そのこ
谷川俊太郎
そのこはとおくにいる
そのこはぼくのともだちじゃない
でもぼくはしっている
ぼくがともだちとあそんでいるとき
そのこがひとりではたらいているのを
ぼくががっこうできょうかしょをよんでいるとき
そのこはしゃがんでじめんをみつめている
ぼくがおふろからでてふとんにもぐりこむとき
そのこはゆかにごろんとよこになる
ぼくのうえにもそのこのうえにもおなじそら
ぼくはこどもだからはたらかなくていい
おかねはおとながかせいでくれる
そのおかねでぼくはげーむをかう
そのこはこどもなのにおかねをかせいでいる
そのおかねでおとなはたべものをかう
ちきゅうのうえにはりめぐらされた
おかねのくものすにとらえられて
ちょうちょのようにそのこはもがいている
そのこのみらいのためになにができるか
だれかぼくにおしえてほしい
谷川俊太郎「そのこ」 ~児童労働のない未来へ~
http://youtu.be/2Iw-oAYD7T0
子どもの人権迫害なお 女子の教育否定
(東京新聞)2014年12月11日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014121102000146.html
【オスロ=小嶋麻友美】子どもたちが虐待や搾取から守られ、自分らしく育つことを保障する国連子どもの権利条約が採択されて二十五年となる今年のノーベル平和賞は、子どもを取り巻く問題に真正面から光を当てた。世界では今も貧困や紛争を背景に、子どもの人権が脅かされ続けている。
マララ・ユスフザイさんの母国パキスタンでは、初等教育を受けていない五百四十万人の六割近くが女子。多くが農業やカーペット織り、サッカーボール工場などで労働に就く。国連児童基金(ユニセフ)によると、女子の就学率は65%(二〇一一年)で改善傾向だが、80%を超える男子との差は埋まっていない。
イスラム教の聖典では「男性は女性の保護者」とされ、宗教観の強い国では女性の活動は制限されがちだ。さらに過激派は解釈を強めて女子教育を否定する。一二年にマララさんを銃撃した「パキスタンのタリバン運動」は、北西部で学校への攻撃を続ける。
西アフリカのナイジェリア北部でも今年、「西洋の教育は罪」を意味する過激派ボコ・ハラムが学校から少女を集団拉致。二百人以上が解放されていない。
ナイジェリアはアフリカ最大の産油国だが、貧富の差も大きく、児童労働を容認する一因となっている。貧困が根深いサハラ砂漠以南アフリカでは、十七歳以下の二割超が労働に従事し、その半数は危険な現場や過酷な条件下で働かされている。
戦争や社会の混乱で真っ先に犠牲となるのも子どもだ。一二年から続く内戦に加え、過激派組織「イスラム国」の勢力拡大で、シリアを追われた難民は三百万人以上。十七歳以下が半数以上を占める。
パレスチナ自治区ガザ地区では戦闘が本格化した今夏以降、約五百四十人の子どもが死亡し、三千人以上がけがを負った。約二百八十の学校施設もイスラエル軍の爆撃にあった。
ユニセフは停戦合意後も深刻な事態は変わらないとし、「子どもたちは政治状況の改善を待っていられない。医療や教育などで国際社会のさらなる支援が必要だ」と訴えている。
マララさんノーベル平和賞受賞演説
(東京新聞)2014年12月12日
10日にノルウェー・オスロで行われたノーベル平和賞の授賞式で、史上最年少の受賞者となったパキスタンのマララ・ユスフザイさん(17)=英国在住=は、紛争や抑圧、貧困に苦しむ世界の子どもたちが等しく質の高い教育を受けられるよう、今すぐ行動を起こそうと呼び掛けた。受賞演説の詳細は次の通り。
声を上げて殺される道を選んだ
親愛なる姉妹や兄弟たち、本日は私にとって本当に幸せな日です。ノーベル賞委員会にこの貴重な賞の対象に選んでいただき、恐れ多い気持ちです。
支援と愛情を与え続けてくださる全ての方に感謝します。世界中から今も届く手紙やカードをおりがたく思っています。優しい励ましの言葉を読んで私は元気づけられ、鼓舞されています。
無償の愛を注いでくれる両親にも感謝したいと思います。私の翼を折らずに羽ばたかせてくれた父と、忍耐強くなることを教え、どんな時も真実を話すよう励ましてくれた母に感謝します。それがイスラムの真の教えだと強く信じています。
私は最初のパシュトウン人、最初のパキスタン人、最初の若者としてこの賞を受けることを誇りに思います。
今こそ行動に
この賞は私だけのものではありません。教育を求める忘れ去られた子どもたち、平和を求めるおびえた子どもたち、変革を求める声なき子どもたちのためのものです。
私は子どもたちの権利のために立ち上がり、子どもたちに声を上げてもらうためにここにいます。今は彼らを哀れむときではありません。教育を奪われた子どもを目にするのが最後となるよう行動に移すときなのです。
私は人々が私のことをさまざまな表現で語ることに気付きました。
ある人たちは、タリバンに撃たれた少女と呼びます。
権利のために闘った少女と呼ぶ人もいます。
今では「ノーベル賞受賞者」と呼ぶ人もいます。
私か知る限り、私はただ全ての子どもが良質の教育を受けるよう望み、女性が平等な権利を得られるよう望み、世界の隅々まで平和であるよう望む、一生懸命で頑固な人間にすぎません。
教育は人生の恵みの一つであり、人生に欠かせないものの一つでこれは私の人生、十七年間の経験で分かったことです。私の故郷パキスタン北部のスワト渓谷で私は学校を愛し学ぶことを愛していました。教育を渇望していました。私たちの未来はまさに教室にあったからです。私たちは一緒に座り、本を読み、学んだものでした。私たちはこぎれいな学校の制服を着るのが好きで、大きな夢を見ながら座っていたものです。私たちは、両親に誇りに思ってほしかった。私たちも勉強で秀でて、いろいろなことを成し遂げられると証明したかったのです。男の子にしかできないと思っている人もいますから。
私が十歳の時スワトは突如テロの舞台となりました。四百以上の学校か破壊され、女の子は学校に通うのを禁じられました。女性はむち打たれ、罪のない人々が殺されました。
教育は、権利から犯罪へと変わりました。
私には二つの選択肢がありました。沈黙したまま殺されるのを待つか、声を上げて殺されるか。私は後者を選び、声を上げることにしたのです。テロリストは私たちを止めようと二〇一二年十月九日に私と友達を襲撃しました。でも彼らの思想や銃弾は勝てませんでした。私たちは生き延びました。私たちの声はより大きくなる一方でした。
私が自分の話をするのは、それが特別だからではなく、むしろ特別ではないからです。。多くの少女に共通した話なのです。ここオスロには私と同じ経験をした友達や、パキスタン、ナイジェリア、シリアの友達も来ています。私の勇敢な同志シャジアとカイナトーリアズは、あの日スワトで私と共に銃撃されました。
パキスタンのカイナト・ソムロは暴力と虐待に苦しみ兄弟が殺されましたが、屈しませんでした。シリア出身のメソンはヨルダンの難民キャンプに暮らし、女の子や男の子が学ぶのを手助けしています。アミナはナイジェリア北部出身。そこでは(イスラム過激派)ボコーハラムが、学校に行きたいと願う少女たちを脅し、拉致しています。
私は教育奪われた少女6600万人の代弁者
私はハイヒールの高さを加えても身長約一五七センチです。一人の少女、一人の人間としてここにいますが、一人で声を上げているわけではありません。私は大勢(の代弁者)なのです。私は教育を奪われた六千六百万人の少女(の代弁者)なのです。
私か(イスラム教の聖典)コーランから学んだのはイクラという言葉で「読みなさい」という意味です。そして「ペンによって」という意味のヌーン・ワルカラム。国連で昨年お話しした通り「一人の子ども、一人の教師、一本のペン、そして一冊の本が世界を変えられる」のです。
何十万もの罪のない人々が命を失う紛争が今もあります。シリアやガザ、イラクでは多くか難民となっています。ナイジェリア北部では学校に行く自由のない女の子たちがいます。パキスタンとアフガニスタンでは、自爆攻撃や爆弾で罪なき人々が殺されています。
アフリカでは多くの子どもたちが貧困のため学校に行けません。インドとパキスタンでは、社会的タブーのために教育の権利を奪われ、児童労働を強制され、少女が児童婚を強いられています。‘
私の級友は医者になることを夢見ていました。彼女の夢は夢のままで終わりました。十二歳で結婚させられ、十四歳の時に息子を産んだのです。
彼女の話こそ、私かノーベル賞の賞金をマララ基金に託す理由です。この資金は最初にパキスタン、特に私の故郷スワトとシャングラでの学校建設のために使われます。
私の村では、いまだに女の子が通える中学校がありません。友達が教育を受け、夢をかなえるための機会を得られる学校を建てたい。
私はそこから始めます。全ての子どもたちが学校に行くのを見届けるまで、闘い続けます。銃撃されて死線をくぐり抜けた後、私はより強くなったと感じます。誰も私を、あるいは私たちを止められないと分かったからです。
先人のように
変革をもたらした偉大な人々、例えば(米公民権運動指導者の)マーティン・ルーサー・キングや(南アフリカで黒人解放闘争を主導した)ネルソン・マンデラ、(貧しい人々の救済に尽くした修道女)マザー・テレサや(ミャンマーの民主化運動指導者)アウン・サン・スー・チーは、かつてこの場に立ちました。彼らと同じように、私がこれまでしてきたことやこれからすることが、長く続く変革をもたらしてほしいと思います。私の大いなる望みは、児童教育のための闘いをこれで最後にすることです。
教育がいかに重要か理解するよう指導者に求める時ではありません。彼らは既に知っているのです。彼らの子どもたちは良い学校に入っています。今こそ行動を起こすよう彼らに求める時です。
世界の指導者たちに対し、結束し教育を最重要課題とするよう求めます。
いわゆる大人の世界は理解するでしょうか、私たち子どもには分かりません「強い」といわれる国々は、戦争を起こす上では非常に力強いのに、なぜ平和をもたらす上ではあまりに弱いのか。銃を渡すことはとても簡単なのに、なぜ本を与えるのはそれほど大変なのか。戦車を造るのは極めて易しいのに、なぜ学校を建てるのはそんなに難しいのか。
二十一世紀の現代に生きる私たちは、不可能なことはないと信じています。月にだって行けるし、火星にもそのうち着陸するかもしれない。ですから、この21世紀に、誰もが良質な教育を受けられるという夢もかなうのだとの決意を持たなければならないのです。
平等と正義、そして平和をみんなにもたらしましょう。政治家や世界の指導者たちだけでなく、全員が貢献する必要があります。私も、あなたも。それが私たちの義務なのです。
だから、立ち止まらず、努力しなければなりません。
私の仲間である子どもたちに、世界中で立ち上がるよう求めます。
親愛なる姉妹、兄弟たちよ。最後になることを決める最初の世代になりましょう。
空っぽの教室、失われた子ども時代、生かされなかった可能性。これらを私たちでもう終わりにしましょう。
少年や少女が子ども時代を工場で過ごすのは、もう終わりにしましょう。
少女が児童婚を強いられるのは、もう終わりにしましょう。
純真な子どもが戦争で命を落とすのは、もう終わりにしましょう。
教室が空っぽのままであり続けるのは、もう終わりにしましょう。
教育は権利ではなく犯罪だと少女が言われるのは、もう終わりにしましょう。
子どもが学校に行けない状況は、もう終わりにしましょう。
終わりにすることを始めましょう。
私たちで終わりにしましょう。
今ここで、より良い未来を築きましょう。
ありがとうございました。
Iqra Iqra Iqra Iqra اقرأ اقرأ اقرأ اقرأ
http://youtu.be/e-OJCt4Go4o
僕たちも学びたい
~貧困と闘う子ども労働者たち~
http://youtu.be/eczu3SrWnJI
http://youtu.be/tRH37_gCIzs
http://youtu.be/LPKlSdgFW3w
http://youtu.be/WukieC4Z2BQ
ドキュメンタリー映画『バレンタイン一揆』予告編
http://youtu.be/fk-L31zI9Uk
チョコレートの影 バレンタイン #チョコ 児童労働 人身売買 #keizai 全編
http://youtu.be/a_7O-S_omG8
http://www.unicef.org/tokyo/jp/haku2014.pdf
2013/09/14 【北海道】安倍首相の「五輪招致発言」で不信感増大。
小出氏「フクイチ敷地内は、放射能の沼」
~小出裕章さん講演会「私たちの未来と原発」
(IWJ)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/101586
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静かなる津波
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