足尾から水俣、反原発へ 没100年を生きる田中正造(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130608/k10015158311000.html
公害の原点といわれる足尾鉱毒問題を追及した田中正造が死去して、ことしで100年。
徹底して被害住民の側に立って国や企業の責任を追及し続けた正造の思想や行動は、その後も水俣病などの公害闘争や市民運動などに大きな影響を与え、今、反原発を訴える研究者からも「正造の行動が支えになっている」との声が上がっています。
没後100年を経て今に生きる「正造」を追いました。
ゆかりの地巡るツアーに200人
ことしの4月29日、田中正造の出身地、栃木県佐野市では、正造ゆかりの地を巡るツアーが開かれました。
主催したのは、正造の業績を語り継ぐ活動などを続ける「渡良瀬川研究会」や「田中正造大学」などの市民団体。
県内外から約200人が参加し、正造の墓がある惣宗寺や、正造を支えた地元支援者の旧宅跡などを3時間かけて歩きました。
隣の群馬県館林市から参加した増山千鶴子さん(69)は「隣の市にいても意外と知らなかったことが多く勉強になりました。ほかの人にも伝えたいです」と話し、東京から訪れた松木弥栄子さん(68)は「祖父が正造と縁があったと知って6年位前からイベントがあるたびに佐野に来るようになりました」と話しました。
主催団体の1つ、「田中正造大学」の坂原辰男代表は「県外からの参加者が全体の3分の2です。正造から学ぼうという動きが今も広がっていると実感しますね」と話しました。
足尾鉱毒問題と被害住民救済にささげた生涯
田中正造は、1841年に現在の佐野市で名主の家の長男として生まれました。
青年時代から反骨精神をのぞかせ、県議時代には、強引に土木事業を進める三島通庸県令に徹底して対抗し、投獄されたこともありました。
1890年に衆議院議員に就任し、足尾銅山の鉱毒被害に直面しました。
渡良瀬川流域の洪水で鉱毒が広がり、農作物に深刻な被害を引き起こしたのです。
正造は被害者の救済と銅山の操業停止を求めて国会で政府を激しく追及、「押し出し」という住民の請願運動とも連動して活動を続けました。
しかし、政府は銅山の生産を優先して積極的な対策を取らず、正造は1901年、議員を辞職して天皇への直訴に踏み切りました。
直訴は失敗しましたが、死を覚悟したとされるこの行動は社会に衝撃を与え、当時、中学生だった石川啄木が新聞配達でためたお金を義援金として送ったというエピソードも残っています。
その後、政府や県が渡良瀬川の氾濫を防ぐ遊水池をつくるため下流の谷中村(現在は栃木県藤岡町)を強制的に買収する計画を進めると、正造は村に移り住んで村に残る住民と共に抵抗して闘い続けましたが、1913年8月、奔走中に病に倒れ、翌9月に死去しました。
新潟水俣病訴訟の法廷に“登場”
志半ばで倒れた正造ですが、その行動と足尾鉱毒問題は、公害が深刻化した昭和30年代以降、改めて注目されました。
とりわけ水俣病問題は、原因究明に向けた行政の動きの鈍さや、僅かな見舞金で問題を終結させようとする企業など、企業と行政、被害者の構図が足尾鉱毒問題と酷似していると指摘されました。
四大公害訴訟の最初の裁判となった新潟水俣病訴訟に30年にわたって取り組み、熊本の水俣病訴訟でも指導的役割を果たした坂東克彦弁護士(80)は、正造に学びながら裁判を闘い続けたと振り返ります。
「裁判を通して公害の問題を調べれば調べるほど足尾に行き着きました。国や企業が被害者をつぶしていく構図が同じでした」と当時を振り返ります。
昭和46年に第1次訴訟で勝訴すると、仲間を連れて初めて足尾を訪れました。
以来、何度も足尾や佐野に足を運び、新潟水俣病第2次訴訟の最終弁論では、法廷で正造のことばを引用しました。
「被害者の声ノ立タザル原因一ノミニナシ(被害者が声を上げられない原因は1つだけではない)」。
水俣病の認定を求める被害者は、本来、結婚や仕事での差別をおそれて被害を受けたのに隠そうとする事情がある。
それなのに被害者として認定を求めると「ニセ患者」と言われる。
こうした状況に坂東さんは激しい怒りを感じ、足尾鉱毒事件から変わらない被害者の置かれた現状を法廷で訴えたのでした。
その後、政治的な決着の流れに反発して訴訟の最終盤で弁護団長を辞任した坂東さんは、今も水俣病問題を伝える活動を続けています。
「とにかく徹底した現場主義だったことは学ぶべきで、いつの時代も変わらない大切な姿勢だと思います」。
反原発の研究者「正造さんの存在が支え」
大阪府熊取町にある京都大学原子炉実験所。
反原発を訴える代表的な研究者の1人、小出裕章さんの机には、約20年前から正造の写真が置かれています。
「正造さんの生き方そのものが私の支えでした」。
原子力に夢を求めて東北大学工学部原子核工学科に入学しましたが、女川原発の建設計画や反対運動に直面し、原発について考え抜いた末に「都会で引き受けられない危険を抱えているから過疎地に押しつけている」との結論に行き着きました。
1970年に反原発に転じ、大学闘争や水俣病問題が進行するなか、自然と足尾銅山や正造を学び、その生き方に強くひかれたといいます。
「名家に生まれて国会議員になり、出世街道をばく進できたのに、銅山を優先する国の流れに命を懸けて抵抗し続けた。自分に忠実に生き続けたその存在がずっと支えになっています」。
小出さん自身も40年以上にわたって一貫して反原発を訴え続け、福島の原発事故のあとは、毎週のように原発問題を考える集会などに招かれ、全国を駆け回っています。
小出さんは、原発事故を巡る国と企業、被災者の関係も「足尾鉱毒問題と違うところがあれば教えてほしいほど似た構図」と指摘します。
「加害者が加害者としての責任を取らず、国家が加害者を助けて被害者を見捨てる構図になってきている。福島の事故は今も進行中で、人々の苦難も進行中であることを忘れないでほしいと思います」。
研究室ではむだなエネルギーを使わない主義で、日中は電灯をつけず、夏もエアコンをつけず、時折、正造の写真を見ながら地道な研究生活を送っています。
「足尾の問題と同じで、原発も再稼働や原発輸出の流れになるかもしれませんが、私自身は研究者として責任を果たしたい。正造さんのようには到底できませんが、少しでも正造さんのように生きたいと思います」。
「真の文明は山を荒さず」
田中正造の地元の佐野市では、市役所と市民グループが連携して、去年から「没後百年顕彰事業」を進め、来年春までに56事業を行い、1万5000人の参加を目指しています。
100年前に正造の葬儀が行われた10月12日と13日には、記念式典や、当時の葬儀の列を再現するパレードを行い、正造の思想を未来につなげようとアピールします。
「田中正造大学」の坂原辰男さんは「一過性のイベントでなく、足尾鉱毒問題の環境汚染の爪痕が残った場所を語り継ぐなど、正造の思想や足尾の教訓を次の世代に伝えていきたいと思います」と話しています。
最後に、正造を慕い続ける坂東さんと小出さんが共に、強く印象に残っているという正造のことばを紹介します。
没後100年の今も輝きを増すことばは、さらに今から100年後、どう受け止められるでしょうか。
「真の文明は 山を荒さず 川を荒さず 村を破らず 人を殺さざるべし」
(ネット報道部 山田博史)
亡國に至るを知らざれば之れ即ち亡國の儀に付質問
田中正造(明治三十三年二月十七日、衆議院提出)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000649/files/4892_10243.html
足尾鉱毒事件田中正造記念館
http://www.cnet-ga.ne.jp/syozou/
田中正造 Shouzou Tanaka
http://youtu.be/ijywrPg2Jv0
六つの墓
http://youtu.be/4fudN_vyCqg
廃村から100年
http://youtu.be/B-AyrfKtack
足尾銅山の鉱毒により、栃木県下都賀郡の旧谷中村が廃村になり、渡良瀬遊水池になった経緯と、現在の様子を叙情的に表し、文明のあり方を考えてもらう。
小出裕章氏講演 "田中正造アースデイ ひとに夢、地球に愛"
http://www.youtube.com/playlist?list=PL2hEjnCla-LOM09Jw02_eouIU3XYBr8Sp
(社食風土記)東芝、食べて復興支援 被災地の食材活用(朝日新聞)
http://www.asahi.com/business/articles/TKY201306050317.html
【若松真平】日本の代表的な電機メーカー、東芝の社員食堂では、東日本大震災の被災地から食材を定期的に仕入れて料理を提供し、少しでも量を増やそうと取引先にも参加を呼びかけている。そうした努力を支えているのが実は調達部門なのだという。
JR浜松町駅から屋根付きの通路を歩くこと10分。ドラマの舞台として使われたこともある東芝ビル(東京都港区)が見えてきた。食堂で取り組んでいる復興支援について、調達部の岡山徹さん(45)に聞いた。
――食堂取材のときは広報担当の方が対応するケースが多いのですが、今回はなぜ調達担当の岡山さんなんですか?
「被災地の食材を使うにあたって、企画段階から関与しているからです。きっかけは、社長の佐々木(則夫氏)が昨年夏に宮城県南三陸町の志津川漁港を訪れたことでした。『漁業の復興支援のために何かできないか』ということで、社員食堂で地元のサンマやサケを使った料理を提供することになったのです」
――社員の反応は?
「用意した料理の9割が売れるなど好評でした。社長から『横に展開できないか』という話が出て、我々調達部門に話がおりてきたんです」
――調達部門といえば、優れた製品を生み出すため、「いいものを安く仕入れる」を使命とする部署でしょう。で、どうしたんですか?
「東芝では2008年から年に1回、国内外の主要サプライヤーが集まる説明会を開いています。副社長で調達担当の田中(久雄・次期社長)に社長が相談して、『説明会の場で協力をよびかけよう』ということになったんです。量を確保するためには、うちだけでなく1社でも多い方がいいですから」
福島原発三号機は東芝製・・原発輸出のため??鉱毒ならぬ放射能という毒を社内で内部被曝再拡散してまで安全性を強調なのでしょうか??
いいかげんにしなさい!(;`O´)o
○●○●○●
もう一度知ってみよう。福島原発汚染水問題について(5/29/2013)
http://youtu.be/IvMGQjtip3Y
【環境市民Channel】福島第一原発事故発以来、大量の冷却水が発生しています。現在、この汚染された水はどこから、どのように漏れており、またどのような危険があるのでしょうか。汚染水の状況を、京都大学原子炉実験所小出裕章先生に伺いました。
■パーソナリティー:本会理事 下村 委津子(収録日:2013年5月29日)
汚染水1日400トン 貯水池からも移送 タンク増設きりがない
(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013060802000111.html
四月に相次いだ東京電力福島第一原発の地下貯水池からの汚染水漏れ問題で、ようやく池の水を地上タンクに移す作業が終わりに近づいた。だが、福島第一では毎日四百トンのペースで汚染水が増え続け、タンクは完成するとすぐに使われていく。作業員たちは強風や暑さの中、タンク増設に追われている。 (片山夏子)
「敷地内はタンクでいっぱい。すき間を見つけ、猫の額ほどの小さな土地にもタンクが造られている」。長く事故収束作業に当たってきた男性作業員が様子を語った。
ここ一カ月半ほど、現場はタンク増設で大わらわだった。水漏れで池が使えなくなり、約二万四千トンもの汚染水を一気に地上タンクに移す必要があった。
敷地南側の高台に、急きょ三十八基のタンクを増設。その作業と並行し、新規に発生する汚染水用のタンク増設もどんどん進めないと、水の行き場がなくなってしまう。
空いた敷地が少なくなってきたため、せいぜい三基しか造れないような場所にも、タンクを造る状況になってきた。各所で地盤改良や組み立てなどが同時並行で進む。
福島第一を離れたベテランを急きょ呼び戻し、新しい人も次々増員した。ある作業員は勤務が長時間になり、休みも大幅に減った。「暑くなったし、疲れて食欲もない。起きているのは、帰って二時間ぐらい。少しでも早く寝る」
最近では、鋼材をボルトでつなぎ合わせて短期で完成するタンクのほか、耐久性に優れた溶接型のタンクも導入された。
ただ、溶接型は一枚数トンある鋼材をクレーンでつり上げ、現場で溶接する難しい作業を伴う。福島第一周辺はもともと風が強く、突風であおられれば大事故になりかねない。風速計をにらみ、強風のときはサイレンを鳴らして作業を中止する。
ベテラン作業員は「前倒しにと言われても、これ以上できない。完成したらすぐにでも水を入れたいという感じ」とため息をついた。
人が増えて一時期よりは少し楽になったというが、残業が百時間を超えた月があったという人も。「みんな疲れがピークに達している。事故が起きないかとても心配」
それでもタンク増設の手を休めるわけにはいかない。「五月の大型連休もなかったが、このままだとお盆休みも危ない」と作業員の一人はつぶやいた。
20130608 ラジオフォーラム 第22回 小出裕章ジャーナル
http://youtu.be/isNZhKJp4k4
◆今西
さて、ラジオフォーラム、今日はこのコーナーからスタートです。
それでは、小出さんとお電話がつながっています。
もしもし、まいどぉ、小出さ~ん。
◆小出
はい、こんにちは。
◆今西
今日もよろしくです~。
◆小出
こちらこそよろしくお願いします。
◆今西
先だってからですねぇ、大きなニュースとしてぇ、伝えられてる中でですねぇ、やはり福井県敦賀市にありますですねぇ、日本原子力研究開発機構のですねぇ、高速増殖炉「もんじゅ」でですねぇ、まぁ重要な機器にですねぇ、点検漏れが1万点も見つかったとぉ、いうニュースが伝えられておりますけれどもぉ、1万点のですねぇそういう機器、まあ部品なんかがですねぇ、点検時期が過ぎてたにも関わらずぅ、そのまま放置されていたと、いうことがぁ原子力規制委員会のですねぇ、え~調査で分かったということなんですがぁ、1万点も期限が切れとったということでですねぇ、こんなもん放っといてもし運転再開しとったらえらいことになるなぁと思うんですがあ、小出さん、その辺いかがお感じになられましたでしょうか。
◆小出
もちろん、私もそう思います。
ただし、何か日本原子力研究開発機構だけがさぼっていたという風に報道されているようなのですが、いったいこれまで国の規制機関は何をしていたのかと私はむしろそちら側が不安です。
◆今西
なるほど。
◆小出
はい。
◆今西
まぁ、原発事故が起こってですねぇ、国民の関心が急に原発に向いてきたぁ、それで慌てて、きちんと規制する側も見始めた、そんな風に取られかねないですよねぇ。
◆小出
もちろんそうですね、要するにきちっとこれまで規制も何もして来なかったということなんですね。
何か国のほうが偉そうにその原子力研究開発機構が悪いという風に言ってますけれども、悪いのは国も同罪だと私は思います。
◆今西
なるほど、そういう中でですね、え~、監督官庁がですねぇ、文部科学省だそうなのですがねぇ、その文部科学省ですねぇ、毎年、日本原子力研究開発機構、まあ昔は動燃と呼んだですねぇ。
◆小出
そうです。
◆今西
え~、ところなんですがぁ、え~、安全確保の徹底とかですねぇ、ま、もんじゅの研究開発についてというですねぇ、評価基準がいろいろあってですねぇ、その中でぇ、A評価、順調であると、いう評価をですねぇ、ずっと下してた。
◆小出
んふふ…。
◆今西
という報道もあるんですが、何か小出さん、マンガみたいな話なんですけどねぇ、はぁ~い。
◆小出
はい、本当にマンガのような話ですね。
え~、元々、今、今西さんもおっしゃってくださったように、動燃という組織ですけれども、正式名称で言えば「動力炉核燃料開発事業団」といいました。
◆今西
はい。
◆小出
え~、新しいまあ形の原子力発電所を作ったり、あるいは核燃料をどうやって調達するかということを考える研究所の筈だったのですけれども。
◆今西
一種の国営の研究所のようなものですよね、実質的には。
◆小出
そうです、はい、元々は科学技術庁傘下でしたし、今は文部科学省の傘下にあるのですが、言ってみれば国営のものです。
で~、その動力炉核燃料開発事業団が手掛けた所謂発電用の原子炉というのは、「ふげん」という原子炉と「もんじゅ」という原子炉の二つなのですが、ふげんはもうとうの昔にこんなものは役に立たないといって廃炉になってしまいましたし、もんじゅも造ってはみたものの、未だに1キロワットアワーの発電も出来ないまま1兆円を越えるお金を捨ててしまったという本当にどうしようもないものなのです。
そいで~核燃料に関しても、人形峠でウラン鉱山を掘ってみたりしたわけですが。
◆今西
そうですね。
◆小出
そこも結局何の役に立たないまま、放射能のゴミを周辺に撒き散らせて知らん顔をしていうというそういう組織ですし、海外でウラン鉱石を調達しようとしてきたのですけれども、まったくそれも出来ないという、想像を絶するほどダメな組織なのであって、A評価なんていうものはどれを考えてもあり得ない組織です。
◆今西
おまけにあれですよね、ナトリウム漏れ事故というですねぇ、重大な事故を起こしぃ、その上その事故の詳細を隠しぃ、地元の方々にたいへん迷惑をかけですねぇ、恐怖を与えた、というとんでもない組織ですもんねぇ。
◆小出
そうです。
◆今西
ですよねぇ。
◆小出
はい。
◆今西
それでまたぁ、同じ福井県でですねぇ、え~今度はですねぇ、え~日本原子力発電、まぁあのよく日本原電と言われるですねぇ、会社がありますぅ。
ま、電力会社、関西電力だとかぁ、中部電力がですねぇ、株主になってる発電の専門の会社ですよねぇ。
◆小出
そうです。
◆今西
そのぉ~日本原電が保有する敦賀原発の2号機のですねぇ、え~下にあるですねぇ、断層がですねぇ、活断層だったぁというですねぇ、え~調査がですねぇ、調査報告書がこのほどまとまりですねぇ、敦賀原発2号機がですねぇ、ま、廃炉に迫られるのではないかという報道も大きくなされてます。
◆小出
はい。
◆今西
その活断層ですねぇ、地震の多い日本においておまけに活断層の上に原発があるなんてとんでもないことやと思うんですけれどもねぇ、こんなことがあっていいんでしょうか。
◆小出
え~、あっていいも何も実際にある、のですね。
◆今西
ははい。
◆小出
日本というのは、皆さんご承知の通り世界一の地震国なわけです。
え~、なぜかと言えば、大陸を造っているプレートという、まあ大きな固い岩盤があるのですが、その岩盤が4枚も日本列島周辺でこすれ合って動き合ってるという、まあ地球上ではとてもまあ特異な場所であって、え~、地震が起きないほうがむしろ不思議だし、岩盤が割れて断層が走るということなど当たり前のことなのです。
え~、そんなところに原子力発電所を造ってしまうという、そのこと自身が間違いなのであって、え~、日本という国、既に58基もの原子力発電所を造ってしまった、そして、それら全てが所謂断層と無縁ではいられないという、そういう場所なのです。
え~、調べてみればあちこちまた活断層というものが見つかってくるわけで、活断層と無縁の原子力発電所など日本には無いと私は思います。
◆今西
それで、小出さんね、ま、報道ではね、2号機だけが廃炉という風に書かれているんですがね、要するに断層というのは要するにそこがずれてしまったらその範囲全体でですね大きな地震になったりですねぇ、多大なる被害が出てしまうわけですよねぇ。
◆小出
そうです。
◆今西
それを考えるとぉ、敦賀原発全体も含めですね、あの福井県にはたくさんあの原発があるのですが、そこも見直さなければならないと、私はそう考えるのですがぁ。
◆小出
はい、私もそう思います。
ただし、断層が動いて地震というものが起きるわけですけれども、え~、原子力発電所については、これまで地震が起きたときの揺れに関しては耐震設計を施したと言ってきた、のです。
ただし、もし原子炉の真下に断層があって、それが動いてしまうようなことになると、今度は揺れではないんですね。
要するに変位と私たち呼んでいますけれども、要するに土地自身がずれてしまうわけ、高さ方向にずれたり、水平方向にずれたりしてしまうわけで、それはもう揺れではなくて、もう直接的に建物、建屋、あるいは機器が破壊されてしまうということで、そういうものに関しては、いかなる計算も出来ませんので、活断層の真上にはとにかく造ってはいけないということになってきたのです。
そいで、敦賀2号機の場合にはまさに活断層の真上に原子炉が載ってしまっているということが、最近になって分かったと言っているわけで、もちろんそんなものを動かしてはいけません。
◆今西
まぁ私もぉ大阪に住む身としてですねぇ、そう遠くない福井県にそういう原発がある、これ不安でならないのですけれども、今どぉ~すればいいんでしょうか。
◆小出
もちろん止めればいいのです。
◆今西
はいぃ。
◆小出
ただし、止めたところでこれまでに作ってしまいました使用済みの燃料、所謂核分裂生成物をたくさん含んだ使用済み燃料そのものが消えてくれるわけではありませんので、まずは止める、そして止めた後に、これまでに作ってしまった毒物をなんとか周辺に撒き散らさないように今後長い間苦労を重ねなければいけないということになっています。
◆今西
なるほどぉ。
それでまぁ敦賀、ええぇ~日本原電のですねぇ敦賀原発っていうとですねぇ、関西電力がですねぇ、え~ここからですねぇ、受電している割合も結構多いのですがぁ、あのラジオネームのしろくまさんという方から質問が来ておりましてですねぇ、え~敦賀原発がもし止まってしまうとですねぇ、またあの今年の夏のですねぇ、電力需要ですねぇ、大丈夫なのかと心配する声があるのですけれども、その辺について小出先生いかがでしょうか。
◆小出
まったく大丈夫です。
◆今西
はい。
◆小出
日本には火力発電所と水力発電所が既に膨大にありますので、原子力発電所の全てを即刻停止させたところで、電力の供給に支障が出ることはいついかなるときもありません。
え~、昨年、大飯の原子力発電所を動かさないと、停電になってしまうぞと国と電力会社が脅かしをかけてきまして、多くの方は何かそうだと思ってしまったようなのですが、そんなことは元々ないのです。
大飯の原発なんか動かさなくても、去年も十分に火力発電所は余っていましたし、今年も原子力発電所のすべてを止めたとして何の問題もありません。
◆今西
なるほどなるほど。
分かりましたぁ。
◆小出
はい。
◆今西
小出さん、今日もいろいろありがとうございましたぁ。
◆小出
いえ、ありがとうございました。
◆今西
以上、小出裕章ジャーナルでした。
「敦賀活断層」再調査を=福井知事(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013061000325
福井県の西川一誠知事は10日午前、首相官邸で菅義偉官房長官と会談し、原子力規制委員会が敦賀原発2号機(同県敦賀市)直下に活断層があると認定した専門家調査団報告を了承したことについて抗議するとともに、再調査を求める要請書を提出した。
要請書は、「結論ありきの姿勢に固執し、立地地域の声に聞く耳を持とうとしない」と規制委を批判。さらに、2号機を再稼働させない場合には、使用済み燃料を直ちに県外へ撤去するよう強く求めた。(2013/06/10-12:22)
利権の権化!( ̄^ ̄)凸
再稼働準備で作業員の出入り増加 伊方原発(愛媛新聞)
http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20130610/news20130610552.html
2012年1月の全基停止以降沈黙してきた四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)で、作業員の出入りが活発になっている。原子力規制委員会による新規制基準の7月施行をにらみ、安全対策工事など伊方3号機の再稼働に向けた準備が佳境を迎えているためだ。しかし5日、原発内で起きたトラブルの報告遅れが発覚。再稼働の行方は不透明さを増しており、約1年ぶりに客足が戻った同町旅館関係者からは「一時的なにぎわい」との見方が出ている。
午前8時。佐田岬半島を縦断する国道197号と原発を結ぶ同町九町越の県道に、原発構内に向かう従業員や作業員を乗せた大型バスや乗用車が長い列をなす。全3基停止前、各基で13カ月ごとに行われていた定期検査時と同じ光景だ。四電によると「正確な数は把握していないが、定検と同程度の2500人前後が作業しているとみられる」。
四電は1月に示された新基準の骨子案を踏まえ、3号機原子炉の冷却水確保や非常用電源の強化など6項目の追加安全対策工事を4月から開始。6月末の完了を目標に同時並行で工事を進めている。
旅館や商工業者でつくる伊方町商工業協同組合は「一息ついているところだが、宿泊施設の客足増加は一時的なものと捉えている」と現状を認識。先行きへの慎重な見方を崩せずにいる。
2013/06/09 【長野】小出裕章講演会 未来を担う子どもたちのために今できること(IWJ)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/83999
2013年6月9日(日)、長野県松本市の松本文化会館で小出裕章氏講演会「原発事故後の日本を生きる ~ 未来を担う子どもたちのために今できること」が行われた。
■内容(予定)13:00~16:30
講師 小出裕章氏(京都大学原子炉実験所 助教)
■主催 小出裕章講演会実行委員会
■詳細 http://no-genpatu.com/information/327.html
(サラバ原発・変えよう暮らし方の会)
■Ustream録画
http://www.ustream.tv/recorded/34052713
http://www.ustream.tv/recorded/34058071
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断層上の原発 VS 生活の窮状
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