特定秘密保護法ってどんな法律?(ラジオフォーラム#44)
http://youtu.be/Ukv11QvYLMg
安倍政権が成立を目指す特定秘密保護法案。知る権利や報道の自由に極めて重大な影響を及ぼす同胞の問題点について、日弁連秘密保全法対策本部事務局次長の太田健義弁護士に伺います。http://www.rafjp.org 小出裕章ジャーナルは4号機の燃料取り出しについて http://goo.gl/XwHIWJ
00:31 オープニング
03:03 特定秘密保護法の危険性
15:03 小出裕章ジャーナル/4号機燃料棒の取り出しについて
4号機の燃料棒取出し「広島原爆が撒き散らしたセシウム137の14000発分がまだプールの底に眠った状態のままになっています」~第44回小出裕章ジャーナル
http://www.rafjp.org/koidejournal/no44/
※この記事は時間の関係で放送できなかった部分も含めてお読みいただけます。
聞き手:
今日のテーマは福島第一原発の燃料棒取り出しについてです。11月に入ってこの燃料棒を取り出す予定が組まれていますけれども、これは廃炉作業の一環と聞いております。まず、2011年3月11日の事故後、4号機はどういう状態にあるのでしょうか?
小出さん:
2011年3月11日に4号機は定期検査の最中でした。そのため原子炉の炉心の中には燃料は一切ありませんで、全ての燃料が使用済み燃料プールというところに移されていた状態で事故に突入しました。その使用済み燃料プールの中には、もともとの使用済み燃料もありましたし、定期検査のために原子炉の中にあった燃料棒も全て取り出して使用済み燃料プールにあったのです。
大量の使用済みになった燃料棒がプールの中にあるという状態で事故になりまして、運転中でなかったにも関わらず、4号機の原子炉建屋でも爆発が起こりまして、建屋が大規模に破壊されてしまいました。
※2011年 福島第一原子力発電所プラント状況等のお知らせ(3月11日 午後3時00分現在)
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/press_f1/2011/htmldata/bi2112-j.pdf
そして4号機の場合には、かなり特殊な爆発が起こりまして、原子炉建屋の最上階、オペレーションフロアというところがあって、1号機の爆発も3号機の爆発もそこだけが吹き飛んでいるのですが、4号機の場合にはオペレーションフロアと呼んでいるフロアの更にその下の階までもが、爆発で壁が吹き飛んでしまっているのです。実はそこの階に使用済み燃料プールが埋め込まれているわけで、使用済み燃料棒プールは宙吊りのような形になってしまったのですね。
撮影日:2011年3月22日
※福島第一原子力発電所 4号機の現状(東京電力)
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/genkyo/fp_reactor/fp_no04/index.html
聞き手:
建物の中に、宙吊り状態になったのですか?
小出さん:
そのことの危険性は東京電力もすぐに気がつきまして、使用済み燃料棒プールが崩れ落ちないようにということで、下の階から鋼鉄製の支えを入れて、そしてコンクリートで固めるという工事をやったのですが、その工事自身が猛烈な汚染環境の中でやったわけで、しっかりとした工事が行われたのかどうか私は大変不安に思っていますし、実際上、爆発が起きてしまって、その支えを建てようと思った階の床の部分すら損傷しているわけですから、支えを入れられたところは使用済み燃料プールの約半分だけなのです。残りの半分は何の支えも入れられないまま、結局、宙吊り状態のまま今日まで来てしまっています。
その使用済み燃料プールの中には、先ほども聞いていただいたように大量の使用済み燃料棒が眠っていて、私の計算によると、広島原爆が撒き散らしたセシウム137の1万4000発分がまだ、プールの底に眠った状態のままになっています。
聞き手:
燃料棒が、広島原爆の1万4000発分あるということですか?
小出さん:
そうです。使用済み燃料がプールの底に入れてあるわけですが、その燃料の中に広島原爆の1万4000発分のセシウムが含まれているということです。
聞き手:
燃料棒取り出しは1533本ですが、燃料棒1本はどれぐらいの大きさのものなのですか?
小出さん:
今、おっしゃったのは燃料棒ではなくて、燃料集合体と呼んでいるものです。燃料集合体というものは、燃料棒が8行8列に組み合わされたものです。1本1本の燃料棒は直径が1センチ、長さが4メートルという、細長い物干し竿のようなものです。
聞き手:
これをプールから取り出して50メートル離れた共用プールに移すという作業ですが、こういう作業が必要という理由は何でしょうか?
小出さん:
先ほどから聞いていただいているように、4号機の使用済み燃料プールは、爆発によって建屋が壊されて宙吊りのような状態になっています。今現在も福島第一原発周辺では毎日のように余震が起きているわけですけれども、もし大きな余震が起きて使用済み燃料プールが崩れ落ちてしまって、中に水を蓄えることができないような状態になってしまいますとまた燃料が溶けてしまうわけですし、大量の放射性物質がまた吹き出してきてしまうということになるわけです。ですから少しでも危険の少ないところに一刻も早く移さなければいけないという仕事があったのです。
聞き手:
これは緊急を要する作業ではあるということですね?
小出さん:
本当はすぐにでもやって欲しかったのですけれども、ただし使用済みの燃料というのはプールの底から空気中に吊り上げてしまいますと、周辺の人がバタバタと死んでしまうというほどの放射能性物質の塊なのです。
ですから簡単にはプールからまず出せないのです。出すためには私たちがキャスクと呼ぶ巨大な鋼鉄と鉛の容器をプールの底に沈めまして、そのキャスクの中に使用済み燃料集合体を1体、2体、3体と入れていきまして、約20体ぐらい入るのですが、その段階でキャスクの蓋をしてキャスクごとプールの水面から引き上げるということをしなくてはいけないのです。
※発電所での管理 - 乾式キャスク貯蔵施設の概要
(日本原子力発電株式会社)
http://www.japc.co.jp/project/cycle/drycask01.html
聞き手:
これはクレーンで引き上げるのですか?
小出さん:
そうです。キャスク自身が100トンもある重さのものですので、巨大なクレーンがないと吊り上げることができないのですが、すでに4号機の建屋は爆発で吹き飛んでしまいまして、クレーンも何もみんな壊れてしまって使えなかったのです。
ですから東京電力は今日までかけて4号機の壊れてしまった建屋を撤去しまして、その部分に新しい巨大な建屋を立てまして、そこに巨大なクレーンを設置してようやく、11月、まあ、今月から取り掛かれるところまでやっとたどり着いたのです。
聞き手:
キャスクという大きな容器をプールの中に沈めて、燃料棒を入れていくということですが、どうやってやるのですか?人手でやるのですか?機械でやるのですか?
小出さん:
元々、機械です。燃料交換器という機械がありまして、それで実行するのですが、元々あった燃料交換器自身はすでに爆発で壊れてしまいましたので、新しい燃料交換器をまた新たにそこに設置したのです。それを使ってやることになります。
聞き手:
この作業、順調に行くのでしょうか?心配になるのですが・・・。
小出さん:
私自身も大変心配で、4号機は1号機、2号機、3号機に比べると、放射能の汚染ということでは比較的少なかったのですが、それでも使用済み燃料プールの周辺は放射能で汚れているわけですし、そこで作業をしようとすれば、作業員が次々と被曝をしてしまうというそういう中で作業をしなければいけないわけです。熟練した作業員がきちんと集められるかどうかということが心配です。
聞き手:
作業員が集められるかどうかというのは基本的な問題ですね?
小出さん:
そうです。その上で、爆発によって使用済み燃料プールの中には大量の瓦礫がすでに落っこちてしまっていて、その瓦礫をこれまで取り除いてきたのではあるのですけれども、それでも大小様々な瓦礫がプールの中に残っているわけですし、瓦礫が崩れ落ちた時に使用済み燃料そのものが変形してしまっていたりすると思った通りには抜けない、ラックの中に入っているのですが抜けないし、キャスクの中にうまく入れることもできないかもしれないのです。これはやってみるしかないのですけれども、被曝環境の中でやらなければいけないし、なかなか困難な作業になるだろうと思います。
http://youtu.be/kHQtTdzBylA
聞き手:
やってみなければ分からない。それでもやらなければいけないのですね。
小出さん:
そうです。必ずやらなければいけません。
聞き手:
これだけでもいろいろ問題がありますが、さらに地震が起きて崩れ落ちると大変なことになりますよね?
小出さん:
崩れ落ちてしまうことを私自身、一番恐れているですが、これまで福島第一原発事故で大量に吹き出してしまったセシウム137の量というのは日本国政府によれば、広島原爆の168発分だと言っているのですが、先ほど聞いて頂いたように、使用済み核燃料プールの底には14000発分もあるわけですから、これまで、最悪の場合にはこれまでの数10倍、あるいは100倍と言った放射性物質が吹き出してくる可能性があるということなのです。
聞き手:
使用済み核燃料を移すということは、4号機だけでなく、1・2・3号機でもやらなければいけないということですね?
小出さん:
そうなのです。先ほど、聞いていただいたように、4号機は放射能の汚染という意味では比較的汚染が少なかったので、まだ使用済み燃料プールの近くまで作業員が行くことができるのですけれども、1・2・3号機の中には、そこに行くまで作業員がまず行かれませんので、これから一体どうやって作業をできるか、大変不安に思っています。
聞き手:
この燃料棒取り出しは大事な作業ですので、注目していきたいと思います。
24:57 知る権利への影響
36:47 『笹の墓標』影山監督に聞く
47:00 エンディング
■ラジオフォーラム #44
ゲスト:太田健義さん(弁護士・日弁連秘密保全法対策本部事務局次長)
パーソナリティ:石丸次郎(ジャーナリスト)
ラジオ放送:2013年11月8~15日
■番組へのメッセージはこちら
http://www.rafjp.org/faq/
専門家が本気で心配する福島第一原発4号機の燃料棒溶融(週刊朝日)
http://dot.asahi.com/news/domestic/2013103000005.html
福島第一原発の汚染水漏れがいまだに止まらず、「完全にブロック」発言の修正に追われる安倍晋三首相。ほとんど報じられていないが、新たな危機に今、直面している。11月から始まる4号機からの燃料棒の取り出しだ。燃料プールに残された1533本もの燃料棒を、4号機から約50メートルの距離にある共用プールに移す。
プールからの移動は原発事故前にも行われていたが、事故で破損した不安定な原発での作業は世界初で、“未知の世界”だ。事故前に燃料棒の移動に携わっていた元大手原発メーカー社員が語る。
「作業には熟練の技術が必要。まず水中で機器を操作し燃料棒を数十体ずつキャスクという金属容器に詰める。燃料棒をちょっとでも水から露出させたら、作業員は深刻な被曝を強いられる。水中で落下させて燃料を覆う金属の管が破れても汚染は深刻。フロアの全員退避は避けられない」
無事にキャスクに詰めたら、今度は大型クレーンで空中に吊り上げ、専用トレーラーに載せて共用プールまで移動。そこで取り出しとは逆の工程を行い、燃料棒をプールに収める。
ここが、最大の難関だという。クレーンで吊っている最中に大地震など不測の事態が起きた場合、約100トンもあるキャスクが地上に落下する恐れがあるのだ。廃炉工程を検証している「プラント技術者の会」の川井康郎氏が指摘する。
「キャスクが落下して破損し、中の燃料が露出したら、大量の放射性物質が放出される。作業員はもう近づけません。燃料棒はまだ崩壊熟を帯びており、本来は常に冷やし続けなければならない。長時間放置すると燃料が溶融する可能性があります。こうなると燃料の回収は困難になり、作業全体が頓挫してしまう」
むき出しになった燃料は、「人間が近づけば即死」(原子力工学の専門家)というすさまじい放射線量だ。こうなると、1~3号機のメルトダウンに匹敵する深刻な危機に直面する。東電の今泉本部長代理によれば、キャスクは事前に落下試験を行って頑丈さを確認しているが、実際の作業では試験以上の高さまで吊り上げるという。
「落ちれば当然、何らかの破損があることは想定される。ワイヤを二重にするなど、落下させない対策をしっかりやる」(今泉氏)
だが、東電はこんな危険な作業を、4号機だけでも2014年末まで、約1年間も延々と続けなければならないのだ。
それならやめればいいかというと、そうはいかない。4号機の建屋は、今も地震や地盤沈下による倒壊の危険があるからだ。プールが壊れて1533体もの燃料がむき出しになった場合、放出される放射性物質はチェルノブイリ事故の約10倍ともいわれる。「東日本に人が住めなくなる」と言われる最悪の事態だ。作業が頓挫して現場に近づけなくなれば、危機を解決する手段が失われてしまうのだ。
「危険な作業でも、やらねばならないのは確か。われわれの命にかかわるので、作業の映像を全公開してほしい」(前出の川井氏)
先の原発メーカー元社員は、記者の前で手を合わせて拝むしぐさをしながら、こう語った。
「まさに“神頼み”。私が携わった通常の取り出し作業は年に数回なので、地震の確率は『ないもの』として無視していた。1年もの長丁場で、大地震が起きない保証はない。原発の最大の恐怖は原子炉ではなく、大量の放射性物質が格納容器にも守られずに1カ所に集まった燃料プールなんです」
そして無事に1533体を運び終えても、問題が解決したわけではない。1~3号機のプールにはさらに計約1500体の燃料がある。燃料を運び出した先の「共用プール」は、6千体以上の燃料棒で満たされたままだ。作家の広瀬隆氏がこう語る。
「共用プールも、いつ余震でヒビが入り水が漏れだすかわからない。プールに移すのではなく、水を使わない『乾式キャスク』に入れて地上で保管するように東電に求めているのですが、聞く耳を持ちません」
※週刊朝日 2013年11月8日号
やっぱり東電に任せている場合ではない4号機問題
http://youtu.be/i9n8ZlXuYEE
ニュース・コメンタリー (2013年11月09日)
やっぱり東電に任せている場合ではない4号機問題
福島第一原発の4号機4階部分にある使用済み燃料プールに残っている1533本の燃料棒。万が一これがすべて溶融するような事態に陥れば、福島県はおろか東日本全体、人間が住めなくなる可能性すらある。それほど重大な影響のある燃料棒が、補強されたとは言え、地震と津波、そしてその後の3号機の水素爆発によって激しく損傷を受けた建屋の4階に、事故後2年半が経った今も置かれたままになっている。もし、今大きな地震に見舞われ、燃料プールが損傷を受けて水が流出するようなことがあれば、あるいは建屋が倒壊し、プールがひっくり返るような状態になって燃料棒が大気中に露出されれば、福島第一原発は全く手が付けられない状態に陥ることは必至なのだ。
そこで、その燃料棒を何とか4号機建屋4階のプールから取り出し、より安全な保管場所に移す作業が、どうしても必要となる。これは損傷を受けた建屋の中に多くのガレキとともに沈んでいる1533本の使用済み燃料棒を一本一本臨時に設置されたクレーンで取り出した上で、キャスクと呼ばれる別の容器に収め、そのままそれを地上レベルに新たに建設されたプールに移動する作業だ。万が一、作業の途中で燃料棒の入ったキャスクを落下させるようなことがあれば、キャスクが壊れて、核燃料棒が大気に露出する危険性もある。
民主党辻元清美氏は11月6日の衆議院経済産業委員会で、東京電力の広瀬直己社長や原子力規制委員会の田中俊一委員長に対し、キャスクを建屋の4階がある32メートルの高さから落下させる実証実験の実施を求めたが、両氏ともに落下実験の必要性は認めなかった。キャスクが32メートルの高さから落下した場合、本当に核燃料は露出しないのだろうか。
ビデオニュース・ドットコムではとりわけ海外のメディアが重大な関心を寄せている「4号機問題」を以前から繰り返し取り上げてきた。9月には元国会事故調の委員を務めた田中三彦氏をゲストに<マル激トーク・オン・ディマンド 第647回(2013年09月07日)「東電に任せてる場合ですか」ゲスト:田中三彦氏 (元国会事故調委員・科学ジャーナリスト)>を放送した。
しかし、今あらためて問いたい。本当に東電に任せている場合ですか、と。
この作業はいずれにしても誰かがやらなければならない。しかも、できるだけ早くやる必要がある。今のままの状態で大きな地震に見舞われ4号機プールが壊れた時には、もはや取り返しがつかないことになることがわかっているからだ。
それにしても、場合によっては日本の命運を握るといっても過言ではないこの作業を、東電という一企業に任せるのは、あまりにも無謀ではないか。東電は事実上破綻状態にあり、社員のモラールも決して高いとは言えない。汚染水問題でも失態を続けているし、情報公開も常に不十分だ。そのような企業に、これだけ重大な作業を任せて、本当にそれをやりきるだけの能力があるのか。何か問題があった時に情報公開も含めて適切な対応が期待できるのか。
実際に作業に当たるのが東電か、あるいはその関連企業になるにしても、4号機の燃料棒の取り出しは、その責任の重大さと失敗した場合の影響の大きさを考えると、どう見ても国が責任を持ってその任にあたるべき作業ではないのか。
一番肝心な時に誰も責任を取ろうとしない日本の伝統的な体質が、まさにこの4号機問題で露呈しているのではないか。ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
○●○●○●○●○●
原発事故と原発再稼動~鳥越俊太郎【ニュースの職人】71
http://youtu.be/Jb0pnEZ6-pk
福島原発事故から現在の原発の状況や放射能問題。
原発再稼動、原発の輸出や現在の政治状況、
安倍内閣の動きについて鳥越さんが語る。
「ニュースの職人」鳥越氏がお届けする。
新聞記者、週刊誌編集長、キャスター...
ニュースの一線を45年以上走り続けてきた男が、
さまざまなレポートを自らの肉声で届け。
鳥越俊太郎「ニュースの職人」チャンネル。より
鳥越俊太郎オフィシャルサイト
http://www.shuntorigoe.com/index.html
小学生に配られた「がんのおはなし」について郡山市保健所に問い合わせてみた(うさうさメモ)
http://d.hatena.ne.jp/usausa1975/20131112/
福島県郡山市が配布している「最大の国民病がんのおはなし」というチラシに批判が集まっている。このチラシは小学生に配られたものだが、クラスの2人に1人はガンになるという警鐘を鳴らしたチラシである。いったいどのような意図でくばられたものかは定かではないが、案の定「原発事故」の影響ではなく「国民病」のためにガンになるという事を植え付けさせようとしていると批判されている。
(略)
投稿者はこのチラシに関して「狂っている」「小学生に渡すのはおかしい」と批判している。確かにこのチラシを渡された小学生は「だからどうしろというのか」と迷ってしまいそうだ。ガンになる可能性があるから防ぐ手立てをとるのか、それとも「ガンになる」という知識だけをすりこませればよいのか。
郡山市の根本的な意図が全く持って不明なチラシである。
―目的は何であるのか。
さてこのチラシの最大の目的は何か。チラシによると「死亡数は約126万人。このうちガンによる死亡者数は約36万人、日本人の3人に一人はガンで亡くなっている」と警鐘を鳴らす。また将来2人に1人はガンになるということだ。統計的にそのような物になりますという事だけであれば、別にこのようなチラシを作る必要はない。だが、チラシを作る以上、なにか目的を持って配布しているはずだ。
一つ考えられることは「ガン」は国民病であり、原発事故が原因ではないという事を植え付けさせようとしていることではないかということだ。つまり将来ガンになるのは「原発事故」という意識を子供たちから遠ざけようとしているのではないかという事だ。
元記事には、写真が掲載されています。たしかにこれだけだとよく意図がわかりませんが、これ、なんとなくよくある啓発冊子の表紙のような雰囲気では、と思い、郡山市役所のHPを調べてみると、こんなページが。
がん撲滅都市宣言
がん撲滅都市宣言(昭和60年9月13日議決)
わが国の平均寿命は、急速な伸びを示し、世界一の長寿国となった。
このような中で、医学の飛躍的な進歩にもかかわらず、がんによる死亡率は、急激に上昇している現状にあり、郡山市もその例外ではない。
このがん撲滅には、日常の健康管理と早期発見、早期治療が第一であると言われている。
このようなことから郡山市は、がんによる死亡者を絶滅するため検診体制の充実を図り、これを強力に推進するがん撲滅都市であることを宣言する。
おお、これはなんとなく関係ありそうだ、と、郡山市保健所地域保健課の連絡先にメールで質問してみましたところ、すぐに丁寧なご回答を頂きました。郡山市民でもないのに、ありがとうございます。
1 ネット上にあるものはチラシか冊子の表紙か
冊子の表紙です。
2 冊子の内容と目的
<内容>
・がん細胞のできかた
・がんのできる部位
・がんの治療
・命の大切さと検診の大切さ
・がんの予防
<目的>
がんについての知識の理解
子どものころからがんを予防する生活習慣を身につけること。
がん検診の大切さを考える機会の提供
3 冊子の配布開始
平成22年11月
4 がん撲滅都市宣言との関連
がんが、昭和56年から死亡原因の第1位になったことを受け、本市においては、がんによる死亡率を下げることは重要と考え、昭和60年9月に「がん撲滅都市宣言」を行い、がん検診の受診率向上など、がんの予防・早期発見の取り組みを推進して参りました。
国においても従来から様々な取り組みを行って参りましたが、平成19年6月に策定した「がん対策推進基本計画」に基づき、がん対策を推進しているところであり、さらに平成24年度には計画の一部見直しがされ、「がん患者を含む国民が、がんを知り、がんと向き合い、がんに負けることがない社会」を目指すこととなっております。
今回の冊子配布も、これらの取り組みの一つとして実施をしたものであります。
(回答メールの添付書類より転載)
ご担当の方も、平成22年より配布していたものだったので、正直戸惑っています とのことでした。
質問したらすぐに教えてもらえることを「意図が全く持って不明」という意味が不明です。チラシではなく冊子ですから続きもありますし、「どうしろというのか」の部分は中に書いてあるわけで、興味を引くためにこのような表紙になっているのでしょう。原発事故前から配っていたのに、原発事故の影響をごまかすためにこういう風に書いてるんだろ!というのはあまりにも無理があります*1
「がん」に対して過敏になっている人がいるのもわかりますが、二人に一人ががんになるとか三人に一人ががんで死ぬとかいうのは、昔からよく言われていることです(厚生労働省政策レポート)*2。これを小学生に教えるのがおかしい、とは思いません(とは言え、がんやがん検診に対してまだ実感がわかないであろう年齢の子どもに啓発して、効果があるのかどうか疑問、という気もしますが、そこで実感を持たせるためにあのような表紙にし、子どものころからがんを予防する生活習慣を身につけさせようというのでしょう)。
2013.11.12追記
冊子の配布が平成22(2010)年に開始された、ということであり、元記事の写真自体が古い冊子だという指摘ではありません(最近配られたものかもしれません)。
超重要
【1076】 緊急掲載 : 規制は被曝の限度は民主主義で ... 1ミリと20ミリの違い / 武田 邦彦
http://youtu.be/CVgvgilXm8Q
緊急掲載 被曝の限度は民主主義で・・・1ミリと20ミリの違い
http://takedanet.com/2013/11/120_e78e.html
原子力規制委員会が一般人に対する1年1ミリの規制を、1年20ミリまで「容認する」というような記事があちこちにみられます。でも、これには1つの大きな間違いと、1つの疑問があります。
【大きな間違い】
1年1ミリというのは「安全の議論をした後の結論」であって、規制のための単なる数値である。実質的には次のようにして決めなければならなりません。
被曝の規制値に二つあって、一つは「免除レベル」と言われるもので、これは「免除レベル以下なら健康に影響がない」というレベルで、日本では1年0.01ミリです。
福島民報の記者の方、悪意で新聞の見出しを作ったのではないと思いますが、正しく書いてください。この新聞に「健康に影響なし」とありましたが、これは被ばく限度(線量限度)ではありません。新聞は社会的公器ですから、主義主張はかまいませんが、事実は新聞記者として正しく見出し(整理部でも同じ)を出してください。
つまり、上の図はなんどもこのブログに出していますが、被曝の規制は二つに分かれていて、低いほうが「免除レベル」で、高いほうが「線量限度」です。その下に説明がありますが、免除レベルというのが「受け入れできる線量」、つまり実質的に健康影響がないことを決めるレベルです。
これは日本では1年0.01ミリになっていて、それを超えることをした人は、実に「懲役1年以下」の罰則になります。当然ですが、人の健康に影響を与えるのですから、いわば傷害罪です。
次に「線量限度」があり、それが1年1ミリです。これは「望ましくないが社会的に耐えられる線量」ですから、健康影響はあるのですが、耐えられる限界というものです。これについて、がんセンターで明確に示しています。
この表はがんセンターから出ているもので、専門的な表ですから「10万人あたり」になっていますが、「社会的に耐えられる」というのですから、国民が一般に理解しなければなりません。国民は普通は「火災や交通事故に比べて犠牲者が多いか、少ないか」で耐えられるかどうかを決めます。これはこれまでの毒物などもそのように議論されました。
それを次の表に示します。この数値は1億2700万人で、どのぐらいの犠牲者(火災の場合は焼死者、交通事故は交通事故死亡者、被曝の場合は(致命的発がんと重篤な遺伝性疾患)の合計です。致命的発がんというのは読んで字のごとく「死に至るがん」を意味し、「重篤な遺伝性疾患」は言葉に出すのもかわいそうな子供が生まれるということです。
この表は、他の災害と比較するために10万人あたりを12700万人に計算したもので、社会が耐えられるかどうかは、この表で決まります。火災で2000人、交通事故で5000人で、これに対して1年1ミリなら8001人、1年20ミリなら16万人です。
交通事故死が1万人になった時、「交通戦争」と呼び、日本国民は耐えられないと感じ、現在は5000人で国民が耐えられると思っています。だから、「自動車ぐらい価値があれば、5000人は仕方がない」という感じです。
現在の1年1ミリは8000人ですから、「どうしても原発は必要」と考えている人は「しかたがない」と思うでしょうし、「火力発電で良いじゃないか」と思っている人は少し多めと感じるでしょう。
しかし、原子力規制委員会や福島民報のように、「16万人」はどうでしょうか?まず、福島民報が報道したような「健康影響なし」というのははっきりとした「ウソ」ですから、福島民報は訂正が必要でしょう。
【疑問】
それでは、原子力規制委員会はなぜ「16万人の死亡」を「我慢できる」と判断しているのでしょうか? 日本国内の自然死は約120万人で、平均して83歳です。火災、交通事故、原発事故の犠牲者は83歳ではなく、平均してもっと若く、小児も犠牲になります。その点で16万人というのは異常な数値であることははっきりしていると私は思います。
次に、もともと原子力規制委員会というのは、「国会などで決まった安全規則を守らせる委員会」であり、「国民がどのぐらいの犠牲なら耐えられるか」を決めることはできないと思います。
原発や被曝は多くの人が影響を受けますから、次の質問をしたら1年1ミリか20ミリかが決まると思います。
【国民への質問】・・・誠実な政治家ならこれを聞くでしょう
あなたは原発事故の際の被ばく限度として、どの程度までなら耐えられますか? 火事の犠牲者が2000人、交通事故の犠牲者が5000人、自然死が120万人程度(死亡者数の3分の2が75歳以上)であることを念頭にして決めてください。
1)800人程度
2)8000人程度
3)8万人程度
4)16万人程度
5)80万人程度
まず、これを決めたら、1)なら0.1ミリ、2)なら1ミリ、3)なら10ミリ、4)なら20ミリ、5)なら100ミリ、と決まるのであり、最初に「何ミリシーベルト」などと決まるものではありません。
まして「1年20ミリで健康影響なし」というのはまったくのウソですから、犯罪の予備行為として処罰対象にしなければならないでしょう。
(平成25年11月11日)
重要
【1077】 誰が「放射線は怖い」と言ったのか ? ... 誠実な日本に帰ろう ! / 武田 邦彦
http://youtu.be/k2BAj-R3nd0
誰が「放射線は怖い」と言ったのか?・・・誠実な日本に帰ろう!
http://takedanet.com/2013/11/post_f2f3.html
最近、「1年1ミリが被ばく限度というからみんなが怖がるのだ」とか、「福島の農作物を怖がるのは風評だ」という人がいます。ほとんどが学歴が高く、常識もある人で、「被曝を怖がるほうが、ストレスで病気になる」と言います。
では、いったい、だれが国民を「怖がらせた」のしょうか??
一般人の被ばく限度を1年1ミリを決めたのは放射線関係の審議会などで、今、「1年1ミリなどという規則はない」と言っている人たちです。
病院のレントゲン室を鉛で囲い、患者がレントゲンを受けるときには医師が別室にいってスイッチを入れるのも医師自身でした。私のように原子力に関係していた人は「放射線は危険だ」と国民に言い、注意してくれるように一般の人に促しました。
文科省や内閣府は、汚染が広がるといけないということで事故の前の2010年に「規制を強化しなければならない」として、1年0.01ミリの免除レベルを決め、それを違反すると「厳罰主義」で1年以下の懲役としました。
今では信じられませんが、これが文科省が出した「厳罰」を示す説明書の一部です。今ではこの目安となる1キロ100ベクレルを、自ら80倍の8000ベクレルに変えています。
1年5ミリ以上の被曝になる可能性のある地域を「管理区域」として、そこから物品や人間が出るときには必ず測定をすることになっていました。それを知っている名古屋大学の原子力の教授は愛知県日進市が管理区域に相当する場所から花火を持ち出して夏祭りをするのに、とめるどころか「大丈夫」と言いました。
つまり、「被曝は怖い。レントゲンはできるだけ受けないように。管理区域を守れ。廃棄物は0.01ミリ以下でなければ懲役だ」と言った人たちによって、国民は「被曝は怖い」と知ったのです。
「被曝は怖い」と言った人が、事故が起こったら「被曝が怖いなどというからストレスで病気になる」と言い、「汚染されている食品を食べないというのは風評だ」という。これが誠実な日本人でしょうか?? 自分が勧めてきたことを忠実に守ろうとする人をバッシングする、それが誠実な態度でしょうか?
人間が教育を受けるのは、野蛮から文化をしることです。そして文化を知るということの最も大切なことは、自分の言動に一貫性があることでもあります。日本人は世界でも誠実で、言動に一貫性がありました。お金のために節を曲げる人は軽蔑され、社会から追放されました。
日本では昔からお金を借りて返さないと社会から葬られました。借用証は不要で、返さなければ「お笑いになって結構です」といって、恥をもっとも恐れたのです。
今こそ、私たちは日本人の原点に帰るべきと思います。一人一人の心の中、魂の中から日本人を思い出してください。日本がどんなになってしまったのか、おひとりの女性のお話も参考になるでしょう。
http://youtu.be/TlWslcjHlPo
(平成25年11月11日)
放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/06030110/1291489.htm
2013年10月20日広瀬隆講演会@東海村
http://youtu.be/Ix5CZKTEYeQ
2013年10月20日広瀬隆講演会@東海村 質問コーナー
http://youtu.be/2Fsyo3aT2ns
福島原発事故被災地と廃炉先進国ドイツの取材報告 広瀬 隆さん講演会
http://blogs.yahoo.co.jp/liliumnokai/10345719.html
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予防線・・郡山市が小学生に配布している「最大の国民病がんのおはなし」
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