西谷文和イラク最新レポート
~フランスのテロ後、世界はどうなるのか?
(ラジオフォーラム#155)
https://youtu.be/RNcq73VDAik?t=17m13s
17分13秒~第155回小出裕章ジャーナル
汚染水処理の現状「トリチウムという放射性物質については全くなすすべがないまま、いずれは海へ流すということになってしまうわけです」
http://www.rafjp.org/koidejournal/no155/
矢野宏:
事故から5年近くになります。この東京電力福島第一原発が今どうなっているのか。この大阪にいても全く伝わってこないんですよねえ。
小出さん:
そうですね。
矢野:
はい。今、1号機から4号機までのプラントというのは、今どんな状態にあるという風に考えたらよろしいんでしょうか?
小出さん:
はい。4号機というのは事故の当日、定期検査で動いていませんので、炉心が溶け落ちるということは、辛うじて避けれらたのです。
ただし炉心にあった燃料も、全てが使用済み燃料プールというプールの底にあって、そのプールが崩れ落ちる。あるいは水が干上がるようなことになってしまえば、東京すらがもう人が住めないと言って、当時の原子力委員会の委員長だった近藤駿介さんという人が報告書を出したのです。
でもその4号機の使用済み燃料プールはかなり奇跡的な出来事もあって、辛うじて持ちこたえました。そしてプールの底にあった燃料も、すでに隣にある共用燃料プールというプールに移し終えましたので、4号機の危機は一応は去ったと考えて頂いていいと思います。
残りは1号機、2号機、3号機なのですが、いずれも当日運転中で原子炉が溶け落ちてしまいました。そして5年近く経った今も、溶け落ちた炉心がどこにどのような状態にあるかすらがわからないという状態が続いているのです。
その場所には、人為的に炉心をこれ以上溶かさないということで水をかけ続けていますし、巨大な地震に襲われたがために、本来は外部と繋がっていてはいけないはずの原子炉建屋もおそらく至るところで破損してしまっていて、地下水がどんどんと原子炉建屋の中に流れ込んでくる、それら全てが放射能汚染水になってしまうという状態が、未だに続いているということなのです。
矢野:
なるほど。汚染水に対して、今どのような対策をとってるんでしょうか?
小出さん:
当初はとにかくどんどんどんどん増えるに任せていたのですけれども、1年ほど経った段階から汚染水を浄化して、それを循環して炉心の冷却に使うというようなシステムができました。ただし浄化すると言っても、汚染水の中から取り除けた放射性物質はセシウムという物質ただひとつだけだった。
矢野:
ひとつだけですか?
小出さん:
はい、だったのです。それでは、残りの放射性物質が全て汚染水の中に残った状態が続いていたわけですけれども。それを何とかしなければいけないということで、アルプスと私達が呼んでいる装置を東京電力が新たにつくりまして、それでセシウム以外の放射性物質、一番重要なのはストロンチウムという名前の放射性物質なのですが、それを捕まえようとしてきたのです。しかし、アルプスもつくったものの、まともに動かない。
矢野:
動かない。
小出さん:
はい、という状態が続いていまして、つくってみては止まってしまう、つくってみては止まってしまうということを繰り返しながら、今日までやってきているのです。まあそんなことを繰り返しながら、何とか少しストロンチウムも捕まえることができるようになったというのが、今の状態です。ただしセシウムを捕まえた、ストロンチウムを捕まえたと言っても、トリチウムという名前の放射性物質もあるのですが、それは仮にアルプスが完璧に動いたとしても、完璧に取れない。
矢野:
取れないわけですね。
小出さん:
全く取れない。ですから今のような状態が続く限りは、トリチウムという放射性物質については全くなすすべがないまま、いずれは海へ流すということになってしまうわけです。
矢野:
なるほど。あと問題の1号機、2号機、3号機のこの使用済み核燃料、まず取り出さなければいけないわけですが、これは結構、至難の技ですよねえ。
小出さん:
それは、私はできない。
Inside Fukushima Reactor 2 Melted Core
https://youtu.be/nAfqo0Ophjo
Σ(゚д゚lll)
矢野:
できない。
小出さん:
はい、と思って、ですからチェルノブイリ原子力発電所でやったように、石棺という形で封じ込めるしかないのですが、チェルノブイリ原子力発電所の場合には、地下の構造物はまだ壊れずに維持されていたので、地上だけに石棺を作れば済んだのですけれども、福島第一原子力発電所の場合には、もう地下が先程も聞いて頂いたように、ボロボロに壊れてしまっているわけですから、地下にも石棺をつくる、地上にも石棺をつくるということに結局はなるだろうと思います。
Inside Chernobyl Reactor
そのために10年では到底できませんでし、何10年か経った時に、ようやくにして石棺というものができるということなんだろうなと、私は思います。
矢野:
なるほど。しかし今もこうした事故を起こしながら、東電の責任者は誰一人その責任を追及されてませんよね。
小出さん:
これだけ酷いことをやっても、誰も責任を取ろうともしないし、処罰もされないという、こんなことが起こり得るんだろうかと思うようなことが、今起きているわけです。
矢野:
そうですよねえ。だから平気で再稼働に動いていくんでしょうね。
小出さん:
はい。私が福島第一原子力発電所の事故から学んだ教訓というのは、万が一でも事故が起きてしまえば大変悲惨な被害が出るので、もう原子力発電というのはあきらめて止めるというのが私が得た教訓なのですが、原子力を進めてきた人達が得た教訓というのは、私が得た教訓とは全く違っていて、どんな酷い被害が出たとしても、誰一人責任をとらずに済むし、処罰もされないという教訓を彼らが得たのです。
そうなれば何にも怖いものはないので、これからは原子力発電所を再稼働してまた金儲けをしたいという、そういう選択を彼らがするようになったのです。
2006年12月13日 衆議院議員 吉井英勝
巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書
http://www.shugiin.go.jp/Internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a165256.htm
2006年12月22日 内閣総理大臣 安倍晋三
巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問に対する答弁書
http://www.shugiin.go.jp/Internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b165256.htm
矢野:
何ともほんとにもう悔しいし、今も福島の人達は10万人以上の方が家を追われてるわけですよねえ。
小出さん:
そうです。
矢野:
そういった人達のことを考えれば、もう私達のとるべき道は、原発を再び動かさないということだと思うんですけれども。
小出さん:
おっしゃる通りだと、私は思います。
矢野:
小出さん、どうもありがとうございました。
小出さん:
はい、ありがとうございました。
NY Times:誰のせい?
※ Fukushima Disaster = 福島大災難
Tokyo Electric Power Company not responsible to government nuclear Fukushima
政府の福島原発に東京電力は責任ありません
放射能の環境基準 今もなし
福島原発事故で汚染物質拡散
(東京新聞【こちら特報部】ニュースの追跡)2015年11月28日
福島原発事故から四年半以上が経過したが、放射能汚染についての国の基準の不備に対し、自治体が不満を募らせている。事故後、放射能も大気汚染防止法や水質汚濁防止法などの対象になったが、他の有害化学物質などにはある環境基準や排出基準は定められていない。困惑する自治体からは、国に対応を求める要望が相次いでいる。
(中山洋子)
自治体「監督権限認めて」
現在、震災がれきなどの処理については環境省の管轄だが、その基準は1㌔当たり八〇〇〇ベクレル以上は指定廃棄物、それ以下は一般ごみという規定しかない。
前橋市の山本龍市長は先月初旬、丸川珠代環境相宛てに、放射能が国の指定廃棄物の基準以下でも、自治体が独自に管理・監督できるよう権限を求める要望書を提出した。他の有害汚染物質の監視と規制は都道府県などが権限を受託しているが、放射能は国のみが権限を握っているからだ。
前橋市が動いたことには理由がある。昨年一~二月に放射性セシウムに汚染された木くずが同市内の産業廃棄物の中間処理業者に運ばれた。しかし、同市は一年近く、その事実を知らされていなかった。
市内に運ばれたのは、滋賀県の河川敷に不法投棄された約三百十立方㍍の汚染木くず。二〇一三年九月に滋賀県が公表して騒動となり、業者が撤去。それが持ち込まれていた。昨年十二月、同市が滋賀県から情報提供を受け、分かった。
同市はすぐに立ち入り調査をしたが、すでに破砕処理され、今年二月に市外の業者に売却されていた。
滋賀県の話では、汚染の程度は一㌔当たり三九〇〇ベクレル。前橋市廃棄物対策課の担当者は「現行では、業者に八〇〇〇ベクレル以下の廃棄物を『受け入れるな』とは言えない。だが、心配する住民がいる以上、細かい放射性濃度の測定と記録を義務付け、行政の監督下に置くべきだ」と歯がみする。
基準の甘さと自治体の権限の欠如。大阪市大大学院元教授の畑明郎氏(環境政策論)は「原発事故は起きないという前提から、日本の環境基本法などは放射能汚染を対象としていなかった。だが、福島原発事故が発生。環境省は放射能汚染も対象とするようになったが、ほかの有害化学物質などにはある具体的な環境基準は、いまだ設定されていない」と問題視する。
実際、廃棄物焼却場や処分場から出る放射能の大気中や水中の濃度については、基準はないに等しい。原子炉等規制法が引き合いに出されるが、原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「そもそも、この法律は原子力事業者の規制が目的。震災がれき受け入れの説明には使われたが、汚染ごみの処理を直接規制することはできない」と指摘する。
しかも、規制法では原発から出る金属などの廃棄物について、放射性セシウムなら一㌔当たり一〇〇ベクレル以上は放射性廃棄物として扱うよう定めているが、環境省の基準は八〇〇〇ベクレルと大きく隔たっている。
だが、環境省側は「八〇〇〇ベクレル以下なら、作業員も周辺住民も十分安全が保たれる。新たな基準設定は考えていない」と強気。自治体に管理権限を移してほしいという要望にも「引き続き自治体には安全性を周知していく」と消極的だ。
畑氏は「環境省の基準に納得できる住民はいない。不安を抱く住民と国の間に挟まれ、自治体も困っているだろう」と推測する。
伴共同代表も「放射性廃棄物の監視を自治体に委ねることの是非については議論もある。だが、汚染物質が拡散している以上、もっときめ細かい追跡が不可欠だ。環境省は分布してしまった放射能の排出源に対応できていない」と話した。
議論後退の報告案
原発事故5年 福島調査中間まとめへ
(東京新聞【こちら特報部】)2015年12月20日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015122002000174.html
福島県の県民健康調査検討委員会は、来年三月の原発事故発生五年に合わせ、中間とりまとめの報告書を出そうとしている。甲状腺がんについては専門部会が先行的に報告書をつくり、放射線の影響に関する結論は先送りしたが、がんが極めて多く見つかる状況についてはようやく認めた。ただ、この「異常事態」の認識が上部の検討委員会でも共有されると思いきや、議論後退を印象づける展開を見せている。
(榊原崇仁)
甲状腺がん「多く見つかる」記述省く
「検討委の中間とりまとめ案は、甲状腺がんの多発について触れていない。なぜ書くのを避けたのか」
先月三十日の検討委終了後の会見で、国際環境NGO「FoE Japan」の満田夏花理事はそう質問した。過去の経緯を考えれば、当然の質問だった。
県は事故当時十八歳以下の県民約四十万人を対象に甲状腺検査を実施。有識者会議の検討委は、下部に「甲状腺検査評価部会」を設け、発症状況などについての検討を委ねてきた。
昨年十一月の部会では、国立がん研究センターの津金昌一郎氏が地域がん登録データなどから「事故前(一〇年)にがんがあった県内の十八歳以下は二人」という試算結果を示した。
一方、今年三月までに判明した甲状腺検査の一巡目の結果では、がんの診断例は約百人。五月公表の部会の中間報告では「一巡目で見つかったがんは推定数の数十倍」と認めた。
ただ、原因については被ばくによる過剰発生と、深刻化していないがんまで細かく見つける「過剰診断」の可能性を提示。「現時点では結論を出せない」としたうえ、チェルノブイリ事故より被ぱく線量が少ないなどとして「放射線の影響は考えにくい」とした。(*´-ω・)ン?
ところが、先月末の検討委で示された中間とりまとめ案では、甲状腺がんの多発や原因に関する記述を大幅に省き、「放射線の影響は考えにくい」という部分ばかりを強調した。
会見で冒頭の質問を受けた検討委座長の星北斗・県医師会副会長は「(部会の報告は)一般的な統計より多いというだけ」と述べ、現状を重く受け止める姿勢を示さなかった。(・3・)
満田さんは「がんの多発を部会が認めたなら、次の論点を議論すべきだ。本当に放射線の影響がないか検証すべきだし、がんの原因がどうであっても、多発するがんへの対応を進めていくべきだ」と主張した。
「きめ細かな検査や手術、術後のフォローなどに備え、人手を確保しなくていいのか。県医大への不信感が消えない中、セカンドオピニオンを得られる環境を整えなくていいのか」
しかし、「がんの多発」については県側かタブーしている空気すらある。
検討委の委員で、部会員でもある日本学術会議前副会長の春日文子氏は過去の部会で、甲状腺がんの多発を学術論文などで指摘してきた岡山大の津田敏秀教授(疫学)を招き、見解を聞きたいと求めてきた。この要望は実現していない。
福島県の小林弘幸・県民健康調査課長は「もう津田氏を呼ばないのか」という「こちら特報部」の質問に対し、「座長の判断というか、委員会としては特に必要にないという判断」と返答。その一方で、県医大は津田氏が論文を投稿する学会誌に対して反論文を送るなど、「多発論者」に強い拒否感を示している。
準備会合問題「検討委で議論していない」
期待の新座長も県医大の大学院生
変わらぬ不公正感
福島県や県医大の姿勢については、かねて放射線被害の過小評価が疑われてきた。一二年十月には県が非公開の準備会合を開き、検討委の委員らと裏で打ち合わせていた問題が発覚。
この後、検討委の座長が県医大の山下俊一副学長から星氏に代わり、新たな外部有識者を交えた甲状腺検査評価部会が設けられたため、多少は公正な議論が進むのではと期待された。
しかし、部会はどこか軽んじられている。そして刷新の象徴たったはずの新座長についても、ある事実が判明した。県医大の大学院生でもあったのだ。
先月末の会見で、その点を指摘された星氏は「大学院の博士課程の四年目。公衆衛生学が専門なので、その勉強をしている。たまたま(大学が)近くにあった」と話す一方、自らの研究テーマが県民健康調査ではないなどとして「問題とは思ってない」と述べた。
だが、星氏が在籍する公衆衛生学講座の安村誠司教授は、この調査で放射線とがん発症の因果関係を分析する中心的役割を担う。先の指摘をしたジャーナリストの木野龍逸氏は「院生が指導教官に『あなたのやっていることは間違い』と言い切れるものか。公平、公正な会議運営ができるとは思えない」と疑問視する。
首をかしげたくなる問題は他にもある。中閧とりまとめ案には準備会合問題について、「今後の委員会運営で教訓とする」と記されている。ところが、先月末の検討委で事前に委員から募った意見が一覧として公表されたのだが、国立研究開発法人・放射線医学総合研究所理事の明石真言氏は「非公開で準備会合を開くなどの運営を行っていたのでしょうか。ここは削除すべきだ」と求めていた。
「準備会合はなかった」と言わんぱかりの同氏に取材を申し込んだところ、「舌足らずたった。検討委は準備会合に関して議論をしていないので、それをここに書くことに違和感があった」と釈明した。(・3・)
しかし、逆に「準備会合に関して議論していない」とはどういうことか。委員の間で、何か問題だったか議論を尽くさなければ、教訓として生かされない。
福島県在住のジャーナリストで地元紙「福島民友」の記者たった藍原寛子氏はこう訴える。「県民健康調査は、県民のために行うもの。拙速な判断の前に『県民のためとは何か』をきちんと議論してもらいたい。検討委の議論を単なる通過儀礼にしてはいけない」
会見には質問制限ルールも
議論の後退を思わせる検討委だが、閉会後に毎回開かれる会見も、本来あるべき姿を失いつつある。
星座長や他の委員、県側の関係者が出席するこの会見では、「放射線の影響は考えにくいのか」「がんの多発の有無は」といった重要な論点を多角的に検証すべく、がんの発症数や大きさの意味、年齢別や地域別の発症分布、他国の事故例との比較、被ばく線量データの不足、県医大内部での検討状況など、多岐にわたる質問が投げかけられる。検討委では難解な専門用語を交えた発言も多いため、その確認にも追われる。
ただ、会見には独特のルールが存在する。「限られた時間で、多くの人の質問に答えるため」(県の担当者)、質問は記者一人につき一問で、再質問も一度のみ。星座長が最初に答え、必要に応じて他の出席者に回答を求めている。
中継するインターネットテレビ局「OurPlanet-TV」の白石草(はじめ)代表は「質問制限のために踏み込んだやりとりにならず、座長が長々と持論を述べ、核心部分の回答がぼやかされることも多い。視聴者から『フラストレーションがたまる』という意見をいただいている」と嘆いた。
甲状腺検査 福島県外でも
原因には慎重
残る汚染不安
(東京新聞【こちら特報部】ニュースの追跡)2015年12月23日
福島原発事故で多発が懸念されている甲状腺がん。福島県は事故当時十八歳以下だった県民を対象に検査を進めているが、県外でも独自に予算を確保して甲状腺を調べている自治体がある。その結果を見ると、意外な状況が浮かび上がってきた。
(榊原崇仁)
「自治体こに任せず国が調査を」
福島県いわき市に隣接する茨城県北茨城市では二〇一三年度から二年間、市が事故当時十八歳以下だった希望者を対象に、甲状腺検査を実施してきた。
今年八月に公表された結果によれば、対象者七千六百九十九人に対し、受診者は四千七百七十七人。甲状腺がんと診断されたのは三人で、受診者全体に占める割合は0.06%だった。
今年四月まで福島県が行った一巡目の甲状腺検査は約三十万人が受診。がんの診断例は全体の0.03%の百人で、北茨城市の方が高い水準となった。
甲状腺がんを引き起こす放射性ヨウ素は事故直後、福島第一原発の北西方向のほか、北茨城市が位置する南方向に多く飛散したとされる。とはいえ、地元では発症データの解釈、とりわけ事故との因果関係については極めて慎重だ。(´・д・)」
北茨城市健康づくり支援課の担当者は「福島県とは受診者の規模が違いすぎ、単純比較できない。まだ一回目の検査が終わったばかりでもある」と語る。
現段階では「チェルノブイリ事故で多くがんが見つかったのは四歳以下。〈北茨城はその年代層で、がんの診断例がなかった。がんの原因が放射線の影響とは考えにくい」とみる。
千葉県では、除染対象の「汚染状況重点調査地域」となった松戸市と柏市が昨年度と本年度から、子どもの甲状腺検査の受診希望者に費用を一部助成する制度を始めており、検査結果を集約して公表している。
がんか否かを診断する前段階の一次検査は福島と同様、しこりの有無や大きさといった甲状腺の状態からA1、A2、B、Cの四区分で判定する。二次検査などに進むBとCの判定割合は福島が全体の0.8%だったのに対し、松戸が1.4%、柏は8%だった。
しかし、こちらも単純比較ができないという。
一つは二次検査の必要性を判断する際、両市は橋本病やバセドー病といった甲状腺疾患も含めるため。もう一つは、両市の受診者がそれぞれ二百上一百五十人にとどまるためだ。検査を行う市立病院の受け入れ態勢に限りがあるなどの事情を抱えているという。
さらに両市のスタンスの問題もある。「健康不安の解消」との名目で検査費用を助成する一方、がんと放射線の関連は評価しないという立場を取っている。
「市内の被ばく線量では、がんができる可能性は極めて低いと多くの専門家が指摘する」(松戸市)「福島と違って直接の事故現場ではない」(柏市)などがその理由という。
柏市は「現時点でがんと診断された人はいない」とし、松戸市は「無用な不安をあおらない」などの観点から、がんの診断例の有無を公表していない。(-ε-)
松戸市在住の二児の母で「放射能からこどもを守ろう関東ネット」共同代表の木本さゆりさん(四六)は「検査費の助成はありかたいが、汚染地域に住む者として心配なのは放射線で病気になるかどうかという点」と述べ、因果関係の評価までを含めた調査を望む。
子どもの被ぱく問題に詳しい福田健治弁護士は「放射性物質の飛散は福島県境で止まるものではない。県外でも甲状腺検査を希望する親は多い」と語った上、こう続ける。「原発事故の責任を負うべきは国で、広範なエリアにわたる検査を担えるのも国。自治体任せにせず、国が責任を持って健康調査を進めるべきだ」
福島第一原子力発電所事故に伴う Cs137 の大気降下状況の試算
- 世界版 SPEEDI(WSPEEDI)を用いたシミュレーション -
平成23年9月6日
(独)日本原子力研究開発機構
http://nsec.jaea.go.jp/fukushima/data/20110906.pdf
2013.10.26 西尾正道先生講演会
『放射線の光と影・・・ここに住み続けるリスク』
https://youtu.be/Hb150F6KpeY
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小出裕章先生:どんな酷い被害が出ても誰一人責任をとらずに済むし処罰もされないという教訓を得た
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