元朝日新聞記者・植村隆、
日本軍慰安婦問題の真実を語る
(ラジオフォーラム#116 )
https://youtu.be/TO5nqw7AgKc?t=16m33s
16分33秒~第116回小出裕章ジャーナル
プルサーマルの危険性「プルトニウムを混ぜるというようなことをすれば、より危険が増えてしまう。そのことはもう争う余地がなく当たり前のことです」
http://www.rafjp.org/koidejournal/no116/
西谷:
今日は、「今一度、原発再稼働とプルサーマルを問い直す」ということでお送りしたいと思いますが、とんでもない内閣ですね、小出さん。
小出さん:
ほんとに呆れ果てた内閣です。
西谷:
川内原発、そして高浜原発、これ福井県の高浜なんですが、ここは、プルサーマルができる原発ですよね?3号機、4号機。
小出さん:
そうですね。
西谷:
今一度、このMOX燃料というのをちょっとお聞きしたいのですが。
小出さん:
普通の原子力発電所はウランを燃料にしているのですが、そのウランにプルトニウムも混ぜて燃料にして使うという、そういう燃料のことです。
西谷:
単純に疑問なんですが、普通のウラン燃料棒でも非常に危ないと思うのですが、このプルトニウムを混ぜたMOXの燃料棒というのは、通常の燃料棒として大体何倍ぐらい危険性があるんでしょうか?
小出さん:
倍率で聞いて頂くのは大変難しいと思いますが、例えばそのウランが持っている放射線の毒性とプルトニウムが持っている放射線の毒性を比べれば、約20万倍危険。
西谷:
20倍じゃなくて、20万倍?
小出さん:
そうです。
西谷:
20万倍も危険な物なんですか?
小出さん:
はい。
西谷:
これを例えば、関西電力の高浜原発では使おうとしてるんですね?
小出さん:
はい。
西谷:
今ですね、核のゴミが問題になってるじゃないですか?
小出さん:
はい。
西谷:
普通のウランの燃料棒の使用済みの燃料棒とMOXの使用済みの燃料棒で言えば、大体どれぐらいの期間、よく言いますよね、10万年~100万年とか言いますが、MOX燃料の場合はウラン燃料棒よりも、さらに長い期間置いとかないと安全にならないんでしょうか?
小出さん:
はい。原理的にはもちろんそうなります。ごく短い間の保管ということに関しても、日本の普通の原子力発電所でできてきた使用済み燃料というのは、数年後には再処理工場に運べるという、その程度の発熱だったのですが、MOX燃料の場合には、ウラン燃料に比べて発熱量が高いので、おそらく数年ではなくて、数十年間は原子力発電所の敷地から動かせなくなると思います。
玄海3号炉 使用済燃料崩壊熱曲線
西谷:
ということは小出さん、今回の福島事故で明らかになったように、燃料プールってものすごく危ないじゃないですか?
小出さん:
そうです。
西谷:
通常でも数年置かないといけない物をMOXの場合、数十年ですよね?
小出さん:
そうです。
西谷:
福井県って地震起こるじゃないですか?
小出さん:
そうですね。
西谷:
かなり高浜って危ないですよね?そしたら。
小出さん:
はい。もともと普通のウランを燃やす原子力発電所でも危ないと思いますし、それにプルトニウムを混ぜるというようなことをすれば、より危険が増えてしまう。そのことはもう争う余地がなく当たり前のことです。
西谷:
なんかもう正気の沙汰とは思われないんですけどもねえ。この輸入したMOX燃料というのは、通常のウラン燃料の9倍も高いって聞きましたが、これ本当でしょうか?
小出さん:
本当です。
西谷:
なんという…
小出さん:
ですから、やればやるだけ電力会社は損をするのです。
西谷:
しかし、やるわけでしょう?
小出さん:
はい。
西谷:
これ総括原価方式やから、燃料の一部は電気料金に転嫁するんですよね?
小出さん:
もちろんです。電力会社としては何の損もしないのですけれども、その分、私たち消費者が負担させられるということになります。
西谷:
この普通のウラン燃料よりも9倍も高いというのは、やっぱりこの造るのにものすごい技術がいるからなんでしょうか?
小出さん:
はい。プルトニウムという物質というのは、天然には全くなくて、原子炉を動かして造らなければいけないのですが、それを再処理という所で取り出すという作業も、もちろんしなければいけないのです。
西谷:
本来、日本では六ヶ所村でやるということになってますよね?
小出さん:
取り出そうとしていたのですけれども、六ヶ所村の再処理工場はトラブル続きで、まだ動いていないのです。とても難しい技術ですし、大きな危険を伴う技術ですので、なかなか上手くいきませんし、何とかやったとしても、膨大なお金がかかってしまって、そのプルトニウムを使うと燃料代が上がってしまうということになります。
西谷:
何も良いことないですね。
小出さん:
はい。何も良いことないのですけれども、この日本という国ではプルトニウムを取り出して、未来の原子炉でそれを燃やして燃料にすると言ってきたのです。その未来の原子炉というのが高速増殖炉という名前の原子炉でして。
西谷:
破綻してますよね?
小出さん:
日本ではもんじゅというちいちゃな実験用の原子炉を作ったのですが、全く動かないのです。そのため、高速増殖炉で燃やすと言って取り出してきたプルトニウムが、使い道のないまま余ってしまっています。そのプルトニウムというのは、長崎に落とされた原爆の材料でして、今現在、日本は高速増殖炉の燃料に使うとして、47トンのプルトニウムを保有しているのですけれども、それで長崎型の原爆を造ってしまうと、4000発分もできてしまう。
西谷:
4000発?
小出さん:
はい。そんなプルトニウムを使い道のないまま持っておくということはもちろん、他の国から見れば大変な脅威になるわけで、日本というこの国は、使い道のないプルトニウムを持たないと国際公約させられているのです。でも、もんじゅを含めて高速増殖炉が全く動きませんので、とにかく何としても燃やしてしまわなければいけない。そのためには危険を承知で、そして経済性も全くないことを承知の上で、普通の原子力発電所で燃やしてしまうということになってしまったのです。
※我が国におけるプルトニウム利用の基本的な考え方について
平成15年8月5日(原子力委員会決定)
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2003/kettei/kettei030805.pdf
西谷:
今ですね、青森県でですね、大間原発というものが造られようとしてますが。
小出さん:
そうです。
西谷:
ここは、フルMOXと言われてますが、これは本当でしょうか?
小出さん:
本当です。現在、プルサーマルと呼ばれてるような計画で、高浜原発であるとか玄海原発であるとか、あちこちで、そのプルトニウムを燃やそうとしているのですけれども、それでも、今現在は炉心の中の全部の3分の1までしかプルトニウムは入れてはいけないということでやっているのです。
西谷:
3分の1まで。はい。
小出さん:
はい。そうなると、燃やせるプルトニウムの量が限られてしまいますので、なんとか大量に燃やせる原子炉を造らなければいけない。
西谷:
危ないこと考えて…
小出さん:
はい。ということで、大間という所の原子炉が生まれたのです。
福島の人達は大変な苦難の底に沈められたままなわけですけれども、大間の原子力発電所で同じような規模の事故が起きる。あるいは六ヶ所村の再処理工場では、さらに大きな事故が起きる可能性もあるわけです。そういう事故のことはあまり想像したくありませんけれども、でも、人間が望もうと望まざるとに関わらず事故は起きるわけですから、覚悟はしておかなければいけないと思います。
西谷:
はい。止めさせなきゃいけませんね。絶対に。
小出さん:
はい。
西谷:
なんとか頑張っていきたいと思います。
小出さん:
そうですね。
西谷文和: 今日はどうもありがとうございました。
小出さん:
はい。ありがとうございました。
住民投票で市民の声を届ける
(ラジオフォーラム#117)
https://youtu.be/xL0OBz9HPeY?t=15m2s
15分2秒~第117回小出裕章ジャーナル
原子力研究の人材育成について「必ず必要な仕事ですのでそういう学問の分野は残してほしいと思います」
http://www.rafjp.org/koidejournal/no117/
湯浅誠:
今日は、「原子力研究の人材育成について」っていうテーマなんですけど。今年3月、小出さんは京都大学原子炉実験所を定年退職、退官されました。お疲れ様でございました。
小出さん:
はい。
湯浅:
41年間ですか?
小出さん:
そうです。
2015/03/26 反原発の旗手 京都大学 小出裕章助教 定年退職へ
https://youtu.be/MUj4UMm4faM
湯浅:
原発の危険を訴え続けてこられたということなんですけど、小出さんが大学から退かれるということで、今後の研究者、小出さんみたいな研究者って言うかな? あるいは、廃炉もいろいろ進みますんでね、そういう人材とか、もちろん福島原発の処理もありますが、そういうもろもろ担う原子力人材、原子力研究の人材っていうのが気になるところなんですけど。その現状と未来について、小出さんのご意見を伺いたいですが。
小出さん:
はい(笑)。とってもなんか難しい問いで、私が答えるべき筋合いではないと思いますが。
湯浅:
まあまあ、贈る言葉みたいな感じで。
小出さん:
はい。いくつか、ではお答えします。
湯浅:
お願いします。
小出さん:
もともと日本での原子力というのは、化石燃料が無くなってしまうから未来のエネルギー源だと言われたわけですし、原子力ができれば、電気代の値段が付けられないぐらい安く発電できるというように、私は聞かされましたし、原子力発電所に関しては決して事故を起こさないんだというようなことも聞かされて、今日まで来たわけです。
そのために大学という所でも沢山の学生を集めて、原子力を進めようと教育をしてきたわけですが、今となってしまえば、全てが間違っていたということがハッキリしています。原子力の燃料であるウランは化石燃料に比べれば、はるかに貧弱な資源でしかありませんでしたし、原子力発電所というのは巨大な事故を起こすということが、もう福島第一原子力発電所の事故で示されてしまいましたし、原子力発電の発電単価が事故と無関係でもなおかつ、火力や水力に比べて高かった。
事故の補償費用を考えれば、もうとてつもなく高い。さらには生み出した放射性廃物の始末、今後100万年かかるわけですけれども、そのお金を考えればもう途方もないくらい高いということが分かってしまっているわけです。もういい加減にもう目を覚まさなければいけないと思いますし、今後も原子力を進めようとするような人材は一切不要だと私は思いますし、大学での研究もやらない方がいいと思います。
湯浅:
そうなんだ…
小出さん:
はい。ただしですけれども、残念ながら私達が原子力に夢を託してこれまでやってきてしまったがために、膨大な放射性物質を既に生み出してしまいました。残念ながら、それを無毒化するという力が現在の科学にはありません。なんとか環境に漏れないように監視を続けるということしかできないわけですし、そのための専門家というものはどうしても必要だと思います。
ただし私自身は原子力にまだ夢があった時代に、その夢のために自分の人生をかけようとしたわけですけれども、これからの人達は、私達の世代が生み出したゴミの始末をとにかくやれということ、そういうことにほんとに夢がかけられるのだろうかと思うと、私自身は不安があります。
でも必ず必要な仕事ですので、そういう学問の分野は残してほしいと思いますし、若い人にもそういう所で働いてほいしいと、希望はしています。
湯浅:
廃炉含めてやる後始末をする人がどうしても必要だというふうなことであれば、どういう人、どういう知識、知見を持った人を育てていけばいいんですかね?
小出さん:
もともと私が原子力に夢を託した時代というのは、昔の大日本帝国時代に日本には7つの帝国大学がありました。北から北海道、東北、東京、名古屋、京都、大阪、九州ですけれども、その7つの帝国大、元の帝国大学の全てに原子力工学科、あるいは原子核工学科というのがあって、がんがん原子力を進めようとしたのですが、時代がどんどん移ってきまして、原子力にかけた夢が次々と敗れていく中で、7つの帝国大学から既に原子力工学科も原子核工学科もひとつもないのです。ですから、もう原子力に関する学問自身が崩壊してしまっているのですけれども。
湯浅:
そうなんですか?
小出さん:
はい。今、聞いて頂いた通り、その愚かな夢をかけたがために生み出してしまった放射能のゴミが大量に残っていますので、それをなんとか始末をつけるという仕事は残っています。始末のつけ方としては、放射能そのものを消すという方法がひとつです。ただ、その事は大変難しくて、70年以上研究を続けてきたのですけれども、未だに実現できないという困難な研究です。
でも、それもやはり続けるべきだと私は思います。もうひとつは消すことができないなら、なんとか閉じ込めるという方向の研究で、今現在、世界は消すことができないからどこかに閉じ込めよう、大半は地下に埋め捨てにしようということになってるわけですけれども、本当にそういう方法が安全かどうかということをきちっと考える学問は、やはりつくらなければいけないと思います。
湯浅:
なるほどね。今後ですね、おっしゃられたようなことをやってく人がどうしても好むと好まざるとに関わらず必要だということになると、何らかの、それが大学なのか研究所なのか、そうした研究を進める場所は必要なんだと思いますが、どこにあるのが一番いいんですかね?
小出さん:
まあ、非常にファンダメンタルなことからやらなければいけないわけですから、もちろん企業が金儲けのためにそういう研究をするとかいうことは実情はないと思いますので、やはり大学というような所でやるしかないと思います。
湯浅:
どこかいろいろその分野にお詳しいと思うんですけど、この大学、この研究機関でやってる人達は可能性を感じるというか、面白いんじゃないかという所はありませんか?
小出さん:
残念ながらありません。
湯浅:
えぇ、ないんだ…
小出さん:
これまでの原子力という世界はですね、いわゆる巨大なその国、国策の下で全てが動いてきたわけで、大学という所も原子力を進めるという国策に協力してやってきたのです。ですから、ほとんどの学者もみんな原子力の旗の下に集まって原子力を推進してきた人達なのです。私は、もうそういう世界から足を洗わなければいけないと、先ほどから聞いて頂いてるわけですし、これまで原子力を担ってきた人達は、綺麗さっぱり皆さん引退すべきだというぐらいに思っています。
湯浅:
なるほど。一からやり直さないと難しいということですね?
小出さん:
と思います。
湯浅:
はい。どうもありがとうございました。
小出さん:
はい。ありがとうございました。
“死刑弁護人”と呼ばれて
(ラジオフォーラム#118)
https://youtu.be/qPylqDvdlQY?t=17m38s
17分38秒~第118回小出裕章ジャーナル
東電の隠蔽体質「情報の全てを握らせたままきちっと報告してくれると期待する方がむしろ間違えているんだと、皆さんにも考えて頂きたいと思います」
http://www.rafjp.org/koidejournal/no118/
今西憲之:
今日は、東京電力の福島第一原発で放射能に汚染された汚染水が、海に流れ出てた。それを東京電力は、なんと1年間も隠していたという、とんでもないことがあったのですが、その原子力ムラにつきまとう隠ぺい体質について、お伺いしたいと思います。小出さん、汚染水が海にずっと漏れ続けていたということを知った時のご感想というのは如何だったでしょうか?
小出さん:
特にありません。というか、皆さんは何か、今回初めて汚染水が外洋に漏れたというふうに思われてるのかもしれませんが、そんなことは全くないのです。
2011年3月11日に福島第一原子力発電所は地震と津波に襲われて、原子炉が溶け落ちてしまうというほどに破壊されてしまいました。原子炉建屋もタービン建屋もそれらを結んでいる地下のトンネルのような構造物も、いたる所でもうひび割れていたはずなのです。そして、そういう所に放射能で汚れた水が溜まっていましたから、その時点からすでに海に向かって汚染水というものは流れ出ていたのです。
福島第一原子力発電所2号機取水口脇ピット 撮影日:2011年4月2日
今回の場合は、2号機の屋上に溜まっていたものが、雨が流れてきて海へ流れたということなのですけれども、そんなものは言ってみれば些末な話なのであって、私自身は改めて驚くとかいうことは全くありませんでした。
今西:
東京電力ですね、この事を1年以上前から分かっていながら公表しなかった。もう相変わらず隠し通す隠ぺい体質、変わりませんねえ。
小出さん:
これも特別改めて考えはありません。東京電力という会社は、元からそういう会社でした。東京電力だけでなくて、他の電力会社もそうですし、原子力全体が隠ぺい体質の下で動いてきました。
今西さんご自身が、『原子力ムラの陰謀』というような本をお書きになって、その中でこと細かく彼らのやり方というのを書いて下さっているわけで、ほんとに驚き、呆れるほどに隠ぺい体質の強い世界でした。それは、福島原子力発電所の事故以降も変わっていませんし、今現在、それが続いているということだと思います。
もともと私は、東京電力は福島第一原子力発電所の事故を引き起こした重大な責任がある会社なわけですし、むしろ犯罪者だと、ずっ発言を続けています。その犯罪者に、情報の全てを握らせたままきちっと報告してくれると期待する方がむしろ間違えているんだと、皆さんにも考えて頂きたいと思います。
今西:
日本人はとかく悪い人はいない性善説的な考えをするのですが、やはり私も今回のことを見てて、東京電力ですとか原子力ムラというのは性善説ではあかん、性悪説ということで、悪いことをしてるという前提で考えなあかんなあと思うんですが、そんな中、地元の住民の方々とか漁師さんなんかの信頼も失ってしまいましたよね。
小出さん:
もちろんそうですね。ただ今回、それが初めて信頼が失われたということとは、私は違うと思います。これまで東京電力は、福島第一原子力発電所も含めて、原子力発電所は大きな事故を起こさないとずっと言い続けてきたわけですし、
漁業者の方もなんとかそれを信じようとしながらここまで来たわけですけれども、残念ながら、すでに4年前に福島第一原子力発電所の巨大な事故が起きてしまったわけですし、もう漁業者の方から見れば、信頼は完璧に失われたという、そういう事態になっているはずだと私は思います。
週刊女性自身 (2015年3月24日号)より
今西:
今回の汚染水の海への漏出、これは法的に問題になる、違反するというところはないんでしょうか?
小出さん:
完璧に違反します。ただし2011年3月11日に、原子力緊急事態宣言というものが出されたのです。今は緊急事態なので、これまでの法律というものは守ることができないと、政府自体が宣言をしているわけです。その宣言は、4年経った今も撤回されていませんので、政府の方は法律を守る気がさらさら初めからないという、そういう状態になってしまっているのです。
なんか日本の皆さんは、福島の事故がどんどん収束に向かっているというふうに思われるかもしれませんが、全くそうではなくて、政府自身が自分が出した緊急事態宣言を未だに撤回できないという、そういう危機が続いているのです。もう法律なんかもうこの分野では全く守ることができないという状態に、今現在もなってしまっています。
今西:
なるほど。分かりました。小出さん、ありがとうございました。
農業だけじゃない! 危ないTPPの罠
(ラジオフォーラム#119)
https://youtu.be/TMQhbd3LRNw?t=16m46s
16分46秒~第119回小出裕章ジャーナル
核のゴミをどうするか「原子力を進めてきた人達は、いつか何とかなるさと思い続けて、ここまで来てしまったのです」
http://www.rafjp.org/koidejournal/no119/
石井彰:
今日のテーマはですね、「核のゴミ対策が再稼働の条件」ということなんですけれども、経済産業省は核のゴミを地中に埋めても、将来掘り起こすことができるようにするということなんですが、これは一体どういうことを意味しているんでしょうか?
小出さん:
はい。核のゴミというのは消せないのですね、人間の手で。だから仕方ないので、いわゆる私達の生活環境から隔離しようということになっているわけです。そのため、300メートルあるいは1000メートルのような深い穴を掘って、その底に埋めてしまおうという、そういうのが今、日本の国の計画なのです。
しかし埋めてしまって、一体何年間そこの場所にじっとしていてくれればいいのかと言うと、100万年という時間なのです。そんなものは、現在の科学で保証できる道理がないわけであって、本当は埋めるなんてことはやってはいけないわけです。
私も国の方とずっとそういう喧嘩を続けてきたわけですけれども、彼らとしても100万年はやはり保証できないだろうということで、上手くいかなくなったら、やはり掘り出せるということにしなければいけないと、彼ら自身が思い始めたというか、やはりそうしないと、住民を説得できないというところに来たのだと思います。
石井:
国の対応は今後どういうかたちで、まず場所をどこにするかという選定が難しいと思うんですが。
小出さん:
はい、そうです。日本全国には17ヶ所、原子力発電所は建てられてしまったわけですけれども、建てられた所というのは、地域の経済が崩壊して、もうどうにもならなくなって、原子力発電所を受け入れてしまうということが、原子力の歴史でした。でも、この核のゴミだけは、どこも受け入れ手がないということで、ずっと探してきたのです。
調査さえさせてくれるならば、10億円あるいは20億円やるから、とにかく手を挙げてくれということをやってきたのですが、このゴミに関する限りはどこも引き受け手がないという状態が、今日まで続いてきてしまいました。
石井:
小出さんね、世界中でこういういわゆる、核のゴミの最終処分場というのが、立地が決まっている国ってあるんですか?
小出さん:
基本的にはないと思ってください。一応、フィンランドとスウェーデンで立地が決まったということになっていますけれども、本当にこれから上手くいくのかどうかということは不透明です。
スウェーデン核燃料廃棄物管理会社(SKB)
石井:
とするととりあえず、世界中で核のゴミが宙に浮いているって言ったらいいでしょうか? 変な言い方ですが。
小出さん:
そうです。もともとは、核のゴミをいつか消せるだろうと、科学が何とかしてくれるだろうという期待のもとに、原子力発電というものを進めてきたのですが、70年ぐらい核のゴミを消そうという研究を続けてきたけれども、やはり消せない。
そうなると、どっかに隔離するしかないということは、もう世界中が覚悟はしているのですけれども、でも、その隔離する場所がないということで、どこも決定的な作業が始まっていないということになっています。
石井:
もうすでに出てしまっている核のゴミがたくさんありますねえ?
小出さん:
はい。
石井:
それの行き場が決まらないということは、これ以上、核のゴミを出してはならない、増やしてはならないというふうに僕らは素直に思うんですが。
小出さん:
私も素直に思います。自分で始末の付けるやり方も分からないようなゴミは、まずは生まないということにしなければいけないのですが、原子力を進めてきた人達は、いつか何とかなるさと思い続けて、ここまで来てしまったのです。
日本という国では、1966年から原子力発電というものを始めたのですが、今日までに広島原爆に換算すると、120万発から130万発という核のゴミをすでにつくってしまっているのです。
トイレのないマンション 小出裕章さん NO NUKES
https://youtu.be/RyiedwjGoKM
石井:
ただし現実に、もうすでに出てしまっている核のゴミをどうするかという大変難しい問いをですね、小出さんに答えろというのは酷なんですけれども、どうすべきだとお考えですか?
小出さん:
基本的には、私は、どうしたらいいかが分からないから原子力はやめるべきだという立場ですので、まずは、これ以上はやらないということはもちろんです。
つくってしまった物に関しては、現在の科学では解決策が見つからないので、仕方ないので私達の黒い目で監視ができるような場所に、保管を続けるしかないだろうと、私は思っています。
石井:
となると、当然、地上で?
小出さん:
そうです。地上に保管施設を造って、そこで、これもおかしいですけれども、科学がもう少し発展することを待つということしか多分できないと思います。
石井:
なるほど。ありがとうございました。
小出裕章講演会@石垣島2015/3/21
https://youtu.be/WZR2JTODb5Q
「原発事故から学ぶ~万一の台湾原発事故にどう備えるか~」
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章氏講演会
2015年3月21日(土) 石垣市民会館中ホール
<台湾の原子力発電>
~もし台湾で原発事故が起きたら~
小出裕章氏3/21石垣島講演(文字起こし)
(みんな楽しくHappy♡がいい♪)2015/04/21
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-4208.html
元京都大学原子炉実験所助教小出裕章氏・外国特派員協会記者会見
https://youtu.be/DrLFNQpsv_g
<福島原発事故>今も緊急事態宣言は解除されていない~
「もし、私が安倍さんであれば、まず真っ先にやることは子供たちを汚染地帯から避難させるということです」
小出裕章氏4/25日本外国特派員協会(全部文字起こし)
(みんな楽しくHappy♡がいい♪)2015/04/27
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-4220.html
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116~119回小出裕章ジャーナル 「原子力」は「差別」の問題
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