原子炉冷却 12日間の深層~見過ごされた“危機”
http://dai.ly/x5emdlm
自由なラジオ Light UP!第48回
国家権力が市民運動をも迎え撃つ?
危険極まりない共謀罪を弁護士と元警察官が警告する!
https://youtu.be/Squofwy2Q58?t=16m45s
16分45秒~第048回ライトアップジャーナル
「放射線審議会、危ない機能強化」について
http://jiyunaradio.jp/personality/journal/journal-048/
いまにしのりゆき:
今日のテーマは「放射線審議会、危ない機能強化」についてお伺いしたいと思います。
小出裕章さん:
はい。
いまにし:
原子力規制委員会は、放射線の防護の基準等を検討する放射線審議会の機能強化を柱とする関連法案の改正案、国会に今、出されました。従来、審議会は関係省庁から諮問を受けて、答申する受け身のような立場なんですけども、これを要するに、自分ところから積極的に発言していくという提言をしていく機関にしようじゃないかというような転換のように思えるのですけれども。
その辺ですね、機能強化した場合ですね、ちょっと危ないんちゃいますかというのを小出さんに伺いたいと思います。
小出さん:
もともと放射線審議会というのは、古い歴史のある審議会なのです。
それで、文部科学省に所属していて、今、いまにしさんが説明して下さったように、いろいろな省庁から質問を受けた時に、それに対して答えるというそんな役割だったのですけれども、福島第一原子力発電所の事故が起きてしまって、2012年9月19日に原子力規制委員会という新しい委員会が立ち上がった時に文部科学省傘下ではなくて、むしろ原子力規制委員会の傘下になれということで組織替えが行われたのです。そして、原子力規制委員会を今はトップとして原発の再稼働に動いているわけですけれども、その一応こうに流されるのだと私は思います。
いまにし:
なるほど。それでですね、放射線審議会というのも、当然、原発事故があった当時から、もともと古い歴史の中で原発事故がありまして、イマイチどころか、あんまり頼りにならないなあと思ってた審議会なんですけれどもですね。それが、こういう形で積極的に発言をしようというようなことをした場合、ますます国民が混乱に陥ったりしないのかなあと思うんですが、小出さん、その辺りご意見いかがでしょうか?
小出さん:
原子力規制委員会も行政組織なわけですし、それを規制庁という役所がバックアップというか支えてるわけです。そういう役所というのは、もともと原子力を推進してきたという、正に当事者というか重大な責任のある所なのですけれども、そういう人達が福島第一原子力発電所の事故が起きた後も実権を握り続けているわけです。
そして、これからまた原発の再稼働どんどん進めようとする時に、今までのようなスピードで、どっかから諮問を受けたら、それに答申を出すというような事では間に合わない。もっともっと積極的に被ばくに関する提言を出していくというそういう事を考えて、たぶん今回の法改正が行われようとしてるのだと私は思います。
いまにし:
例えば、被ばくのことで言いましたら、2011年原発事故が起こった時ですね、作業員の被ばく量の上限について、100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに急に引き上げ、それが了承され、2015年はまた緊急のそういう作業があった場合、250ミリシーベルトに引き上げることを妥当だとしたという事でですね。なんかこう確固たる信念があるんじゃなくてですね、その時のなんか政治とか社会の状況なんかを見ながら、なんかあっち行ったりこっち行ったりしてんのかなあという風に思えてならないんですよねえ。
小出さん:
はい。もともと被ばくというものについて、化学的に安全だというような被ばく量はもともとないのです。ですから、どこまで被ばくを許容するか。通常時にどこまで、緊急時にどこまでというのは、社会的に決めるしかないわけであって、福島の事故が起きた時には、それまではその事故終息のために、100ミリシーベルトしか被ばくしてはいけないというのが恒例だったのですけれども、一気にそれが250ミリシーベルトまで引き上げられてしまう、放射線審議会も了承してしまうということだったわけですし、一度はまたそれが100ミリシーベルトに戻されたんですけれども、今、いまにしさん仰って下さったように、2015年には緊急作業ならもう250ミリシーベルトまでいいんだという風に基準が変えられてしまうわけです。ですから、その時々の都合によって、数値がどんどん変わっていくわけですし、その数値を決める組織として放射線審議会というものが利用されようとしているわけです。
いまにし:
なるほど。そうするとですね、先程100ミリシーベルトとか250ミリシーベルトと私が申し上げたのはですね、いわゆる作業員の方なんですけれどもですね。これ、その状況によれば、作業員ではない方のそういう被ばく線量の上限とかが変わってきたりとか、とかくその時の政権の意向なんかに、そういう基準が合わせていってしまうような所があるのではないかなあという事で、やっぱり非常に心配だなあと思いますよねえ。そういう中でですね、先程も小出さんの話にあったんですが、こういう審議会がある場合ですね、まず100%原発に賛成であると、許容をするような方々ばかりが選ばれますよねえ。
小出さん:
もちろんです。放射線審議会は先程聞いて頂いたように、原子力規制委員会の下に置かれるわけですし、原子力規制委員会を自主的に動かしてるのは原子力規制庁なわけですね。そういう所は、原子力を推進するというそういう人達の巣窟なわけであって、審議会の委員を選定して任命するというのは、規制庁と原子力規制委員会がやるわけですから、もちろん自分達の都合のいいような人達だけを委員にして、都合のいいように答申というか提言を出させるという、そういう事にこれまでもなっていたわけですし、これからは増々それが強まるということになると思います。
いまにし:
なるほど。原子力村のそういう村社会というか、身内ばかり優先するということはですね、これまで小出さんにも散々話しを聴いてきたわけなんですけれども。これから帰還を勧めようとしている中で、やはり放射線被ばく量というのは、もうほんとにキッチリと管理していかないといけない。仮に、帰還を勧めるとしたらですね。それで、私あんまり帰還をそんな早急に勧めない方がいいなと思うんですが、仮に勧める場合、やはり原子力村の言いなりになるような人ばっかりがやってたら、やはりもう結論はろくなことにならないと思いますし、また第二、第三の被ばくを生むのかなあと思えてならないんですけども。原子力村というのは、そういうニュートラルな意見を聴こうとかですね、そういうような発想というのはやっぱりないんでしょうか?
小出さん:
もちろん全くありません。昔から自分達のやることに反対するような人達の意見は聞かないということを彼らはやってきたわけですし、行政組織の委員を任命する時には、彼らの都合のいい委員だけを任命するということでこれまでもやってきたわけですし、これからもそういうやり方をとるだろうと思います。
いまにし:
相変わらず反省がない、原子力村の一端をこの放射線審議会に見たような気がします。
小出さん:
はい。
いまにし:
小出さん、ありがとうございました。
小出さん:
いえ、こちらこそありがとうございました。
自由なラジオ Light UP!第49回
トゥアレグ族の大地と文化を蝕む
ニジェールのウラン鉱山と日本の原発再稼働
https://youtu.be/3fdWhrhw0IQ?t=16m23s
16分23秒~第049回ライトアップジャーナル
福島第一原発事故から6年の節目に思うこと
http://jiyunaradio.jp/personality/journal/journal-049/
木内みどり:
元京都大学原子炉実験所の小出裕章さんとお電話が繋がっています。小出さん!
小出裕章さん:
はい。
木内:
こんにちは!
小出さん:
はい、こんにちは。お久しぶりでした。
木内:
はい、お久しぶりです。お元気でしょうか?
小出さん:
はい、何とかかんとか生きています。
木内:
3月11日がもうすぐ巡ってまいります。2011年3月11日に事が始まりました。あれから丸6年が経って、7年目に突入することになりました。あの日、小出さんはどこにおいででしたか?
小出さん:
京都大学原子炉実験所の放射線管理区域の中で仕事をしておりました。
木内:
という事は、テレビやラジオの情報からは離れてましたよね?
小出さん:
そうです。全く知らないまま過ごしていました。
木内:
何時ぐらいまで?
小出さん:
夕方にどうしても出なければいけない会議があって、管理区域から出て、会議を開く場所に行ったのですが、そこでテレビを初めて見ました。仙台空港に津波が押し寄せてきて飛行機が流されていくという、そんな映像をその時に見ました。まずは不安を感じました。
原子力発電所どうなったんだろうか、まずは津波より前に大きな地震があったわけですし、
どうなったんだろうか心配だと、その時に思いました。
ただ、その日は実は私、ウクライナからお客さんがちょうど関西空港に着いた日でして、夕方からそのお客さんと一緒に食事をとりに出るという約束になっていて、翌日、12日の朝になってから発電所で停電になったという事を聞きまして、これは大変なことだと。
おそらくこのまま続けば炉心が溶けて巨大な事故になるだろうということをその朝に気がつきました。
木内:
わぉー。そこから、いろんな専門家同士のやり取りが始まったわけですか?例えば、今中さんととんでもない事が起きそうだとか、起きつつあるとかっていうことが。
小出さん:
はい。今中さんもそのウクライナのお客さんと一緒に、その前の11日の夜から一緒にいたので。
木内:
そのお客様って方は原子力関係の方なんですか?
小出さん:
はい。その時は、ちょうどチェルノブイリの原子力発電所から25年だということで、原子力実験所の私達のグループがチェルノブイリ事故25周年ということで、セミナーを開こうとしていたのです。その為にウクライナから専門家を呼んでやろうとしていた日だったのです。はい。3月18日にセミナーをやろうとしていて、11日からそのお客さんに来てもらっていたのです。
今中さんと私は11日からそのお客さんとつき合っていましたし、12日になって事故が大変な様相になってきたということが分かってからは、原子炉実験所内の私の仲間、いわゆる6人組と呼ばれていた仲間と頻繁に情報を交換しながら、どんな事故になってるということを予測しました。
木内:
その時点で、原子力の専門家の中で反対する人達じゃなくて推進の方達も、小出さん達の熊取6人組の存在は知っていたわけですから、その一番早いコンタクトはいつ頃あったんですか?政府とか東電とか。
小出さん:
専門家はいわゆる原子力の世界の専門家というのは、ほとんど全員が原子力を推進しようとしている人達であって、私達にコンタクトをしてくるというような事はむしろありませんでした。
木内:
なかった。
小出さん:
私達は、その時点から発信を始めたのです。大変な事故になっているし危ないので、もし逃げられる人は逃げて下さいというような発信を始めたのですが、そういう発信そのものを抑えこもうというように、彼らは動いてきました。
木内:
ええっー!
小出さん:
例えば、京都大学原子炉実験所では、いわゆる箝口令というんでしょうか。個人的にマスコミに発言をしてはいけないというような事が所内でしきりに流れてきました。
木内:
ええっー!そうなんですか。
小出さん:
はい。
木内:
余計なことを言うなっていう事ですか?
小出さん:
そうです。実験所としては窓口を作って実験所として発信するので、一人一人は黙っていろという、そういう命令というか指示がきました。
木内:
ええっー!それは、小出さんが皆さんに発信したい内容と京都大学が発信したい内容とは少しはズレてたんですか?
小出さん:
全くズレていたのです。
木内:
全くズレてたんですか?
小出さん:
はい。
私は12日の段階から、炉心がメルトダウンしているということを確信していましたので、原子炉がメルトダウンして大量の放射性物質が噴き出してくるという発信を12日の夕方から私は始めたのですけれども、翌日、所長から呼び出されて「余計なことは喋るな」という、そのような指示を受けました。
木内:
ええっー!でも、例えばその段階にからですね、12日の夕方から、小出さんのお考えとか予測とかがNHKなりで日本全国に流れていれば防げたことは沢山ありますよねえ。
小出さん:
もちろん沢山あったと思いますけれども、私のような発言を、いわゆるマスメディアはほとんど取り上げてくれないまま時が流れていきました。
木内:
初めて大手新聞から小出さんにコンタクトがあったのはいつですか?
小出さん:
新聞はいつだったろう?一番早く私にコンタクトをしてくれたのは、大阪のローカルな毎日放送というラジオ局でして、たね蒔きジャーナルという番組でした。その番組が14日から私を連日そのラジオに呼んでくれまして、私はその番組で情報を発信し続けました。
木内:
これは、もう伝説になっている小出裕章さんの3月14日からの放送というのはアーカイブにも残っているし、これを聞いて、小出さんの声にやっとたどり着いて、それからずーっと小出さんの声を聴き続けてっていう人が物凄い数いて、多分それは原子力村の人でも大手新聞・テレビ・新聞・ラジオの人でもそうだったと思うんですね。一番の頼りになる情報ということで。但し、国が持っていこうとしている方向と真逆だから無視しよう無視しようという力が働いてしまったわけですよね?
小出さん:
もちろんそうです。実験所内部でも、小出が余計な発信をしているという風な意見がたぶん多かったと思いますし、結局、そのたね蒔きジャーナルという番組自身も1年ちょっとした段階で、丸ごと潰されてしまうという事になってしまいました。
木内:
私ね、小出さんのことをたね蒔きジャーナルの4月の頭ぐらいからずっと聴きはじめて、小出裕章オタクになったわけなんですけれども。
小出さん:
ありがとうございます。
木内:
一番ね驚いたのは……一番驚いて私、画面を見てたんですけども、立ち上がって、そして泣き崩れた記憶があるんですが、それは、明治大学で小出さんが講演なさって。事故直後ですよね。
小出さん:
はい。
木内:
それで、その明治大学の大ホールにお客さんというか学生さんが入りきらなくて。それで急遽、その入りきらない学生に向かって、「一言、小出さんメッセージして下さい」と言われて、小出さんが沢山の学生さん達の前に「皆さんしゃがんで下さい」と学校の方が言って、小出さんがそこでお話なさったこと。そして、ほんとに「防げなかったことを皆さんにお詫びします」と言って、「ごめんなさい」って頭を下げられたんですよ。私はほんとに驚いたのと、もう「えっ!」って立ち上がって、もう棒のように立ち上がって、それからね、「こんな人がいる!」と思ってね、ほんとにね泣き崩れたんですね。
その後、小出さんはいくつかの講演に呼ばれて行って、多くの市民ホールとか県民ホールとかそういう公の大きいホールで、駆けつけたのも本当に何千人という聴衆にも、何度も何度も心から「ごめんなさい」と謝ってらっしゃいました。あれは、ごくごく普通に計らず自然に出てきた言葉なんですか?
https://youtu.be/HOf-h_dvNcE
小出さん:
もちろんです。私自身は長い間、原子力という場で働いてきた人間で、何とか暴走を止めたいと思いましたけれども、あまりにも非力で止められなかったのです。その為に多くの人達、若い人達も含めて被害を加えようとしてきていたわけですから、私自身は本当に申し訳ないと思いましたし、今でもそう思っています。
木内:
ただ、変な言い方ですけどね、いい大人がみんなの前に子供じゃあるまいし、「ごめんなさい」って謝るっていう姿をほとんど見たことがなかったんですよね。小出さんはごくごく自然に「ごめんなさい」と頭を下げられましたけれども、本当に「ごめんなさい」と「ありがとう」が言える人間がちゃんと大人でいれば、こんな世の中にはならなかったなあっていう風に思うんですけど。
小出さん:
はい。人間って何をすべきかっていろいろあると思いますけど。ある時に私の知人が集会に行った時に、その主催者として挨拶をされたんですけれども、その時に「自分は子ども達を育てる時に嘘をついてはいけない、そして、間違えた時には謝りなさいと教えています」という風に挨拶をされました。
私はその事を本当に大切なことなんだなと思いましたし、嘘はつかないでいたいと思いますし、もし間違えた時にはやはり謝るということが基本的なことなのだと思いましたし、今でも思っています。
木内:
素晴らしい。これを永久保存したいと思います。この言葉を。ほんとに「ごめんなさい」を言えない。そんな事を思いもしない人が私達の国の総理大臣なのでほんとに。メチャクチャですよね。嘘はついた方が勝ちっていう日本になってしまったって、なり下がってしまったと思うんですけれども。
小出さん:
ほんとに情けない人だと私は思いますし、福島の事故に関しても、オリンピックを呼んでくるためにアンダーコントロールというような事を言ってきた人なんですね。ほんとに困った人だと思います。
木内:
その講演会場に小出さんのお話を聴きに来る方もね、罹災してというか福島を出てとか、その後の人生がもうほんとに辛いものになってる方達がいっぱいいて、きっとその中で小出さんの発言が、もう美しい美味しい酸素のように聴こえるだと思うんですけども。そういう人の苦労や悩みやなんかを引き受けがちにならないですか?大丈夫ですか?
小出さん:
私に出来る事なんていうのはほんとにわずかな事であって、今、みどりさんがおっしゃって下さったように、沢山の人達が抱えることができない程の苦労というのを今抱え込んで、苦難の中で生きているのですね。それに、私自身も原子力の場にいた人間として責任があるわけですから、出来ることは、やはり私は引き受けなければいけないと思っていますし、あと何年生きるのか知りませんけれども、私に出来ること、私がやらなければならない事はやはりやりたいと思います。
木内:
ありがとうございます。心強いお言葉でした。7年目に入るというこの悔しさをバネに、また一年頑張っていきたいという風に思いました。小出さん、じゃあ今日はありがとうございました。
小出さん:
いいえ、こちらこそありがとうございました。
木内:
お元気でいらして下さい。
4/3 アベ政治を許さない@松本駅前 小出裕章先生アピール
https://youtu.be/lVoaU_sZ3iI
小出裕章さん講演~原発ゼロへのカウントダウンinかわさき~(3月12日)
https://youtu.be/Gqsb6_MUA7s
自由なラジオ Light UP!第50回目
森友学園の謎に迫る!
私たち国民の財産をうやむやにさせはしない!
https://youtu.be/bKFSIHSwUmY
自由なラジオ Light UP!第51回目
日本にカジノはいりまへん
隠された問題点を暴く
https://youtu.be/wVHTkfiShj8?t=17m15s
17分15秒~第051回ライトアップジャーナル
「福島避難解除」について
http://jiyunaradio.jp/personality/journal/journal-051/
西谷文和:
今日は、今中哲二さんと電話が繋がっております。
今中さん、今日は宜しくお願いします。
今中哲二さん:
はい、こちらこそ宜しく。
西谷:
はい、お願いします。今日はですね今中さん、テーマは『福島の避難解除について』なんですけども。この原発事故で今年の春ですね、3月末までに帰還困難地域以外の全ての区域でこの非難が解除されると。
今中さん:
そうですね、はい、
西谷:
福島県の川俣、浪江、富岡の3つの町と飯館村が解除されるということなんですが。
今中さん:
いわゆる居住制限区域だったとこが全部解除されますね。はい。
西谷:
これね、今中さんは飯館村へいち早く行かれて。私も行ったことあるんですけど。
今中さん:
そうですね。はい。飯館村も行ってきましたし。はい。
西谷:
この状態で帰れるんでしょうか?
今中さん:
私いつも言ってることは、帰るか帰らないかというのはそれぞれの人の判断なんですよね。はい。原発事故が起きた時に、枝野さんが言ってたけども、今の状況というのは当時とは別で、すぐに病気になるようなもんではありませんと。
西谷:
よく「直ちに」というのがね、流行語になりかけてましたもんね。はい。
今中さん:
結局、だけども帰ったら被ばくしますと。それで、結局その辺で被ばくをすることと、出来るだけ被ばくは避けた方がいいという事と、それぞれの人がどっかで折り合いつけざるを得ないんですよね。
西谷:
例えばですね、もちろん帰れたら喜ばしいんですが、そこはまだ汚染されてるということですけど。飯館村へ行った時にですね、もうフレコンバックですか。黒い除染のね。
今中さん:
ええ、もう酷いですね。ほんとに。
西谷:
あの姿を見てたら、故郷がもうなんかこう汚されてるっていう風に見えちゃうんですけど。現時点でやっぱり、そのあれですよね、よく言われるのは1ミリシーベルトを20ミリに変えたんですが、これ1ミリやったら、もう絶対超えてしまいますよねえ。
今中さん:
私ども去年から、だから「そのうち避難指示解除になるぞ」というんで飯館村の地区の人に手伝ってもらって、協力してもらって、いろんな家の周り計ったりしてきたんですよ。
西谷:
やっぱり、去年から今年にかけてそういう事やられてるんですね。
今中さん:
そうです。200軒ぐらい周らせてもらって。それでね、今の飯館村の除染した後の放射線レベルですけども、1時間あたり0.5マイクロシーベルトから1マイクロシーベルトです。家の周りがね。それで、そこに帰って、その周りだけで暮らしてた時には、大体1年間で2ミリシーベルトから5ミリシーベルトぐらい。そういうんでは、そうべらぼうに高いわけではありません。
西谷:
だからですね、その人の判断だろうと思いますけど。
今中さん:
で、私いつも言ってるのは、お年寄りなんかね、もう仮設住宅で5年も6年も閉じ込められてるような生活してる人が「帰りたい」とおっしゃる時には、もう早く帰してあげたらいいんじゃないのというのは前から言ってました。
西谷:
例えば、小さなお子さんについてはどうでしょうか?その判断でしょうけど。
今中さん:
小さい子供さんには被ばくの影響、低レベル被ばくの影響でよく分からない所がありますから、お薦めはできません。
西谷:
お薦めできないと。
今中さん:
はい。
西谷:
そんな中で、政府がこの避難解除をなんか早め早めに推し進めてるような気はするんですけど。
今中さん:
それは皆さん感じてるように、出来るだけ早く福島には蓋をしてという動きはありますね。
西谷:
やっぱりそこですね。やっぱり、その賠償の費用がかさむという事や。或いはやっぱり。
今中さん:
というか、東京オリンピックもあるし、「原発事故、はい終わったぞ」という事にしたいんだと思いますよ。
西谷:
完全にコントロールされてるとか言うてましたからねえ。安倍さんはねえ。
今中さん:
はい。私からしたら、別に避難解除そのものに反対という意見は持ってないんですよ。私は。ただね、今お話したように、帰る、帰らないはその人の判断ですけども、今やられてる政策というのは、無理やり帰そうとしてるんですよ。
西谷:
なるほど。帰りたくない人も「帰った方がいいよ」と言われてるわけねえ。
今中さん:
はい。今、避難してる人の生活というのは、それなりに保障なり手当でしてるわけですけども。「戻らない人も、それも打ち切っちゃうぞ」とという話なんですよねえ。
西谷:
これ、だからつまり今やったら、その避難者は住宅があるけれども、この住宅支援を廃止する言うてるんですよねえ。
今中さん:
はい。おまけに飯館村でしたら、要するに、避難指示区域以外の所で学校開いてたのを、村の中で学校を全部移すぞという形にして。
西谷:
ということは、飯館村に帰りたくない人が、子供さんがいたとしても、学校がなくなっちゃうわけですか?
今中さん:
そうです、はい。「だったらよそに転出して、他所の学校に行きなさい」というような政策ですよね。
西谷:
ただでさえね、その例えば福島出身の子、いじめられたりしてるじゃないですか。だから、今せっかくね、その避難所の所でコミニティができて、子供さんが何とか行ってる、その小学校を無理やり飯館村に返すわけですか?
今中さん:
そうです。
西谷:
それはしかし、なんかその痛みを寄り添ってないような気がしますねえ。
今中さん:
ですから、飯館村の人なり避難してる人、自主避難してる人も含めて、被害者・被災者なんですよね。
西谷:
そうですよ。
今中さん:
で、被災者がどういう選択をするかについて、国や東電はきちんと面倒を見る責任があるんですよ。
西谷:
もちろんそうです。国や東電がやってきてこうなった訳ですから、加害者はあくまで国や東電ですもんねえ。
今中さん:
で、なんで被災者が苦しむようなことをやらなきゃいけないのか。
西谷:
加害者がねえ。
今中さん:
はい。被災者の方が苦しむわけですよ。
西谷:
これは・・・。そして、その中で「東京オリンピックだ!」言うてお祭り騒ぎをするということは、これ飯館村とか川俣町の人から見れば、「何をしてるんかなあ」という感じはするんですよねえ。
今中さん:
やっぱり出来るだけ都会の人、東京・大阪の人も含めて、やっぱり福島の現状というのを自分の目で見るなり、いろいろ知ってもらって考えてもらいたいと思いますねえ。
西谷:
もう6年経ったじゃないですか。この6年間をちょっと振り返ってみて、今中さんはどう思われます?全然変わってないですか?状況は。
今中さん:
福島についてですか?
西谷:
そう。飯館村とか、そういう所の状況について。
今中さん:
だから、去年でしたかね、私あるシンポジウムで飯館村の人から聞いたんですけども、最初は被災者だと。それで、そのうちもう難民になりましたと。今度からは、ものすご棄民ですと。捨てられた人々ですと。
西谷:
なるほど。もう難民でさえないということですか?
今中さん:
そうですねえ。はい。もう村に戻らないヤツは、もう村人ではないというような感じになってくるんじゃないですかねえ。
西谷:
本当になんか、なんと冷たい政府かという気がしますけども。
今中さん:
ですから、それぞれの被災者の選択に対して、もっとフレキシブルに政府なり行政がケアしていく体制を作っていかなきゃいけないと。
西谷:
なるほど。つまり、こういう事ですね。その避難を解除することそのものよりも、むしろその一人一人の被災者のニーズとか要望をもっと詳しく聞き取って、その一人一人の要望に沿った形で解決をする。
今中さん:
そうです。上から「こうしましょう、ああしましょう」と下りていくんではなくって、人々の要望を聞いて、それに合わせて政治なり行政が動いていくと。
西谷:
10人おられたら、10人それぞれ違いますもんねえ。
今中さん:
はい。
西谷:
よく分かりました。今中さん、どうもありがとうございました。
今中さん:
はい、どうも。
自由なラジオ Light UP!第52回
幕引きを許すな!森友学園問題の核心に迫る
https://youtu.be/shfmpX_8s64?t=18m57s
18分57秒~第052回ライトアップジャーナル
原子力規制委員会の関西電力大飯原発3号機4号機の審査書案了承について
http://jiyunaradio.jp/personality/journal/journal-052/
矢野宏:
今中哲二さんと電話が繋がっています。今中さん?
今中哲二さん:
はいはい、こんにちは。
矢野:
よろしくお願い致します。
今中さん:
こちらこそ。
矢野:
原子力規制委員会は関西電力大飯原発3号機4号機の審査書案を了承し、新規制基準適合へと…
今中さん:
そうみたいですね。
矢野:
はい。新規制基準の適合と判断しましたね。
今中さん:
はい。
矢野:
これでまた原子力事業者というのは、当然のように再稼働へと走り出すと思うんですが。
今中さん:
そうですね。なんかイケイケドンドンの感じになってきて、私からしたら、原子力規制委員会というよりも原子力再稼働委員会のような気がしてきましたねえ。
矢野:
本当ですね。この大飯原発に関しては、前の規制委員会の委員長代理の島崎さんが、関西電力のその出してきた計算に対して、「これ過小評価されてるぞ」ということで、ちょっと待ったをかけたんですね。
今中さん:
そんな話ありましたね。はい。
矢野:
にも関わらず、今回認めたということで。この新しいその規制基準なんですけれども、なんか曖昧なのかなと。今中先生おっしゃる通り、本来ならそのブレーキ役なのに、なんかアクセルをふかしてるような感じしますよねえ。
今中さん:
はい。原子力をすすめる時の考え方としては、だから出来るだけ危ない側危ない側に考えていくというのが本来原則なんですよね。という意味では、そういう意味では島崎先生のおっしゃる話に採用していくというのが、本来のあるべき姿なんでしょうけども。結局、なんだろう?原発を運転するかどうかというのは、サイエンスというよりも工学的な問題、政治的な問題になってくるわけですよね。
矢野:
そうですねえ。
今中さん:
田中俊一委員長がおっしゃるように、新規制基準に通ったからと言って、原発が安全なわけじゃないんですよ。
矢野:
そうですね。それおっしゃいましたね。これ。はい。
今中さん:
だから、どこで線を引くかという話ですよね。だから、その辺の線の引き方が科学的サイエンスと言いながら、その時の政治状況なり何なりで少しずつ変わってるんだろうなっていう気がしてます。
矢野:
結局は最後に決めるのは、この電力会社ということになるんじゃないですか?これは。
今中さん:
電力会社もありますし、結局、政治の流れですよね。はい。
矢野:
それにしても関西電力というのは、保有してる原発っていうのは11基あって、今回、適合が認められたのは7基あるんですよね。次から次に再稼働に向かって行ってるんですけれども、この辺りの裏の話と言いますか、関西電力はなぜ必死になってこう行ってるんでしょう?
今中さん:
ただね関電さんだって、別に原発が動かなくっても一応、黒字になってるわけですよね。
矢野:
そうですよね。
今中さん:
はい。それで、日本全体として我々普通の人は、別に原発無くても全く困らないんですよね。
矢野:
はい。そうですよねえ。
今中さん:
それで、原発動かなくても関電特に困らないんだろうけども、「原発を止めた」と言ったら困るみたいです。
矢野:
止めたら?
今中さん:
はい。東芝じゃないですけども、原発という所謂、資産価値のある物がゼロになり負債になっちゃいますから。そうすると、帳簿上というか所謂、何だろう?債務超過みたいな話になって会社が成り立っていかなくなるとか、そういった問題もあるみたいです。私、詳しいことは知りませんけども。はい。
矢野:
原発は動かさないと、もう資産価値が無くなるわけですよね。
今中さん:
そうですね。止めたと言った途端に。
矢野:
はい。今中先生、今回の適合で私一番心配しているのは、高浜1号機と2号機。そして、美浜3号機なんですけれども、これ運転開始からもう40年ぐらい経ってますよね?
今中さん:
そうですね。はい。
矢野:
これ大丈夫でしょうか?
今中さん:
はい。ですから、規制庁ができた時の考え方というのは、「やっぱり古いやつヤバイやつはどんどん止めていこうね」という考え方で、「どんどん日本としても原発を減らしていきますよ」という方向だったと思うんですよね。
矢野:
はい。
今中さん:
あの民主党の時代には。
矢野:
そうでしたよねえ。
今中さん:
それが、やっぱり自民党 安倍さんに戻っちゃって、「やっぱりこれからもやっていくんだ」という所に規制委員会も乗っかっちゃってるし、原子力村もその辺で復活してきてるということだと思いますよ。
矢野:
なるほど。何とかこれ、まだ福島原発のその事故のその原因すらキチンと分っていない。そして、8万人近くの方が故郷を追われてるわけですよね。こうした現状を無視してまで再稼働に走っていく、この政府っていうのは何なのでしょうねえ。
今中さん:
私ね、ちょっと別の話ですけど、ちょっと気になってるのは北朝鮮の方からミサイルが飛んできましたよねえ。
矢野:
はい。
今中さん:
あれ、能登のすぐ近くなんですよ。それで、日本でも原発いっぱいそこらじゅう作っちゃったら、何と言うのかな?「この前のミサイルは在日米軍基地を狙ったんだ」というような事を言ってましたけど、下手したら原発も狙っちゃうぞという話になりかねないなあということでは、やっぱり弱みは作らない方がいいんだろうなと思いますよ。
矢野:
そうですよね。
今中さん:
はい。
矢野:
そういった時のためにも、その何とかこの原発というのは、この再稼働をなんとか止めなければいけないと私は思うんですけれども。なかなか今、政府はそういうことではなくって。
今中さん:
そうですね。やっぱり、我々がなんとかして止めていかなきゃいけないんだと思います。
矢野:
ねえ。この原子力規制委員会のこの審査は結局、誰のために何のためにやってるのか、ほんとに不思議な。
今中さん:
だから、原子力規制委員会ですか。結局、世の中の流れを見ながら、それに合わせたということだと思いますから、やっぱり最終的には政治を変えていかざるを得ないんだろうと思います。
矢野:
なるほど。分かりました。やはり、最終的には私達の命、その健康を守るためには、その政治を変えていかなければいけないということですね。その為には、やっぱり私達はこの諦めることなく、声をあげ続けることが大事なわけですね?
今中さん:
そうですね。はい。
矢野:
分かりました。今中さん、ありがとうございました。
今中さん:
はい。どうも、こちらこそ。
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第048~052回ライトアップジャーナル 間違えた時にはやはり謝るということが基本
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