自由なラジオ Light Up! 029回
「本当のことをどこまでも書き続けたい 清武英利が語るノンフィクションの真髄 」
https://youtu.be/U4rWZg8Kl30?t=20m2s
20分02秒~第029回ライトアップジャーナル
廃炉に向けて動き出した高速増殖炉もんじゅ 〜「もんじゅと核燃サイクルの行方」について
http://jiyunaradio.jp/personality/journal/journal-029/
崩壊熱で赤熱する原子力電池用の プルトニウム238
いまにしのりゆき:
小出さん、よろしくお願いします。
小出裕章さん:
よろしくお願いします。
いまにし:
夢の原子炉と言われました高速増殖炉「もんじゅ」、廃炉に向けた調整が始まりまりました。一方で、官民をあげて高速炉開発会議というのを設置し、核燃サイクル政策について、更なる維持をしようという話も出ております。
今日は、この「もんじゅと核燃サイクルの行方」についてお伺いしたいと思うのですが。
小出さん:
はい。少し基本的なことから話をさせて頂きたいのですが、皆さん、原子力の燃料はウランという事はご存知だと思います。そして、原爆というものについて、広島と長崎に落とされたということもご存知だと思います。そして、原爆の場合には、広島に落とされた原爆は確かにウランで作られていたのですが、長崎に落とされた原爆はプルトニウムという物質で作られていました。
私、今、ウランと言いましたけれども、地球の地底に眠っているウランを掘ってきた時に、核分裂する能力を持っているウランはわずか0.7パーセントしかないのです。現在の原子力発電で使えるウランは、要するにそれだけしかないわけで、何か原子力は夢のエネルギーで、未来のエネルギー源のように言われましたけれども、核分裂する能力を持っているウランを使う限りは、簡単に枯渇してしまうのです。
その為に、原子力を推進している人達は一つの夢を描きました。ウラン全体の99.3パーセントを占めている核分裂する能力のないウラン。もともとはただのゴミになってしまうようなウランをまた燃料に使いたい。どうするかと言うと、プルトニウムという物質に変えることによって、それを原子炉の燃料に使おうと考えたわけです。
先ほど、私、長崎の原爆がプルトニウムで作られていたと聞いて頂きましたけれども、もともとプルトニウムというのは自然界には全くないのですが、役立たずのウラン、それに中性子を吸わせると、自動的にプルトニウムに変わるという、そういう物理的な性質を持っていて、米国は長崎の原爆を作り出したわけです。
そして、今聞いて頂いたように、原子力を推進している人達は、役に立たないウランをプルトニウムに変えることで原子力の燃料を生み出して、未来のエネルギー源にしようという夢を描いたのです。そして、役に立たないウランを効率的にプルトニウムに変えるという原子炉が高速増殖炉という名前の原子炉でした。
プルトニウムを燃やしながら、どんどんと役に立たないウランをプルトニウムに変えていく、燃料を増殖していくということで、高速増殖炉という名前が付けられたのです。世界中の原子力を推進してきた人達が、何とか高速増殖炉を造り出して、原子力というものが少しでも意味のあるエネルギー源にならないかと言って格闘してきたのですが、世界中が「これはダメだ」ということで、もうみんな撤退してしまったのです。
世界の高速増殖炉開発スケジュール 長期計画策定会議 参考資料より
日本だけが最後まで高速増殖炉というものにこだわって、もんじゅは全く動かない。それなのに1兆円以上のお金をかけてしまったという、まことに馬鹿げた夢を追い続けた国というのが、この日本だったのです。
いまにし:
20年以上ですね、もんじゅ稼働してからなるんですけども、本当に原子炉を動かしたのは1年にも満たない。たった200何日かということで、全くの無用の長物というような事だったわけですよねえ?
小出さん:
200何日というのも、フルパワーで動いたのではなくて、ただ原子炉が動いたというだけであって、全く意味のない原子炉になってしまいました。プルトニウムを増殖していくという目的を果たすためには、原子炉を冷却するための材料として水が使えないのです。
そのために、ナトリウムという物質を使いました。ナトリウムというのは水に触れると爆発してしまいますし、空気と触れると燃えてしまうという。
https://youtu.be/Ptz7D_jOY1I
そんなもの到底、工業的には使うことができないという程の危険な物であって、それをでも使わなければ意味がないということで、何とかやろうとしてきたわけですけれども、あまりにも危険だということで、世界中が撤退してしまったわけですし、もんじゅも1995年にナトリウム火災というものを起こして、結局、動かないということになりました。
いまにし:
はい。しかし、もんじゅはダメだったけれども、核燃サイクルはまだやりますというのが今回、国の立場なんですけれども、最後に、その辺についてはいかがお考えでしょうか?
小出さん:
原子力というのは、プルトニウムを生み出して利用するということが出来ない限りは、エネルギー源にならないのです。石油に比べても数分の1のエネルギーしか出せませんし、石炭に比べれば数十分の1のエネルギーしか出せないという、まことにバカバカしい資源だったのです。それを何とか原子力というものが良い物だと言おうとするのであれば、プルトニウムに変えて利用できるということを言い続けなければいけないのですけれども、その言い続けるために必要な物が高速増殖炉と使用済み燃料の中からプルトニウムを取り出すという再処理、それを2つを合わせて核燃料サイクルと言ってるのですけれども、「それをやるのだやるのだ」とこれからも言い続けない限りは、彼らは原子力の正当性を言えないということになってしまっているわけです。
いまにし:
なるほど。ある意味、原子力マフィア、原子力村を維持するが為の高速増殖炉であり、核燃サイクルというような見方もできるんでしょうか?
小出さん:
そうです。自分達の存在意義を失わないためには、どうしても言い続けなければならないわけです。でも、そんなもの決して出来ないわけで、これまでも1兆円も捨ててしまって何も出来なかったということなわけですから、もういい加減に嘘をつくのをやめなければいけないと私は思います。
いまにし:
分かりました。小出さん、ありがとうございました。
小出さん:
はい、ありがとうございました。
BS朝日・午後のニュースルーム 2013年5月17日
特集:原子力政策の“落とし穴”
高速増殖炉「もんじゅ」真の姿とは!?
日本が「核燃料サイクル」にこだわり続ける理由は、「使用済み核燃料=資産」という電力会社の経営問題と、「潜在的な核武装」という意味合い/田坂広志氏
http://dai.ly/xzyi3c
点検漏れ9800カ所以上! 巨額の税金が無駄に?
もんじゅが運転停止へ“夢の原子炉"の今後、核燃サイクルは極めて難しい夢の物語。
増殖するのは燃料だけでなく「核のゴミ」も推進派こそが原発の可能性をつぶす。
求められるのは原子力環境安全産業と脱原発交付金
もんじゅ核燃サイクルの落とし穴とは?
なぜ続ける?まわらない「核燃サイクル」
もんじゅ廃炉なら…高速炉撤退考える時
(東京新聞【こちら特報部】)2016年9月27日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2016092702000140.html
政府は高速増殖原型炉「もんじゅ」を廃炉にする方向性を固める一方、新たに官民の「高速炉開発会議」を設置し、核燃料サイクル政策を維持しようとしている。フランスとの共同開発などに活路を見いだそうとするが、日本側の都合だけでうまく事が運ぶのか。もんじゅの頓挫が明らかになっているのに、勝算のないまま研究開発を続けていけば、今後も無駄に国費が失われていく恐れがある。
(沢田千秋、池田悌一)
実用化ヘ見通し立たず
維持費 年200億円 基礎研究なら1桁減
「電力会社が支援できないと表明した時点で、もんじゅの継続は難しいと思っていた。高速増殖炉の研究開発を見直すなら、当然、日本の核燃料サイクルの見直しもすべきだ」
元内閣府原子力委員会委員長代理で、長崎大核兵器廃絶研究センター長(原子力工学)の鈴木達治郎氏はそう話す。
原子力規制委員会は昨年十一月、もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構に「安全に運転する資質がない」と「最後通告」を突き付け、代わりの運営主体を探すように求めた。規制委は、名称変更にすぎない組織改編も認めないとクギを刺し、電気事業連合会も「電力会社は引き受けない」と突き放した。この時点で、もんじゅの廃炉は避けられない運命となっていた。
政府は今後、フランスとの高速増殖炉の共同開発を模索する一方、使用済み核燃料を再処理し、加工したMOX(プルトニウムとウランを混ぜた混合酸化物)燃料を一般的な原発で使うプルサーマル発電を続けようとしている。
このプルサーマル発電に、鈴木氏は疑問を呈する。「MOX燃料は一回使用すると、プルトニウムの質が悪くなり、二回目はほとんど使えなくなる。プルサーマルだけで核燃料サイクルを確立するというのは理論的に破綻している」
MOX燃料の廃棄処分にこそ、目を向けるべきだという。「高速増殖炉の実用化が見えない中、使用済みMOX燃料はもう再利用できない。高速増殖炉を切り離してプルサーマルでサイクルを回すというのはあり得ない。原子力の専門家も電力業界も経産省も分かっているのに、国民をごまかしている。MOX燃料をどう捨てるか、いつかは必ず扱わなければならない」
ただし、高速増殖炉から一切、手を引くべきだという意見には、鈴木氏はくみしない。「高速増殖炉には優秀な人材が多く携わっている。維持するに値する技術やノウハウを、世界の研究で活用できる」と説く。
「もはや一国ではやっていけないが、次世代炉として有力な選択肢の一つ。この先、百年、二百年単位で原子力を扱うなら、資源効率という持続可能性を追求するため増殖炉は必要になるかもしれない。日本がいつまで原子力をやるか分からないが、新しいアイデアにつながる研究開発手続けることは、人材確保にもつながる」
また、世界では、増殖炉とは別に、プルトニウム処分用の高速炉の開発も進んでいるという。「核燃料の処分、廃棄のための新しい研究分野はいくらでもある。世界を見ても、もはや高速増殖炉という目標は優先順位としては低い。MOX燃料の地下への直接廃棄を検討しながら、使用済み核燃料処理の新しい技術開発について、基礎基盤研究の国際協力を進める道は残されている」
そうした研究は、もんじゅの年間維待貨二百億円より一桁少ない予算で十分可能だという。「直接廃棄と研究開発の両輪を並行すればよいのではないか」
仏と協力 活路開ける?
ASTRID計画 主導企業は経営難 計画遅延
「開発継続の是非議論が先決」
高速増殖炉は冷却材に液体ナトリウムを使い、中性子を減速させずに高速で利用し、MOX燃料を核分裂させる。消費する燃料よりも多く核燃料を作り出す次世代原子炉として期待されてきた。
その実用化には、高度な知見、技術が必要だ。そのため、まず、発電設備のない「実験炉」で基礎的な研究を行う。次いで、発電できる「原型炉」を稼働させる。経済性を検証する「実証炉」を安定的に運転させることができるようになれば、一般的な発電所と同様に電気を供給する「商用炉」の運転が可能になる。
日本の研究開発は一九六0年代に本格化した。原子力機構が七四年に実験炉「常陽」(茨城県)を完成させ、計七万時間の運転を実現した。第一段階はクリアしたといえるが、二OO七年に原子炉内でトラブルを起こし、現在は停止中。
続いたもんじゅは九一年に試験運転を始めたが、九五年にナトリウム漏れの火災事故を起こし、開発が滞った。一兆円以上の国費をかけたが成果はなく、第二段階の「原型炉」でつまずいたというわけだ。
年内には、もんじゅの廃炉が決まる方向だが、世耕弘成経済産業相は「高速炉開発の方針は堅持する」と明言した。官民の「高速炉開発会議」を新設して、今後も高速増殖炉開発を続けるという。見据えるのが、高速増殖実証炉「ASTRID(アストリッド)」計画のあるフランスとの共同研究だ。
アストリッドは、フランス政府と原子力大手アレバが、原子力施設が集中するマルクール地区で建設を進める。二O一九年をめどに基本設計を終え、三O年ごろに運転開始予定という。
実は既に、一四年八月、原子力機構がアストリッド計画で技術協力手することで合意している。その三カ月前、安倍晋三首相がフランスを訪問し、共同研究の推進を約束していた。
アストリッドの開発はどこまで進んだのか。原子力機構報道課の担当者は「職員をフランスに派遣するなどして、昨年までに概念設計を終えた。今年から基本設計に移り、予定通り一九年までに設計を完成させる方向だ」と話す。これまでに技術協力で使われた総額は、「手元の資料では分からない」という。
この先の技術協力は不透明だ。フランス側が求めているのは、もんじゅによる燃焼テスト。世耕氏は「常陽も再稼働していく」と発言しているが、原型炉でなく実験炉のデータで、フランス側は納得するのか。原子力機構の担当者は「フランス側がどのような条件でのテストを想定しているかにもよるが、常陽で対応できるものは協力していく」と話す。
だが、規制委が「資質」を問題視した原子力機構が技術協力を続けてよいのか。また、高速増殖炉開発の第二段階を越えられなかった日本が、第三段階に進む必要があるのか。
原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「高速増殖炉は研究を重ねても、実用レベルに達する見通しが全く立たない。もんじゅがダメだからアストリッドに軸足を移すと安易に考えるのではなく、開発継続の是非をきちんと議論することが先ではないか」と指摘する。
「アレバは赤字続きで経営危機に陥っており、アストリッド計画は当初より五年遅れている。共同研究で、日本は資金だけ引っ張り出されることになりかねない」と警告し、政策転換を求める。「高速増殖炉は原発と比べ、はるかにコントロールしにくい。福島の原発事故後、受け入れる自治体があるとは考えにくい。撤退が合理的だ」
自由なラジオ Light Up! 030回
「現場記者が見てきた『原子力ムラ』。 〜矛盾に直面する地元、そして都会の無関心〜」
https://youtu.be/o6wx0XBaZmQ?t=18m
18分00秒~第030回ライトアップジャーナル
防衛費から大学へ補助金支給するという問題について
http://jiyunaradio.jp/personality/journal/journal-030/
西谷文和:
今日は、今中哲二さんに繋がっています。今中さん、よろしくお願い致します。
今中哲二さん:
はい、こちらこそよろしく。
西谷:
今中さん、今日は『防衛費から大学へ補助金支給ってどういう事?』と題してお送りしたいと思いますが。今中さん、これ調べてみますと、防衛費5兆円超えてるじゃないですか。その内のこれ大学へ、これ軍事研究なら大盤振舞するということで、去年は2016年度は6億円だったんですけど、来年は110億円。
今中さん:
はい、それは凄いですね。
西谷:
これ凄いお金ですよねえ。これ今中さん、普段その研究費を削っておいて、戦争に関する研究なら、こんだけ大盤振舞って、これどう感じられてます?
今中さん:
とにかく防衛庁、防衛相ですか。やっぱり大学の先生なりをいろいろ取り込んでいきたいという意図があるんだと思いますよ。
西谷:
決して武器の研究だけではない。つまり、いわゆるデュアルユースですね。民生技術も使えるから両方いけるからということで、このお金を使ってくれと言ってるんですが。このセンスって、どういう風にお考えですか?
今中さん:
そういう意味ではいわゆる技術、科学技術というやつは、要するに、使い方の問題なんで、軍事か商業用民生用かという区別のないものは山ほどありますよね。
西谷:
そうですねえ。
今中さん:
ロケットでもそうですし、ロボットでもそうでしょうし、コンピューターでもそうですすし、原子力だってそんなもんですから。
西谷:
そうなんです。原発だって電気を発電する平和利用でありながら、核兵器をつくれるという。こういう事でしょ?
今中さん:
だから、やっぱりそこで問われるのは、研究者側の基本的なスタンス。特に社会との関わりをどう考えるかという事だと思いますねえ。
西谷:
ノーベル賞取られた方がおっしゃってるんですが、すぐに役立たないけれども基礎研究は大事だと。
今中さん:
そうですねえ。大隅先生なんかは、いわゆる今の大学の中では心配されてるんだと思いますよ。
西谷:
今あるすぐに役立つものばかり求めると、学問というのが細っていく可能性ありますよね?
今中さん:
と言うかね、一番最悪なのは、いわゆる大学の今の先生、研究者がいわゆる法人化になってから、任期制が導入されてるんですよね。
西谷:
任期制というのは例えば……。
今中さん:
5年とか10年。
西谷:
5年とか10年で研究しなさい。
今中さん:
それまでにちゃんと成果をあげなさいと。そうしなければ、その後、再任されるかどうかは分かりませんよ、というような。
西谷:
という事は、すぐに結果出せということになってしまうわけですか?
今中さん:
そうですね。はい。ですから、結果を出さなきゃいけないということで、自分の立場なり、自分のスタンスを考えていくというような余裕がだんだんだんだん無くなってくるんだと思いますよ。
西谷:
はい、そんな事でですね、今、デュアルユースの話が出て、原発は正にそうではないかという話がありましたけれども。
今中さん:
原発は一番最初からそうです。
西谷:
両方という。
今中さん:
はい。
西谷:
僕らから見たら誤魔化されていたという風に思うんですけども。
今中さん:
っていうか、軍事事業から始まってるわけですから。はい。
西谷:
そうか。それでね、ちょっと具体的にお聞きしたいのは、もんじゅが廃炉になったと。それで、もんじゅの使用済み燃料を再処理するRETFというのをね、私、福井県の明通寺の中嶌哲演さんという住職さんから初めてお聞きして、これリサイクル機器試験施設というらしいですけど。
今中さん:
はいはい。もんじゅの再処理の特徴は、爆弾にするのに良いプルトニウムが出てくると。
西谷:
それね、中島住職もおっしゃってたんですよ。このプルトニウムが物凄い純度が高いから、だから、このRETFで出てくる再処理された物は……。
今中さん:
そうですね、原爆向きのプルトニウムが出来ると。
西谷:
これ、正に長崎型原爆じゃないですか?
今中さん:
そうですよ。
(a)全体図 (b)一部断面の拡大
図―9 プルトニウム原爆の構造と材料
西谷:
ねえ?
今中さん:
はい。
https://youtu.be/UTdy1Yp1h5A
西谷:
これを1200億円もかけて、この施設を造ってるということは……。
今中さん:
造ってたんですけども、今はもう止まってると思います。
西谷:
今、一時休止ですか?
今中さん:
はい。
西谷:
でも、核燃料サイクルは諦めてないわけでしょ?日本は。
今中さん:
そうですねえ。ですから、もんじゅがあんなにひどい状態なのに、まだまだ息も絶え絶えですけども、なかなか無くならないというのは、やっぱり、裏にそういう核兵器なり何なりの問題があるんだと思いますよ。
西谷:
でも、これも膨大な無駄遣いですよねえ。こういう物を造ってるっていうこと自体。
今中さん:
これはね、福島の事故が起きたのはもう5年前ですかねえ。その後、原子力をどうするかといった話が出た時に、もし核燃料サイクルを止めちゃうと、いわゆる核抑止力が無くなるぞというような事は読売新聞の社説に出たりしましたから。
日本は原子力の平和利用を通じて核拡散防止条約(NPT)体制の強化に努め、核兵器の材料になり得るプルトニウムの利用が認められている。こうした現状が、外交的には、潜在的な核抑止力として機能していることも事実だ。
核抑止論!(#ノ`皿´)ノコラー!!!
西谷:
なるほど。そうですかあ。という事はですね、やはり、大学にその軍事研究なら大盤振舞するということと併せてですね、やっぱり、この国は、表立っては言いませんが、その裏の理由としては、やはり軍事大国になりたがってるっていうことでしょうか?
今中さん:
軍事大国というか、要するに、核兵器を開発する潜在的能力をずーっと蓄えておくというのが
原子力政策の裏に流れてると思います。
西谷:
なるほど。だから、やっぱりこんな事故が起きても、それはこだわっておられるということですね?今、日本の政治家の皆さんは。
今中さん:
はい。
西谷:
はい、よく分かりました。今中さん、どうもありがとうございました。
今中さん:
はい、どうも。
西谷:
以上、ライトアップジャーナルでした。
2012年6月18日
「不滅のプロジェクト ~核燃料サイクル 迷走の軌跡~」
http://dai.ly/xrpkhj
日本の原発から出た使用済み燃料は1万5千トン。行き場のないまま原発敷地内などに保管されている。
ゴミである使用済み燃料の処理方法が無いまま稼働を続ける原発は、トイレの無いマンションと揶揄(やゆ)される。この問題を一挙に解決する方策として模索されてきたのが「核燃料サイクル」だった。
その夢のサイクルが、福島原発事故をうけて原子力行政が問い直される中、根本的に見直されようとしている。将来に向け、私たちはいまどのような選択をすべきなのか。それを考える前提として核燃料サイクル60年の足取りを知っておくことは必要だ。
日本では、原発開発が始まった当初から「核燃料サイクル」が目標にされた。
使用済み燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、再び燃料として利用する「核燃料サイクル」は、資源小国のエネルギー問題と、放射性廃棄物というやっかいなゴミ問題を一石二鳥で解決してくれる夢のプロジェクトとしてスタートした。
サイクルの要となる高速増殖炉は、プルトニウムをウランと混ぜて燃やし、使用前よりも多くのプルトニウムを作り出すことができるというもの。これを確立することができれば、理論上、千年はエネルギー問題から解放されると期待されてきた。
この「核燃料サイクル」の計画からその後の経緯までの内幕を、赤裸々に記録した録音テープがある。
日本の原子力政策を中枢で担い続けてきた、政・官・財・学の中心人物が、非公式で開いていた「島村原子力政策研究会」の会合を録音したテープだ。国家プロジェクトとして始まった核燃サイクルがさまざまなう余曲折の中で迷走していった過程が語られている。
日本の核燃サイクルは「トリウム」という軍事利用できない燃料を使ったものが研究された。しかし、実現を急ぐ政界の意向から英米から既成技術を輸入することに方針転換された。
英米で開発されていたのはトリウムではなく「プルトニウム」を使った核燃サイクルだった。プルトニウムは核兵器の材料になる。
1960年代に中国やインドでの核開発に脅威を感じたアメリカは、70年代に日本の核燃サイクルに待ったをかけてきた。この圧力は日本に「焦り」と「意地」を生じさせ、冷静な開発を困難なものとしていった。
計画開始から半世紀以上が経過した今、まだ核燃サイクルは実用化されていない。そして使用済み燃料の問題は依然として解決していない。「一石二鳥」どころか「二兎(にと)を追う者、一兎(いっと)も得ず」の状態になっている今、核燃サイクルという夢を追ったプロジェクトの経緯を検証し、問題の所在を明らかにする。
20160123 UPLAN
槌田敦「沸騰水型原子炉の欠陥」
-核兵器生産可能な原子炉-
https://youtu.be/XY-WgI8jBXM
「軍学共同」反対シンポジウム【第1部】
https://youtu.be/SiikQBr8p8Y
「軍学共同」反対シンポジウム【第2部】
https://youtu.be/zsKdqCtNUj0
「軍学共同」反対シンポジウム【第3部】
https://youtu.be/OuTaXZShsXY
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第029・030回ライトアップジャーナル そんなに「核」が欲しいのか!(`・ω・´)
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