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Channel: 私にとって人間的なもので無縁なものはない
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風に吹かれて

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六月            

どこかに美しい村はないか
一日の仕事の終わりには一杯の黒ビール
鍬を立てかけ 籠をおき
男も女も大きなジョッキをかたむける

どこかに美しい街はないか
食べられる実をつけた街路樹が
どこまでも続き すみれいろした夕暮れは
若者のやさしいさざめきで満ち満ちる

どこかに美しい人と人の力はないか
同じ時代をともに生きる
したしさとおかしさとそうして怒りが
鋭い力となって たちあらわれる



茨木のり子





安心して老いる社会を
山田洋次監督に聞く
(しんぶん赤旗)2017年5月24日

 山田洋次監督の映画「家族はつらいよ2」が27日から公開されます。高齢者の自動車運転をめぐるトラブルで始まる、笑いあり涙ありの喜劇から、貧しい高齢者を置き去りにする社会への静かな抗議を感じさせられます。山田監督に聞きました。
(児玉由紀恵)

山田洋次監督に聞く_1

 この映画の主人公は会社を定年退職して年金暮らしの男です。あるとき高校時代の友人に出会いますが、彼は家族を失ってその日暮らしの、いわゆる下流老人でした。2人は狹い飲み屋で懐かしい応援歌を歌ったりするのです。
 高齢者のかかえる不安は僕自身のことであり僕の友人たちに共通の深刻な問題です。介護の状態になって老人の施設に入居するということは酒もたばこも駄目、散歩はもちろん電話も職員を通してでなければかけられないという管理された状態に耐えなければならないようですせっかく払った介護保険は五体満足ならなかなか出してくれないらしいし、あとはうんとお金をためて高級老人ホームに入るしかない。じゃあ金もない身よりもいない年寄りはどうすればいいのかという不安は日本の老人たちをおびえさせます
 この状況では結婚した若者も子どもを産む勇気がなくなり人口は減る一方ではないか。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」ということが憲法25条に明記されています。政府は「共謀罪」を成立させなければオリンピックが開催できないというようなことを言っている。でもそんなことが本当に今大事なのだろうか。安心して老いることがすべての国民に保障されることにこそ全力を挙げてほしい、そのことはこの国にとって、たった2週間のオリンピックよりはるかに、はるかに大事なことだということを僕は老人の一人として力説したいのです

山田洋次監督に聞く_2

観客の心に灯をともす

 山田洋次監督の20年ぶりの喜劇「家族はつらいよ」が公開されたのは、昨年3月。定年退職後の自由を謳歌(おうか)していた平田周造(橋爪功)と妻富子(吉行和子)との熟年離婚をめぐる大騒動に映画館がわきました。
 「家族はつらいよ2」の出演者も、この熟年夫婦と、長男夫婦(西村雅彦夏川結衣)、長女夫婦(林家正蔵中嶋朋子)、次男夫婦(妻夫木聡蒼井優)という元気な顔ぶれです。
 自家用車に傷が絶えず、ついには接触事故まで起こした周造に運転をやめさせたい家族の面々。怒ってどなり返すのは目に見えている。が、誰かが彼に進言しなければ―。導入から思わず笑いがこみあげてきます。
 山田監督がこの8人の俳優と組むのは、「東京家族」(2013年)に始まり3回目。

喜劇に死人が登場する難問

 「『東京家族』を作ったチームと離れがたかったんですね。また一緒にと『家族はつらいよ』を撮っているとき、蒼井優君から変わった葬式の話をきいて、それでまた一つ映画ができるような気がしたのです」
 そのエピソードを盛り込んで紡いだ「2」の物語。周造の高校時代の友人・丸田(小林稔侍)が登場し、老いてなお働きづめの姿に、零落した寄る辺のない老人の孤独を浮き上がらせます。
 その丸田をめぐって平田家で起こる珍騒動。右往左往する家族。
 「喜劇に死人を登場させるのは、難しい問題で悩みましたが、ヒッチコックフランク・キャプラなどの死体が映る喜劇を参考に見たりして、きっと笑ってもらえる作品になるはずだと確信しました」
 わきあがる家族へのいとおしさ。笑ったりしんみりしたりしながら、心に浮かぶのは「生活保護は国民の権利なんだから」というせりふ。自分がだめなのは自分のせいだという丸田に向けられた言葉がさりげなく出てくるのが山田監督作品の味わいです。
 「メッセージのために映画を作るのではないんです。面白い映画を作ること。では面白いとはどういうことか。これはもう、持って生まれた才能としかいいようがない。ああ面白かったと劇場を後にした観客が夜寝るときにふと、この国の老人問題がどうなっているか、自分の老後は?人ごとじゃないな、と真顔になって考えてくれればこんなうれしいことはない。つまり観客の心に灯をともす、とでもいうことかな」

ポロッと出る宝の「せりふ」

 2作続いた「家族はつらいよ」。3作目があるかは「業務秘密」ですが、26年にわたってシリーズ48作続いた「男はつらいよ」という大きな土台の上に成り立った喜劇だと思えます。
 そして監督自身の「素地」。少年時代から落語が好きで、「友だちをよく笑わせた」と言います。
 「渥美清さんに会って、この人を主役にしたらと思うとどんどんイメージがわいたものでした。優れた俳優は、宝みたいに素晴らしいせりふをポロッと言う。〈それを言っちゃあおしまいよ〉というせりふが渥美さんの囗からフッとアドリブで出て、その面白さにびっくりしたものでした。今回の8人も、とても魅力のある俳優です。僕はいい食材を目の前にした料理人みたいで、ラクであり楽しくもあります」
 『男はつらいよ』の時代と大きく異なるのは、映画を作るスタッフが、一作ごとの契約で、フリーの技術者が集結するスタイルです。
 「この国の文化政策に関わることですね。映画だけでなく、芸術文化に携わる人たちがいかに貧しいかということ。日本の文化予算は途上国なみです。そういうことを本当に変えていかなけれぱと思います


それを言っちゃ〜お終いよ

https://youtu.be/3PsHRYJB6NU
男はつらいよ 私の寅さん」より




ズブズブの関係(`・ω・´)

行政ゆがめられた」前文科次官、文書「確実に存在

「総理のご意向」文書 前文科次官が語った

安倍首相、加計学園の役員で報酬も受けていたこと認める。

https://youtu.be/TLc1RJaGUMg







式辞で引用 著作権侵害!?
京大入学式 HPにボブ・ディランさんの歌詞
(東京新聞【こちら特報部】)ニュースの追跡 2017年5月20日

 京都大の山極寿一総長は今春の入学式の式辞で、米国の歌手ボブ・ディランさんの歌詞を紹介し、常識にとらわれない発想の重要性を説いた。その内容をホームページ(HP)に掲載したところ、日本音楽著作権協会(JASRAC)から問い合わせがあった。式辞は著作権侵害なのか―。
(沢田千秋)

式辞で引用 著作権侵害!?

 山極総長は人類学が専門で、ゴリラ研究の第一人者として知られる。入学式では新入生を前に、「私か高校生だった一九六〇年代に流行った歌があります」と話し、ノーベル文学賞を受賞したディランさんの歌「風に吹かれて」の一部を英語と日本語で紹介した。
 「常識にとらわれない発想とは、これまで当たり前と思われてきた考えに疑いを抱いたとき、それに目をそらさず、真実を追究しようとする態度から生まれます。どんな反発があろうと、とっぴな考えと嘲笑されようと、風に舞う答えを、勇気を出してつかみとらねばならないのです
 京大は入学式当日から、式辞をHPに掲載している。今月上旬、JASRACから連絡があったが、「許諾が必要な根拠や使用料について具体的な話を聞いてから検討を始めたい」(京大広報課)として、掲載をやめていない。
 JASRAC広報部に事情を尋ねると、「まだ支払い要求をしたわけではない。許諾が必要なケースなどを説明した」と話した。JASRACの担当者によると、印刷ができるHPに歌詞を掲載すると、公私や目的、分量を問わず、許諾と使用料が必要になるという。ただ、「一網打尽に権利が働くわけではない」らしい。校歌を学校のHPに載せる場合などは「ある程度、自由に使えるようにしている」という。
 使用料はいくらぐらいなのか。日本の楽曲の場合、個人のHPに掲載すると一曲月額百五十円、学校など閲覧者の多いHPは一曲月額二百円。外国の楽曲はより高額で、商用、非商用にかかわらず、HPの閲覧一回ごとに二十円、もしくは月額五千円だという。
 では、京大のHPの式辞の掲載は、著作権使用料が必要なケースなのか。著作権法三二条は、「正当な範囲内」なら許諾なしに「引用」できると定める。
 京大は「ディランさんの名前を出し、引用であることを明記している」。問題ないように思えるが、JASRACは「引用の定義は難しく、究極的には司法判断になる」と慎重だ。
 著作権法に詳しい福井健策弁護士は、引用について「判例も若干分かれ、グリスタル・クリアな基準はない」とした上で、二つの考慮すべき要素を挙げる。
 一つは自分の作品と他人の著作物が紛れないよう明瞭な区分があること。この点で、式辞の文脈は問題ない」
 二つ目は主従関係だ。
 「自分の文章がメインで、他人の著作物が補足程度かどうか。式辞ではディランさんの歌詞はざっと全体の5%程度の量だった。新入生に、自由、自立の難しさをノーベル賞受賞者の歌詞で示し、大学教育の役割につなげている。この歌を使う関連性、必然性も十二分にあり、引用の条件は満たしているのではないか
 許諾の扱いは、今後の京大とJASRACの話し合いに委ねられるが、福井氏は式辞などでの著作権使用に柔軟な運用を求める。
 「この程度で許諾が必要になれば、今後、大事な節目のあいさつで引用する際の制約につながりかねない。入学式は直接の教育現場ではないにしても、式辞が教育目的であることは間違いなく、単なる商用イベントでもない。引用は無制限ではないが、目的に照らして正当性を認めてもよいのではないか

Blowing In The Wind

https://youtu.be/vWwgrjjIMXA
Bob Dylan


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