フォークソングから、戦争と平和を考える(ラジオフォーラム#84)
http://youtu.be/cDiWry2_0ks?t=3m09s
3分9秒~第84回小出裕章ジャーナル
放射性物質飛散量1兆ベクレルの意味とは?
「一般の人達が1年間にそれ以上とってはいけないというセシウムを700万人分放出したということです」
http://www.rafjp.org/koidejournal/no84/
石井:
今日は、小室等さんにも加わって頂いてお話を進めさせて頂きます。
小室等さん:
一緒に話伺います。宜しくお願いします。
小出さん:
ありがとうございます。宜しくお願いします。
石井:
今日は、東京電力の福島第一原子力発電所で、がれきの撤去作業で飛散した放射性物質が、東京電力の発表ですけれども、「1兆ベクレルを超える放射性物質が、がれきの撤去の作業で飛散した」との推定結果を明らかにしました。このニュースを聞いて、まず小出さんどんなことをお感じになられましたか?
小出さん:
はい。改めて福島第一原子力発電所の事故の過酷さというものを思いました。
石井:
それで、私達はどうしても1兆ベクレルという言葉が、そのすごさが分からないんですよ。
小出さん:
当然でしょうね。
石井:
どう説明したらいんでしょうかねえ。
小出さん:
はい。例えばですが、この1兆ベクレルの主成分はセシウムの137だと私は思いますが、普通の皆さんは、「1年間に1ミリシーベルト以上の被ばくをしてはならない」と法律で決められています。
4 規則第十九条第一項第二号ハ及び第五号ハに規定する線量限度は、実効線量が四月一日を始期とする一年間につき一ミリシーベルトとする。
では、そのためには、セシウム137を呼吸で体の中に取り込むのをどれだけに制限しなければいけないかというと、15万ベクレルです。
それで、今東京電力は1兆1千億ベクレルをこの期間に放出したと言ってるわけですけれども、それは計算して頂けたら、皆さんお分かり頂けると思いますが、700万人分の許容量になります。
ですから、この東京電力ががれきを撤去してるという作業のために、一般の人達が1年間にそれ以上とってはいけないというセシウムを700万人分放出したということです。
石井:
なぜ、これだけ飛散したと。原因は何だと、小出さんはお考えになってらっしゃいますか?
小出さん:
はい。このがれきの撤去というのは、3号機の一番最上階の部分がもの凄く破壊されているのですが、そこの破壊された部分を撤去しない限りは、3号機の使用済み燃料プールというプールの底に沈んでいる超危険な燃料を片付けることすらが出来ないのです。
ですから、なんとしてもこの3号機の破壊された最上階を綺麗に片付けるということは必要なのです。
もちろん東京電力もそのことを十分に認識しているが故に、超危険な作業であったとしてもやらざるを得ないということで、壊れてしまった3号機の最上階という部分を、人為的にまた壊しながら撤去するという作業をしたのです。やむを得ない作業だと思います。
石井:
この発表と同時に、「福島第一原発では、現在も1時間当たり平均で1000万ベクレルの放射性物質が放出されていると見られる」というような事も報道されました。これは、ほんとに素人考えですみません。止める事というのはできないものなんでしょうか?
小出さん:
残念ながらできません。
石井:
何か手立てというのは・・・。
小出さん:
最終的には、今壊れてしまっている原子炉を全て綺麗にどこかに片付けるというやり方か、あるいは、今壊れてしまっている物を、昔、旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所でやったように、大きな石棺というような物で完璧に覆ってしまうという、どちらかしかありません。
石井:
あの、建屋カバー全体を覆うというような構想は何か見送られそうですね。
小出さん:
はい。まずは、全体を覆ってしまうと、今現在、使用済み燃料プールの底に眠っている状態の使用済み燃料を片付けることができなくなりますので、何と言っても、まずは使用済み燃料プールの底にある燃料を少しでも危険の少ない場所に移すということは必ずやらなければいけないのです。
今は、まず4号機という、比較的汚染の少ない原子炉建屋から使用済み燃料プールを隣の共用燃料プールという所に移しているのですが、それが今年中に終わるのか、あるいは来年までかかってしまうのかよく分かりません。その上で、1号機、2号機、3号機という所にも使用済み燃料プールがあるわけで、そこから燃料を片付けなければいけないのです。
でも、今聞いて頂いたように、3号機の原子炉建屋をとにかく片付けるというためだけにでも、猛烈な放射性物質を環境にまき散らさなければできないという状態になっているわけです。
1号機もやらなければいけない。2号機もやらなければいけない。
そして、ようやく片付け終わった建屋の中で、使用済み燃料プールから使用済み燃料を移動させるという作業が出来るようになるのですが、それに、また何年かかるか分からないという作業なのです。
それが終わった段階で、初めて既に溶け落ちてしまって、今はどこにあるか分からない燃料を掴み出すことが出来るかどうかということを考え始めるわけですし、それができないなら建屋全体を覆うしかないという選択になるわけです。でも、そんなことを考えることはできる地点まで辿り着くまでに、何年かかるのか分からないという、そういう状態なのです。
小室さん:
つまり、今石井さんが言ったように、僕ら1兆ベクレルがどういうものかも分からないままいるわけですけれども、一番みんなの心配は、もちろん福島に住んでる方も、あるいは海外に住んでる方も、あるいは日本中に住んでいる方も、一体自分達がどのくらい危険な状況にさらされているのかということを実は知らないままどうもいるということですよね?
小出さん:
要するに、国が教えないでいようと決めているわけです。
小室さん:
それで新聞報道等で、うっかりなんか「放射能が放出してしまった」とか「水に流れてしまった」とかと言うんですけれども、どうも小出先生のお話を聞いていると、あれだけの専門家が集まってやってるわけですから、やってることについては、「知らなかった」なんていう方はどうもあり得ない、みんな分かってやっているというふうに思うんですけれどどうでしょうか?
小出さん:
そうです。分かっているけれども打つ手がないのです。
小室さん:
そうすると、僕達つまり一般市民はそれをどのくらい危険かという、そのことは、もし本当に知らされたら青ざめてしまうようなことかもしれなくても、それを一般市民の人達一人ひとりが知った方がいいと思いますか?
小出さん:
私は、必ずそうだと思います。この世界は大変苦悩に満ちているし、不幸性に満ちた世界ですけれども、事実を知るということは何よりも大切なことだと私は思ってきましたので、どんな辛い事実であっても、知るべきだし知らせるべきだと思います。
小室さん:
それでなければ、個人という自分の人生を自分で決めることは出来ないですよね?
小出裕章: そうなのです。事実を知らなければ、自分で判断が出来ませんので、私は、何よりも一人ひとりの個人、今小室さんがおっしゃった個人という存在が何よりも大切だと思いますので、その一人ひとりの個人がきちっと自分の人生を選択できるように、情報を与えるということは必ず必要だと思います。
小室さん:
そのことを政治の世界まで届けるための方法というものを僕が小出先生に伺うのは、もう本当に無責任な話だと思うんですけど、先生はそのこと実践して、自分で出来ることをおやりになってるんだろうと思うんですけれども、まず、一般市民はどうすべきですかね?今、この事を前にして。
小出さん:
よく分かりません。大変申し訳ないけど、私はもう政治には絶望しきってしまっていて、「政治には関わらない」と公言してきました。ただ、福島第一原子力発電所の事故が起きてしまって、大変な苦難が、今現在私の目の前に広がっていますので、その事実を少しでも皆さんに伝えるということだけ、私はやりたいと思っています。
皆さん、お一人お一人に何が出来るか私にはよく分かりませんが、事実から目を背けずに、周りの人にも知らせて頂ければありがたいと思います。
小室さん:
石井さん、僕はね先生の貴重な時間を使って無駄な質問をしてしまったけど、僕ら、小出先生からとにかく情報を、僕らには手に入らない、小出先生であるが故に手に入る情報をたくさん先生からもらうことだなというふうに今思いました。
http://youtu.be/typasj2pCgU
小出さん:
とんでもない。情報は石井さん達がせっせ、せっせと集めて下さってる訳ですし、私はそのデータの意味を皆さんにお伝えする責任があるだろうと思っていますし、むしろ、そんな意味で言えば、小室さんこそが事実に向き合って、小室さんの才能を発揮して、歌で歌って下さるわけですから、大変私は有難いと思っています。
小室さん:
とんでもないです。
石井:
どうも小出さん、今日はありがとうございました。
小出さん:
ありがとうございました。
小室さん:
ありがとうございました。
怖くなる!知られざる放射能汚染
http://youtu.be/JSxFgOT4wZo
吉川晃司 東京の放射能汚染は危険!自衛策は?
「KIKKAWA KOJI LIVE 2013 SAMURAI ROCK BEGINNING」についても語る!
http://youtu.be/Gi-QLWzH0Zs
フクシマの桃源郷 花見山 放射能測定
http://youtu.be/_8LlHvNtnzM
フクシマの桃源郷と呼ばれる「花見山」。今年は26万人もの観光客が訪れた。除染された広場におかれている、モニタリングポストの数値は、0.27マイクロシーベルト。しかし、花見山の中は、ほとんど除染は行われていない。山の中の放射能を測定してみると、モニタリングポストの「数倍」の数値が測定された・・・。花見山測定の様子を紹介した、短編(5分)のドキュメント映画。
(放射線管理区域)
1.3mSv/3月 ÷ 90日 ÷ 24時間 ≒ 0.602μSv/h
(年間公衆被曝限度)1mSv/年 = 1000μSv/年
÷ 365日 ÷ 24時間 ≒ 0.114μSv/h
除染目標 事実上の緩和 個人線量重視まやかし
(東京新聞【こちら特報部】)2014年8月7日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014080702000138.html
環境省は、福島第一原発事故による放射能汚染の除染で、空間線量で毎時〇・二三マイクロシーベルトとしてきた目標について、個人が浴びる被ばく線量を重視する新たな方針を示した。除染しても目標値を達成できない地域が相次いだために、効率化を優先した事実上の基準緩和だ。住民の不安払拭(ふっしょく)には、ほど遠い。
(榊原崇仁、上田千秋)
正確な計測は困難
「除染目標の緩和は住民の安全確保に逆行した動き。そもそもちゃんとした見直しの根拠があると思えない。数字のごまかしには、絶対だまされない」。福島県伊達市の主婦島明美さん(44)は憤る。
中学生の子ども2人を持つ島さんは、既に自宅の除染をしたが、周辺の空間線量は毎時0.4~0.5マイクロシーベルトまでしか下がっていない。
環境省は、個人線量計を重視した除染の方針を示した。個人線量計を基に調査した被ばく線量で換算すると、年間の追加線量が1ミリシーベルトとなるのは、空間線量で毎時0.3~0.6マイクロシーベルトの場所が多かった。この数値にあてはめれば、「除染は今後不要」と判断されかねない値だ。
環境省の個人線量を重視した方針転換は、住民の感覚とはかなりずれている。住民に個人線量計を常に持ってもらい、一人一人の被ばく線量を正確に把握するのは極めて難しいからだ。
伊達市は2012年7月から1年間、全市民に個人線量計を配って被ばく線量を測定する調査を行った。全人口の約8割に当たる5万2000人余りが協力したことになっている。
高校1年生の女子生徒(15)は「持ち歩くのは面倒くさい」と語る。個人線量計は「首からぶら下げて」と指示されたが、自宅の机の上が定位置だった。女子生徒の被ばく線量を測るというより、机の上の線量を調べていたのが実際のところだ。
別の高校1年の男子生徒(15)は通学用のかばんの中に入れていたが、かばんを持ち歩くのは平日のみで、週末は自宅に置きっ放しになっていた。
「ずっと車の中に置いていた」と話す主婦(73)もいるが、車に乗るのは買い物の時ぐらいだ。
モモ農家の男性(64)は日中、屋外で農作業に汗を流しているが、「個人線量計を首から下げるのは仕事の邪魔になる。だから一日中、家の中に置いていた」と話す。
夫婦2人暮らしの主婦(62)は、自宅の軒下に2人分の個人線量計をぶら下げていたという。
環境省の新たな方針は、同省と福島、郡山、相馬、伊達の4市でまとめた勉強会の中間報告の中で示された。
中間報告では、4市の住民計7万人余りに1カ月~1年の間、個人線量計を持って生活してもらったところ、年間の追加被ばく線量が推計1ミリシーベルトになるのは、空間線量が0.3~0.6マイクロシーベルトの地域に住んでいる住民が多いことが分かったとする。
住民を無視 帰還ありき 「国の本音は無駄金削減」
政府はこれまで、長期の除染目標を、年間追加被ばく線量1ミリシーベルトと規定。一定の生活パターンを想定して1時間当たりの空間線量を算定すると、毎時0.23マイクロシーベルトになることから、これを各自治体が除染目標としてきた。中間報告では「被ばく線量は生活パターンによる差異が大きい。空間線量率に基づく除染による対応のみでは、被ばく線量低減に結び付かない」とし、個人被ばく線量に基づいた除染に転換すべきだとした。
福島市で1日に会見した井上信治環境副大臣は「個人線量を基準とすることで、きめ細かい対応ができる。除染を加速し、復興を進めたい」と強調した。
伊達市の仮設住宅に避難している渡辺計・飯舘村議(56)は「なぜ4市の意向だけで国が動くのか。住民の意向というより、役所の要望にしかすぎない。除染しても線量がなかなか下がらないから、数字のごまかしを国に促したとしか思えない」と切り捨てる。「国も『除染しても無駄』『無駄金は使いたくない』と考えたのだろう。まったくふざけた話だ」
全村避難する飯舘村の住民が抱くのは、単に「いいかげんな除染が横行する」という危惧だけではない。
伊達市の仮設住宅で暮らす村民の女性(60)は「国は除染を無理やり終わらせ、早く帰還させようとしているに違いない。これ以上、除染にも避難にもカネを出したくないというのが本音のはずだ。彼らにとって私たち避難者の意向は二の次、三の次。会議室の中、テーブルの上で都合良く話を進めているだけだ」と怒りを口にした。
中間報告は「毎時0.23マイクロシーベルトは、年間1ミリシーベルトを単純に1時間当たりの空間線量率に置き換えただけで、国が目標として定めた数字ではない。これまで訂正する説明や周知が不足してきた」とも記している。
環境省除染チームの玉谷雄太参事官補佐は「あくまで4市との勉強会の中間報告で、除染や放射線防護に関する知見を示した。誤解されているが、年間1ミリシーベルトという基準を変更する考えはない」と話す。
とはいえ、環境省が、新たな考えを示せば、各市町村とも「0.3~0.6マイクロシーベルト」という数字に引きずられかねない。
国際環境NGO「FoE Japan」の満田夏花(みつたかんな)理事は「これまでの環境規制のあり方を根底から覆す発想だ」と話す。
大気汚染や、工場から排出されるばい煙などの基準を決める際、これまで国や自治体が根拠としてきたのは空間の濃度だ。「個人の管理を前提とした基準など、これまではなかった。個人の責任にするようなやり方が許されるのか」と疑問を呈す。
満田氏は「毎時0.23マイクロシーベルトは最低でも堅持すべきラインだ」と説く。
「その上で土壌汚染の対策や、健康調査をする範囲を広げるかどうかといった点を考える必要がある。そもそも今回の中間報告には、最大のステークホルダー(利害関係者)である住民の意見が反映されていない。住民のためになるとはとても考えられない」
『舞鶴でいきていく?』作家 広瀬 隆さん 2014.08.02
http://youtu.be/1TW4Z2Dcl_s
舞鶴で生きていく?
ー8.2福島の現実をもとに若狭の原発を考える集い in 舞鶴ー
http://www.greenaction-japan.org/modules/wordpress/index.php?p=705
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小出裕章先生:どんな辛い事実であっても、知るべきだし知らせるべきだと思います
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