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Channel: 私にとって人間的なもので無縁なものはない
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小出裕章先生:楽観的な見通しを、抜本的に、やはり考え直すべきだと私はずっと思ってきました

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ボランティア、NPOから始まる草の根民主主義
(ラジオフォーラム#143)

https://youtu.be/V5A6eUIHHYY?t=16m22s
16分22秒~第143回小出裕章ジャーナル
汚染水対策「本当に環境に流していい法令が決めている濃度以下にきれにできるかどうかということも、やってみないとわからないということだと思います」

http://www.rafjp.org/koidejournal/no143/
福島第一原発設置前の様子
福島第一原発設置前の様子

湯浅誠:
今日は福島第一原発の地下水の汲み上げと、その汲み上げた地下水の海洋放出、これについて伺います。先月からですね、福島第一原発の建屋周囲にある井戸、サブドレンと言われたりしますけどね。このサブドレンの地下水を汲み上げて、それを浄化して、そのあと海に流すっていうそういう作業が始まりました。これをやると、建屋に流れ込む前に、それほど汚れてない地下水を汲み上げられるということができる反面ですね、とは言え建屋に近いので、やっぱり汚染されているだろうと。そうすると結果的に、汚染された水が海に放出されることになんないか不安なんですけど、この点いかがでしょうか?
サブドレン地下水ドレンによる地下水のくみ上げ1

小出さん:
はい。元々のことから少し聞いて頂きたいのですが、福島第一原子力発電所の敷地というのは、元々は海面から測って30メートル、40メートルというぐらいの高さの高台にあったのです
1967年4月1F1号機起工式の敷地の様子
1967年4月福島第一原発1号機起工式の敷地の様子


https://youtu.be/Ayh_PveSU6g

それで高い崖で海に落ちていたのですけれども、海の水を冷却水に使うためにそんな高台だと困るということで、その敷地を掘り下げまして、海抜10メートルぐらいまでずっと低くしたのです。

※福島原子力発電所土木工事の概要
(1)http://cryptome.org/0004/daiichi-build-01.pdf
(2)http://cryptome.org/0004/daiichi-build-02.pdf

1F1号機建設工事。タービン建屋から東は埋立か?
福島第一原発1号機建設工事。タービン建屋から東は埋立か?

赤枠内が1F1号機原子炉建屋
赤枠内が1号機原子炉建屋・タービン建屋施工基面 青線が元の海岸線

そんなことをしてしまえば、周辺に降った雨がどんどんそこの掘った所に集まってきてしまうということは当たり前なことなのであって、福島第一原子力発電所の敷地の中には当初から毎日、毎日、千数百トンという地下水が流れ込んでいたのです

下手をすると、その地下水の水位が上がって、原子炉建屋等が浮き上がってしまうというようなことも考えられたので、原子炉建屋の周辺に井戸を掘って、それがサブドレンと呼ばれてる井戸なのですが、常に水をくみ上げなければいけないというそんな状態にあったのです。

そして今、福島第一原子力発電所が事故になりまして、たくさんの放射性物質を周りにすでに噴き出させてしまって、敷地全体が汚れているわけですし、溶け落ちた炉心もどこにあるかわからないという状態になってしまっているわけです。
サブドレン地下水ドレンによる地下水のくみ上げ2
敷地の中のあちこちに井戸があるのですけれども、海側の井戸では原子力発電所から環境に流すことが許されるという、ある濃度が決められているのですが、その濃度の何万倍、あるいは何十万倍というような猛烈な濃度の汚染水が井戸から出てくるというようなこともありますし、もうそこらじゅうが汚れてしまっているのです

でも地下水の方は容赦なく流れてくるわけですし、全てを溜め込むこともなかなか難しいということで、さまざまな方策を東京電力が考えてきて、サブドレインというものも汚染がないのであれば、なんとかそれを海に放出したいということで、その作業が9月から始まったということです。

湯浅:
汚染されてる可能性が払拭しきれないということだと、その人体に影響がないようなレベルまで浄化してくれないと困るわけですけど、ほんとにちゃんと浄化されるんですかね?なんか新たな対応策ということが必要だということですけれども、どういう方法があるんですか?

小出さん:
はい。福島第一原子力発電所の敷地全体が放射能の沼のような状態になってしまっていると、私は思ってきました。ただし汚染の濃淡はある、猛烈に汚染されてる井戸もあるし、そうでもない井戸もあるということで、そうでもない井戸の水はなんとか汲み上げて、海へ流したいと思っているわけです。
放射能の沼
ただ簡単には流せないので、仕方がないから浄化装置を通してきれいにしようという試みなのですね。でも本当に環境に流していい法令が決めている濃度以下にきれにできるかどうかということも、やってみないとわからないということだと思います
福島第一原子力発電所サーベイマップ
でもいずれにしても、始めに聞いて頂きましたように毎日、千何百トンもの地下水が流れてきているわけですし、そのうちの300トン、400トンというのは原子炉建屋の中にすでに侵入してしまって、もう猛烈な汚染水になるということになっているわけです。

今後もほんとに大変な作業が続くと思いますし、まず必要なことは原子炉建屋周辺に遮水壁を張り巡らせて、地下水が原子炉建屋の中に流れ込まないということをやるべきだと私は思います。
遮水壁

現在、凍土壁というような遮水壁を造ろうとしているのですが、たぶんそれはできませんので、きちっとした遮水壁を造って、抜本的に汚染水の増加を防ぐというようなことをやらなければいけないのだと思います。

143-koide

湯浅:
汚染水はほっとくわけにはいかない。そういう意味では、汲み上げざるを得ないんだと思いますが、だからと言って汚染水を海洋に放出されては困る。そういう意味では、きちんとした監視をして、何かあった時にすぐに対応できる形をつくらないと大変なことになりかねないですよね、また。今後の見通しとしてはどういうふうになってるんでしょうかね?

小出さん:
はい。もちろん放射能というものは、環境に捨ててはいけないわけですから、陸にも捨ててはいけない、海にも捨ててはいけないというものです。ただし残念ながら、福島第一原子力発電所の事故はすでに起きてしまっているわけです
1時間あたり約10シーベルト
40分で死亡 過酷な環境に 24Sv
福島第一原子力発電所の敷地全体がもうベタベタに放射能で汚れているわけですし、先ほども聞いていただいたように、放射能の本体である溶け落ちた炉心がどこにあるかも分からない。ただただ、ひたらすら水をかけてこれ以上溶かさないようにするということを4年半にもわたって続けてきているわけです。
宇宙線を利用し撮影した福島第1原発1号機の原子炉
宇宙線を利用して撮影した福島第1原発1号機の原子炉内部
1号機「炉心に燃料なし」


本当に出口の見えない作業を今してるわけで、残念ですけれども、やはり今後も放射能を海へ流すということは続いてしまうだろうと思います。少しでもその量を減らすために、何をやらなければいけないかということをきちっと考えて、きちっと実行することが必要なのですが、国も東京電力も愚かにも凍土壁というようなものを今やっているわけですし、工程表全体に関しても、これまでも何度か聞いていただいたと思いますが、ほんとに楽観的な見通しの下で作業を進めてきています。抜本的に、やはり考え直すべきだと私はずっと思ってきましたし、今でもそう思っています

東京電力 松本純一・原子力立地本部長代理

湯浅:
わかりました。小出さん、今日もありがとうございました。

小出さん:
はい。ありがとうございました。


あきれた安倍首相「原発汚染水ブロック」

完全にブラック


2013年9月11日NHK・クローズアップ現代
「最新報告 “汚染水クライシス”」
国際的な批判が高まっている、
福島第一原発の「高濃度・放射能汚染水 流出問題」

http://dai.ly/x14sboz
汚染水クライシス
原発事故から2年半。福島第一原発は、いま、メルトダウン以来“最大の危機”を迎えている。1日300トンもの汚染水の海への流出、タンクからの高濃度汚染水の漏えい…。
相次ぐ事態に国内だけでなく国際的な批判が高まっている。
汚染水は、一体どこから、どのようにして流出しているのか。そのメカニズムを探り、後手後手の対策に追われる東電の問題点を明らかにする。
また“切り札”とされる「地下水バイパス」や「凍土遮水壁」の課題を検証。
汚染水流出の厳しい現実と求められる対策を考える。



汚染水 ~福島第一原発 危機の真相~
NHKスペシャル 2013年12月1日

http://dai.ly/x17v52l
世界が注視する、東京電力福島第一原子力発電所の「汚染水」問題。いったい現場で何が起きているのか。そして事態を食い止める手立てはあるのか。
応急的な止水作業やモニタリングなど24時間の対応に追われている現場だが、漏えい源が「建屋」なのか、複雑な地下の「トレンチ」なのか、未だに特定できず根本的な対策が打てずにいる。
事態を打開するため、国内だけでなく、過去に汚染水問題に直面した経験を持つアメリカの核兵器開発工場などの最新のノウハウまでも活かそうとする国と東電。
NHKは地下水や放射性物質の挙動など第一線の専門家チームを結集。膨大なデータをもとに多角的な分析を行い、汚染水拡散の実像に迫る。廃炉に向けた大前提でもある「放射性物質の封じ込め」は可能なのか。
原発「汚染水クライシス(危機)」に迫る。





小出裕章:高濃度汚染水漏れについて:遮水壁=地下ダム

http://dai.ly/x12jom7
何か皆さん今になって汚染水問題ということが起きてきた、あるいは大変だと思われてるようなのですけれども、私からみると何を今更言ってるんだろうと思います。
事故が起きたのはもう既に二年数か月前の2011年3月11日だったのです。
それ以降汚染水というのは敷地の中に大量に溜まってきまして3月中にもう既に福島第一原子力発電所の敷地の中に10万トンの汚染水が溜まっていました。
コンクリートというのは元々割れるものです。
割れのないコンクリート構造物なんていうものはありません。
おまけにあの時には巨大な地震でそこら中が破壊されたわけで原子炉建屋、タービン建屋、トレンチ、ピット、立て抗にしてもコンクリートにそこら中にひび割れが生じていたのです。
ほとんど目に見えない建屋の地下であるとか、トレンチ、ピット、要するに地面の所に埋まってるわけですから見えない所でそこら中で割れて、そこら中から漏れている。
当時もそうだし、二年経った今だって必ずそうなのです。

私はとにかくコンクリートの構造物から漏れない構造物に移すしかないと考えました。
私が思いついたのは巨大タンカーでした。
10万トン収納できるようなタンカーというのはあるわけですから10万トンタンカーを福島の沖まで連れて来て福島の敷地の中にある汚染水をとにかく巨大タンカーに移すという提案をしました。
でもまたそれも次々とコンクリートの構造物に汚染水が溜まってくるわけですから何とかしなければいけないと思いまして私はその巨大タンカーを東京電力柏崎刈羽原子力発電所まで走らせる
柏崎刈羽原子力発電所というのは世界最大の原子力発電所でそれなりの廃液処理装置もあります。
宝の持ち腐れになっていたわけで柏崎刈羽までタンカーを移動させてそこの廃液処理装置で処理をするのがいいという風に3月末に私は発言した。
そういうことはやはり政治が力を発揮しなければできないのであって政治の方々こそそういうところに力を使って下さいと私はお願いしたのですけれども、とうとうそれもできないまま何も手を打たないままどんどん汚染水が増えて今現在30万トンにもなってしまってるというのです。

(3.11からもう二年数か月経ってるわけですけれども、あの時にもしスタートさせていたら今もう間に合ってるんじゃないか)
もちろんです。
また次に10万トン汲み出すということもできたでしょうし現在直面している事態よりもはるかに楽になっていたはずだと思います。
そういう意味では政府と東京電力が無能だったということだと思います。

・遮水壁=地下ダム (2011年6月)
原子炉建屋の外にかなり深い穴を掘ってそこに深い壁を作って溶け落ちた炉心が地下水にできるだけ接触しないようにする。
接触したとしても汚染が海へ流れないようにするそういう作業がこれからできる唯一のことかなと思うようになりました。

本当に対策が後手後手になってしまっていて放射能の汚染がどんどん広がっていってしまっている。

1号機から3号機の原子炉の炉心は既に溶け落ちているのです。
炉心は既に溶け落ちている
確実です。
溶け落ちた炉心がどこにあるかということなのですが東京電力はまだ格納容器という放射能を閉じ込める最後の防壁の中にあるはずだと言っているのですけれども、残念ながらそれを見に行くこともできないし本当にそこにあるかを確認することができないのです。
場合によっては既に格納容器の床を突き破って地面に潜り込んでいってる可能性も私はあると思います。
もしそうだとすると地下水と必ず接触してしまいますしそうなるともう猛烈な放射能が地下水に混じって海へ流れていくことを食い止められなくなってしまうので私は2011年5月に原子炉建屋周辺に遮水壁を張り巡らせる地下ダムという言葉を使われる方もいますけど、それをやって溶けた炉心と地下水の接触を断つということをやってくれと頼んだのです。
そうなるともう猛烈な放射能が地下水に混じって



原発汚染水深刻!幻の遮水壁計画・漁師の怒り
報道特集2013年8月31日

http://dai.ly/x140vqz
原発汚染水深刻!幻の遮水壁計画・漁師の怒り
福島第一原発の汚染水対策が破綻の危機に瀕している。
今回、報道特集の取材で、実はすでに2年前に、汚染水の流出を防ぐ抜本的な計画案が作成され、公表直前にまで至っていたことがわかった。
なぜ、この計画が葬られ、「幻の計画」となってしまったのか。





20150917 小出裕章先生『原子力と戦争』第3回シンポジウム

https://youtu.be/ltPzNPbsv-g


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