メディアの病理、そして上手な付き合い方とは
(ラジオフォーラム#102)
http://youtu.be/B3z2nPg1fBI?t=14m14s
14分14秒~第102回小出裕章ジャーナル
増え続ける放射性廃棄物をどうするのか?「放射能を消すことができないわけですから、とにかく閉じ込めるということをやるしかないわけです」
http://www.rafjp.org/koidejournal/no102/
石井彰:
今月は、「福島原発の今」と題して特集でお送りしてるんですが、今日は、増え続ける放射性廃棄物について小出さんにお伺いしたいんですが。
小出さん:
はい。
石井:
東京電力福島第一原発の大事故によって、大変大量の放射能がまかれてしまった。広がってしまった。様々なものが放射能によって汚されてしまったというか、放射能がくっ付いてしまったわけですよね?
小出さん:
はい。
石井:
これ、例えばがれきならがれきと放射能というのを分離するということはできないんでしょうか?
小出さん:
例えば、がれきの焼却ということをこれまでもやってきましたし、多分これからもやると思いますけれども、がれきと言うと、体積が膨大になってしまって、その膨大なものをそのまま管理し続けるということは大変難しいということで、それを焼却して、焼却灰というコンパクトな形の中に放射性物質を濃縮して、それを管理しようということが基本的な方針になっているわけです。
放射性物質を消すことはできませんけれども、できる限りコンパクトにするということは、やはりこれから管理をしていく上で必要だろうと私は思います。
石井:
なるほどね。それからもうひとつ、よく低レベル廃棄物というような言い方をしますよね?
小出さん:
はい。
石井:
この低レベルっていう風に聞くと、なんかそれだけで安全かのうように私達は受け止めてしまうんですが、そんなことはないですよね?
小出さん:
もちろんありません。日本に放射性廃棄物を分類する時には、「高レベル放射性廃棄物」という物と「低レベル放射性廃棄物」というものの2種類しかないのです。
高レベル放射性廃棄物と呼んできたものは、使用済み燃料、あるいはそれを再処理工場で処理して出てきたガラス固化体という、その2つだけです。それ以外のものは、全て低レベルという分類に入ってしまいまして、その中には猛烈な汚染物も含まれています。
石井:
例えば、福島原発の建屋が爆発して、そこに大量の放射能が付いている。それでもそれは、今の分類で言うと、低レベルになってしまうわけですか?
小出さん:
そうです。全てが低レベルになってしまいます。
石井:
そうだった。僕らやっぱり全然、根本的にわかってませんねえ。
小出さん:
はい。
石井:
そういう福島の放射能のいわばゴミですね。これの後始末はどういうふうにしようとしてるんでしょうか?
小出さん:
本当にやりたいとすれば、放射能を消したいわけですけれども、残念ながら、人類は放射能を消すという力を未だに持っていないのです。そのため、私も先程から石井さんに引っ張られて、「放射性廃棄物」というような言葉を使ってきましたが、実は私は、放射性廃棄物という言葉を使わないようにしているのです。
石井:
そうでしたね。失礼しました。
小出さん:
なぜかと言うと、消すことができない放射能を環境に捨ててはいけないので、私は「放射性廃物」と呼んできたのです。そして今、聞いて頂いたように、放射能を消すことができないわけですから、とにかく閉じ込めるということをやるしかないわけです。
ただし、原子力を使うことによって生み出してしまう放射性物質の中には、寿命の長いものもありますので、閉じ込めるといっても10万年、100万年閉じ込めておかなければいけないという、そういうものなのです。
Th:トリウム U:ウラン Pu:プルトニウム
残念ながら、福島第一原子力発電所の事故が起きて、大量の放射性物質を環境にまき散らしてしまったわけで、それを本当にこれからどうできるのか私もよく分からないという、そんな状態の前で立ちすくんでしまっているわけです。
石井:
小出さんにこういう質問をするのは大変酷なんですけども、大量の放射能廃物を今、国は中間貯蔵施設に集めて、「そこは永久じゃないよ」ということも法律で作って、なんとか中間貯蔵施設に持っていこうとしていますよね?
小出裕章: はい。
石井:
これも何か所かに分けてやろうとしている。
小出裕章: はい。
石井:
こういうやり方でいいんでしょうか?
小出さん:
私は決定的に間違えてると思います。今、中間貯蔵施設を作られようとしてるのは、大熊町と双葉町にまたがる地域。そこに、約16平方キロメートルぐらいの土地を、民有地を買い集める、あるいは、30年で返すというようなことを今、政府が言ってるわけで、地上権だけの設定というような案も出ていますけれども、いずれにしても民有地なのです。
被害を受けた人々の土地に、また放射能のゴミを押し付けようということを今の政府はやろうとしているわけで、私はやってはいけないと思います。
福島第一原子力発電所が環境にばらまいて、今環境を汚染している放射性物質は、もともとは東京電力の福島第一原子力発電所の原子炉の中にあったものです。れっきとした東京電力の所有物なわけですから、東京電力に返すというのがいいだろうと私は思います。
私が実際にできるだろうという案を持っているのですが、それは福島第二原子力発電所の敷地に放射能のゴミは全て集める。そこで、一括して管理をするというやり方が一番いいと思います。
当然、再稼働などやってはいけないわけですし、福島第二原子力発電所を放射能のゴミ捨て場にするというのが、私は論理としては一番いいいだろうと思います。
石井:
最後の質問になりますが、いわば「負の遺産」と言ったらいいでしょうか、マイナスの遺産を私達のずーっと何百世代、何千世代の子子孫孫に残してしまうわけですけれども。もう既に。これを残さないようにする方法はないですよね?
小出さん:
まずは、自分で始末のできないようなゴミを生んではいけないということなわけですから、これ以上、原子力発電などをやることを即刻止めるという選択が、まず必要だと思います。
でも、即刻止めたとしても、私達の世代ですでに広島原爆に換算すると、120万発とか130万発分もの放射性物質を作ってしまっている。できれば私としては、自分達が生み出した放射能を消したいと思っていますし、その研究も既に70年ほど続いています。
残念ながら、未だにその方策が見えていないのですけれども、私達の世代の責任として何としてもその方策を私は見つけたと思っています。
石井:
はい。ぜひ、小出さんの奮闘に期待したい部分と私達にできることは、「もうこれ以上廃物を作らせない、増やさないということだ」ということが改めて分かりました。トンチンカンな質問をしたかもしれませんが、またよろしくお願いします。
小出さん:
はい、よろしくお願いします。
石井:
ありがとうございました。
小出さん:
ありがとうございました。
<避難勧奨地点>南相馬28日解除へ
(河北新報)2014年12月22日
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201412/20141222_61012.html
国の原子力災害現地対策本部は21日、福島第1原発事故に伴い、放射線量が高いとして指定していた南相馬市の特定避難勧奨地点について、28日に指定を解除することを決めた。指定の152世帯を対象に市内で開いた住民説明会で伝えた。28日午前0時で全世帯、142地点の指定が解除され、福島県内から勧奨地点はなくなる。
◎住民反対、国押し切る
説明会には住民ら約80人が出席。本部長の高木陽介経済産業副大臣は「空間線量は既に健康影響を考えなくていいレベル。風評被害からの脱却のためにも、総合判断した」と理解を求めた。
会場からは「農地除染が終わっていない」「避難区域より放射線量は高い」と放射線への不安などから現段階での解除に反対の声が相次いだが、国側が押し切った。
同席した桜井勝延市長は「最低でも年度内は解除しないよう要請してきたので不本意。国は今後も住民の声を聞く場を設けてほしい」と述べた。
国は全世帯が指定基準の年間被ばく線量20ミリシーベルト(毎時3.8マイクロシーベルト相当)を下回ったとして10月中の解除を検討したが、住民の反発が強く延期。その後、対象世帯の戸別訪問や希望世帯での放射線軽減のための清掃活動を実施してきた。
国が避難を勧めた勧奨地点は、原発20キロ圏外で局所的に放射線量の高い世帯を指定。大半が避難しており、精神的損害に対する月10万円の慰謝料が支払われている。指定解除で慰謝料の対象から外れるが、解除後3カ月間は支給される。伊達市と福島県川内村は2012年12月に解除され、指定は南相馬市内のみだった。
20130829 原発問題 『そもそも 避難・除染政策はどうなっている?』 西尾正道
http://dai.ly/x14eoyl
今日のテーマは「国が進めている、福島の避難・除染政策は甘いのではないか」。
先週郡山市に住む人や福島市から避難した人など19人が、「原発事故 子ども・被災者支援法ができたのに支援されず、1年以上放置されている」として、国を提訴した。
避難指示区域以外の人は、法律があるのに補償がない状況が続いている。
放射線専門医の西尾正道氏は、国は20ミリシーベルト以下なら住んでも良いという基準を設けているが、「その数値はとんでもない」と指摘した。
2014.12.21 白石草氏が福島原発事故の健康問題について言及
http://youtu.be/OEK5Zw6gFIM
日時:2014.12.21
場所:福島県いわき市
国や福島県が行う専門家会議等を精力的に取材されてきたOurPlanet-TV代表の白石氏が、
現在の健康調査のあり方等の問題点や、今後の対応について言及されました。
NHKスペシャル_メルトダウンFile.5「知られざる大量放出」20141221
http://dai.ly/x2d2rh8
※番組内容をそのまま鵜呑みにするのは危険であり、有害です(;`O´)o
放射性ヨウ素が放出されただけでこれだけのピークが…??実に怪しい!?(-.-;)
アメリカや政府からの横槍で電源復旧作業が遅れた…??ほんまかいな??(゜ロ゜)
シリーズ原発事故13「謎の放射性粒子を追え!」
http://dai.ly/x2d2j8i
福島第一原発の事故で大量に放出された放射性物質・セシウム。放射線量などをもとにその汚染状況が調査されてきたが、実際の化学的形態はよく分かっていなかった。しかし、電子顕微鏡を用いた巧みな調査で、不溶性の球形粒子として存在するものも多いことが明らかになった。従来想定されていた水溶性粒子とは体内や環境中でのふるまいが異なるため、健康影響の推定などにも違う考え方が必要だ。どのくらいの影響が懸念されるのか。
人間と放射線
医療用X線から原発まで ジョン・W・ゴフマン 著
(明石書店)
http://www.akashi.co.jp/book/b93760.html
伊藤 昭好 訳
今中 哲二 訳
海老沢 徹 訳
川野 真治 訳
小出 裕章 訳
小出 三千恵 訳
小林 圭二 訳
佐伯 和則 訳
瀬尾 健 訳
塚谷 恒雄 訳
1991年に社会思想社より刊行された『人間と放射線』の復刊。低線量放射線が人に与える影響について、学問的・体系的にまとめられている。著者のジョン・W・ゴフマン博士は、エリートに支配されてきた科学を社会に開放し、市民が放射線の影響について計算と評価ができるようにと本書を執筆した。放射能汚染時代を生きざるをえなくなった私たちが今こそ読むべき書といえるだろう。