自由なラジオ Light Up! 037回
「賠償交渉の激務で体を壊し退職を余儀なくされた ある東京電力社員の告白」
https://youtu.be/VCDQlkRLWPQ?t=19m24s
19分24秒~第037回ライトアップジャーナル
少年の頃、原子力にかけた夢と、それから気づいた大きな矛盾と絶望。小出裕章さんが、原子力発電に徹底的に反対する理由とは?
http://jiyunaradio.jp/personality/journal/journal-037/
鵜飼一嘉:
今日は私、鵜飼一嘉が元京都大学原子炉実験所の小出裕章さんにお話を伺います。小出さん、初めまして。
小出裕章さん:
はい、初めまして。と言うか、先日はクリスチャン・ツィメルマンさんのメッセージを鵜飼さんが朗読して下さいまして、その時にお世話になりました。ありがとうございました。
鵜飼:
とんでもございません。こちらこそありがとうございます。と言うことで、実は先日、この番組の今西さん回で小出さんからご紹介頂きましたポーランドのピアニスト クリスチャン・ツィメルマンさんのメッセージを私が朗読させて頂きました。そんなご縁で、この市民のための自由なラジオLightUpに私も参加させて頂くことになりました。
これからも宜しくお願いを致します。
小出さん:
はい、こちらこそ宜しくお願いします。
鵜飼:
ところで、私にとっては初めてのインタビューということになりますので、今日は、小出さんご自身について常々お伺いしたかたことをお訪ねしたいと思うんですけれども。
実は私、初めて小出さんを拝見させて頂いたのが、昨年、80歳で亡くなられました愛川欽也さんのバックインニュースで初めて拝見したんですが、その時から正しい情報を隠さず、きちんとお話して下さってるのが凄いと思ってたんですよねえ。
https://youtu.be/qKbsVyifafg
小出さん:
いやいや、むしろ私よりは愛川さんが私のような発言までもちゃんと拾って下さって大変だったと思いますけれども、電波に乗っけてくださったということで、私はありがたいと思いました。残念ながらお亡くなりになってしまいましたけれども、貴重な方でした。
鵜飼:
そうですねえ。本当に残念ですねえ。
小出さん:
はい。
鵜飼:
そこで改めてお伺いしたいんですけれども、小出さんは、日本の原子力政策について強く反対をされていらっしゃいますし、京都大学の原子炉実験所にお勤めの時からも、はっきりとご自身のご意見を発信なさってらっしゃいましたけれども。しかし、原子炉実験所にお入りになったわけですから、お若い頃には原子力に対して何らかの期待とか夢とかをお持ちだったんじゃないですか?
小出さん:
はい。原子炉実験所に私が入所したのは1974年で、東北大学の大学院を修了した時に京都大学原子炉実験所に拾ってもらいました。
私が原子力に夢をかけたのはもっとずーっと前で、高校を卒業する時、1968年なのですけれども、その時に、私は人生を原子力にかけようと深く思い込んでしまいまして、大学に進学する時に、必ず工学部の原子核工学科という所に行くんだということを決意して、その大学に行きました。
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鵜飼:
原子力に対する大きな思い期待っていうのはどういった所だったんでしょうか?
小出さん:
はい、私は東京生まれの東京育ちだったのですが、私が中学・高校の頃に、東京の街のあっちこちで広島・長崎の原爆展というのが開かれていました。私はそれをよく見に行ったのですが、原爆というのはあまりにも酷いものだということを一方で思いました。
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その一方では、原子力の持ってる力というのは猛烈なものだというように思い込んでしまいまして、日本というこの国は原爆で被害をもたらされた国なのだから、それをそのままで終わらせるのではなくて、むしろ原子力の平和利用ということで世界に貢献することが良い事なのだと思い込んでしまいまして、私は原子力の平和利用、つまり原子力発電に自分の一生をささげたいと思ってしまいました。
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鵜飼:
はい。
その当時と言いますと昭和43年ぐらいですから、東京オリンピックも終わって、まさにこれから高度成長時代っていう時ですから、若き日の小出さんはもう夢と期待を持って、原子力に日本の未来を託したということでお始めになったと思うんですが、その小出さんがいつ頃から「おや、これは違うな」と思い出したんでしょうか?
小出さん:
はい。まず、68年の4月に私は東北大学工学部原子核工学科という所に入ったわけですがちょうどその頃に、東北電力が原子力発電所を建設するという計画を出してきました。私自身はやりたかったわけですから、当初、その原子力発電所の建設ということを歓迎しました。しかし、ちょうどその時に大学という場では、いわゆる大学闘争と呼ばれていたようなものが起きまして、授業もなかなかできないというようなそんな時代だったのです。それで、私自身は大学闘争何やってるのか全く分からないままだったのですが、ある時に気がつきました。大学闘争というのは、自分がやっている学問が社会的にどういう意味を持ってるのかを答えるべきだという、そういう問いかけだったという風に、私は受け止めました。
そして、では私がやろうとしている原子力発電というのは社会的にどういう意味があるのかということが、私にとって問題になったわけですが、東北電力のその原子力発電所をどこに建てるのかと言うと、私は仙台という大きな都会にいて、電力をたくさん使う街だったわけですから。その原子力発電所というのは、女川という三陸海岸の小っちゃな町に原子力発電所を建てるという計画だったのです。
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そして、女川の人達が「なんで自分達の町だ」と「電気を使うのは仙台だし、なんで仙台に建てないんだ」という疑問の声を挙げたのです。私は「原子力いいものだ」と思っていたし、「安全だ」とも思っていたわけですけれども、「それなら何で仙台に建てないのかな?」と私も思いました。その為、「どうしてか?」というその問いに答えようとして、私は答えを探し求めたのですけれども、東北大学工学部原子核工学科という所は、もちろん原子力を進めるための専門家を養成する所であって、その問いに対する答えを私に与えてくれなかったのです。仕方がなくて、私は米国などの情報を仕入れて勉強を始めたわけですが、その結果、辿り着いた結論というのは実に単純でして、
原子力発電というのは、都会では引き受けることができない危険を抱えている──だから、別の所に押し付けて、長い送電線を敷いて、都会に電気を送るという、そういうシステムだということに気がつきました。
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そして、それに気がついてしまったら、私にとっては到底そんなものは認めることができないと思うようになりまして、1970年の秋に、私の選択を180度引っくり返しまして、原子力発電だけは何としても止めさせなければいけないと思うようになりました。
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鵜飼:
その当時、そういうご意見を持たれてる方というのは少なかったんじゃないですか?
小出さん:
もちろんです。ほとんどいませんでした。大学の中でも、いわゆる教員はみんな原子力を進めるという、その為に雇われていた教員達ですので、ほとんど全員が原子力推進だったわけですし、社会的に言えばマスコミも含めてみんなが原子力の旗を振っていたという、そんな時代でした。
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鵜飼:
まさしく小出さんが以前からおっしゃてますけども、いわゆる原子力村には政府・政治家はもちろんですが、学者や大企業、ゼネコンとか、そして残念ながら私も属しています、このマスコミ・メディアも含まれると、よくおっしゃってますよねえ。
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小出さん:
はい。もう大変、罪深いと思います。もちろん政府・電力会社・三菱・日立・東芝というような原子力産業、もちろん罪深いですけれども。
http://www.rafjp.org/koidejournal/no145/
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世界の原発メーカー
でも、メディアの責任っていうのはそれに負けず劣らず重たいと私は思ってきましたし、今でもそう思っています。
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鵜飼:
なぜ、そういう事態になったと小出さん思われますか?
小出さん:
私は原子力の問題を考えると、戦争とよく似てるんだなと思っています。先の戦争の時にも、国が戦争をやると決めて、全ての組織がその下に集まってきました。マスコミもそうですし、大本営発表というものしか流さないというような体制になってしまっていたわけです。
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原子力についてもそうで、マスコミは必ず原子力の平和利用、安全なんだというそういう宣伝しか流さないという、そんな体制になってしまっていたように見えますし、たぶん今でもそうなのだと思います。
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https://youtu.be/17A3g7Tq070
鵜飼:
私自身もフリーの喋り手をしてるわけですけども、メディアで仕事をするということを考えてね、「やはり、もっとしっかりしたものをお伝えしなきゃいけないな」ってつくづく思うんですけども。
最後に一つお伺いしたいのは、私、以前からずーっと小出さんにお聞きしたかったのが、いわゆる科学者の皆さん、その1960年代、1970年代、原子力発電に携わった科学者の皆さんが、この原子力発電をやった後に簡単に言えば、核のゴミですよね。廃棄物、これが処理ができないっていうことが分かりながらもやってしまうのか?あるいは、科学者の皆さんってどうしても自分で考えたものは、先のことを考えずにやってしまうっていう性質があるのか?全員の方を十把一絡げで言うわけではないんですが、そういう事どっかにおありなんでしょうか?
小出さん:
2つの問題があると思いますが、科学に携わっていた人達の中には、「科学が進歩すれば、いつか何とかなるはずだ」と思っていた人達が一方にはいたと思います。
そして一方には、「これは多分だめかもしれない」とは思った人達もいたのですけれども、その人達もいわゆる自分の出世、自分の名誉というか、そういう事を考えると「原子力に抵抗するよりはこのまま黙って、いわゆる専門家として生きた方が得だ」と思った人達もまた一方にいたと思います。
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鵜飼:
となると、その人間としての倫理と、そうして科学者としての倫理、それが人間の情念の部分で負けてしまったということなんですかね?
小出さん:
何か皆さん科学者と言うと、結構、その倫理的にも正しい観念を持っている人間だという風に思ってられるかもしれませんが、実はそんなことは全くありません。私もいわゆるその科学の世界で生きてきた人間ですけれども、私が生きてきた時代、多分今もそうだと思いますが、科学者になるというような人達は、いわゆる良い大学に行って、良い会社に行って、出世しろよというそういうコースに乗せられてきてしまった人達がほとんどですので、倫理とかそんな事よりは自分の出世ということの方が大切なことになってしまっている人達、そういう人達だと思って頂くのがいいと思います。
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鵜飼:
なるほど。改めて考えさせられるなあと思いますけども。小出さん、今日はどうもありがとうございました。これから度々お話する機会もあると思いますけれどもね、これからもどうぞ宜しくお願い致します。
小出さん:
ありがとうございました。はい、是非、宜しくお願いします。
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20161203 @松本駅前 アベ政治を許さない!スタンディング〜小出裕章先生インタビュー
https://youtu.be/VsSTLiBq_G4
小出裕章「原発をやめれば電気料金は安くなる」
https://youtu.be/6PZiTuRW8-I
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福島の原発事故 処理費倍増21・5兆円 返済計画 甘い見通し
(東京新聞【こちら特報部】)2016年12月13日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2016121302000135.html
21兆5000億円-。福島第一原発事故処理にかかる廃炉、除染、賠償などの費用の試算額が、3年前と比べて倍増した。現在、国債で調達した資金を東電に無利子で貸す枠が「9兆円」に設定されているが、それも不足するため、「13兆5000億円」に拡大する。問題は、その返済方法だ。事故処理費の見積もりも甘かったが、見通しはあまりにも甘い。こんな方法では、返済は確実に滞る。
(木村留美、池田悌一)
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経産省の東電収益捻出案
年1500億円 送配電事業合理化
年1000億円 柏崎刈羽の再稼働
4兆円 事故後保有株の売却益
今回の試算は九日、経済産業省の「東京電力改革・1F(福島第一原発)問題委員会」で明らかにされた。わずか三年で、試算額は十一兆円から二倍近くに跳ね上がった。内訳は、「廃炉」が四倍に増えて八兆円。「賠償」は約一・五倍の七兆九千億円、「除染」は約一・六倍の四兆円。
二十一兆五千億円のうち住民らへの賠償金の一部を、他の大手電力、新電力が負担し、中間貯蔵施設の整備費は国が負担する。東電の負担は全体の七割強の十五兆九千億円となる。
東電は現在、事故処理費を事実上、国から借金をして賄っている。その枠も「十三兆五千億円」に拡大されるというが、その返済シナリオに無理がある。
経産省の描くシナリオはこうだ。第一段階として、送配電子会社の合理化を徹底する。託送料金の原価が欧米の国と比べて高く、合理化によって年間千五百億円の利益を上積みできるとする。
第二段階は、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働だ。二基を稼働させると、年間で計一千億円の収益を見込める。
第三段階は、国が事故後に一兆円で取得した東電の株式の売却益で、除染代の四兆円を捻出する。
第一、第二段階を四十年間続ければ、単純計算で十兆円。第三段階と合わせれば十四兆円。でも、そんなにうまくいくのか。専門家はどうみるのか。
SMBC日興証券のクレジットアナリスト、橋本宗治氏は第一段階について。
「送配電事業の合理化は、まだ踏み込める部分がある。頑張れば可能だ」と指摘する。だが、第二段階の柏崎刈羽原発の再稼働は、十月に就任した同県の米山隆一知事が再稼働に慎重な姿勢を取ることから、ハードルは極めて高い。
委員会は、東電に対し、他の会社と原発事業の再編を進めるように提言しているが、橋本氏は「実現は難しい」と指摘する。「東電だけでは再稼働が難しいとみられる中、国には、別の会社が運転する形をという考えがあるのだろう。しかし、経済的な観点から、提携のメリットを見いだしにくい」。原発の利益を設備投資などに充てられないのなら、東電と一緒に組んでも利益がない。
第三段階についても、「相当の株価上昇が必要で、現在のままでは難しい」と指摘する。送配電と原子力の両事業で他社と「共同事業体」を設立することで、企業価値を高めるというシナリオだが、具体的な策は示されず、時期も不明だ。
資源エネルギー庁電力市場整備室の担当者は「そこまで議論は煮詰まっていないし、そんなに簡単にかなうものではないだろう」と話した。
もともと、株の売却益で除染費用を賄うことが決まっていた。その試算額が二兆五千億円から四兆円に増えても、「そのまま売却益を」と当てはめたにすぎないようだ。四兆円の売却益を得るために、「ひねり出す奇策があるわけでもない」(担当者)
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算定根拠あいまい 廃炉費も見通し立たず
融資枠 さらなる拡大懸念
会計検査院は昨年三月、こんな試算をしている。国が東電に九兆円を貸与した場合、「回収を終えるのは、最長で三十年後の二〇四四年度になる」。
東電は返済に充てるための費用として一四年度に五百億円の特別負担金を計上したが、この水準のまま毎年、返済を続けていくことがこの試算の前提となっている。他に、原発を保有する電力会社も一般負担金で返済を助けるが、これも滞らないという前提だ。
かつ、国が一兆円で取得した東電株の一株当たりの平均売却価格を①七百五十円②千五十円③千三百五十円-の三パターンを想定し、回収に充てられる売却益をそれぞれ①一兆五千億円②二兆五千億円③三兆五千億円-と見込んだ。この計算なら、株が最も高く売れれば二十一年後に回収を終えられる。
それにしても、この「九兆円」枠はどうやって設定されたのか。政府は福島の原発事故後、東電支援を決めたが、一一年十一月に設定した当初の枠は二兆円だった。それが1ヵ月後、五兆円、一四年四月に九兆円に拡大した。そして今回の十三兆五千億円だ。
今回で最後とならず、融資枠は今後も拡大を続けるのか。世耕弘成経済産業相は九日の閣議後会見で、「状況変化や予見できなか
った要因で、増加することもあり得る」と可能性を否定しなかった。
九州大の吉岡斉教授(科学技術史)は「廃炉の費用に実際どれだけかかるか、いまだに見通しが立っていない。今回の引き上げも、とりあえずの急場しのぎにすぎず、今後も何年かごとに拡大を繰り返すことが予想される」と指摘する。
国民負担がどんどん増えていくというわけだが、なぜ、国は処理費用を段階的に釣り上げていくのか。大阪市立大の除本理史教授(環境政策論)は「費用が十兆円をはるかに超えることは以前から分かっていただろう。だが、二十兆円という数字を突然示せば、東電の経営に大きなインパクトを与えてしまう。東電をつぶしたくないという配慮もあったのかもしれない」と推察する。
今回の事故処理費の試算、二十一兆五千億円については、「どういう方法で廃炉にするのか、どこまで除染をするのか。政策内容によって金額は大きく変動するので何とも言えない。ただ、政府の『この費用で抑えたい』という意思表示は感じる」と語った。
東電の返済計画については、「どうやったらこれほどの資金を捻出できるのだろう。柏崎刈羽原発を再稼働させ、収益アップや株価上昇につなげるつもりだろうが、相当に難しい」と疑問を口にした。
新潟県民「再稼働ありきの姿勢許せぬ」
柏崎刈羽原発のある新潟県の人たちは、どうみているのか。市民団体「いのち・原発を考える新潟女性の会」の桑原三恵さん(六八)は「政府は再稼働には地元の理解が必要と言いながら、やろうとしていることは民意と正反対。あまりにも不誠実だ。県民にリスクを強いながら事故処理を進めようとする姿勢は許せない」と憤る。
「政府が事故処理費用の試算を、小出しに上げていることからすると、今後もさらに拡大するのは目に見えている。そもそも、『原発は安価なエネルギー』と言いながら、これだけ巨額の国費を使うことになった。納得できるような説明なしに融資枠の拡大を強行するのであれば、国民をばかにしているとしか言いようがない」
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普通の経済原則では原発というビジネスは成り立ちません
注目の人直撃インタビュー
大島堅一 立命館大学教授
(日刊ゲンダイ)2016年9月30日
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/190761
この国の政府はどこまで悪辣なのか。原発の廃炉費用を国民に押しつける思惑で、有識者会議をスタートさせた。原発はガンガン再稼働させて、事故の賠償金や廃炉費用は国民負担とは、いいとこ取りのご都合主義にも程がある。果たして、原発コスト計算の第一人者、気鋭の学者・大島堅一の怒ること――。
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廃炉費用を出せば債務超過になる東電
―経産省はこのほど「東京電力改革」や「電力システム改革」などと名前を付けて、有識者会議を発足させました。ここで原発の廃炉費用などを誰に負担させるかが話し合われるのですが、なんだか、最初に国民負担ありきが透けて見えるようです。この有識者会議設置の狙いは何だとみますか?
福島原発事故の賠償については、原子力損害賠償・廃炉等支援機構がありますが、廃炉費用の金額は示していない。将来、発生する費用は債務ですから、必ず財務諸表に載せなければいけないのにやっていない。廃炉費用を明らかにすると、債務超過になってしまうからでしょう。メガバンクは東電に無担保で約2兆円を融資していますが、債務超過になりそうな企業に追加融資はできない。そこで、債務超過に陥る前に廃炉費用を捻出する仕組みを先につくってしまおう。そういうことじゃないですか。
―その仕組みをつくるための有識者会議であると?
そうです。しかし、請求書がないのにいきなり、お金を出す仕組みをつくるなんてめちゃくちゃです。
―東電の場合、その廃炉費用はいくらぐらいになるんでしょうか?
それが分からないのです。核燃料がどこにあるかも分からないし、世界を見回しても燃料デブリになったものを取り出したことはないのです。チェルノブイリだって置きっぱなしですからね。福島にはメルトダウンをした原発が3基もある。途方もない額になるのでしょうが、「廃炉費用はいくらです」と言ってしまうと、債務超過になりかねない。経産省は原発事故の直後から「東京電力は債務超過させないことを前提に支援する」と言い続けてきましたから、この前提を崩さないようにしているのです。
―原発事故直後、東電破綻処理の議論がされました。廃炉費用で債務超過になるんなら、潰すべきじゃないか。そこに立ち戻るべきですね。
その通りです。廃炉費用を算出して債務超過になったら東電を解体し、資産を売却する。そうやって国民負担を少なくする。こういうプロセスを踏まなければいけません。
―しかし、国はそうしない。なんだかこのままだとブラックホールのような東電に国民の税金が吸い込まれてしまうような気がします。
東電は今まで「研究資金」と称して公的資金で凍土壁をつくって失敗に終わるなど、無駄なお金をじゃぶじゃぶ使っています。東電に廃炉資金を出してやる仕組みをつくれば、また同じようなことになりかねません。
―国民はそれをチェックできるのでしょうか。
原子力損害賠償支援機構は、ホームページを見ても情報公開がまったくなされていないのです。議事録さえ載っていないし、どういう資料が配られたのかも分からない。議題しか記載せずに結論だけがポンと出てくる。
―原子力損害賠償支援機構は情報公開しなくてもいいのですか。
国の機関ではなくて外部の機構なので、情報公開法の対象外なのです。外部に機構をつくって、実態上は経済産業省の役人が入って仕切っている。
―抜け道ですね。
廃炉は東電自身がやるべきことなので、国民の税金を無原則に入れるのは間違っています。百歩譲って仮に支援をするにしても、「いくらになりそうなのか」「公的なチェックシステムをどうするのか」などを徹底的に議論する必要があります。
―それなのに、最初に結論ありきで、急に有識者会議がつくられた。そんな印象を受けます。
「(東電は)もう危ない」「頭を一番悩ませているのは廃炉のお金だ」と聞いています。東電が積んでいる2兆円(純資産)では不足しかねないので、新たに廃炉資金を早急に捻出する道をつくらざるを得ないのだと思います。有識者会議のメンバーには財界関係者が数多くいる。産業界が(原発を)望んでいるのなら、自分たちが資金を出せばいいのに、廃炉費用を国民にツケ回すような仕組みをつくろうとしている。原発の最大の問題は結局、最終的なコストが分からないことなんですよ。それなのに原発を再稼働させるのは、次世代への無責任なツケ回しとしか言いようがありません。
電力会社の仕組みはマトモな資本主義では通用しない
―そんな電力会社に対して「コストは支払わないのに利益だけを欲している」とおっしゃっていましたね。
まともな資本主義ではありませんよ。再稼働をしたいのなら、「事故が起きた時は全部、自分たちが支払います」という仕組みに変えなければおかしい。「事故を起こしたら、その費用は国民持ち、利益だけは電力会社」では儲かって仕方がないということになる。それで、東電は3000億円の利益を出しています。
―東電の最新の資料には、廃炉費用や原発事故の費用を全部入れても「原発のコストは一番安い」と書いてあります。
安いのなら「事故の費用も自分で払う」のが筋です。その費用を払えないのであれば、「原発は高い。稼働させる必然性はない」となる。原発が不経済であれば、再稼働の理由はなくなる。電力会社が自ら出した中期計画を見ると、原発がなくても電力需要は賄えることがはっきり分かる。将来性がある再生可能エネルギーに税金を投入するのとは次元が違う話です。
―「原発を止めると地域経済が破綻する」と原発推進派は言いますが。
たしかに「影響はない」とは言えないのですが、精査してみると、それほど大きな影響はない。影響があるのは飲食や旅館業などで、原発立地地域においても、多くの産業は原発に依拠していない。よく「この地域は原発が動いていないからシャッター街になっている」という映像が流れますが、今や地方はどこもシャッター街です。そこに因果関係はないし、従って原発があれば、地域が発展することもない。自治体がそれぞれ独自に工夫をして街づくりをする。そういう地域の方が原発立地地域よりも、はるかに生き生きとして人口が増えています。
50年経っても自立できない放蕩息子が居直っている
―廃炉費用を支援する新スキームが浮上しているのは、原発再稼働を進めたい安倍政権の意向、思惑がらみなのでしょうが、そこまでして原発を推進する政権についてはどう思われますか?
安倍政権は恐らく既存の原発を最大限に使ったうえで、新設の仕組みもつくりたいのでしょう。原発輸出を進める上でも原発技術を残しておきたい。原発新設をしてもペイする仕組みを導入したい。イギリスはそういう仕組みをつくりましたから。
―イギリスは原発推進なんですか?
ただし、イギリスは「原発は高い」と認めているんです。「だけど社会的要請、国家的利益があるので維持する。補助が必要」と言ってきた。考え方は間違っていると思いますが、理屈としては立っている。一方、日本は「原発は安い」と言っておいて、新設には補助がいるというのですからまったく筋が通りません。国が取るべき政策とは公平公正であることが大事ですが、そこには論理的整合性がなければダメです。何をやるにしても、論理的整合性が担保されていないと、国民に対する説明責任を果たせない。普通の経済原則では原発というビジネスは成り立たないのです。
それでもやりたいならば国営しかない。原発ができてから50年ぐらい経っている。もう自立してしかるべき産業なのに自立できない。いつまで経っても国にオンブに抱っこです。将来性が全く見えない産業なのです。電力会社は自立できないことをいいことに逆に居直っていますね。自分で稼げなくて親に迷惑ばかりかけている放蕩息子が、50歳になっても居直り、ふん反り返っている。国民生活にとって百害あって一利なしです。
(聞き手=ジャーナリスト・横田一)
安倍政権がイギリスの原発に1兆円(税金)支援へ!ネットは「さすがに意味不明」「貧しい日本国民を救え!」の声
(健康になるためのブログ)2016/12/16
http://xn--nyqy26a13k.jp/archives/25049
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http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS14H8E_U6A211C1MM8000/
政府は英国が計画する原子力発電所の建設プロジェクトを資金支援する。英国政府から原発の建設・運営を受託した日立製作所の英子会社に国際協力銀行(JBIC)や日本政策投資銀行が投融資する。総額1兆円規模になる公算が大きい。政府は原発輸出に力を入れているが、ベトナムでの新設計画が中止になるなど逆風が絶えない。官民連携で突破口を探る。
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