第39回 選挙戦から撤退した前新潟県知事の英断 原子力ムラの圧力と地元新聞社の『総合的判断』とは?
https://youtu.be/wNx0HcuVWjk?t=16m42s
16分42秒~第039回ライトアップジャーナル
東京電力柏崎刈羽原子力発電所の立地面から見た脆弱性
http://jiyunaradio.jp/personality/journal/journal-039/
いまにしのりゆき:
今日も小出裕章さんとお電話繋がっております。
小出さん、宜しくお願い致します。
小出裕章さん:
こちらこそ、宜しくお願いします。
いまにし:
今日は、新潟県にあります柏崎刈羽原発の再起稼働の問題点についていろいろお伺いしたいと思うのですけれどもですね。柏崎刈羽原発、全部で7基ありまして、総出力が821万キロワットと、もう世界最大級の大きな原発なのですが、これ大きいからと言うわけじゃないんですが、小出さん、今まで数々の問題点というのがありましたですね。
小出さん:
ええ。もともと柏崎刈羽原子力発電所が建った所は非常に劣悪な地盤の所でして、「西山層という岩盤がある」と東京電力は言ったのですけれども、その後、西山層というその地層自身が非常に脆弱なものだし、敷地の近くには真殿坂断層という断層があって、地震が恐ろしいということをずーっと指摘されてきたのですけれども、それを強引に突っ切って、柏崎刈羽原子力発電所が建てられたわけです。
今は防波堤というのを建てているわけですけれども、もともと劣悪な地盤になっているわけで、地震が起きた時に液状化するかもしれない。実際に、2007年の中越沖地震の時には、敷地で液状化ということも起きているわけですし、これから、もし仮に防波堤なんかを造っても液状化で潰れてしまうという可能性があるわけですね。
いまにし:
はい。柏崎刈羽原発の場合は、敷地が海抜5メートルの1から4号機側と、12メートルの5号機、6号機、7号機という風に分かれているわけなんですが、津波の想定が最大6.8メートル。現在、安全審査を受けている6号機、7号機に津波が達する恐れは比較的低いとされていますけれども、この比較的という言葉が結構怖いなあと思うんですが。
小出さん:
はい、勿論そうですね。大体、予測というのは当たった試しがないのです。
中越沖地震の時もそうでしたけれども、中越沖地震というのはマグニチュード6.8というそれ程大きな地震ではなかったのです。しかし、もともと東京電力の方は、柏崎刈羽原子力発電所ではマグニチュード6.5の地震が最大だというような事を言っていたわけです。
やすやすと予想を超えられてしまって、その時、会長だった勝俣さんが何て言ったかと言えば、「予想を超えた地震だった」という風に言ってるわけです。
今回の津波の高さの予想というものも、場合によっては、また越えられてしまうかもしれないわけですから、福島第一原子力発電所の事故というものを経験した今、そのような予想があるから大丈夫というような考え方自身を捨てなければいけないと私は思います。
いまにし:
先程、液状化の話が出たのですが、その可能性が高いとされているのが1号機から4号機側の方の防波堤と、これされているわけなんですけれどもですね。だからと言って、6号機・7号機が再稼働して、そちら側が再稼働してないから大丈夫なんだっていうわけにもいきませんよねえ。
小出さん:
はい。私はそう思います。
いまにし:
はい。それで、東京電力、柏崎刈羽原発の再稼働を非常に急いでるように見えるのですが、泉田さん、実際、知事として県政に携われ、そして、柏崎刈羽原発の再稼働についてもいろいろと東京電力と話をされる機会があったと思うんですが、どういう所で東京電力再稼働を早くしたいと急いでるなあと思われるような時ありましたでしょうか?
泉田裕彦さん(前新潟県知事):
まずね、事実関係で言いますと、県との関係では再稼働のために規制基準適合申請してるわけでないということになってます。
いまにし:
そうなんですか。
泉田さん:
あくまでも東京電力が自分で判断するだけだと自信がないので、第三者の目を入れたいと。再稼働の議論をするっていう所に至ってないんですよ。だから、知らないうちに再稼働の議論に入ってるっていうのは、凄く違和感を感じてる。
これ何故かって言うとですね、そもそも福島の事故の経験からですね、不備があるっていう所も分かってるわけですよね。その不備にどう対応するのかっていう所をやってかないといけないわけで。特に、IAEAの深層防護の考え方から言うと、第四層、事故が起きた時に構内どうしていくのかと。
いまにし:
原発の構内。はい。
泉田さん:
これ不備があるわけで。更に言うとですね、第五層については、これ原発の外に影響が及ぶときに避難に責任を負うのは自治体だけになっちゃっていてですね。ここの所が全く規制基準に抜け落ちてるんです。だから、ここどうするかっていう事を考えるのが先で、そもそも再稼働の議論っていうのになっていないはずなのに、質問からしてですね、「再稼働をなぜ急ぐのか?」っていう所がちょっと違和感があるって、先に断らせて頂きます。
でも、急いでるっていうことであればですね、やっぱりお金に関わる部分があるとですね、どうしてもこうしても早くやりたいっていう気持ちになってもらっちゃあ困るんだけど、やっぱりなってるんじゃないかと思います。例えば、馬淵大臣が現職の頃にですね。
いまにし:
はい。民主党政権の時ですね。はい。
泉田さん:
汚染水については、「棟土壁ではダメだから粘土層でしっかり止めましょう」っていう話をして、発表直前まで行ったのに、「債務超過になっては株主総会が乗り切れないから」っていう理由で中止になったとかですね。
いまにし:
ありました。はい。
泉田さん:
それから、「水密扉があるからいいでしょう」って言われて、防潮壁撤回っていうのも一度言われたんですよ。
いまにし:
そうですね。
泉田さん:
お金がかかるっていう話になるとですね、すぐこう積み上げていったものがひっくり返るっていう印象があって、そもそも県との関係では、先程も言いましたけども、再稼働っていう議論になってないのに、その雰囲気が出来上がってるっていうこともですね、やっぱりお金が問題になってるんだとしか言いようがないですね。
いまにし:
そうですね。確かに、マスコミ報道からしましても、我々もマスコミの仕事に就いてるわけなんですが、そこに挙がってないにも関わらず、「再稼働はいつなんだ」というような論調になりがちかなあという点はあろうかと思うんですよね。
泉田さん:
それね最悪なんですよ。本来やらなければいけない所に焦点が当たらないで、再稼働の話をした瞬間に、「誰が了解出すんですか?」とか「手続きどうするんですか?」っていう所に行ってですね。「やらなければいけない所が何なのか?」「福島でどうしてこんなに多くのトラブルと犠牲と故郷を失われることになったのか?」っていう所をチェックする機会失うと思うんで、再稼働って、まだ県との間ではそもそもそういう話になってませんよという所は強く主張したいと思います。
いまにし:
はい、小出さん、今の泉田さんのお話伺われまして、いかがお感じでいらっしゃいますでしょうか?
小出さん:
はい、さすが泉田さんだなと、私は思いながら聞きました。そうやって、泉田さんが長い間抵抗を続けてきてくださったわけですけれども。
でも、いつの間にか新潟日報もそうですけれども、泉田さんを攻撃するようになって、マスコミがみんな再稼働という方向で動いて、こういう言葉は適切じゃないかもしれませんけれども、泉田さんを追い落とすというような方向で動いてきたと、私には見えるのです。
一人一人がやはり気を付けて、マスコミの報道でも何でも厳しく吟味しなければいけないと私は思います。
いまにし:
はい。そんな中でですね、小出さん本来ですね、電力は足りているということでずっとおっしゃられてました。柏崎刈羽原発が再稼働しなくても電力は賄えるという事情、今も変わっておりませんでしょうか?
小出さん:
電力供給という限りで言うなら、日本中の原子力発電所すべてを停止したとしても何の問題も生じません。ですから、十分止めていいと思います。
いまにし:
はい、分かりました。小出さん、ありがとうございました。
小出さん:
いえ、ありがとうございました。
柏崎刈羽「現状では再稼働認められない」新潟県知事(17/01/05)
https://youtu.be/oWR6vBbjOVU
20170103
松本駅前での アベ政治を許さない! スタンディング〜 小出裕章先生
https://youtu.be/baK7oCaLXWo
小出裕章
福島を忘れさせる策謀/とめられない私たちの中にも問題がある
https://youtu.be/Fofyv2HDERQ
第40回 95歳の元海軍兵、戦争体験を語る
https://youtu.be/PKSDc9Ruz4o
第41回 映画という最高の芸術が今に伝える戦争の愚かさ リンダ・フォーグランドかく語りき
https://youtu.be/WrKodHfmv70
第42回 ガイガーカウンターを携え、ヒップホップを叫ぶ。 「無関心」と闘うミュージシャンは、市議会議員!
https://youtu.be/_-kt7u_86OA?t=20m10s
20分10秒~第040回ライトアップジャーナル
廃炉が決まった「もんじゅ」と高速炉の行方
http://jiyunaradio.jp/personality/journal/journal-040/
矢野宏:
これまで1兆円もの資金をつぎ込んだものの稼働の目途すら立たない高速増殖炉「もんじゅ」。政府がようやく廃炉とする方向で動き出したかと思いきや、政府は11月30日、もんじゅに変わる新たな高速炉を開発する方針を示しました。本日は、もんじゅ廃炉の裏側に何があるのか、今中さんにお話を伺います。今中さん、よろしくお願い致します。
今中哲二さん:
はい、こちらこそよろしく。
矢野:
今回の政府決定、政府発表に対し、今中さんはどんな感想をお持ちになられましたか?
今中さん:
全く遅すぎますよね。もんじゅがナトリウム火災事故を起こした1995年の段階、その段階で、日本の核燃料政策全体をきちんと見直しをするべきだったんですよね。
いわゆる高速増殖炉路線というのはその段階でほぼ破綻してしますから、いわゆる六ヶ所の再処理工場も含めてどうするかという議論をきちんとやるべきだったんですよね。
高速増殖炉というのは、アメリカが最初にやろうとしてどうも上手くいかない。イギリスも止めたし、フランスもかなりやりましたけども、やっぱりどうも上手くいかない。高速増殖炉は止めて、高速炉で何とか生き残りを図ってるという現状ですね。
矢野:
なるほど。その違いっていうのはどんな違いがあるんですか?
今中さん:
普通の原発というのは水で使ってます。
水を使うことによって核分裂連鎖反応をしてるわけですけども、高速炉を使うとプルトニウムができる割合が多いのと、プルトニウム239という原爆用のプルトニウムの純度が高いのができるという原子炉なんですよ。
それで、今回もんじゅを止めて、また新たな高速炉の開発に取り組むというのを見てたら、うたい文句はいわゆる高レベル廃棄物処理、特に、ウランとかプルトニウムの原子炉の中に入れてると出てくるキリウムとかアメリシウムとか、いわゆる超ウラン元素と呼んでるんですけども、そういう物を核分裂させて少なくするというのがうたい文句みたいです。
矢野:
なるほど。しかし、もんじゅは廃炉になるわけなんですけれども、それでもまだ、この国というのは高速炉の研究を進め税金を投入するというわけなんですが、なぜ政府はここまでこだわるんでしょうか?
今中さん:
よく分かりませんけども、私がずーっと感じてるのは、やっぱりその裏に日本の核兵器をつくる為の潜在的能力を維持しておくと。これが、この高速炉並びに再処理を持っておくという意味合いだと思いますよ。
矢野:
なるほど。やっぱり核兵器の問題ですねえ。
今中さん:
はい。
矢野:
それで気になる動きがあるんですけれども、もんじゅの廃炉が報道された後、日本会議のマドンナとも言われる、あの櫻井よしこさんが理事長を務める「国家基本問題研究所」というものがありまして、そこが読売新聞とか産経新聞に意見広告を出したんですよね。「もんじゅの活用こそが日本の道です」と「私達はもんじゅの開発継続を求めます」という風に広告を出したんですね。
今中さん:
これは、だから私からしたら、いざとなったら原爆を作れる技術を持っておきましょう、という風に裏に書いてあるように思いますけども。
矢野:
なるほどねえ。このもんじゅをこの運営する日本原子力研究開発機構というのは、もともと核燃料サイクル開発機構と日本原子力研究所が統合したものですよねえ?
今中さん:
そうですねえ。
矢野:
今、調べてみると、職員数が3700人いるんですね。2016年度の予算が1370億5400万円という。これでもんじゅを含む高速炉の研究開発費に282億円を計上してるんですけれども、実質的には、このもんじゅの予算の全てが維持管理費。その内の人件費が大量に含まれてるんではないかという風に見られてるんですが。
今中さん:
そうでしょうねえ。
矢野:
やはりこうして見ると、どうも私には世間の批判が集中してるもんじゅを生贄として差し出すことで、この日本原子力研究開発機構という利権組織を守ろうという思惑が見てとれるんですけれども。
先生、もう1つ問題があるんですが、このプルトニウムの問題ですよね。この今、日本では既にもう48トン保有している。長崎原爆なら4千発以上も生産する量ですよねえ。
今中さん:
はい。
矢野:
もし、もんじゅがこれ廃炉になれば、核不拡散の観点から国際社会の目は一層厳しくなるんではないでしょうか?
今中さん:
そうでしょうねえ。はい。
矢野:
それに対して、その政府は変わって、高速炉を作るというような事に打ち出したわけでしょうか?
今中さん:
いや、たぶん高速炉の話は、結局、高レベル廃棄物処分に役に立つという新たに絵に描いた餅みたいな話が出てくるんだと思います。ただ、どちらにしてもプルトニウムを何とかしなきゃいけないというのはありますよねえ。
矢野:
そうですよねえ。今、原発でこうしてMOX燃料として使ってるわけですけれども、それでは到底追いつきませんもんね?
今中さん:
追いつきませんから。
矢野:
もんじゅの廃炉の決断を期にですね、政府は核燃料サイクルを含めた原子力政策の見直しこそ、やっぱり取り組むべき問題だという風に思うんですが。
今中さん:
抜本的な見直しをやって欲しいですね。即ち、六ヶ所の再処理工場を含めどうするのかと。また高レベル廃棄物問題も含めてどうするのかという事だと思います。
矢野:
そうですよね。また、無駄な私達の税金がこうして使われるわけですもんねえ。許されないことだと思います。
今中さん:
やっぱり、その中で一番大事なのは、福島のあの大変な取り返しのつかない事故というものを直視して、原子力というものを考えていくということだと思います。
矢野:
はい、分かりました。
さて、ここでお知らせです。
今中さんを講師に招き、2017年3月11日土曜日、午後2時から大阪市此花区のクレオ大阪西で、福島第一原発事故から6年、その現状と課題について語って頂きます。主催は私達、新聞うずみ火です。詳しくは、この自由なラジオホームページか新聞うずみ火のホームページをご参照ください。
今中先生、どうもありがとうございました。
今中さん:
どうも。
NHKスペシャル 東日本大震災 追跡~原発事故のゴミ
http://dai.ly/x49bh5d
消せない放射能 ~65年後の警鐘~/NNNドキュメント
http://dai.ly/x16r9fh
福島第一原発事故の原因究明が一向に進まない中、早くも再稼働の動きが加速しようとしている。
放射能による被害は、実態が明らかになるまでに長い時間を必要とするが、その一例が北の大地にある。ロシアでは、半世紀以上前に放射能災害が起きていた。
高レベル放射性廃棄物を投棄した川の周辺では、手足の無い子供、膨れ上がった頭部、巨大なコブ…悪夢が世代を超えて猛威を振るっている。
政府は汚染された川沿いの村を閉鎖、古い建物を取り壊して地中に埋め、放射能を封じ込めようとした。しかし、その努力を嘲笑うかのように、今もあちらこちらで強い放射線が測定される。
収束への道程は、見えていない。
原発回帰の状況下、放射能災害の現実を見つめる
がんばれ!糸魚川!