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Channel: 私にとって人間的なもので無縁なものはない
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第027・028回ライトアップジャーナル

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自由なラジオ Light Up! 027回
こんなに危ない!共謀罪


https://youtu.be/b7-gMkVHQlk?t=17m29s
17分29秒~第027回ライトアップジャーナル
なぜ今、甲状腺検査見直し?

http://jiyunaradio.jp/personality/journal/journal-027/
忘れるものか、この現実を。
矢野宏:
福島第一原発事故の健康への影響を調べるため、福島県の全ての子供達を対象にしている甲状腺検査について、福島県の小児科医の先生達が組織する小児科医会が、検査の対象の規模を縮小する等の見直しを、県に要望しました
このままだったら県民に不安が広がるというのが、その理由なんですけれども、果たして、この時期になぜこの甲状腺検査を縮小するのか?今日は今中哲二さんと電話が繋がっています。今中さん、今日もよろしくお願い致します。

今中さん:
はい、こちらこそよろしく。

矢野:
福島県は、事故が起きた2011年度から事故当時18歳以下だった子供達を対象に、甲状腺検査を実施してきました。30万人以上が受診し、今年3月末の時点で172人が甲状腺がんか、或いは、がんの疑いがあると診断されました。このような状況の中で、甲状腺検査の縮小の狙いは何なんでしょうか?先生、どう思われますか?

今中さん:
私にもよく分からないんですけども、皆さん、いろんな先生方の意見を聞いてみると、甲状腺がんがたくさん見つかっていることは確かです

矢野:
はい、そうですね。

今中さん:
それが、何が原因かということで、いろんなまた意見が出て議論されているわけなんですけれども。その中で、不安をあおるから縮小するというのは、なんか話が反対なような気がしますね

矢野:
そうですよね。これだけの数が出ているんだから、きちんとやっぱり検査すべきですよね。

今中さん:
これから、もっときちんと検査しなければいけないというのは、基本的にとるべき態度だと思いますよ

矢野:
今中さんは事故当時からおっしゃってましたが、福島県の子供達だけではなくて、被爆しているのは福島県だけじゃないんだということで、日本全国の子供達を調べろとおっしゃってますよね。

今中さん:
結局ですね、たくさん見つかっていることは確かです。その原因が何かというのをきちんと明らかにしようと思ったら、他の地域と比較することが必要だと。それとあと1つですね、チェルノブイリの場合、私、ですから20年前にずっと眺めてて、チェルノブイリ事故の後に生まれた子供からは甲状腺がんがほとんど出てない

矢野:
事故の後ですね。

今中さん:
そういうのはありました。そのデータを私、事故から10年後ぐらいに見て、「やっぱり、もう事故が原因である」と。ヨウ素被爆が原因であるというのを確信した覚えがありますねえ。

矢野:
なるほど。チェルノブイリ事故の場合は、事故から5年後から甲状腺がんが増えた。

今中さん:
たくさん観察され始めたのは、4年後ぐらい。

ベラルーシでの甲状腺がん発症率の1997年以降の推移
ベラルーシでの甲状腺がん発症率の1997年以降の推移

矢野:
4年後ぐらい。

今中さん:
岡山の津田先生あたりは、「2年後ぐらいから増えてるよ」と言ってますけども。

矢野:
福島の場合は、その事故直後から、そういう子供達の甲状腺がんが見つかったり、がんの疑いがあるという風に診断された子供が増えてきた。

今中さん:
そうですね。1年後に、最初の1件目が見つかったんですかね。

矢野:
そうでしたね。

今中さん:
それから、どんどんどんどん増えてきましたから。

矢野:
だから、そこをポイントにして、「これは福島第一原発事故の影響ではない」という声も、一方で聞こえるわけなんですけど。果たして、そんなことあり得るのかなと思うんですが。

今中さん:
それは、熱心に検診をすれば、これまで見つからなかったがんが見つかるという、いわゆるスクリーニング効果ということで、そういうことも、もちろん考えられると思いますよ。
だけども、福島原発事故というものがあって、その周りに甲状腺がんが増えてる、たくさん見つかっているということですから、「これは事故が関係しているぞという観点からきちんと調べなきゃいけない」というのが私の意見ですけども。

全国47都道府県の放射性ヨウ素月間降下物


矢野:
そうですよね。この甲状腺癌というよりは、そんなに軽視していいものなのでしょうか?そんな軽いがんなんでしょうか?

今中さん:
私、お医者さんじゃないので詳しい事はわかりませんけども、読んだ限りでは、そんな進行は早くないと言うんで、いわゆる死亡するリスクですか、致死率も少ないんで、そんなに慌てて手術するとか、そういうことも必要ないというような事は、一般的には言われてるようですね。

矢野:
なるほど。ただ、子供達に多く出ることで、その子供達っていうのは進行が早いということがありますよね。そういったとこがちょっと不安なんですけど。

今中さん:
子供さんはやっぱり大人に比べて、先々将来が長いというんで。子供達に甲状腺がんの手術をするというのは、いわゆる「過剰診断」だという言い方をされていますね。

矢野:
はい。しかし、その過剰診断だということで、選択制になれば、隠されていることが、また隠されてしまうんじゃないかという風に、私は思ってしまうんですけども。

今中さん:
もしもですね、ここで甲状腺の検査を縮小されるようになりますと、ますます私、福島の人々の不安が大きくなるんじゃないかという気がしますね。

矢野:
そうですよね。本当に当事者にとってみて、やはりそれは本当に大きな不安なんですから。それをきちんと県なり国なりがやはり責任を持ってきちんと検査するべきですよね。

今中さん:
もちろん私、福島の方に直接お聞きしたわけじゃありませんけども、ある意味ね、子供も大人も含めて、みんな病気になるわけですよね。なんらかの形で。そして、その病気が一体何が原因かと言った時に、今の状況で、例えば福島の子供さんが、甲状腺がんや白血病やなんなりになった時に、皆さん、これは原発事故のせいではないかと、きっと思われると思うんですよね。そういう時に、きちんと説明する資料としては、福島だけでなく日本全体の子供達の健康状態のデータというのをきちんととっておく必要がある

矢野:
この甲状腺検査の縮小というのは、その逆行ですよね。まさに。

今中さん:
そうですね、私には、そういう気がします。

矢野:
親にとっては、本当に子供が大丈夫なのかどうかというのは本当に大きな不安を抱えてのことですから。やはり、これはきちんと検査してもらいたいものですよね。

今中さん:
そうですよね。はい。

矢野:
甲状腺がんだけではなくて、今後ですね、白血病とかそういった更なる大きながんと言いますか、因果関係というのは出てくるんでしょうか?

今中さん:
もちろん、そういう問題もありますから、私、事故の後からずっと言ってるんですけども、甲状腺の調査にしろ福島県が中心になってやってますよね。

矢野:
はい。そうですね。

今中さん:
いつも言ってるように、これ変なんですよ。なんか国が県に丸投げしているような形になってまして。そうじゃなくて、国が中心になって、もっと福島県だけでなく、もっと周りも含めて、そして、日本全体を見渡せるような調査をする必要があるんだと思います

矢野:
なるほど、分かりました。国が県に丸投げするんではなくって、国が中心になって、今後も検査すべきだということですね。

今中さん:
はい。

矢野:
先生、本当にありがとうございました。

今中さん:
はい、どういたしまして。



「甲状腺検査必要ない」の仰天!
福島母たち 届けられた
県通達への憤怨

子供たちの甲状腺がん発生率が通常の約200倍になるのに、県は病気の実態を隠ぺいしようと「検査縮小」へと動き始めていた―
(女性自身)

原発事故後、福島県が行ってきた甲状腺検査。最近、それを縮小しようという動きがある。チェルノブイリでは事故5年目から患者が急増したのだが……。

県から届いた「甲状腺検査必要ない」の仰天通達_1

娘は3年前に、県の検査を受けて甲状腺がんと診断されました。検査や治療をしている福島県立医大が混んでいて、再検査に半年待たされているうちに、リンパ節に転移してしまったんです。もう少し早く検査・手術ができていれば、再発や転移のリスクも減らせたはず。それなのに、検査を縮小するなんてありえない」(50代女性・郡山市在住)
 福島県内で、甲状腺がんと診断された患者や母親が、こんな怒りの声を上げている。なぜなら、福島県で原発事故後に実施されている、子供の甲状腺検査を縮小しようとする動きがあるからだ。
 福島県では、原発事故後、放射線の健康影響を調べるため、「福島県民健康調査」が実施されている。事故当時18歳以下だった約38万人に対して行われている甲状腺検査も、この一環。福島県が甲状腺検査を行っているのは、`86年のチェルノブイリ原発事故のあと、ロシアなどで子供の甲状腺がんが急増したから。国際機関も、被ばくの影響で増えたと認めているがんだ。
 子供の甲状腺がんは、通常100万人に2~3人の割合で発生する病気。福島県でも事故後2巡目の検査までに、174人の子供の甲状腺がん(悪性含む)が見つかり135人が手術を受けた。1巡目の数字で比較すると、通常の約200倍の発生率ににもなる
 にもかかわらず、福島県の小児科医会は「いっせいに検査することで、放置しておいても健康や命に影響のない、潜在がん々を見つけているにすぎない。甲状腺検査をすることで、子供に負担をかける」などとして、甲状腺検査の規模を縮小するよう、8月に福島県へ要望書を提出した。

 このような動きを踏まえて、本誌はネット上でアンケートを実施(内容は次ページコラム参照)。

県から届いた「甲状腺検査必要ない」の仰天通達_2

事故当時、福島県に住んでいた18歳以下の子を持つ親の約95㌫(回答数186人)が、甲状腺検査を縮小することに「反対」と解答した。
 甲状腺がんと診断された患者や家族でつくる「311甲状腺がん家族の会」や、国内外の120を超える市民団体らも、検査を縮小せず、むしろ拡大してほしいという要望書を9月はじめに福島県へ提出。
 こうした経緯から、福島市で9月14日に開かれた、「県民健康調査」の在り方を議論し、検査結果を評価する「県民健康調査検討委員会」(以下、検討委員会)が注目された。
 そこでは、甲状腺検査縮小の動きについても議論がなされた。出席していた多数の委員から、「チェルノブイリで甲状腺がんが増えたのは、事故後5年目以降。福島でも、甲状腺がんが増えているのだから、被ばくの影響も排除せず、今後も検査を続けていくべき」といった意見が出た。
 しかし、座長の星北斗氏(福島県医師会副会長)は、「甲状腺検査をこれまでも縮小すると言ったつもりはない」と弁明しながらも、「検査を拡大してほしいとか、逆に辞めてしまえとか、いろんな意見があるのも事実。検査の結果を評価しながら、検査の在り方については、議論していく必要がある」と、煮え切らない結論を述べるにとどまった。傍聴していた福島県伊達市内に住む母親は、不信感をあらわにしてこう語る。
「今回は、反対の声が多くあがったので、検査縮小の議論を強行できなくなったのでは。注意しないと、また縮小の話しが持ち上がるかも」
実際、検査縮小の準備は、福島県自体が着々と進めていたことがわかっている
「これ、見てください。これを読んだら、検査なんて受けなくていいと思いますよね」
 いわき市から東京都に母子で避難中の今井美幸さん(仮名・40歳)は、そう言って、福島県から検査対象者に送られてきた「甲状腺検査のお知らせ」という書類を見せてくれた。そこには、現在行われている3巡目の検査について、こんな文言が書かれていた。
甲状腺の特性上、治療の必要のない変化も数多く認めることになり、ご心配をおかけすることもあります。そのため、甲状腺の超音波検査による検診は、一般的には行われてきませんでした。(後略)」
 まるで、検査を受けないほうがいいかのような書き方だ。しかし、記者が15年までに行われていた2巡目の検査対象者に送られた「甲状腺検査のお知らせ」を入手したところ、3巡目になかった文言が。
検査1回目の受診の有無や検査結果にかかわらず、受診することをおすすめします」  
 福島県は2巡目の検査まではこう記し、甲状腺検査を受診することを推奨していた。さらに注目すべきなのは、3巡目の検査から検査の同意書に「同意しません」という欄が新設されていたことだ。ここにチェックを入れると、追加で検査案内があったとしても、もう送られてくることはないという。だが事実上の“検査縮小”だと思わせる動きはこれだけではない。

自覚症状が出てからだと”遅い”可能性も

「甲状腺検査のお知らせ」とは別に、県から送られてくるA4版4ページの「甲状腺通信」という冊子がある。
 16年8月発行の1ページ目にあるQ&Aの項目には、「甲状腺検査は必ず受診しなければならないのでしょうか?」との問いが……。その答えには、「小さな甲状腺がんは、治療をしなくても多くは生命に影響しない。個別には、どれが進行する甲状腺がんなのかを十分に識別することは困難です」などと、あたかも、甲状腺検査は必要ないと誘導するかのような文章が並んでいる。
検査に“不同意”だった子に、あとからがんが見つかって、万が一病状が悪化していたら、誰が責任をとってくれるのでしょうか
 と前出の今井さんは憤る。
 記者の取材に対して福島県は、「県としては甲状腺検査を縮小するつもりはありません。多くの方に受けていただきたいと思っています」(保健福祉部県民健康調査課・課長/小林弘幸氏)と返答した。
 しかし、14日の検討委員会後の会見で、「甲状腺検査のお知らせ」から、受診を勧める文言が削除されたのはなぜかと尋ねられても担当課長は口ごもるばかりだった。

県から届いた「甲状腺検査必要ない」の仰天通達_3

 県の検査に詳しい医療ジャーナリストの藍原寛子さんはこう危機感をあらわにする。
「検査に“同意しない”子が増えると、学校の検査で、受けたい子が受けづらい空気になる。検査を縮小する口実にされてしまう恐れがある」
 じつは、前出の検討委員会の座長である星氏も8月の地元紙の取材に「検査することで具体的に“デメリット”を被った人もいるので、甲状腺検査の対象者を縮小することも視野に入れ、検査体勢を再検討する」と語り波紋を呼んでいた。記者は、星氏を直撃し、縮小の論拠のひとつになっている、検査を受けるデメリットについて聞いた。
“デメリット”ですか? 数年ごとに検査を受けなくちゃいけないし、再検査になれば細胞診も受けなくちゃいけない。がんの疑いありと診断されたら、手術で傷が残ったり薬を飲み続けなくちゃいけなくなったりすることも
 しかし、早期発見をして治療することは、検診の“メリット”でもあるはずだが――。
「被ばくによるがんを見つけてもらった子供にとってはメリットですが、手術の必要がない“潜在がん”の子供にとっては、寝た子を起こされたようなもの。手術した中に一定数は、“潜在がん”が含まれていることはたしか。なかには『切らなくていいものを切った』と思われる方がいるかもしれません」(星氏)
 検査を縮小したい側に配慮をして“潜在がんがある”と言いたいのかもしれないが、実際に切らなくてもいいがんを切っているとしたら、恐ろしい話だ。「311甲状腺がん家族の会」の代表世話人・武本泰氏は、星氏の意見についてこう語る。
そうだとしたら確かに、医療訴訟に発展しかねない大問題。さらに潜在がんかもしれないから、検査を受けなくていいというのは患者の“知る権利”の侵害でしょう
 検査をしたうえで、“潜在がん”の可能性が高い場合は、経過観察すればいいと思うのだが、それについて前出の星氏はこう反論する。
「子供の甲状腺がんは前例が少ないので、潜在がんか被ばくによるがんかを見分けることは不可能。そもそも、被ばくとの因果関係を裏付けるには、患者の初期の放射性ヨウ素による内部被ばく量を知る必要がありますが、肝心なそれがわかっていないのです」
 星氏の意見に対し、福島県の甲状腺検査のアドバイザーでもある甲状腺の専門医で、兵庫県にある隈病院院長の宮内昭氏の意見はこうだ。
検査することで一定数、潜在がんが見つかることは確かです。それでも、福島県立医大で手術した症例を見るかぎりでは、腫瘍が1センチ超えていたりと、手術は妥当。経過観察していいとは言えない
 さらに検査を縮小すべきではない理由をこう付け加えた。
「見つかったがんに対してどう治療するかは、今後の課題ですが、検査は縮小せずに今まで通り行うべき。そうでなければ調査としても成り立たなくなり、今までの検査がムダになります」
 また、甲状腺がんの患者を支援する「3・11 甲状腺がん子ども基金」の顧問を務める内科医の牛山元美氏は早期発見・早期治療が望ましいと指摘する。
子供の甲状腺がんは、進行が早く転移もしやすいと言われていますが、他のがんと比べて予後はいい。それでも自覚症状が出てからだと甲状腺を全摘出することになったり、声帯の動きを調節する反回神経がマヒするなどの後遺症が出る可能性もあります
 と、早期発見・早期治療が望ましいと指摘した。ある女性は検査の必要性について、本誌アンケートにこう書いた。
 「甲状腺がんは予後がいいといわれているからか、治療しなくても大丈夫と信じて再検査の通知を受けても受診しない知人がいます。しかし、思ったより進行が速いと言いますから、検査が縮小されたら不安です」
 子供の甲状腺検査を含む「県民健康調査」は、「県民の健康を長期的に見守る」という名目で始まっている。わずか6年目にして規模縮小の議論が出る背景について前出の藍原さんはこう語る。
「国が、低線量被ばくの影響を隠蔽し、今も続いている広島・長崎の原爆訴訟や、今後、起こるかもしれない福島の健康被害の賠償などを認めたくないからでは」
 これ以上、子供の命が切り捨てられることがあってはならない


取材・文/和田秀子



自由なラジオ Light Up! 028回
「 シベリア、ヒロシマ、そしてこれから……。 戦争を静かに描き続けた父・四國五郎のぶれない思い 」


https://youtu.be/nf7bctu7w_A?t=17m16s
17分16秒~第028回ライトアップジャーナル
福島第一原発の労働者の白血病による労災認定について

http://jiyunaradio.jp/personality/journal/journal-028/
原発の中で 働いている人たち
いまにしのりゆき:
今日のライトアップジャーナルは、元京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんがお住まいになられております長野県の松本市役所におじゃまをして直接お話をお伺いしたいと思います。小出さん、よろしくお願いします。

小出さん:
はい、よろしくお願いします。どうも松本までおいで下さってありがとうございました。

いまにし:
いえいえ、僕、松本について第一印象、凄く大阪と比べて涼しいなあと思うんですが。先生、実際、松本に暮らし始めて1年ちょいぐらいですか。いかがでしょうか?

小出さん:
はい。この町は、大変快適な町です。町がコンパクトに出来ていますし、生活する為には、本当に必要なものが全て手近で揃うという町で、松本市民の9割が、「この町はいい町だ」と言うというぐらいなのですが、それがすぐに納得できると思いますし、この町に来てよかったと思っています。

いまにし:
分かりました。それでですね、8月19日に厚生労働省は、東京電力福島第一原発の事故の収束作業にあたっている50歳代の男性の作業員の方が発症しました白血病についてですね。要するに、原発の収束作業の業務が原因だということで、労災認定をしました
福島第一原発の収束作業の被爆による労災認定は、今回が2例目ということですが、小出さん、このニュースを聞かれまして、どのようなご感想をお持ちでしょうか?

小出さん:
少な過ぎると思います。おそらく、もっともっとたくさんの人々が収束作業に従事しながら様々な病気になっているはずですし、もちろん白血病ということでも、もっと症例は多いのではないかと思いますし、その他様々な病気で亡くなられている方いらっしゃるはずだと思います。ただし、それを労災として認定しない。被爆による労災として認定しないという、そういう制度が出来てしまっている。そのことを悪例と言うんでしょうか。残念ながら、まだ2人しか認められないということだと思います。

いまにし:
この男性作業員の方はですね、事故のあった2011年4月から白血病という診断を受けられた2015年1月までの間、3年9ヶ月間というかなり長期にわたって、原発の中で機械の修理作業等に従事をされていたということなんですが、積算の被爆線量は54.4ミリシーベルトとなっています。54.4ミリシーベルトと言うと、この被爆量どのように見ればよろしいでしょうか?

小出さん:
例えば、一般の人というのは、1年間に1ミリシーベルト以上被爆してはいけないというのが日本の法律ですから、その一般の人とすれば、もう50年分以上という被爆をこの間に彼はしてしまったということになるわけです。
ICRPによる公衆線量限度の変遷(1)
放射線による生涯の「がん死リスクの評価」の変遷
放射線障害に関する歴史上の出来事
吸収線量・等価線量・実効線量
ICRPによる公衆線量限度の変遷(2)
そして、一般の人でない放射線業務従事者と呼ばれている被爆労働に従事する労働者の場合は、1年間に20ミリシーベルトです。
3年9ヶ月この方働いていたわけですから、マックスで言えば70ミリシーベルトぐらいまでは
まあ被爆してもいいというような事になっているわけですが、それでも54.4ですから、かなり限度のぎりぎりまで被爆をさせられながら働いてこられたんだと思います。

いまにし:
そうですね。当然個人差があるわけで、仮に3年間でその70ミリとかで被爆をしても大丈夫な方もいらっしゃれば、やはりそうでない方もいらっしゃるということで。上限ぎりぎりまで大丈夫なんだという見方というか、部分というのは、必ずしも100パーセント安全保障するものではないということですね。

小出さん:
もちろんです。そのまま1年間に20ミリシーベルトという限度があるわけですけれども、その限度はどうやって決められているかと言うと、他の仕事でも労災で死ぬ方がいるじゃないか。
被爆作業でも被爆によって死ぬのは、むしろ労災として当たり前だと。1年間に20ミリシーベルトまでは我慢させると言って決められているわけです。それに、ほとんど限度近くに被爆しているわけで、そういう方がいわゆる労災として病気になるということは、むしろ初めから予定されているという、そういう形の死に値しているわけです。

いまにし:
なるほど。福島第一原発の収束事故ですね、こういう形で労災認定されるされないに関わらず、いろんなケースでお亡くなりになられたり、大怪我をされたりしている方々がいらっしゃるわけなんですが、こう見ていると、なんか最後いつも辛い思いをされるのは、一番最前線の現場で頑張って頂いてる作業員の方、労働者の方かなあと思えてなりません。
一方、東京電力なんかは、全く誰もろくすっぽ責任を取らないまま、この暑い夏涼しい所で仕事をしているというような、こういう何と言うか、不合理な状況というのはいかがお感じでしょうか?

元作業員が語る高線量の過酷

小出さん:
今、自民党という政党が政権を取っていて、安部さんという人がトップにいるわけです。彼は経済最優先と言って、労働者の雇用がどんどん良くなってると言うわけですけれども。実際には全然そうではないと、私は思うわけです。
正規雇用の労働者はむしろ減っていて、非正規の労働者はどんどん増えていると。福島の場合も、それが正に縮図のように現れている。
実際の現場で被爆労働に従事するのは、非正規の労働者ばっかりになってしまっている。
仮に、東京電力の労働者が被爆労働に従事して、被爆限度に達したとしても首を切られるとはないわけですね。むしろ、被爆労働から外れて、別の労働に従事しながら給料をちゃんともらえるわけですけれども。
現在、福島原子力発電所で被爆をしながら作業をしている人達は、被爆限度に達してしまうと即首を切られてしまうという、そういう労働者が今戦っているわけです
。そういう場合には、そういう労働者を雇用している雇用主の方も、労働者を失ってしまうことは困るので、自分の被爆している量をごまかせと、労働者にむしろごまかし方まで手取り足取り教えながらごまかさせるわけですし、私は悲しい事は、労働者の方がむしろ自分の被爆量を小さく見せなければ首を切られて仕事がなくなってしまうという、そういう立場に追い込まれているわけで、誠に嫌な現場だと思います


電力会社社員と下請け労働者の被曝数の推移

原発労働 定期検査などの下請け構造

いまにし:
はい、分かりました。ありがとうございました。今日のライトアップジャーナルは、長野県松本市から小出裕章さんと共にお送りしました。


台湾の原発労働者の遺体を六年後に掘り起こすも、肺とその周辺が全く腐敗していなかったという恐ろしい写真


隠された被曝労働 - 日本の原発労働者 物語

https://youtu.be/mJTuWVDjarg
1995年 イギリス Channel4
「被差別部落民に対して原発への仕事を斡旋していた」


下請け・日雇いが支える原発の実態

https://youtu.be/wuvwO1RlIVo
福島第一原発では、労働者が多量の放射線を浴びながら事故処理に当たっています。しかし事故が起きなくても労働者は日ごろの定期点検で放射線にされされています。原子力を利用する上で避けて通れない、労働者の被ばくについて考えます。


【消えた作業員】NHK・追跡!AtoZ「福島第一原発 作業員に何が?」
使い捨ての構造でないと、今のところ成り立たっていかない

http://dai.ly/xkj5tt


20111217
報道特集「暴力とピンハネ…原発作業現場で起きていたこと」

https://youtu.be/DBJaBskMvD8
下請けが四次、五次、六次と延々と広がる原発労働の巨大な構造。
グーグル検索語に日本語として初めてランクインした東京電力は、「元請け会社がどんな下請け会社に発注するかは自主的な判断に任せている。
当社として個別の雇用関係などについては分かりかねる」中には派遣業として認可されず登録すらしていない会社もある。
「二重派遣は違法」だと問い詰められても、「皆やっていること」と笑い飛ばす業者。
ピンハネが横行し、暴力沙汰すら起きていても、東京電力は公式見解をただ繰り返せば、それで無関係だと高をくくって知らん顔だ。


NHK・ETV特集
「ルポ 原発作業員 ~福島原発事故・2年目の夏~」
故郷を放射能に汚染されてなお、原発での仕事を生活の糧にせざるを得ない作業員たちの日々

ルポ 原発作業員 福島原発事故・2年目の夏
http://bww.jp/r/2012/08/20/%E5%8E%9F%E7%99%BA%E4%BD%9C%E6%A5%AD%E5%93%A1%EF%BD%9E%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E5%8E%9F%E7%99%BA%E4%BA%8B%E6%95%85%E3%83%BB%EF%BC%92%E5%B9%B4%E7%9B%AE%E3%81%AE%E5%A4%8F%EF%BD%9E/
福島第一原発では、事故から一年たった今も毎日3000人の作業員が事故収束作業にあたっている。その6割が地元福島の人だ。故郷を放射能に汚染されてなお、原発での仕事を生活の糧にせざるを得ない。作業員たちはどのような状況に置かれ、どのような思いを抱えているのか。福島県東部の浜通りにある2つの下請け企業の協力を得て、その日々を見つめた。
大手プラントメーカーの下請けとして事故前から原発の仕事を続けてきた「東北イノベーター」。毎日12人の従業員が第一原発の仕事に向かう。事故前から20年以上、福島第一原発を中心に定期検査やメンテナンスの仕事を続けてきた。
事故後、第一原発の現場では、毎時数ミリシーベルトを超える高線量の場所が数多くあり、毎日の被ばく量も「0.3」「1.8」と“ミリシーベルト単位”だ。そうした高い被ばくを伴う現場に夫を送り出す家族は不安な日々を送っている。
原発事故後、現場には大量の作業員が必要となり、これまで原発の仕事とは関わりの無かった人たちも原発での仕事を始めている。川内村の「渡辺重建」では、震災で仕事を失った若者たちに声をかけ、去年(2011年)7月から第一原発での仕事を始めた。みな事故前は、バスの運転手やアパレル工場、ゴルフ場など、原発とは関係の無い現場で仕事をしてきた人たちだ。一年間で、40ミリシーベルト近くの被ばくをしており、法令の限度内とはいえ、健康への不安を感じている。
こうした下請け作業員の不安に地元福島で40年以上向き合ってきた石丸小四郎さん。被ばくによる労災 支援などを行ってきた石丸さんのもとには、今、作業員たちから現場の実態が寄せられている。その聞き取り調査から、原発での労働実態やその問題点も明らかになってきている。


20161016 UPLAN【前半】
小出裕章「生命と被曝」
(樋口健二さんと小出裕章さんのコラボトーク)


https://youtu.be/x-YMzaewvSQ

20161016 UPLAN【後半】
樋口健二さんと小出裕章さんのコラボトーク

https://youtu.be/mn9jXkjL1QI


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