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Channel: 私にとって人間的なもので無縁なものはない
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われわれのことを我々抜きで勝手に決めるな!(*`エ´*)

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日本国憲法第十三条
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
すべて国民は、個人として尊重される


障害者殺傷事件から半年
意味なき命はない
(しんぶん赤旗)2017年1月26~28日

 相模原市緑区千木良の障害者施設「津久井やまゆり園」で元職員の植松聖容疑者が入所者19人を殺害した事件から26日で半年。同容疑者が衆院議長への手紙に書いた「障害者に生きている意味はない」との言葉に対し、障害者福祉に関わる人たちは声をそろえて反論してきました。同園の地元でも、事件の意味を考え続ける取り組みが続いています。

この地で共に生きる

意味なき命はない上

 同園に約30年勤務し、今も近くに住む女性が事件を振り返ります。

 考える場

 「家族のように感じていた入所者が犠牲になり、本当につらかった。少しは落ち着いたけれど、『障害のある人は必要ない』などという考えから命を落とされた方が気の毒すぎる。このことにどうしても納得がいかない
 そして、こうも強調しました。
 「私が接した入所者はみんな裏表のない、まっすぐに感情を表現する人たちだった。教えられたことも多い。『必要ない』どころか、いてこそ正常な社会なんです
 事件後、衝撃を受けた地域住民の間から「この地で事件を考え、社会や政治を考えよう」との声が上がりました。近接地区に住む宮崎昭子さんらが呼びかけて「共に生きる社会を考える
会」が発足。昨年10月と11月に会合を開き、それぞれ近隣住民20~30人が参加しました。
 「事件で差別や優生思想の問題を突き付けられた。分断に向かうのではなく、共に生きるしかない。それを一人ひとりの問題として考える場にしたかった」と宮崎さんは語ります。今後、世話人態勢などを整えて長期的に取り組む方向です。

 自問自答

 2度目の会合で、ある女性が「子育て時代に地域に園があり、小学校の運動会には入所者が参加した。子ども2人は成人し土地を離れたが、今も障害者に違和感を持だない。園のおかげた」との趣旨の発言をしたといいます。
 これに接した元職員で地元に住む太田顕さん(73)は「改めて、よかったと思った。地域が園を支えただけでなく、園からも多くのものを受け取った」と言います。
 「ここには間違いなく、園があることを前提とした地域社会がある。人によって関わりの濃淡があって一概には言えないけれど、私たちは今後も、障害のある彼ら彼女らとこの地域で生きていく
 事件が刑事裁判として処理されるだけでは解決にならないとの思いもあります。匿名を望んだ遺族の思いも気にかかります。
 「障害者やその家族が囗を開けないような空気はないか。なぜこの事件が起きてしまったのか、園自身も、監督する県も、社会の一人ひとりも、何かできたか、何ができるかを自問自答する必要がある。私たち地元も、その過程にあります

地域とつながり、活躍

意味なき命はない中

 相模原市の障害者施設で暮らす多くの障害者を植松聖容疑者が殺傷した事件は、多くの障害者やその家族を深く傷つけました。

 命つなぐ

 赤ちゃんのときの事故で重度障害を負った西原海(かい)さん(27)=広島県東広島市=は、まはたきができません。食事は口からは取れません。意思表示も困難。家族や仲間は、わずかな表情の変化で思いを読み取ります。だけど、自分らしく暮らしたいと命を紡いでいます。
 「昨年7月25日に、海くんの兄に2人目の子が生まれたんです。2人目の孫が生まれたと喜んでいたら、その翌日にあんな事件が起きて…。1ヵ月ほど落ち込みました」
 海さんの母親、由美さん(57)は、6ヵ月の孫をあやしながら話します。
 3人きょうだいの末っ子だった海さんは1歳7ヵ月のとき、保育園で水を張った洗濯機に転落。呼吸と心臓が停止し、酸素が脳にいかず「植物状態」に陥りました。
 由美さんは「海くんは医学的には″生きているだけ”ということになるのでしょう。だけど、27年間命をつないできただけでなく、いろんな人たちとのつながりをつくってきました」と振り返ります。

 自立の力

 海さんは、9歳で家族と富士山を登頂しました。2003年には米大使館前でイラク戦争反対のアピールを行いました。ハワイに数回旅行するなど、多くの人の支援を得て豊かな経験を重ねてきました。
 週3回、同県呉市のNPO法人「地域ネットくれんど」の事業所で働きます。同法人地域協働センター長の入江晴美さんは「障害のある人が地域にとけ込み、活躍できる場をめざしています」と力を込めます。
 障害のある仲間と活動を始めると、閉じていた海さんのまぶたが開き、目が輝きます
 「くれんど」の仲間たちがつくるお菓子やパンなどが並ぶ、事業所に併設されたショップ。海さんは店番を任されています。昼時には近所の人たちが次々とパンを購入。にぎやかです。
 お菓子を買った60代女性は「障害のある人が地域で働くことはいいことだと思いますよ。皆さんがつくるお菓子はおいしい」と笑顔で話しました。
 「多くの人の力を借りながら生きることが、海くんにとっては”自立”につながるんだと思います。障害があることは迷惑じゃない」と由美さん。「めいとおいがいる海くん。2人のおじさんになったけど、地域のおじさんにもなりたいね」

真の福祉制度が必要

意味なき命はない下

 赤ちゃんのときの事故で重度の障害を負った西原海(かい)さん(27)=広島県東広島市=。
 「今年は、1人暮らしに向けて準備をすすめていきたい」と母親の由美さん(57)は今、こう考えています。

 挑戦の年

 自力で体を動かすことも意思表示も困難な海さん。呼吸できるよう数時間ごとに、たんの吸引が欠かせません。口から食べることができないため食事は、おなかに穴を開けて(胃ろう)、胃内に栄養剤を与えます。1日1回は、みんなと同じ食事をメニューごとにミキサーにかけ裏ごししたものを注射器で与えます。
 海さんが働くNPO法人「地域ネットくれんど」=同県呉市=の事業所でも、職員が昼ご飯を一品ずつ、メニュー名を海さんに伝えながら注射器で与えていました。
 由美さんは「海くんは話すことはできないけど、新しい人間関係や環境に反応します。どれだけ自宅と同じような環境にできるか不安はあります」と話します。「それでも、親元を離れたい年頃だし、海くんは1ヵ月でも2ヵ月でも挑戦してみたいんじゃないかな」
 海さんのような重度障害者の1人暮らしを支えるサービスに、障害者総合支援法に基づく「重度訪問介護」があります。居宅での身体介助や家事支援、見守りなど生活全般にわたる支援と外出時の介助を総合的に行うものです。

 潜む意識

 「制度上のサービスは整っています。問題は、重度訪問介護を24時間支給する自治体がほとんどないことと、サービス単価が低いことです。低単価のため重度訪問介護を実施する事業所は多くない」。「くれんど」の代表理事、小河(おこう)努さんは、こう指摘します。
 「重度訪問介護の低単価は、『障害者にお金をかけるな』という国からのメッセージでしょう。この問題を解決しなければ、相模原事件の植松聖容疑者と同様の『重度障害者は邪魔な存在だ』という社会に潜む意識は変えられないのではないか
 障害のない人は、誰とどこで暮らすのかを自身で選択することができます。「障害があると多くの場合、家族との生活しか選択肢がない。障害者を支える人がいなければ、植松容疑者の言葉のように『生きる意味はない』となるのだろう」と小河さん。
 由美さんは訴えます。
 「海くんは人に支えてもらうだけでなく、私たち家族やいろんな人たちに多くのものを与えてくれています。障害のある人がその入らしく暮らすためにも、真の福祉制度が必要です
 (おわり)
(この連載は安川崇、岩井亜紀が担当しました)


焦点・論点
相模原事件と障害者の尊厳
格差・不寛容社会と地続きの優生思想と対峙し是正迫ろう
日本障害者協議会代表 藤井克徳さん
(しんぶん赤旗)2017年1月27日

 「障害者は不幸をつくる」として、植松聖容疑者が相模原市の「津久井やまゆり園」で暮らす多くの障害者を殺傷した事件から26日で半年になります。事件をどうみるか。視覚障害者で、日本障害者協議会代表の藤井克徳さんに聞きました。
(岩井亜紀)

相模原事件と障害者の尊厳

 -事件から半年たった今、感じることは何ですか。

 一番気になるのは、戦後最悪と言われる殺人事件だったにもかかわらず、社会の中で”風化”が始まっていることです。その要因の一つに、政治のリーダーがこの問題にきちんと向き合っていないことがあるのではないか。昨年9月開会の臨時国会での安倍晋三首相の所信表明や、今年の施政方針演説でもまったく触れられませんでした。政府のリーダーはその後も、この事件に関して囗をつぐんだままです。
 政府や神奈川県から検証報告が出ましたが、内容はあまりにも浅薄です。事件の社会的背景を検証することなく、精神科医療の措置入院制度や社会福祉施設の防犯対策など対症療法にとどまっています。この問題を風化させてはならないとの立場で、私たち自身、引き続き事件に向き合い、今後も、政府には本当の意味での検証を迫っていくつもりです。また、国会でも事件について検証してほしいと思います。

 -事件の社会的背景には何があるとみていますか。

 植松容疑者の言動は絶対に許されません。彼は、重度障害者は安楽死させた方がいいと、優生思想に後押しされて事件を起こしたように思います。日本では為政者が繰り返し、彼の言葉と類似した発言をしています。
 兵庫県では1966~74年にかけ県主導で、「不幸な子どもの生まれない県民運動」を実施しました。
「不幸な子どもの生まれない県民運動」についての資
神田真秋元愛知県知事は07年、新人研修で「いい遺伝子・悪い遺伝子」と発言しています。石原慎太郎元東京都知事は在職時の99年、重度心身障害者施設の都立府中療育センターを訪れ、「ああいう人たちには人格があるのかね」と言いました。
ああいう人ってのは人格あるのかね
石原慎太郎 土下座写真
上村智子さんへ土下座しているのは石原慎太郎元環境庁長官

茨城県教育委員会の長谷川千恵子元委員は15年、特別支援学校視察後、「妊娠初期に(障害が)わかるようにできないのか」「県では(障害者を)減らしていく方向にできればいい」と発言しています。
障害児出産「減らしていける方向に」

 こうした発言が繰り返される日本の土壌に、優生思想が潜んでいることに目を向けなければなりません

 -藤井さんは2015年、ナチス・ドイツ時代に、優生思想に基づき繰り広げられたT4作戦の問題でドイツを訪問し、これを取り上げたNHKの特集は、大きな反響を呼びました。

 T4作戦は、「価値なき生命の抹殺の容認」と言われました。働けない者、兵隊になれない者、主には知的障害者や精神障害者が標的になり、推定20万人もの障害者が殺されました。

ナチスが作ったプロパガンダポスター
ナチスが作ったプロパガンダポスター
「この立派な人間が、こんな、我々の社会を脅かす病んだ人間の世話に専念している。我々はこの図を恥ずべきではないのか?」

 ドイツで遺族に会い、6ヵ所あった殺りく施設のうち唯一現存するハダマーの施設を訪れました。ここで使ったガスや焼却炉が、ユダヤ人虐殺で知られるアウシュビッツなどの絶滅収容所の基礎を築きました。T4作戦は、ホロコーストにつながるリハーサルだったのです。
 T4作戦では、医師が積極的、自主的に加担していました。当時出回り始めた精神科薬物の成績を上げるために、治らない重度の患者や障害者が「邪魔」になったのです。いわゆる人体実験もたくさん行われています。
 約1万㌔という距離、70年という時間の隔たりがありますが、私たちの現代社会と関係ないと言い切れるでしょうか。
 優生学に基づく政策はヒトラーに先立ち19世紀後半から、スカンジナビア半島、アメリカ、ヨーロッパ全体に広がっていきました。日本では、40年に国民優生法を制定、48年に優生保護法に改定し96年まで続きました。その間、ハンセン病の患者や知的障害者、精神障害者などが強制断種させられました。優生思想は、人類が世界規模で展開した悪行なんですね
 優生思想と地続きなのが、現代の格差社会や不寛容社会です。新自由主義の下、市場原理や競争原理が強まり、生産性や経済性、効率などが人間の価値を計るバロメーターになっています。競争を通じて人々の序列化が図られ、無意識のうちに優劣が決まっていく。この事件は、現代の日本社会の問題点を投影していると言っていいのではないでしょうか
 国際社会に目を転じると、トランプ米新大統領が排外主義的な発言を繰り返し、ヨーロッパでも排外主義的な極右勢力が台頭しつつあります。大変気になる動きです。

 -優生思想に立ち向かうには、何が重要でしょうか。

 強者が残り弱者は社会の舞台から退場してもらおうという優生思想的な視点で社会を見渡した時、障害者がおかれている状況は一番弱く、一般市民社会とあまりにもかけ離れています。例えば、所得をみると、8割以上の障害者が「相対的貧困線」である年間122万円以下で暮らしています。そのため20~30代の7割以上の障害者は、家族が丸抱えしている状態です。
 重度障害者を標的とした今事件ですが、重度障害者の中にこの事件に向き合う大事な視座があるように思います。それは、冷遇されている障害者施策の転換に他なりません。そこにこそ、優生思想との対峙があり、格差社会や不寛容社会の是正にもつながるのではないでしょうか

 そのときに”羅針盤”となるのが、国連の障害者権利条約です。どの条文も大事なものですが、17条には「すべて障害者は、他の者との平等を基礎として、その心身がそのままの状態で尊重される権利を有する」とあります。日本国憲法13条の「すべて国民は個人として尊重
される」とも重なります。条約17条が意味するところは、「社会の側から障害者に近づいていくべきではないか」ということです
 私が役員を務める障害者団体「きょうされん」は長年、障害者が地域で主人公として力を発揮しながら暮らしを築けるよう活動してきました。事件を受けて、優生思想的な障害観に負けてはいけない、引き続き事業所や地域で働くことや暮らしを充実させ、障害の重い人も含め一般市民と交わりながら生きていく道をつくっていこうと話し合っています。


社会不適者を絶滅


ETV特集
それはホロコーストのリハーサルだった
~障害者虐殺70年目の真実


http://dai.ly/x3cyf72
600万人以上のユダヤ人犠牲者を出し、「人類史上、最大の悲劇」として語り継がれてきたナチス・ドイツによるホロコースト。しかし、 ユダヤ人大虐殺の前段に、いわば“リハーサル”として、およそ20万人ものドイツ人の精神障害者や知的障害者、回復の見込みがないとされ た病人たちがガス室などで殺害されたことについては、表だって語られてこなかった。
 終戦から70年もの年月がたった今、ようやく事実に向き合う動きが始まっている。きっかけの一つは5年前、ドイツ精神医学精神療法神経学会が長年の沈黙を破り、過去に患者の殺害に大きく関わったとして謝罪したこと。学会は事実究明のために専門家を入れた国際委員会を設置、 いかにして医師たちが“自発的に”殺人に関わるようになったのかなどを報告書にまとめ、この秋発表する。
 番組では、こうした暗い歴史を背負う現場を、日本の障害者運動をリードしてきた藤井克徳さん(自身は視覚障害)が訪ねる。ホロコーストの “リハーサル”はどうして起きたのか、そして止めようとする人たちはいなかったのか・・・。 資料や遺族の証言などから、時空を超えていま、問いかけられていることを考える。


人間が人間を見下す行為は、いじめ、ブラックバイト、パワハラなどたくさんころがっている。差別と虐待の究極の姿として、すべてつながっている問題だと思った。それを国家権力が先導し、助長することはあってはならない。戦後70年、日本国憲法が守られるのかどうか、今、私たちの足元ともつながっている。
投稿者:こう ETV特集HPより



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