youtu.be/pyeU1j2Lm1A?t=15m58s
15分58秒~第131回小出裕章ジャーナル
避難指示解除は妥当か「きちっとした科学的な根拠に基づいて住民に伝えなければいけないはずなのですが、もう忘れてしまえというふうな方向でやってきているわけです」
http://www.rafjp.org/koidejournal/no131/
西谷文和:
5月に福島県の県民健康調査というのが発表されまして、それでなんと38万5千人の子ども達を調べたところ、甲状腺がんの子どもが103人手術が確定したとありますが、小出さん、これ聞いてどういうご感想をお持ちでしょうか?
小出さん:
それ自身は、私自身はあまり驚きませんでした。福島第一原子力発電所という非常に巨大な事故が起きたわけですし、大量の放射性物質が環境に噴き出されてしまって、人々は、子ども達が生きてる場所を汚染してしまったわけです。
そうなれば、どんなことが起きても、私は不思議でないと初めから思っていましたし、きちっと調査をすればするだけ、さまざまな病気が確認できるだろうと思ってきました。
甲状腺がんというのもチェルノブイリの事故の時もそうでしたが、一番表れやすい病気ですので、甲状腺ガンがどんどん増えてきたということ自体については、あまり驚きませんでした。
私が驚いたのは、これほど大量に子どもの甲状腺がんが出ているのに、原子力を進めようとしている国、あるいは福島県に職されている学者達が、放射線被ばくとの因果関係をはじめから否定すると、「原子力発電所の事故とは関係ない」というような意見を述べていることに大変驚きました。(`・ω・´)
西谷:
それは通常、甲状腺がんは10万人中3人ぐらいだとか、あるいは100万人中3人だという方もおられるんですが、38万人中103人も出たらですね、これはどう考えても因果関係あるというふうに思うんですが。
小出さん:
はい。私自身は、多分そうだろうと思います。百歩譲ってそうでない場合があるとしても、それはきちっと確かめるまでは因果関係がないなんてことを言ってしまってはいけません。
(#゚Д゚)
少なくともこれまでは、子どもの甲状腺がんというのは10万人に1人、あるいは100万人に1人、2人とかそうんなふうに言われていたわけで、今西谷さんがおっしゃって下さったように、たった38万人を調べて130人のがんが出てくるということは、やはり、これまでの常識からは異常に高いのですから、まずは因果関係をきちっと調べると。調べた上でものを言うというのが学問のはずなのですけれども、国の方の専門家はそうではなくて、「まずは、関係ありません」というところから始まってしまうのですね。(;`O´)o
甲状腺がん手術跡
西谷:
それはどういう根拠で因果関係がないと断定したんでしょうか?
小出さん:
彼らの言い分としては、これまでは甲状腺がんというのは積極的に調べなかったから、100万人に1人、あるいは10万人に1人とかその程度しか見つからなかったけれども、今福島の場合には、とにかく徹底的に調べようとして、とにかくしらみつぶしに調べてきた。だから、今までは見つからなかったような甲状腺がんも、今は見つかっているんだというのです。
でも、そういうのであれば、今までは少なくとも徹底的に調査をしたことがないと彼ら自身が認めているわけですから、まずは、徹底的な調査をするということが科学的な態度にならなければいけないと思います。
西谷:
基本的な知識を整理しますと、甲状腺がんは放射性ヨウ素を吸い込むことによってかかる確立が非常に高まるということですよね? 半減期は8日でしたっけ?
小出さん:
そうです。
放射性ヨウ素の拡散状況(NHK)
国立環境研究所が公表した三次元化学輸送モデル
西谷:
ついでにちょっと確認しますと、セシウムというのが今度は筋肉に入るので、セシウム137でしたっけ?
小出さん:
はい。
西谷:
半減期が30年なので、まだまだセシウムはまだ残っているわけですよね?
小出さん:
そうです。大地その物に汚染が残っているのです。
西谷:
にも関わらず、政府は平成29年3月までに、双葉町の駅前等を含め、避難指示を解除するみたいなことを言ってるんですが、これは危険なんじゃないですか?
小出さん:
もちろん大変危険なことだと思います。西谷さんはもうご存知だと思いますが、日本に住んでいる人というのは、1年間に1ミリシーベルトを超えて、人工的な被ばくをさせてはいけないという法律があったのです。ただ今、日本の政府は、「1年間に20ミリシーベルトまで被ばくをするなら我慢しろ」と「その程度の所には、もう住民に帰れ」と「帰らなければ、補償を打ち切る」というようなことを言っているのです。
http://www.rafjp.org/koidejournal/no108/
1年間に20ミリシーベルトというのは、私のような放射線を取り扱って給料をもらってるという非常に特殊な大人に対して、初めて認められた被ばくの基準なのであって、そんなものを一般の人達に許す、特に子ども達に許すなんてことは、到底やってはいけないことだと私は思います。
西谷:
2年前に、私双葉町に入ったことがありまして「原子力、未来のエネルギー」というあの看板の所で計ったんですね。40マイクロシーベルトって出てましたわ。そういう所を解除するというのは、もうまさに住民を危険な所に戻すということですよね?
小出さん:
そうですね。私は、今年の3月末まで京都大学原子炉実験所という非常に特殊な職場で働いてきました。時には、放射能を取り扱う場所に入ります。それは、放射線管理区域というのですが、普通の方は入れない、私のような特殊な人間だけが入れる場所ですが、そこの場所であっても、1時間あたり20マイクロシーベルトを超えるような場所は、高線量区域としてまた立ち入りが制限されるというような場所なのです。
でも、今西谷さんおっしゃって下さった双葉町とかそういう所に行けば、もっともっと汚染の高い所があるわけで、私のような人間すらが近寄れないというような汚染が残っているのです。そんな所に人々を帰すなんてことは、決してやってはいけません。
西谷:
ちなみに、セシウムというのは筋肉に溜まると私申しましたけども、例えば心臓の筋肉にもし入り込めば、心臓発作ということも考えられるということでしょうか?
小出さん:
もちろんです。先程から聞いて頂いたように、被ばくというのは、どんなことでも引き起こしうると私は思っていますし、広島、長崎、原爆被爆者の方々をずっともうかれこれ70年近く調査をしてきたのですが、当初は白血病が増えるということが分かりました。
次に、さまざまながんが増えるということが分かりました。今は、今度は循環器系、いわゆる心臓まわりの病気などが多くなっているということがわかってきているという段階なのです。おそらく、セシウムで全身が被ばくをするというようなことになれば、さまざまなかたちでまた病気が出てくるんだろうと思います。
西谷:
わかりました。ほんとに、この事故で故郷がなくなって、もちろん人々は帰りたいと思ってる方多いと思うんですけど、科学的にしっかりと安全が確認されてからでないとダメですよね?
小出さん:
そうです。住民の方々がはですね、もちろん自分の故郷に帰りたいと思っていると思います。そして、恐怖を抱いたままでは生活ができませんから、何としても汚染のことを忘れたいと、どうしても思ってしまうわけです。そういう時には、むしろきちっとした科学的な根拠に基づいて、住民に伝えなければいけないはずなのですが、今の政府は逆の方向で、「もう忘れてしまえ」「安全なんだ」というふうな方向でやってきているわけです。大変困った政府だと私は思います。
西谷:
はい、よくわかりました。小出さん、ありがとうございました。
小出さん:
はい、ありがとうございました。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2013/siryo18/siryo1.pdf
http://www.cpdnp.jp/pdf/002-07-yone002.pdf
上の二つの記事を見ると、多数の人が吸気被曝したのではないでしょうか?(´-ω-`)
20120714 小出裕章さん質疑 自然放射線と人工放射線の違い
http://youtu.be/_J9cCWfypMQ
ネットワークでつくる放射能汚染地図 2011年5月15日(日)
http://v.youku.com/v_show/id_XMjY5NTk3Njcy.html
福島原発事故は、周辺地域に未曾有(みぞう)の放射能災害を引き起こした。時間経過とともに拡大する避難エリア。住民たちが自分たちの村や町に、いつになったら帰れるのか、その展望は全く見えない。いま住民たちが求めているのは、被曝(ひばく)による人体影響と、今後の土壌汚染への対策を、客観的かつ冷静に考えてゆくための基礎となるデータ・放射能汚染地図である。
ETV特集では1954年のビキニ事件以来、放射線観測の第一線に立ち続けてきた元理化学研究所の岡野眞治博士の全面的な協力のもと、元放射線医学研究所の研究官・木村真三博士、京都大学、広島大学、長崎大学の放射線観測、放射線医学を専門とする科学者達のネットワークと連係し、震災の3日後から放射能の測定を始め汚染地図を作成してきた。観測チームは、周辺地域の土壌、植物、空気中の粒子を採取し放射線量を計測する一方、岡野博士が開発した計測機を自動車に搭載して、福島県内の道路2000キロを走破した。この計測器はビデオで撮った現場映像とともにGPS情報、放射線量、放射性核種のスペクトルを、同時記録してゆくことができる世界唯一の機器であり、チェルノブイリ事故での計測により国際的な評価を得ている。
一方、文部科学省や福島県、IAEA、アメリカエネルギー省も、独自に汚染の計測を進めており、その結果が公表され始めている。これらのデータと、独自収集データをつきあわせることで、原発周辺地域のきめ細かい土壌汚染のマッピングが可能になる。
番組は、放射能汚染地図を作成してゆくプロセスを追いながら、原発災害から避難する人々、故郷に残る人々、それぞれの混乱と苦悩をみつめた2か月の記録である。
ネットワークでつくる放射能汚染地図5
~埋もれた初期被ばくを追え~
http://v.youku.com/v_show/id_XMzY1OTk2MDg4.html
福島第一原発事故は事故初期に大量の放射能を環境中に放出した。中でもヨウ素131は、チェルノブイリでは、体内に取り込んだ子供の一部に、甲状腺がんが現れるなど、その危険性は国際的に認められている。
しかし、今回の事故では、住民にヨウ素131の影響がどれだけあったのか、その詳細はわかっていない。ヨウ素131は半減期8日と短い間に消失してしまうため、早期の測定、調査が必要とされてきた。しかし、国は、事故初期の現場の混乱などによって、ヨウ素131の動きを十分に捕まえることができず、住民の内部被ばく調査も行うことがなかった。
浪江町津島地区は事故初期から大量の放射能におそわれた。環境中に大量のヨウ素131があったと見られる時期も、多くの住民にその情報は届いてはいなかった。無防備なままヨウ素131にさらされた可能性がある住民の間では、子どもへの影響を懸念し、どれだけ被ばくしたのか知りたいという声があがっている。
どうすれば事故初期の被ばくの実態に迫れるのか。取材を進める中で、事故初期に独自の甲状腺調査が行われていたことや、これまで公開されていなかった原発周辺のデータがあることが判明。放射能測定の草分け岡野眞治博士や気象シミュレーションを行う研究者たちとネットワークを築き、その解明に挑む。
隠蔽か黙殺か ~封印された汚染マップ~
【テレメンタリー(2014年2月16日)】
http://dai.ly/x1co6h6
-放射線被曝とがんとの関連性-
(日本臨床検査薬協会)
http://www.jacr.or.jp/topics/09radiation/03.html
Q3. 放射線被曝と甲状腺がんの関係は?
A3. チェルノブイリ原発事故後、特に小児において甲状腺がんが増えました。
安倍首相、桃試食「ちょうど食べ頃」ミスピーチ来訪 2014年7月17日
çernobil
http://youtu.be/_LA_PnAQONo
チェルノブイリの小児病棟 ~5年目の報告~
http://dai.ly/xkema4
若い人たちに一言お詫びを申し上げたいと思います。
小出裕章(こいでひろあき)氏 「未来を担う子どもたちへ」
https://youtu.be/9KzmzlJ-J4I
みなさん、こんにちは。今日はヘレン・カルディコットさんの講演会にお出でくださって、ありがとうございました。
2014年3月になりました。ちょうど、福島第一原子力発電所で事故が起きてから、丸3年になろうとしています。この間、私は毎日を戦争のように過ごしてきましたし、振り返ってみると、あっという間の出来事でした。
ただ、3年経ったにも関わらず、事故はまったく終息していません。
未だに放射性物質が福島第一原子力発電所の敷地から、空へ、海へ、流れていっていますし、敷地の中ではたくさんの労働者たち、それも東京電力の社員ではない、下請け、孫請け、そのまた下請け、8次、9次、10次と続くような下請け関係と聞いていますが、最低賃金すらもらえないような労働者たちが、放射能と向き合って、事故をなんとか終息させようと苦闘を続けています。
しかし、残念ながら事故を終息させるまでには、あと何年かかるんだろうか、何十年かかるんだろうか、あるいは何百年なんだろうか、と思うようなことが今現在続いています。
そして、敷地の外では、10万人を越えるような人たちが、ふるさと、生活をすべて奪われて、流浪化してしまうということになっていますし、その周辺にも汚染地帯が広がっていて、この日本という国がもし法治国家だと言うのであれば、放射線の管理区域に指定して、一般の人々の立ち入りを禁じなければいけないというところが、おそらく1万4千平方キロメートルほど広がってしまっています。
東北地方と関東地方の広大なところを、もし法律を守るというなら、無人にしなければいけないほどの汚染なのですが、今現在、数百万人もの人々、子どもも赤ん坊も含めて、そういう場所に捨てられてしまっています。
私のような放射能を相手にして給料を貰っている放射線業務従事者という人間、そして、大人であれば、まだそういうところで生きるという選択はあると思いますけれども、今回の事故を引き起こしたことに何の責任もない子どもたち、そして、被曝に対して大変敏感な子どもたちが、 今現在も汚染地帯で被曝をしながら生活しています。
それを思うと、なんとも無念ですし、3年間一体何ができたのだろうかと、自分の無力さが情けなく思います。
しかし、これからもまだまだこの状況が続いていくわけで、今、私たちに何ができるかということは考えなければいけないと思います。
私が何よりもやりたいことは、子どもたちの被曝を少しでも少なくする、ということです。
そのために一番いい方策は、子どもたち、あるいは大人も含めてですけれども、汚染地帯から避難させるということです。ただ、人間というのはみんなそれぞれの土地で、それぞれ周りの人たちと一緒に生活を送ってきました。簡単に避難という言葉を使ってみても、なかなかできないし、やったところでものすごい苦難を背負うことになると思います。
本来であれば、この事故を引き起こしたことに責任がある東京電力、あるいは日本の国家が、人々をコミュニティごとどこかに移住させるということを私はやるべきだと思いますし、これからもそれを求めていきたいと思います。
しかし、今現在日本の国、自民党という政権がまた返り咲いたのですが、その政権はこれからも原子力を進めると宣言していますし、そのためには福島の事故を忘れさせてしまおうという作戦に出てきています。そういう日本の政権が、人々をコミュニティごと逃すというような選択は、おそらくあり得ないと思います。残念ですけれども、たぶんできないだろうと私は思います。
それならどうするかということですけれども、子どもたちをある一定の期間でもいいので、疎開させる、夏の一月でもいい、春の一週間でもいい、放射能の汚染の少しでも少ない場所に移して、そこで泥んこまみれになって遊べるようにする、草の上に寝そべってもいいというような環境を子どもたちに準備をするということが必要だと思います。
そのことは、今、日本の中ででも、たくさんの人たちがそれをやってくれて、これまでもやってくれてきましたし、これからもやってくれると思いますし、海外からもそういう支援の手が伸びていますので、少しでも多くの子どもたちを放射能から遠ざけて、そして、子どもらしく遊ばせるということをやりたいと思います。
でも、それもまだまだ限られたことでしかありません。
やはり、子どもたちも含めて汚染地帯で生きざるを得ない状況はこれからも続きますので、次にやるべきことは、汚染地帯の中で、特に強く汚染している場所があちこちにあります。ホットスポットとかマイクロスポットとかの場所が平均的に言えば、あまり汚染の強くない地域にも、そういう場所が存在していますし、子どもたちがそういうところで遊んでいることだってあるだろうと思います。
どんな場所がどれだけ汚れているかということを丹念に調べて、子どもたちが時を過ごすような場所からは汚染を除去するということが必要です。
今、日本では除染という言葉が使われて、除染をすれば環境がきれいになるという幻想がふりまかれていますけれども、残念ながら除染はできません。私たちが汚れと読んでいる正体は、放射能です。放射能は人間がどんなに手を加えても消すことができないのです。
除染など決してできません。
でも、子どもたちが放射能に触れてしまうのであれば、その放射能をとにかくどこかに移す、子どもたちの場所から移すということは必要だろうと思います。
つまり、放射能を除くのではなくて、移動させる、私はそのため移染という言葉を使っていますが、子どもたちの場所からとにかく放射能を移染するということを汚染地帯もそうですし、汚染が少ないと思って安心している場所でもホットスポット、マイクロスポットはありますので、移染という作業をしてほしいと願います。
次に重要なことは食べものです。
今現在、東北地方を中心にした食べものが汚染されています。日本の国は1キログラムあたり100ベクレル以下なら安全であるかのように言って、何の規制も無いまま、食べものを流通機構に乗せてしまっています。
しかし、この日本の国で、普通の食べものは、福島の事故がある前は、1キログラムあたり0.1ベクレル程度しか汚れていなかったのです。
1キログラムあたり100ベクレルというのは、事故前の1000倍もの汚染を安全だと言って、市場に出回らさせるとうことになってしまっているわけです。そんなことは到底私は許せないと思いますし、特にそんな汚染のものを子どもたちに食べさせることは許せないと思います。
子どもたちが食べる食べもの、例えば、学校給食、というようなものは、徹底的に汚染の少ないものを調べて、子どもたちに回すということを私はやりたいと思います。
え、そのためには日本の国家が本当は動かなければいけないのですけれども、残念ながら今の日本の国家、デタラメな国家ですので、子どもたちの学校給食を司っているそれぞれの自治体がやはり立ち上がって、子どもたちを守るということをやってほしいと思います。
最後に若い人たちに一言お詫びを申し上げたいと思います。
私は大きな事故が起きる前に、原子力発電所を止めたいと思って生きてきましたけれども、残念ながら私の願いは届きませんでした。大きな事故が起きてしまって、日本中、あるいは世界中に放射能汚染が広がってしまいました。
私には時間を戻す力はありませんので、この汚れた世界で生きるしかありません。ただ、私はあと10年、20年で死んでしまうと思いますけれども、若い人たち、これから人生を刻んでいく人たちに対しては誠に申し訳ないことだと思います。
皆さんが大きくなって大人になったときに、福島の事故を防げなかった責任というものをたぶん私たちの世代に問うだろうと思います。問われて仕方がないことを私たちの世代はやったわけですし、まずはお詫びをしたいと思いますし、残りの人生で何ができるかということを考えながら、私は生きたいと思いますし、将来の皆さんからどうやってお前は生きてきたかと問われたときに、私なりにできることはやったというように答えたいと思います。
ありがとうございました。
やったな!!正念場じゃぁ!!!( ̄^ ̄)凸
安保法案の強行採決について。- 2015.07.14
https://youtu.be/MnphP_Qe1nA
国民の声 聞かないのか
(しんぶん赤旗)2015年7月15日
政府・与党は戦争法案について、「いつまでもだらだらとやるべきじゃない。『決めるときは決める』ことが必要だ」(菅義偉官房長官)、「もう論点は出尽くしている」(自民党・谷垣禎一幹事長)などと強弁し、15日に採決を強行する姿勢です。しかし、直近のどの世論調査でも「今国会の成立反対」「議論が尽くされていない」の声とともに、そもそも法案が「憲法違反」との意見が圧倒的多数。こんな状態での採決は、国民世論無視の暴挙以外の何ものでもありません。
内閣支持率にも
反対の声飛び火
今月に入って報道各社の全国世論調査では、内閣不支持率が支持率を上回る事態が相次いでいます。7月6日の「毎日」では、不支持率が5月から7ポイント増の43%で、第2次安倍内閣発足後初めて支持・不支持が逆転。その後も、12日にNNN(日本テレビ系)、13日
にNHK、14日に「朝日」で、次々と支持・不支持が逆転する結果が出ています。戦争法案の反対世論の急拡大が、内閣支持率にまで飛び火している形です。
どの世論調査でも、法案の「今国会成立反対」は6割前後で、「賛成」の2~3倍に達しています(グラフ)。政府の説明が「不十分」との声も8割超で、高止まりのまま。「憲法違反」との指摘も半数に達している調査結果が多く、「(国民の)理解が進んできた」(13日、安倍晋三首相)といえる根拠など一つもありません。
審議に不可欠な
情報も開示せず
苣官房長官は14日の会見で「引き続き、懇切丁寧に(国会に)説明する」などと述べています。
しかし、国会審議の前提となる資料提供をめぐるこの間の政府のやり方は、国会軽視の態度そのものです。
国会から提出を求めている統一見解のうち、14日時点で26件中11件が未提出。関迎資料も26件中12件が提出されていません。
審議に不可欠な情報を隠し、最低限の情報開示すら怠っています。日本共産党の穀田恵二議員は10日の委員会で、陸上自衛隊イラク派兵の実態を克明に記録した文書がありながら、政府が国会議員の資料要求に対しては”黒塗り”で提出していることを指摘。〃黒塗り”を解除した文書の提出にいまだ応じていません。
14日の審議強行で、総審議時間は106時間52分(野党欠席時間除く)になりました。しかし、どんなに審議時間を重ねても違憲の戦争法案は「合憲」にはなりません。6日に沖縄県と埼玉県で行われた地方参考人会では、与党推薦の参考人からも慎重な審議を求める意見(沖縄)や「まだまだ議論が必要なのは明らか」(埼玉)などの意見が相次ぎました。ただすべき論点は山積しています。
説明不足の論点80個超
明日の自由を守る
若手弁護士の会
倉持麟太郎さん
私はさいたま市での衆院安保法制特別委員会(6日)に参考人として出席し、これまでの国会審議で議論されていない論点が40個以上もあると指摘しました。その後も、全く触れられていない論点、説明不十分な論点を調べてリストを作っていますが、その数は80個以上にものぼっています。
こうしたなかで採決すれば、違憲である法案内容とともに手続き面でも民主的正当性を欠くことになります。
安倍首相からはまともに説明する姿勢は見えません。「夏までの法案成立」という米国との約束重視、国民と法の支配の軽視であり、権力者としての節度が欠如しています。
反対世論軽視の首相を批判
「強行しても支持戻る」は間違い
元内閣官房副長官補 柳沢協二氏
「自衛隊やPKO(国連平和維持活動)も最初は反対多数だったが、今では国民の多くが支持・賛成している」-。安倍晋三首相は国会審議でこう繰り返し、戦争法案反対の国民世論を軽視する姿勢を示しています。
これについて柳沢協二・元内閣官房副長官補は13日、国民安保法制懇の記者会見で「(法案を)強行採決しても国民世論の支持が戻ってくるというのは大変な聞違いだ」と批判しました。柳沢氏は「これまで自衛隊に国民の理解があったのは、海外で戦争しなかったからだ。この法案でやろうとしていることは海外で殺し、殺されることだ」と指摘。また「自衛隊は国民が理解している以上のことはできない。多くの国民が法案についてわからないといっているのに、その法律に基づいて自衛隊が海外でリスクを負い殺し殺されるような任務を与えられるようなことは絶対に許せない」と語りました。
安倍独裁とナチズムはどこが違うのか
違憲法案強行採決カウントダウン
だからこの国は野蛮なのだ
(日刊ゲンダイ)2015年7月15日
憲法学者が全員反対しても、全国的に反対運動が広かっても、違憲法案を止める術なし。法治国家と立憲主義否定の暴力政治を力ずくで止めなければ、安倍ファシズムはナチス化する
とうとう違憲法案の強行採決のカウントダウンが始まった。安保関連法案を審議する衆院特別委員会はきのう(13日)、中央公聴会を開いた。重要法案を採決するうえでの大前提であり、有識者や利害関係者から「十分に意見を拝聴しました」という形式を整えるセレモニーは終了。衆院での法案審議時間は100時間を超えた。
自民党の谷垣幹事長は採決条件は整ったとして、「あす(15日)の委員会採決」を目指す意向を表明しているが、この法案には憲法学者の9割が「違憲」と判断し、どの世論調査でも国民の8割以上が「政府の説明は不十分」と答えている。実際に戦争に巻き込まれかねない若者や、子を持つ母親たちの立場はより深刻だ。国会周辺は日に日に「戦争したくなくて、ふるえる」という抗議の声が高まっている。強行採決に向けたカウントダウンが進むごとに、国会周辺の反対運動もピークに達していくのだろう。
だが、国民の悲痛な叫びも、安倍政権には馬の耳に何とやらだ。いくら全国的に反対の輪が広がっても、のれんに腕押し。残念ながら、我々には違憲法案を止める術はないようにも思えてくる。その理由は議会の圧倒多数を握られているだけではない。安倍たちは法治国家としてのルールや立憲主義の常識さえ、持ち合わせていないからだ。ルール無用の外道たちに「正道」を何べん説いても通用しないのと同じである。
ナチズム台頭の反省に基づく欧州の違憲審査
民主主義の先輩格にあたる欧州各国では、違憲法案の制定をこれだけ急ぐ野蛮な政権の存在は許されない。そもそも、ドイツやフランスなどには一般の裁判所から切り雕された「憲法裁判所」という違憲審査の独立機関が存在する。九大名誉教授の斎藤文男氏(憲法)が説明する。
「憲法解釈の見解や法律の違憲性の審理にあたって、時の政権はもちろん、事実上、三権分立さえ超越した強大な権限を与えられています。日本では『一票の格差』のように憲法違反の具体的実害を被って国民は初めて提訴できますが、欧州では何かコトが起きる前に法令などの違憲性を問える『抽象的違憲審査』も認められています。コトが起きてからでは遅いという発想は、議会の立法によって人権が著しく侵害されたナチズムの台頭を許した反省に基づいています。日本のように最高裁の判決が確定するまで4、5年を要するようなこともない。欧州なら、戦争法案は即座に憲法裁判所の審理対象になるのは間違いありません」
違憲審査の独立機関が存在しない日本にとって長年、「憲法裁判所」の役割を肩代わりしてきたのは、内閣法制局である。”憲法の番人”として平和憲法に関する慎重かつ精緻な解釈を積み重ねてきたが、そんな「英知の結晶」を安倍はいとも簡単に踏み潰してしまった。その手口もひどく野蛮で、あたかもナチスを彷彿(ほうふつ)させるのだ。
法治国家が終わり、ファシズムが始まる
昨年2月、民主党議員の質問にイラ立ちながら、安倍は国会でこう言つてのけた「(憲法判断の)最高責任者は私。国民の審判を受けるのは法制局長官ではないんです」
思えば、この頃から安倍は暴力政治路線をム牛出しにしていた。さらに安倍は山本庸幸法制局長官に集団的自衛権の行使容認へ向けた解釈変更を迫り、それを拒んだ山本
氏に辞任を求めたと伝えられる。
その結果、山本氏は長官ポストを外れ、後任に任命されたのは安倍と同じ考えで外務省出身の小松一郎前長官だった。首相の独断専行、ゴリ押しによるロコツな”お友だち人事”。小松と二人三脚で解釈改憲にこぎつけた安倍は、小松の不慮の死後も人事権を掌握することで、法制局にプレッシャーをかけ続けている。
政治評論家の森田実氏は「人事から手をつけるのが、独裁政治の古典的手口。自分の意に沿わない人物をパージし、空いたポストに同じ考えの”同志”を据えようとする。安倍首相は独裁者の典型例にみえます」と言えば、前出の斎藤文男氏は「首相が『憲法解釈の最高責任者は私』と居直り続ける限り、この国の立憲主義は事実上、停止しかねない」ところ続けた。
「日本における憲法裁判所だった法制局から独立した違憲判断を奪い去ったことで、安倍首相はやりたい放題にみえます。安倍首相が法制局を骨抜きにできたのも、議会の数の力が背景にあってこそでしょう。まるで力で抑えつければ何でもできるという発想は独裁につながりますし、国民の投票で選ばれた内閣なら何をやっても許されるような言動は、権力者として慎むべきです」
いま、安倍たちが力ずくで行っている政治は権力を制限し、人権を守るという立憲主義への挑戦である。現行憲法は憲法の尊重義務を公務員だけに課しているが、自民党の憲法改正草案はくすべての国民はこの憲法を尊重しなければならない〉と書き国民全般に広げようとしている。今の自民党が権力を縛る憲法こそ立憲主義の基本のキという考え方に立っていないのは明白だ。
権ガを縛る鎖を引きちぎり、国民に振りかざす
大体、安倍自身が昨年2月に国会でキッパリとこう言い切っていた。「(憲法は)国家権力を縛るものだという考え方があるが、それはかつて王権が絶対権力を持っていた時代の主流的考え方だ」
立憲主義の否定とは、権力を縛り上げてきた憲法という名の”鎖”を力ずくで引きちぎり、国民に向かって振り下ろすことを意味する。たとえ憲法学者が全員反対しても暴走政権は聞く耳を持だない。全国に反対運動が広がっても違憲法案を止めようとしない。慶大名誉教授の小林節氏(憲法)は「憲法違反がまかり通ると憲法に従って政治を行うというルールがなくなり、北朝鮮のようになる。キム家とアベ家が一緒になる」と繰り返しているが、その重大性と恐ろしさを国民は改めて知る必要がある。前出の森田実氏はこう言った。「この国は今、法治国家が終焉(しゅうえん)し、ファシズムが始まる一歩手前に差し掛かっているとみるぺきでしょう。本当にそんな世の中になっていいのか。主権者である国民にとってまさに正念場です。要するに安倍官邸は国民をナメているのですよ。どうせ『戦争法案のゴリ押しで一時的に支持率が落ちても、そのうち国民は忘れる』と図に乘つていることでしょう。『2年前の秘密保護法の強行採決でも支持率は一度はガタ落ちしたけど、すぐ上かった』という感覚です。国民はいつまでもなめられっ放しでいいのか。今こそ目にモノを言わせなければ、この匿は批判の許されない社会へと一直線です」ヽ(`Д´)ノ
かつてヒトラーは著書「我が闘争」で、〈大衆の受容能力はきわめて狭量であり、理解力は小さい代わりに忘却力は大きい〉と耆いた。この表現を地で行くような暴力政治を力ずくで止めなければ、安倍ファッショは確実にナチス化するだろう。
野放しにしていいのか
ペテン首相の二枚舌
国の内外から高まる「退場勧告」
(日刊ゲンダイ)2015年7月14日
囗から出まかせだった「安保法制、夏までに成就」の米議会演説、二枚舌外交の「日米同盟の深化」、辺野古移転も暗礁で、その姑息で曲芸的な政治手法に海外メディアが疑念の目
これには官邸も悶絶しているんじゃないか。ついに、安倍応援団の御用メディアでも支持・不支持が逆転だ。
日本テレビがきのう(12日)発表した7月の定例世論調査で、安倍内閣を「支持しない」と回答した人が41・O%に増え、「支持する」の39・7%を初めて上回った。安保法制については78・5%が「説明不足」。2020年東京五輪のメーン会場となる「新国立競技場」の建設計画も、82・9%が「見直すべき」と答えている。
現行案では、新国立競技場の総工費は3000億円以上になるといわれている。竣工後の維持管理費などで毎年20億円もの赤字が見込まれ、将来にわたってツケを残す。圧倒的多数の国民が現行案に反対するのは当然なのだが、菅官房長官は会見で「安易にデザインを変更することは国際的な信用を失墜しかねない」と強弁していた。安倍首相がIOCの最終プレゼンで「他のどんな競技場とも似ていない真新しいスタジアム」と国際公約したから、今さら変更できないというのである。┐(´д`)┌工費を削減すれば、選手の強化費にいくらか充てることだってできるのに、選手育成やコストより安倍のメンツが最優先ということだ。
とことんフザけた話だが、これは安保法案も同じことだ。米国で約束してきたから、夏までに必ず成立させなけれぱならないって、そんなバカな話があるものか。( ̄  ̄)b安倍が海外で勝手にブチ上げてきた口約束のために、なぜ日本国憲法をねじ曲げなければならないのか。だいたい、国際社会に向かって汚染水は「アンダーコントロール」と大ウソこいて平然としている首相だ。口から出まかせの集団的自衛権だから、審議時間を重ねるほど矛
盾が露呈し、説明もシドロモドロになっている。
海外でイイ顔して国民にウソをつく
元外務省国際情報局長の孫崎享氏が言う。
「4月の訪米時に、安倍首相は米国に対して『世界中どこでも行きます』『あらゆるレベルでの対応を提供します』と大風呂敷を広げましたが、国内では、集団的自衛権の行使を容認しても『専守防衛は変わらない』『自衛隊員のリスクは増えない』と過少に申告ている。一事が万事で、根回しもなく海外で大言壮語し、国内では問題を小さく見せようとする姑息なやり方が目立ちます。勝手に約束してきたことを『国際公約だ』などと言って、新国立競技場も安保法制も、原発再稼働も国民の反対は無視して強引に進めようとする。海外でイイ顔をして、国民にウソをつくなんて、一体どこの国の首相なのかと言いたくなります」
安保関連法案については、自民党がTBSのアンケートに答えないよう、党国会議員に指示を
出していたことも判明した。議員のテレビ出演も制限しているが、「微妙な時期だから答えないようにしろ」なんてメチヤクチヤだ。答えればボロが出るということだろうが、自ら法案のデタラメを証明しているようなものだ。ハナから国民に説明する気などなく、数の力で押し切ろうというのである。こういう態度が、支持率下落に拍車をかける。
保身や人気取りに外交を利用する危なさ愚かさ
そんな中。安倍首相が9月初旬に北京を訪問するというニュースが急に流れ始めた。安倍は9月3日に北京で行われる「抗日戦争勝利70年」の記念行事に招待されているが、その前後に訪中して習近平国家主席と会談するという。ドイツのメルケル首相は今年5月、招待を受けたロシアの対独戦勝70周年記念式典は欠席したものの、式典の翌日にロシアを訪問してプーチン大統領と首脳会談を行って外交成果を上げた。その真似をするつもりのようだが、そんなうまくいくのかどうか。
「安倍首相が8月中旬に出す70年談話は、閣議決定しない『首相の談話』に格下げされたことで、首相の個人的な思いを反映させやすくなり、中韓の反発が予想されます。それに、9月初旬といえば安保法案の国会審議も大詰め。しかも、その安保法案は、中国の脅威をあおることで進めているのです。そんなタイミングで中国に行って、何ができるというのか。ロシアとの関係もそうですが、あまりに湯当たり的です。都合の悪いことから目先をそらしたり、人気取りをするために外交を使っているから、一貫性がない。こういうことをやっていると、国際社会での信用を失います」(孫崎享氏=前出)
安保や競技場問題で行き詰まり、不景気打開のための訪中画策というのも浅薄だ。また口先だけで「関係の深化」とか言うのだろうが、安倍が中国を心底嫌っていて、安保法制が中国を仮想敵国にしたものだということは、みんな知っている。関係改善をアピールしたところで、しらじらしいだけだ。
”言葉遊び”で騙すだけの売国政治
そういう安倍の曲芸的な政治手法には、海外メディアも疑念の目を向けている。10日のウォールーストリートージャーナルに、日本通で知られるジェラルド・カーティス氏の寄稿が載っていた。安保法案で「守勢に回る安倍首相」と、こう書いている。
〈安倍氏は約束した夏までに一連の法案審議をまとめ上げることができなかった〉〈法案を可決したとしても、自衛隊の役割と任務を再定義するという安倍氏の取り組みに対する国民の懐疑心はますます強くなると思われる〉〈首相と防衛相の議会答弁は物事を不明瞭にする訓練のようだった。政府は誠実ではないという印象を一段と強く国民に植え付けただけだった〉
時を同じくして、ニューヨークータイムズも普天間基地の辺野古移設が暗礁に乗り上げていることを大々的に取り上げた。東京特派員のマーチン・ファクラー氏が現地入りし、「右翼首相(right-wing Prime Minister)」が県民の猛反発に遭っていると報じたのだ。
「沖縄独立の可能性にも言及して、県民の意思を無視して移設を強引に進める安倍首相の政治手法に疑問を投げかけている。その論調は決して目新しいものではありませんが、あれだけの大きな新聞が、書いた意味を考える必要があります。欧米の有識者の中には、安倍首相のやり方は民主主義のルールから外れていると考えている人がいる。外向きと内向きの説明があまりに違うことも、不信感か増幅する要因になっていると思います」(国際ジャーナリストの堀田佳男氏)
安倍の二枚舌外交は今に始まったことではないが、言葉遊びに国際社会と国民をだまし続けて
いることは許しがたい。
例えば、安倍がゴリ押しした「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録。「徴用工」の表現が問題になったが、官邸は「forced labour=強制労働」を「forced to work」に言い換えることで妥結した。英語圈での使われ方に大差はないのだが、政府は「強制労働を意味するものではない」と言い張っている。
4月の訪米でも、従軍慰安婦を「Human trafficking=人身売買」と言い換えていた。米国人が聞けば強制性を感じさせる言葉だが、国内向けには「強制性を認めていない」と説明。海外向けの「慰安婦問題を謝罪」が、国内向けの和訳では「人身売買を反省」に修正されてしまう。こういう微妙なニュアンスで、海外と国内の両方をゴマ力し続けているのだが、これか売国政治でなくて何なのか。右翼が街宜をかけないのが不思議なくらいだ。
安倍がトップでいることによる信用失墜は、国立競技場のデザイン変更どころの話じゃない。こんなペテン首相を野放しにしていたら、国際社会から呆れられる一方なのである。国益がうんぬんと言うなら、海外に出すなんて、もってのほか。
羽交い絞めにしてでも、引きずり降ろさなきやダメだ。
議論を拒否し、公共システムを私物化
~ 安保法制の核心
(東京新聞【こちら特報部】)2015年7月7日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015070702000161.html
安保関連法案の参考人質疑が6日、那覇市とさいたま市で催された。政府・与党は採決へ着々と駒を進めているが、同法案で問われているのは安保政策だけではない。これまでの審議からも、安倍政権の政治体質自体が俎上(そじょう)に載っている。その体質とは「議論を拒み、公共的なシステムを私物化する」という代物だ。その特異性は、自民党内の勉強会での報道抑圧発言でもあらわになっている。
(上田千秋、篠ケ瀬祐司)
安保法案で鮮明
安倍政権の異質さ
国会では核心回避
国民の判断二の次
安倍政権に特徴的な傾向は、内輪以外に議論を広げようとしない姿勢だ。
先月十七日に国会で開かれた党首討論。安保関連法案をめぐり、民主党の岡田克也代表が「どういう時に存立危機事態と認定するのか」と問うたのに対じヽ安倍晋三首相は「某国が『東京を火の海にする』と発言をエスカレートさせ…」などと語りつつも、「具体的なケースを私か述べると、政策的な中身をさらすこと
になる」と返答し、核心部分に触れる論争を避けた。
五月二十日の党首討論でも、岡田氏から安保法案の議論に関して「間違っている」と追及された際、内容には踏み込まず「法案についての説明は正しいと思いますよ。私は総理大臣なんですから」と返した。
国会議員は国民の代表として、内閣に対して質問する。首相がこの大原則を理解しているのか、危ぶまれるシーンもあった。同月二十八日の衆院安保特別委員会で、民主党の辻元清美議員に「早く質問しろよ」とやじを飛ばした件だ。安保に限らない。首相は村山談話をどう継承するかなど、歴史認識をめぐる議論でも「侵略の定義は定まっていない」などと、議論の深入りを避けてきた。
一方、異論が挟まれない空間では快活だ。首相や側近は交流サイト「フェイスブック(FB)」によく投稿している。二〇一三年一月に首相官邸の公式ページを開いた際も「『いいね!』な一年にしましょう」とコメント。「いいね!」は閲覧者が内容を評価した時にクリックする記号だ。
ただ、フェイスブックは基本的に双方向な議論の空間としては使われない。
異論も含めて議論を喚起し、主権者たる国民の判断を仰ぐという民主政治の原則を軽視し、敵味方の論理に固執する。そうなれば、国民は操作の対象だ。
そんな政権の特性が如実に表れたのが、自民党の勉強会での報道機関への圧力発言だろう。報道機関は自分たちの広報装置、財界はそれに圧力を加える道具という認識が垣間見えた。
元NHKプロデューサーで、武蔵大の永田浩三教授(メディア社会学)は「総務省から放送免許を受けているテレビ局は政権にあらがいにくく、大なり小なりの圧力は以前からあった。ただ、第二次安倍政権発足以降、その傾向が一層強くなった」と指摘する。
とりわけ、公共放送は政権の装置ではなく、国民のためにある。しかし、現政権はそのNHKの人事へも大胆に介入した。
国会は一三年十一月、政府が示した新任NHK経営委員人事案を承認。そこには作家の百田尚樹氏や埼玉大名誉教授の長谷川三千子氏ら、いずれも首相に近い人物がいた。十二月に当時の松本正之会長が突然退任の意向を示し、一四年一月にやはり首相に近い籾井勝人氏が就任した。
異例の人事介入連発
「独裁・暴政への一歩」
NHKだけではない。議論を拒み、仲間内で権力を操作するには、公共の財産ともいうべき中立的なシステムの「私物化」という手法が手っ取り早い。振り返れば、政権は「異例」の措置を繰り返してきた。
「憲法解釈の番人」の人事が好例だ。一三年八月、内閣法制局長官に小松一郎駐仏大使(故人)をあてた。法制局勤務経験のない人物の異例の起用だった。
小松氏は第一次安倍政権当時は外務省国際法局長。首相が集団的自衛権の行使容認に向けて設置した有識者会議の事務作業に携わっていた。著書「実践国際法」でも、集団的自衛権の行使に理解を示している。
一四年五月に体調不良で小松氏が退任し、後任の横畠裕介氏が内部昇格。しかし、横畠氏は国会答弁で「フグは毒があるが、肝を外せば食べられる」と、集団的自衛権の限定的行使は合憲だと説明している。
「通貨の番人」の日銀総裁もそうだ。一九九八年以降は日銀内部昇格との慣例を破って、一三年三月、財務省出身の黒田東彦氏を起用した。黒田氏はアベノミクスの「異次元の金融緩和」を主導している。
「原子力の番人」も例外ではない。一四年六月の原子力規制委員会人事だ。原発直下の活断層を調べてきた島崎邦彦委員長代理を任期満了で退任させ、推進派の東大大学院の田中知教授らを抜擢した。田中氏は過去に電力会社の関連財団から報酬を受けていた。
国公立大学にも、入学・卒業式で日の丸掲揚と君が代斉唱をするよう「要請」する。国民が「なぜ今?」と首をひねる中、首相は一四年十一月に解散、「アペノミクスが問われる選挙」と総選挙に踏み切った。どうみても自党に有利な時期を選んだにすぎない。
こうした公共性を無視した私物化の手法に、自民党も完全に染まった。先月四日の衆院憲法審査会参考人質疑で、自民党が推薦した早稲田大の長谷部恭男教授が安全保障関連法案を「憲法違反」と明言した。
自民党の高村正彦副総裁は同月十一日の同審査会で「自衛の措置が何であるか
を考え抜くのは、憲法学者でなく政治家だ」と自党が国会に招いた専門家を素人扱いした。船田元・向審査会与党筆頭幹事(自民党)は「(人選)ミスだった」と釈明した。研究者への敬意も、権力者としての謙虚さも見られなかった。《゚Д゚》
なぜ安倍政権は「公共的なシステムの私物化」を進めるのか。東京大の西崎文子教授(米国外交史)は二つ理由を挙げる。「民主党政権下で、自分たちが正しいとの思いを強くした。経済状態がよければ何をしてもいいと、たかをくくっているようにも見える」
西崎教授が最も危機感を覚えているのは「憲法の私物化」だ。憲法は国民共通の財産の最たるものだ。
「それを自分が解釈し、首相として責任をとるという。しかし、どんな政治家でも過ちを起こし得る。その際、ある程度の範囲内で収まるように憲法や各種の制度が存在している。現政権はそれをなくそうとしている。そもそも、責任は退任後にはとれない」
西崎教授は政権の手法そのものに警鐘を鳴らす。
「法の支配が『私』の支配に変わっている。独裁や暴政の一歩だ。安倍政権は特定秘密保護法や集団的自衛権の行使容認の閣議決定などを、巧みに選挙の争点から外してきた。しかし、安保関連法案を通せば、必ず禍根が残る。さらに私たちには次の選挙まで、この政権が何をしてきたかを覚えておく『持続する思考』が試されている」