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Channel: 私にとって人間的なもので無縁なものはない
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第036回ライトアップジャーナル 小出裕章先生:まず多くの方が気がつかなければいけない

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自由なラジオ Light Up! 036回
澤地久枝さんの書斎からお届けします! 焼野原に芽生えた一途でぶれない魂が照らす希望」


https://youtu.be/aBf_hNjl5LU?t=37m54s
37分54秒~第036回ライトアップジャーナル
福島県沖地震で使用済核燃料プールの冷却停止、私たちが今考えるべきこと

http://jiyunaradio.jp/personality/journal/journal-036/

木内みどり
今日も元京都大学原子炉実験所の小出裕章さんにお話を伺います。
小出さん、こんにちは。

小出裕章さん:
はい、こんにちは。みどりさん、お久しぶりでした。

木内:
お久しぶりでした。私、昨日、澤地久枝さんのお家に行きました。

小出さん:
はい、羨ましいです。

木内:
白い建物で、白い玄関でした。その真ん中に、「アベ政治を許さない」あのポスターが飾ってありました。

アベ政治を許さない

小出さん:
はい。私も行ってみたいです。

木内:
はい、それではお伺いします。地震のことです。11月22日に地震がありました。調べてみたら、5時56分に地震があったんですね。津波警報が出たのが6時2分でした。
福島第二原発の3号機の使用済み核燃料プールの冷却装置が止まった。
6時10分に自動停止したんだそうです。そして、7時47分に手動で復帰しました。ということは、6時10分から7時47分、1時間37分間止まっていたんですが、私が聞きたいのはここなんですね。
自動で止まるというのは、機械で設定してあるんだから自動で止まりますよね。

福島県沖地震 原発リスク今なお

小出さん:
そうですね。

木内:
47分に手動で復帰した。この手動は人がやったわけですよね?

小出さん:
もちろんです。

木内:
そうすると、この原子炉のこういう所は凄く危険だから、やっぱり作業員の方も避難するわけですよね?

小出さん:
場合によっては、避難をしなければいけなくなる時があるわけですね。福島第一原子力発電所の事故、2011年3月11日の時には皆さん逃げたわけだし、逃げ遅れた人はお亡くなりになった方もいらっしゃるわけですね。

木内:
そこなんですけれど、この手動で復帰させたスイッチを押した方っていうのは、もちろんいろんな状況考えて残るべきだ、作業するべきだってしたんでしょうけれども、こういう人っていつも匿名ですよね?

小出さん:
はい。使用済み燃料プールを点検してる多分作業グループっていうのがあるわけですし、緊急時には、それをどういう体制でやるかということも決まっていたはずだと思います。

木内:
ですよね。
私が突っ込みたいのはね、そこからちょっと細かいことなんですけど、こういう凄く日本全体に命が関わるような、やっぱり大事なことだと思うんですね。大事なスイッチだと思うんですよ。それを押したっていう人の個人名まで出す必要はないけれど、やっぱり日本中があなたの手元を見ているよっていうような大事な作業をしているんだっていうことを自覚してもらう為にも、いつもいつもこう名前も何も発表されないで、責任をあんまり感じずにやってるんじゃないかなって。だから、何もかも誰も責任を問わず、誰も責任を問いもしないし、とらないということの、小さいけれどこういう事なんじゃないかなって、私はずっと朝からこだわっているんですが、どうお思いになるでしょうか?

小出さん:
はい。多分そういうこともあるだろうと思います。
東京電力という巨大な会社があって、巨大で複雑な原子力発電所というものを動かしているわけですけれども、言ってみれば、キチッキチッとした組織として動かなければいけない、いわゆる軍隊のような形になってしまっていて、一人一人の人間ではない。要するに、組織なんだという風な意識が多分あるんだと思います。ですから、一人一人の人達は自分の責任ということに関して、かなり意識が低くなってしまっているんではないかなと、私は危惧しています


https://youtu.be/0AcQJE_R0iw


https://youtu.be/alv841V_IZ8

木内:
そうなんですよ。そこを私は、ほんとに突っ込んでいきたいと思うんですね。
私、反原発とか脱原発って言ってもなかなか効果が上がらない…「どうしたらいいんだろう?」っていろいろ考えた時に、この私の小さいことに突っ込んでいくっていうことをこれから続けていこうと、私は決意したんですけれど。この匿名の下に、例えば新聞記事でもそうですよね。自分の名前を出さずに記事を書くから、それに何も責任をとらない。だから、いつもいつも大きな会社の名前で仕事してる人達っていうのは自分の責任を意識しない。という事はプライドもあんまりない。それから、個人の名前において生きていない。会社の看板で生きてしまう。
だから、そこをやっぱりみんなで止めていかないと、この世の中全体が変わらないんじゃないかっていう風に思い始めたんですが。例えば、小出さんはいつでもいつでも元京都大学原子炉実験所という名前が肩書きが付いて回りますけれども、もう、でも誰も京都大学原子炉実験所なんてもう関係ないんですよ。もうただ小出裕章さんっておっしゃれば、もうそれでもうみんながそれでもう納得という、個人の名前でずっと生きてらしたから、そういう風になんか私ごときと小出さんを並べては申し訳ないんですけれども、私もずーっともうどこにも寄りかからず一人で生きてきたので、そういう孤独と辛さと挫折と恥ずかしさといろんな思いがあって、今生きてるわけなんですね。
だから、その東京電力にしても参議院議員にしてもどこ党にしても、電通にしても、その1、ひとりはその人しかない人生を生きて個人なんだということをもっと大きな会社にいる人こそ感じて欲しいと、どうしても思ってしまうですが。

小出さん:
はい、完璧に同意します。

歴史の巨大な流れと個人の責任

木内:
ありがとうございます。なんか全然質問をしてなくて申し訳ないんですけど。それで、今日の質問はですね、山本さんが作ってくれた質問があるんですけれども、私には、この使用済み核燃料プールっていうのもあんまり分かっていないんですけれども。ともかく使用済み核燃料っていうものは、使用済みになっちゃったんだけど、ゴミ箱に捨てるわけにいかなくて、使用済み核燃料プールという所で水で冷やし続けないと危険なものなんですよね?

小出さん:
そうです。 

使用済み燃料棒

木内:
この使用済み核燃料っていうのは、いつまで冷やすんですか?

小出さん:
ええっと(笑)非常に長期間にわたって冷やさないといけないのです。原子炉が運転中で、例えばその原子炉を停止するといった時にも、使用済みというか、その燃料の中には大量の放射性物質があるので、猛烈な発熱をしているわけです

残り火

そのため、福島第一原子力発電所の事故では、1号機、2号機、3号機の炉心が溶けてしまうというような大事故になったわけです。

メルトダウン

但し、運転を停止してしまいますと、そこにあった放射性物質のうち、それぞれの放射性物質の寿命によって、どんどん無くなっていってくれるのです。発熱も約1日経つと10分の1ぐらいに減ってくれますし、1年経てばそのまた10分の1ぐらいまで減ってくれるという、そのぐらいのスピードで減っていってくれるのです。

使用済み燃料発熱量

使用済み燃料プールという中には、もう燃やし終えた燃料が入れてあるわけですけれども、入れてから1年経てば、100分の1ぐらいの発熱に減ってくれているわけですし、その後も年が経てば経つだけ、また少しずつ少しずつ減っていってくれているわけです。ですから、大きなプールの底に沈めておいて、何年もそこで保管を続けるというのがこれまでやってきたことなのです。

原発にたまる使用済み核燃料

木内:
再稼働されてしまった所では稼働してるわけだから、常に使用済み核燃料っていうのは生まれ続けてるわけですよね?

小出さん:
そうです。またそういう危険なものを生んでしまっているということになっているわけです。

木内:
ということは、ほんとにどこからどういう角度から見ても聞いても、原子力発電は止めた方がいいんじゃないかって、どうしてみんな思わないのかしらと思うんですけど。

小出さん:
私もそう止めた方がいいと思いますけれども、多くの人達は今、日本というこの国は科学が進歩している国なんだから、何とかなるだろうというように皆さん聞かされてきたし、ほんとんどの方がそう思ってきたのですね。

原子力にかけた幻の夢

原子力発電所が事故を起こすなんてこともないと聞かされてきて、皆さんそう思ってきたけれども、でも、やはり事故は起きたたわけですし、使用済みの核燃料にしても、始末ができないということはもうハッキリ分かっているわけで、そんな物を生んではいけないと、まず多くの方が気がつかなければいけないんだろうと私は思います

この核のゴミどこに捨てればいいんですか?

大切なことは自分で始末できない毒物を生まないこと

木内:
ですよねえ。だって、事故前だったら、それで良かったのかもしれないんだけど、現実に起きたんですもんねえ。あれだけの事故が。それで、あれだけの人々が苦しんで、今も苦しんみ続けていて、原因も分からず、誰も責任をとらずで、ずーっとこのままで、みんな平気で過ごしちゃうっていうことは、また次の事故が起きるんじゃないかって、私はこの間の地震の時にゆらゆらゆらゆら横揺れした時に、「あっ、もう日本中のみんな起きろ!」と思いましたけど!

小出さん:
はい、私もそう思いました。
ただ、今、みどりさんおっしゃって下ったけれども、福島第一原子力発電所の事故が起きて、大変な苦難が今現在も続いているわけですけれども、その苦難を引き起こさせてしまったことに責任のある人達、誰一人として責任をとっていないし、とろうともしないし、また処罰もされないという、そういう国なのですね。ですから、彼らとしては、何をやっても自分は安全だということを事故の教訓として学んだわけで、原子力発電所は再稼働して、また金儲けをしようとしているわけです。ですから、その事を本当はもっと多くの人が気が付かなければいけないのですが、メディアもそのことを伝えない。

誰も責任を取らない原子力村

今現在、原子力緊急事態宣言という宣言が未だに続いているのですけれども、そのこと自身も、たぶん多くの日本人は知らないままだと私は思います


原子力緊急事態宣言

木内:
本当ですよねえ。私達は非常事態に生きてるんですよねえ。

小出さん:
そうです。

木内:
はい、ありがとうございます。今日の東京は凄い寒いんですけど、松本はいかがですか?

小出さん:
松本は結構寒くなってきましたけれども、私は寒いのが大好きなのでとっても快適です。

木内:
快適ですか。はい。でも、風邪をお引きにならないようにいらしてください。ありがとうございました。

小出さん:
はい、ありがとうございました。


暗黒の時代に向かう流れは 今もある
愚かな国民には愚かな政府

「悪魔を退くる力なきは、其(その)身も亦(また)悪魔なればなり。已に業(わざ)に其身悪魔にして悪魔を退けんは難し。茲(ここ)に於(おい)てか懺悔洗礼を要す」田中正造


放射能汚染の中での反原発
              1988年3月 小出裕章
より

この現実を差別と呼ばずに何と呼ぶのか

私が「放射能汚染した食糧は、原子力で恩恵を受けてきた国々の人が食ぺ、誰も食べるべきではない。非汚染物が少なくなってくれば皆で少しずつ分けて食べよう、とりあえず」と書いてきてくれた人がいた。その意見に私は賛成である。そうなって欲しいと心から願わずにはいられない。また、「毒物はできうる限り避けなけれぱならないといえなければ、原発をとめようと人々に呼びかけることなどできない」という批判もいただいた。しかし、現在日本のような飽食の国がある一方、アフリカ諸国のように深刻な飢餓で苦しんでいる国々がある。私達あるいは私達の子供達が、たまたま日本に生まれたことで私達の大多数は食ぺ物に困るほどの生活を強いられていない。しかし、アフリカ諸国に生まれた人々、子供達は、ただそれだけの理由で日常的な飢餓に直面したければならないのがいま現在の現実である。図2に世界の穀物消費実績を示す。この図から、一人当たりの穀物消費量(帯の高さ)で比ぺた場合、西側工業文明国の人々は、世界全体の半分を占める第三世界の人々に比べて、なんと約三倍もの穀物を消費していることがわかるし、消費量(帯の面積)で比ぺても、西側工業文明国ではたった五分の一にも満たない人口(帯の横幅)で世界の穀物の約三分の一蔭消費していることが分かる。この図のデータは一九七三年から一九七五年にかけてのものであり、この格差は現在ではもっと著しくなっているはずである。日本が拒否した汚染食糧が飢餓で苦しむ国の子供達の口にも入らないのだとすれば、勿諭私は汚染食料を食べたくない。
こうした比較をネルギー消費について行なうと、もっと著しい格差が浮かび上がる。図2を作成したのと同じようにして世界のエネルギー消費実績を図示すると図3となる。一人当たりの消費量でいえば、最もエネルギーを消費している国と、最もエネルギーを利用できない国とでは、なんと一〇〇〇倍もの格差があるのである。私達日本人も世界平均の二倍以上のエネルギーを消費しているし、東南アジア諸国の人々に比ぺれぱ一〇人から一〇〇人分ものエネルギーを使っているのである。世界全体では、わずか四分の一の人口がエネルギーの八〇%をも使っている。この格差を差別といわずに何と呼べばよいのか私には分からない。四人の人間がいるとすれば、その内の一人が80%ものエネルギーを使ってしまい、あとの三入で残りの二〇%を使っているのであるが、一番少ない一人はわずか一%以下のエネルギー消費しか許されていないのである。
私達はまさに無茶苦茶な差別社会に生きているのであり、日本あるいは日本人は差別する側にいるのである。それにもかかわらず、生活を向上させるためにはもっとネルギーが要るから、原発は必要だというのが大多数の日本入の意識である。その上、原発がダメだというなら別のエネルギー源を示すべきだなどという論理が、良識として通用しているような国がこの日本という国である。
一言いっておくならば、平和な日本で法に触れることなく生きているからといって、ただそのことで一人ひとりの日本人が『無罪』であるとはいえないし、日本国内で反原発を闘っているとしても、私自身を含めて、それで『無罪』であるとは、私には思えない

放射能汚染の中での反原発


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金子勝×室井佑月×大竹まこと:原発の廃炉費用・賠償費用を国民負担に

https://youtu.be/wej4gyy-nVA



東電社員が労災申請

電通強制捜査で罰金や責任者の処罰の可能性! 元東京地検・落合洋司弁護士に訊く~元博報堂社員で『電通と原発報道』著者の本間龍氏と元東電社員の一井唯史氏に岩上安身がインタビュー
(IWJ) 2016.11.1
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/344859






120㍍排気筒の倒壊高濃度放射性物質が飛び散る
福島沖で頻発する東日本大震災の”余震”で緊急警鐘!
元東電”原発指導員”が明かした「福島第一原発”爆発”危機」
(女性自身)2016年12月05日
http://jisin.jp/serial/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84/disaster/26692
大震災の余波は続いている、と感じさせた福島沖地震廃炉作業中の原発内では、複合災害によって放射性物質が再び広い範囲で拡散するリスクが日々高まっている―。

120㍍排気筒の倒壊で高濃度放射性物質が飛び散る

「先日の地震は、東日本大震災の余震です。過去の事例を見ると今後100年、余震は続くでしょう」
 そう話すのは、地震学者の島村英紀氏だ。
 11月22日に起きた、福島県沖を震源とするマグニチュード(以下M)7.4の地震。6年前の原発事故の悪夢が、再び頭をよぎった方も多いだろう。2日後の24日にはM6・1の余震が続いた。
今後、M8レベルの余震が、いつ起きてもおかしくありません。震源が浅ければ、東日本大震災を越える津波がくる可能性も否定できません」(島村氏)
 そうなると心配なのは、廃炉作業中の福島第一原発だ。元東京電力の社員であり原発で作業員の指導や放射線管理者を務めたこともある桑原豊さん(59)は、原発が再び“暴発”する危険についてこう警鐘をならす。
 「心配なのは排気筒の倒壊。中に溜まっている100兆ベクレル以上とされる放射能に汚染された粉じんが、大気中に一気に噴き出します」 
 排気筒とは、原発から出る排気を環境中に安全に放出するための設備。
 倒壊のおそれがあるのは、1号機と2号機の間にある高さ約120㍍の排気筒だ。原発事故の際、この排気筒から高濃度の放射性物質を含む蒸気を放出(ベント)したため、現在も内部は高濃度で汚染されたままなのだ。
 この排気筒を支えている骨組みの溶接部分5カ所(地上66㍍付近)が破断、さらに3カ所が変形していることが、東京電力の調査により13年に判明した。それ以来大きな地震がくれば、倒壊するリスクが懸念されてきた。
「日々、海からの潮風にさらされることでサビが増え、腐食は進んでいると思います。早急に補強工事をすべきなんですが、排気筒周辺は放射線量が高すぎて人が近づけないんです」(桑原氏)
 東電の発表によると、11年8月時点で排気筒の配管付近の地表面では、最大、毎時25シーベルトが記録されている。人間が一瞬でも浴びたら、約20分で死に至るほど高い数値だ。もし、この排気筒が倒れたらどうなるのか。
当然、所内で働いている作業員は、排気筒から出た高濃度の放射性物質が付着した粉じんを吸い込んで内部被ばくをします。さらに、その粉じんが風に乗って遠方まで飛ばされたら、人や土地、農作物が再び広範囲で汚染されるおそれもあります

東京電力は目視で確認するだけ……

 さらに深刻なのは、排気筒倒壊が原発施設内に与える影響だという。
「排気筒が倒れるときに20メートルほど先にある1号機や2号機の原子炉建屋を直撃して、破壊されてしまう可能性があるんです」
 と桑原氏は懸念を示す。
 そうなるとさらに大量の汚染粉じんが舞い上がることはもちろん、使用済み燃料プールが破壊される怖れもある。「建屋内には、それぞれ約500~600本の使用済み燃料が保管されている使用済み燃料プールがあります。プールの破損によって水がなくなると、使用済み燃料を冷やせなくなります。そうなると使用済み燃料の周りを覆っている被覆管が溶け始め、核反応が進む可能性も否定できません。大量の放射性物質が大気中に放出される危険性も出てきます」(桑原氏)
 排気筒倒壊が原発施設内に与える影響は、燃料プールだけではない。格納容器の底にたまっている(一部は格納容器を突き抜けている)核燃料が溶け落ちて固まった”デブリ”にも影響が生じる。
「デブリを冷やすために、今もずっと注水しています。また、内部に水素ガスがたまって水素爆発が起きないように、毎日、チッ素の投入も行われています。核反応を進めないために、ときどきホウ酸水も入れているんです」
 もし、建屋が崩壊したり、あるいは建屋内の施設が今以上の損傷を受けて一連の作業が長期間ストップした場合、「一部で核反応が進み、再臨界(核反応の連鎖)が起きる可能性もゼロではありません
と桑原氏は言う。
 放射性物質が大量に拡散する、最悪の事態を招きかねない排気筒の倒壊。東京電力は、どのような対策をとっているのか。広報担当者に問い合わせたところ、以下のような答えが返ってきた。
「解析モデルで耐震性を計算した結果、破断がなかった場合、東日本大震災レベルの地震動600ガル程度に対する安全性が確保されていることを確認しています。(破断がある)現状でも、同程度の地震動に耐えられることを確認しています」
 なんとも矛盾した答えだが、東電は、破損が進んでいないかを年に一回、望遠レンズを使って“目視”で確認しているという。(;゚ロ゚)
「今のところ、大きな変化はありません。(倒壊などの)影響はない。そうは言っても高い建物なので……。比較的放射線量の低い上層部分のみ、18年度から解体していく予定です」
 やはり、リスクが大きいことは認識しているのだ。
排気筒の倒壊という大惨事に至らなくても、地震によって便用済み燃料プールの冷却装置が停止すること自体が大問題なんです
 と話すのは、東芝で原子力プラントの設計をしていた後藤政志氏だ。
「福島第一原発の場合、事故から5年たっているので冷却装置が止まっても、すぐに燃料棒が高温になって損傷する可能性は少ないでしょう。ですが、それは複合災害がなかった場合の話。配管が切れたり、プールが破損して、水がなくなっていくような場合は別です。とくに、廃炉作業中の福島第一原発は複合災害が起きやすいので、最悪の事態に備えて対策を立てるべき
 余震が引き起こす津波対策にも不安が残る。束電は原発事故後、高さ15㍍の津波まで防ぐことができる仮設防潮堤を築いた。しかし右ページの図のように、設置しているのは南側だけだ。
 震災後、東電の定例会見に出席し、現地の状況をつぶさに取材しているジャーナリストの木野龍逸氏は、津波対策の甘さを次のように指摘する。
「原子力建屋や、隣接するタービン建屋の地下には、汚染水が大量にたまっています。防潮堤を乗り越えて津波がやってきた場合、建物の入口がいまだ塞がれていない3号機の建屋内に海水が押し寄せ、波が引くときに、汚染水が流出する可能性があります
 木野氏によると、3号機にはいちばん高い濃度の汚染水がたまっているという。
 流出した汚染水が乾燥したときに、高濃度の汚染物質が敷地内に残り、飛散することが懸念される。
 こうした状況を踏まえて、前出の桑原さんは最後にこう語った。
再び大きな地震・津波が起これば、どんなリスクが生じるが分からない。そんな場所に、政府は住民を戻そうとしている。これは、あってはならないことです
 災害に“想定外”は通用しないことは原発事故で学んだはず。東電や国は、そのことを肝に命じて対策をとるべきだ


福島第一原子力発電所1・2号機排気筒の


被災地に津波再び20161126

http://dai.ly/x53ohte


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