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総選挙…問われるのは有権者の意識…(`・ω・´)

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疑惑閣僚の相次ぐ立候補に怒りと驚き
“選挙で帳消し”とんでもない

(しんぶん赤旗)2014年11月25日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-11-25/2014112503_01_1.html
 閣僚を辞任した小渕優子前経済産業相(衆院群馬5区)、松島みどり前法相(同東京14区)に続いて噴出した「政治とカネ」の問題。疑惑の政治家は、説明責任をはたさないまま立候補表明し、これを公認する自民党に怒りと驚きの声があがっています。衆院解散で疑惑は帳消しにはなりません。
(藤沢忠明)

疑惑閣僚の相次ぐ立候補に怒りと驚き

虚偽記載大がかり 小渕氏

 「お許しいただけるなら、自民党から立候補させていただきたい」―。衆院が解散した21日、小渕氏は、こうのべました。

 小渕氏は、閣僚辞任にあたって、観劇会をめぐる巨額な収支の差額などの疑惑について、第三者機関による調査をすすめると表明しました。ところが、その後、東京地検特捜部が後援会事務所や元秘書の自宅を政治資金規正法違反容疑で家宅捜索するなど捜査に着手したのに、小渕氏側からは新たな説明はおこなわれていません。

 小渕氏の疑惑は、後援会や「自民党群馬県ふるさと振興支部」が2010年、11年におこなった観劇会で収入742万円に対し、「入場料・食事代」の支出は3384万円と、差額が2642万円にのぼり、12年は収入、支出とも記載がないという大がかりなものです。

 差額を小渕氏側が負担していれば有権者への利益供与を禁じた公選法に抵触する疑いがあります。選挙区内の有権者にワインを贈った公選法違反の疑惑もあります。実姉の夫が経営する服飾雑貨店に「品代」として362万円の支出も、政治資金の還流と指摘されています。

 21日の立候補会見で、みずから「説明責任を果たせたとは思っていない」とのべた小渕氏。その様子をテレビで見て、「ふざけるなと思った」と「104」で電話番号を調べて日本共産党本部に電話をかけてきた群馬県富岡市の女性がいます。「(小渕)後援会の端くれだ」という、この女性は、「反対の意思を示すには共産党しかないと思った。私は、20人ぐらいしかまとめられないけど、おばちゃんのおしゃべりは、バカにできないと思う。このままじゃ、田舎のおばちゃんは死んでしまう。ほんとにがんばってほしい」と話しました。

「ギフト券」28万円 西川氏

 21日午前の閣議で解散の関係書類に署名した後の会見で、「政治資金規正法にのっとって処理してきた。親族企業うんぬんというのも批判にあたらない」と語ったのは、西川公也農水相(同栃木2区)。

 西川氏が代表を務める政党支部の収支報告書では、親族企業への支出が「お土産代」「お歳暮」「お礼」と一般的に記載されていましたが、本紙が情報公開で入手した領収書によると、計17回、総額28万9800円が「カレーギフト代」でした。

 購入時期は、西川氏の“浪人中”で、選挙区内の有権者にカレーギフト券が配られていたら、公選法に抵触する可能性があります。しかも、親族企業からの物品購入の一部は政党助成金でした。

 税金を含む政治資金が親族企業に還流している構図。「法にのっとっている」では、説明になっていません。

領収書公開応じず 江渡氏

 自身の資金管理団体から350万円を違法に得ていたことが判明した江渡聡徳防衛相(同青森2区)は、「人件費だった」と収支報告書を訂正しましたが、領収書の全面公開には応じていません。

 同氏が代表を務める政党支部は、「政経福祉懇話会」という同氏を支援する企業の集まりから02年以降、3285万円の寄付を受け取っていますが、同懇話会は政治団体の届け出をしておらず、脱法献金だという指摘があります。

 このほか、選挙区内の有権者に「うちわ」を配った松島氏、SMバーに政治資金を支出していた宮沢洋一経産相(参院広島選挙区)、「賀詞交歓会」などの収入を記載していなかった望月義夫環境相(衆院静岡4区)、脱税で有罪判決を受けた企業から献金をもらっていた有村治子女性活躍担当相(参院比例)など、閣僚の「政治とカネ」はうんざりです。(図参照)

解散で帳消しにならない閣僚の「政治とカネ」


政治資金の流れ01
政治資金の流れ02


鬼のパンツ(フニクラ・フニクラ)

http://youtu.be/eAGo_MftWEk



女みどり

http://youtu.be/vu5exDHZgp0



口無しの妻

http://youtu.be/9IqImuME8Zw

江渡防衛相 今度は脱法献金?





ダマしの経歴で出ています

http://youtu.be/fUeAW0Y4aS8



衆院解散 「政治とカネ」リセット許すな
(東京新聞【こちら特報部】)2014年11月22日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014112202000142.html
 内閣改造後に噴出した「政治とカネ」の問題が、衆院解散・総選挙によって「リセット」されるかといえば、そうは問屋が卸さない。ダブル辞任に追い込まれた元閣僚も、あの疑惑大臣も、任命権者の安倍晋三首相も、説明責任を果たしてきたとは到底思えない。にもかかわらず「信を問う」とは、何ともずうずうしい。身の潔白を証明できないまま来月十四日の投開票を迎えるのであれば、安倍自民党は有権者から手痛いしっぺ返しを食うことになる。
(篠ケ瀬祐司、三沢典丈)

衆院解散 「政治とカネ」リセット許すな_1

谷垣幹事長質問受け流す

 衆院が解散された二十一日、「政治とカネ」の問題が取り沙汰されている自民党閣僚らの表情を追った。
 午前十時前。閣議で解散の関係書類に署名した後、西川公也農林水産相(衆院栃木2区)は省内で記者会見に臨んだ。西川氏は、代表を務める自民党支部から親族企業への政治資金の流れなどが問題視されている。
 「政治資金規正法にのっとって処理してきた。親族企業うんぬんというのも批判に当たらない。有権者にも実態を伝えていきたい」
 こちら特報部の記者が、「政治とカネ」の問題をただすと、そう正当性を強調した。前をむき、ゆっくりとした口調。解散で当面は野党からの追及にさらされなくなった安心感も手伝ってか、余裕の表情だ。「政治とカネ」のやり取りは、質問を含めて二分間弱。直前に補正予算に関して六分近く費やしたのと比べると、そっけなかった。
 午前十時半すぎ、国会内で記者会見した自民党の谷垣禎一幹事長にも「政治とカネ」について聞いたが、「細かな論点と言うと、語弊があるが…」などと受け流された。
 衆院本会議の開会時間(午後一時)が迫ってくると、間もなく失職する衆院議員たちが続々と登院してきた。政治資金収支墾昜の記載で誤りが指摘された望月義夫環境相(静岡4区)や、自身が代表を務める政党支部から自身への寄付が明らかになった江渡聡徳防衛相(青森2区)も、秘書官を連れて足早に本会議場に向かった。
 開会約五分前、観劇会の収支のズレなどで十月二十日に経済産業相を辞任した小渕優子氏(群馬5区)が、黒いワンボックスカーで正面玄関に到着した。黒いスーツ姿。両脇にはSPが寄り添う。無言でエレベーターに乗るまでの間、フラッシュがたかれ続けた。久しぶりに公の場に姿を見せたとあって注目度は安倍首相以上だ。
 解散後、正面玄関ホールで報道陣に囲まれた小渕氏は「疑惑について説明できる調査が進んでいない。私自身、十分に説明責任が果たされていないと思う」と釈明した。それでも自民党公認で出馬を目指すそうだ。最後はもみくちゃになりながら国会を後にした。
 小渕氏と同じ日に法相を辞任した松島みどり氏(東京14区)には本会議後、議員会館で直撃した。
 選挙区内で配布した「うちわ」などが問題になった。「違法なことをしている認識はないが、やはり地に足がっいておらず、脇が甘かった」と神妙な表情で反省の弁を語った。
 念のため、今後は「うちわ」を作るのか聞くと。「いや、もう、えーと……」と一瞬、言葉に詰まりながらも「決して作りません。季節がらも違いますけれど、もちろん作製しません」と明言した。

衆院解散 「政治とカネ」リセット許すな_2

 一連の疑惑をもう少し詳しく見ておこう。
 小渕氏は、関連政治団体の二〇〇九~一一年の政治資金収支報告書で、支援者らを対象に開いた観劇会の支出が収入を約四千三百万円上回っていることが分かっている。小渕氏は「事務的なミス」と主張したが、それが事実でも政治資金規正法違反(虚偽記載など)となる。選挙区内で有権者にワインを配った公選法違反の疑いもある。
 東京地検特捜部は十月三十日、小渕氏の元秘書の自宅などを家宅捜索して捜査を始めた。
 松島氏は、選挙区内の祭りで有価物の疑いがあるうちわを二万本以上も配布していたことが明るみに出た。松島氏は「討議資料」と言い張ったが、民主党議員から公選法違反容疑で刑事告発された。
 西川氏は、地元事務所が、西川氏の複数の親族企業から事務用品やタイヤを購入したことが発覚したが、「必要なものなので購入した。親族企業に利益を供与するようなことはない」と強弁した。
 江渡氏は、自身の資金管理団体から三百五十万円の寄付を違法に得ていたことが判明。江渡氏は政治資金収支報告書を訂正したが、領収書の全面公表には応じず、「鋭意、説明しているつもりだが、理解いただけない」と開き直った。
 望月氏は、後援会の会合費など計約六百六十万円の支出を、賀詞交歓会の支出と偽って記載。望月氏は「妻が(収支報告書に)記載していたが亡くなってしまい、どうしてこんな記載をしたか分からない」ととぼけた。
 ダブル辞任の際、安倍首相は「任命責任は私にある」と認めたものの、何をしたわけでもない。小渕氏の後釜である宮沢洋一経産相(参院)も、資金管理団体からSMバーに支出した問題が飛び出した。
 今選挙の構図は、第一次安倍政権時、閣僚四人の「ドミノ辞任」の後に迎えた○七年の参院選と似ている。与党は過半数割れの大敗を喫し、安倍首相の退陣につながった。
 しかし、政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は「当時とは逆。あの時は危機管理が甘く、閣僚をなかなか辞任させられずに失敗した。安倍首相は現政権では自分の思う通りにやると決めており、小渕、松島両大臣もすぐ切った。そこに他の大臣の問題も浮上し、リセットするしかないと、解散を決断した」とみる。
 政治資金問題に詳しい神戸学院大大学院の上脇博之教授も同じ見方だ。「もう一人大臣が辞任すれば、安倍降ろしの声も出かねない中、解散をすれば、大臣のスキャンダルはマスコミも報じにくくなる。疑惑の大臣を辞任させることなく、選挙後に内閣の顔ぶれを一新するつもりだろう

問われるのは有権者の意識

 「疑惑リセット」を許していいのか。「彼らが国民そっちのけで自分の生活しか考えていない実態が見えてきた」と上脇氏。日本大の岩井奉信教授(政治学)は「政治資金規正法は支出について何も規定していないが、今、ムダな使い道に厳しい目が向けられている。疑惑を個人の責任に帰一して、選挙で当選すればみそぎが済んだことにされてはたまらない。制度上の問題として今選挙でも議論すべきだ」と訴えるが、「前回一二年衆院選で約束しながら果たされなかった選挙制度改革と同様、この問題は野党も乗り気ではない。争点にはならないのでは」とあきらめ顔だ。
 鈴木氏は、有権者の自覚を促す。
 「有権者は自分なりの大義や争点を設定する必要があり、その一つに政治とカネの問題は必ず入れなくてはダメ疑惑の人を当選させてしまったら、その選挙区の有権者の意識が問われることになる

衆院解散政治とカネ リセット許すなデスクメモ


アベノミクス→失敗(*゚Д゚)発見 = アホノミクス……そろそろ気づこうね?(´・_・`)

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データで見るアベノミクス
功-株高、失業率が低下 罪-年収200万円以下増

(東京新聞【核心】)2014年11月23日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2014112302000131.html
 アベノミクスは、私たちの暮らしをどう変えたのか。この二年間の各指標の変化を見ると、株価や失業率は好転する一方、消費が低迷し、格差が拡大している現実が浮かび上がる。アベノミクスはどこまでうまくいき、どこからうまくいっていないのか。
(吉田通夫)

データで見るアベノミクス

 アベノミクスの看板の一つは、大規模な金融緩和。二つの効果を狙ったシナリオだ。
 一つは、日銀から銀行に大量のお金が渡る→銀行から企業への貸し出しが進む→工場の建て替えなど設備投資が拡大する-。もう一つは、金融緩和によって為替相場も円安になる→輸出が増えて大手製造業などの収益が上がる→大企業から取引関係のある中小企業、企業から労働者へとお金が流れ落ちていく-。二つが重なり合って景気を押し上げるはずだった。
 実際には、シナリオ通りに進んだのは日銀から銀行へお金が渡ったことと、円安が進んだだけ。
 輸出企業は過去の円高を受けて生産拠点を海外に移しており、円安の恩恵を受けたのは大手自動車メーカーなど一部のみ。このため国内での設備投資は伸びず、銀行の貸出金はほぽ横ばい。お金は流れていない。
 むしろ円安は、負の側面が目立つ。中小企業は、原材料の輸入価格が上がって苦しんでいる。今年四月からの消費税増税の影響もあり、食品など幅広い品目が値上がりし、消費者物価指数は政権発足前から四%上昇。家計を圧迫している
 公共事業を積み増したこともあり、一部の企業は求人を増やし、完全失業率などの雇用指標は改善した。しかし企業は景気の先行きを危ぶんでおり、増えているのは解雇しやすい派遣社員らが中心。雇用者に占める非正規労働者の割合は、過去最高に近い37・2%に上っている
 「大規模な金融緩和」という鮮烈なうたい文句が海外の投資家の注目を集め、日経平均株価は約七〇〇〇円上がった。半面、株式を持つ富裕層と、持たない低所得層との格差拡大をもたらした。
 一方、「自助・自立」色の濃い社会保障政策により、年金支給額が減ったり、高齢者の医療費の自己負担額が増えたりしている


データで見るアベノミクス 図表





アベノミクスのまやかし 経済学者・伊東光晴氏に聞く
(東京新聞【こちら特報部】)2014年11月19日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014111902000147.html
 「この道しかない」。安倍晋三首相は18日、アベノミクスと呼ぶ経済政策をこのまま進める考えを強調した。本当にそうなのか。景気上昇の実感はなく、国内総生産(GDP)マイナス成長。国民には不安感が広がる。理論経済学の泰斗である伊東光晴・京都大名誉教授(87)に、アベノミクスと安倍政治の本質を聞いた。
(沢田千秋、上田千秋)

アベノミクスまやかし経済学者伊東光晴氏に聞く_1

国民よ失敗に気づけ

 「アベノミクスはまやかしだ」。伊東氏は、開口一番、こう断言した。
 「デフレからの脱却」を掲げるアペノミクスは、「三本の矢」からなる。
 第一の矢は「大胆な金融緩和政策」。消費者物価の上昇率2%を目標に掲げ、市中の資金量を増やし貸出金利を下げるようにし向ける。企業や個人が金を借りやすくして、設備投資や消費を促そうとした。だが、伊東氏は「利子率低下への期待だけでは投資を増加させることはない」と言い切る。
 「バブル期で投資しやすい時代の企業アンケートでも、利子率の低下で投資する可能性は低かった。不確実性を伴う企業投資の決定要因は利子率なんかではなく利潤が期待できるかどうかなんです」と話す。
 「物価が上昇すれば、預貯金の価値は相対的に下がる。アベノミクスでは金融緩和で手持ちの資産価値が上がれば、消費支出も増えるという。だが、例えば、持ち家の資産価値が1%上がったとしても消費支出を増やす人はいない。金融緩和が設備投資や消費支出の増加につながると考えるのは、短絡すぎる」と指摘する。
 ではなぜ、このような理論が安倍政権ではまかり通るのか。伊東氏は「本格的な経済学をやっていないグループが首相のブレーンだから。理論上あり得ない幻想。第一の矢は飛んでいない」と切り捨てる。
 日経平均株価は、第二次安倍内閣発足時の一万円台から六千円以上値上がりし、「アベノミクスの効果」と宣伝している。だが、伊東氏は、その要因は「外国ファンド資金の日本への流入にある」と解説する。外国ファンドはリスク分散のため、米国、欧州とその他の地域に資金を投じているという。「リーマンーショツクで落ち込んでいた米国と欧州の株価が回復し投資枠を超えたため、二〇一二年六月ごろから日本株が買われるようになった。アベノミクスとは何の関係もない
 アベノミクスの第二の矢は、国土強靭化政策を中心とした財政出動だ。公共事業で需要創出を図るとする。
 国土強靭化政策では、南海トラフ巨大地震首都直下地震に備え、建物や堤防の耐震化、避難路の整備などに十年間で二百兆円を投じるとされる。伊東氏は「一四年度の公共事業関係予算は六兆円だ。国の財政状況や一千兆円を超える国債残高を見ても、年二十兆円は不可能。土木事業は人手不足の上、今後、インフラの維持管理、更新にさらに予算がかかる。新たな投資をできる余地はない。第二の矢は既に折れている」と話す。

アベノミクスまやかし経済学者伊東光晴氏に聞く_2

格差のない国目指そう

 第三の矢は、規制緩和などによって「民間投資を喚起する成長戦略」だ。伊東氏は「既存産業での投資の増加は、その商品への需要増加が見られることによって起こる」という。「企業の生産性の高まりと、その継続への期待が十分あれば設備投資が起きるが、生産年齢人口が減り続ける日本では、このような状態は生まれない」という。「第三の矢はいつ実現できるか分からないプランが並ぶだけ。有効性のない音だけの鏑矢(かぶらや)になる可能性が大きい」と見立てる。
 伊東氏の批判は、原発政策にも及ぶ。あれほどの被害を及ぼした福島第一原発事故を経験したにもかかわらず、安倍政権は九州電力川内原発を手始めに、再稼働に向けた動きを推し進めている。原発の海外輸出にも躍起だ。アラブ首長国連邦トルコ原子力協定を結び、インド南アフリカなどとも交渉を続けている
 伊東氏は「国内で再稼働を急ぐのは、安全性をアピールして、企業に大きな利益をもたらす輸出を後押ししたいとの思いがあるからだろう。ただ、いまだに放射性廃棄物最終処分場が決まっていない。安全か安全でないかという議論は結局、水掛け論に終わる。処分先がないという一点をもってして、進めるべきではない」と言い切る。
 労働政策も誤った路線を歩んでいるという。政府は臨時国会に、労働者派遣法の改正案を提出した。原則として最長三年と定められている派遣労働者の雇用期間を、条件付きながら無期限にするなどの内容だ。
 「非正規の形態が一般化するに従って、低賃金で過ごさなければならない人が増えていく。西欧諸国は非正規も含めて同一労働同一賃金の原則が守られているが、日本はそうはなっていない。安倍政権が掲げる『女性が輝く社会』も、賃金が半分になっても夫婦で働けば大丈夫だろうという考え方の裏返しと言える」とみる。これでは、国民の所得は増えそうにない。
 伊東氏は「安倍政権の問題点は、三本の矢に効果がないことに加え、『第四の矢』の危険性にある」と訴える。
 伊東氏の言う「第四の矢」とは、安倍首相が掲げる「戦後レジームからの脱却」を指す。安倍首相は解釈改憲による集団的自衛権の行使容認に踏み切り、憲法改定までも念頭に置いている。「国際紛争は武力で解決できないことは中東の例を見ていても明らかなのに、中国との間で緊張関係を生じさせるなど、逆の方向へ行っている
 では、日本はどういった国家像を探るべきなのか。伊東氏は「五〇年の生産年齢人口は今の六割にまで減る。従来のような経済成長や発展は期待できない」と説く。
 「日本の高度成長期のような爆発的な経済成長が続く『鉄が鉄を生む』といわれるような期間は、一つの国に一度しか訪れない。今で言えばインドや中国がその状態に当たる。日本はこれまでに蓄積した富や社会資本を生かし、格盖のない、福祉重視の国を目指していくしかないのではないか」
 十八日夜、安倍首稻は衆院の解散を表明し、総選挙が行われることになった。
 伊東氏は「アベノミクスが失敗だったことに、国民が気付く必要がある」と話す。
 「この二年間、安倍政権は経済政策をはじめとして効果のあることは何もやってこなかったに等しい。今解散したのは、それがばれる前に選挙をやってしまえば引き続き政権を担えるから。どの候補者を選べば自分にとってプラスになるのか、一人一人が真剣に考えるべきだろう

 いとう・みつはる 京都大名誉教授。 1927年、東京生まれ。東京商科大(現一橋大)卒。理論経済学、経済政策専攻。「現代に生きるケインズ」「原子力発電の政治経済学」など著書多数。近著に「アベノミクス批判 四本の矢を折る」。

アベノミクスまやかし経済学者伊東光晴氏に聞デス





首相はネトウヨだった!?
(東京新聞【こちら特報部】ニュースの追跡)2014年11月27日

 安倍晋三首相のフェイスブック(FB)が、またもや物議を醸している。ヘイトスピーチ(差別扇動表現)で訴えられているネット掲示板「保守速報」の記事をシェア(共有)していたのだ。ネット上では、「(首相は)正真正銘のネトウヨ(ネット右翼)だった」などのつぶやきが飛び交っている。
(沢田千秋)

首相はネトウヨだった!?

 保守速報の記事は、首相のFBが、秘書のFBをシェアしたもの。秘書は「それなりに面白いので見てください」とコメントしていた。
 保守速報の記事が扱ったのは、二十一日の衆院解散直後に開設されたサイト「どうして解散するんですか?」。自称小学四年生で・放送部の「中村」君が、「しつもんです。なぜ一回で700億円もかかるのに衆議院を解散し、選挙を行わなければいけないの」と問い掛けている。
 サイトの完成度が高く、当初から大人の関与が疑われ、翌二十二日夜、慶応大の男子学生が「中村とは僕です」と謝罪文を掲載した。「小学四年生を自演することで、より多くの方を巻き込み、選挙の意義を語り合うことができると考えた」と釈明した上で、サイトを削除した。
 首相は、このサイトがよほど腹に据えかねたのか、二十四日までに、自身のFBで「批判されにくい子供になりすます最も卑劣な行為」と厳しく糾弾した。この書き込みと一緒に、保守速報の記事をシェアした秘書のFBも紹介した。
 確かに大学生も悪いが、一国の首相が激高するような話か。それ以上にネット上で波紋を広げているのが、保守速報のシェアだ。
 在日コリアンの女性フリージャーナリストは八月、ネット上の人種差別的な記載で精神的な苦痛を受けたとして、保守速報の運営者らに損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。ヘイトスピーチ問題を取材するジャーナリストの安田浩一氏は、保守速報について「ネット掲示板『2ちゃんねる』の情報や独自記事を掲載し、在日コリアンらへの誹謗(ひぼう)中傷ヘイトスピーチ、差別、偏見をかき集めた非常に悪質なサイト」と指弾する。「首相が引用したと聞き、信じられなかった。単に脇が甘いでは済まされない。首相の思考が保守速報と共振している表れであり、これは差別、ヘイトへの加担だ
 首相は昨年五月の参院予算委員会で、自身のFB上で閲覧者による差別的コメントが増えていると指摘され、「エスカレーションを止めるべきだろうとコメントしていきたい」と答弁した。
 ネットに詳しいジャーナリストの津田大介氏は「あの答弁は何だったのか」とあきれる。「FB閲覧者に対し、人種差別的発言をやめるよう言うのが首相の役割なのに、首相や秘書が保守速報を情報源にしている
 首相側はネット上の騒動に驚いたのか、「小四サイト」への批判文と保守速報の紹介部分を削除。二十六日、「小学4年生と偽った大学生もそのアイディアやエネルギーを強くて明るい将来に向けてほしい」などと投稿し直した。
 政治ジャーナリストの角谷浩一氏は「安倍首相にとっては初めての解散で、世論の批判が思った以上に厳しくて驚いたのだろう。一国の総理なら、大学生のサイトなどに手を突っ込まず、大所高所から堂々と政策論争をやってもらいたい」と苦言を呈した。

どうして解散するんですか?










「アベノミクス」は低所得層の暮らしをどう変えたか
生活保護1254世帯調査でわかった残酷な実態

みわよしこ 政策ウォッチ編・第88回
(ダイヤモンド・オンライン)
http://diamond.jp/articles/-/63226


アベノミクス 問われる「安倍政治」の全体


データでみるアベノミクス
格差拡大はっきり
資産100億円増100人 働く貧困層1120万人

(しんぶん赤旗)2014年11月30日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-11-30/2014113006_02_0.html
 安倍晋三首相は、「アベノミクス」(安倍政権の経済政策)の2年間で「経済の好循環」が生まれ始めたと主張し、この流れを止めずに「国民生活を豊かにしていきます」と強調しています(自民党重点政策集)。しかし、「アベノミクス」が国民生活にもたらしたのは格差の拡大です。大企業・大株主がますます「豊か」になる一方、庶民の生活は悪化しています。

データでみるアベノミクス 格差拡大はっきり

大企業経常利益史上最高34.8兆円

 大企業(資本金10億円以上)の2013年度の経常利益は史上最高の34・8兆円。前年度比で8・8兆円も増えました(グラフ1)。13年度に史上最高の営業利益2・3兆円を記録したトヨタ自動車の場合、1年間で増えた営業利益9700億円余のうち9000億円を「為替変動の影響」が占めました。アベノミクスの金融緩和で急速に進んだ円安の恩恵を受けた形です。

 株価も大きく上昇しました。アベノミクスの2年間で資産が100億円以上増えた大株主は分かっているだけでも100人以上にのぼり、資産増加額は合計7・6兆円に達しました。

 預貯金や株式などの純金融資産を1億円以上もつ富裕層は、13年に100万7000世帯となり、11年と比べて24・3%増えました。これらの富裕層が保有する純金融資産の総額は、28・2%増えて241兆円となりました(野村総合研究所推計)。

 他方、庶民には円安による物価上昇が襲いかかっています。

勤労者実質賃金15カ月連続減少

 働く人の実質賃金は15カ月連続で減少し、昨年10月からの1年間で平均年収が8万4400円も目減りしました。(グラフ2)

 高齢者が受け取る年金額も実質的に6%以上目減りしました。政府が1・7%削減したうえ、物価が上昇したためです。基礎年金満額の人で年間5万円近くも減りました。

 年収200万円以下のワーキングプア(働く貧困層)は13年に史上最多の約1120万人にのぼり、12年と比べて30万人も増えました。貯蓄なし世帯は12年以降の2年間で26%から30・4%に増えました。

 大企業・大株主優先で庶民を痛めつけ、家計消費を落ち込ませるアベノミクスでは日本経済を立て直せません。暮らし第一の政治への転換が必要です。

高額所得負担減大企業法人税も

 現在の税制は、高額所得者の所得税負担率が下がり、大企業の法人税実質負担率が下がるという不平等を生んでいます(グラフ3、4)。自民党本部の政治資金団体「国民政治協会」に6440万円の献金(13年)をしているトヨタは、08~12年度の5年間にわたって法人税(国税)を1円も納めていませんでした。大企業の内部留保は増え続けています。(グラフ5)

データでみるアベノミクス 格差拡大はっきり 図表

小出裕章先生:東電も政府も責任とらない→ゼネコンもますます儲かるという構図になっているわけです

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JK産業の実態~女子高生たちに今何が起こっているのか?
(ラジオフォーラム#100)女子高校生サポートセンターColabo

http://youtu.be/Ost_oKw6Hvo?t=16m47s
16分47秒~第100回小出裕章ジャーナル
福島原発の今/使用済み核燃料の取出し作業はなぜ遅れているのか?「やればやるだけ困難が増えてくるということが東京電力も国も身に沁みて分かってきたという事だと思います」

http://www.rafjp.org/koidejournal/no100/
福島第一原子力発電所4号機燃料取り出し作業
福島第一原子力発電所4号機燃料取り出し作業

湯浅誠:
ラジオフォーラムも、もう100回目ということで本当にお世話になりまして、ありがとうございます。

小出さん:
もうそんなになるんですか?

湯浅誠:
そうなんです。

小出さん:
はい、お世話になりました。

湯浅誠:
私は5回に1回しか喋ってませんけど、小出さんは100回喋ってるってことですよね?

小出さん:
そういうことになるわけですね。驚きです。

湯浅誠:
100回来たからってわけじゃないんでしょうが、今月と来月の12月と1月の小出裕章ジャーナルは、特集シリーズでお送りしようと思っておりまして。

小出さん:
そうですか、はい。

湯浅誠:
12月は「福島原発の今」。そして、1月はほんとそもそも論ですが「原発はなぜいけない?」ということについてお伝えしていきます。それで、今月は「福島原発の今」ということなんですけれども、今日のテーマは「使用済み核燃料の取り出し作業はなぜ遅れているのか?」。

この間、1号機の核燃料取り出し作業が当初計画より大幅に遅れているという見通しを国と東京電力が明らかにした

使用済み核燃料プールからの取り出しは2年、原子炉内で溶けた核燃料の取り出しは5年ずれ込む見通しで今後、中長期ロードマップを改訂する来春ぐらいまでに計画を固めるという話らしいんですが、「そもそも経験したことのないことの工程表って作れるのか」っていう感じがしますが。

核燃料取り出し遅れ東電追認実体なき廃炉工程鮮明

小出さん:
はい。湯浅さんがおっしゃってる通りで、今現在進行していることは人類が経験した初めてのことなんです。

東京電力も国も、もともと事故が起こらないと言ってきたわけで、大変楽観的な思惑の下に原子力というものを進めてきました。
福島原発人災記
そして、事故が起きてからも、なんとか楽観的楽観的に行けないかという風に、彼らは思いながら対処しようとしてきたのですけれども、ことごとくやはり失敗してきたわけですし、今作ってあるロードマップも、彼らがこうあって欲しいという楽観的な見通しの下に作られた計画であって、決して実現できないのです。
中長期ロードマップの進捗状況

湯浅誠:
今、見直した理由っていうのはなんか具体的にここが遅れてるってのがあるんですかね?

小出さん:
これまで3年8か月、9か月が経とうとしているわけですけれども、やればやるだけ困難が増えてくるということが、東京電力も国も身に沁みて分かってきたということだと思います
完全にブロック
放射能汚染水そのものにしても、何の対処もできないまま、今現在も海に漏れていってしまっている訳ですし、それを防ごうとして凍土壁というものをつくろうという計画は一応あるわけですけれども、それすらが全く上手くいきそうもないということで、これからほんとにどうしていいのか分からないという状態になってしまっています。
溶けて消える、税金320億円

湯浅誠:
核燃料の取り出しが5年ずれ込む見通しだっていうことですが、要するに、どこにあるかも分からない。どうやって取り出せばいいかもわからないものを5年ずれ込むで済むかどうかも分かんないわけだけど、そういう計画を立てて銀行からお金を借りて、工事を回してっていうそのフィクションですかね

そのフィクションが回ってる限りは、実は困らないのでやっちゃってるってことですかね?

小出さん:
そうです。事故が起きてこのかた、こんな酷い事故を起こしているのに誰ひとりとして責任を取っていないのです。

これからのロードマップも成功しなくても、誰も責任を取らなくていいわけですし、東京電力お金がかかると言えば、国がそれを補助するということになってるわけですし、東京電力も倒産しない。
東電と関電 原発再稼働の本当の理由_1
原子力をつくるために儲けてきたゼネコンもますます儲かるという構図になっているわけです。


小出裕章ジャーナル

湯浅誠:
今後はずれ込むと言っても、廃炉のプロセスっていうのはあるんでしょうけども、なんか建屋開けるみたいな1号機は言ってますよね? カバーの作り直しですか?

小出さん:
はい。

湯浅誠:
プロセスとしてはどう進んでいく?

小出さん:
そうですね。まず、使用済み燃料プールの件をちょっと聞いて頂きますが、一番問題だったのは4号機の使用済み燃料プールでした。

建屋自身が使用済み燃料プールが埋め込まれている階まで爆発で吹き飛んでしまっていて、半分壊れた建屋の中に使用済み燃料プールが宙づりのような状態になっていました。

そして、そのプールの中には事故当時、4号機は定期検査だったために、炉心にあった燃料も全てがプールの底にあったのですが、それが崩れ落ちるようなことになれば、もう東京すら避難しなければいけないと、当時、原子力委員会に委員長だった近藤駿介さんが報告を出したというぐらい危機的な状態だったのです

なんとか、そこを早めに始末をしなければいけないということで、昨年11月から東京電力が隣にある共用燃料プールという所に使用済み燃料の移送を始めまして、11月4日にようやく作業を終えました

私は、ほんとにホッとしました。ですから、この件に関して言う限りは、東京電力はよくやったと私は思います。

ただし使用済み燃料プールは、1号機にも2号機にも3号機にもあります。そちらの方は、建屋の内部が猛烈に放射能で汚れていますので、近づくことすらができないわけです。
福一原発3号機 5階フロアの状況
ただし、どうしてもやらなければいけません。使用済み燃料プールの中にある燃料だけは、なんとしても移動させなければいけませんので、これから1号機、3号機、2号機の順番でしょうか?

とにかく、やることになると思います。そのためには、1号機は今現在カバーを作ったわけですが、そのカバーは撤去するしかないだろうと思います。
2枚目のパネル取り外し 福島第1原発1号機
2号機の原子炉建屋はまがりなりにも形が残っているのですが、それも撤去する以外には作業を進めることができないと思います。

そのために、一体何年の時間がかかるんだろうか? 仮に、撤去作業を始めることができるようになっても、それから撤去が終わるまで何年かかってしまうんだろうか?と、私は心配です。

でも、それをやらなければ、溶け落ちた炉心、デブリと呼ばれてる物の取り出しにも全く手が付けられないわけですから、一歩一歩進めるしかないと思います。
福一原発の平日1日当たりの作業員数

湯浅誠:
なるほど。なんか、お話伺ってるとあれですね。安全神話だけじゃなくて、廃炉にまつわるもろもろもフィクションというか神話に満ちてる感じですね。

小出さん:
はい。要するに、東京電力や国がとにかく少しでも都合のいいように、都合のいいように考えて、工程表等を作ってきたわけですけれども、そんなもの実現できる道理がありませんので、これから困難はますます大きくなっていくと思います

湯浅誠:
そういうものなのかっていう感じもありますね。

小出さん:
はい。

湯浅誠:
どうもありがとうございました。

小出さん:
ありがとうございました。



ETV特集 シリーズ 原発事故への道程(前編)「置き去りにされた慎重論」

http://youtu.be/IG-uP_wxnxY
シリーズ 原発事故への道程 前編 置き去りにされた慎重論
http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2011/0918.html

ETV特集 シリーズ 原発事故への道程(後編)「そして“安全”は神話になった」

http://youtu.be/ktT_v0xs0Eg
シリーズ 原発事故への道程 後編 そして“安全神話"は生まれた
http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2011/0925.html
原子力政策研究会に集った原発関係者たちの録音テープと新たな証言により、なぜ福島原発事故が起きたのか、その歴史的深層を探るシリーズ。後編は原発が次々に建設された1970年代以降、日本の原発で事故は起きないという「安全神話」がいかにして誕生したか、その過程を明らかにする。
1973年石油ショックの翌年に電源三法が成立し、「安全」を前提に原発建設が加速していった。このとき、日本で初めて原発の安全性を科学的に問う裁判「伊方原発訴訟」が始まっていた。裁判は原発建設に反対する地元住民と科学者たちによる原告と、建設を推進しようとする国によって争われた。そこでは今回の福島原発で起きた「全電源喪失」や「炉心溶融」などの事態がほぼすべて俎上に載せられていた。公判中にスリーマイル島やチェルノブイリ原発の事故も起き、安全性の見直しが迫られる状況も生まれた。しかし最高裁は「行政裁量の分野」だとし、反対派の訴えを退けた
原発の安全性を正面から問うルートが失われるなか、誰も疑問を挟めなくなった行政と業界、学術界により安全神話は膨張していくことになる。日本における最初で最後の本格的な原発法廷の消長を軸にして、安全神話がいかにして一人歩きしていったか、その歴史的メカニズムを検証する。

日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか



罵詈雑言(バリゾーゴン)福島原発ミステリー

http://youtu.be/TUCgyIHKZaY
渡辺文樹 - Wikipedia

原発は金になる

東電と関電 原発再稼働の本当の理由_デスクメモ


田中三彦氏:福島第一原発は今どうなっているのか

http://youtu.be/sprJ0PGHEw0
ニュース・コメンタリ―(2014年12月06日)
福島第一原発は今どうなっているのか
ゲスト:田中三彦氏(元国会事故調委員・科学ジャーナリスト)
 原発がなかなか総選挙の争点になりにくいと言われる。その理由として、有権者の多くが­、目先の景気や雇用、社会保障といった生活に直結する問題により大きな関心を寄せるた­めだ、と説明されることが多い。
 しかし、同時に3年前の事故直後には原発についてあれだけ多くの情報がもたらされ、自­ずと原発問題への関心は高まった。ただ、事故を起こした福島第一原発も収束とは程遠い­状態にあり、依然として12万人もの人々が避難生活を強いられている状況が続いている­にもかかわらず、マスメディアが原発の問題を取り上げる機会は日に日に減ってきている­。世論調査で総選挙の争点を問うた時、原発への関心が低いには、ある意味で当然の結果­と言えるだろう
 そこで総選挙を約1週間後に控えた今、ビデオニュース・ドットコムではあえて「原発問­題の現状」を取り上げることにした。
 その一環として、そもそも福島第一原発が今どのような状態にあるのかを、元福島第一原­発電所4号機の原子炉圧力容器の設計者で、その後、国会事故調の委員を務めた科学ジャ­ーナリストの田中三彦氏にジャーナリストの神保哲生が聞いた。


【ダイジェスト】古賀茂明氏:この選挙で原発政策を問わないでどうする

http://youtu.be/ienSk2J14Yw
マル激トーク・オン・ディマンド 第713回(2014年12月06日)
この選挙で原発政策を問わないでどうする
ゲスト:古賀茂明氏(元経産官僚・古賀茂明政策ラボ代表)
 選挙で原発は争点になりにくいと言われて久しい。しかし、此度の総選挙は、2011年­の福島第一原発の事故の反省の上に民主党政権が打ち出した「脱原発」のエネルギー政策­を、安倍政権が再転換してから最初の選挙となる。
 民主党の野田政権は原発推進勢力からの激しい抵抗に遭いながらも、2012年9月14­日、何とか「2030年代に原発稼働ゼロ」を目指す革新的エネルギー・環境戦略を取り­まとめ、これをポスト311の日本の新しいエネルギー政策とした。
 しかし、その後政権の座についた自民党の安倍政権は2014年4月11日、原発を「重­要なベースロード電源」と位置付ける新たな「エネルギー基本計画」を閣議決定し、安全­が確認できた原発から再稼働していく方針を打ち出した。日本のエネルギー政策は脱原発­政策から原発活用政策に、再び舵を切ったのだ。
 日本の官僚制度や行政問題に詳しい、元経産官僚の古賀茂明氏は、政府が国のエネルギー­政策の基本的な指針となるエネルギー基本計画で原発を「重要」かつ「ベースロード」に­なる電源と位置づけたことで、電力会社及びその関係者、原子力の研究者などの利害当事­者から成るいわゆる「原発村」は完全に復活を遂げたという
 しかも、今回の復活は3・11以前のように民間主導の復活ではなく、原発を事実上政府­が丸抱えして推進していく体制になりつつあると古賀氏は言う。
 原発再稼働に関しても、福島の反省から、原発では絶対に事故は起きないという前提を否­定し、事故が起きた場合でも放射性物質の拡散を防ぐと同時に、万が一の場合でも、周辺­の住民が安全に避難できる体制を作ることが原発再稼働の最低条件となるはずだった。と­ころが、避難計画は原発30キロ圏の各自治体が独自に策定するものとされ、その内容に­ついては政府も原子力規制委員会も責任を負わないという、福島の事故の惨状を考えた時­にとてもあり得ないような方針がまかり通っている。
 今回の総選挙で安倍政権率いる自公連立政権が勝利すれば、その原発政策も有権者の信任­を得たことになる。このまま原発村の再興と安全神話の復活を許して、日本は本当に大丈­夫なのか
 総選挙を約1週間後に控えた今、ビデオニュース・ドットコムでは今、あらためて原発政­策を問うてみたい。
 その一環として、まずは福島第一原発が今どのような状態にあるのかを、元福島第一原発­電所4号機の原子炉圧力容器の設計者で、その後、国会事故調の委員を務めた科学ジャー­ナリストの田中三彦氏に聞いた。
 また、事故で避難を余儀なくされた原発周辺の自治体の住民の方々の抱える問題と、その­問題に現政権がどのように対応しているかについて、首都大学東京准教授の山下祐介氏と­、現在も東京で避難生活を送る元福島富岡町在住の市村高志氏(NPO法人とみおか子ど­も未来ネットワーク理事長)に聞いた。
 われわれは、なぜ原発をやめられないのか。福島の被災者に必要な支援が届かないのはな­ぜなのか。政治と行政の歪みや官僚制度の弊害、政府と地方の関係など、原発問題を通し­て見えてくる日本の問題と総選挙の争点について、ゲストの古賀茂明氏とともに、ジャー­ナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。




※ちと、古くて恐縮ですが(;^ω^)
原発のない未来のために あなたの選択


自民党嘘の公約

自民党へ投票する理由が分からない
落とそう!原発大好きイレブン

大江健三郎氏:秘密保護法を一番要求しているのは米国だろう……(`・ω・´)

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「戦後の精神」つなぐ
作家 大江健三郎
秘密保護法 言わねばならないこと 集団的自衛権
(東京新聞)2014年12月5日

 特定秘密保護法が成立してから、六日で一年。施行は十日に迫った。集団的自衛権の行使容認の問題と合わせ、作家の大江健三郎氏に聞いた。

「戦後の精神」つなぐ 大江健三郎

 政府が言う「積極的平和主義」は、憲法九条への本質的な挑戦だ。米国の戦争の一部を担う立場に変えていこうとするために「積極的平和主義」という言葉をつくった。だから、何よりも特定秘密保護法が必要になる。
 集団的自衛権を行使できることを日本の態度とするなら、米国が起こしうる軍事行動に踏みとどまる建前を失う。どういう戦闘が行われるか、戦況はどうなるか。米軍と自衛隊のやりとりは何より秘密でなければならない。秘密保護法を一番要求しているのは米国だろう。
 日本政府は「積極的平和主義」を内外に宣伝している。最初、それは誰にも滑稽な言葉だった。しかし、半年、一年とたつと、国民は慣れて反発しなくなった。政府が国家の方針として提示し続ければ常態となる。市民は抵抗しなくなるということではないか。いま日本は、かつてなかった転換期にあると感じる。
 「積極的平和主義」という言葉に対比すると、いままで日本が取ってきた態度は憲法九条に基づく「消極的平和主義」になる。
 日本は平和を守るために戦うとは決して言わなかった。軍備を持たない、戦争はしないと世界に言い続けた。平和という場所に立ち止まる態度だ。僕は尊重されるべき「消極的平和主義」だと考えている。
 「積極的平和主義」は言い換えれば「消極的戦争主義」になる。米国の戦争について行く。戦場で肩を組んで行けば「消極的」か「積極的」かは関係なくなってしまう。自衛隊員が一人でも殺される、あるいは自衛隊員が一人でも殺すことになれば「消極的戦争主義」というフィクションも一挙に消えてしまう。憲法九条を残したまま、すっかり別の国になってしまう。後戻りはできない。それは明日にも現状になる。
 僕が十二歳のときに憲法ができた。学校で九条の説明をされて、もう戦争も軍備もないと聞いて、その二年前まで戦争をしていた国の少年は、一番大切なものを教わったと思った。自然な展開として、作家の仕事を始めた。九条を守ること、平和を願うことを生き方の根本に置いている。われわれは戦後七十年近く、ずっとそうしてきた。次の世代につなぎたい。
 僕も、すぐ八十歳。デモに参加すると二日間は足が痛むが、集会で話すこともする。そのような自分ら市民を政府が侮辱していると感じるから。「戦後の精神」を持ち続ける老人でいたい。

 おおえ・けんざぶろう 1935年生まれ。東大在学中に「死者の奢り」で作家デビュー。代表作に「個人的な体験」「万延元年のフットボール」など。94年、日本人として2人目となるノーベル文学賞を受賞。護憲派の市民団体「九条の会」の呼びかけ人。






反戦歌うと「監視」
対象のミュージシャンが警鐘
(東京新聞)
反戦歌うと「監視」

駐屯地の騒音苦情 / 成人式で憲法ビラ

 ♪泣きながらあなたの帰りを待っている日々は 今日で終わり すてきなニュースがラジオで流れた(中略)信じられるかい すべての戦場が なくなった 今日なくなった

 宮城県亘理(わたり)町のスーパーマーケット前。自衛隊のイラク派遣が間近に迫っていた二〇〇三年十二月、地元に住むシンガー・ソングライターの男性(四九)の歌声とギターの音色が響いた。平和への思いを込めた自作の曲。ライブの傍らで知人女性が派遣反対の署名を集めていた。
 六日で成立から一年となる特定秘密保護法が十日施行される。男性は自分の経験から懸念を強める。
 ライブから四年後、報道機関から突然、電話がかかってきた。「あなたが自衛隊の内部資料に載ってます」。資料は共産党が自衛隊員の内部告発を基に公表したものだった。男性の仕事は福祉系団体職員。所属政党もない。ライブ活動は芸名だ。それなのに勤務先や本名まで記されていた
 「陰湿さ、恐ろしさを感じた」。知らぬ間に監視対象にされたことに震えた
 「戦時中に憲兵隊や沖縄の日本軍がやったような国民監視はやめさせねば」。男性は○九年二月、自衛隊の監視差し止めを求める裁判を仙台地裁に起こした。
 一方で「自衛隊に監視されていたら、子どもが安心して学校に行くこともできない。嫌がらせをする人が現れるかも」という不安もあった。妻も心配したため裁判の記者会見などで名前を出さないと約束した。
 被告の国は一審で文書作成の有無の回答すら拒み続けたが、一昨年三月の仙台地裁判決は「個人情報をコントロールする権利、人格権を侵害した」として、自衛隊が男性の個人情報を収集した文書を作ったのは違法と認め、国に賠償を命じた。国は控訴したが、控訴審で事実上、情報収集を認めざるを得なくなった。
 秘密保護法は、防衛や外交などの情報が幅広く「特定秘密」に指定される恐れがある。運用基準では、行政機関の違法な行為を秘密に指定することを禁じているが、行政担当者の判断次第で情報は秘密保護法の指定対象となる
 裁判で男性を支える小野寺義象弁護士は「『それは特定秘密だから答えない』という対応ができるようになり、裁判所が秘密を明らかにするよう命じるハードルが上がる」と指摘する。

10日施行… 「裁判 勝てぬ」

 男性は「今後は内部告発があり裁判になっても、勝でなくなるかも」と感じている。小野寺弁護士が危惧するのが内部告発の抑制だ。秘密指定情報を漏らした公務員は最長十年の懲役刑が科される。「そんなリスクを冒す役人はいるのか」
 男性の個人情報を記載した内部資料には、消費税増税に反対する団体の活動も盛り込まれていた。男性は仙台で脱原発デモに参加しながら、監視の網が広がる不安をぬぐえないでいる。
 「原発再稼働や集団的自衛権への抗議活動も監視され、参加者を調べているかもしれない」(西田義洋)

こんなことで情報収集?

 原告の男性を監視し、個人情報を収集したのは陸上自衛隊の情報保全隊だ。国側は控訴審で情報収集を事実上認めたうえで、違法性がないと訴える戦術に切り替えた。

昨年、自衛隊側が説明

 二〇〇三年当時の元隊長は昨年五月、仙台高裁の控訴審で出廷し、任務について「自衛隊に対する外部からの働き掛けから部隊等を保全するための情報資料の収集」と説明した。
 「外部からの働き掛け」とは何か。元隊長は「一般論」と前置きした上で▽駐屯地の騒音に苦情の電話を入れる▽成人式会場で憲法前文と九条だけが書かれたピラを配布する▽スーパーの前で反戦平和の歌を歌う▽労組の春闘の街宣活動▽プロレタリア作家の展示会―などを挙げた。
 こうした働き掛けは「隊員や家族への不安が生じる可能性がある」などとして、情報収集に正当な目的や必要性があり、違法性はないと主張している。
 原告側の小野寺弁護士は「まさにそれが国民の基本的人権を侵すもので、シビリアンコントロールにも反する」と批判している。

 情報保全隊 2000年に起きた在日ロシア大使館駐在武官に海上自衛隊の3佐が機密を漏洩(ろうえい)した事件を契機に、旧来の調査隊を再編・強化して03年3月に発足した。自衛隊の持つ秘密情報を守るのが目的。陸海空3自衛隊にそれぞれ編成されていたが、07年のイージス艦情報流出事件発覚などを受け、09年8月、3自衛隊の情報保全隊が統合され、防衛相直轄部隊として新編された。

自衛隊国民監視活動差止め訴訟
自衛隊の国民監視差止・賠償請求訴訟判決に対する声明
(自衛隊の国民監視差止訴訟原告団)2012年3月26日
http://blog.canpan.info/kanshi/archive/249




変質する「平和」第6部 秘密保護法施行前夜 上
韓国の対馬「侵食」
自衛隊拡充の御旗に
(東京新聞)2014年11月28日
変質する「平和」第6部 秘密保護法施行前夜 上

 海上に浮かぶ台船から一万発の花火が夜空に上がる。長崎県対馬市で先月下旬開かれた国境(こっきょう)花火大会。五十五キロ先は韓国・釜山だ。「釜山からも見えたと今、連絡が入りました」。観光客でにぎわう砂浜にアナウンスが流れた。島と釜山は高速船でわずか七十分。韓国人グループの仏像盗難などに反発はあるが「朝鮮半島と交流しながら生き抜いていくしかない」(財部能成(たからべやすなり)市長)。韓国人観光客は十年で十倍以上に増えた。
 その接近ぶりに本土からは近年、厳しいまなさしも向けられる。花火大会の十一日前、衆院内閣委員会で議員が発言した。「韓国からの客、韓国資本による土地取引が多い。対馬が危ないと懸念を持つ人が少なくない」。島の海上自衛隊基地隣接地が韓国マネーで購入されたことも昨秋、国会で問題視された。
 そんな「韓国侵食説」とも関連し、自民党は対馬や沖縄県・与那国島など国境に近い離島の保全や振興を図る議員立法の提出を来年の通常国会で目指している。柱となるのは自衛隊施設の拡充だ。谷川弥一党離島振興特別委員長は「尖閣諸島の問題で緊張感が出てきた。不退転の決意でやる」と語る。
 ◇
 戦前、三十一ヵ所に砲台が設置された島は「対馬要塞」と呼ばれ、要塞地帯法などの機密保全の法律が島民の生活を縛った。
 「海で釣りをしたらスパイだと言われてね。糸で水深を測り、米軍に教えるから」。対馬在住の早田吉夫さん(八四)が思い出す。郷土史家の小松津代志さん(六八)は、砲台建設をしていた高齢男性が、戦後三十年たった聞き取り調査で「話して、お上にとがめられないでしょうか」と気にしたと仲間に聞いた。
 来月には国家機密を漏らした公務員らの罰則を強化する特定秘密保護法が施行される。「秘密保護法と並行して国防強化の新法ができれば、国境付近の離島は往時の要塞地帯を想起させる情報管理の囲い込みに遭う恐れもある」。前田哲男・元東京国際大教授(七六)=安全保障=は言う。
 島では二〇〇〇年代半ば、地域振興の名目で高レベル放射性廃棄物の最終処分場誘致の動きが浮上したことがある。反対した市民団体の小島加津恵さん(六二)は「推進派に都合の悪い情報を識者などから収集できたから、市民や市議に提供できた」と振り返る。「秘密保護法で情報が出なくなれば、自衛隊施設拡充の是非を判断する材料がなくなってしまう」と危惧する。
 ◇
 韓国資本が購入または経済活動している土地の面積は○八年の市の調査で四・八ヘクタール。対馬の総面積の0・0069%だ。市幹部は声をひそめる。「この数字で韓国に乗っ取られるというのは、ありえない
 それでも自衛隊拡充に期待する声が圧倒的だ。最終処分場誘致に反対した市議も静観するつもりだ。島の人口はこの五十年で半減した。「外から叫ばれるほど対馬が危ないとは感じない。でも過疎の進む現実を見れば、誰が反対できますか」(辻渕智之)
     ×
 「もの言えぬ空気」が社会に広がる懸念が払拭されぬまま、特定秘密保護法が施行される。国家のヒミツと背中合わせの現場を歩いた。


変質する「平和」第6部 秘密保護法施行前夜 下
進む「軍学共同」
研究者 機密扱う恐れ
(東京新聞)2014年11月29日
変質する「平和」第6部 秘密保護法施行前夜 下

 「これは何を表しているの?」「発射管内の気体の密度です」。横浜市の慶応義塾大理工学部の研究室。パソコン上の分布図を見ながら、松尾亜紀子教授(四九)=流体力学=が学生と言葉を交わした。二年前、防衛省陸上装備研究所から水中弾の共同研究を持ち掛けられた。水中弾で離れた場所から地雷を処理することが目的とされる。
 防衛省は二〇〇一年から大学などと共同研究を開始。当初は年間ゼロ上一件だったが、昨年は四件、今年七件と増えている。松尾教授は「この研究が戦争に直結するわけがない」と話す一方、「全ての技術にはあらゆる可能性がある。研究者が防衛に関わるという理由でやらないと宣言し、枠を狭めるのはおかしい」とも語った。
 共同研究で資金提供はない。だが来年度予算で防衛省は総額二十億円の研究費を大学などに提供する制度創設を概算要求している。大学への交付金や助成金は年々減り、研究費確保に苦労している研究室は多い。防衛省OBで金沢工業大産学連携室の佐々木達郎教授(六七)は「地方で頑張っている先生にとっては、ありがたい話だ」と明かす。
 ◇
 戦争に加担した反省から、大学は戦後、軍事と一線を画してきた。国内トップの研究機関である東大も軍事研究禁止の方針を堅持するが、境界線は曖昧だ。
 内閣府が今年創設した「革新的研究開発推進プログラム」。軍事転用も考えられる先端研究十二件に五年間で計五百五十億円を支援する計画で、東大教授が統括する二件が選ばれた。防衛省は五月「C2次期輸送機」に起きた不具合の原因究明のため東大大学院教授に協力を要請。教授は個人の立場で協力に応じた。
 工学部の五十代の職員は「外圧が強まっている。軍事研究禁止の方針が変化する恐れもある」と話す。六十代の職員は特定秘密保護法施行で「軍事研究と知らないで関わり、外部に話したら処罰されるかもしれない」と漏らした。
 ◇
 安倍政権下で大学を取り巻く環境は変化している。昨年末、閣議決定された防衛計画大綱は「大学などとの連携充実」を盛り込んだ。六月には改正学校教育法が成立し、教授会の権限は大幅に縮小されている。池内了名古屋大名誉教授(六九)=宇宙物理学=は「学長に予算や人事の権限が集中し、国の意向が反映されやすくなった。研究者が国家機密に加担させられる恐れがある」と懸念する。(沢田敦)

陸上装備研究所の研究例
CBRN対応遠隔操縦作業車両システムの研究
生物化学・核戦争を想定しているのですな…(>0<)


内閣法制局 秘密保護法「必要性弱い」


【ももっち対談】中田進先生に訊く秘密保護法の問題点 1

http://youtu.be/61W_kV9oKec

【ももっち対談】中田進先生に訊く秘密保護法の問題点 2

http://youtu.be/maeIJcIIXZQ

【ももっち対談】中田進先生に訊く秘密保護法の問題点 3

http://youtu.be/pLxSFjPSU98

【ももっち対談】中田進先生に訊く秘密保護法の問題点 4

http://youtu.be/1_kRnIv_0BE

【ももっち対談】中田進先生に訊く秘密保護法の問題点 5

http://youtu.be/TnWcMpJ34yE


特定秘密保護法の三つの懸念


特定秘密保護法をめぐる過程

自公 公約に記載なし 秘密法成立から近く1年
(東京新聞【核心】)2014年11月30日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2014113002000122.html
 国民の「知る権利」を侵す恐れのある特定秘密保護法が十二月十日に施行される。国会で成立した一年前、各党の投票行動は割れ、多くの懸念があることを浮き彫りにした。法律は十二月二日公示、十四日投開票の衆院選の真っただ中に動きだすだけに、立法府として制定に携わった各党の姿勢があらためて問われている。
(金杉貴雄)

自公 公約に記載なし 秘密法成立から近く1年

■反省

 一年前、秘密保護法の法案採決は、世論や言論界の強い反対の中で行われた。衆院では、自民、公明の与党に加え、修正協議に応じた日本維新の会、みんなの党のうち、みんなが賛成。維新は、議論が不十分として棄権に回り、民主、共産、生活、社民の各党は反対した。
 安倍政権が参院でも採决して成立させると、直後の内閣支持率は10ポイント以上も下落。政府の意のままに特定秘密が決められたり、スパイだけでなく、秘密に迫った市民や記者まで厳罰が科される懸念が指摘されている。安倍晋三首相は成立を受けた記者会見で「厳しい世論は国民の叱声(しっせい)だとヽ謙虚に真摯(しんし)に受け止めなければならない」と反省の弁を述べた。

■対応

 成立後の各党の対応はどうか。首相は反省を囗にしたが、与党の対応は鈍い。
 年明けの一月、自民党など各会派は米英両国などを訪問し、秘密保護制度の状況を視察した。法律の運用を監視する国会の常設機関設置をめぐり、どういう組織にすれば良いかの議論に役立てるためだ。
 その後の与党協議で公明党は、自民党に組織の権限を高めるよう要求。だが、消極的な自民党の腰は重く、常設機関を設置する法律は成立したものの、政府に情報開示を求める強制力はない。
 反対した野党のうち、第一党の民主党は法成立後も対決姿勢を継続。海江田万里代表は廃止法案を提出する考えを示し、先の臨時国会に維新の党と施行延期法案を共同提出した。共産、社民両党も共同で廃止法案を提出した。ともに衆院解散で廃案になっている。
 与党との修正協議に応じた日本維新、みんなの両党は、法案への対応をめぐって党内が対立。それだけ重たい法案だったともいえるが、その後の党分裂で維新の党、次世代、みんなに分散。みんなは解党し、秘密保護法をめぐる動きで目立つのは、民主党との協調に傾いた維新の党の延期法案提出ぐらいだ。

■公約

 主要政党の衆院選公約はどうか。自民、公明両党とも「秘密保護法」の文字はない。自民党は、二〇一二年の前回衆院選でも公約に秘密保護法制定を記載しなかった。今回、首相は衆院解散時に「報道が抑圧されるような例があったら(首相を)辞める」とまで述べたが、公約で知る権利を守るための運用方針などは示さなかった。菅義偉官房長官は「いちいち信を問うことではない」と争点化に否定的で、世論の反対が強いテーマを避けたい思いがにじむ。
 公約を見る限り、野党側には温度差がある。
 野党は民主党が施行延期を主張し、共産、社民両党は法廃止を訴えた。維新、次世代、生活、新党改革、地域政党の減税日本は公約に記載していない
特定秘密保護法への対応と衆院選公約

主権者はあなた!よ~く考えて、ちょっと一服して……投票に行こう!(^ω^)

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クルシメマス


2014年総選挙おさらい
(東京新聞)2014年12月9日

 どの候補者や政党に未来を託せばよいのか。今も頭を悩ませている有権者は少なくないはず。いよいよ最終コーナーにさしかかうた衆院選。見極めるために「アベノミクス」「集団的自衛権」「原発再稼働」の三つのテーマをおさらいする。明日につながる一票にするたに。

2014年総選挙おさらい_1

アベノミクス 恩恵いつ?

ため込む企業 縮む消費

 グラスかピラミッドのように積み上げられた「シャンパンタワー」。結婚式やパーティーを彩る豪勢な飾りとして、映画やテレビドラマなどで目にした人も多いはずだ。
 てっぺんのグラスにシャンパンを注ぐと、あふれ出た滴が下のグラスに流れ落ち、そのグラスが満杯になると、さらにその下のグラスに滴が落ちる。その繰り返しによって底辺を支える多数のグラスにようやく酒が注がれる。

 トリクルダウン

 安倍晋三政権の経済政策「アペノミクス」は言ってみれば、こんなイメージだろう。「トリクルダウン(徐々に流れ落ちる)」効果と言われ、大企業や富裕層がさらに豊かになれば、経済活動が活発化し、その恩恵が庶民にまで広く行き渡るという考えだ。市場を重視する「新自由主義」の代表的な経済理論の一つで、過去には米国のレーガン政権や英国のサッチャー政権、日本では小泉純一郎政権が採用した。
 安倍首相が描くシナリオはこうだ。「大企業の収益回復→従業員の賃金引き上げや設備投資を通じ、家計や中小企業の収入か増加→個人消費が伸び、企業収益がさらに増える」・この景気の好循環によって、日本経済を長年苦しめてきたデフレから脱却できるという読みだ。
 安倍政権下の大胆な金融政策と事実上の円安誘導で、企業は業績を急回復させた。SMBC日興証券のまとめでは、東証一部上場企業の二〇一四年九月中間決算の純利益は十四兆円と、過去最高を記録した。

 実質賃金

 シナリオ通りなら、ここから企業のもうけたお金が賃上げや設備投資を通じて、庶民の懐に回るはずだが、今のところそうなってはいない。厚生労働省によると、一人当たりの現金給与総額は十月に前年同月比O・5%増にとどまった。
 賃金が伸び悩む中、円安の副作用として海外から輸入するガソリンや小麦、肉などの食料品が値上がりし、四月の消費税増税とのダブルパンチで家計の負担は増している。
 厚生労働省の調査では賃金から物価上昇分を差し引いた実質賃金指数は十月に2・8%減となり、十六ヵ月連続のマイナス。このため消費も伸びていない。スーパーの売り上げや家計の消費支出などを組み合わせた内閣府の消費総合指数は消費増税前の駆け込み需要で落ち込んだ四月以降も足踏み状態か続いている

 内部留保

 一方、企業の抱える内部留保は増えている。利益から配当や税金などを払った後にためこんだ社内資金(利益剰余金)のことで、財務省によると九月末に三百二十三兆七千億円で過怯最高を更新。前年同期に比べ、人件費の伸びが2%以下にとどまっているのに対し、内部留保は二桁の伸びを示している
 八日発表された一四年七~九月期の国内総生産(GDP)の改定値は実質で前期比O・5%減で二・四半期連続のマイナス成長。野党は「アベノミクスは失敗」と批判を強めるが、安倍首相は衆院選公示前日の今月一日に開かれた党首討論会でこう述べている。
 「経団連の会長は、来年もアペノミクスが続けば賃金を引き上げると約束してくれた。再来年とその翌年も賃上げを行えば、実質賃金が消費税分を追い越す状況は間違いない」

2014年総選挙おさらい_1図表

2014年総選挙おさらい_2

増える非正規 広がる格差

 ↑株価

 二年前に安倍政権が発足し、株価は大きく上がった。八日の日経平均株価は一時、一万八〇〇〇円台をつけ、安倍政権の誕生前と比べて八千円近く上昇した。東証一部の時価総額も五百五兆円(十一月末)と倍近くに増えている。
 大胆な金融緩和で世の中に流れた大量のお金が投資資金として株式市場に流れ込み、〈円安で業績を回復した輸出企業を中心に株価を押し上げているためだ。
 株価上昇は景気回復に向けた心理的な効果はあるが、直接的な恩恵は一部の富裕層に限られる。日銀が発表した今年の「家計の金融行動に関する世論調査」(二人以上世帯)によると、株式を保有している世帯は全体の15・5%にすぎず、大多数の庶民が恩恵を受けているわけではな
い。
 同様な経済指標は雇用もそう。安倍首相は会見などで「政権発足以来、雇用は百万人以上増えた」とアベノミクスの成果を強調する。

 ↓正社員の雇用

 しかし、総務省の労働力調査でその内訳をみると、アルバイトや派遣社員など給与が安く身分が不安定な非正規社員が約百二十万人増え、逆に正社員は約二十万人減っていた。一増えた百万人はすべて非正規で、野党は、低賃金の雇用が拡大しているにすぎないと批判している。
 富の偏在は、社会に格差を生みやすい。苦い教訓は、戦後最長を記録した小泉政権下の「いざなみ景気」(二〇〇二年一月~○八年二月)。この時も株価は一万八〇〇〇円台を回復し、企業業績も過去最高益を更新したが、非正規雇用は三百万人増えた。人手が不足し、忙しいのに賃金が増えない「生活実感のない景気拡大」とされ、そのひずみは「勝ち組」「負け組」の言葉に代表される格差社会につながった。
 非正規雇用をめぐっては○八年のリーマンショツク後の企業リストラで派遣切りや雇い止めなどが続出。若者を中心に大量の失業者があふれ、大きな社会問題となった。

2014年総選挙おさらい_21

2014年総選挙おさらい_3

集団的自衛権 変わる不戦

憲法9条解釈を変更

 安倍政権は七月、同盟関係にある米国を念頭に、武力で他国を守る集団的自衛権の行使容認を閣議決定した。集団的自衛権の行使は歴代政権が憲法九条の許す範囲を超えるとして禁じてきたが、安倍政権は解釈を変更。他国の戦争に参加する道を開き、平和憲法の理念を大きく変質させた。
 閣議決定で、武力行使が認められる新たな三要件について「国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」場合などと明記。日本が攻撃されていなくても「密接な関係にある他国」が攻撃された場合に武力行使が認められるとした。
 自衛隊による他国軍への後方支援の活動範囲についても「現に戦闘行為を行っている現場ではない場所」に拡大。現在は許されていない武器や弾薬の提供も視野に入れている。武力攻撃と直ちに認定できない、領海侵入などの「グレーゾーン事態」では、自衛隊の出動手続きを迅速化するとした。
 閣議決定を受け、安倍政権は当初、秋の臨時国会で関連法案の提出を予定していた。しかし、来年四月の統一地方選後に先送りした。国民の反発が強く、選挙への影響を回避するためとみられている。本来、国民の信を問うべき安全保障政策の大転換にもかかわらず、首相は自ら仕掛けた今回の衆院選で具体案をほとんど示さず、争点化を避けた
 こうした首相の政治手法は、閣議決定に至る過程でも同じだった。改憲に意欲を示す首相は就任直後、改憲手続きを緩和する九六条の見直しに意欲を示したが、国民の反対意見が多く、その主張を引っ込めた。その後、改憲しなくても政府の解釈で集団的自衛権の行使は認められるとの姿勢に転じていった

2014年総選挙おさらい_3図表

具体像示さず争点隠し
法政大教授・杉田敦

 閣議決定された集団的自衛権の行使容認は関連法制が整備されないと具体像が見えない。安倍政権はそれを示さずに衆院を解散し、国民に信を問おうとしている。
 当初、憲法九六条の見直しを目指した首相は民意を聞く重要性を強調していた。ところが、今回の衆院選を「アベノミクスが問われる選挙だ」と言い、集団的自衛権の行使容認や原発再稼働など国民に不人気な政策を避けている。恣意的な争点隠しだ
 選挙で選ばれた政治家の意見が民意だとする風潮が強まっているが、幅広い民意を反映するのが民主的な政治。選挙で民意をすべて聞いたと済ますのは間違いだ。とはいえ、安全保障政策の中身を示していなくても、選挙で勝てば「有権者の信任を得た」と政策を推し進めることにな
。強引な政治手法の是非が問われている。

行使必要なら改憲を
元内閣法制局長官・阪田雅裕

 集団的自衛権の行使容認に関する閣議決定では、「密接な関係にある他国」が攻撃を受けた場合に、自衛隊が武力行使できるとされている。だが、それはあくまで「国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」場合などに限られる。
 考えられるのは、朝鮮半島有事など、韓国など周辺の国が攻められたケースだけだ。公海上の米艦船への攻撃や中東での有事で、日本の存立が危うくなったり、国民の権利が根底から覆されたりすることはあり得ない。もし、安倍政権がこれらの事態も武力行使の対象にするなら、政府の判断でいつでも集団的自衛権が行使できることになる
 それでは憲法九条は、なくても同じ。「法治国家をやめる」と宣言するようなものだ。集団的自衛権の行使が必要なら、憲法解釈の変更でなく、改憲を訴えるのが政治の王道だ。

2014年総選挙おさらい_4

原発再稼働 教訓どこへ

 「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立」を公約に掲げ、前回の一二年衆院選で政権復帰を果たした自民党。ところが、安倍首相は翌一三年七月、原子刀規制委員会の下で新たな安全指針の新規制基準が施行されると「基準に適合した原発は順次、運転させる」と発言し、原発再稼働に前のめりな姿勢に転じた
 今年四月に閣議決定したエネルギー基本計画では、原発を「重要なペースロード(基幹)電源」と明記。成長戦略の一環として次世代原子炉の開発、導入や原発の海外輸出も推進するなど原発回帰を鮮明にし、福島第一原発事故後、民主党政権の脱原発路線を事実上撤回した。
 原発回帰で勢いづくのは電力業界。電力各社が再稼働に向け規制委に審査を申請した原発は既に大飯原発3、4号機(福井県)、浜岡原発4号機(静岡県)など二十基に達した。国内四十八基ある原発のほぼ四割で、このうち審査に合格した川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)は県などの地元同意を得ており、早ければ来年二月にも再稼働する見通しだ。
 政権の再稼働路線は九月に再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度か中断された問題にも行きつく。太陽光や地熱発電などの普及を目指して民主政権時代にスタートした制度は購入価格が高く、電力会社にはもともと不評だった。原発再稼働が現実昧を増したことで、購入意欲が薄れ、制度が行き詰まった。
 立命館大の安斎育郎名誉教授(原子力工学)は「原発を取り巻く科学的な問題はこの二年間、何も変わっていない。変わったのは政治の都合だ」と指摘。原発再稼働は、成長戦略を旗印に財界寄りの姿勢を強める政策の一環とみる。
 ただ、再稼働には国民の抵抗感は依然として根強い。このため、政権は運転開始から四十年を超える古い原発の廃炉を進める方針で、経済産業省は電力会社が廃炉を円滑に進められるよう廃炉の損失を一括計上しなくても済む仕組みの検討に入っている。原発を選別することで安全性をアピールし、再稼働への抵抗感を薄める狙いがある。
 一方、建設中の大間原発″(青森県)や設備がほぼ完成している島根原発3号機。(島根県)の運転は容認する考えを示しており、今後の新増設も認める可能性が出ている。

2014年総選挙おさらい_4図表1

「核のごみ」や地元手続き
課題先送りのまま

 原発回帰を鮮明にする安倍政権だが、課題は依然として先送りされたままだ。
 最大の問題は「核のごみ」だ。原発から出る放射線量の高い使用済み核燃料は一万七千トン以上ある。各原発の核燃料プールや青森県六ヶ所村の再処理工場で一時保管されているが、貯蔵能力は限界に近づきつつある。
 ところが、使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクル事業は失敗続きでいまだ技術が確立できていない。高レベルの放射性廃棄物を長期間厳重管理する最終処分地は場所すら決まらず、この状況で原発を順次再稼働させれば、行き場のない核のごみをさらに増やし、将来につけを回すことになりかねない。
 自民党は今回の衆院選でも「原発依存度は可能な限り低減」を公約に掲げた。が、安倍政権は福島第一原発事故前に電源構成の三割を占めていた原発をどの程度引き下げるかについていまだ具体的な数値目標を明かしていない。数値を示せば、世論の反発を招くとの懸念からだが、将来の電源比率がはっきりしないと、太陽光をどれだけ増やすかなど再生エネの普及にも支障をきたす
 原発の運転をめぐる地元手続きも課題。政権は川内原発再稼働の地元同意を鹿児島県と立地する薩摩川内市に限定した。地元の範囲が広がれば、それだけ手続きや住民の説得に時間がかかるためだが、原発事故か起きれば被害が広範囲に及ぶことは福島第一原発事故で証明されている。
 近隣の自治体や住民の間には「リスクだけ背負わされる」’との不満か強く、少なくとも国が防災計画の策定を義務づける原発から半径三十キロ圈を地元同意の範囲にすべきだとの意見が出ている。

2014年総選挙おさらい_4図表2



ナチスに学ぶな 地層を学べ!

投票日は12月14日です


大間原発に全3候補ノー 対岸の北海道8区ルポ
(東京新聞【こちら特報部】)2014年12月9日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014120902000177.html
北海道函館市は、青森県大間町に電源開発(Jパワー)が建設中の大間原発の対岸に位置する。衆院選北海道8区(函館市、北斗市など)で立候補している共産、民主、自民の三人は、いずれも大間原発の建設に反対している。有権者は大間原発に拒否感が強いためだが、三人の主張にはスタンスの違いがある。安倍政権の進める原発政策の問題点も浮き彫りになっている。
(白名正和、篠ケ瀬祐司)

大間原発に全3候補ノー 対岸の北海道8区ルポ_1

 「津軽海峡には活断層が走り地震の恐れがある。事故を起こすと制御できない原発をつくるのは危険だ」。共産新人の原田有康(ゆうこう)氏(六六)は八日午後、函館市に隣接する北斗市の市商工会前で訴えた。
 民主元職の逢坂誠二氏(五五)も八日夜に函館市内で開いた個人演説会で「大間原発が事故を起こせば、福島以上の被害が出る。北に逃げようにも道路は少なく、安全な避難は難しい」と建設反対を強調した。
 自民前職の前田一男氏(四八)は八日朝、函館市内の建設会社で「大間原発は必要ないと一貫して主張している。建設工事を止めるための声を与党内で上げる」と力説した。
 三候補ともこぞって大間原発の建設に反対しているように見える。しかし、その主張をよく吟味すると、原発政策に対する姿勢の違いがある。
 原田氏は「大間は、これまで使ったことのない燃料を使用する非常に危険な原発。建設を食い止めるために、全力を尽くす」と建設の即時中止を求める。
 逢坂氏は、「大間はプルトニウムペースの燃料を使うので非常に危険」として「建設凍結」を主張。「原発依存から再生可能エネルギーへ転換する必要がある。超党派で脱原発基本法を提出する」とする。
 前田氏は、「避難計画が立てられないから」というのが理由。原発そのものに反対しているわけではなく、「大間が動かないなら、核燃サイクルは、ほかの原発で考えればいい」と
いう発言もしている。「既存原発は安全を確認した上でベースロード電源として利用する」として、北海道電力泊原発の再稼働には反対していない
 実は、福島原発事故の後、いったん中断していた大間原発の工事再開を認めたのは、民主党政権だ。前田氏はこの点を捉えて逢坂氏を攻撃するが、逢坂氏は「自民党候補者は、前回衆院選でも建設に反対していたが、工事は進んでいる」と反論している。
 同床異夢であっても三人が大間原発の建設に反対姿勢を示すのは、理由がある。選挙区、特に人口二十七万人を擁する大票田の函館市の有権者が大間原発に拒否反応が強いためだ。
 大間原発までは最短で二十三キロ。事故が起きれば、大きな被害が予想される。放射線に対する防護措置が必要な五十キロ圏内には市の大部分が含まれる。
 夫婦で漁業を営む女性(六一)は「原発事故が起きたら福島のように漁もできず、海産物も売れなくなってしまう。生活が成り立たなくなる。怖さを肌身に感じている」と話す。タクシー運転手の武田隆志さん(七一)は「函館は水産業と観光が一体化している町だ。原発事故が起きたら人が来なくなって、何から何まで駄目になる」と心配する。

大間原発に全3候補ノー 対岸の北海道8区ルポ_2

「函館市民の思いは脱原発」

 二〇一二年十月と一三年二月には、函館市や北斗市などの自治体、商工会議所、漁業協同組合、観光協会、町会連合会が連名で、大間原発建設の無期限凍結を求める要請書を国などに提出している。
 これだけ、反対意見の強い土地柄。観光名所でもある函館朝市で店を経営する男性(六三)は「まちを挙げて反対しているこの地で『大間原発に賛成』なんて言ったら大騒ぎになるから、反対と言っているだけじゃないか。党が原発を進めるとなったら止められるとは限らない。反対という言葉をそのまま信用することはできない」と話した。
 函館市は今年四月、Jパワーと国に対し、建設中止や原子炉設置許可の無効を求めた訴訟を恵京地裁に起こした。
 函館市議会は三月、訴訟に関連した議案について、全会一致で可決している。自治体による初の原発差し止め訴訟だ。
 東京電力福島第一原発の事故を受け、国の原子力安全委員会は一一年十一月、原発事故に備えた防災対策を重点的に実施する区域を、それまでの原発から半径八~十キロ圏を三十キロ圏に拡大することを決めた。
 これにより、函館市など三十キロ圈に含まれる自治体は避難計画の策定が義務付けられた。それなのに、原発建設の同意対象に含まれていない。「函館市が同意するまでは建設をやめるべきだ」とする。工藤寿樹市長は、周辺市町村の怒りをこう訴えた。「危ない地域とされたのに、国や事業者は説明会も開かない。発言権もないのは理不尽だ
 工藤市長は大間原発の特徴の一つに、使用燃料の危険性を挙げている。
 大間原発は、使用済み核燃料に含まれている燃え残りのウランや、原子炉内の反応で生まれたプルトニウムを混ぜた混合酸化物(MOX)燃料だけを燃やす。世界初の「フルMOX」原発だ。毒性の強いプルトニウムを使う上、前例のないフルMOXに、専門家の間からは安全性を疑う声が絶えない。
 なぜフルMOXの建設を急ぐのか。原告側の河合弘之弁護士は「日本中の使用済み核燃料を処理してもらいたい、それによって原発の延命を図りたいという電力側や原子力推進側の希望がある」からだとみる。
 大間原発はプルトニウムを減らす使命を負うている。当初政府は、プルトニウムを使った新型転換炉「ふげん」に代わる実証炉を、大間に造る計画だったが、巨額な建設費で頓挫。MOX燃料を燃やす高速増殖原型炉「もんじゅ」もトラブル続きのため、MOX燃料を原発で燃やす「プルサーマル」や、危険度が上がってもフルMOXの大間原発が必要なのだ。’
 安倍政権が四月にまとめた「エネルギー基本計画」でも核燃料サイクルを進めると明言。具体策として使用済み核燃料の再処理やプルサーマルの推進を挙げている。
 各候補に温度差はあっても、大間原発の建設に反対しているのは事実だ。
 大間原発の建設中止を求めている「大間原発訴訟の会」の竹田とし子代表は。「市民の思いは脱原発で一致している。選挙結果にかかわらず、選挙後の政府は地元の思いを受け止めるべきだ」と話す。
 北星学園大の小野有五教授(自然地理学)は「三十キロ圏内なのに発言権もないのはおかしいという、函館市の主張はもっともだ。フルMOXの危険性だけではなく、大間原発の近くには、複数の活断層の存在も指摘されている。政府や各政党は、8区の候補者が全員、大間原発に反対している事実の重みを感じてほしい」と指摘している。

大間原発に全3候補ノー対岸の北海道8区デスク








○●○ ちょっと一服 ●○●

リンク先で見ることができます。ぜひ見に行ってくださいませ(^-^)/



ふぁっと・いず・じす???
Googleマップ 不思議画像 草津温泉
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神様の夫婦??(^0^)
Googleマップ 不思議画像 神様の夫婦?
https://www.google.co.jp/maps/@47.1105988,9.2288195,3a,75y,282.73h,118.2t/data=!3m4!1e1!3m2!1szpqzcoFrH7RkPIp7hMSgaA!2e0?hl=ja



異次元の入口か??(・3・)
Googleマップ 不思議画像 白馬の大穴?
https://www.google.co.jp/maps/place/%E9%A3%AF%E6%A3%AE%E9%A7%85%EF%BC%88%E9%95%B7%E9%87%8E%EF%BC%89/@36.6665651,137.7709393,1992m/data=!3m1!1e3!4m2!3m1!1s0x5ff7d1ba9374d2c1:0xabc697ffb26dee9d



ふぁっと・いず・じす???その2
Googleマップ 不思議画像 結界?
https://www.google.pt/maps/@42.0799688,-7.7114007,3a,90y,184.45h,121.77t/data=!3m4!1e1!3m2!1s9drPBvhx3ZgTwVoSwFa8oQ!2e0?hl=pt-PT



御巣鷹山近くの謎の施設(゚д゚)!
Googleマップ 不思議画像 御巣鷹山謎の施設
https://www.google.co.jp/maps/place/36%C2%B000'59.7%22N+138%C2%B041'15.6%22E/@36.0192952,138.6813799,326m/data=!3m1!1e3!4m2!3m1!1s0x0:0x0



何やってるの??(笑)(o_ _)ノ彡☆
Googleマップ 不思議画像 変な二人のおっさん
https://www.google.co.jp/maps/@60.360884,5.3693294,3a,37.5y,347.06h,68.1t/data=!3m4!1e1!3m2!1sCBp3BuT0mcC0tUW-HtDV2Q!2e0?hl=ja

変な二人のおっさんが追いかけてきました(^O^)
Googleマップ 不思議画像 変な二人のおっさん2
https://www.google.co.jp/maps/@60.3608849,5.369893,3a,90y,256.4h,54.12t/data=!3m4!1e1!3m2!1scEJxnAqwazJRpAg50a3VmQ!2e0?hl=ja



これはすごい!?
Googleマップ 不思議画像 首都高速羽田可動橋
https://www.google.co.jp/maps/@35.5615767,139.7540544,341m/data=!3m1!1e3?hl=ja

羽田可動橋 - Wikipedia



Googlee ストリートビューでプロポーズ
Googleマップ 不思議画像 プロポーズ
https://www.google.com/maps/@37.420944,-122.0839544,3a,37.5y,9.15h,80.71t/data=!3m4!1e1!3m2!1s0JwQNpGw9ctY-fZ7BA0_dA!2e0

プロポーズの経緯(^^♪(英文)
marrymeleslie.com



海底猿面山(ノ゚ο゚)ノ
Googleマップ 不思議画像 海底猿面山
https://www.google.com/maps/@6.1083463,144.971821,148156m/data=!3m1!1e3



これはみごと!('∀`)
Googleマップ 不思議画像 鳥
https://www.google.co.uk/maps/@50.8235706,-0.1335963,3a,30y,215.32h,85.8t/data=!3m4!1e1!3m2!1sbZ_zx1I3Jno2dGPdkkVZjg!2e0?hl=en



喜望峰に現れた未確認飛行物体(゚д゚)!
Googleマップ 不思議画像 UFO
http://www.360cities.net/image/good-hope-2#86.94,-2.67,16.1
現在、Googleマップから削除されています。

Googleマップに掲載されてた当時の記録動画↓

AMAZING! Ovni UFO over South Africa, Google Earth (HD 1080p).mp4

http://youtu.be/I3rc37196pA



さあ!投票に行こう!(^ω^)


小出裕章先生:今現在、放射能で汚れた場所に人々が捨てられてしまっている

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いま、新聞ジャーナリズムが危ない
(ラジオフォーラム#101)

http://youtu.be/Vr4jWgi8Ooo?t=15m8s
15分8秒~第101回小出裕章ジャーナル
福島原発は今/汚染水対策と除染について「現在、放射能で汚れた場所に人々が捨てられてしまっているわけで、その人達の被ばく量を減らすということはなんとしてもやらなければいけないと思います」

http://www.rafjp.org/koidejournal/no101/
放射能汚染 無能無策

景山佳代子:
福島の原発事故からもう3年半以上が経過して、とてもアンダーコントロールとは言えない状況なんですが、12月と来年1月の小出裕章ジャーナルでは、特集シリーズをお送りしていこうと思っています。12月は「福島原発の今」、1月は「原発はなぜいけない?」というふうになっています。本日の特集シリーズは「福島原発の今」で、汚染水対策と除染対策について特にお伺いしていきたいなと思ってるんでよろしくお願いします。

まず汚染水対策なんですけれども、こちら小出さんずーっと汚染水については「難しい」ということをおっしゃっていましたので、改めてっていうふうにはなるんですが、まずALPS(アルプス)の稼働なんですが、このアルプス10月から本格稼働したということなんですけれど、このALPSっていう物のその除染の現状と課題というのをちょっと伺っておきたいなと思ったんですがいかがでしょうか?
多核種除去設備 (ALPS)

小出さん:
はい、汚染水と皆さんが呼んでいるもの、それは放射能で汚れているという意味ですよね。

景山:
はい。

小出さん:
これまで東京電力も国も放射能で汚れた水の中からセシウムというただ一種類の放射能だけ取り除いてきたのですけれども、セシウム以外にもたくさんの放射性物質がありますし、特に重要なのはストロンチウムという放射性物質ですが、それはこれまでは全く取り除けなかったのです。それを何とかして取り除きたいということで、アルプスという装置を設置しようとしたわけですが、残念ながらほとんどまともに動いていません
染水対策 福島第1”赤信号”

一番問題なのは現場。福島第一原子力発電所の敷地の中が、もう放射能の沼のような状態になってしまっていまして、
放射能の沼
どんな装置を作るのも、どうやってその装置を動かすかもすべてが被ばくを伴ってしまうということで、安全な場所でゆっくりとキッチリとした装置を組み立てて、それをゆっくりと被ばくもしないまま運転できるというような状況ではないので、次々と新しいトラブルが出てきてしまって、それを乗り越えるためにもまた被ばくをしてしまうという、そういう環境なのです
高線量状態が日常化

私はもちろんアルプスが期待通りに動いてほしいと願いますけれども、そうなることもとても難しいという、そういう状況なのです。ただし、ALPSが動いたとしても、取り除けない放射能というのはありまして、例えばトリチウムという名前の放射性物質はALPSは動こうと、他の浄化装置が動こうと、全く取り除けません。
トリチウムとは
トリチウム除去できず
ですから、結局そのトリチウムに関しては、何の対策もとりようがありませんので、いつの時点かであれ「海に流す」と必ず彼らは言い出します

トリチウム海に放出
ヒトのトリチウム摂取例

景山:
じゃあ、その結局は取り除けなかった放射能物質っていうのが、含まれたままの水が海水に出るっていうことになりますね?

小出さん:
そうです。はい。
放射性物質の海洋より人への移動

景山:
あと、もうひとつ汚染水についてなんですけれども、東電が海側のトレンチ、配管等が通る地下トンネルにたくさん溜まっている高濃度汚染水を除去しようという、こういう計画を立てていたんですが、結局これ建屋からの汚染水流入が止められなくって、東電は汚染水の完全除去っていうのは断念しましたっていう報道がありました。東電はセメントを流し込んで固めようという案を出してるんですけれども、こういった案の実行性というか問題点とかあれば、また教えて頂けますか?
難航する福島第1 トレンチ汚染水工事

小出さん:
はい。ここ1年近く東京電力と国が何をやろうとしてきたかと言うと、トレンチと呼んでいる地下のトンネルがあるのです。そのトンネルの中を配管が走っていたり、電気の配線が走っていたりするわけですけれども、そのトンネルの中に、2011年3月の段階ですでに1万トンもの放射能汚染水が溜まっていたのです。
低レベル汚染水、海へ放出
2011年4月2日

私はもうその段階で、この汚染水をなんとかしないと、どんどん海へ流れていってしまうので、その段階でその汚染水だけはとにかく巨大タンカーにでも移して、1万トン分の処理をすべきだと発言をしたのですが結局、それを東京電力も国もやらないままきてしまったのです。これもまた1年程前になってとにかくやらなければいけないということで、トレンチの部分を遮断しようという作業を始めたのです。
巨大タンカへ汚染水を収納
どうやって遮断するかと言うと、トレンチの一部を凍らせて、原子炉建屋タービン建屋の側と地下のトンネルを隔離しようとしたのですけれども、いくらやってもそこに氷の壁を作ることができないということで、彼らの計画が失敗してしまったということになりました
汚染水トンネル 埋立地だった 東電元幹部証言
これからは、今景山さんおっしゃって下さったように、コンクリを流し込んで、順番に汚染水を少しずつ少しずつ抜き取っていくというやり方に変えると言ってるのですが、多分それしか私もないと思います。ただし、み出した汚染水というのは、強烈に放射能で汚れていますので、それをじゃあこれから一体どうするかということもこれから考えなければいけません

小出裕章ジャーナル

景山:
なるほど。では、次に今度は除染対策のことについて伺っていきたいんですけれども。除染についても、もうほんとにずーっと小出さんは難しいということをちゃんと発信してくださってたんですが、相変わらず、復興予算というところが除染に対しての巨額の予算が注ぎ込まれていて、これ実際どれぐらい効果があるんだろうかっていうふうに思うんですが、除染を効果的に実施する方法っていうのはあるんでしょうか?
除染、ゼネコンしか…

小出さん:
まず除染という言葉ですが、いわゆる漢字で書く除染はですね、汚れを除くと書くのですね。しかし、汚れの正体は放射性物質、放射能なんです。放射能、放射性物質というのは、人間がどんなふうに手を加えても、消すことができないものですので、言葉の本来の意味で言えば、除染というものはできないのです

景山:
そうですね。はい。

小出さん:
じゃあ、何ができるかと言うと、人々が生活している場の汚染をどこか別の場所に移すということであって、私はその汚れを移すという意味で「移染」という言葉を使っています。できることは唯一それなのです

景山:
ですよね。はい。

小出さん:
しかし、今現在、放射能で汚れた場所に人々が捨てられてしまっているわけで、その人達の被ばく量を減らすということはなんとしてもやらなければいけないと思います。私は本来ならば、放射能で汚れた場所から人々を避難させる、移住させるということが一番いいと思いますし、国家の責任としてやるべきだと思っているのですが、国家がそれをやらないで、人々を汚染地帯に捨てている限りは、人々の生活範囲から汚れを移動させるということだけはやらなければいけないと。

今、福島を中心にして、1万4千平方キロメートルという広大な地域が放射線管理区域という区域に指定しなければいけないほどの汚染を受けているのです
。放射線管理区域というのは普通の人々は立ち入ることすら許されない。私のような特殊な人間でも、そこに立ち入ったら水を飲むことも許されない。つまり、生活してはいけないという、そういう場所になってしまっている。家も汚れている、庭も汚れている、道路も学校も公園も田畑も林も森も山も汚れているのです。もちろん、そんな所を全部移染するなんていうことはできる道理がないのですけれども。
放射線管理区域レベルの場所
でも、人々が毎日生活している家であるとか学校であるとか、そういう所だけは何としてもその移染しなければいけないと私は思います。あまり、効果があるとは言えませんけれども、でもやらざるを得ないと思います

景山:
その私達が考える以上に、本当に難しい問題をずっと次々に突き付けられているというのが現状かなというのを改めて確認させてもらいました。小出さん、今日もどうもありがとうございました。

小出さん:
いえ、こちらこそありがとうございました。





小出裕章:高濃度汚染水漏れについて:遮水壁=地下ダム

http://dai.ly/x12jom7
何か皆さん今になって汚染水問題ということが起きてきた、あるいは大変だと思われてるようなのですけれども、私からみると何を今更言ってるんだろうと思います。
事故が起きたのはもう既に二年数か月前の2011年3月11日だったのです。
それ以降汚染水というのは敷地の中に大量に溜まってきまして3月中にもう既に福島第一原子力発電所の敷地の中に10万トンの汚染水が溜まっていました。
コンクリートというのは元々割れるものです。
割れのないコンクリート構造物なんていうものはありません。
おまけにあの時には巨大な地震でそこら中が破壊されたわけで原子炉建屋、タービン建屋、トレンチ、ピット、立て抗にしてもコンクリートにそこら中にひび割れが生じていたのです。
ほとんど目に見えない建屋の地下であるとか、トレンチ、ピット、要するに地面の所に埋まってるわけですから見えない所でそこら中で割れて、そこら中から漏れている。
当時もそうだし、二年経った今だって必ずそうなのです。

私はとにかくコンクリートの構造物から漏れない構造物に移すしかないと考えました。
私が思いついたのは巨大タンカーでした。
10万トン収納できるようなタンカーというのはあるわけですから10万トンタンカーを福島の沖まで連れて来て福島の敷地の中にある汚染水をとにかく巨大タンカーに移すという提案をしました。
でもまたそれも次々とコンクリートの構造物に汚染水が溜まってくるわけですから何とかしなければいけないと思いまして私はその巨大タンカーを東京電力柏崎刈羽原子力発電所まで走らせる
柏崎刈羽原子力発電所というのは世界最大の原子力発電所でそれなりの廃液処理装置もあります。
宝の持ち腐れになっていたわけで柏崎刈羽までタンカーを移動させてそこの廃液処理装置で処理をするのがいいという風に3月末に私は発言した。
そういうことはやはり政治が力を発揮しなければできないのであって政治の方々こそそういうところに力を使って下さいと私はお願いしたのですけれども、とうとうそれもできないまま何も手を打たないままどんどん汚染水が増えて今現在30万トンにもなってしまってるというのです。

(3.11からもう二年数か月経ってるわけですけれども、あの時にもしスタートさせていたら今もう間に合ってるんじゃないか)
もちろんです。
また次に10万トン汲み出すということもできたでしょうし現在直面している事態よりもはるかに楽になっていたはずだと思います。
そういう意味では政府と東京電力が無能だったということだと思います。



土壌汚染 福島市・郡山市の深刻度 矢ケ崎克馬・琉球大名誉教授に聞く
(東京新聞【こちら特報部】)2011年9月22日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2011092202000038.html
 福島第一原発事故で放射能に汚染された福島市や郡山市の土壌濃度は、チェルノブイリ原発事故で健康被害が続出した地区に匹敵する-。内部被ばくに詳しい矢ケ崎克馬・琉球大名誉教授(67)は、先月30日に文部科学省が発表した詳細な土壌汚染マップを基に両事故の汚染度を比較した。その結果、「子どもら住民の健康被害が予想される」として、学校疎開を含めた被ばく軽減対策を最優先に取り組むよう訴えている。
(小倉貞俊)

土壌汚染 矢ケ崎克馬・琉球大名誉教授に聞く

 「福島の汚染状況は、チェルノブイリ並に深刻。つらくても、まずそれを認識してほしい
 原水爆禁止日本協議会の会議を終えた矢ヶ崎氏は、東京都内で資料の束を手に話し出した。
 文科省の土壌汚染マップは、6~7月、福島第一原発から100キロ圏内の約2千2百地点で、5カ所ずつ地表5㎝の土を採取し、放射性セシウムの濃度を分析したもの。
 このうち、福島市で94地点、郡山市で118地点を測定し、セシウム137(放射能は約30年で半減)濃度の1平方メートル当たりの平均値は、それぞれ16万1千ベクレル、10万ベクレルだった。
 矢ヶ崎氏は、この数値と、1986年に事故が起きたチェルノブイリ原発から110~150キロ西のウクライナ・ルギヌイ地区の汚染状況とが「放出された核種の成分分布の違いはあるが、酷似している」と指摘する。
 同地区での放射能災害の研究は、京大原子炉実験所の今中哲二助教が編集した国際共同報告書で紹介されている。
 同国では、汚染濃度別に三つのゾーンに区分。
ベクレル換算で、1平方メートル当たり55万5千ベクレル以上が「移住義務」、55万5千未満~18万5千ベクレルが「移住権利」、8万5千未満~3万7千ベクレルが「管理強化」となる。
 ここで土壌汚染マップを見ていただきたい。
土壌汚染マップ
 福島、郡山がある「中通り」に点在する青色が1平方メートル当たり60万未満~30万ベクレルで、一番多い群青色が30万未満~6万ベクレルの地点を示す。
ちなみに、みどりや黄、赤色はより汚染度が高い。両市とも、ウクライナに当てはめると、「管理強化」と「移住権利」のゾーンにあてはまる。
 次に「管理強化」の地点数を比べてみると、ルギヌイ地区が85%(以下、文中は四捨五入)に対して、福島市は56%、郡山市は59%
 そして「移住権利」では、同地区の13%に対して、
福島市は31%、郡山市は14%と、高汚染の地点数では上回る。
ただ、汚染が比較的に低い地点は郡山市が27%と多い。
 矢ヶ崎氏は「ルギヌイ地区の健康被害を分析すれば、福島市で将来、何が起きるか予想できるはずだ。」と強調する


甲状腺疾患 増加の懸念

 では、同地区ではどんな現象が起きたのか。まずは子どもの甲状腺への影響だ。事故直後は、100人に1人の罹患率だった甲状腺の病気が、9年後には10人に一人までに増加。通常は10万人当たり数人とされる甲状腺ガンは、1000人中13人にまで拡大した。「いずれも5,6年後から発症が急増している。福島でも、必ず起こりうることだと申し上げたい」
 さらに、同地区の病院の全患者に免疫力の低下や感染症の長期化などが確認され、90~92年の死亡率を事故前の85年と比べると、死期は男性で約15年、女性で5~8年早まっていた。

「棄民政策」やめて

内部被ばく無視の国際基準

 矢ヶ崎氏は、国際放射線防護委員会(ICRP)が定める一般人の年間被ばく線量の限度「1ミリシーベルト(自然放射線量を除く)以下」にも危惧を強めている。
 同地区の管理強化ゾーンは、被ばく線量が、1.59~0.83ミリシーベルト。
つまり、ICRPの基準ライン上で多くの病気が発症していることから、「内部被ばくを無視しており、基準自体が疑問だ
 その背景について、「核戦略と原子力利用を推進してきた米国の存在がある」と続ける「原発を運営する側の立場を優先させ、人の健康を後回しにしている。日本の科学者も米に追随して、放射線の健康被害を隠ぺいする工作に加わってきた。」
 チェルノブイリ事故でも同様だ。
 「数々の健康被害が報告されながら、被害を極めて少なく見せようという動きがまだ主流を占めている。」
 矢ヶ崎氏が典型的な例とするのは、国際原子力機関(IAEA)の依頼を受けた国際諮問委員会の報告だ。その中では、「住民は放射線が原因と見られる障害を受けていない。
悪いのは、放射能を怖がる精神的ストレスだ」と述べられていた。
 ICRPが、「100ミリシーベルト以下では健康被害へのデータがない」との立場をとっていることや、国がICRPの勧告に従い、年間被ばく量の限度を20ミリシーベルトにしようとしたことについて、「到底許し難い。放射能の犠牲者を意図的に隠しながら、今も生み出している」と切り捨てた。
 こうした怒りは、どこから来るのか。
 長野県松本市の出身で、物理学を学ぶため広島大大学院に進学。被爆者と接して平和への思いを深め、原爆の健康被害を認めようとしない国の姿勢に疑問を持った。琉球大の教授だった2004年から、原爆症認定集団訴訟を支援。内部被ばくについて、二度証言に立ち、一審、二審の19回の判決全てでの勝訴につながった。

学校疎開の訴訟を支援

 矢ヶ崎氏は、今、新たな訴訟に力を貸す。6月に郡山市の児童・生徒と親たちが、同市に学校ごと疎開する措置を求める仮処分を福島地裁郡山支部に申請。その親たちから要望を受け、9月上旬に冒頭の内容をまとめ、意見書として提出した。
 同支部は意見書を受けて、審尋内容の見直しを表明し、結審は先に延ばされた。矢ヶ崎氏は、「お母さん方は血のにじむような思いで暮らしている。その努力で日本の子どもたちが守られていることを、忘れてはいけない。」と訴える。
収穫の秋を迎えた。ウクライナでは汚染食品への警戒を怠った人も少なくない。国は、暫定規制値を超えた食品の出荷を禁じているが、「規制値以下ならただちに健康に影響はない」という姿勢だ。
 「政府が生産者と消費者を分断させているようなもの。今の方針では被ばくし続ける」として、矢ヶ崎氏は提言をする。「汚染された土地の産物を売ってはいけない。食べてもいけない。汚染食品は、政府が買い上げ、生産者の生活を保障すること」また、田畑が汚染されたため農業を離れざるを得ない生産者には「被災地以外の休耕田、耕作放棄地を一時的に貸すなどの仕組みもあっていいのではないか」。
 今後、予測される健康被害を前に、健康制度の充実と 医療的な保障制度づくりも急務という。「国はチェルノブイリ事故や原爆訴訟が何であったのかを受け止め、学んで改めてほしい。
このままでは、『棄民政策』といわれても仕方がない」

デスクメモ
「原発事故後の対応は憲法違反。なぜ問われない」A君は憤る。福島県民の年間被ばく限度値は当初「二○ミリシーベルト」。自主避難者への冷遇、食品暫定規制値の高さ、情報隠し…。「主権在民は一体どこ?」。主権は国民にあると日本国憲法前文で宣言するが、「主権在官か、在政、在電の国さ」が耳に残る。(呂)


実測チェルノブイリ放射能汚染地図 福島の人が住
http://www.daysjapan.net/bn/1406.html


300km圏内の汚染度



総選挙・原発問題の後景化に憤る福島の被災者
(東京新聞【こちら特報部】)2014年12月11日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014121102000168.html
 耐え忍べば、いつか春が来るはず。しかし、そうした期待にも限界はある。福島原発事故で被災した少なからずの人びとの思いだ。今回の衆院選では、与党はもとより野党第一党も原発問題に腰を引いている。事故から間もなく四年。「風評被害の払拭(ふっしょく)」という標語も、事故の風化を促している。だが、事故収束も被災者の生活再建もいまだに見通せない。今回の選挙を被災者らはどんな思いで見つめているのか。
(榊原崇仁)

総選挙・原発問題の後景化に憤る福島の被災者_1

除染・ハコモノ
真の復興と別


農地が汚染ごみ置き場へ

  「頭の中を占めているのは先祖代々の農地をどうするかということ。いまのままじゃ、荒れ放題になるだけだし…」
 居住制限区域の福島県飯舘村から福島市に避難する市沢秀耕さん(六〇)は、苦々しい表情を浮かべた。
 市沢さんは飯舘村で農業を営んできた家の六代目。二・五ヘクタールの田んぼと一・五ヘクタールの畑を代々引き継いでおり、村内では比較的大きな農家だったという。
 自身は福島市内の農業高校を卒業後、島根大農学部に進学。田舎暮らしに抵抗を感じて静岡市内の建材メーカーに勤めるも、親の説得で帰村。村役場に勤めながら農業に従事した。
 次第に、一度は離れた古里に思いを強めていく。
 「自分を含めて同年代の若い職員は皆、生まれ育った飯舘村にプライドを持てずにいた。『山の中にある過疎の村』と見られていたから。『これからの村をどうにかせんと』と喧々諤々(かんかんがくがく)の議論をしていた」
 デスクワーク中心の村役場は三十八歳で退職。農業を生活の中心に据えつつ、村内唯一の喫茶店「椏久里(あぐり)」の経営を始めた。「アグリカルチャー(農業)」にちなんだ命名だ。
 自ら収穫したブルーベリーのケーキに、東京の老舗「カフェ・バッハ」から仕入れるコーヒー。人口わずか六千人の村で「行列ができる店」となった。
 充実した日々を一変させたのが福島原発事故だ
 市沢さんは村が二〇一一年四月に計画的避難区域に指定されると、妻の美由紀さん(五六)や同居する母親(八四)と福島市内の借家に避難。知人の紹介で同市内に喫茶店の店舗を確保し、一一年七月から再開させた。しかし、先祖伝来の農地は深刻な状況に陥っていた。
 収穫したブルーベリーからは、一キロ当たり七〇〇ベクレルの放射性セシウムが検出された。出荷制限の基準値の七倍。農地にはみるみるうちに雑草が生い茂り、サルやイノシシが出没。ブルーベリーの枝は折られ、地面は穴だらけになった。
 「戦争の赤紙と同じ」と市沢さんが見なすものも来た。自身の農地を除染廃棄物の置き場にしたいという要請だ。「隣の区長を通じて頼まれた。田舎だとお上意識も強くて、こういうのは断りようがない」。昨年十一月に了承した。
 仮置き場に運び込む前の「仮仮置き場」と説明されたが「本当に『仮の仮』なのか。中間貯蔵施設も最終処分場になりかねない。結局、いいかげんな話がまかり通りそうで怖い」。
 農地の問題には、放射線量以外にも大きなハードルが横たわる。「若い世代が農業を再開させるなら、将来を見据えて設備投資もできるが、私たちの年代では見通しが立たない。それに若者の多くも、放射能を気にして帰村には慎重だ

総選挙・原発問題の後景化に憤る福島の被災者_2

謝罪ない東電にいら立ち

 こうした状況に加え、市沢さんにはずっと腑に落ちないことがある。東電の姿勢だ。市沢さんは「ちゃんと謝ってもらわないと、気持ちの整理が付かない。いらだちぱかりが募り、前を向けなくなる」と話す。
  「これまで謝罪といっても、損害賠償の書類と一緒に『広く社会にご迷惑をおかけしました』と書いたA4判一枚の紙を送ってきた程度。何かの集会で東電の幹部が土下座したけど、パフォーマンスにすぎない。被災者の家を一軒一軒回って話を聞き、どんな迷惑をかけているのか理解したうえで謝罪すべき
 市沢さんら五世帯十四人の村民は一二年三月、日本では認められた例がないという「懲罰的慰謝料」などを求める訴訟を東電相手に起こした。ちなみに東電側に和解の動きはない。
 事故の清算は終わっていない。そして今回の衆院選でも、被災地の困難や支援策が十分に語られているとは思えないと言う。
 「事故からもうすぐ四年になる。記憶の風化は確かにある」。そう語る市沢さんは「復興」というスローガンも、議論を停滞させている一因とみている。
 「被災者はそれぞれ複雑な問題を抱えている。それを一つ一つ乗り越えないといけないのに『事故からの復興』という言葉でひとくくりにされがちだ。これでは問題の本質が曖昧になってしまう。ジャブジャブとカネを注いで、除染やシンボル的なハコモノを造るばかり。そうしたことは真の復興とは言えない

国会の原発議論停滞
実質審議2年で14回

 この二年間、原発をめぐる国会の議論はお世辞にも活発とはいえなかった。
 当てが外れたのは、衆院の原子力問題調査特別委員会だ。国会の事故調査委員会(国会事故調)の提言を受け、前回衆院選直後の通
常国会で新設された。
 国会事故調が二〇一二年七月にまとめた報告書は、原子力特委設置を提言したほか、津波前の地震が事故の一因である可能性を指摘するなど、政府や東電とは異なる見方も示した。
 この流れを受け、原子力特委では国の原子力規制委員会の監視にとどまらず、事故原因などをめぐり、活発な議論が期待された。
 ところが、開会の回数は二年間で約二十五回だけ。実質審議は十四回だった。ちなみに特定秘密保護法案や、日本版「国家安全保障会議(NSC)」創設関連法案を審議した衆院国家安全保障特別委員会は、一三年十月から約一カ月半で二十回開かれている。
 一二年九月に国会事故調が解散した後、記録は国会図書館に保管されたが、情報公開法の対象ではなく、議員も閲覧できない。超党派の「原発ゼロの会」は資料の取り扱いルールづくりを求めたが、衆院議院運営委員会の図書館運営小委員会は、解散までに結論を出せなかった。
 「ゼロの会」は一時は自民、民主、共産など九十人超を擁したが、前回衆院選後には約五十人に半減。国会の議論をリードするほどの影響力はなかった。
 野党時代に国会事故調設置を求めた自民、公明両党は原発推進の姿勢を鮮明にしている。自民党は今衆院選で、原子力を「重要なペースロード電源」と位置付け、公明党も「原発ゼロをめざす」としつつも再稼働を条件付きで承認。公示前の調査では、自民党候補予定者の九割、公明党は八割が再稼働に賛成だった
 野党第一党の民主党は七割以上が原発再稼働反対。だが、海地方の小選挙区出馬の党候補二十五人のうち十八人が「核燃料サイクル」推進などの政策協定を中部電力労組と結んだ
 維新の党は脱原発依存を強めるものの、即原発ゼロの主張は共産、社民両党など少数派だ
(篠ケ瀬祐司)

総選挙・原発問題の後景化に憤る福島 デスクメモ

ポイント・オブ・ノー・リターンは近い…(´・ω・`)

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衆議院選挙の翌日に、小出裕章さんにお話を聞く 1

http://youtu.be/kYC3kESmtGA
衆議院選挙翌日12月15日に、わたくし溝江玲子と遊絲社のスタッフが、京都大学原子­­炉実験所におじゃまして、小出裕章先生お話を伺いました。
川内原発の再稼働についてのお話、汚染地からの避難の問題、選挙制度の問題のこと、な­どなど、大いに話­が弾みました。


※次回作がリリースされましたら追記します。







P.N.R. (Point of no return) 帰還不能点
(原発危機と平和)2011年09月02日
http://nagariyadani.seesaa.net/article/223850063.html
PNR01

私の父方の祖父はポーランドのオシフィエンチムという小さな町で生まれました。私が講演するときこの町の名前を挙げると、その名前を知る日本人はほとんどいませんが、第二次世界大戦でドイツに占領され、ドイツ名でアウシュビッツと呼ばれるようになると、多くの人は、頭を縦に振って頷きます。
運よく私の祖父は、自分の町が死の工場となる前に、イスラエルに移住しました。

PNR02

今年の夏休みに家族でポーランドとアウシュビッツに行ってきました。
この投稿の題名は帰還不能点です。
アウシュビッツをガイド付きで3時間歩き回ったあと、家族だけでもう一時間、ゆっくりと見て歩きながらいくつもの帰還不能点に出会いました。
上の写真に写っている門も一つの帰還不能点であると共に、今でも世界の大勢の人にとって一度くぐると二度と戻れないことのシンボルになっています。
PNR03

ヨーロッパ中からこのような貨車に何十人と押し込まれて、時に一週間以上水も食料もなく、当然トイレもない状況でアウシュビッツに連れて行かれたユダヤ人にとって、この貨車も帰還不能点でした。
アウシュビッツの門をくぐったときには既に亡くなっていた人もいたし、写真に写っている広場で到着直後選別され、ガス室に送られた人はそれ以上にいました。
PNR04

ガス室にすぐ送られた人、または奴隷さながらの労働をしながら人間としての尊厳を失い、数日、数週間、長くても3ヶ月でガス室に送られた人にとっても、ガス室と、上の写真の遺体焼却炉は完全な帰還不能点でした。
PNR05

上の写真のトイレを見ながら、今回の投稿を思いつきました。そのトイレは本当にショッキングなものでした。長いコンクリート菅に丸い穴が開いていて、流す水も、トイレットペーパーも、手を洗う水もありませんでした。数千人に対してトイレは、一棟につき58人分の穴しかなく、それが3棟あるだけでした。毎朝5時に棒でたたき起こされ、6時までに自分の寝場所の整理をし、奪い合うようにしてトイレも済ませなければならなかったのです。間に合わなかった人は、一日の過酷の労働後のトイレの時間にするしかなかったのです。そして6時には各自の棟の前に整列させられ、時には数時間に及ぶ点呼を行ないました。その最中に倒れてしまった人は即撃たれるか、ガス室に送られるかしました。
1940~1945年の間にアウシュビッツを管理していた人は、およそ7000人です。別の収容所の管理、電車による輸送の管理、ナチスが絶滅を図った集団(ユダヤ人、ジプシー、障害者、ホモなど)を探し出す人、軍のトップの人たち、命令に従った兵士、その他あらゆる形でナチスに関わった人たちをあわせると、おそらく数万、数十万に上ったでしょう。このトイレを見ながら、そういった大勢の人々はなぜ声もあげずに、リーダーに従ったのかと疑問に思いました。

PNR06

この疑問に対する私の中での答えは帰還不能点です。
この帰還不能点は今までとは別の意味の帰還不能点です。ですがおそらく、今までと同じぐらい恐ろしい帰還不能点です。
ナチス絶滅計画の内部から非を問う声が上がらなかったのはなぜでしょうか。
朝の短時間で大便にも間に合わずに通路で漏らしてしまい、それを多くの人々が踏み潰すような、尊厳を剥奪された光景を毎朝のように目にしたドイツ兵。整列時に怯える人々を鬼の形相で虐げたドイツ兵。彼らは数年前までは、おそらくそのような事を出来る人間ではなかったでしょう。彼らは1930年代に自分達がこのような非人間的な行為に走るとは想像もしなかったでしょう。声をあげる機会、疑問を投げかける機会はいくらでもあったでしょうが、残念ながら彼らは全ての帰還不能点を見逃しました
この帰還不能点は大きな変わり目ではなく、小さな点の連なりでした。目をしっかり見開けば、その一つ一つで起きている事の重大性に気づくはずですが、見てみぬフリをしたり、忠告する人を無視したり、気づいてもさほど重大な事とは捉えなかったりしがちです。でも歴史に学べば、声をあげるべきものでした。そのようなプロセスは昔も起きたし、今現在も起きているし、これからそのような事が起きて欲しくないのならば、目を見開くべきなのです。
では、今のイスラエルではどうでしょうか。このような小さな帰還不能点をいくつ通り過ぎたでしょうか。

PNR07

ヨルダン川西岸にイスラエルが設けている検問所で、たった19歳のイスラエル兵が、長い列を作るパレスチナの車の通行の可否を決める光景を横目に、無関心でチェックを受ける必要もなくイスラエル人が通り過ぎていくという姿も帰還不能点の一つです。それを今肯定する人は、いずれ、もっと進んだことも肯定するようになるでしょう。
PNR08

この家は震度7の地震によってではなく、イスラエル軍の爆弾によって破壊されました。2008年のガザ攻撃で、イスラエル兵は子供300人を含む1400人を殺しました。それも帰還不能点の一つではないでしょうか。理由は何であれ、1400人の命を奪うことを肯定する人は、いずれ5万人の命を奪うことも肯定するようになるでしょう。

ドイツ兵とイスラエル兵を比べるつもりはないし、それぞれによって殺された人々の罪の有無を比べるつもりもなく、ただ、正しい殺しはあるのか、もっと良い道はないのか、私達はアウシュビッツから学ぶべきことを学んだのかを知りたいのです。
アウシュビッツを見てからの私個人の結論は、宗教、人種、性別に関係なくどんな理由であれ、人類はアウシュビッツのような事は二度と繰り返してはいけない、ということです。

日本での帰還不能点は・・・。
PNR09

エネルギーのために多くの福島第一原発周辺の人々を危険にさらすことを肯定する人はいずれ、浜岡原発周辺のそれ以上に多くの人々を危険にさらすことも肯定するようになるでしょう。
経済より命

静かなる津波

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そのこ

谷川俊太郎

そのこはとおくにいる
そのこはぼくのともだちじゃない
でもぼくはしっている
ぼくがともだちとあそんでいるとき
そのこがひとりではたらいているのを

ぼくががっこうできょうかしょをよんでいるとき
そのこはしゃがんでじめんをみつめている
ぼくがおふろからでてふとんにもぐりこむとき
そのこはゆかにごろんとよこになる
ぼくのうえにもそのこのうえにもおなじそら

ぼくはこどもだからはたらかなくていい
おかねはおとながかせいでくれる
そのおかねでぼくはげーむをかう
そのこはこどもなのにおかねをかせいでいる
そのおかねでおとなはたべものをかう

ちきゅうのうえにはりめぐらされた
おかねのくものすにとらえられて
ちょうちょのようにそのこはもがいている
そのこのみらいのためになにができるか
だれかぼくにおしえてほしい



谷川俊太郎「そのこ」 ~児童労働のない未来へ~

http://youtu.be/2Iw-oAYD7T0





子どもの人権迫害なお 女子の教育否定
(東京新聞)2014年12月11日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014121102000146.html
 【オスロ=小嶋麻友美】子どもたちが虐待や搾取から守られ、自分らしく育つことを保障する国連子どもの権利条約が採択されて二十五年となる今年のノーベル平和賞は、子どもを取り巻く問題に真正面から光を当てた。世界では今も貧困や紛争を背景に、子どもの人権が脅かされ続けている。
子どもの人権迫害なお

 マララ・ユスフザイさんの母国パキスタンでは、初等教育を受けていない五百四十万人の六割近くが女子。多くが農業やカーペット織り、サッカーボール工場などで労働に就く国連児童基金(ユニセフ)によると、女子の就学率は65%(二〇一一年)で改善傾向だが、80%を超える男子との差は埋まっていない
 イスラム教の聖典では「男性は女性の保護者」とされ、宗教観の強い国では女性の活動は制限されがちだ。さらに過激派は解釈を強めて女子教育を否定する。一二年にマララさんを銃撃した「パキスタンのタリバン運動」は、北西部で学校への攻撃を続ける。
 西アフリカのナイジェリア北部でも今年、「西洋の教育は罪」を意味する過激派ボコ・ハラム学校から少女を集団拉致。二百人以上が解放されていない。
 ナイジェリアはアフリカ最大の産油国だが、貧富の差も大きく、児童労働を容認する一因となっている。貧困が根深いサハラ砂漠以南アフリカでは、十七歳以下の二割超が労働に従事し、その半数は危険な現場や過酷な条件下で働かされている
 戦争や社会の混乱で真っ先に犠牲となるのも子どもだ。一二年から続く内戦に加え、過激派組織「イスラム国」の勢力拡大で、シリアを追われた難民は三百万人以上。十七歳以下が半数以上を占める
 パレスチナ自治区ガザ地区では戦闘が本格化した今夏以降、約五百四十人の子どもが死亡し、三千人以上がけがを負った。約二百八十の学校施設もイスラエル軍の爆撃にあった。
 ユニセフは停戦合意後も深刻な事態は変わらないとし、「子どもたちは政治状況の改善を待っていられない。医療や教育などで国際社会のさらなる支援が必要だ」と訴えている。



マララさんノーベル平和賞受賞演説
(東京新聞)2014年12月12日

10日にノルウェー・オスロで行われたノーベル平和賞の授賞式で、史上最年少の受賞者となったパキスタンのマララ・ユスフザイさん(17)=英国在住=は、紛争や抑圧、貧困に苦しむ世界の子どもたちが等しく質の高い教育を受けられるよう、今すぐ行動を起こそうと呼び掛けた。受賞演説の詳細は次の通り。

マララさんノーベル平和賞受賞演説

声を上げて殺される道を選んだ

 親愛なる姉妹や兄弟たち、本日は私にとって本当に幸せな日です。ノーベル賞委員会にこの貴重な賞の対象に選んでいただき、恐れ多い気持ちです。
 支援と愛情を与え続けてくださる全ての方に感謝します。世界中から今も届く手紙やカードをおりがたく思っています。優しい励ましの言葉を読んで私は元気づけられ、鼓舞されています。
 無償の愛を注いでくれる両親にも感謝したいと思います。私の翼を折らずに羽ばたかせてくれた父と、忍耐強くなることを教え、どんな時も真実を話すよう励ましてくれた母に感謝します。それがイスラムの真の教えだと強く信じています。
 私は最初のパシュトウン人、最初のパキスタン人、最初の若者としてこの賞を受けることを誇りに思います。

今こそ行動に

 この賞は私だけのものではありません。教育を求める忘れ去られた子どもたち、平和を求めるおびえた子どもたち、変革を求める声なき子どもたちのためのものです。
 私は子どもたちの権利のために立ち上がり、子どもたちに声を上げてもらうためにここにいます。今は彼らを哀れむときではありません。教育を奪われた子どもを目にするのが最後となるよう行動に移すときなのです。
 私は人々が私のことをさまざまな表現で語ることに気付きました。
 ある人たちは、タリバンに撃たれた少女と呼びます。
 権利のために闘った少女と呼ぶ人もいます。
 今では「ノーベル賞受賞者」と呼ぶ人もいます。
 私か知る限り、私はただ全ての子どもが良質の教育を受けるよう望み、女性が平等な権利を得られるよう望み、世界の隅々まで平和であるよう望む、一生懸命で頑固な人間にすぎません。
 教育は人生の恵みの一つであり、人生に欠かせないものの一つでこれは私の人生、十七年間の経験で分かったことです。私の故郷パキスタン北部のスワト渓谷で私は学校を愛し学ぶことを愛していました。教育を渇望していました。私たちの未来はまさに教室にあったからです。私たちは一緒に座り、本を読み、学んだものでした。私たちはこぎれいな学校の制服を着るのが好きで、大きな夢を見ながら座っていたものです。私たちは、両親に誇りに思ってほしかった。私たちも勉強で秀でて、いろいろなことを成し遂げられると証明したかったのです。男の子にしかできないと思っている人もいますから。
 私が十歳の時スワトは突如テロの舞台となりました。四百以上の学校か破壊され、女の子は学校に通うのを禁じられました。女性はむち打たれ、罪のない人々が殺されました。
 教育は、権利から犯罪へと変わりました。
 私には二つの選択肢がありました。沈黙したまま殺されるのを待つか、声を上げて殺されるか。私は後者を選び、声を上げることにしたのです。テロリストは私たちを止めようと二〇一二年十月九日に私と友達を襲撃しました。でも彼らの思想や銃弾は勝てませんでした。私たちは生き延びました。私たちの声はより大きくなる一方でした。
 私が自分の話をするのは、それが特別だからではなく、むしろ特別ではないからです。。多くの少女に共通した話なのです。ここオスロには私と同じ経験をした友達や、パキスタン、ナイジェリアシリアの友達も来ています。私の勇敢な同志シャジアとカイナトーリアズは、あの日スワトで私と共に銃撃されました。
 パキスタンのカイナト・ソムロは暴力と虐待に苦しみ兄弟が殺されましたが、屈しませんでした。シリア出身のメソンはヨルダンの難民キャンプに暮らし、女の子や男の子が学ぶのを手助けしています。アミナはナイジェリア北部出身。そこでは(イスラム過激派)ボコーハラムが、学校に行きたいと願う少女たちを脅し、拉致しています。

私は教育奪われた少女6600万人の代弁者

 私はハイヒールの高さを加えても身長約一五七センチです。一人の少女、一人の人間としてここにいますが、一人で声を上げているわけではありません。私は大勢(の代弁者)なのです。私は教育を奪われた六千六百万人の少女(の代弁者)なのです。
 私か(イスラム教の聖典)コーランから学んだのはイクラという言葉で「読みなさい」という意味です。そして「ペンによって」という意味のヌーン・ワルカラム。国連で昨年お話しした通り「一人の子ども、一人の教師、一本のペン、そして一冊の本が世界を変えられる」のです。
 何十万もの罪のない人々が命を失う紛争が今もあります。シリアやガザ、イラクでは多くか難民となっています。ナイジェリア北部では学校に行く自由のない女の子たちがいます。パキスタンとアフガニスタンでは、自爆攻撃や爆弾で罪なき人々が殺されています。
 アフリカでは多くの子どもたちが貧困のため学校に行けません。インドとパキスタンでは、社会的タブーのために教育の権利を奪われ、児童労働を強制され、少女が児童婚を強いられています。‘
 私の級友は医者になることを夢見ていました。彼女の夢は夢のままで終わりました。十二歳で結婚させられ、十四歳の時に息子を産んだのです。
 彼女の話こそ、私かノーベル賞の賞金をマララ基金に託す理由です。この資金は最初にパキスタン、特に私の故郷スワトとシャングラでの学校建設のために使われます。
 私の村では、いまだに女の子が通える中学校がありません。友達が教育を受け、夢をかなえるための機会を得られる学校を建てたい。
 私はそこから始めます。全ての子どもたちが学校に行くのを見届けるまで、闘い続けます。銃撃されて死線をくぐり抜けた後、私はより強くなったと感じます。誰も私を、あるいは私たちを止められないと分かったからです。

先人のように

 変革をもたらした偉大な人々、例えば(米公民権運動指導者の)マーティン・ルーサー・キングや(南アフリカで黒人解放闘争を主導した)ネルソン・マンデラ、(貧しい人々の救済に尽くした修道女)マザー・テレサや(ミャンマーの民主化運動指導者)アウン・サン・スー・チーは、かつてこの場に立ちました。彼らと同じように、私がこれまでしてきたことやこれからすることが、長く続く変革をもたらしてほしいと思います。私の大いなる望みは、児童教育のための闘いをこれで最後にすることです。
 教育がいかに重要か理解するよう指導者に求める時ではありません。彼らは既に知っているのです。彼らの子どもたちは良い学校に入っています。今こそ行動を起こすよう彼らに求める時です。
 世界の指導者たちに対し、結束し教育を最重要課題とするよう求めます。
 いわゆる大人の世界は理解するでしょうか、私たち子どもには分かりません「強い」といわれる国々は、戦争を起こす上では非常に力強いのに、なぜ平和をもたらす上ではあまりに弱いのか。銃を渡すことはとても簡単なのに、なぜ本を与えるのはそれほど大変なのか。戦車を造るのは極めて易しいのに、なぜ学校を建てるのはそんなに難しいのか
 二十一世紀の現代に生きる私たちは、不可能なことはないと信じています。月にだって行けるし、火星にもそのうち着陸するかもしれない。ですから、この21世紀に、誰もが良質な教育を受けられるという夢もかなうのだとの決意を持たなければならないのです。
 平等と正義、そして平和をみんなにもたらしましょう。政治家や世界の指導者たちだけでなく、全員が貢献する必要があります。私も、あなたも。それが私たちの義務なのです。
 だから、立ち止まらず、努力しなければなりません。
 私の仲間である子どもたちに、世界中で立ち上がるよう求めます。
 親愛なる姉妹、兄弟たちよ。最後になることを決める最初の世代になりましょう。
 空っぽの教室、失われた子ども時代、生かされなかった可能性。これらを私たちでもう終わりにしましょう。
 少年や少女が子ども時代を工場で過ごすのは、もう終わりにしましょう。
 少女が児童婚を強いられるのは、もう終わりにしましょう。
 純真な子どもが戦争で命を落とすのは、もう終わりにしましょう。
 教室が空っぽのままであり続けるのは、もう終わりにしましょう。
 教育は権利ではなく犯罪だと少女が言われるのは、もう終わりにしましょう。
 子どもが学校に行けない状況は、もう終わりにしましょう。

 終わりにすることを始めましょう。
 私たちで終わりにしましょう。
 今ここで、より良い未来を築きましょう。
 ありがとうございました。


Iqra Iqra Iqra Iqra اقرأ اقرأ اقرأ اقرأ

http://youtu.be/e-OJCt4Go4o




僕たちも学びたい
~貧困と闘う子ども労働者たち~

http://youtu.be/eczu3SrWnJI


http://youtu.be/tRH37_gCIzs


http://youtu.be/LPKlSdgFW3w


http://youtu.be/WukieC4Z2BQ



ドキュメンタリー映画『バレンタイン一揆』予告編

http://youtu.be/fk-L31zI9Uk


チョコレートの影 バレンタイン #チョコ 児童労働 人身売買 #keizai 全編

http://youtu.be/a_7O-S_omG8



世界子供白書2014統計編「誰もが大切な
http://www.unicef.org/tokyo/jp/haku2014.pdf




私たちの未来と原発_1

2013/09/14 【北海道】安倍首相の「五輪招致発言」で不信感増大。
小出氏「フクイチ敷地内は、放射能の沼」
小出裕章さん講演会「私たちの未来と原発」
(IWJ)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/101586

私たちの未来と原発_2


小出裕章先生:今、子どもたちを守らないなら 私は私自身を許せない…

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メディアの病理、そして上手な付き合い方とは
(ラジオフォーラム#102)

http://youtu.be/B3z2nPg1fBI?t=14m14s
14分14秒~第102回小出裕章ジャーナル
増え続ける放射性廃棄物をどうするのか?「放射能を消すことができないわけですから、とにかく閉じ込めるということをやるしかないわけです」

http://www.rafjp.org/koidejournal/no102/

被曝警告の標識

石井彰:
今月は、「福島原発の今」と題して特集でお送りしてるんですが、今日は、増え続ける放射性廃棄物について小出さんにお伺いしたいんですが。

小出さん:
はい。

石井:
東京電力福島第一原発の大事故によって、大変大量の放射能がまかれてしまった。広がってしまった。様々なものが放射能によって汚されてしまったというか、放射能がくっ付いてしまったわけですよね?

小出さん:
はい。

石井:
これ、例えばがれきならがれきと放射能というのを分離するということはできないんでしょうか?

小出さん:
例えば、がれきの焼却ということをこれまでもやってきましたし、多分これからもやると思いますけれども、がれきと言うと、体積が膨大になってしまって、その膨大なものをそのまま管理し続けるということは大変難しいということで、それを焼却して、焼却灰というコンパクトな形の中に放射性物質を濃縮して、それを管理しようということが基本的な方針になっているわけです。
がれき広域処理 迫るが...放射能知見ない
放射性物質を消すことはできませんけれども、できる限りコンパクトにするということは、やはりこれから管理をしていく上で必要だろうと私は思います

石井:
なるほどね。それからもうひとつ、よく低レベル廃棄物というような言い方をしますよね?
放射能と放射線について

小出さん:
はい。

石井:
この低レベルっていう風に聞くと、なんかそれだけで安全かのうように私達は受け止めてしまうんですが、そんなことはないですよね?

小出さん:
もちろんありません。日本に放射性廃棄物を分類する時には、「高レベル放射性廃棄物」という物と「低レベル放射性廃棄物」というものの2種類しかないのです。
放射性廃棄物の種類とその主な発生源
高レベル放射性廃棄物と呼んできたものは、使用済み燃料、あるいはそれを再処理工場で処理して出てきたガラス固化体という、その2つだけです。それ以外のものは、全て低レベルという分類に入ってしまいまして、その中には猛烈な汚染物も含まれています
放射性廃棄物の濃度区分及び処分方法

石井:
例えば、福島原発の建屋が爆発して、そこに大量の放射能が付いている。それでもそれは、今の分類で言うと、低レベルになってしまうわけですか?

小出さん:
そうです。全てが低レベルになってしまいます

石井:
そうだった。僕らやっぱり全然、根本的にわかってませんねえ。

小出さん:
はい。

小出裕章ジャーナル

石井:
そういう福島の放射能のいわばゴミですね。これの後始末はどういうふうにしようとしてるんでしょうか?
原発汚染ゴミを子ども公園21カ所に埋め捨て放置

小出さん:
本当にやりたいとすれば、放射能を消したいわけですけれども、残念ながら、人類は放射能を消すという力を未だに持っていないのです。そのため、私も先程から石井さんに引っ張られて、「放射性廃棄物」というような言葉を使ってきましたが、実は私は、放射性廃棄物という言葉を使わないようにしているのです。

石井:
そうでしたね。失礼しました。

小出さん:
なぜかと言うと、消すことができない放射能を環境に捨ててはいけないので、私は「放射性廃物」と呼んできたのです。そして今、聞いて頂いたように、放射能を消すことができないわけですから、とにかく閉じ込めるということをやるしかないわけです

ただし、原子力を使うことによって生み出してしまう放射性物質の中には、寿命の長いものもありますので、閉じ込めるといっても10万年、100万年閉じ込めておかなければいけないという、そういうものなのです。
Th、U、Pu元素の主な自発核分裂核種とその半減期
Th:トリウム U:ウラン Pu:プルトニウム

残念ながら、福島第一原子力発電所の事故が起きて、大量の放射性物質を環境にまき散らしてしまったわけで、それを本当にこれからどうできるのか私もよく分からないという、そんな状態の前で立ちすくんでしまっているわけです。
大気中へのセシウム137の放出量と降下量
20110406

石井:
小出さんにこういう質問をするのは大変酷なんですけども、大量の放射能廃物を今、国は中間貯蔵施設に集めて、「そこは永久じゃないよ」ということも法律で作って、なんとか中間貯蔵施設に持っていこうとしていますよね?

小出裕章: はい。

石井:
これも何か所かに分けてやろうとしている。

小出裕章: はい。

石井:
こういうやり方でいいんでしょうか?

小出さん:
私は決定的に間違えてると思います。今、中間貯蔵施設を作られようとしてるのは、大熊町双葉町にまたがる地域。そこに、約16平方キロメートルぐらいの土地を、民有地を買い集める、あるいは、30年で返すというようなことを今、政府が言ってるわけで、地上権だけの設定というような案も出ていますけれども、いずれにしても民有地なのです。
中間貯蔵施設候補地の位置関係
被害を受けた人々の土地に、また放射能のゴミを押し付けようということを今の政府はやろうとしているわけで、私はやってはいけないと思います。
「被ばく住民 訴える権利ない」
福島第一原子力発電所が環境にばらまいて、今環境を汚染している放射性物質は、もともとは東京電力の福島第一原子力発電所の原子炉の中にあったものです。れっきとした東京電力の所有物なわけですから、東京電力に返すというのがいいだろうと私は思います
無主物の責任1 だれのものでもない
私が実際にできるだろうという案を持っているのですが、それは福島第二原子力発電所の敷地に放射能のゴミは全て集める。そこで、一括して管理をするというやり方が一番いいと思います
福島第二原子力発電所

当然、再稼働などやってはいけないわけですし、福島第二原子力発電所を放射能のゴミ捨て場にするというのが、私は論理としては一番いいいだろうと思います。

海原雄山「東電と国は何も責任を取っていない」

石井:
最後の質問になりますが、いわば「負の遺産」と言ったらいいでしょうか、マイナスの遺産を私達のずーっと何百世代、何千世代の子子孫孫に残してしまうわけですけれども。もう既に。これを残さないようにする方法はないですよね?

小出さん:
まずは、自分で始末のできないようなゴミを生んではいけないということなわけですから、これ以上、原子力発電などをやることを即刻止めるという選択が、まず必要だと思います
大量に生み出された放射性物質
でも、即刻止めたとしても、私達の世代ですでに広島原爆に換算すると、120万発とか130万発分もの放射性物質を作ってしまっている。できれば私としては、自分達が生み出した放射能を消したいと思っていますし、その研究も既に70年ほど続いています。

残念ながら、未だにその方策が見えていないのですけれども、私達の世代の責任として何としてもその方策を私は見つけたと思っています。

石井:
はい。ぜひ、小出さんの奮闘に期待したい部分と私達にできることは、「もうこれ以上廃物を作らせない、増やさないということだ」ということが改めて分かりました。トンチンカンな質問をしたかもしれませんが、またよろしくお願いします。

小出さん:
はい、よろしくお願いします。

石井:
ありがとうございました。

小出さん:
ありがとうございました。

忘れさせようとする策謀



<避難勧奨地点>南相馬28日解除へ
(河北新報)2014年12月22日
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201412/20141222_61012.html
 国の原子力災害現地対策本部は21日、福島第1原発事故に伴い、放射線量が高いとして指定していた南相馬市の特定避難勧奨地点について、28日に指定を解除することを決めた。指定の152世帯を対象に市内で開いた住民説明会で伝えた。28日午前0時で全世帯、142地点の指定が解除され、福島県内から勧奨地点はなくなる。
福島県の避難区域
住民反対、国押し切る
 説明会には住民ら約80人が出席。本部長の高木陽介経済産業副大臣は「空間線量は既に健康影響を考えなくていいレベル。風評被害からの脱却のためにも、総合判断した」と理解を求めた。
 会場からは「農地除染が終わっていない」「避難区域より放射線量は高い」と放射線への不安などから現段階での解除に反対の声が相次いだが、国側が押し切った。
 同席した桜井勝延市長は「最低でも年度内は解除しないよう要請してきたので不本意。国は今後も住民の声を聞く場を設けてほしい」と述べた。
 国は全世帯が指定基準の年間被ばく線量20ミリシーベルト(毎時3.8マイクロシーベルト相当)を下回ったとして10月中の解除を検討したが、住民の反発が強く延期。その後、対象世帯の戸別訪問や希望世帯での放射線軽減のための清掃活動を実施してきた。
 国が避難を勧めた勧奨地点は、原発20キロ圏外で局所的に放射線量の高い世帯を指定。大半が避難しており、精神的損害に対する月10万円の慰謝料が支払われている。指定解除で慰謝料の対象から外れるが、解除後3カ月間は支給される。伊達市と福島県川内村は2012年12月に解除され、指定は南相馬市内のみだった。


20130829 原発問題 『そもそも 避難・除染政策はどうなっている?』 西尾正道

http://dai.ly/x14eoyl
 今日のテーマは「国が進めている、福島の避難・除染政策は甘いのではないか」。
先週郡山市に住む人や福島市から避難した人など19人が、「原発事故 子ども・被災者支援法ができたのに支援されず、1年以上放置されている」として、国を提訴した。
避難指示区域以外の人は、法律があるのに補償がない状況が続いている。

放射線専門医の西尾正道氏は、国は20ミリシーベルト以下なら住んでも良いという基準を設けているが、「その数値はとんでもない」と指摘した。


2014.12.21 白石草氏が福島原発事故の健康問題について言及

http://youtu.be/OEK5Zw6gFIM
日時:2014.12.21
場所:福島県いわき市

国や福島県が行う専門家会議等を精力的に取材されてきたOurPlanet-TV代表­の白石氏が、
現在の健康調査のあり方等の問題点や、今後の対応について言及されました。


被曝注意



NHKスペシャル_メルトダウンFile.5「知られざる大量放出」20141221

http://dai.ly/x2d2rh8

※番組内容をそのまま鵜呑みにするのは危険であり、有害です(;`O´)o
放射性ヨウ素が放出されただけでこれだけのピークが…??実に怪しい!?(-.-;)
アメリカや政府からの横槍で電源復旧作業が遅れた…??ほんまかいな??(゜ロ゜)


シリーズ原発事故13「謎の放射性粒子を追え!」

http://dai.ly/x2d2j8i

福島第一原発の事故で大量に放出された放射性物質・セシウム。放射線量などをもとにその汚染状況が調査されてきたが、実際の化学的形態はよく分かっていなかった。しかし、電子顕微鏡を用いた巧みな調査で、不溶性の球形粒子として存在するものも多いことが明らかになった。従来想定されていた水溶性粒子とは体内や環境中でのふるまいが異なるため、健康影響の推定などにも違う考え方が必要だ。どのくらいの影響が懸念されるのか。


人間と放射線
医療用X線から原発まで ジョン・W・ゴフマン
(明石書店)
http://www.akashi.co.jp/book/b93760.html
人間と放射線~医療用X線から原発まで
  伊藤 昭好 訳
  今中 哲二
  海老沢 徹 訳
  川野 真治 訳
  小出 裕章
  小出 三千恵 訳
  小林 圭二
  佐伯 和則 訳
  瀬尾 健
  塚谷 恒雄 訳

1991年に社会思想社より刊行された『人間と放射線』の復刊。低線量放射線が人に与える影響について、学問的・体系的にまとめられている。著者のジョン・W・ゴフマン博士は、エリートに支配されてきた科学を社会に開放し、市民が放射線の影響について計算と評価ができるようにと本書を執筆した。放射能汚染時代を生きざるをえなくなった私たちが今こそ読むべき書といえるだろう。


小出裕章先生:廃炉すると資産だった物が資産でなくなる(儲けのため)彼らは何としても避けたいのです

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現場からの告発~パイロットしか知らない日米安保
(ラジオフォーラム#103)
米軍機ニアミス

http://youtu.be/--95auPyEqE?t=16m52s
16分52秒~第103回小出裕章ジャーナル
福一事故・燃料デブリ回収の困難「多分、もうそこらじゅうに飛び散ってしまっていますので、それをつかみだすことは基本的にはできないと思っています」

http://www.rafjp.org/koidejournal/no103/
福一作業

西谷文和:
12月と1月の小出裕章ジャーナルは、特集シリーズでお送りしております。1月は「原発はなぜいけないのか?」ですね。小出さん、福島第一原発の廃炉作業は計画がすでに遅れてるのですけれどもね。これ素人から見て、チェルノブイリとかスリーマイルは1基だけ事故を起こしたんですが、4基同時に廃炉をしないといけないということで、これ大変作業は無理があるんじゃないでしょうか?
EBR-1炉の炉心溶融状況
チェルノブイリ象の足

小出さん:
だろうと思います。人類が初めて遭遇している大変な事故なわけで、どうやったらほんとに収束できるかということは、経験的には分かりませんし、とにかく知恵を絞って一歩ずつやるしかないということです
損傷燃料の状況

西谷:
核心は、例えば燃料デブリというのを取り出すということをできるのかどうかということなんですけど、これからの自体を見守らないといけませんが、この燃料デブリというのは、これは取り出せるんでしょうか?

小出さん:
私は出せないと思います。
燃料デブリとは

西谷:
出せない?

小出さん:
はい。国や東京電力は、もともとその原子力発電所は事故など起こさないと言って、大変その楽観的な見通しのもとに原子力発電というものを進めてきてしまいました。
福島原発で爆発 朝日新聞20110313
こわい「メルトダウン」
福島の事故が起きた時も、事故をとにかく軽く考えたい、軽く考えたいということで、「炉心は溶けてないよ」とかですね、国際事象評価尺度というものに照らせばレベル4だとか言っていた。初めのうちはですね。でも、結局レベル7という一番破局的な事故だという事になってしまったわけですし、とにかく楽観的、楽観的に彼らは対処しようとしてきたのです
国際原子力事象評価尺度
燃料デブリの取り出しということに関しても、国や東京電力はそのデブリが圧力容器の底を抜いて、格納容器の床の上にまんじゅうのように積もってるんだという、そういう想定をしているのです。
燃料デブリの取り出し
もしそうであれば、格納容器の底を全部削って穴を開けてですね、上から見ることができるだろうし、上に取り出すことができるだろうというのが、彼らが描いている、いわゆるロードマップなんですね。でも、もしそうだとしても、上から取り出す為には30メートルもの水の下にある物をつかみ出さなければいけないわけで。

西谷:
30メートルの水の下ですね?

小出さん:
はい。そんなことは、まずそれもできないでしょうし、私自身はその溶け落ちた物が真下にまんじゅうのように溜まってるなんてことは決してあり得ないと思っていまして、多分、もうそこらじゅうに飛び散ってしまっていますので、それをつかみだすことは基本的にはできないと思っています
メルトスルー

西谷:
そうですね。これですね、うがった見方かもしれませんが、その電力会社って総括原価方式で利潤が決まるじゃないですか?

小出さん:
そうです。
総括原価方式って何?

西谷:
つまり、原発のコストに3%の利潤を乗せるということですから、そういう意味では廃炉にしたらコストは0になりますので、0×3%は0じゃないですか?

小出さん:
はい。
原発廃炉 会計ルール見直し案後始末は家計負担

西谷:
つまり、彼らはずーっと長く使いたいから、敢えて廃炉のことを考えないでいたんじゃないでしょうか?それはどうなんでしょうか?

小出さん:
要するに、廃炉にしてしまうと、これまで資産だった物が資産でなくなってしまうわけですから、彼らとしては、何としてもそれを避けたくて、とにかく運転したい、再稼働もしたいということになっているのです

http://youtu.be/A57-UU7M_tk

西谷:
ということは、本来は廃炉をもっと早い段階から計画的に考えておかないといけないけれども、それを前面に出すと、自分達の資産が0になっちゃうので、先送り先送りにしていたという側面もあるんでしょうか?

小出さん:
私はそうだろうと思いますし、電力会社に聞いて頂ければいいだろうと思います。はい。

西谷:
そうですね。これは先生に聞かずに電力会社に直接聞かないとダメですね。
総括原価方式 ボーナスと役員報酬

小出さん:
はい。

小出裕章ジャーナル

西谷:
そういう疑いが濃厚であるということですが、最終処分場についてなんですけどもね、これが決まっていないのに、例えば燃料棒を取り出すと、これどこに置くんだということになるんですが、この点についてはどう考えればいいんでしょうか?

小出さん:
燃料棒というのは福島第一原子力発電所のですか?

西谷:
そうです。

小出さん:
それは今、例えば使用済み燃料プール、1号機、2号機、3号機の中にまだ燃料棒が眠っているわけで、それだけは放っておくことはできませんので、とにかく少しでも危険の少ない場所に移さなければいけませんので。

西谷:
今、4号機は移しましたよね?

小出さん:
4号機はようやくにして移し終えて、私はほんとにホッとしているのですけれども、1号機、2号機、3号機ももちろん、移さなければいけません。

移したところで、でもじゃあその後どうするのかということは、もちろん全く見えないのですけれども、今のような危険な状態に置いていくことはもちろんできませんので、やらざるを得ないだろうと思います

そして、溶け落ちている燃料デブリについてもですね、もし取り出せるならば取り出すべきだと私は思いますけれども、取り出したところで、どうしていいか分からないのですよ。分からないけれども、でも取り出せるなら取り出した方がいいだろうと思います。多分、でもそれができないというのは私の見方です

西谷:
最後にですね、科学者の専門家の集団がですね、100年単位のスパンでどうするかを考えたいので、見えるところにそういうもんを置いといて、乾式、いわゆる湿式というこのプールじゃなくて、そのキャスクに入れて空冷して、埋めるんじゃなくてね。そういうふうにして、人類の叡智にあとでまたバトンタッチするという、そういうことが出たんですけど、やっぱりこういう形で取り出していくべきなんですかね?
乾式キャスクの例

小出さん:
国の方は取り出したものはどこかに埋めて、埋め捨てにしてしまうというのがこれまでの国の方針だったし、もうそれが法律ですでに定められているわけですけれども、日本国内で埋め捨てにして、10万年、100万年も安全だというような場所はありませんので。

西谷:
地震多いですからね。

小出さん:
はい。西谷さんはもちろんご存知の通り、モンゴルに埋めてしまおうというような話まで出てきていたのですね。
モンゴルの処分場までの核のゴミの輸送ルート
モンゴルの処分場までの核のゴミの輸送ルート

でも、そんなことはやっぱりやってはいけないことなわけですから、日本学術会議という、いわゆる学者の国会と言われてきた組織が、これまでの日本のやり方はダメだから、いちから考え直せと、乾式貯蔵をして当面は監視するしかないだろうというような提言を出すようになっているわけです。私はもうずーっと昔からそれしかないと言ってきましたし、多分そうなるだろうと思います
高レベル放射性廃棄物の暫定保管に関する技術的検

西谷:
分かりました。小出先生、時間がやってまいりました。この廃炉への道のりは極めて厳しくて長いということがよく分かりました。今日はどうもありがとうございました。

小出さん:
ありがとうございました。

日本学術会議が再稼働に「待った_1

日本学術会議が再稼働に「待った」_2


1~3号機、阻む高線量
 福島4号機、核燃料取り出し終了

(東京新聞)2014年12月21日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014122102000124.html
1~3号機阻む高線量福島4号機核燃料取り出し終了

 東京電力は20日、福島第一原発4号機のプールに残っていた核燃料4体(未使用)の取り出し作業を報道陣に公開した。事故当時、大量の使用済み核燃料が残り国内外を震撼(しんかん)させた4号機。昨年11月から71回に及ぶ作業が続き、プールは空になった。これで課題の一つは解決されたが、建屋内の放射線量が高い1~3号機を含めた全体の廃炉に向けた作業は続く。 
 前日まで二十六体が残っていたが、別の輸送容器で二十二体が運び出され、最後の四体がプール内で容器に詰められていた。
 この日公開されたのは、建屋に併設された取り出し用骨組みのクレーンで、四体の入った容器をプールから引き上げる作業。
 クレーンはプール上に移動し、容器をつかんでゆっくりと上げた。作業員十数人が容器を拭いたり、シートを広げて水滴が落ちないよう保護したりし、容器は三十メートルほど南の除染場に到着。作業は約四十五分で終わった。
 今後、容器は除染し、ふたを閉めた後、別のクレーンで地上に下ろされ、6号機プールに移される。これが済めば、千五百三十五体あった核燃料はなくなり、4号機のリスクは実質的になくなる。福島第一の小野明所長は「作業員の努力のたまもの。気を緩めず、廃炉を進めたい」と話した。

◆残る難題 除染に限界
 4号機の危険性は取り除かれたが、1~3号機には、炉内に溶け落ちた核燃料、プールには計千五百七十三体が残る。作業できるようどう放射線量を下げ、どう取り出すのか。検討課題は山積している。正念場はこれからだ。
 比較的早く取り出しに入りそうなのが3号機。建屋上部に積み上がっていたがれきはほぼ除去された。二〇一五年度中の取り出し開始を目指す。
 しかし、プールのある五階の線量はいまだ高い。床のコンクリートを削り、高圧洗浄し汚染は減ったが、放射性物質は深く床に染みこんだ。東電は百分の一に汚染が減ると期待したが、五分の一程度までしか下がっていない。除染には限界があり、鉛による遮蔽(しゃへい)など追加策が必要になる。
 1号機は一七年度から取り出す計画だったが、建屋カバーの解体が遅れたこともあり、二年ほど延びることになった。
 建屋が健全だった2号機は汚染蒸気が充満し高濃度に汚染が残る。高い所だと毎時八八〇ミリシーベルトもある。建屋上部を解体する方向だが、具体策の検討は二年後という。
(荒井六貴)



原発廃炉は可能か? ~計画とその現実~

http://dai.ly/x18kovf
NHK BS世界のドキュメンタリー 2013.12.18.
原題:Decommissioning Nuclear Power Plants: Mission Impossible?
制作:Eclectic Presse / ARTE France (フランス 2012年)

原子力発電を進めてきた国々は今、老朽化や閉鎖などによる廃炉を着実に行うという局面を迎えている。ドイツやフランスなどで進む廃炉プロセスと、それぞれが直面する状況を見つめる。
ドイツではかつて、岩塩採掘所に放射性廃棄物を埋めていたが、岩塩が割れ地下水が流れ込む状態になり、回収もままならなくなるという苦い経験をした。廃炉が始まって18年になるルブミン原発では、安全な管理方法が見つからないため、使用済み核燃料が現地にそのまま保管されている。
2005年に廃炉となったアメリカ・メイン州の原発では、建屋の取り壊しをダイナマイトで爆破する形で行った。1960年代には放射性廃棄物を海に投棄していたフランス。現在は、地下深くの粘土層に多重のバリアシステムを持つ地層処分場を建設中だが、住民から反対の声が上がっている。
専門家は、放射性廃棄物の処理は、予想されていたより難しく、コストがかかると指摘。原子力分野の“先進国”と言われる各国は、高レベル放射性廃棄物の有効な処分方法をなかなか見いだせていない。


原発問題~廃炉について~

http://youtu.be/KgM4_nOEqAg



らっきーデタラメ放送局★第45回 『原子力村の利権構図』

http://youtu.be/wwGS56pWIt4

らっきーデタラメ放送局★第47回 『デタラメディアの利権構図 Part2 電力会社篇』

http://youtu.be/sp-ggcOT9ec

らっきーデタラメ放送局★第51回  『絶対儲かる電力会社Part-1電気料金の決め方と使い道』

http://youtu.be/DwpP3-IatBY

らっきーデタラメ放送局★第52回 『絶対儲かる電力会社Part-2電気料金の使い方原発ならではの多額なコスト

http://youtu.be/I2WDcAmfM4Q



医師に #福島 #原発 #放射能 関連の病公表するなと脅迫
❢DrsThreatenedForRevealing #Fukushima☢ILL❢

http://youtu.be/K4XYLyuhTKw
日本語訳・字幕↓: Jo2Rayden☻CCクリックで字幕☺ "Japanese doctors threatened for revealing data on how bad Fukushima related illnesses." Arnie Gundersen「多くの日本人医師は、福島原発関連の病気が、いかに実際に悪いか­というデータを公表しないよう脅かされている。」*from USA radio,Nuclear Hotseat, Libbe HaLevy, Nov. 12, 2014: http://www.nuclearhotseat.com/2200/
* 司会者HaLevy: 福島で子どもが直面している問題に目を向けましょう。子どもたちの健康へのすさまじい­影響があり、甲状腺結節、癌と診断される人数が増加しています。しかし、同時に、あな­たが以前に示唆したように、日本の医者たちに、そこで起きている真実を報告しないよう­、すさまじい圧力がある。あなたが日本の多くの医療専門家と連絡を取っていることを存­じています。彼らは何と言っていますか?

Gundersen: 私たちは、少なくとも6名以上の日本人医師から直接の情報を得ています。もちろん氏名­を明かせませんが。
彼らは、病院の特権で上司から[口外するなと]脅かされていると言いました。現地で経­験している健康への影響に関し患者たちに率直に話すことや、実際の測定結果、放射能に­よる病気がどんなに実際に悪いか、その恐れに関して率直に公に話すこともです。
そう、少なくとも、6人ほどの医師が座視しているのを、知っています。また、そこで6­人ならば、さらに多くが同様であると確信できます。広範囲にわたり上意下達に働いてい­る圧力です。
あなたが今後見るだろうものは、まさに私たちが見ているのです。早期の癌と甲状腺結節­です。次の15から20年にわたって、筋肉の癌と臓器癌も増加するだろう。
朝日新聞は、主要な新聞で、基本的に不合理な仮定に基づき、人々に[福島の]家に帰る­のを求めている。
先天的障害やこの第一世代で予期できる事は、全く理不尽なものだ。どれだけ死産と流産­が、日本のその地域で関連しているか、彼らは私達にその数字を教えない。そして、それ­は放射能で引き起こされている。
日本では、死産、胎児の奇形、流産が出てくる。または、すでに癌を発病する。あなたの­体は発症するだろう。
日本人は、福島の死産と流産の報告をしていない。それは大変良いことですよね? (* 皮肉)
問題の核心は、私達が、40から30年の期間で、多くの癌の発症を見るであろうことだ­。
そして、今も同様に、私が3年間ずっと言い続けている事を言います。
福島第一原発事故の結果として、通常より100万人多く癌を発症すると思う。
-END-



汚染水投棄の圧力に、いら立つ福島の漁業者たち
(東京新聞【こちら特報部】)2014年12月19日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014121902000182.html
 衆院選の最中、福島県沿岸部では原発事故に伴う処理済み汚染水の海への放出をめぐり、東京電力と経済産業省が再び漁業者らに説明会を開いた。漁業者の抵抗は根強いが、原子力規制委員会の田中俊一委員長も放出の必要性を強調する。事故から四年弱。三回の国政選挙を経て、記憶の風化と事故を「過去のもの」にしたい政権の動きが強まる。だが、事故収束が遠いという現実は変わっていない。
(上田千秋、榊原崇仁)

汚染水投棄の圧力に、いら立つ福島の漁業者たち_1

福島汚染水 再び説明会

「大丈夫なら東京に持っていけ」

 「他に手がなくても、これ以上、風評が広がると(福島の)漁業の復興はますます遠のいてしまう」
 福島県いわき市南部の小名浜港。低気圧の影響で寒風が吹き荒れた十八日午前、試験操業を終えて港に戻ったばかりの男性(五七)は憂うつな表情を浮かべた。
 現在、福島の沿岸漁業は原発事故で自粛を強いられている。魚種を決め、週一回ほどの試験操業が二〇一二年六月から続けられているが、水揚げ量は事故前の約一割だ。東電から休業補償を得ている一方で、漁業再建のめどはまだたっていない。
 そうした中、東電は福島第一原発の汚染水対策で、原子炉建屋周囲の井戸から地下水をくみ、浄化して海に放出することを検討。九月に県内の漁業者らを対象に説明会を開いたが、強い反発に遭った。
 だが、今月に入って東電や経産省は説明会を再び始め、いわき市でも十日に開かれた。東電は「放射性物質を取り除き、排出基準を下回ったものしか流さない」と強調。漁業者からは「他に方法がない以上、仕方がない。事故収束を第一に考えるべきだ」という声があったものの、「認められるわけがない。消費者が不安を感じ、福島産のイメージがさらに悪くなる」という意見が大勢を占めた。
 いわき市漁業協同組合の吉田和則理事は「事故直後に汚染水を海に流してから、東電に対する信用は消えている。不信感は簡単には払拭できない」と話す。
 「『本当に大丈夫というなら、東京へ持っていって流せばいい』と主張する組合員もいる」。ただ、会場では「説明内容が同じこともあり、淡々とした人が多かった」(漁業者の一人)という。
 同県北部の相馬双葉漁協(相馬市)の担当者も「東電から言われて『はい、そうですか』というわけにはいかない。もっと詳しく説明してもらわないと判断のしようがない」と言う。
 来年三月で、事故から四年。この間、三回の国政選挙があった。今回の衆院選の公示日には、安倍首相、民主党の海江田万里代表(当時)とも県内で第一声を上げたが、被災地の現状には深くは触れなかった
 とりわけ、首相は十月の参院本会議でも「全体として(汚染水の)状況はコントロールされている」と従来の見解を繰り返した。
 ただ、汚染水問題は事故収束の難関の一つ。十二日に福島第一原発を視察した規制委の田中委員長は「汚染水をため続けることはできない」と放出への強い意志を示した。
 世間の関心も次第に薄まりつつある。冒頭の漁業者は「まだ、修復が終わっていない建物も多い。経済優先なのは分かるけど、もう少し、私たちの生活に目を向けてもらえないものか」とつぶやいた。

汚染水投棄の圧力に、いら立つ福島の漁業者たち_2

事故レベル今後提示せず

規制委放出に躍起

 福島原発事故に伴う汚染水問題の現状はどうなっているのか。
 第一原発の敷地内には現在、地上タンクが約千基設置され、約三十五万トンの汚染水が保管される。東電は放射性物質を取り除く切り札として「多核種除去設備(ALPS)」を三基設置した。しかし、昨年三月の試運転開始以降、十回以上の運転停止を繰り返しており、当初、今年四月を見込んでいた本格運転は、いまだに始まっていない
 一方、原子炉建屋には毎日約四百トンの地下水が原発の山側から流入し、汚染水は増え続けている。新たにタンクを設置しようにも、敷地には限界がある。このため、汚染水を増やさない対策が必要になる
 東電は五月から山側の井戸から水をくみ、放射性物質が基準値内であることを確認、海に放出する「地下水バイパス」を始めた。
 ただ、これだけでは不十分なため、建屋周囲の地下水水位を調整する井戸(サブドレン)からも地下水をくみ上げ、除染したうえで海洋放出する考えだ。
 さらに地下水が建屋に流れ込まないようにする抜本的な対策として計画されたのが、建屋周囲の土壌を凍結させる凍土遮水壁だ。周囲約一・五キロに約千五百五十本の凍結管を打ち込む。東電は六月に着手した。
 だが、これほどの凍土遮水壁は前例がなく、京都大原子炉実験所小出裕章助教は「コストがかかるとしても、コンクリートによる遮水壁をつくった方が確実性は高い。失敗が目に見えていることはやるべきではない」と指摘する。
 凍土遮水壁をつくるとしても、海側の建設ルート上には地下トンネルが横切つている。建設前にこれを埋める必要があるが、トンネルにたまる汚染水の抜き取りに手間取っている。
 小出助教は「十万トンの水を運べる巨大タンカーがある。これを活用し、東電の他の原発敷地内に運び込むことも考えるべきだ。ALPSの稼働がうまくいかない理由の一つに、放射線量が高い過酷な現場では保守管理が行き届かないという点がある。それならば、他の原発敷地内にALPSを設けるべきだ」と説く。

トリチウム除去できず

 規制委は、福島第一原発敷地内にあるALPSで汚染水を処理し、基準値内の汚染水を海に流すことを想定している。ただ、ALPSではトリチウムという放射性物質を除去できず、水で薄めて放出する。放射線医学総合研究所の元主任研究官、崎山比早子氏は「トリチウムのリスクは見過ごせない」と懸念する。
 トリチウムが出すベータ線はエネルギーが弱いとされるが、水と同様、どこにでも入る性質がある。崎山氏は「DNAにも入って、傷をつけていく。魚を通じて人間の体内に入った場合にどうなるか、慎重に考えるべきだ」と説明する。
 現在まで漁業者らは汚染水の海洋放出に抵抗しているが、社会から事故の記憶が薄れれば、抵抗も次第に困難になってくる
 現に規制委は今月十日の定例会合で、福島第一原発で今後、汚染水漏れなどが起きても、国際的な事故評価尺度(INES)に基づくレベル提示をしないことを決めた
「INESのレベルは平常時の原発で事故が起きた時に示すもの。既に事故が起きた原発に当てはめると誤解を生む」(担当者)という理屈だ。
 こうした事故の「意識的な風化」も進んでいる。福島大の後藤忍准教授(環境計画)は「被災地では『もう、とやかく言うな』、という空気が広がっている。でも、政府の横暴を見過ごせば、生活を守る権利はないがしろにされる。被災地以外の人たちも一緒に考えてもらいたい」と訴えた。

汚染水投棄の圧力にいら立つ福島の漁業デスクメモ


再処理の仕方 小出裕章氏

http://youtu.be/vN1E5X2JI3E

小出裕章+志葉玲+増山麗奈~凍土壁、4号機~ママの約束トーク

http://youtu.be/HjWx5-sjKTs

ウチナーンチュの誇りと尊厳( *`ω´)年の瀬に「沖縄」から学ぶ

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沖縄・新段階の「島ぐるみ」闘争
流れは止まらない
(しんぶん赤旗)2014年12月20~25日
沖縄・新段階の「島ぐるみ」闘争_1上

 その場にいた人たちは、歴史の目撃者だと断言できるでしょう。
 2014年12月10日、沖縄県庁。「辺野古の埋め立てはさせない。こういう政策を掲げて本日、知事に就任しました」。―階ロビーを埋めた県庁職員を前に独特の早口で訴えたのは翁長雄志(おながたけし)新知事です。
 1996年のSACO沖縄に関する日米特別行動委員会)合意以来、県民を翻弄(ほんろう)してきた米軍普天間基地「移設」問題。「県外移
設」の公約を裏切って名護市辺野古の埋め立てを承認した仲井真弘多前知事を10万票の大差で破り、辺野古新基地阻止を「県政の柱」(翁長氏)にすえる知事が初めて誕生した瞬間です。

 基地撤去まで

 歴史的瞬間はこれで終わりませんでした。
 翁長氏は就任式が終わるやいなや、足早に県庁前広場へ向かいました。そこにいたのは、激戦の衆院沖縄一区をたたかっていた日本共産党の赤嶺政賢候補でした。翁長氏は志位和夫委員長らと並び、こう訴えました。
 「この一区で赤嶺候補を勝利させることが、10万票差の民意を政府に示すことになる」
 14日午後10時すぎ。待ち望んだ瞬間が訪れました。四つの小選挙区で、翁長知事を支える「オール沖縄」勢力が完勝したのです。4人の中で最後に当確が出た赤嶺氏は、こう語りました。「基地おしつけに怒っている県民が、私を勝たせた。辺野古の新基地計画を撤回させ、普天間基地を閉鎖・撤去させるその日まで、この流れは止まらないでしょう

 保守のエース

 沖縄は戦後、米軍占領期から最近まで半世紀以上にわたって、「基地容認」の「保守」と「基地反対」の「革新」との「白黒闘争」が繰り広げられてきたと、翁長氏は語っています。その背景には、沖縄の米軍基地維持をもくろむ日米両政府の分断政策がありました
 しかし、かつて自民党沖縄県連の幹事長も務め、「保守のエース」と言われた翁長氏が、「県民が心を一つにしよう」と、保守・革新を超えた「オール沖縄」の力に支えられて知事に。そして、翁長氏が那覇市長だった時代の「政敵」でもあった日本共産党の県委員長である赤嶺氏が、今度は翁長氏や、辺野古新基地反対を賁いて自民党を除名された保守系の那覇市議団・新風会などに支えられ、小選挙区を勝ち抜く-1年前、いや、1ヵ月前でも考えられなかった激動が起こっています
  ◇
 なぜ、このような団結が可能になったのでしょうか。
 米軍基地に翻弄されてきた沖縄の戦後史はいま、新たな段階を迎えつつあります。沖縄県知事選と総選挙が示した新時代を検証します。

沖縄・新段階の「島ぐるみ」闘争_1下

分断克服し「オール沖縄」

 翁長雄志氏が、「オール沖縄」の原点として、繰り返し言及する歴史的事件があります。195
6年の「島ぐるみ」闘争です。
 米政府は49年、在沖縄基地の「長期保有」を決定。50年代から銃剣とプルドーザによる土地の
収奪が進み、56年には軍用地の「一括払い」(事実上の買い上げ)を宣言した「プライス勧告」が出されました。
 「土地を守ろう」-。プライス勧告撤回を求める決起大会が沖縄の各地で開かれ、沖縄人民党(73年に日本共産党に合流)、沖縄社大党に加え、保守勢力である民主党(現・民主党とは別)も一丸となりました。「島ぐるみ」という言葉は、この中で生まれています。翁長氏は10日の就任式でも、「当時の保守・革新はみな、心を一つにして、自分たちの土地を売らないと団結して撤回させた」と力説しました。その中には、保守派の重鎮で真和志(まわし)市長(現・那覇市)だった父・助静(じょせい)氏の姿もありました。
 新崎盛暉(あらさきもりてる)・沖縄大名誉教授(沖縄現代史)は「あのたたかいは、必ずしも基地に反対するたたかいとして勝利したわけではなかったが、『島ぐるみ』で団結すれば強力な権力にも対抗できるという強い確信を残した」と指摘します。

 復帰勝ち取る

 「島ぐるみ」のたたかいは60年代の復帰闘争へつながり、「不可能」といわれた本土復帰を勝ち取りました。
 しかし、復帰後の沖縄は、軍用地代や公共事業によって恩恵を受ける者とそうでない者に分裂し、基地反対のたたかいも停滞気味になります
 「再ぴ『島ぐるみ』の機運が高まったのは、米兵による少女暴行事件(95年9月)だった」(新崎氏)
 その後、沖縄戦での集団自決を否定する歴史教科書の撤回を求める県民大会(2007年9月、11万人)、普天間基地の閉鎖・撤去と辺野古「移設」に反対する県民大会
(10年5月、9万人)、オスプレイ配備撤回を求める県民大会(12年9月、10万人)と、県内の全政党や自治体が参加する県民大会が繰り返され、いつしか「オール沖縄」という言葉が生まれました。
 昨年1月、翁長氏が先頭になって政府に提出した「建白杳」が、その集大成でした。
 これらの最大公約数は、
①県民の尊厳を傷つけたことに対する憤り
②これ以上の基地負担は容認できない
-という点です。翁長氏は知事選で、こうした思いを「ウチナーンチュ(沖縄県民)の誇りと尊厳」という言葉で表現しました。

 ″動きだした″

 いま、展開されている「オール沖縄」の運動と、これまでの「島ぐるみ」闘争との大きな違いは何か。新崎氏は二つの点を挙げます。
 「50年代の『島ぐるみ』闘争は、まだ政治的に未分化だった住民が基地に伴う利益誘導で分断され、終息した。しかし、今は『基地は沖縄経済の最大の障害物』という認識が広まり、利益誘導による分断を克服している
 翁長陣営には、これまで米軍基地の工事も誚け負ってきた建設大手・金秀グループの呉屋守将会長らも結集しています。県収入のうち基地関連は5%未満まで下がっています
 もう一つは、「選挙と現地闘争が結びついていた」ことだといいます。辺野古で18年にわたって続く非暴力の基地反対のたたかいが、やがて保守・革新を超えた団結の中心になりました。
 翁長氏は10月30日、知事選の「第一声」を辺野古のキャンプーシュワブゲート前であげ、総選挙で完勝した「オール沖縄」4氏も、ゲート前で座り込みを続ける住民に真っ先に勝利を報告しました
 11月16日、翁長氏が県知事選で圧勝した直後、こう語ったのが印象的でした。「県民の方が先に進んでいて、私たちを待っていてくれたと思っています。私たちがようやく県民にたどりつき、大きなパワーとなって、沖縄が動きだしました

沖縄・新段階の「島ぐるみ」闘争_2

18年前 火がともる

 沖縄知事選で翁長雄志氏が圧勝した11月16日午後8時すぎ。新基地建設の地元である名護市辺野古区で、ささやかな祝いの席を開く住民たちがいました。
 西川征夫(いくお)さん(70)は、1997年1月発足のヘリ基地建設阻止協議会(「命を守る会」、現在は「辺野古区民の会」)の代表として、約18年にわたり住民運動を続けてきた一人です。

 机たたき決意

 「これが原点です」
 そう言って西川さんが見せてくれたのは、色あせた一枚の写真(下)。「条件付き賛成」だった西川さんが「反対」に転じた出来事です。
 97年1月に同区で日本共産党沖縄県委員会と北部地区委員会が開いた住民との対話集会の写真です。
 西川さんが当初抱いていた「海上ヘリポートができる程度」という新基地のイメージは、ここで「軍港も伴う巨大な海兵隊基地」に一変。話を聞くうちに、多くの区民が「反対しよう」と机をたたいて意を固め、会の結成に至ったといいます。
 たたかいがはじまった瞬間でした。
 「保守も革新も関係なく、ダメなものはダメだ」。共産党との出会いをきっかけに、自民党国会議員の後援会長だった立場も捨て、西川さんは運動に身を投じてきました。
 以来、辺野古にともされた住民運動の火は全県に燃え広がり、「オール沖縄」代表の知事を生み出しました。
 西川さんはその意義をこう語ります。「長年の住民、市民、団体による非暴力運動が、保守系議員、経済界まで動かした。『オール沖縄』の環境づくりという意味では、県民一人ひとりの行動が沖縄の最高指揮官を誕生させた

 分断に抗して

 「オール沖縄」の流れは、長年分断を迫られてきた地元にも確かに押し寄せています。
 辺野古区の北に隣接する名護市二見以北地域では、当初、全10区が反対していたものの、政府による新基地と引きかえの「振興策」で分断されました。しかし、2010年の稲嶺名護市政の誕生をきっかけに、住民らは再び声をあげはじめます。今年4月には「新基地つくらせない二見以北住民の会」を立ち上げています。
 同会役員も務める添間区の新名善治区長は決意を新たにします。「翁長知事が公約を全うするには県民大多数の支援が不可欠。日米両政府に衝撃を与えるくらいの声をあげ続けたい
 西川さんの夢は、分断を乗り越え、住民運動の歴史を区の公民館で展示すること。「みんな生活基盤や利益をかけてやっている。誰がいい、悪いじゃない。分かってくれる日は必ず来る

沖縄・新段階の「島ぐるみ」闘争_3
 
 基地が成長を阻む

 「米軍基地が沖縄経済発展の最大の阻害要因であることは明確です」一12日、開会した沖縄県議会。翁長雄志知事は所信表明でこう断言しました。「保守」の立場を堅持しつつ、「基地はいらない」と訴える翁長氏の主張は、少なからぬ衝撃を与えています。

 経済効果高い

  「驚くことではない。安全保障上の応分の負担は甘受するが、基地はない方がいい、跡地利用した方が、経済効果が高いという認識は前県政から共有されていました」
 こう語るのは、沖縄国際大の富川盛武前学長です。富川氏は仲井真前県政のアドバイザーとして、2030年までの県政の指針であ
る「沖縄21世紀ビジョン」を具体化した1人。ただ、昨年末、仲井真氏が辺野古の埋め立てを承認したのを契機に、たもとを分かったといいます。
 富川氏によれば、同ピジョンは、「基地はない方がいい」という認識を前提に取りまとめられたといいます。
 終戦後の沖縄県民は、地上戦による産業の破壊と、米軍基地の拡張による農地の強奪により、基地関連の需要で生計を立てる以外にありませんでした。富川氏が作成した統計によれば、1957年の基地依存率は56・8%に達していました。
 しかし、この比率は徐々に低下。96年以降は一貫して5%前後で推移しています。
 一方、観光産業は本土復帰以後、大きな飛躍をとげ、軍関係収入約2000億円に対し、観光収入は約4500億円に達しています(最新の県統計)。
 富川氏は言います。「那覇新都心や北谷町のハンビータウン美浜地区といった、基地の跡地利用で成功した事例はいくつもある。加えて、日本経済が低迷する中、沖縄だけが成長を続けており、これに着目した外資の進出も強まっています

 ソフトパワー

 海外資本やアジアの富裕層は、沖縄の何に引きつけられるのか。富川氏は、アジア地域に近い地政学的な優位性に加え、「沖縄固有の自然、伝統、文化といったソフトパワー」だといいます。
 沖縄本島北部には自然が多く残されており、それ自体の価値が高まる可能性が出ています。その北部地域に属する辺野古の海を埋め立て、米軍新基地をつくるのは、「あまりに時代錯誤的」だと批判します。
 「政府は沖縄に関して、安全保障上の必要性から議論を始めます。しかし、沖縄県民にはこう生きたい、という別の思いがある。そのことが、今回の県知事選と総選挙で明確に示されたと思います

沖縄・新段階の「島ぐるみ」闘争_4

誇り貫く真の「保守」

 「保革を乗り越え、県民の心を一つに新辺野古基地は造らせない。私のこの政治姿勢の原点が仲里さんです」
 知事の就任準備に追われる翁長雄志氏は総選挙公示日の2日朝、一人の保守政治家の出発式でマイクを握っていました。沖縄4区から「オール沖縄」の共同候補として無所属での出馬が急きよ決まった仲里利信氏(77)の応援です。
 相手は現職の総務副大臣で、自民党沖縄県遽前会長の西銘恒三郎氏。仲里氏自身も県議会議長や自民党県連顧問、西銘氏の後援会長まで務めていた保守の重鎮でありながら、辺野古新基地容認に転じた西銘氏の公約裏切りで、昨年、西銘氏と決別していました。

 保守対保守に

 保守政治家同士の一騎打ちとなった沖縄4区は、保守の激変と「オール沖縄」の流れを象徴する選挙区として全国的な注目の的に。仲里氏は西銘氏を「保守を
名乗る資格がない政権の使い走り」と批判、自らを政府に対して言うべきことは言う「沖縄の保守」と位置づけ、5000票以上の差で”師弟対決”を制しました。
 そんな仲里氏が「オール沖縄」の原点とみるのが、2007年に開かれた教科書検定意見撤回を求める県民大会です。沖縄戦の「集団自決」の記述から日本軍の強制を削除した政府に、復帰後最大といわれる11万6000人が怒りの声をあげました。
 仲里氏は実行委員長を務め、保守・革新を超えた大会の実現に尽力。その後、10年の普天間基地の「県内移設」反対県民大会、12年のオスプレイ反対県民大会などを通し、保革の距離は縮まっていきます。

 戦争ノーの心

 仲里氏は、時々のテーマは違っても、「オール沖縄」の流れの根底に、基地のない平和な沖縄を求める県民の心があると指摘します。自らも悲惨を極めた沖縄戦の体験者。地上戦が始まった8歳の時、疎開先で家族とはぐれ山中を3、4日さまよいました。再び家族と合流したとき、背中におんぶしていた幼い弟は栄養失調で亡くなっていました。
 「戦争につながるものは一切ノーだ」。仲里氏は自民党時代から憲法9条の「絶対死守」も主張してき
ました。
  「オール沖縄」に加わる「沖縄の保守」の流れは、自民党を除名された那覇市議会「新風会」や名護市議会「市民の響」など地方議会の会派でも生きています。
 公約を守り、自らの誇りと良心を賁く「沖縄の保守」。仲里氏は語ります。「住民福祉の向上という究極の基点に立てば、共産党もわれわれもそんなに違いはない

沖縄・新段階の「島ぐるみ」闘争_5

移設探しは不要

 「日米安保体制の必要性は理解しているが、戦後約70年を経た現在もなお、国土面積のO・6%である本県に74倨の米軍専用施設が存在する状況は異常としか言いようがない」12日、県議会本会議での所信表明)
 翁長雄志知事はこう訴え、沖縄の過重な基地負担を告発しています。その上で、米海兵隊普天間基地(宜野湾市)問題については、「普天間の危険性除去」を口実に辺野古「移設」を推進してきた仲井真弘多前知事をこう批判してきました。
 「県民の土地を囲い込んで建設された基地を動かすのに、どうして沖縄県が移設先を探す必要があるのか
 基地推進派は今なお、「移設先を探さないのは無責任」と非難を繰り返して
います。これに対して、米軍基地問題に詳しい林博史・関東学院大教授は「翁長氏の主張は正当なものだ」と指摘します。

 説明無き集中

  「米国の主要同盟国の国土全体に置かれているより、はるかに巨大な基地群が沖縄に集中している。しかも、その理由をだれも説得的に説明していない。安保条約の廃棄以前に、この現状を早急に解決するのは当然です
 実際、米国防総省の「基地構造報告」を見でも、在沖縄基地の資産価値・面積は、日本・ドイツに次いで多くの米軍基地を抱える韓国をはるかに上回っていま
す。(表)
 林氏は「米国は1950年代以降、多くの海外基地を返還していますが、基地の受け入れ国が代替基地を探すなどという事例はありません。米国が自らの責任で考えるのが当然です」と述べます。

 抑止力囗実に

 在沖縄米軍基地のうち、面積・人員ともに6割以上を占めているのが海兵隊です。海兵隊は海外で唯一の恒久基地である沖縄を維持しようともくろみ、日本政府も「抑止力」という口実で海兵隊にしがみついています
 同時に、海兵隊はオバマ政権の「戦略的リバランス(再配置)」に伴い、グアムや(ワイ、豪州への兵力
の分散を計画し、部隊配置の柔軟性を目指しています。林氏はこう指摘します。
 「これまで基地があったから使っている、あるいは日本の思いやり予算があるから、という以外に基地を置く理由は見当たらない。日本政府が沖縄県民の民意を受け止め、米国と交渉すれば、少なくとも海兵隊の撤退はすぐにでも可能です

沖縄・新段階の「島ぐるみ」闘争_6

沖縄県民が決める

 今年1月の名護市長選、11月の沖縄県知事選、そして今月の総選挙。1年間のたたかいを通じて沖縄県民が求め続けてきたもの、それは「沖縄のことは沖縄が決める」という、自己決定権でした。

 「植民地征服」

 沖縄の苦難は、1945年4月、軍国主義政府によって「本土防衛」の捨て石にされ、せい惨な地上戦の舞台となったことから始まりました。
 戦後は米軍の支配下に置かれ、住民が12力所の収容所に置かれている間に無数の基地が建設されます。50年代以降、米占領軍は一方的な「布令」で、さらなる住民の土地を強奪しました。
 米陸軍琉球軍司令部作成の54年H月1日付の秘密文章は。こうした土地強奪を「征服の権利」だと断言しています。沖縄は、住民の意思が反映する余地などない、植民地そのものでした。
 これをはね返し、72年5月に本土復帰を果たした力の源泉が、県民の「島ぐるみ」のだたかいでした。
 しかし、「沖縄の施政権は返還しても、基地は返さない」。これが米当局の大方針でした。復帰後も広大な基地が残され、世界各地の侵略戦争・軍事介入への自由出撃摧が保証されまし
た。
 さらに復帰後は、日本政府が米軍用地特措法で土地の強制使用を担保し、地代や公共事業、基地と引き換えの「沖縄振興策」といった「アメとムチ」政策で県民を分断し、基地を維持してきました。
 このような日米「共犯」の沖縄支配は、辺野古に新基地を造らせないという18年間のだたかいを通じて揺らぎつつあります。

  民意尊重必要

 「わが国が世界に冠たる民主主義国家であることを示してほしい」。翁長雄志(おなか・たけし)知事は16日の県議会でこう述べ、県民の民意を尊重するよう求めました。
 米国からも同様の声が出ています。「沖縄の人々が辺野古への移設を…支持しないなら我々は再考しなければならない」(ジョセフーナイ元米国防次官補、「朝日」8日付)
 「民主主義国家であれば、同盟関係を国内の民主主義より優先させてはならない。民意を踏みつぶすのではなく、日米の政治に反映させることが必要だ」(沖縄返還交渉の米側担当者だったハルペリン元国防次官補代理)
 翁長知事は24日から上京して民意を伝えます。安倍晋三首相が「民主主義国家の首相」としての資格を持っているのか、問われることになります。(おわり)
(この連載は池田晋、竹下岳が胆当しました)



沖縄完全勝利の不変的意義
日本政治に地殻変動の兆し
文化 学問(しんぶん赤旗)2014年12月22日

沖縄完全勝利の不変的意義

小林 武

 第47回総選挙は、仕組まれたとおりの自公政権維持とともに、共産党の躍進と沖縄における自民の完敗をもたらした。沖縄県民の完勝には、もとよりこの地の格別の要因があるが、それは沖縄限りの特殊な現象ではなく、日本政治全体の地殻変動の兆しなのではあるまいか。「圧勝」とされる安倍政治の本質にある脆弱さを、沖縄が明るみに出したのである。
 まずは改憲発議を可能にする3分の2超の議席をひきつづき壊憲諸党が占める結果となった。小選挙区で自民は75勞の議席を占有したが。得票率は48%。今回投票率は53%弱であったから絶対得票率では25%に過ぎず、虚構の多数である。また解散そのものが、散権の主体を内閣と定める憲法(59条、7条3号)に反して内閣総理大臣の専権によってなされ、しかもアベ
ノミクス解散なるものは正当な憲法上の理由をもたないものであった。
 これに抗して、沖縄では、四つの選挙区ともすべて、辺野古新基地建設で県民への公約を翻した自民現職に、新基地を許さない「オール沖縄」の共同候補が対峙し、ことごとく打ち破った。人々は、感激の力チャーシーを舞った。首相たちは、11月の沖縄知事選から、最も肝心なこと、つまり県民の人としての誇りの強さを学ぶことができないまま、高をくくって総選挙に臨んでいたのである

 国政レベルに上昇

 この二つの選挙の結果は相似形をなしている。知事選で卦態廓ふ氏はヽ現職に10万、他の2人を加えた合計票に2万の差をつけ、得票串は51%であった。総選挙の「オール沖縄」4氏の合計は、自民4現職に7万、―区の維新票を加えても4万の差があり、得票率は53勞。市町村別でも、知事選・総選挙とも、41自治体のうち26を制した。どの指標をとっても勝利は明確である。総選挙での県民の審判は翁長勝利の真価をより高めるものとなった。この流れは、辺野古建設を撤回させ、普天間を撤去させるまでとどまるものではない
 翁長新知事の立ち位置は「沖縄保守」である。中央の自民から自立して、沖縄のためには革新との団結をいとわない保守をいう。それは、沖縄の人々の長い年月にわたる苦難の共同体験をとおして培われてきた政治姿勢である。そこから発せられる「イデオロギーよりアイデンティティー」、「誇りある豊かさ」という呼びかけが人々を捉え、その結束が、ついに国政選挙のレベルにまで上昇したのである

 共産党躍進に表れ

 「オール沖縄」は、憲法改悪阻止や日米安保の終了それ自体を軸としたものではない。普天間基地の閉鎖・撤去とオスプレイ配備撤回で41市町村の全首長・議会議長等が大同団結した2013年の「建白書」を共同綱領として成り立った、可及的に幅広い運動体である。その本質を問うなら、今日、立憲デモクラシー」(立憲民主主義)を掲げて全国で進められている運動と共通するものがある国家の権力行使は憲法の拘束の下でのみなされるべきだとする原理が立憲主義であるが、これを一顧だにしない安倍政権の憲法破壊を阻止しようという一点で、人々は緩やかな戦線をつくっている。そこでも、改憲や安保への賛否はひとまず脇に置き、改憲論者も加わって、憲法無視の暴走政治に対峙しているのである
 この立憲民主主義の共同が、沖縄では見事に具体的な形で実り、統一戦線結成に向かう萌芽も見られた。
 「沖縄のたたかいが日本を救う」とは、翁長氏を支えた沖縄経済人のことぱであるが、たしかに、沖縄の前進の姿には普遍的な意饋がみとめられる。それは、日本全体の政治における地殻変動の端緒であって、県民意思を国民総意に高める展望をもつことができよう。共産党の顕著な躍進は、その全国規模での証しのひとつである、と考える
 同時に、右翼的国家改造をためらいもなくやりおおせてしまう人物が引き続き首相になる。その政権は、暗黒への道を国民に歩ませようとするであろう。これに抗して、オール沖縄の結い、立憲民主主義の共同を強めることこそ光明へと向う道である、と信じる


沖縄を返せ

http://youtu.be/kmigP1jacbY

「がんばろう」

http://youtu.be/enb15Bzyt3o

「ワルシャワ労働者の歌」

http://youtu.be/qtslGbYKMoQ


14こう吐く歌合戦


2015年、新春に思うこと あなたは何のために生きているのですか?

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明けましておめでとう御座います(^ω^)
本年も変わらぬお付き合いをお願い申し上げます
m(_ _)m




人間にとって一番大切なものは何でしょう?
お金ですか?名誉や地位ですか??
否!!それは言うまでもなく自分の命ですよね!人生で健康が一番!健康でなければ人生を生きる原動力である「悦び」が得にくくなります。

人の幸福とは何でしょう?
お金を得ることや社会的地位や名誉を得ることでしょうか?それとも、愛や信頼なのでしょうか?
確かにお金は人が生きていく上で必要なものですね?しかし、現代の社会では新自由主義アベノミクスのもとで収奪者からどんどん収奪・搾取され、格差や貧困がますます広がっているのが現実です。必要以上のお金を得て満足せずさらにお金を得ようとしてお金・資本の奴隷となっている人の多いことか…いや、現実は逆ですね?資本の奴隷としてしか自らを生かすしか道が無いという地獄のような現実。
そんな人生が本当に幸せと言えるのでしょうか?
他人の幸福を破壊しておきながら自分は幸福になるなどということは私はできないと思います。なぜならば、人間は社会を作って生活をする動物だからです。この世の中の法則は人に悦びを与えるものは他者からも悦びを与えられるが、他者に苦痛を与えるものは他者からも苦痛を与えられるのではないでしょうか?

宮沢賢治はこのように言ってます。

農民芸術概論綱要
宮沢賢治
序論

……われらはいっしょにこれから何を論ずるか……

おれたちはみな農民である ずゐぶん忙がしく仕事もつらい
もっと明るく生き生きと生活をする道を見付けたい
われらの古い師父たちの中にはさういふ人も応々あった
近代科学の実証と求道者たちの実験とわれらの直観の一致に於て論じたい
世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない
自我の意識は個人から集団社会宇宙と次第に進化する
この方向は古い聖者の踏みまた教へた道ではないか
新たな時代は世界が一の意識になり生物となる方向にある
正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである
われらは世界のまことの幸福を索ねよう 求道すでに道である



人間は自然と社会という二足のわらじで生きています。だから最終的に、自然の法則にも逆らうことはできないし、社会の法則にも逆らって生きることはできません。自然・社会は不動のものではなくて絶えず低次のものから高次のものへと発展しています。(正確に言えば事物は生成・発展・消滅のいずれかの過程にある)現在の宇宙論は今ある自然はビックバンから始まり素粒子を作り物質誕生した後に銀河を作り恒星が生まれ惑星が誕生する。
私たちが住む、この地球という稀有な星に生物が誕生した。それは奇跡であると同時に自然の発展法則による必然でもあったのですね。その自然史の中で私たち人間が生まれたことを意識している人は少ないのではないでしょうか?
私たちは宇宙の子です。自然の子です。私たちを構成している物質は先代の太陽が超新星爆発と同時に核融合によって生成された酸素や炭素その他の星間物質です。
自然の物質から構成されている人間が自然の法則に逆らって生きていけましょうか?

超新星爆発
さらに、自然史の発展によって自己意識を持つ生物の誕生!それが人間です。
その人間が自然によって生かされ、自然を合理的に改造しながら社会の法則に従いながら人間独自の文化を作り出し様々な生産様式を経て発展してきた人間の歴史。人間によって構成される社会がごく少数者のためのものであっていいのか?金や名誉のために従属させていいのか?

自然と共に生き、隣人と共に世界全体が幸せになれる社会を作ることが何よりも必要だなぁ・・と昨年同様に思う新年です。(-ω-)



一年前に私はこのように書きました…

「2014年は私たち庶民にとっては試練といってもいいようなきつい年が予想されます。TPP、消費税増税、集団的自衛権の法解釈による合法化、特定秘密保護法施行、在日米軍再編強化さらに、伊方原発・柏崎刈羽原発再稼働、富士山噴火、房総沖巨大地震、若狭湾直下巨大地震などなど・・」

果たして、消費税8%に増税され、集団的自衛権行使容認の閣議決定、特定秘密保護法施行、在日米軍再編強化の布石となる辺野古米軍基地の強行着工、そして川内原発・高浜原発の新規制基準適合による再稼働へ・・
(`・ω・´)
実現化していないのはTPPと巨大自然災害とは何ともやりきれない(´・ω・`)

2015年は日本に限って言えば、TPPによる日本経済主権の喪失と大規模な農業破壊と多国籍企業による農業支配、共謀罪によって到来する本格的な監視・密告社会の到来、憲法改悪の発議→徴兵制の施行、米国が真に狙っている台湾海峡有事とそこへの自衛隊参戦、リニア新幹線着工による環境破壊と健康破壊、そして、これが一番恐ろしい…再稼働原発直下で起きる巨大地震による再度の原発震災…!!
これらのことを考えるだに新春からため息が出てしまいますね・・もしかしたら、アメリカのドルデフォルトによってワシントン・コンセンサス体制が崩壊による世界恐慌の可能性もまだまだあります。ε=(・д・`*)ハァ…

私たちの希望はどこにあるのでしょうか?それはみんなで考えて行きませんか?私たちのことなのですから!(`・ω・´)シャキーン
ひとつの答えは、昨年行われた沖縄知事選とそれに続く総選挙で沖縄1~4区で「オール沖縄」候補が全勝したこと!大いに学ばなくてはいけませんね。


故郷
魯迅
より

わたしは横になって船底のせせらぎを聴き、自分の道を走っていることを知った。わたしは遂に閏土と隔絶してこの位置まで来てしまった。けれど、わたしの後輩はやはり一脈の気を通わしているではないか。宏兒は水生を思念しているではないか。わたしは彼等の間に再び隔膜が出来ることを望まない。しかしながら彼等は一脈の気を求むるために、凡てがわたしのように辛苦展転して生活することを望まない。また彼等の凡てが閏土のように辛苦麻痺して生活することを望まない。また凡てが別人のように辛苦放埒して生活することを望まない。彼等はわたしどものまだ経験せざる新しき生活をしてこそ然(しか)る可(べ)きだ。
 わたしはそう思うとたちまち羞しくなった。閏土が香炉と燭台が要ると言った時、わたしは内々彼を笑っていた。彼はどうしても偶像崇拝で、いかなる時にもそれを忘れ去ることが出来ないと。ところが現在わたしのいわゆる希望はわたしの手製の偶像ではなかろうか。ただ彼の希望は遠くの方でぼんやりしているだけの相違だ。
 夢うつつの中(うち)に眼の前に野広い海辺の緑の沙地が展開して来た。上には深藍色の大空に掛るまんまろの月が黄金色であった。
 希望は本来有というものでもなく、無というものでもない。これこそ地上の道のように、初めから道があるのではないが、歩く人が多くなると初めて道が出来る
(一九二一年一月)

私たちにとって思考を停止し歩みを止めてしまうことが一番まずい!


http://youtu.be/HBXlbSzI6H0

みなさま、「絶えず低次のものから高次のものへと発展している」という視点は握って離さないでほしいと思います。


皆様にとって、本年が幸せな年でありますように( ´-`)

小出裕章先生:もうほんとにいい加減に目を覚まさなければいけないと私は思います

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コンピューターが未来をどう変えるのか~人工知能の最前線から~
(ラジオフォーラム#104)

http://youtu.be/dF7jLsXbpig?t=16m55s
~16分55秒~第104回小出裕章ジャーナル
核分裂反応が生み出すもの「仮に制御でき続けたとしても核分裂生成物、いわゆる死の灰と呼ぶものが避けることなくできてしまうのです」

http://www.rafjp.org/koidejournal/no104/
核分裂反応

湯浅誠:
あけましておめでとうございます。

小出さん:
はい、不思議なことに年だけは流れるようですね。おめでとうございます。

湯浅:
今日はですね、1月のテーマは「原発はなぜいけないのか?」でございます。なんかリスナーの方の中には、何をいまさらって方も大勢いらっしゃるとは思うんですが、それ以外に実は初めて聴くっていう方もおられるとは思いますので、すみませんがお付き合い下さい。

小出さん:
はい。

湯浅:
まず、今日のテーマはですね「核分裂反応を人間は制御できるのか?」。まず、核分裂反応の核分裂とは何なのか? それと、核分裂と原子力発電というのは、一体何がどう関係してるのかっていうことについてよろしくお願いします。

小出さん:
はい。核分裂の核というのは、私達が原子核と呼ぶもののことなのですが、ずーっと長い人類の歴史の中で、所謂、元素と言うのでしょうか?水素、酸素、炭素、鉄とかですねアルミとか、そういう元素自身は別の元素には変換できないというのが、これまでの常識だったのですけれども、1938年の末になりまして、ウランという元素を別の元素、あるいは原子核に変えてしまうことができるということが発見されたのです。
Otto Hahn
Otto Hahn核分裂反応の発見者

核分裂反応_1
核分裂反応 中性子を吸収したウラン235が、
クリプトン92とバリウム141に分裂した例。


その反応を核分裂反応と言うのですが、ウランというのは結構、大きな原子核なのですが、それが2つに、あるいは場合によっては3つに分裂してしまって、全く違う原子核、元素になってしまうということがわかりました。その時に、膨大なエネルギーが出てくるということもわかりまして、ちょうどその頃は第二次世界戦争の前夜だったわけで、それを使って爆弾をつくれないかということをすぐ考える人達が出てきたのです。
核分裂連鎖反応の概念図
核分裂連鎖反応の概念図。
1. あるウラン235原子核が1個の中性子を吸収し、2個の新たな原子核(核分裂片)に分裂する。同時に3個の新たな中性子といくらかの結合エネルギーを放出する。2. 放出された中性子のうちの1個がウラン238原子核に吸収される。この場合は反応は続かない。別の1個の中性子は他の原子核と衝突せずに失われる。この場合も反応は続かない。しかし残りの1個の中性子は別のウラン235原子核に衝突する。この原子核は核分裂を起こして2個の中性子と結合エネルギーを放出する。3. ここで放出された中性子は2個とも別のウラン235原子核に衝突し、それぞれ核分裂を起こして1~3個の中性子を放出する。こうして反応が持続する。

結局、何ができたかと言えばいわゆる原爆。日本というこの国は広島長崎に2発の原爆を落とされて、たくさんの人々が苦難のどん底に落とされるということになりました。
広島に投下された原爆の巨大なキノコ雲
それを見てですね、原爆というのはものすごいと、普通のこれまで人間が使ってきた爆弾とは全く違う爆弾だということにみんなが気が付いたわけですし、これまで使ってきた薪であるとか、石炭であるとか、石油であるとか、そんな反応とは全く違うエネルギーが出るのであれば、それを人類の平和のために使えるのではないかというような期待までが生まれてしまったのです。

で、それで生み出されたのが原子力発電という技術で、実は私自身も「原爆は悪いけれども、核分裂のエネルギーを人類のために使いたい。原子力発電をやりたい」と思ってしまった人間なのです。
東京新聞19551231

湯浅:
夢のエネルギーだということで、発電に応用されたのが原子力発電だと。

小出さん:
はい。

湯浅:
で、小出さんも青年の若かりし小出青年はその夢にかけたということですね?

小出さん:
はい。その通りです。愚かだったと思いますけれども、核分裂反応に夢を抱いてしまいました。

小出裕章ジャーナル

湯浅誠: その夢のエネルギーが夢じゃないということになっていったのは、核分裂が結局コントロールしきれないということに、いつかわかったからということなんですかね?

小出さん:
はい。たくさんの理由がありますが、もちろん今、湯浅さんが言って下さったように、核分裂反応を人類がコントロールできない場合があるだろうと。もし、そうなってしまうと大変な被害が出てしまうので、そういう技術は使うべきでないと私は思うようになりました。

湯浅:
ほかにどういう懸念点というか?

小出さん:
たくさんありますけれども、仮に制御でき続けたとしても、核分裂反応というものを使ってしまいますと、核分裂生成物、いわゆる皆さんが「死の灰」と呼ぶものが避けることなくできてしまうのです
世界は恐怖する 死の灰の正体
そのできる量たるや膨大な量ができてしまいまして、例えば今日では100万キロワットという原子力発電所が標準になったのですが、その原子力発電所1基を1年運転させるためには、1トンのウランを核分裂させる。そして、1トンの「死の灰」ができるわけですけれども、広島原爆で核分裂させたウランはわずか800グラム、まき散らした「死の灰」も800グラムだったのです
大量に生み出された放射性物質
つまり、原子力発電所というものは1基を1年運転させるごとに、広島原爆がまき散らした死の灰のゆうに1000発分を超える死の灰を避けることなく生み出してしまうという、そういう機械なのです

福島第一原子力発電所はそれを今、環境にまき散らしてるわけですけれども、仮に大きな事故にならなかったとしても、生み出した核分裂生成物は消えないし、それを消す力を人類は持っていない。その毒物は10万年、あるいは100万年どこかに閉じ込めなければいけないという毒物であって、私達の世代がなんか電気が欲しいと言って原子力を使ってしまうと、10万年、100万年後の私達の子々孫々に、その毒物を押し付けるということをやってしまうことになります。そんなことは、到底許されないだろうと私は思います
国家という組織の長さ

湯浅:
なるほど。10万年後、100万年後まで子々孫々に影響を与え続けるということを止めなきゃいけないので、ずっと遡って今、原発を止めないといけないということになるということですね

小出さん:
今すぐに原発を止めたとしてもですね、日本という私達の国では1966年から原子力発電というのを始めてしまいまして、すでに今日までに、広島原爆がまき散らした死の灰の130万発分を作ってしまった

湯浅:
130万ですか。

小出さん:
はい。もう気が遠くなるというかですね、その危険をどうやって考えていいかわからない程のものを既につくってしまったのです。私達の世代、何十年かのこの間の「何か電気が欲しい」「豊かに生きたい」とかいう、そういう欲望のもとにですね、
東電清水元社長

ほんとに信じがたい程の毒物を生んでしまい、それをこれからの子々孫々に押し付けなければいけないということになってしまっているのです。もうほんとにいい加減に目を覚まさなければいけないと私は思います

田中正造 真の文明は
田中正造

湯浅:
新年早々、気の引き締まるお話ありがとうございます。

小出さん:
いえ。

湯浅:
今年も引き続き考えていきたいですね。

小出さん:
はい。

湯浅:
小出さん、どうもありがとうございました。

小出さん:
ありがとうございました。


E=mc^2 ~アインシュタインと世界一美しい方程式~ 4

http://youtu.be/5Lk-kElNdyk


閲覧注意
世界は恐怖する死の灰の正体

http://youtu.be/yCk2Qf6RA_s
亀井文夫監督「世界は恐怖する 死の灰の正体」(書き起こし)
http://ameblo.jp/chihointokyo/entry-11147185294.html
1957年制作原水爆実験後の日本の実態

単位換算
1キュリー(Ci)=約370億ベクレル(Bq)、
1マイクロキュリー(µCi)=約37,000ベクレル(Bq)
1マイクロマイクロキュリー(µµCi)=約0.037ベクレル(Bq)
1レントゲン=約10ミリシーベルト

ストロンチュウム90が115マイクロマイクロキュリー=約4ベクレル
セシウム137が240マイクロマイクロキュリー=約9ベクレル
1,500レントゲン=約15,000ミリシーベルト=15シーベルト


オンカロ 「地下深く 永遠に ~10万年後の安全~」
オンカロ 「地下深く 永遠に ~10万年後の安全~」
http://v.youku.com/v_show/id_XNDI4MDg2NDA4.html
各国が頭を痛める原子力発電所の廃棄物問題。北欧のフィンランドが世界に先駆け、核のゴミの最終処分場の建設に乗り出している。「オンカロ」(フィンランド語で「隠し場所」)と呼ばれる処分場は、太古の岩盤層を深さ500mまで掘り下げた先に作られ、施設が国内で排出される核廃棄物で満パンになる約100年後に、入口を完全封鎖されるという。
核廃棄物の最終処分が難しい理由は、実はその先である。廃棄物が出す放射線が、生物にとって安全なレベルに下がるまで、欧州の基準では少なくとも10万年かかるとしている。つまりオンカロは、人類の歴史にも匹敵する膨大な歳月の間、安全性の確保が求められるのだ。革命や戦争が起きたり、気候や地殻の大変動に見舞われたりしたとしても・・・
最も危惧されているのは、今の人類が姿を消したあとの未来の知的生物が処分場に侵入し、放射線が漏れ出してしまうシナリオだという。そうならないよう、近づくと危険だという警告を伝えた方がいいのか?しかし、どうやって?あるいは何もせず、記憶から消し去ってしまう方がいいのか?原子力というパンドラの箱を開けた人類が直面する難問を描く。
2010年 国際環境映画祭(パリ)グランプリ受賞作品
原題:Into Eternity
制作:Magic Hour Films (デンマーク 2010年)


必聴です!
20141231 報道するラジオ年末特番『もう、だまされないぞ!2014』

http://youtu.be/tKn3AelBRBg
「世界で最も厳しい規制基準にだまされないぞ!」

木野龍逸さん、おしどりさんをスタジオに招いて東電記者会見や再稼働について議論しま­す。
小出先生には様々な疑問にお答え頂きます。

【20:00~】
京都大学原子炉実験所 小出裕章


ジャーナリスト 木野龍逸
夫婦漫才師 おしどり



日本中枢の陰謀を暴く!_1

ある学者は福島県民を前に、「自分は安全と言っていない。安心を語っている」と言い放った。国民は愚かだから、事実を伝えてはいけない。。彼ら々の傲慢のせいで、何百万人が無駄に被曝したのか。

国民を常に監視せよ

 「件名 平成23年度原子力安全規制情報広聴・広報事業(不正確情報対応)
 これは、経済産業省傘下の資源エネルギー庁が、ある事業について入札を行う際の条件を公示した「仕様書の一つである
 驚くのは、その「事業目的」の項だ
 (ツイッター、ブログなどインターネット上に掲載される原子力等に関する不正確な情報又は不適切な愉報を常時モニタリングし、それに対して速やかに正確な情報を提供し。又は正確な情報へ導くことで、原子力発電所の事故等に対する風評被害を防止する)
 つまりこれは、経済産業省=資源エネルギー庁による「ネット監現」事業の人札仕様書なのだ。
 この事業の人札に関する説明会が行われたのは6月のことで、7月13日に人札、同15日に開札が行われ、すでに請負業者も決定しているという
 この問題を厳しく批判しているジャーナリストの岩上安身氏はこう語る。
 「これは私か最初にツイート(=ツイッター上で発言したことで人きな波紋を呼びました。7月14日にこの問越を発信して以来、どんどん関心が集まっていて、資源エネルギー庁に問いわせをして、一部始終をツイートしている人もいます。
 税金を使い、モニタリングという名目でツイッターを監視し、それに対する想定問答集を作っているわけですから、これは検閲と同じこと。われわれはツイッターで政府を監視、批判していますが、国民の側か政府に監視されるいわれはない。こんな馬鹿げたことはやめるべきです」
 本誌は前号で、文部科学省の管轄下にある財団法人・日本原子力文化振興財団が、国民に原子力を安令だと思い込ませるための「洗脳マニュアル」を作っていたことを報じた。
 何か何でも原子力を椎進したい勢力は、国民のことを〈停電は困るが、原子力はいやだ、という虫のいいことをいっている〉連中だと侮蔑した上、そんな愚かな大衆には〈繰り返し繰り返し広報〉を行い、安全神話にどっぶり漬からせるべく情搬操作をしてきた。
 だが「確率は1億年に1回もない」と関係者が豪語してきた原発事故は現実に起きた。福島第一原発は、巨大地震と津波の前に脆くも崩壊し、日本は国土の一部を半永久的に失ったのだ。
 にもかかわらず━━━。原子カムラの住民たちには、何の反省もない それどころか、原発事故と放射能汚染について意見交換している一般市民を「常時」監俔し、税金を投人して再び安全デマを強調しようというのだから、呆れてものが言えない。
 実は、資源エネルギー庁が行っている「監視」の対象はツイッターだけに止まらない。彼ら原子力関係者にとって、「監視」と「世論操作」は、いわば日常的作業なのだ。
 「件名 平成22年度原子力施設立地推進事業(即応型情報提供事業)」
 そう題された、もうひとつの人札仕様書がある。
 (事業目的 資源エネルギー庁のホームページで、国の原子力政策に係る総合的な情報について、広く国民に対しエネルギー・原子力に関する理解を促進〉く新聞、雑誌などの不適切・不正確な愉報への対応を行うため、全国紙、原子力政立地地域の地方新聞や資源エネルギー庁から提供する資料について、専門的知見を活用して分析を行い、不正確又は不適切な情報があった場合には、国として追加

日本中枢の陰謀を暴く!_2

発信すべき情報又は訂正情報の案を作成してホームページに掲載する〉
 つまり原発事故の前から、新聞や雑誌といったメディアの監視も、公然と行っていたのである。
 「この監視事菜を、’08年度は社会経済生産性本部が2394万円で、’09年度は日本科学技術振興財団が1312万円で、’10年度は財団法人エネルギー総合工学研究所が976万円で受注しています。日本科学技術振興財団は東京・九段の科学技術館を管理・運営していて、同財団の評議員には電気事菜連合会の木村滋副会長(東京電力取締役)、理事に東電の勝俣恒久会長が名を連ねています」(全国紙経済部記者)
 まさに、ズプズブの関係。’10年度に事業を受注した「エネルギー総合工学研究所」も分かりやすい団体で、この財団は、あの班目春樹・原子力安全委貝長が、昨年まで理事として名を連ねていた。さらには束京電力の荒木浩元会畏や、関西電力の八木誠現社長(電気事業連合会会長)ら電力会社のトップも、同じ頃に理事を務めている。
 つまり、資源エネルギー庁が税金で監視・情報操作を実行↓資金は電力会社幹部・御用学者に還流、という構図がそこにある。まさしく。お手盛り・である。

有名人のプログも監視

 本誌が資源エネルギー庁の広報担当者に、どういうつもりでネットやマスコミの監視をしているのか問い質すと、こう答えた。
「原発事故で関東に避難してきた福島県の子供が「放射能が伝染する」とイジメられたり、福島ナンバーの車がボコボコにされるなどの嫌がらせがあり、福島県民が心を痛めています。
 ツイッターでの情報の広がりはもの凄く早いので、こうした風評被害を防止するためにもモニタリングを行い、正確な情報に基づいたQ&A集を作成して、エネ庁のホームページに掲載することにしたんです」
 担当者は、あくまで「風評被害」を防止するための措置であり、「言論統制」や「情報操作」を行う意図はないと主張する。
 「(監視する)不適切な情報とはどんなものか、それは今後定義付けしていきたいと思っています。調査の方法については、特定のキーワードを入れて検索したうえ、内容を調べます。また、世論に影響力のある人のブログやツイッターはチェックします」(広報担当)
 反応を見ても分かるように、言論を監視することに対するエネ庁サイドの罪悪感は、まったくと言っていいほどない。原子カムラの利権を守るために、税金を使って言論統制を図る。それが異常であるという認識が、ほとんどないのは恐ろしい
 「そもそも「メルトダウンはしていない」とか、不正確な情報を垂れ流してきたのは政府のほうです。エネ庁に、「間違った情報をチェックして正す」なんて言う資格はありません。ツイッターやネット、メディアの監視をする前に、自分たちがやってきた行為をまず自己批判すべきです
 政府がもっと早く正しい情報を公表していれば、市民は無用な被曝をせずに済んだはず。政府が信用できないから、市民は自助努力で情報を集め、ツイッターなどでやり取りしているのです。そうした人たちを、「風評被害だ」と監視しようというのは、「政府は正しくて市民は正しくない」という、上から目線の傲慢さも感じますね」(社民党・福島瑞穂党首)
 今後は、ネット上で「原発」「放射能」などのキーワードで引っかかるブログやツイッターは、高い確率でエネ庁の。工作員・に監視されることになる。彼らは「見ているだけ」と主張するが、それだけで市民にとっては十分な脅威となる。ただでさえ、国民全体が震災の後遺症と原発事故の影響に苦しんでいるのに、自由な言動もままならない。まったく寒い時代だ。
 ここでもうひとつ指摘しておかなければならないのは、この「言論統制」は、原子力推進関係者の「情報操作」と一体になっていることだ。
 前出の「即応型情報提供事業」の事菜内容を見ると、「当庁(エネ庁)のホームページを用いた情報発信事業」として、次のようなことが書かれている。
 〈一般国民が、HP検索エンジンにおいて、「原子力」、「放射線」、「処分場」等といったワードを用いて検索を実施した検索結果において、HP「原子力AtoZ」が上位にランクされ、閲覧へとつながるよう改善策を提案すること〉
 現在は、福鳥第一原発の事故後に関連ワードの検索回数が激増したため、この「なるほど! 原子力AtoZ」というエネ庁のHPは上位にこない。また、どういうわけか、HP自体が「現
在改定中です」として、閲覧できなくなっている。
 ただ、そうした。御用HPに、どんなことが書かれているかは、他の原子力関連のHPや資料を見れば、簡単にうかがい知ることができる。いわゆる「安全神話」の押し付けだ。

悪魔のパンフレット

 たとえば、経済産業省所管の財団法人・日本立地センターは、原発立地地城の住民向けに「夢」、同じくそれら地城の中学生向けに「ドリーマー」という原子力情報誌を発行している。
「夢」は約10万部、「ドリーマー」は約4万8000部発行というから、影響力はそれなりにあるだろう。そこでは、こんな話のオンパレードだ。
 「空気中にはラドンなどの天然の放射性物質があります!」(「夢JU年12月号」「世界中の食品で放射線が役立つ。ている1」(同り年3月号)
 「プルサーマルで使うMOX燃料は、ウラン燃料と同じように安全に使用できます」(同加年12月号)
 ソッとするのは、中学生向けという「ドリーマー」である。この情報誌は、毎回原子力関連のテーマを決め、子供たちのイラストを募っているが、そこにはこんな言葉が躍っている。
 「高レベル放射性廃棄物は地層処分で私たちには害がありません(14歳)」
 「地下だったら自然災害でも安全だねえ!(15歳)」
 「プルサーマル導入計画進行中1(15歳)」
 「電気の廃楽物を処分するための方法がくわしく分かって良かったです。日本では影響の少ない地層処分だと分り安心しました(中2)」
 彼らはおそらく、各地の原発で働く電力関係者の子女や、立地自治体に住む子供たちだろう。彼ら・彼女らは、大人から教えられた
ことを無邪気に信じて、こうした原子力礼賛イラスト&文章を「書かされて」いるのだと思われる。だが、無垢な子供を「安全神話」でどっぷり洗脳し、長期的な視点で世論操作をしていこうという発想には、うすら寒いものを感じざるを得ない
 前号で紹介した「洗脳マニュアル」には、〈教科書を厳しくチェックする〉という項があったが、まさにそれを地で行った、若年期からの洗脳教育が、ここで現実に行われているわけだ。
 実は、こうした情報操作をしているのは、原子力発電に直接関わる、経産省や資源エネルギー庁、文部科学省だけではない。
 次に、上のパンフレットを見て欲しい。
 「妊娠中の方、小さなお子さんをもつお母さんの放射線へのご心配にお答えします。~水と空気と食べものの安心のために~」
 こう題されたパンフレットは、原発事故後の4月初めに厚生労働省が300万部も刷り、福島や東北、関東地方を中心にぱら撒かれたものだ。だが、そこに書かれているのは、まさに”安全デマ”を拡散するためのもので、一部の医療関係者の間では。悪魔のパンフレット゛と呼ばれている。
 厚生労働省医系技官の木村盛世氏はこう語る。
 「このパンフレットには、食べ物も飲み物も、子供を外で遊ばせることも、とにかく「全部、安心です」と書いてあります。これは犯罪ですよ。どこを読んでも科学的根拠はまったく示さ
れていません」
 たとえばパンフでは冒頭から、「国は、国民のみなさんの健康を考えた安全な基準をもうけて対応しています」などと書かれており、そこからして、いかにも胡散臭い。
 「放射線がおなかの中の赤ちゃんに影響を及ぼすことは、まず、考えられません」
 「赤ちゃんはもちろん、小さなお子さんに対しても特別なご心配はいりません」
 「お子さんを外で遊ばせることについて、心配しすぎる必要はありません」
 そんな具合に、「安全・

日本中枢の陰謀を暴く!_3


安倍晋三「全電源崩壊は起こりえない」答弁を削除

金子勝×大竹まこと×室井佑月「安倍政権の狡猾な原発事故対応」

http://youtu.be/yS610VPkyaU




なんで赤旗しか騒がないのだ?



原発事故 国家はどう補償したのか~チェルノブイリ法 23年の軌跡

http://dai.ly/x24e6j8
NHK ETV特集 2014.8.23. 

ウクライナでは28年前に起きたチェルノブイリ原発事故で広大な土地が放射能に汚染され200万を超える人々が被災した。事故の5年後、政府は「チェルノブイリ法」を制定、追加被ばく線量が推定で年間1ミリシーベルトを超える地域を汚染地域に指定し、被災者を次世代まで救済することを決めた。しかし膨大な支出が財政を圧迫、支給金額は2割以下しか実現できていない。理想を高く掲げたチェルノブイリ法のルーツと今に迫る。



むっちゃんの幸せ~福島の被災犬がたどった数奇な運命

http://dai.ly/x26h2z0
NHK 2014.9.23.

2011年3月の東日本大震災で福島県楢葉町の飼い主と離れ離れになってしまった「むっちゃん」という犬。ボランティアの手で被災地から助け出され、栃木県那須塩原市の被災動物の保護施設で1年を過ごした後、神奈川県横須賀市の老人ホームに引き取られた。いつ命を落としても不思議ではなかった「むっちゃん」は多くの人たちの小さな善意の積み重ねによって生き延びることができた。「むっちゃん」の波乱万丈の物語を紹介する。



新年企画「不屈の詩(うた)」 窪川原発を止めた人・島岡幹夫さん
(東京新聞【こちら特報部】)2015年1月1日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015010102000134.html
 戦後七十年。敗戦やベトナム戦争、福島原発事故など戦後史の節目で、常に問われてきたのはこの国の市民社会だった。個人に根ざした社会は成熟せず、いじめに端的な「長いものに巻かれる」精神はいまも支配的だ。しかし、孤立を恐れず、周囲に警鐘を鳴らし続けてきた人びともいた。きな臭さが一段と増す現在、そうした人びとの不屈の歩みから、大切な教訓を学びたいと思う。

窪川原発を止めた人・島岡幹夫さん_1

 蛇行しながら静かに流れる四万十川の水面に、沈む夕日が反射する。「川底まで見える。きれいだろ」。島岡幹夫(七六)が透き通った水を手ですくい上げた。
 「この水のおかげで海で魚が捕れ、陸で作物が育つ。だから、原発に売り渡すわけにはいかんかった
 島岡が生まれ育った高知県窪川町(現四万十町)で原発誘致が持ち上がったのは一九八〇年六月。当時の町長が誘致を表明した。
 その十八年前、島岡は母親を乳がんで亡くした。放射線治療の副作用に苦しむ母の姿がまぶたに焼き付いていた。八歳で経験した南海大地震(四六年)の記憶もあった。「もし、原発が事故を起こしたら、放射能が川にも田んぼにも降り掛かり、故郷が壊れる」
 誘致表明の数年前から、原発話は水面下で動いていた。島岡は農業の傍ら、自民党員として窪川町の広報責任者を務めていたため、そのことを知っていた。
 その島岡が「保革の枠を超えて」と旗を掲げ、反対派を組織した。誘致表明直前の八〇年五月、共産党主催の集会で訴えた。ちなみに島岡は若い時に四年間、大阪府警に勤めていた。共産党のデモの警戒に当たったこともあったという。
 その集会で、島岡は「町の有権者は一万三千人で原発反対の共産、社会、公明支援者は千人ずつのみ。残りは自民だ。政党の理念で反対しても、数でたたきつぶされる」と訴えた。
 誘致表明した町長の解職直接請求(リコール)運動に取り組んだ。自宅の牛舎の二階に畳を敷いて急造した「土佐黎明舎」と名付けられた広間が拠点だった。八一年三月に賛成約52%、反対約48%の僅差で、リコールが成立。原発推進派の町長が解職された。
 だが「勝った」という安心感が、島岡ら反対派の足をすくった。四十日後の町長選では前町長が、原発立地は住民投票で決めると戦術を転換し、約54%を得票して返り咲いた。
 「リコールが成立して少し気を抜いたら、ころっと負ける。力が抜けた」
 ただ、八三年の町議選(定数二二)では、島岡も含めて反対派が十人当選。賛成派は十二人いたが、それまで八割以上が賛成派だった町議会の構成を大きく変えた。
 その後もせめぎ合いが続いた。右翼の街宣車も現れた。スーパーマーケット店員の男性(四〇)は「家族内でも賛否が割れていた。まさに町が二分されていた」と当時を振り返る。
 身の危険にさらされたこともあった。「町で急発進した車にひかれそうになった。電柱の陰に飛び込んだが左足をひかれ、いまも足が曲がったまま。演説中、賛成派の漁師に右脇腹を刺されたこともあった」。自宅には「おんしの家に火を付けるぞ」といった脅迫電話が毎晩かかってきた。

窪川原発を止めた人・島岡幹夫さん_2

孤立20年超 「原発あっても町栄えぬ」

故郷の自然手放せぬ

 八六年四月、チェルノブイリ原発事故が起きた。潮目が変わった。推進派は「日本であんな事故は起きない」と安全神話を持ち出したが、事故が報道されるにつれ、島岡の言葉に耳を傾ける人たちが増えた。
 翌年十二月、立地候補地に近い漁協が立地調査の実施を拒否。八八年三月の町長選で、推進派の後継候補が敗れ、反対派が推す候補が初当選した。同年六月、町議会が「これ以上は原発の話をしない」という趣旨の終結宣言を全会一致で決議し、原発騒動は反対派の勝利で幕を下ろした。
 ところが、島岡を待ち受けていたのは苦難だった。
 「島岡は町政混乱の元凶じゃ」。周囲の目は冷たかった。「町中を歩いても、誰も話し掛けてくれない。町議として県庁へ要請に行っても、誰も取り合ってくれない。原発反対で一番目立っていたのは俺だから、風当たりがきつかった。村八分。犯罪者扱いだ」
 時間の経過とともに、反対派の仲間からさえ、「原発があった方がよかったんじゃないか。ほかの町では建てているじゃないか」という声が漏れてきた
 「身近な人までもが半信半疑だったのかと思うと、やりきれなかった
 原発誘致の阻止後も町議を務め続けたが、原発騒動の終結を宣言した手前、反対論を町内で強調することははばかられた。原発反対への懐疑論が少しずつ広がっていく中で、声を上げることができなくなった。
 「故郷を思って打ち込んできた十年以上の時間がばからしくもなったし、自分が間違っているんじゃないかと疑った時もあった」
 だが、世論の転機は再び訪れる。一一年三月の福島原発事故だ。これで窪川町民の島岡評は一変した

福島事故後「英雄扱いに戸惑い」

  「原発を止めてくれてありがとう」「おまんのおかげで高知は安心じゃ」「窪川のヒーローじゃ」と言われ、握手も求められた。
 町民のタクシー運転手の男性(五〇)は「私は推進派だったけど、いまは原発がなくてありがたい。いま思えば、当時は後先考えずにやっていた」と話す。
 島岡は「それまで俺を避けた人が、事故後は途端に二コニコ。その手のひらの返し方に戸惑った。生きている間に評価されるとは思わなかった。やっと分かってもらえたという気持ちの半面、何をいまさらという思いもあった」と言う。
 とりわけ、「英雄扱い」には閉口した。「福島の悲劇はつらく悲しく、その土地の人を思うと心が痛む。俺はヒーローなんかじゃない。福島の人たちを救うことができなかった。むしろ情けなくなった
 町外での講演は、求めに応じて福島事故前から続けてきた。現在も月に一~二回、講演する。そこでは必ず「カネは一代、生命は永遠。原発があっても、町が栄えることはない。原発の危険と引き換えの補助金に頼って生きるより、豊かな自然を子孫に」と語る。
 その思いは現在、地元での子どもたちとの活動にも反映されている。
 昨年末、島岡は地元の小学校近くにある林で、児童らと一緒にアジサイの苗木を植えた。「この活動も、原発反対と根は一緒だ」
 最近は地元の子どもたちでも、林の中に入ることは少ないという。「これじゃあ、自然を通して地元を愛する気持ちは生まれてこない。郷土愛がないと、また原発に故郷を売ろうという連中が出てしまう
 子どもたちが土いじりに悪戦苦闘する姿を目の前にして、島岡はこうつぶやいた。「故郷を愛する気持ちが連綿と続くように若い世代に教えていかんと。そのためには、自然に触れあうことが一番じゃ
(白名正和、文中敬称略)

窪川原発を止めた人・島岡幹夫さん_デスクメモ

基地がなければ、母は殺されずに済んだ( ノω-、)(`・ω・´)

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新年企画「不屈の詩(うた)」
 辺野古移設反対貫き通す・金城武政さん

(東京新聞【こちら特報部】)2015年1月3日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015010302000131.html
 人口二千人弱の沖縄県名護市辺野古(へのこ)で新基地建設に反対する住民は三、四人しかいない。その一人が金城(きんじょう)武政(58)だ。

辺野古移設反対貫き通す・金城武政さん_1

 一九六〇~七〇年代、米軍キャンプーシュワブそぱの辺野古では、ベトナムに赴く米兵が「最後の晩餐(ばんさん)」とぱかりに夜な夜な街に繰り出した。色とりどりのネオンがまたたき、女性の嬌声(きょうせい)が響く。ベトナム特需でにぎわう街角で金城は育った。
 「シュワブのヒージャノミーはベトナムに死にに行くのさ」。住民はささやき合った。ヒージャノミーは沖縄言葉で「ヤギの目」。目が青い米兵の隠語だ。金城はまだ子供だったが、泥沼化した戦地の惨劇は想像できた。「戦争は人を狂わせる」。金城は最も悲惨な形でそれを思い知らされる。母の富子=享年(五二)=が米兵に殺されたのだ。
 五八年、金城一家は辺野古に移り住んだ。父の武は米軍普天間飛行場(宜野湾市)近くで日本料理店を経営していたが、知人の借金を背負って倒産。できたばかりのキャンプーシュワブに目を付けた。両親と十二歳上の姉民子、二歳下の弟武範の五人家族・父は三線(さんしん)の師範で女性にもてたが、酔うと母に手をあげた。金城は「三線弾く男はアシバー(遊び人)」と嫌った。自らはギターを手にフォークソングにのめり込んだ。
 母は洋裁教室のかたわら、自宅の一階にバー「アポロ」を開いた。カウンター八席、ボックス席が三つ。二十人も座れば満席になる小さな店だった。母は前夜がどんなに遅くても、朝早く起き出して自宅と店を掃除し、子供たちの朝食を作った。
 「お母さん、店の掃除はぼくがやるから、もっと寝てなさい」。長男の金城は母をいたわった。「体は小さいけど働き者の母を尊敬していた。父はいつも二日酔いで寝ていたからね」。母への暴力がひどい時は、高校を休んで父を見張ることもあった。
 そんな生活の中で事件は起こる。七四年十月の深夜。自宅一階では、父が弟子たちに三線の稽古をつけていた。「母の叫び声は三線の音にかき消されたのかもしれない。二階にいたぼくには何も聞こえなかった」。金城は苦々しげに振り返る。発見したのは弟。母は店のソファで頭から血を流して倒れていた。足元には血と毛髪が付着したブロック片。
 近所のホテルで、黒人の米兵が従業員に「人を殺してきた」と打ち明けた。慌てた従業員がアポロに駆け込み、犯人が分かった。病院に運ばれた母は、三日後に息を引き取った。帰宅した遺体は頭の一部が陥没。頭髪が剃(そ)られ、かつらをかぶせられていた。「かわいそうで見ていられなかった」
 犯人の米兵はシュワブの海兵隊に所属する十九歳の少年。店の金二十ドルを握りしめていた。自分とは同年代だ。「きっと戦争で頭がおかしくなってたんだ。戦争と基地が母を奪ったんだ」。だが、若い金城には、怒りのぶつけ先が分からなかった。
 ベトナムではサイゴン陥落が間近だった。戦争が終結に向かうにつれ、辺野古の享楽の灯もしぽんでいった。母の死から半年、高校を卒業した金城は沖縄を離れた。犯人の米兵はその後、日本で数年間、服役したと人づてに聞いた。

辺野古移設反対貫き通す・金城武政さん_2

「犠牲の歴史」変える

 上京した金城が最初に職を得たのは東京駅八重洲口の老舗ビアホールたった。「沖縄とは温度差があった」。高度経済成長にわく本土に戦争の影はなく、沖縄の基地問題に心を寄せる人などいなかった。マネジャーは「沖縄言葉は出すな」とくぎを刺した。アパートの大家は「あなた沖縄人?」と怪訝(けげん)な顔をした。
「自分は日本人。がっくりした」
 ほどなくビアホールを辞めたが、毋の死で多額の補償金を受け取った父は再婚。実家に居場所はなかった。一時は写植オペレーターで身を立てるが、体を壊してしまった。その後は、工場期間エとして東京、名古屋、大阪を流転した。
 二十年前、一時帰郷すると、病床の父が打ち明けた。「富子の事件で二千八百万円もらった。全部使った」。金城は情けなさに涙を流しながら、再び本土へ働きに出た。父とはそれが最後だった。
 父の死後、辺野古に戻った金城は九九年、警備会社に就職。当時から普天間飛行場の移設先として辺野古が有力視されていた。金城の仕事は、辺野古漁港での移設反対派の監視と活動阻止。ここでの勤務が金城の運命を決定づける。
 「沖縄戦を経験したおじいやおばあが『沖縄に基地はいらない』と、暑い日も寒い日も港にやって来た。確かに、母は基地がなければ死なずに済んだ。でも、この街で基地に反対するのは無理だとあきらめていた。おじいやおぱあを見て、仲間を見つけたと思ったし、あの意志を誰かが継がなきゃいけないと思った」。葛藤の末、一年後に警備会社を辞めた金城は反対側へ回った。
 今は毎朝七時半、キャンプーシュワブのゲート前へ出掛けては、座り込み活動に来る人のために全長約五十びのテントを組み立てる。「おい、金城!」。街中で近所の高校生たちに挑発される。近づくと「わー」と逃げていく。まるで変人扱いだ。市職員は「ゲート前での活動で日給一万五千円もらっているという話は本当か」と真顔で聞いてくる。自宅隣のレストランの店主は小学二年から野球で共に汗を流した同級生だが、もう何年も口をきいていない
 それでも「苦にならない」と言い切る。「これ見て」。金城は、沖縄で起きた米軍関連の事件事故約三十件の一覧表を差し出した。母の殺害事件も含まれている。基地の歴史は沖縄の犠牲の歴史だ。

「地元民だから、声なき声代弁できる」

 「多額の補償金で口止めされたり、仲間外れが怖くて、声をあげられない被害者や住民はいっぱいいる。米軍機が落ちた時、普天間も辺野古も住民の命の重さは同じだ
 金城にこっそり「がんばって」と声をかける住民も存在する。「なぜ沖縄だけが犠牲になるんだと、本当はみんな怒っている。本土の人間じゃなく、辺野古に住むぼくが運動することで、地元の声なき声を代弁できると信じている。やめるわけにはいかない
 ベトナム戦争特需で栄えた沖縄は、ベトナム人から「悪魔の島」と呼ばれた。ベトナムから見れば、兵士と非人道的な兵器を送り込む前線基地にほかならないからだ。金城は、辺野古と隣接する大浦湾を指さした。日の光を受けて光り輝いている。
 「シュワブが拡大すれば、米軍の次の戦争では、辺野古は最重要拠点の一つになる。あそこからまた、たくさんの飛行機が出ていく。戦争でもうける繁栄ならいらない。戦争に行く兵隊は辺野古にいらない。米軍に母を殺された自分のような思いはもうたくさんだ
(沢田千秋、文中敬称略)

辺野古移設反対貫き通す・金城武政さん_デスクメモ

ボノム・リシャール

沖縄の米軍基地の現状

【沖縄・米兵の暴行・強姦・事件・事故】のまとめ
 沖縄 米兵 犯罪など 年間1000件の衝撃!!
http://matome.naver.jp/odai/2135043472007492401

【米軍に関する事件・事故】年表
http://www.geocities.jp/unepeace/table-trouble.html


『基地はいらない、どこにも』予告編

http://youtu.be/Be5_3py01VQ
全世界規模で進行している米軍再編に日本も巻き込まれている。沖縄 辺野古(へのこ)での基地建設に対する阻止行動、岩国の住民投票、神奈川県での自治体­ぐるみの反対運動等を取材。米軍再編の本質とは? 自衛隊との関係は? 『軍需工場は、今』に続く、野田耕造プロデュース、小林アツシ監督作品。(予告編編集­:土屋トカチ)
詳しくは以下Blogにて。
http://kichidoko.exblog.jp/
基地はいらないどこにも


フェスタ3分ビデオ「どうするアンポ」ちょっと見せ版

http://youtu.be/ivuAoa9walc
どうするアンポ
どうするアンポ02




国民の支持、低い中… 自民、改憲へ準備本格化
(東京新聞)2015年1月3日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015010302000105.html
 自民党は今年、改憲に向けた準備を本格化させる構えだ。公明、民主など与野党六党に改憲案作りを呼び掛けるほか、改憲の必要性を訴える漫画の配布も予定している。昨年十二月の衆院選で勝利した勢いで思惑通りに進めば、二〇一六年夏の参院選で改憲の是非を問うことを視野に入れるが、国民は改憲を積極的に求めておらず、支持を得られるとは限らない。
(大杉はるか)

国民の支持、低い中… 自民、改憲へ準備本格化

 自民党の谷垣禎一幹事長は年頭の所感で「憲法改正実現に向けた議論を国民の理解を得ながら進める」と表明した。同党の憲法改正推進本部の礒崎陽輔事務局長は「参院選までに改憲案を作りたい」と意欲を示している。
 改憲案の内容は、一月下旬に召集される通常国会の会期中に、超党派のプロジェクトチーム(PT)を設置して議論する方針。護憲を主張する共産、社民両党を除く民主、維新、公明、次世代、生活、改革の六党に参加を呼び掛ける。
 自民党は、武力攻撃や大災害発生時の首相の権限を定めた国家緊急権の新設、改憲要件緩和の実現をまずは盛り込みたい考え。「自衛権の発動」や「国防軍の保持」を九条に明記する変更は、最初の改憲後にあらためて目指す想定だ。
 だが、参院選前に超党派の改憲案がまとまる見通しは立っていない。国家緊急権の新設では、首相の権限を強化したい自民党と制限したい民主党の間に隔たりがある。改憲要件の緩和にも民主党は反対している。
 政党間の協議と並んで改憲論議のカギを握るのは世論だ。安倍晋三首相は先月二十四日の記者会見で「どういう条文から国民投票を行うのか、その必要性について国民的理解を深める努力をしたい」と述べた。
 共同通信の先月末の世論調査では、第三次安倍内閣が最優先で取り組むべき課題(二つまで回答)に「憲法改正」を挙げた回答は5・8%にとどまった。50%前後だった「経済対策」や「社会保障」に比べ、国民の支持は低い。このため自民党は「憲法は改正すべきだが、国民が変えようと思わないと難しい」(稲田朋美政調会長)として、改憲に理解を得る活動を始めることにした。
 具体的には、すでに始めている地方各地でのシンポジウムを続けるほか、若い主婦層を主な対象にした漫画のパンフレットも作成している。三月の党大会を皮切りに広く国民に配布する予定だ。



安倍自民党と新改憲団体
「草の根」から改憲策動
国民投票に照準

とくほう・特報(しんぶん赤旗)2015年1月6日

 安倍晋三首相は通常国会で、集団的自衛権行使容認の閣議決定の法制化を狙うとともに、憲法条文を変える明文改憲を「歴史的チャレンジ(挑戦)」と呼んで執念を見せています。これと歩調を合わせ、改憲勢力が新たな全国組織をつくり運動を強めようとしています。その動向や狙いを探りました
(特報チーム)

安倍自民党と新改憲団体

 安倍首相は12月24日、第3次政権発足直後の記者会見で、憲法「改正」について聞かれ、「3分の2の多数を衆院、参院でそれぞれ構成する必要がある」とのべるとともに、「大切なことは、発議されれば国民投票になる。この投票で過半数の支持を得なければならない。ここが一番大切な舞台。どういう条文から国民投票をするか、まだその必要性について国民の理解をまず深める努力をしたい」と、国民投票のやり方まで踏み込んだ発言をしました。
 「読売」調査(昨年3月15日付)でも憲法「改正」賛成が4%と1年前調査から9ポイントも下がり、9条「改正」賛成が30%しかないなかで、国民投票に照準をあて「国民の理解を深める」ことに力を入れるという表明です。

九条の会」に対抗

 渡辺治一橋大学名誉教授(九条の会事務局)は「新たな改憲組織『美しい日本の憲法をつくる国民の会』、その中心にいる日本会議もそうですが、みんな地方・地域の組織を重視しています。彼らが改憲がすすまなかった原因と考えているのが九条の会の運動です。地方・地域でこれに対抗するだけでなく、最終的には国民投票でいこうとしている。国民の中にある平和主義への同調をそう簡単には変えられないと思っているのです」と指摘します。
 国政・国会での安倍自民党の動きと、地方・地域での運動との二人三脚で改憲運動を前にすすめるー。
 「美しい日本の憲法をつくる国民の会」は、その担い手として総選挙前の10月1日に結成されました。右翼改憲団体の総本山・日本会議の三好達会長が「国民の会」共同代表(3人)、椛島(かばしま)有三事務総長が同事務局長になるなど、日本会議系列の運動組織です。
 この会は「平成28年(=2016年)7月に実施される予定の参議院選挙で、『憲法改正国民投票』の実現と、過半数の賛成による憲法改正の成立をめざ」すと目的を明示しています。首相発言と軌を一にしています。
 そのために、1000万人の賛同者署名の拡大、早期実現の国会議員の署名や地方議会決議の推進、全県に「県民の会」をつくるとしています。改憲内容を紹介するパンフ、リーフレット、賛同署名用紙、ポスターなどを作製し傘下の団体に配布し、「草の根」の運動をよびかけています。
 地方議会での「憲法改正早期実現」意見書はすでに24府県議会、25市町村議会で可決されています
 共同代表の一人、櫻井よしこ氏(ジャーナリスト)が『週刊新潮』1月1・8日号で安倍首相と対談。そのなかで「総理はかねてより、『自分の歴史的使命は憲法改正だ』と述べてこられた」「私たちは『国民の会』を設立し、2016年の参院選の頃に試案を提示しようといっている」と水を向けます。首相は、時期は明示できる状態ではないといいながら「国民投票によって否決されたら一巻の終わりになる。そうならないように国民的な議論を深めていく必要がある」と並々ならぬ構えを見せました

議連が押し上げ

 改憲団体の動向にくわしい俵義文氏[子どもと教科書全国ネット21]事務局長)は「安倍内閣の夕力派度・極右度が”来るところまで来た”といえるほど際立っています。一度政権を投げ出した安倍晋三氏が政権に復帰することができたのは、反人権・反憲法、歴史修正主義の議員連盟に支えられたからです。第2次政権に至る自民党総裁選のときに、地方票で上回っていた石破茂氏を議員票で逆転したのは、それら議連の押し上げがあったためです」といいます。
 俵氏はそうした議連に、日本会議国会議員懇談会日本の前途と歴史教育を考える議員の会神道政治連盟国会議員懇談会みんなで靖国神社に参拝する議員の会創生百本」(安倍首相を会長とする超党派の議連)などをあげます。
 「内閣の大臣19入のうち日本会議議題が16人、神道議連が18人など8割、9割を占めます。首相自身が日本会議議連の特別顧問、神道議連の会長を務めています」と指摘します。
 これらの議連は日本会議(東京都目黒区)と、全国の神社を傘下に置く神社本庁系列の政治団体・神道政治連盟(同渋谷区)などを協賛し、選挙になれば支援を受けて活動しています。
 さらに櫻井氏が理事長を務める「国家基本問題研究所」(同千代田区)は、外交・安保問題で研究会や講演会を開き、日本軍「慰安婦」問題の「河野談話」を攻撃する新聞意見広告をだすなどしています。
 これらの改憲団体が「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の中心に座っています。

国民意識との矛盾

 国民投票に照準をすえたこうした改憲運動は、彼らの思惑通りにすすむのかー。
 1969年結成の古い改憲団体の一つ、神道政治連盟と密接な関係にある「神社新報」はその論説(昨年10月13日付)で「神政連は、この『国民の会』と『県民の会』の中核となって、これから全力を挙げて国民運動を展開していかねばならない」といい、「各神社においては、氏子や崇敬者の組織を動かし」賛同者の拡大を、と訴えています。
 しかし、関西地方の神社関係者の一人は「私たちのところではあまりそういう話は聞きません。総選挙のときに神社系列で推薦候補というのがきていますが…。私の世代は戦後の民主主義の中で育っているから、戦争をしないことはとても大事なことです。そうした多くの国民の願いを無視するようなことはしてほしくない」といいます。
 渡辺氏は「改憲勢力にとって、まず閣議決定の法制化という解釈改憲をすすめることが、アメリカの要請にも応える焦眉の課題ですが、安倍首相や夕力派による明文改憲の言説は国民の懸念を増しています」と述べ、改憲派内の矛盾をこう指摘します。
 「衆院東京12区で極右改憲派の田母神俊雄候補(「次世代」副代表)が最下位落選でした。世論調査に見るように、国民のなかには戦前の日本のあり方への反発は根強いものがあります。一方、安倍首相の原動力ーエネルギーは明文改憲派、『靖国派』です。この人たちを排除すると改憲運動を盛り上げることができない。平和を志向する国民の意識を突破しなければならないのですが、その馬力を扼うのは主権者の国民をないがしろにする人たちです。ここに彼らの運動の矛盾、弱点があると思います

安倍自民党と新改憲団体図表

温かい風は吹いていますか? (*'ω'*)

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愚策アベノミクス暴走で国の未来は暗い
今年の景気回復などまずない
(日刊ゲンダイ)2015年1月7日

愚策アベノミクス暴走で国の未来は暗い

 高級ホテルで美食三昧、財界人と連日ゴルフと優雅な休暇を満喫した安倍首相はきのう(5日)、仕事始めに伊勢神宮を参拝し、年頭の記者会見を行った。今月召集する通常国会を「改革断行国会」と名づけ、百本経済を必ず再生させる」「経済最優先で取り組む」なんて言っていたが、毎年、同じセリフを聞かされる国民は、いい加減ウンザリだ。一体いつになったら、景気の回復を実感できるというのか。「今の経済政策を続けているかぎり、景気回復などあり得ない」と、経済評論家の斎藤掏氏はこう言う。
 「昨年末に発表された2013年の国民1人あたりの名目GDPには衝撃を受けました。日本は3万8644ドルで、OECD加盟34力国中、19位に転落してしまった。前年比でいうと17・2%も減ったのです。これは13年の平均為替レート(1ドル=97円63銭)で計算した値だから、円安が進んだ14年は、もっと悲惨なことになっている。安倍政権になってから大企業がため込んだ50兆円を全部吐き出しても、減った17%を取り戻すことはできません。アベノミクスによって、国民の富はどんどん失われ、国民生活は貧しくなる一方なのです。このままでは、途上国レベルにまで落ち込んでしまいます
 正月から、「アベノミクスは今年が正念場」「賃金アップがカギ」みたいな報道が目立つが、
正念場どころか、とっくに破綻しているのが現実だ。

愚策アベノミクス暴走で国の未来は暗い_2

拡大した格差を固定化するメニューが並ぶ

 アベノミクスの「成功」には、賃上げが欠かせない。だから、安倍政権は昨年来の政労使会議
で、。文書まで交わして経済界に賃上げを要請したのだが、このこと自体がアベノミクスの失敗を裏付けている。理論通りにうまくいっているのなら、政府が強要するまでもなく、自然と労働者の賃金は増えているはずだからだ
 「一向に賃金が上がらず、景気が回復しないのは、トリクルダウン理論に基づいたアベノミクスが間違っているからです。ところが、年末に決まった税制大綱を見ると、富める者をますます富ませれば下々にも”おこぼれ”が滴り落ちてくるというトリクルダウンをまだ前提にしていて、法人税減税や贈与税の非課税枠拡充など、相変わらずの大企業と金持ち優遇にひた走っているOECDの最新報告書でも『トリクルダウンは起きないし、所得格差は経済成長を損なう』とハッキリ指摘しているのに、完全に逆行している。アベノミクスで拡大した格差を固定化するようなメニューが並んでいます。政府は税金を取るだけでなく、どう分配するかという大きな役割があることを見失っているとしか思えません
 (政治学者・五十嵐仁氏
 仏経済学者のトマス・ピケティも、世界的ベストセラーになっている「21世紀の資本論」の中で、サブプライム問題に端を発した世界金融危機について「米国の格差拡大が金融不安の一因になつた」と断じている。この本は、過去300年にわたる富の集中と分配を分析して書き上げたものだ。格差を拡大させても、経済成長が望めないことは歴史が証明している。
 今の日本で、子どもや孫に1000万円、2000万円の金融資産をドーンと贈与できるような富裕層を、さらに優遇する意味がどこにあるのか。格差が世代を超えて引き継がれていくだけではないのか。
 法人向けにも、本社機能を地方に移転すると減税とか、社員の給料を増やした企業は法人税負担を軽くするとかやっているが、そんなのは業績が好調な大企業にしか関係のない話だ。円安と消費税増税でアップアップの中小企業には何のメリットもない

国民生活より春の統一地方選を重視した経済対策

 年の瀬に閣議決定した3・5兆円の経済対策にしてもそうだ。目玉は地方向けの新たな交付金の創設。特産品の購入を促す商品券などを自治体の裁量で発行できるようにする。あとは高速道路の割引料金延長や公共事業、子育て支援。住宅エコポイント制度の復活など、総花的なメニューが並ぶ。いま本当に経済対策を必要としているのは、平均年収200万円以下の非正規労働者や、年金生活者など低所得層なのに、そこには何の目配りもないのだ
 「自治体か商品券などを発行できる交付金は、竹下政権の『ふるさと創生』や小渕政権の『地域振興券』の焼き直しに過ぎません。コストの割に経済的な効果かないことが分かっているのに、同じことを繰り返すしか能がない。結局は、舂の統一地方選をにらんだバラマキなのです。財政出動は一時的にGDPを押し上げる効果があるとされていますが、こんな場当たり的な経済対策は焼け石に水で、すぐに蒸発してしまうでしょう。国費を使って有権者を買収するために3・5兆円を使うようなものです。この経済対策の中身にまるで期待できないことは、市場が物語っているじゃないですか。麻生財務相を迎えて鐘を打ち鳴らした5日の東証の大発会で、いきなり値を下げてスタートしたのが何よりの証拠です」(五十嵐仁氏=前出)

デタラメ強行の裏で日本経済は死に向かう

 「今年は日経平均が2万円を突破」なんて希望的観測を垂れ流す市場関係者にとっては、バツの悪いスタートになったが。今回の経済対策は、もともと消費税串を10%に引き上げる際の対策として、財務省が準備していたもの。統一地方選向けに増額して、前倒しで実施しただけだから、オソマツなのは当然だ。
`束の間の景気回復を偽装し、GDPをカサ上げできればいいという場当たり主義に満ち満ちている。
 「政府は3・5兆円の経済対策について、税収の上振れ分を使い、新たな国債は発行しないと威張っていますが、増収分をバラまいていたら、いくら増税しても足りません。こんなふうに無駄にバラまくくらいなら、財政再建に回した方が、よっぽど将来世代のためになる。だいたい、今の日本経済の低迷は、小手先の対策で何とかなるような次元ではありません。株式市場は好況でも長期金利は歴史的な低水準にあり、人工的な市場の歪みが日に日に顕著になっています。ギリギリのところで何とか維持できているうちはいいが、いったん崩れたら底なしだから恐ろしい。財政も金融もイケイケの方針を安倍政権が続ければ、いよいよ逃げ場がなくなってしまい書す。国民経済にとって害にしかならないアベノミクスから、一刻も早く方針転換し、経済政策を根本から見直す必要がある。さもないと、日本経済は死に向かい、国の未来は真つ暗です」(斎藤掏氏=前出)
 刻々と死に近づきつつある状態を表す「屠所(としょ)の羊」という言葉がある。今年こそ景気が良くなると無邪気に信じている国民は少数派だとは思うが、これがひつじ年を象徴する言葉にならないことを祈るばかりだ。


金子勝×室井佑月×大竹まこと:絶対に失敗と言わせないアベノミクス

http://youtu.be/vysejFqe5W8
新年早々、株式市場に暗雲が垂れ込めてきた。大発会の下落スタートに続き、6日に平均­株価は500円以上も値を下げ、終値は1万7000円台を割り込んだ。7日も5営業日­ぶりの反発とはいえ、終値はたったの2円高。2015年の幕開けと同時に、アベノミク­スはいよいよ根幹から崩れだしたようである。
 異次元緩和の超低金利政策で為替を円安に導き、株価を引き上げる。このアベノミクスの­根幹部分が、マーケットにもう通用しなくなった。年頭からの株価急落はその事実を物語­る。
 元日から「アベノミクスが真価を問われる1年となる」との報道が目立つが、まさしくそ­の通り。これ以上、アベノミクスを続けても何ひとつ成果をあげられないばかりか、国民­生活に大きな災厄をもたらすだけだ。
 安倍政権は株価維持のために年金基金の株式運用比率を5割に引き上げた。日本株の下落­傾向が長引けば日銀のETF買いに加え、年金マネーを市場にジャンジャン投じて買い支­えに動くだろう。それでも売買シェア6割超の外国人勢が一斉に売り浴びせれば太刀打ち­できない。公的資金で株高を演出する「官製相場」は、もはや限界を迎えつつある。
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ゲスト:金子勝
パーソナリティー:大竹まこと・ 室井佑月・太田英明
大竹まこと ゴールデンラジオ!:2015年1月9日放送分より



内部留保増やすのやめれば11万超賃上げ可


アベノミクスが続けば、日本経済はどうなるか


格差拡大 世界が懸念
元凶の「トリクルダウン」固執する安倍首相
(しんぶん赤旗)2015年1月8日

 格差の拡大が世界中で深刻な問題として取り上げられ、懸念や批判が強まっています。安倍晋三政権の経済政策「アペノミクス」に対しても、格差拡大で”中間層がなくなっていく”との声がエコノミストから上がっています
(山田俊英)

格差拡大 世界が懸念

ダボス会議で議題

 今月下旬、スイスの高級リゾート、ダボスで世界の大企業経営者や政府首脳を集めて開かれる「世界経済フォ上フム」年次総会(ダボス会議)で「格差」が主要問題の一つとして取り上げられます。会議に向けて昨年発表された「世界的課題の見通し2015」は、世界の指導者が当面、集中せざるをえなくなる課題のトップに「所得格差の深刻化」を挙げました。
 このリポートは「社会の主流から排除された人々、特に若者たちは公民としての権利を奪われているという感情をたぎらせるようになる」とし、「民主主義が掘り崩され、持続的発展と平和な社会への希望が失われかねない」と懸念しました。その上で、解決の方向として「人間らしい雇用を伴う排他的でない成長」を強調しました。。
 ダボス会議は世界の財界人や政治家が一堂に会し、重要と考える課題について意見交換する会合です。会議を支えるのは世界の多国籍企業です。そこで格差拡大によって社会が成り立だなくなるとの危機感が語られるほど事態は深刻化しています。

「OECDは決別」

 経済協力開発機構(OECD)は昨年12月に発表した「格差と成長」と題する報告書で、格差拡大に警鐘を嗚らしました。報告書は「多くのOECD諸国で、過去30年間で富裕層と貧困層の格差が最大となった。格差拡大は各国の経済成長を損なっている」と分析しました。
 OECD加盟国内で富裕層と貧困圜の所得格差が過去30年間最大に広がり、上位10%(人口比)の富裕層の所得が下位10%の貧困層の9・5倍に達していると指摘しました。日本についも格差のために経済成長率がこの20年間で5・6倍押し下げられたと分析しました。そして、「成長の恩恵が自動的に社会にトリクルダウン(したたり落ちる)することはない」と述べ、″大企業がもうかれば労働者・国民にねこぼれがある″というトリクルダウン理論を明確に否定しました。英紙ガーディアンは「OECDはきょう、トリクルダウンという考えを捨て去った」と報じました。
 OECDは米欧、日本など経済的に先進とされる34力国が加盟する国際機関です。世界の富が集中するこれらの国で格差が否定しようのない大問題になっていることが改めて浮き彫りにされました

格差拡大 世界が懸念 図表

日本も中間層崩壊

 安倍首相はいまだに「法人税減税は賃上げへも結びついていく。企業が収益性を改善していくことは国民生活の向上にも結びついていく」(6日、財界3団体新年会でのあいさつ)と破綻済みのトリクルダウンの考えを繰り返すだけです。低賃金で地位の不安定な非正規雇用労働者が2000万人を超えたことにも、年収200万円以下の「働く貧困層」(ワーキングプア)が安倍政権下で30万人増え1100万人を超えたことにも言及すらしません。  (`・ω・´)
 財界団体が協賛する研究機関、日本経済調査協議会の杉浦哲郎専務理事はビジネス情報サイトのダイヤモンドーオンラインのインタビューで『先富論』的発想で政策を進めても、投資家など一部の人にしかお金は回らないから、国全体が富むどころか、むしろ中間層が崩壊し、格差が拡大したのだ」「アベノミクスがこのまま続けば、格差拡大は必至だと語りました。
 日本リサーチ総合研究所の藤原浩之主任研究員は週刊『エコノミスト』12月23日号で国税庁の統計をもとに「所得格差の拡大傾向」を指摘。
 日本経済においては、厚みのある中所得層の存在が国内消費の主役となっていた。そうした特徴も今後、変化していく可能性があるといえよう」と述べています。


むきだしの財界利益代弁


堤未果(ジャーナリスト)忍び寄る魔の手から逃げ切れ日本!

http://youtu.be/pMe8dEHLP1Q
「沈みゆく大国アメリカ」「貧困大国アメリカ」などの著書で知られる、ジャーナリスト­堤未果さん。オバマケアと言われるアメリカ版皆保険制度は今、医療関係者をはじめ国民­を救うはずだったが苦しめている。実はこれには保険会社が深く絡んでいる。
保険会社だけが儲かるこの仕組みを日本にも広げようと彼らは画策しているというのだ。­日本の皆保険制度は守られるのか。
ラジオ版学問ノススメより。



神田明神にて 風は温かいですか
(東京新聞【こちら特報部】)2015年1月6日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015010602000175.html
 五日は二〇一五年の仕事始め。「こちら特報部」恒例の神田明神(東京都千代田区外神田)ルポです。安倍晋三首相は年頭所感で「景気回復の温かい風を全国津々浦々に届ける」と強調した。では、温かい風が吹いているはずの東京の人たちに実感はあるのか。
(白名正和、三沢典丈)

神田明神にて 風は温かいですか_1

景気上げる突破口を
ITや大手威勢いい

 昼前の神田明神の境内は、ビジネスマンらで埋め尽くされていた。仕事始めの参拝を予約した企業は千五百五十社。一月中に一万社を見込む。「例年は元日夜のにぎわいの後で人の流れがいったん途切れるが、今年はずっと続いている」(大鳥居信史(おおとりいのぶふみ) 宮司)
 ITや大手は威勢がいい。
 市ケ谷に拠点を置くネットマーケティング企業社長の久米田晶亮さん(三○)は社員約二十人を連れてきた。
 「売り上げは徐々に上がっている。今年もガンガン行く」と力強い。参拝後は参道に並ぶ屋台で乾杯した。
 チェーンストア向けにITサービスを提供する会社社長の石川純一さん(五三)も、社員約百人と一緒に手を合わせた。「IT業界はもはや目新しさはなく、勝ち負けがはっきりしてきた。業界の大部分が淘汰の荒波にのみ込まれそうだ。付加価値を高め、今までにない仕組みを創造しないと生き残れない」と飛躍を誓った。
 日本橋の物流会社は、約二十人で参拝した。社内唯一の女性部長職という多田理加さん(五二)は「景気は上向きでりリーマンーショツクのダメージから抜け出せたが、急激に業績が上がると反動も大きい。着実に伸ばさないと」と気を引き締めた。
 得意先への新年あいさつの途中で立ち寄った旅行会社勤務の福田しをりさん(二六)は「今年はエボラ出血熱や円安などの影響が出るかもしれず、去年通りの仕事ではダメ。就職五年目の今年は、社会人としても一つの区切りとして頑張りたい」と意気込む。
 恵比寿の広告代理店勤務の中村真さん(二四)は、長さ百七十センチ、重さ十五キロの特大熊手を担いでいた。「景気は悪くはないですけど、もっと良くなるためにブレークスルー(突破)のきっかけがほしい。この熊手のように仕事をかき集められる一年にしたい」
 中央区のアパレル系企業に勤める児玉文和さん(四二)は、片手で持てるサイズの熊手を手に「円安で海外の加工品のコストが上昇しており、厳しい状態。二〇二〇年に東京五輪が開かれるので、今後はユニホーム関係の受注が増えるのではないか」と期待した。

神田明神にて 風は温かいですか_2

衝動買い できる日は…

濃淡激しい中小企業 途切れなく仕事あれば

 中小零細企業は濃淡が激しい。
 文京区に拠点がある時計製造販売会社課長の有井義一さんつ(六○)は「買い控えで景気はかなり悪い」と渋い表情だ。同行した社員の「神頼みです」というつぶやきに「その思いも確かにある。衝動買いできるぐらいの景気回復を願った」。
 町田市から来たインテリア販売会社の大沼清忠さん(三八)は「景気はあまり良くない。アベノミクスの効果が出てほしくて、はるばる来ました」。書籍の翻訳を手掛ける千代田区の会社に
勤務する前沢隆文さん(二九)は「商売はドル建てなので円安は大変だ。ちょっとでも状況が改善するように」と祈った。
 日本橋にある機械補修会社のエンジニア土井伸泰さん(二八)は「この業界は極端な景気の上下はないが、‥やっぱり良くなってほしい。給与増にもつながれば」。大田区で一人暮らしの地下美代子さん(六二)は近所の建築関係の会社に勤めているが、「景気は良くないが、去年は幸い、仕事がない時期はなかった。今年も途切れなく仕事があってほしい」と自らを鼓舞した。
 一方、「アベノミクスの恩恵にあずかった」とほくほく顔なのは、不動産業の矢島正男さん(六三)だ。たき上げ所に昨年買った熊手を投げ込んだ。「本業はともかく、株や投資信託が軒並み値上がりした」
 大田区でアクセサリー店を営む秋田悦子さん(三三)と、ネイルサロン経営のイシヤマミュウさん(三六)の友人二人組は晴れ着で訪れた。イシヤマさんは自ら開発した「おまじないネイル」が好評で「女性のきれいになりたいという欲望は不景気でも変わらない」。秋田さんは「女性が社会に進出するほど身だしなみは大事。自分磨きをお手伝いしたい」と笑顔を見せた。
 千葉県松戸市の斉藤十さん(八三)は、夫が経営する不動産会社の商売繁盛祈願で四十年以上前から欠かさず参拝する。「商売ばかりでなく、孫の就職先が決まりますように、振り込め詐欺に遭いませんようにというお願いもしました」
 多くはないが、外国人の姿もちらほら。来日五ヵ月というインド人の女性モミタームカジさん(二五)は、丸の内にある企業のシステムエンジニア。「平日なのにこんなに人がいるなんて…。インドでも信仰は深いけど、特定の日に人が集中することはない」と面食らつたようか、「グローバルな仕事がはかどるように」とこうべを垂れた。
 最近の神田明神は、漫画やアニメで人気の「ラブライブー」の聖地としても有名だ。主要登場人物・東條希の実家が神田明神なのだ。ファンが数年前から同作品の登場人物を描いた「痛(いた)絵馬」をつるすようになった。神社もこれにあやかり、昨年十一月、希の絵柄の絵馬二百体を初めて売り出したが、すぐ完売。新年にかけて何度か追加販売したが、いずれも瞬く間に完売する人気ぶりだ。
 千葉県の高校二年生で「ラブライブー」ファンの上西あかりさん(一七)は、痛絵馬を一体ずつじっくり眺めた。「すごく上手で満足しました。来年、受験なので、お参りもしようと思っ
だけど、こんなに人が多くては…」と困惑顔だった。

 神田明神 正式名称は「神田神社」。創建は奈良時代の天平2(730)年と伝えられ、元和2(1616)年に江戸総鎮守として現在の地に築かれた。神田や日本橋、秋葉原、大手町、丸の内の氏神。商売繁盛や縁結びの御利益で知られる。2年に一度の神田祭は、江戸時代に将軍らが江戸城で上覧したことから「天下祭」と称された。現在もみこしや山車が練り歩き、大勢の観光客が訪れる。

神田明神にて 風は温かいですか_デスクメモ


小出裕章先生:悲劇を避ける道 ただ一つ…原子力そのものを廃絶すること

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阪神淡路大震災復興の20年~今の問題と東北復興への教訓を考える
(ラジオフォーラム#105)

http://youtu.be/YPimY8rL1DQ?t=15m52s
15分52秒~第105回小出裕章ジャーナル
原発事故と自然災害「津波が来る前にすでに原子力発電所があちこちで壊れていたという証拠はたくさんあります」

http://www.rafjp.org/koidejournal/no105/
強震波形浪江町幾世橋
東北地方太平洋沖地震強震波形 福島県浪江町幾世橋

石丸次郎:
1月の小出裕章ジャーナルは、「特集シリーズ:原発はなぜいけない?」でお送りします。今日はですね、原子力発電所自然災害について、小出さんにお伺いしたいと思いますが、福島第一原発の事故はこれも言うまでもないことですけれども、自然災害が直接原因となって起こりました。そこで、このまず地震で揺れがありました。「この揺れによって、そもそも原発は壊れたんじゃないか」という説と、それから「いやいやそうではなく、地震の後に来た津波の大津波のために壊れたのだ」という説もあります。今、もう4年近くが経ったわけですけれども、小出さんは今どういう見方をされていらっしゃいますか?
福島第一原子力発電所4号機2011年3月15日
福島第一原子力発電所4号機2011年3月15日

小出さん:
地震がまず始めに起きたのですね。それから1時間後に津波が襲ってきたわけで、津波というものが決定的なダメージを与えたということは本当だと私は思います。でも地震が起きた時に、津波が来る前にすでに原子力発電所があちこちで壊れていたという証拠はたくさんあります
福島原発 は、津波の前に地震で壊れていた

石丸:
東電は「いや、地震の揺れには万全を期してたのでそうじゃなくて、想定外の大津波が来たせいだ」ということを今でも主張しているようですね?

小出さん:
そうではありません。例えば1号機という原子炉では津波が来る前に、原子炉建屋の中の放射線量がもう上昇していましたし、それは、もう津波でなく、地震の時からもう起きていたということの証拠だと思います。それから、ずっと論争になっているのですが、1号機の非常用発電機は津波が来る前にもう止まってしまったという、そういうデータも実はある。きちっとまたこれから検証しなければいけませんけれども、その可能性もあると思っています
当直員引継日誌より
当直員引継日誌より

そして何よりも決定的なのは、1号機で水素爆発が起きたのですが、最上階5階と言ってる部分がまず壊されてですね、壁が抜けてしまって天井も抜けてしまってるわけですけれども。4階と5階の間にですね、大型機器を搬入するための穴が空いていて、そこに重たい鉄板が蓋をしていたのですが、その蓋がもう実はないのです。なぜ無いかと言うとですね、4階で巨大な爆発が起きて、その鉄板、鉄の蓋がすぐ吹き飛んでいるのです。
福島第一原子力発電所1号機2011年3月13日
福島第一原子力発電所1号機2011年3月13日

では、その4階というのは一体何があったのかと言うと、非常用の復水器という物がそこにありまして、その挙動が大変不思議だったということで、ずっと今日までまだ問題になっているのですが。おそらく、その非常用復水器の所のなにがしかの配管等が壊れて、そこから水素が噴出してきて、そこで大きな爆発が起きた。そして重たい鉄の蓋を吹き飛ばしたという、そういうストーリーを作る以外には説明がつかないのです
福島第一1号機 非常用復水器 弁の開閉データ
そうなると4階という所にたくさんのその水素があったということになりますので、非常用復水器の所で何か配管等が破れていたということを想定しなければいけませんし、その原因としては、地震で壊れたと考えるのが一番妥当だと私は思います
1号機 復水器再稼働なら炉心溶融に至らず

石丸:
なるほど。もう津波が来る前の揺れで配管に異常が起こっていたんだ、ということですね?

小出さん:
そうです。福島第一原子力発電所を破壊した、その地震のマグニチュードは9という数字で表されました。では、その地震が一体どれだけのエネルギーを放出したかと言うと、広島原爆が放出したエネルギーの3万発分に相当する
地震の放出エネルギー

石丸:
3万発分ですか? 恐ろしい。

小出さん:
はい。もう到底、人間技ではない。人間が対処できるようなものではないということが、地震というかたちで表れてくるのです。そういう時には「もう打つ手がない」と、やはり覚悟しておなければいけないと私は思います。
人知を超えた≡((  ´Д`)/≡=地震!

小出裕章ジャーナル

石丸:
そういう、とてつもない広島原発の3万発分に当たるエネルギーを放出した大地震というのが、日本は歴史を振り返ると、100年、200年、300年に1度ずつやっぱり起こってきた歴史があるわけですよね?

小出さん:
そうです。日本という国は世界一の地震国ですし、私達が全く望まないけれども、やはり地震というのは周期的に起きてしまうという、そういうものなのです。
世界の地震地帯と原発の立地点

石丸:
そういう所で原発を作ってきたわけですけれども、そこで言われてきたのは、「大丈夫です」と「安全です」と「日本の原発は安全です」ということをずっと言われてきたわけで、我々も多くの人が「大丈夫だろう」というふうに思ってきた。つまり、つくる側、推進する側もそれを認めてきたが、一般国民もですね、「日本の科学技術は相当世界一の相当レベルの高いところにあるんだから、その科学者が言うんだから安全でしょ」とやっぱり思ってきたわけですよね。

小出さん:
はい。

石丸:
これは罪が深い、と私なんか思うんですけれども。

小出さん:
はい。

石丸:
原子力の専門家として科学者として活動されてきた小出さんの立場からすると、その原子力の安全神話を語ってきた人達、この人達が科学者として、どういうふうに評価をされますか?

小出さん:
大変罪深い人達だと私は思います。特に、日本人は、日本が科学技術立国だとか原子力の先進国だとか聞かされると、何かその嬉しくて、それを信じてしまう方向に向かうわけですけれども、決してそんなことはありません
原子力村 癒着の相関図

もともと日本という国は、江戸時代ずっと長い間鎖国ということをやっていまして、西洋型の科学技術に触れたというのは、ほんと近い過去になってからであって、それ以降、なんとかヨーロッパ、米国に追いつけ、追い越せとやってきたわけですけれども、それでも時間が流れるとともに、向こうも先に進んでしまうわけですから、日本が科学技術で先進国であるとか、特に原子力なんていうので先進国であるなんていうことは全くないのです。
従来の原子力産業の支配関係
それなのに、あたかも自分達は安全な知識を持っているというように、原子力を進めてきた人達が言ってきたわけで、ほんとに罪深いことだと思いますし、挙句の果てに福島第一原子力発電所の事故を引き起こしてしまったわけですから、せめて責任を取るべきだと思うのですが、誰一人として責任を取らないという状態になってしまっています

石丸:
誰一人として責任取ってませんよね?

小出さん:
そうです。

石丸:
これはもちろん行政もそうですし、科学者にも責任あるわけですよね? もちろん。

小出さん:
少なくとも、福島第一原子力発電所に対して安全審査をして、「安全性を確認した」と言ってお墨付きを与えた学者がいるわけですから、そういう人達は決定的な責任があるし、きちっと責任を取らせなければいけないと思います
東電元幹部、起訴相当

石丸:
無責任な体質の国に日本はなってしまいました。これは原発問題だけじゃありませんけれども。やはり、これは安全神話、それは刑事罰に問うかどうかってことは、また別の問題として考えなきゃいけないでしょうけれども、しかしながら、責任を認めて明らかにする。そして、責任の取り方を考えるということは、福島原発の事故から我々が考えなきゃいけない。安全神話は通用しないということを認識しなければいけない。やはり、教訓だというふうに思います。

小出さん:
はい。おっしゃる通りです。

石丸:
小出さん、ありがとうございました。

小出さん:
ありがとうございました。

悲劇を避ける道 原子力そのものを廃絶すること

「事故ない」甘さ許さず 東電元幹部、起訴相当

東電元幹部 再び不起訴



伊東良徳弁護士の論考『再論 福島第一原発1号機全交流電源喪失は津波によるものではない』のご紹介
(弁護士・金原徹雄のブログ)
http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/36677050.html

津波「原因でない」



元東京電力社員・木村俊雄が告発する福島原発事故の真相 2-1

http://youtu.be/E0vuaqOYFZ0

元東京電力社員・木村俊雄が告発する福島原発事故の真相 2-2

http://youtu.be/6wyssg2pXtE

木村俊雄 | IWJ Independent Web Journal




東電が音頭?福島産品「応援」
原発企業 印象アップ目的?
(東京新聞【こちら特報部】ニュースの追跡)2014年12月24日

 東京電力の呼びかけで先月、福島原発事故による風評被害の払拭を目的にした「ふくしま応援企業ネットワーク」が設立された。福島県産品の積極購入を進めるというが、深刻な減収に直面する被災農家などの支援にどれほどの効果があるのか。
(榊原崇仁)

原発企業 印象アップ目的?

数値目標なく効果不明
十分な賠償こそ必要

 応援企業ネットは東電をはじめ、鹿島清水建設大成建設竹中工務店日立製作所東芝三菱重工業三菱電機富士電機関電工の計十一社で構成する。
 原発と縁が深いゼネコンや原発プラントメーカーなどがずらりと顔をそろえるが、東電広報部は「廃炉作業などを通じて福島の地域実情に詳しい企業に声をかけた」と説明する。

 先月十八日に東電本店であった設立総会では事業計画について協議。
 社員食堂用に福島県産品を積極購入する
▽贈答品や記念品で県産品を活用する
▽社内広報誌で福島の観光プランを紹介する
▽福島の食材の安全性について理解を深める-
などの方針を確認した。
 これまでに東電は福島の復興支援として、事業計画にある取り組みのほか、福島の特産品の社内販売会やウェブショツピングなどを実施しており、今年九月までに会社、個人を合わせて四十二億円の購入実績がある。こうした実践を広げるため、応援企業ネットを設立したという。
 「参加企業はいずれも日本を代表する会社。組織的、継続的に連携することで大きな成果が上がると考えている」(東電広報部)
 東電は活動のPRにも積極的で、同社のホームページには、設立総会の様子を写真入りで伝えるコーナーを設けた。業界紙の電気新聞も総会翌日付の一面で報じている。
 ただし、効果のほどは不透明だ。被災農家や企業を重点的に支援すべきだが、どこから何をどれだけ購入するかの数値目標などは設定していない
 さらに言えば、東電に期待される風評被害対策は、福島県産品の購入にとどまらず、長期で十分な賠償を実現することだ。記憶の風化も手伝って今後、「風評はなくなった」という印象が広がる一方で、売り上げが回復しない状況が続くことは十分に考えられる。ところが、東電は減収の原因を事故と認めず、「事業縮小は自主的な経営判断に基づくもの」などとして賠償を拒む例も目立つ。
 風評被害に関する賠償請求などを支援する「ふくしま原発損害賠償弁護団」の渡辺真也事務局長は「被災者側が裁判外紛争解決手続き(ADR)まで持ち込んで争うことも少なくない」と指摘する。
 JA郡山市(福島県郡山市)の担当者は「生産者側の収入が通常時の水準に戻るまで、減収分は補てんしてもらわないと困る」と訴える。
 東電の旧経営陣らの事故責任を問う「福島原発告訴団」の武藤類子団長はくぎを刺す。「原発関連企業が原子力の負のイメージをごまかすだけのパフォー々ンスにしてはいけない。被災者一人一人が今もどんな窮地に置かれているか把握し、丁寧に対応していくことこそが求められている



原子力小委「中間報告」 「提言」格上げのナゾ
(東京新聞【こちら特報部】)2014年12月26日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014122602000130.html
 経済産業省の総合資源エネルギー調査会原子力小委員会が二十四日、「中間報告」について大筋で了承した。意図的なのか玉虫色の表現が多く、内容が分かりにくいが、原発の再稼働や建て替えに前向きなくだりが多い。最大の問題は、議論の中間まとめという意味合いだったはずの「中間報告」に、いつの間にか「提言」と位置付ける文言が加筆されていることだ。一体どういうことなのか-。
(榊原崇仁、白名正和)

原子力小委「中間報告」 「提言」格上げのナゾ_1

原発賛成意見を列挙

経産省加筆「政策立案にいかすため」

 「最後の段階で加筆修正された部分があまりに多い。十分に議論してまとめられた文書とは言えない」
 原子力小委の委員の一人、原子力資料情報室伴英幸共同代表は「中間報告」について、そう訴えた。
 例えば、「原子力はベースロート電源」「温室効果ガスの排出もない」という記載に、「地球温暖化対策への取り組みは国際的な課題」と書き足し、原発を稼働させる意義付けを補強している。
 「人材育成や安全確保の観点から研究炉の位置づけに留意が必要」という書き加えもある。伴氏は「『原子刀の研究を進めないと、原子力の安全性を高める人材は確保できない』という意味に取れる」と説く。

委員発言時間 3分なのに

 無視できないのが、「中間報告」を「政府の政策立案に活かすための提言である」と位置付けた加筆部分だ。
 「中間報告」の正式な名称は「中間整理(案)」だ。伴氏は「文字通り、議論の途中経過を整理するだけのものだったはず。なぜ急に『提言』に格上げするのか理解できない。各委員に与えられた発言時間は、一回の会合で三分しかなかった。議論自体が煮詰まってはいないのに」と指摘する。
 「中間報告」には複数委員の共通意見のほか、各委員の個別意見がそれぞれ記載されている。こうした小委としての意見ではない意見までもが「提言」と位置付けられてしまうかもしれない。
 それが狙いなのかもしれないが、原発を推進する個別意見が、複数加筆されている。
 「原発を止めると言うが、どうやってエネルギーを確保するのか」
 「再生可能エネルギーは供給安定性に劣り、生活水準を維持できない」
 「国際的基準を踏まえて日本の(原子力の)在り方を検討することも重要。例えば、原子炉の運転期間は国際的には六十年ルールだ」
 伴氏は「個別意見を今後、経産省が都合よく利用していくためだろう。あまりに卑怯な手法。やってはいけないことをやっている」と憤る。
 経産省の担当者に「中間報告」の意味合いについて尋ねると、「今までの議論の状況をまとめただけで、何かの方針を決めたわけではない」と説明した。では、なぜ、「提言」という言葉が出てくるのか。
 「最近の小委では、委員の中から『何のための中間整理か書き込んだ方がいい』『政策立案に向けた提言と明記すべきだ』という意見があり、それを踏まえて文言を盛り込んだ」
 原子力小委の会合は今後、当分の間、開かれないといい、「提言」が独り歩きする恐れは否定できない。実際、経産省は既に原発立地自治体への交付金額について、「中間報告」に沿った形で見直す方針を固めている

原子力小委「中間報告」 「提言」格上げのナゾ_2

建て替え遠回しに推進

「廃炉」文言は名ばかり玉虫色文章

 原発が立地している自治体には、国から「電源立地地域対策交付金」が出ている。稼働率によって交付金額は変動する決まりだが、福島第一原発事故後の現在は特例として、原発が停止していても、稼働率を最大で81%とみなして交付金を出している。二〇一四年度、総額約九百八十七億円が全国の自治体に交付される予定だ。
 原発事故以前の一〇年度、原発の稼働率は全国平均で67・3%だったから、停止中の現在の方が交付額は多い計算となる
 だが、「中間報告」は「稼働実績を踏まえた公平性の確保」と、原発の再稼働に前向きかどうか、稼働しているかどうかで、交付金額に差をつけるべきだと指摘した。そして、経産省は「中間報告」なのに、この「アメとムチ」の政策を取る方針を固めている。
 「中間報告」で他には、「核燃料サイクル」についてのくだりが目につく。
 「(高速増殖原型炉)もんじゅを含めた核燃料サイクルの研究開発は、放射性廃棄物の減容化・有害度低減や高速炉を含めた将来のエネルギーオプションを開発していくという目的の下、進めていくべき」という書き加えがある。
 さらに、核燃料サイクルの過程で出るプルトニウムを適切に利用する方策について、高速炉のみならず、新型炉を含めて開発を続けていくことが必要であると新たに記されたこれが「提言」であれば、核燃料サイクルを大いに後押しすることになる
 「中間報告」は新増設・リプレース(建て替え)にも言及している。「放射性廃棄物処分の道筋が見えないままに新設、リプレースは必要ない」と建て替え反対の委員の意見も明記されているが、多くは建て替えに前向きな意見だ
 「新増設・リプレースの具体的容量について検討を進め、その方針を具体的に示さなければ、小委員会の結論として弱い」「古い原発の安全炉への転換をはじめとした新増設・リプレースの方針を明らかにすべき」
 こうした委員の前向きな意見のほか、電気事業者などへのヒアリングで出た「政府は新増設・リプレースに関する方針を明らかにする必要がある」という意見も記されている。さらに、「米国がスリーマイル島の原発事故後の長期間、新増設をしなかったため、製造や整備の技術が失われて日本の技術に依存するようになった」という説明もある。「福島の事故後も日本は新増設をやめてはいけない」ということを言いたいのだろうか
 また、「中間報告」には「廃炉」という単語が六十八回登場するが、「脱原発」ではなく、建て替えを意図したくだりで多用されている
 「早期に策定されるエネルギーミックスの議論を踏まえ、廃炉に見合う供給能力の取扱いを含めた我が国の原子力の将来像」という部分にも、玉虫色の表現の中に意図が込められたようだ。
 委員の一人で、公益社団法人「日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会」常任顧問の辰巳菊子氏は「この部分は、原発の建て替えを意味していると感じさせられる」と言う。
 原発依存度を下げるには、廃炉後は再生可能エネルギーに置き換えていくべきなのだが、そうしたくだりは見当たらない。「『中間報告』には、意味をどうにでも取れる部分が多い、いかにも霞が関的な文章だが、原発再稼働と原子力政策を事故前に戻したいという狙いで作られた物であろうことは言うまでもない

原子力小委中間報告「提言」格上げのナゾ_デスク


プルトウム元年(199年8月2日)

http://www.youtube.com/playlist?list=PLC2D82FEC7F886303

劣化・腐朽するもの…この道に先はない…(´・ω・`)

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激増する貧困高齢者 独り暮らし、無年金…
(東京新聞【こちら特報部】)2014年12月21日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014122102000141.html
 家族に囲まれた円満な老後を送る人は、ほとんどいなくなるのかもしれない。頼れる家族がなく独り暮らし。年金だけでは生活できないため、八十歳になっても働かざるを得ない人も。無年金のために生活保護を頼った人もいる。アベノミクスの陰で、生活に困窮する高齢者が激増していく。
(白名正和)

激増する貧困高齢者 独り暮らし、無年金…_1

独り暮らし 支えなく

80歳 清掃パート 生活ギリギリ

 「今はまだ何とか働けている。でもけがをしたり、病気になったりしたらどうしようという不安は常にある」。東京都品川区で独り暮らしをする女性(八〇)がつぶやく。
 会社員だった夫とは四十年ほど前に死別した。子どもはなく、銀行でパート勤めをする傍ら、母親の介護も続けてきた。その母親も亡くなり、今は独りだ。
 自宅は民家の二階をアパートに改装した部屋を間借りする。六畳一間に小さな台所。風呂はないが、四万五千円という家賃の安さが魅力で、今年七月に移り住んだ。「それまでの家賃は八万
円。引っ越せたので生活が成り立つ。まだ幸運だった」
 収入は月約十万円の年金のほか、週三回のマンションの清掃で約五万円を得る。食費は、切り詰めてはいるが、それでも約三万円。光熱費が約二万円で、医療費や介護保険料にも一万円かかる。「あとは交際費。俳句教室の旅行や会合、食事会に参加しないと孤立するから。この年になると友人の香典も多いが、やはり関係を絶つわけにはいかない」。日常的な交流が途絶えれば、孤独死という結果を招くことにもなりかねない。
 日本の高齢者は、二〇一三年十月時点で三千百九十万人。総人口に占める割合(高齢化率)は25・1%。ともに一九五〇年から上がり続け、過去最高だ。そのうち、六割近くは年金だけで暮らす。
 年金受給額の平均は年約二百十万円だが、種類や現役時代の加入期間によって大きく異なる。会社員らが入る厚生年金は夫婦二人分の標準的な額は月約二十三万円。自営業者らの国民年金は満額の一人分で約六万五千円とその差は大きい。
 年金の給付額は二〇一三年十月以降、徐々に減額されている。物価が下落したのに年金額は据え置く「特例水準」が解消され、段階的に引き下げている最中だからだ。年金財政の立て直しのため、民主党政権時の一二年に自民、公明と三党で決まった
 冒頭の女性の場合、パート賃金を含めると年間所得は百八十万円になるが年金の減額が負担感となり「病院は最低限しか通わない。少し具合が悪くても温まって寝る。そうすれば大丈夫だから」と節約に励む。「病気になって働けなくなっても生活保護には抵抗がある。誰にも迷惑をかけずにぼっくりと死ねればいい」 (´・ω・`)

激増する貧困高齢者 独り暮らし、無年金…_2

無年金、生活保護しか…

79歳 加入期間足りず 貯蓄も尽き

 わずかでも、年金を受給できる高齢者はまだいい。加入期間が必要期間に満たないなどの理由で、年金を受け取ることのできない「無年金者」が増加している。二〇〇七年に旧社会保険庁が試算したところ、六十五歳以上では四十二万人に上るとされた。現在では、もっと増えているとみられる。
 一九七二年に入居が始まった、東京都板橋区の高島平団地。元タクシー運転手の男性(七九)は、○九年から生活保護を受けている。二十代のころから複数のタクシー会社で運転手として勤めた。四十代半ばで個人夕クシーとして独立する際、会社が年金保険料を支払っておらず、厚生年金が受け取れないことがわかった。
 自営業者として国民年金に入ろうと思ったが、「当時の区役所の担当者から『このまま払っても期間が足りず年金はもらえない』と指摘された」という。そのまま、年金保険料は支払わずにきた。「後でさかのぽって支払う方法もあったが、当時は誰も教えてくれなかった
 ○九年に大腸がんの手術を受けて、個人タクシーを続けられなくなった。貯蓄も底をついた。年金は受給できず、頼れる家族もいないため、民生委員に勧められるまま生活保護を受けた。
 生活保護受給者は今年九月時点で約百六十一万二千世帯で、過去最多を更新した。世帯主が六十五歳以上の「高齢者世帯」が七十五万九千世帯と約半分を占め増加している。「母子世帯」「傷病者世帯」、働ける世代である「その他の世帯」が減っているのとは対照的だ
 男性は続ける。「生活保護の額が、国民年金の額よりも上の場合が多いから、年金保険料は払いたくないという人は周りにもいた。こんな制度が、今後も機能するとは思えない。かわいそうなのは自分たちよりも若い世代政治とカネが問題になったけど、そういうムダを削って社会保障に回すべきなんじゃないの?」 (`・ω・´)

年金モデル破綻「支援策検討を」

 国民皆年金制度は一九六一年に始まった。当時は、高度経済成長期の真っただ中。国民は定年まで働き、老後は年金で暮らしながら子どもたちに支えられて生きる-。そんな年金モデルは崩れ去っている。
 子ども夫婦と孫の三世代で暮らす世帯の割合は、七五年は54・4%と過半数を占め、独り暮らしは8・6%、夫婦の二人暮らしは13・1%だった。それが一三年は三世代世帯は13・2%しかなく、独り暮らしは25・6%、夫婦世帯が31・1%にまで拡大した。特に高齢の独り暮らしは今後激増するとみられている
 国立社会保障・人口問題研究所の推計では、人口減と高齢化は今後も続き、六〇年には総人口が約八千七百万人と一億人を大きく割る一方で、高齢者は約三千五百万人に増加。高齢化率は39・9%になる見通しだ。
 「未婚や独居高齢者の増加などによって、今後も低所得の高齢者が増える可能性がある」。みずほ情報総研の主席研究員、藤森克彦氏は指摘する。
 「貧困に陥らない予防策として、非正規で働く現役世代に厚生年金の適用を拡大して年金額を底上げすることが必要。また貧困に陥った高齢者には、所得や資産の調査をした上で適切に生活保護で救済していくことも重要だ。英国では生活保護を受ける際に住宅を持っているかどうかが審査対象とならず、受給しやすくなっている。日本でも高齢者用にこのような制度の検討を視野に入れるべきだ

激増する貧困高齢者独り暮らし無年金…デスクメモ


これでは人間らしい生活ができない


無縁社会
 無縁死 3万2000人の衝撃

http://dai.ly/xc6vyg


http://dai.ly/xc6wjh


http://dai.ly/xc6wss


http://dai.ly/xc6wz0


http://dai.ly/xc6ywn


無縁老人 急増する生活保護・高齢者の孤立化

http://dai.ly/xnocp8
 生活保護を受給している単身高齢者150人にアンケート。「人といっさい会わない日があるか?」という問いに、39%が「ある」、29%が「時々ある」と答えている。2011年11月、東京・新宿の築50年の木造アパートが焼けた。高齢者5人が亡くなったが、うち4人は遺体の引き取り手がなく、1人はいまだ名前もわからない。入居者23人のうち14人が生活保護を受ける1人暮らしだった。避難して無事だった牧口十八さん(68)もその1人だ。各部屋は4畳半ひと間、風呂はなく、トイレは共用だった。住民同士の付き合いはなく、火事の時に声を掛け合うこともなかったという。「福祉の人間だから、他人に関わるのは御法度。恥をさらすまいと孤独になっちゃう」
新宿区にはこうした生活保護受給者が集まるアパートが128棟あるという。不動産業者は彼らを「福祉の人」と呼ぶ。家賃は月5万3700円、支給住居費の上限額である。
火事を逃れたもう1人の71歳の男性は、8年前から受給者になった。生活保護を受ける人の自責感は強いものがある。「ちゃんとしてれば迷惑かけないのに」と負い目を口にする。36歳 のときに経営していた会社が倒産。妻子と別れ、建設現場で働いたが、腰を痛めて働けなくなった。「自分がそうなるなんて考えもしなかった。 尊厳も根源もなくなる」

生活保護受給者65歳以上が4割
全国の生活保護受給者は2011年には過去最高の206万人になった。08年のリーマンショック以降にほぼ倍増。42%が65歳以上だ。高齢人口と困窮世帯の増加に対応が追いつかない。新宿区内の受給者は8400世帯。フォローするケースワーカーは、1人で100人を受け持つ。「きめ細かいケアは不可能」という。
番組が生活保護受給者にアンケートをした。150人 が回答し、「人に会わない日がある、時々ある」68%、「孤独を感ずる、時々感ずる」58%、「自殺を考えた、時々考える」34%だった。浮かび上がったのは「負い目」「それが日常生活を制約する」「知られたくない」―友人とも会わなくなり、故郷にも帰らない。湯浅誠・自立生活サポートセンターもやい事務局長(内閣府参与)は、受給者の負い目を偏見からだという。
「そこまでいくのは自立心がないからだという社会一般の目がある。そう思っていた自分が受け取る側になるのだから、負い目は一層強い」


老人漂流社会「歳をとることは罪なのか」

http://dai.ly/xwxe91
『歳をとることは罪なのか――』
今、高齢者が自らの意志で「死に場所」すら決められない現実が広がっている。
ひとり暮らしで体調を壊し、自宅にいられなくなり、病院や介護施設も満床で入れない・・・「死に場所」なき高齢者は、短期入所できるタイプの一時的に高齢者を預かってくれる施設を数か月おきに漂流し続けなければならない。
「歳をとり、周囲に迷惑をかけるだけの存在になりたくない…」 施設を転々とする高齢者は同じようにつぶやき、そしてじっと耐え続けている。
超高齢社会を迎え、ひとり暮らしの高齢者(単身世帯)は、今年500万人を突破。「住まい」を追われ、“死に場所”を求めて漂流する高齢者があふれ出す異常事態が、すでに起き始めている。
ひとりで暮らせなくなった高齢者が殺到している場所のひとつがNPOが運営する通称「無料低額宿泊所」。かつてホームレスの臨時の保護施設だった無料低額宿泊所に、自治体から相次いで高齢者が斡旋されてくる事態が広がっているのだ。しかし、こうした民間の施設は「認知症」を患うといられなくなる。多くは、認知症を一時的に受け入れてくれる精神科病院へ移送。
症状が治まれば退院するが、その先も、病院→無届け施設→病院・・・と自らの意志とは無関係に延々と漂流が続いていく。
ささいなきっかけで漂流が始まり、自宅へ帰ることなく施設を転々とし続ける「老人漂流社会」に迫り、誰しもが他人事ではない老後の現実を描き出す。さらに国や自治体で始まった単身高齢者の受け皿作りについて検証する。その上で、高齢者が「尊厳」と「希望」を持って生きられる社会をどう実現できるのか、専門家の提言も交えて考えていく。


" 老後 破産 "  年金だけでは 生活できない 高齢者の 現実
 ” 美しい日本 ” の醜い現実

http://dai.ly/x26xown



(しんぶん赤旗)2015年1月10日
しんぶん赤旗2015年1月10日


「この道に先はない」
国民との矛盾深める安倍暴走
(しんぶん赤旗)2015年1月10日

 安倍晋三首相は総選挙で「信任」を得たといって、「戦後大改革」を推し進めると表明しています。しかし、そのどれもが多数の意思に背く「先のない」道です。暴走政治の一歩一歩が国民との大きな矛盾をつくりだし、自らの墓穴を掘ることになります。

「この道に先はない」

怒りの叫び

消費税増税・介護大改悪

 消費税8%への増税(昨年4月実施)が深刻な景気悪化を招き、安倍政権は消費税10%引き上げの[先送り]に追い込まれました。昨年12月の総選挙では、「先送り」後の2017年4月には景気がどうなろうと増税実施と宜言しましたが、選挙中も、選挙後も国民の多数が増税に反対しています。
 そのうえ安倍政権は、消費税は社会保障の財源だといっておきながら、高齢化などによる予算の「自然増」も大幅に削り込む方針を表明。大企業向けの法人税減税などは2015年度から実行し、軍事費は過去最大に増額させる方向で最終調整をすすめています
 総選挙が終わったとたん、急浮上した介護報酬大幅削減の動き。〃魂の叫びを聞け″と全国老人保健施設協会が8日に開いた抗議の緊急集会には、39の介護・医療団体が贊同し2000人超が集まり、「介護史上最大の失策」という怒りの声があがりました。自民党の厚労部会でも反対の申し入れ書を取りまとめざるを得なくなっています。

消費冷やす

アペノミクス

 経済協力開発機構(OECD)昨年12月の報告書で、「成長の恩恵が自動的に社会にトリクルダウン(したたり落ちる)することはない」と指摘しました。〃企業収益が上がれば、国民の賃金にも及ぶ″というアペノミクスが国際的にも破たんの経済政策だということが裏付けられました。
 安倍首相は「経済3団体の新年互礼会で『賀上げお願いします』といったら、『いいですよ』という雰囲気が醸成されていた」(7日)との楽観ぶり。麻生太郎財務相は新年賀詞交換会で、「まだカネをためたいなんて、ただの守銭奴にすぎない」(5日)と、内部留保を膨らませる大企業を。批判”しましたが、内部留保を賃金や取引先の中小企業に還元させるための政策はありません
 そればかりか、2度も廃案になった、「生涯ハケン」を広げる労働者派遣法大改悪を次の国会でごり押しする構え。「残業代ゼロ」制度の導入に固執するなど、「賃下げ」政策ばかりを強行しようとしています
 これでは、ますます消費が冷え込み、景気悪化に拍車がかかるだけです。

「この道に先はない」図版

「安保国会」

批判恐れ法案先送り

 安倍政権は、1月召集予定の通常国会に集団的自衛権行使の一括関連法案を提出する方針で、「『海外で戦争する国』づくり]にまい進しています。安保法制の中核として、米国が世界中で行う戦争に、自衛隊が「戦闘地域」まで行って支援する恒久法の整備が浮上しています。
 首相は5日の年頭会見で、集団的自衛権行使の法制匕に口いて[自民党として公約に掲げ、明確に示した]とのべ、あたかも国民の信任を得たかのような口ぶり。しかし、総選挙直後の世論調査(共同通信)で安倍政権の安全保障政策について「支持しない」は55・1%に達します。年末の調査(同)でも、通常国会での法案提出方針に関して、「時間をかけるべきだ」が54・3%、「法整備は必要ない」が14・3%で、慎重・反対意見が多数を占めています。強行すれば国民の大きな反発を受けることになります。
 自民党の谷垣禎一幹事長は昨年末の会見で、「来年は『安保国会』になる」とのべましたが、国民の批判をおそれて法案提出は4月のいっせい地方選後に先送りする姿勢です

県民屈せず

新基地ノーの沖縄どう喝

 昨年は名護市長選、県知事選、総選挙と蕪続して「辺野古新基地ノー」の厳しい審判が下され、特に総選挙では沖縄の全選挙区で自民党が落選しました。
 その審判に背いて、新基地建設は「淡々と進める」(眥義偉官房長官)と述べて、首相自ら「これしかない。説明しなからしっかり進めたい」と問答無用の構えです。
 政府は翁長雄志県知事との面会を拒否し、2015年度の沖縄振興予算も減額する方針を示す強権ぶり。自分の言うことに従わないものに対するどう喝ともとれる対応を続けています
 しかし、総選挙直後の全国世論調査(共同通信)でも、新基地建設について「いったん停止」「白紙に戻す」があわせて63・7%に逹しています。
 沖縄タイムス9日付社説は「安倍政権の強権的なやり方が県民世論をますます硬化させている」と指摘。同時に「理不尽な対応や民意を踏みにじる差別的手法に対して政府不信を募らせることはあっても、屈することはない」と述べるなど、新基地ノーの県民総意は揺らいでいません。

原発言わず

再稼働に国民多数反対

 原発再稼働について安倍首相は「安全性を確認した原発は地元の理解を得つつ、進めていく」と表明し、春以降、鹿児島県・川内原発と福井県・高浜原発の再稼働を。突破口”として強行する構えです。
 再稼動には国民の多数が反対しています。
 だからこそ安倍首相は、原発事故被災地の福島県で行った総選挙公示第一声や新潟県柏崎市内の演説で原発再稼働に一切言及せず、鹿児島県薩摩川内市での演説では「原発」という言葉を一回も使えなかったのです
 鹿児島県知事と薩摩川内市長、同市議会は川内原発再稼働に「同意」しましたが、西日本新聞(2014年12月5日付)は、鹿児島県の有権者の55・7%が「反対」している世論調査を掲載。再稼働「反対」の声は、12年12月調査(47・3%)、13年7月調査(48・7%)を上回り、増加しているのです。
 再稼働に向けた住民説明会でも住民からは不安や疑聞か噴出。1月25日には、鹿児島市内で再稼働反対の大規模な集会を開かれる予定です。



本音のコラム 政治的詐欺 山口二郎20141221



ストップ川内原発再稼働!1・25全国集会



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「人工声帯で聞き取りづらい」
市長へ辞職勧告案!?
(東京新聞【こちら特報部】ニュースの追跡)2014年12月19日

 咽頭がんの手術で声帯を失った山形県酒田市の本間正巳市長(六七)に対し、市議会の第三会派「市民の会」が「声が聞き取りづらい」ことなどを理由に、議会運営委員会で辞職勧告決議案を検討するよう求めた。他の会派が反対し、提案されることはなかったが、患者団体などから「とんでもない差別意識だ」と批判の声が上がた。
(鈴木伸幸)

市長へ辞職勧告案!?

山形・酒田 「とんでもない差別」

 本間市長は元山形県総務部長で、二〇一二年十月の市長選で初当選した。市によると、咽頭部にがんが見つかり、今年五月下旬に手術で切除した。放射線治療とリハビリを経て、十一月二十五日に半年ぶりに公務に復帰した。
 復帰の記者会見では、喉に電気式人工咽頭(人工声帯)を当てて、「全国で例のない『声のない市長』」「できるところまでやろうと復帰を決意した」と電子音で語った。
 しかし、今月十六日、市議会の十二月定例会の議会運営委員会で、市民の会が「辞職」を言い出した。議事録は非公開だが、市民の会会長のホームページには「『辞職勧告決議を議会として検討すべきではないか』との意見を提出」「議運委では認めていただけなかった」と記載されている。
 意見提出の理由については、「市民の間に『公務が可能なのか』という意見が大きい」「情緒的ではなく、酒田市にとってどうなのか、市民のためになるのかで判断すべきだ」と列挙してあった。
 実は、本間市長は咽頭がんだけでなく、昨年九月に狭心症による心臓バイパス手術を受け、三月には気管支炎を患った。市長になって二年ちょっとの間に三度も入院しており、健康を不安視する市民が少なくないのも事実だ。
 公務の状況はどうなのか。市議の一人は「最初は聞きづらかったが、本間市長が人工声帯を上手に使うようになったことや、こちらの慣れもあって、それほど問題は感じなかった」と言う。十二月定例会でも、電気式人工咽頭を使って答弁に立った。健康上の問題はみられなかったという。
 市議会関係者の一人は「集中しないと分かりにくい。しゃべり方は遅い」と議事進行に一定の影響があると認めた上で、「市長も病気になりたくてなったのではない。聞き取りづらいのなら、プロジェクターで文字に起こすといった工夫もできる。声を理由に辞職を求めるのは、差別につながりかねず、議員としての常識を疑う」と指摘した。
 「障害者差別」の批判はネットを中心に高まり、辞職勧告案の意見をした市議には抗議の電話もかかったという。結局、この市議は定例会最終日の十八日、一般質問で本間市長に対し、「(声を失っても)頑張ってほしい」と呼び掛け、事実上の謝罪をした。
 喉頭がんなどで声帯を失った患者の支援団体「悠声会」(東京)の土田義男幹事は市議について「あからさまな差別をしたのだから、認識をきちんと改めてほしい」と要望した。本間市長に対しては「日本は声帯を失った人への公的補助が少ない。欧州では当たり前のシャント法なら、かなりのレベルまで声を取り戻せるが経済的負担が大きい。同じ悩みを持つ者として、補助の拡大などを考えてもらいたい」と求めた。

酒田市長辞職勧告案、検討求める 市議会第3会派、他会派は同意せず
(山形新聞)
http://yamagata-np.jp/news/201412/17/kj_2014121700412.php

喉頭摘出者が話せるようになる「気管食道シャント術」を広める患者会の活動 失われた声を取り戻す「シャント法」もっと普及を! 公的援助の拡大を!
(がんサポート)
http://gansupport.jp/article/patient_and_organization/patient01/4552.html
シャント法のしくみ


自民・山田美樹氏衆院選中
運動員が人身事故でも演説
人命より 票優先
(東京新聞【こちら特報部】ニュースの追跡)2015年1月8日

 昨年十二月の衆院選公示期間中、東京1区から立候補した自民党の山田美樹氏(四〇)陣営の男性スタッフが人身事故を起こしながら、本人がすぐ近くで街頭演説をしていたことが分かった。事故への対応よりも選挙を優先したと受け取られかねない。政治家としてのモラルが問われる。
(上田千秋)

動員が人身事故でも演説


 警視庁神田署などによると、事故は、投開票二日前の十二月十二日午後一時半ごろ、千代田区の神保町交差点近くの路上で発生した。三十代の男性スタッフが車の右後部座席から降りようとした際、走ってきたバイクがドアに接触。運転していた六十代の男性は転倒し、頭などに二週間のけがを負った。
 車には政策秘書も同乗していたというが、事故の情報は山田氏には伝えられず、三十メートルほど離れた同交差点付近で演説が始まった。被害者の男性が救急搬送され、警察官が事故処理をしている最中も演説は続けられたという。同署は業務上過失致傷容疑で捜査している
 山田氏は東京大法学部を卒業後、通産省(現経済産業省)にキャリア官僚として入省。米コロンビア大留学後に同省を退職し、民間会社勤務を経て二〇一二年十二月の衆院選で初当選。今回は民主党の海江田万里代表(当時)に一万七千票余りの大差をつけて再選を果たした。
 「こちら特報部」は山田氏の事務所に取材を申し込んだが、七日夜までに回答がなかった。ちなみに本人のブログには事故に関する記述は一切なく、事故当日は「2014衆院選、11日目を終えて」と題して「大勢お集まりいただいた聴衆の皆様、足を止めて聞き入っていただいた方々から大きな歓声と拍手を頂戴いたしました」などと記載している。
 一方、衆院選の選挙活動中に交通事故に遭遇し、人命救助に当たった政治家もいる。宮城3区から立候補した民主党の橋本清仁氏(四三)は昨年十二月八日、宮城県岩沼市を車で遊説中、乗用車に追突されて横倒しになった軽乗用車を見つけた。警察や消防はまだ到着しておらず、近くにいた人たちと協力して車内に閉じ込められていた五十~八十代の女性三人を救出。いずれも軽傷で済んだという
 橋本氏は自民党候補に敗れて落選し、次の選挙に向けて活動中。「火薬のような臭いがして、一刻も早く助けなきゃいけないと思った。自然に体が動いた」と振り返った。
 山田氏は事故の当事者ではないとはいえ、一連の行動には首をかしげざるを得ない。山梨学院大の江藤俊昭教授(政治過程論)は「携帯でも何でも、本人に連絡をとることは可能だったはずだ。交通事故は人命にもかかわる大きな事案で、演説の中止を含めて検討する必要があったのではないか」と指摘する。
 政治評論家の森田実氏も「自分の事務所のスタッフが大にけがをさせたのだから、常識的に考えても、本来なら何よりも優先させて対処しなければいけなかった。報告を怠った秘書らの教育ができていなかったと言わざるを得ない」と断じた上で、こう苦言を呈す。
 「『過ちて改めざる、これを過ちという』との孔子の言葉があるように、ミスをした後にどう対応するかでその人の値打ちや生き方が問われる特に政治家には、高い倫理観が求められていることをあらためて認識するべきだろう

あれから20年…震災復興問う…(。-_-。)

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兵庫県南部地震強震波形
兵庫県南部地震 神戸中央区中山手

兵庫県南部地震発光現象

http://youtu.be/yXML8stIhNw


阪神・淡路大震災写真01


阪神 もうすぐ20年
震災 刻む
東日本 深い爪痕

(東京新聞)2015年1月11日

 震度7を記録し、近畿地方で約六千四百人が犠牲となった阪神大震災から十七日で二十年となる。この震災で、母と弟を亡くした神戸市東灘区の小学校教諭長谷川元気さん(二八)は、昨年から子どもたちに自らの体験を語るようになった。亡き家族への思い、周囲への感謝。当時を知らない世代に、若き語り部として活動を広げている。
(加藤弘二)

阪神 もうすぐ20年 震災 刻む 東日本 深い爪痕

28歳先生は語り部

毋と弟喪失 「風化させない」

 「崩れた家から外に出ると、空は真つ赤に燃えているように見えた。現実と夢の区別がつかず、『お母さん』といくら呼んでも返事がない。なぜか急に寒けが襲ってきた」。兵庫県三木市の自由が丘中学校で九日、講演を頼まれた長谷川さんは四百人の全校生徒の前で振り返った。
 当時は東灘区で、両親と二人の弟と五人暮らし。住んでいた木造二階建てアパートが倒壊し、母規子(のりこ)さん=当時(三四)と一番下の弟翔人(しょうと)ちゃん同(一つ)=が下敷きになった。夕方、父から「助けようとしたけど、あかんかった」と聞き、避難先の公園のベンチで泣きじゃくった。(゜´Д`゜)
 その後、眠るたびに同じ夢を見た。翔人ちゃんがサッカーボールを力強く蹴り、規子さんが「一歳半なのにすごいな。将来が楽しみやな」と喜ぶ。「ああ、震災なんかなかったんや。夢やったんや」と思うと、目が覚める。涙があふれ、「どうして、もっと二人と過ごさなかったのか」と後悔がこみ上げた。
 学校の普段の会話でも「お母さん」と聞くと、こらえきれず校舎裏で泣いた。見守ってくれたのが担任の女性教諭だった。「つらかったな。でも大丈夫、元気君なら、きっと頑張れるはずや」と励まされた。
 「先生みたいに、子どもの目線に立つ温かい先生になりたい」。大学卒業後、いったん就職したが、学び直して二〇一三年から小学校教員へ。昨年の一月十七日、同僚から震災体験を語るよう勧められた。
 それまで積極的に話すことはなかったが、「震災を知らない子どもたちに、さまざまな出会いのおかげで、ここにいる自分を見てもらおう」と決意した。子どもたちは真剣な表情で体験を聞き「大変だったのに、夢に向かって頑張った先生はすごい」と言ってくれた。
 昨春から市内の語り部グループにも加わった。「当時のことを語ると、今も心のどこかがズンと重くなる。でも震災を風化させず、聞いてくれる人が何かを感じてくれれば、続ける意義があるのかな」

阪神・淡路大震災写真02

フクシマ絵画 つなぐ

  仙台市の画家加川広重さん(三八)が東京電力福島第一原発事故後の被災地を描いた幅一六・四メートル、高さ五・四メートルの絵画などの展示イベント「巨大絵画が繋(つな)ぐ東北と神戸」が十日、神戸市のデザインークリエイティブセンター神戸で始まった

仙台の画家 神戸で展示

 「フクシマ」と名付けられたこの水彩画は、爆発した原発の建屋の中に、汚染された大地や野生化してさまよう牛、原子炉格納容器などを描き込み、人々の悲しみや怒りを表現した。二〇一三年秋に福島県内で取材し、約一年かけて制作した。
 加川さんは一三年から、神戸市で東日本大震災の絵画を展示、「福島の絵を見てもらうことで、阪神大震災の記憶も戻ると思う、同じ被災地である東北へも思いをはせてほしい」と話している。
 兵庫県芦屋市の無職北川知可子さん(八一)は「自分も阪神大震災を経験したが、この福島の絵は衝撃的だ。震災から二十年たつが、忘れてはいけないということを感じた」と話した。
 イベントは十八日まで。十七日には女優の竹下景子さんによる朗読会も開かれる。

加川広重 巨大絵画が繋ぐ東北と神戸 2015


1995 阪神・淡路大震災

http://youtu.be/4ZtSlkttz18


 阪神淡路大震災 ある女の子の話

  一月二十三日、私は二回目の出動をした。地震でなくなった人の遺体のおいてある体育館はたくさんの遺体とそれにつきそう残された家族の人たちであふれていた。そんな中で、一人の女の子に私の目はくぎ付けになった。その女の子は、ひざの前においたやけこげたなべにじっと見入っていた。泣くでもなく悲しむでもなく身動きもせず、ただじっと見入っていた。私は、その女の子にひかれるように近寄っていった。なべの中には、小さな骨がおかれていた。
 「どうしたの」思わずきいた私の一言がその女の子を泣かせてしまった。どっとあふれ出した涙をぬぐおうともせず、一生懸命に私の目を見てとぎれとぎれに話し始めた。なべの中の骨は、その女の子がひろい集めたお母さんの骨だった。
 その日、女の子はお母さん抱かれて一階の部屋でいっしょにねむっていた。でも地震がきた。何が起こったのかわからないまま、気がついた時はお母さんとともにたおれてしまった家の下敷きになっていた。身動きはできなかった。それでも女の子は少しずつ体をずらした。何時間もかけて脱出した。家の前に立って、何がなんだかわからないまま、どの家も倒れてしまっているのを見た。すると火事が近くに迫ってきた。たくさんの人が何かさけびながら走りまわっているのを見た。しばらくしてお母さんが家の中に取り残されていることに気がついた。
「お母さんをたすけて。たすけて。お願い。」
 走りまわっている大人たちにかたっぱしからしがみつき、声を限りに叫びつづけた。でもその叫び声は聞こえなかった。だれにもその声はとどかなかった。迫ってくる火事にお母さんをたすけられるのは自分しかいないとかなしい決断を女の子はした。お母さんを呼びつづけ、一生懸命に倒れた家具をどけ、かわらをほうりなげて、一歩一歩お母さんに近づいていった。やっとの思いで、お母さんの手をさがしあてた。でも姿は見えなかった。お母さんの手をみつけたとたん、女の子はその手をにぎりしめた。その時、女の子は手が血でどろどろになっているのに気がついた。
「お母さん、お母さん、お母さん。」
 手をにぎりしめ、泣きながら叫びつづけることしか女の子にはできなかった。
 火事は間近にせまっていた。火事の音が聞こえ、まわりがだんだんあつくなってきた。お母さんに一生懸命話しかけた。お母さんは小さな声で女の子に返事をすることしかできなかった。
「お母さん、お母さん。」
と叫びつづける女の子に、お母さんが女の子の名前を呼ぶ声が少しだけ聞こえた。
「ありがとう。もうにげなさい。」
お母さんは言って、女の子の手をはなした。あつかった。こわかった。女の子はしかたなく夢中で逃げた。すぐにお母さんを下敷きにしたまま家は燃えてしまった。燃えてしまう自分の家を女の子はいつまでもいつまでも立って、みつづけていた。声もでなかった。涙もでなかった。
 次の日、何をしたかどこにいたか覚えていない。
 そしてまた次の日、女の子はお母さんをさがしもとめ、そしてみつけだした。女の子は一人で見つけだしたお母さんをなべに入れて、今も守り続けているのだった。


阪神・淡路大震災写真04
亡くなったMさんの冥福を祈る友人たち
=1995年1月26日神戸市長田区W町 (C)毎日新聞社


災前の策
阪神大震災から20年 共助
(東京新聞)2015年1月10日

 六千四百三十四人が犠牲となった阪神大震災から二十年。近い将来、南海トラフ地震が起きるといわれ、「災前」の時期にある中部地方の住民が取るべき「策」を、阪神の教訓から学ぶ。

災前の策 阪神大震災から20年 共助

防災「こんにちは」から

 二十年たっても、忘れられない朝がある。
 一九九五年一月十七日の午前五時四十六分。神戸市須磨区千歳町の靴製造業、崔敏夫さん(73)は自宅兼工場二階の寝室で、地震に遭った。日本史上初の震度7を記録した阪神・淡路大震災。「ゴゴゴー」。ごう音とともに一階が押しつぶされ、二階が沈み込んだ。
 自分と妻は運よく無傷だったが、一階で寝ていた大学生の次男秀光(すがん)さん=当時(20)=が見当たらない。「秀光、どこだ。返事しろ」。がれきをのこぎりで切り、ジャッキで持ち上げて掘り起こした。そこから助け出したのは隣家の三人だった。崔さん宅の二階は、隣家側にずれ落ちていたのだ。
 数時間後、ようやく本来の自宅跡から見つけ出した秀光さんは、顔に傷がなく、眠ったように亡くなっていた。「まるで、水道の蛇口をひねったように」涙が止まらなかった。
 千歳町は戦後、ゴム製靴の産地となった下町。木造の長屋や町工場が密集し、地震の後には火災も発生した。九割の建物が焼失し、四百メートル四方で秀光さんを含め四十七人が亡くなった。崔さんは避難先を転々とし、千歳町に自宅を再建できたのは七年後。同じころ地域に戻ってきた五世帯で自治会を再結成し、崔さんが会長を買って出た。
 震災前は、地域の活動に全く無関心だった。靴産業で職を得た在日朝鮮人の子として育ち、差別を受けた経験などから、「地域のことは日本人がやればええ」と思っていた。でも、天国の息子から「父さん、安全な地域に復興してくれ」と言われている気がした(´;ω;`)
 熱心さは行政をも動かした。二〇〇五年に近くの小学校跡地にできた公園の設計には、崔さんらの提案が反映された。休憩小屋は災害時に五百人を収容する応急救護所を兼ね、倉庫には自家発電機や仮設トイレを備え、実践的な「防災基地」の顔を持った。
 「ただ、立派な施設があっても、災害直後に必要なのは、住民の力」。震災で建物に埋もれた人を掘り出したのは、九割が家族やご近所、通りすがりの市民だった。崔さんもそうしたように。
 昨年の暮れ、崔さん宅前で餅つき大会が開かれた。住民が自然と顔見知りになるよう、震災後に始めた恒例行事。子どもからお年寄りまで五十人がきねを振り、餅を頬張った。「防災、防災というけど、難しいもんやない。『こんにちは』から始まるんや」

阪神大震災当日に生を受け

二十歳照強(てるつよし)誓いの初場所

 阪神大震災が起きた日の夜、震源に近い兵庫県・淡路島で産声を上げた赤ちゃんは、十七日に二十歳の誕生日を土俵で迎える。大相撲の幕下力士、照強=本名・福岡翔輝(しょうき)、伊勢ヶ浜部屋=として。「六千人を超える人が亡くなった日に生まれたという運命を背負っている」。初場所両国国技館)での活躍を誓い、自らを奮い立たせている。
(相坂穣)

 突き上げるような揺れが島を襲った朝、母親の菊井真樹さん(四一)は陣痛にあえいでいた。南あわじ市の自宅は壁にひびが入る程度だったが、テレビの映像は神戸市の倒れたビルや高速道路を映していた。
 救急車が慌ただしく出入りする島内の病院で生まれたのは、二九二二グラムの男の子。震災発生から十五時間後の午後九時だった。
 「翔輝君の誕生日は、阪神大震災の日です」。小学生になると、毎年一月十七日ごろに先生たちが話題にした。震災で島内に出現した野島断層を社会科見学で訪れたり、被災者の苦労を記録した映像を見たりして「大変な日に生まれたんや」と悟った。
 相撲は小学四年で始め、中学三年で全国ベスト16に。高校相撲の名門からの誘いも受けたが、すぐに大相撲を目指した。
 前年、相撲好きで大会の応援に駆け付けては「強い力士になれ」と言ってくれた祖父の菊井龍夫さんを五六歳で亡くしていた。特産の淡路瓦の工場を営んでいたが、震災後に瓦の売り上げが激減。心労の末、がんを患った。
 祖父の思いも胸に二〇一〇年春場所で初土俵を踏んでから、五年がたとうとしている。一六九センチ、一一八キロの体は大相撲では小兵だが、速攻と粘り腰で、昨年十一月の九州場所では自己最高位の東幕下九枚目に。関取である十両昇進が視野に入ってきた。
 初場所初日の十一日は敗れて黒星スタートとなったが、場所前から大柄な兄弟子りに胸を借り、はね返されてもくじけずに何度もぶつかっていた。「小さい分、人の何倍も自分をいじめる。結果にきっと結び付く」と信じる。
 師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が付けてくれたしこ名には「強くなって人々を照らせ」という意味かおる。「自分の活躍を見て元気になる大がいれば」。節目の一年、その夢をかなえたいと願う。


阪神・淡路大震災 鉄道の被災と復旧の記録
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/directory/eqb/book/13-24/


3・11後 を生きる
阪神大震災20年
(東京新聞)2015年1月14日

 阪神大震災で死者が出た木造住宅の98%は、旧建築基準法の時代に建てられていた。学生時代に震災を体験した藤江徹さん(四二)の研究は「生死を分けた要因は、耐震性の強い家に住んでいたか、そうでないかに尽きる」という事実を突きつけた。近い将来に起きるといわれる首都直下地震では都心の広範囲で震度6強の揺れが想定される。大災害を迎える前の時期に私たちは何を学ぶべきなのか。

3・11後 を生きる 阪神大震災20年

わが家『凶器』に

新基準なら救えた

  ■「助けたる」

 藤江さんには、今も鮮明な記憶がある。。
 神戸大工学部四年だった当時、神戸市灘区の下宿のアパートで揺れに遭った。建物は傾いた程度で藤江さんも無事。空か明るくなるころ、近くに住む知人らが心配になり外へ出た。
 すぐ近所で、倒れた木造アパートの下敷きになった男子学生に気付いた。がれきの中から助けを求める声が聞こえ、かろうじて指先がのぞく。学生の友人という男性ら十数人と、がれきを撤去し始めた。誰かが持ってきたのこぎりを精いっぱい引く。柱を切り、バールで壁や天井をはいでいく。
 上半身が見え始めたが、体が毛布にくるまれ、がれきの中で下半身がスキー板と柱に挾まれ、引きずり出せない。「俺、助かるかな」と漏らす男子学生に、「大丈夫、絶対助けたる」と声をかけた。すると、東の方から猛火が迫り、何かが破裂する爆音が何度も聞こえてきた。
 間もなくアパートにも火が回った。体が焼けそうな熱気。思わずそばから離れた。学生の友人は近くに残り、半狂乱気味にわめき立てる。その姿を、ただぼうぜんと見つめていた。(゚ρ`)

 ■運命

 藤江さんはその後、神戸大大学院へ進み、建築の研究室に所属。指導教員の塩崎賢明助教授(当時)の勧めで遺族へのアンケートを始めた。最初は震災を思い出したくなく、気乗りしなかった。ただ、自分も被災者で建築を研究する立場。「住宅と死者の関係も明らかにしないと。そういうことをする運命なのかな」とも感じた。
 神戸大法医学教室が学術提供してくれた検視データを基に、神戸市内の犠牲者で住所が特定できた三千五百七十人の遺族ヘアンケートを送った。千二百十八人分の回答には遺族の思いもつづられていた。アンケートの自由記述欄に「がんばってください」という励ましや「この調査票を見るだけで故人を思い出し、つらく、涙が止まらない」との言葉もあった。(;_;)

 ■浮かぶ真相

 研究室の仲間の手も借りながら分析し、一年かけて百五十八ぐの論文にまとめた。浮かび上がったのは老朽化した住宅の危険性。死者が出た木造住宅のうち、築二十五年以上は九割を占めた。古い建物ほど死者の割合が増える一方、新耐震基準の住宅での死者は全体のわずか2%だった。一九九七年に調査結果を発表した当時は、政府の初動への批判や復興への関心が中心で、注目を集めなかった。震災から二十年近くを経て、地元メディアの報道で研究がようやく脚光を浴びるようになった。
 藤江さんは論文で、老朽住宅の早急な補修建て替えを提言するとともに、こう締めくくった。
 〈彼は、文化住宅の一階で下敷きになって生きたまま炎に包まれました。(中略)研究で彼のような人が一人でも減れぱと思います〉。現在、公害問題に取り組む「あおぞら財団」(大阪市)事務局長を務める藤江さんは、住宅の耐震化か伸び悩む現状にいらだちを覚える。「津波で犠牲になれば国は堤防を高くする。なのに住宅で死んだら個人の責任と、手をこまねいているように見えてしまう

 阪神大震災 1995年1月17日午前5時46分、淡路島北部を震源とするマグニチュード(M)7・3の地震が発生。神戸市などで国内史上初の震度7を観測。死者は関連死も含めて6434人、けが人は4万3792人、住家24万9000棟が全半壊した。ピーク時には31万人が避難所で生活した。建築物や道路、交通機関、ライフラインに甚大な被害を与え、被害総額は国家予算の1割に相当する9兆6000億円に上った。


阪神・淡路大震災写真03
神戸大生3人が亡くなった西尾荘跡=1995年3月18日
神戸市灘区六甲町で (C)神戸大学ニュースネット委員会


NHKスペシャル シリーズ「阪神・淡路大震災20年」

http://youtu.be/0LBb6UjYBuM
NHKスペシャル阪神・淡路大震災20年
復興行政の課題は?

大地震にどう備える


6434人もの命が奪われ、10万棟を超える住宅が全壊した「阪神・淡路大震災」から20年。崩壊した大都市をどう再生させていくのか、そして大地震にどう備えるのか、その道筋を17、18日(後9・0)に2回シリーズで伝えます。
1回目は、行政担当者の模索や決断を追います。「奇跡の復興」を遂げたとされる神戸。ビルが立ち並び、交通網も整備されました。しかし、その一方で、一部の町では復興が計画通りに進まず、「空き地のまま」のところが残ります。復興住宅は高齢者ばかりとなり「孤独死」も相次ぐなど、今もなお課題を抱えたままです。
復興政策にあたった行政担当者は、前例がない災害に際し、国との交渉などを重ね、復興の道筋の選択と決断を行ってきました。そこに、どんな挑戦や苦悩があったのか。その経験から、何を学ぶのかを考えます。
2回目は、都市直下地震を引き起こす活断層の脅威に挑んできた科学者たちの姿を伝えます。
次の直下型地震はいつ、どこで起きるのか、科学者たちはその謎を解明しようと動きだしました。地表に姿を現した淡路島の野島断層と同じような危険性のある断層を、全国で110本特定し、次の地震が起きる予測確率もはじき出しました。しかし神戸では、活断層がどこにあるのか、いまだ結論は一致していません。
この20年で相次いだ直下型地震のほとんどは110本の活断層以外で発生しており、「いつ」「どこで」を明らかにするにはほど遠いのが現実です。
また、活断層が生み出す揺れに対しては、急増する超高層ビルにも弱点があることが判明しました。
科学者たちは何を思い、今何に挑もうとしているのか。そして私たちはどう備えていけばよいのかを検証します。


阪神・淡路大震災から20年②
ガレキの街の明暗 誰のための復興か

NNNドキュメント
http://www.ntv.co.jp/document/
阪神・淡路大震災から20年。最近、神戸で耳にする「復興災害」という言葉。行政主導の都市計画が街の「復興」を妨げているという皮肉をこめた言葉だ。神戸市長田区では「再開発」による高層ビル化が商店の経営を圧迫している。そば屋を営んでいた中村専一さん(75)は「コンクリートのお墓をつくるな」と当初から計画に異論を唱えていたが、その言葉は20年がたち、現実のものになろうとしている。一方、芦屋市の森圭一さん(67)らは行政の「区画整理」案にNOをつきつけ、10年もの長い歳月をかけて自分たちの街を再興した。東日本大震災以降、神戸の街を視察する人は後を絶たない。ガレキの街の20年後の姿は「行政主導ではない住民主体の街づくりの重要性」を静かに訴えかけている。



阪神・淡路大震災20年
 復興を問う
(しんぶん赤旗)2015年1月10~14日

 死者6434人、全半壊(焼)約47万世帯の被害を出した都市直下型地震、阪神・淡路大震災(1995年1月17日)からまもなく20年。なぜ被災者がいまも苦しむのか。復興とは何だったのか。震災20年を問います。

阪神・淡路大震災20年 復興を問う_1

被災者はいま

借り上げ住宅退去迫られ

 神戸市兵庫区UR団地「キャナルタウンウエスト」の1号棟。新年早々、丹戸郁江さん(71)は声を荒らげました。
 「頭から『出ていってほしい』というのは納得できません。入るときは何も知らされてないのに。市は聞く耳を持たない」
 県や神戸市などが阪神・淡路大震災でURや民間から借り上げた復興公営住宅について2010年、「借り上げ期間は20年」だとして期間終了までの退去を打ち出して以来、大問題になっています。

 「転居しません」

 ことし9月に一番早く20年の期限を迎えるのが、西宮市の借り上げ住宅。神戸市内では「キャナルタウンウエスト」1~3号棟が最も早く、来年1月が期限。いよいよ迫りました。
 神戸市の個別説得は激しく、丹戸さんは「前に市の人が来て、『インフルエンザでしんどいんです』といってるのに、インターホンで『(転居先の)予約についてお話ししたい』と延々としゃべり続け、3日連続来た」といいます。
 丹戸さんは、歩行が困難になる持病で近くの病院に長年通院しており、転居など考えられません。
 入居者の必死のだたかいで、神戸市は85歳以上、県はおおむね80歳以上などの継続入居を認めました。しかし多くの入居者が追い出される事態は変わらず、西宮市は全員退去を崩していません。
 丹戸さん宅の玄関先には、「私は転居しません」と書いたステッカーが貼ってあります。
 「すごく不安ですが、負けたくない。震災は終わっていません」

 返済だけの人生

 いまの阪神・淡路のもう一つの焦点が、約5万6000人が借りた災害援護資金(最高350万円)の返済です。
 06年4月に完済のはずでしたが返済困難な被災者が大量に残り、いまも約1万件、155億円か未返済(14年9月末)。14年3月、被災者の長年の要求が実り、国は「無資力状態」なら返済免除という方針を示しました。ことしから始まりますが、未返済者がどれだけ認められるか未知数です。
 尼崎市の木村文廣さん(59)=コンビニ経営=は神戸市長田区で被災後、西区にコンビニ店兼住宅を建て再出発。借金は5000万円以上にのぼり、早朝から深夜まで働きますが、住宅ローンを滞納することもありました。昨年12月に尼崎市に移転。350万円の災害援護資金は月5000円の少額返済で、大部分が残ります。
 「借金を返すためだけの人生。ストレスで数年ごとに尿管結石になります。何とか免除に期待したい」

阪神・淡路大震災20年 復興を問う_2

「棄民政策」

絆断たれ孤独死1097人

 「半分くらいミイラ化していて、腰が抜けそうでした」
 神戸市垂水区の復興市営住宅「ペルデ名谷(みょうだに)」の7号棟に住む松成秀子さん(73)は、ふり返ります。
 数年前、同じ棟の自室で亡くなっていた年配男性の遺体の検視に立ち会いました。
 隣室の80歳すぎの女性が亡くなったときは、第一発見者でした。布団のなかで息を引き取っていました。
 「娘が毎日声をかけ、私も夕飯を持って行っていた。心臓が悪いようでしたが、ショックでした」
 地震では助かった命なのに、誰にもみとられず亡くなっていく-被災者の孤独死が震災後、社会問題になり、ずっと続いています。復興公営住宅の孤独死は2014年も40人で、累計864人に。仮設住宅の233人と合わせて1097人に達しました。
 住居も財産も失った被災者に自力再建を押しつけ、助けようとしない国・自治体の復興の姿勢は「棄民政策」と呼ばれました。痛ましい孤独死は「棄民」の象徴といえます。

 仮設の″絶望死″

 大量の孤独死は、生活再建の見通しがなく生きる希望を持てないこと、人と人とのつながりが断ち切られたことが主な要因と指摘されています
 「男性は餓死に近い。枕元に酒パックと履歴書。冷蔵庫は自治会が配ったリンゴだけ」(1997年、神戸市中央区)。報道された仮設住宅の孤独死の一例です。
 仮設住宅では、仕事がなく公営住宅も当たらず、アルコールに依存して健康を悪化させる人が急増。このなかで起きた孤独死の多くは”絶望死”の様相を帯びていました。
 地域のコミュニティーが上から壊されました。仮設住宅と復興住宅は数が少ないうえ、郊外など遠方に多く建設。被災者は仮設入居時と復興住宅入居時の2度にわたって、抽選でバラバラにされました。
 鉄のドアで仕切られた復興住宅ではさらに孤立が進み、高齢化、貧困が孤独死増に拍車をかけています。

 被災者まかせに

 「ベルデ名谷」では、孤立をなくそうと有志が、独居者への声かけや安否確認にとりくみ、自治会もカラオケの会を開くなど努力を続けています。
 5号棟自治会役員の出田幸男さん(61)は「それでも誰ともつきあわない人が多い。自治会も高齢化で催しも減った」といいます。
 「被災者への援助が被災者にまかされています。政治は被災者に手を差し伸べず、神戸空港を造ったり三宮(神戸市の中心繁華街)の巨大開発を計画したり…。いつまでこんなことを続けるのか

阪神・淡路大震災20年 復興を問う_3

個人補償否定

借金で再建 今も続く返済

「いまは災害で支援金が300万円出るけど、われわれには何もなかった」
 神戸市東灘区の梶原吉夫さん(62)は強調します。
 震災で自宅が全焼。婦人服卸売業の再開、自宅再建に事業用融資、住宅ローンなどを借り入れ、返済を続けています。多いときで月約40万円。「大変な思いをしてきた」といいます。2年前に廃業し、いまはタクシー運転手です。
 350万円借りた災害援護資金は月1万円返しています。「なんぼ事情を説明しても、神戸市は『借りたもんは返すのが当たり前』の一点張り。商工ローンみたいなえぐい取り立てやった。免除になればありがたいが…」

自力再建を強制

 震災直後、被災者が切望した生活、住宅、営業再建のための個人補償を、当時の村山内閣は「私有財産制では認められない」と拒否。自力再建を押しつけられた被災者は各種融資に殺到ました。
 1996年4月の参院予算委員会。日本共産党の上田耕一郎副委員長が、災害救助法にある「生業(なりわい)資金の給与」の規定を生かして個人補償をと迫りました。
 当時の菅直人厚生大臣は「災害援護貸付金制度など…貸し付け制度が整備拡充されてきたことから生業資金の給与は行ってこなかった」「貸し付けという制度が…充実した形で決められておりますので、それを運用してきた」と答弁。“貸し付けで十分”という方針だと明らかにしました。
 ところがその災害援護資金は、5万6千人が借りて06年4月に完済のはずがいまも1万件が未返済。4万7千件の利用があった業者むけ災害復旧融資は7千件以上が返済不能に陥りました。自宅は再建しても重いローン負担…

「返済の免除を」

 「充実」どころか返済に苦しみ続けてきたのが、借金に頼るしかなかった被災者の20年閻の現実です。個人補償を否定した大失政の責任が問われなくてはなりません。
 自宅、店舗の再建、事業再開に災害復旧融資など5100万円を借りた長田区の山田恭一さん(69)=仮名、クリーニング業=も、「返済が頭を離れない」といいます。まだ1200万円残っています。
 営業と返済は厳しく、震災後5年間は年中無休、専門学校を志望した長男は進学をあきらめました。97年と14年の消費税増税などの影響で、売り上げはいま震災前の4割です。
 「中小業者は地域に貢献しているし、阪神に適用されていない国の支援金300万円に準じたものがあるべきです。復旧融資の返済免除があっていいのでは

阪神・淡路大震災20年 復興を問う_4

「創造的復興」

神戸空港建設強行し破たん

 神戸でいまも語り継がれる出来事があります。
 震災から約2週間後。「神戸空港は復興のシンボル。当然推進する」と当時の市長が宣言しました。がれきの下にまだ人が埋まり、被災者が避難所で寒さに耐えていたとき。市民はあぜんとしました。
「ストップ神戸空港」の会の北岡浩事務局長は「人を助けてこそ復興のはずなのに空港とは、と誰もが思った」とふり返ります。

巨大開発を推進

 被災者に自力再建を強いる一方で国・自治体がおこなった「復興」とは何だったのか。
 国や県は「単に震災前の状態に回復するのでなく、『創造的復興を』というスローガンを掲げ、震災に便乗して以前から計画していた巨大開発を「復興」の名を冠して推進したのでした。
 震災後10年間の国・自治体の復興事業費は16兆3千億円。その6割、9兆8千億円が県の復興計画の柱の一つ「多核・ネットワーク型都市圏の形成」に投入されました。
 そこにはインフラ整備のほか、高速道路網建設、新都市づくり、神戸港の最新鋭整備、巨大再開発、土地区画整理、神戸空港1など大型事業がズラリ。復興とは無関係の関空2期工事への出資までありました。ゼネコン・大企業むけの「復興」であることは明らかです
 ところが20年の間に、この「創造的復興」路線が破綻していきます。
 「復興のシンポル」という神戸空港(2006年開港)は、棄客数が年403万人という需要予測にたいし235万人(13年度)と低迷。収入の中心を占めるはずの着陸料収入は当初見込みの3分の1強にとどまり(同)、別会計からの繰り入れが増える一方です。
 さらに空港島の土地が売れないため借金約2千億円を返せず借り換えの連続と、惨たんたる状況です。


被災者本位こそ

 事業費2710億円、面積20・1ヘクタールと西日本最大の巨大再開発である新長田駅南の「復興」再開発事業も同様です。
 神戸市が事業主体で四十数棟のビルを林立させるものですが、地下・地上・2階の3層構造の広大な商業床が半分以上売れ残り、市は計画を変えて賃貸を導入。不明朗で高い管理費をめぐって商店主が管理会社を訴える事態にもなりました。
 北岡氏は「ハコ物を造ればいいという復興策ではダメだと、いや応なしに証明されました。被災者には悲劇しかもたらさない。それでもまた三宮で大開発が計画されています。いまからでも政治の流れを被災者本位に切り替えるべきだ」と強調します。

阪神・淡路大震災20年 復興を問う_5

被災者支援へ

たたかいが政治動かす

 「みんな、よう頑張ってきたな、と思う」
 震災後再建した神戸市東灘区の自宅で、石田健一郎さん(78)は語ります。
 被災者が集まる「被災者ネットワーク」の事務局長。夫婦の年金月24万円から、住宅ローン返済に10万円を充て、国保料が払えないときも。返済は96歳まで続きます。

 支援法成立・改正

 震災後の20年間は、被災者と救援復興県民会議、日本共産党のだたかいが政治を動かし、被災者支援を前進させてきた日々でもあります。運動の現場には、常に石田さんの姿がありました。
 震災当時の村山内閣が個人補償を拒否した下で、生活再建へ公的支援・個人補償を求めるたたかいが巻き起こります。
 県民会議は「人間復興」を掲げ、「住宅・店舗再建に500万円、生活支援に350万円の公的支援」を求めて126万人の署名を集め、2度の1万人集会、87万人が投票した「住民投票」運動-などをくり広げます。
 県内著名人48氏、次いで126氏が公的支援実現アピールを発表し、作家の小田実さんらは市民立法運動を推進。それぞれ連携し合い、一点共闘が大きく広がりました。
 こうした中で1998年5月に被災者生活再建支援法が成立。2004年と07年の改正で、阪神・淡路は対象外とはいえ住宅再建に最高300万円支給が実現しました。
 阪神・淡路ではまた、復興公営住宅の戸数増と家賃低減、災害援護資金の月1000円からの少額返済などが実現。最近では、借り上げ住宅入居者の必死のたたかいで県と神戸市の全員退去方針を撤回させ、一部継続入居を認めさせました。災害援護資金も「無資力状態」なら返済免除に。長年の要求が実りました。

 被災者代表国会へ

 日本共産党は一貫して被災者や諸団体とともに運動を進め、国会・地方議会で奮闘してきました。
 1996年衆院選で返り咲いた兵庫の藤木洋子さん、98年参院選兵庫選挙区で当選した大沢辰美さんが、被災者の切実な声を国会でくり返し突きつけ、支援法改正など被災者のために尽力しました。
 昨年19一月の衆院選で苒び、被災者の代表、兵庫の堀内照文さんが近畿ブロック比例の議席を獲得。神戸大学時代に震災に遭い、救援活動に奔走し、今日まで被災者を支援し続けている人です。
 ここまで来た一方で、再起がかなわず、1097人の孤独死や自殺などおびただしい犠牲がありました。また、個人補償がなく、支援法が適用されなかった影響が色濃く残っています。
 石田さんはいいます。
 「借り上げ住宅をはじめ被災者の困難は続く。私白身もそう。堀内さんが当選して要求が実現する条件が大きくなったし、他の災害被災者のためにも、まだまだ頑張ります」(おわり)
 (この連載は兵庫県・喜田光洋、同・秋定則之が担当しました)

阪神・淡路大震災写真05
震災後初登校する女子高生たち=1995年2月1日、神戸市長田区若松町で (C)毎日新聞社

小出裕章先生:原子力全体が米国の政治的あるいは経済的な思惑の下で動いてきたと思います

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ワシントンの対日政策をどう動かすか?~外交ロビイングの最前線から
(ラジオフォーラム#106)

http://youtu.be/_83lIk3FXis?t=14m57s
14分57秒~第106回小出裕章ジャーナル
ウランは夢のエネルギーか?「全部ウランでエネルギーを賄おうと思えば、10年でもうなくなってしまうというほどですね、まことに馬鹿げた貧弱な資源です」

http://www.rafjp.org/koidejournal/no106/
イエロー・ケーキ クリーンなエネルギーという嘘

今西憲之:
小出さん、1月は小出裕章ジャーナル「原発はなぜいけないのか?」というシリーズをずっとお届けしてるわけなんですけれども。今日はですね、「ウランがないということについて」いろいろお伺いしたいと思っております。原子力の資源であるウランに注目したのは、それまでエネルギー源の中心だった「石油がなくなりますよ」というふれこみがあって、ウランの埋蔵量というのがどうなっているのかということからだったのですが、実際ですね、ウランの埋蔵量というのは足りてるもんなんでしょうか?

小出さん:
地殻の中にあるウランは現在の時点で言うと、採算が合って掘れるのは590万トンだと言われています。それで、去年1年間で5.9万トン使いましたので、約100年分で枯渇するということです。
地球上の再生不能エネルギー資源の埋蔵量

今西:
そうすると、決して無尽蔵にあるわけではないということですよね?

小出さん:
もちろんです。むしろ、何でその100年分もつかと言えば、現在エネルギー全体の中でウランが占めてる割合なんて、せいぜい1割しかないからなんです。もし、その全部ウランでエネルギーを賄おうと思えば、10年でもうなくなってしまうというほどですね、まことに馬鹿げた貧弱な資源です

人形峠ウラン残土訴訟への意見書 京都大学原子炉実

今西:
昔、日本でも鳥取県と岡山県の県境ですね、人形峠でウランを一生懸命掘って、たくさんの放射性物質の残土なんかが出まして、とんでもないことになりました。小出先生もいろいろその時の住民の反対活動なんかにもご協力をされておられたわけなんですけれども、やっぱりウランを掘るということは、被ばくというリスクが、やはりどうしても付きまとうということなんでしょうか?
人形峠 ウラン鉱床露頭発見の地
人形峠付近に設置されている『ウラン鉱床露頭発見の地』碑

小出さん:
もちろんです。ウランという物質そのものが放射性物質ですので、ウランを掘ってしまいますと被ばくしますし、ウランがあると、ラドンという、私達「娘核種」と呼んでいる放射性物質がまた生み出されてしまうのですが、それは、今西さんはご存知だと思うけども、昔『ゴジラ』という映画がずっと流れていた時にですね。
空の大怪獣ラドン
空の大怪獣ラドン

今西:
はいはい。私もよく子供の時に観に行きました。観ましたね。はい。

小出さん:
ラドンという怪物がその映画に出てきたことがあるのですが、空飛ぶ怪獣でした。放射性物質のラドンというのも完全な気体でして、空気中に出てきてしまうのです。ですから、ウランが深い地底に眠っていれば、そのラドンも地下に閉じ込められているのですが、ウランを掘り出してしまうと、そのラドンが空気中にどんどん飛び出してきてしまうことになりまして人々が被ばくしてしまいます。

人形峠ウラン鉱山などの汚染と課題

今西:
確かに先程出ました人形峠でもですね、鳥取県の方では、そのラドンでかなり被ばくされた方がいらっしゃったということですよね?

小出さん:
いわゆる鉱山では坑道というのを掘ってですね、労働者がその坑道の中に入って行って、ウランを掘ってきたわけですけれども、坑道の中はラドンが充満していましたので、鉱山の労働者がまずは被ばくをしましたし、坑道の出入り口ですね、そこからラドンが噴出してきまして、住民達の住んでいる集落にも流れ落ちてきていたという、そういうことで被ばくをしてしまいました

小出裕章ジャーナル

今西:
小出さん、それで今日はですね、弁護士の猿田佐世さんにゲストでお招きしておりまして、ちょっと猿田さんからもご質問したいということでお願い致します。 

猿田佐世さん:
こんにちは。

小出さん:
はい、こんにちは。

猿田さん:
私はワシントンの軸にいろんな日本の問題に、今どのようにアメリカが影響しているのかということを中心に見てきているわけなんですけれども。アメリカの企業からの圧力と、それからアメリカ政府からの圧力と両方あるかと思うんですが、それは、どのように働いているという風にご覧になっていますか?

小出さん:
日本というこの国はですね、私は米国の属国だとずっと発言をしていますけれども、政治的にも経済的にも、完全に米国の子分のような位置にあるわけで、特に原子力なんていうものは、巨大な米国が世界を支配するために動かしてきたわけですし、原子力全体が米国の政治的あるいは経済的な思惑の下で動いてきたと思います
日本は原発推進の米国の代理人

猿田さん:
私、ちょうど3.11が起きた時には、ワシントンDCに住んでいたんですけれども、そこで、数多くの原子力関係の日本福島に焦点を当てたシンポジウムなんかもありまして、その中で、政府の役人さんは直接には言わないんですけれども、その元高官と言われるエネルギー庁副長官ぐらいのクラスの方が、「日本は今、原発を止めているけれども、早期に再稼働するべきだ」というような話を繰り返ししていてですね。こういったものというのは内政干渉と言いますか、非常に物凄く影響力があって、「日本は結局これに従っていくのかな」というふうに思ったんですけれど

小出さん:
残念ながら、そうだろうと思います。

猿田さん:
なるほど。そうすると、その政府からもやっぱり直接、政府なりそういう政策を決定しているアメリカの人々からも直接的な影響が、経済面ではなく政索としてあるというふうにご覧になりますか?

小出さん:
私は政治の専門家ではありませんし、政治の内情を知ってるわけではありませんけれども、私のこれまでの原子力に関する経験から言えば、当然そうだろうと思います。

猿田さん:
なるほど。ちょっと私共「新外交イニシアティブ」では、実はですね、日米エネルギープロジェクトというのを立ち上げて、その辺りの連携と言いますか、原子力村が日米どのように広がっているかについて報告書をまとめていこうというふうにやっているものですから、ぜひ。

小出さん:
ありがとうございます。勉強させて頂きます。

猿田さん:
逆にいつかインタビューさせて頂いて、こちらが知見を頂ければというふうに思っております。

今西:
小出さん、そんななかでですね、原発再稼働という点におきましてですね、やはり、日本はそうすると、アメリカの意向を無視することはできない。仮に、日本の総理大臣なり、しかるべき方が原発再稼働をさせないという発言等をするとやはり、かなりアメリカからプレッシャーがかかってくるというようなことになるんでしょうかね?
世界の原発メーカー

小出さん:
当然そうだと思います。例えば、鳩山さんという方が首相になって、普天間の移設先は必ず沖縄県外だと発言をした途端に、鳩山さんは追い落とされてしまったわけですし、原子力も多分そうなるだろうと思います。

今西:
原子力においては、アメリカの影響力が非常に強いというのは、これはやっぱりもう当初からそうだったんでしょうか?

小出さん:
そうです。もともと米国は核兵器を作るために技術を開発したわけで、それが膨大にとにかく持ちすぎてしまって重荷になってきたので、商業的あるいは平和利用ということを標ぼうして世界に売りつけて、それで金儲けをしようということにしたのです。日本は第一の標的にされて、米国からどんどんどんどん原子力を買わされてきたということですし、簡単には抜けさせてもらえないです。
日米原子力協力協定

今西:
なるほど。ただ一方で、アメリカでは非常に今、原発はできるだけ止めていこうというですね、ある意味逆の方向へアメリカの中では行っているわけですよね?

小出さん:
もちろんです。米国の中では、もう経済性全くありませんので、原子力どんどん止めていくことになります。ただし原子力を簡単に止めてしまうと、米国の原子力産業ももちろん困るわけですから、海外に売りつけて生き延びを図るということになっているのです
世界の原発メーカーの関係
世界の原発メーカー

今西:
なるほどね。分かりましたです。どうも小出さん、ありがとうございました。

小出さん:
ありがとうございました。

猿田さん:
ありがとうございました。




『岡山県ニュース』ウランの宝庫 人形峠

http://youtu.be/9zJcPl6ZAeo


ウラン残土がレンガに化けて販売!

http://dai.ly/xxvsak


http://dai.ly/xxvsep


原発導入のシナリオ ~冷戦下の対日原子力戦略~

http://dai.ly/xki6uk


ETV特集 シリーズ 原発事故への道程(前編)
「置き去りにされた慎重論」

http://youtu.be/IG-uP_wxnxY
広大な大地を不毛の地に変え、人々を放射能被ばくの恐怖に陥れている福島第一原発事故­。世界で初めての多重炉心溶融事故だった。原子力発電の安全性神話は、たった一度の“­想定外”の地震・津波によりもろくも崩れ去った。なぜ福島原発事故は起きてしまったの­か。事故原因の直接的な究明とともに今必要なのは、歴史的な視点で安全神話形成の過程­を見直すことである。
私たちはある資料を入手した。『原子力政策研究会』の録音テープ。1980年代から9­0年代にかけて、我が国の原子力発電を支えてきた研究者、官僚、電力業界の重鎮たちが­内輪だけの会合を重ね、原発政策の過去と行く末の議論をしていたのだ。議事は非公開と­決めていたため、当事者たちの本音が語られている。さらに、生存する関係者も福島原発­事故の反省を込めて、今その内幕を率直に証言し始めた。
この資料と証言をもとに、福島原発事故までの歩みを2回シリーズで徹底的に振り返る。­前編は、原子力発電所の我が国への導入を決めた1950~70年代前半のれい明期をみ­る。当初は安全性の不確かな未知のテクノロジーを地震大国に立地することへの疑問など­慎重論が主流であった。しかし米ソ冷戦の論理、そして戦後の経済復興の原理によって強­引に原発導入が決まっていった。太平洋戦争に石油などの資源不足で敗北した過去や、世­界で唯一の被爆国という過去を背負った日本が、原発建設に至るまでの道のりで「経済性­追求」と「安全性確保」の矛盾を抱えていった過程を検証する。


日米原子力研究協定の成立

「原発ホワイトアウト」作者インタビュー

http://youtu.be/6svSH7kPtw8
(日本の原発は世界の最先端で安全だから)
大嘘ですね。
安心して輸出もできなくなりますからまあ、そういうことを皆で気がつかないフリをしているだけなんですね。

第2章 幹事長の予行演習
制度の細部の決定権を最後の最後まで放さないことが官僚のパワーの源泉なのだ。

第17章 再稼働
日本の経産省や文科省から出向している職員が強硬に反対し最新の安全性は盛り込まれることなく骨抜きにされている。
実際には皆さんに情報を隠したところでゴソゴソと再稼動しようとしているわけで安全、安全と言っとけばいいと再稼働の結果、また事故が起こるというようなことがあると思いますね。

(小説を書こうと思った理由は)
電力会社・政権政党・霞ヶ関が、どういうふうなかたちで無理やり再稼働に持っていこうとしているかということを一人でも多くの人に知って頂きたい。
本来、私達霞ヶ関の官僚は税金で養われているわけで僕らがやっていること、情報は本当は皆さんにきちんとお返しして本当にそれでいいよということであればその方向に進めるべきなのに
実際には実現していないのでささやかな抵抗になりますけども本当はこうなんだよということをお伝えしたい。

これ麻薬みたいなもんだと思いますね。
一度断ち切らないといけないんですけどもそれを断ち切るためには国民の方々がちゃんとこれは麻薬なんだということを認識して麻薬を取り上げないといけないんですよね。
官邸前に行って原発再稼働反対と叫んでるだけでは麻薬を取り上げることはできなくて政治献金とかパーティ券は今は一定額以上しか公表されませんけども全額公表にするとか電気料金っていうのは皆誰でも電気を使わなくちゃいけないという意味では税金と同じですから一円単位まで支出先を公開させるとか、そういうことをすれば"たまり金"が発生することも防止できるわ­けでそういったことをきちんと我々が再稼働する前に要求していかないと。

できるだけ覆面のまま政権の中枢に残って色々なことを耳をそばだてて見聞きして国民の皆様に還元しなくちゃいけない真実をできるだけ息長くお伝えしていきたい。

(そういった気概の役人は他にもいる?)
大体魂を売り渡したような悪い奴は一割くらいしかいなくて残りの九割は迷ってるんですよね。
自分の上司とか政治家がおかしいこと言っているなぁと思うし自分も出世したいし飛ばされたくないからこの人達の言うことを聞いてた方が安全だと思う一方ででもおかしいよねとそういう間で揺れ動いている人達が九割。
私としてはその九割の公務員の方に是非一緒に同志としてやろうじゃないかときちんと職場の中でも外にでも発信していけば必ず変わっていくんじゃないかと思います。


(再掲)2013/02/03
【IWJブログ】CSIS「第3次アーミテージレポート」全文翻訳掲載
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/56226
より

エネルギー安全保障

原子力エネルギー 

2011年3月11日の悲劇は、未だ生々しい記憶であり、地震、津波、その後の炉心溶融によるすべての被害者に対し、謹んで哀悼の意を表明する。当然ながら、福島の原子力災害は、原子力にとって大きな躓きの石となり、その影響は、日本全国だけでなく、世界中に波及した。英国や中国のように原子力拡張計画を慎重に再開した国もあるが、ドイツのように原子力を段階的に全廃することを決定した国もある。

日本は、原子炉の徹底的な調査と原子力保安規定の改定を行なっている。原子力に対する一般市民の強い反対にも関わらず、野田佳彦首相の政府は、2基の原子炉の再稼動を開始した。さらなる再稼動は、安全性の確認と地元の合意に依存する。我々の見解では、このような状況において原子力発電を慎重に再開することは責任ある正しい措置である(`・ω・´)

日本は、エネルギー効率の向上において非常に大きな進歩を遂げ、エネルギーの研究開発で世界的なリーダーとなっている。日本人は、エネルギー消費の削減と、エネルギー効率に関する世界最高の基準の設定において、驚異的な国民的結束を発揮してきたが、近未来における原子力エネルギーの欠如は、日本に重大な影響を及ぼすであろう。原子力発電所の再稼動なしでは、日本が2020年までに二酸化炭素 (CO2) 排出量を25パーセント削減する目標に向って有意義な進歩を遂げることは不可能であろう。原子力は、現在も将来も、排ガスのない基底負荷発電の唯一の実質的ソースとして残るであろう。環境省のデータによれば、日本の排出量は、原発再稼動なしでは、2020年までにせいぜい11パーセントしか削減できないが、再稼動できれば、20パーセント近くまで削減できるという。1 原発を永久に停止した場合は、輸入した石油、天然ガス、石炭の消費量が増大するだろう。さらに、国のエネルギー政策に関する決定の延期は、エネルギーに依存する重要な産業を日本から追い出しかねず、国家の生産性を脅かす可能性がある。

また、開発途上国は原子炉の建設を続けるので、日本の原発永久停止は、責任ある国際原子力開発を妨害することにもなるだろう。フクシマ以後一年以上にわたって原子炉認可を中断していた(ただし、進行中のプロジェクトは中断しなかった)中国は、新規プロジェクトの国内建設を再開しつつあり、最終的には重要な国際ベンダーとして台頭する可能性がある。中国が民生用原子力発電の世界的開発のメジャー・リーグでロシア、韓国、フランスに加わろうと計画しているとき、世界が効率的で信頼性の高い安全な原子炉や原子力サービスから利益を得るためには、日本が遅れをとることはできない

他方、米国としては、使用済核廃棄物の処理にまつわる不確実性をなくし、明確な許認可手続きを導入する必要がある。我々はフクシマから学習し、是正措置を導入する必要性を十分に認識しているが、原子力はエネルギー安全保障、経済成長、環境上のメリットなどの分野でまだ巨大な可能性を保持している。日本と米国は、国内/国外の安全かつ信頼性の高い民生用原子力を推進する上で共通の政治的、商業的利益をもっている。東京とワシントンは、フクシマからの広範な経験を生かしながら、この分野で同盟関係を活性化し、安全な原子炉の設計と健全な規制業務の普及を世界的に促進することにおいて指導的役割を再び演じる必要がある。3.11の悲劇のために、経済と環境をこれ以上大きく衰退させてはならない。安全でクリーンな責任ある開発と利用によって、原子力は日本の包括的な安全保障に欠かせない要素を構成する。そしてこの点において、原子力研究開発での日米の協力は不可欠である


イエロー・ケーキの真実~脱原発を決意したドイツから~

http://youtu.be/x22HxMIxUPk
ヨアヒム・チルナーインタビュー01
ヨアヒム・チルナーインタビュー02
ヨアヒム・チルナーインタビュー03
ヨアヒム・チルナーインタビュー04
ヨアヒム・チルナーインタビュー05
ヨアヒム・チルナーインタビュー06


イエロー・ケーキ クリーンなエネルギーという嘘

http://youtu.be/LJGEsIo3y0c



小出裕章さんにお話をきく。-6「人形峠のウラン鉱害問題について。」

http://youtu.be/eqyy3ByEslw


土井淑平「人形峠から見た福島原発事故
小出裕章「『原子力』が象徴する世界とそれへの抵抗」

http://youtu.be/RwJgqJSkMyg




青森・大間原発 建設凍結求め
進む「オール函館」大署名
地方発(しんぶん赤旗)2015年1月18日

 電源開発が建設をすすめている大間原発(青森県大間町)の建設差し止めを求め、北海道函館市が昨年4月に起こした訴訟に呼応し、函館市町会連合会(新谷則会長、183単位町会)が政府に対して「大間原発建設凍結を求める」市民大署名運動をすすめ、世論を盛り上げています。
(北海道・土田浩一)

青森大間原発 建設凍結求め 進む「オール函館」

北海道函館市
町会連合会が呼びかけ

 昨年5月の町会連合会定期総会の事業計画で、重点目標の一つとして。「大間原発建設凍結運動実行委員会」の設置が提案されました。
 市の差し止め訴訟の判決が出てからという慎重な意見がでるなか、「安心・安全なまちづくり」をめざす町会連合会として「住民が反対しているという意思表示をすべきだ」と委員会設置が決まりました。

 目標は20万

 署名運動は、昨年12月中旬から始まり、1月末までに20万を目標に各単位町会を中心にとりくんでいます。実行委員会では、商工会議所や医師会などの各界、団体に協力を依頼し、12月15日には大型商業施設前で、新谷会長を先頭に40人が参加し買い物客らに署名を呼びかけました。
 大間原発から30キロの椴法華(とどほっけ)地区在住の川口英孝実行委員会事務局長(町会連合会総務部長)=66=は「原発は人類と相いれないものであり、大間原発ができれば、漁業への影響は甚大」といいます。
 元消防職員で30年間、地域で町会活動にかかわってきた川口さんは、「海に感謝し、海とともに暮らしてきた人たちが、毎日事故の心配をしなけれぱならないというのはがまんできない。事故が起これば被害は大きく、地域は崩壊する」と怒りをこめます。
 実行委員で市内東部地域の香雪団地自治会の吉田敏浩会長=72=は、5月の総会で「原発の温排水で海水温が上がり、イカやマクロ、コンプなど貴重な漁業資源が損なわれる」と発言しました。
 吉田さんは「団地住民の関心は高く、快く署名に応じてくれます」と話します。
    ・
 全会派一致

 函館市議会では、全会派が一致して、市の提訴の支持を表明しています。日本共産党市議団は、2011年の福島原発事故後の毎定例会で、大間原発を建設させない運動を、市長とともに発展させる立場で質問、宣伝署名行動を展開するなど全面的に支援をしています。
 昨年12月に電源開発が、建設中にもかかわらず、大間原発の稼働の前提となる新基準への適合性審査を原子力規制委員会に申請する緊迫した情勢のなか、実行委員会では「私たちのまち、職場、地域社会を子々孫々まで守り続けていこう」と呼びかけ、署名の目標達成に向け奮闘。24日には市内3ヵ所で署名行動を計画しています。



○●○●○●○●



1.17「女の平和」国会ヒューマンチェーン・shinyaさんの写真
(レイバーネット)
http://www.labornetjp.org/news/2015/0117shinya
「女の平和」国会ヒューマンチェーン

福島原発告訴団団長の武藤類子さん
「女の平和」国会ヒューマンチェーン武藤類子さん
「赤の色が持つ強烈なアピール力、とても力強い感じがしています。まるで女たちの怒りの炎が、国会を取り囲んでいるようです。福島原発事故の被災地と戦場は同じです。ミサイルや機関銃はありませんが、ばらまかれた放射能によって、じわじわと命と健康が脅かされます。原発事故前はなかった放射能のある所へ、大丈夫だから帰って来てと言われます。動物たちや山の木々も犠牲になります。心や暮らしや環境や人生が壊されていきます。国を挙げての安全プロパガンダが真実を見えなくさせます。怖いという、本当のことを言う口が封じられます。逃げる者は裏切り者と言われ、残って抗う者は叩かれます。事故で職を失った被害者やホームレスの人々、自分が何とかしなければならないという使命感を利用された若者たちが、被曝労働にかり出されていきます。原発や兵器を売る企業は、放射能の除染やゴミの焼却場で再び利権を得、被害者はその餌食となります。事故を起こした者たちの責任は問われません。原発事故の被災地は戦場と同じです。私たち市民は国家の駒ではありません。私の命は私のものです。殺すのはイヤだ、殺ろされるのはこわいよと、泣きながら叫びましょう。私たち女性は基地も原発もいりません。飢えも暴力もレイプもいりません。欲しいのは一人ひとりが大切にされる、あらゆる命が尊ばれる世界です。赤く燃える炎となって国会を取り囲みましょう。日本中にこの炎を広めていきましょう」



平和へ一歩、思いつなげ あす「人間の鎖」呼び掛けの女性に聞く
(東京新聞【こちら特報部】)2015年1月16日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015011602000139.html
 「赤いものを身に着けて国会を包囲しましょう」。あす十七日午後、国会の周りを人の手でつなぐ「女の平和」ヒューマンチェーンが行われる。「殺し殺されるのはイヤ」「黙っていては平和を守れない」。呼び掛け人の女性たちに、行動への思いを聞いた。
(榊原崇仁、白名正和)

平和へ思いつなげ人間の鎖呼び掛けの女性に聞く_1

平和へ一歩

 「私にも一人息子がいる。絶対に戦場には行かせたくない。しかし、今回の行動に参加する理由はそれだけではありません。女性として忘れてはならないことがあるからです
 ドキュメンタリー「何を怖(おそ)れる フェミニズムを生きた女たち」を撮影
した映画監督の松井久子さん(六八)の根っこにあるのは、七十年前の戦争に対する反省だ。
 「女たちは、戦争を主導した男たちにだまされ、追従させられたと思われているが、それで済ましていいか。銃後の妻国防婦人会の一員として戦争に協力した。もう当事者になっちゃいけない。だまされたと後悔する前に戦争反対の声を上げたい

自由が奪われる

 作家の雨宮処凛(かりん)さん(三九)は「安全保障の議論は男性中心で、『女性は何も分かってない』『黙っていろ』という空気がある。しかし戦争が起きれば女性も無関係ではいられない。言論をはじめさまざまな自由が奪われる。私たちが率先して声を上げる」と意を強くする。
  「平和に限らず、女性は周囲の目があって声を上げにくい。貧困の問題でも、働く女性の六割は、非正規雇用で平均年収百四十万円余という状況だが、『貧しいことは恥ずかしい』『知られたくない』と考える女性が多い。同じ思いを持つ人、応援してくれる人がいれば声を上げやすい。十七日はそうした人と知り合える場になるはず」
 「昭和史のおんな」などで知られるノンフィクション作家の沢地久枝さん(八四)は「安倍政権ほど、正面切って右派路線を突き進む政権を私は知らない。日本で戦死者が出る事態が近づいてしまった」と嘆く。「命を産み育む女性が今、声を上げないと、日本は大きな過ちを犯す。首相やその取り巻きに私たちの確たる意思を知らしめたい

力の論理あった

 市民団体「原発いらない福島の女たち」のメンバーで福島原発告訴団長の武藤類子さん(六一)は「原発被災地は今、戦時中と同じ状況にある。生きる尊厳が奪われている」と訴える。「放射線量が下がらず、安全と言えない場所でも帰還を強いられる一方、政府は『問題ない』と大本営発表を繰り返している
 原発事故が起きた背景に、「力の論理」があったのではと思う。「事故の責任を取るべき人たちを見ると、男性ばかり。女性がいない中、力ずくで物事が決まったのではないか
 男女が一緒になって問題に対処していけば、物事は変わっていくのではないか。「生命がないがしろにされている。改憲や差別、環境といった問題は、全てそこにたどり着く。今回、特別なことをするわけじゃない。当たり前の考えを当たり前のように訴えるだけです

平和へ思いつなげ人間の鎖呼び掛けの女性に聞く_2

思いつなげ

 「ヘイトスピーチの多発で在日朝鮮人、そのほかの外国人はかつてないほど危機感を抱いている。戦争になれば排外主義が強まり、私たちの人権や生活はますます脅かされる」と。在日本朝鮮人人権協会常任理事の金静寅(キムジョンイン)さん(五二)は言う。
 就職や家探し、結婚などで在日に対する差別は少なからずあったが、安倍政権になってから、排外主義がひどくなったと感じる。
 「拉致問題を前面に出せば、許されるわけではないのに、この傾向がますます強まっていくようで怖い」
 琉球大などで非常勤講師を務める女性史家の宮城晴美さん(六五)は「有事において、犠牲は立場の弱いマイノリティーに集まる。日本の中で沖縄はマイノリティー。その中で、社会的立場の弱い女性はさらにしわ寄せが来る」と訴える。「沖縄には国内の米軍施設の74%が集まるので、戦争になれば真っ先に標的になる。大勢が犠牲になった歴史が繰り返されてしまう
 安倍政権が沖縄を軽んじていることへの憤りもある。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対する翁長雄志(おながたけし)知事が上京しても、安倍晋三首相は面会しなかった。振興予算も減額された。
 「ふざけるな、という思いだが、沖縄の声はなかなか本土に届かない。東京で行われる行動は、思いを発信する良い機会。一回の行動ではどこまで伝わるか分からないが、これをきっかけに継続的に行動する

見せかけの平等

 NPO法人「mネット・民法改正情報ネットワーク」の坂本洋子理事長(五二)は、「いまの日本社会で、戦争が起きた場合、強い立場の男性の意見に従うことを強要され、女性や障害者ら少数派の意思は無視されかねない。男女平等と平和は不可分」と語る。
 イベント名の「女の平和」には、男女平等の観点からすると違和感があるという。それでも、安倍首相のちぐはぐな「女性活用」のことを考え、名称使用に賛成した。「女性が輝く社会をつくると言っているが、夫婦別姓ですら認めようとしない。もてはやされるのは、男性的な思考を持つ女性閣僚らばかり。道具として使われている女性からの反論を訴えたい
 参加者が身に着ける「赤いもの」は、「安倍政権に対するレッドカード」の意味だと言う。「戦争になったら、戦争反対を訴える男性も弾圧されると思う。平和を求める男性もぜひ、一緒に声を上げてほしい

日常壊さないで

 知的障害がある浅見寛子さん(五九)の成年後見人を務める姉豊子さん(六六)は「難しいことは言えないが、いまの平和がいつまでも続いてほしいと願っている」と語る。
 浅見さん姉妹は「障害者が社会から排除されている」と感じている。寛子さんが成年後見人制度によって選挙権を失ったことがあるからだ。
 民事訴訟で勝利し、二〇一三年五月の公選法改正で権利を回復した。昨年十二月の衆院選では投票所に足を運び、寛子さんは「良かった」とほっとした表情を見せたという。
 両親から太平洋戦争中の話を聞き、「人殺しはいけない」と教えられた。「戦争はいや、恐ろしい」(寛子さん)「戦争になると、どんな排除を受けることになるのか分からない」(豊子さん)
 年始の休みには、二人で東京・銀座に出掛けて、洋服やあんパン、カステラを買った。「何でもない日常に幸せを感じた。この平和な日常を壊さないでほしい

平和へ思いつなげ人間の鎖呼び掛けの女性に聞くデ

追記しました イスラム国から敵とみなされた?…この事態を引き起こしたのは誰だ!ねえ総理(;`O´

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今回のイスラム国邦人人質事件の解決のために、以下のことを要求したい!

一、日本は2億ドルの軍事援助をただちに撤回し、安倍総理は辞任して内閣総辞職したのちに、集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回し、平和愛好勢力に謝罪をしなさい。

一、アメリカを中心とした有志連合はただちに、空爆を止めて停戦交渉のテーブルにつくべし。アメリカはCIAを通じ、イスラエルはモサドを通じたイスラム国への謀略を停止せよ!

一、イスラム国は人道的見地に立ち直ちに日本人の人質を解放しなさい。そして、停戦交渉のテーブルにつくべし。




Message of the IslamicState to Japan
日本へのイスラム国家のメッセージ
سالة الدولة الإسلامية إلى اليابان

http://youtu.be/sDBmIr7JCXI

「日本の総理大臣へ。日本はイスラム国から8500キロ以上も離れたと­ころにあるが、イスラム国に対する十字軍にすすんで参加した。われわれの女性と子ども­を殺害し、イスラム教徒の家を破壊するために1億ドルを支援した。だから、この日本人­の男の解放には1億ドルかかる。それから、日本は、イスラム国の拡大を防ごうと、さら­に1億ドルを支援した。よって、この別の男の解放にはさらに1億ドルかかる」
「日本国民へ。日本政府はイスラム国に対抗するために愚かな決断をした。2人­の命を救うため、政府に2億ドルを払う賢い決断をさせるために圧力をかける時間はあと­72時間だ。さもなければ、このナイフが悪夢になる」



「はめられた」安倍総理の決定的な政治的ミス!
~イスラエル国旗と日章旗が並ぶ前で、
「イスラム国との戦い」を事実上宣言

(IWJ)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/226436
 イスラム国からの「犯行声明」、あるいは彼らをテロリストと呼び、彼らとの戦いを「対テロ戦争」と呼ぶなら、まさしく「宣戦布告」であるが、そうした声明をイスラエルに訪問しているタイミングで受けとった安倍総理の間の悪さについて、東京大学名誉教授の板垣雄三氏は、先ほど私の電話での取材に応じて、こう答えた。

岩上安身のインタビューに応える板垣雄三氏
2014年12月22日 岩上安身のインタビューに応える板垣雄三・東京大学名誉教授

 「ヨーロッパでイスラエルは孤立している。欧米とイスラエルにすれば、日本がしゃしゃり出てきたのはもっけの幸いでしょう。日章旗とイスラエルの旗が並んだその前で記者会見を行なうという、最悪の状況で『テロとの戦い』を宣言してしまった。これははめられましたね。安倍総理の決定的な政治的ミスです。一般のマスメディアは、イスラムは親日的だから、欧米の人質と違って、特別扱いしてくれるのではないか、などと言っておりますが、大間違いです」

 日本は泥沼の戦いに、何の覚悟もなく、引きずりこまれてゆくだろう、と板垣教授はみる。

 「日本はこのままだと、滅びの道をたどることになりますよ

 安倍総理は、ネタニヤフ首相と前に、イスラエルを「友人」と呼び、イスラム国を単なるテロリスト扱いした、そのツケは、これまで日本が官民あげて苦労して築いてきた対アラブ、対中東外交の積み上げを劇的に崩壊させてしまうかもしれない

(岩上安身)





要は、イスラエルを軍事支援するということ





対「イスラム国」最前線の街は…
(東京新聞)2015年1月19日
対「イスラム国」最前線の街は…

「イスラム国」最前線の街ルポ
 「私たちは茶番の犠牲者」

(東京新聞【こちら特報部】)2015年1月19日
http://www.tokyo-/article/tokuho/list/CK2015011902000172.html
 イラク西部とシリア東部をまたいだ地域で、「イスラム国」が国家樹立を宣言したのは昨年六月。「イスラム国」は九月、住民の大半がクルド人であるシリア北部のアインアルアラブ(クルド名でコバニ)に侵攻した。シリアのクルド人政党、民主連合党(PYD)が率いる民兵、人民保護部隊(YPG)と戦闘となり、約二十万人の住民がトルコ側に避難した。
(田原牧)

イスラム国最前線ルポ私たちは茶番の犠牲者_1

シリアから避難民20万人
関係国の思惑交錯

 イラク西部とシリア東部をまたいだ地域で、「イスラム国」が国家樹立を宣言したのは昨年六月。「イスラム国」は九月、住民の大半がクルド人であるシリア北部のアインアルアラブ(クルド名でコバニ)に侵攻した。シリアのクルド人政党、民主連合党(PYD)が率いる民兵、人民保護部隊(YPG)と戦闘となり、約二十万人の住民がトルコ側に避難した。
 米国など有志国連合が「イスラム国」を空爆する一方、地上ではイラクのクルド自治政府の防衛部隊「ペシュメルガ」、トルコの反政府武装組織、タルト労働者党(PKK)の部隊がYPGの応援に加わった。
 現在、戦況はこう着状態が続いているという。
 「(トルコ側の)スルチもクルド人の街だ。第一次世界大戦まではオスマン帝国の一角。戦後、英仏イスタンブールバグダッドを結ぶバグダッド鉄道(現在は休止中)沿いに国境線を引くまで、コバニとは一つの村のようだった
バグダード鉄道路線図
バグダード鉄道路線図

親類も多く、スルチ市民はコバニからの避難民たちを援助している」。スルチ在住のクルド人弁護士、ムスリム・バランさん(二八)はそう話した。
 シリア側からの避難民の総計は約二十万人。このうち、約十万人はトルコ政府が三ヵ所、スルチ市が五ヵ所設けたテント村に収容されている。政府のテント村は電気も通い、食料などの配給の質もよい。だが、市営を選ぶ避難民が多い。
 その理由をバランさんは「政府のテント村の臨時学校ではトルコ語が主体で、クルド語では教えない。これに対し、市営のテント村の学校はクルド語。テント村の出入りも、政府系は制限される」と説明した。
 どういうことか。トルコでは、クルド人は長く「不在」とされ、独立運動は弾圧されてきた。現在のイスラム主義公正発展党(AKP)政権はクルド勢力との対話にかじを切ったが、緊張関係は続いている。
 国境には多くの乗り捨てられた車が見えた。政府が営むテント村、ヤーテッリー・キャンプで、避難民のオズカンーサリーハさん(四五)は「コバニ市内から車で逃げたが、トルコ軍が車での越境を許さなかった。だから皆、車から降りて国境から市内までの八キロほどを歩かされた」と憤った。
 放置された車の一部は「イスラム国」が奪い、爆弾車に改造されて、攻撃に使われているという。
 「どこの避難家族も、親族から一人はYPGに参加している。だが、武器が貧弱なYPGより、(イラクから戦車で来た)ペシュメルガが千人も加われば、勝てる。しかし、トルコ政府は百五十人のペシュメルガしか、自国経由でのコバニ入りを認めなかった」
 背景には、今回の戦闘でタルト独立運動に弾みがつくことを警戒するトルコ政府の思惑がある。実際、バランさんは「クルド人はシリアアサド政権の行方に関心はない。それより、今回の件で互いに不仲だった各国のクルド勢力がまとまりつつある。独立への好機だ」と期待を寄せた。
 サリーハさんは「トルコ政府の第一の敵はクルド勢力だ。イスラム国とAKP政権は仲間だ。一方、イスラム国と懸命に戦わず、空爆でお茶を濁している米国とアサド(シリア大統領)も同類。私たちは茶番の犠牲者だ」となじった。

イスラム国最前線ルポ私たちは茶番の犠牲者_2

米多国籍軍参加へ傾く 安倍政権

 中東政治の糸は常に絡まっている。「イスラム国」をめぐる構図も同様だ。
 コバニを「イスラム国」に追われたクルド人避難民らは、この過激派の台頭や地域支配は「イスラム国」が強いためではなく、周辺国や政治勢力、大国の不一致が許した結果とみる。
 確かに「イスラム国」は自力で台頭したわけではない。イラクでは、シーア派政権に抑圧されたスンニ派中心の旧フセイン政権残党が力を貸した。シリアでは、アサド政権が他の反政府武装勢力に内ゲバを仕掛ける「イスラム国」を泳がせていた
 現在、「イスラム国」は関係国の政治的カードと化している。一例では、アサド政権は欧米諸国に対し、「イスラム国」との戦いを政権の承認と引き換えにしようとしている。言い換えれば、アサド政権は自らの政権を欧米が認めぬ限り、全力では戦わない
 米国を含む十指に近い反「イスラム国」関係国と政治勢力は協調するどころか、対立し、その間隙(かんげき)に「イスラム国」は存在している。
 日本は現在まで、米国の介入が限定的なため、対「イスラム国」の軍事作戦には参加していない。
 だが、安倍政権は日米同盟の血盟化ともいえる集団的自衛権行使容認の法制化に前のめりだ。さらにパリでの銃撃テロで「対テロ包囲網」強化の空気が増す。軍事作戦への自衛隊派遣が、将来的にもないと断言できるのだろうか
 軍事評論家の前田哲男さんは「米国の判断によっては、日本が今後、対『イスラム国』の軍事作戦に参加する可能性は否定できないだろう」と推測する。
 安倍政権は後方支援を目的とした自衛隊の海外派遣恒久法制定の検討を始めている。「安倍政権はペルシャ湾ホルムズ海峡での機雷掃海活動への自衛隊派遣にも意欲を示している。機雷の敷設も、その掃海も武力行使。これはイランを標的にした米国の地域戦争に加わることを意味する
 前触れ的な既成事実づくりも進んでいるという。
 「二〇〇九年からのソマリア沖の海賊への対処活動でも、当初は自衛隊の護衛艦は航行する船団の護送役だった。ところが、一三年十二月からは、広域な海域を監視警戒する米国主導の多国籍艦隊(第151合同任務部隊)の作戦に護衛艦を派遣している
 こうした動きの延長線上に、自衛隊が米国主導の対「イスラム国」有志国連合に参加する可能性はあると、前田さんは考えている。
 だが、「イスラム国」をめぐる紛争で現在、求められていることは関係国や政治勢力の協調だ。軍事力ではなく、関係各国や政治勢力の間の歴史的、宗教(宗派)的なあつれきと距離の置ける第三国の仲介(外交力)が必要になっている
 一九九〇年代まで日本はそうした仲介外交により、中東でも存在感を示していた。断交したイランと米国双方に日本は友好関係を維持し、両国間の仲介を担える立場にあった。
 パレスチナ和平においても、白本は国連、欧州連合(EU)、米国、ロシアと並ぶ五極の一つに名を連ねていた。イスラム、キリスト教、ユダヤ教の対立に巻き込まれず、イスラエルと密接な米国からも独自姿勢をとることで、栄誉ある地位を保っていた。だが、その後の「日米同盟」」辺倒の政策で、その座から滑り落ち、現在は四極だ
 本来、安全保障は軍事力には頼れない。むしろ、血にまみれていない手で外交力を発揮し、国際社会から敬意を得られれば、それこそが国際テロからも最強の防波堤になり得る。
 前出のサリーハさんは「日本のような地域の対立から独立した大国が、公正な仲介者として関係国を調整してほしい。私たちが国家間の犠牲になるのは、もうたくさんだ」と訴えた。(…もう手遅れ(´・ω・`))
(田原牧、写真も)

 クルド民族 独自国家を持たない世界最大の民族。トルコ、イラク北部、イラン北西部、シリア北東部に分布し、総人口は2500万~3000万人(推定)。その半数はトルコで暮らす。独自言語(クルド語)を話し、大半がイスラム教徒。

イスラム国最前線ルポ私たちは茶番の犠牲者デスク



シリア難民「燃料もパンも希望もない」
内戦4年 吹雪で死者も
(しんぶん赤旗)2015年1月16日
シリア難民「燃料もパンも希望もない」


Lawrence Of Arabia

http://youtu.be/zmr1iSG3RTA
Thomas Edward Lawrence
lawrence of arabia Derailment



集団的自衛権の根拠具体化
 「存立事態」盛り込む
「他国に攻撃」で自衛隊出動
内閣が調整

(しんぶん赤旗)2015年1月19日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2015-01-19/2015011901_01_1.html
 安倍内閣と自民党は、集団的自衛権を行使する場合の自衛隊の出動要件として、新たに「存立事態」という概念を自衛隊法や武力攻撃事態法に盛り込む方向で調整しています。集団的自衛権行使容認の「閣議決定」(昨年7月1日)を踏まえての安保法制整備の中心テーマの一つで、集団的自衛権行使の法律上の根拠を具体化するものです。

集団的自衛権の根拠具体化 「存立事態」盛り込む

 安倍内閣は、自衛権発動の新3要件に基づき、「日本の存立が脅かされる」と判断すれば、地理的な制約なく世界中に自衛隊出動を認めたい考えで、与党内調整を経て、26日召集予定の通常国会に改定案を提出します。自民・公明両党の水面下協議は昨年末から続いており、2月には公式協議に移行するとの観測も出されています。

 ただ、国民の批判が強いため、予算案の審議や4月のいっせい地方選への影響を恐れて、法案提出は5月の連休明けまで先送りする見通しです。

 安倍内閣は「閣議決定」で「他国に対する武力攻撃が発生」した場合に、「わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険」が生じれば、集団的自衛権の行使は可能としました。法律上、この状態を「存立事態」と定義し、自衛隊法が定める自衛隊の出動規定を見直すものです。しかし「(我が国の)存立事態」といっても、日本に対する攻撃ではなく他国に対する武力攻撃に「反撃」するためのもので、その本質は「他国事態」です

 また、現行の武力攻撃事態法は、日本への武力攻撃が「発生」または発生する危険性が高まった(切迫)状態を「武力攻撃事態」と定義付け、首相の防衛出動命令で自衛隊が実力行使できると定めています。同法改定案にも、こうした規定に加えて「存立事態」を新設し、同盟国である米国への攻撃なども自衛隊の出動要件を満たすと位置付け、国民や地方自治体を動員することも狙っています





どこへ行く自衛隊…海外派遣恒久法とは
(東京新聞【こちら特報部】)2015年1月7日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015010702000151.html
 米軍など他国軍の戦闘を支援するため、いつでも自衛隊を海外に派遣できる恒久法の制定を検討する安倍政権。これまでは自衛隊の海外派遣ごとに有効期限を示した時限法をつくって制約を設けてきたが、その手間をなくし、素早く派遣しようというわけだ。その分、歯止めは怪しくなる。自衛隊の活動が際限なく広がり、憲法が禁じる域にまで及ぶ恐れがある。これは専守防衛、平和主義からの積極的な逸脱ではないか。
(沢田千秋、榊原崇仁)

どこへ行く自衛隊…海外派遣恒久法とは_1

「国際社会要請」 政府に決定権
「イスラム国」も想定か

 「国民の命と暮らしは断固として守り抜く。そのための新たな安保法制を整備していく」。安倍晋三首相は五日の年頭会見で、安全保障関連の法整備に強い決意を示した。昨年末に就任した中谷元防衛相も「国際的活動でいかなる対応ができるか原則的に定めておくべきだ」と述べ、自衛隊の海外派遣に関する恒久法の必要性を強調。政府は今春にも国会に法案を提出する意向だ。
 恒久法とは、有効期限を示していない一般法。自衛隊は、自国が攻撃を受けた場合に反撃する個別的自衛権行使は認められているが、「国際紛争を解決する手段としての武力行使」や「他国軍の武力行使との一体化」は憲法違反とされてきた。このため、自衛隊の海外派遣に際しては根拠法をつくり、憲法に触れないよう活動内容や派遣要件を制約している
 今、自衛隊の海外派遣に関する恒久法は二つある。一九八七年成立の国際緊急援助隊派遣法は、地震や津波など海外での大規模災害で、救助、医療、復旧活動を任務とする。国連平和維持活動(PKO)協力法は、国連が行う紛争の解決や再発防止活動に自衛隊の参加を規定。九二年に成立した際、激しい議論が巻き起こった。災害やPKOへの派遣は恒久法で定めるのに対し、他国軍への支援は時限立法による特別措置法で、その都度対応してきた。
 二〇〇一年、米中枢同時テロを受けた米軍のアフガニスタン攻撃を支援するためテロ対策特措法が成立。海自のイージス艦や補給艦がインド洋でレーダー監視や給油を行った。また、イラク戦争の際、○三年のイラク復興支援特措法に基づき、自衛隊はイラク・サマワで宿営地を築き、○九年まで学校建設や給水活動などに従事した。PKO協力法に基づく自衛隊の海外派遣先は現在、アフリカ・南スーダンだけだ。
 中谷防衛相は「自衛隊を海外派遣するには(恒久法では)PKO協力法しかない」と現行法制に不満を示す。恒久法が必要な理由について、自民党内には「特措法は国会審議に時間がかかるため、国際情勢に迅速に対応できない」との意見が多いというが、理由はそれだけなのか
 元防衛副大臣の渡辺周衆院議員(民主)は「政府の念頭にあるのは『イスラム国』への対応だろう。国際社会がイスラム国への武力行使に出た場合、日本も当然、米国の盟友として支援を求められる。特措法の審議をすれば反対意見が噴出する。しかし、恒久法があれば『国際社会の要請』のひと言で派遣できる」と懸念する。

どこへ行く自衛隊…海外派遣恒久法とは_2

違憲?他国軍と一体化
国会事後承認の 考えも政府内に

 懸念はそれだけにとどまらない。政府は自衛隊の海外派遣の恒久法制定とセットで、周辺事態法の廃止も検討しているとされる。
 朝鮮半島有事を想定して一九九九年に成立した周辺事態法は、自衛隊の他国軍支援の在り方を定めており、日本周辺での米軍の支援のみ認めている。廃止されると、自衛隊の活動範囲に地理的制約をなくす法整備が進む公算が大きい
 この流れは、昨年十月にまとまった日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の再改定に向けた中間
報告からもうかがえる。
 従来の指針では日米協力の場面について、①平時②日本が武力攻撃された有事③日本の近辺で起きる周辺事態-の三つを想定した。これに対し、中間報告では周辺事態という言葉が消えた一方、「将来の日米防衛協力がグローバルな性質を持つ」と強調された。
 そもそも、自衛隊が他国軍による戦闘に巻き込まれかねない下地は既にできつつある。昨年七月の集団的自衛権の行使を容認する閣議決定で、自衛隊の活動範囲は「非戦闘地域」から「現に戦闘を行っている現場」以外に変更された。銃弾が飛び交う戦闘中でなければ自衛隊の活動を認め、例えば、街が燃えている状況でも戦闘後なら派遣を可能とした
 この流れに沿って海外派遣の恒久法ができれば、厳格なチェックがないまま、リスクの高い場所に自衛隊が派遣される恐れは格段に高まる。事実、与党の公明党内にも「恒久法によって自国防衛と関係のない自衛隊海外派遣が増える」との慎重論は根強い。

自衛官や邦人 危険さらす懸念

 山口大の纐纈(こうけつ)厚教授(政治学)は「衛隊がイスラム国に向かうことは十分にありうる。イスラム国が日本に直接、脅威を及ぼしていないにもかかわらずだ。当然、相手は敵国と見なす。場合によっては在留邦人、留学生らも巻き込まれてしまう」と指摘する。
 政府内では、派遣の国会承認は事後的に行えば良いとする考えもあり、「時の政権が思いのままに派遣し、自衛官や日本国民を危険にさらす事態が生じかねない」と話す。
 政府は自衛隊を海外派遣するとしても、戦闘地の後方の支援にとどめる方針とされる。しかし、元防衛官僚で内閣官房副長官補を務めた柳沢協二氏は「後方支援だから安全とは到底言い切れない」と懐疑的な見方を示す。「物資を輸送する後方支援部隊は戦略上、狙われやすい。戦闘能力が低いうえ、武器や食糧がなくなれば戦えなくなるからだ
 その上で「政府の頭にあるのは、イラク戦争アフガン戦争のような場で米国と共闘するということ。そのために自衛隊の海外派遣を容易にする法整備を急いでいる。この流れで考えた場合、果たして後方支援のみでとどまるのか。憲法違反とされる『他国軍の武力行使との一体化』という状況まで生まれないか」と疑う。
 元外務官僚で政治学者の浅井基文氏は「集団的自衛権をめぐる解釈も強引に変えてきたのが今の政権。海外派遣の恒久法を契機にして、『他国軍の武力行使との一体化も合憲』と言い出すのではないか。最初は国民の反発を招かないよう、無難な派遣で終始するだろう。しかし、だまされてはいけない」としている。

どこへ行く自衛隊…海外派遣恒久法とは_デスクメモ

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