ヘイト活動の法律規制をどう考えるべきか(ラジオフォーラム#99)
http://youtu.be/lCwdexyRCts?t=16m33s
16分33秒~第99回小出裕章ジャーナル
特別検査で高浜原発1・2号機稼働延長か?「40年経ったのになおかつ、それを動かそうということ自体が私は随分異常なことだと思います」
http://www.rafjp.org/koidejournal/no99/
石丸次郎:
今日は、関西電力の高浜原子力発電所の1号機、2号機の再稼働についてお話を伺いたいと思います。
小出さん:
はい。
石丸:
関西電力が福井県にある高浜原子力発電所1号機、2号機。これは74年に稼働が始まりましたので、40年が経とうとしている原発ですけれども、これを特別検査を申請して、また再稼働させようとする動きが見えてますね。
小出さん:
はい。
石丸:
現行の法律では、基本的に原発の寿命は40年。特別検査をして、合格すれば20年プラスして60年まで稼働が一応可能ということになっておりますが、やっぱり心配になるのは、相当老朽化してるんじゃないかと。40年も動かし続けてということが真っ先に頭に浮かびますけれども。これ、どうですか?40年という稼働の原発は、どう考えたらいいでしょうか?
小出さん:
皆さん、ご自分の周りのことを考えて頂きたいのですが、例えば自分が乗っている車、40年前の車であったとすれば使い続ける気がするでしょうか?
石丸:
なるほど。
小出さん:
あるいは、家庭の電化製品でもそうですけれども、40年前の物って、これからもずっと使っていこうと思うのが、むしろ不思議だろうと私は思います。原子力発電所というのは、特に安全性に十分な注意を払わなければいけない機械なわけですし、それがもう40年の寿命というか、40年経ったのに、なおかつ、それを動かそうということ自体が私は随分異常なことだと思います。
石丸:
なるほど。
小出さん:
一番問題なのは、原子炉圧力容器と言ってる炉心を格納している圧力釜なのですが、それが中性子を被ばくしながら、どんどんどんどん劣化してきてしまっているわけです。
石丸:
やっぱり、鋼鉄製でも劣化してくると?
小出さん:
はい、そうです。もちろん人間は被ばくをすれば、簡単に死んでしまうわけですけれども、鋼鉄も被ばくをすればするだけ劣化していくわけです。
皆さん、家庭で使ってる鍋とガラスでできているコップという物を考えて頂きたいのですが、普通、私達が生活している場所というか、温度ですね。気温10℃、20℃、或いはマイナス零下何℃になるということもあるかもしれませんが、普通、鉄は割れないのです。ガラスは簡単に割れますけれども、鋼鉄は割れません。トンカチで叩いても、例えば落としたって、ひしゃげたり曲がったりするかもしれませんけども、割れないという性質を持っています。
丸い金属棒の引張試験結果の分類
(a) 脆性破壊
(b) 延性破壊
(c) 完全な延性破壊
ただ、その鋼鉄もどんどんどんどん冷やしていくと、ある温度以下になると簡単に割れてしまう。つまり、ガラスのような性質になってしまうという温度が実はあるのです。
それを私達は延性。普通、その鋼鉄が割れないというのを私達は「延性」と呼んでいるのですが、延びるのですね。金属というのは。それから、ガラスのように簡単に割れてしまう物を「脆性」と私達は呼んでいるのですが、温度が低いと大抵の物は脆性なのです。脆性から延性に変わる温度というのがあって、それを私達は「延性脆性遷移温度」と呼んでいます。
鋼鉄の場合には、それが通常だと零下何十℃という所で、それ以上の温度であれば延びる。つまり、簡単には割れないという性質を持っているのですが、原子炉が稼働して、鋼鉄が被ばくをするに従って、その温度がどんどんどんどん上がってくるのです。例えば、高浜原子力発電所の1号機の場合には、すでに脆性から延性に変わる温度が95℃という値がすでに数年前に得られています。
石丸:
これ、えらく低くなってるっていうことですね?
小出さん:
どんどんどんどん、その遷移する温度が高くなってきてしまっていて、95℃以上であれば、まだ金属の性質を持っているけれども、95℃以下、つまり普通、私達が生活している温度の状態では、もう高浜原子力発電所の原子炉はガラスなのです。ですから、何かコトがあれば、バリっと割れてしまうという、そういう危険な状態にすでになってしまっています。本当であれば、もうこういう原子炉は動かさないという判断をするのが妥当だろうと私は思います。
石丸:
なるほど。脆くなる温度が上がってきたと?
小出さん:
そうです。はい。
石丸:
これは、中性子を浴び続けたせいなんですか?
小出さん:
そうです。まさにその通りです
石丸:
ということは、どんどんどんどん脆くなって、40年間脆くなってきた物を、でも使い続けざるを得ないわけですよね?交換はできないわけですもんね?
小出さん:
交換はできない。ですから、原子力発電所の寿命というのは、もともと40年ぐらいだろうと言われていたわけですけれども、それは、この原子炉圧力容器というものが交換できないし、それがどんどん中性子を被ばくして劣化してくるので、40年ぐらいで止めておくのが妥当だろうなと初めに考えたのです。その時期がもう高浜原子力発電所にはきているわけですし、私はもう止めるのが当然のことだろうと思います。
石丸:
なるほど。動機が経済的な動機、つまり欲ですよね?
小出さん:
はい、そうです。
石丸:
儲けたいということで、この安全の問題がまた二の次になるようなことって本当に困りますよね?
小出さん:
はい。
石丸:
これも高浜の問題もですね、この脆性、脆くなる、ガラスのように脆くなるっていうこと。どれだけ検査で規制の方が検討するのかちょっと分かりませんけれども、注目していきたいと思います。
小出さん:
はい。
石丸:
小出さん、今日はどうもありがとうございました。
小出さん:
ありがとうございました。
MOX燃料製造データ改ざん
原子炉の脆性破壊:井野博満
http://youtu.be/HrRE_ziN2so
高浜、大飯原発再稼働差し止め認めず 大津地裁
(中日新聞)2014年11月27日
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2014112790131300.html
滋賀県などの住民らが、関西電力の大飯原発3、4号機(福井県おおい町)と高浜原発3、4号機(同県高浜町)=いずれも運転停止中=の再稼働差し止めを求めた仮処分申し立てについて、大津地裁(山本善彦裁判長)は27日、「原発再稼働が差し迫っているとはいえない」として、却下する決定をした。
住民らは、大飯と高浜で過酷な事故があれば琵琶湖が汚染され、住民の生存権や人格権が侵害されると主張。原発の耐震設計の目安となる基準地震動を、関電が過去の地震動の最高値ではなく平均値に基づいて設定しているなどとして危険性を訴えていた。関電側は「安全性は確保されている」と却下を求めていた。
対象になっている原発4基はいずれも、停止中。関電は昨年7月、再稼働を目指して新しい規制基準への適合性審査を申請し、原子力規制委員会が審査を進めている。
仮処分は、通常の訴訟で争うと時間がかかるため、当事者の権利を守るために暫定的に行う手続き。
大飯3、4号機をめぐっては、関西の住民が運転差し止めを求めた仮処分を大阪地裁に申し立てたが、地裁は2013年4月、「安全基準を満たしている」として却下。大阪高裁も今年5月、抗告審で「差し迫った必要性はない」として却下していた。
一方、福井地裁は今年5月、大飯3、4号機の再稼働差し止めを命じる判決を下した。現在、名古屋高裁金沢支部で控訴審を係争中。
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妻文子さんのコメント【全文】
七年前に膀胱がんを発症して以来、以前の人生とは違う学びの時間を持ち「朝に道を開かば、夕に死すとも可なり」の心境で日々を過ごしてきたと察しております。
「落花は枝に還らず」と申しますが、小さな種を蒔いて去りました。一つは、先進諸国に比べて格段に生産量の少ない無農薬有機農業を広めること。もう一粒の種は、日本が再び戦争をしないという願いが立ち枯れ、荒野に戻ってしまわないよう、共に声を上げることでした。すでに祖霊の一人となった今も、生者とともにあって、これらを願い続けているだろうと思います。
恩義ある方々に、何の別れも告げずに旅立ちましたことを、ここにお詫び申し上げます。
菅原文太さん「命がけで戦争反対を!」~6.12日比谷集会
http://youtu.be/K_6Kby-Dobo
トラック野郎 故郷特急便 オープニング
http://youtu.be/jKYOQD0weUw
千と千尋の神隠し - Wikipedia
菅原文太氏のスペシャルゲストあいさつ
http://youtu.be/8PFTMiaHXAc
菅原文太さん 脱原発を語る
(東京新聞【こちら特報部】)2011年11月21日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2011112102000028.html
「生活様式を変えなくても、みんなが使っていない電気を消すくらいで、原発がなくても十分やっていけるんじゃないの」。そう話すのは、俳優の菅原文太さん(78)だ。数々の映画やテレビドラマで確固たる地位を築いた“国民的俳優”は、山梨県で無農薬の有機農業にいそしむ毎日。南アルプスを望む豊かな自然のもとで、脱原発への率直な思いを語ってもらった。
(鈴木泰彦)
「昔、仕事で福井県の敦賀に行ったとき、街並みが普通と違っていて驚いたことがあった。映画のセットは瓦も木も、妙に新しいだろ? そんな人工的な、ピカピカした街のように感じた。聞くと『原発の交付金で(さまざまな施設や道路が)つくられた』と。奇異な感じだったね」
代表を務める山梨県北杜市の農業生産法人「竜土自然農園おひさまの里」の事務所で、スタッフとの打ち合わせを終えたばかりの菅原さんは、首に手ぬぐいをまいたまま、ゆっくりと口を開いた。
「ずっと、原発には賛成でも反対でもなかった。どちらかというと無関心だった。原発から離れたところで暮らしているとね。でも福島の事故で変わった。やめたほうがいい、危険物は。科学によってつくられたものが無謬であるはずない」
「ドイツは政府が脱原発で、20年後にすべてなくそう、自然エネルギーに変えていこうと明言している。イタリアもそう。なのに(原発事故を起こした)日本はいまだにはっきりしない。専門家は人によって全く違うことを言い、メディアも分かったような分からないような報道しかしない。国民は誰の何を信じていいか分からない。何という国なんだろうな」
福島第一原発事故を機に、原発への世間の関心は飛躍的に高まった。6月には東日本大震災の被災地支援事業の発表会見で「日本でも原発の是非を問う国民投票を」と発言した。だが、芸能界では原発の賛否すら明らかにしない人が多い。
「何で言いづらいんだろう。みんな東電にお世話になっているの? そんなことないだろう。芸能人だろうが、政治家だろうが、農家だろうが、個人として言いたいことを言わなきゃ。憲法が定めてくれているじゃないか、言論の自由を」
「夏の節電時、街は薄暗くなったけれど、俺には心地よいくらいだった。24時間こうこうとってのは、まともじゃない。昼は明るく、夜は暗い。子どものころはそうだった。20年くらい前まで家にはコンピューターもなかったし、その前は冷蔵庫やテレビもなかった。でも、それなりに暮らしていただろ? 女房と飯を食いながら、ちょうどいいねなんて話してたんだ。あのまま節電を続ければいいのに」
農園では、若い従業員が数人住み込みで働く。つい最近、建物の屋根に太陽光発電用のソーラーパネルを設置した。
「使う分くらいの電気は賄えそうだ。黙ってあぐらをかいてりゃ電気が来ると思ってきたけれど、ミニ水力(発電)とか、いろいろ工夫する人が増えているみたいだな。一人一人がそういう新しい認識を持つようになったら、電力会社からもらう電気は少しで済む。日本中がそういう方向へ行けばいいね」
これだけの惨事が起きてもなお、財界は原発推進の姿勢を堅持する。
「それは自分たちの都合だ。企業はいろんなモノを作り、それが山のように積まれている。でも、みな人間の暮らしを左右するほど重要なファクター(要因)なんだろうか。国民は何でも買いまくるのではなく、必要のないものは買わないようにすればいい。ないないづくしの時代まで戻る必要はないけれど、ちょうどいいところってあるはずだよな」
宮城県の実家は農家だった。山梨で農園を始めたのは、甲府市で開いた講演会で聴衆に「勤めばかりしないで農業をやれよ」と発言したのを聞き付けた山梨県知事から、「ではうちで農業をやってください」と頼まれたのが発端。
2009年に北杜市で立ち上げた農園で、若者たちといっしょに無農薬のホウレンソウやトウガラシ、ミニトマト、ラディッシュなどを育て、都内のレストランやホテルなどに出荷している。今年は冷え込みが緩く、大根の出来があまりよくないそうだ。
「3年目だけど、赤字続きだ。面積は二町五反くらい(約2・5ヘクタール)あるのかな。農業は奥が深くて、果てしない。はっきりした方法があるようで、ないんだ。土も地域によって違うしね。まだ試行錯誤の最中だよ」
仙台市生まれで、宮城県栗原市で育った。有数の穀倉地帯で、原発事故で飛散した放射性セシウムで汚染された稲わらや肉牛が、そこから出回ったと報じられた。
「なぜ原発からあんなに遠い栗原で、と気になって聞いたら、風で運ばれたんだと。静岡あたりにも飛んでいるというじゃないか。農薬と同じで、放射能も体内に入らないに越したことはない。でも、そもそもわらを作った人のせいじゃないんだよね」
幼少時代から身近だった農業だけでなく、菅原さんが思いを向けるいろいろなところに、原発は深刻なダメージを与えた。主役の会津藩士を演じた1980年放送のNHK大河ドラマ「獅子の時代」ゆかりの福島を思い、心を痛める。
昭和一桁世代。父親の威厳にこだわり、「げんこつおやじの会」を立ち上げたこともある。映画で演じた役柄さながら、硬派を貫いてきたその目に、今の日本はあまり良く映っていない。
「原発のために途方もないカネがばらまかれ、いやも応もなくからめ捕られてしまう。戦後、日本はカネばかり追い求めてきた。敗戦から立ち上がるにはそれしかなく、頑張ってきたのは確かだけど、あまりに偏りすぎたんじゃないのかな」
「財界人や政治家は『経済成長』とお題目のように言うが、それしかないのか、もっと大切なものがあるんじゃないのかと思う。国会中継を見ていても、とってつけたように復興の問題は出てくるが、増税がどうとかカネの話ばかりだ。そろそろ経済はいいじゃないか」
「この間、中国の人権活動家が『日本も人権問題で発言を』と求めたという記事を読んで、ああそうだな、と。人権とか自由とか、本当の意味の民主主義とは何なのか、言い合ったり考えたりしないよね。ここらで立ち止まって、暮らしとか自由とか権利とか、そういうところへ立ち返らないといけないね」
<すがわら・ぶんた> 1933年8月、宮城県生まれ。58年、新東宝入社。松竹、東映などで多数の映画に出演し、シリーズ化された「仁義なき戦い」「トラック野郎」は大ヒットした。山梨県北杜市で遊休農地を借りて農業生産法人を設立、有機農業に取り組む。都会から農山漁村への移住を手伝うNPO法人「ふるさと回帰支援センター」顧問も務める。
<デスクメモ> 経済成長を最優先して弱者を切り捨てる政策は、小泉政権の十八番だったが、いまや野田政権も同じ道を進んでいる。政治の目標は成長ではない。弱者に手を差し伸べ、格差を是正し、国民が誇りを持てる国にすることではないのか。菅原さんの素朴な問い掛けに、国の姿勢や自分の生き方を考える。(立)
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小出裕章先生:高浜原発再稼働→随分異常なことだと思います / 菅原文太さん逝く…(´・ω・`)
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