カジノ資本主義って、実はイカサマ資本主義なの?
(日刊こどもニュース)
http://news4kids.blog66.fc2.com/blog-entry-156.html
(・A・)<(実力でなく)運に左右されるお金儲けのことだよ
(・∀・)<〝運に左右される〟って、どういうこと?
(・A・)<予測できない危機や、それに便乗する投機に振り回されることだよ
(・∀・)<たとえば?
(・A・)<ユーロ危機▼に端を発する円高で、日本の製造業が割を食うとかね
(・∀・)<それって問題なの?
(・A・)<問題だよ。賭けに負けたツケは、僕たちが払わされるんだから
(・∀・)<え!? ボクはカジノに参加した覚えはないんだけど・・・
(・A・)<だとしても、その悪影響からは逃れられないんだ
(・∀・)<だったらボクもカジノに参加して、儲ける側に回りたい!
(・A・)<そうして投機がさらに広まる悪循環が、勤勉や努力を無にするんだ
(・∀・)<でも、カジノで勝てばいいんでしょ。勝てば
(・A・)<ところが、カジノではイカサマが横行しているんだよ
(・∀・)<そんなのズルい! ボクにもイカサマの手口を教えてよ
(´・ω・`)<カジノ資本主義ってなに?
(実力でなく)運に左右されるお金儲けのことだよ。
たとえば日本は、たまたま起きたユーロ危機のまきぞえで円高に苦しんでる▼。
このように個人の努力が及ばぬ偶然で商売の勝敗が決まるからカジノなんだ。
カジノのツケは、円高、不況、増税、減給や失業として僕らにも回ってくるよ。
(´・ω・`)<でもカジノ化(運に左右されるようになること)は一時的なものでしょ?
違うよ。世界ではカジノ資本主義があたりまえになっているんだ。
市場がグローバル化し、各地の問題が世界の危機に直結するようになった▼。
食糧危機▼や債務危機▼など局地的な問題が、世界を振り回す状況なんだ。
だから危機の責任がない僕らも、危機のツケからは逃れられない。
(´・ω・`)<コツコツ貯めたお金も、思いもよらぬ出来事で吹き飛びかねないね
その上、カジノ資本主義は加熱している。
というのも、危機に便乗して投機で儲ける人たちが、カジノを煽っているからね。
■投資と投機▼
投資=配当や利子を得る目的で商品(証券など)を買うこと
投機=転売(安く買い、高く売る)する目的で商品(証券など)を買うこと
⇒安く買い高く売る投機は、値動きが不安定なときほど儲けるチャンス
後で詳しく説明するように、投機を利用すればカジノで大儲けできるんだ。
(´・ω・`)<投機にはバブルを生むという問題もあったね▼
運まかせになっても、バブルになっても、正直者がバカを見る。
だからこそ、カジノ資本主義は問題なんだ。
(´・ω・`)<カジノのやり方は?
それでは、ステップごとにカジノのやり方を見ていこう。
■カジノのやり方
レベル0:投機の基本
レベル1:カジノの賭け方
レベル2:イカサマの手口
(´・ω・`)<まずは〝レベル0:投機の基本〟から
投機の基本は2つだよ。
■投機の基本
①安く買って、高く売る
②高く売って、安く買い戻す(空売り)
①安く買って、高く売る
投機の基本は、商品を安く買い、高く売ること。
1万円で買った商品を2万円で売れば、差し引き1万円の儲けだよね。
(´・ω・`)<ホントに2万円で売れるの?
そこがポイントだね。
コツは、「確実に値上がりする商品を見つける」こと。
過去には株や土地▼、住宅▼などが標的にされたんだ。
値上がりを見逃さないためには、毎日の価格チェックが欠かせないよ。
(´・ω・`)<でも株も土地も住宅も、バブルになったけどね
投機はバブルを招くことを、忘れてはいけないね。
②高く売って、安く買い戻す(空売り)
投機の基本は、商品を安く買い、高く売ること。
けどこれじゃ、商品の値段が下がっているときには儲けられないよね。
そこで空売りの出番。まず商品を高く売り、後で安く買い戻して儲けるんだ。
(´・ω・`)<どういうこと?
たとえば国債(国の借金の借用証書)▼で考えてみよう。
A国の国債が、今日は5万円、明日には1万円に値崩れするとしよう。
いまA国の国債を買っても、儲けられない。
けどA国の国債を売り、明日買い戻せば、差し引き4万円のトクだよね。
(´・ω・`)<A国の国債が手元にない場合は?
そのときは、金融機関が貸してくれるよ。
レンタル料に1万円を払ったとしても、まだ3万円の黒字でしょ。
このように、金融機関から借りた商品を売り、後で買い戻すのが空売りだよ。
(´・ω・`)<けどA国の国債が値上がりしたら、逆に損するよ?
そう。
だから投機家は、A国の国債が確実に値崩れするタイミングを見計らうんだ。
とくにA国で問題が起きたとき(内戦など)などが儲けるチャンスになるんだよ。
だから投機家は、常に世界の情勢に目を光らせているんだね。
(´・ω・`)<じゃあ次は〝レベル1:カジノのルール〟だね
投機の基本が理解できたら、次はカジノのルールを見てみよう。
(´・ω・`)<どうやるの?
投機の基本は、商品を安く買い、高く売ること。
でも空売りを利用すれば高く売り、安く買うことでも儲かる。
(´・ω・`)<どっちにしても、儲かるんだね
そう。
価格が上がる方に賭けたときは、安く買って高く売り、
価格が下がる方に賭けたときは、高く売って安く買い戻せばいい。
これを株や土地、住宅などの市場▼で繰り返せば、儲けることができるんだ。
(´・ω・`)<たしかに、カジノだね
市場がカジノ化すると、一攫千金で儲けようと賭けに参加する人が増える。
すると、市場での売買が活発になり価格の変動が大きくなる。
価格が変動するほど投機の儲けが見込めるから、ますますカジノ化が進む。
市場のカジノ化は、さらなるカジノ化を招くんだ。
(´・ω・`)<いよいよ〝レベル2:イカサマの手口〟だね
カジノで儲けるコツは、価格の値動きを見極めることだったね。
ところがイカサマを使えば、価格を操作できるんだ。
■イカサマの手口
①買い占め@土地市場
②相場操縦@土地市場
③空売り@金融市場
④CDS@国債市場
⑤風説の流布@証券市場
①買い占め@土地市場
投機の基本は、商品を安く買い、高く売ること。
商品を高く売るには、買い占めて、品不足を作り出せばいい。
すると品不足がさらなる投機を誘い、ますます買い占めが進む悪循環になる。
実際、日本の土地バブル▼でも、土地の買い占めで価格が暴騰したんだよ。
買い占めを利用すれば、価格を操作できるんだね。
②相場操縦@土地市場
投機の基本は、商品を安く買い、高く売ること。
商品を高く売るには、頻繁な売り買いで人気があるように見せかければいい。
こうした価格を動かすための見せかけの売り買いを、相場操縦と呼ぶよ。
実際、日本の土地バブル▼でも、土地ころがしとして行われていたんだ。
相場操縦を利用すれば、価格を操作できるんだね。
③空売り@金融市場
投機の基本は、商品を安く買い、高く売ること。
でも空売りなら、商品を高く売り、安く買い戻すことでも儲けられるんだ。
けどそのためには、確実に値下がりする商品を見つける必要がある。
たとえば、借金が増えすぎて返せなくなりそうな国の国債とかね。
(´・ω・`)<その国債が値下がりしない場合は?
それなら空売りを大量にしかけることで、ムリヤリ値崩れに持ち込めるよ。
というのも売りが増えると、希少価値が下がり価格が下がる可能性が高まる。
すると「値下がり前に売ろう」という人が増え、売りが売りを呼び値崩れする。
空売りを利用すれば、価格を操作できるんだね。
④CDS@国債市場
投機の基本は、商品を安く買い、高く売ること。
商品となるのは証券▼など。とくに国債▼は、信頼できる商品として人気だよ。
でも最近はユーロ危機▼などもあり、国債でさえ信用できない。
そこで国債が踏み倒されたときの保険として、CDSが登場するんだ。
(´・ω・`)<CDSは、保険なんだね
そう。
CDSを持つ人は、国債が踏み倒されたときにお金がもらえるんだよ。
(´・ω・`)<誰がお金を出すの?
CDSを売った銀行だよ。
だから普段、CDSを持つ人は銀行に保険料を払っているんだね。
(´・ω・`)<国債を持ってる人には、CDSという保証があるんだね
でも実は、国債を持っていない人でもCDSを買えるんだ。
(´・ω・`)<国債を持っていない人も、国債が踏み倒されたらお金がもらえるの?
そう。だから、むしろ国債が踏み倒されることを望む人もいるんだよ。
(´・ω・`)<でも国債の踏み倒しなんて、めったにないでしょ
それでもトクする方法があるんだよ。
というのも、CDS(保険金をもらう権利)そのものを売り買いできるからなんだ。
「国債が踏み倒されるかも」と思う人が多くなれば、CDSの人気が上がる。
するとCDSの価格も上がるから、手持ちのCDSを売って儲けるんだ。
(´・ω・`)<じゃあ「国債が踏み倒されるかも」と思う人が減ったら?
そのときは、国債の空売りをしかけて国家を破綻に追い込めばいいんだ。
国債を空売りすれば、国債の人気(=価格)が下がる。
国債の価格が下がれば、国債の利回りが上がる▼。
国債の利回りが上がれば、新たに発行する国債の利率を上げる必要がある。
(でないと中古の国債の方が魅力的なので、新品の国債が売れない)
すると借金の返済が重くなり、「国債が踏み倒される」可能性が上がるんだ。
(´・ω・`)<なんだか、国家に保険(CDS)をかけて殺すみたい
実際、この方法を「保険金殺人だ」と非難する声もあるよ。
CDS(と空売り)を利用すれば、価格を操作できるんだね。
⑤風説の流布@証券市場
投機の基本は、商品を安く買い、高く売ること。
商品の人気(=価格)は、評判などの情報に左右される。
そこで、ウソや根拠のない噂で価格を操作しようとするのが風説の流布だよ。
たとえばオリンパス株の暴落▼では、
米証券大手のゴールドマンサックスは「オリンパスは有望」と言いながら★、
その裏で自分はオリンパス株を売る★という手口で20億円超の大儲け。
結局、「オリンパスは有望」に騙された投資家が損をしたんだ。
(´・ω・`)<それって、アリなの?
ナシだよ。違反行為だからね。
ただこの場合、ゴールドマンサックスはウソや根拠のない噂は言っていない。
表面上は、あくまで「この根拠をもとに、自分はこう思う」と言ったにすぎないよ。
影響力のある投機家は、発言ひとつで市場を操作できるんだ。
風説の流布を利用すれば、価格を操作できるんだね。
(´・ω・`)<投機って、失敗することはないの?
失敗もあるよ。そのたびに危機が起きているからね。
でも平気。政府が投資家(一部投機家も含む)を税金で救済してくれるからね。
最後は政府が助けてくれるからこそ、今も投機家は健在なんだ。
(´・ω・`)<え!? 利益は自分のもの、損失はみんなのものってこと?
そうだとしても、政府は投資家(投機家も含む)を見殺しにできないんだ。
投機家は巨額の資金を運用していて、破綻したら世界が混乱するからね。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」とばかりに価格を操作して儲けるんだ。
(´・ω・`)<価格を操作できるなら、カジノじゃなくてイカサマだよ
カジノ資本主義での勝ち負けは、さながらルーレットのよう。
テーブルには、コインの代わりに僕たちの生活が賭けられているんだ。
そんなカジノでイカサマが横行してるとしたら、とても見過ごせないよね。
○●○
橋下維新の会の国会デビューがカジノ合法化法案 安倍総理・麻生副総理はカジノ議連の最高顧問 世も末です
(Everyone says I love you !)
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/825157a63a9d65821ba87a89faa429b0
(カジノ合法化を目指し開かれた「国際観光産業振興議員連盟」の総会。中央は大阪府の橋下大阪府知事(当時)=2010年12月16日午後、参院議員会館)
大阪に対する「愛」がない橋下市長が安倍首相にカジノをおねだりした
カジノ立国を問ふ IR 統合型リゾート シンガポール マリーナベイ・サンズ
http://dai.ly/x282h2v
「今国会成立」へ気勢
反対世論意識カジノ議連が総会
(しんぶん赤旗)2014年10月17日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-10-17/2014101715_01_1.html?_tptb=032
刑法が禁止する賭博場・カジノの合法化を推進している超党派のカジノ議連(「国際観光産業振興議員連盟」、会長・細田博之自民党幹事長代行)が16日、国会内で総会を開き、カジノ解禁推進法案の今国会での成立へ気勢をあげました。
細田会長は、カジノ法案を「これから一気呵成(かせい)に審議・成立をめざしたい」と強調。「カジノ施設が、日本でさらに追加的なバクチの施設となり、新たな家庭崩壊をおこすのではないかという議論があるが、しっかりした管理を行いながらカジノ施設を開設することは新たな悲劇を起こすものではないと確信している」とのべ、強まる反対世論を意識してみせました。
さらに細田氏は、カジノ法案が「推進法」成立後、政府の責任で「実施法」を決めるという構造になっていることをあげ、「まず基本法を通し、それから具体的な検討をしなければ、永遠に(カジノが)できない可能性がある」とのべました。
ギャンブル依存症問題などで与党内にも反対論が生じていることを受け、日本人のカジノ客について「入場することができる者の範囲の設定その他のカジノ施設への入場に関し必要な措置を講じる」とする法案の修正案を提出することを確認しました。
各党から民主・松原仁、維新・小沢鋭仁、公明・佐藤茂樹、次世代・園田博之、生活・鈴木克昌の各衆院議員が党内の議論の状況を報告しました。
カジノを誘致している北海道と長崎県の副知事、サントリー社長で経済同友会副代表幹事の新浪剛史氏があいさつしました。
総会には国会議員本人と代理秘書163人が参加しました。
日本人客の資産狙う
無責任なカジノ推進派の本質
解説 厚生労働省研究班が日本の成人の4・8%、536万人にギャンブル依存症の疑いという調査結果を発表し、ギャンブル依存症大国の日本に、新たに依存症被害を拡大するカジノを解禁する矛盾が鮮明になるなか、カジノ議連は大きく動揺しました。
7日の議連幹事会で、日本人のカジノ利用については結論を先送りし、別途検討するという考え方がまとめられたものの、10日には議連幹事長の岩屋毅自民党衆院議員らが「法の下の平等」を持ち出して巻き返しをはかり、結局、日本人客を排除しないことを大前提にして、部分的な規制策を検討する修正が法案に加えられることになりました。
カジノ法案は、海外からの観光客を呼び込むことが表看板となっており、日本人客入場禁止のカジノがあってもいいのではないかという議論は、完全に切って捨てられました。
当たり前です。日本への進出を狙う米国など海外のカジノ資本が狙うのは日本人客の資産なのです。米国の投資銀行CLSAやゴールドマンサックス証券は、外国人客の利用などほとんど期待せず、日本人の高水準の可処分所得から巨額の利益があげられるとそろぱんをはじいています。日本人排除のカジノとなれば、もう何の魅力もなくなります。
一連の経過は、カジノが国内にどんなに大きな弊害をもたらそうと、効果的な対策など打つことができないカジノ推進派の無責任な本質を浮かび上がらせています。
(竹腰将弘)
まるで依存症製造計画
“人の金巻き上げ経済成長か”
参院予算委 大門議員 カジノ合法化を追及
(しんぶん赤旗)2014年10月9日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-10-09/2014100915_01_1.html
日本共産党の大門実紀史議員は8日の参院予算委員会で、「成長戦略の目玉」(安倍晋三首相)とカジノ賭博場の合法化を推進する安倍内閣の姿勢を厳しく追及、「カジノは経済対策になど値しない。(カジノは)やめて、まともな経済対策を議論すべきだ」と迫りました。
大門氏は、「刑法が賭博を禁じていることの重みを受け止めるべきだ」として、カジノ解禁が引き起こす犯罪、ギャンブル依存症などは、推進派がいうようなあれこれの対策で防ぐことができるものではないことを指摘しました。
安倍首相は「IR(カジノを中核とする統合型リゾート)は、観光振興、地域振興、産業振興に資する」とカジノの「経済的効果」をのべたうえ、弊害を防ぐための「制度上の検討が必要だ」とのべ、対策さえ行えばカジノから利益が得られるという態度をとりました。
大門氏は、「カジノは人の金を巻き上げるだけで、人々のくらしを豊かにするものは何も生み出さない。逆に社会的コストは膨大になり、経済成長の目玉になどならない」とのべました。
大門氏は、カジノ推進派が集まる大阪商業大学アミューズメント産業研究所の試算で、大阪市のベイエリアにカジノがつくられれば周辺60キロ圏内に住む成人1555万人中91万人がカジノに来て、415億円を使うと想定(表参照)していることを指摘。「カジノは外国人を呼び込むといわれているが、主なターゲットは日本人客だ。91万人が繰り返しカジノに来る依存症者になることを前提にしている」としたうえ、「こんな『ギャンブル依存症製造計画』がなぜ成長戦略なのか」とつめよりました。
大門氏は、推進派が日本のカジノの「お手本」とするシンガポールでも低所得者の自己破産の増加や依存症の増大が問題になっていることをあげ、カジノ法案は「断固、みんなで阻止する」とのべました。
カジノ、日本人はNGに=依存症懸念で働き掛け-厚労省
(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201408/2014081800403
厚生労働省は、海外からの観光客誘致の一環として政府内で検討が進むカジノ解禁に関し、ギャンブル依存症患者が増加する懸念があるとして、日本人の利用を認めないよう求めていく方針だ。安倍政権は内閣官房に検討チームを設け、米国やシンガポールなどの先進事例の調査に乗り出しているが、同省は関係府省に対し、解禁の場合も利用者は外国人観光客に限るよう働き掛ける。
2013年に日本を訪れた外国人観光客は1000万人を超えた。東京五輪・パラリンピックが開かれる20年に向けてさらに増える見通しで、政府は加速させようと、五輪に間に合うようカジノ整備ができないか検討中。6月に改定された成長戦略でも、カジノ解禁の検討が明記された。
厚労省は、観光立国推進のためのカジノ整備自体には反対していない。一方で、依存症などの精神疾患対策を所管する立場から、カジノ解禁によってギャンブル依存症患者が増える事態を懸念。それを避けるため、日本人の利用を認めないよう訴える考えだ。
同省によると、日本人はパチンコなど、ギャンブルに比較的のめり込みやすい傾向が統計上見て取れるという。(2014/08/18-14:18)
発祥の地、船橋オート廃止へ 厳しい公営ギャンブル それでもカジノ必要か
(東京新聞【こちら特報部】)2014年8月20日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014082002000164.html
公営競技の船橋オートレース(千葉県船橋市)が、廃止されることになった。船橋は、初めてオートレースが行われた発祥の地だ。ファンの減少で、公営ギャンブルは、どこも経営難にあえぐ。それなのに、安倍政権は民間が運営するカジノの導入に前のめり。本当にカジノは必要なのか。
(服部利崇、沢田千秋、篠ケ瀬祐司)
成長期は自治体財政潤す
「エンジンの爆音とスピード感、技術がたまらない魅力。才能が劣っている選手も努力すればランクが上がる。人生と同じで、自分も勇気づけられた」。ファン歴十年の小宮山正男さん(六一)は、船橋オートが廃止されることに寂しさを感じている。電車で一時間かけて通う四十年来のファンという高木八朗さん(七二)は「冷暖房付きでお茶も飲めて、お金を使いたくなければ賭けなければいい。自分にとっての居場所がなくなるみたいでつらい」とこぼした。
レースを主催する千葉県と船橋市は十二日、二〇一五年度末で事業を廃止すると正式に発表した。県と市によると、売り上げは一九九〇年度の七百四十四億円をピークに、一三年度は百三億円にまで落ち込んだ。スタンド改修など計十四億円の修繕費が売り上げから捻出できなくなると判断した。
船橋は終戦直後の一九五〇年に日本で初めてレースが行われたオートレース発祥の地だ。最新の選手ランクではトップ3が船橋所属。ファンも「発祥の地のプライドが選手を奮い立たせる」と分析する。
高度成長期には、売り上げ、入場者ともに順調に推移。黒字が続き、県は総額百八十七億円、市も同百九十七億円をそれぞれ一般会計に繰り入れた。船橋市の松戸徹市長も「人口急増期の財源確保に大きく寄与した」と評価する。
四十年超、場内で予想屋をしている早田松夫さん(六六)も「バブル景気のころはすごかった。羽振りのよい建設業の人が腹巻きに千円札の束を入れて車券を買っていた。予想が当たった謝礼に十万円をもらったこともある」と振り返る。収容人数約二万二千人の施設に、四万人が大ったことも。早田さんは「まるで満員電車。動けずに、車券を買えない客もいた」と話す。
バブル崩壊後は、客足も遠のき始めた。収支も逆転。二〇〇六年度から、県と市は民間に業務委託し、経営改善を図った。委託先業者が収益の一部を県と市に保証、恒常的に赤字が穴埋めされる仕組みとなり、単年度収支は黒字に転換した。しかし売り上げは今後も年5%ずつ減少する見通しで、このままでは、税金投入もせざるを得なくなることから、撤退を決めた。
選手は廃止に反対だ。全日本オートレース選手会船橋支部長の永井大介選手(三七)は「経費節減のため選手も賞金を減らすなど協力してきた。いきなり廃止というのはどうなのか」と批判。「オートは船橋にとって発祥の地にとどまらず文化だ。何としても残したい」と訴える。船橋支部の選手約二十人らは、JR船橋駅前などで廃止撤回を求める署名活動を行っている。
市民の中には「累積赤字もほぽ解消し、撤退のタイミングとしてはベストでは」と廃止に賛成する声もある。隣接するマンションの住民には爆音を気にしていた人も多かった。
遊び多様化…若者離れ
国内で船橋以外のオートレース場は、伊勢崎(群馬県)、川口(埼玉県)、浜松(浜松市)、山陽(山口県)、飯塚(福岡県)の五ヵ所。このうち、川口はレース場の土地、施設とも市の所有で、運営費が抑えられる。アイドルグループ「SMAP」の元メンバー森且行選手(四○)の活躍もあって経営は好調だ。川口市公営競技事務所の牧田充正所長は「全国約九十の地方公営ギャンブルで億単位の繰り出し金を市に納められるのはうちぐらい」と話す。
ほかのレース場は、どこも苦しい。オート全体の売り上げは、九一年度の三千五百億円がピークで、一三年度は六百九十億円と、二割以下にまで落ち込んだ。市直営を貫いてきた飯塚も累積赤字が十四億円まで膨らみ、一五年度からの民間委託を決定した。担当者は「地元の雇用を守るためなんとか存続したい。民間のノウハウを活用しつつ、新規ファン獲得策を考えないと」と話す。
業界全体も巻き返しに必死だ。一一年までゼロだった女子選手数を現在は六人に拡大し、ファンミーティングや選手が案内するレース場見学ツアーなど趣向を凝らす。
そもそも競馬や競艇、競輪などの公営ギャンブルは戦後、国や地方自治体の財政貢献のために始まった。売り上げから払戻金や賞金、経費、交付金などを差し引いた額が収入となり、各自治体は累計数百億円を手にしてきた。しかし、中央競馬を除けば、すべての業界が右肩下がりで、今や大半が貢献どころか地方財政を圧迫する。
地方公営ギャンブルの昨年度の売上額は、競艇(九千五百億円)、競輪(六千億円)、地方競馬(三千五百億円)、オートの順で、いずれもピークだった九一年度の二~四割程度。地方競馬にいたっては、八八年度以降、売り上げ不振で十六場が廃止し、現在は半分以下の十五場に激減した。
なぜ、公営ギャンブルは低迷したのか。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの山本将利主任研究員は、若者のギャンブル離れや施設の魅力不足を挙げる。「ネットやゲームなどの遊びが多様化している。設備投資が足らず、清潔度が低い施設もある」と説明する。山本氏は「運営を民間に委託しても、特効薬になるとは限らない」と話す。業界では自動券売機の導入など、既に経費節減努力を進めているためだ。
公営ギャンブル苦戦の一方で、今秋の臨時国会では新ギャンブル、カジノ解禁の動きが本格化しそうだ。
推進派は、超党派の議員連盟で取りまとめた統合型リゾート施設(IR)の整備推進法案の早期成立を目指す。カジノを解禁し、許可を受けた民間事業者が運営。売り上げの一部を国や自治体に納付させる仕組みで、大きな経済効果を見込む。
資金洗浄、依存症の懸念も
だが、カジノ解禁にはリスクが伴う。関西大大学院の宮本勝浩教授(国際経済学)は「マネーロンダリング(資金洗浄)に悪用される可能性がある。ノウハウは外国の業者から導入するだろう。もうけではなく売り上げに応じて費用を払う契約なら、赤字でも外国にカネが流れるおそれがある」。
ギャンブル依存症患者の増加も心配だ。
厚生労働省は「日本人はギャンブルに比較的のめり込みやすい」として、利用を外国人観光客に限りたい考えだ。日本人の利用を禁じれば経済効果は下がり、外国人観光客は入場者予測が難しい。全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会の市田哲也事務局長は「結局、日本人利用も認められ、依存症患者が増えるおそれがある」と懸念する。
日本弁護士連合会は来月、都内でシンポジウムを開き、カジノを解禁しているシンガポールや韓国の事例を研究して、法案の問題点を洗い出す予定だ。
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むしり取られます・・(´・ω・`) カジノ解禁推進法案に反対しよう!
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