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Channel: 私にとって人間的なもので無縁なものはない
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小出裕章先生:どんどんどんどん戦争に向かって転げ落ちていってるように私には見えます

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新聞は集団的自衛権をどう報じてきたか?(ラジオフォーラム#77)

http://youtu.be/kFg8n7eWoUY?t=14m4s
14分4秒~第77回小出裕章ジャーナル
戦争・テロの原発への脅威「原子炉本体とつながっている配管をただ破壊してしまえばいいというものですので攻撃に対しては大変弱い構造になっています」

http://www.rafjp.org/koidejournal/no77/

西谷:
この番組は6月16日に収録しているわけですけれども、今ですね、政府は集団的自衛権の問題を山場を迎えさせようとしているのですが、サッカーに隠れてて、ほとんど報道されてないんですけれども、小出さん、これどう感じられてますか?
先鋒はジャップにまかせろ!

小出さん:
はい、もう憲法にそもそも全く違反してると私は思います。憲法問題もキチッとやらないままですね、解釈だけで変える等ということは、日本国憲法前文にはですね、政府の暴走を防ぐためと明記されているわけで、それを踏みにじるような行為だと私は思います。
日本国憲法前文 前半

西谷:
政府は盛んに北朝鮮がこの脅威なんだと。攻めてくるかもしれないんだと、あるいは、朝鮮有事があるかもしれないんだ。だから、守らないといけないんだみたいなことを言いますが、それではなぜですね、日本海側にたくさん原発を作ったんでしょうか?

小出さん:
全く漫画のようなことですね。私自身は、朝鮮民主主義人民共和国が日本に攻撃をしかけてくるというようなことは、全く思っていませんけれども、もし、本当にその外国が何か攻撃をしてくると考えるのであれば、原子力発電所を持ってるということが最大の問題になってしまいます
原発逆さ地図

西谷:
だいぶ前の番組で、小出さんは「原発は実は天井が薄いので、上から飛行機なんか落ちたらすぐに壊れる」とおっしゃいまいたが、これは本当ですか?

小出さん:
もちろんです。天井と言うのは、要するに梁で支えるわけですけれども、原子力発電所のような巨大な建物はですね、梁で支える重量にも限界がありますので、横の壁は確かに分厚く造っててあるのですが、天井は薄いのです。ですから、両方向から、もし攻撃を受けるようなことになれば、簡単に破壊されると私は思います。
原発設計図
ただ、原子力発電所というのは、もともと非常に複雑な機械ですから、原子炉本体を破壊する必要など全くないのです。例えば、制御室を破壊してしまったっていいわけですし、原子炉本体とつながっている配管を、ただ破壊してしまえばいいという。そういう物ですので、攻撃というものに対しては大変弱い構造になっています

伊方原発上空飛ぶ危険 88年 間近に米ヘリ墜落

西谷:
その点ですね、『原発ホワイトアウト』という本がありまして、これベストセラーになった現役の官僚が書かれた本なんですけど、最後の方に、小説ですからテロリストが出てきて原発の敷地外の高圧電灯を爆破したと。そうすると、冷却が停電でできないのでメルトダウンしたと。こういうことを書かれてるわけですが、原発の敷地外の、例えばなんらかの事故で送電線が壊れたりすると、こういうことってあり得るんでしょうか?

小出さん:
もちろん、あり得るわけですね。福島第一原子力発電所の事故も外部の送電線が倒れてしまって、外部から発電所に電気が来なくなったということを非常に重要な原因のひとつにしていますし、外部電源を断つということは、原子力発電所の弱点を攻撃する、かなり有効な手段だと私は思います
鉄塔の倒壊
例えば、米国などは原子力発電所の事故の脅威というものの大きな問題として、サボタージュとかテロとかいうことを考えていて、軍隊で原子力発電所を守るというようなことをやっているわけです。その点、日本というこの平和というんでしょうか、平和ボケというのでしょうか、一方では、他国の脅威をあおりながら、原子力発電所は決して事故を起こさないというようなことを未だに言い続けているという人達がいるわけで、大変不思議な国だと思います

電力は戦力!

安倍晋三 原発やめるわけにはいかない!

西谷:
これ、サボタージュというのを想定しているんですか?

小出さん:
所内に入って来た誰かが、例えばどっかの配管1本爆破してしまえば、原子力発電所が巨大な事故になるという、そういう装置ですので、労働者を大変厳しく監視する。不審な人間が入ってこないように、軍隊で守るというようなことをやっているわけです

※核セキュリティ(外務省)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/dns/n_s_ne/page22_000968.html
核セキュリティ

原子力関連施設警戒隊 - Wikipedia
原子力関連施設警戒隊

小出裕章ジャーナル

西谷:
あと、大飯原発で素晴らしい判決が出たんですけど、あの裁判所の判断は「地震で壊れる可能性が高い」と出てましたが、これ想定外の地震って起こりえますよね?
大飯差し止め 画期的判決

小出さん:
もちろん、起こり得ます。これまで、きちっと地震の予知ということをできた試しはないわけですし、次々と想定以上の地震が起きてきて、原子力発電所も設計を考え直すというようなことをずっと歴史的にやってるわけで、考えた以上の地震が起きるということはむしろ当たり前のことです。
大地震想定震源域と原発

西谷:
それと福島の場合は、地震が起きてから1時間経って津波が来るんですが、津波が来る前に、もう放射性物質が漏れていたという風な報道もあるんですが。
※(プロメテウスの罠)原発城下町:1 先生、逃げろ!
http://digital.asahi.com/articles/NGY201307180038.html

小出さん:
はい、そういうデータもありますし、津波が来る前に、非常用電源がもう止まっていたという話もありますし、原因をきちっと突き止めなければいけないのですが、残念ながら、事故現場に行くことすらできないという、そういう事故が今進行しているわけで、原子力発電所の事故というのは、大変過酷なものだなあと私は思います。

※再論 福島第一原発 1 号機の全交流電源喪失は津波によるものではない
(伊東良徳)
https://www.iwanami.co.jp/kagaku/eKagaku_201403_Ito.pdf

西谷:
九州の川内原発が再稼働をもしされた場合、火山の噴火で火山灰で目詰まりするんじゃないかと、こんな話もあるんですが、こういうことも起こり得ますか?

小出さん:
はい、川内原発が建っている所は鹿児島県ですけれども、近くに桜島もありますし、桜島のある鹿児島湾という所は巨大な火山の爆発の跡なんですね。
日本の主な火山
ですから、もし、あの周辺で大きな爆発が起きるというようなことになれば、火山灰あるいは火砕流という物が川内原発を襲うということは、もちろん可能性はあるわけですし、火山の爆発の予知ということだって、もちろん今の科学では完璧にできるわけではありませんから、万が一には、川内原発が大きな事故になるということは、もちろん考えておかなければいけません

※川内原子力発電所 火山影響評価について
(九州電力)
http://www.nsr.go.jp/activity/regulation/tekigousei/data/0095_04.pdf
より
川内原子力発電所. 火山影響評価について より

「川内原発の再稼働はこれで消える」パンフ
http://www.synapse.ne.jp/peace/sendaigenpatusaikadouhantaipanph.pdf

西谷:
あとですね、原子炉の燃料棒製造工場とかですね。あるいは、使用済み燃料棒を運搬する時に、襲われたりしたらということも考えないとダメですね。

小出さん:
そうですね。まあ、もちろんそれについては、原子力を進めてる人達も、場合によってはと考えてるわけですし、原子力発電所の燃料の輸送情報というものは、既にもう極秘にされてしまっていまして、ほとんど、その関係する自治体にすら通報されないという、そんな状態になってしまっているわけです。

プルトニウムを積んだ輸送車 首都高速3号渋谷線
混雑する一般道の高架上をプルトニウムを積んだ輸送車が猛スピードで走り抜ける。首都高速3号渋谷線渋谷駅付近

かつて、ドイツの哲学者のロベルト・ユンクさんという方が、『原子力帝国』 という本を書いてくれました。その中で、原子力というようなものを選択してしまえば、国家が情報を徹底的に管理する。そして、人々を徹底的に監視するという、そういう世界になるだろうと予言しています

西谷:
日本も特定秘密保護法が通りまして、着々とそういう権力者が秘密を隠す体制ができ上がってます。非常に危ないですね。

小出さん:
そうですね。安倍さんっていう人、大変危ない人だと私は思いますし、既にどんどんどんどん戦争に向かって転げ落ちていってるように私には見えますので、特に原子力の場という所に私はいるわけですし、今後もきちっと対応していきたいと思います

恐ろしい国の行方 首相が正常でない

西谷:
はい、今日はよくそういうテロとの関係、あるいは事故との関係がよく分かりました。小出さん、今日はありがとうございました。

小出さん:
いえ、ありがとうございました。



日刊ゲンダイ2014年6月30日付
ヤラセと裏切りの公明党





The daily olive news




原発ホワイトアウト 1/2 覆面官僚が語る 原発の真実と秘密保護法案の実像 若林冽

http://youtu.be/EIgQowUYt5o

原発ホワイトアウト 2/2 覆面官僚が語る 原発の真実と秘密保護法案の実像 若林冽

http://youtu.be/4I-oCY0Q9yI



電力、異常事態に=原発停止継続なら-甘利再生相
(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201406/2014062700501
 甘利明経済再生担当相は27日の閣議後記者会見で、原発の代替電源である火力発電の燃料費上昇が電力会社経営を圧迫していることに関し、「事態を放置すれば、産業用の電気料金が東京電力福島第1原発の事故前より5割上がる」との見通しを示した。さらに、電気料金を値上げせずに据え置けば、「電力会社で債務超過が続出する。異常事態が迫りつつある」と指摘した。(2014/06/27-12:57)

また甘利がバカなこと言ってるぞ(増補版)
・・・「電気料金5割増」のお笑い

(脱原発を考えるブログ)
http://fkuoka.blog.fc2.com/blog-entry-1205.html

東電、ナゾの「13年度黒字決算」の理由を探る 「原発停止で経営圧迫」は本当か
(MONEYzine)
http://moneyzine.jp/article/detail/211206


東電株主総会 脱原発提案



「脱原発」かすむ 滋賀県知事選 選挙戦略、争点回避
(東京新聞【こちら特報部】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014062502000163.html
 任期満了に伴う滋賀県知事選が二十六日に告示される。滋賀県は原発が集中する福井県に隣接し、事故が起きれば多大な被害が予想されている。「卒原発」を掲げ、全国に発信してきた嘉田由紀子知事が引退。三新人の争いとみられているが、原発問題は今のところ大きな争点になっていない。いったい、なぜなのか。
(白名正和、榊原崇仁)

「脱原発」かすむ滋賀県知事選 選挙戦略、争点回避

原発銀座の福井県お隣なのに
「脱原発」なぜ かすむ


 「原発が争点として不明になる恐れはある。福島第一原発事故後では、初の滋賀県知事選となる。県民にとっては大事な意思表示の場だ」。嘉田知事は24日の定例会見で、こう強調した。
 26日告示、7月13日投開票の知事選には、いずれも新人で元経済産業省官僚の小鑓(こやり)隆史(47)、元教諭の坪田五久男(いくお)(55)、元民主党議員の三日月(みかづき)大造(43)の3氏が出馬を表明している。
 嘉田知事は2006年に初当選。10年の再選時には県政史上最多の約42万票を獲得した。12年の衆院選では、計画的に原発をゼロにする「卒原発」を掲げて「日本未来の党」を結成するなど、原発反対の姿勢を貫いてきた。
 その嘉田知事が事実上の後継指名をしたのが、三日月氏だ。三日月氏は、嘉田知事を支える地域政党「対話の会」などの支援を受ける。ただ、原発反対の考えは、計24ページの政策提案集で17ページ目に登場するだけ。政策の中で、全面的に押し出しているわけではない。その内容も「実効性のある多重の防護体制が実現しない限りは、原発の再稼動には同意できない」と、防護体制次第では再稼働を許容するようにも受け止められる。
 推薦を受ける連合滋賀には、脱原発には否定的な関西電力労組も入っており、配慮したようにも見える。
 民主党衆院議員だった三日月氏だが、党派色は出さない戦略だ。保守層も含めた幅広い支持を得たいという狙いがある。脱原発を掲げた細川護煕元首相が破れた東京都知事選の影響もあり、陣営には「脱原発だけでは、選挙は戦えない」という意見もある。
 自民、公明などの推薦を受ける小鑓氏。立候補を表明した今年3月の時点では「経済発展のために安定した電力供給が必要」と、原発再稼働に前向きの立場だった。現在は政策集で「できるだけ原発依存度を下げていくのは当然のこと」と、脱原発を支持する有権者を意識したようなトーンに変わっている。原発を推進してきた経産省出身だけに、「原発推進派」というレッテル貼りを避けたいとの思いがあるようだ。
 今月18日に行われた候補者討論会で、小鑓氏は「三日月さんと私の考えはそれほど変わらない」と発言。三日月氏が「明確に違う」と気色ばむ場面もあった。
 はっきりと脱原発を打ち出しているのは共産の推薦を受ける坪田氏だ。「原発再稼働を許さない。福井の原発は廃炉にする」と主張している。三日月氏が国会議員時代に、原発輸出を可能にする原子力協定調印に賛成したことを批判。今月14日には、関西電力大飯原発の差し止め訴訟で勝訴した原告団長を招いた報告集会を開催して、原発反対の姿勢を印象づけている。ただ、三日月氏との間で、脱原発票が割れる懸念もある。

「脱原発」かすむ滋賀県知事選「卒原発」の知事引退

「大事だけど一番じゃない」

 滋賀県は、「原発銀座」といわれるほど原発が集中している福井県と隣接している。最も近い日本原子力発電敦賀原発(敦賀市)から県境までの距離は13キロしかない。
 ひとたび事故が起これば甚大な影響を受ける。中でも琵琶湖は、飲料水などを供給する関西の「水がめ」として重要で、汚染されれば影響は大きく広がる。
 滋賀県は、福島第一原発事故後の11年9月、県独自で行った放射性物質の拡散予測を公表した。原発事故に対する危機感からの自治体としては初めての試み。福島第一原発事故と同様の事故が起きた場合、24時間の甲状腺被ばく線量が100ミリシーベルト以上の高線量地域は、原発から約40キロ圏の長浜市や高島市、琵琶湖北部まで広がるという推計になった。
 嘉田知事がこうした結果なども踏まえて掲げてきたのが、「被害地元」という考え方だ。原発の再稼動などの同意を得る「地元」は、従来、立地県と立地市町村に限られていた。これを、被害が及ぶ可能性のある広い範囲の自治体にも認めてほしいという要求だ。
 12年の大飯原発の再稼動問題では、政府が事前了解を得る「地元」に滋賀県を含めるよう要求。関電など電力各社に対しては、運転再開時の事前協議などを盛り込んだ立地県並みの原子力安全協定の締結を求めた。
 ただ、大飯原発をめぐっては電力不足の責任を押しつけようとする政府に押し切られ、再稼働を許してしまった。安全協定も昨年4月に結んだが、立地県並みとはいかず、トラブル時の連絡や安全確保の現地確認などを認めさせただけだ。
 とはいえ「被害地元」に近い考え方は他県でも見られるようになった。
 電源開発が建設中の大間原発(青森県大間町)から23キロの距離にある北海道函館市は4月、同社や国に建設中止や原子炉設置許可の無効確認を求める訴訟を起こした。「市が同意するまで建設を止めるべきだ」と訴えており、工藤寿樹市長は「危険だけ負って発言権もなく、理不尽だ」と憤った。
 滋賀県の有権者は、どう考えるのか。
 大津市の琵琶湖畔の木陰で休んでいた買い物帰りの男性(79)は「事故が起きれば琵琶湖が大変なことになるのは分かる。でも医療とか介護とか、他の問題もある。原発問題は大事だけど、一番じゃない」と話す。
 クリーニング店を営む男性(77)は「原発問題は大事だとは思うが、原発に賛成か反対か、判断基準が分からない。事故が怖いから今すぐやめろ、とまでは言えない。じゃあどうすれば良いか対策が分からない」。
 バーを経営する男性(35)は、率直に言う。「僕らは震災の影響が少なかった。事故から3年以上がたち、ちょっとした過去の出来事になっているのかもしれない」
 脱原発を訴える市民グループ「さいなら原発びわこネットワーク」の稲村守事務局長は「原発に慎重姿勢の候補ですら新幹線駅や集団的自衛権まで手を広げて選挙戦に臨もうとしている。原発問題が薄まってしまい、私たちから見ると歯がゆい面がある」。市民団体「脱原発・滋賀☆アクション」の峯本敦子代表は「福井の原発で事故が起きたら、私たちはすぐに逃げなければならない立場だ。県民は潜在的な恐怖感を抱いているが、震災と原発事故という危険性を実感できていないのでは。原発の議論がもっと深まってほしい」と話した。

「脱原発」かすむ 滋賀県知事選 デスクメモ



心の疲れはもはや限界 福島原発事故の被災者たち
(東京新聞【こちら特報部】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014062702000144.html
 世間の忘却と反比例するように、苦悩が深まっている。福島原発事故の被災者たちだ。自殺を防ぐ電話相談「福島いのちの電話」には昨年、過去最多の相談があった。自殺の増加にも歯止めがかからず、アルコール依存症も深刻化している。仮設住宅での孤独死も後を絶たない。被災者たちの心の疲れはもはや限界に近づいている。閣僚の「金目」発言は、そうした心にまた一つ重荷を加えた。
(出田阿生、榊原崇仁)

心の疲れはもはや限界 福島原発事故の被災者たち

「東電にイジメられズタズタ」
福島の被災者は苦しんでいる


 今月4日、福島県二本松市の仮設住宅。浪江町から原発事故で避難していた一人暮らしの男性(74)が、自室で息絶えているところを自治会長に発見された。
 「ぶっきらぼうで、あんまり近所付き合いもない人だった。体は元気のように見えたんだけど」。隣人はそう話す。前夜からテレビがつけっぱなしだったのを近所の人が不審に思い、自治会長に連絡した。死因は心筋梗塞だったらしい。
 亡くなった男性は毎日、午前10時から午後3時まで車で出掛けるのが日課だった。パチンコ店に通い詰めていたらしい。息絶えた姿を発見される前日も、午後3時ごろに戻ってきた。
 男性には息子や孫がいるが、福島市の仮設住宅で暮らしているという。別居の理由は周りの人たちも詳しくは知らない。男性宅の玄関前には麦わら帽子や長靴、バケツなどが片付けられないまま置かれていた。
 一人暮らしの人が誰にもみとられずに亡くなる「孤独死」は、仮設住宅で暮らす浪江町民に限っても最近2カ月で3件あった。浪江町以外でも、避難者の孤独死は決して珍しくない。
 原発事故から3年がたつが、大半の避難住民の心は疲れ切っている。「福島いのちの電話」の昨年の相談件数は、過去最高の1万8194件だった。
 埼玉県春日部市では25日、福島からの避難者の交流会が開かれていた。
 参加していたのは支援者と、福島県の浪江町と楢葉町から避難する男女8人。楢葉町の女性(65)が「誰かの家で毎日、お茶飲みしてたよね。おしゃべりしてると時間があっという間で」と言えば、別の女性(67)が「お金なんかいらないから、元に戻してほしい」と応じる。懐かしいふるさとの話の合間に聞こえるのは、今後の生活不安だ。
 浪江町で息子夫婦と孫と暮らしていた女性(72)はいま、埼玉県内で一人暮らしをしている。息子は福島県南相馬市で仕事に就き、その妻子は同県いわき市で生活する。一家離散の状態だ。いわき市の災害復興住宅の抽選に申し込むつもりだが、見通しは立たない。
 「テレビでも福島のニュースは3・11の時だけ。事故は終わったのに、なんでここにいるのと人から聞かれる。仲間と話すとホッとするけど、家で独りぼっちになると不安で…。ろくなこと考えない」
 こうした交流会を定期的に開催しているのは、専門家の立場から被災避難者の支援を続ける震災支援ネットワーク埼玉(SSN、さいたま市)。愛甲裕事務局長は「3年が経過しても、復興や生活再建の遅れで、被災者の苦悩は一層深まっている。こうした交流会にも出てこられず、賠償も受けずに孤立している人は少なくない」と説明した。

心の疲れはもはや限界心のケアでは解決せず法整備

「お金いらない 元に戻して」
心のケアでは解決せず…法整備しかない


 SSNは今年3~4月に、早稲田大と共同で埼玉と東京に避難中の3599世帯を対象に被災者の現状を調査した。
 4月末までに回収したアンケート600件分を分析すると、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の可能性のある人が57.7%もいることが分かった。
 阪神・淡路大震災で、3年8カ月後に実施された調査では39.5%だった。愛甲さんは「さらに今回の調査では具体的な病名を挙げる人や、自殺を示唆する言葉を書く人が増えた。心と体の不調を訴える人が急増している」と語る。
 自由記述欄に書かれた言葉は切実だ。「夫婦ともにうつ。家族全員が被ばくをしている。生きていてもしかたがない。一家心中を考えている」(双葉町から埼玉に避難・42歳女性)「頭が円形はげになったり、歯が9本も折れたり抜けたり、薬が増えたり、身体も精神面も東電にイジメられてズタズタです」(南相馬市から埼玉に避難・50代男性)「避難してうつになり、家事もできなくなったり、心身共につらくて仕方ないです。自殺を考えたくなる」(浪江町から東京に避難・45歳女性)
 避難先で就職口が見つからない人も多い。「ハローワークにどれほど通ったかわかりません。(中略)損害賠償請求は一度もしていない。手持ちの現金を使い果たし焦ってきているが、気力が出ず、請求ができない」(大熊町から埼玉に避難・57歳女性)
 調査を主宰した早稲田大の辻内琢也准教授(医療人類学)は「各国の事例をみても、天災より人災の方がPTSDからの回復が遅いという結果が出ている。人災の要素がある原発事故では、進まない賠償などの社会的要因が被害者をさいなんでいる」と懸念する。
 分厚い損害賠償請求書を読まなければならず、細かな領収書を求められ、請求しても「ダメ」といわれる連続。同じ町民でも帰還困難、居住困難、避難指示解除準備──の3地区に分断され、賠償に格差がある。
 福島県は県内6カ所に「心のケアセンター」を置いて、臨床心理士や保健師らを仮設住宅などに派遣している。だが、予算的な制限もあり、こうしたスタッフは60人しかいない。
 ただ、辻内教授は「この精神的苦痛は、心のケアでは根本的に解決しない。被災者が分断され、PTSDの質が深刻化している。解決策は法整備しかない。子ども・被災者支援法を機能させ、自主避難を含めて社会がきちんと対応する制度が必要だ」と訴える。
 一方、福島県内の震災や原発事故が原因とみられる自殺者は今年に入り、5月末までに8人。宮城、岩手の各県はそれぞれ1人だった。賠償や帰還を含めて先の見通しが立たず、精神的に追い込まれる人が少なくない証しといえる。
 アルコール依存症も深刻だ。県は福島医大と連携して、プロジェクトチームをつくった。仮設住宅を回る生活支援相談員から「朝から飲酒している」といった報告が増えたためだ。
 こうした被災者たちの厳しい現実の傍ら、事故責任の一端を負うべき政府の本音は石原伸晃環境相の「金目」発言の形で表れた。
 福島大の佐藤彰彦特任准教授(地域社会学)は、その発言をこう批判した。
 「原発事故は人びとから住み慣れた土地や仕事を奪い、少なからずの家族がバラバラになって避難せざるを得なかった。しかも慣れない環境になじみ、新生活を始めるための支援が絶対的に足りず、絶望感を募らせる人たちを増やしてしまった。この深刻な状況から目を背け、『被災地の問題はカネで解決できる』と考えてはいけない」

心の疲れはもはや限界 デスクメモ



小出裕章さん講演会「原子力と核 -戦後世界が戦前に変わる日-(前半)」(2014年6月18日 沖縄大学)

http://youtu.be/xPKQXkOGyD8

小出裕章さん講演会「原子力と核 -戦後世界が戦前に変わる日-(後半)」(2014年6月18日 沖縄大学)

http://youtu.be/YrdJoQ3DcqY

2014年6月18日、沖縄大学で行われた小出裕章さん(京都大学原子炉実験所助教)­の講演会「原子力と核 -戦後世界が戦前に変わる日-」です。2011年3月11日から東京電力福島第一原子­力発電所の事故はどうなったのか。また、この国はどういった姿勢で現在に至っているの­か。どこへ向かっているのか。原子力の専門家からの視点で現在の日本の状態をお話され­ています。



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