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小出裕章先生:一番大切なことは、これ以上こんな(自分で始末のできない)毒物を作らないことです。



若者の声は、政治を変えられるか
(ラジオフォーラム#130)

https://youtu.be/GEduW-Cektk?t=16m45s
16分45秒~第130回小出裕章ジャーナル
核のゴミの処分場をどうするか「膨大な危険物ですので、どこも引き受けてくれる場所がないということで今日に至っています」

http://www.rafjp.org/koidejournal/no130/
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新潟市で見つかった放射性廃棄物ドラム缶

湯浅誠:
今日は、「核のゴミ最終処分場について」ということなんですが、政府は、原発から出る核のゴミの最終処分について、政府自身が適当な場所を選んで受け入れを働きかける新方針に改めました手挙げ方式は限界にきたということなんでしょうね。まずですね、ちょっとおさらいをお願いしたいんですが。まず、最終処分場とはどのようなものでしたかね?
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この核のゴミどこに捨てればいいんですか?


小出さん:
はい。皆さんもうお分かりくださってると思いますが、原子力発電所というものを動かせば、ウラン核分裂させるわけで。核分裂生成物、いわゆる、死の灰という物を生み出してしまいます。
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今日、標準になった100万キロワットという原子力発電所が、1年運転するごとに、広島原爆1000発分の核分裂生成物を生み出してしまうという、そういう機械なのです
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大量に生み出された放射性物質

原子力発電所というのは。そんなことをしたら大変なことになるということは、原子炉を造った当初からみんなが知っていたのです。でも科学が進歩すれば、いつか何とかなるだろう、放射能が消せるだろうという風に期待してきたのですが、結局、現在に至っても消せないのです
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コスモクリーナー

そうなれば、原子力発電をやって生み出してしまった、その核分裂生成物、放射性物質ですが、それを何とか生命環境から隔離しなければいけないということになったわけです。どこに隔離するかということで、さまざまな案がこれまで出てきました。
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$私にとって人間的なもので無縁なものはない-処分法

宇宙にロケットで飛ばして捨ててしまえとか、深い海の底に埋めたらどうだとか、南極はどうだとか、いろんな案が出たのですけれども、技術的に難しい、あるいは国際的な国の関係で難しいというようなことがあって、現在はとにかくどこか陸地に深い穴を掘って、そこに埋め捨てにしてしまおうという案がほぼ唯一の案として残ってしまっているわけです
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$私にとって人間的なもので無縁なものはない-地層処分の概要

日本の場合には、核分裂生成物は使用済み燃料という形で出てくるのですが、それを再処理工場という所に送って、使用済みの燃料の中からプルトニウムという物質だけは取り除いて、残った物は全てガラスに固めて埋めてしまうということが既に法律で定められてしまっているのです。
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放射性廃棄物=核のゴミの処理方法

それをやろうとしているわけですが、もう膨大な危険物ですので、どこも引き受けてくれる場所がないということで今日に至っています。

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小出裕章ジャーナル


湯浅:
そういう最終処分場に手を挙げてくれる自治体を求め、かつて調査だけは手を挙げてくれた所があったんですね?

小出さん:
はい。まあ要するに、原子力発電所もそうでしたけれども、地方で財政が困窮した自治体に押し付けるということでやってきたわけです。
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原発は金になる

しかし、この核のゴミというものは、原子力発電所に比べても、はるかに膨大な放射性物質の塊になってしまうわけで、それを10万年、あるいは100万年に渡って保管を続けなければいけないという途方もない話なのです。
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モデルガラス固化体の放射能の経年変化

そのため、ほんとに財政が困窮した市町村が、もう仕方がないからといって受け入れかけた所はあるのですけれども、どこもみんな嫌だということで、未だに決まっていないのです。高知県の東陽町という所だけが、一度手を挙げかけたのですけれども、
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東洋町 最終処分地への応募について

町長がリコールされて、結局白紙に戻ってしまうということで、未だにどこも調査さえ受け入れてくれないという状態になっています

湯浅:
それで、業を煮やしてということになるんですかねえ。国の方が決めて、とは言え、自治体がうんと言わなければ造れないわけで。

小出さん:
まあ、そうですけれども、これまではきれいごとと言うんですしょうか。自治体の方から誘致をするというようなかたちに持っていきたいと、たぶん国の方は思っていたのですが、さすがにそれがいくらやってもダメということで、今度は強権的に国の力で「お前の所だ」と言って指名して、そこに押し付けるという、そういうかたちに出てきたことになります

湯浅:
理屈としては、科学的有望地というものを選定して、そしてそこに造る。候補地にすると。政府が言うには国土の7割。かなりの自治体が科学的に有望だという話のようなんですが、どうなんですかね?

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地下施設建設時の安全性確保に係る科学的有望地選


小出さん:
全く馬鹿げていると私は思います。日本というのは世界一の地震国であるわけですし、火山も山ほどあってですね、
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平成27年版防災白書_我が国の国土の状況

地震の予知も火山の予知もこれまでできた試しがない。どんなに科学的な調査を行ったところで、思わぬ時に火山が爆発してしまうということは御嶽山もそうでしたし、先日の口永良部もそうでした。
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平成27年版防災白書_我が国の活火山の分布

地震だって、ほんとに予期もしないような地震が2011年3月11日に起きたわけですし、科学的に有望だなんてことを現在は言えないという、そういう状況だということをきちっと知らなければいけないと思います
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東北地方太平洋沖地震


湯浅:
構図は原発の立地と、基本は同じですよね? 経済的に厳しい過疎に苦しむ、そういう所に持っていくと。

小出さん:
そうです。

湯浅:
ただ、原発の立地とは違って、先程おっしゃったように、『100000年後の未来』でしたっけ? 映画観ましたけども、ああいうタイムスパンということになると、実際にはかなり強権的なことをやらなければならないだろうなというのは、わりと容易に予測されるんですけれど。

小出さん:
そうです。科学的に保障できるような時間の長さではないわけですから、日本には学術会議という学者の集まりの組織があります。

学者の国会とも言われてるような組織なのですけれども、その学術会議すらが、確か2年程前だったと思いますけれども、現在、日本の政府がやろうとしているような核のゴミの埋め捨てというのは科学的に正しくないから、もうゼロに戻って考え直せという、そういう答申を出しているくらいなのです
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高レベル放射性廃棄物の処分について

本来であれば、日本の政府も学者の国会である学術会議の答申を受けて考え直さなければいけないはずなのですけれども、今の日本の政府は全然考え直すつもりもなくて、むしろ強権的に突破しようという、そういう動きに出てきたわけです
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日本学術会議が再稼働に「待った_1

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日本学術会議が再稼働に「待った」_2


世界中、同じような状況になってるわけで、世界の英知を集めて、やはり考え直すしかないと思いますし、まず一番大切なことは、これ以上こんな毒物を作らないことだろうと私は思います

湯浅:
そうですよねえ。はい、今日もありがとうございました。

小出さん:
こちらこそ、ありがとうございました。

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1億人の傍観者が支える原子力


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田中正造 真の文明は

田中正造


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社会はすべて狂人によって動かされているJ.レノン

ジョン・レノン


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狂人安倍

Michael Jonathan Green



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放射性廃棄物ドラム缶デモ




自分が生み出す核廃棄物の後始末ができないようなエネルギーの利用の仕方が、本当に完成した技術といえるのか!(`・ω・´)原発ヤメレ!!o(`ω´*)o



終わらない悪夢 放射性廃棄物はどこへ

https://www.youtube.com/playlist?list=PL582EAC833C823D9A
地球温暖化対策などを背景に、原子力発電所の建設が世界各地で進むなか、"­核のゴミ"といわれる放射性廃棄物の処理は、どれほど進展してきたのだろう­か。フランスの取材クルーが科学者らとともに、フランス、アメリカ、ロシアの原発や再­処理施設を訪問。核廃棄物の行方や人体への影響など、世界の核のゴミを巡る現実を明ら­かにしていく。
~2009年フランス、Arte France/Bonne・Pioche制作~
フクシマだけではない、いたるところで漏れ出ている放射能。
使用済み核燃料サイクルの恐るべき実態とは?
原発最大のタブーに挑む、衝撃のドキュメンタリー!
福島の原発事故で初めて脚光を浴びた核燃料プール。その中に眠る極めて危険な使用済み核燃料、それらの最終的な行き先は? 数十万年にもわたり放射能を撒き散らし続ける核廃棄物の最終的な処理方法も定まらないまま、未来に危機を先延ばしにして原発を推進してきた矛盾、その矛盾を知りつつ隠蔽を続ける原子力産業そして各国政府の[不都合な真実」を白日の下にさらした渾身のドキュメンタリー。
テレビで原発事故後にオンエアされるや、内部被爆、低線量被爆の問題から、最近その名をよく見聞きする原子力企業アレバ社が行っている核再処理の実態までも丁寧に明かしてゆくその内容に、ネット上などで大きな反響を巻き起こした。製作は極めて良質なドキュメンタリーで知られるドイツ=フランス共同TV局アルテ社。
原発は稼動する限り常に核廃棄物を生み出し続ける。そしてひとたび原発事故が起これば瞬時にそれらは巨大な凶器となり牙をむく。事故がない状態でさえも低レベル放射性物質の投棄などにより常に汚染を広げているのが実態なのだ。
取材班は原発の生み出した過去の悲劇から未来に待ち受ける危機にまでタブーなく踏み込む。
アメリカ原爆開発のためのプルトニウム製造工場からは、閉鎖された今もなお大量の核廃棄物が土壌に溶け出し川に流れ込み魚を汚染している。
ロシアで50年以上前に起こった核施設の爆発事故現場近くの村では内部被爆による住民の健康被害が今も続く。取材班は丹念にそれぞれの地で汚染状況を計測し土壌サンプルを研究所に持ち帰り恐るべき結果を報告する。
これを見れば福島の事態が数年単位で収束するなどありえないことが誰の目にも明らかであろう。
また映画は、福島の汚染水処理などでその名を知られる世界最大の原子力企業アレバ社の核燃料サイクルの実態にも切り込む。使用済み核燃料から回収される大量のウランの行き先を追う取材班が行き着いた先はシベリアの奥深く、地図に載っていない秘密都市セヴェルスク。外国人の立ち入りを禁じられたそのエリアで、驚くべき実態が明らかに・・・。



NHKスペシャル
“核のゴミ”はどこへ~検証・使用済み核燃料


http://dai.ly/xxf3n3
"核のゴミ"はどこへ~検証・使用済み核燃料~
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0210/
3つの建屋が爆発した、福島第一原子力発電所の事故。原子炉とともに危機的な 状況に陥ったのが、莫大な放射能を持つ使用済み核燃料の貯蔵プールだった。原 子炉の稼働によって生じる使用済み核燃料は、全国の原発などに貯蔵され、その 量は1万7千トンに達している。国が、使用済み核燃料を資源として貯蔵・再利 用する、核燃料サイクルを推進してきたためだ。しかし、サイクルの要となる青 森県六ヶ所村再処理工場は、トラブルの連続で操業開始を延期し続け、高速増殖 炉「もんじゅ」も、1995年の事故以来、ほとんど動いていない。さらに、再 処理に伴って生じる高レベル放射性廃棄物を埋設処分する場所も決まっていな い。国は、3兆円近い経済効果をうたってきたが、唯一名乗りを挙げた高知県東 洋町では、激しい反対運動が起こり挫折。原発事故後、さらに状況は厳しくなっ ている。こうした中、去年末に誕生した自公・安倍政権は、「前政権下の原発ゼ ロ政策の見直し」「核燃料サイクルの継続」を表明。使用済み核燃料、高レベル 放射性廃棄物が再び大量に増え続ける懸念が出てきている。もはや、使用済み核 燃料や廃棄物から目を背けることはできない私たちの社会。重い課題と向き合 う、世界各国の事例も交えて伝え、次世代に負担を先送りしない方策を探る。

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$私にとって人間的なもので無縁なものはない



台湾・先住民の島に放射性廃棄物 見過ごされた危機

http://dai.ly/xvcimq
天然資源に乏しく、海に囲まれた地震多発地帯。
日本と極めて似た環境にある台湾は、エネルギーや原発政策についても日本と同じような道を歩んできた。増え続ける放射性廃棄物の問題も例外ではない。
長年、核のゴミをいわば、押し付けられてきた台湾に浮かぶ小さな島を取材した。



オンカロ 「地下深く 永遠に ~10万年後の安全~」
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オンカロ 「地下深く 永遠に ~10万年後の安全~」

http://v.youku.com/v_show/id_XNDI4MDg2NDA4.html
各国が頭を痛める原子力発電所の廃棄物問題。北欧のフィンランドが世界に先駆け、核のゴミの最終処分場の建設に乗り出している。「オンカロ」(フィンランド語で「隠し場所」)と呼ばれる処分場は、太古の岩盤層を深さ500mまで掘り下げた先に作られ、施設が国内で排出される核廃棄物で満パンになる約100年後に、入口を完全封鎖されるという。
核廃棄物の最終処分が難しい理由は、実はその先である。廃棄物が出す放射線が、生物にとって安全なレベルに下がるまで、欧州の基準では少なくとも10万年かかるとしている。つまりオンカロは、人類の歴史にも匹敵する膨大な歳月の間、安全性の確保が求められるのだ。革命や戦争が起きたり、気候や地殻の大変動に見舞われたりしたとしても・・・
最も危惧されているのは、今の人類が姿を消したあとの未来の知的生物が処分場に侵入し、放射線が漏れ出してしまうシナリオだという。そうならないよう、近づくと危険だという警告を伝えた方がいいのか?しかし、どうやって?あるいは何もせず、記憶から消し去ってしまう方がいいのか?原子力というパンドラの箱を開けた人類が直面する難問を描く。
2010年 国際環境映画祭(パリ)グランプリ受賞作品
原題:Into Eternity
制作:Magic Hour Films (デンマーク 2010年)



核ごみ処分場 国が「有望地」選ぶ…
 北海道 押しつけ警戒

(東京新聞【こちら特報部】)2015年5月30日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015053002000164.html
 原発の発電に伴って出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場をどこに造るのか。公募では受け入れる自治体が出てこなかったため、今後は、政府が適地を選んで自治体に申し入れる形を取るという。だが、「最適地」をどうやって選ぶのか。無理やり押しつけられることはないのか。市民からは、早くも不安や警戒する声が上がる。
(篠ケ瀬祐司、鈴木伸幸)

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核ごみ処分場 国が「有望地」選ぶ…_1


自治体説明会
非公開に市民反発

 「科学的有望地」。政府は核のごみの最終処分場候補となる適地をこう呼ぶことにした。「科学的により適性が高いと考えられる地域」という意味だ。
 政府は二十二日に最終処分場の選定を政府主導で進める閣議決定をした。翌二十三日には早くも経済産業省資源エネルギー庁などが市民向けのシンポジウムを開催し、二十五日からは自治体向けの説明会を始めた。
 だが、自治体向けの説明会は市民に公開しない。日程や会場も明かさない。エネ庁放射性廃棄物等対策室の担当者は「説明会の内容はシンポジウムと同じ。非公開は、どこの自治体が参加したか伝わることで、自治体がプレッシャーを感じるのを避けるためだ」と説明した。、
 そんな配慮をしても、自治体の警戒感は強い。
 六月一、二両日は札幌市内で、北海道内の百七十九市町村を対象とした説明会が開かれるが地元の北海道新聞によると、参加予定は全体の三分の一強の六十四市町村にとどまる。
 道は「国の政策を把握し、政策に反映する必要がある」(環境・エネルギー室)と参加予定だが、多くの市町村は、説明会出席で処分場誘致に関心があると住民に誤解されることなどを警戒しているようだ
 労組などで構成する「北海道平和運動フォーラム」の長田秀樹事務局長はこう批判した。「政府は原子力行政について、地域住民に丁寧に説明して理解を求めると強調する。だが開催日時まで公表しないやり方が丁寧な説明といえるのか。既成事実をつくり、最後は特定地域に押し付けることにならないか
 「そもそも北海道で説明会は不要」と言う。道には「特定放射性廃棄物の持ち込みは慎重に対処すべきであり、受け入れ難い」と宣言した条例があるからだ。
 条例制定は二〇〇〇年。北海道北部の幌延町で、核のごみを地下に埋める地層処分を研究する「幌延深地層研究センター」を、日本原子力研究開発機構(原子力機構、当時は核燃料サイクル開発機構)が開設する約半年前だった。
 道と町は、原子力機構と、研究実施区域を最終処分場としないことや二十年程度とされる研究期間終了後、地下施設は埋め戻すという協定を結んでいる。条例は協定の「担保」の意味合いを持つ
 それでも住民の不安は消えない。幌延町議の鷲見(すみ)悟議員によると、一一年の町
議会で当時の町長は、処分場誘致の前提となる調査受け入れについて「検討課題だ」と発言した。後に撤回したが、町内の商工関係者から誘致を望む声がしばしば漏れるという。
 センターがあることで、町は年一億五千万円の電源三法交付金や、三億円の固定資産税が見込める。最終処分場ができれば、さらなる経済効果が期待できる。
 鷲見氏は「センターの研究終了時期も明示されない。住民は、このまま最終処分場になってしまわないかとの不信感、危機感を募らせている」と語る。

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核ごみ処分場 国が「有望地」選ぶ…_2


科学じゃなく政治判断 優先!?

徹底した情報公開を 規制委の関与必要

 科学的有望地に選ぱれないか、不安を覚えるのは北海道の人たちぱかりではないだろう。一体、どのように選ぶのか。
 経産省の審議会の作業部会「放射性廃棄物ワーキンググループ」が条件や基準の検討を続けているが、中間とりまとめでは、地球科学の観点から「避けるべき要件」として①火山から十五キロ以内②過去十万年間に隆起が三百メートルを超えた地域③活断層の付近-を挙げる。さらに、社会科学の観点から「諸外国の検討項目例」として、環境保護、土地利用の状況、輸送の確保、人口密度を例示する。
 となると、過疎地で地盤が安定している地域になる。国土の大半が該当しそうで、宮沢洋一経産相は記者会見で「自治体の数でいうと相当数になると思っている」と明かした。
 政府は、科学的有望地の適性を「より高い」「ある」「低い」などとランク付けする方針だ。しかし。「より高い」から選ぶという説明はなく、「低い」から選ばれるかもしれない。
 選ばれた場合、最初に文献調査(二年程度)、続いてボーリングなどの概要調査(四年程度)、地下に実験施設を造る精密調査(十五年程度)と続く。文献調査受け入れで最大二十億円、概要調査受け入れで最大七十億円か自治体に交付される。精密調査でも交付金を出すことが検討中だ。
 そんな「アメ」があっても、事故への不安や環境問題から住民の反発が強く、これまでに調査を受け入れた自治体はない。今回も科学的有望地に選ばれても、自治体は調査を拒否することが認められている。
 「科学」を理由に文献調査という「入り囗」を突破しようという政府の狙いはうまくいくのか。
 実は、過去にも適地の選定が行われたことがある。岐阜市の市民団体による情報公開請求訴訟で○五年に、旧動力炉・核燃料開発事業団(現原子力機構)が一九八〇年代に調査し、全国で八十八ヵ所を適地とみなしていたことが判明している。
 この調査では、幌延町は入っていないが同町に近い枝幸町と、高レベル放射性廃棄物の研究施設「超深地層研究所」がある岐阜県瑞浪市は適地とされていた。
 同様に、数十~百程度の科学的有望地が挙げられるのかもしれない。そこからの絞り込みは「科学」ではなく、「政治」判断が優先する可能性は大きい
 放射性廃棄物ワーキンググループ委員で東京電機大の寿楽浩太助教は「科学
的」という言葉を懸念している。「原発立地を調査するときでさえい火山や活断層の危険性についての判断が専門家によって異なる。『科学的な結論』は難しい。それでいて『科学的』と言われれば、市民には反発しにくい専門性の壁になる」と指摘する。
 最終処分場の選定をめぐる最大の問題は、原子力行政が信頼を失っていることだという。「一般論として、徹底した情報公開で説明責任を果たすべきだ。処分場の候補地選定も、原発を推進する官庁だけでなく、原子力規制委員会の関与も必要だ」
 フィンランドの最終処分場の先行事例を視察した際、独立した規制当局の関与が市民の不信感や不安を払拭していたという。「まずは原点に立ち返って信頼される態勢づくり。それから候補地選定だと思う」

 核のごみの最終処分 2000年施行の特定放射性廃棄物最終処分法に基づく。原発の使用済み核燃料の再処理で出る廃液をガラスと混ぜてガラス固化体にし、地下300メートルよりも深い場所に埋めて処分する。ガラス固化体は直径40センチ、高さ1・3メートルの円筒形で、人が近づくと20秒で死亡する極めて強い放射線を出すため数万~十数万年、人の生活環境から隔離する。現在、国内にはガラス固化体2万5000本分に相当する使用済み核燃料がある。

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核ごみ処分場 国が「有望地」選ぶ…_デスクメモ


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旧動燃が東北で行った最終処分地選定のための調査



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