「暴力」におびえる視覚障害者
盲導犬、女子生徒けがは氷山の一角
(東京新聞【こちら特報部】ニュースの追跡)2014年9月12日
盲導犬が何者かに刺されたり、通学途中の女子生徒が脚を蹴られてけがをしたりと、視覚障害者への心ない仕打ちが相次いでいる。ところが、当事者団体などに聞くと、これらの事例は氷山の一角だという。健常者の暴力的な振る舞いは増えている。それにおびえながら歩く障害者たちの苦悩は深い。
(三沢典丈)
加害者特徴説明できず ほぼ泣き寝入り
都内の全盲女性(四六)は最近、痴漢まがいの被害に遭った。夕方、勤め先の職場を出て白杖(はくじょう)を頼りに歩いていると、男とぶつかった。男は「自分も目が悪い」と言い、近くの地下鉄の駅まで案内を求めてきた。
女性は親切に応じたが、「その人は『つかまってもいいですか』と腕を組んできた」。当惑しつつ歩き始めると、通り掛かった健常者の同僚が「どうしたの」と声を掛けてきた。途端に男は走り去った。視覚障害者というのはウソだった。
「あのままだったら、何をされていたか…」と、いまも不安がよみがえる。
同じく都内の鍼灸(しんきゅう)マッサージ師、小日向光夫さん(六二)は白杖を手に職場近くを歩いていた際、自転車に激突された。思わず「痛い」と叫んだ。とっさに八ンドルをつかむと、運転していた女性は「会社に遅れるから」と振り切ろうとした。通行人に警察官を呼んでもらい、人身事故として処理してもらった。女性は「スマホを見ていて気づかなかった」と釈明した。
小日向さんは「杖を折られ、立ち去られたこともあった」とため息をつく。最近、こうした出来事をよく耳にするという。「世の中が殺伐としてきている。ストレスをため込んだ末、弱い者相手に鬱憤(うっぷん)晴らしをしているのではないか」
社会福祉法人・日本盲人会連合(東京)の鈴木孝幸副会長は「刑事事件になることは少ないものの、以前から点字ブロック上を歩いていて、健常者とぶつかったら、こちらが怒鳴られたり、白杖を折られても知らんぷりで立ち去られることは日常茶飯事」と嘆く。
視覚障害者の場合、被害を警察に届けようと思っても、加害者の顔や年齢などの特徴を説明できない場合が多い。相手が逃げてしまうと、通報をあきらめるケースがほとんどという。
「それでも、以前は視覚障害者が危害を加えられることはほぽなかった。しかし、四月にも兵庫県で白杖が当たった男性から全盲の女性が暴行を受けた。暴力事件の多発は不気味だ」
視覚障害者へのひどい仕打ちについては明確な統計がない。だが、DPI女性障害者ネットワークは二〇一一年、肢体不自由、聴覚障害なども含めた女性障害者八十七人に聞き取り調査をし、結果を「障害のある女性の生活の困難」という報告書にまとめている。
それによると、女性障害者が受けた被害で最も多いのが、性的被害で計四十五件あった。このうち二十七件は視覚障害者が受けており、「中学で男子生徒に何度も胸を触られた」「通りがかりの男二人に車に押し込まれそうになった」といった内容だった。
ネットワークの上部団体に当たるDPI日本会議(事務局・墓示)の鷺原(さぎはら)由佳さんは「女性の障害者の場合は女性であることと、障害者であることが掛け合わされた複合的な差別にさらされていることが分かる。健常者の人びとは、こうした実態をより広く理解してほしい」と訴える。
同会議で事務局員を務める全盲の上薗和隆さんは、これまでに健常者との衝突で白杖を十本折られた。弁償してくれたのは、外国人一人のみだったという。
「東日本大震災の直後、絆ブームだったが、自分の体験からは言葉だけでしかないように感じている」
ストレスをためる人とためない人の30の違い その4
ストレスをためている人は、弱いものをいじめようとする。
ストレスをためない人は、弱いものを助けようとする。
(HappyLifeStyle)
http://happylifestyle.com/4132
ストレスをためる人は、人を見たときに「競争するぞ」と意気込みます。
意気込むのはいいのですが「競争」というのが、引っかかります。
相手をコテンパンに負かすことで、快感を得ようとしているのです。
自分の勝利が、あらかじめ分かっています。
いじめは、その一種です。
必ず自分が勝つと分かっていることだけをやっています。
自分より弱い相手を見つけ、必ず自分が勝つことができるからと、弱いものをいじめます。
たちが悪いのです。
もちろん勝つ側は気持ちいいことでしょう。
しかし、いじめられる側は、大変な思いをします。
いい思いをするのは、勝つ側だけに偏ります。
こういう人は、人から嫌われ、避けられるようになり、さらに寂しい思いをする悪循環になります。
いい思いをしたいがために、さらに弱いものをいじめて自分だけいい思いをしようとします。
ストレスをためない人は、弱いものこそ助けようとします。
助けて笑顔になってくれることに、喜びを感じて、嬉しくなります。
助けられた側も、助けてもらっているのですから、もちろん嬉しくなります。
いじめは勝つ側だけしか、いい思いをしませんが、協力は助ける側も助けられる側も嬉しくなります。
これを続けていくと、さらによいことがおきます。
協力してくれるあなたに対して印象がよくなり、たくさんの人から話しかけられたり、友人が増えたりしていきます。
すると、今度はあなたが助けられることになるでしょう。
いじめる側より、助ける側のほうが、絶対にかっこいいのです。
協力のほうが、ストレスが小さくなります。
むしろ協力は、ストレスを増やすどころか、減らす生き方です。
お互いにとってプラスになる協力に生きる人が、ストレスが少なくて、ためない人なのです。
憎しみはどこから生まれるか
加藤諦三の言葉 第63回 より
http://www.katotaizo.com/words/words63.html
人間の憎しみや敵意はどのように生まれてくるのか?それは自分が持っている動物的、本質的な悪であるという面もあるにはあるだろうが、それ以上に人間の育てられ方によるところが多い。レオン・サウルという精神分析学者が書いた『敵意に満ちた心』という本によると、敵意や憎しみを生むのは、まず人の依頼心だという。たとえば親が離婚しようとして一人の子供をとりあう場合や、生みの親と育ての親が子供をとりあう場合、二人はその子のちょっとしたほんのささいな行動や努力に対してさえ絶賛する。そして傷つけないように細心の注意をはらう。子供は他人への依頼心を強くする。しかし、その子が親から離れていかなければならない時、彼は仲間とうまくやっていくことができない。彼は学校でも会社でもうまくいかない。そして、その欲求不満を他人への敵意や憎しみに組織化していく、というのである。
“けっとばしやすい椅子”をけっとばすな
加藤諦三の言葉 第103回 より
http://www.katotaizo.com/words/words103.html
自分を卑しめる者を「憎んで遠ざける」、これは身につけるべき態度であろう。憎んで近づいては自分を卑しめる人間に支配されることになってしまう。いかに多くの人が怒りを自分の中に閉じこめ、そして本来怒るべき対象でもないものに、その閉じ込められた気持ちを向けていることだろうか。他人の不幸への関心、スキャンダルへの関心、それらはみな怒りが本来向けるべき対象に向かわずに、置きかえられて代理のものに向かった現象ではなかろうか。本来怒りを向けるべき対象に向ければ、前述の学生をいじめたようないやらしいひねくれた人間にならなくてもすむのである。"The Matured Mind" という本を読んでいたら、この代理の対象のことを「けっとばしやすい椅子」と書いてあった。弱い者いじめなどというのは、まさに怒りを本来向けるべきところに向けられないでけっとばしやすい椅子をけっとばしているということであろう。
苛(いじ)める人は誰でも苛める訳ではない。
加藤諦三の言葉 第321回
http://www.katotaizo.com/words/words321.html
苛められる人は反撃できない。苛められる人の心理的特徴は「言い返せない」と言うことである。苛められる人は仕返しが出来ない。
報復が出来ない。苛める人はそう言う人を狙う。相手からの報復がないのだから苛める人は安心して苛められる。
苛める人は誰でも苛める訳ではない。苛める子供は特定の弱い、防衛出来ない子供を苛めのターゲットとして選ぶ。自分が苛められていると自覚した時には、自分がなぜターゲットして選ばれたかと考える事である。自分の中の何が相手をその気にさせたのかと言うことである。それを本気で反省しないと死ぬ間で苛められる。いや苛められることで死んでしまう。
苛められる人は対立を恐れる。対立を恐れるものは、相手に飲まれる。全部食べられてしまう。苛められる人は自分を守ろうとしているのだが、実は自分を守っていない。
苛められる人は相手の好意で自分を守ろうとしている。しかし苛める人には好意はない。苛められる人はこちらが武器を捨てたら相手は優しくしてくれると思う。こちらが武器を捨てたら相手はこちらを良い人と思ってくれると思う。そして武器をすてる。
しかし武器を捨てたら苛める人は優しくはしてくれない。骨までしゃぶられる。苛められるのは「こちらが武器を捨てたら相手は優しくしてくれる」と言う自分の価値観で動いているのである。苛める人はこちらが武器を捨てても「いい人」とは思わない。
苛められる人は丸腰になって、自分をさらけだして、仲良くなろうと言っている。しかし苛める人は仲良くなりたくない。ストレスを解消したい。苛めることで心を癒したい。
テレフォン人生相談2014-09-13
http://youtu.be/KeWT0TpMlF8
パーソナリティ:加藤諦三
回答者:森田浩一郎(医学博士)
相談者:40歳女性 夫4年前に死別 小学2年息子
子供の希望で国立小学校を受験した息子、1年生の1学期から仲間はずれにされて小学2年生になっても続いている
虐めはエスカレートしており物を壊されたり頭を叩かれたり、たんこぶや痣を作ってくるようになった
担任に言っても見守るだけで何もしてくれず校長や副校長へ面談し訴えても対処されない
先方の親は知らなかったと謝ってくれたが、何も変わらず保護者会で担任がイジメがあり学級崩壊していることを認めた
最初は自分で乗り越えたりしなければならないと口を出さなかった・・・母子家庭で父親がいない為、自分がしっかりしなければと「大丈夫」と言う息子
テレフォン人生相談 2014年9月13日放送分より
加藤諦三さんが語る、著書「逆境に弱い人―ここに気づけば強くなれる―」
http://youtu.be/RC2ZRvppJk8
加藤先生の著書である、逆境シリーズ第二弾「逆境に弱い人 ―ここに気づけば強くなれる―」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00JFAQ8RU
についてお話をして頂きました。
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生活保護をもらいながら祖父母の面倒を見てた女子中学生
http://youtu.be/_CjRGjrNK2E
目の不自由な祖父、祖母と、生活保護をもらいながら住んでいる女子中学生がいて、二人の面倒を全部見てたが、ある日生活保護のお金を引ったくりされた。
これが地方ニュースになって、カンパが集まった。
役所は、そのカンパが臨時収入だからと言って、生活保護を打ち切った。
カンパの何十万円かなんてすぐになくなって、その子は役所に相談に来たけれど、役所は臨時収入があったから再開できないと伝えた。
何度か役所に姿を見せたのは確かだが、その度に追い返したようであった。
生活保護を再開してもらえなかったことは、祖父母に言えなかった。
心配をかけたくなかったのか、どんな心境かは今となってはわからない。
目の見えない祖父母にはちゃんとオカズを作って食べさせながら、その子はずっと、自分は塩とご飯だけ食べていたらしい。
ある時、祖父母がそれに気が付いて、どうして自分だけそんな食事をしてるのか問いただした。
その子は笑ってごまかした、その夜、首を吊った。
(。-_-。)
神様への手紙 ~4歳になる娘が、字を教えてほしいといってきた~
(kokoro堂)
http://kokorodo.net/e1613
4歳になる娘さんが、お母さんに「字を教えて欲しい」と頼みました。お母さんはどうせすぐ飽きるだろうと思っていたのですが、娘さんにはとても深くて強い思いがあったのです。
‐‐‐< 以下、本文です。>‐‐‐
4歳になる娘が、字を教えてほしいといってきたので、どうせすぐ飽きるだろうと思いつつも、毎晩教えていた。
ある日、娘の通っている保育園の先生から電話があった。
「○○ちゃんから、神様に手紙を届けてほしいって言われたんです。」
こっそりと中を読んでみたら、
「いいこにするので、ぱぱをかえしてください。おねがいします。」
と書いてあったそうだ。
旦那は去年、交通事故で他界した。
字を覚えたかったのは、神様に手紙を書くためだったんだ・・・。
受話器を持ったまま、私も先生も泣いてしまった。
「もう少ししたら、パパ戻って来るんだよ~。」
最近、娘が明るい声を出す意味がこれでやっとつながった。
娘の心と、写真にしか残っていない旦那を思って涙が止まらない。
(´;ω;`)
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安倍政権の虎の子「女性の活躍」法案への懸念
(東京新聞【こちら特報部】)2014年9月28日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014092802000155.html
臨時国会を目前に控え、「女性の活躍」法案をめぐる論議がかまびすしい。安倍政権は五人の女性閣僚を起用し、女性活躍担当相なるポストも設けた。だが、法案は女性の厳しい雇用環境を改善する一助になるのか。なにより不安は閣僚たちの顔触れだ。約十年前に、男女共同参画の理念を骨抜きにしようとした人たちがいる。「女性の活躍」の名の下、女性の人権が後退しかねないという懸念が漂う。
(上田千秋、三沢典丈)
窮地のシングルマザーや派遣社員
安倍政権は二十九日に召集される臨時国会に、女性の活躍を促すための関連法案を提出する方針だ。
厚生労働省の労働政策審議会雇用均等分科会で議論を進めているほか、政府の男女共同参画推進本部も先月、補助金に関する各府省向けの指針をまとめた。
現時点で以女性の登用に積極的な企業を支援、起業する女性には補助金を出す-といった内容が柱だが、これで本当に女性が活躍できる社会になるのか。
例えば、経済的に困窮しやすいシングルマザー。厚労省の二〇一一年の調査では、回答を寄せた母子家庭約千六百世帯のうち、正規の社員・職員として働いていたのは四割。平均年収は百八十一万円だった。
元夫から養育費を受け取っている人は19・7%しかおらず、平均月額も約四万三千五百円にすぎない。
にもかかわらず、対策はほぼ手付かずだ。NPO法人「しんぐるまざあずこふぉーらむ」(東京)の赤石千衣子理事長は「シングルマザーという存在には関心がないのだろう。政権が『ネグレクト(育児放棄)」しているよう」と話す。
シングルマザーの就労には保育環境の充実が不可欠だ。政府は五年間で保育所定員を四十万人増やし、待機児童をゼロにする方針を示してはいる。しかし、赤石さんは「待機児童が多い都市部では、年度の途中で保育所に入れるのはまず不可能。保育士の報酬も低いままだから、資格を持っていても、働いていない人が大勢いる」と指摘する。
政府が先月、閣議決定した「子供の貧困対策大綱」には、返済義務のない給付型奨学金制度の創設などは盛り込まれなかった。赤石さんは「政権には『離婚は自己責任。なぜ、税金で面倒をみないといけないのか』という家族観があるのでは。子育てや介護を抱えながらも活躍できる社会を目指すべきだが、そうした発想は見えない」と言う。
予定されている労働者派遣法改正案の再提出も問題だ。現行は通訳など専門的な二十六業務を除き、受け入れ期間の上限は三年。改正案はこれを実質的に撤廃する内容だ。先の通常国会では、法案に誤記があったため、廃案になった。
人件費が安い派遣社員を恒常的に雇えるため、企業側は歓迎するが、労働者には不利益になる。特に妊娠や出産を選ぶ女性にとり、現状では正規雇用の継続は難しい。総務省の一三年の調査では、女性の非正規の割合は男性の21・1%に対し、55・8%に上った。
NPO法人「派遣労働ネットワーク」(東京)理事長の中野麻美弁護士は「法案が通れば、女性が受ける影響は大きい。子どもを産むために協力しますと広報しながら、実際には囗だけだ。結局は男性と同じように働き、はい上がってくる女性だけ登用しようということでは」と批判した。
「男女共同」後退を懸念
ただ、こうした施策以前に「女性の活躍」とは何を意味するのか、という根本が見えない。「二〇年までに指導的な役割につく女性の比率を30%にする」との目標も、それ自体は小泉政権下でも掲げられた。
むしろ、女性の人権に取り組んできた関係者らの間では懸念の方が強い。男女共同参画行政の理念を支えてきた「リプロダクティブーヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康/権利。以下、リプロ)」の保障や、「ジェンダー(生物学的な性に対し、社会的・文化的な性のありよう)」概念の行方が焦点となる。
リプロについて、横浜国立大の藤掛洋子教授(開発人類学)は「女性個人、あるいはカップルが子どもをいつ産むか、何人産むか、あるいは産まないか、を選ぶ権利を保障する人権の一部」と説明する。言い換えれば、自己決定権だ。
人口増加こそが国の発展と考えられていた米国で一九一二年、一人の女性が産児制限運動を始めた。この運動が世界に広がる中、途上国の人口爆発への危機感から女性の生殖に関する権利が国連でも議論となり、九四年、カイロでの国際人口開発会議でリプロは行動計画として採択された。
カイロ行動計画はすべての国に「遅くとも一五年までに、すべての個人がリプロを得られるよう努力する」よう求めた。日本でもリプロを「男女共同参画社会の実現の前提」と位置付け、九九年に男女共同参画社会基本法が成立した。
だが、藤掛教授は「日本では、大企業や公務員など一部を除いて、リプロは守られていない」と語る。
「ある大企業ではリプロが保障されている。でも、その子会社の女性社員は『二人も産むと、会社での地位が守れないので諦めた』と話していた。このような例は後を絶たない」
逆に産まない自由も保障されねぱならないが、女性活躍担当相に就任した有村治子氏は過去、中絶の権利に慎重姿勢を示している。安倍首相も昨年、妊娠適齢期などを記した女性手帳の導入を試み、「女性の生き方に結婚・出産を押し付けるもの」と猛反発された。藤掛教授は「イスラム圏を除けば、こんなことをやっている国は聞いたことがない」と批判する。
自己決定権や個性尊重 守られるか
もう一つの柱のジェンダー概念は、性別より個人の個性を優先する考えだ。岩手大の海妻径子准教授(ジェンダー研究)は「男だから力仕事をやれ、女だから家事をといった考えは社会の仕組みに関わっている。性差によって正当化される利益、不利益はとても大きい。社会の性の捉え方を常に疑い、敏感でいようということ」と解説する。
ジェンダー概念は、これまで性に基づく分業として押し付けられてきた女性に対する差別をぬぐう機能を果たしてきた。
しかし、日本では○○年代、ジェンダー概念が家族制度を破壊するとし、保守派が激しくたたいた。自民党内にプロジェクトチームがつくられ、当時、その最先頭に立ったのが、安倍首相や国家公安委員長兼拉致問題担当相に新たに就いた山谷えり子氏らだった。
○五年十二月の男女共同参画基本計画の改定では、彼らは「『ジェンダー』という文言の削除」を要望。結果として「ジェンダー」という用語は残ったが、その後の男女共同参画の推進はとかく慎重になった。
そうした経緯の延長線上に、今回の「女性の活躍」政策は登場している。海妻准教授はこう断言する。
「安倍政権下では、女性議員の一部が大臣になったり、大企業で女性社員の一部が役員になったりすることはあるだろう。だが、それで社会の女性差別がなくなったことにはならない」
曖昧基準で重罰 秘密保護法運用 問題点を聞く
(東京新聞【核心】)2014年10月15日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2014101502000133.html
特定秘密保護法の運用基準が14日に閣議決定された。政府の意のままに特定秘密が指定される恐れを抱えたまま、同法は12月10日に施行されることになった。憲法は権力を縛るためにあるという立憲主義の立場から反対する学習院大大学院教授の青井未帆教授(憲法)と、反対の立場ながらも政府の有識者会議「情報保全諮問会議」の委員として運用基準づくりに携わった清水勉弁護士に、問題点やこれから何をすべきかを聞いた。
(西田義洋)
青井未帆 学習院大教授
閣議決定された運用基準では、公募意見(パブリックコメント)を受け、違法な情報は(漏えいが罰則対象になる)特定秘密に指定してはいけないという項目が盛り込まれたが、何を特定秘密にするかは結局、行政の裁量によるという問題点は変わらなかった。恣意(しい)的な運用を許す法自体がおかしい。
例えば特定秘密の対象になるスパイ活動の防止やテロ活動の防止について定義が曖昧だ。国内の治安を担当する警察が何をどこまで指定するのかは、本当に運用次第になる。
特定秘密保護法案の実質審議が始まった昨年十一月八日。国民の反対の声が高まる中、衆院特別委員会が開かれた。自民党のプロジェクトチーム座長を務める町村信孝元外相は憲法で保障された国民の「知る権利」について「国家や国民の安全に優先するという考え方は基本的に間違いだ」と発言。当時の森雅子内閣府特命担当相は「二つのバランスをいかにとるか考慮する」と答弁した。
これは秘密保護法の根底には、知る権利が国家の安全より劣位にあるという考えがあるにもかかわらず、国民の激しい反対で、政府が表面的には「バランスを取る」と装わざるを得なくなったからではないか。
今後も秘密保護法が恣意的に運用される可能性を常に爆弾のように抱えた法律だと心に留め、おかしいと言い続けることが大事だ。政府の運用を暴走させないよう、監視し
続けなければならない。
清水勉弁護士
特定秘密保護法の運用基準で一定の管理ルールはできたが、政府が誠実に運用するかという問題や、改善すべき点は残っている。
運用基準では、違法な秘密指定などを通報したことを理由に、通報者に不利益な取り扱いをしてはならないとされるが、通報以外の理由を持ち出せば懲戒処分はできる。
海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」いじめ自殺訴訟では、いじめを裏付ける内部資料を海自が隠蔽(いんぺい)していると通報した三等海佐に対し、海自は「職務上で得た文書のコピーを任務終了後も保管していた」として懲戒処分を進めていた。
通報だけでなく、通報に関連した事情を理由に不利益な処分ができないよう運用基準を修正すべきだ。
運用基準づくりを担ってきた情報保全諮問会議の委員は法施行まででなく、施行後も意見を言うことができる。私も修正すべき点は修正するよう申し入れていく。
秘密保護法が問題なのは、特定秘密の漏えいなり、それにアクセスしようとすることに対し、重い処罰を科すことだ。本来は、公文書管理法の中で秘匿性の高い情報管理のルールづくりをするべきだったが、政府は秘密保護法でやるという形をとった。今後は、公文書管理のルールを充実させたうえで、なるべく処罰規定を必要としない制度に修正していく必要がある。それができれば、今のような秘密保護法はいらなくなる。
TPPにも米国の武器
交渉合意後「承認手続き」
(東京新聞【こちら特報部】ニュースの追跡)2014年9月9日
昨年七月に日本も参加した環太平洋連携協定(TPP)交渉が続いている。「パワーポリティックス(力の政治)」の世界ゆえ、米国が有利になりがちだが、米国にはより強力な武器がある。交渉合意後の「承認手続き」だ。TPPを批判する非政府組織(NGO)などは、その脅威に警鐘を鳴らしている。
(鈴木伸幸)
自国側の「満額回答」まで発効せず
現在、ベトナムのハノイで開かれているTPP交渉の首席交渉官会合は十日までの予定だ。柤変わらず、内容は隠されている。
日米両政府はTPP交渉だけでなく、両国間の懸案に特化した話し合いも進めている。日本に求められているのは牛・豚肉の閧税引き下げや食品の安全基準の緩和、知的財産権の保護強化などだ。米中間選挙がある十一月中の大筋合意を目指しているといわれるが、交渉は難航している。
TPP交渉に詳しいNPO法人「アジア太平洋資料センター」(東京)の内田聖子事務局長は「難航すればするほど、合意の協定文書は曖昧で、不明瞭な内容となることが多い。『others(~など)』や『almost(ほぼ~)』といった表現を入れて、各国がそれぞれ好ましいように解釈できる余地を残す」と指摘する。
交渉が合意されれば、各国は持ち帰り、議会の合意を得る運びになる。そこで始まるのが、協定発効に向けての政府間交渉だ。
内田さんは「そこで政治・経済力を背景に米国は相手に圧力をかける。それが『承認手続き』。根拠としているのは米国の国内法である『通商協定実施法』。相手国は無視もできるが、実際には屈し、協定にはないのに自らの国内法を変更する例がほとんど。それによって、不利益を被った例は数多い」と説明する。
逆に米国側からみると、協定の交渉合意後も、米国側の利益が完全に満たされるように、相手国の法律を変えさせるまで協定を発効しない手法ともいえる。
TPPに反対する国際NGOがまとめた「承認手続き」の報告書には、米国が中南米を相手とした自由貿易協定(FTA)での具体例が列挙されている。
例えば、エルサルバドルはそれまであった自国独自の輸入品検査についての法律を変更し、米国で検疫、承認された食用肉と乳製品については無検査で輸入するようになった。これは協定には記されておらず、承認手続きでなされた。
ドミニカ共和国やグアテマラでは、やはり承認手続き段階で、米国から医薬品の特許保護の厳格化が求められた。その結果、安価なジェネリック薬品の販売が制限され、低所得者は薬を得にくくなった。
日本はどうか。米国は毎年「外国貿易障壁報告書」で、日本の法規制や慣行を貿易障壁と批判している。対象分野には医薬品、保険などの金融市場、教育サービスも含まれる。内田さんはTPP交渉後の承認手続きで、米国が法規制の変更を求めて、圧力をかけてくることは必至だとみる。
タイ紙「ネーション」などによれば、ノーベル経済学賞を受賞した米コロンビア大のジョセフースティグリツツ教授は「貿易協定は特定の利益団体が恩恵を受けるためのもの。TPPでも、米通商代表部はそうした利益団体を代弁している。相手の利益は全く考えていない」と主張する。
内田さんはそれに同意するという。「TPP交渉の場には国際企業の社員が張り付き、ロビー活動をしている。食品の安全基準緩和による残留農薬や遺伝子組み換え食品の問題といったことだけでなく、TPPは『一部の国際企業の利益のための交渉』という認識が必要だ。米国はそのために承認手続きも活用する」
『誰のためのTPP?―自由貿易のワナ』トレーラー
http://youtu.be/ChFXBRmm5Bo
TPP等の貿易協定発効前に交渉参加国に対して法律変更を求める米国の法的「承認手続き」に関するQ&A
Q&A ON THE US LEGAL REQUIREMENT FOR 'CERTIFICATION' OF
TRADE PARTNERS’ COMPLIANCE BEFORE AN AGREEMENT LIKE THE TPPA GOES INTO EFFECT
Professor Jane Kelsey, Faculty of Law, The University of Auckland, New Zealand and Sanya Reid Smith, Legal Adviser and Senior Researcher, Third World Network
http://static.ow.ly/docs/certification Japanese0822_2rez.pdf
2014 年米国通商代表(USTR)外国貿易障壁報告書
(日本の貿易障壁言及部分:外務省作成仮要約)
平成26年4月22日
外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000036362.pdf
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「暴力」におびえる視覚障害者…その背景は? 弱者へのいじめ?( ´・ω・)∩
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