権力者の言葉と表現について~
"積極的平和主義"、"アンダーコントロール"の裏に隠されているもの
(ラジオフォーラム#55)
http://youtu.be/LPevva2STIQ?t=16m41s
16分41秒~戦争と原発はつながっている? 「本当はつながっているのですけれども、政府、あるいはマスコミがこぞって原子力は平和利用で戦争と関係ないという宣伝をずっと流し続けてきたのですね」
~第55回小出裕章ジャーナル
西谷:
2月2日にですね。戦争と原発はつながっているということで、講演会をよろしくお願いします。(→講演会情報はこちら)
小出さん:
ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。
西谷:
日本では、戦争と原発は別々に報道されているのですが…
小出さん:
そうですね。
西谷:
実はこれはつながっているということを、まあ先生と私でやらしていただくということなんですけどね。
小出さん:
はい、ありがとうございます。西谷さんがいて下さってうれしいです。
西谷:
このテーマに移らせていただく前に、実はですね、1月7日に日本原電が青森県六ケ所村の再処理工場など4施設の安全審査を原子力規制委員会に申請したということなんですが、先生、これ、もう1回動かしたいということですか?
小出さん:
もちろん、そうです。日本というこの国では今先ほど西谷さん仰って下さったように、本当は原子力と呼んでいるものと戦争はつながっているのですけれども、政府、あるいはマスコミがこぞって原子力は平和利用で戦争と関係ないという宣伝をずっと流し続けてきたのですね。
しかし、もともと原子力というものは核と同じものでして、六ケ所村の再処理工場というのは、長崎原爆の材料だったプルトニウムというものを取り出すための、ただただ、それを取り出す唯一の目的にする工場なのです。
それを何としても日本の国が自前で動かしたいということを思ってきたわけですし、その願いは決して捨てずにこれからもやるという宣言をしたわけです。
西谷:
核燃料サイクルなんて破綻しているけれども、まだ、これを続ける、またそれを続けることで核兵器を潜在的に持ちたいという…
小出さん:
そうです。経済的にいえば、あまりに馬鹿げているということは分かっているわけですし、技術的にも大きな壁がたくさんあって、もう20何回もその計画を延期するというようなことになっていて、当初の計画では1997年だったと思いますが、本当であれば稼働するはずだったのに…
西谷:
20年間で20回、失敗した。
小出さん:
そうです。もう話にならないほどデタラメな施設なわけですけれども、日本の国というのは核兵器を作るということを重要な目標にしていますので、どうしてもこれは諦めないということです。
西谷:
あの、本当にねえ。安倍内閣になって、安倍内閣は「あぶ内閣」とよく言われるんですが、
こんなことしたらまたね、テロの標的にもなるかもしれないし、一般の原発よりもものすごい量の放射能を出してしまうわけでしょ?
小出さん:
そうです。1つの原子力発電所でまあ、たとえば核分裂するウランというのは、約1トンしか、1年間にですね、1トンしかありませんし、使用済み燃料として取り出されるのは1年ごとに約30トンなのですけれども、青森県六ケ所村の再処理工場では、1年間に800トンもの使用済み燃料をドロドロに溶解してその中からプルトニウムを取り出すという…
西谷:
1年間に800トンも出るんですか。
小出さん:
そうです。
西谷:
これ動いたら毎年これが出てくるということですよね。
小出さん:
そうです。
西谷:
絶対、止めないとだめですね、これはね。
小出さん:
はい、あの、原子力発電所が1年間で放出する放射能を1日ごとに放出してしまうというほどの危険な工場ですので、何としても止めたいと私は思います。
西谷:
そうですね。あの、私ね、イラクとかアフガニスタンで劣化ウラン弾の被害をずっと追いかけているのですが…
小出さん:
そうですね。ありがとうございます。
西谷:
原子力発電所がなければ劣化ウラン弾なんて生まれないですよね?
小出さん:
まあ、米国あるいはロシア等を含めてですね、核兵器保有国というところがこれまで大量に核兵器を作ったわけですが、核兵器を作る時の副産物として劣化ウランが出てくるのです。
ただし、そのことは原子力発電をやろうという時もまったく同じでして、原子力発電をやればやるだけ劣化ウランというものが溜ってきてしまう、そしてそれは放射能を持った厄介なゴミでして、毒物で、毒性を消すことができないわけで、核兵器保有国もみんな頭を抱えてどうしたらいいかと悩んできたわけです。
ええ、米国としてはそれのうまい解決法を見つけまして、そんな厄介なものは敵地に捨ててきてしまえばいい…
西谷:
リサイクルして弾に詰めてイラクでやればいいと。
小出さん:
はい。それで、敵国を傷つけながら、またそのゴミも始末ができるということで、米国にとっては大変都合のいいやり方を考え出したわけです。
西谷:
特にですね、安倍内閣でですね、武器を輸出したりとかですね、原発を輸出したりしていますので、本当に戦争が今までは平和憲法で守られてきたから大丈夫だろうと何というか潜在意識があったんですけど、若干、戦争の方に向かっていますんでね。
小出さん:
まさに戦争に向かっていると思います。ジャーナリストの皆さんにとっても、たぶん深刻だと思いますが、特定秘密保護法もすでに成立させられてしまいましたし、ますます戦争の時代に向かっているんだな、と私は思います。
米、日本にプルトニウム返還要求 300キロ、核兵器50発分(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201401/CN2014012601001661.html
核物質や原子力施設を防護・保全する「核セキュリティー」を重視するオバマ米政権が日本政府に対し、冷戦時代に米国などが研究用として日本に提供した核物質プルトニウムの返還を求めていることが26日、分かった。
このプルトニウムは茨城県東海村の高速炉臨界実験装置(FCA)で使う核燃料用の約300キロ。高濃度で軍事利用に適した「兵器級プルトニウム」が大半を占め、単純計算で核兵器40~50発分程度に相当する。
日本側ではこれまで「高速炉の研究に必要」と返還に反対する声も強かったが、米国の度重なる要求に折れて昨年から日米間で返還の可能性を探る協議が本格化している。
劣化ウランの基礎知識
(NO!!小型核兵器(DU)サッポロ・プロジェクト)
http://members.jcom.home.ne.jp/no_du_sapporo/aboutdu.html
武力紛争における 劣化ウラン兵器の使用
http://home.hiroshima-u.ac.jp/heiwa/Pub/29.html
概況報告書 第257号 ― 劣化ウラン
2003年 1月改訂(世界保健機構(WHO))
http://chronoflyer.ddo.jp/~trinary/plus/du/factsheet_ja.html
鳥島での訓練、続行 米軍劣化ウラン弾誤射
1997年2月14日 (琉球新報)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-87328-storytopic-86.html
劣化ウランの恐怖
http://youtu.be/bbzk7y0iuvo
トンデモ発言の山下俊一氏がまともなことを言ってます。
調査報告 劣化ウラン弾~米軍関係者の告発~
http://youtu.be/9eagqGBSmiI
視聴注意
覚悟が必要。劣化ウラン弾放射能影響
Children of Fallujah. Impact depleted uranium
http://youtu.be/ZwWaQ0_c8wI
○●○●○●○●○●
第1次大戦前の英独を例示 安倍首相、日中関係緊張で 中国は直ちに反発(共同通信)
http://www.47news.jp/47topics/e/249685.php
【ダボス共同】スイスで世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席した安倍晋三首相が一部内外メディアとの会見で、日本と中国の緊張関係について、経済的依存が高かった英国とドイツが第1次大戦で対決したことを例に挙げて説明していたことが23日、分かった。
首相は偶発的な衝突回避の必要性を強調したが、欧米有力メディアが、日中関係と第1次大戦前の英独関係の「類似性」を指摘したと報道したため波紋が広がり、中国が直ちに反発した。
22日に行われた会見には共同通信記者も同席していた。
安倍首相は、沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中の武力紛争の可能性について問われ、軍事的な衝突になれば両国、地域、世界にとり大変なダメージになることを「両国の指導者は理解している」と指摘。今年が第1次大戦開始から100年であることに言及し「英国、ドイツは経済的依存度が高く、最大の貿易相手国同士だったにもかかわらず、戦争が起きた」と述べた。その上で中国との「偶発的な事故、衝突」を回避するため双方の防衛当局同士が「コミュニケーションチャンネル」を持つ必要性を強調した。
首相はまた「中国が毎年10%以上軍事費を増やしている」ことが「緊張を呼ぶ」とし「東シナ海だけでなく、南シナ海でも緊張が高まっている」と述べた。
会見に出席した英紙フィナンシャル・タイムズ記者は、首相が日中戦争を否定する代わりに、自ら約100年前の英国とドイツの対立との類似性に言及したと報道。英BBC放送の記者も「評論家でなく、日本の指導者の発言なので重みがある」とコメント。これをロイター通信が転電して「安倍発言」が広がった。
中国外務省の 秦剛 (しんごう) 報道局長は「英独関係を持ち出すなら、近現代史上、日本が中国にどんなことをしたかを直視した方がよい」と批判した。
■ 「侵略の歴史直視を」 首相発言に中国外務省
【北京共同】安倍晋三首相がスイスでの世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)の場で、日中関係を第1次大戦前の英独関係に例えたことについて、中国外務省の 秦剛 (しんごう) 報道局長は23日の記者会見で「英独関係を持ち出すなら、近現代史上、日本が中国にどんなことをしたかを直視した方がよい」と述べ、首相に「侵略の歴史」を直視するよう求めた。
秦氏は「記憶に刻むべきことは、日本がファシスト戦争で中国を含むアジア人民にもたらした深刻な災難だ」と強調。「歴史を直視してこそ、日本とアジア隣国との関係に未来は開ける」と述べた。
■安倍首相の発言詳報
日中関係をめぐり、安倍晋三首相が第1次大戦当時の英独関係などに触れた発言は次の通り。
(尖閣諸島をめぐる日中の武力紛争はあり得るかとの質問に)日中間で軍事的衝突になれば両国にとって大変なダメージ。地域や世界にとっても極めて大きい影響となることは日中の指導者はよく理解していると思う。
また中国の経済成長は、共産党政府にとって中国をコントロールする上で絶対的に必要な条件。日本と武力衝突が起こればその条件は吹っ飛んでしまうということは十分理解していると思う。
そう理解していても偶発的に衝突が起こることがないようにしていくことが重要だ。
今年は第1次世界大戦から100年であって、(当時)イギリスもドイツも経済的な依存度はお互い高かった。最大の貿易相手国同士だったにもかかわらず戦争が起こった。
大切なことはコントロールすること。私は中国に対し、偶発的な事故あるいは衝突が起こらないよう、軍同士あるいは貿易当局同士のコミュニケーションチャンネルをつくるべきだと申し入れしている。
(中国との関係改善のロードマップはあるかと問われ)残念ながら今、ロードマップがあるわけではない。中国は毎年10%以上軍事費を増やし、既に日本の倍になっており、これ自体が緊張を呼ぶ。そこで軍事力拡張についてアジア全体で考えていく必要があるだろうと思う。
東シナ海だけでなく南シナ海でも緊張が高まっているのは事実。力による現状変更は何ももたらさない。緊張と破滅しかもたらさない。
基本的に法の支配を尊ぶということを、相互理解として確立することが正しい。(共同)
NHK籾井会長「従軍慰安婦、どこの国にもあった」発言について。- 2014.01.26
http://youtu.be/DkO_yNPAGu4
【百田尚樹、籾井らゲテモノ揃いの安倍NHK!?】
NHK籾井新会長「従軍慰安婦、どこの国にもあった」
http://blog.goo.ne.jp/sithux7/e/d682195e8b27026aa63e3ca22ac9f7a3
NHK籾井新会長「従軍慰安婦、どこの国にもあった」(朝日新聞)
従軍慰安婦、どこにでもあった...NHK籾井会長(読売新聞)
秘密保護法しょうがない・慰安婦どこもあった NHK新会長 問題発言(東京新聞)
<NHK>解説 内部から疑問の声...新会長の慰安婦発言(毎日新聞)
慰安婦「戦争国どこにも」=籾井NHK会長(時事通信)
NHK経営委員"他国が攻めてきたら9条教信者を前線に送る"作家 百田 尚樹氏の"見識"(しんぶん赤旗)
公共放送とは何か(NHKよくある質問集)
NHK籾井会長、従軍慰安婦問題「どこの国にもあった」(サンケイスポーツ)
NHK、領土問題「国際放送で」 就任会見で籾井会長(ニコニコニュース)
NHK新会長、国際放送で日本の立場主張を(日刊スポーツ)
NHKの籾井新会長が抱負「政権とは距離」(読売新聞)
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都知事選に関する留意点について
公職選挙の報道を一層、中立公平なものとするため、都知事選に関する記事を執筆するにあたっては以下の留意点を考慮してくださるよう、よろしくお願い申し上げます。
記
1、舛添候補の政党交付金問題については、『赤旗』による報道が公示後であることを考慮し、疑惑として提起されることがないようきわめて慎重を期すこと。
2、事務所費問題についても、どうように慎重を期すこと。
3、細川候補、宇都宮候補らについては、問題発覚が公示前であることに鑑み、報道姿勢の変更は必要がないこと。
政党助成金で借金返済
舛添氏の「新党改革」
政党支部→資金団体と迂回
(しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-01-21/2014012115_01_1.html
舛添氏 政党支部
自宅に事務所費800万円
政党助成金を懐に
10~12年 ファミリー企業に支出
(しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-01-23/2014012301_04_1.html
2014/01/25
【東京都知事選】舛添氏が池袋で街宣
「東京を国家戦略特区にしてどんどん金儲けを」 若者に訴え
(IWJ)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/121340
「介護の舛添」と声高にアピールし、福祉を強調する舛添要一氏。しかし、これまで、政治家・舛添要一は失業や貧困で苦しむ人々に寄り添ってきただろうか?
1月23日(木)10時30分から、JR新宿駅西口で行われた第一声で、舛添要一氏はこう述べた。
「私は母親の介護を通じて、本当に医療・介護の重要性を痛感しました。皆さんの命を守る、医療・介護・福祉。これをしっかりとやっていきたい。出産の問題、救急医療の問題、そして子育て、待機児童。これらの問題を何とかしたい」。
東京都知事選に立候補した舛添要一氏。昨年12月26日の産経新聞への寄稿文で「少子高齢化の波は、東京も直撃している」と論じている。そう言うだけのことはあって、舛添氏自身は自分の人生において、少子化問題に精力的に取り組んできたようだ。言行一致、今までのところ、5人の子どもをなしている。これまで3回結婚しており、配偶者との間の2人の子どものほかに、婚外子が3人いるという。
離婚歴があることも、婚外子がいることも、特に問題ではない。政治と恋愛結婚生活は別の次元の話である。愛に満ちあふれた人生ならば結構なことで、子どもが5人もいるということも幸せでたいへんめでたいことだと思える。
しかし、都知事候補としてふさわしいかどうか、議論の的になると思われる気がかりな点もある。2013年12月23日付の週刊ポストの記事によると、舛添氏は子どもへの扶助料の減額を求めて調停中だ。
舛添氏は扶助料減額を求める理由に自身の収入の減少を挙げている。国会議員だったときと比べると、今はたしかに稼いでいないかもしれない。しかし、過去の所得等報告書によると、厚生労働大臣だった2007年には2,758万円、2012年には1,742万円の収入があった。さらには2008年の閣僚資産報告によると、3億円以上の資産を保有している。
もし、これほどの資産を持っている人でも十分な養育費を払えないというのが本当だとすると、東京都の子育て支援制度はよほど真剣に再検討してもらわなければいけない。少子化の背景には経済的不安があるからであり、離婚後、子どもを抱えたシングルマザーの多くが経済的困窮に陥っているからである。
姉への経済的援助を拒否
もうひとつ、舛添氏が放棄していたことがある。2007年10月4日号の週刊文春によると、長年生活保護を受けていた姉への援助を舛添氏が断ったというのだ。
民法877条では、「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務がある」と規定している。もちろん、舛添氏には舛添氏なりの事情があるだろう。だから姉を援助できなかったことを責めるべきではないかもしれない。
しかし、そうだとするならば、政治家としての舛添氏は、自身の身内の体験にもとづき、生活保護を受給しなければならないような困窮状態に陥った人々への理解と、そうした人々を救うためのセーフティネットの拡充に頑張ってもらわなければならない。
一方で、舛添氏は、母の介護を熱心に行ってきたことを、これまでさんざんアピールしてきた。「母に襁褓をあてるとき―介護 闘いの日々」という本まで出してベストセラーになっている。以来、介護問題に詳しいと、あたかも福祉政策のプロであるかのように自分を売り込んでもきた。この都知事選でも、さっそく「母親を介護してきた」ことを実績としてPRしている。
しかし、姉を経済的に支援することを拒んできたという側面もあったのだ。仮に姉への援助を行ってきたならば、「姉が生活保護を受け取るとき -貧困との闘いの日々」という本を出せたことだろう。
「介護の舛添」という化けの皮
舛添氏の厚労大臣時代の発言を振り返ってみたい。
2009年8月18日、神奈川県内で行った街頭演説で、当時の舛添氏は派遣村の取り組みについて触れた際、「4000人分の求人票を持って行ったが、一人も手を挙げなかった。大事な税金を働く能力があるのに怠けている連中に払う気はない」と発言し、8月25日の閣議後記者会見の際、その弁明として、「怠け者発言は生活保護の母子家庭(への母子加算)について言ったつもりだ」と語っている。厚労行政のトップの座にあった時に、失業者にも、母子家庭にも大変厳しい発言をしていたわけだ。
前者の発言については派遣村を企画した実行委員有志一同から、後者の発言についても複数の市民団体が連名で、舛添氏に抗議文を提出した。舛添氏は派遣村の件については、今月14日の出馬会見で記者の質問に答えて、「事務方からそう聞いたから。事実と違う?間違っていたなら、大変申し訳ないと思う」と、事実誤認ならば撤回する旨の回答をしているが、生活保護の母子家庭の件については、いまだ謝罪・撤回の言葉はない。抗議文に名を連ねた市民団体の中には、反貧困ネットワーク代表で都知事選にも立候補している宇都宮健児氏の名前もあった。都知事候補として競いあう舛添氏と宇都宮氏の両氏は、この時点で真っ向から対峙していたのである。
舛添氏は、暴言を吐いただけでなく、実際に行政権力をふるい、15歳以下の子どもがいる母子家庭に支給してきた生活保護の母子加算を、廃止に追い込んだ張本人なのだ、ということは忘れてはならない。厚労省は、舛添氏が大臣に在職していた2007年度から母子加算を段階的に減額しており、2008年度いっぱいで支給を打ち切ることを決めていた。2006年度には東京23区で月約2万3000円あった支給額が、2007年度は月約7800円に減額。2009年度からは支給額ゼロに追い込まれた。
生活保護の母子家庭を「怠け者」呼ばわりした舛添氏だが、生活保護を受ける姉に対する法律上の扶養義務を果たしていないことこそ怠慢にみえる。複数の女性に子供を産ませたのに、母子家庭にやたらと冷たいことも気がかりである。
このような経歴を持つ舛添氏は、都知事になったら福祉政策にまともに取り組んでくれるだろうか。自分の身内や、自分の子どもに対してもお金を出すのを渋る人が、他人の痛みを親身になって考えてくれるだろうか。私は舛添氏にもインタビューを申し込んでいるので、そのあたりはぜひ、投票日前までに舛添氏本人に聞いてみたいものである。
扶助料の減額を求めて裁判にまでおよんでいることも、姉への支援を渋ったことも、両方とも舛添氏の器の小ささを示すようなエピソードだ。そして、にもかかわらず、選挙戦がスタートした23日に、「介護の舛添」と街頭演説第一声でもアピールした舛添氏の厚かましさは、常人のスケールをはるかに超えている。
この件について、舛添氏の元配偶者である自民党の片山さつき参議院議員は、自身のブログで、「家族の絆と自助・共助・公助を基本とする保守政党の自民党の理念」に照らせば問題があると言っている。そういうわけで、自民党推薦の舛添氏を、東京都連の政調副会長である片山氏は応援できないのだという。
自民党内部からも皮肉の声
片山氏は、2010年の週刊新潮のゴールデンウィーク特大号(5月6日、13日号)でのインタビューで、「『平穏』だったのは最初の数週間だけ」だったと語り、「彼は私にとにかく『暴力的』でした」と、ドメスティック・バイオレンスと言われてもしかたない舛添氏の行為を暴露している。
「自分の同期や教え子には官僚がたくさんいて、生活パターンは熟知している。いくら遅く帰ってきても構わない」と、結婚前に片山氏と交わした約束を、舛添氏は2ヶ月あまりで反故にし、「遅く帰ってきやがって!」と暴言を吐いたという。
「いきなりキーッとなって、理由もなく怒鳴る。一方的にまくし立てて、私の言うことは一切聞かない。話し合いにすらなりません。その辺にあるものを、手当たり次第に投げつける。後の話ですが、炊飯器の上蓋が割れていたことも」
「またある時は、サバイバルナイフなどいくつものナイフを私の目の前にズラーッと並べた。彼は、ナイフの収集が趣昧だったんです。しかも、そのうちの一つの刃先を私に向けたことまであります。充分過ぎるほどの威嚇行為でした」
片山さつき氏も相当に図太い神経の持ち主とみられているが、それでも女性である。「ワーッと大声で責め立でてくるので怖かった。ただただ、怖かった」と明かした片山氏の発言からすると、舛添氏のふるまいで怖い思いをしたことは、トラウマになっているかもしれない。
舛添氏と片山氏は1986年にお見合い結婚し、わずか2年3ヶ月で離婚。離婚の理由は、先に述べた「恐怖体験」だけではなく、舛添氏の当時の愛人が妊娠までしていたからであるという。
なのに、こういう過去を持つ片山氏に、無神経にも舛添氏の応援を頼んだのは安倍晋三総理だ。1月19日に行われた自民党の党大会で、近くに座った安倍総理と都知事選の話になり、「ぜひ片山さんに応援してほしい、すごい話題になる」と言われたという。「すごい話題になる」という理由だけで「ぜひ」と簡単にお願いしてしまうのは、安倍さんが人の気持ちが分からない人だからだろうか。
この安倍総理の依頼に片山氏は、二つの条件をつけて「承諾」した。その条件とは、婚外子の扶養について解決すること、そして、過去の実姉への扶養義務の問題を解決することだ。
片山氏は自身のブログで、二つの条件について、次のように語っている。
「まず今回の(東京)五輪は、オリンピックだけでなく、パラリンピックがあり障害者の問題が非常に重要ななかで、現時点では舛添氏は、障害をお持ちのご自身の婚外子の扶養について係争になっており、これをきちんと解決していただくこと」
「自民党として、提言し、法改正につなげた生活保護問題で、家族の絆と自助・共助・公助を基本とする保守政党の自民党の理念に照らせば(舛添氏には実姉への)扶養義務の問題も過去にさかのぼってある」
「これらがクリアされれば、私も、東京都連の政調副会長として、きちんと街頭応援に立てると考えています」。
この件に関して舛添氏は、14日の出馬会見でフリーの田中龍作記者からの質問に、「生活保護の法律が改正されたが、水際作戦なんてやっちゃいけない」と生活保護の問題に関する一般論に触れながら、「それぞれの家族に、それぞれの歴史、葛藤がある」「市役所にも説明して『こういう状況なんです』と申し上げた」「私は銀のスプーンをくわえて生まれた子どもではなく、大変、母子家庭で苦労しました」などと述べ、明確な回答を避けた。
舛添氏が母子家庭の出身であるということを、改めて知って驚いた方も多いと思われる。苦労を重ねて、人の痛みがわかる人間に成長する場合もあるが、自分が苦労して這い上がったのだから、他人にも甘えるな、とより一層厳しくなる場合もある。人それぞれである。
片山氏はブログで、「こういう問題をきちんと解決していただいて、気持ちよく応援したい、ということを申し上げております」とも述べているが、舛添氏が何年も身内と争ってきた問題を、この短い選挙期間中にバタバタと片づけてしまうとは、ちょっと思えない。ということは、現実的には、私は応援はしませんよ、という婉曲なお断りのようにも聞こえるが、「(舛添氏は)自民党の応援を得るというのだから、当然クリアする方向でしょう」と皮肉めいた発言もしている。
舛添氏は、自民党を批判して、2010(平成22)年4月に離党し、自民党から除名されている。片山氏からすれば、自分が後ろ足で砂をかけて飛び出していった自民党の支援を受けるなら、そのくらいのしおらしさはみせなさいよ、ということなのだろうが、これは、除名までした人物を、「勝てる候補」というだけで自党の事実上の候補として支援する自民党の無節操にも問題が大いにあるといわなくてはならないだろう。
片山氏に舛添氏の応援を頼んだ安倍総理は、こういうことすべてをたいした問題ではないと思っているのだろうか。それとも、「話題になる」なら、何でもよい、自民党批判をしたことのある人物こそ、アンチ自民党の票も集められて好都合、と考えているのだろうか。
いずれにしても、都知事選挙は知名度や人気を競う投票ではない。どの人物にならば約6兆円もの財政規模をもつ東京都の行政機構の最上位のポストをまかせてよいのか、ということを決める投票である。有権者の皆さん、その点をゆめゆめお忘れなく。
(取材・文:ゆさこうこ・安斎さや香、文責:岩上安身)
都知事選序盤情勢「舛添先行、細川・宇都宮追う」について。- 2014.01.25
http://youtu.be/7jODx8BAi4k
都知事選、舛添氏先行 細川、宇都宮氏ら追う(共同通信)
【都知事選についての意見】小出裕章さん「脱原発を目指す人たちがお互いを傷つけあうことはやめて欲しい」(ぽぽんぷぐにゃん)
序盤は舛添氏が先行、追う細川氏...情勢は流動的(スポーツニッポン)
都知事選:舛添氏先行 追う細川、宇都宮氏 毎日新聞調査(毎日新聞)
都知事選・世論調査 舛添氏が先行 細川氏、宇都宮氏が猛追(FNN)
都知事選の最新情勢「細川氏が一歩リード」について。- 2014.01.26
http://youtu.be/5gj5AooHidc
【自民調査「細川氏リード」の仰天情報!?】
細川選対のクーデター首謀者は旧側近グループと朝日新聞Y役員
http://blog.goo.ne.jp/sithux7/e/d063e8dd5aef272b43b52c7f46dd8d42
細川選対のクーデター首謀者は旧側近グループと朝日新聞Y役員(藤本 順一)
与党、「脱原発」票の行方注視=投票率も気掛かり-都知事選(時事通信)
都知事選、舛添氏先行 細川、宇都宮氏ら追う(共同通信)
都知事選投票率55%で宇都宮60万、舛添230万、細川250万予測(NEWSポストセブン)
【都知事選についての意見】小出裕章さん「脱原発を目指す人たちがお互いを傷つけあうことはやめて欲しい」(ぽぽんぷぐにゃん)
都知事選:「脱原発」抗議行動が倍増 関心高まり(毎日新聞)
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小出裕章先生:政府とマスコミがこぞって原子力は戦争と関係ないと宣伝をしてきた
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