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第16~18回Light Upジャーナル

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自由なラジオ Light Up! 016回
「これからどうなる日本経済」


https://youtu.be/_8HWreCP9u8?t=18m18s
18分18秒~第016回Light Upジャーナル
トラブル続き棟土壁の汚染水対策の効果について

http://jiyunaradio.jp/personality/journal/journal-016/
棟土壁モックアップ試験
西谷文和
今中さん、今日はですね「トラブル続き棟土壁の汚染水対策の効果について」と題してお話を伺いたいのですが、まず、ちょっとお聞きしたいのはですね、何故ここまで地下水が、この福島第一に流入するのかという根本的な原因についてお伺いしたいのですが。

今中哲二さん:
私も最初よく知らなかったから、地下水が沢山出るんで驚いたんですけども、もともとあそこの地形というのは、崖のような高台になってるとこを削って造ったんですよね。

着工前の福島原子力発電所用地全景

西谷:
そうですよね、地形に問題がある。はい。

1967年4月1F1号機起工式の敷地の様子
1967年4月福島第一原発1号機起工式の敷地の様子

今中さん:
もともとさら地に近いような所を掘っちゃったんで、周りから水が流れてくるような所を掘って原発を据えたということらしいです。建設当初から、ですから地下水問題は大変だったということを後から調べたら出てきました。

西谷:
なるほど。造ってる時から、もう地下水が溢れるような土地だったと?

今中さん:
そうですね。事故の前からでも、その原発には地下水が沢山入ってくるということが問題だったんだと思いますよ。

西谷:
これ、吉井英勝(よしいひでかつ)さんという元衆議院議員の方から聞いたんですけど、結局、高台にあった。それを削って、東電の福一だけ低くした。
それは何故なんかと言うと、その海水で原子炉を冷やさなあかんから。

※福島原子力発電所土木工事の概要
(1)http://cryptome.org/0004/daiichi-build-01.pdf
(2)http://cryptome.org/0004/daiichi-build-02.pdf

1F1号機建設工事。タービン建屋から東は埋立か?
福島第一原発1号機建設工事。タービン建屋から東は埋立か?

赤枠内が1F1号機原子炉建屋
赤枠内が1号機原子炉建屋・タービン建屋施工基面 青線が元の海岸線

今中さん:
冷却水として海水を使うのに、高い所だったら電気たくさん食っちゃうから。

西谷:
ポンプアップ代が?

今中さん:
はい。

西谷:
これメチャメチャせこい理由でですね、私なんか。

今中さん:
はい。

西谷:
それでケチった為に低い所に持って来て津波にあったわけでしょ?

今中さん:
はい。それは女川原発ありますよね?

西谷:
女川、はい。

今中さん:
女川原発は福島よりも、この前の地震の震源に近かったんですけども、あそこ女川は出来るだけ高くしようということで、津波の被害をなんとかかろうじて免れたという事情はあります

西谷:
そうだったんですか。30メートル、40メートルある高台の上に建てておけば、津波は10メートルちょっとですから、この事故はなかったということになりますよね?

今中さん:
そうですね。と同時に、津波に対する警戒をちゃんと考えてれば、容易に防げることが出来た事故だったという風に私は思ってます

西谷:
非常用電源も地下に置いてましたもんね。

今中さん:
はい。

西谷:
だからもうミス続きだと思うんですけど、本当にミス続きの東京電力なんですが、この事故の最初の時点で、これ地下水が溢れることは分かっていたわけですから、例えば鉄板で仕切るとかですね。それは、何故しなかったんでしょうか?

今中さん:
はい、私、東電のこの間の5年間のやってる事を見ると、常に楽観的。楽観的な対応をしてるんですよね。これで何とかなるだろう、何とかなるだろうと

西谷:
何ともなりませんよね。

今中さん:
何とかならないと言うんで。それでね、私自身、原子力学をやった人間ですけども、原子力工学のスピリットというのは常に最悪の事態を考えて対応すると。なんかそのスピリットを全く感じなかったですねえ。

東京電力 松本純一・原子力立地本部長代理

西谷:
これ危機管理の鉄則ですよねえ。常に最悪のことを考えて予防、予防していくっていうのはねえ。

今中さん:
ええ。これで何とかなるだろう、何とかなるだろうって言うんで裏切られた結果が積み重なって、まさに棟土壁もその最たる物ですよねえ。

西谷:
でも、その何とかなるだろうで、福島の人はどれだけ不幸に陥ったかということですよねえ。それでですね、先生ね、当初はこの2015年度中だったんですけど、今年の3月末にやっと始まって、始まったら2カ月後に凍っていないという、この凍土壁。これ散々な問題ですよねえ。

凍土「壁というよりすだれ」

今中さん:
ええ、そんなもん最初から分かってる話だと思うんですけども。

西谷:
やっぱり分かってたんですか?凍らないというのは分かってたんでしょうか?

今中さん:
だから、2年前ぐらいですかねえ。これさえやればちゃんと凍りますと言ってたわけですけれども、それを事実と考えて、キチンと分析すれば、「ああ、ここには配管があるし、ここには溝があるし、これもひょっとして上手くいかないんではないか」という事を考えながらやってもらわなきゃ。

西谷:
国の税金345億円が投じられたということなんですねえ。そして、これから凍らせる電気代とかランニングコストが年間十数億円

今中さん:
そうですね。超えるとか言ってましたね。

西谷:
これうがった考え方なんですが、こうやって年間のランニングコストとか工事費が高くなると、造ってるゼネコンは儲かりますよね?

今中さん:
そうですね。なんか除染でも似たような話がありますけども。はい。

除染利権の独占を許すな!

西谷:
例えばですよ、これ小出先生もおっしゃってたんですが、「もう水で冷やすのを止めたらどうか」って、こういう意見があるんですがどうなんでしょう?

今中さん:
これね、東電なり廃炉の側で、もしそれが可能だったら是非やりたいと思ってると思います。ただ冷やすのを止めたら、今度は温度が上がりますから、まだ発熱してますんで。

西谷:
ああそうか、まだ崩壊熱を出してるということですよね?

今中さん:
そうです。100キロワット~200キロワットぐらいの間ありますんで。デブリ、いわゆる溶けた塊がどういう風な状態になってるか。それによりけりなんですよね。

西谷:
でも、その燃料デブリの形さえ、今分からないわけでしょ?

今中さん:
そうです。チェルノブイリは前も申し上げたかもしれませんけども、ある意味、冷えて固まったんですよね。それ、下に広い部屋があって、そこから空気の流れがおきて、たぶん空冷状態で固まったんだと思われます。

チェルノブイリ象の足

西谷:
なるほど。地下の冷えた風が吹いてきて。

今中さん:
はいはい。福島の場合、そういった構造になってませんから、水を全部抜いちゃったら、また温度が上がっちゃって、そして、温度が上がると放射性物質がまた飛散したり揮発しますんで、また大変なことになりかねないと。

西谷:
だから、しばらくは水で冷やさないといけないという、そういう事ですか?

今中さん:
そうですね、はい。その水がですね、ちゃんとクローズドの、要するに密閉のサイクルになってればいいんですよ。でなくって、原子炉にですから、デブリの分に水を入れますよね。それで汚染された水が、また他の地下水で流れ込んでくると、一緒になってタービン建屋の方に溜まってくると。それを汲み上げて、また汚染水がどんどんどんどん増えてくるという構造ですよね。

西谷:
もうなんかねえ、要は器が割れてるから、やっぱり下へ下へ漏れていくんでしょうねえ。

今中さん:
そうですね、はい。原子炉も割れてますし、建物も割れてますし。

西谷:
だから、水を入れれば入れるほど、地下水は汚染水になって。

今中さん:
私は、建物ひょっとして地震の前から割れてたんじゃないかと思いますよ。

西谷:
地震の前からですか!?

今中さん:
はい。いわゆるね、サブドレーンとかいう周りの地下水の水位を調べる穴があるんですけども、それは、実は事故の前から掘ってあるんですよ。ですから、地下水位が高いんで、建物の中に漏れたりするのをずーっと監視する為に、そういうシステム持ってたんだと思います。

西谷:
そうなんですか。という事は、事故で決定的な破損があったんだけれども。

今中さん:
決定的なダメージ受けたんだと思いますけど。

西谷:
事故前からもう地下水が流れ込んでいて。

今中さん:
そう。ですから、タービン建屋なり何なりとうのは、最初からひび割れなり何なりあったんではないかなあというのが、私の勘繰りです。

西谷:
はい、分かりました。もう本当に、この対策は待ったなしですが、東電が後手後手に回っていて楽観的な結果、被害が大きくなってるということがよく分かりました。

今中さん:
そうですね、はい。

西谷:
今中先生、どうもありがとうございました。

今中さん:
はい、どうも。

汚染水 外洋に垂れ流し

自由なラジオ Light Up! 017回
「国益最優先の政治に憤る!拉致と原発、届かぬ被害者の思い」


https://youtu.be/-_Qwn1tCthw?t=18m54s
18分54秒~第017回Light Upジャーナル
小出さんから見た“凍土壁問題”

http://jiyunaradio.jp/personality/journal/journal-017/
凍土壁冷媒注入
いまにしのりゆき
前回ですね、西谷文和さんの回では、小出さんの同僚でいらっしゃいました今中哲二さんに
福島第一原発の汚染水対策について、凍土壁はどうなんかということでお話を伺いました。
今回はですね、小出さんから見た凍土壁の問題についてのご見解を伺います。熊取六人衆と呼ばれたそれぞれの方、どのようにして福島第一原発の収束作業を見守っておられるのでしょうか?早速、小出さんをお呼びします。小出さん、今日もよろしくお願いします。

小出さん:
はい。よろしくお願いします。

いまにし:
小出さん、今ですね2011年東日本大震災で事故を起こしました福島第一原発ですね、収束作業が続いておるわけなんですが、とりわけ大きな問題の1つに汚染水対策というものがあります。その為、今、凍土遮水壁というのが建設されておるんですけれども、これがなかなか上手くいっていないという報道があります。以前から小出さんは、こんなもんうまいこといくわけありませんわとおっしゃられていましたが。

小出さん:
そうです。はい。

いまにし:
予想が当たってしまいました。

小出さん:
はい。何度もこの話を聞いて頂きましたけれども、今、東京電力が作ろうとしている遮水壁は深さ30メートル、全長にすると1.5キロにも及ぶという巨大な壁なのです。それを地下に作って、地下水の流れをせき止めようとしているわけですけれども、地下水というのは流れの速い所もあるし、流れの遅い所もあるわけです。1.5キロにも渡って作ったとしても、ある所では止まったとしても、ある所では壁が突き破られてしまうということに、必ず私はなると思ってきました。実際に今回そうなったわけで、仕方がないから、そこにセメントを今度注入してですね、そこを固めようということになったらしいですけれども。そこを固めれば、今度はまた別の所が破れるだろうと私は思います。
仮に、某かその水を一応はせき止めたということになっても、凍土壁というのは常時凍らせておかなければいけないわけで。その為にはポンプが回らなければいけませんし、冷媒と言ってる冷たい液体を流している配管が常に健全でなければいけない。詰まってもいけないし、破れてもいけないというそういう物なわけで、そんな物が長い間維持できる道理がありません。やはり、早く凍土壁というやり方は止めて、もっと恒久的な遮水壁を作らなくてはいけないと私は思います。

遮水壁 小出裕章先生

いまにし:
そうですよね。でも、いわゆる氷の壁作戦がですね、凍土壁上手くいかないと、これから収束作業、廃炉作業にますます大きな影響を与えるんじゃないんかなあと思われてならないんですが。どうなんでしょう?根本的にですね、汚染水対策やはり見直す必要があるのではないかなあとも感じるのですが。

小出さん:
はい。もちろんそうです。皆さん、原子力発電所から出てくる放射能の本体、普通は高レベル放射性廃棄物と呼ばれてるものですけれども、それを日本の国は地下に埋め捨てにすると言ってきました。

埋め捨てにしていいの?原発のゴミ

いまにし:
はい。

小出さん:
その時に、埋め捨てにする場所で一番大切な条件というのは、そこに地下水が流れ込んでいない、水と接触する可能性がない場所を選んで埋め捨てにするということになっていたのです。つまり、放射能は水と接触させてはいけないというのが大原則なのです。それなのに、今は意図的にどんどん水を溶け落ちた炉心に向けてかけているという作業を続けているわけで、私はもうそんな事はもう止めなければいけないと思っています。
確かに事故直後には、炉心を溶けさせない為に何としても水をかけなければいけないという時期はあったのですけれども、既に、もう5年以上の歳月が流れていて、崩壊熱も随分減ってくれていますので、水をかけて冷却するというその手段自身をもう止めなければいけない。それを転換して、汚染水の増加を防がなければいけない時期なのだと私は思います。

金属冷却 小出裕章

いまにし:
なるほど、なるほど。まず、冷やす所、根本的な所を変えないといけないということですね?

小出さん:
そうです。

いまにし:
分かりました。小出さん、ありがとうございました。

小出さん:
こちらこそ、ありがとうございました。


小出裕章:高濃度汚染水漏れについて:遮水壁=地下ダム

http://dai.ly/x12jom7
何か皆さん今になって汚染水問題ということが起きてきた、あるいは大変だと思われてるようなのですけれども、私からみると何を今更言ってるんだろうと思います。
事故が起きたのはもう既に二年数か月前の2011年3月11日だったのです。
それ以降汚染水というのは敷地の中に大量に溜まってきまして3月中にもう既に福島第一原子力発電所の敷地の中に10万トンの汚染水が溜まっていました。
コンクリートというのは元々割れるものです。
割れのないコンクリート構造物なんていうものはありません。
おまけにあの時には巨大な地震でそこら中が破壊されたわけで原子炉建屋、タービン建屋、トレンチ、ピット、立て抗にしてもコンクリートにそこら中にひび割れが生じていたのです。
ほとんど目に見えない建屋の地下であるとか、トレンチ、ピット、要するに地面の所に埋まってるわけですから見えない所でそこら中で割れて、そこら中から漏れている。
当時もそうだし、二年経った今だって必ずそうなのです。

私はとにかくコンクリートの構造物から漏れない構造物に移すしかないと考えました。
私が思いついたのは巨大タンカーでした。
10万トン収納できるようなタンカーというのはあるわけですから10万トンタンカーを福島の沖まで連れて来て福島の敷地の中にある汚染水をとにかく巨大タンカーに移すという提案をしました。
でもまたそれも次々とコンクリートの構造物に汚染水が溜まってくるわけですから何とかしなければいけないと思いまして私はその巨大タンカーを東京電力柏崎刈羽原子力発電所まで走らせる
柏崎刈羽原子力発電所というのは世界最大の原子力発電所でそれなりの廃液処理装置もあります。
宝の持ち腐れになっていたわけで柏崎刈羽までタンカーを移動させてそこの廃液処理装置で処理をするのがいいという風に3月末に私は発言した。
そういうことはやはり政治が力を発揮しなければできないのであって政治の方々こそそういうところに力を使って下さいと私はお願いしたのですけれども、とうとうそれもできないまま何も手を打たないままどんどん汚染水が増えて今現在30万トンにもなってしまってるというのです。

(3.11からもう二年数か月経ってるわけですけれども、あの時にもしスタートさせていたら今もう間に合ってるんじゃないか)
もちろんです。
また次に10万トン汲み出すということもできたでしょうし現在直面している事態よりもはるかに楽になっていたはずだと思います。
そういう意味では政府と東京電力が無能だったということだと思います。

・遮水壁=地下ダム (2011年6月)
原子炉建屋の外にかなり深い穴を掘ってそこに深い壁を作って溶け落ちた炉心が地下水にできるだけ接触しないようにする。
接触したとしても汚染が海へ流れないようにするそういう作業がこれからできる唯一のことかなと思うようになりました。

本当に対策が後手後手になってしまっていて放射能の汚染がどんどん広がっていってしまっている。

1号機から3号機の原子炉の炉心は既に溶け落ちているのです。
炉心は既に溶け落ちている
確実です。
溶け落ちた炉心がどこにあるかということなのですが東京電力はまだ格納容器という放射能を閉じ込める最後の防壁の中にあるはずだと言っているのですけれども、残念ながらそれを見に行くこともできないし本当にそこにあるかを確認することができないのです。
場合によっては既に格納容器の床を突き破って地面に潜り込んでいってる可能性も私はあると思います。
もしそうだとすると地下水と必ず接触してしまいますしそうなるともう猛烈な放射能が地下水に混じって海へ流れていくことを食い止められなくなってしまうので私は2011年5月に原子炉建屋周辺に遮水壁を張り巡らせる地下ダムという言葉を使われる方もいますけど、それをやって溶けた炉心と地下水の接触を断つということをやってくれと頼んだのです。
そうなるともう猛烈な放射能が地下水に混じって


汚染水漏れ1年以上前報告 規制委、対策指示せず


自由なラジオ Light Up! 018回
「なぜ子どもの貧困は起こるのか?」


https://youtu.be/-kBeubUxkoE?t=16m5s
16分05秒~第018回Light Upジャーナル
第18回放送

http://jiyunaradio.jp/personality/journal/journal-018/
伊方原発01
矢野ひろし:
伊方原発核燃料装填、そして再稼働について今中さんに伺います。やはり伊方原発と言うと、今中さんや小出さんらが関わった設置許可取消裁判ですよね。大変なじみの深い原発だと思うのですが。

伊方原発1号機訴訟 安全審査のずさんさ露呈

今中さん:
もう40年前になりますけれども、ちょうど私が愛媛の職場に入った時に、いわゆる伊方原発の裁判が始まってたとこでした。

矢野:
そうでしたね。今中さんが75年に入られて。

今中さん:
76年ですね。

矢野:
76年ですか。もう裁判は始まってたわけですね。

今中さん:
ええそうですね。私まだ本当に若くて、それで裁判のお手伝いで傍聴でいろいろ話を聞いてみると、どうも原告の住民側の方が、議論では勝ってるんですよね。いわゆる国側の証人なんてのは、弁護士さんの質問に答えられないというような事態がしばしば起きたりしたんですね。ひょっとしてこの裁判、住民側が勝つんじゃないかなという風に、私、若いながら感じてたんですよ。

住民の主張
伊方原発訴訟での被告

矢野:
なるほど。しかし、地裁と最高裁負けていくわけですけど。

今中さん:
そうなんですよ。裁判が結審するちょっと前になると、どういうわけか裁判長さんがぽろっと代わって。

松山地裁 不可解な裁判長交代
伊方原発訴訟 突然の結審

矢野:
代えられるんですよね、あれ。本当に。

今中さん:
何がなんだろうと、私は思いましたけれどね。

矢野:
その時に、今もう伊方原発は1号機2号機3号機と、3機も出来てしまいましたが。

今中さん:
3つになりました。

矢野:
こんなこと想定できましたか?

今中さん:
いやぁー、四国電力、伊方ですよね。いわゆる中央構造線というのが目の前にあって、
それで、まさに瀬戸内海に向いて原発があるんですよね。もう信じられない話ですよ。

伊方原発と中央構造線

矢野:
この核燃料装填というのは、どんな作業なんでしょうか?

今中さん:
原発、原子炉というのは、核燃料というかウラン核分裂連鎖反応とかなりますよね。燃料そのものがウランというやつですよね。ウランというやつを、ですから燃料ペレットというのにして、それを燃料棒というのに、長い細い棒に詰め込んで、それを束ねたやつが燃料集合体です。その燃料集合体、だいたい伊方だったら200本ぐらい集めて1つの燃料集合体になるのかな。それを150体ぐらい原子炉の中に入れると、全体の炉心ができて、ようやく核分裂連鎖反応を始められる体制に入るというものです。

原子力発電用燃料

矢野:
これは、作業自体はそんなに危なくはないんですか?

今中さん:
作業はですね、いろいろ水の中でクレーンとか使いますから、クレーンから外れたりすれば問題ですけども、まぁ特に危ないというものではないと思いますけども。

矢野:
なるほど。今回使われる燃料がMOX燃料ですよね。使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムとウランを混ぜた燃料。これ、今中さん大丈夫なんですか?

今中さん:
プルトニウムもいわゆる核燃料になる物質の1つですから、電力会社なり、というよりは日本政府がなんとかしたいんですよね

安全プロパガンダ

矢野:
政府がですね。

今中さん:
日本政府は、原子炉から出てくる使用済み燃料を全部再処理してプルトニウムを取り出すという事なんですけども、本来は、そのプルトニウムというのは、いわゆる高速増殖炉もんじゅというのがありますけれども、それで使う予定だったんですけども、その高速増殖炉をやろうという炉心は20年前に破断しちゃったんですよね。


https://youtu.be/rLc5tq-_BBw

矢野:
そうですよね。動いていませんよね。

今中さん:
それでプルトニウムが余ってしまって、なんとかしたいと。たぶん電力会社もMOXをやりたいとは思えないですよ。安全性が悪くなる事はあっても、良くなる事はありませんし。

矢野:
電力会社の説明によりますと、燃えやすいプルトニウムの割合が低いんだと。そして、ウランと混ぜるのだから大丈夫なんだというような事を言われていますけれども、本当なんでしょうか。

今中さん:
私の聞いてるところでは、いわゆる制御棒の効き具合が悪くなるとか、そういった問題はあるようですね。



矢野:
本来、プルトニウムは使う物ではないですよね。原発自体が。

今中さん:
そうですね、プルトニウム燃料は想定してませんから、そういう意味では安全性に対する余裕度みたいなものが減っていく方向だと思います。

矢野:
なるほど。そんなことをしてでも、やはりプルトニウムを消費しないといけないという政策ですね。

Glovebox for Pu
Glovebox for Pu

今中さん:
まず、そこの問題は、我々日本政府考え直さなきゃいけないだと思います。

矢野:
プルサーマル計画というのをなんとしてでも諦めきれないということなんでしょうか?

今中さん:
そうですね。再処理工場も残りますし、あのもんじゅさえまだ残ってるという不思議な原子力政策ですよね。

核武装 右派の願望

矢野:
さて、再稼働となりますと、新規制基準の下では、九州電力の川内原発の1号機2号機、
そして、関西電力の高浜3号機4号機に続き5機目というふうになるんですが、
今のところ高浜は司法判断で差し止め中ですけれども、本当にこの再稼働必要なんでしょうか?

今中さん:
本当、私が聞きたい話でして、何年か前は夏で暑いと電力が足りない、電力が足りないと言っていたんですけども、この夏なんていうのは、節電のせの字もないんですよ

「節電要請」ない夏に 再生エネ増で大震災後初

矢野:
そうですよね。

今中さん:
はい。私個人的にその辺不思議だなぁと思って調べたら、実は夏の最大電力量というのは、ここのところ毎年減ってるんですよ

矢野:
えー。減ってるんですか。

今中さん:
減ってます。去年と比べると、夏の一昨年ですか。一昨年、去年と比べると、ピーク需要で1000万キロワットぐらい減っています。

矢野:
そんなに減ってるんですか?

今中さん:
ええ、びっくりしました。

矢野:
それで、節電のせの字も出てこないんですね。

今中さん:
それがよく分からないんだけども、今頃太陽パネルが物凄い普及してますよね。それで、夏のピークを抑えられてるんじゃないかなという気がします。

矢野:
なるほど。ということは原発は必要ないと。

今中さん:
我々庶民には必要ないですよね。我々にはリスクばっかり被さってくるもんですから。

矢野:
そうですね。今、リスクの話をされましたけれども、この伊方原発というのは佐田岬半島の付け根にあるんですけれども、この避難計画も、私はこれ充分にできていないと思うんですが、今中さんどうですか?



今中さん:
そうですね。再稼働もそうですけども、一番けしからんのは原発の安全性の責任を持つべき、いわゆる規制委員会、規制長がきちんと審査しないと。避難経路等には、彼らは責任はないと、そういう態度を取ってる。やっぱり、私はこれは問題だろうと思いますね。



矢野:
規制委員会が責任を持たないんだったら、どこが責任を取るんですか?

今中さん:
安部さんは口だけの人ですから、はい。

日本の原発は世界一安全です!

矢野:
先程、今中さんのお話の中にもありましたが、この伊方原発の北側には中央構造線という活断層が通ってるということですよね。

今中さん:
皆さん、この前熊本の地震がありましたよね。あれがだんだん大分の方に伸びていって、その先をずっと見たら伊方原発に届くなぁと。たぶん多くの方がそう思って見られたんだと思いますよ

矢野:
そうですよね。忘れてはいけないいのが、南海トラフもありますよね。

今中さん:
そうですよね。はい。

矢野:
ということは、もう地震の巣のような所に伊方原発があるということですよね。これは何としても、再稼働本当に必要ないんだったら止めてほしいと思うんですが。

マイクロプレートと原発

今中さん:
というか、そこまでして我々電気を使わんならんのか、作らんならんのかという問題だと思います。

矢野:
なるほど。なんとかこの私たちも賢くならないとだめですよね。すぐ目先のことをすり替えられると、原発のことを忘れてしまう。そうですね。今中先生どうもありがとうございました。

今中さん:
どうもありがとうございます。


そもそも総研 2013年2月7日
「そもそも新安全基準で原発は本当に安全になるの?」

http://dai.ly/xxc7t6
7月から新しい安全基準ができるが、先週、規制委員会の有識者会議で、新安全基準の骨子案が明らかになった。これについて今日から意見募集(パブリックコメント)が求められるので、今だったらこの案に対して何か求めたり言うことができるタイミングだ。
そこで検証してみよう。
新安全基準とは?
問題はありますか?
さらに‥
出演は東大名誉教授の井野博満氏、後藤政志氏にお話を聞く。また今日のメディア報道で、国会事故調に対して東電が虚偽説明をしていたことが報じされた。これは原発が地震で壊れていた可能性を示している。元事故調委員の野村氏にも話を聞く。


チェルノブイリ30年・福島5年救援キャンペーン
 小出裕章講演会


https://youtu.be/Z64LmFj8dR4
「チェルノブイリ30年・福島5年救援キャンペーン 小出裕章講演会&チャリティコンサート」
(2016年4月23日(土)練馬文化センター)より、小出裕章氏の講演


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