小出さん: これまで3年8か月、9か月が経とうとしているわけですけれども、やればやるだけ困難が増えてくるということが、東京電力も国も身に沁みて分かってきたということだと思います。 Image may be NSFW. Clik here to view. 放射能汚染水そのものにしても、何の対処もできないまま、今現在も海に漏れていってしまっている訳ですし、それを防ごうとして凍土壁というものをつくろうという計画は一応あるわけですけれども、それすらが全く上手くいきそうもないということで、これからほんとにどうしていいのか分からないという状態になってしまっています。 Image may be NSFW. Clik here to view.
これからのロードマップも成功しなくても、誰も責任を取らなくていいわけですし、東京電力お金がかかると言えば、国がそれを補助するということになってるわけですし、東京電力も倒産しない。 Image may be NSFW. Clik here to view. 原子力をつくるために儲けてきたゼネコンもますます儲かるという構図になっているわけです。
ただし使用済み燃料プールは、1号機にも2号機にも3号機にもあります。そちらの方は、建屋の内部が猛烈に放射能で汚れていますので、近づくことすらができないわけです。 Image may be NSFW. Clik here to view. ただし、どうしてもやらなければいけません。使用済み燃料プールの中にある燃料だけは、なんとしても移動させなければいけませんので、これから1号機、3号機、2号機の順番でしょうか?
とにかく、やることになると思います。そのためには、1号機は今現在カバーを作ったわけですが、そのカバーは撤去するしかないだろうと思います。 Image may be NSFW. Clik here to view. 2号機の原子炉建屋はまがりなりにも形が残っているのですが、それも撤去する以外には作業を進めることができないと思います。
主要政党の衆院選公約はどうか。自民、公明両党とも「秘密保護法」の文字はない。自民党は、二〇一二年の前回衆院選でも公約に秘密保護法制定を記載しなかった。今回、首相は衆院解散時に「報道が抑圧されるような例があったら(首相を)辞める」とまで述べたが、公約で知る権利を守るための運用方針などは示さなかった。菅義偉官房長官は「いちいち信を問うことではない」と争点化に否定的で、世論の反対が強いテーマを避けたい思いがにじむ。 公約を見る限り、野党側には温度差がある。 野党は民主党が施行延期を主張し、共産、社民両党は法廃止を訴えた。維新、次世代、生活、新党改革、地域政党の減税日本は公約に記載していない。 Image may be NSFW. Clik here to view.
まず汚染水対策なんですけれども、こちら小出さんずーっと汚染水については「難しい」ということをおっしゃっていましたので、改めてっていうふうにはなるんですが、まずALPS(アルプス)の稼働なんですが、このアルプス10月から本格稼働したということなんですけれど、このALPSっていう物のその除染の現状と課題というのをちょっと伺っておきたいなと思ったんですがいかがでしょうか? Image may be NSFW. Clik here to view.
小出さん: はい、汚染水と皆さんが呼んでいるもの、それは放射能で汚れているという意味ですよね。
景山: はい。
小出さん: これまで東京電力も国も放射能で汚れた水の中からセシウムというただ一種類の放射能だけ取り除いてきたのですけれども、セシウム以外にもたくさんの放射性物質がありますし、特に重要なのはストロンチウムという放射性物質ですが、それはこれまでは全く取り除けなかったのです。それを何とかして取り除きたいということで、アルプスという装置を設置しようとしたわけですが、残念ながらほとんどまともに動いていません。 Image may be NSFW. Clik here to view.
小出さん: はい。ここ1年近く東京電力と国が何をやろうとしてきたかと言うと、トレンチと呼んでいる地下のトンネルがあるのです。そのトンネルの中を配管が走っていたり、電気の配線が走っていたりするわけですけれども、そのトンネルの中に、2011年3月の段階ですでに1万トンもの放射能汚染水が溜まっていたのです。 Image may be NSFW. Clik here to view. 2011年4月2日
私はもうその段階で、この汚染水をなんとかしないと、どんどん海へ流れていってしまうので、その段階でその汚染水だけはとにかく巨大タンカーにでも移して、1万トン分の処理をすべきだと発言をしたのですが結局、それを東京電力も国もやらないままきてしまったのです。これもまた1年程前になってとにかくやらなければいけないということで、トレンチの部分を遮断しようという作業を始めたのです。 Image may be NSFW. Clik here to view. どうやって遮断するかと言うと、トレンチの一部を凍らせて、原子炉建屋タービン建屋の側と地下のトンネルを隔離しようとしたのですけれども、いくらやってもそこに氷の壁を作ることができないということで、彼らの計画が失敗してしまったということになりました。 Image may be NSFW. Clik here to view. これからは、今景山さんおっしゃって下さったように、コンクリを流し込んで、順番に汚染水を少しずつ少しずつ抜き取っていくというやり方に変えると言ってるのですが、多分それしか私もないと思います。ただし、汲み出した汚染水というのは、強烈に放射能で汚れていますので、それをじゃあこれから一体どうするかということもこれから考えなければいけません。
Image may be NSFW. Clik here to view.
景山: なるほど。では、次に今度は除染対策のことについて伺っていきたいんですけれども。除染についても、もうほんとにずーっと小出さんは難しいということをちゃんと発信してくださってたんですが、相変わらず、復興予算というところが除染に対しての巨額の予算が注ぎ込まれていて、これ実際どれぐらい効果があるんだろうかっていうふうに思うんですが、除染を効果的に実施する方法っていうのはあるんでしょうか? Image may be NSFW. Clik here to view.
今、福島を中心にして、1万4千平方キロメートルという広大な地域が放射線管理区域という区域に指定しなければいけないほどの汚染を受けているのです。放射線管理区域というのは普通の人々は立ち入ることすら許されない。私のような特殊な人間でも、そこに立ち入ったら水を飲むことも許されない。つまり、生活してはいけないという、そういう場所になってしまっている。家も汚れている、庭も汚れている、道路も学校も公園も田畑も林も森も山も汚れているのです。もちろん、そんな所を全部移染するなんていうことはできる道理がないのですけれども。 Image may be NSFW. Clik here to view. でも、人々が毎日生活している家であるとか学校であるとか、そういう所だけは何としてもその移染しなければいけないと私は思います。あまり、効果があるとは言えませんけれども、でもやらざるを得ないと思います。
今年の夏休みに家族でポーランドとアウシュビッツに行ってきました。 この投稿の題名は帰還不能点です。 アウシュビッツをガイド付きで3時間歩き回ったあと、家族だけでもう一時間、ゆっくりと見て歩きながらいくつもの帰還不能点に出会いました。 上の写真に写っている門も一つの帰還不能点であると共に、今でも世界の大勢の人にとって一度くぐると二度と戻れないことのシンボルになっています。 Image may be NSFW. Clik here to view.
ヨーロッパ中からこのような貨車に何十人と押し込まれて、時に一週間以上水も食料もなく、当然トイレもない状況でアウシュビッツに連れて行かれたユダヤ人にとって、この貨車も帰還不能点でした。 アウシュビッツの門をくぐったときには既に亡くなっていた人もいたし、写真に写っている広場で到着直後選別され、ガス室に送られた人はそれ以上にいました。 Image may be NSFW. Clik here to view.
ヨルダン川西岸にイスラエルが設けている検問所で、たった19歳のイスラエル兵が、長い列を作るパレスチナの車の通行の可否を決める光景を横目に、無関心でチェックを受ける必要もなくイスラエル人が通り過ぎていくという姿も帰還不能点の一つです。それを今肯定する人は、いずれ、もっと進んだことも肯定するようになるでしょう。 Image may be NSFW. Clik here to view.
小出さん: 例えば、がれきの焼却ということをこれまでもやってきましたし、多分これからもやると思いますけれども、がれきと言うと、体積が膨大になってしまって、その膨大なものをそのまま管理し続けるということは大変難しいということで、それを焼却して、焼却灰というコンパクトな形の中に放射性物質を濃縮して、それを管理しようということが基本的な方針になっているわけです。 Image may be NSFW. Clik here to view. 放射性物質を消すことはできませんけれども、できる限りコンパクトにするということは、やはりこれから管理をしていく上で必要だろうと私は思います。
小出さん: まずは、自分で始末のできないようなゴミを生んではいけないということなわけですから、これ以上、原子力発電などをやることを即刻止めるという選択が、まず必要だと思います。 Image may be NSFW. Clik here to view. でも、即刻止めたとしても、私達の世代ですでに広島原爆に換算すると、120万発とか130万発分もの放射性物質を作ってしまっている。できれば私としては、自分達が生み出した放射能を消したいと思っていますし、その研究も既に70年ほど続いています。
<避難勧奨地点>南相馬28日解除へ (河北新報)2014年12月22日 http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201412/20141222_61012.html 国の原子力災害現地対策本部は21日、福島第1原発事故に伴い、放射線量が高いとして指定していた南相馬市の特定避難勧奨地点について、28日に指定を解除することを決めた。指定の152世帯を対象に市内で開いた住民説明会で伝えた。28日午前0時で全世帯、142地点の指定が解除され、福島県内から勧奨地点はなくなる。 Image may be NSFW. Clik here to view. ◎住民反対、国押し切る 説明会には住民ら約80人が出席。本部長の高木陽介経済産業副大臣は「空間線量は既に健康影響を考えなくていいレベル。風評被害からの脱却のためにも、総合判断した」と理解を求めた。 会場からは「農地除染が終わっていない」「避難区域より放射線量は高い」と放射線への不安などから現段階での解除に反対の声が相次いだが、国側が押し切った。 同席した桜井勝延市長は「最低でも年度内は解除しないよう要請してきたので不本意。国は今後も住民の声を聞く場を設けてほしい」と述べた。 国は全世帯が指定基準の年間被ばく線量20ミリシーベルト(毎時3.8マイクロシーベルト相当)を下回ったとして10月中の解除を検討したが、住民の反発が強く延期。その後、対象世帯の戸別訪問や希望世帯での放射線軽減のための清掃活動を実施してきた。 国が避難を勧めた勧奨地点は、原発20キロ圏外で局所的に放射線量の高い世帯を指定。大半が避難しており、精神的損害に対する月10万円の慰謝料が支払われている。指定解除で慰謝料の対象から外れるが、解除後3カ月間は支給される。伊達市と福島県川内村は2012年12月に解除され、指定は南相馬市内のみだった。
小出さん: はい。国や東京電力は、もともとその原子力発電所は事故など起こさないと言って、大変その楽観的な見通しのもとに原子力発電というものを進めてきてしまいました。 Image may be NSFW. Clik here to view. Image may be NSFW. Clik here to view. 福島の事故が起きた時も、事故をとにかく軽く考えたい、軽く考えたいということで、「炉心は溶けてないよ」とかですね、国際事象評価尺度というものに照らせばレベル4だとか言っていた。初めのうちはですね。でも、結局レベル7という一番破局的な事故だという事になってしまったわけですし、とにかく楽観的、楽観的に彼らは対処しようとしてきたのです。 Image may be NSFW. Clik here to view. 燃料デブリの取り出しということに関しても、国や東京電力はそのデブリが圧力容器の底を抜いて、格納容器の床の上にまんじゅうのように積もってるんだという、そういう想定をしているのです。 Image may be NSFW. Clik here to view. もしそうであれば、格納容器の底を全部削って穴を開けてですね、上から見ることができるだろうし、上に取り出すことができるだろうというのが、彼らが描いている、いわゆるロードマップなんですね。でも、もしそうだとしても、上から取り出す為には30メートルもの水の下にある物をつかみ出さなければいけないわけで。
西谷: 30メートルの水の下ですね?
小出さん: はい。そんなことは、まずそれもできないでしょうし、私自身はその溶け落ちた物が真下にまんじゅうのように溜まってるなんてことは決してあり得ないと思っていまして、多分、もうそこらじゅうに飛び散ってしまっていますので、それをつかみだすことは基本的にはできないと思っています。 Image may be NSFW. Clik here to view.
西谷: 最後にですね、科学者の専門家の集団がですね、100年単位のスパンでどうするかを考えたいので、見えるところにそういうもんを置いといて、乾式、いわゆる湿式というこのプールじゃなくて、そのキャスクに入れて空冷して、埋めるんじゃなくてね。そういうふうにして、人類の叡智にあとでまたバトンタッチするという、そういうことが出たんですけど、やっぱりこういう形で取り出していくべきなんですかね? Image may be NSFW. Clik here to view.
でも、そんなことはやっぱりやってはいけないことなわけですから、日本学術会議という、いわゆる学者の国会と言われてきた組織が、これまでの日本のやり方はダメだから、いちから考え直せと、乾式貯蔵をして当面は監視するしかないだろうというような提言を出すようになっているわけです。私はもうずーっと昔からそれしかないと言ってきましたし、多分そうなるだろうと思います。 Image may be NSFW. Clik here to view.
http://dai.ly/x18kovf NHK BS世界のドキュメンタリー 2013.12.18. 原題:Decommissioning Nuclear Power Plants: Mission Impossible? 制作:Eclectic Presse / ARTE France (フランス 2012年)
http://youtu.be/K4XYLyuhTKw 日本語訳・字幕↓: Jo2Rayden☻CCクリックで字幕☺ "Japanese doctors threatened for revealing data on how bad Fukushima related illnesses." Arnie Gundersen「多くの日本人医師は、福島原発関連の病気が、いかに実際に悪いかというデータを公表しないよう脅かされている。」*from USA radio,Nuclear Hotseat, Libbe HaLevy, Nov. 12, 2014: http://www.nuclearhotseat.com/2200/ * 司会者HaLevy: 福島で子どもが直面している問題に目を向けましょう。子どもたちの健康へのすさまじい影響があり、甲状腺結節、癌と診断される人数が増加しています。しかし、同時に、あなたが以前に示唆したように、日本の医者たちに、そこで起きている真実を報告しないよう、すさまじい圧力がある。あなたが日本の多くの医療専門家と連絡を取っていることを存じています。彼らは何と言っていますか?
人間は自然と社会という二足のわらじで生きています。だから最終的に、自然の法則にも逆らうことはできないし、社会の法則にも逆らって生きることはできません。自然・社会は不動のものではなくて絶えず低次のものから高次のものへと発展しています。(正確に言えば事物は生成・発展・消滅のいずれかの過程にある)現在の宇宙論は今ある自然はビックバンから始まり素粒子を作り物質誕生した後に銀河を作り恒星が生まれ惑星が誕生する。 私たちが住む、この地球という稀有な星に生物が誕生した。それは奇跡であると同時に自然の発展法則による必然でもあったのですね。その自然史の中で私たち人間が生まれたことを意識している人は少ないのではないでしょうか? 私たちは宇宙の子です。自然の子です。私たちを構成している物質は先代の太陽が超新星爆発と同時に核融合によって生成された酸素や炭素その他の星間物質です。 自然の物質から構成されている人間が自然の法則に逆らって生きていけましょうか? Image may be NSFW. Clik here to view. さらに、自然史の発展によって自己意識を持つ生物の誕生!それが人間です。 その人間が自然によって生かされ、自然を合理的に改造しながら社会の法則に従いながら人間独自の文化を作り出し様々な生産様式を経て発展してきた人間の歴史。人間によって構成される社会がごく少数者のためのものであっていいのか?金や名誉のために従属させていいのか?
小出さん: はい。核分裂の核というのは、私達が原子核と呼ぶもののことなのですが、ずーっと長い人類の歴史の中で、所謂、元素と言うのでしょうか?水素、酸素、炭素、鉄とかですねアルミとか、そういう元素自身は別の元素には変換できないというのが、これまでの常識だったのですけれども、1938年の末になりまして、ウランという元素を別の元素、あるいは原子核に変えてしまうことができるということが発見されたのです。 Image may be NSFW. Clik here to view. Otto Hahn - 核分裂反応の発見者
その反応を核分裂反応と言うのですが、ウランというのは結構、大きな原子核なのですが、それが2つに、あるいは場合によっては3つに分裂してしまって、全く違う原子核、元素になってしまうということがわかりました。その時に、膨大なエネルギーが出てくるということもわかりまして、ちょうどその頃は第二次世界戦争の前夜だったわけで、それを使って爆弾をつくれないかということをすぐ考える人達が出てきたのです。 Image may be NSFW. Clik here to view. 核分裂連鎖反応の概念図。 1. あるウラン235原子核が1個の中性子を吸収し、2個の新たな原子核(核分裂片)に分裂する。同時に3個の新たな中性子といくらかの結合エネルギーを放出する。2. 放出された中性子のうちの1個がウラン238原子核に吸収される。この場合は反応は続かない。別の1個の中性子は他の原子核と衝突せずに失われる。この場合も反応は続かない。しかし残りの1個の中性子は別のウラン235原子核に衝突する。この原子核は核分裂を起こして2個の中性子と結合エネルギーを放出する。3. ここで放出された中性子は2個とも別のウラン235原子核に衝突し、それぞれ核分裂を起こして1~3個の中性子を放出する。こうして反応が持続する。
結局、何ができたかと言えばいわゆる原爆。日本というこの国は広島と長崎に2発の原爆を落とされて、たくさんの人々が苦難のどん底に落とされるということになりました。 Image may be NSFW. Clik here to view. それを見てですね、原爆というのはものすごいと、普通のこれまで人間が使ってきた爆弾とは全く違う爆弾だということにみんなが気が付いたわけですし、これまで使ってきた薪であるとか、石炭であるとか、石油であるとか、そんな反応とは全く違うエネルギーが出るのであれば、それを人類の平和のために使えるのではないかというような期待までが生まれてしまったのです。
小出さん: たくさんありますけれども、仮に制御でき続けたとしても、核分裂反応というものを使ってしまいますと、核分裂生成物、いわゆる皆さんが「死の灰」と呼ぶものが避けることなくできてしまうのです。 Image may be NSFW. Clik here to view. そのできる量たるや膨大な量ができてしまいまして、例えば今日では100万キロワットという原子力発電所が標準になったのですが、その原子力発電所1基を1年運転させるためには、1トンのウランを核分裂させる。そして、1トンの「死の灰」ができるわけですけれども、広島原爆で核分裂させたウランはわずか800グラム、まき散らした「死の灰」も800グラムだったのです。 Image may be NSFW. Clik here to view. つまり、原子力発電所というものは1基を1年運転させるごとに、広島原爆がまき散らした死の灰のゆうに1000発分を超える死の灰を避けることなく生み出してしまうという、そういう機械なのです。
福島第一原子力発電所はそれを今、環境にまき散らしてるわけですけれども、仮に大きな事故にならなかったとしても、生み出した核分裂生成物は消えないし、それを消す力を人類は持っていない。その毒物は10万年、あるいは100万年どこかに閉じ込めなければいけないという毒物であって、私達の世代がなんか電気が欲しいと言って原子力を使ってしまうと、10万年、100万年後の私達の子々孫々に、その毒物を押し付けるということをやってしまうことになります。そんなことは、到底許されないだろうと私は思います。 Image may be NSFW. Clik here to view.
小出さん: はい。もう気が遠くなるというかですね、その危険をどうやって考えていいかわからない程のものを既につくってしまったのです。私達の世代、何十年かのこの間の「何か電気が欲しい」「豊かに生きたい」とかいう、そういう欲望のもとにですね、 Image may be NSFW. Clik here to view.
オンカロ 「地下深く 永遠に ~10万年後の安全~」 Image may be NSFW. Clik here to view. http://v.youku.com/v_show/id_XNDI4MDg2NDA4.html 各国が頭を痛める原子力発電所の廃棄物問題。北欧のフィンランドが世界に先駆け、核のゴミの最終処分場の建設に乗り出している。「オンカロ」(フィンランド語で「隠し場所」)と呼ばれる処分場は、太古の岩盤層を深さ500mまで掘り下げた先に作られ、施設が国内で排出される核廃棄物で満パンになる約100年後に、入口を完全封鎖されるという。 核廃棄物の最終処分が難しい理由は、実はその先である。廃棄物が出す放射線が、生物にとって安全なレベルに下がるまで、欧州の基準では少なくとも10万年かかるとしている。つまりオンカロは、人類の歴史にも匹敵する膨大な歳月の間、安全性の確保が求められるのだ。革命や戦争が起きたり、気候や地殻の大変動に見舞われたりしたとしても・・・ 最も危惧されているのは、今の人類が姿を消したあとの未来の知的生物が処分場に侵入し、放射線が漏れ出してしまうシナリオだという。そうならないよう、近づくと危険だという警告を伝えた方がいいのか?しかし、どうやって?あるいは何もせず、記憶から消し去ってしまう方がいいのか?原子力というパンドラの箱を開けた人類が直面する難問を描く。 2010年 国際環境映画祭(パリ)グランプリ受賞作品 原題:Into Eternity 制作:Magic Hour Films (デンマーク 2010年)
石丸次郎: 1月の小出裕章ジャーナルは、「特集シリーズ:原発はなぜいけない?」でお送りします。今日はですね、原子力発電所と自然災害について、小出さんにお伺いしたいと思いますが、福島第一原発の事故はこれも言うまでもないことですけれども、自然災害が直接原因となって起こりました。そこで、このまず地震で揺れがありました。「この揺れによって、そもそも原発は壊れたんじゃないか」という説と、それから「いやいやそうではなく、地震の後に来た津波の大津波のために壊れたのだ」という説もあります。今、もう4年近くが経ったわけですけれども、小出さんは今どういう見方をされていらっしゃいますか? Image may be NSFW. Clik here to view. 福島第一原子力発電所4号機2011年3月15日
小出さん: 地震がまず始めに起きたのですね。それから1時間後に津波が襲ってきたわけで、津波というものが決定的なダメージを与えたということは本当だと私は思います。でも地震が起きた時に、津波が来る前にすでに原子力発電所があちこちで壊れていたという証拠はたくさんあります。 Image may be NSFW. Clik here to view.
小出さん: そうではありません。例えば1号機という原子炉では津波が来る前に、原子炉建屋の中の放射線量がもう上昇していましたし、それは、もう津波でなく、地震の時からもう起きていたということの証拠だと思います。それから、ずっと論争になっているのですが、1号機の非常用発電機は津波が来る前にもう止まってしまったという、そういうデータも実はある。きちっとまたこれから検証しなければいけませんけれども、その可能性もあると思っています。 Image may be NSFW. Clik here to view. 当直員引継日誌より
そして何よりも決定的なのは、1号機で水素爆発が起きたのですが、最上階5階と言ってる部分がまず壊されてですね、壁が抜けてしまって天井も抜けてしまってるわけですけれども。4階と5階の間にですね、大型機器を搬入するための穴が空いていて、そこに重たい鉄板が蓋をしていたのですが、その蓋がもう実はないのです。なぜ無いかと言うとですね、4階で巨大な爆発が起きて、その鉄板、鉄の蓋がすぐ吹き飛んでいるのです。 Image may be NSFW. Clik here to view. 福島第一原子力発電所1号機2011年3月13日
では、その4階というのは一体何があったのかと言うと、非常用の復水器という物がそこにありまして、その挙動が大変不思議だったということで、ずっと今日までまだ問題になっているのですが。おそらく、その非常用復水器の所のなにがしかの配管等が壊れて、そこから水素が噴出してきて、そこで大きな爆発が起きた。そして重たい鉄の蓋を吹き飛ばしたという、そういうストーリーを作る以外には説明がつかないのです。 Image may be NSFW. Clik here to view. そうなると4階という所にたくさんのその水素があったということになりますので、非常用復水器の所で何か配管等が破れていたということを想定しなければいけませんし、その原因としては、地震で壊れたと考えるのが一番妥当だと私は思います。 Image may be NSFW. Clik here to view.
石丸: なるほど。もう津波が来る前の揺れで配管に異常が起こっていたんだ、ということですね?
小出さん: そうです。福島第一原子力発電所を破壊した、その地震のマグニチュードは9という数字で表されました。では、その地震が一体どれだけのエネルギーを放出したかと言うと、広島原爆が放出したエネルギーの3万発分に相当する。 Image may be NSFW. Clik here to view.
もともと日本という国は、江戸時代ずっと長い間鎖国ということをやっていまして、西洋型の科学技術に触れたというのは、ほんと近い過去になってからであって、それ以降、なんとかヨーロッパ、米国に追いつけ、追い越せとやってきたわけですけれども、それでも時間が流れるとともに、向こうも先に進んでしまうわけですから、日本が科学技術で先進国であるとか、特に原子力なんていうので先進国であるなんていうことは全くないのです。 Image may be NSFW. Clik here to view. それなのに、あたかも自分達は安全な知識を持っているというように、原子力を進めてきた人達が言ってきたわけで、ほんとに罪深いことだと思いますし、挙句の果てに福島第一原子力発電所の事故を引き起こしてしまったわけですから、せめて責任を取るべきだと思うのですが、誰一人として責任を取らないという状態になってしまっています。
石丸: 誰一人として責任取ってませんよね?
小出さん: そうです。
石丸: これはもちろん行政もそうですし、科学者にも責任あるわけですよね? もちろん。
小出さん: 少なくとも、福島第一原子力発電所に対して安全審査をして、「安全性を確認した」と言ってお墨付きを与えた学者がいるわけですから、そういう人達は決定的な責任があるし、きちっと責任を取らせなければいけないと思います。 Image may be NSFW. Clik here to view.
今西: 昔、日本でも鳥取県と岡山県の県境ですね、人形峠でウランを一生懸命掘って、たくさんの放射性物質の残土なんかが出まして、とんでもないことになりました。小出先生もいろいろその時の住民の反対活動なんかにもご協力をされておられたわけなんですけれども、やっぱりウランを掘るということは、被ばくというリスクが、やはりどうしても付きまとうということなんでしょうか? Image may be NSFW. Clik here to view. 人形峠付近に設置されている『ウラン鉱床露頭発見の地』碑
小出さん: 日本というこの国はですね、私は米国の属国だとずっと発言をしていますけれども、政治的にも経済的にも、完全に米国の子分のような位置にあるわけで、特に原子力なんていうものは、巨大な米国が世界を支配するために動かしてきたわけですし、原子力全体が米国の政治的あるいは経済的な思惑の下で動いてきたと思います。 Image may be NSFW. Clik here to view.
今西: 小出さん、そんななかでですね、原発再稼働という点におきましてですね、やはり、日本はそうすると、アメリカの意向を無視することはできない。仮に、日本の総理大臣なり、しかるべき方が原発再稼働をさせないという発言等をするとやはり、かなりアメリカからプレッシャーがかかってくるというようなことになるんでしょうかね? Image may be NSFW. Clik here to view.
小出さん: そうです。もともと米国は核兵器を作るために技術を開発したわけで、それが膨大にとにかく持ちすぎてしまって重荷になってきたので、商業的あるいは平和利用ということを標ぼうして世界に売りつけて、それで金儲けをしようということにしたのです。日本は第一の標的にされて、米国からどんどんどんどん原子力を買わされてきたということですし、簡単には抜けさせてもらえないです。 Image may be NSFW. Clik here to view.
小出さん: もちろんです。米国の中では、もう経済性全くありませんので、原子力どんどん止めていくことになります。ただし原子力を簡単に止めてしまうと、米国の原子力産業ももちろん困るわけですから、海外に売りつけて生き延びを図るということになっているのです。 Image may be NSFW. Clik here to view. 世界の原発メーカー
福島原発告訴団団長の武藤類子さん Image may be NSFW. Clik here to view. 「赤の色が持つ強烈なアピール力、とても力強い感じがしています。まるで女たちの怒りの炎が、国会を取り囲んでいるようです。福島原発事故の被災地と戦場は同じです。ミサイルや機関銃はありませんが、ばらまかれた放射能によって、じわじわと命と健康が脅かされます。原発事故前はなかった放射能のある所へ、大丈夫だから帰って来てと言われます。動物たちや山の木々も犠牲になります。心や暮らしや環境や人生が壊されていきます。国を挙げての安全プロパガンダが真実を見えなくさせます。怖いという、本当のことを言う口が封じられます。逃げる者は裏切り者と言われ、残って抗う者は叩かれます。事故で職を失った被害者やホームレスの人々、自分が何とかしなければならないという使命感を利用された若者たちが、被曝労働にかり出されていきます。原発や兵器を売る企業は、放射能の除染やゴミの焼却場で再び利権を得、被害者はその餌食となります。事故を起こした者たちの責任は問われません。原発事故の被災地は戦場と同じです。私たち市民は国家の駒ではありません。私の命は私のものです。殺すのはイヤだ、殺ろされるのはこわいよと、泣きながら叫びましょう。私たち女性は基地も原発もいりません。飢えも暴力もレイプもいりません。欲しいのは一人ひとりが大切にされる、あらゆる命が尊ばれる世界です。赤く燃える炎となって国会を取り囲みましょう。日本中にこの炎を広めていきましょう」