生きぬくためにつながろう!~反貧困全国集会に300人が集う
(レイバーネット日本)
http://www.labornetjp.org/news/2014/1012hokoku
反貧困全国大会2014
http://www.ustream.tv/recorded/53851145
アベノミクスの現状映す 「反貧困全国集会」
(田中龍作ジャーナル)2014年10月12日
http://tanakaryusaku.jp/2014/10/00010165
全国14地区の貧困の現状と対策が報告された。会場は超満席。=12日、都内 写真:筆者=
拡がる貧困をくいとめよう。貧困問題に取り組んでいる全国各地のボランティアなどが対策を話しあう集会がきょう、都内で開かれた。(主催:「反貧困全国集会2014」実行委員会)
北海道から九州まで全国22地区にある「反貧困ネットワーク」のうち14地区の代表が、集った。貧困の当事者も出席し、会場は立ち見も出るほどの超満席となった。
広島県の代表が現状をずばり指摘した―
「生活保護基準を満たしていながら、保護が受けられずに倒れてゆく。(生活保護受給に)つなげられるような対策を練っていく必要がある・・・」
厚労省の被保護者調査によれば、生活保護被保護者人数は2010年に200万人を突破し、2011年には206万人になった。今年2月の速報値では216.6万人と、3年間で約10万人増加した。
雇用と生活が不安定な非正規労働者はいまや労働者全体の36・7%を占める(2013年時点、総務省調査)。安倍政権の労働法制緩和で、非正規労働者の割合がさらに増えることは確実である。
「資本主義のゲームは不誠実な人間を生む」。安倍さんや竹中さんに聞かせたい言葉だ。=2011年、ウォール街 写真:筆者=
生活苦に消費税増税が追い討ちをかける。貧困は拡大する一方なのだ。
海外メディアは早くから「アベノミクスは失敗だった」と指摘していた。国内のエコノミストも同様のことを言い始めた。
だが新聞・テレビはアベノミクスの失敗には触れない。それどころか、「景気は回復傾向にある」とする黒田日銀総裁の虚言を垂れ流す。
3年前、ニューヨークで一握りの強欲資本家のために貧困の淵に沈められた「99%」の人々が公園をオキュパイする事件があった。きょうの集会では、この時の映像も紹介された。
アベノミクスの失敗を報道できないメディアが映し出す社会より、きょうの「反貧困全国集会」の方が、はるかに現実を表している。これは「99%」の集いだ。
貧困層に「経済的徴兵制」?
奨学金返還に「防衛省で就業体験」
(東京新聞【こちら特報部】ニュースの追跡)2014年9月3日
文部科学省は先月末、大学生らの経済支援に関する報告書をまとめた。有識者会議メンバーの一人はその検討過程で、卒業後に就職できず、奨学金の返還に苦しむ人たちについて「防衛省でインターンシップ(就業体験)をさせたらどうか」と発言した。若年貧困層を兵士の道に追い立てるのは「経済的徴兵制」ではないのか。
(榊原崇仁)
同友会専務理事提案 格差の拡大懸念
発言の主は、文科省の有識者会議「学生への経済的支援の在り方に関する検討会」メンバーの前原金丁経済同友会専務理事。住友生命の常務取締役などを務めた人物だ。
奨学金返還が話題にのぼった五月の検討会で、前原氏は「返還の延滞者が無職なのか教えてほしい。放っておいても良い就職はできない。防衛省などに頼み、一年とか二年とかインターンシップをやってもらえば就職は良くなる。防衛省は考えてもいいと言っている」と促した。文科省の担当者は「考えてみます」と引き取ったものの、検討会が先月二十九日に公表した報告書には盛り込まれなかった。
物議を醸す構想だけに、文科省も具体的に検討しなかったようだが、関係者は神経をとがらせる。
大学生や教職員らでつくる「国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会」の岡村稔事務局次長は「奨学金の返還を名目に、自衛官という仕事を斡旋する制度をつくることになりかねない」と危惧する。
米国では実際、軍に入隊すれば国防総省が奨学金の返還額を肩代わりする制度があるという。「そもそも防衛関係の仕事は心身ともに負担が大きい。安倍政権が集団的自衛権の行使容認を閣議決定した結果、自衛官の仕事はリスクが格段に高まっている。『命が脅かされる』というのも絵空事ではない」(岡村氏)
学費のために防衛の仕事に就くルートをつくることは、格差社会の助長にもつながりかねない。
藤本一美・専修大名誉教授(政治学)は、米国の現状について「米軍は志願兵制を取るが、貧困層の若者が兵士になる例が非常に多い」と解説する。
米政府が奨学金返還を肩代わりするのは兵士の確保のためだが、格差社会が進む米国では、この制度に頼らざるを得ない貧困層が多い。結果的に兵士の多くを貧困層が占めている。貧困層にとっては、兵士以外の選択を奪われた「経済的徴兵制」なのだ。
三浦まり・上智大教授(政治学)は「米国の場合、防衛の仕事は貧困層に押しつけるあしき構図が定着してしまったのが大きな問題」と指摘した上で、冒頭の前原氏のような発想を批判する。
「そもそも何かと引き換えに大学で学ぶ機会を与えるという考え方が間違い。若者たちには一人一人、自分の能力を引き出すための学習権がある。学生の経済支援を考えるなら、この権利を安心して行使できるよう大学教育の無償化という方向で考えるべきだ」
ユネスコ「学習権宣言」
~第4回ユネスコ国際成人教育会議(パリ)の宣言(1985.3.29)~
http://yakanchugaku.enyujuku.com/shiryou/unescogakushuuken.pdf
アイドルになりたい少女や「関係性の貧困」で孤立する女子高生につけ込むJKビジネス=売春目的の人身売買
(井上伸 | 国家公務員一般労働組合執行委員)2014年10月13日
http://bylines.news.yahoo.co.jp/inoueshin/20141013-00039913/
「反貧困全国集会2014 ~生きぬくために つながろう!~」で行われたシンポジウムでの女子高生サポートセンターColabo代表・仁藤夢乃さんの指摘は衝撃的でした。
クローズアップ現代 2014 広がる少女買春 J K ビジネス・散歩・お茶・添い寝・そして…” 美しい日本 ” の 醜い現実 NHK
http://youtu.be/Io8GMMwEuyc
http://youtu.be/cS1hkDHlzaw
女子高生サポートセンターColabo
http://www.colabo-official.net/
湯浅誠×眞鍋かをり×大竹まこと:JKビジネスと「関係性の貧困」
http://youtu.be/FXkcJRuHAiA
親の収入、子の教育面・雇用に影響
生活図鑑515 貧困の連鎖
(東京新聞)2014年10月1日
子どもの貧困率が16%を超え、過去最高になるなど、深刻な状況です。親の貧困が子どもに影響する貧困の連鎖も問題になっています。政府も「子供の貧困対策大綱」を閣議決定するなど、対策に乗り出しています。
子どもの貧困率は、所得か平均的な水準の半分を下回る世帯で暮らす十八歳未満の子どもの割合を示しています。二〇一二年に16・3%と過去最高になりました。全体の貧困率が16・1%だったため、初めて全体を上回る結果になりました。
貧困の連鎖として、親の所得の低さが、教育面で影響していると指摘されています。
文部科学省の全国学力・学習状況調査(一三年度)の分析(お茶の水女子大学)によると、親(世帯)の年収が上がるほど子どもの成績む上がる傾向にありました。
小学六年生の正答率は、年収二百万円未満の家庭の子は国語A(知識を問う問題)が53%、算数B(応用問題)が45・7%だったのに対し、千五百万円以上の家庭の子はそれぞれ75・5%、71・5%と20冐以上の開きがありました。中学三年生でも同様の傾向でした。
塾など学校外教育支出を見ると、年収二百万円未満の家庭では支出なし(約三割)を含め、約半数が月額五千円未満でした。一方、千五百万円以上の家庭では六割が三万円以上を支出していました。教育支出の差が影響したとも考えられます。
●所得格差生む悪循環
世帯年収二百万円未満は生活保護世帯であるケースも多いとみられます。保護世帯の高校進学率は90・8%と、一般世帯を含めた全国に比べ約8ポイント低くなっています。また、高校中退率は5・3%と全国の中退率1・5%に比べ高くなっていました。
厚生労働省の国民生活基礎調査の特別集計によると、学歴別の貧困率は、小・中卒の貧困率が各年齢層で高くなっていました。女性は25%以上(四人に一人)の貧困率で、三十歳代では40%を超えています。男性の貧困率も20%以上(五人に一人)でした。背景には、学歴による雇用形態の違いや賃金水準の格差があります。
このほか、貧困による健康格差なども指摘されています。貧困が子の教育に影響し、さらにさまざまな面に悪影響を及ぼすとしたら、大きな問題です。
もっとも、経済格差と学力の関係を分析したお茶の水女子大によると、学習時間と学力の関係も高いなど、親の所得が低いからといって、必ずしも子どもの学力が低くなるとは限らない、としています。親の貧困=子の貧困というわけではありません。
しかし、親の経済・社会的格差が子に影響する貧困の連鎖が指摘されているのも事実です。
●問われる国の支援策
このため、国も連鎖を断ち切る支援体制を打ち出しています。「子供の貧困対策大綱」を閣議決定し、教育の支援として、教育の支援として、福祉面の相談に応じるスクールソーシャルワーカーを現在の約千五百人から五年後に一万人へ増員▽高校生への奨学給付金の増額▽児童養護施設などで暮らす子どもの学習支援-などを打ち出しています。
親の貧困は子の責任ではありません。大綱でも「子どもの将来が生まれ育った環境で左右されることのないよう貧困対策は極めて重要」と強調しています。
今後、努力義務であるものの、都道府県でも貧困対策計画の作成が求められています。連鎖を断ち切る支援策の実効性が問われています。
制作・亀岡秀人
子どもの”未来の扉”危機
生活保護世帯の学習支援事業
来年度から国庫補助半減
(しんぶん赤旗)2014年10月13日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-10-13/2014101301_02_1.html
生活保護世帯の子どもを対象に全国で取り組まれている学習支援事業の存続が危ぶまれています。全額国庫負担となる補助金が2015年度から半減されるため。「子どもたちの“夢を開く扉”をなくさないで」との声があがっています。
「先生、これでいい?」「そう、それでいいよ」
福祉施設の一室に真剣な声と和やかな声が広がります。埼玉県が行っている生活保護世帯の中学生向け学習支援教室です。
県は民間団体「彩の国子ども・若者支援ネットワーク」に委託し、生活保護世帯への支援事業「アスポート」(明日へのサポート)として中高生向けの学習支援を実施しています。
支援事業では教員OBなどの支援員(58人)が定期的な家庭訪問で働きかけを行います。大学生ボランティア(登録600人)も参加。中学生向けに17カ所(さいたま市は独自に実施)で週2~3回の学習教室を開いています。ここで中学生の対象者約800人中、約300人が学んでいます。
生活保護世帯では、勉強机もない世帯も少なくなく、学習につまずき、不登校となる子どもも少なくありません。生活保護世帯の高校進学率は90・8%で、全世帯の進学率よりも8ポイントも低くなっています。埼玉県は89・9%だった高校進学率が学習支援により97%に達しています。
「『アスポート』がなかったら子どもは高校にもいけずブラブラしていたかも」
こう話すのは、孫の高校2年生と中学1年生の兄弟を養育する女性(61)。中学2年生のときに「いける高校はない」といわれた兄が、学習教室に通って工業高校に合格しました。高校2年になり「大学に行きたい」と目標をもって歩んでいます。
「貧乏でも条件があれば勉強したい子はたくさんいるはず。そういう子どもを発掘してくれたのがアスポートです。なくなると下の子はどうなってしまうのか心配。絶対になくさないで」
子どもの貧困(2014年4月28日)
http://youtu.be/5kHX2AMa6VU
若者に広がる生活保護
http://youtu.be/_lkI-tJ6roU
生活保護関連また標的 家賃扶助削減ありき
(東京新聞【こちら特報部】)2014年10月13日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014101302000162.html
生活保護の住宅扶助の上限額を引き下げようという議論が、厚生労働省社会保障審議会の部会で起きている。低所得の世帯よりも生活保護受給者の住む住宅の家賃が高いという指摘があるためだが、「根拠が不明確だ」と意見する委員もいる。支援者は「上限は高くない。削減ありきの議論はやめるべきだ」と訴える。
(白名正和)
東京単身5.3万円「範囲内の物件少ない」
生活保護受給者の家賃は国と自治体が全額を負担している。「住宅扶助特別基準額」の名称で、厚生労働省が都道府県、政令市、中核市ごとに上限を定めている。
約二十三万世帯の受給者が暮らす東京都の都心部は基準額の上限が全国で最も高い。一人暮らしが五万三千七百円、二~六人の家族が六万九千八百円、七人以上の家族なら八万三千八百円。上限内の住宅を受給者自身で探す。都保護課は「高い設定ではない。二十三区内でこの額の住宅が潤沢にあるとは思えない。引き下げで住み慣れた地域をやむなく離れる大も出るのでは」と話す。
「不安です。引き下げになったら、上限を超えた家賃の差額分を支払うため、生活費を抑えないといけなくなる」。千葉県市川市で五月から生活保護を受ける男性(五九)はそう心配する。
築三十年のアパートの六畳の居間とキッチン、ユニットバス。家賃は千葉県の基準額の上限と同じ四万六千円だ。徒歩で、最寄り駅まで五分、スーパーまで十五分、図書館は二十五分と周辺環境は悪くない。だが、部屋の中心辺りを歩くと床がへこみ、「ギシッ」と音を立てる。網戸がなく夏場は少々つらかった。
二人で暮らす分には不自由しませんし、不満はありません。でもこの家賃が高額というなら、ほとんどの家が高額になるんじゃないでしょうか」
男性は五~六年間、千葉県内の路上で生活をしていた。現在は高齢者住宅の夜間見回りの仕事を得て、月に六万円の収入があり、生活保護で支給される生活費三万円と合わせて暮らす。好きな本や雑誌は購入せずに図書館で借りる。代わりに本来は免除される水道代は自分で払う。
アパートは路上生活者を支援する市川市のNPO法人「市川カンパの会」が探し、男性に紹介した。職員の鹿島美紀子さんは「上限に収まる家は少なく、人を頼ってお願いして何とか見つけている」と明かす。
市内の複数の不動産店で物件のチラシを見ると、ワンルームは五万円以上が多い。業者に尋ねると、「家賃四万六千円以下の部屋は多くない」「辺ぴな場所なら」などと話した。三万円台の物件もあったが「トラブルを恐れて生活保護の人を断る大家さんもおり、受給者が必ず入れるとは限らない」。額面だけでは判断できないようだ。
鹿島さんは「受給者は家族などとの縁が切れていることが多い。受給者が孤立せず、周囲と人間関係を保てるように定期的に会合を開いている。しかし、上限の引き下げで、遠く離れた場所に点在して住むようになれば、受給者の孤立を加速させないでしょうか」と疑問を投げかける。
高額印象 国が誘導?
低所得者と比較「意図的数値」
引き下げ論議の根拠の一つが、財務省が作成した資料だ。二〇〇九年度の全国消費実態調査に基づき、年収三百万円未満の二人以上世帯の平均家賃が三万八千円と指摘。生活保護の住宅扶助基準額の上限で算出した四万六千円と比べると、約二割、八千円高い。
財務省の資料は五月の社会保障審議会の部会で厚労省保護課から示された。しかし、「低所得世帯には公営住宅に住む世帯も含まれている」「上限額と平均値を比べても、あまり意味をなさない」「二割の違いを出発点とするのは非常に意図的なミスリーディング」などと批判する委員が少なくなかった。
花園大(京都市)の吉永純教授(公的扶助論)は「住宅扶助基準額はあくまでも上限。満額の人ばかりではなく、扶助額の実態はもっと低い」と指摘する。
実は、厚労省は毎年、実態調査をしている。一一年は、民間の住宅に住む受給者で、住宅扶助基準額の上限の95%以上が支払われていたのは全体の約四割。65~95%もほぽ同じ約四割だった。
吉永氏は「京都の最低賃金を決める八月の会合で提出された国の資料では、単身世帯への住宅扶助平均支給額は約三万円とあった」と話す。京都府内における単身世帯は、京都市で上限四万二千五百円。府内は一~三級の区分があり、一~二級地は四万千円、三級地は三万八千二百円。
京都府内で生活保護を受ける男性(七九)は家賃二万円の六畳一間のアパートに住む。上限の半分ほどだが、築五十年以上で、玄関先の床板が傾き、雨戸は立て付けが悪く動かない。部屋にトイレはあるが、風呂やシャワーは共同でもない。
「この年齢だから家に文句を言わないが、他の人じゃつらいだろう。玄関先は段差があり、この先、足が悪くなった時の不安がある」と男性は話した。
住環境・貧困ビジネス…実情無視
「劣悪な住環境で我慢する人は少なくない。実情を考慮せず、上限と平均の比較で二割高いとするのは、住宅扶助が高いという印象付けに映る」(吉永氏)
NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」の稲葉剛さんは「家賃が住宅扶助基準額の上限より低くても、大家が上乗せすることがある」と指摘した。受給者は物件を探しきれず、やむなく応じるケースがある。大家にピンハネされているのに似た状況だ。
上限を超えるような場合は、超えた分を管理費など・として別にし、何とか入居するケースもあるという。超過分は受給者が生活費から捻出する。
貧困ビジネスの問題もある。埼玉県内などにある生活保護受給者を相手にした無料低額宿泊所は、居住空間はベニヤ板で仕切った三畳ほどのスペースと二段ベッドだけ。受給者は保護費約十二万円のほとんどを徴収され、約二万円しか残らなかったという。
この業者は今月逮捕されたが、容疑は脱税だった。実態が見えにくく、貧困ビジネスは摘発しにくい。上限引き下げには「業者のうまみ」を断つという狙いもありそうだ。厚労省保護課が審議会の部会に提出した資料には低所得者世帯との比較のほか、「貧困ビジネスに対して、どのような対応策が考えられるか」という記載もある。
生活保護は昨年八月から三年かけて、生活費にあたる生活扶助を段階的に引き下げ中だ。全体で六百七十億円の減額で、受給者全体の96%が影響を受ける。新たな負担となる以上、稲葉さんは「生活保護の議論が、削減ありきになっているように思う。実態に即した判断をしてほしい」と指摘した。
行政の規制網 限界 無料低額宿泊所「貧困ビジネス」の温床
(東京新聞【核心】)2014年10月12日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2014101202000119.html
生活困窮者から生活保護費を搾取する「貧困ビジネス」が大きな社会問題になっている。今月二日、さいたま市などで無料低額宿泊所を運営する和合秀典容疑者(72)が所得税法違反容疑で逮捕された。市は昨年十月、独自の規制条例に基づき宿泊所を立ち入り検査していたが、搾取の実態を是正させるまでには至らなかった。貧困ビジネスと対峙(たいじ)する行政の限界が浮き彫りになった。
(岡本太)
大半無届け・料金も業者次第
1日500円
さいたま市内の住宅街にある古い一戸建ての宿泊所「ユニティー出発(たびだち)」。入居者の男性によると、部屋はベニヤ板で仕切られ、一人約三畳のスペースが与えられているだけ。別の元入居者の話では、食事はカップ麺、レトルト食品、ご飯、みそ汁…。家賃は四万七千円、食費・光熱費は計約六万円。本人には毎日五百円と、月に一度五千円か渡されるだけだったという。
生活保護費の支給日になると、入居者は車で役所に連れて行かれ、約十二万円の保護費が入った袋ごと、近くのコンビニで回収された。和合容疑者は、二〇〇九年から二年間で約一億七千万円を稼いだとみられる。
無料低額宿泊所は本来、社会福祉法に基づく届け出施設だが、実際は無届けが多い。厚生労働省の調査では、一〇年時点で全国千八百施設のうち、千三百十四施設が無届けだった。無届けでも「違法ではない」(厚労省)といい、悪質業者が参入する一因となっている。
無料低額宿泊所のトラブルは各地で頻発。名古屋市でも七月、建設会社が路上生活者を無料低額宿泊所に住まわせ、生活保護費を一括管理していたことが発覚している。
管理費上乗せ
さいたま市は一三年十月に条例で、これまで無届けだった宿泊所に届け出を義務づけた。家賃や食費、光熱費を不当に徴収することや、相部屋を禁止。必要に応じて立ち入り調査が可能になり、施設が「不当な利益」を得ている場合には事業の停止を命じることもできるようになった。
和合容疑者は昨年十月、市内にあるすべての宿泊所を条例に基づいて届け出。市は今年一~三
月に立ち入り調査し、施設の改善は指導した。だが、「不当な利益」を得ていたかどうかは「具体的な物差しがない」と結論を先送りした。
厚労省は○三年に無料低額宿泊所の運営のガイドラインを策定したが、家賃に関しては「無料または低額であること」などと規定があいまい。「管理費」「運営費」を上乗せする施設もあり、料金は事業者に委ねられている。
排除へ許可制を
さいたま市の担当者は「食事がいくらなら『不当』なのか基準はなく、搾取の判断は難しい。正直、対応に苦慮している」と話す。路上生活から移ってきた入居者の中には、搾取されていても不満を言わない人も多く「お互いが合意している民間の契約に、行政として介入するのはハードルが高い」という。
日本福祉大の山田壮志郎准教授は「地方自治体が積極的に取り組んでも、現実的な規制はできないのが実態だ」と指摘。「宿泊所は一般のアパートとは違って社会福祉事業の一つ。許可制にし、悪質な業者がもうけられないようにするべきだ」と訴える。
弱者を食い物にする貧困ビジネス「囲い屋」で暮らす生活保護受給者の実態に迫る!
(東京ブレイキングニュース)
http://n-knuckles.com/street/underground/news000807.html
貧困ビジネス ゼロゼロ物件 悪徳業者のスマイルサービス
http://youtu.be/E_M4qWf0dmw
宇都宮健児 「拡大する貧困ビジネスの手口と実態」 おはよう寺ちゃん 2013.9.17
http://youtu.be/BpU52Toxs2g
全日本民医連生活保護受給者実態調査報告
http://youtu.be/qBGUTiMNXow
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子どもたちの“夢を開く扉”が閉じかけている・・(´・ω・`)” 美しい日本 ” の 醜い現実
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