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小出裕章先生:社会的にどこまで許せるかということの規制の基準を決めて、それだけはクリアしただけ

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子どもの貧困にどう向き合うか(ラジオフォーラム#82)

http://youtu.be/kom_ciSfckA?t=16m11s
16分11秒~第82回小出裕章ジャーナル
川内原発再稼働適合判断について 「この審査は安全審査ではないのです」

http://www.rafjp.org/koidejournal/no82/
湯浅誠:
今日は、各種報道でも大きく取り上げられました川内原発再稼働適合しているという風に規制委員会が下した判断ということについて、お伺いしようと思っております。

原子力規制委員会は、7月16日に鹿児島県にあります、九州電力の川内原発1号機と2号機ですね。原発の新規制基準を満たしているというふうに審査結果を出しました。これによって、政権としては原発再稼働への動きを加速するんじゃないかというふうに言われておりますし、まあそうなんでしょうね。九州電力は、今年の秋にも再稼働を実現したいとしているようなんですけれども。さて、まずは今回の規制委員会の安全審査のポイントはどこだったんでしょうか?

小出さん:
今、湯浅さんが安全審査のポイントとおっしゃいましたけれども、この審査は安全審査ではないのです
新規制基準のイメージ
田中委員長
規制基準というものが出来たのですけれども、元々は安全基準と言いたかった。でも、安全基準と言えなくて、規制基準ということにしたのです。ですから、安全であるかどうかを審査したのではないのです。

規制委員会の委員長である田中さんが、今回の川内のGOサインを出して以降に、「安全だと言ってるのではない」と、彼自身がはっきりと言ったように、安全なんていうことはもう確認できないと。規制の基準を決めた。


つまり、社会的にどこまでなら許せるかということの規制の基準を決めて、それだけはクリアしたと言ってるだけなのです。別に、安全になったわけでも何でもありません。それが一番大切なことだと私は思います。

川内原発 程遠い「合格」_1

湯浅:
となると、「規制」というのは何なんですかね。

小出さん:
要するに機械ですから、どんな事故も起きるということは当たり前なのです。原子力発電所というのは、とびきり膨大な危険を抱えた機械なのであって、それが、時によっては大きな事故を起こしてしまうということは、言ってみれば当たり前のことであって、それを何とか少しでも起こらないようにしたいと言って、規制の基準を決めたわけですけれども。でも、やっぱり起こってしまうかもしれないということは前提になっているわけです。
新規制基準の対策
だからこそ、規制基準と決めた外側には住民の避難計画を立てろということも、また別に設定されているわけです。ただし、その住民の避難計画に関しては、規制委員会は何にもしなくてもいいということにされてしまっていて、規制委員会は、「私達は知りません」と、「ただ、この原子力発電所がある一定の基準を満たしたかどうかだけを判断しました」と言って、それで終わりにしてしまったわけです

小出裕章ジャーナル

湯浅:
あの、まあ自動車も場合によっては人を轢くかもしれない。だけども、この規制基準を満たしてる自動車は、一般市道を走って、公道走っていいというふうに認めると。だからと言って、自動車が決して人を轢き殺さない。そんなことはあり得ないとは言えませんよということですね。

なんか、世の中の受け止め方、報道のされ方見ると、政権がそもそもそう取りたいというのがにじみ出てるからなんでしょうけども、この規制がOKになったから、「原発=動かすよ」みたいな感じがかなり強くにじみ出てきてるような気がするんですがね。

小出さん:
そうですね。要するに、問題は2つあると。まず、ひとつは今、湯浅さんが自動車のことをおっしゃって下さったわけですけれども、自動車というのは長い歴史があるし、たくさんの経験があって、どんな事故がどのくらいの頻度で起きるかということが経験的にわかるわけです。

ですから、対策ということもそれなりに考えられるわけですけれども、原子力発電所の破局的な事故というのは経験すらない。ほんのわずかな例しかないし、どんな形で、どのくらいの頻度で起きるかということは経験的に知ることが出来ないのです
国際原子力事象評価尺度(INES)の評価事例

規制基準というようなものも、何とかそれを減らそうとしてるわけですけれども、でも、ほんとにどれだけ減らすことが出来るかすらが分からないという状態で、許可が出されてしまうという、そのまずひとつの問題があると思います。

で、もうひとつは、じゃあ起きた時にほんとに対策ができるのかということなのですけれども、もう福島の事故で十分に私は分かったと思うのですけれども、ほんとに大きな事故が起きてしまうと、対策自身が取りようがないと。もうどうにも情報すらが混乱してしまうわけで、政府自身もパニックに陥ってしまって、適切な指示が出来ないということになりました
直ちに健康に影響はない
管官邸が隠した「被曝データ6500枚」

実際には避難できなかった方がたくさんいたわけだし、特に病院にいた方とかお年寄りとか、逃げることが出来ない方々が犠牲になっていくということになったわけで。
双葉厚生病院
爆発の翌日測定器が…

「避難計画を作れ」と政府はそれぞれの自治体に対策を丸投げしてしまったわけですけれども、実際のことを言えば、たぶん対策は取りようがないだろうと思います

川内原発 程遠い「合格」_2

湯浅:
その時の風向きひとつで、どこまでどういうふうに被害が広がるのか。広がったら、日本半分ぐらいは人が住めなくなるかもしれない。それぐらいの大きな被害をもたらすことの社会的に受任できる規制は一体あるのかということですね。

小出さん:
今は少なくとも、その30キロ圏内の自治体に対して、「避難計画を作れ」と言ってるわけですけれども、福島の事故を見れば分かるように、30キロなんかではとどまらなかったのです。40キロ、50キロも離れた福島県の飯舘村という所も猛烈な汚染を受けてしまって、今現在も全村離村になっているのです。事故直後にも飯舘村の人達に対しては、何の情報も与えられませんでしたし、被ばくさせられるままにされてしまったわけです。
川内原発で福島級の事故が起きた場合

これから、事故がどんな事故が起きるか、それすらがよく分からないわけですし、30キロでとどまるなんていうこと、そのこと自身がまずはおかしいと思います。もっと広範な地域の住民に対して対策を取ろうと思えば、まずは、もう全く出来ないという事だと思いますし、そうであれば、原子力発電所の再稼働そのものを、はやり私は止めるべきだと思います
川内原発事故→沿岸の汚染深刻

湯浅:
世の中には規制委員会がより積極的に関与して、再稼働するかしないかの権限自体、規制委員会に持たした方がいいんじゃないかという意見もどうもあるようなんですけれども。私自身も規制委員会に権限を与えて、政治に逃げ道残すよりは、規制委員会はあくまで規制についての判断で、 再稼働するかどうかは、あくまで政治的な責任において決めてくれという方が、まだ責任の所在がはっきりするんじゃないかなというふうに感じるんですけれどね。

小出さん:
そうですね。ただ、今の安倍さんなんかはそうじゃなくて、「規制委員会の判断に全てを任せる」というような事を言って、安倍さん自身は逃げようとしているわけですね
再稼働語る資格のない安倍首相

湯浅:
あれはなんか、集団的自衛権の時に「全部私が決めるです!」と言ったのと違って、なんかごまかしてますよね。

小出さん:
はい、と思います。

湯浅:
はい、どうもありがとうございました。

小出さん:
はい、ありがとうございました。


2006年12月13日
巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書 提出者 吉井英勝
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon_pdf_s.nsf/html/shitsumon/pdfS/a165256.pdf/$File/a165256.pdf

衆議院議員吉井英勝君提出巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問に対する答弁書 内閣総理大臣 安倍晋三
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon_pdf_t.nsf/html/shitsumon/pdfT/b165256.pdf/$File/b165256.pdf

1-4
質(吉井英勝):海外では二重のバックアップ電源を喪失した事故もあるが日本は大丈夫なのか?
答(安倍晋三):海外とは原発の構造が違う。日本の原発で同様の事態が発生するとは考えられない。


1-6
質(吉井英勝):冷却系が完全に沈黙した場合の復旧シナリオは考えてあるのか?
答(安倍晋三):そうならないよう万全の態勢を整えているので復旧シナリオは考えていない。


1-7
質(吉井英勝):冷却に失敗し各燃料棒が焼損した場合の復旧シナリオは考えてあるのか?
答(安倍晋三):そうならないよう万全の態勢を整えているので復旧シナリオは考えていない。


2-1
質(吉井英勝):原子炉が破壊し放射性物質が拡散した場合の被害予測や復旧シナリオは考えてあるのか?
答(安倍晋三):そうならないよう万全の態勢を整えているので復旧シナリオは考えていない。


安倍首相 再稼働容認


「川内同型炉は審査簡略化可能」

見えないだけ



○●○●○●○●○●



SS22 崎山敏也の原発関連「★検察審査会、東電の元会長らを『起訴相当』との議決。東京地検が再捜査へ」2014.07.31

http://youtu.be/l6DujnODNgA


東電元幹部、起訴相当


「事故ない」甘さ許さず 東電元幹部、起訴相当
(東京新聞【核心】)2014年8月1日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2014080102000119.html
 「安全神話の中にいたからといって、責任を免れることはできない」。東京電力福島第一原発の事故で、東京第五検察審査会(検審)は元東電幹部三人を「起訴すべきだ」と結論付けた。だれも起訴できないとした検察の判断と市民から選ばれた検審の「常識」とのずれが浮き彫りになった。
(中山岳、加藤益丈)

「事故ない」甘さ許さず 東電元幹部、起訴相当

*戸惑い

「想定外ではないし、おかしな議決だとも思わない。しかし、これまで裁判所が認めてきた注意義務違反の水準を大きく超えている」。ある検察幹部は慎重に言葉を選びながら、議決への戸惑いを口にした。
 今回、元東電幹部3人が問われたのは、業務上過失致死傷罪。業務上、必要な注意を怠ったという過失があったかどうかが、この罪が成立するかどうかの「分かれ目」になる。
 検察は、昨年9月に3人を含む全員を不起訴とした判断の中で、東電が2008年に出した15.7メートルという津波の試算について、いくつもある試算の中で津波が高くなるように厳しい条件を重ねて出した試算だと評価した。
 さらに、当時は実際にそうした高い津波が来ると考えた地震や津波の専門家が少数派だったことを考慮し「大津波は予測できたと言えず、いかなる深刻な結果が出ても刑事責任を問うほどの過失とは言えない」と判断した。

*過失

 検審も今回の議決で、自然災害は具体的に予測することはできないとの前提に立った。
 しかし、事故が起きると、広大な地域に被害をもたらす原発の特殊性を考慮し「電力会社は安全確保のため、極めて高度な注意義務を負っている」と指摘。東電内部の会議メモなどから、3人は最高幹部として大津波が襲来する可能性があるとした報告に接していると考えられ、明確な対策を取らなかったことは過失に当たると判断した。
 元幹部らの危機意識のなさの根底に、原発の安全神話があったとも指摘。「安全に対するリスクが示されても、実際には事故は発生しないだろうと、曖昧模糊(もこ)とした雰囲気が存在していたのではないか」として、東電の体質を「本来あるべき姿から大きく逸脱し、一般常識からもずれている」と厳しく批判した。

元京都地検検事正の古川元晴弁護士は「検審の判断は、検察より国民の常識に沿う考え方だ」と議決を評価する。「検察は、確実に予測できる危険でなければ回避する義務はなく、刑事責任を問えないとの考え方に立った。だが、それでは原発のように極めて高度な安全対策が課されている事業には対応できない。検察は腹を決めて起訴すべきだ」と述べた。

*行方

 東京地検は今後、あらためて勝俣恒久元会長らの聴取に乗り出すとみられる。
 過去の捜査では、福島原発告訴団が求めた東電本店の家宅捜索などの強制捜査を見送り「名ばかり捜査」と批判された経緯がある。再捜査で強制捜査に踏み切るかどうかについて、検察幹部は「現段階では、なんとも言えない。証拠隠しの疑いがあり、それがどこにあるか分からないと、裁判所は家宅捜索令状を出さず、こちらも動きようがない」と話した。
 検察審査会法では、地検が議決を通知されてから3カ月以内に起訴か不起訴か判断しなければ、メンバーの異なる検審があらためて審査を始める。検察幹部は「3ヶ月で結論を出すのは厳しい」と期間の延長を求めることも示唆した。

【検察審査会】
選挙権のある国民からくじで選ばれた11人の審査員で構成。審査は非公開。検察官による容疑者の不起訴処分について、11人中6人が納得できなければ「不起訴不当」、8人以上が納得できなければ「起訴相当」と議決する。従来は議決に拘束力がなかったが、2009年5月施行の改正法では、起訴相当と議決された事件を検察官が起訴しなかった場合、自動的に再審査。再び起訴相当と議決すると、裁判所が選んだ検察官役の指定弁護士が容疑者を強制的に起訴し、公判を担当する。再審査時は必ず審査補助員の弁護士が立会い、検察官の意見を聴く。


「無責任ムラ」に警鐘



「事故責任 真実を」避難者 追求に期待
東電元幹部 起訴相当
(東京新聞)2014年8月1日

 市民でつくる検察審査会は、恵示電力福島第一原発事故で、東電歴代幹部三人を「起訴相当」と判断した。捜査のやり直しを申し立てた福島県民ら約五千七百人の中には、今も首都圏で暮らす人々もいる。故郷を奪われた怒りのやり場もなかった三年半。司法の扉が開く光が見えてきたことに、喜びの声が上がる。
(小林由比)

「事故責任 真実を」避難者 追求に期待

故郷奪われ怒り今も

 「うそかと思った。うれしかった」。福島県三春町から東京都西東京市に避難する増子理香さん(四四)は、笑顔を見せた。
 二〇一一年五月、当時小学一年生だった長女(一〇)と町を離れた。土が汚染され、有機栽培農業を続けられない。放射線量を知り、幼い娘の健康への影響にも強い不安を覚えた。
 避難指示区域からの避難ではないため、公的支援もない不安を抱えて自主避難した親同士が支え合う団体をつくったが、どこに憤りをぶつけていいか分からないでいた。
 そんな中、福島原発告訴団長の武藤類子さんから、何人かの母親と一緒に説明を聞いた。「これまで普通に暮らしてきて、告訴なんて自分には縁のないことだと思ってきた。でも、武藤さんが福島の言葉で『悪いことをした人に罪を認めさせることだ』と説明してくれて、すとんと胸に落ちた
 昨年九月、東電幹部らが全員不起訴処分になった後も、告訴団は東京検察審査会への申し立てなどを行い、「被害者の声を聞いて」と訴え続けた。「私たちにとって事故は現在進行形。だれに責任があるのか司法の場で真実を知りたい
 南相馬市から横浜市に避難する村田弘さん(七一)は、定年退職後の○三年から故郷で第二の人生を送っていたが、事故でその生活を奪われた。「最初からこの事故は犯罪だと思ってきた。審査会の議決には市民の良識が生きている」と喜ぶ。
 「大飯原発の運転差し止め判決に次いで今回の議決。少し明るい兆しが見えて本当にうれしい。人の命から物事を判断するという司法のあり方であってほしい
 国と東電に原状回復と慰謝料を求める「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟の原告の一人、福島市の根本仁さん(六六)は、これまでに原告の思い四十人分を証言集にまとめた。出荷制限を悲観して自殺した父親について語った農家の男性、山菜採りや渓流釣りなど自然とともに暮らす日々を奪われた悲しみを訴えた高齢者たち…。「東電は訴訟の中で求めた資料を出さないなどいまだに事実を隠そうとする姿勢だ。刑事事件としても責任を問うていってほしい」と期待を込める。

浪江町長は「順当な判断」

 全町避難中の福島県浪江町の馬場有町長は三十一日、「順当な判断。事故原因が究明されていない中で不起訴はあり得ない。事故の責任をはっきりさせてほしい」と述べ、東京地検に徹底した再捜査を求めた。同県二本松市の仮町役場で記者団に語った。
 馬場町長は原発事故について、「津波は想定外だったと片付けて良いのか。(津波の危険性は)前から言われていた」と指摘。検察捜査による事故原因の究明にも期待を寄せた。

東電原発運営の中枢
勝俣元会長ら歴代幹部

 起訴相当の議決を受けた東京電力の歴代幹部三人は、いずれも東電で長きにわたり、経営や原発運営の中枢を担っていた。
 勝俣恒久元会長(七四)は、二〇〇二年十月、社長に就任。○七年に新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原発の事故の対応にもあたった。検察審査会の議決では、勝俣氏について、この経験を踏まえ、「想定外の事態が生じることの認識を持っていた」と指摘している。○八年六月に会長に就任し、福島第一原発事故後に退いた。
 武藤栄元副社長(六四)は、二〇〇八年六月に原子力・立地本部副本部長、一〇年に同本部長を務めた。原発の知識や情報を持ち、技術的なことで実質的な判断を下す立場にあった。
 武黒一郎元副社長(六八)は、武藤氏の前任の原子力・立地本部長を務めた。事故当時はフェローで、原子力担当の中ではトップの地位にあった。
 一方、不起訴不当の議決を受けた小森明生元常務(六一)は、○八年六月から福島第一原発所長を歴任。一〇年六月二十六日からは、原子力・立地副本部長を務めていた。


衆議院予算委員会2012/2/15吉井英勝(共産)の質疑

http://youtu.be/KUG4kQAlpI4
参考人 東京電力 勝俣恒久


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