平成26年度 第17回原子力規制委員会 (平成26年7月16日)
https://www.youtube.com/watch?v=WyaYtZlnwVo&feature=youtu.be&t=1h30m40s
川内原発、審査で安全性担保せず 原子力規制委員長
(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201407/CN2014071601001601.html
原子力規制委員会の田中俊一委員長は16日の記者会見で、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)が再稼働の前提となる審査に事実上合格したことについて「基準の適合性を審査した。安全だということは申し上げない」と述べ、審査は必ずしも原発の安全性を担保したものではないとの認識を明らかにした。地元首長は安全と受け止めており、再稼働に向け地元が受け入れを判断する際に認識の差が課題となりそうだ。
田中氏は会見で川内原発について「一定程度安全性は高まったことは評価するが、これはゴールではない。九電はますます努力する必要がある」と説明した。
2014/07/16 20:28
<川内原発>基準地震動引き上げ…裏に九州電力のお家事情
毎日新聞 7月16日(水)22時30分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140716-00000157-mai-soci
九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)が16日、国の新規制基準に適合する初の原発となったのは、想定する最大の地震の揺れ「基準地震動」を、原子力規制委員会の審査会合の求めに応じ、速やかに引き上げたことが大きい。背景には、九電の財務状況の厳しさがあり、「優先審査」入りを確実にし、早期再稼働に道筋をつけるために決断したという側面が否定できない。両者が耐震性についてどこまで考え抜いた審査書案なのか、疑問が残る。【寺田剛】
「我が国では震源を特定できない地震が起きていることを考慮し、620ガル(ガルは加速度の単位)を基本に耐震設計をしていただくことになった」。審査書案が示された16日、田中俊一委員長が、こう説明した。
審査を優先する原発を絞り込む方針を規制委が示したのが2月19日。規制委はこれより前、震源が特定できない2004年の北海道の地震を考慮して基準地震動を策定するよう各社に求めていた。
基準地震動を引き上げると、耐震化工事も増えるため、各電力の対応は慎重だった。そうした中、九電は3月5日の審査会で突然、当初申請した540ガルから620ガルへの引き上げを表明した。規制委が想定した計算式による数値も上回るもので、規制委の担当者は「九電の意識が高かった」と評価する。
一方、九電幹部は「他社より結論を急ぐ必要があった」と話し、科学的な判断よりも、財務面の事情が大きかったことを明かす。
震災前、国策に沿って原発依存度が約4割と高かった九電は、原発停止で財務状況が急速に悪化した。10年度末に1兆円近くあった純資産は、14年1月末に3828億円まで減少し、債務超過に陥る懸念も出ていた。
基準地震動を引き上げなければ、規制委への説明に必要なデータ抽出に数カ月かかる。「優先原発」から漏れると、金融機関などからの資金調達に支障をきたす可能性も考えられた。電気料金の再値上げも、社内で検討が続いていたが「景気腰折れを懸念する国から(再値上げは)事実上封じられていた」(九電幹部)。結局、基準地震動の引き上げは「規制委の指示に従うしかなかった」と幹部は本音を漏らした。
終わらない原発事故と「日本病」
http://www.shinchosha.co.jp/book/322322/
柳田邦男/著
人間の命を守るべきこの国の社会システムは、完全に崩壊した――。
水俣病、日航機墜落事故、阪神・淡路大震災……数多くの災害・事故現場を廻って半世紀。「生涯現役取材者」を貫く著者が明らかにする、わが国を覆う安全軽視の病魔の正体とは――。また、その病魔が最悪の形となって現れた東京電力福島第一原発事故を、政府の事故調査・検証委員会の一人として徹底検証する。
川内 再稼働審査大詰め 噴火予知「できない」
(東京新聞【核心】)2014年7月14日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2014071402000106.html
再稼働へ向けた九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)の審査が大詰めを迎えている。周辺には火山が集中し、原発が制御不能になるほどの巨大噴火も心配されている。原子力規制委員会と九電は「巨大噴火は起きない」「万一のときは予知して対策を取る」として、直接的な被害は想定していない。しかし、火山の専門家からは、肝心の予知が「不可能だ」と批判の声が上がっている。
(加藤裕治)
◆教訓
噴煙を上げる鹿児島市の桜島。ふもとの市立東桜島小学校に立つ「桜島爆発記念碑」には、死者・行方不明者58人の大正大噴火(1914年)の教訓が刻まれている。
「測候所は『噴火しない』と答えたが、間もなく大爆発した。信頼した知識階級が災害に巻き込まれた」「理論を信頼せず、異変があったらすぐに避難準備をすることが大切だ」
ところが九州電力は、桜島から北西に約50キロの川内原発は「予知」で惨事を逃れられるとしている。
周辺の「姶良(あいら)」「加久藤(かくとう)・小林」「阿多」「鬼界」「阿蘇」の5つのカルデラ(巨大噴火でできた穴)は、再び巨大噴火が起きる可能性がある。原発から40キロと近い姶良は約3万年前の巨大噴火で「火砕流」が発生し、時速100キロで100キロ先まで達し、噴火後の活動で桜島ができた。
火砕流が直撃すると、原発の多くの施設が壊れ、運転員も死ぬ。再稼働を判断する新規制基準では、影響を否定できない限り、運転を認めていない。
審査で九電は「原発の運転中に巨大噴火が起きる可能性はほぼなく、心配ない」と主張。万が一に備え、「衛星利用測位システム(GPS)の観測などで予兆を察知し、事前に核燃料を安全な場所に移送する」という対策も示した。
規制委の田中俊一委員長も「10年以上前から巨大噴火の兆候は見える。対応は可能であろう」と語った。
◆直前
本当に予知できるのか。火山噴火予知連絡会(噴火予知連)会長の藤井敏嗣(としつぐ)東大名誉教授は6月3日の記者会見で「いくつかの火山では経験則に基づき、予知できるようになった。しかし(マグマの動きをつかみ、いつ噴火するか科学的に解析する)物理モデルに基づく予知はほとんどできていない」と指摘した。
経験則による予知とは過去の観測データをもとに群発地震や地盤の隆起などの前兆から噴火を察知する。2000年の有珠山(北海道)、三宅島(東京都)が成功例とされる。だが、明確な前兆が表れるのは噴火の数日から数時間前。予知できても直前だ。11年の新燃(しんもえ)岳(宮崎県)は前兆がないまま噴火した。
◆根拠
巨大噴火は、さらに予知が困難というのが専門家の見方だ。桜島の研究に長年携わってきた噴火予知連副会長の石原和弘京大名誉教授は「予兆を10年前にキャッチできるなんて、私には信じられない」と話す。
予知に成功した火山は数十年のサイクルで噴火しているが、巨大噴火は最新でも7300年前。科学的な観測データはなく、前兆も分からない。
石原氏は九電が噴火の危険がないとする根拠も「解釈が都合良すぎる」と批判。申請書では、長期間噴火していないカルデラは「マグマの供給は止まった」とし、噴火後の期間の短いものは「マグマがたまっていない」とする。それを審査する立場の規制委も、火山学者の意見をほとんど取り入れていないという。
石原氏は警告する。「予知を所管する気象庁にすら当初は相談がなかった。火山学者としては、今の監視体制と火山学の知識では、原発運用に役立つ予知はできない。ちょっと待てと言わざるを得ない」
【カルデラ】
噴火でできた大きな陥没火口。九州や北海道など各地に点在し、国内では1万年に1回程度、「破局的噴火」とも呼ばれる巨大噴火を起こしている。大量の火山灰を降らせ、火砕流の被害は半径100キロ以上に及ぶことがある。最新の巨大噴火は鹿児島県沖の鬼界カルデラの7300年前。噴火の被害で南九州の縄文文化が途絶えたとされる。
「迫り来る大地震活動期は未曾有の国難である」
衆議院予算委員会公聴会で石橋教授が原発震災を強く警告(全文)
【衆議院予算委員会公聴会(2005年度総予算)】2005年2月23日
http://www.stop-hamaoka.com/koe/ishibashi050223.html
より
前略
結局私は、現在の日本の国土とか社会の情勢、非常に地震に弱くなっていて、例えば地方の小さな山村とか地方都市もですね、地震に襲われた時、本来はそこが自立して、完結して、震災後の対応をしなければいけないんですけども、そういうことができないような状況になっている。
ということで、私たちの暮らし方の根本的な変革が必要ではないかと考えています。これは決して地震とか自然災害に対して受け身、消極的にやむを得ずやるのではなくて、これ以外のあらゆる問題に通じると思います。
現在、まあ日本でも世界でも二十一世紀の非常に大きな問題でありますエネルギー、食糧あるいは廃棄物、環境、そういった問題にすべて通じることである。で、あの私の前の話の地方分権にも通じることだと思います。
そもそも日本列島に居る限り、地震と共存する文化というものを確立しなければならない。つまり、従来は自然と対決する文明で、それに対して最新技術でもってバックアップしようという考え方でしたけれども、自然の摂理に逆らわない文明というものを我々は作っていかなければならないと思います。
要するに開発の論理、あるいは効率、集積、利便性の論理、それから東京一極集中、都市集中の論理、そういう物をやはり見直してですね、保全とか小規模、多極分散、安全と落ち着き、地方自立、国土の自然力と農村漁村の回復、といったようなことをキーワードにして、根本的な変革が必要であると、まあその地震災害を考えると、私は強く思います。
なお、原子力発電所に関してはですね、これはまあいろんな他の問題もあるわけですけども、本当に危険でありまして、浜岡だけではありません。例えば若狭湾に十三機の商業用原発がありますけれども、ここも地震の危険性が高いところであります。で、そういうことからして、全国の原子力発電所の原発震災のリスクというものをきちんと評価してですね、その危険度の高い物から順に段階的に縮小する、必然的に古い物から縮小されるということになると思いますので、そういうことを考えない限り、大変なことが起こって、まあ世界が一斉に救援に来て、同情してくれるでしょうけども、逆に世界中から厳しい非難を浴びるということにも成りかねないわけで、こういうことを急いでやることは日本の責務だろうと思います。
Global earthquake activity since 1973 and nuclear power plant locations
八重山地震 - Wikipedia
八重山地震(やえやまじしん)とは1771年4月24日(明和8年3月10日)午前8時頃に発生した地震、大津波。推定マグニチュード7.4-8.0。津波により先島諸島(特に八重山列島)が大きな被害をうけた。そのため、元号を取って明和の大津波ともよばれる。
津波
震害はなかったが、地震により大津波が発生し、宮古・八重山両列島で死者・行方不明者約12,000人・家屋流失2,000戸以上という惨事になった。石垣島では潮が引いて青、緑、紅、紫熱帯色の色彩眩き大小の魚がサンゴ礁の根株の下に跳躍し、婦女、小児がこれを捕えているところに、しばらくして東方洋中に二条の暗雲が立ち込め、砕けて激しき暴潮漲溢が弃馬の如く狂い、繰り返し襲って来た(『ひるぎの一葉』。
八重山では死者9400人あまり、生存者18607人で、14の村が流され、住民の3分の1が死亡している。耕作可能地の多くが塩害の影響をうけ、農作物の生産が低迷。飢饉と疫病などにより明治時代初頭の人口は地震前の1/3程度にまで減少した。津波発生の翌年六月初ごろより、疫癘の流行が白保村から始まり、環境衛生が極度に悪化して伝染病が流行したと推定され、古老らによって「イキリ」と伝承されているが、これは疫痢のこととされる(『奇妙変異記』)。
石垣島における津波の最大遡上高は、『大波之時各村之形行書』の記録によれば宮良村で「二十八丈二尺」(85.4メートル)に達し、石垣島を縦断したとされており、日本最高の遡上記録とされる。しかし、実際の数値はその半分程度だったと考えられ、当時の測量精度や被害地点の標高、数値計算の結果などから、遡上高の最大は石垣島南東部で30メートル程度とする説がある。多良間島の津波の遡上高は18メートル程度と推定されている。宮古島北西にある下地島など地域の島の高台には津波で打ち上げられたと伝えられている帯岩などの巨石(津波石)が残る。島が一つ津波に飲み込まれて消えたという伝承があるが真偽は不明。
下地島の帯岩。八重山地震の津波で打ち上げられたとされる。
第1原発・津波試算「資料あった」 国一転、存在認める
(福島民友)
http://www.minyu-net.com/news/news/0716/news7.html
東京電力福島第1原発事故で県内外の被災者約2600人が国と東電に原状回復や慰謝料を求めた「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟の第7回口頭弁論は15日、福島地裁(潮見直之裁判長)で開かれた。争点の「国と東電が第1原発の全交流電源喪失をもたらす津波を予見できたかどうか」の証拠になり得る津波の試算報告書について、「資料が現存せず確認できない」としていた国側は一転、「電力会社から提出された資料があった」と試算報告書の存在を認めた。
国側が提出した資料は1997(平成9)年に電力会社が国に提出したとみられるもので、試算された第1原発の津波の高さは敷地高10メートルに近い9.5メートルとされ、「冷却水取水ポンプモーターのレベルを超える数値で、余裕のない状況」と記載。次回は9月16日午後3時から口頭弁論を行う。
(2014年7月16日 福島民友ニュース)
http://youtu.be/UsMWbuwU93w
原発事故「怠惰な国民のせい」
自民議員が責任転嫁発言
衆院復興特
(しんぶん赤旗)2011年10月6日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-10-06/2011100602_03_1.html
原発事故の遠因は日本人の怠惰な生き方――。5日の衆院震災復興特別委員会で、こんな珍説が飛び出しました。発言したのは自民党の額賀福志郎議員で、「都合の悪いことは聞きたくない、危険なことは見たくない、できるなら楽をしたいという戦後(日本)の社会的な生活感覚、怠惰な生きざまが遠因になった」と述べました。
「安全神話」にどっぷりつかって重大事故を招いた自民党政権の責任に反省もなく、“国民性”に責任を転嫁するとは開いた口がふさがりません。
もう一人、無反省ぶりをさらしたのが同党の西村康稔議員。「電力不足への不安が企業の海外移転を加速している。『来年の夏までに』なんていっている場合じゃない」と早期再稼働を督促しました。「海外移転」を口実に原発「再稼働」を急がす財界にいいなりの質問で、政権から転落しても抜け出せない体質のようです。
原発輸出についても西村氏は、世界では496基の原発建設計画があるとして、政府が積極的に売り込むよう求めました。福島原発事故の収束さえできていないのに、これまた財界いいなりぶりを際立たせました。
野田佳彦首相も、事故原因の究明もまともな規制機関もないのに再稼働を進めていく考えを表明。原発輸出についても「原子力協定を結んでいる関係国との信頼関係を踏まえて協力していく」と応じました。 (吾)
忌野清志郎 ~ 善良な市民 (音のみ)
http://youtu.be/wyFbtwp_ggk
専門家の意見を無視し、世界最大級原発耐震テスト設備は小泉政権下で売却、スクラップにされていた
http://voicevoice.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-e098.html
より
世界最大級原発耐震テスト設備であった四国の香川県多度津工学試験所が、専門家の意見を無視した小泉・竹中政権によって“国費の無駄”と称して、郵政民営化選挙のあった2005年9月に強引に廃止していた
破局噴火 - Wikipedia
「死都日本」シンポジウム
―破局噴火のリスクと日本社会―
講演要旨集
http://sk01.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/etc/abstracts.html
災害の規模・頻度・立ち上がり時間によって,自然災害全体の特徴をあらわした図
池上彰と考える“巨大噴火”日本人へ古代ローマからの警告
http://dai.ly/x1vxre7
http://dai.ly/x1vxs2x
http://dai.ly/x1vxthn
朝日新聞西部本社版朝刊2014年6月25日
川内原発 程遠い「合格」
(東京新聞)2014年7月10日
原子力規制委員会は近く、九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)は新規制基準を満たしているとの判断(審査結果案)を示す。今後、意見募集(パブリックコメント)を経て、地元の同意が得られれば再稼働となる公算が大きい。重大事故の影響を緩和する設備を義務づけるなど原発内の対策は強化された。ただ、原発周辺の防災対策は紙の上にどまっている面が多い。
検証なき住民避難計画
全国十二原発十九基の審査申請が出る中で、新基準適合の初のケースとなりそうな川内原発。電源の多重化や注水設備などは改善された。津波の想定も見直され、海水ポンプを津波から守る壁も設置された。
ただし、事故時に作業員を放射能から守る作業拠点は整備に時間がかかるため当面は代替施設でしのぐことに。狹く、水道もなく、作業員の除染もままならない簡易の施設だが、規制委は問題なしとした。
川内の最大の論点は周辺に火山が多く、五十キロ南東には桜島を含む姶良カルデラと呼ばれる巨大火山がある点だ。審査は「当面は破局的な大噴火はない」との想定で進行。九電は、監視を強化すれば火砕流などに巻き込まれる前に原発の安全確保ができると主張して認められた。しかし、火山の専門家は予知は難しいとしている。
また、航空機突入などテロ対策の審査は非公開だった。規制委は「適切に審査した」というが、どこまで検証されたかは不明だ。
一方、いざ重大事故が起きれば最も大きな打撃を受けるのが原発周辺の住民たちだ。原発三十キロ圈は重点的に防災対策が練られるが、規制委の仕事は避難基準などの指針をつくるまで。その後の対応は自治体任せになっている。計画をだれも検証しない。
鹿児島県の計画では、津波で壊れる可能性のある海沿いの道路や山あいの狹い国道を使い、基本的には自家用車で避難することになっている。五~三十キロ圏は屋内退避し、五キロ圏の住民
を先に逃がす-が原則だが、きちんと説明を受けた住民がわずかで、理解が得られているとは言い難い。
県の試算では、住民が圏外への脱出をほぽ終えるまで最大二十九時間かかる、との結果が出ている。指定の避難所が汚染された場合の代替策も未検討だ。
「新規制基準と地域防災は車の両輪」。規制委の田中俊一委員長はこう明言したが、結局、チェックされる輪は片方だけ。もし、川内原発で重大事故が起きれば、もう一方が脱輪し、福島のような大混乱が再来する可能性が高い。
兆単位ツケは国民に
原発がある以上、重大事故が起きるリスクは消えない。ひとたび重大事故が起きたら兆円単位の損害が発生し、国内最大の東京電力でさえ、巨額の損害を抱えきれず、国から資金支援がなければ経営破綻に直面する。それが福島第一原発事故から得た教訓だ。
企業規模が東電の三分の一にも満たない九州電力で重大事故が起きたら、どうなるか。現状、国は東電への支援で手いっぱい。九電だけで被害者への賠償や事故収束作業にきちんと対応できそうもない。
巨額の損害への備えは原発を動かそうとする者の最低限の責務だが、現在は一千二百億円の保険金のみ。政府は米国などが加盟する国際条約に入り、備えの一助とする考えだが、得られる支援はわずか七十億円。備えは圧倒的に足りず、国民の電気料金や税金にツケが回されることになる。
政府は今年六月、ようやく賠償の拡充に向けた議論を始めたが、具体化にはほど遠い。国会も二〇一二年八月までに原賠法を抜本的に見直すと約束したのに、ほぽ二年が過ぎている。
相互供給で乗り切れる
九州電力は発電の多くを原発に依存する経営を続けてきたため、「原発が動かないと電力が足りない」と訴えてきた。だが、最近の二年間は、余裕のある電力会社から電力を融通してもらい、ピークの夏場を「原発稼働ゼロ」で乗り切ってきた。
今年は東日本大震災後初めて全国で原発稼働ゼロの夏となる。引き続き企業や家庭の節電や火力発電所の維持管理努力は欠かせないが、融通で電力不足措回避できそうだ。
沖縄を除くすべての地域は送電網でつながっている。九電は自社の供給に不安があるときは東京電力や中部電力など四電力会社から電気を送ってもらえる。その気になれば、まだ送っていない東北や北海道、四国の三電力からも電気をもらえる余地も残っている。
課題は、東電と中電のエリアを境に東西で周波数が異なり、東電から西に電気を送るには装置で周波数を変換する必要がある。現在は一度に送れる上限は百二十万キロワットまで。これを六年後には二百十万キロワットへ増やす計画があり、完了すれば全国で電力を補う仕組みはさらに強くなる。
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安全だということは申し上げない・・って、それでもやるの?(;`O´)o
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