データで見るアベノミクス
功-株高、失業率が低下 罪-年収200万円以下増
(東京新聞【核心】)2014年11月23日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2014112302000131.html
アベノミクスは、私たちの暮らしをどう変えたのか。この二年間の各指標の変化を見ると、株価や失業率は好転する一方、消費が低迷し、格差が拡大している現実が浮かび上がる。アベノミクスはどこまでうまくいき、どこからうまくいっていないのか。
(吉田通夫)
アベノミクスの看板の一つは、大規模な金融緩和。二つの効果を狙ったシナリオだ。
一つは、日銀から銀行に大量のお金が渡る→銀行から企業への貸し出しが進む→工場の建て替えなど設備投資が拡大する-。もう一つは、金融緩和によって為替相場も円安になる→輸出が増えて大手製造業などの収益が上がる→大企業から取引関係のある中小企業、企業から労働者へとお金が流れ落ちていく-。二つが重なり合って景気を押し上げるはずだった。
実際には、シナリオ通りに進んだのは日銀から銀行へお金が渡ったことと、円安が進んだだけ。
輸出企業は過去の円高を受けて生産拠点を海外に移しており、円安の恩恵を受けたのは大手自動車メーカーなど一部のみ。このため国内での設備投資は伸びず、銀行の貸出金はほぽ横ばい。お金は流れていない。
むしろ円安は、負の側面が目立つ。中小企業は、原材料の輸入価格が上がって苦しんでいる。今年四月からの消費税増税の影響もあり、食品など幅広い品目が値上がりし、消費者物価指数は政権発足前から四%上昇。家計を圧迫している。
公共事業を積み増したこともあり、一部の企業は求人を増やし、完全失業率などの雇用指標は改善した。しかし企業は景気の先行きを危ぶんでおり、増えているのは解雇しやすい派遣社員らが中心。雇用者に占める非正規労働者の割合は、過去最高に近い37・2%に上っている。
「大規模な金融緩和」という鮮烈なうたい文句が海外の投資家の注目を集め、日経平均株価は約七〇〇〇円上がった。半面、株式を持つ富裕層と、持たない低所得層との格差拡大をもたらした。
一方、「自助・自立」色の濃い社会保障政策により、年金支給額が減ったり、高齢者の医療費の自己負担額が増えたりしている。
アベノミクスのまやかし 経済学者・伊東光晴氏に聞く
(東京新聞【こちら特報部】)2014年11月19日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014111902000147.html
「この道しかない」。安倍晋三首相は18日、アベノミクスと呼ぶ経済政策をこのまま進める考えを強調した。本当にそうなのか。景気上昇の実感はなく、国内総生産(GDP)はマイナス成長。国民には不安感が広がる。理論経済学の泰斗である伊東光晴・京都大名誉教授(87)に、アベノミクスと安倍政治の本質を聞いた。
(沢田千秋、上田千秋)
国民よ失敗に気づけ
「アベノミクスはまやかしだ」。伊東氏は、開口一番、こう断言した。
「デフレからの脱却」を掲げるアペノミクスは、「三本の矢」からなる。
第一の矢は「大胆な金融緩和政策」。消費者物価の上昇率2%を目標に掲げ、市中の資金量を増やし貸出金利を下げるようにし向ける。企業や個人が金を借りやすくして、設備投資や消費を促そうとした。だが、伊東氏は「利子率低下への期待だけでは投資を増加させることはない」と言い切る。
「バブル期で投資しやすい時代の企業アンケートでも、利子率の低下で投資する可能性は低かった。不確実性を伴う企業投資の決定要因は利子率なんかではなく利潤が期待できるかどうかなんです」と話す。
「物価が上昇すれば、預貯金の価値は相対的に下がる。アベノミクスでは金融緩和で手持ちの資産価値が上がれば、消費支出も増えるという。だが、例えば、持ち家の資産価値が1%上がったとしても消費支出を増やす人はいない。金融緩和が設備投資や消費支出の増加につながると考えるのは、短絡すぎる」と指摘する。
ではなぜ、このような理論が安倍政権ではまかり通るのか。伊東氏は「本格的な経済学をやっていないグループが首相のブレーンだから。理論上あり得ない幻想。第一の矢は飛んでいない」と切り捨てる。
日経平均株価は、第二次安倍内閣発足時の一万円台から六千円以上値上がりし、「アベノミクスの効果」と宣伝している。だが、伊東氏は、その要因は「外国ファンド資金の日本への流入にある」と解説する。外国ファンドはリスク分散のため、米国、欧州とその他の地域に資金を投じているという。「リーマンーショツクで落ち込んでいた米国と欧州の株価が回復し投資枠を超えたため、二〇一二年六月ごろから日本株が買われるようになった。アベノミクスとは何の関係もない」
アベノミクスの第二の矢は、国土強靭化政策を中心とした財政出動だ。公共事業で需要創出を図るとする。
国土強靭化政策では、南海トラフ巨大地震や首都直下地震に備え、建物や堤防の耐震化、避難路の整備などに十年間で二百兆円を投じるとされる。伊東氏は「一四年度の公共事業関係予算は六兆円だ。国の財政状況や一千兆円を超える国債残高を見ても、年二十兆円は不可能。土木事業は人手不足の上、今後、インフラの維持管理、更新にさらに予算がかかる。新たな投資をできる余地はない。第二の矢は既に折れている」と話す。
格差のない国目指そう
第三の矢は、規制緩和などによって「民間投資を喚起する成長戦略」だ。伊東氏は「既存産業での投資の増加は、その商品への需要増加が見られることによって起こる」という。「企業の生産性の高まりと、その継続への期待が十分あれば設備投資が起きるが、生産年齢人口が減り続ける日本では、このような状態は生まれない」という。「第三の矢はいつ実現できるか分からないプランが並ぶだけ。有効性のない音だけの鏑矢(かぶらや)になる可能性が大きい」と見立てる。
伊東氏の批判は、原発政策にも及ぶ。あれほどの被害を及ぼした福島第一原発事故を経験したにもかかわらず、安倍政権は九州電力川内原発を手始めに、再稼働に向けた動きを推し進めている。原発の海外輸出にも躍起だ。アラブ首長国連邦やトルコと原子力協定を結び、インドや南アフリカなどとも交渉を続けている。
伊東氏は「国内で再稼働を急ぐのは、安全性をアピールして、企業に大きな利益をもたらす輸出を後押ししたいとの思いがあるからだろう。ただ、いまだに放射性廃棄物の最終処分場が決まっていない。安全か安全でないかという議論は結局、水掛け論に終わる。処分先がないという一点をもってして、進めるべきではない」と言い切る。
労働政策も誤った路線を歩んでいるという。政府は臨時国会に、労働者派遣法の改正案を提出した。原則として最長三年と定められている派遣労働者の雇用期間を、条件付きながら無期限にするなどの内容だ。
「非正規の形態が一般化するに従って、低賃金で過ごさなければならない人が増えていく。西欧諸国は非正規も含めて同一労働同一賃金の原則が守られているが、日本はそうはなっていない。安倍政権が掲げる『女性が輝く社会』も、賃金が半分になっても夫婦で働けば大丈夫だろうという考え方の裏返しと言える」とみる。これでは、国民の所得は増えそうにない。
伊東氏は「安倍政権の問題点は、三本の矢に効果がないことに加え、『第四の矢』の危険性にある」と訴える。
伊東氏の言う「第四の矢」とは、安倍首相が掲げる「戦後レジームからの脱却」を指す。安倍首相は解釈改憲による集団的自衛権の行使容認に踏み切り、憲法改定までも念頭に置いている。「国際紛争は武力で解決できないことは中東の例を見ていても明らかなのに、中国との間で緊張関係を生じさせるなど、逆の方向へ行っている」
では、日本はどういった国家像を探るべきなのか。伊東氏は「五〇年の生産年齢人口は今の六割にまで減る。従来のような経済成長や発展は期待できない」と説く。
「日本の高度成長期のような爆発的な経済成長が続く『鉄が鉄を生む』といわれるような期間は、一つの国に一度しか訪れない。今で言えばインドや中国がその状態に当たる。日本はこれまでに蓄積した富や社会資本を生かし、格盖のない、福祉重視の国を目指していくしかないのではないか」
十八日夜、安倍首稻は衆院の解散を表明し、総選挙が行われることになった。
伊東氏は「アベノミクスが失敗だったことに、国民が気付く必要がある」と話す。
「この二年間、安倍政権は経済政策をはじめとして効果のあることは何もやってこなかったに等しい。今解散したのは、それがばれる前に選挙をやってしまえば引き続き政権を担えるから。どの候補者を選べば自分にとってプラスになるのか、一人一人が真剣に考えるべきだろう」
いとう・みつはる 京都大名誉教授。 1927年、東京生まれ。東京商科大(現一橋大)卒。理論経済学、経済政策専攻。「現代に生きるケインズ」「原子力発電の政治経済学」など著書多数。近著に「アベノミクス批判 四本の矢を折る」。
首相はネトウヨだった!?
(東京新聞【こちら特報部】ニュースの追跡)2014年11月27日
安倍晋三首相のフェイスブック(FB)が、またもや物議を醸している。ヘイトスピーチ(差別扇動表現)で訴えられているネット掲示板「保守速報」の記事をシェア(共有)していたのだ。ネット上では、「(首相は)正真正銘のネトウヨ(ネット右翼)だった」などのつぶやきが飛び交っている。
(沢田千秋)
保守速報の記事は、首相のFBが、秘書のFBをシェアしたもの。秘書は「それなりに面白いので見てください」とコメントしていた。
保守速報の記事が扱ったのは、二十一日の衆院解散直後に開設されたサイト「どうして解散するんですか?」。自称小学四年生で・放送部の「中村」君が、「しつもんです。なぜ一回で700億円もかかるのに衆議院を解散し、選挙を行わなければいけないの」と問い掛けている。
サイトの完成度が高く、当初から大人の関与が疑われ、翌二十二日夜、慶応大の男子学生が「中村とは僕です」と謝罪文を掲載した。「小学四年生を自演することで、より多くの方を巻き込み、選挙の意義を語り合うことができると考えた」と釈明した上で、サイトを削除した。
首相は、このサイトがよほど腹に据えかねたのか、二十四日までに、自身のFBで「批判されにくい子供になりすます最も卑劣な行為」と厳しく糾弾した。この書き込みと一緒に、保守速報の記事をシェアした秘書のFBも紹介した。
確かに大学生も悪いが、一国の首相が激高するような話か。それ以上にネット上で波紋を広げているのが、保守速報のシェアだ。
在日コリアンの女性フリージャーナリストは八月、ネット上の人種差別的な記載で精神的な苦痛を受けたとして、保守速報の運営者らに損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。ヘイトスピーチ問題を取材するジャーナリストの安田浩一氏は、保守速報について「ネット掲示板『2ちゃんねる』の情報や独自記事を掲載し、在日コリアンらへの誹謗(ひぼう)中傷ヘイトスピーチ、差別、偏見をかき集めた非常に悪質なサイト」と指弾する。「首相が引用したと聞き、信じられなかった。単に脇が甘いでは済まされない。首相の思考が保守速報と共振している表れであり、これは差別、ヘイトへの加担だ」
首相は昨年五月の参院予算委員会で、自身のFB上で閲覧者による差別的コメントが増えていると指摘され、「エスカレーションを止めるべきだろうとコメントしていきたい」と答弁した。
ネットに詳しいジャーナリストの津田大介氏は「あの答弁は何だったのか」とあきれる。「FB閲覧者に対し、人種差別的発言をやめるよう言うのが首相の役割なのに、首相や秘書が保守速報を情報源にしている」
首相側はネット上の騒動に驚いたのか、「小四サイト」への批判文と保守速報の紹介部分を削除。二十六日、「小学4年生と偽った大学生もそのアイディアやエネルギーを強くて明るい将来に向けてほしい」などと投稿し直した。
政治ジャーナリストの角谷浩一氏は「安倍首相にとっては初めての解散で、世論の批判が思った以上に厳しくて驚いたのだろう。一国の総理なら、大学生のサイトなどに手を突っ込まず、大所高所から堂々と政策論争をやってもらいたい」と苦言を呈した。
「アベノミクス」は低所得層の暮らしをどう変えたか
生活保護1254世帯調査でわかった残酷な実態
みわよしこ 政策ウォッチ編・第88回
(ダイヤモンド・オンライン)
http://diamond.jp/articles/-/63226
データでみるアベノミクス
格差拡大はっきり
資産100億円増100人 働く貧困層1120万人
(しんぶん赤旗)2014年11月30日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-11-30/2014113006_02_0.html
安倍晋三首相は、「アベノミクス」(安倍政権の経済政策)の2年間で「経済の好循環」が生まれ始めたと主張し、この流れを止めずに「国民生活を豊かにしていきます」と強調しています(自民党重点政策集)。しかし、「アベノミクス」が国民生活にもたらしたのは格差の拡大です。大企業・大株主がますます「豊か」になる一方、庶民の生活は悪化しています。
大企業経常利益史上最高34.8兆円
大企業(資本金10億円以上)の2013年度の経常利益は史上最高の34・8兆円。前年度比で8・8兆円も増えました(グラフ1)。13年度に史上最高の営業利益2・3兆円を記録したトヨタ自動車の場合、1年間で増えた営業利益9700億円余のうち9000億円を「為替変動の影響」が占めました。アベノミクスの金融緩和で急速に進んだ円安の恩恵を受けた形です。
株価も大きく上昇しました。アベノミクスの2年間で資産が100億円以上増えた大株主は分かっているだけでも100人以上にのぼり、資産増加額は合計7・6兆円に達しました。
預貯金や株式などの純金融資産を1億円以上もつ富裕層は、13年に100万7000世帯となり、11年と比べて24・3%増えました。これらの富裕層が保有する純金融資産の総額は、28・2%増えて241兆円となりました(野村総合研究所推計)。
他方、庶民には円安による物価上昇が襲いかかっています。
勤労者実質賃金15カ月連続減少
働く人の実質賃金は15カ月連続で減少し、昨年10月からの1年間で平均年収が8万4400円も目減りしました。(グラフ2)
高齢者が受け取る年金額も実質的に6%以上目減りしました。政府が1・7%削減したうえ、物価が上昇したためです。基礎年金満額の人で年間5万円近くも減りました。
年収200万円以下のワーキングプア(働く貧困層)は13年に史上最多の約1120万人にのぼり、12年と比べて30万人も増えました。貯蓄なし世帯は12年以降の2年間で26%から30・4%に増えました。
大企業・大株主優先で庶民を痛めつけ、家計消費を落ち込ませるアベノミクスでは日本経済を立て直せません。暮らし第一の政治への転換が必要です。
高額所得負担減大企業法人税も
現在の税制は、高額所得者の所得税負担率が下がり、大企業の法人税実質負担率が下がるという不平等を生んでいます(グラフ3、4)。自民党本部の政治資金団体「国民政治協会」に6440万円の献金(13年)をしているトヨタは、08~12年度の5年間にわたって法人税(国税)を1円も納めていませんでした。大企業の内部留保は増え続けています。(グラフ5)
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アベノミクス→失敗(*゚Д゚)発見 = アホノミクス……そろそろ気づこうね?(´・_・`)
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